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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-08
(45)【発行日】2022-02-17
(54)【発明の名称】高張性抗微生物治療用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/155 20060101AFI20220209BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20220209BHJP
   A61K 31/18 20060101ALI20220209BHJP
   A61K 33/10 20060101ALI20220209BHJP
   A61K 33/14 20060101ALI20220209BHJP
   A61K 33/40 20060101ALI20220209BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20220209BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20220209BHJP
   A61P 31/02 20060101ALI20220209BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20220209BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220209BHJP
【FI】
A61K31/155
A61K9/06
A61K31/18
A61K33/10
A61K33/14
A61K33/40
A61K47/10
A61P29/00
A61P31/02
A61P31/04
A61P43/00 121
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2016542109
(86)(22)【出願日】2014-09-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2016-09-29
(86)【国際出願番号】 US2014055218
(87)【国際公開番号】W WO2015038788
(87)【国際公開日】2015-03-19
【審査請求日】2017-09-08
【審判番号】
【審判請求日】2020-05-12
(31)【優先権主張番号】61/876,524
(32)【優先日】2013-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521548331
【氏名又は名称】エイム・ターゲティッド・セラピーズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AIM Targeted Therapies, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100150500
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100176474
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 信彦
(72)【発明者】
【氏名】エイブランソン、グレン
【合議体】
【審判長】前田 佳与子
【審判官】鳥居 福代
【審判官】原田 隆興
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/052958(WO,A2)
【文献】特表2003-505415(JP,A)
【文献】特表2010-516815(JP,A)
【文献】特表2008-514640(JP,A)
【文献】特表2008-515882(JP,A)
【文献】再公表特許第2006/080398(JP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0033269(US,A1)
【文献】医薬品インタビューフォーム 外用殺菌消毒剤 オキシドール「ケンエー」、<URL:https://www.kenei-pharm.com/cms/wp-content/uploads/2016/11/interview1291868538.pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K31/00-33/44
A61K9/00-9/72
A61K47/00-47/69
REGISTRY/CAPlus/MEDLINE/BIOSIS/EMBASE(STN)
JSTPlus/JMedPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
創傷、細菌感染症、または炎症の治療、あるいは疼痛軽減のための治療用の組成物であって、
a)塩化物塩、
b)重炭酸塩源、
c)ビグアニド、ビスビグアニド、トリグアニドおよびクロルヘキシジンからなる群から選択される抗菌薬、
d)酸素生成化合物、
e)ポロキサマー、
f)ポリヒドロキシ酸、および
g)次亜塩素酸塩源、
を含み、
前記組成物中の塩化物塩の濃度が約30%(w/v)~約40%(w/v)であり、
前記組成物中の重炭酸塩の濃度が約70%(w/v)~約95%(w/v)であり、
抗菌薬の濃度が約0.5%(w/w)~約5%(w/w)であり、
酸素生成化合物の濃度が約0.01%(v/v)~約0.1%(v/v)の範囲であり、
ポロキサマーの濃度が約6%(w/v)~約12%(w/v)であり、
ポリヒドロキシ酸の濃度が約0.5%(w/v)~約2%(w/v)であり、
前記組成物中の次亜塩素酸塩源の濃度が約0.5%(w/v)~約3%(w/v)であり、かつ
前記組成物がアルカリ性である、組成物。
【請求項2】
塩化物塩が塩化ナトリウムおよび塩化カリウムからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
重炭酸塩源が重炭酸ナトリウム、重炭酸カルシウム、重炭酸アンモニウムおよび過炭酸ナトリウムからなる群から選択される、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
塩化物塩に対する重炭酸塩源の比が約2.36である、請求項1~3のいずれか1つに記載の組成物。
【請求項5】
ポリヒドロキシ酸が、グルコノラクトンである、請求項1~4のいずれか1つに記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物のpHが約7.2~約9.5の範囲である、請求項1~5のいずれか1つに記載の組成物。
【請求項7】
次亜塩素酸塩源が、クロラミンTである、請求項1~6のいずれか1つに記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細菌、真菌、ウイルス、および原生動物に対する広範囲の抗微生物活性を備えた組成物および方法に関する。本組成物および方法は、任意の投与方法、好ましくは局所適用により、哺乳動物、例えばヒト、および家畜またはペットを含む動物における発病過程の予防および治療に使用することができる。
【背景技術】
【0002】
新しい規制措置、ならびに利用可能な抗生物質に対する微生物耐性の出現により、特に耐性誘導のリスクが低い有効な治療を提供する代替の解決策の探究が増えてきた。
抗生物質耐性は公衆衛生問題となっており、治療コストを高めている。従って、耐性および毒性の問題を呈することのない、抗微生物活性を備えた組成物の開発は動物およびヒトの健康に有利である。
【0003】
よって、本発明者らは、微生物の侵入または感染によって引き起こされる病態に罹患している動物またはヒトに投与可能な安全かつ有効な組成物の提供;組成物の投与から生じる副作用または組織残留物の最小化;限定されるものではないが、細菌、ウイルス、真菌、または原生動物を含む広範囲の病原体に対して有効な組成物の提供;および容易かつ妥当なコストで生産できる組成物の提供;および上記全ての場合における疼痛緩和または疼痛軽減の付帯という目的に取り組むために、本明細書で開示される組成物を開発した。
【0004】
本発明の他の目的および適用は、本明細書および図面に提供される本開示を参照すれば当業者には容易に明らかとなる。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、限定されるものではないが、細菌、ウイルス、真菌、および原生動物を含む広範囲の病原性微生物に対して予防、微生物抑制、または殺微生物効果を提供する、ヒトまたは他の動物に投与または局所適用可能な抗微生物組成物に関する。好ましくは、本組成物は、損傷または外科術により生じた創傷に適用または投与される局所用被覆材またはリンスとして有用な液体またはペーストとして調剤される。
【0006】
有利には、本組成物は、創傷治癒をさらに促進することができ、予想外なことに、さらに疼痛軽減または疼痛緩和を提供し、これにより、他の潜在的に有害なまたは付加的な疼痛投薬の量を低減することができる。
【0007】
本組成物は、容易に入手または調製可能な成分の混合物を含む。本組成物は保存寿命が長く、標的病原体において耐性を誘導することは知られていない。本組成物は、本組成物を用いた処置を必要とする患者に対して極めて有効かつ安全な強度で適用または投与することができる。
【0008】
本発明の好ましい実施形態は、防腐剤、例えばクロルヘキシジン、抗微生物薬、例えばクロラミンTおよび過酸化物、ならびに重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、塩化ナトリウムなどの1種以上の塩を含む。クロルヘキシジンは、グルコン酸クロルヘキシジン(4%w/v)グルコノラクトンとして市販されており、水中、ポロキサマー、イソプロピルアルコール、酸化ラウラミン(界面活性剤)、ハーバコール(芳香剤)、および着色剤(FD&Cレッドなど)などの成分と組み合わせられる場合が多い。よって、本発明の製剤もまたこれらの成分を含み得る。
【0009】
本発明は、濃縮物として、例えばペースト、ゲル、もしくは軟膏として調剤することができ、またはリンスとして投与されるように水性または水混和性溶媒を用いて希釈することもできる。いずれの形態でも本組成物は、創傷領域に直接、局所投与もしくは皮下注射により投与することができ、または包帯、パッチ、または縫合材などの創傷被覆材の上または中に組み込むことができる。
【0010】
本発明の組成物は、限定されるものではないが、以下の用途に使用することができる:
1)抗微生物うがい/副鼻腔用洗口液、抗菌/抗ウイルスリンス;
2)創傷を除染するための外科用リンス;
3)手術部位で鎮痛物質を作り出す外科用リンス;
4)ペースト(濃縮物);
5)抗微生物作用/術前創傷/口腔/副鼻腔洗浄として働く;
6)術前の手/身体の洗浄時または日常の医療のための使用;
7)創傷の治癒を増強または促進するための外科処置として働く;
8)術後疼痛制御のために局所麻酔薬を麻酔薬重炭酸塩/鎮痛薬に転換することにより創傷中で鎮痛物質を作り出すか、または外科的/火傷創傷の疼痛カスケードを阻害するための薬剤として働く;
9)汚染創傷を非汚染創傷に転換する;
10)創傷清拭として;
11)皮膚、例えば、座瘡/酒さから感染を軽減または除去するため;
12)昆虫咬傷、毒針の除去/毒の中和;
13)糖尿病性潰瘍形成/不良な創傷治癒に対する使用;
14)血管新生および組織増殖の促進;
15)化学/熱関連の火傷;
16)耐性病原性微生物感染、例えばMRSAなどの処置;
17)外傷性損傷の処置(戦争など)、創傷の除染ならびに外傷の治癒促進および疼痛軽減;
18)整形外科的損傷、外科術の処置、および整形外科的移植片およびハードウエアの処理および含浸を含む、ヒトまたは動物における修復;ならびに
19)創傷被覆材またはプラグ(例えば、抜歯部位用のコラーゲンプラグ)への添加。
【0011】
本発明の一態様は、塩化物塩;重炭酸塩源;次亜塩素酸塩源;およびビグアニド、トリグアニド、ビスビグアニドおよびそれらの類似体から選択される抗微生物薬を含む治療用組成物であり;組成物中の塩の量は組成物を高張とするために十分なものであり、かつ、組成物はアルカリ性である。特定の実施形態では、塩化物塩は、塩化ナトリウムおよび塩化カリウムから選択される。特定の実施形態では、塩化物塩の濃度は、少なくとも200mMである。特定の実施形態では、塩化物塩の濃度は、約4モル~約8モルの範囲である。特定の実施形態では、塩化物塩の濃度は、約5モル~約7モルの範囲である。他の実施形態では、塩化物塩の濃度は、少なくとも約5モルである。他の実施形態では、塩化物塩の濃度は、約7モル以下である。特定の実施形態では、塩化物塩の濃度は、約6.8モルである。特定の実施形態では、塩化物塩の濃度は、約30%(w/v)~約40%(w/v)の範囲である。
【0012】
特定の実施形態では、重炭酸塩源は重炭酸塩である。特定の実施形態では、重炭酸塩は、重炭酸ナトリウム、重炭酸カルシウム、重炭酸カリウムおよび重炭酸アンモニウムからなる群から選択される。特定の実施形態では、炭酸塩の濃度は、約70%~約95%(w/v)の範囲である。いくつかの実施形態では、炭酸塩の濃度は、約8モル~約11モルの範囲である。特定の実施形態では、炭酸塩源は、約4.9モル~約6.5モルの範囲の炭酸塩濃度をもたらす。
【0013】
特定の実施形態では、組成物中の次亜塩素酸塩源の濃度は、約0.5%~約5%(w/v)である。いくつかの実施形態では、組成物中の次亜塩素酸塩源の濃度は、少なくとも0.5%(w/v)である。特定の実施形態では、次亜塩素酸塩源は、トシルクロルアミド(N-クロロ-トシルアミド)である。
【0014】
いくつかの実施形態では、組成物中の抗菌薬の濃度は、約0.12%~約6%(v/v)の範囲である。いくつかの実施形態では、組成物中の抗微生物薬の濃度は、約1.2%~約2%(v/v)である。特定の実施形態では、抗菌薬は、ビスビグアニジンである。特定の実施形態では、ビスビグアニド源は、グルコン酸クロルヘキシジンである。
【0015】
いくつかの実施形態では、治療用組成物は、酸素を供給する化合物をさらに含む。これらの実施形態では、酸素生成化合物は、過酸化物である。これらの実施形態では、過酸化物源は、過酸化水素、過酸化カルバミドおよび過炭酸ナトリウムからなる群から選択される。特定の実施形態では、組成物中の酸素生成化合物の濃度は、約0.1%~約1%(v/v)の範囲である。特定の実施形態では、組成物中の酸素生成化合物の濃度は、約1%(v/v)である。
【0016】
特定の実施形態では、治療用組成物は、ポロキサマーをさらに含む。特定の実施形態では、組成物中のポロキサマーの濃度は、約6%~約12%(w/v)の範囲である。特定の実施形態では、組成物中のポロキサマーの濃度は、少なくとも約6%である。特定の実施形態では、ポロキサマーは、ポロキサマー237である。
【0017】
特定の実施形態では、治療用組成物は、界面活性剤をさらに含む。特定の実施形態では、界面活性剤は、両性界面活性剤である。特定の実施形態では、界面活性剤は、酸化アミンである。特定の実施形態では、組成物中の界面活性剤の濃度は、約0.1%~約1%(w/v)の範囲である。特定の実施形態では、組成物中の界面活性剤の濃度は、約0.2%~約.5%(w/v)の範囲である。特定の実施形態では、界面活性剤は、酸化ラウラミン(N,N-ジメチルドデシルアミンN-オキシド)である。
【0018】
特定の実施形態では、治療用組成物は、抗微生物化合物、抗ウイルス化合物および抗真菌化合物からなる群から選択される化合物をさらに含む。
特定の実施形態では、組成物のpHは7より大きい。いくつかの実施形態では、組成物のpHは、約7.2~約7.8の範囲である。
【0019】
特定の実施形態では、治療用組成物は、グルコノラクトンをさらに含む。特定の実施形態では、組成物中のグルコノラクトンの濃度は、約0.1%~約%(w/v)の範囲である。特定の実施形態では、組成物中のグルコノラクトンの濃度は、少なくとも約0.9%(w/v)である。
【0020】
本発明の関連の態様は、塩化ナトリウムおよび塩化カリウムからなる群から選択される塩;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸カルシウムおよび重炭酸アンモニウムからなる群から選択される炭酸塩源;過酸化水素、過酸化カルバミドおよび過炭酸ナトリウムから選択される過酸化物源;N-クロロトシルアミド;およびクロルヘキシジンを含む治療用組成物であり;組成物中の塩の量は組成物を高張とするために十分なものであり、かつ、組成物はアルカリ性である。
【0021】
本発明の関連の態様は、塩化ナトリウムおよび塩化カリウムからなる群から選択される塩;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸カルシウムおよび重炭酸アンモニウムからなる群から選択される炭酸塩源;過酸化水素、過酸化カルバミドおよび過炭酸ナトリウムから選択される過酸化物源;N-クロロトシルアミド;およびクロルヘキシジンを含む治療用組成物であり;組成物中の塩の量は組成物を高張とするために十分なものであり、かつ、組成物はアルカリ性である。
【0022】
本発明の別の態様は、本材料の組成物を含有する足場材料である。このような足場材料は、生体材料足場または合成足場であり得る。このような足場としては、限定されるものではないが、コラーゲンプラグまたは等価物、血管創傷修復具、止血帯、パッチおよび接着剤、縫合糸、薬物送達、ならびに例えば足場、靱帯補綴具などの組織工学適用におけるもの、およびヒト身体への長期または生分解性移植用製品におけるものが含まれる。
【0023】
本発明の別の態様は、治療用組成物を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物において疾患または障害または損傷を処置する方法である。一実施形態では、この開示の治療用組成物は、創傷の治療、細菌感染の治療、ウイルス感染の治療、真菌感染の治療、炎症の軽減、血管新生の促進、組織増殖の促進または疼痛の軽減のために投与される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明のペーストおよびリンスの例示的調剤。挙げられている各成分のパーセンテージは重量/容量(w/v)(過酸化水素を除く)である。
