IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ピーピージー・インダストリーズ・オハイオ・インコーポレイテッドの特許一覧

特許7021341メソゲン単位を有するコポリマーを含む誘電体層
<>
  • 特許-メソゲン単位を有するコポリマーを含む誘電体層 図1
  • 特許-メソゲン単位を有するコポリマーを含む誘電体層 図2A
  • 特許-メソゲン単位を有するコポリマーを含む誘電体層 図2B
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-07
(45)【発行日】2022-02-16
(54)【発明の名称】メソゲン単位を有するコポリマーを含む誘電体層
(51)【国際特許分類】
   H01L 41/193 20060101AFI20220208BHJP
   C09K 19/38 20060101ALI20220208BHJP
   H01L 41/317 20130101ALI20220208BHJP
   C08F 220/30 20060101ALI20220208BHJP
【FI】
H01L41/193
C09K19/38
H01L41/317
C08F220/30
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020511330
(86)(22)【出願日】2018-08-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-05
(86)【国際出願番号】 US2018048127
(87)【国際公開番号】W WO2019040934
(87)【国際公開日】2019-02-28
【審査請求日】2020-04-21
(31)【優先権主張番号】15/686,436
(32)【優先日】2017-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】399074983
【氏名又は名称】ピーピージー・インダストリーズ・オハイオ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PPG Industries Ohio,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カッチコ、シンシア
(72)【発明者】
【氏名】ウナイエス、ゾウベイダ
(72)【発明者】
【氏名】アティタッラー、ハッセン ベン
(72)【発明者】
【氏名】ワイコフ、ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】クマール、アニル
(72)【発明者】
【氏名】シュタルダー、ロマン
(72)【発明者】
【氏名】ウォルターズ、デイビッド
【審査官】加藤 俊哉
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-510820(JP,A)
【文献】特開2006-161051(JP,A)
【文献】特表2011-526321(JP,A)
【文献】特開2004-323729(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 41/193
C09K 19/38
H01L 41/317
C08F 220/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の導電性層、
前記第1の導電性層に積層している誘電体層、及び
前記誘電体層に積層している第2の導電性層
含む誘電体装置であって、
前記誘電体層が、重合メソゲンモノマーを含み、
前記重合メソゲンモノマーが、式(1)の構造を有するメソゲンモノマーの組合せの反応生成物を含み:
P-(L)-(M-X) (1)
式中、
a)各-Xは、独立に、
i)-R基、
ii)-(L)-Rで表される基、
iii)-(L)-Rで表される基、
iv)-(L)-Qで表される基、
v)式(2):
-(L)-M-(L)-P (2)
の部分で表される基、
vi)-(L)-Pで表される基、又は
vii)-(L)-[(L)-P]で表される基
であり、
b)Pは反応性基を含み、
c)Qは、ヒドロキシル、アミン、アルケニル、アルキニル、アジド、シリル、シリルヒドリド、オキシ(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)、チオール、イソシアナト、チオイソシアナト、アクリロキシ、メタクリロキシ、2-(アクリロキシ)エチルカルバミル、2-(メタクリロキシ)エチルカルバミル、アジリジニル、アリルカーボナート、エポキシ、カルボン酸、カルボン酸エステル、アミド、無水カルボン酸及びハロゲン化アシルから選択され、
d)各Lは、独立に、単結合、多置換の、一置換の、非置換の又は分枝状のスペーサーから選択され、前記スペーサーは、アリール、(C1~30)アルキル、(C1~30)アルキルカルボニルオキシ、(C1~30)アルキルアミノ、(C1~30)アルコキシ、(C1~30)ペルフルオロアルキル、(C1~30)ペルフルオロアルコキシ、(C1~30)アルキルシリル、(C1~30)ジアルキルシロキシル、(C1~30)アルキルカルボニル、(C1~30)アルコキシカルボニル、(C1~30)アルキルカルボニルアミノ、(C1~30)アルキルアミノカルボニル、(C1~30)アルキルカーボナート、(C1~30)アルキルアミノカルボニルオキシ、(C1~30)アルキルアミノカルボニルアミノ、(C1~30)アルキルウレア、(C1~30)アルキルチオカルボニルアミノ、(C1~30)アルキルアミノカルボニルチオ、(C2~30)アルケン、(C1~30)チオアルキル、(C1~30)アルキルスルホン又は(C1~30)アルキルスルホキシドを独立に含み、ここで、各置換基は、独立に、(C1~5)アルキル、(C1~5)アルコキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、(C1~5)アルカン酸エステル、イソシアナト、チオイソシアナト及びフェニルから選択され、
e)Rは、水素、C1~18アルキル、C1~18アルコキシ、C1~18アルコキシカルボニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルコキシ、ポリ(C1~18アルコキシ)、及び非置換である、若しくはシアノ、フルオロ、クロロ、ブロモ若しくはC1~18アルコキシで置換されている、又はフルオロ、クロロ若しくはブロモで多置換されている、直鎖又は分枝状C1~18アルキル基から選択され、
f)M及びMのそれぞれは、独立に、剛直棒状液晶基、剛曲棒状液晶基、又は剛円盤状液晶基を含み、
式中、
wは1~26の整数であり、
yは2~25の整数であり、
zは1又は2であり、
但し、
XがRであるとき、wは2~25の整数であり、zは1であり、
Xが-(L)-Rであるとき、wは1であり、yは2~25の整数であり、zは1であり、
Xが-(L)-Rであるとき、wは3~26の整数であり、zは2であり、
Xが-(L)-Qであるとき、PがQ基で表される場合、wは1であり、zは1であり、且つPがQ基以外である場合、各wは独立に1~26の整数であり、zは1であり、
Xが式(2):-(L)-M-(L)-Pの部分であるとき、wは1であり、yは2~25の整数であり、zは1であり、
Xが-(L)-Pであるとき、wは1であり、yは2~25の整数であり、zは1であり、且つ-(L)-はメソゲンとPとの間に少なくとも25個の結合の直鎖状配列を含み、
Xが-(L)-[(L)-P]であるとき、各wは独立に1~25の整数であり、yは2~6の整数であり、zは1である
前記誘電体層が、圧電特性又はフレキソエレクトリック特性を呈する、
誘電体装置
【請求項2】
前記反応性基が、アクリラート又はメタクリラートを含む、請求項1に記載の誘電体装置
【請求項3】
前記誘電体層が、光開始剤、熱開始剤、又はこれらの組合せを更に含む、請求項1に記載の誘電体装置
【請求項4】
前記メソゲンモノマーの組合せが、光重合性メソゲンモノマーの組合せ、又は熱活性化重合性メソゲンモノマーの組合せを含む、請求項1に記載の誘電体装置
【請求項5】
前記メソゲンモノマーの組合せが、
2つの重合性反応性基を含む少なくとも1種の重合性メソゲンモノマーと、
1つの重合性反応性基を含む少なくとも1種の重合性メソゲンモノマーと
を含む、請求項1に記載の誘電体装置
【請求項6】
前記2つの重合性反応性基を含む少なくとも1種の重合性メソゲンモノマー 対 前記1つの重合性反応性基を含む少なくとも1種の重合性メソゲンモノマー のモル比が、1.5:1~1:1の範囲内である、請求項5に記載の誘電体装置
【請求項7】
メソゲンモノマーの組合せが、2-メチル-1,4-フェニレンビス(4-(3-(アクリロイルオキシ)プロポキシ)ベンゾアート)(化合物(1));4-メトキシフェニル4-((6-(アクリロイルオキシ)ヘキシル)オキシ)ベンゾアート(化合物(2));2-メチル-1,4-フェニレンビス(4-((4-(アクリロイルオキシ)ブトキシ)カルボニル)オキシ)ベンゾアート)(化合物(3));4-((4-((8-((6-メタクリロイルオキシ)ヘキサノイル)オキシ)オクチル)オキシ)ベンゾイル)オキシ)フェニル4-メチルベンゾアートn=8(化合物(4));4-((4-((8-((6-メタクリロイルオキシ)ヘキサノイル)オキシ)オクチル)オキシ)ベンゾイル)オキシ)フェニル4-メチルベンゾアートn=3(化合物(5));4-((4-ペンチルシクロヘキサン-1-カルボニル)オキシ)フェニル4-((6-アクリロイルオキシ)ヘキシル)オキシ)ベンゾアート(化合物(6));3-(3,6-ジフルオロ-4-(4’-プロピル-[1,1’-ビ(シクロヘキサン))]-4-イル)フェノキシ)プロピルアクリラート(化合物(7));又は前述の任意のものの組合せを含む、請求項1に記載の誘電体装置
【請求項8】
前記誘電体層がコーティングの形態である、請求項1に記載の誘電体装置
【請求項9】
前記誘電体層がフィルムの形態である、請求項1に記載の誘電体装置
【請求項10】
前記誘電体層が圧電特性を呈する、請求項1に記載の誘電体装置
【請求項11】
前記誘電体層がフレキソエレクトリック特性を呈する、請求項1に記載の誘電体装置
【請求項12】
圧電装置、フレキソエレクトリック装置、又はこれらの組合せを備える、請求項に記載の誘電体装置。
【請求項13】
基材を備え、且つ
前記誘電体層が前記基材に積層している、
請求項に記載の誘電体装置。
【請求項14】
第1の層と、
前記第1の層に積層している前記誘電体層と、
前記誘電体層に積層している第2の層と
を備える、請求項に記載の誘電体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メソゲン化合物を使用して作製された誘電体装置、及びメソゲン化合物を使用して誘電体装置を作製する方法に関する。該材料及び方法は、圧電及びフレキソエレクトリック装置を作製するために使用することができる。
【背景技術】
【0002】
圧電及びフレキソエレクトリック特性は、センサー、アクチュエータ及びエネルギー発生器等の多くの用途において、重要な役割を果たしている。圧電材料は、均質な歪みがかけられたときに、誘発された電場を有することができ、且つフレキソエレクトリック性を呈する材料は、歪み勾配によって誘発されたときに、自発的な電気分極を有することができる。反転対称性のない構造を要する圧電性とは違って、フレキソエレクトリック性は、反転対称性を局所的に破壊する不均質な歪みに起因して、中心対称性材料においてさえ出現することができる。
【0003】
ポリビニリデンフルオリド(PVDF)及びポリアミドなどのいくつかのポリマーは、圧電及びフレキソエレクトリック応答を呈する。ポリマーの結晶性は、昇温での高い電場を使用するポーリングによって配向され得る。ポーリングはコントロールするのが難しいおそれがあり、ポリマーフィルム又はコーティングを燃やして炭にするおそれがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、重合性(polymerizable)組成物は、溶媒、及び重合性メソゲンモノマーの組合せを含む。
【0005】
本発明によれば、誘電体装置は、誘電体層を備え、ここで、誘電体層は、本発明による重合性組成物から製造される。
【0006】
本発明によれば、部品は、本発明による誘電体装置を備える。
【0007】
本発明によれば、誘電体層を製造する方法は、表面を整列させるステップと、重合性メソゲンモノマーの組合せを含む本発明による重合性組成物を、整列された表面に塗布するステップと、塗布された重合性メソゲンモノマーの組合せを整列させるステップと、整列された重合性メソゲンモノマーの組合せを重合させて誘電体層を形成するステップとを含む。
【0008】
本発明によれば、誘電体層は、本発明による方法に従って製造される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
当業者であれば、本明細書に記載の図面が例示目的のみのためであることがわかるであろう。図面は、本開示の範囲を限定することを意図していない。
【0010】
図1】2Hzでの0.01%歪みを有するアルミニウム基材上の、本開示によって提供される誘電体層の3点曲げについてのフレキソエレクトリック応答を示すグラフである。
【0011】
図2A】かけられた衝撃前の、本発明による装置のフレキソエレクトリック応答を示すグラフである。
【0012】
図2B】衝撃への応答における、本発明による装置のフレキソエレクトリック応答を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の説明の目的のため、本開示によって提供される実施形態が、明白に逆のことが指定されるところを除き、様々な代替の変形及びステップ配列を想定できることが理解されるべきである。更に、実施例における以外に、又は別段の指定があるところでは、例えば本明細書及び特許請求の範囲で使用される成分の量を表す全ての数字は、全ての事例において、用語「約」により修飾されていると理解されるべきである。したがって、逆の指定がない限り、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲で記載される数的パラメータは、得られるべき所望の特性に応じて多様となり得る近似値である。最低でも、且つ「特許請求の範囲」の範囲と均等論の適用を限定しようとする試みとしてではなく、各数的パラメータは、少なくとも、報告された有効桁の数に照らして、通常の丸め技法を適用することによって、解釈されるべきである。
【0014】
本発明の広い範囲を明らかにする数的範囲及びパラメータが近似値であるにもかかわらず、特定の例において明らかにされる数の値は、出来る限り正確に報告される。しかしながら、任意の数の値は、それらのそれぞれの試験測定値において見出される標準のバリエーションから必然的にもたらされるある特定の誤差を本質的に含有している。
【0015】
