(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-07
(45)【発行日】2022-02-16
(54)【発明の名称】カルーセルの回転を不能にするセーフティライトカーテン
(51)【国際特許分類】
G02B 21/34 20060101AFI20220208BHJP
【FI】
G02B21/34
(21)【出願番号】P 2020524844
(86)(22)【出願日】2018-11-30
(86)【国際出願番号】 US2018063450
(87)【国際公開番号】W WO2019109020
(87)【国際公開日】2019-06-06
【審査請求日】2020-05-07
(32)【優先日】2017-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503293765
【氏名又は名称】ライカ バイオシステムズ イメージング インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Leica Biosystems Imaging, Inc.
【住所又は居所原語表記】1360 Park Center Dr., Vista, CA 92081, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス ニューバーグ
【審査官】瀬戸 息吹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0025545(US,A1)
【文献】特開2016-006534(JP,A)
【文献】国際公開第2017/096302(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02226123(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 19/00 - 21/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルスライド走査装置であって、前記デジタルスライド走査装置は、
カルーセルと、
前記カルーセルの上に配置されているマウントブラケットと、
前記カルーセルの下に配置され、前記カルーセルを支持するように構成されている機台と、
複数の送信器および受信器の対と、
を備え、
前記カルーセルは、カルーセルベースと、前記カルーセルベースから上方に延在する複数のラックスペーサと、を備え、
前記カルーセルベースは、複数のスライドラックを支持するように構成され、上面、下面および外周縁を有し、前記デジタルスライド走査装置の少なくとも1つのプロセッサの制御下でいずれかの方向に360度回転させられるようにさらに構成されており、
ラックスペーサの隣接する対は、3方を、前記カルーセルベース、第1のラックスペーサの第1の側部および第2のラックスペーサの第2の側部によって境されるラックスロットを画定するものであり、各ラックスペーサは、
前記カルーセルベースの外周縁の近位で、前記カルーセルベースから上方に延在し、上部および下部を有する前記外周縁と、
前記上部と前記下部の間に位置する前記外周縁における凹部であって、オペレータの手が、前記ラックスペーサによって部分的に画定されたラックスロットにアクセスすることを可能にするように構成されている凹部と、
を備え、
送信器および受信器の対ごとに、
前記送信器および前記受信器の一方は、前記マウントブラケット上にまたは内に配置され、前記送信器および前記受信器の他方は、前記機台上にまたは内に配置されており、前記送信器および前記受信器は、直接無線リンクを介して通信可能に結合されており、前記送信器および前記受信器の対は、前記直接無線リンクの中断によって物体の存在を検出するように構成されており、
前記デジタルスライド走査装置の前記少なくとも1つのプロセッサは、第1の凹部において物体の前記存在が検出されると、第1の送信器および受信器の対から表示を受信するように構成されており、
前記デジタルスライド走査装置の前記少なくとも1つのプロセッサは、前記表示に応答して、前記
カルーセルベースの回転を不能にするように構成されている、
デジタルスライド走査装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのプロセッサは、さらに、前記表示の終了に応答して、前記
カルーセルベースの回転を可能にするように構成されている、
請求項1に記載のデジタルスライド走査装置。
【請求項3】
前記送信器および前記受信器の対は、角度をなしてオフセットされている、
請求項1に記載のデジタルスライド走査装置。
【請求項4】
前記送信器および前記受信器の対の前記オフセット角は、前記カルーセルベースの前記上面
の角度に等しい、
請求項3に記載のデジタルスライド走査装置。
【請求項5】
前記デジタルスライド走査装置は、前記送信器に対して配置されかつ前記直接無線リンクを前記送信器から前記受信器へフォーカスするように構成されている第1のフォーカシング手段をさらに備える、
請求項1に記載のデジタルスライド走査装置。
【請求項6】
前記デジタルスライド走査装置は、前記受信器に対して配置されかつ前記直接無線リンクを前記送信器から前記受信器へフォーカスするように構成されている第2のフォーカシング手段をさらに備える、
請求項1に記載のデジタルスライド走査装置。
【請求項7】
前記デジタルスライド走査装置は、
前記送信器に対して配置されかつ前記直接無線リンクを前記送信器から前記受信器
へフォーカスするように構成されている第1のフォーカシング手段と、
前記受信器に対して配置されかつ前記直接無線リンクを前記送信器から前記受信器
へフォーカスするように構成されている第2のフォーカシング手段と、
をさらに備える、
請求項1に記載のデジタルスライド走査装置。
【請求項8】
デジタルスライド走査装置であって、前記デジタルスライド走査装置は、
カルーセルと、
前記カルーセルの上に配置されているマウントブラケットであって、上面、下面および外周縁を有するマウントブラケットと、
前記カルーセルの下に配置されかつ前記カルーセルを支持するように構成されている機台と、
複数の送信器および受信器の対と、
スライドラックの連続的な積載および取り外しのために、前記カルーセルの少なくとも一部を露出させるように構成されている開口部を備えるハウジングと、
前記カルーセルをいずれかの方向に360度回転させるように構成されている少なくとも1つのプロセッサと、
を備え、
前記カルーセルは、カルーセルベースと、前記カルーセルベースから上方に延在する複数のラックスペーサと、を備え、
前記カルーセルベースは、複数のスライドラックを支持するように構成され、上面、下面および外周縁を有し、前記カルーセルベースの前記上面の少なくとも一部は、前記カルーセルベースの外部領域から前記カルーセルベースの中央領域に向かって下方に傾斜し、
ラックスペーサの隣接する対は、3方を、前記カルーセルベース、第1のラックスペーサの第1の側部および第2のラックスペーサの第2の側部によって境されるラックスロットを画定し、
対ごとに、前記送信器および前記受信器の一方は、前記マウントブラケットの外周縁の近位で、前記マウントブラケットの前記下面上にまたは内に配置され、前記送信器および前記受信器の他方は、前記カルーセルベースの前記外周縁の近位で、前記機台の前記上面上にまたは内に配置されており、前記送信器および前記受信器は、直接無線リンクを介して通信可能に結合されており、前記送信器および前記受信器の対は、前記直接無線リンクの中断によって物体の存在を検出するように構成されており、