図2】本発明のペーストおよびリンスの例示的調剤。挙げられている各成分のパーセンテージは重量/重量(w/w)である。
図3】下唇の前癌病巣に対する本発明のペーストの効果。(A)処置前の病巣の写真;(B)病巣に適用した本発明のペースト;(C)処置後27日目の下唇。
図4】口腔前癌を本発明の組成物で処置する効果。(A)処置前の舌の病巣の写真;(B)処置後27日目の舌の外観;(C)処置後27日目。
図5】本発明のペーストを用いた抗生物質耐性細菌を含有する瘢痕組織の処置。(A)処置前の瘢痕組織病巣の外観;(B)処置8日後の瘢痕組織病巣の外観;(C)処置終了後の瘢痕組織病巣の外観。
図6-1】本発明のペーストを用いた顔面座瘡の処置。(A)処置前の顔面皮膚(正面図)。
図6-2】本発明のペーストを用いた顔面座瘡の処置。(B)ペースト単回適用後の顔面皮膚(正面図)。
図6-3】本発明のペーストを用いた顔面座瘡の処置。(C)ペースト単回適用後の顔面皮膚(顔面右側図)。
図7-1】熱い蝋から生じた火傷の本発明のペーストを用いた処置。(A)火傷3日後の皮膚の外観;(B)火傷8日後、処置5日後の皮膚の外観。
図7-2】熱い蝋から生じた火傷の本発明のペーストを用いた処置。(C)火傷1年後の火傷部の外観。
【発明を実施するための形態】
【0025】
発明の詳細な説明
本発明は、ヒトまたは他の動物において微生物の侵入または感染を予防、阻害または改善するために有用な組成物および製剤に関する。本明細書に開示される組成物は、限定されるものではないが、細菌、ウイルス、真菌、および原生動物を含む広範囲の病原性微生物に対して予防効果、微生物抑制効果、または殺微生物効果を示す。特許請求される組成物および製剤はまた、炎症および疼痛の軽減にも有用である。これに関して、本発明は、米国特許第8,828,452号、米国特許出願公開第2008/0292731号、および国際(PCT)公開第2014/127367号で発明者らが開示した関連の方法に改良を加えるものであり、それらの内容は全て本明細書の一部として援用する。好ましくは、本組成物または製剤は、損傷または外傷により、または外科術後に生じた創傷に適用または投与される。種々の実施形態では、特許請求される組成物または製剤は、局所用被覆材またはデンタルリンスなどのリンスとして有用な液体またはペーストとして投与または適用することができる。
【0026】
有利には、本発明の組成物および製剤は、容易に入手または調製可能な成分の混合物を含む。先に進む前に、本明細書で使用する場合、組成物および製剤という用語は互換的に使用可能であることに留意すべきである。本発明の組成物は保存寿命が長く、標的病原体において耐性を誘導することは知られていない。さらに、本発明の組成物は、本組成物を用いた処置を必要とする患者に対して極めて有効かつ安全な強度で適用または投与することができる。
【0027】
本発明の組成物または製剤は一般に、塩化ナトリウムまたは塩化カリウムなどの組成物の張度を高める1種以上の塩、重炭酸ナトリウムまたは重炭酸カリウムなどの炭酸塩源、防腐剤、例えばクロルヘキシジン、および抗微生物、例えばクロラミンTを組み合わせることによって調製することができる。特定の実施形態では、本発明の組成物はまた、酸素生成物質、ポロキサマー、界面活性剤およびポリヒドロキシ酸からなる群から選択される1種以上の付加的成分も含み得る。例示的実施形態の調剤は、図1および図2に示される表にまとめてある。
【0028】
本発明は、好ましくは、水性または水混和性溶媒を用いて希釈して、リンスまたは局所用スクラブとして投与可能な液体製剤を作ることができる濃縮物、例えば、ペースト、ゲル、または軟膏として調剤され得る。以下、本発明の2つの異なる実施形態の好ましい製剤を開示する。
【0029】
ペースト
上述のように、本発明の治療用組成物は、ペーストとして調剤することができる。本明細書で使用する場合、ペーストは、固体から液体の間のコンシステンシーを有する半固体混合物を指す。従って、1種以上の固体と1種以上の液体を混合して粘稠な組成物を得ることから作製されることが理解されよう。
【0030】
特定の実施形態では、本発明の治療用組成物は、少なくとも1種の塩を、組成物を高張とするために十分な濃度で含む。組成物を高張とすることができるいずれの塩も本発明の組成物を作製するために使用できるが、好ましい塩は塩化物塩である。特定の実施形態では、少なくとも1種の塩は、塩化ナトリウムおよび塩化カリウムからなる群から選択される。特定の実施形態では、組成物中の塩の濃度は、少なくとも200mMである。特定の実施形態では、本発明の組成物中の塩の濃度は、約4モル~約8モルの範囲である。本願で使用する場合、特に濃度に関して、約という用語は+/-5%を意味する。従って、例えば、約4モルは、3.8モル~4.2モルの範囲を指す。特定の実施形態では、本発明の組成物中の塩の濃度は、約5モル~約7モルの範囲である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の塩の濃度は、少なくとも約5モルである。一実施形態では、本発明の組成物中の塩の濃度は、約7モル以下である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の塩の濃度は、約6.8モルである。
【0031】
モル濃度に加え、塩の濃度は重量/容量ベースでも評価できることが当業者には認識されるであろう。特定の実施形態では、本発明の組成物中の塩の濃度は、約30%(w/v)~約40%(w/v)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の塩の濃度は、少なくとも約30%(w/v)である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の塩の濃度は、約39%(w/v)以下である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の塩の濃度は、約30%(w/v)である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の塩の濃度は、約35%(w/v)である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の塩の濃度は、約39%(w/v)である。
【0032】
塩の濃度は重量/重量ベースでも評価できることが当業者には認識されるであろう。従って、特定の実施形態では、本発明の組成物中の塩の濃度は、約15%~約30%(w/w/)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の塩の濃度は、約18%~約25%(w/w)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の塩の濃度は、少なくとも約19%(w/w)である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の塩の濃度は、約20%である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の塩の濃度は、約23%である。
【0033】
本発明の治療用組成物は、重炭酸塩源をさらに含む。本発明の治療用組成物を作製するために、意図される目的に十分な量の重炭酸塩を供給する限り、いずれの重炭酸塩源も使用可能である。特定の実施形態では、重炭酸塩源は、重炭酸塩である。特定の実施形態では、重炭酸塩は、重炭酸ナトリウム、重炭酸カルシウム、重炭酸アンモニウムおよび過炭酸ナトリウムからなる群から選択される。特定の実施形態では、本発明の組成物中の重炭酸塩の濃度は、約8モル~約11.5モルの範囲である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の重炭酸塩の濃度は、約8.5モル~約11モルの範囲である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の重炭酸塩の濃度は、少なくとも8モルである。特定の実施形態では、本発明の組成物中の重炭酸塩の濃度は、少なくとも11モルである。特定の実施形態では、本発明の組成物中の重炭酸塩の濃度は、約4.9モル~約6.5モルの範囲である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の重炭酸塩の濃度は、少なくとも5モルである。
【0034】
特定の実施形態では、本発明の組成物中の重炭酸塩の濃度は、約70%(w/v)~約95%(w/v)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の重炭酸塩の濃度は、約73%(w/v)~約94%(w/v)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の重炭酸塩の濃度は、少なくとも73%(w/v)である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の重炭酸塩の濃度は、少なくとも93%(w/v)である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の重炭酸塩の濃度は、約73%(w/v)および約93%(w/v)から選択される。
【0035】
特定の実施形態では、本発明の組成物中の重炭酸塩の濃度は、約45%(w/w)~約60%(w/w)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の重炭酸塩の濃度は、約45%(w/w)~約55%(w/w)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の重炭酸塩の濃度は、少なくとも45%(w/w)である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の重炭酸塩の濃度は、少なくとも55%(w/w)である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の重炭酸塩の濃度は、約46%(w/w)および約55%(w/w)から選択される。
【0036】
特定の実施形態では、重炭酸塩と塩の比は、約1:1.3~約1:3の範囲である。特定の実施形態では、重炭酸塩と塩の比は、約1:1.3~約1:2.5の範囲である。特定の実施形態では、重炭酸塩と塩の比は、約1:2.3である。特定の実施形態では、重炭酸塩と塩の比は、約1:2.5である。
【0037】
本発明の治療用組成物は、次亜塩素酸塩源をさらに含む。本発明の組成物を作製するためには、本発明の目的を達成するために十分な量の次亜塩素酸塩を供給する限り、いずれの次亜塩素酸塩源も使用可能である。好ましい実施形態では、次亜塩素酸塩源として使用される化合物は、少なくとも0.2グラムの次亜塩素酸塩/化合物1グラム(例えば、0.23モル次亜塩素酸塩/化合物1モル)を供給する。特定の実施形態では、次亜塩素酸塩源は、トシルクロルアミド(N-クロロ-トシルアミド)である。特定の実施形態では、次亜塩素酸塩源の濃度は、約0.5%(w/v)~約3%(w/v)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の次亜塩素酸塩源の濃度は、約1%(w/v)~約2.5%(w/v)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の次亜塩素酸塩源の濃度は、少なくとも約0.5%(w/v)である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の次亜塩素酸塩源の濃度は、少なくとも約1%(w/v)である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の次亜塩素酸塩源の濃度は、少なくとも約2%(w/v)である。
【0038】
特定の実施形態では、本発明の組成物中の次亜塩素酸塩源の濃度は、約0.5%(w/w)~約3%(w/w)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の次亜塩素酸塩源の濃度は、約0.5%(w/w)~約1.5%(w/w)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の次亜塩素酸塩源の濃度は、約0.6%(w/w)~約1.5%(w/w)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の次亜塩素酸塩源の濃度は、少なくとも約0.5%(w/w)である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の次亜塩素酸塩源の濃度は、少なくとも約1%(w/w)、少なくとも約1.1%(w/w)、少なくとも約1.2%(w/w)、少なくとも約1.3%(w/w)、少なくとも約1.4%(w/w)または少なくとも約1.5%(w/w)である。
【0039】
本発明の治療用組成物は、ビグアニド、トリグアニド、ビスビグアニドおよびそれらの類似体から選択される抗菌薬をさらに含む。グアニド、ビグアニド、ビグアニジンおよびトリグアニドは、1つ以上の正電荷を容易に得て有効な抗菌薬となる不飽和窒素含有分子である。グアニド、ビグアニド、ビグアニジンまたはトリグアニドは、単一分子内に陽イオンドメインと疎水性ドメインの双極性構造を提供し得る。抗菌薬として現行使用されているグアニド、ビグアニド、ビグアニジンおよびトリグアニドの例としては、クロルヘキシジンおよびクロロヘキシジン塩、類似体および誘導体、例えば、酢酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジンおよび塩酸クロルヘキシジン、ピクロキシジン、アレキシジンおよびポリヘキサニドが含まれる。本開示の組成物中に使用可能なグアニド、ビグアニド、ビグアニジンおよびトリグアニドの他の例は、塩酸クロルプログアニル、塩酸プログアニル、塩酸メトホルミン、フェンホルミンおよび塩酸ブホルミンである。これらの双極性陽イオン抗菌薬はまた、グアニドポリマー、ビグアニドポリマー、あるいはビグアニド部分またはベンザルコニウム基もしくはクオタニウム基(例えば、第四級アミン基)などの他の陽イオン官能基を含有する側鎖を有するポリマーといったポリマー形態中に包含および使用されてもよい。1つ以上の実施形態では、陽イオン抗微生物ポリマーは、高分子ビグアニド化合物である。基板に適用される場合、このようなポリマーは、微生物を絡め取って破壊するバリアフィルムを形成することが知られている。例示的ポリマービグアニド化合物は、ポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB)塩である。他の例示的ビグアニドポリマーとしては、限定されるものではないが、ポリ(ヘキサメチレンビグアニド)、ポリ(ヘキサメチレンビグアニド)ヒドロクロリド、ポリ(ヘキサメチレンビグアニド)グルコネート、ポリ(ヘキサメチレンビグアニド)ステアレート、またはそれらの誘導体が含まれる。特定の実施形態では、クロルヘキシジン(N,N-ビス(4-クロロフェニル)-3,12-ジイミノ-2,4,11,13-テトラアザテトラデカンジアミジン)およびアレキシジン(N-(2-エチルヘキシル)-1-3-(6-{N-[3-(2-エチルヘキシル)カルバミミドアミドメタンイミドイル]アミノ}ヘキシル)カルバミミド)から選択されるビスビグアニドが本開示の組成物中に包含および使用される。特定の実施形態では、クロルヘキシジン源は、グルコン酸クロルヘキシジン、酢酸クロルヘキシジンおよび二塩酸クロルヘキシジンからなる群から選択される。グルコン酸クロルヘキシジン(4%w/v)は市販されており、これは水中、ポロキサマー、イソプロピルアルコール、酸化ラウラミン(界面活性剤)、ハーバコール(芳香剤)、および着色剤(FD&Cレッドなど)などの他の成分と組み合わせた溶液で提供される場合が多い。よって、本発明の製剤もまたこれらの成分を含み得る。
【0040】
特定の実施形態では、本発明の組成物中のビスビグアニドの濃度は、約1%(w/v)~約10%(w/v)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の組成物中のビスビグアニドの濃度は、約1%(w/v)~約6%(w/v)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の組成物中のビスビグアニドの濃度は、約1%(w/v)~約4%(w/v)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の組成物中のビスビグアニドの濃度は、約1.2%(w/v)%~約2%(w/v)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の組成物中のビスビグアニドの濃度は、少なくとも約1.2%(w/v)である。特定の実施形態では、本発明の組成物中のビスビグアニドの濃度は、少なくとも約1.8%(w/v)である。特定の実施形態では、本発明の組成物中のビスビグアニドの濃度は、約1.2%(w/v)または約1.8%(w/v)である。
【0041】
特定の実施形態では、本発明の組成物中のビスビグアニドの濃度は、約0.5%(w/w)~約5%(w/w)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の組成物中のビスビグアニドの濃度は、約0.5%(w/w)~約3%(w/w)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の組成物中のビスビグアニドの濃度は、約0.5%(w/w)~約1.5%(w/w)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の組成物中のビスビグアニドの濃度は、少なくとも約0.7%(w/w)である。特定の実施形態では、本発明の組成物中のビスビグアニドの濃度は、少なくとも約1.2%(w/w)である。特定の実施形態では、本発明の組成物中のビスビグアニドの濃度は、約0.7%(w/w)または約1.2%(w/w)である。
【0042】
