(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-07
(45)【発行日】2022-02-16
(54)【発明の名称】L-4-クロロキヌレニンの剤形及び治療的使用
(51)【国際特許分類】
A61K 31/198 20060101AFI20220208BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20220208BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20220208BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20220208BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20220208BHJP
【FI】
A61K31/198
A61P25/00
A61P25/04
A61K9/20
A61K9/48
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020115273
(22)【出願日】2020-07-03
(62)【分割の表示】P 2018171786の分割
【原出願日】2014-01-22
【審査請求日】2020-07-30
(32)【優先日】2013-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515198393
【氏名又は名称】ヴィスタゲン セラピューティクス、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スノッドグラス、エイチ.、ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】ケイトウ、アレン、イー.
(72)【発明者】
【氏名】ヒックリン、ジャック、エス.
【審査官】中村 浩
(56)【参考文献】
【文献】Current Topics in Medicinal Chemistry,2006年,Vol.6,pp.809-821
【文献】Eur. J. Pharmacol., 2000, Vol.390, No.3, pp.267-274
【文献】Clin. Interv. Aging, 2010, Vol.5, pp.229-238
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00-31/44
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療有効量のL-4-クロロキヌレニンを含む、
神経障害性疼痛を治療するための医薬組成物。
【請求項2】
単位用量当たり約50mgから約1,800mgの量のL-4-クロロキヌレニンと薬学的に許容される成分とを含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
単位用量当たり約360mgから約1,440mgの量のL-4-クロロキヌレニンと薬学的に許容される成分とを含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
神経障害性疼痛が、痛覚過敏である、請求項1又は3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
神経障害性疼痛が、糖尿病に関連する、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
神経障害性疼痛が、化学療法に関連する、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
神経障害性疼痛が、切断に関連する、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
神経障害性疼痛が、末梢性
神経障害性疼痛である、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
神経障害性疼痛が、中枢性
神経障害性疼痛である、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
単位用量剤型が、L-4-クロロキヌレニン及び薬学的に許容される成分から本質的に
なる錠剤又はカプセルである、請求項1~9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2013年1月22日出願の「L-4-クロロキヌレニンの剤形及び治療的使用」と題された米国仮特許出願第61/849,191号の優先権を主張し、その内容全体を参照により本明細書に組み込む。
【0002】
連邦政府による資金提供を受けた研究についての記載
本出願において示されるデータは、少なくとも部分的に米国国立衛生研究所(U.S.National Institutes of Health)による助成金交付番号2R44DA018515-02の援助により得られた。米国政府は、本発明において一定の権利を有する。
【0003】