前記少なくとも1つのプロセッサは、さらに、物体の前記存在が検出されると、第1の送信器および受信器の対から表示を受信するように構成されており、前記少なくとも1つのプロセッサは、さらに、前記表示に応答して、前記カルーセルの回転を不能にするように構成されている、
デジタルスライド走査装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つのプロセッサは、さらに、前記表示の終了に応答して、前記カルーセルの回転を可能にするように構成されている、
請求項8に記載のデジタルスライド走査装置。
【請求項10】
前記送信器および前記受信器の対は、角度をなしてオフセットされている、
請求項8に記載のデジタルスライド走査装置。
【請求項11】
前記送信器および前記受信器の対の前記オフセット角は、前記カルーセルベースの前記上面
の角度
に等しい、
請求項10に記載のデジタルスライド走査装置。
【請求項12】
前記デジタルスライド走査装置は、前記送信器に対して配置されかつ前記直接無線リンクを前記送信器から前記受信器へフォーカスするように構成されている第1のフォーカシング手段をさらに備える、
請求項8に記載のデジタルスライド走査装置。
【請求項13】
前記デジタルスライド走査装置は、前記受信器に対して配置されかつ前記直接無線リンクを前記送信器から前記受信器へフォーカスするように構成されている第2のフォーカシング手段をさらに備える、
請求項8に記載のデジタルスライド走査装置。
【請求項14】
前記デジタルスライド走査装置は、
前記送信器に対して配置されかつ前記直接無線リンクを前記送信器から前記受信器へフォーカスするように構成されている第1のフォーカシング手段と、
前記受信器に対して配置されかつ前記直接無線リンクを前記送信器から前記受信器へフォーカスするように構成されている第2のフォーカシング手段と、
をさらに備える、
請求項8に記載のデジタルスライド走査装置。
【請求項15】
デジタルスライド走査装置であって、前記デジタルスライド走査装置は、
複数のスライドラックを支持するように構成されているカルーセルと、
前記カルーセルの上に配置されているマウントブラケットと、
複数の送信器および受信器の対と、
前記カルーセルを360度回転させるように構成されている少なくとも1つのプロセッサと、
を備え、
前記カルーセルは、カルーセルベースと、前記カルーセルベースから上方に延在する複数のラックスペーサと、を備え、
ラックスペーサの隣接する対は、3方を、前記カルーセルベース、第1のラックスペーサの第1の側部および第2のラックスペーサの第2の側部によって境されるラックスロットを画定し、
対ごとに、前記送信器および前記受信器の一方は、前記マウントブラケットに接続され、前記送信器および前記受信器の他方は、前記カルーセルに接続されるものであり、前記送信器および前記受信器は、直接無線リンクを介して通信可能に結合されており、前記送信器および前記受信器の対は、前記直接無線リンクの中断によって物体の存在を検出するように構成されており、
前記少なくとも1つのプロセッサは、さらに、物体の前記存在が検出されると、第1の送信器および受信器の対から表示を受信するように構成されており、前記少なくとも1つのプロセッサは、さらに、前記表示に応答して、前記カルーセルの回転を不能にするように構成されている、
デジタルスライド走査装置。
【請求項16】
前記送信器および前記受信器の対は、前記複数のスライドラックを支持する前記カルーセルの上面の一部の角度と等しい角度でオフセットされている、
請求項15に記載のデジタルスライド走査装置。
【請求項17】
前記デジタルスライド走査装置は、前記送信器に対して配置されかつ前記直接無線リンクを前記送信器から前記受信器へフォーカスするように構成されている第1のフォーカシング手段をさらに備える、
請求項15に記載のデジタルスライド走査装置。
【請求項18】
前記デジタルスライド走査装置は、前記受信器に対して配置されかつ前記直接無線リンクを前記送信器から前記受信器へフォーカスするように構成されている第2のフォーカシング手段をさらに備える、
請求項15に記載のデジタルスライド走査装置。
【請求項19】
前記デジタルスライド走査装置は、
前記送信器に対して配置されかつ前記直接無線リンクを前記送信器から前記受信器へフォーカスするように構成されている第1のフォーカシング手段と、
前記受信器に対して配置されかつ前記直接無線リンクを前記送信器から前記受信器へフォーカスするように構成されている第2のフォーカシング手段と、
をさらに備える、
請求項15に記載のデジタルスライド走査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年11月30日に出願された米国仮特許出願第62/593,111号の優先権を主張し、それは、完全に記載されているかのように、参照により本明細書中に援用される。
【0002】
本発明は、一般に、デジタルスライド走査装置に関し、より詳細には、オペレータを保護するためにかつスライドガラスを保護するために、回転しているスライドラックカルーセルを不能にするセーフティライトカーテンに関する。
【背景技術】
【0003】
デジタルパソロジーは、物理的なスライドから生成される情報の管理を可能にするコンピュータ技術によって可能にされる、画像に基づく情報環境である。デジタルパソロジーは、物理的なスライドガラス上で検体を走査し、コンピュータモニタ上に格納され、表示され、管理され、分析され得るデジタルスライド画像を生成する手段である、仮想顕微鏡によって部分的に可能にされる。スライドガラス全体を画像化する機能により、デジタルパソロジーの分野は急激に拡大し、現在は、癌および他の重大な疾患のより良い、より速い、より安価な診断、予後および予測を達成するための、診断医学の最も有望な手段の1つと見なされている。
【0004】
デジタルスライド走査装置は、通常、一度に単一のスライドを走査する。一部のデジタルスライド走査装置は、デジタルスライド走査装置が数十または数百のスライドガラスを連続して処理できるように、1つまたは複数のスライドラックを保持するように改変されている。数百のスライドガラスを保持するこれらのシステムの使用により、装置の可動部分と頻繁に接するオペレータに安全上の問題が生じる。これらのシステムの使用はまた、非常に貴重なスライドガラスが装置の可動部分によって損傷され得るというさらなるリスクをもたらす。したがって、上記のようなこれらの重大な問題を克服するシステムおよび方法が必要とされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、本明細書に記載されるのは、デジタルスライド走査装置がスライドガラスを同時にデジタル化しながら、カルーセル内へのスライドラックの連続的な積載および取り外しを可能にするスライドラックカルーセルを有するデジタルスライド走査装置である。デジタル走査装置のハウジングは、連続的な積載を容易にしかつドアによって引き起こされる付加的な振動を除去するために、カルーセルの少なくとも一部が常にオペレータにとってアクセス可能となるようなドアを有さない。カルーセルはまた、物体の存在(例えば、オペレータの指)がカルーセルの所定領域内で検出されると、カルーセルを回転させるモータを不能にするように動作するセーフティライトカーテンを含む。ライトカーテンはまた、不適切に位置するスライドガラスまたはスライドラックが検出されると、カルーセルを回転させるモータを不能にするように動作する。スライドラックカルーセルはまた、不適切に位置するスライドガラスまたはスライドラックの位置を示す、ラックスロットごとの多色ステータスインジケータを含む。
【0006】