本発明の治療用組成物は、酸素を生成する1種以上の化合物を任意選択により含み得る。本発明の組成物を作製するためには、本発明目的を達成するために十分安定であり、かつ、十分な量の酸素を生成できる限り、いずれの酸素生成化合物も使用可能である。好ましい酸素生成化合物は、酸素生成化合物の容量当たり少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90または少なくとも100容量の酸素を生成する化合物である。例えば、1cmの過酸化水素は、100cmの酸素を生成するであろう。一実施形態では、酸素生成化合物は過酸化物である。特定の実施形態では、過酸化物源は、過酸化水素、過酸化カルバミド、過酸化ベンゾイル、過酸化尿素、ペルカルバミドまたは過炭酸ナトリウムからなる群から選択される。特定の実施形態では、本発明の組成物中の酸素生成化合物の濃度は、約0.01%(v/v)~約0.1%(v/v)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の酸素生成化合物の濃度は、約0.03%(v/v)~約0.09%(v/v)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の酸素生成化合物の濃度は、約0.03%(v/v)、0.06%(v/v)および0.09%(v/v)から選択される。特定の実施形態では、本発明の組成物中の酸素生成化合物の濃度は、約0.1%(v/v)である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の酸素生成化合物の濃度は、約0.001%(v/v)~約0.01%(v/v)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の酸素生成化合物の濃度は、約0.003%(v/v)~約0.009%(v/v)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の酸素生成化合物の濃度は、約0.003%(v/v)、0.006%(v/v)および0.009%(v/v)から選択される。特定の実施形態では、本発明の組成物中の酸素生成化合物の濃度は、約0.01%(v/v)である。
【0043】
本発明の治療用組成物は、ポロキサマーを任意選択により含み得る。ポロキサマーは、2つの親水性のポリエチレンオキシド鎖に挟み込まれた中央の疎水性のポリプロピレンオキシド鎖から構成される非イオン性3ブロックコポリマーである。ポロキサマーは、商標プルロニック(BASF、フローラムパーク、N.J.)によっても知られる。特定の実施形態では、本発明の治療用組成物は、ポロキサマー108、185、188、237、238、338、335、および/または407のうち少なくとも1つを含む。特定の実施形態では、本発明の治療用組成物は、ポロキサマー237を含む。特定の実施形態では、本発明の組成物中のポロキサマーの濃度は、約6%(w/v)~約12%(w/v)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の治療用組成物中のポロキサマーの濃度は、少なくとも約6%(w/v)である。特定の実施形態では、本発明の治療用組成物中のポロキサマーの濃度は、少なくとも約7%(w/v)である。特定の実施形態では、本発明の治療用組成物中のポロキサマーの濃度は、少なくとも約7.5%(w/v)、少なくとも約8%(w/v)、少なくとも約9%(w/v)、少なくとも約10%(w/v)または少なくとも約11%(w/v)である。特定の実施形態では、本発明の治療用組成物中のポロキサマーの濃度は、少なくとも約11.5%(w/v)である。
【0044】
特定の実施形態では、本発明の組成物中のポロキサマーの濃度は、約4%(w/w)~約8%(w/w)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の治療用組成物中のポロキサマーの濃度は、少なくとも約4%(w/w)である。特定の実施形態では、本発明の治療用組成物中のポロキサマーの濃度は、少なくとも約4.5%(w/w)である。特定の実施形態では、本発明の治療用組成物中のポロキサマーの濃度は、少なくとも約5%(w/w)、少なくとも約5%(w/w)、少なくとも約6%(w/w)、少なくとも約7%(w/w)または少なくとも約7.5%(w/w)である。特定の実施形態では、本発明の治療用組成物中のポロキサマーの濃度は、少なくとも約11.5%(w/w)である。
【0045】
上述の成分に加え、本発明の治療用組成物は、界面活性剤を任意選択により含み得る。本発明の治療用組成物には、得られる治療用組成物が本明細書に挙げられた目的を満たす限り、いずれの界面活性剤も加えることができる。例えば、陰イオン性、陽イオン性、両性イオンおよび非イオン性界面活性剤が本開示の組成物に使用可能である。特定の実施形態では、界面活性剤は非イオン性界面活性剤であり、直鎖アルコール(C11)エトキシラート--POE-7、直鎖アルコール(C9-11)エトキシラート--POE-2.5、ラウリルアルコールエトキシラート--POE-8、第二級アルコールエトキシラート、トリデセト-2カルボキサミドMEA、PEG-4ナタネアミド、PEG 5コカミド、コカミドDEA、ラウラミドMEA、コカミドMEA、ラウラミドDEA、オレアミドDEA、カプリリルグルコシド、ミリスチルグルコシド、ラウリルグルコシド、ミリスチルグルコシド、カプリリルグルコシド、デシルグルコシド、N,N-ジメチルデカンアミド、ソホロ脂質、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸ソプロピル、グリセレス-17ココエート、グリセレス-6ココエート、PEG/PPG-6/2グリセリルココエート、セトステアリルアルコール、PEG 2コカミン、PEG 2獣脂アミン、グリセレス-7カプリレート、グリセレス-7カプレート、カプリル酸トリグリセリド、カプリン酸トリグリセリド、オレイン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル、ラウリルラクチル乳酸、ポリソルベート80およびそれらの組合せを含み得る。特定の実施形態では、界面活性剤は、酸化アミンであり、酸化ラウラミン、コカミドプロピルアミンオキシド、ラウリル/ミリスチルアミドプロピル、酸化アミン、獣脂アミン+2 eo、ミリスタミンオキシドおよびそれらの組合せを含み得る。特定の実施形態では、界面活性剤は、ラウラミンオキシド(N,N-ジメチルドデシルアミンN-オキシド)である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の界面活性剤の濃度は、約0.1%(w/v)~約1%(w/v)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の界面活性剤の濃度は、約0.2%(w/v)~約0.5%(w/v)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の界面活性剤の濃度は、少なくとも約0.2%(w/v)である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の界面活性剤の濃度は、約0.27%(w/v)である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の界面活性剤の濃度は、少なくとも約0.4%(w/v)である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の界面活性剤の濃度は、約0.42%(w/v)である。
【0046】
特定の実施形態では、本発明の組成物中の界面活性剤の濃度は、約0.1%(w/w)~約0.5%(w/w)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の界面活性剤の濃度は、約0.1%(w/w)~約0.3%(w/w)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の界面活性剤の濃度は、約0.15%(w/w)~約0.27%(w/w)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の界面活性剤の濃度は、少なくとも約0.15%(w/w)である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の界面活性剤の濃度は、少なくとも約0.27%(w/w)である。
【0047】
上述の成分に加え、本発明の治療用組成物は、ガクトビオン酸(gactobionic acid)、グルコノデルタ-ラクトン(グルコノラクトンとしても知られる)、およびそれらのブレンドから選択されるポリヒドロキシ酸を任意選択により含み得る。特定の実施形態では、本発明の組成物中のポリヒドロキシ酸の濃度は、約0.5%(w/v)~約2%(w/v)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の組成物中のポリヒドロキシ酸の濃度は、約0.5%(w/v)~約1%(w/v)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の組成物中のポリヒドロキシ酸の濃度は、約0.6%(w/v)~約0.9%(w/v)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の組成物中のポリヒドロキシ酸の濃度は、少なくとも約0.5%(w/v)である。特定の実施形態では、本発明の組成物中のポリヒドロキシ酸の濃度は、少なくとも約0.6%(w/v)である。特定の実施形態では、本発明の組成物中のグルコノラクトンのポリヒドロキシ酸は、少なくとも約0.9%(w/v)である。
【0048】
特定の実施形態では、本発明の組成物中のポリヒドロキシ酸の濃度は、約0.2%(w/w)~約0.8%(w/w)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の組成物中のポリヒドロキシ酸の濃度は、約0.3%(w/w)~約0.6%(w/w)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の組成物中のポリヒドロキシ酸の濃度は、約0.35%(w/w)~約0.6%(w/w)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の組成物中のポリヒドロキシ酸の濃度は、少なくとも約0.3%(w/w)である。特定の実施形態では、本発明の組成物中のポリヒドロキシ酸の濃度は、少なくとも約0.35%(w/w)である。特定の実施形態では、本発明の組成物中のポリヒドロキシ酸の濃度は、少なくとも約0.6%(w/w)である。
【0049】
液体製剤
従前に述べたように、本発明の治療用組成物は液体として調剤することもできる。このような液体製剤は、局所適用におよびリンスとして有用である。本発明の液体製剤は、必ずしも必要ではないが、本発明のペースト製剤に関して開示されたものと同じ成分の全てを含み得るが、一般に、このような成分の濃度はより低い。
【0050】
特定の実施形態では、本発明の液体製剤は塩を、製剤を高張とするために十分な濃度で含む。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の塩の濃度は、少なくとも200mMである。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の塩の濃度は、約0.3モル~約0.8モルの範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の塩の濃度は、約0.5モル~約0.7モルの範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の塩の濃度は、少なくとも約0.5モルである。一実施形態では、本発明の液体製剤中の塩の濃度は、約0.7モル以下である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の塩の濃度は、約0.68モルである。
【0051】
特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の塩の濃度は、約3%(w/v)~約4%(w/v)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の塩の濃度は、少なくとも約3%(w/v)である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の塩の濃度は、約4%(w/v)以下である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の塩の濃度は、約3%(w/v)である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の塩の濃度は、約3.9%(w/v)である。
【0052】
特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の塩の濃度は、約1.5%(w/w)~約3%(w/w/)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の塩の濃度は、約1.8%(w/w)~約2.5%(w/w)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の塩の濃度は、少なくとも約1.9%(w/w)である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の塩の濃度は、約2%(w/w)である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の塩の濃度は、約2.3%(w/w)である。
【0053】
本発明の液体製剤は、重炭酸塩源をさらに含む。特定の実施形態では、重炭酸塩源は重炭酸塩である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の重炭酸塩の濃度は、約0.8モル~約1.2モルの範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の重炭酸塩の濃度は、約0.8モル~約1.1モルの範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の重炭酸塩の濃度は、少なくとも0.8モルである。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の重炭酸塩の濃度は、少なくとも1.1モルである。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の重炭酸塩の濃度は、約0.5モル~約0.65モルの範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の重炭酸塩の濃度は、少なくとも0.5モルである。
【0054】
特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の重炭酸塩の濃度は、約7%(w/v)~約9.5%(w/v)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の重炭酸塩の濃度は、約7.3%(w/v)~約9.4%(w/v)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の重炭酸塩の濃度は、少なくとも7.3%(w/v)である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の重炭酸塩の濃度は、少なくとも9.3%(w/v)である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の重炭酸塩の濃度は、約7.3%(w/v)および約9.3%(w/v)から選択される。
【0055】
特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の重炭酸塩の濃度は、約4.5%(w/w)~約6.0%(w/w)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の重炭酸塩の濃度は、約4.5%(w/w)~約5.5%(w/w)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の重炭酸塩の濃度は、少なくとも4.5%(w/w)である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の重炭酸塩の濃度は、少なくとも5.5%(w/w)である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の重炭酸塩の濃度は、約4.6%(w/w)および約5.5%(w/w)から選択される。
【0056】
特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の重炭酸塩対塩の比は、約1:1.3~約1:3の範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の重炭酸塩対塩の比は、約1:1.3~約1:2.5の範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の重炭酸塩対塩の比は、約1:2.3である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の重炭酸塩対塩の比は、約1:2.5である。
【0057】
本発明の液体製剤は、次亜塩素酸塩源をさらに含む。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の次亜塩素酸塩源の濃度は、約0.05%(w/v)~約0.3%(w/v)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の次亜塩素酸塩源の濃度は、約0.1%(w/v)~約0.25%(w/v)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の次亜塩素酸塩源の濃度は、少なくとも約0.05%(w/v)である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の次亜塩素酸塩源の濃度は、少なくとも約0.1%(w/v)である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の次亜塩素酸塩源の濃度は、少なくとも約0.2%(w/v)である。
【0058】