更に、本明細書に記載されている任意の数の範囲は、本明細書中に包含されている全てのサブ範囲を含むことを意図することが理解されるべきである。例えば、1~10の範囲は、記載されている約1の最小値と、記載されている約10の最大値との間の(且つ両端を含む)、即ち約1以上の最小値と約10以下の最大値とを有する、全てのサブ範囲を含むことを意図している。更に、本出願において、「又は」の使用は、たとえ「及び/又は」がある特定の例において明白に使用されることがあるとしても、特に別段の指定がない限り「及び/又は」を意味する。
【0016】
ここで、本発明の、ある特定の化合物、組成物及び方法を参照する。開示された化合物、組成物及び方法は、特許請求の範囲を限定することを意図していない。その逆に、特許請求の範囲は、全ての代替形態、変更形態及び均等形態に及ぶことを意図している。
【0017】
本開示によって提供される硬化層は、フレキソエレクトリック特性を呈することができ、且つ力に応答して電気シグナルを、及び/又は電場に応答して機械的発動を、生成することができる。層としては、フィルム及びコーティングが挙げられ、ここで、コーティングは外層を指す。
【0018】
直接的なフレキソエレクトリック効果において、印加された力は、構造内で応力勾配を誘発し、応力勾配に応答して生じた電気シグナルへと至らせる。電気シグナルは、フレキソエレクトリックシグナルである。圧電効果と違って、フレキソエレクトリック効果は、応力勾配を要する。構造は、力の印加に際して、曲げ又は可撓性変形を受けることができる。電極は、フレキソエレクトリックシグナルを回収するように配置されてもよく、例えば応力勾配の近接領域に配置されてもよい。
【0019】
逆のフレキソエレクトリック効果において、電場の印加は、構造内で電場勾配を誘発する。これらの電場勾配は、フレキソエレクトリック効果を通じて、この例では逆効果を通じて、作動力を誘発する。この事例では、電極は、電場勾配が生じるように配置され得る。
【0020】
フレキソエレクトリック効果は、材料内の歪み勾配によって誘発される電気分極に関し、逆効果は、電場勾配によって誘発された材料中の歪みである。フレキソエレクトリック材料は、中心対称であることができ、これは、任意の圧電効果の規則から外れているように見える。
【0021】
フレキソエレクトリック効果は、関係式P=μijkl(∂Sij/∂X)(式中、μijklは第4のランクの極性テンソルフレキソエレクトリック係数であり、Sijは弾性歪み成分である。XはS中の勾配の方向であり、Pは誘発された電気分極である)によって定義される。
【0022】
フレキソエレクトリック性では、逆効果もまた存在し、即ち、関係式Tij=μijkl(∂E/∂X)(式中、Eは電場であり、XはE中の勾配の方向であり、Tijは誘発された応力である)によって定義されている電場勾配により生じる弾性応力が存在する。
【0023】
MKSシステムにおける直接効果では、μの単位はクーロン/メーター(C/m)であり、逆効果では、単位はニュートン/ボルト(N/V)であり、これらは、直接的なフレキソエレクトリック効果と逆のフレキソエレクトリック効果とが熱力学的に同一であるため、等価である。
【0024】
本開示によって提供される硬化層は、圧電特性を呈することができる。応力が圧電材料層に印加されるとき、それによって反対電荷が、印加される応力に比例して圧電材料層の両方の端面上に出現する、電気分極がもたらされる。更に、圧電材料が電場中に載置されるとき、圧電層は、そこで、印加された電場に比例して歪みが生じる特性(圧電効果)を呈する。具体的には、圧電層の事例では、配向されたポリマー中の双極子モーメントの配向によって引き起こされた分極を介して、大きい圧電効果が出現する。圧電材料層が、熱等のエネルギーの印加に供されるとき、これに応答して、圧電層内部の、あるレベルの自発的な分極は変更される。
【0025】
ポーリングなしで整列され得る圧電及びフレキソエレクトリック層を作製するための材料及び方法が望まれる。
【0026】
本開示によって提供されるメソゲン化合物を含む重合性層は、ポーリング法の使用なしで、配向された基材上に自己整列することができ、且つ重合されて、薄い圧電及びフレキソエレクトリック層を形成することができる。
【0027】
本開示によって提供される方法は、基材表面を摩擦によって整列させるステップと、整列された表面を、重合性メソゲン化合物、又は重合性メソゲン含有化合物の組合せを含む組成物でコーティングするステップと、メソゲン化合物を自己整列させるステップと、重合性メソゲン化合物を硬化して、圧電及び/又はフレキソエレクトリック特性を呈する薄層を提供するステップとを含むことができる。
【0028】
自己整列された重合性メソゲン化合物から製造される誘電体装置は、導電性層と、基材に積層する整列層と、重合(polymerized)メソゲン化合物を含む誘電体層と、積層している導電性層とを備えることができる。
【0029】
導電性材料は、内因的に導電性である材料を含むことができ、又は電気的に絶縁する基材に積層する導電性材料の層を備えてもよい。
【0030】
基材としては、任意の好適な基材、例えば金属、合金、複合体、セラミック、ガラス又はポリマーを挙げることができる。基材は導電性であることができ、又は、基材の表面は導電性材料の層又はコーティングを備えることができる。例えば導電性コーティングは、酸化インジウムスズ(ITO)を含むことができる。
【0031】
その上に誘電体層が塗布される基材は、任意の好適な厚さであることができる。例えば、基材は、可撓性シート又は可撓性層であることができる。
【0032】
その上に液晶組成物が塗布される基材表面は、例えば走査型共焦点顕微鏡法から、又はプロフィロメトリを用いて、RMSの滑らかさ/粗さによって特徴とすることができる。
【0033】
基材の表面は整列層を備えることができる。整列層は、薄層を摩擦する又はバッフィングする等によって機械力が整列層へ塗布されるときに、整列したグルーブ等の整列した物理的機構を生じさせる材料の薄層を備えることができる。
【0034】
整列層は、導電性基材へ、又は基材表面に積層している導電性層へ、塗布され得る。整列層は、例えば、ディッピング、ブラッシング、ローリング、スプレイング、ワイピング、又は任意の他の好適な方法によって塗布され得る。整列層は、例えば5μm~100μm、5μm~50μm、又は5μm~25μmの厚さを特徴とすることができる。
【0035】
好適な整列層材料の例としては、アルコール、例えばポリビニルアルコール、トリアセタートセルロース、及びポリイミドが挙げられる。整列層を備えた材料は溶液として塗布されて、機械力を用いて整列機構を生じさせる前に、乾燥され得る。
【0036】
整列機構は、摩擦、バッフィング、又は他の好適な方法によって整列層上に生じ得る。例えば、整列機構は、フェルト布をワイピングする、又は整列層の表面にわたって摩擦ホイールを回転させることによって、整列層上に生じ得る。
【0037】
表面はまた、グルービングによって又は光整列法を用いても整列され得る。
【0038】
整列層が配向された後、重合性メソゲン材料を含む誘電体組成物は、整列層の、整列された表面へ塗布され得る。
【0039】
誘電体組成物としては、溶媒、重合性メソゲン化合物、及び界面活性剤を挙げることができる。光重合性液晶組成物では、組成物は光開始剤を含むことができる。熱活性化重合性液晶組成物では、組成物は熱開始剤を含むことができる。
【0040】
好適な溶媒は、重合性誘電体組成物の固体成分を溶解することができ、そこへ誘電体組成物が塗布される表面と適合性があり、且つ固体成分を、整列された基材表面にわたって均一に分散させることができる。好適な溶媒はまた、メソゲン化合物の塗布及び整列の後に、蒸発することが可能でもある。
【0041】
誘電体組成物は、例えば、20重量%~60重量%の溶媒、又は溶媒の組合せ、25重量%~55重量%の、30重量%~50重量%の、又は35重量%~45重量%の溶媒、又は溶媒の組合せを含むことができ、ここで、重量%は組成物の総重量に基づく。
【0042】
誘電体組成物中、溶媒は極性溶媒であることができる。好適な極性溶媒の例としては、アニソールが挙げられる。
【0043】
好適な溶媒の例としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート及びその誘導体、アセトン、プロピオン酸アミル、アニソール、ベンゼン、酢酸ブチル、シクロヘキサン、エチレングリコールのジアルキルエーテル、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル及びそれらの誘導体、二安息香酸ジエチレングリコール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメトキシベンゼン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピオン酸メチル、炭酸プロピレン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、2-メトキシエチルエーテル、3-プロピレングリコールメチルエーテル、及び前述の任意のものの組合せが挙げられる。
【0044】
誘電体組成物は、メソゲン化合物、又はメソゲン化合物の組合せを含むことができる。
【0045】
好適なメソゲン化合物は、例えば、米国特許第8,628,685号で、米国特許出願公開第2010/0014010号で、及び米国特許出願公開第2009/0323012号で、開示されている。
【0046】
メソゲン化合物は、メソゲン部分及び可撓性部分を含む。
【0047】
化合物のメソゲン部分は、メソゲン化合物を含む組成物中の他のメソゲン部分と整列する剛性部分を含んでいて、それによってメソゲン化合物を一方向に整列させることができる。メソゲンの剛性部分は、例えば単環又は多環の芳香族環構造を含む単環又は多環の構造等の剛直な分子構造を含んでもよい。メソゲンの例としては、Demusら,Flussige Kristalle in Tabellen,VEB Deutscher Verlag fur Grundstoffindustrie,Leipzig,1974、及びFlussige Kristalle in Tabellen II,VEB Deutscher Verlag fur Grundstoffindustrie,Leipzig,1984に開示のメソゲン化合物が挙げられる。メソゲン化合物はまた、1つ以上の可撓性部分を含んでもよい。1つ以上の可撓性部分は、メソゲン化合物に流動性を与えることができる。メソゲン化合物は、無秩序状態又は秩序状態又は整列状態で存在することができる。無秩序状態にあるメソゲン化合物は、本質的にランダムな配向を採用することができ、その結果、メソゲン化合物への一般的配向は存在しない。秩序状態又は整列状態にあるメソゲン化合物は、そこで化合物のメソゲン部分が組成物の全体にわたって少なくとも部分的に整列される配向を採用することができる。
【0048】
メソゲン化合物は、少なくとも1個のメソゲン単位、少なくとも1つの反応性基、及び例えば、直鎖の長さにおいて1個の原子結合~500個の原子結合であり得る少なくとも1つの可撓性結合基を含むことができる。メソゲン化合物は、1つの反応性基又は2つの反応性基を含むことができる。
【0049】
メソゲン化合物は、式(1)の構造を有する化合物を含むことができる:
P-(L)-(-M-X) (1)
【0050】
式(1)のメソゲン化合物において、各Xは、独立に、
(i)-R基、
(ii)-(L)-R基、
(iii)-(L)-R基、
(iv)-(L)-Q、
(v)式(2):
-(L)-M-L-P (2)
の構造を有する基、
(vi)-L-P、又は
(vii)-L-[(L)-P]
を含むことができる。
【0051】
式(1)の化合物中、各Pは反応性基を含むことができる。反応性基は、原子、結合、又は反応して共役結合、極性共役結合、又は別の分子とのイオン結合等の結合を形成し得る官能基を指す。例えば、反応性基は、基と反応してもよく、コモノマーと反応してもよく、又は、式(1)に相当する構造又はその残基がポリマー中へ組み込まれるように発現するポリマー上の反応性基と反応してもよい。各反応性基Pは、独立に、例えば、アジリジニル、水素、ヒドロキシル、アリール、アルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、アルキルアルコキシ、アルコキシアルコキシ、ニトロ、ポリアルキルエーテル、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ(C1~6)アルキル、ポリエチレンオキシ、ポリプロピレンオキシ、エタンジイル、アクリラート、メタクリラート、2-クロロアクリラート、2-フェニルアクリラート、アクリロイルフェニレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、2-クロロアクリルアミド、2-フェニルアクリルアミド、オキセタン、エポキシ、グリシジル、シアノ、イソシアナト、チオール、チオイソシアナト、イタコン酸エステル、ビニルエーテル、ビニルエステル、スチレン誘導体、シロキサン、エチレンイミン誘導体、カルボン酸、アルケン、マレイン酸誘導体、フマル酸誘導体、非置換ケイ皮酸誘導体;メチル、メトキシ、シアノ及びハロゲンのうちの少なくとも1つで置換されているケイ皮酸誘導体、又はステロイドラジカル、テルペノイドラジカル、アルカロイドラジカル及びこれらの混合物から選択される、置換の若しくは非置換の、キラル若しくは非キラルの、一価若しくは二価の基を含むことができ、ここで、置換基は、独立に、アルキル、アルコキシ、アミノ、シクロアルキル、アルキルアルコキシ、フルオロアルキル、シアノ、シアノアルキル、シアノアルコキシ、若しくは前述の任意のものの組合せであり得る。反応性基Pは、重合性基を含むことができ、ここで、重合性基は、重合反応において関与することが可能な任意の官能基であってもよい。
【0052】
例えば、重合反応としては、そこでフリーラジカルが、1つの側上でそれに付加すると同時に他の側上で新しい自由電子を生成することによる、モノマーの二重結合と反応する開始剤として働く付加重合;そこで2つの反応する分子が結合して、水分子等の小分子の除去を伴ってより大きい分子を形成する縮合重合;及び酸化カップリング重合が挙げられる。反応性基Pは、非置換又は置換の開環メタセシス重合前駆体であってもよい。好適な重合性基の例としては、ヒドロキシル、アクリルオキシ、メタクリルオキシ、2-(アクリルオキシ)エチルカルバミル、2-(メタクリルオキシ)エチルカルバミル、イソシアナト、アジリジン、アリルカーボナート、及びオキシラニルメチル等のエポキシ基が挙げられる。反応性基Pは、複数の反応性基を含むことができる。例えば、反応性基Pは、2~4つの反応性基を含むことができる。P上に多数の反応性基を有することは、より効果的な、ポリマー中への組み込みをもたらすことができ、又は個々のポリマー鎖間の架橋をもたらすことができる。多数の反応性基を含む好適な反応性基Pの例としては、ジアクリロイルオキシ(C1~6)アルキル、ジアクリロイルオキシアリール;トリアクリロイルオキシ(C1~6)アルキル、トリアクリロイルオキシアリール、テトラアクリロイルオキシ(C1~6)アルキル、テトラアクリロイルオキシアリール、ジヒドロキシ(C1~6)アルキル、トリヒドロキシ(C1~6)アルキル、テトラヒドロキシ(C1~6)アルキル、ジエポキシ(C1~6)アルキル、ジエポキシアリール、トリエポキシ(C1~6)アルキル、トリエポキシアリール、テトラエポキシ(C1~6)アルキル、テトラエポキシアリール、ジグリシジルオキシ(C1~6)アルキル、ジグリシジルオキシアリール;トリグリシジルオキシ(C1~6)アルキル、トリグリシジルオキシアリール、テトラグリシジルオキシ(C1~6)アルキル及びテトラグリシジルオキシアリールが挙げられる。