本発明は、単位用量の形態のL-4-クロロキヌレニン(L-4-Cl-KYN)の組成物及び神経学的状態の治療のためのこれらの組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0004】
グルタミン酸は、哺乳動物の中枢神経系における主な興奮性神経伝達物質であり、いくつかの異なる経路の調節に関与している。過剰な内因性グルタミン酸と、脳虚血、てんかん、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、パーキンソン病及びアルツハイマー病などの急性及び慢性の様々な神経学的障害との関連性が報告されている。
【0005】
N-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体(NMDA-R)による過活動性のグルタミン酸作動性伝達は、例えば、神経障害性疼痛など、いくつかの神経学的状態で最重要な役割を果たすことが知られている。しかしながら、直接作用型のNMDA-Rアンタゴニストは、精神病などのいくつかの副作用を引き起こし、この副作用によって、これらの治療上の有用性が制限されている。NMDA-Rの拮抗作用はまた、グリシンB(GlyB)コアゴニスト部位として公知のNMDA-R上の修飾部位を遮断することによって達成される可能性もある(参考文献8、及びこの参照に関する引用並びにこの方式において引用したその他の文献は、下記に示される)。古典的なNMDA-Rアンタゴニストと比較した場合、GlyBアンタゴニストは、安全性プロファイルがより良好であり、「古典的」NMDA-Rアンタゴニストに関連する有害な副作用を引き起こさない(参考文献1、6及び10)。
【0006】
GlyBアンタゴニストはまた、ex vivo及び動物神経障害性疼痛モデルにおいて痛覚過敏及び異痛症を軽減し、古典的NMDA-Rアンタゴニストよりも副作用が少なく、潜在的な鎮痛薬としてより安全な代替物となることも知られている。例えば、参考文献2を参照されたい。
【0007】
現在知られている最も強力且つ特異的なGlyBアンタゴニストの1つは、7-クロロキヌレン酸(7-Cl-KYNA)であり、これは、内因性神経修飾物質であるキヌレン酸の塩素化された合成の類似体である。7-クロロキヌレン酸は、興奮毒性及び虚血性のニューロン損傷を予防することが示されているが、ほとんどのGlyBアンタゴニストと同様に、血液-脳関門を通らない。したがって、その臨床上の使用が限られる。(参考文献4及び9)。
【0008】
それに対して、7-クロロキヌレン酸のプロドラッグであるL-4-クロロキヌレニンは、投与後、中枢神経系(CNS)に容易に侵入する。(参考文献3、5、11及び12)。L-4-クロロキヌレニンは、活性化された星状細胞内で7-クロロキヌレン酸に効率的に変換され(参考文献5)、7-クロロキヌレン酸の脳レベルは、星状細胞が活性化された結果、ニューロンの傷害又は興奮毒性による損傷部位で増大する(参考文献5)。
【0009】
非臨床試験において、L-4-クロロキヌレニンは、ラットにおいて抗けいれん活性を示した。(参考文献11)。この化合物はまた、ラットの脳内のドーパミン作動性ニューロンの発火頻度及びバースト発火活性を高めることも判明した。(参考文献7)。
【0010】
L-4-クロロキヌレニンを含めた4,6-二置換キヌレニン誘導体のクラスを合成するための方法、及びNMDA受容体に対するアンタゴニストとしてのそれらの使用は、Palfreymanら(1996年)による米国特許第5,547,991号に記載された。これらの化合物を含有する医薬組成物、及びそれらの治療的使用もまた記載された。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明及び様々な実施形態は、本特許出願の一部を形成する特許請求の範囲に記載される。
【0012】
上述したことを限定せずに、好ましい態様において、本発明は、担体及び添加剤などの薬学的に許容される成分と共に、単位用量当たり約360、1,080若しくは1,440mgの量のL-4-クロロキヌレニンから本質的に成る医薬組成物に関する。本発明の別の態様は、神経機能障害によって引き起こされる状態、障害及び疾患を治療するためのこれらの化合物の治療有効量の投与を含む。
【0013】
本発明の別の態様は、1から約14日又は1から約30日、より好ましくは約7から約24日、最も好ましくは約12から約16日までの1日投与量の投与など、本発明の組成物についての投薬プロトコールに関する。
【0014】
本発明の別の好ましい態様は、組成物並びに治療有効量のL-4-クロロキヌレニンを投与することによる、うつ病の治療、及び痛覚過敏など様々なタイプの疼痛の治療のための方法に関する。
【0015】
別の態様では、本発明は、本出願に記載される7-クロロキヌレン酸の血漿中レベルがもたらされる量でL-4-クロロキヌレニンを投与するための、医薬組成物及び関連の治療方法に関する。本発明の好ましい態様は、約15ng/mLから550ng/mLの範囲内の7-クロロキヌレン酸の血漿中レベルがもたらされるのに十分な用量のL-4-クロロキヌレニンの投与に関する。
【0016】