特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の次亜塩素酸塩源の濃度は、約0.05%(w/w)~約0.3%(w/w)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の次亜塩素酸塩源の濃度は、約0.05%(w/w)~約0.15%(w/w)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の次亜塩素酸塩源の濃度は、約0.06%(w/w)~約0.15%(w/w)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の次亜塩素酸塩源の濃度は、少なくとも約0.05%(w/w)である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の次亜塩素酸塩源の濃度は、少なくとも約0.1%(w/w)、少なくとも約0.11%(w/w)、少なくとも約0.12%(w/w)、少なくとも約0.13%(w/w)、少なくとも約0.14%(w/w)または少なくとも約0.15%(w/w)である。
【0059】
本発明の液体製剤は、ビスビグアニドをさらに含む。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中のビスビグアニドの濃度は、約0.1%(w/v)~約1%(w/v)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中のビスビグアニドの濃度は、約0.1%(w/v)~約0.6%(w/v)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中のビスビグアニドの濃度は、約0.1%(w/v)~約0.4%(w/v)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中のビスビグアニドの濃度は、約0.12%(w/v)~約0.2%(w/v)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中のビスビグアニドの濃度は、少なくとも約0.12%(w/v)である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中のビスビグアニドの濃度は、少なくとも約0.18%(w/v)である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中のビスビグアニドの濃度は、約0.12%(w/v)または約0.18%(w/v)である。
【0060】
特定の実施形態では、本発明の液体製剤中のビスビグアニドの濃度は、約0.05%(w/w)~約0.5%(w/w)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中のビスビグアニドの濃度は、約0.05%(w/w)~約0.3%(w/w)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中のビスビグアニドの濃度は、約0.05%(w/w)~約0.15%(w/w)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中のビスビグアニドの濃度は、少なくとも約0.07%(w/w)である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中のビスビグアニドの濃度は、少なくとも約0.12%(w/w)である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中のビスビグアニドの濃度は、約0.07%(w/w)または約0.12%(w/w)である。
【0061】
本発明の液体製剤は、酸素を生成する化合物を任意選択により含み得る。一実施形態では、酸素生成化合物は、過酸化物である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の酸素生成化合物の濃度は、約0.001%(v/v)~約0.01%(v/v)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の酸素生成化合物の濃度は、約0.003%(v/v)~約0.009%(v/v)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の酸素生成化合物の濃度は、約0.003%(v/v)、0.006%(v/v)および0.009%(v/v)から選択される。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の酸素生成化合物の濃度は、約0.01%(v/v)である。
【0062】
本発明の液体製剤は、ポロキサマーを任意選択により含み得る。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中のポロキサマーの濃度は、約0.6%(w/v)~約1.2%(w/v)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中のポロキサマーの濃度は、少なくとも約0.6%(w/v)である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中のポロキサマーの濃度は、少なくとも約0.7%(w/v)である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中のポロキサマーの濃度は、少なくとも約0.75%(w/v)、少なくとも約0.8%(w/v)、少なくとも約0.9%(w/v)、少なくとも約1.0%(w/v)または少なくとも約1.1%(w/v)である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中のポロキサマーの濃度は、少なくとも約1.2%(w/v)である。
【0063】
特定の実施形態では、本発明の液体製剤中のポロキサマーの濃度は、約0.4%(w/w)~約0.8%(w/w)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中のポロキサマーの濃度は、少なくとも約0.4%(w/w)である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中のポロキサマーの濃度は、少なくとも約0.45%(w/w)である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中のポロキサマーの濃度は、少なくとも約0.5%(w/w)、少なくとも約0.6%(w/w)、少なくとも約0.7%(w/w)または少なくとも約0.75%(w/w)である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中のポロキサマーの濃度は、少なくとも約1.2%(w/w)である。
【0064】
上述の成分に加え、本発明の液体製剤は、界面活性剤を任意選択により含み得る。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の界面活性剤の濃度は、約0.01%(w/v)~約0.1%(w/v)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の界面活性剤の濃度は、約0.02%(w/v)~約0.05%(w/v)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の界面活性剤の濃度は、少なくとも約0.02%(w/v)である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の界面活性剤の濃度は、約0.027%(w/v)である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の界面活性剤の濃度は、少なくとも約0.04%(w/v)である。
【0065】
特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の界面活性剤の濃度は、約0.01%(w/w)~約0.05%(w/w)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の界面活性剤の濃度は、約0.01%(w/w)~約0.03%(w/w)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の界面活性剤の濃度は、約0.015%(w/w)~約0.027%(w/w)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の界面活性剤の濃度は、少なくとも約0.015%(w/w)である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中の界面活性剤の濃度は、少なくとも約0.027%(w/w)である。
【0066】
上述の成分に加え、本発明の液体製剤は、ガクトビオン酸(gactobionic acid)、グルコノデルタ-ラクトン(グルコノラクトンとしても知られる)、およびそれらのブレンドから選択されるポリヒドロキシ酸を任意選択により含み得る。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中のポリヒドロキシ酸の濃度は、約0.05%(w/v)~約0.2%(w/v)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中のポリヒドロキシ酸の濃度は、約0.05%(w/v)~約0.1%(w/v)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中のポリヒドロキシ酸の濃度は、約0.06%(w/v)~約0.09%(w/v)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中のポリヒドロキシ酸の濃度は、少なくとも約0.05%(w/v)である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中のポリヒドロキシ酸の濃度は、少なくとも約0.06%(w/v)である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中のポリヒドロキシ酸の濃度は、少なくとも約0.09%(w/v)である。
【0067】
特定の実施形態では、本発明の液体製剤中のポリヒドロキシ酸の濃度は、約0.02%(w/w)~約0.08%(w/w)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中のポリヒドロキシ酸の濃度は、約0.03%(w/w)~約0.06%(w/w)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中のポリヒドロキシ酸の濃度は、約0.035%(w/w)~約0.06%(w/w)の範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中のポリヒドロキシ酸の濃度は、少なくとも約0.03%(w/w)である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中のポリヒドロキシ酸の濃度は、少なくとも約0.035%(w/w)である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤中のポリヒドロキシ酸の濃度は、少なくとも約0.06%(w/w)である。
【0068】
本発明の組成物および製剤は、アルカリ性pHを有する。理論に縛られることを意図するものではないが、本発明のアルカリ性製剤は過酸化物と酸化窒素からのペルオキシ亜硝酸(スーパーオキシドニトレート)の形成を防ぐと考えられる。さらに、本発明のアルカリ性製剤は損傷中のプロトン放出により作り出される酸性環境を中和すると考えられる。これらの効果の正味の結果は、炎症経路の阻害と異化状態から同化状態への切り替えである。よって、特定の実施形態では、本発明の液体製剤のpHは7より大きい。特定の実施形態では、本発明の液体製剤のpHは、約7~約9.5の範囲である。特定の実施形態では、本発明の液体製剤のpHは、約7.2、約7.4、約7.6 約7.8、約8.0、約8.2、約8.4、約8.6、約8.8、約9.0、約9.2および約9.4からなる群から選択される。
【0069】
上述の成分に加え、本発明の組成物は、抗細菌化合物、抗ウイルス化合物、抗真菌化合物および抗癌化合物からなる群から選択される化合物を任意選択により含み得る。抗菌薬の例としては、限定されるものではないが、アルコール、アナライド(analide)(例えば、トリクロカルバン)、ビスフェノール(例えば、トリクロサン)、第四級アンモニウム化合物(例えば、塩化ベンザルコニウム)および抗生物質が含まれる。抗ウイルス薬の例としては、限定されるものではないが、アシクロビルおよびファムシクロビルが含まれる。抗真菌薬の例としては、限定されるものではないが、アムホテリシンB、クロトリマゾール、フルコナゾール、アバファンジン、アモロルフィンおよびカスポファンギンが含まれる。抗癌薬の例としては、限定されるものではないが、5-フルオロウラシル、ヒドロキシ尿素、シスプラチンおよびビンブラスチンが含まれる。
【0070】
理論に縛られることを意図するものではないが、本組成物、およびその個々の成分は、下表に記載のように一緒に、共存的および相乗的に働くということが企図される。
【0071】
【表1】
【0072】
本明細書に開示される組成物は、ペースト、ゲル、液体(例えば、局所投与または注射投与)、パテ、フォーム、軟膏、クリーム、練り歯磨きの形態、または口腔ケア組成物の形態で調剤してもよい。
【0073】
本開示の組成物の局所投与または経皮投与用製剤としては、散剤、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチ、滴剤および吸入剤が含まれる。これらの組成物は、無菌条件下で薬学上許容される担体と、また任意のバッファー、または必要とされうる場合には噴射剤と混合すればよい。
【0074】
軟膏、ペースト、クリームおよびゲルは、上記の組成物成分に加えて、動物および植物脂肪、油類、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガントガム、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛、またはそれらの混合物などの賦形剤を含み得る。
【0075】
散剤およびスプレーは、上記の組成物成分に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末またはこれらの物質の混合物などの賦形剤を含み得る。
【0076】
スプレーは、クロロフルオロ炭化水素および揮発性非置換炭化水素、例えば、ブタンおよびプロパンなどの慣例の噴射剤をさらに含むことができる。
点鼻剤などの滴剤は、1種以上の分散剤、可溶化剤または沈殿防止剤も含む水性または非水性基剤を用いて調剤してよい。液体スプレーは、好都合には与圧パックから送達される。滴剤は、単純なスポイトキャップボトルの手段によるか、または特殊形状のクロージャーにより液体内容物を滴下送達するように適合されたプラスチックボトルによって送達することができる。
【0077】
本開示の組成物の投与のための液体剤形としては、薬学上許容されるエマルション、マイクロエマルション、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシルが含まれる。有効成分に加え、液体剤形は、当技術分野で慣用される不活性希釈剤、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油類(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物を含み得る。
【0078】
「口腔ケア組成物」とは、通常の使い方で、特定の治療薬の全身投与の目的で意図的に飲み込むのではなく、口腔活性の目的で歯の表面および/または口腔組織の実質的に全てと接触させるのに十分な時間口腔内に保持される製品を意味する。口腔ケア組成物は、練り歯磨き、歯磨き剤、トゥースゲル、歯肉下ゲル、洗口液、溶液、ムース、フォーム、義歯衛生製品、マウススプレー、ロゼンジまたは咀嚼錠を含む様々な形態であり得る。本開示のこれらの口腔ケア組成物はまた、口腔表面に直接適用もしくは装着するためのフロス、ストリップもしくはフィルムに組み込んでもよいし、または歯ブラシもしくはロールオンなどのデバイスもしくはアプリケータに一体化してもよい。このようなアプリケータは、単回用であっても複数回用であってもよい。
【0079】
好ましいペースト製剤は、局所適用後に適所に留まって有効成分を経時的に溶出するために十分な稠度である。このような粘稠製剤は、それにより、創傷、摩滅、感染などの周辺の領域に隣接して適用することができる。
【0080】
しかしながら、他の製剤も使用可能である。限定されない例として、本組成物は、散剤、歯磨き剤、ロゼンジ、口内粘着パッチ、口腔スプレー、口腔に粘着する被覆剤、チューインガムなどとして調剤することができる。このような組成物は、当業者に知られているように、皮膚、開放または閉鎖創傷、粘膜、口腔の任意の部位などに局所適用した後に所望の治療効果を達成するように調剤することができる。
【0081】
いくつかの実施形態では、本開示の組成物の製剤は、増粘剤またはゲル化剤、例えば、ポリオキシエチレン/ポリオキシ-プロピレンブロックコポリマーまたはカルボマーポリマーを含む。
【0082】
過酸化水素ではなく過酸化カルバミドを使用する組成物は、過酸化カルバミドを本開示の治療用組成物の成分と一緒に混合することによって調製した。固体過酸化カルバミドを用いたこのような製剤は、粘稠ゲルとして調剤することができる。
【0083】