【0053】
式(1)のメソゲン化合物中、各Q基は、例えば、ヒドロキシル、アミン、アルケニル、アルキニル、アジド、シリル、シリルヒドリド、オキシ(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)、イソシアナト、チオール、チオイソシアナト、カルボン酸、カルボン酸エステル、アミド、無水カルボン酸又はハロゲン化アシルを含むことができる。Q基は、少なくとも1つのQ基を含むメソゲン化合物がポリマー又はコポリマーの主鎖中へ組み込まれ得るように、反応性基として作用してもよい。例えば、Qは、ヒドロキシル、アクリルオキシ、メタクリルオキシ、2-(アクリルオキシ)エチルカルバミル、2-(メタクリルオキシ)エチルカルバミル、イソシアナト、チオール、チオイソシアナト、アジリジン、アリルカーボナート、カルボン酸若しくはカルボン酸誘導体、又はエポキシ、例えばオキシラニルメチルを含む、本明細書に記載のもの等の重合性基であってもよい。本明細書で使用されるとき、用語「(メタ)アクリルオキシ」及び「(メタ)アクリロイルオキシ」は、互換的に使用され、且つ置換又は非置換のプロパ-2-エン-1-オイロキシ構造を指す。
【0054】
式(1)のメソゲン化合物中、-L-、-(L)-又は-(L)-基は、1~500個の原子結合、例えば1~200個の、1~100個の、又は1~50個の原子結合の直鎖の長さを有する結合基を表す。即ち、一般構造F-L-Eについて、F基とE基(式中、F基とE基とは、それぞれ、P、R、Q、Xの各基の任意のもの又はメソゲンを一般に表すことができる)との間の結合基の最長の直鎖の長さは、1~500個の結合(介在原子を含む)の範囲であることができる。結合基の直鎖の長さを検討するとき、結合基の長さは、直鎖状配列中の結合のそれぞれの長さ、及び結合基の直鎖状配列中の様々な介在原子によって占められている距離を決定してそれらの値を合計することによって計算され得ることを理解されるべきである。結合の最長の直鎖状配列は、結合された基の間が少なくとも25個の結合であってもよい。結合の最長の直鎖状配列は、少なくとも30個の結合であってもよい。結合の最長の直鎖状配列は、少なくとも50個の結合であってもよい。少なくとも25個の結合の結合基は、メソゲン化合物を含む組成物中のフォトクロミック化合物等の添加剤の可溶性を改善させることができ、メソゲン化合物を含む組成物の、より速い又は改善された整列特性を付与することができ、且つ/又はメソゲン化合物を含む組成物の粘度を低下させることができる。
【0055】
各-L-基は、独立に、単結合;アリール、(C1~30)アルキル、(C1~30)アルキルカルボニルオキシ、(C1~30)アルキルアミノ、(C1~30)アルコキシ、(C1~30)ペルフルオロアルキル、(C1~30)ペルフルオロアルコキシ、(C1~30)アルキルシリル、(C1~30)ジアルキルシロキシル、(C1~30)アルキルカルボニル、(C1~30)アルコキシカルボニル、(C1~30)アルキルカルボニルアミノ、(C1~30)アルキルアミノカルボニル、(C1~30)アルキルカーボナート、(C1~30)アルキルアミノカルボニルオキシ、(C1~30)アルキルアミノカルボニルアミノ、(C1~30)アルキルウレタン、(C1~30)アルキルウレア、(C1~30)アルキルチオカルボニルアミノ、(C1~30)アルキルアミノカルボニルチオ、(C2~30)アルケン、(C1~30)チオアルキル、(C1~30)アルキルスルホン及び(C1~30)アルキルスルホキシドを含む、多置換の、一置換又は非置換のスペーサーから選択することができ、ここで、各置換基は、独立に、例えば、(C1~5)アルキル、(C1~5)アルコキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、(C1~5)アルカン酸エステル、イソシアナト、チオイソシアナト又はフェニルであることができる。
【0056】
変数wは1~26の整数であってもよく、yは2~25の整数であってもよく、zは1又は2であることができる。
【0057】
配列中、例えば構造-(L)-又は-(L)-(式中、y及び/又はwは1超の整数である)において1つより多いL基が生じるとき、近接するL基(複数)は、同じ構造を有していても有していなくてもよいことが特記されるべきである。即ち、例えば、構造-(L)-又は-L-L-L-(即ち、式中、y又はwは3である)を有する結合基中、各-L-基は、独立に、本明細書に記載のL基の任意のものであることができ、且つ近接する-L-基(複数)は、同じ構造を有していても有していなくてもよい。例えば、-L-L-L-は、-(C1~30)アルキル-(C1~30)アルキル-(C1~30)アルキル-(即ち、式中、-L-の各出現は、(C1~30)アルキルで表され、式中、それぞれの近接する(C1~30)アルキル基は、アルキル基中、同じ又は異なる炭素数を有し得る)を表すことができる。別の例として、-L-L-L-は、-アリール-(C1~30)アルキルシリル-(C1~30)アルコキシ-(即ち、式中、-L-の各出現は、近接する-L-基とは異なる)を表すことができる。そのため、(L)又は(L)の構造は、近接する-L-基のうちの一部又は全てが同じであるところのもの、及び全ての近接する-L-基が異なるところのものを含む、結合基-L-の様々な配列の全ての可能な組合せに及ぶと理解されるべきである。
【0058】
式(1)のメソゲン化合物において、R基は、水素、C1~18アルキル、C1~18アルコキシ、C1~18アルコキシカルボニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルコキシ、ポリ(C1~18アルコキシ)、又は非置換である、若しくはシアノ、フルオロ、クロロ、ブロモ若しくはC1~18アルコキシで置換されている、若しくはフルオロ、クロロ若しくはブロモで多置換されている、直鎖又は分枝状C1~18アルキル基等の末端基を含むことができる。
【0059】
式(1)のメソゲン化合物中、M基及びM基は、メソゲン基を表し、それぞれ独立に、剛直棒状液晶基、剛曲棒状液晶基、又は剛円盤状液晶基であることができる。M及びMの構造は、任意の好適なメソゲン基であってもよく、例えばDemusら,Flussige Kristalle in Tabellen,VEB Deutscher Verlag fur Grundstoffindustrie,Leipzig,1974、又はFlussige Kristalle in Tabellen II,VEB Deutscher Verlag fur Grundstoffindustrie,Leipzig,1984に引用されたものの任意のものであってもよい。
【0060】
メソゲン基M及びMは、独立に、式(3):
-[S-[G-[Sd’-[G-[Se’-[G-[Sf’-S- (3)
の構造を有してもよい。
【0061】
式(3)のメソゲン基中、G、G及びGのそれぞれは、独立に、非置換又は置換の芳香族基、非置換又は置換の脂環式基、非置換又は置換の複素環基、及びこれらの混合物等の二価の基を含んでもよく、ここで、置換基は、例えば、チオール、アミド、ヒドロキシ(C1~18)アルキル、イソシアナト(C1~18)アルキル、アクリロイルオキシ、アクリロイルオキシ(C1~18)アルキル、ハロゲン、C1~18アルコキシ、ポリ(C1~18アルコキシ)、アミノ、アミノ(C1~18)アルキレン、C1~18アルキルアミノ、ジ-(C1~18)アルキルアミノ、C1~18アルキル、C2~18アルケン、C2~18アルキン、C1~18アルキル(C1~18)アルコキシ、C1~18アルコキシカルボニル、C1~18アルキルカルボニル、C1~18炭酸アルキル、炭酸アリール、ペルフルオロ(C1~18)アルキルアミノ、ジ-(ペルフルオロ(C1~18)アルキル)アミノ、C1~18アセチル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルコキシ、イソシアナト、アミド、シアノ、ニトロ;シアノ、ハロ又はC1~18アルコキシで一置換されている、又はハロで多置換されている、直鎖又は分枝状C1~18アルキル基、並びに式M(T)(t-1)及び式M(OT)(t-1)(式中、Mは、アルミニウム、アンチモン、タンタル、チタン、ジルコニウム又はケイ素であることができ、Tは、有機官能基、有機官能性炭化水素基、脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基であることができ、tはMの結合価である)のうちの1つを含む基であることができる。
【0062】
式(3)のメソゲン基中、c、d、e及びfのそれぞれは、独立に、両端を含んで0~20の範囲の整数であってもよく、d’、e’及びf’のそれぞれは、独立に、0~4の整数であることができ、但し条件としてd’+e’+f’の和は少なくとも1である。
【0063】
式(3)のメソゲン基中、S基は、S、S、S、S及びS基のそれぞれが、独立に、(i)、(ii)又は(iii)の各基のうちの1つから選択され得るようなスペーサー基であることができる:
(i) -(CH-、-(CF-、-Si(CH(式中、hは、両端を含んで1~16の整数である);
(ii) -N(Z)、-C(Z)=C(Z)、-C(Z)=N、-C(Z’)-C(Z’)、又は単結合(式中、各Zは、独立に、水素、C1~6アルキル、シクロアルキル若しくはアリールであり、各Z’は、独立に、C1~6アルキル、シクロアルキル若しくはアリールである);又は
(iii) -O-、-C(O)-、-CH=CH-、-N=N-、-S-、-S(O)-、-S(O)-、-S(O)-O-、-O-S(O)O-、又は直鎖若しくは分枝状C1~24アルキレン残基(式中、C1~24アルキレン残基は、非置換であることができ、シアノ若しくはハロによって一置換されていてもよく、又はハロによって多置換されていてもよく、但しヘテロ原子を含む2個のスペーサー単位が一緒に結合されるとき、該スペーサー単位は、ヘテロ原子が互いに直接結合しないように結合され、且つS及びSが別の基に結合されるとき、それらは2つのヘテロ原子が互いに直接結合されないように結合される)。
【0064】
式(3)のメソゲン基では、c、d、e及びfのそれぞれは、独立に、両端を含んで1~20の範囲の整数であることができ、d’、e’及びf’のそれぞれは、独立に、0、1、2、3及び4であることができ、但し条件としてd’+e’+f’の和は少なくとも1である。
【0065】
式(3)のメソゲン基では、c、d、e及びfのそれぞれは、独立に、両端を含んで0~20の整数であることができ、d’、e’及びf’のそれぞれは、独立に、0、1、2、3であることができ、但し条件としてd’+e’+f’の和は少なくとも2である。
【0066】
式(3)のメソゲン基では、c、d、e及びfのそれぞれは、独立に、両端を含んで0~20の整数であることができ、d’、e’及びf’のそれぞれは、独立に、0、1、2、3又は4であることができ、但し条件としてd’+e’+f’の和は少なくとも3である。
【0067】
式(3)のメソゲン基では、c、d、e及びfのそれぞれは、独立に、両端を含んで0~20の整数であることができ、d’、e’及びf’のそれぞれは、独立に、0、1、2、3又は4であることができ、但し条件としてd’+e’+f’の和は少なくとも1である。
【0068】
式(1)のメソゲン化合物では、X基が-Rであるとき、wは2~25の整数であることができ、zは1であることができ;X基が-L-Rであるとき、wは1であることができ、yは2~25の整数であることができ、zは1であることができ;X基が-(L)-Rであるとき、wは3~26の整数であることができ、zは2であることができ;X基が-L-Qであるとき、式(1)中のP基がQである場合、他のQ基と同一であっても異なっていてもよく、wは1であることができ、zは1であることができ、且つP基がQ基以外である場合(即ち、Pは、本明細書で定義されている別の基である)、各wは独立に1~26の整数であることができ、zは1であることができ;X基が式(2)(-L-M-L-P)の構造を有するとき、wは1であることができ、yは2~25の整数であることができ、zは1であることができ;X基が-(L)-Pであるとき、wは1であることができ、yは2~26の整数であることができ、zは1であることができ;且つ-L-は、メソゲンとPとの間に少なくとも25個の結合の直鎖状配列を含むことができ;且つX基が-L-[(L)-P]であるとき、各wは独立に1~25の整数であることができ、yは2~6の整数であることができ、zは1であることができる。
【0069】
メソゲン化合物は、官能性モノメソゲン化合物(即ち、1つのメソゲン構造を含有するメソゲン化合物)であってもよい。官能性モノメソゲン化合物は、式(1)の構造を有してもよく、式中、X基は-Rであり、wは式(1)のものであり、式中、X基は-L-Rであり、wは1であり、yは2~25の整数であり、zは1である。
【0070】
メソゲン化合物は、官能性ビメソゲン化合物(即ち、同一であっても異なっていてもよい2つのメソゲン構造を含有するメソゲン化合物)であってもよい。例えば、官能性ビメソゲン化合物は、2個のメソゲン単位の間に長鎖結合基を有することができる。官能性ビメソゲン化合物は、式(1)の構造を有してもよく、式中、X基は-L-Rであり、wは3~26の整数であり、zは2である。官能性ビメソゲン化合物は、式(1)の構造を有してもよく、式中、X基は、式(2)の構造を有し:
-L-M-L-P (2)
ここで、wは1であり、yは2~25の整数であり、zは1である。
【0071】
メソゲン化合物は、官能性モノメソゲン化合物(即ち、1つのメソゲン構造を含有するメソゲン化合物)であってもよい。例えば、官能性モノメソゲン化合物は、式(1)のものを有してもよく、式中、X基は-L-Qであり、式(1)中のP基がQである場合、他のQ基と同一であっても異なっていてもよく、wは1であり、zは1であり;P基がQ基以外である場合、各wは独立に1~26の整数であり、zは1である。この構造を有するメソゲン化合物は2つのQ基を含有してもよく、これは同一であっても異なっていてもよく、反応してコポリマーを形成し得る1個以上の他のモノマー性単位と反応性であってもよい。そのため、メソゲン化合物は、ポリマー主鎖中に組み込まれ得る二官能性モノマーであってもよい。即ち、メソゲン基は、ポリマー主鎖中に組み込まれて、Q基(単数又は複数)の残基によって各末端にて、形成されたポリマーに結合することができる。用語「残基」は、反応性基の反応後に残っている基を指す。
【0072】
官能性モノメソゲン化合物は、式(1)の構造を有してもよく、式中、X基は-L-Pであり、wは1であり、yは2~25の整数であり、zは1であり、且つ-L-は、メソゲンとPとの間に少なくとも25個の結合の直鎖状配列を含む。-L-基は、メソゲンとPとの間に少なくとも50個の結合の直鎖状配列を含むことができる。