本発明の別の態様は、L-DOPAと本出願に記載されるL-4-クロロキヌレニンの医薬組成物とを含む配合物を含む、組合せ医薬品及び関連方法に関し、さらに、L-DOPA関連ジスキネジアを軽減するために、本出願に記載される投与量でそれらを同時又は逐次的に共投与することに関する。
【0017】
特許出願及び刊行物など本明細書で引用されたすべての参考文献は、参照によりその全体が組み込まれる。
【0018】
以下の図は、後述され、本明細書の一部に組み込まれ、本明細書の一部を構成するものであるが、本開示による模範的な実施形態を例示し、本発明の範囲を制限するものとみなされるべきではなく、本発明について他の等しく有効な実施形態も許容され得る。これらの図は、必ずしも原寸に比例しておらず、これらの図面の所定の機構や所定の表示は、明瞭且つ簡潔にする目的で所定の縮尺又は図式で誇張して示される場合もある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】L-4-クロロキヌレニンの1日1回量を経口投与した後の1日目及び14日目のL-4-クロロキヌレニンの平均(n=12又は13)血漿濃度を示す図である。
【0020】
【
図2】L-4-クロロキヌレニンの1日1回量を経口投与した後の1日目及び14日目の7-クロロキヌレン酸の平均(n=12又は13)血漿濃度を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、詳細な例示的な実施形態を参照しながら本発明を説明する。本発明は、広範囲の形態で具現することができ、その中のいくつかは開示された実施形態のものとかなり異なる場合があることが理解されよう。結果として、以下に開示した特定の構造上及び機能上の詳細な記述は代表的なものに過ぎず、本発明の範囲を制限するものではない。
【0022】
国立衛生研究所からの助成金により援助された研究において、L-4-クロロキヌレニン(VistaGen AV-101としても公知)は、副作用の証拠がない、末梢組織炎症及び神経損傷の3種の動物モデルにおいて強力な痛覚過敏抑制(antihyperalgesic)作用を有することが示された。該して、L-4-クロロキヌレニンは、動物モデルにおいて忍容性がよく、さらに動物モデルにおいて痛覚過敏抑制効果をもたらす用量では安全性も毒性も生じなかった。
【0023】
本発明は、L-4-クロロキヌレニンの所定用量が、実質的な副作用又は任意の有意な有害作用もなく、ヒトにおいて実際に安全性及び忍容性があるという本発明者らの臨床所見に基づいている。さらに、かかる投与量で、対象によって、神経障害性疼痛、詳細には、痛覚過敏疼痛の除去が報告されたことが驚くべきことに判明した。本化合物は、痛覚過敏抑制作用がある。また驚くべきことに、臨床試験における対象のかなりの数が、抗うつ活性の指標である、L-4-クロロキヌレニンの投与による「満足(well-being)」という肯定的な感情を報告したが、これはプラセボ対照によっては報告されなかったことも判明した。
【0024】
本発明は、(a)化学療法及び抗ウイルス薬に起因するなどの傷害及び薬物毒性;(b)疾患及び神経変性障害、例えば、糖尿病、癌、ウイルス感染症、多発性硬化症、脊椎炎、多発神経炎、手術、切断、てんかん、けいれん、パーキンソン病、ハンチントン病、及びアルツハイマー病、並びにN-メチル-D-アスパラギン酸受容体を介する過活動性のグルタミン酸作動性伝達が関与する疾患及び状態など;並びに(c)うつ病及び他の精神障害と関連した神経伝達物質、受容体及びシグナル伝達経路の不均衡によって引き起こされるものなど、様々なタイプの神経学的障害、(中枢及び末梢両方の)ニューロパチー及び機能障害を治療するための組成物及び治療方法に関する。特に、これらに限定されないが、神経原性疼痛、自発痛、異痛症痛覚過敏疼痛、機械的痛覚過敏疼痛及び温熱性痛覚過敏疼痛(heat hyperalgesia pain)などの疼痛の治療が考えられる。さらに本発明の一態様として、うつ病の治療も明確に考えられる。
【0025】
定義
薬学的に活性な薬剤のある特定の量から「本質的に成る」とは、その薬剤の追加の量がないことを意味する。例えば、添加剤及び/又は滑沢剤などの他の成分、又は組み合わせた異なる薬学的に活性な成分の存在は、除外されない。例えば、L-DOPAと4-クロロキヌレニン(cholorkynurenine)との組合せが特に考えられ、同様に、これらを投与するための、4-クロロキヌレニンと、同時又は逐次的のいずれかで、ただしそれらが単一の組合せ医薬品として投与された場合と実質的に同じ治療効果が生じるような時間枠で投与される別の有効成分とを含む他の組成物及び方法も考えられる。
【0026】
「薬剤単位用量」、「単位用量」又は「単位用量の形態」とは、対象に投与することが可能であり、物理的に及び化学的に安定した単位用量の状態のまま容易に取り扱い包装することができるL-4-クロロキヌレニンの単回用量を意味する。
【0027】
「治療上有効な」とは、投与されて7-クロロキヌレン酸に変換された所定量のL-4-クロロキヌレニンが、神経障害性疼痛の減少、又は満足であるという気持ちの増進などの神経機能の臨床上の改善をもたらすのに十分な程度にNMDA-R媒介シグナル伝達をダウンレギュレートするように作用することを意味する。
【0028】