いくつかの実施形態では、本開示の製剤または組成物は、ポリマー材料(またはin situでポリマー、ゲル、ヒドロゲル、または粘稠な流体を形成するポリマー前駆体)を含む。例示的ポリマーとしては、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(L-ラクチド)(PLLA:poly(L-lactide))、ポリ(D,L-ラクチド)(PLA:poly(D,L-lactide))ポリグリコール酸[ポリグリコリド(PGA:polyglycolide)]、ポリ(L-ラクチド-コ-D,L-ラクチド)(PLLA/PLA:poly(L-lactide-co-D,L-lactide))、ポリ(L-ラクチド-コグリコリド)(PLLA/PGA:poly(L-lactide-coglycolide))、ポリ(D、L-ラクチド-コ-グリコリド)(PLA/PGA:poly(D,L-lactide-co-glycolide))、ポリ(グリコリド-コトリメチレンカーボネート)(PGA/PTMC:poly(glycolide-cotrimethylene carbonate))、ポリ(D,L-ラクチド-コ-カプロラクトン)(PLA/PCL:poly(D,L-lactide-co-caprolactone))、ポリ(グリコリド-コ-カプロラクトン)(PGA/PCL:poly(glycolide-co-caprolactone))、ポリ(オキサ)エステル、ポリエチレンオキシド(PEO:polyethylene oxide)、ポリジオキサノン(PDS:polydioxanone)、ポリプロピレンフマレート、ポリ(エチルグルタメート-コ-グルタミン酸)、ポリ(tert-ブチルオキシ-カルボニルメチルグルタメート)、ポリカプロラクトン(PCL:polycaprolactone)、ポリカプロラクトンコブチルアクリレート、ポリヒドロキシブチレート(PHBT:polyhydroxybutyrate)、ポリヒドロキシブチレート、ポリ(ホスファゼン)、ポリ(リン酸エステル)、ポリ(アミノ酸)、ポリデプシペプチド、ポリイミノカーボネート、ポリ[(97.5%ジメチル-トリメチレンカーボネート)-コ-(2.5%トリメチレンカーボネート)]、ポリ(オルトエステル)、ポリカーボネート、ポリイミノカーボネート、ポリホスホネート、ポリエチレンオキシド、ポリアルキレンオキシド、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。
【0084】
いくつかの実施形態では、これらの製剤は、結合剤、例えば、ポリエチレングリコール(PEG:polyethylene glycol)を含む。特定の実施形態では、PEGはPEG400である。本明細書に開示される製剤は、口腔医療組成物に一般に組み込まれる成分を含み得る。好適な成分としては、限定されるものではないが、研磨剤、発泡剤、香味剤、保湿剤、結合剤、水および甘味剤、特に、高甘味度甘味剤、例えば、スクラロース、アスパルテームおよびサッカリンを含み得る。本明細書に開示される組成物中で使用可能な研磨剤としては、アルミナおよびその水和物(例えば、アルファアルミナ三水和物)、三ケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、アルミノシリケート(例えば、焼成ケイ酸アルミニウムおよびケイ酸アルミニウム)、炭酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、粉末ポリエチレン、シリカキセロゲル、ヒドロゲルおよびエアロゲルなどが含まれる。また、ピロリン酸カルシウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、オルトリン酸二カルシウム、粒状ヒドロキシアパタイトなども研磨剤として好適である。
【0085】
本開示の組成物に好適な色素/着色剤、例えば、FD&Cブルー#1、FD&Cイエロー#10、FD&Cレッド#40なども同様に本製剤に使用可能である。他の種々の任意選択成分も開示される組成物中に含まれてよく、限定されるものではないが、保存剤として、ビタミン類(例えば、ビタミンCおよびE)、抗歯垢形成剤(例えば、第一スズ塩、銅塩、ストロンチウム塩およびマグネシウム塩)、pH調整剤、抗齲歯剤(例えば、グリセロリン酸カルシウム、三メタリン酸ナトリウム)、および防汚化合物(例えば、シリコーンポリマー、植物抽出物およびそれらの混合物)が含まれる。加えて、ポリマー、特に、陰イオンポリマー、例えば、ポリカルボキシレートまたはポリスルホネート、またはカルボキシレート部分とスルホネート部分の両方を含有するポリマー、ホスホネートポリマーまたはポリホスフェートも含まれてよい。他の任意選択の担体成分は、例えば担体と香味剤の両方として働くなど、複数の機能を満たす。限定されない代表的な香味油としては、スペアミント油、シナモン油、冬緑油(サリチル酸メチル)、ペパーミント油、チョウジ油、ベイ油、アニス油、ユーカリ油、タイム油、セダーリーフ油、ナツメグ油、オールスパイス油、セージ油、メース油、苦扁桃油、およびカッシア油が含まれる。メントール、ペパーミント油およびオイゲノールは、本開示の組成物の製剤に個別にまたは組み合わせて使用可能な、有機香味剤でもある担体の例である。
【0086】
マウスウォッシュ、洗口液、喉うがい剤、または類似の調製物として調剤される場合、このような調製物は、水/アルコール溶液、香味成分、保湿剤、甘味剤、発泡剤および着色剤を含み得る。これらの液体製剤は、エタノールを0~60重量%、好ましくは5~30重量%のレベルで含んでよい。
【0087】
特定の実施形態では、本開示の組成物は、1つまたは複数の組成物を受容するための1つ以上のリザーバを画定する三次元ボディーなどの移植可能な材料内に調剤してもよい。このような移植可能な材料は好ましくは、体液で水和させることができる。いくつかの実施形態では、これらの水和可能な材料は、体液と接触して崩壊または溶解してもよい。
【0088】
さらなる実施形態では、医療デバイスまたはインプラントが本開示の組成物でコーティングされ得る。従って、コーティングされた医療デバイスまたはインプラントが、本発明の実施形態として提供される。このようなデバイスまたはインプラントとしては、本開示の組成物でコーティングした、または本開示の組成物を含浸させた、カテーテル、サージカルピン、ペースメーカカプセル、ステント、シャント、気管内または消化管内チューブ、外科用または歯科用インプラント、縫合糸、電極、透析装置および包帯が含まれる。
【0089】
本開示の組成物はまた、組成物を開口部または体腔中に溶出させるように適合させることができるコラーゲンプラグ中に導入してもよい。この様式では、本組成物は、例えば、コラーゲンプラグから創傷中に溶出させることができる。よって、本発明の一実施形態は、本開示の組成物を注入したコラーゲンプラグである。
【0090】
本開示の組成物は、軟組織および/または骨が変化している多様な方法において有用である。これらの方法は、組織修復、再生、再建および再構築を含む、いずれのタイプの組織改変も包含する。本発明の組成物および製剤はまた、組織またはインプラント誘導再生においても使用可能である。理論に縛られるものではないが、感染性生物を阻害するかまたは死滅させることによって、また、損傷または修復部位における炎症および疼痛を軽減することによってこのような修復および再生を助けると考えられる。これらのプロセスは、完全に内部のプロセスならびに皮膚または口腔もしくは鼻腔などの開口部を含むかまたはそれらに影響を及ぼすプロセスを含む、いずれのタイプの組織改変も包含し得る(例えば、本明細書に記載の組成物は歯科手順において使用できる)。よって、組織固定具または合成骨置換材または補綴との併用に加え、本開示の組成物はまた、整形外科用金属製品の取り付け用デバイス(例えば、骨プレート用のねじまたは股関節ステムを一時的に固定するためのねじとして)の使用と併用してもよいし、再建もしくは美容外科手術との関連で使用してもよく、あるいはスポーツ医学インプラントでよく使用されるように、骨、軟骨および/または骨軟骨の欠損を修復することができる。
【0091】
一実施形態では、本発明の組成物または製剤は、消毒洗口液または喉うがい剤として使用される。このような洗口液またはうがい剤は、例えば、咽頭痛(咽頭炎)を処置するため、風邪およびインフルエンザなどの疾患を引き起こす生物を死滅させるため、口臭、歯肉炎、歯垢を生じる生物を死滅させるため、口腔びらんを引き起こす生物(例えば、ヘルペス)を死滅させるため、口腔の真菌感染を処置するため、ならびに潰瘍性口内炎およびその他の口腔の潰瘍を処置するために、使用することができる。このような洗口液またはうがい剤はまた、口腔の炎症を軽減するため、口腔組織の増殖を促進するため、または口腔の疼痛を消散させるため、ならびに口腔の癌および/または癌性病巣を処置するために使用することもできる。一実施形態は、消毒洗口液または喉うがい剤として使用する場合の本発明の組成物である。本発明の一実施形態は、口腔殺菌用の薬剤の調製における本発明の組成物の使用である。本発明の一実施形態は、喉うがい剤として使用するための薬剤の調製における本発明の組成物の使用である。
【0092】
特定の実施形態では、本発明の組成物または製剤は、副鼻腔用の消毒洗浄液として使用される。このような副鼻腔の洗浄は、風邪またはインフルエンザなどの疾患を引き起こす生物による感染のための鼻腔うっ血(例えば、慢性鼻炎)および副鼻腔炎の軽減;咽頭痛の軽減;後鼻漏の軽減;糸状菌、カビおよび/または真菌によるアレルギーによる症状の軽減;および花粉、ペットの落屑、チリダニなどの空中アレルゲンによる症状の軽減などの複数の利益を提供する。副鼻腔洗浄液はまた、副鼻腔の全般的炎症を軽減するため、ならびに副鼻腔疼痛を軽減または消散させるために使用することもできる。一実施形態は、消毒副鼻腔洗浄液として使用する場合の本発明の組成物である。本発明の一実施形態は、副鼻腔を洗浄するための薬剤の調製における本発明の組成物の使用である。本発明の一実施形態は、副鼻腔の殺菌のための薬剤の調製における本発明の組成物の使用である。
【0093】
特定の実施形態では、本発明の組成物および製剤は、歯科手順において使用することができる。一実施形態では、本発明の製剤は、抗細菌洗口液として使用される。このような洗口液は、口腔の感染を処置するため、口腔組織での血管新生を促進するため、口腔内の新たな組織の増殖を促進するため、口腔疼痛を軽減するかもしくは消散させるため、または口腔内の炎症を軽減するために使用することができる。一実施形態では、本発明の組成物または製剤は、抜歯から生じる炎症組織または損傷組織を処置するために使用される。一実施形態では、本発明の組成物または製剤は、口腔手術から生じる炎症組織または損傷組織を処置するために使用される。感染の処置および炎症の軽減に加え、このような組成物および製剤はまた、口腔の外傷、抜歯または口腔手術後の血管新生および組織再生の促進を助けるために使用することもできる。これに関して、本発明の組成物および製剤は、処置する組織に直接適用することもできるし、または本発明の組成物または製剤を含浸させたプラグ(例えば、コラーゲンプラグ)または同種移植片(例えば、組織移植片、骨移植片)の形態で適用することもできる。一実施形態は、歯科手順の一部として使用する場合の本発明の組成物である。本発明の一実施形態は、歯科手順において使用するための薬剤の調製における本発明の組成物の使用である。
【0094】
上述の歯科適用に加え、発明者らは、本発明の組成物および製剤は、歯科手順からの疼痛を軽減するという驚くべき予想外の利益を提供することを見出した。このような手順としては、限定されるものではないが、歯周病(例えば、弁蓋炎)の処置、歯周スケーリング、ルートプレーニング、掻爬、抜歯、口腔手術、根管治療、クラウン装着、ブリッジ装着などが含まれる。上記の使用に加え、本発明者らは、炎症が起きた歯周溝(「ポケット」)の洗浄が3~5ミリメートルもの歯周ポケットの収縮をもたらしたことを見出した。よって、一実施形態では、本発明の組成物または製剤は歯周溝を洗浄するために使用することができる。さらに、本発明者らは、驚くべきことに、本発明の組成物および製剤は、麻酔の鎮痛作用を低下させることなく、麻酔から生じる口腔および周囲組織の麻痺を軽減するために使用できることも見出した。一実施形態は、麻酔から生じる1)疼痛または2)麻痺を軽減するために使用する場合の本発明の組成物である。本発明の一実施形態は、疼痛の処置または麻酔から生じる麻痺の軽減のための薬剤の調製における本発明の組成物の使用である。
【0095】
上記の考察は本発明の組成物および製剤の歯科使用を開示するが、このような組成物および製剤は歯科手順に無関連の外科術においても使用可能である。よって、特定の実施形態では、本発明の組成物および製剤は外科術において使用することができる。一実施形態では、本発明の組成物または製剤は、術前、術中または術後の一般殺菌薬として使用することができる。例えば、本発明の組成物または製剤は、手を消毒するために、または術前の皮膚スクラブとして使用することができる。特定の実施形態では、本発明の組成物または製剤は、術中または術後に外科的創傷を除染または消毒するために使用することができる。例えば、本発明のペーストまたは液体製剤は、術前に手術部位を洗浄するために使用することができる。さらなる例として、本発明の液体組成物は、術中に創傷または切開部を洗浄するために使用することができる。
【0096】
特定の実施形態では、本発明の組成物または製剤は、炎症を軽減するために術中に使用される。特定の実施形態では、本発明の組成物または製剤は、血管新生および/または新たな組織の増殖を促進するために術中に使用される。
【0097】
さらに、本発明者らは、本発明の組成物または製剤を用いた創傷の処置は、創傷組織の再生後の瘢痕形成を軽減または排除することを見出した。よって、一実施形態では、本発明の組成物または製剤は、創傷における瘢痕形成を軽減するために使用される。このような創傷は、例えば、外科的切開、または銃弾創傷、ナイフ創傷もしくは複雑骨折などの外傷による創傷であり得る。一実施形態は、外科術において使用する場合の本発明の組成物である。本発明の一実施形態は、外科術において使用するための薬剤の調製における本発明の組成物の使用である。
【0098】
術前、術中または術後の組織の処置に加え、本発明の組成物および製剤は、術前、術中または術後の疼痛を軽減するために使用することができる。これに関して、本発明の組成物または製剤は、術前、術中または術後に投与することができる。
【0099】
歯科的または外科的手順から生じる創傷に加え、特定の実施形態では、本発明の組成物または製剤は、いずれの創傷を処置するためにも使用可能である。理論に縛られることを意図するものではないが、本発明の組成物および製剤は、感染性生物を低減または排除すること、毛細血管床の形成および血管新生を促進することにより創傷治癒を促進すると考えられる。本発明の組成物または製剤で処置可能な創傷としては、開放創傷、治癒過程にある創傷(例えば、閉鎖中)または治癒したばかりの創傷(例えば、閉鎖済み)が含まれる。このような創傷は、創傷をもたらすいずれの損傷によるものでもよい。このような創傷としては、例えば、癌性痛、咽喉および口腔の病巣、擦過、摩滅、抜去、潰瘍形成(糖尿病性潰瘍形成を含む)、穿通創、咬創(ヒトおよび動物)、切開、刺創、銃創、戦傷、爆弾破片による創傷、熱火傷による創傷および化学火傷による創傷が含まれる。一実施形態では、本発明の組成物または製剤は、創傷における感染を処置するために使用される。このような処置は、感染を予防するため、または活動中の感染を軽減もしくは排除するためのものであり得る。感染性生物は、感染を処置するために使用される抗生物質またはその他の一般化合物に対して耐性であってもなくてもよい。一実施形態では、本発明の組成物または製剤は、創傷からの瘢痕化を軽減または排除するために使用される。一実施形態では、本発明の組成物または製剤は、創傷清拭のために使用される。一実施形態では、本発明の組成物または製剤は、血管新生または新たな組織の増殖を促進するために使用される。一実施形態では、本発明の組成物または製剤は、創傷における炎症を軽減するために使用される。一実施形態では、本発明の組成物または製剤は、創傷における疼痛を軽減または排除するために使用される。一実施形態は、創傷を処置するために使用する場合の本発明の組成物である。本発明の一実施形態は、創傷を治療するための薬剤の調製における本発明の組成物の使用である。
【0100】
本発明の組成物および製剤はまた、皮膚科病態を処置するために使用することもできる。一実施形態では、本発明の組成物または製剤は、洗顔料に含まれる。一実施形態では、本発明の組成物または製剤は、皮膚感染(例えば、ブドウ球菌感染、水痘、帯状疱疹ウイルスなど)を処置するために使用される。一実施形態では、本発明の組成物または製剤は、座瘡を処置するために使用される。一実施形態では、本発明の組成物または製剤は、酒さを処置するために使用される。一実施形態では、本発明の組成物または製剤は、皮膚の炎症を処置するために使用される。一実施形態では、本発明の組成物または製剤は、昆虫咬傷または刺傷による皮膚病巣(例えば、瘤、隆起、腫瘤、膨疹、発赤)を処置するために使用される。一実施形態では、本発明の組成物または製剤は、アレルギー反応による皮膚病巣(例えば、瘤、隆起、腫脹、膨疹、発赤)(例えば、接触性皮膚炎)を処置するために使用される。一実施形態は、皮膚科病態を処置するために使用する場合の本発明の組成物である。本発明の一実施形態は、皮膚科病態を処置するための薬剤の調製における本発明の組成物の使用である。
【0101】
上記の使用に加えて、本発明者らは、本発明の組成物および製剤は、腫瘍から生じるか、または他の態様で腫瘍に関連する病巣を処置するために使用できることを見出した。このような病巣は前癌病巣であり得、またはこのような病巣は腫瘍細胞による直接的損傷、または腫瘍細胞の増殖に対する免疫応答から生じる損傷を原因とする病巣であり得る。このような病巣はまた、化学療法薬などの抗腫瘍薬による腫瘍の処置から生じる組織損傷によるものであり得る。一実施形態では、本発明の組成物は、前癌病巣を処置するために使用される。一実施形態では、本発明の組成物は、癌性病巣を処置するために使用される。一実施形態では、本発明の組成物は、腫瘍または癌関連病巣を処置するために使用される。一実施形態では、本発明の組成物は、癌または腫瘍から生じる炎症を軽減するために使用される。一実施形態では、本発明の組成物は、癌または腫瘍から生じる疼痛を軽減するために使用される。一実施形態は、癌または腫瘍に関連する病巣を処置するために使用する場合の本発明の組成物である。本発明の一実施形態は、癌または腫瘍に関連する病巣を処置するための薬剤の調製における本発明の組成物の使用である。
【0102】