一実施形態において、デジタルスライド走査装置は、複数のスライドラックを支持するように構成されているカルーセルと、カルーセルの上に配置されているマウントブラケットと、複数の送信器および受信器の対であって、対ごとに、送信器または受信器の一方はマウントブラケットに接続され、送信器または受信器の他方はカルーセルに接続されるものであり、送信器と受信器は、直接無線リンクを介して通信可能に連結されるものであり、送信器および受信器の対は、直接無線リンクの中断によって物体の存在を検出するように構成されている、複数の送信器および受信器の対を含む。装置はまた、カルーセルを360度回転させるように構成されている少なくとも1つのプロセッサを含み、少なくとも1つのプロセッサは、さらに、物体の存在が検出されると、第1の送信器および受信器の対から表示を受信するように構成されており、少なくとも1つのプロセッサはさらに、表示に応答して、カルーセルの回転を不能にするように構成されている。
【0007】
一実施形態において、デジタルスライド走査装置は、複数のスライドラックを支持するように構成されているカルーセルベースであって、上面、下面および外周縁を有するカルーセルベースを備えるカルーセルを含み、カルーセルベースの上面の少なくとも一部分は、カルーセルベースの外部領域からカルーセルベースの中央領域に向かって下方に傾斜する。装置はまた、カルーセルベースから上方に延在する複数のラックスペーサであって、ラックスペーサの隣接する対は、3方を、カルーセルベース、第1のラックスペーサの第1の側部および第2のラックスペーサの第2の側部によって境されるラックスロットを画定する、複数のラックスペーサと、カルーセルの上に配置されているマウントブラケットであって、上面、下面および外周縁を有するマウントブラケットと、カルーセルの下に配置されかつカルーセルを支持するように構成されている機台と、複数の送信器および受信器の対であって、対ごとに、送信器または受信器の一方は、マウントブラケットの外周縁の近位で、マウントブラケットの下面上にまたは内に配置され、送信器または受信器の他方は、カルーセルベースの外周縁の近位で、機台の上面上にまたは内に配置されており、送信器と受信器は、直接無線リンクを介して通信可能に結合されており、送信器および受信器の対は、直接無線リンクの中断によって物体の存在を検出するように構成されている、複数の送信器および受信器の対を含む。装置はまた、スライドラックの連続的な積載および取り外しのためにカルーセルの少なくとも一部を露出するように構成されている開口部を備えるハウジングと、カルーセルをいずれかの方向に360度回転させるように構成されている少なくとも1つのプロセッサであって、少なくとも1つのプロセッサはさらに、物体の存在が検出されると、第1の送信器および受信器の対から表示を受信するように構成されており、少なくとも1つのプロセッサはさらに、表示に応答して、カルーセルの回転を不能にするように構成されている少なくとも1つのプロセッサと、を含む。
【0008】
一実施形態において、デジタルスライド走査装置は、複数のスライドラックを支持するように構成されているカルーセルと、カルーセルの上に配置されているマウントブラケットと、複数の送信器および受信器の対であって、対ごとに、送信器または受信器の一方はマウントブラケットに接続され、送信器または受信器の他方はカルーセルに接続され、送信器と受信器は、直接無線リンクを介して通信可能に連結されており、送信器および受信器の対は、直接無線リンクの中断によって物体の存在を検出するように構成されている、複数の送信器および受信器の対を含む。装置はまた、カルーセルを360度回転させるように構成されている少なくとも1つのプロセッサであって、少なくとも1つのプロセッサはさらに、物体の存在が検出されると、第1の送信器および受信器の対から表示を受信するように構成されており、少なくとも1つのプロセッサはさらに、表示に応答して、カルーセルの回転を不能にするように構成されている、少なくとも1つのプロセッサを含む。
【0009】
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および添付図面を再考した後、当業者にとってさらに容易に明らかになるであろう。
【0010】
本発明の構造および動作は、以下の詳細な説明および添付図面の再考から理解されよう。図面において、同一の参照番号は同一の部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態に係る例示的なスライドラックカルーセルベースを示す上面図である。
【
図2】実施形態に係るスライドラックカルーセルベースの一側部の例示的な断面を示す側面図である。
【
図3】実施形態に係るスライドラックがカルーセルベース上に配置されたスライドラックカルーセルの一側部の例示的な断面を示す側面図である。
【
図4A】実施形態に係るセーフティライトカーテンを有するスライドラックカルーセルの一側部の例示的な断面を示す側面図である。
【
図4B】実施形態に係るセーフティライトカーテンおよびライザー装置を有するスライドラックカルーセルの一側部の例示的な断面を示す側面図である。
【
図4C】実施形態に係る集光手段を有する例示的な送信器/エミッタを示す斜視図である。
【
図5】実施形態に係るスライドラックカルーセルを保護するセーフティライトカーテンを有する例示的なデジタルパソロジー走査装置を示す斜視図である。
【
図6】実施形態に係るスライドラックカルーセルを保護するセーフティライトカーテンを有する例示的なデジタルパソロジー走査装置を示す斜視図である。
【
図7A】本明細書中に記載されたさまざまな実施形態と関連して使用されてもよい、例示的なプロセッサ使用可能デバイス550を示すブロック図である。
【
図7B】単一のリニアアレイを有する例示的なライン走査カメラを示すブロック図である。
【
図7C】3つのリニアアレイを有する例示的なライン走査カメラを示すブロック図である。
【
図7D】複数のリニアアレイを有する例示的なライン走査カメラを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書中に開示の特定の実施形態は、デジタルスライド走査装置に使用するためのセーフティライトカーテンを提供する。デジタルパソロジー走査装置は、スライドラックカルーセルの所定領域内の物体の存在を検出する、またカルーセル内の不適切に位置するスライドガラスまたはスライドラックも検出するセーフティライトカーテンを有する。セーフティライトカーテンは、物体の存在または不適切に位置するスライドもしくはスライドラックが検出されると、カルーセルを回転させるモータを不能にするように動作する。この説明を読んだ後、当業者にとって、発明を、さまざまな代替的な実施形態および代替的な適用においてどのように実装するかが明らかになるであろう。しかし、本発明のさまざまな実施形態が本明細書中で説明されるが、これらの実施形態は、限定ではなく、単なる例として提示されることが理解される。かくして、さまざまな代替的な実施形態のこの詳細な説明は、添付の特許請求の範囲に示されるように、本発明の範囲または広さを限定するものと解釈されるべきではない。
【0013】
1.例示的なスライドラックカルーセルシステム
図1は、実施形態に係る例示的なスライドラックカルーセルベース10を示す上面図である。図示の実施形態では、カルーセルベース10の上面は、より中央に位置する傾斜部20を有し、カルーセルベース10の上面はまた、リング形状である、円形のベース10の外周近くでより外部に位置する平坦部30も有する。
【0014】