「有意な有害作用がない」とは、L-4-クロロキヌレニンが投与されるほぼすべての患者が、米国食品医薬品局(FDA)によって規定されたような「軽度の」有害事象を決して超えないということを意味する。FDAによれば、「軽度の有害事象」は、対象が受け入れやすく、生じる不快感が最小限であり、日常の活動を妨げない事象と定義される。これに対して、「中等度の有害事象」は、その事象によって正常な日常の活動が妨げられるほど不快である事象である。
【0029】
医薬組成物
L-4-クロロキヌレニンは、米国特許第5,547,991号のPalfreymanらの方法によって合成されている。またより最近の合成方法も、Salituroらの「ストリキニン非感受性グリシンの酵素活性アンタゴニスト/NMDA受容体(Enzyme-Activated Antagonists of the Strychnine-Insensitive Glycine/NMDA Receptor)」、J.Med.Chem.1994年;37-334,336などの医学文献で報告されている。L-4-クロロキヌレニンはまた、BOC Sciences(Shirley、NY、USA)及びAdvanced Technology & Industrial Co.,Ltd.(Hong Kong、China)などの様々な供給元からも市販されている。Cambridge Major Laboratories(Germantown、WI、USA)は、本特許出願で論じられている臨床試験で用いられたL-4-クロロキヌレニンを製造した。
【0030】
本発明の好ましい実施形態は、経口投与用に配合される、治療有効量のL-4-クロロキヌレニンの単位用量を、薬学的に許容される担体及び添加剤と共に含む医薬組成物に関する。
【0031】
本発明の医薬組成物は、本発明によるL-4-クロロキヌレニンを含有し、本出願に記載されている7-クロロキヌレン酸の血漿中レベルをもたらすあらゆる医薬品の形態で配合することができる。本発明に関して記載された範囲内で投与されるL-4-クロロキヌレニンの正確な投与量は、安全及び有効なものであり、さらに、本特許出願の
図2及び他所で記載されたL-4-クロロキヌレニンの投与により7-クロロキヌレン酸の血漿中レベルをもたらすと考えられる。したがって、約15ng/mLから約65ng/m、約65ng/mLから約300ng/mL及び約300ng/mLから約550ng/mLまでの7-クロロキヌレン酸の血漿の範囲が特に考えられる。さらに、4-クロロキヌレニン(cholokynurenine)レベルを7-クロロキヌレン酸(cholokynurenic acid)の治療有効量まで上昇させる時間を延長するために、本発明の単位用量配合物を1日1回又は複数回投与し得ることも考えられる。
【0032】
経口投与用のL-4-クロロキヌレニンの単位用量の医薬組成物は、好ましくは約50mgから約1,800mg、より好ましくは約260mgから約1,540mg、より好ましくは、約260mgから約460mg、約310mgから約410mg、約980mgから約1,180mg、約1,030mgから約1,130mg、約1,340から約1,540mg、約1,390mgから約1,490mg、最も好ましくは約360、1,080又は1,440mgを含有する。
【0033】
本発明の組成物用の投与レジメンは、治療上有効であると考えられる。前述した通り、1日の投与レジメンが考えられ、これは、患者の医師によって決定されるより短期及びより長期の投薬レジメン(regimes)を含めて、好ましくは、約5から約30日までとなるはずである。詳細には、約7から約24日、及び約12から約16日の投薬レジメンが、特に考えられる。
【0034】
本発明の好ましい態様は、L-DOPAの維持量(通常、医師によって各患者について経験に基づき決定される)に伴うジスキネジアを軽減するため;又はL-DOPAの最小有効量を減らし、それによって、ジスキネジアの発症を遅延させ且つ/又は重症度を低くするためのL-DOPAと併せた4-クロロキヌレニンの投与を含む。本発明による医薬組成物は、L-DOPAと組み合わせて、同時に又は時間を十分に近接させて投与して、L-DOPA投与の副作用を寛解させることができる。L-DOPAの投与に関するプロトコールは周知であり、同様に関連するジスキネジアも周知である。例えば、Tambasco,N.ら、「レボドパ誘発性ジスキネジアの臨床面及び管理(Clinical Aspects and Management of Levodopa-Induces Dyskinesia)」、Parkinson’s Disease 2012年、Article ID745947、doi:10.1155/2012/745947を参照されたい。
【0035】
本発明による医薬組成物は、例えば、錠剤、カプセル剤、液体懸濁液、固溶体、ソフトゲル、注射剤、局所若しくは経皮、又は坐剤及び経鼻送達であってもよい。さらに、本発明の医薬組成物はまた、これらに限定されないが、二峰性又は延長放出の形態などの調節放出の形態であってもよい。
【0036】