特定の実施形態では、本発明の組成物または製剤は、癌または腫瘍を処置するために使用される。このような癌または腫瘍は、良性または悪性であり得る。このような癌または腫瘍は、全身性または局部的であり得る。好ましい実施形態では、処置される腫瘍または癌は局部的である。本発明の組成物および製剤はいずれの腫瘍を処理するために使用することもできるが、好ましい腫瘍は本発明の組成物または製剤が直接適用され得るものである。一実施形態では、本発明の組成物または製剤は、腫瘍細胞の増殖を阻害するために使用される。一実施形態では、本発明の組成物または製剤は、腫瘍細胞を死滅させるために使用される。一実施形態は、癌または腫瘍を処置するために使用する場合の本発明の組成物である。本発明の一実施形態は、癌または腫瘍を処置するための薬剤の調製における本発明の組成物の使用である。
【0103】
一実施形態では、本発明の組成物または製剤は、生体材料足場製品を調製するために使用される。血管創傷修復デバイス、止血帯、パッチおよび接着剤、縫合糸、薬物送達を含む創傷閉鎖システムなどの様々な医療適用、ならびに例えば、足場提供、靱帯補綴具およびヒト身体への長期生分解性移植のための製品などの組織工学適用において使用するための様々な材料、形状および大きさの生体材料「足場」製品が周知である。足場は、移植の際に物理的支持体および接着基質の両方として働く。理想的な生体吸収性足場は、その主要な機能を遂行するために十分な機械的特性を有するが、理想的には、経時的にそのインプラントは、そのインプラントを取り囲んでいる天然組織により置換されていくべきである。特定の実施形態では、その材料は修復および置換プロセスを助ける化合物を放出する。このような適用において使用するための組織工学的足場は周知であり、例えば、生体適合性繊維の織網または不織網、生体適合性および復元可能なポリマーまたはスポンジまたはミクロスフェア、合成または回収した骨片、ヒドロゲル、フォーム、シルクなどを含み得る。
【0104】
よって、本発明の特定の実施形態は、本開示の治療用組成物を含有するこのような生体材料を含む。これらの素材を形成するため、生体材料は、その素材を形成する前に治療薬と混合するか、またはそれが形成された後にその素材中もしくは素材上に付加する(すなわち、形成後に生体材料に本開示の組成物を含浸させるか、生体材料を本開示の組成物中に浸漬するか、または生体材料を本開示の組成物でコーティングする)。治療用組成物は、これらの生体材料に適用されるか、生体材料中に存在する場合、液体、微粉固体、ペースト、または生体材料に適合しかつその性能に悪影響を及ぼさない他のいずれの適当な物理的形態として存在してもよい。
【0105】
本実施形態の生体材料-治療用組成物の組合せは、組成物の活性の保存ならびに生体材料の完全性の維持に好適な条件下での貯蔵向けに調製されてよく、一般に周囲温度または冷蔵温度での貯蔵に好適である。
【0106】
本発明の組成物および製剤は、創傷領域に直接、リンス、灌注剤、もしくは軟膏として局所的に、または皮下もしくは病巣内注射により投与することができる。同様に、これらの組成物は、包帯、パッチ、コラーゲンプラグ、または縫合材などの創傷被覆材上または創傷被覆材中に組み込むことができる。
【0107】
医薬として使用する場合、本開示の組成物は、医薬製剤の形態で投与される。これらの製剤は、口腔、直腸、局所、皮下、筋肉内、および鼻腔内を含む様々な経路により投与することができる。好ましくは、これらの製剤は、創傷または感染を処置するために使用する場合、局所投与される。このような製剤は製薬分野で周知の方法で調製され、本開示の少なくとも1種の組成物を含む。
【0108】
よって、本発明の他の態様は、上記のような疾患または障害に罹患している、このような処置を必要とする哺乳動物の処置のための薬剤の調製において本開示の組成物を使用する方法を含む。本発明のこの態様は、上記のような疾患または障害に罹患している、このような処置を必要とする哺乳動物の処置において使用するための本開示の組成物を含む。特定の実施形態では、本発明による処置方法は、本開示の有効量の組成物を、それを必要とする個体に投与することを含む、上記のような疾患または障害に罹患している、このような処置を必要とする哺乳動物の処置を含む。
【0109】
実施例
以下の実施例は当業者に完全な開示および実施形態の製造および使用方法の記載を提供するために示すものであり、本発明者らが発明と見なすものの範囲を限定することを意図するものでも、以下の実験が実施した全てまたは唯一の実験であることを示すことを意図するものでもない。使用されている数値(例えば、量、濃度、時間など)については精度を保証すべく努力を行ったが、ある程度の実験誤差および偏差が考慮されるべきである。標準的な医学略語および科学略語が使用されている。
【0110】
実施例1
本実施例は、本発明のペーストの調製を示す。
まず、クロラミン-Tの保存溶液を、暗褐色(耐光性)容器内で47.5オンス(1204.854グラム)を3.79リットル(1ガロン)の無菌水に加えることにより調製し、得られた溶液を十分混合した。次に、この溶液を、ミクロポアフィルターを通して第2の耐光性(暗褐色)容器中へ濾過した。その後、この溶液を各アリコートが10~20ミリリットル(ml)を含有するように耐光性ボトルへ分注した。
【0111】
93.553グラムの重炭酸ナトリウムを秤り取り、無菌混合ボール中の39.689グラムの塩化ナトリウムに加えた。この乾燥混合物に、3~6mlのクロラミン-T保存溶液、1ミリリットル(ml)の3%過酸化水素、ならびに3.63%(w/v)グルコン酸クロルヘキシジン、3.64%(v/v)イソプロピルアルコール、25.1%(w/v)ポロキサマー237、0.89%~0.99%(w/v)酸化ラウラミン、2.14%(w/v)グルコノラクトンおよび36.1mg/L FD&Cレッド40を含有する30ミリリットルの溶液を加えた。これらの成分を混合物が完全に一体となるまで木製のさじで混合した。
【0112】
得られたペーストの総容量はおよそ100mlであり、重量は6オンス(170.01グラム)であった。この混合物を、ゴムシール付きの蓋のある、密封無菌遮光性磁器容器内で保存した。
【0113】
液体リンスは、このペーストから5mlのペーストを50mlの無菌水に加えることによって作製した。
実施例2
5-フルオロウラシルで医原的に処置を受けた患者の下唇の前癌病巣に対する本発明のペーストの効果。生涯にわたって日光曝露を受けた熱心なゴルファーである患者は、コーマディン抗凝固計画下にあった。5FUは唇の重度の落屑および制御不能の出血を引き起こした(図3A)。実施例1に従って作製したペーストを1回の処置につき10分間毎日(または1日2回)病巣に適用し(図3B)、その後、ビタミンEを適用した。処置27日後、病巣は完全に治癒した(図3C)。
【0114】
実施例3
舌の中央側面の診断済み前癌病巣に対する本発明のペーストの効果。癌に関する2回目のビジライト診断検査で癌確定を示す72歳の女性(図4A)。実施例1に記載のように作製したペーストを27日間、毎日または隔日で10分間病巣に適用し、その後、ビタミンEオイルで処置した。この処置の結果、過角化組織の喪失を伴う病巣の完全緩解が得られた(図4C)。
【0115】
実施例4
抗生物質耐性細菌を含有する瘢痕組織の処置(図5A)。67歳の白人女性は、顔面手術後に副鼻腔および瘻孔の持続的排出を呈していた。手術からの瘢痕組織には薬剤耐性細菌が感染していた。6mlのクロラミン-Tを用いて実施例1に記載のように調製した高用量ペーストを45日間、1回の適用につき20分、瘢痕組織に適用した。ペーストの適用後、瘢痕組織を次にビタミンEオイルで処置した。上記の処置の結果、瘻孔の閉鎖および創傷の完全な治癒が得られた(図5C)。
【0116】
実施例5
本発明のペーストを用いた顔面座瘡の処置。
44歳スペイン人女性は、顔面に重度の長期尋常性座瘡を呈していた(図6-1)。実施例1に記載のように調製したペーストを座瘡病巣に10分間1回適用した。この単回適用の結果を図6B~6Dに示す。
【0117】
実施例6
第3度火傷の処置
66歳の白人女性は、熱い蝋との接触から生じた第3度火傷を呈していた(図7A)。実施例1に記載のように調製したペーストを1日2回、2週間適用した。各ペースト適用後にビタミンEオイルの適用を行った。この処置計画の結果、最小限の瘢痕化で火傷の完全治癒が得られた(図7C)。
【0118】
実施例7
後向き研究として、50名の治療継続口腔手術患者(男性26名/女性24名、全てコンセントにサイン)をリンスもしくはペーストまたはペーストを含浸させたコラーゲンプラグのいずれかで処置し、疼痛の指数付けを含めるために術後合併症に関して追跡調査を行った。本研究の目的は、本発明の組成物の、従来の外科的療法に対する疼痛応答および合併症があればそれを観察することである。本試験は、フロリダ州のキー・ビスケーンのThe Dental Connectionで行った。
【0119】
この50名の治療継続歯科手術患者の後向き研究では、ペーストまたはリンスとして調製し術中または術後ケアのために投与した本発明の組成物の効果に関して患者をモニタリングした。18~96歳の患者の手術部位にリンス、ペーストおよび/または本組成物を含浸させたコラーゲンプラグのいずれかを投与し、術後疼痛をスコア化した。本試験プロセスは漸進的かつ非盲検であった。
【0120】
試験の初期段階で、創傷または領域にリンスを適用し、後にリンスとペーストを適用し、最後に含浸無菌コラーゲンプラグを創傷中に埋入し、in situに残し、その位置で縫合した。1日目と、その後、最大2日間毎日患者の疼痛を評価した。各患者に0=疼痛無し、1=軽度の疼痛、2=中度の疼痛、および3=重度の疼痛として疼痛をスコア化してもらった。鎮痛剤は処方薬イブプロフェン800mg、6時間ごと、またはパーコセット#5 325mgであった。
【0121】
患者は疼痛量(指定された0-1-2-3スケールを使用)、服用した鎮痛剤の量および時期の追跡を続けるように指示された。
患者はまた、800mgのイブプロフェンまたは術後できるだけ速やかにイブプロフェンを服用すること、およびこれらの錠剤により疼痛が制御されなかった場合には次に1用量のパーコセット#5 325mgを、疼痛が制御下となるまで、2~3時間ごとに服用するように指示された。抗生物質は慣例的に手術の前の晩に与え、患者に5日間継続してもらった。また、抗生物質両方の悪影響を軽減するためにプロバイオティクス(ジャロ-ドフィラス(Jarro-dophilus)またはライブ・ヨーグルト)を処方した。また、ビタミンC 500mg(1日3回)を、3週間、1日3回、食事とともに摂取することも推奨した。
【0122】
副鼻腔およびインプラントの埋入を含む症例を調査した。慢性感染により引き起こされた大きな孤立性嚢胞、頂端および歯周病巣もそうであった。ソケットプリザベーションとその後のヒトまたは動物(ウシ)冷凍乾燥石灰化骨を用いる骨増生を使用し、加えて歯槽骨を再生するためのメンブランの公正な使用で、インプラントを埋入することが可能であった。感染のあるおよび感染のない創傷および手術部位を、この物質の性能を試すために用いた。用いた外科技術は全て認められている標準的手順であった。一部の患者は、手順の開始時に、ノーズマスクを介した二酸化窒素および酸素により補助されるトリアゾラム0.25mgまたはジアゼパム10mgを用いて口腔鎮静を受けた。
結果の概要-50名の患者:男性26名、女性24名(平均年齢男性44.8歳/女性51.9歳)。普通抜歯を行い、術後に創傷内にリンス/ペーストを施し、実質的に術後疼痛が無く、鎮痛剤をほとんど服用せず、術後疼痛をほとんど訴えなかった男女患者の結果。
【0123】
リンス/ペーストを含浸させたコラプラグ(Collaplug(登録商標))を用いた男性患者のスコアは、1日目の疼痛指数はコラプラグ無しの0.75に対してコラプラグ有りは1.3とやや高く、女性はコラプラグ有りが平均疼痛指数0.5に対して、コラプラグ無しが疼痛指数0.75であった。男女とも、最小疼痛レベルのスコアは、1日目の術後疼痛スコアで顕著であった。
【0124】
コラプラグ有りまたは無しで、男女合わせた全患者が2日目に0.5の疼痛指数を訴えた。#15、#7、#8、#16の歯に普通抜歯を受け、手術後に創傷にリンスを施し、閉鎖した創傷にペーストを施した男性群に関して、鎮痛剤はこの群により実質的に用いられず、これらの構成員は術後疼痛をほとんど受けなかった。
【0125】
男性平均疼痛 女性平均疼痛
1日目=0.68 1日目=0.875
2日目=0.36 2日目=0.3
方法
口腔手術-歯周療法-インプラント-後向き研究
(疼痛スケール0=無し、1=軽度、2=中度、3=極度)
男性(n=26)-平均年齢=44.8
A.患者044-66歳男性
問題:ブリッジ#12~#14の破折-#12嚢胞10mm×10mm-嚢胞は副鼻腔に穿通-重度ETOH-歯ぎしり-プラビックスの服用
第1手順-術前に患者にオーグメンチンを投与する。ブリッジ#14を切断し、フラップ#11~#14を挙上する。ウィンドウ#12部位の上顎洞挙上6mm、Bio-Oss(登録商標)、Bone&Bio-Gideメンブランを副鼻腔に挿入、コラテープを挿入、嚢胞核出の後に凍結乾燥石灰化骨を#12に挿入、ソケットプリザベーション、ペーストを含浸させたコラテープで膜を覆う。
第2手順-術前に患者にオーグメンチンを投与する-付着した歯肉の12~15の切除移植片-ストローマインプラントは、#12部位には4.8×12mm R/Nを、#14部位には4.8×12mm W/Nを埋入-テトラサイクリン埋入および、凍結乾燥灰化骨およびBio-Oss(登録商標)で#14歯根を増生する-良好な結果。
【0126】
各手順につき術後、毎日3回/日、4日間、ペーストおよびリンス-合併症は報告されなかった。
疼痛スコア:1日目=1-1錠のイブプロフェン800mg、全日
2日目=1-1錠のパーコセット325mg(オキシコデイン)
B.患者051-67歳男性
問題:歯ぎしり-甲状腺機能亢進状態-インプラントの必要
第1手順-#19部位には5/6×13mm、および#20部位には4/5×13mm 3iインプラントを埋入-合併症は報告されなかった
疼痛スコア:1日目=0
2日目=0
第2手順-ストローマインプラントは、#2部位に4.8×10mm W/N SL Active Tiを埋入-合併症無し
疼痛スコア:1日目=0
2日目=0
C.患者038-47歳男性
問題:#18の重度の感染、下歯神経付近に嚢胞13mm×15mmを伴う歯の破折-高ETOH
手順-嚢胞核出-骨移植片(ウシ骨)の埋入-ペーストおよびリンスを伴うコラプラグ-抗生物質の埋入-合併症無し、最小限の疼痛
疼痛スコア:1日目=1.5
2日目=0
D.患者042-19歳男性
問題:複数の抜歯
歯#B、#C、#I、#5、#R、#Q、#N、#M、#L、#Kの外科的抜歯
疼痛スコア:1日目=1
2日目=1
E.患者034-47歳男性
問題:部位の再生、その後インプラントの必要-最初に右下-次に左下-複数の処置術-重度の感染および重度の齲歯-歯ぎしり-喫煙者、1回のP/P/D-ETOH
第1手順-各側にソケットプリザベーション-部位再生-#30、#29-凍結乾燥石灰化骨
第2手順-#19、#18部位での嚢胞の核出13mm×15mm-凍結乾燥石灰化骨
第3手順-右下、ストローマインプラントは、#30部位に6.8×12mm W/Nを埋入-凍結乾燥石灰化骨-ストローマインプラントは、#28部位に4.1×12mmを埋入-凍結乾燥石灰化骨、CaSO
第4手順-左下、ストローマインプラントは、#18、#19部位に4.8×12mm SPを埋入-3ボトル各1/2gmの凍結乾燥石灰化骨、CaSOおよびメンブラン-抗生物質としてはクリンダマイシン300mg、アモキシシリン500mgを7日間、ペーストおよびビタミンEを使用-合併症無し
術後:複数回の来院でペーストおよびビタミンE-唇の左側に亀裂があり、これは術後、結痂し、疼痛を生じた。
疼痛スコア:(手術部位から)1日目=0
2日目=0
F.患者025-76歳男性
問題:#15過剰萌出により抜歯が必要-双極性-疼痛閾値無し
手順-#15の歯の外科的抜歯-ペーストを含浸させたコラプラグ-抗生物質不要-合併症無し
術後:イブプロフェン800mg開始-午後5:00 2錠のエクストラ・ストレングス・タイレノール-午後8:00イブプロフェン800mg
疼痛スコア:1日目=0.5(事実上、疼痛無し)
2日目=-1
G.患者037-70歳男性
問題:複数のインプラントおよび副鼻腔移植が必要-副鼻腔感染の長期病歴(14歳から)-健康状態不良-複数の投薬-重度の食いしばり/歯ぎしり-重度の齲歯-亀裂歯症候群-高BP-糖尿病-PSAIII
第1手順-#30を即時抜歯およびストローマインプラント4.8mmの骨レベルへの埋入-ペーストおよび洗浄および凍結乾燥石灰化骨の埋入
平均疼痛指数 1日目=1.5-1錠のイブプロフェン、2錠のタイレノール#3、イブプロフェン
疼痛指数 2日目=0
第2手順--#14を抜歯、副鼻腔穿通をバイオメンドで修復-ソケットプリザベーション1/2gm凍結乾燥石灰化骨-クリンダマイシン300mg 1日3回、5日間およびジャロ-ドフィラスプロバイオティクス
術後:即時1錠のイブプロフェン800mg
術後合併症:ドライソケット、C1000mgを1日3回、3週間投与-良好な消散
疼痛指数 1日目=1-就寝前に2錠のタイレノール#3、イブプロフェン、午前1:30に熱が下がった。
【0127】
2日目=1-1錠のイブプロフェン800mg
第3手順:-#15副鼻腔穿刺およびストローマインプラント、Bio-Oss(登録商標)、4.8×10mm B/L
疼痛指数 1日目=2.5
2日目=2
第4手順-#14抜歯およびストローマインプラント4.8×10mm TEを掃除埋入-副鼻腔の穿通をペーストとコラプラグ、コラテープ、凍結乾燥石灰化骨およびCaSo4で修復
術後-ビタミンC 1500mgを1日3回投与、ペーストを口および鼻に適用
疼痛指数 1日目=1
2日目=0
問題:診療に反して患者は1か月間、町を離れることにし、ひどい副鼻腔感染および化膿を伴って戻った。クリンダマイシン300mgおよびメトロニダゾール500mgを1日3回×10日投与し、10日間毎日、口および鼻にリンス、ペースト(6分)-奏効結果を伴う不良状態
#3破折-口蓋側根齲蝕およびクラウンから分離-多くの重い責任を負っているのでインプラント手術を遅らせて欲しいと要求
第5手順-側根の外科的抜去-#2の重度の周辺欠損-MinerOss、Bio-Gideメンブラン、およびペーストを伴うコラテープを用いたソケットプリザベーション-抗生物質クリンダマイシン150mg 1日3回、10日間、およびメトロニダゾール500mg1日3回、10日間-10分間ペースト、洗口-奏効!!