図2は、実施形態に係るスライドラックカルーセルベース10の一側部の例示的な断面を示す側面図である。図示の実施形態では、カルーセルベースの上面の部分30は、平坦である。上面のこの部分30は、カルーセルベース10の上面の外周近くにある。さらに、カルーセルベースの上面の異なる部分20は、角度θ°で傾斜する。有利には、ベース10の上面の少なくとも一部は傾斜しており、角度の程度θ°は、1°~10°またはさらに高い45°までの範囲にあり得る。前述のように、スライドラックがカルーセルベース10の傾斜した上面20上に配置されると、スライドラックの任意の振動によって誘起されるまたは他の移動は、カルーセル10の中央に向かって付勢され、そこで、スライドラックストッパが、スライドラックのさらなる移動を防止する。さらに、スライドラック内の個々のスライドもまた、振動によって誘起される移動または他の移動を経験し得、個々のスライドが配置されているスライドラックの傾斜位置はまた、個々のスライドを、個々のスライドの移動がカルーセルの中央に向かって付勢され、そこで、スライドラックの端部がスライドラックのさらなる移動を防止するような角度に位置決めする。
【0015】
図3は、実施形態に係るスライドラック50がカルーセルベース10上に配置されているスライドラックカルーセルの一側部の例示的な断面を示す側面図である。図示の実施形態では、カルーセルベース10は、機台60によって支持され、スライドラック50は、カルーセルベース10の傾斜部20上に配置される。スライドガラス70は、スライドラック50からカルーセルベース10の外周縁に向かって外方に延在する。この構成の利点は、スライドラック50または個々のスライドガラス70に課されるデジタルスライド走査装置からの任意の振動は、スライド70に、カルーセルの中央部分に向けて移動するように有利に付勢することであり、そこは、スライドラック50およびスライドガラス60にとってより安全かつ確実な位置である。しかし、スライドラック50の傾斜配向の欠点は、スライドガラス70の端部が垂直に整列されないという結果をもたらす。
【0016】
2.例示的なライトカーテンシステム
図4Aは、実施形態に係るセーフティライトカーテン100を有するスライドラックカルーセルの一側部の例示的な断面を示す側面図である。図示の実施形態では、スライドラック50は、カルーセルベース10の傾斜部20上に配置され、スライドガラス70は、スライドラック50からカルーセルベース10の外周縁に向かって外方に延在する。スライドガラス70の端部は、垂直に整列されていない。
【0017】
デジタルパソロジー走査装置は、さらに、カルーセルベース10上に位置するスライドラックカルーセルの上にかつ任意のスライドラック50の上に配置されているマウントブラケット80を含む。マウントブラケット80は、上面、下面および外周縁を有する。一実施形態において、マウントブラケット80は、カルーセルベース10と同様にリング形状である。マウントブラケット80は、マウントブラケット80の外周縁の近くで、マウントブラケット80上または内に配置されている、送信器/受信器の対の一部分90に接続されているプリント回路基板または他の電子機器を含み得る。
【0018】
送信器/受信器の対の他方の部分95は、カルーセルがその上で支持される機台60上にまたは内に配置されている。同様に、機台60は、カルーセルベース10の外周縁の近くで、機台60上または内に配置されている、送信器/受信器の対の他方の部分95に接続されているプリント回路基板または他の電子機器を含み得る。送信器および受信器の対の2つの部分90、95は、直接無線リンクを介して通信可能に結合される。有利には、送信器および受信器の対は、直接無線リンクの中断によって物体の存在を検出するように構成されている。一実施形態において、送信器および受信器の対は、デジタルスライド走査装置の少なくとも1つのプロセッサによって監視され、送信器および受信器の対の2つの部分の間の直接無線リンクの中断により、物体が検出されたという表示が少なくとも1つのプロセッサにもたらされる。そのような表示が存在するとき、少なくとも1つのプロセッサは、カルーセルの回転を不能にするように構成されている。一実施形態において、プロセッサは、ハード無効(例えば、即時停止)またはソフト無効(例えば、次の位置への移動を完了させる)を使用するように構成され得る。ハード無効またはソフト無効は、ピンチポイントの危険から保護するために使用され得る。例えば、スライドラックカルーセルがオペレータによりそれを通してアクセスされる開口部を画定するハウジングの縁の特定の距離内で物体が検出された場合、ハード無効が使用され得る。一実施形態において、閾値距離は、ハウジングの縁から0~20ミリメートルの範囲内であってもよい。一実施形態において、閾値距離は、11ミリメートルである。さらに、そうした表示が存在しないとき、少なくとも1つのプロセッサは、カルーセルの回転を可能にするように構成されている。
【0019】
一実施形態において、送信器および受信器の対の2つの部分は、垂直に整列される。別の実施形態において、送信器および受信器の対の2つの部分は、垂直に整列されておらず、代わりに、互いに対して角度をなして配置される。例えば、送信器および受信器の対の2つの部分は、角度θ°に等しい角度でオフセットされ得、それは、ベースの上面の角度に等しい。有利には、スライドラックは、ベースの傾斜した上面上に位置するので、ラックにおけるスライドガラスの端部は、ベースの上面に対して直角に平面を形成する。したがって、送信器と受信器の整列が垂直からオフセットしかつ上記平面にあるとき、得られるセーフティライトカーテンは、スライドラックにおける各スライドガラスの端部から実質的に同一の距離にある。したがって、セーフティライトカーテンは、スライドラックにおける各スライドガラスの端部の異なる垂直位置に密に制約される。
【0020】
一実施形態において、送信器および受信器の対の送信器は、特定の周波数でパルスするように構成され、送信器および受信器の対の受信器は、同一周波数、例えば40kHzで受信するように構成されている。有利には、所定周波数で送信器からのパルス出力を検出するように受信器を構成することにより、外部光源が誤検出を生じさせないことが確保される。
【0021】
図4Bは、実施形態に係るセーフティライトカーテン100を有するスライドラックカルーセルの一側部の例示的な断面を示す側面図である。図示の実施形態では、ライザー装置120は、カルーセルベース10または機台60上または近くに位置し、かつ、カルーセルベース10または機台60の近くに位置する送信器/受信器の対の一部から上方に延在する。ライザー装置120は、フォーカシング手段110を、カルーセルベース10または機台60の近くに配置されている送信器/受信器の対の一部に対して位置決めするように構成され、したがって、マウント80の近くに配置されている送信器/受信器の対の一部からのパルス出力が、カルーセルベース10または機台60の近くに配置されている送信器/受信器の対の一部上でフォーカスされる。フォーカシング手段110は、いくつか例を挙げると、レンズ、絞り、または光ガイドなどの任意のタイプのフォーカシング手段であってもよい。他のフォーカシング手段110も使用され得る。当業者によって理解されるように、1つまたは複数のフォーカシング手段110が、送信器/受信器の対の送信器および/または受信器の各々と関連して用いられ得る。フォーカシング手段110の使用により、有利には、スライドガラス70またはオペレータの指のような細かい物体の検出の向上が促進される。
【0022】
図4Cは、実施形態に係る集光手段110を有する例示的な送信器/受信器95を示す斜視図である。図示の実施形態では、集光手段110は、送信器/受信器の対における要素95の機能に応じて、送信器95からパルス出力を受信するまたはパルス出力を受信器95に案内するための、ライザー装置120によって位置決めされる光ガイドである。