一般に、本発明の医薬組成物は、医薬製剤の技術分野で知られる従来の方法により調製することができる。例えば、参照により本明細書に組み込まれるRemington’s Pharmaceutical Sciences、第18版、(Mack Publishing Company、Easton、Pa.、1990年)を参照されたい。固形剤形では、L-4-クロロキヌレニンは、例えば、クエン酸ナトリウム若しくはリン酸二カルシウムなどの少なくとも1種の薬学的に許容される添加剤、又は(a)充填剤若しくは増量剤、例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、及びケイ酸など、(b)結合剤、例えば、セルロース誘導体、デンプン、アリグナート(alignates)、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、及びアラビアゴムなど、(c)保湿剤、例えば、グリセロールなど、(d)崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、バレイショデンプン、タピオカデンプン、アルギン酸、クロスカルメロースナトリウム、ケイ酸塩複合体(complex silicates)、及び炭酸ナトリウムなど、(e)溶解抑制剤(solution retarder)、例えば、パラフィンなど、(f)吸収促進剤、例えば、第4級アンモニウム化合物など、(g)湿潤剤、例えば、セチルアルコール、及びグリセロールモノステアレート、ステアリン酸マグネシウムなど、(h)吸着剤、例えば、カオリン及びベントナイトなど、並びに(i)滑沢剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムなど、或いはそれらの混合物と混合することができる。カプセル剤、錠剤、及び丸剤の場合では、これらの剤形は、緩衝剤も含むことができる。
【0037】
医薬製剤分野で公知の薬学的に許容されるアジュバントは、本発明の医薬組成物に用いることもできる。これらには、これらに限定されないが、保存剤、湿潤剤、懸濁化剤、甘味剤、矯味剤、芳香剤(perfuming agent)、乳化剤、及び予製剤(dispensing agent)が含まれる。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などを含むことにより確実にすることができる。等張剤、例えば、糖類、塩化ナトリウムなどを含むことが望ましいこともある。所望により、本発明の医薬組成物は、湿潤剤又は乳化剤、pH緩衝剤、酸化防止剤などの微量の補助的な物質、例えば、クエン酸、モノラウリン酸ソルビタン、トリエタノールアミンオレエート、ブチル化ヒドロキシトルエンなどを含有することもできる。
【0038】
前述した固形剤形は、コーティング及びシェル、例えば、腸溶コーティング及び当技術分野で周知の他のものなどで調製することができる。固形剤形は、緩和剤(pacifying agent)を含有することができ、固形剤形が遅延方式で腸管のある特定の部分で活性化合物(単数又は複数)を放出するかかる組成物の性質をも有し得る。用いることができる包埋された組成物の限定しない例は、ポリマー物質及びろうである。活性化合物はまた、適切な場合は、上記の添加剤のうちの1種若しくは複数を含む、マイクロカプセル化した形態となってもよい。
【0039】
活性化合物に加えて懸濁液は、懸濁化剤、例えば、エトキシ化されたイソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びポリオキシエチレンソルビタンエステル、微結晶セルロース、アルミニウムメタヒドロオキシド、ベントナイト、寒天及びトラガカントなど、又はこれらの物質の混合物などを含有することができる。
【0040】
直腸投与用の組成物は、本発明による結晶ゲニステインナトリウム塩二水和物を、例えば、適当な非刺激性の添加剤又は担体、カカオバター、ポリエチレングリコール若しくは坐剤ロウなどと混合することにより調製することができる坐剤であり、これは、常温で固体となり得るが、体温で液体となり得、したがって、適当な体腔内にある間に融解し、その体腔内で活性がある構成成分を放出する。
【0041】
臨床試験:
第1b相一施設ランダム化二重盲検プラセボ対照試験を、健常な男性及び女性対象においてAV-101の多回経口投与に関して実施した。対象を、3コホート(360、1,080、及び1,440mg)のうちの1コホートにランダム化し、対象に連続14日間、1日経口用量を服用させた。各コホートには、最初に実薬に対して12名の対象が含まれ、プラセボに対して4名の対象が含まれた。安全性、薬物動態(PK)、治療の忍容性、及びカプサイシン誘発性痛覚過敏に対するAV-101の痛覚過敏抑制効果を評価した。
【0042】
AV-101(L-4-クロロキヌレニン)及びその活性代謝産物7-クロロキヌレン酸の単一投与及び多回投与PKプロファイルを決定するために、血漿濃度対時間プロファイルから次のPKパラメーターを算出した。すなわち、最高薬物濃度(Cmax)、消失半減期(t1/2)、最高薬物濃度到達時間(Tmax)、時間0から最終測定可能濃度の時間までの血漿中試験薬濃度対時間曲線下面積(AUC0-t)及び時間0から無限大まで外挿した血漿中試験薬濃度対時間曲線下面積(AUC0-∞)である。
【0043】