【0073】
メソゲン化合物は、式(1)の構造を有してもよく、式中、X基は-L-[(L)-P]であり、各wは独立に1~25の整数であり、yは2~6の整数であり、zは1である。メソゲン化合物は、例えば、3~7つの反応性基Pを有してもよい。
【0074】
本開示によって提供されるメソゲン化合物は、圧電及び/又はフレキソエレクトリック特性を呈する硬化層を提供することができる。
【0075】
本開示によって提供されるメソゲン化合物は、式(4)又は式(5)の構造を有する液晶モノマーを含むことができる:
R-M-L-P (4)
R-L-M-L-P (5)
【0076】
式(4)及び式(5)のモノマー中のP基は、本明細書でPについての列挙において記載されているような反応性基、及び、重合性基、複数の反応性基、又は開環メタセシス重合前駆体を含む基を含んでいてもよい。
【0077】
式(4)及び式(5)のモノマー中のQ基は、独立に、本明細書でQ基について列挙されている基の任意のものであってもよい。更に、式(4)及び式(5)のモノマー中、各-L-基は、独立に、本明細書で記載されている可能な-L-基の列挙から選択されてもよい。式(4)及び式(5)のモノマー中、R基は、本明細書で記載されている可能なR基の列挙から選択されてもよい。
【0078】
式(4)及び式(5)のモノマー中のメソゲン成分M及びMは、剛直棒状液晶基、剛曲棒状液晶基、又は剛円盤状液晶基であってもよく、例えば式(3)の構造を有するものを含む、本明細書で記載したメソゲンであり:
-[S-[G-[Sd’-[G-[Se’-[G-[Sf’-S- (3)
式中、S、S、S、S、S、G、G、G、c、d、e、f、d’、e’及びf’は、本明細書で定義されている。式(4)及び式(5)のモノマー中、wは2~25の範囲の整数であってもよく、yは2~25の範囲の整数であってもよい。
【0079】
本開示によって提供されるメソゲン化合物は、式(6)及び式(7)の構造を有するビメソゲン液晶モノマーを含む:
P-L-M-L-M-L-P (6)
P-L-M-L(-L-P)(-M-L-R) (7)
【0080】
式(6)及び式(7)のメソゲン化合物では、各Pは、独立に、本明細書に開示のものの任意のもの等の重合性基を含み、例えば反応性基、多数の反応性基、又は開環メタセシス重合前駆体が挙げられる。各Qは、独立に、本明細書で開示のQについての基のうちの任意のものを含んでもよい。式(6)及び式(7)のメソゲン化合物では、各Lは、独立に、本明細書で開示のLについての基のうちの任意のものを含んでもよい。式(6)及び式(7)のメソゲン化合物では、各Rは、独立に、本明細書で開示のRについての基のうちの任意のものを含んでもよい。式(6)及び式(7)のメソゲン化合物中のメソゲン部分は、剛直棒状液晶基、剛曲棒状液晶基、剛円盤状液晶基、又は前述の任意のものの組合せを含んでもよい。そのため、式(6)及び式(7)の化合物中のM及びMは、独立に、例えば式(3)の構造を含む、本明細書に開示のメソゲン構造を含んでもよく:
-[S-[G-[Sd’-[G-[Se’-[G-[Sf’-S- (3)
式中、S、S、S、S、S、G、G、G、c、d、e、f、d’、e’及びf’は、本明細書で定義されている。式(6)及び式(7)のメソゲン化合物では、wは2~25の整数であってもよい。
【0081】
メソゲン化合物は、式(8)の構造で表される二官能性液晶モノマーを含むことができる:
P-L-M-L-Q (8)
【0082】
式(8)のメソゲン化合物では、Pは、重合性基等の反応性基、複数の反応性基、又は開環メタセシス重合前駆体を含むことができる。PがQ基で表される場合、wは1であることができ、PがQ以外である場合、各wは独立に1~26の整数であることができる。
【0083】
式(8)のメソゲン化合物では、各Q基は、独立に、本明細書でQ基について列挙されている基の任意のものであってもよい。更に、式(8)中、各-L-基は、独立に、同一であっても異なっていてもよい出現ごとに、本明細書で記載されている可能な-L-基の列挙から選択されてもよい。式(8)中のメソゲン化合物は、剛直棒状液晶基、剛曲棒状液晶基、又は剛円盤状液晶基であってもよく、例えば式(3)の構造を有するものを含む、本明細書で記載されているメソゲンであってもよく:
-[S-[G-[Sd’-[G-[Se’-[G-[Sf’-S- (3)
式中、S、S、S、S、S、G、G、G、c、d、e、f、d’、e’及びf’は、本明細書で定義されている。
【0084】
メソゲン化合物は、式(9)の構造を有する液晶モノマーを含むことができる:
P-L-M-L-P (9)
【0085】
式(9)のメソゲン化合物では、各P基は、独立に、本明細書に記載のPについての列挙において記載されていて重合性基を含むP基を含むもの等の反応性基、複数の反応性基、又は開環メタセシス重合前駆体を含んでもよい。Q基は、独立に、本明細書でQについて列挙されている基の任意のものであってもよい。更に、式(9)中、各-L-基は、独立に、同一であっても異なっていてもよい出現ごとに、本明細書で記載の可能な-L-基の列挙から選択されてもよい。式(9)中のメソゲン成分は、剛直棒状液晶基、剛曲棒状液晶基、又は剛円盤状液晶基であってもよく、例えば式(3)の構造を有するものを含む、本明細書で記載されているメソゲンであってもよく:
-[S-[G-[Sd’-[G-[Se’-[G-[Sf’-S- (3)
式中、S、S、S、S、S、G、G、G、c、d、e、f、d’、e’及びf’は、本明細書で定義されている。加えて、式(9)中、yは、2~25の範囲の整数であってもよい。式(9)のメソゲン化合物では、-L-は、メソゲンとP基との間に少なくとも25個の結合の直鎖状配列を含むことができる。式(9)のメソゲン化合物では、-L-は、メソゲンとP基との間に少なくとも50個の結合の直鎖状配列を含んでもよい。
【0086】
メソゲン化合物は、式(10)の構造を有することができる:
P-L-M-L-(-L-P) (10)
【0087】
式(10)のメソゲン化合物は、3~7つのP基を含んでもよく、ここで、式(10)中の各P基は、独立に、本明細書に記載のPについての列挙において記載されていて重合性基を含むP基を含むもの等の反応性基、複数の反応性基、又は開環メタセシス重合前駆体であってもよい。Q基は、独立に、本明細書でQ基について列挙されている基の任意のものであってもよい。式(10)の化合物では、各-L-基は、独立に、同一であっても異なっていてもよい出現ごとに、本明細書で記載の可能な-L-基の列挙から選択されてもよい。式(10)中のメソゲン成分は、剛直棒状液晶基、剛曲棒状液晶基、又は剛円盤状液晶基であってもよく、例えば式(3)の構造を有するものを含む、本明細書で記載されているメソゲンであってもよく:
-[S-[G-[Sd’-[G-[Se’-[G-[Sf’-S- (3)
式中、S、S、S、S、S、G、G、G、c、d、e、f、d’、e’及びf’は、本明細書で定義されている。式(12)の化合物では、各wは独立に1~25の整数であってもよく、yは2~6の整数であってもよい。
【0088】
式(1)及び式(4)~(10)のメソゲン化合物は、化合物の1つ以上の部分の間に可撓性の長い結合基を含むことができる。例えば、結合基-L-及び/又は-L-、並びにある特定の事例では-L-基(例えば、-L-が少なくとも25個の直鎖状結合を含むとき)は、結合基によって結合された2つの基の間に、長さ25~500個の化学結合の範囲の、化学結合の長い直鎖状配列を含む長鎖可撓性結合基を含んでもよい。結合基は、2つの基の間に、長さ30~500個の化学結合の範囲の、化学結合の長い直鎖状配列を含んでもよい。結合基は、2つの基の間に、長さ50~500個の化学結合の範囲の、化学結合の長い直鎖状配列を含んでもよい。結合基に参照して使用されるとき、結合基によって結合された基の間の直鎖状配列中の化学結合は、共役又は極性共役の化学結合、例えば共役又は極性共役のσ結合であってもよく、更には1つ以上のπ結合も含んでもよい(直鎖状配列中の化学結合の長さを計算するときにπ結合は含まれないが)。更に、当業者ならば、結合基がまた、そこを通して結合の直鎖状配列を結びつけるそれらの介在原子を含むことができることがわかるであろう。
【0089】
重合性メソゲンモノマーは、式(1)の化合物を含むことができ:
P-(L)-(M-X) (1)
式中、
a)各-Xは、独立に、
i)-R基、
ii)-(L)-Rで表される基、
iii)-(L)-Rで表される基、
iv)-(L)-Qで表される基、
v)式(2):
-(L)-M-(L)-P (2)
の部分で表される基、
vi)-(L)-Pで表される基、又は
vii)-(L)-[(L)-P]で表される基
であり、
b)Pは、反応性基を含み、
c)Qは、ヒドロキシル、アミン、アルケニル、アルキニル、アジド、シリル、シリルヒドリド、オキシ(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)、チオール、イソシアナト、チオイソシアナト、アクリロキシ、メタクリロキシ、2-(アクリロキシ)エチルカルバミル、2-(メタクリロキシ)エチルカルバミル、アジリジニル、アリルカーボナート、エポキシ、カルボン酸、カルボン酸エステル、アミド、無水カルボン酸及びハロゲン化アシルから選択され、
d)各Lは、独立に、単結合、多置換の、一置換の、非置換の又は分枝状のスペーサーから選択され、前記スペーサーは、アリール、(C1~30)アルキル、(C1~30)アルキルカルボニルオキシ、(C1~30)アルキルアミノ、(C1~30)アルコキシ、(C1~30)ペルフルオロアルキル、(C1~30)ペルフルオロアルコキシ、(C1~30)アルキルシリル、(C1~30)ジアルキルシロキシル、(C1~30)アルキルカルボニル、(C1~30)アルコキシカルボニル、(C1~30)アルキルカルボニルアミノ、(C1~30)アルキルアミノカルボニル、(C1~30)アルキルカーボナート、(C1~30)アルキルアミノカルボニルオキシ、(C1~30)アルキルアミノカルボニルアミノ、(C1~30)アルキルウレア、(C1~30)アルキルチオカルボニルアミノ、(C1~30)アルキルアミノカルボニルチオ、(C2~30)アルケン、(C1~30)チオアルキル、(C1~30)アルキルスルホン又は(C1~30)アルキルスルホキシドを独立に含み、ここで、各置換基は、独立に、(C1~5)アルキル、(C1~5)アルコキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、(C1~5)アルカン酸エステル、イソシアナト、チオイソシアナト及びフェニルから選択され、
e)Rは、水素、C1~18アルキル、C1~18アルコキシ、C1~18アルコキシカルボニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルコキシ、ポリ(C1~18アルコキシ)、及び非置換である、若しくはシアノ、フルオロ、クロロ、ブロモ若しくはC1~18アルコキシで置換されている、又はフルオロ、クロロ若しくはブロモで多置換されている、直鎖又は分枝状C1~18アルキル基から選択され、
f)M及びMのそれぞれは、独立に、剛直棒状液晶基、剛曲棒状液晶基、又は剛円盤状液晶基を含み、
式中、
wは1~26の整数であり、
yは2~25の整数であり、
zは1又は2であり、
但し、
XがRであるとき、wは2~25の整数であり、zは1であり、
Xが-(L)-Rであるとき、wは1であり、yは2~25の整数であり、zは1であり、
Xが-(L)-Rであるとき、wは3~26の整数であり、zは2であり、
Xが-(L)-Qであるとき、PがQ基で表される場合、wは1であり、zは1であり、且つPがQ基以外である場合、各wは独立に1~26の整数であり、zは1であり、
Xが式(2):-(L)-M-(L)-Pの部分であるとき、wは1であり、yは2~25の整数であり、zは1であり、
Xが-(L)-Pであるとき、wは1であり、yは2~25の整数であり、zは1であり、且つ-(L)-はメソゲンとPとの間に少なくとも25個の結合の直鎖状配列を含み、
Xが-(L)-[(L)-P]であるとき、各wは独立に1~25の整数であり、yは2~6の整数であり、zは1である。
【0090】
本開示によって提供される誘電体組成物は、単一のメソゲン化合物又はメソゲン化合物の組合せを含んでもよい。
【0091】
メソゲン化合物は、重合性であることができ、且つ誘電体組成物中の他のメソゲン化合物の官能基と反応性である官能基を有することができる。
【0092】
メソゲンモノマーの反応性基は、任意の好適な硬化する化学物質にとって適当であるように選択され得る。例えば、好適な硬化する化学物質は、チオール基と、エポキシ、アルケニル又はマイケル受容体基との間の反応を含むことができる。
【0093】
メソゲン化合物は、メソゲン化合物が、メソゲン化合物を含む組成物がUV線に曝露されるときに反応性である官能基を含むように、光重合性であることができる。例えば、光重合性メソゲン化合物は、アクリラート又はメタクリラート末端基を含むことができる。光重合性メソゲン化合物は、単一の(メタ)アクリラート末端基を含むことができ、又は2つの(メタ)アクリラート末端基を含むことができる。光重合性基としてはまた、チオール基及びアルケニル基も挙げることができる。単一の反応性基を有する光重合性メソゲン化合物は、単官能性光重合性メソゲン化合物と称され、2つの反応性基を有する光重合性メソゲン化合物は、二官能性光重合性メソゲン化合物と称される。
【0094】
好適な硬化する化学物質としては、反応性基がイソシアナート、アミン及びヒドロキシルの各基であることができるウレタン及びウレア化学物質が挙げられる。
【0095】
メソゲン化合物は、メソゲン化合物を含む組成物が30℃超、40℃超、50℃超又は60℃超の温度等の熱に曝露されたときに反応性である官能基をメソゲン化合物が含むように、熱重合性であることができる。例えば、熱重合性メソゲン化合物は、アクリラート又はメタクリラート末端基を含むことができる。熱重合性メソゲン化合物は、単一の(メタ)アクリラート末端基を含むことができ、又は2つの(メタ)アクリラート末端基を含むことができる。熱重合性基としてはまた、チオール基及びアルケニル基も挙げることができる。単一の反応性基を有する熱重合性メソゲン化合物は、単官能性熱重合性メソゲン化合物と称され、2つの反応性基を有する熱重合性メソゲン化合物は、二官能性熱重合性メソゲン化合物と称される。
【0096】
本開示によって提供される組成物は、例えば20~60、25~55、30~50又は35~45の、二官能性重合性メソゲン化合物の、単官能性重合性メソゲン化合物に対するモル%比を含むことができる。
【0097】
本開示によって提供されるメソゲン化合物は、例えば300ダルトン~3,000ダルトン、300ダルトン~2,000ダルトン、300ダルトン~1,500ダルトン、300ダルトン~1,000ダルトン、又は400ダルトン~800ダルトンの分子量を有することができ、ここで、分子量は、ポリスチレン標準を用いてゲル浸透クロマトグラフィーによって決定され得る。
【0098】
好適なメソゲン化合物の特定の例としては以下が挙げられる:

【化1-1】

【化1-2】
【0099】
誘電体組成物は、メソゲン化合物(1)~(7)、又は前述した任意のものの組合せを含むことができる。
【0100】
好適なメソゲン化合物の他の例としては、少なくとも1つの(メタ)アクリレート基を有する、表1(米国特許出願公開第2010/0014010号)に開示されている任意のものを含む、米国特許出願公開第2010/0014010号に開示されている化合物、例えば:
【化2-1】

【化2-2】

【化2-3】

【化2-4】

【化2-5】

【化2-6】

【化2-7】

【化2-8】

【化2-9】

【化2-10】

【化2-11】

【化2-12】

【化2-13】

【化2-14】

、又は前述の任意のものの組合せが挙げられる。
【0101】
誘電体組成物は、2つの反応性官能基を有するメソゲン化合物(二官能性メソゲン化合物)と、1つの反応性官能基を有するメソゲン化合物(単官能性メソゲン化合物)との組合せを含むことができる。反応性官能基は、アクリラート基又はメタクリラート基等の光反応性官能基であることができる。二官能性メソゲン化合物 対 単官能性メソゲン化合物 のモル比は、例えば2:1~1:1、1.8:1~1:1、1.6:1~1:1、1.4:1~1:1又は1.2:1~1:1であることができる。二官能性メソゲン化合物 対 単官能性メソゲン化合物 の比は、重合メソゲン化合物が平均して2つ又は3つのメソゲン化合物の短鎖を形成するように選択され得る。
【0102】
誘電体組成物は、重量%が組成物の総重量に基づいて、例えば、40重量%~80重量%の重合性メソゲンモノマーの組合せ、45重量%~75重量%の、50重量%~70重量%の、又は55重量%~65重量%の重合性メソゲンモノマーの組合せ、例えば光重合性メソゲンモノマー又は熱開始メソゲンモノマーを含むことができる。
【0103】
誘電体組成物はまた、界面活性剤、又は界面活性剤の組合せを含んでもよい。
【0104】
界面活性剤としては、湿潤剤、消泡剤、乳化剤、分散剤及びレベリング剤等の材料が挙げられる。界面活性剤は、アニオン性、カチオン性又は非イオン性であることができる。
【0105】
本開示によって提供される誘電体組成物は、重量%が組成物の総重量に基づいて、例えば、0.001重量%~0.200重量%の界面活性剤、又は界面活性剤の組合せ、0.0005重量%~0.5000重量%の、0.01重量%~0.12重量%の、0.02重量%~0.10重量%の界面活性剤、又は界面活性剤の組合せを含むことができる。
【0106】
好適な非イオン性界面活性剤の例としては、エトキシル化アルキルフェノール、例えばIGEPAL(登録商標)DM surfactants(Sigma Aldrich)、又はTRITON(登録商標)X-100(Sigma Aldrich)として入手可能なオクチル-フェノキシポリエトキシエタノール、アセチレンジオール、例えばSURFYNOL(登録商標)104(Air Products)として入手可能な2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール、エトキシル化アセチレンジオール、例えばSURFYNOL(登録商標)400 surfactants、及びフルオロ界面活性剤、例えばFLUORAD(登録商標)fluorochemical surfactants(3M)が挙げられる。好適なキャッピングされた非イオン性界面活性剤の例としては、TRITON(登録商標)CF87として入手可能なベンジルでキャッピングされたエトキシル化オクチルフェノール、プロピレンオキシドでキャッピングされたアルキルエトキシラート、例えばPLURAFAC(登録商標)RA surfactants(BASF)、オクチルフェノキシヘキサデシルエトキシベンジルエーテル、BYK(登録商標)306(Byk-Chemie)として入手可能なポリエーテル修飾ジメチルポリシロキサンコポリマーが挙げられる。界面活性剤としては、前述した界面活性剤の任意のものの組合せを挙げることができる。
【0107】
本開示によって提供される誘電体組成物は、反応性モノマーを安定させて自発重合を防止するための重合防止剤を含むことができる。例えば、本開示によって提供される誘電体組成物は、重合防止剤としてモノメチルエーテルヒドロキノン(MEHQ、4-ヒドロキシフェノール)を含むことができる。
【0108】
誘電体組成物は、重量%が組成物の総重量に基づいて、例えば、0.001重量%~0.200重量%の重合防止剤、又は重合防止剤の組合せ、0.0005重量%~0.5000重量%の、0.01重量%~0.12重量%の、0.02重量%~0.10重量%の重合防止剤、又は重合防止剤の組合せを含むことができる。
【0109】
好適な重合防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシトルエン(BHT)が挙げられる。
【0110】
光重合性組成物は、例えば、紫外(UV)線への曝露時に硬化され得る。光重合性組成物は、光開始剤を含むことができる。
【0111】
本開示によって提供される誘電体組成物は、重量%が組成物の総重量に基づいて、例えば、0.01重量%~5重量%の光開始剤、又は光開始剤の組合せ、0.05重量%~4重量%の、0.2重量%~3重量%の、又は0.5重量%~2重量%の光開始剤、又は光開始剤の組合せを含むことができる。
【0112】
好適な光開始剤の例としては、開裂型光開始剤及び抽出型光開始剤が挙げられる。好適な開裂型光開始剤の例としては、アセトフェノン、α-アミノアルキルフェノン、ベンゾインエーテル、ベンゾイルオキシム、アシルホスフィンオキシド及びビスアシルホスフィンオキシド、及び前述の任意のものの組合せが挙げられる。好適な抽出型光開始剤の例としては、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、チオキサントン、アントラキノン、カンファーキノン、フルオロン、ケトクーマリン、及び前述の任意のものの組合せが挙げられる。
【0113】
本開示によって提供される重合性組成物は、熱で活性化され得る。熱活性化重合性組成物は、熱開始剤を含むことができる。好適な熱開始剤の例としては、アゾ化合物、例えば4,4’-アゾビス(4-シアノバレル酸)、1,1’-アズビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)、及び2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオニトリル);無機ペルオキシド、例えば過硫酸アンモニウム、ヒドロキシメタンスルフィン酸、過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウム;並びに有機ペルオキシド、例えばtert-ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、2,5-ジ(tert-ブチルペルオキシ)-2,5-ジメチル-3-ヘキシン、1,1-ビス(tert-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、2,5-ジ(tert-ブチルペルオキシ)-2,5-ジメチル-3-ヘキサン、過酸化ベンゾイル、過酸化2-ブタノン及び過酸化tert-ブチルが挙げられる。
【0114】
本開示によって提供される重合性組成物は、光開始剤又は熱開始剤を含まなくてもよい。
【0115】
誘電体組成物は、水を除去する又は捕捉するための乾燥剤を含むことができる。好適な乾燥剤の例としては、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム及び硫酸ナトリウムが挙げられる。
【0116】
誘電体組成物は、基材表面へ、又は基材表面に積層するコーティング若しくはフィルムへ、塗布され得る。基材表面は、最初に、例えば、アセトン等の揮発性溶媒でワイピングして窒素ガスで乾燥させることによって清浄化され得る。基材はまた、酸素プラズマ等のプラズマでも清浄化され得る。
【0117】
清浄化された基材表面は、ポリマーコーティングの薄層を塗布することによって平坦化され得る。平坦化層として使用される材料の例としては、ポリビニルアルコールが挙げられる。平坦化層は、例えば、スピンコーティング又はブラッシングによって塗布され得る。
【0118】
整列層は、例えば、ポリビニルアルコール等の材料の、表面上へのスピンコーティングを用いて、基材表面へ塗布され得る。整列層は、例えば、100nm未満、50nm未満、25nm未満又は10nm未満の厚さを有することができる。
【0119】
整列層は、例えば、整列層を単一方向に摩擦することによって配向され得る。
【0120】
整列層が配向された後、誘電体組成物は、例えば、スピンコーティング、ブラッシング、又は例えば200μm未満、100μm未満、75μm未満、25μm未満、20μm未満、15μm未満、10μm未満又は5μm未満の厚さを有する層を提供することが可能な他の好適な方法によって、整列された層へ塗布され得る。
【0121】
整列された表面への塗布後、組成物中のメソゲン化合物は自己整列する。メソゲン化合物は、室温にて又は昇温にて自己整列させられ得る。熱及び/又は振動が、メソゲン化合物の整列を促進するために適用されてもよい。誘電体組成物を加熱することはまた、薄層からの溶媒除去も促進することができる。メソゲン化合物は、メソゲン化合物の長軸が、表面の配向の一般の方向と一般に平行である配向を想定するように自己整列することができる。メソゲン化合物は、メソゲン化合物の双極子モーメントが表面に対して垂直に整列されるときに、圧電及び/又はフレキソエレクトリック効果を呈する。
【0122】
整列された誘電体組成物は、加熱して溶媒を除去し、次いでUV線に曝露して重合性液晶を硬化することができる。任意の好適なUV源が、液晶モノマーを光重合させるのに十分な、適当なUVフラックスにおいて使用され得る。別法では、熱開始剤を含む整列された誘電体組成物を、液晶モノマーを重合させるために加熱することができる。本開示によって提供される硬化層は、例えば、100μm未満、75μm未満、50μm未満、25μm未満、10μm未満又は5μm未満の厚さであることを特徴とすることができる。本開示によって提供される硬化層は、1μm~100μm、5μm~100μm、1μm~75μm、1μm~50μm、又は1μm~25μmの厚さであることを特徴とすることができる。
【0123】
本開示によって提供される硬化誘電体層は、熱硬化性材料である。
【0124】
本開示によって提供される硬化誘電体層は、圧電及び/又はフレキソエレクトリック特性を呈することができる。
【0125】
ある特定の使用において、圧電及び/又はフレキソエレクトリック効果は、アニーリング、ストレッチング及び/又は二軸配向等の加工後処理によって強化され得る。
【0126】
本開示によって提供される誘電体層は、圧電及びフレキソエレクトリック装置、例えばセンサー、アクチュエータ、エネルギーハーベスタ、及び電気機械的エネルギー変換装置において使用されてもよい。本開示によって提供される誘電体層は、電気装置、例えばトランスデューサ、センサー、アクチュエータ、強誘電体メモリにおいて、且つ電気装置によるキャパシタにおいて使用され得る。
【0127】
本開示によって提供される誘電体層は、基材上にコーティングを備えることができる。基材は、任意の好適な厚さ及び剛直さのものであってもよい。誘電体層は、コーティングとして基材へ塗布されてもよく、又は多層構造のうちの1つの層であってもよい。
【0128】
本開示によって提供される誘電体層は、電極と、電気的に結合され得る。電極は、誘電体層の一部に相互結合されてもよい。電極は、本開示によって提供される誘電体層が、電極を形成している2枚の薄フィルムの間に挟まれるように、薄フィルムの形態にあることができる。電極は、任意の好適な形状、寸法又は形態を有してもよい。例えば、電極は、互いに組み合わされた櫛型パターンの形態にあってもよい。
【0129】
本開示によって提供される誘電体層は、ポーリングを要さずに重合される。結果として、誘電体層は、熱的に、電気的に又は機械的に、双極性となり得ない。
【実施例
【0130】
本開示によって提供される実施形態は、重合性メソゲン化合物を含むある特定の組成物の、合成、特性及び使用、該組成物から形成される層、及び該組成物から作製される装置を説明する、以下の実施例を参照することによって更に例示される。当業者には、材料と方法との両方に対する多くの変更が、本開示の範囲から逸脱することなく実行されてもよいことが明らかとなる。
【0131】
例1~3は、本発明の材料の製造を説明している。例4は、例1~3の、融点及び液晶相転移温度を測定するのに使用する方法を説明している。これらの実施例はまた、米国特許第8,628,685号でも開示されている。
【0132】
以下の略語を、実施例及び図面で列挙した化学物質について用いた。
Al(OiPr) トリイソプロピル酸アルミニウム
DHP 3,4-ジヒドロ-2H-ピラン
DCC ジシクロヘキシルカルボジイミド
DIAD ジイソプロピルアゾジカルボキシラート
DMAP 4-ジメチルアミノピリジン
PPh トリフェニルホスフィン
PPTS p-トルエンスルホン酸ピリジン
NMP N-メチルピロリドン
NMR プロトン核磁気共鳴法
TBD 1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン
THF テトラヒドロフラン
【0133】
例1
メソゲン化合物の合成
ステップ1:反応フラスコへ、4-ヒドロキシ安息香酸(20g)、3-クロロ-1-プロパノール(34g)、N-メチルピロリドン(NMP)(200mL)及び炭酸カリウム(50g)を添加し、混合物を110℃にて4時間、激しく撹拌した。得られた混合物を、1/1体積比の酢酸エチル/ヘキサン(1L)と、水(500mL)とを使用して抽出した。分離した有機層を水で数回洗浄してNMPを除去し、次いで、硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後、回収した油(40g)を次のステップで直接使用した。
【0134】
ステップ2:反応フラスコへ、ステップ1からの生成物(40g)、無水コハク酸(40g)、DMAP(0.5g)及びTHF(200mL)を添加し、得られた混合物を4時間、還流させた。酢酸エチル(1L)及び水(1L)を使用して抽出を行った。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。得られた生成物を、酢酸エチル/ヘキサン(8/2 体積/体積(v/v))の混合物を使用するシリカカラム分離法によって精製した。透明な油(36.6g)を生成物として得た。NMRは、該生成物が4-(3-((4-(3-((3-カルボキシプロパノイル)オキシ)プロポキシ)ベンゾイル)オキシ)プロポキシ)-4-オキソブタン酸と一致した構造を有することを示した。
【0135】
ステップ3:反応フラスコへ、6-クロロ-1-ヘキサノール(51g)、塩化メチレン(200mL)及びp-トルエンスルホン酸一水和物(0.5g)を添加した。混合物を室温にて撹拌した。DHP(33.5g)を、滴下漏斗を通じて20分間隔で添加した。得られた混合物を室温にて1時間撹拌し、次いで濃縮した。回収した透明な油(79g)を次のステップで直接使用した。
【0136】
ステップ4:ステップ3からの生成物(78.2g)を含有する反応フラスコへ、エチル4-ヒドロキシベンゾアート(65g)、炭酸カリウム(147g)及びNMP(700mL)を添加した。混合物を120℃にて6時間撹拌し、次いで水1.5Lへ注入した。混合物をヘキサン(1.5L)で抽出した。分離した有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。回収した透明な油(126.7g)を次のステップで直接使用した。
【0137】
ステップ5:ステップ4からの生成物(126.7g)を含有する反応フラスコへ、水酸化ナトリウム水溶液(溶液の総重量に基づいて50重量%溶液64g)、メタノール(300mL)及び水(200mL)を添加した。混合物を2時間還流させ、メタノールの大半を、ロータリーエバポレーターを用いて除去した。得られた混合物へ水(1.5L)を添加して、透明な溶液を得た。3MのHCl(約270mLを使用した)をゆっくり添加して、溶液のpHを約7へ調整した。大量の望ましくない沈殿物が形成した。得られた混合物を酢酸エチルで2回(各回500mL)抽出した。分離した有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、固体が形成し始めるまで濃縮した。生成物の更なる結晶化のためにヘキサン(1L)を添加した。得られた結晶をろ過によって回収し、真空オーブン中で乾燥した。白色の結晶を生成物として得た(89.7g)。NMRは、該生成物が(4-(6-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)ヘキシルオキシ)安息香酸と一致した構造を有することを示した。
【0138】
ステップ6:反応フラスコへ、ステップ5からの4-(trans-4-プロピルシクロヘキシル)フェノール(4.78g)、4-(6-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)ヘキシルオキシ)安息香酸(7.068g)、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(5g)、4-ジメチルアミノピリジン(0.25g)及び塩化メチレン(100mL)を添加した。混合物を室温で4時間撹拌した。形成した固体の副生成物をろ別した。得られた溶液を濃縮し、エタノール(100mL)、1,2-ジクロロエタン(100mL)及びp-トルエンスルホン酸ピリジニウム(1g)を添加した。得られた混合物を2日間還流させ、次いで濃縮した。生成物を、塩化メチレン/アセトン(50/1 v/v)を使用するシリカカラム分離法によって精製し、続いてメタノールから再結晶化した。白色の結晶(6.47g)を生成物として得た。NMRは、該生成物が4-(trans-4-プロピルシクロヘキシル)フェニル4-((6-ヒドロキシヘキシル)オキシ)ベンゾアートと一致した構造を有することを示した。
【0139】
ステップ7:反応フラスコへ、ステップ6からの4-(trans-4-プロピルシクロヘキシル)フェニル4-((6-ヒドロキシヘキシル)オキシ)ベンゾアート(1.47g)、ステップ2からの4-(3-((4-(3-((3-カルボキシプロパノイル)オキシ)プロポキシ)ベンゾイル)オキシ)プロポキシ)-4-オキソ-ブタン酸(0.76g)、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.72g)、4-ジメチルアミノピリジン(0.03g)及び塩化メチレン(20mL)を添加した。混合物を室温にて4時間撹拌した。形成した固体の副生物をろ別した。溶液を濃縮し、生成物を、塩化メチレン/アセトン(50/1 v/v)を使用するシリカカラム分離法によって精製し、続いて塩化メチレン/エタノールの混合物から再結晶化した。白色の固体(0.97g)を生成物として得た。NMRは、該生成物が1-{3-(4-(3-(4-(6-(4-(4-(4-プロピルシクロヘキシル)フェノキシカルボニル)フェノキシ)-ヘキシルオキシ)-4-オキソブタノイルオキシ)プロピルオキシ)ベンゾイルオキシ)プロピルオキシ}-4-{6-(4-(4-(trans-4-プロピルシクロヘキシル)フェノキシカルボニル)フェノキシ)ヘキシルオキシ)ブタン-1,4-ジオンと一致した構造を有することを示した。
【0140】
(例2)
メソゲン化合物の合成
ステップ1:反応フラスコへ、4-ヒドロキシ安息香酸(90g、0.65モル)、エチルエーテル(1000mL)及びp-トルエンスルホン酸(2g)を添加した。得られた懸濁液を室温にて撹拌した。3,4-ジヒドロ-2H-ピラン(DHP)(66g、0.8モル)を混合物に添加した。懸濁液は、DHPを添加してすぐに透明になり、白色結晶沈殿物が形成した。次いで、混合物を室温にて一晩撹拌した。得られた沈殿物を真空ろ過によって回収し、エチルエーテルで洗浄した。白色の結晶を生成物として取り出した(90g)。NMRは、該生成物が4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)安息香酸と一致した構造を有することを示した。
【0141】
ステップ2:反応フラスコへ、ステップ1からの4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)安息香酸(17g)、4-(trans-4-プロピルシクロヘキシル)フェノール(15.1g)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(15.7g)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)(0.8g)及び塩化メチレン(100mL)を添加した。得られた混合物を室温にて2時間撹拌した。得られた固体の副生成物をろ別した。溶液を濃縮し、メタノール(100mL)、1,2-ジクロロエタン(100mL)及びp-トルエンスルホン酸ピリジン(PPTS)(2g)を添加した。得られた混合物を加熱して還流させ、還流にて6時間維持した。溶媒を除去し、得られた生成物を、酢酸エチル/ヘキサン(2/8 v/v)の混合物を使用するシリカカラム分離法によって精製した。白色の固体を生成物として得た(16g)。NMRは、該生成物が4-(trans-4-プロピルシクロヘキシル)フェニル-4-ヒドロキシベンゾアートと一致した構造を有することを示した。
【0142】
ステップ3:反応フラスコへ、ステップ2の生成物(4.98g)、ポリカプロラクトンジオール(2.6g、Aldrichカタログ番号189405)、トリフェニルホスフィン(3.86g)、THE(40mL)及びジイソプロピルアゾジカルボキシラート(2.98g)を添加した。得られた混合物を室温にて20時間撹拌した。濃縮後、酢酸エチル/ヘキサン混合物を使用するシリカゲルフラッシュカラム分離法を用いて、該生成物の主要な成分を回収した。白色の固体を生成物として取り出した(3.2g)。NMRは、該生成物が2,2’-ビス(6-(6-(4-(4-(trans-4-プロピルシクロヘキシル)フェノキシカルボニル)フェノキシ)ヘキサノイルオキシ)-6-ヘキサノイルオキシ)ジエチルエーテルと一致した構造を有することを示し、ここで、各nは、平均分布度2.2を有していた。
【0143】
例3
メソゲン化合物の合成
ステップ1:N-ノニルベンゾイルクロリド(15g)を、ピリジン(110mL)とヒドロキノン(33.2g)との混合物を含有する反応フラスコへゆっくりと添加し、得られた混合物を4時間撹拌し、水(3L)中に注入し、12NのHClをゆっくりと添加してpHを約3に調整した。得られた溶液をヘキサン(200mL)で抽出した。得られたヘキサン溶液を、水で洗浄し、乾燥し、濃縮した。メタノール(100mL)を添加し、形成した望ましくない固体の副生成物をろ別した。メタノール溶液を回収し、濃縮し、乾燥した。白色の固体(17g)を生成物として得た。NMRは、該生成物が4-ヒドロキシフェニル4-ノニルベンゾアートと一致した構造を有することを示した。
【0144】
ステップ2:反応フラスコへ、ステップ1からの4-ヒドロキシフェニル4-ノニルベンゾアート(9.22g)、例1のステップ5からの4-(6-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)ヘキシルオキシ)安息香酸(7.94g)、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(6.1g)、4-ジメチルアミノピリジン(0.3g)及び塩化メチレン(100mL)を添加した。混合物を室温にて24時間撹拌した。形成した固体の副生成物をろ別した。得られた溶液を、固体が形成し始めるまで濃縮した。生成物の更なる結晶化のためにメタノール(100mL)を添加した。白色の結晶を真空ろ過によって回収し、乾燥した(13.41g)。NMRは、該生成物が4-((4-ノニルベンゾイル)オキシ)フェニル4-((6-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)ヘキシル)オキシ)ベンゾアートと一致した構造を有することを示した。
【0145】
ステップ3:反応フラスコへ、ステップ2からの生成物(13.41g)、メタノール(80mL)、クロロホルム(200mL)及びp-トルエンスルホン酸ピリジニウム(0.52g)を添加した。混合物を6時間還流させ、次いで濃縮した。メタノール(200mL)を添加した。得られた白色の固体(11g)を生成物として回収した。NMRは、該生成物が4-((4-((6-ヒドロキシヘキシル)オキシ)ベンゾイル)オキシ)フェニル-4-ノニルベンゾアートと一致した構造を有することを示した。
【0146】
ステップ4:反応フラスコへ、ステップ3からの生成物(5.56g)、無水コハク酸(1.98g)、DMAP(0.04g)及びTHF(100mL)を添加した。得られた混合物を4時間還流させ、次いで水(1L)中へ注入した。形成した沈殿物を回収し、酢酸エチル/ヘキサン(5/5 v/v)の混合物を使用するシリカカラム分離法によって精製した。白色の固体(5.77g)を生成物として得た。NMRは、該生成物が4-((6-(4-((4-((4-ノニルベンゾイル)オキシ)フェノキシ)カルボニル)フェノキシ)ヘキシル)オキシ)-4-オキソブタン酸と一致した構造を有することを示した。
【0147】
ステップ5:反応フラスコへ、ステップ4からの生成物(4g)、ポリ(炭酸ヘキサメチレン)ジオール(1.7g、M860、Aldrichカタログ番号461172)、N,N’-ジシクロヘキシルカルボ-ジイミド(1.26g)、4-ジメチルアミノピリジン(0.06g)及び塩化メチレン(20mL)を添加した。混合物を室温にて24時間撹拌した。形成した固体の副生成物をろ別した。得られた混合物を、水(3L)と重炭酸ナトリウム(10g)との混合物中へ注入し、更に24時間撹拌した。塩化メチレン(200mL)を添加した。分離した有機層を回収し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。回収した固体を、メタノール中で2時間撹拌した。白色の固体を回収し、生成物として乾燥した(3g)。NMRは、該生成物が1-{(6-(6-(6-(6-(6-(6-(6-(4-(6-(4-(4-(4-ノニルベンゾイルオキシ)フェノキシカルボニル)フェノキシ)ヘキシルオキシ)-4-オキソブタノイルオキシ)ヘキシルオキシ)-6-カルボニルオキシヘキシルオキシ)-6-カルボニルオキシヘキシルオキシ)-6-カルボニルオキシヘキシルオキシ)-6-カルボニルオキシヘキシルオキシ)-6-カルボニルオキシヘキシルオキシ)-6-カルボニルオキシヘキシルオキシ}-4-{6-(4-(6-(4-(4-(4-ノニルベンゾイルオキシ)フェノキシカルボニル)フェノキシ)ヘキシルオキシ}ブタン-1,4-ジオンと一致した構造を有することを示した。
【0148】
例4
溶媒混合物を、メソゲン化合物を含む組成物と合わせて、光重合性組成物を製造した。2種の組成物の含有量を、それぞれ表1及び表2に記載する。
【表1】