【0023】
図5は、実施形態に係るスライドラックカルーセルを保護するセーフティライトカーテン100を有する例示的なデジタルパソロジー走査装置を示す斜視図である。図示の実施形態では、カルーセルは、機台によって支持される。カルーセルは、複数のラックスペーサがカルーセルベースの上面に取り付けられているカルーセルベースを備える。複数のラックスペーサの各々は、カルーセルベースの上面から上方に延在する。隣接するラックスペーサは、スライドラックがその中で、スライドラックがベースの上面の一部上に存在するように配置される、ラックスロットを画定する。スライドガラスは、各スライドラックにおいてさまざまなスロットを占有する。さまざまなスライドラックの高さは、変化し得る。さらに、走査装置は、複数のスライドラックの各々の上面よりも上方に位置するマウントブラケット80を備える。
【0024】
図示の実施形態では、各ラックスペーサは、ベースの外周縁の近位で、ベースから上方に延在する外周縁を備える。外周縁の各々は、オペレータの手(または自動装置の把持機構)が、ラックスペーサによって部分的に画定されたラックスロットにアクセスすることを可能にするように構成されている手の凹部を有する。ラックスロットにアクセスすると、オペレータは、スライドラックを、スライドラックカルーセルに挿入またはスライドラックカルーセルから取り外し得る。外周縁はまた、上部および下部を有する。有利には、外周縁の上部および下部は、オフセットされた送信器90と受信器95の対と同一の角度θ°で配置され、したがって、送信器90と受信器95の対によって形成されたセーフティライトカーテンは、外周縁の上部および下部の外面から同一の距離となる。
【0025】
図示された実施形態において、複数の送信器/受信器の対は、送信器90または受信器95の一方はマウントブラケット80にありかつ送信器90または受信器95の対応する一方は機台にあるように配置される。有利には、送信器および受信器の対によって形成された各ライトカーテン100は、スライドラックにおける各スライドガラスの端部から、または、外周縁の上部および下部の外面から実質的に同一の距離にある。
【0026】
図6は、実施形態に係るスライドラックカルーセルを保護するセーフティライトカーテン100を有する例示的なデジタルパソロジー走査装置を示す斜視図である。図示の実施形態では、セーフティライトカーテン100は、複数の直接無線リンク100を備え、各リンク100は、送信器90と受信器95の対の間にある。送信器および受信器の対は、いくつか例を挙げると、赤外線ビーム、可視光線、紫外線ビーム、またはレーザ光ビームなどのさまざまな直接無線リンクのいずれかを使用し得る。送信器90と受信器95の対は、送信器90から受信器95の光電セルに光ビームを送信することによって動作する。各直接無線リンクは、スライドラックスペーサの外周に、または、スライドラックの外周に配置される。直接無線リンクがスライドラックカルーセルの回転動作中に中断された場合、複数の直接無線リンクの状態を監視するプロセッサは、スライドラックカルーセルの回転を不能にするように構成されている。前述のように、プロセスは、スライドラックカルーセルの移動のハード無効またはソフト無効を実施し得る。
【0027】
有利には、送信器および受信器の対は、直接無線リンクを介して通信可能に結合され、かつ、直接無線リンクの中断によって物体の存在を検出するように構成されている。一実施形態において、送信器および受信器の対は、デジタルスライド走査装置の少なくとも1つのプロセッサによって監視され、送信器および受信器の対の2つの部分の間の直接無線リンクの中断により、物体が検出されたという表示が、少なくとも1つのプロセッサにもたらされる。そのような表示が存在するとき、少なくとも1つのプロセッサは、カルーセルの回転を不能にするように構成されている。さらに、そうした表示が存在しないとき、少なくとも1つのプロセッサは、カルーセルの回転を可能にするように構成されている。
【0028】
3.例示的な実施形態
一実施形態において、デジタルスライド走査装置は、複数のスライドラックを支持するように構成されているカルーセルベースであって、上面、下面および外周縁を有するカルーセルベースを含むカルーセルを備える。さらに、カルーセルベースの上面の少なくとも一部は、カルーセルベースの外部領域からカルーセルベースの中央領域に向かって下方に傾斜する。カルーセルはまた、ベースから上方に延在する複数のラックスペーサを含み、ラックスペーサの隣接する対は、3方を、ベース、第1のラックスペーサの第1の側部および第2のラックスペーサの第2の側部によって境されるラックスロットを画定する。デジタルスライド走査装置はまた、カルーセルの少なくとも外周部分の上に配置され、かつ、上面、下面および外周縁を有するマウントブラケットを含む。マウントブラケットは、プリント回路基板を含み得る。
【0029】
デジタルスライド走査装置はまた、送信器および受信器の対を含み、送信器または受信器の一方は、マウントブラケットの外周縁の近くで、マウントブラケットの下面上にまたは内に配置され、送信器または受信器の他方は、カルーセルベースの外周縁の近くで、機台の上面上にまたは内に配置される。有利には、送信器と受信器は、直接無線リンクを介して通信可能に結合され、かつ、送信器および受信器の対は、直接無線リンクの中断によって物体の存在を検出するように構成されている。プロセッサは、送信器および受信器の対からの信号を監視して、直接無線リンクの中断を検出する。
【0030】
デジタルスライド走査装置はまた、スライドラックの連続的な積載および取り外しのための、カルーセルの少なくとも一部を露出するように構成されている開口部を有するハウジングを含む。デジタルスライド走査装置はまた、カルーセルをいずれかの方向に360度回転させるように構成され、さらに、物体の存在が検出されると、送信器および受信器の対のいずれかから表示を受信するように構成されている少なくとも1つのプロセッサを含む。そうした表示を受信すると、少なくとも1つのプロセッサは、表示に応答して、カルーセルの回転を不能にするように構成されている。さらに、そうした表示の終了に応答して、少なくとも1つのプロセッサは、カルーセルの回転を可能にするように構成されている。
【0031】
一実施形態において、各送信器および受信器の対の送信器と受信器は、垂直に整列されておらず、代わりに、角度をなしてオフセットされる。一実施形態において、オフセット角は、ベースの上面の角度に等しい。
【0032】
一実施形態において、デジタルスライド走査装置のカルーセルは、複数のスライドラックを支持するように構成されているベースを備え、ベースは、上面、下面および外周縁を有し、ベースは、さらに、デジタルスライド走査装置の少なくとも1つのプロセッサの制御下でいずれかの方向に360度回転されるように構成されている。カルーセルはまた、ベースから上方に延在する複数のラックスペーサを含み、ラックスペーサの隣接する対は、3方を、ベース、第1ラックスペーサの第1の側部および第2のラックスペーサの第2の側部によって境されるラックスロットを画定する。この実施形態において、各ラックスペーサは、ベースの外周縁の近位で、ベースから上方に延在する外周縁を備え、外周縁は、オペレータの手(または自動装置の把持機構)が、ラックスペーサによって部分的に画定されたラックスロットにアクセスすることを可能とするように構成されている凹部を有する。各ラックスペーサの凹部は、対応する送信器および受信器の対の間の直接無線リンクの面に実質的に平行な面に位置する上部および下部を有する。
【0033】