6mLのリチウムヘパリンヴァキュテーナー管に血液を収集した。サンプルを遠心分離し、血漿を細胞から分離し、遠心分離後30分以内に凍結した。遠心分離したサンプルをフリーザーに入れるまで、氷上に置いた。分析のために受託業者に発送するまで、血漿サンプルをおよそ-20℃で凍結して貯蔵した。
【0044】
1日目及び14日目に薬物を投与する前に、ベースラインサンプル(0分)を収集した。次いで、1日目及び14日目の投薬の0.5、1、1.5、2、4、6、8、12及び24時間後にサンプルを収集した。
【0045】
ヒト血漿中で7-クロロキヌレン酸及びL-4-クロロキヌレニンを決定するために、タンデム質量分析アッセイを伴う液体クロマトグラフィーを用いた。標準的な曲線の範囲は、7-クロロキヌレン酸では2.00から1,000ng/mLまでであり、定量の下限は2.00ng/mLであった。標準的な曲線の範囲は、L-4-Cl-KYNでは、0.05から50μg/mLまでであり、定量の下限は0.05μg/mLであった。アッセイはどちらも、血漿試料容積50.0μLを用いた。
【0046】
AV-101のPKを、試験中の用量の範囲全体にわたり十分に特徴付けた。経口用量360、1,080、又は1,440mgを1日1回単回及び多回投与後にL-4-クロロキヌレニン及び7-クロロキヌレン酸について得られた血漿濃度-時間プロファイルは、両方の被検体の経口用量の急速な吸収及び1次消失と一致し、特に、代謝産物7-クロロキヌレン酸については、多区画速度論の証拠を示した。用量レベルが増加するにつれて、平均L-4-クロロキヌレニンTmax値は増加し、最高用量群の場合では、2時間近くで到達した。平均t1/2値は、1.64から1.82時間までの範囲であり、用量全体にわたってほとんど一致した。平均L-4-クロロキヌレニンCmax及びAUC0-∞値は、比例していないが、ほぼ用量直線であるようにみえた。1日目の平均Cmax値は、360mg投与後の27.7μg/mLから1,440mg投与後の64.4μg/mLまでの範囲であった。1日目の平均AUC0-t値は、最低用量の投与後の64μg・h/mLから1,440mg投与後の196μg・h/mLまでの範囲であった。時間の大部分の平均Cmax及びAUC0-t値は、1日目の値よりも14日目の方がわずかに低かった。
【0047】
一般に、代謝産物について予想通り、7-クロロキヌレン酸最高濃度は、同時に起こり、又はL-4-クロロキヌレニンの場合よりも遅く起こり、平均Tmax値は、1.67から2.34時間までの範囲であったn。これを
図1及び2に示す。平均t1/2値は、2.52から3.23時間までの範囲であり、L-4-クロロキヌレニンの場合の値よりも用量全体にわたってわずかに可変であった。平均t1/2値は、用量が関係するようにみえなかった。平均7-クロロキヌレン酸Cmax及びAUC0-t値はまた、ほぼ用量直線であるようにみえた。1日目の平均Cmax値は、360mg投与後の42.7ng/mLから1,440mg投与後の314ng/mLまでの範囲であった。1日目の平均AUC0-t値は、最低用量を投与後の156ng・h/mLから1,440mg投与後の985ng・h/mLまでの範囲であった。親化合物と類似して、7-クロロキヌレン酸についての平均Cmax及びAUC0-t値は、一般に1日目の値よりも14日目の方がわずかに低かった。
【0048】
(例1)
カプサイシン-誘発性痛覚過敏に対するL-4-クロロキヌレニンの痛覚過敏抑制効果。
臨床試験の1日目及び14日目に、カプサイシン250μgの皮内注射を2回、前腕の手掌側に交互に逐次的に注射して、灼熱痛、第2の痛覚過敏、及び発赤を生じさせた。カプサイシンUSP(米国薬局方)を、作業現場の標準的な手順に従って調製し、10mg/mLの濃度で20%のシクロデキストリンに溶解した。
【0049】
AV-101又はプラセボの経口投与の1時間後に、片方の前腕に第1のカプサイシンを注射し、AV-101又はプラセボの投与の2時間後に、もう片方の前腕に第2のカプサイシンを注射した。各カプサイシン注射時に直ちに神経感覚検査を開始した。100mm視覚的アナログスケール(VAS)を用いた連続的な疼痛評価を、注射前並びに各カプサイシン注射の0、5、10、15、30、45、及び60分後に行った。試験者は、対象に質問して、5.18フォン・フライ毛、40℃のプローブを適用すること、及び1インチの発泡体ブラシで優しくなでることによる自発痛及び誘発された疼痛のVASを用いることによって強度を評価した。VASは、0mmの端に「痛みなし」と書かれ、100mmの端に「想像し得る最大の痛み」と書かれた100mmの直線から成るものであった。ミリメートルで表した距離によって、疼痛の測定を可能にした。
【0050】
5.18のフォン・フライ毛に対する痛覚過敏領域の境界を、痛みを生じない皮膚の領域から、対象が疼痛若しくは圧痛を報告するまで、徐々に半径を狭めて接線方向に有痛性領域の中心に向かって移動することによって決定した。同じ評価を用いて及び異なる角度から開始して、痛覚過敏領域の境界を少なくとも8カ所決定した。さらに、対象に質問して、試験薬投与の4.5時間(±5分)後に、次いで、試験薬投与後6時間の間30分(±5分)毎に大腿前部に適用した45℃の1分間の熱刺激(短時間の熱刺激)の疼痛強度を評価した。放射温度プローブを適用して、疼痛評価の間、皮膚温度を36℃に固定した。対象には、すべての疼痛評価についてVASを使用した。