【表2】
【0149】
アニソールの溶媒ブレンド(199.5g)、モノメチルエーテルヒドロキノン(MEHQ)(0.3g)及びBYK(登録商標)322(アラルキル修飾ポリメチルアルキルシロキサン、0.2g)を合わせ、90℃に加熱した。次いで、重合性メソゲンモノマー、化合物(1)(120g)、化合物(4)(120g)、化合物(5)(30g)及び化合物(6)(30g)を溶媒ブレンドに添加した。混合物を、少なくとも30分間、完全に溶解するまで撹拌した。次いで、光開始剤Irgacure(登録商標)819(4.5g)(BASF)を混合物に添加し、50℃にて30分間溶解させ、その時間の後、硫酸マグネシウム(50g)を添加し、混合物を更に30分間撹拌した。次いで、混合物を、5ミクロンのシリンジフィルターを用いてろ過し、透明なろ液を得た。
【0150】
酸化インジウムスズ(ITO)の薄層を、ポリエチレンテレフタラート(PET)の表面上に堆積させて、基材を製造した。基材(ITOコーティングPET、Sigma Aldrich)をポリビニルアルコールで予処理し、特殊化フェルト(Brewer Science,Inc.)を用いて整列させた。次いで、ろ過した溶液を、スピンコーター(Brewer Science,Inc.、Cee(登録商標)300X)を用いて、20μmの厚さまで予処理した整列させた基材上へスピンコーティングした。スピンコーティング層を50℃にて30分間ベーキングして溶媒を除去し、次いで、Fusion AETEK UK unit(Fusion Aetek UV Systems,Inc.)を用いて硬化した。該UVユニットは、単一のフュージョンランプを備えており、これは、ランプ高さ8インチにおいて、0.359W/cmにてUVAアウトプット、0.361W/cmにてUVBアウトプット、0.055W/cmにてUVCのアウトプットを付与した。
【0151】
セットアップを、フレキソエレクトリック応答を測定するために作製した。試験試料を2つのつかみ具によって水平に保ち、約1インチ離して間をとった2つのブレード上に載置した。弯曲率を測定するために、Instron機械に付けたブレードを、下部ブレード同士の間の試験試料上に押し付けた。
【0152】
ITO電極を誘電体材料の硬化層上にわたりスパッタリングして、試験試料を製造した。電極を、試験試料の上面と下面とに相互結合させ、応力をかけながら電気特性を測定した。
【0153】
誘電体層を、0.1Hz~10Hzの周波数での低い力にて試験した。
【0154】
結果を表2及び表3に提示する。
【表3】