疼痛指数 1日目=0
2日目=0
第6手順-#4抜歯および#3部位にはストローマインプラント4.8×10mm W/N TEを、#4部位には4.1×10mm R/N TEをCaldwell Luc副鼻腔リフト、Bio-Guide、Bio-Oss(登録商標)を伴って即時埋入。メンブランの破れはバイオメンドで修復-ペーストおよびビタミンE-プロバイオティクスを服用していても胃痛のために抗生物質を停止-この時、合併症無し
疼痛指数-1日目=0-1錠のイブプロフェン800mg
2日目=1
3日目=1未満
4日目=1未満
平均疼痛スコア:1日目=1.2
2日目=0.2
H.患者026-79歳男性
問題:歯#8の抜歯が必要および即時部分的埋入-疼痛閾値無し
手順-単純な外科的抜歯-ペーストを含むコラプラグおよびリンスで洗浄
疼痛スコア:1日目=1
2日目=2
I.患者035-80歳男性
問題:#18、#19のインプラントの失敗-困難なケース-心臓弁置換術-クマジン-歯ぎしり-極めて強い食いしばり
第1手順-#20、#21部位でインプラントの救済を試み、フラップテトラサイクリン2分、CaSo4およびメンブランを伴うペーストおよび凍結乾燥石灰化骨
疼痛指数-1日目=0
2日目=0
第2手順-#20、#21部位に対する失敗したインプラントを除去-アモキシシリン、凍結乾燥石灰化骨、ソケットプリザベーション用バイオメンドメンブラン
疼痛指数-1日目=0
2日目=0
第3手順-#4抜歯および部位#4へのストローマインプラント4.8×12mm B/Lの 即時埋入を伴う凍結乾燥石灰化骨による増生
疼痛指数-1日目=0
2日目=0
第4手順-#21部位テトラサイクリン2分-凍結乾燥石灰化骨およびバイオメンド-部位#21にストローマインプラント4.8×12mmを埋入、ペースト、アモキシシリン、2錠のエクストラ・ストレングス・タイレノールで創傷洗浄
疼痛指数-1日目=0
2日目=0
第5手順-#21インプラントの露出-肉芽除去
疼痛指数-1日目=0
2日目=0
第6手順-#14、#13抜歯および#14にストローマインプラント4.8×10mm TEを即時埋入-#13 4.1×12mm TE-オーグメンチン-副鼻腔穿通、創傷に対するリンスおよびペースト、凍結乾燥石灰化骨-合併症無し
疼痛指数-1日目=0 平均疼痛スコア:1日目=0
2日目=0 2日目=0
J.患者047-18歳男性
問題:4つの極め困難な埋伏親知らず(難易度10/10)-左下側の近心傾斜低関与神経が最も悪化-上顎の#1、#16ハイフックルート(high hooked roots)およびスプレー
手順-#1、#16、#17、#32の外科的抜歯-指定の1時間前に2錠のエクストラ・ストレングス・タイレノール-リンスを含むコラプラグ-写真撮影-8.6.10~8.13.10まで毎日リンスを行う。
疼痛スコア:1日目=2
2日目=1
K.患者050-62歳男性
問題:#8嚢胞 8mm×7mm
手順-歯根尖切除#8-凍結乾燥石灰化骨-CaSo4メンブランとともにテトラサイクリン-創傷に対してペーストおよびリンス-合併症無し
疼痛スコア:1日目=0
2日目=0
L.患者033-90歳男性
第1手順-手順前に2錠のエクストラ・ストレングス・タイレノール-#19、#20、#22の歯の外科的抜歯および#19部位へのインプラント12mm W/N Plus、#20部位への10mm R/N Plus、#22部位への12mm R/N Plusストローマインプラントの即時埋入-創傷をリンスで洗浄-凍結乾燥石灰化骨とともに創傷にペーストを適用-極めて硬い骨-手順の翌日にテニスをした。
疼痛スコア1日目=3
2日目=2
第2手順-#9の外科的抜歯およびインプラントの即時埋入-合併症無し
疼痛スコア 1日目=0
2日目=0
第3手順-#30の抜歯ならびにペーストおよびリンスを伴い、ストローマインプラント4.8×10mmおよび凍結乾燥石灰化骨の即時埋入-合併症無し
疼痛スコア:1日目=0
2日目=0
M.患者041-19歳男性
問題:#1、#16、#17、#32深い埋伏親知らず(難易度9/10)-歯根の部分的形成-上顎歯高い
手順-アモキシシリン-2錠のエクストラ・ストレングス・タイレノール-#1、#16、#17、#32の抜歯-コラプラグおよびペースト-抜歯後、創傷に対してリンス-合併症無し
疼痛スコア:1日目=1
2日目=1
N.患者048-39歳男性
問題:重大な骨欠損#14-副鼻腔穿通-マルファン症候群-抗凝固薬
手順-#14ソケットプリザベーション-増生-コラテープペーストおよびリンス、凍結乾燥石灰化骨、血糖降下薬、糖の投与部位、口および鼻のリンス。オーグメンチン875mg6日間、プロバイオティクス-合併症無し
疼痛スコア:1日目=1
2日目=0
O.患者040-18歳男性
問題:難易度10のうち7.5の親知らず
手順-#1、16、17、32の外科的抜歯-アモキシシリン-手術1時間前に2錠のエクストラ・ストレングス・タイレノール-鎮静-コラプラグおよびペースト/リンス-閉鎖創傷にペースト
疼痛スコア:1日目=1.5
2日目=0
P.患者046-18歳男性
問題:親知らず-#16口蓋極めて高い=難易度9/10-#1、#17、#32=難易度7/10
手順:#1、16、17、32の外科的抜歯-手術1時間前に2錠のエクストラ・ストレングス・タイレノール-創傷内にコラプラグおよびペースト-上顎歯はコラプラグ無しでペーストとともにリンスのみ-全てのソケットをペーストで洗浄-合併症無し
疼痛スコア:1日目=2
2日目=1.5
Q.患者027-35歳男性
問題:#16過剰萌出
手順-#16の外科的抜歯-手術1時間前に2錠のエクストラ・ストレングス・タイレノール-コラプラグおよびペースト-合併症無し
疼痛スコア:1日目=0
2日目=0
R.患者043-49歳男性-大量喫煙者-体重超過-ストレスの高いライフスタイル-仕事のために常に飛行機に乗らなければならない-コンプライアンスの不足
問題:極めて困難な親知らず(12/10)-神経損傷のリスクが高い-++骨の除去が必要-埋伏深い
手順-#17、#32の外科的抜歯-コラプラグ-ペースト無し-アモキシシリン-2錠のエクストラ・ストレングス・タイレノール-パーコセット
術後:舌の左下の麻痺-患者は飛行機でイギリスへ行かなければならないと訴え、再び診療-ドライソケットの進行および下歯神経の感覚異常-1日4回ビタミンC 1gmで処置-ソケット内にペースト-南アメリカ/ヨーロッパへ飛行機で絶えず往復しつつ処置-コンプライアンスの不足、大量飲酒、喫煙。患者は、南アメリカ出張から二次骨髄炎感染を受けた-骨髄炎の検出後、クリンダマイシンを投与し、患者に本気になって喫煙および飲酒を止めるように告げたところ、その夜飛行機でアルゼンチンへ行き(7時間)、また翌朝に飛行機で戻って来なければならないと言った(7時間)。患者は改善したが、経過観察はできなった。
術後:骨髄炎の進行
疼痛スコア:1日目=1
2日目=1
S.患者049-26歳男性
問題:外傷例-下唇全体にわたる重度の裂傷-外傷後8時間、創傷は処置されず-#24、#25は、水分を保持していたが1時間の露出の後に抜けた-化膿のリスクが高い
手順-#26の歯を舌側に強制変位-ペーストおよびリンス-化膿のリスクが高い-患部をペーストおよびリンスでよく洗浄-ドレインを下唇に配置-歯をリンスで洗浄-歯を適正な位置に保持するためにリンガルスプリント-下顎から#19にかけての若木骨折も特記されるが、処置無し-破傷風予防接種-翌日ドレインを除去-ペースト適用
1)1か月後(30日)、歯#24、25、26の根管治療
2)21日後にリンガルスプリントを除去-極めて良好な結果、副作用無し-合併症無し
疼痛スコア:1日目=0
2日目=0
T.患者039-30歳男性
問題:#17、#32極めて困難な遠心傾斜が大きい歯-下顎頭過形成-困難な抜歯-下歯神経関与
手順-#17、#32抜歯-神経関与-左側は広範囲の骨除去が必要-アモキシシリン-イブプロフェン800mg-パーコセット-コラプラグおよびペースト
術後:舌の左側に、長期の違和感を伴う感覚異常-術後ドライソケット-左側をペーストおよびリンスで洗浄-クリンダマイシン500mg、1日2回、7日間
第2手順-1か月後-3mm×1mmの神経を圧迫している死滅した骨片を除去する2回目の手術-ペーストおよびリンス-クリンダマイシン-ペーストおよびリンスのための再診-さらなる問題無し-舌の感覚異常は全面的に改善
平均疼痛スコア:1日目=1
2日目=1.5
U.患者029-96歳男性
問題:#9は抜歯の必要あり-健康状態不良-高血圧-虚弱-硬いチーズのような骨かつ脆弱
手順-#9抜歯-#9部位に2片のストローマインプラントBL 4.8×RC 12mm W/Nを埋入-凍結乾燥石灰化骨-掘削後にリンス-血圧150/105-不十分な血圧管理には投薬を行わなかった-良好な結果-合併症無し
疼痛スコア-1日目=3、その日の後半1
2日目=1
V.患者032-62歳男性
問題:#13の歯の破折-副鼻腔閉塞-歯の異臭-ヨウ素アレルギー-クリンダマイシン300mg、1日3回×7日
手順-#13抜歯-ソケットに対してリンス-掘削した#13部位にストローマインプラントB/L 4.1×12mm RCを埋入-および凍結乾燥石灰化骨-1日3回、3週間、プロバイオティクス(ジャロ-ドフィラス)およびビタミンCとともにパーコセットおよびイブプロフェンを処方-ペーストおよびリンスを用いた3日目を含めそれまで問題無し-合併症無し
疼痛スコア:1日目=0
2日目=0
W.患者036-40歳男性
問題:重度の歯ぎしり-慢性副鼻腔炎-感染歯#15-Z-Pack-パーコセット-イブプロフェン-2錠のエクストラ・ストレングス・タイレノール
手順-#15抜歯およびインプラント埋入-感染した歯-長期の顕著な副鼻腔合併症-創傷および副鼻腔をリンスで洗浄-上顎胴底パラシュートスタイルに対するバイオメンドメンブラン-凍結乾燥石灰化骨およびCaSo4、インプラント(口蓋側根)上は主として閉塞-術後副鼻腔洗浄、口腔洗浄-術後問題無し、患者は、副鼻腔に問題が無かったことを思い出せたのはこれが始めてだと言う-合併症無し
疼痛スコア:1日目=0
2日目=0
X.患者030-38歳男性
問題:重度の齲歯#9
手順-#9抜歯およびストローマインプラント4.8×10mm B/Lの即時埋入-クリンダマイシン-イブプロフェン800mg-創傷およびソケットに対して凍結乾燥石灰化骨およびペーストならびにビタミンE-合併症無し
疼痛スコア:1日目=0
2日目=0
Y.患者031-53歳男性
問題:重度の齲歯#30-クリンダマイシン300mg 1日3回×7日
手順-#30外科的歯根摘出-#30部位にストローマインプラント4.8×12mm TEを埋入-パーコセット-=ビタミンC 500mg 1日3回
術後:パーコセットD/Cの副作用-エクストラ・ストレングス・タイレノール×7日を使用-イブプロフェンで問題の出る可能性があったが、問題無くイブプロフェン1錠を服用-別の日にリンスおよびペースト-合併症無し
疼痛スコア:1日目=0
2日目=0
Z.患者028-23歳男性
問題:#30根管不良-ETOHアルコール中毒
手順-#30根管不良-外科的抜歯-ペーストを伴うコラプラグ-術後問題無し-さらにパーコセットを要求(嗜癖)-合併症無し
疼痛スコア:1日目=1
2日目=0
女性24名-平均年齢=51.9
AA.患者020-23歳女性
問題:極めて困難な親知らず-近心傾斜#17、神経に極めて近い-深い骨性歯埋伏(10/10)高リスク-#32フックルート
手順-#1、16、17、32抜歯-#17、#32ペーストを伴うコラプラグ-#1、#16ペーストおよび洗浄のみ-抗生物質、プロバイオティクスも服用合併症は下唇の腫脹のみ-低疼痛
疼痛スコア:1日目=0
2日目=1
BB.患者005-75歳女性
問題:#30救済不能-超アレルギー性、12種類の投薬-11種類の薬物に対してアレルギー-重度の歯ぎしり-歯科治療恐怖症-疼痛閾値無し-抗鬱薬
手順-#30近心根を即時抜歯および#30部位にストローマインプラントSP 4.8×10mm W/N Tiの埋入-凍結乾燥石灰化骨-掘削後のリンス-手術2分後にペースト埋入-数回の再診(3)-2分間ペーストおよびビタミンE-合併症無し
疼痛スコア:1日目=3
2日目=0
CC.患者022-56歳女性
問題:#3救済不能-アルコール中毒-禁煙
手順-複数回の手術
1)#3の外科的抜歯-ソケットプリザベーション-骨除去後のリンス-凍結乾燥石灰化骨およびCaSo4
2)副鼻腔挙上#2、#3-骨除去後のリンス-Bio-Oss(登録商標)-ストローマインプラント4.8×10mm WNの埋入-ウィンドウをOssix(登録商標)メンブランでカバー-抗生物質オーグメンチン875mg.B.D.投与
3)#15副鼻腔挙上-Bio-Oss(登録商標)-Bio-Gide-根分岐部にOssix(登録商標)メンブラン-骨除去後のリンス
4)歯根尖切除#24、#25-アモキシシリン500mg-凍結乾燥石灰化骨およびコラテープ-骨除去後のリンス
5)#4インプラントを5.18.07~3.05.10まで可動状態で埋入-7mmの骨欠損-インプラント/上顎胴移植の負荷を行ったのが早すぎたと思われる-インプラントを回復させるための処置-フラップ、テトラサイクリン2分-ペースト5分-テトラサイクリンリンス-Bio-Oss(登録商標)およびCaSo4メンブラン-創傷上にペースト-抗生物質クリンダマイシン300mg、1日3回×10日、メトロニダゾール500mg×10日-5.21.10~6.29.10まで毎日リンス-良好な結果-奏効-合併症無し
平均疼痛スコア:1日目=0
2日目=0
DD.患者010-47歳女性
問題:複数の歯(6)に重度の齲歯-肉芽組織++++-薬物乱用およびアルコール歴-疼痛閾値無し
手順-複数の抜歯-
1)#14、15、17、18の外科的抜歯-ペーストを伴うコラプラグ-術後-アモキシシリン-パーコセット-イブプロフェン800mg-ビタミンC 500mg-最小限の疼痛
2)#3,5-クリンダマイシン抗生物質-外科的抜歯-患者は極めて興奮状態にある-#5部位にインプラントの埋入および凍結乾燥石灰化骨、(Bio-Oss(登録商標)またウシ骨)による肉芽組織の除去-#3部位(Bio-Oss(登録商標))にも骨-次に、ペーストを伴うコラプラグおよび創傷の副鼻腔への穿通のリンス
疼痛スコア:1日目=2
2日目=0
EE.患者006-69歳女性
問題:全般的に重度の歯周病-#31、#32の深い骨欠損、動揺歯-甲状腺疾患-ヘルペス++++
術前:クリンダマイシンおよびメトロニダゾール-バリウム-エクストラ・ストレングス・タイレノール
第1手順-#30、#32-外科的抜歯-肉芽組織+++++の除去-凍結乾燥石灰化骨 -ペーストを伴うコラプラグ-#30部位にストローマインプラント4.8×10mm W/Nの埋入
術後:単純ヘルペス小胞の活発な発生、ゾビラックス軟膏およびバルトレックス錠
第2手順-左上軟口蓋の生検-リンスおよびペースト-バルトレックス、ゾビラックス、クリンダマイシンおよびメトロニダゾール、疼痛にパーコセット-ビタミンC
第3手順-重度の歯周病の処置
1)深い歯垢およびリンス/ペーストの洗浄による掻爬
2)抗生物質クリンダマイシン300mgおよびメトロニダゾール500mg、10日間
3)咬合調整
顕著な消散-ポケット深度は、歯の動揺無く7mmおよび5mmから3mmとなった-合併症無し
疼痛スコア:1日目=0
2日目=0
FF.患者009-44歳女性
問題:#30重度の疼痛-計画手術の翌日に飛行機移動
手順-骨の除去を伴う#30の抜歯-ペーストを伴うコラプラグ術後にイブプロフェン800mg-2錠のパーコセット、1錠は就寝前-合併症無し
疼痛スコア:1日目=1
2日目=0.5
GG.患者008-68歳女性
問題:#30の抜歯が必要-疼痛閾値無し-ETOH-抗鬱薬-極めて敏感な組織-歯ぎしり-セプトカインに反応-骨を分解する関節炎病態を有すると診断-アモキシシリン500mg、1日3回×10日
手順-#30抜歯および#30部位に3iインプラント 5×13mmを即時埋入-極めて脆い++++骨を除去-凍結乾燥石灰化骨-Ossix(登録商標)メンブランおよびCaSo4- イブプロフェン800mg-タイレノール#3(20)-疼痛軽減のために5日-銀コロイドとアスピリンの独自混合物を鎮痛物質トラマドール50mgとともに創傷に加える-トラマドール鎮痛物質で発疹が出た-管理困難な症例-手術に伴う合併症無し
疼痛スコア:鎮痛剤の服用で最小限
HH.患者013-38歳女性
手順- -歯肉腫除去のための小手術-ペーストおよびビタミンE-疼痛無し、術後合併症無し「手術はしたのですか?」-合併症無し
疼痛スコア:1日目=0
2日目=0
II.患者015-18歳女性
問題:親知らずの抜歯、難易度7/10-ターナー症候群
手順-#16、#32の外科的抜歯-リンスおよびペースト-抗生物質-合併症無し
疼痛スコア:1日目=0
2日目=0
JJ.患者014-38歳女性
問題:甲状腺機能亢進-妊娠4か月-困難な抜歯#30、長く膨らんだ歯根-2錠のエクストラ・ストレングス・タイレノール
手順-#30外科的抜歯-ソケットプリザベーション-凍結乾燥石灰化骨およびCaSo4-極めて良好な結果-合併症無し
疼痛スコア:1日目=0
2日目=0
KK.患者011-51歳女性
問題:ETOH乱用-薬物乱用-表皮感受性(epi sensitivity)-疼痛閾値無し-難易度12/10-高BP-完全な口の再建-重度の歯周病-高度美容症例-大移植片真皮同種移植、エムドゲイン、Miner-Ossボーン
第1手順-上部歯肉剥離#2-#6prepゲルおよび#4、#5におよびエムドゲイン。調整した受容部位#4、#4部位に上顎胴挙上TAPPストローマインプラント4.1×8mm TEを、#4および#5部位にアラガンを埋入。フェイシャルフラップ(Facial flap)#14、#15 #12分層-#13 #14除去、#12、#13にエムドゲインを埋入-#14部位にストローマインプラント4.2×8mm TEを埋入-上顎胴TAPPアラガン、ペーストおよびリンス
第2手順-フラップ分層#18-#31、骨切り部位#19、#20、#30 #19、#30にストローマインプラント4.8×10mm W/Nをおよび#20に4.1×10mm TEを埋入、#21のprepゲル-#29エムドゲイン-骨形態形成およびペーストのソケット限定洗浄に対するMiner-Oss
術後:患者は極めて管理困難、コンプライアンス無しおよび創傷開放-2回再縫合しなければならなった、最終的には、フラップが開かないように顎にわたるテープを配置した。
【0128】
ペーストが唯一の救済であった-患者は3.15.11~3.17.11;3.18.11~3.21.11;3.24.11にリンスおよびペーストのために再診にきた-最終的には4.21.11に接着
第3手順-#14部位のインプラント失敗、副鼻腔グラフト形成無し、副鼻腔感染、リンスで洗浄-コラプラグおよびペースト、主要封止剤である凍結乾燥石灰化骨を埋入-良好なグラフトおよび新たなインプラント部位
第4手順-#12歯周崩壊、テトラサイクリンおよびペースト2分、クリンダマイシン。インプラント#20/21の失敗-フラップ#19~#23除去 #20および#21に新たなストローマインプラント4.1×10mm、凍結乾燥石灰化骨およびBiogideを埋入-8.8.11、8.11.11にペーストを適用。
術後:患者の経過観察不可-他のいずれかの症例の完治のために再訪無し-最後に見た部位は十分治癒しており、手術部位はペーストの結果として唯一治癒した!!!!!!