【0051】
すべての試験評価時点を、時間0、すなわち、試験薬投与時間に固定した。投薬の1時間後のカプサイシン注射について、評価間隔(すなわち、試験薬の投薬後の時間)は、60から120分であり、その間、時間評価は、およそ60、65、70及び75分に行い、次いで、120分の時点まで15分毎(すなわち、カプサイシン注射の0、5、10、15、30、45、及び60分後)に行った。臨床試験材料(CTM)の投薬のおよそ2時間後にカプサイシンの第2の注射を投与し、評価間隔(すなわち、CTMの投薬後の時間)は、120から180分であった。連続的な疼痛評価は、第1のカプサイシン注射後に記載した通り、同じスケジュールに従った。
【0052】
主要効能の評価項目は、14日目の投薬の120から180分後のAV-101の各用量レベルにおける自発痛への鎮痛薬の応答であった。治療群とプラセボ群との間の自発痛評価に関する疼痛時間曲線下面積(AUPC)に有意な変化はなかった。同様に、第2の効能の評価項目(1日目の投薬後120から180分の時間間隔の間の自発痛についてのAUPC;及び1日目及び14日目の投薬後60から180分の時間間隔の間の自発痛、フォン・フライ毛による誘発された疼痛、及び40℃のプローブによる誘発された疼痛についてのAUPC)のうちいずれかについて、治療群とプラセボ群との間で有意な変化はなかった。しかしながら、本発明者らは、AV-101 1,080mgを投与された対象(コホート2)とプラセボを投与された対象との間での異痛症疼痛、機械的痛覚過敏疼痛、及び温熱性痛覚過敏疼痛についてのAUPCの最小二乗平均値の一貫性のある減少を見出した。これらのデータを表1に示す。
【表1】
【0053】
(例2)
L-4-クロロキヌレニンの抗うつ活性
本発明者らはまた、驚くべきことに、L-4-クロロキヌレニンの気分の高まり又は抗うつ活性を見出した。本出願に記載の臨床試験において、(プラセボ群において対象0名であったのと対照的に)対象26名のうち5名は、満足であるという気持ちを肯定的に報告した。これは、グルタミン酸作動性系がうつ病の病態生理に寄与し、ストレスがNMDA受容体の変化を誘導し得るという報告と一致する。例えば、Calabreseら、「ストレスにより誘発された海馬のNMDA受容体の変化:デュロキセチン治療によるモジュレーション(Stress-Induced Changes of Hippocampal NMDA Receptors:Modulation by Duloxetine Treatment)」、PLoS ONE 2012年、7巻(5号):e37916.doi:10.1371/journal.pone.0037916を参照されたい。
【0054】
要約すると、本出願に記載されている本発明は、一般に、L-4-クロロキヌレニンの剤形及び上記のN-メチル-D-アスパラギン酸受容体により媒介される過活動性のグルタミン酸作動性伝達を特徴とする神経学的状態を治療するための方法に関する。いくつかの模範的な実施形態は、上記で詳述され、添付図面の図に示されており、かかる実施形態は、広範な本発明の例示的なものに過ぎず、これを制限するものではないことが理解されるべきである。特に、本発明の教示は、広範囲の疾患に適用されることが認識されるべきである。当業者は、その広範な本発明の範囲から逸脱することなく、例示されたもの及び前述の本発明の他の実施形態に様々な修正がなされ得るということを認識している。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態又は配置に限定されず、むしろ、添付した特許請求の範囲により記載される本発明の範囲及び精神のうちである任意の変更、適応又は修正を包含することを目的としていることが理解される。
(参考文献)
本出願で言及された以下の学術誌の論文並びに他のすべての刊行物、特許及びテキストは、その全体を参照により組み込まれる。
(1)Carter AJ.「グリシンアンタゴニスト:ストリキニン非感受性グリシン部位によるNMDA受容体チャンネル複合体の調節(Glycine antagonist:Regulation of the NMDA receptor channel complex by the strychnine-insensitive glycine site)」,Drugs Future 1992;17:595-613。
(2)Catarziら「競合的Gly/NMDA受容体アンタゴニスト(Competitive Gly/NMDA receptor antagonists)」,Curr.Top.Med.Chem.2006;6(8):809-21。
(3)Hokari M、Wu H-Q、Schwarcz R、Smith QR.「4-クロロキヌレニンの脳の取り込みの促進及び7-クロロキヌレン酸への変換(Facilitated brain uptake of 4-chlorokynurenine and conversion to 7-chlorokynurenic acid)」,Neuroreport 1996;8(1):15-18。