各ラックスペーサに対応する送信器および受信器の対は、マウントブラケットに配置されている送信器または受信器の一方および機台に配置されている送信器または受信器の他方を有する。送信器および受信器の対は、直接無線リンクを介して通信可能に結合され、かつ、直接無線リンクの中断によって物体の存在を検出するように構成されている。
【0034】
さらに、デジタルスライド走査装置の少なくとも1つのプロセッサは、第1の送信器および受信器の対によって占有されている第1のラックスペーサの凹部における物体の存在が、第1の送信器および受信器の対によって検出されると、第1の送信器および受信器の対から表示を受信するように構成されている。表示の受信に応答して、デジタルスライド走査装置の少なくとも1つのプロセッサは、ベースの回転を不能にするように構成されている。さらに、そうした表示の終了に応答して、少なくとも1つのプロセッサは、ベースの回転を可能にするように構成されている。
【0035】
4.例示的なデジタルスライド走査システム
本明細書に記載のさまざまな実施形態は、
図7A~
図7Dに対して記載されるようなデジタルパソロジー走査装置を用いて実施され得る。
【0036】
図7Aは、本明細書で説明されるさまざまな実施形態と関連して使用されてもよい、例示的なプロセッサ使用可能デバイス550を例示するブロック図である。デバイス550の代替的な形式も、当業者によって理解されるように使用されてもよい。図示の実施形態では、デバイス550は、1つまたは複数のプロセッサ555、1つまたは複数のメモリ565、1つまたは複数の動きコントローラ570、1つまたは複数のインタフェースシステム575、1つまたは複数の試料590を有する1つまたは複数のスライドガラス585をそれぞれ支持する1つまたは複数の可動ステージ580、試料を照射する1つまたは複数の照明システム595、光軸に沿って移動する光路605をそれぞれ画定する1つまたは複数の対物レンズ600、1つまたは複数の対物レンズポジショナ630、1つまたは複数の任意選択的な落射照明システム635(例えば、蛍光スキャナシステムに含まれる)、1つまたは複数のフォーカシング光学系610、それぞれが試料590および/またはスライドガラス585上に別個の視野625を画定する、1つまたは複数のライン走査カメラ615および/または1つまたは複数のエリア走査カメラ620を含むデジタル撮像デバイス(デジタルスライド走査装置、デジタルスライドスキャナ、スキャナ、スキャナシステム、またはデジタル撮像装置などとも称される)として提示される。スキャナシステム550のさまざまな要素は、1つまたは複数の通信バス560を介して通信可能に結合される。スキャナシステム550のさまざまな要素の各々は、1つまたは複数であり得るが、説明を簡単にするために、これらの要素は、適切な情報を伝達するために複数形で説明する必要がある場合を除いて単数形で説明する。
【0037】
1つまたは複数のプロセッサ555は、例えば、命令を並列に処理することが可能な中央処理装置(「CPU」)および別個のグラフィックプロセシングユニット(「GPU」)を含んでもよく、または、1つまたは複数のプロセッサ555は、命令を並列に処理することが可能なマルチコアプロセッサを含んでもよい。追加の別個のプロセッサも、特定の構成要素を制御し、または画像処理などの特定の機能を実行するために設けられてもよい。例えば、追加のプロセッサは、データ入力を管理する補助プロセッサであって、浮動小数点演算を実行する補助プロセッサ、信号処理アルゴリズムの高速実行に適切なアーキテクチャを有する特殊目的プロセッサ(例えば、デジタルシグナルプロセッサ)、メインプロセッサに従属するスレーブプロセッサ(例えば、バックエンドプロセッサ)、ライン走査カメラ615、ステージ580、対物レンズ225、および/またはディスプレイ(図示せず)を制御する追加のプロセッサを含んでもよい。そのような追加のプロセッサは、別個の離散プロセッサであってもよく、またはプロセッサ555と統合されてもよい。
【0038】
メモリ565は、プロセッサ555によって実行され得るプログラムに対してデータおよび命令の記憶装置を提供する。メモリ565は、例えば、ランダムアクセスメモリ、読み取り専用メモリ、ハードディスクドライブ、取り外し可能記憶ドライブなどを含む、データおよび命令を格納する1つまたは複数の揮発性および/または不揮発性のコンピュータ可読記憶媒体を含み得る。プロセッサ555は、メモリ565に記憶された命令を実行し、スキャナシステム550の全体的な機能を実行するために、通信バス560を介してスキャナシステム550のさまざまな要素と通信するように構成される。
【0039】
1つまたは複数の通信バス560は、アナログ電気信号を伝達するように構成された通信バス560を含んでもよく、デジタルデータを伝達するように構成された通信バス560を含んでもよい。したがって、1つまたは複数の通信バス560を介したプロセッサ555、動きコントローラ570、および/またはインタフェースシステム575からの通信は、電気信号およびデジタルデータの両方を含んでもよい。プロセッサ555、動きコントローラ570、および/またはインタフェースシステム575はまた、無線通信リンクを介して、走査システム550のさまざまな要素のうちの1つまたは複数と通信するように構成されてもよい。
【0040】
動き制御システム570は、ステージ580および対物レンズ600のXYZの移動を正確に制御かつ調整する(例えば、対物レンズポジショナ630を介して)ように構成される。動き制御システム570はまた、スキャナシステム550における任意の他の移動部分の移動を制御するように構成される。例えば、蛍光発光スキャナの実施形態では、動き制御システム570は、落射照明システム635において光学フィルタなどの移動を調整するように構成される。
【0041】
インタフェースシステム575は、スキャナシステム550が他のシステムおよび人間オペレータと連動することを可能にする。例えば、インタフェースシステム575は、オペレータに情報を直接提供し、および/またはオペレータからの直接的な入力を可能にするユーザインタフェースを含んでもよい。インタフェースシステム575はまた、走査システム550と、直接接続された1つまたは複数の外部デバイス(例えば、プリンタ、取り外し可能記憶媒体など)またはネットワーク(図示せず)を介してスキャナシステム550に接続された画像サーバシステム、オペレータステーション、ユーザステーション、および管理サーバシステムなどの外部デバイスとの間の通信およびデータ転送を容易にするように構成される。
【0042】
照明システム595は、試料590の一部を照射するように構成される。照明システム595は、例えば、光源および照明光学系を含み得る。光源は、光出力を最大化する凹型反射ミラーおよび熱を抑制するKG-1フィルタを有する可変明度ハロゲン光源であってもよい。光源はまた、任意のタイプのアークランプ、レーザ、または他の光源であってもよい。一実施形態では、照明システム595は、ライン走査カメラ615および/またはエリア走査カメラ620が試料590を透過する光エネルギーを感知するように、透過モードで試料590を照射する。代替的に、または追加的に、照明システム595は、ライン走査カメラ615および/またはエリア走査カメラ620が試料590から反射される光エネルギーを感知するように、反射モードで試料590を照射するように構成され得る。全体的に、照明システム595は、光学顕微鏡検査の任意の既知のモードにおいて顕微鏡の試料590の検査に適切になるように構成される。
【0043】