平均疼痛スコア:1日目=3
2日目=2
LL.患者021(A)-58歳女性
問題:右上および左上の部位に上顎胴グラフトが必要-高BP-甲状腺に対してシントロイド-ニコレット嗜癖-口の動きが止まらない-不安定気分変動第1手順-右上の#12部位および左上の#14、#15部位に上顎洞グラフト-フラップ#1~4および#13~16-Bio-Oss(登録商標) 2gm-骨切り術部位および上顎洞に対するリンス-Ossix(登録商標)メンブラン
第2手順-外科的#2、#14、#15-フラップ#1~3、#13~16 #2部位にストローマインプラント4.8×10mm W/Nを、#4部位に4.8.×10mm B/L RCを、#15部位に4.8×10mm W/Nを埋入 骨切りおよび上顎洞に対するリンス-良好な結果-合併症無し
疼痛スコア:1日目=1.5
2日目=0
MM.患者003-86歳女性
問題:歯#8は歯の脱臼-クリンダマイシン-長期の重度部位肉芽組織+++++
手順-#8部位へのストローマインプラント4.8×12mm B/Lの埋入-多量のペーストおよび洗浄-合併症無し
術後:クリンダマイシンは問題を生じた
疼痛スコア:1日目=0
2日目=0
NN.患者019-21歳女性
問題:親知らず抜歯 難易度(5/10)
手順-#1、#16、#17、#32の外科的抜歯-アモキシシリン500mg-下側#17、#32へのペーストを伴うコラプラグおよび#1、#16のリンス-イブプロフェン800mg-パーコセット-合併症無し
疼痛スコア:1日目=2
2日目=1
OO.患者023-56歳女性
問題:完全な口の再建-甲状腺疾患-抗鬱薬-歯科治療恐怖症
第1手順-グラフトI-#3~#14の顔面分層フラップによる歯周手術-歯根にEDTA17%2分-エムドゲイン-Alloderm(登録商標)グラフト材-創傷およびフラップに対してペースト
術後:1)フラップは緩み、翌日に再縫合-ペースト+洗浄
2)フラップが再び緩み、再縫合-ペーストおよびリンス-グラフト材が露出、#3、4、5領域および創傷の左側の露出した材料(Alloderm(登録商標))にペーストを10分間適用-抗生物質Z-Pack-イブプロフェン800mg-2日良好-飛行機で町を離れたので状態不良-12日後に戻った際に再診-ペースト適用領域は徐々に治癒-ペーストおよびリンス+ビタミンE
グラフトII-#9~#11部位-再び飛行機移動-フラップの再度の壊死-ペーストおよびリンスおよび抗生物質-開いた創傷にペーストを用いた後、グラフト(Alloderm(登録商標))は再閉鎖。疼痛の訴え、張力縫合糸を除去、疼痛消散-最終的な結果は良好-ペーストの信じがたい再生能
疼痛スコア:1日目=3
2日目=0
PP.患者012-70歳女性
問題:歯#21、#27の抜歯-抗鬱薬-甲状腺疾患-高BP-高コレステロール
手順-歯#21、#27の抜歯および部位#22、#27へのストローマインプラント4.1×12mm TEの即時埋入-凍結乾燥石灰化骨-#24、#25領域に対するペーストを伴うコラプラグ-クリンダマイシン300mg 1日3回×7日
術後:胸痛の訴え-EMS-EKGによれば正常-心臓の問題は除外-前記問題の原因はクリンダマイシンによる胃逆流であり、これはクリンダマイシンの休止後に消散した-良好な結果
疼痛スコア:1日目=2
2日目=0
QQ.患者007-90歳女性
問題:#12、#13の抜歯が必要-(病気女性)ペースメーカー-高BP-腎臓感染-高コレステロール-甲状腺疾患-抗凝固薬ワーファリン-鬱病
手順-#12、#13の外科的抜歯-#12、#13の欠損による部分的弛緩-#11部位へのストローマインプラント×10mm W/Nの埋入および#11部位へのゼストアンカーズの埋入-凍結乾燥石灰化骨-リンスおよびペーストを創傷およびインプラント部位へ適用-PT/PTTの制御-合併症無し
疼痛スコア:1日目=0
2日目=0
RR.患者018-29歳女性
問題:上側親知らずの完全萌出 難易度5/10-嚢胞性線維症
手順-#1、#16の外科的抜歯-リンス-ペースト-合併症無し
疼痛スコア:1日目=0
2日目=0
SS.患者017-22歳女性
問題:全ての親知らずを抜歯-難易度6/10-尿崩症-イブプロフェン800mg-パーコセット-ジアゼパン-2錠のエクストラ・ストレングス・タイレノール
手順-#1、#16、#17、#32の外科的抜歯-ペースト-リンス-問題無し-合併症無し
疼痛スコア:1日目=1
2日目=1
TT.患者016-35歳女性
問題:3本の親知らずの抜歯が必要-#1口蓋埋伏-#17 #18の陰に100%埋伏
手順-#1、#17、#32の外科的抜歯-#17にペーストを伴うコラプラグ-ペースト洗浄 経過観察
術後:味が悪いとの訴えおよびドライソケットの確認-根管治療およびインプラントのためにアルゼンチンへ行く予定のところ、#2の歯(歯内膿瘍)から疼痛が生じた。
疼痛スコア:1日目=2
2日目=2
UU.患者001-46歳女性
問題:複数の抜歯-喫煙者-砂糖中毒者-特発性血小板減少症-プレドニゾン服用
第1手順-#23、#26、#30の外科的抜歯-ペーストを伴うコラプラグ-合併症無し
第2手順-#2、#3、#5、#13、#15の外科的抜歯-ペーストを伴うコラプラグ-合併症無し
疼痛スコア:1日目=0
2日目=0
VV.患者021(B)-62歳女性
問題:残っている下部の歯を全て抜歯
第1手順-#22~#27の外科的抜歯、下顎にインプラント×8の埋入-#18、#19、#20、#21部位に4つのインプラントおよび#37、#28、#29、#30部位に4つのインプラントを埋入-骨様の石としての全ての回転器具が破損-即時、下部の完全再建を実施
疼痛スコア:1日目=0
2日目=0
第2手順-左下領域の孤立性骨嚢胞の手術-嚢胞サイズ=11.25×18.75-感覚欠如(左下の歯神経)-ペーストおよびリンス-3か月後に感覚が戻った
疼痛スコア:1日目=0(感覚異常)
2日目=0
同様の手順による症例の要約
24名の女性被験者
【0129】
【表2-1】
【0130】
【表2-2】
【0131】
26名の男性被験者
【0132】
【表3-1】
【0133】
【表3-2】
【0134】
女性疼痛スコア
【0135】
【表4】
【0136】
男性疼痛スコア
【0137】
【表5】
【0138】
結果
主要であった外科的症例-抜歯およびインプラントの即時埋入、女性9名、男性9名の場合、男性の平均の1日目の疼痛は0.375、2日目は0.375のスコアであった。女性では、1日目0.71、2日目0.25であった。1名の男性患者(90歳)だけが1日目に2~3、翌日2の疼痛を訴えたが、鎮痛剤は服用せず、3本の即時抜歯および3つのインプラント埋入の翌日にテニスをした。
【0139】
親知らず症例の場合、難易度の高い抜歯では、通常の術後腫脹の訴えがあった。リンス/ペースト症例では、8名の男性が、コラプラグ有りでは1日目に1.3、2日目に0.5、コラプラグ無しでは1日目に0.75、2日目に0.5のスコアであった。7名の女性の疼痛は、コラプラグ有りでは1日目に0.5、2日目に0.5、コラプラグ無しでは1日目に0.75、2日目に0.2のスコアであった。
【0140】
大量喫煙者でもある1名の男性の#17の1本の歯の困難な抜歯(043)、および#17、#30の2本の歯の極めて困難な抜歯(039)では、死滅した骨を除去するための第2外科術および続いての抗生物質療法(クリンダマイシン)の結果としての合併症を生じた。これらの両患者は不快感を訴え、それは長引き、3~4週間続いた。1名の女性(016)だけが、歯#1、#32の外科的除去後に慢性疼痛を訴えた。さらなるX線撮影検査を行った後に、この患者の疼痛は歯#2の膿瘍に関連し、手術には無関係であった。この患者はこの歯の除去および#2部位へのインプラントの埋入のためにアルゼンチンに戻った。
【0141】
コラプラグおよびペーストを用い、かつ、4本全部の親知らずを除去したかまたは単純抜歯とコラプラグ/ペーストを受けた患者、男性3名、女性3名では、コラプラグを受けた男性でのみ、リンスおよびペースト単独に比べて疼痛指数がやや高かったことを示された。女性サブセットでは、コラプラグとリンスおよびペーストとの間で疼痛指数に違いは無かった。これらの患者は、1日目に1または2錠のイブプロフェン800mg、2日目に1錠の800mgイブプロフェンを服用すると、事実上疼痛が全く無く、1日目スコア1~2、2日目はわずか1であった。
【0142】
上顎洞グラフトまたは上顎洞グラフトとインプラント(2名の女性-002および011)(2名の男性-036および037)の場合、1名の女性患者(2つの上顎洞手順、1本の抜歯および2つの即時インプラント011)だけが、術後の不快感を訴えた。3のレベルで変動。この症例(011)では、上部洞粘膜の完全外科的可動化を伴って、#29から#20までにエムドゲインおよびアログラフ(Alloderm(登録商標))を埋入したが、テザーが解けた。これらのグラフトを、さらなる合併症無く2回再縫合したが(011)、1つのインプラントは失われ、再移植したところ疼痛スコアは最小であった。
【0143】
2人目の女性患者(023)は、#4から#20まで全歯列弓歯周グラフト(エムドゲインおよび同種移植(Alloderm(登録商標)))を有し、3人目の患者(002)は、2つの上顎洞グラフトを有していた。上部洞粘膜のテザーが解けたので、もう1回または2回、粘膜を再縫合する試みを行った。これら3名の女性患者は全ておしゃべりの傾向があり、おしゃべりが縫合位置をずらせた。毎日投与したリンスおよびペーストが唯一の救済であり、全てのグラフトの救済を可能とし、極めて良好な美容面での結果を伴って終了した。
【0144】
全てのグラフト材料Alloderm(登録商標)、Bio-Guide、Ossix(登録商標)メンブラン、バイオメンド、コラテープ、コラプラグ、Bio-Oss(登録商標)、Miner-Oss、凍結乾燥骨ならびにストローマおよび3i製のインプラントが本リンスおよびペーストの使用によって助長された。1名の患者(022)は緩んだインプラントを持ち、そのインプラントがインプラント表面を洗浄するテトラサイクリン腐食および罹患部位の治癒のために用いるペーストを用いて救済された。1名の患者(021B)では、8つの即時インプラント埋入および複数の抜歯および即時の下部全歯列弓再建が、ほとんどまたは全く疼痛無く首尾良く行われたほどである。
【0145】
1名の男性の#8の歯根尖切除、ならびに1名の男性(049)および1名の女性(024)の歯の脱臼と重度の組織裂傷を含む2例の外傷は、本リンス/ペーストで、大きな外科的疼痛の記録無く、首尾良く処置され、極めて良好な結果であった。
【0146】
電気外科的組織除去の1症例(013)および他の軽度の外科的矯正も、外科術後の不快感無く、本ペースト/リンスを用いて行った。
結論
本ペースト/リンスの使用により、ほとんどの外科患者において疼痛の発生および不快感が劇的に減った。抜歯を受け、本リンス/ペーストで洗浄した患者は、全ての中で疼痛が最小であるとともに、合併症の数も最小であった。この試験からの結果は、創傷中のリンスと術後ペーストの療法の補助的使用が術後疼痛の顕著な違いをもたらし、大多数の患者に対して参政権(suffrage)および術後合併症を軽減した。この疼痛消散効果は創傷内埋入後2日または48時間まで持続したことが示された。
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