【表4】
【0155】
フレキソエレクトリック材料のためのフレキソエレクトリック係数μ12は、典型的には、nC/m~μC/mの範囲であり、液晶層について計算したフレキソエレクトリック係数μ12は、約0.3μC/mであった。
【0156】
例5
プロトタイプアセンブリA
X-Bond(登録商標)4000(PPG Industriesから入手可能な腐食防止剤)で予処理したアルミニウムを基材として使用した。基材を製造するために、基材表面をフェルトで摩擦整列させ、例4の誘電体組成物を、整列した表面上に厚さ20μmまでスピンコーティングし、UV硬化した。ポリカーボナートのバスインクP100889を硬化誘電体層の表面へ塗布して上部電極を得た。銀色のインクXPVS-76980(PPG Industries,Inc.)を基材の上面へ塗布して下部電極を得た。銅テープ鉛を銀色のインクに接着させ、別の銅テープをアルミニウム基材の上面に接着させた。該装置を、電圧応答の測定のために、オシロスコープ(Tektronix TDS 2002)に結合した。
【0157】
フレキソエレクトリック及び潜在的圧電効果を、多数の装置について決定した。2Hzでの0.01%歪みを有するアルミニウム基材上の、3点の曲げについてのフレキソエレクトリック応答を図1に示す。誘電体層は、4.6Nの力において430mVのVPPを特徴とした。それに比べ、PVDF-TrFe(ポリビニリデンジフルオリド-トリフルオロエチレンコポリマー)フィルムは、4.6Nの力において580mVのVPPを呈した。
【0158】
誘電体層のフレキソエレクトリック及び圧電特性は、PVDF-TrFE熱可塑性フィルムのそれと匹敵していた。
【0159】
例6
プロトタイプアセンブリB
酸化インジウムスズ(ITO)のコーティングを有するポリエチレンテレフタラート(PET)シートを基材として使用した。ITOフィルムを、例4の誘電体組成物で摩擦してコーティングする前にプラズマで5分間予処理し、次いでUV硬化した。偏光光源を用いて目視調査したとき、良好な整列が達成されていた。
【0160】
試験構造を作製するために、第2のプラズマ清浄化ITO-PET電極を、第1の誘電体層の上に載置し、一緒にしっかりと押圧した。銅テープ鉛を両方のITOフィルムに付着させ、誘電体装置を、オシロスコープ(Tektronix TDS 2002)を用いて試験した。図2A図2Bとを比較して示しているように、装置を叩いた及び/又はゆがませたときに、電圧応答を観察し、フレキソエレクトリック効果を測定した。図2Aは、装置を叩く前のシグナルを示し、図2Bは、装置を叩いたときのシグナルを示す。
【0161】
本発明の態様
態様1.重合性メソゲンモノマーの組合せ及び溶媒を含む、重合性組成物。
【0162】
態様2.光開始剤、熱開始剤、又はこれらの組合せを更に含む、態様1に記載の重合性組成物。
【0163】
態様3.重合性メソゲンモノマーの組合せが光重合性メソゲンモノマーの組合せ又は熱活性化重合性メソゲンモノマーの組合せを含む、態様1又は2に記載の重合性組成物。
【0164】
態様4.重合性メソゲンモノマーの組合せが式(1)の化合物を含み:
P-(L)-(M-X) (1)
式中、
a)各-Xは、独立に、
i)-R基、
ii)-(L)-Rで表される基、
iii)-(L)-Rで表される基、
iv)-(L)-Qで表される基、
v)式(2):
-(L)-M-(L)-P (2)
の部分で表される基、
vi)-(L)-Pで表される基、又は
vii)-(L)-[(L)-P]で表される基
であり、
b)Pは、反応性基を含み、
c)Qは、ヒドロキシル、アミン、アルケニル、アルキニル、アジド、シリル、シリルヒドリド、オキシ(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)、チオール、イソシアナト、チオイソシアナト、アクリロキシ、メタクリロキシ、2-(アクリロキシ)エチルカルバミル、2-(メタクリロキシ)エチルカルバミル、アジリジニル、アリルカーボナート、エポキシ、カルボン酸、カルボン酸エステル、アミド、無水カルボン酸及びハロゲン化アシルから選択され、
d)各Lは、独立に、単結合、多置換の、一置換の、非置換の又は分枝状のスペーサーから選択され、前記スペーサーは、アリール、(C1~30)アルキル、(C1~30)アルキルカルボニルオキシ、(C1~30)アルキルアミノ、(C1~30)アルコキシ、(C1~30)ペルフルオロアルキル、(C1~30)ペルフルオロアルコキシ、(C1~30)アルキルシリル、(C1~30)ジアルキルシロキシル、(C1~30)アルキルカルボニル、(C1~30)アルコキシカルボニル、(C1~30)アルキルカルボニルアミノ、(C1~30)アルキルアミノカルボニル、(C1~30)アルキルカーボナート、(C1~30)アルキルアミノカルボニルオキシ、(C1~30)アルキルアミノカルボニルアミノ、(C1~30)アルキルウレア、(C1~30)アルキルチオカルボニルアミノ、(C1~30)アルキルアミノカルボニルチオ、(C2~30)アルケン、(C1~30)チオアルキル、(C1~30)アルキルスルホン又は(C1~30)アルキルスルホキシドを独立に含み、ここで、各置換基は、独立に、(C1~5)アルキル、(C1~5)アルコキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、(C1~5)アルカン酸エステル、イソシアナト、チオイソシアナト及びフェニルから選択され、
e)Rは、水素、C1~18アルキル、C1~18アルコキシ、C1~18アルコキシカルボニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルコキシ、ポリ(C1~18アルコキシ)、及び非置換である、若しくはシアノ、フルオロ、クロロ、ブロモ若しくはC1~18アルコキシで置換されている、又はフルオロ、クロロ若しくはブロモで多置換されている、直鎖又は分枝状C1~18アルキル基から選択され、
f)M及びMのそれぞれは、独立に、剛直棒状液晶基、剛曲棒状液晶基、又は剛円盤状液晶基を含み、
式中、
wは1~26の整数であり、
yは2~25の整数であり、
zは1又は2であり、
但し、
XがRであるとき、wは2~25の整数であり、zは1であり、
Xが-(L)-Rであるとき、wは1であり、yは2~25の整数であり、zは1であり、
Xが-(L)-Rであるとき、wは3~26の整数であり、zは2であり、
Xが-(L)-Qであるとき、PがQ基で表される場合、wは1であり、zは1であり、且つPがQ基以外である場合、各wは独立に1~26の整数であり、zは1であり、
Xが式(2):-(L)-M-(L)-Pの部分であるとき、wは1であり、yは2~25の整数であり、zは1であり、
Xが-(L)-Pであるとき、wは1であり、yは2~25の整数であり、zは1であり、且つ-(L)-はメソゲンとPとの間に少なくとも25個の結合の直鎖状配列を含み、
Xが-(L)-[(L)-P]であるとき、各wは独立に1~25の整数であり、yは2~6の整数であり、zは1である、
態様1から3のいずれか1つに記載の重合性組成物。
【0165】
態様5.光活性化基又は熱活性化基がアクリラート又はメタクリラートを含む、態様4に記載の重合性組成物。
【0166】
態様6.重合性メソゲンモノマーの組合せが、2つの重合性反応性基を含む少なくとも1種の重合性メソゲンモノマー及び1つの重合性反応性基を含む少なくとも1種の重合性メソゲンモノマーを含む、態様1から5のいずれか1つに記載の重合性組成物。
【0167】
態様7.2つの重合性反応性基を含む少なくとも1種の重合性メソゲンモノマー 対 1つの重合性反応性基を含む少なくとも1種の重合性メソゲンモノマー のモル比が1.5:1~1:1の範囲内である、態様6に記載の重合性組成物。
【0168】
態様8.重合性メソゲンモノマーの組合せが、2-メチル-1,4-フェニレンビス(4-(3-(アクリロイルオキシ)プロポキシ)ベンゾアート)(化合物(1));4-メトキシフェニル4-((6-(アクリロイルオキシ)ヘキシル)オキシ)ベンゾアート(化合物(2));2-メチル-1,4-フェニレンビス(4-((4-(アクリロイルオキシ)ブトキシ)カルボニル)オキシ)ベンゾアート)(化合物(3));4-((4-((8-((6-メタクリロイルオキシ)ヘキサノイル)オキシ)オクチル)オキシ)ベンゾイル)オキシ)フェニル4-メチルベンゾアートn=8(化合物(4));4-((4-((8-((6-メタクリロイルオキシ)ヘキサノイル)オキシ)オクチル)オキシ)ベンゾイル)オキシ)フェニル4-メチルベンゾアートn=3(化合物(5));4-((4-ペンチルシクロヘキサン-1-カルボニル)オキシ)フェニル4-((6-アクリロイルオキシ)ヘキシル)オキシ)ベンゾアート(化合物(6));3-(3,6-ジフルオロ-4-(4’-プロピル-[1,1’-ビ(シクロヘキサン))]-4-イル)フェノキシ)プロピルアクリラート(化合物(7));又は前述の任意のものの組合せを含む、態様1から7のいずれか1つに記載の重合性組成物。
【0169】
態様9.誘電体層を備える誘電体装置であって、誘電体層が態様1から8のいずれか1つに記載の重合性組成物から製造される、上記誘電体装置。
【0170】
態様10.フレキソエレクトリック装置、圧電装置、又はこれらの組合せを備える、態様9に記載の誘電体装置。
【0171】
態様11.誘電体層、該誘電体層に相互結合された第1の電極、及び該誘電体層に相互結合された第2の電極を備える、態様9又は10に記載の誘電体装置。
【0172】
態様12.第1の電極が第1の導電性層を備え、誘電体層が第1の導電性層に積層し、第2の電極が第2の導電性層を備え、且つ第2の導電性層が誘電体層に積層する、態様9から11のいずれか1つに記載の誘電体装置。
【0173】
態様13.誘電体層が、1μm~100μmの厚さであることを特徴とする、態様9から12のいずれか1つに記載の誘電体装置。
【0174】
態様14.態様9から13のいずれか1つに記載の誘電体装置を備える、部品。
【0175】
態様15.誘電体層を製造する方法であって、表面を整列させるステップと、態様1の重合性組成物を、整列された表面へ塗布するステップであって、重合性組成物が重合性メソゲンモノマーの組合せを含む、上記ステップと、塗布された重合性メソゲンモノマーの組合せを整列させるステップと、整列された重合性メソゲンモノマーの組合せを重合させて誘電体層を形成するステップとを含む、方法。
【0176】
態様16.整列させるステップが、表面を摩擦することを含む、態様15に記載の方法。
【0177】
態様17.塗布された重合性メソゲンモノマーの組合せを整列させるステップが、塗布された重合性メソゲンモノマーの組合せを自己整列させることを含む、態様15又は16に記載の方法。
【0178】
態様18.重合性メソゲンモノマーの組合せが光重合性メソゲンモノマーの組合せ又は熱開始重合性メソゲンモノマーの組合せを含む、態様15から17のいずれか1つに記載の方法。
【0179】
態様19.重合性メソゲンモノマーの組合せが式(1)の化合物を含み:
P-(L)-(M-X) (1)
式中、
a)各-Xは、独立に、
i)-R基、
ii)-(L)-Rで表される基、
iii)-(L)-Rで表される基、
iv)-(L)-Qで表される基、
v)式(2):
-(L)-M-(L)-P (2)
の部分で表される基、
vi)-(L)-Pで表される基、又は
vii)-(L)-[(L)-P]で表される基
であり、
b)Pは、反応性基を含み、
c)Qは、ヒドロキシル、アミン、アルケニル、アルキニル、アジド、シリル、シリルヒドリド、オキシ(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)、チオール、イソシアナト、チオイソシアナト、アクリロキシ、メタクリロキシ、2-(アクリロキシ)エチルカルバミル、2-(メタクリロキシ)エチルカルバミル、アジリジニル、アリルカーボナート、エポキシ、カルボン酸、カルボン酸エステル、アミド、無水カルボン酸又はハロゲン化アシルから選択され、
d)各Lは、独立に、単結合、多置換の、一置換の、非置換の又は分枝状のスペーサーから選択され、前記スペーサーは、アリール、(C1~30)アルキル、(C1~30)アルキルカルボニルオキシ、(C1~30)アルキルアミノ、(C1~30)アルコキシ、(C1~30)ペルフルオロアルキル、(C1~30)ペルフルオロアルコキシ、(C1~30)アルキルシリル、(C1~30)ジアルキルシロキシル、(C1~30)アルキルカルボニル、(C1~30)アルコキシカルボニル、(C1~30)アルキルカルボニルアミノ、(C1~30)アルキルアミノカルボニル、(C1~30)アルキルカーボナート、(C1~30)アルキルアミノカルボニルオキシ、(C1~30)アルキルアミノカルボニルアミノ、(C1~30)アルキルウレア、(C1~30)アルキルチオカルボニルアミノ、(C1~30)アルキルアミノカルボニルチオ、(C2~30)アルケン、(C1~30)チオアルキル、(C1~30)アルキルスルホン又は(C1~30)アルキルスルホキシドを独立に含み、ここで、各置換基は、独立に、(C1~5)アルキル、(C1~5)アルコキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、(C1~5)アルカン酸エステル、イソシアナト、チオイソシアナト又はフェニルから選択され、
e)Rは、水素、C1~18アルキル、C1~18アルコキシ、C1~18アルコキシカルボニル、C3~10シクロアルキル、C3~10シクロアルコキシ、ポリ(C1~18アルコキシ)、又は非置換である、若しくはシアノ、フルオロ、クロロ、ブロモ若しくはC1~18アルコキシで置換されている、又はフルオロ、クロロ若しくはブロモで多置換されている、直鎖又は分枝状C1~18アルキル基から選択され、
f)M及びMのそれぞれは、独立に、剛直棒状液晶基、剛曲棒状液晶基、又は剛円盤状液晶基を含み、
式中、
wは1~26の整数であり、
yは2~25の整数であり、
zは1又は2であり、
但し、
XがRであるとき、wは2~25の整数であり、zは1であり、
Xが-(L)-Rであるとき、wは1であり、yは2~25の整数であり、zは1であり、
Xが-(L)-Rであるとき、wは3~26の整数であり、zは2であり、
Xが-(L)-Qであるとき、PがQ基で表される場合、wは1であり、zは1であり、且つPがQ基以外である場合、各wは独立に1~26の整数であり、zは1であり、
Xが式(2):-(L)-M-(L)-Pの部分であるとき、wは1であり、yは2~25の整数であり、zは1であり、
Xが-(L)-Pであるとき、wは1であり、yは2~25の整数であり、zは1であり、且つ-(L)-はメソゲンとPとの間に少なくとも25個の結合の直鎖状配列を含み、