(4)Kemp JA、Foster AC、Leeson PD、Priestley T、Tridgett R、Iversen LLら「7-クロロキヌレン酸は、N-メチル-D-アスパラギン酸受容体複合体のグリシン修飾部位の選択的アンタゴニストである(7-Chlorokynurenic acid is a selective antagonist at the glycine modulatory site of the N-methyl-D-aspartate receptor complex)」,Proc Natl Acads Sci U.S.A.1988;85(17):6547-6550。
(5)Lee S-C、Schwarcz R.「興奮毒性の損傷は、in vivoのラットの線条体においてプロドラッグ誘発性7-クロロキヌレナート配合物を刺激する(Excitotoxic injury stimulates pro-drug-induced 7-chlorokynurenate formation in the rat striatum in vivo)」,Neuroscience Lett 2001;304(3):185-188。
(6)Leeson PD、Iversen LL.「NMDA受容体におけるグリシン部位:構造-活性の関係及び治療可能性(The glycine site on the NMDA receptor:Structure-activity relationships and therapeutic potential)」,J Med Chem 1994;37(24):4053-4067。
(7)Linderholmら「内因性キヌレン酸によるラット腹側被蓋領域ドーパミンニューロンの活性化:薬理学的分析(Activation of rat ventral tegmental area dopamine neurons by endogenous kynurenic acid:a pharmacological analysis)」,Neuropharmacology 2007;53(8):918-924。
(8)Parsons CG、Danysz W、Quack G、Hartmann S、Lorenz B、Wollenburg Cら「N-メチル-D-アスパラギン酸受容体のグリシン部位の新規な全身的に活性のアンタゴニスト:電気生理学的、生化学的及び行動の特性付け(Novel systemically active antagonists of the glycine site of the N-methyl-D-aspartate receptor:electrophysiological,biochemical and behavioral characterization)」,J Pharmacol Exp Ther 1997;283(3):1264-1275。
(9)Rao TS、Gray NM、Dappen MS、Cler JA、Mick SJ、Emmett MRら「インドール-2-カルボキシレート、N-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)関連グリシン認識部位の新規なアンタゴニスト:in vivoにおける特性付け(Indole-2-carboxylates,novel antagonists of the N-methyl-D-aspartate(NMDA)-associated glycine recognition sites:in vivo characterization)」,Neuropharmacol 1993;32(2):139-147。
(10)Rundfeldt C、Wlaz P、Loscher W.「てんかんのキンドリングモデルにおけるNMDA受容体関連グリシン部位についてのアンタゴニスト及び部分アゴニストの抗けいれん活性(Anticonvulsant activity of antagonists and partial agonists for the NMDA receptor-associated glycine site in the kindling model of epilepsy)」,Brain Res 1994;653(1-2):125-130。
(11)Wu HQ、Lee SC、Scharfman HE、Schwarcz R.「L-4-クロロキヌレニンは、ラットにおいてカイニン酸誘発性発作及び病変を減弱する(L-4-chlorokynurenine attenuates kainate-induced seizures and lesions in the rat)」,Exp Neurol 2002;177(1):222-232。
(12)Wu H-Q、Lee S-C、Schwarcz R.「4-クロロキヌレニンの全身投与は、ラットの海馬においてキノリン酸の神経毒性を予防する(Systemic administration of 4-chlorokynurenine prevents quinolinate neurotoxicity in the rat hippocampus)」,Eur J Pharm 2000;390:267-274。