一実施形態では、スキャナシステム550は任意選択的に、蛍光発光走査のためにスキャナシステム550を最適化する落射照明システム635を含む。蛍光発光走査は、蛍光分子を含む試料590の走査であり、蛍光分子は、特定の波長(励起)で光を吸収することができる光子感知分子である。これらの光子感知分子はまた、より高い波長(放射)で光を放射する。このフォトルミネセンス現象の効率性が非常に低いことを理由に、放射される光の量が非常に少ないことが多い。この少ない量の放射される光は通常、試料590を走査かつデジタル化するための従来の技術(例えば、透過モード顕微鏡検査)を妨げる。有利なことに、スキャナシステム550の任意選択の蛍光発光スキャナシステムの実施形態では、複数のリニアセンサアレイを含むライン走査カメラ615(例えば、時間遅延積分(「TDI」)ライン走査カメラ)の使用は、ライン走査カメラ615の複数のリニアセンサアレイの各々に試料590の同一の領域を暴露することによって、ライン走査カメラの光への感度を高める。これは特に、放射された少ない光によりわずかな蛍光発光試料を走査するときに有用である。
【0044】
したがって、蛍光発光スキャナシステムの実施形態では、ライン走査カメラ615は好ましくは、モノクロTDIライン走査カメラである。有利なことに、モノクロ画像は、それらが試料に存在するさまざまなチャネルからの実信号のさらに正確な表現を提供することを理由に、蛍光発光顕微鏡検査において理想である。当業者によって理解されるように、蛍光発光試料590は、「チャネル」とも称される異なる波長で光を放射する複数の蛍光染料によりラベル付けすることができる。
【0045】
さらに、さまざまな蛍光発光試料のローエンド信号レベルおよびハイエンド信号レベルは、検知するライン走査カメラ615についての広いスペクトルの波長を提示することを理由に、ライン走査カメラ615が検知することができるローエンド信号レベルおよびハイエンド信号レベルは同様に広いことが望ましい。したがって、蛍光発光スキャナの実施形態では、蛍光発光走査システム550において使用されるライン走査カメラ615は、モノクロの10ビットの64個のリニアアレイTDIライン走査カメラである。ライン走査カメラ615についてのさまざまなビット深度が走査システム550の蛍光発光スキャナの実施形態による使用のために採用され得ることに留意されたい。
【0046】
可動ステージ580は、プロセッサ555または動きコントローラ570の制御下で、正確なX-Y軸移動のために構成される。可動ステージはまた、プロセッサ555または動きコントローラ570の制御下で、Z軸での移動のために構成され得る。可動ステージは、ライン走査カメラ615および/またはエリア走査カメラによる画像データの捕捉の間、所望の位置に試料を位置付けるように構成される。可動ステージはまた、走査方向において、実質的に一定の速度に試料590を加速させ、次いで、ライン走査カメラ615による画像データの捕捉の間、実質的に一定の速度を維持するように構成される。一実施形態では、スキャナシステム550は、可動ステージ580上の試料590の位置を補助するために、高精度および密に調整されたX-Yグリッドを使用し得る。一実施形態では、可動ステージ580は、X軸およびY軸の両方に使用される高精度エンコーダを備えるリニアモータベースのX-Yステージである。例えば、非常に正確なナノメートルエンコーダは、走査方向における軸上で、および走査方向に垂直な方向における軸上で、ならびに走査方向と同一の平面上で使用することができる。ステージはまた、試料590がその上に配置されたスライドガラス585を支持するように構成される。
【0047】
試料590は、光学顕微鏡検査によって検査されてもよい、いずれかのものであることができる。例えば、顕微鏡スライドガラス585は、組織および細胞、染色体、DNA、タンパク質、血液、骨髄、尿、バクテリア、気泡、生検材料、または死亡しもしくは生存しているかのいずれかであり、着色されもしくは着色されていないかのいずれかであり、ラベル付けされもしくはラベル付けされていないかのいずれかである、任意の他のタイプの生物材料または物質を含む標本についての観察用の基板として頻繁に使用される。試料590はまた、任意のタイプのDNA、またはcDNA、RNAもしくはマイクロアレイとして一般に知られる任意のかつすべての試料を含む任意のタイプのスライドまたは他の基板上に置かれたたんぱく質などのDNA関連材料のアレイであってもよい。試料590は、マイクロタイタープレート、例えば96ウェルプレートであってもよい。試料590の他の実施例は、集積回路基板、電気泳動レコード、ペトリ皿、フィルム、半導体材料、法医学材料、および機械加工部品を含む。
【0048】
対物レンズ600は、対物レンズポジショナ630上に取り付けられ、対物レンズポジショナ630は、一実施形態では、対物レンズ600によって定められた光学軸に沿って対物レンズ600を移動させるための非常に正確なリニアモータを採用してもよい。例えば、対物レンズポジショナ630のリニアモータは、50ナノメートルのエンコーダを含んでもよい。XYZ軸におけるステージ580と対物レンズ600の相対位置は、走査システム550の全体的な動作のためのコンピュータ実行可能なプログラミングされたステップを含む、情報および指示を格納するメモリ565を用いるプロセッサ555の制御下で、動きコントローラ570を用いて、閉ループ式に調整および制御される。
【0049】
一実施形態において、対物レンズ600は、望ましい最高空間分解能に対応する開口数を有するプランアポクロマティック(「APO」)無限補正対物であり、対物レンズ600は、伝送モード照明顕微鏡検査法、反射モード照明顕微鏡検査法、および/または落射照明モード蛍光顕微鏡検査法(例えばOlympusの40X、0.75NAまたは20X、0.75NA)に適する。有利なことに、対物レンズ600は、色収差および球面収差を補正することが可能である。対物レンズ600が無限に補正されることを理由に、フォーカシング光学系610は、対物レンズ600の上で光学経路605内に配置され得、対物レンズを通過する光ビームは平行光ビームとなる。フォーカシング光学系610は、ライン走査カメラ615および/またはエリア走査カメラ620の光反応素子上で対物レンズ600によって捕捉された光信号をフォーカスし、フィルタ、倍率変換器レンズ、および/または同様のものなどの光学構成要素を含んでもよい。フォーカシング光学系610と組み合わせられた対物レンズ600は、走査システム550のための総合倍率を提供する。一実施形態では、フォーカシング光学系610は、チューブレンズおよび任意選択の2Xの倍率変換器を包含してもよい。有利なことに、2Xの倍率変換器は、本来の20Xの対物レンズ600が40Xの倍率で試料590を走査することを可能にする。
【0050】
ライン走査カメラ615は、画像素子(「ピクセル」)の少なくとも1つのリニアアレイを備える。ラインスキャンカメラは、白黒またはカラーであってもよい。カラーライン走査カメラは通常、少なくとも3つのリニアアレイを有し、モノクロライン走査カメラは、単一のリニアアレイまたは複数のリニアアレイを有してもよい。カメラの一部としてパッケージ化されているかまたは撮像電子モジュールにカスタム統合されているかに関わらず、任意のタイプの単数または複数のリニアアレイも使用することができる。例えば、3つのリニアアレイ(「赤-緑―青」すなわち「RGB」)のカラーライン走査カメラまたは96のリニアアレイ単色TDIもまた用いられ得る。TDIライン走査カメラは通常、標本の以前に撮像された領域から明度データを合計することによって、出力信号における大幅に良好な信号対雑音比(「SNR」)をもたらし、統合ステージの数の平方根に比例したSNRにおける増加をもたらす。TDIライン走査カメラは、複数のリニアアレイを備える。例えば、24個、32個、48個、64個、96個、またはそれよりも多いリニアアレイを有するTDIライン走査カメラが利用可能である。スキャナシステム550はまた、512個のピクセルを有するもの、1024個のピクセルを有するもの、および4096個のピクセルと同数のピクセルを有するその他を含む、さまざまなフォーマットにおいて製造されたリニアアレイを支持する。同様に、さまざまなピクセルサイズを有するリニアアレイも、スキャナシステム550において使用することができる。任意のタイプのライン走査カメラ615の選択のための突出した要件は、ステージ580の動きがライン走査カメラ615のライン速度と同期され得、その結果、試料590のデジタル画像の捕捉の間、ステージ580がライン走査カメラ615に対して動くことができることである。