Xが-(L)-[(L)-P]であるとき、各wは独立に1~25の整数であり、yは2~6の整数であり、zは1である、
態様15から18のいずれか1つに記載の方法。
【0180】
態様20.反応性基がアクリラート又はメタクリラートを含む、態様19に記載の方法。
【0181】
態様21.重合性メソゲンモノマーの組合せが、2つの重合性反応性基を含む少なくとも1種の重合性メソゲンモノマー及び1つの重合性反応性基を含む少なくとも1種の重合性メソゲンモノマーを含む、態様15から20のいずれか1つに記載の方法。
【0182】
態様22.2つの重合性反応性基を含む少なくとも1種の重合性メソゲンモノマー 対 1つの重合性反応性基を含む少なくとも1種の重合性メソゲンモノマー のモル比が1.5:1~1:1の範囲内である、態様21に記載の方法。
【0183】
態様23.重合性メソゲンモノマーの組合せが、2-メチル-1,4-フェニレンビス(4-(3-(アクリロイルオキシ)プロポキシ)ベンゾアート)(化合物(1));4-メトキシフェニル4-((6-(アクリロイルオキシ)ヘキシル)オキシ)ベンゾアート(化合物(2));2-メチル-1,4-フェニレンビス(4-((4-(アクリロイルオキシ)ブトキシ)カルボニル)オキシ)ベンゾアート)(化合物(3));4-((4-((8-((6-メタクリロイルオキシ)ヘキサノイル)オキシ)オクチル)オキシ)ベンゾイル)オキシ)フェニル4-メチルベンゾアートn=8(化合物(4));4-((4-((8-((6-メタクリロイルオキシ)ヘキサノイル)オキシ)オクチル)オキシ)ベンゾイル)オキシ)フェニル4-メチルベンゾアートn=3(化合物(5));4-((4-ペンチルシクロヘキサン-1-カルボニル)オキシ)フェニル4-((6-アクリロイルオキシ)ヘキシル)オキシ)ベンゾアート(化合物(6));3-(3,6-ジフルオロ-4-(4’-プロピル-[1,1’-ビ(シクロヘキサン))]-4-イル)フェノキシ)プロピルアクリラート(化合物(7));又は前述の任意のものの組合せを含む、態様15~22のいずれか1つに記載の方法。
【0184】
態様24.整列された重合性メソゲンモノマーの組合せを重合させるステップが、塗布された組成物を紫外線で照射すること又は塗布された組成物を加熱することを含む、態様15から23のいずれか1つに記載の方法。
【0185】
態様25.態様15から24のいずれか1つに記載の方法によって製造される誘電体層。
【0186】
最後に、本明細書に開示の実施形態を実行する別法が存在することが特記されるべきである。したがって、本実施形態は、例示的であって制限的ではないとみなされるべきである。更に、特許請求の範囲は、本明細書で付与される詳細に限定されるものではなく、それらの完全な範囲及びそれらの均等物に権利が与えられる。
本願の出願当初の特許請求の範囲に係る発明の内容は、以下の通りである。
[1] 重合メソゲンモノマーを含む誘電体層であって、前記重合メソゲンモノマーが、式(1)の構造を有するメソゲンモノマーの組合せを含み:
P-(L) -(M -X) (1)
式中、
a)各-Xは、独立に、
i)-R基、
ii)-(L) -Rで表される基、
iii)-(L)-Rで表される基、
iv)-(L) -Qで表される基、
v)式(2):
-(L) -M -(L) -P (2)
の部分で表される基、
vi)-(L) -Pで表される基、又は
vii)-(L) -[(L) -P] で表される基
であり、
b)Pは反応性基を含み、
c)Qは、ヒドロキシル、アミン、アルケニル、アルキニル、アジド、シリル、シリルヒドリド、オキシ(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)、チオール、イソシアナト、チオイソシアナト、アクリロキシ、メタクリロキシ、2-(アクリロキシ)エチルカルバミル、2-(メタクリロキシ)エチルカルバミル、アジリジニル、アリルカーボナート、エポキシ、カルボン酸、カルボン酸エステル、アミド、無水カルボン酸及びハロゲン化アシルから選択され、
d)各Lは、独立に、単結合、多置換の、一置換の、非置換の又は分枝状のスペーサーから選択され、前記スペーサーは、アリール、(C 1~30 )アルキル、(C 1~30 )アルキルカルボニルオキシ、(C 1~30 )アルキルアミノ、(C 1~30 )アルコキシ、(C 1~30 )ペルフルオロアルキル、(C 1~30 )ペルフルオロアルコキシ、(C 1~30 )アルキルシリル、(C 1~30 )ジアルキルシロキシル、(C 1~30 )アルキルカルボニル、(C 1~30 )アルコキシカルボニル、(C 1~30 )アルキルカルボニルアミノ、(C 1~30 )アルキルアミノカルボニル、(C 1~30 )アルキルカーボナート、(C 1~30 )アルキルアミノカルボニルオキシ、(C 1~30 )アルキルアミノカルボニルアミノ、(C 1~30 )アルキルウレア、(C 1~30 )アルキルチオカルボニルアミノ、(C 1~30 )アルキルアミノカルボニルチオ、(C 2~30 )アルケン、(C 1~30 )チオアルキル、(C 1~30 )アルキルスルホン又は(C 1~30 )アルキルスルホキシドを独立に含み、ここで、各置換基は、独立に、(C 1~5 )アルキル、(C 1~5 )アルコキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、(C 1~5 )アルカン酸エステル、イソシアナト、チオイソシアナト及びフェニルから選択され、
e)Rは、水素、C 1~18 アルキル、C 1~18 アルコキシ、C 1~18 アルコキシカルボニル、C 3~10 シクロアルキル、C 3~10 シクロアルコキシ、ポリ(C 1~18 アルコキシ)、及び非置換である、若しくはシアノ、フルオロ、クロロ、ブロモ若しくはC 1~18 アルコキシで置換されている、又はフルオロ、クロロ若しくはブロモで多置換されている、直鎖又は分枝状C 1~18 アルキル基から選択され、
f)M 及びM のそれぞれは、独立に、剛直棒状液晶基、剛曲棒状液晶基、又は剛円盤状液晶基を含み、
式中、
wは1~26の整数であり、
yは2~25の整数であり、
zは1又は2であり、
但し、
XがRであるとき、wは2~25の整数であり、zは1であり、
Xが-(L) -Rであるとき、wは1であり、yは2~25の整数であり、zは1であり、
Xが-(L)-Rであるとき、wは3~26の整数であり、zは2であり、
Xが-(L) -Qであるとき、PがQ基で表される場合、wは1であり、zは1であり、且つPがQ基以外である場合、各wは独立に1~26の整数であり、zは1であり、
Xが式(2):-(L) -M -(L) -Pの部分であるとき、wは1であり、yは2~25の整数であり、zは1であり、
Xが-(L) -Pであるとき、wは1であり、yは2~25の整数であり、zは1であり、且つ-(L) -はメソゲンとPとの間に少なくとも25個の結合の直鎖状配列を含み、
Xが-(L) -[(L) -P] であるとき、各wは独立に1~25の整数であり、yは2~6の整数であり、zは1である、
誘電体層。
[2] 光活性化基又は熱活性化基がアクリラート又はメタクリラートを含む、[1]に記載の誘電体層。
[3] 光開始剤、熱開始剤、又はこれらの組合せを更に含む、[1]に記載の誘電体層。
[4] 前記メソゲンモノマーの組合せが、光重合性メソゲンモノマーの組合せ、又は熱活性化重合性メソゲンモノマーの組合せを含む、[1]に記載の誘電体層。
[5] 前記メソゲンモノマーの組合せが、
2つの重合性反応性基を含む少なくとも1種の重合性メソゲンモノマーと、
1つの重合性反応性基を含む少なくとも1種の重合性メソゲンモノマーと
を含む、[1]に記載の誘電体層。
[6] 前記2つの重合性反応性基を含む少なくとも1種の重合性メソゲンモノマー 対 前記1つの重合性反応性基を含む少なくとも1種の重合性メソゲンモノマー のモル比が、1.5:1~1:1の範囲内である、[5]に記載の誘電体層。
[7] メソゲンモノマーの組合せが、2-メチル-1,4-フェニレンビス(4-(3-(アクリロイルオキシ)プロポキシ)ベンゾアート)(化合物(1));4-メトキシフェニル4-((6-(アクリロイルオキシ)ヘキシル)オキシ)ベンゾアート(化合物(2));2-メチル-1,4-フェニレンビス(4-((4-(アクリロイルオキシ)ブトキシ)カルボニル)オキシ)ベンゾアート)(化合物(3));4-((4-((8-((6-メタクリロイルオキシ)ヘキサノイル)オキシ)オクチル)オキシ)ベンゾイル)オキシ)フェニル4-メチルベンゾアートn=8(化合物(4));4-((4-((8-((6-メタクリロイルオキシ)ヘキサノイル)オキシ)オクチル)オキシ)ベンゾイル)オキシ)フェニル4-メチルベンゾアートn=3(化合物(5));4-((4-ペンチルシクロヘキサン-1-カルボニル)オキシ)フェニル4-((6-アクリロイルオキシ)ヘキシル)オキシ)ベンゾアート(化合物(6));3-(3,6-ジフルオロ-4-(4’-プロピル-[1,1’-ビ(シクロヘキサン))]-4-イル)フェノキシ)プロピルアクリラート(化合物(7));又は前述の任意のものの組合せを含む、[1]に記載の誘電体層。
[8] コーティングを備える、[1]に記載の誘電体層。
[9] フィルムを備える、[1]に記載の誘電体層。
[10] 圧電特性を呈する、[1]に記載の誘電体層。
[11] フレキソエレクトリック特性を呈する、[1]に記載の誘電体層。
[12] [1]に記載の誘電体層を備える誘電体装置。
[13] 圧電装置、フレキソエレクトリック装置、又はこれらの組合せを備える、[12]に記載の誘電体装置。
[14] 基材を備え、且つ
前記誘電体層が前記基材に積層している、
[12]に記載の誘電体装置。
[15] 第1の層と、
前記第1の層に積層している前記誘電体層と、
前記誘電体層に積層している第2の層と
を備える、[12]に記載の誘電体装置。
[16] 誘電体層を製造する方法であって、
表面を整列させるステップと、
重合性メソゲンモノマーの組合せを含む組成物を、前記整列された表面に塗布するステップであって、前記重合性メソゲンモノマーが、式(1)の構造を有し:
P-(L) -(M -X) (1)
式中、
a)各-Xは、独立に、
i)-R基、
ii)-(L) -Rで表される基、
iii)-(L)-Rで表される基、
iv)-(L) -Qで表される基、
v)式(2):
-(L) -M -(L) -P (2)
の部分で表される基、
vi)-(L) -Pで表される基、又は
vii)-(L) -[(L) -P] で表される基
であり、
b)Pは、反応性基を含み、
c)Qは、ヒドロキシル、アミン、アルケニル、アルキニル、アジド、シリル、シリルヒドリド、オキシ(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)、チオール、イソシアナト、チオイソシアナト、アクリロキシ、メタクリロキシ、2-(アクリロキシ)エチルカルバミル、2-(メタクリロキシ)エチルカルバミル、アジリジニル、アリルカーボナート、エポキシ、カルボン酸、カルボン酸エステル、アミド、無水カルボン酸及びハロゲン化アシルから選択され、
d)各Lは、独立に、単結合、多置換の、一置換の、非置換の又は分枝状のスペーサーから選択され、前記スペーサーは、アリール、(C 1~30 )アルキル、(C 1~30 )アルキルカルボニルオキシ、(C 1~30 )アルキルアミノ、(C 1~30 )アルコキシ、(C 1~30 )ペルフルオロアルキル、(C 1~30 )ペルフルオロアルコキシ、(C 1~30 )アルキルシリル、(C 1~30 )ジアルキルシロキシル、(C 1~30 )アルキルカルボニル、(C 1~30 )アルコキシカルボニル、(C 1~30 )アルキルカルボニルアミノ、(C 1~30 )アルキルアミノカルボニル、(C 1~30 )アルキルカーボナート、(C 1~30 )アルキルアミノカルボニルオキシ、(C 1~30 )アルキルアミノカルボニルアミノ、(C 1~30 )アルキルウレア、(C 1~30 )アルキルチオカルボニルアミノ、(C 1~30 )アルキルアミノカルボニルチオ、(C 2~30 )アルケン、(C 1~30 )チオアルキル、(C 1~30 )アルキルスルホン又は(C 1~30 )アルキルスルホキシドを独立に含み、ここで、各置換基は、独立に、(C 1~5 )アルキル、(C 1~5 )アルコキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、(C 1~5 )アルカン酸エステル、イソシアナト、チオイソシアナト及びフェニルから選択され、
e)Rは、水素、C 1~18 アルキル、C 1~18 アルコキシ、C 1~18 アルコキシカルボニル、C 3~10 シクロアルキル、C 3~10 シクロアルコキシ、ポリ(C 1~18 アルコキシ)、及び非置換である、若しくはシアノ、フルオロ、クロロ、ブロモ若しくはC 1~18 アルコキシで置換されている、又はフルオロ、クロロ若しくはブロモで多置換されている、直鎖又は分枝状C 1~18 アルキル基から選択され、
f)M 及びM のそれぞれは、独立に、剛直棒状液晶基、剛曲棒状液晶基、又は剛円盤状液晶基を含み、
式中、
wは1~26の整数であり、
yは2~25の整数であり、
zは1又は2であり、
但し、
XがRであるとき、wは2~25の整数であり、zは1であり、
Xが-(L) -Rであるとき、wは1であり、yは2~25の整数であり、zは1であり、
Xが-(L)-Rであるとき、wは3~26の整数であり、zは2であり、
Xが-(L) -Qであるとき、PがQ基で表される場合、wは1であり、zは1であり、且つPがQ基以外である場合、各wは独立に1~26の整数であり、zは1であり、
Xが式(2):-(L) -M -(L) -Pの部分であるとき、wは1であり、yは2~25の整数であり、zは1であり、
Xが-(L) -Pであるとき、wは1であり、yは2~25の整数であり、zは1であり、且つ-(L) -はメソゲンとPとの間に少なくとも25個の結合の直鎖状配列を含み、
Xが-(L) -[(L) -P] であるとき、各wは独立に1~25の整数であり、yは2~6の整数であり、zは1である、
ステップと、
前記塗布された重合性メソゲンモノマーを整列させるステップと、
前記整列された重合性メソゲンモノマーを重合させて誘電体層を形成するステップと
を含む、方法。
[17] 整列させるステップが、表面を摩擦することを含む、[16]に記載の方法。
[18] 前記塗布された重合性メソゲンモノマーの組合せを整列させるステップが、前記塗布された重合性メソゲンモノマーの組合せを自己整列させることを含む、[16]に記載の方法。
[19] [16]に記載の方法によって製造される誘電体層。
図1
図2A
図2B