【0051】
ライン走査カメラ615によって生成された画像データは、メモリ565の一部に記憶され、試料590の少なくとも一部の連続するデジタル画像を生成するようにプロセッサ555によって処理される。連続デジタル画像は、さらに、プロセッサ555によって処理され得、処理された連続デジタル画像も、メモリ565に格納することができる。
【0052】
2つ以上のライン走査カメラ615を用いる実施形態では、ライン走査カメラ615のうちの少なくとも1つは、撮像センサとして機能するように構成されているライン走査カメラ615のうちの少なくとも1つと組み合わせて動作するフォーカシングセンサとして機能するように構成することができる。フォーカシングセンサは、撮像センサと同一の光軸上に論理的に配置することができ、または、フォーカシングセンサは、スキャナシステム550の走査方向に対して撮像センサの前または後ろに論理的に配置され得る。フォーカシングセンサとして機能する少なくとも1つのライン走査カメラ615を用いる実施形態では、フォーカシングセンサによって生成された画像データは、メモリ565の一部に記憶され、スキャナシステム550が試料590と対物レンズ600の間の相対的な距離を調節して、走査の間、試料上の焦点を維持することを可能にするために、フォーカス情報を生成するように1つまたは複数のプロセッサ555によって処理される。さらに、一実施形態において、フォーカシングセンサとして機能する少なくとも1つのライン走査カメラ615は、フォーカシングセンサの複数の個々のピクセルの各々は、光学経路605に沿って異なる論理高さに位置するように、配向され得る。
【0053】
動作中、スキャナシステム550のさまざまな構成要素およびメモリ565に記憶されたプログラムされたモジュールは、スライドガラス585上に配置された試料590の自動走査およびデジタル化を可能にする。スライドガラス585は、試料590を走査するためのスキャナシステム550の可動ステージ580上に固定して配置される。プロセッサ555の制御の下、可動ステージ580は、ライン走査カメラ615による検知のために実質的に一定の速度に試料590を加速させ、ステージの速度は、ライン走査カメラ615のライン速度と同期される。画像データのストライプを走査した後、可動ステージ580は、試料590を減速させ、実質的に完全停止に至らせる。可動ステージ580は次いで、画像データの後続のストライプ、例えば、隣接するストライプの走査のために試料590を位置付けるように走査方向に直交して移動する。追加のストライプはその後、試料590の全体部分または試料590全体が走査されるまで走査される。
【0054】
例えば、試料590のデジタル走査の間、試料590の連続するデジタル画像は、画像ストリップを形成するように共に組み合わされる複数の連続する視野として取得される。複数の隣接する画像ストリップは、同様に共に組み合わされて、試料590の一部または試料590全体の連続するデジタル画像を形成する。試料590の走査は、垂直画像ストリップまたは水平画像ストリップを取得することを含んでもよい。試料590の走査は、上から下、下から上、またはその両方(双方向)のいずれかであってもよく、試料上の任意のポイントにおいて開始してもよい。代わりに、試料590の走査は、左から右、右から左、またはその両方(双方向)のいずれかであってもよく、試料上の任意のポイントにおいて開始してもよい。加えて、画像ストリップが隣接してまたは連続して取得される必要はない。さらに、試料590の結果として生じる画像は、試料590全体または試料590の一部のみの画像であってもよい。
【0055】
一実施形態では、コンピュータ実行可能命令(例えば、プログラムされたモジュールまたは他のソフトウェア)がメモリ565に記憶され、実行されると、走査システム550が、本明細書で説明されるさまざまな機能を実行することを可能にする。この説明では、用語「コンピュータ可読記憶媒体」は、プロセッサ555による実行のためのコンピュータ実行可能命令を記憶し、走査システム550に提供するために使用される任意の媒体を指すものとして使用される。これらの媒体の実施例は、メモリ565、および直接的または間接的(例えば、ネットワークを介して)のいずれかで走査システム550と通信可能に結合された任意の着脱可能または外部記憶媒体(図示せず)を含む。
【0056】
図7Bは、電荷結合素子(「CCD」)アレイとして実装されてもよい、単一のリニアアレイ640を有するライン走査カメラを示す。単一のリニアアレイ640は、複数の個々のピクセル645を備える。例示される実施形態では、単一のリニアアレイ640は、4096個のピクセルを有する。代替的な実施形態では、リニアアレイ640は、さらに多くのまたはさらに少ないピクセルを有してもよい。例えば、リニアアレイの共通フォーマットは、512個、1024個、および4096個のピクセルを含む。ピクセル645は、リニアアレイ640についての視野625を定めるためにリニア方式において配置される。視野のサイズは、走査システム550の倍率に従って変化する。
【0057】
図7Cは、各々がCCDアレイとして実装されてもよい、3つのリニアアレイを有するライン走査カメラを示す。3つのリニアアレイは、カラーアレイ650を形成するように組み合わされる。一実施形態において、カラーアレイ650における各個々のリニアアレイは、異なる色強度(例えば、赤、緑、または青)を検出する。カラーアレイ650内の各個々のリニアアレイからのカラー画像データは、カラー画像データの単一の視野625を形成するように組み合わされる。
【0058】
図7Dは、各々がCCDアレイとして実装されてもよい、複数のリニアアレイを有するライン走査カメラを示す。複数のリニアアレイは、TDIアレイ655を形成するように組み合わされる。有利なことに、TDIライン走査カメラは、標本の以前に撮像された領域から明度データを合計することによって、その出力信号における大幅に良好なSNRをもたらし得、リニアアレイ(統合ステージとも称される)の数の平方根に比例したSNRの増加をもたらし得る。TDIライン走査カメラは、より大きな数の多様なリニアアレイを備えてもよい。例えば、TDIライン走査カメラの共通フォーマットは、24個、32個、48個、64個、96個、120個、およびさらに多くのリニアアレイを含む。
【0059】
開示される実施形態の上記説明は、当業者が発明を作成または使用することを可能にするために提供される。それらの実施形態に対するさまざまな修正は、当業者にとって容易に明らかであり、本明細書で説明された一般的な原理は、本発明の精神または範囲から逸脱することなく他の実施形態に適用することができる。よって、本明細書で提示される説明および図面は、本発明の現時点で好ましい実施形態を表し、したがって、本発明によって広く考慮される主題を表すことが理解されることになる。さらに、本発明の範囲は、当業者にとって明白なり得る他の実施形態を完全に包含し、したがって、本発明の範囲は限定されないことが理解されよう。