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特許7021423貨物区画燃料供給システムのための入れ子式格納管及び回転式ホースリール
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  • 特許-貨物区画燃料供給システムのための入れ子式格納管及び回転式ホースリール 図1
  • 特許-貨物区画燃料供給システムのための入れ子式格納管及び回転式ホースリール 図2
  • 特許-貨物区画燃料供給システムのための入れ子式格納管及び回転式ホースリール 図3
  • 特許-貨物区画燃料供給システムのための入れ子式格納管及び回転式ホースリール 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-08
(45)【発行日】2022-02-17
(54)【発明の名称】貨物区画燃料供給システムのための入れ子式格納管及び回転式ホースリール
(51)【国際特許分類】
   B64D 39/00 20060101AFI20220209BHJP
【FI】
B64D39/00
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018542775
(86)(22)【出願日】2017-02-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-02-21
(86)【国際出願番号】 US2017017602
(87)【国際公開番号】W WO2017139730
(87)【国際公開日】2017-08-17
【審査請求日】2020-02-04
(31)【優先権主張番号】62/294,622
(32)【優先日】2016-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505340881
【氏名又は名称】コブハム・ミッション・システムズ・ダベンポート・エルエスエス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100096725
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 明▲ひこ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100171697
【弁理士】
【氏名又は名称】原口 尚子
(72)【発明者】
【氏名】ハーベイ、スコット
(72)【発明者】
【氏名】ランド、マット
【審査官】志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】仏国特許出願公開第02648428(FR,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0065785(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0273213(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64D 39/00
B65H 75/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開放姿勢と閉鎖姿勢との間を移動可能なドアを有する燃料供給航空機から飛行中に給油
を受ける航空機に給油する空中給油システムであって、
a)外径によって画定され回転可能なドラムを含み、前記燃料供給航空機の胴体に搭載さ
れるホースリール組立体と、
b)前記ホースリール組立体の前記ドラムのまわりに巻き付けられ、出口端部と該出口端
部に取り付けられたドローグとを有するホースと、
c)当該システムが使用されないときに、前記ホースの前記出口端部及び前記ドローグを
保管し、システムが使用されるときに、前記出口端部及び前記ドローグを、前記給油を受
ける航空機に案内する入れ子式格納管であって、前記ホースリール組立体に取り付けられ
、前記ドラムから前記ホースを受け入れる前方端部と、前記ドアに取り付けられる後方端
部とを有する、入れ子式格納管と、
d)第1の端部で前記ドアに固定され、第2の端部で前記入れ子式格納管の前記後方端部
に枢動可能に固定された格納管マウントと、
を有し、
前記入れ子式格納管は、前記ドアが閉鎖姿勢にあるときの格納姿勢と、前記ドアが開放
姿勢にあるときの伸張姿勢との間で、伸長可能である、ことを特徴とする空中給油システ
ム。
【請求項2】
前記入れ子式格納管が、内側ハウジングに摺動自在に結合される外側ハウジングを含む、
請求項1に記載の空中給油システム。
【請求項3】
前記入れ子式格納管内に前記ホースが、前記ドラムの前記外径の接線方向の平面に沿って
位置する、請求項1に記載の空中給油システム。
【請求項4】
前記ホースリール組立体がホースリールフレームを含み、前記入れ子式格納管の前記前方
端部が前記ホースリールフレームに固定され、このことにより、前記ホースリールフレー
ムは、前記ドアが前記開放姿勢と前記閉鎖姿勢との間を移動するときに、前記入れ子式格
納管内の前記ホースの接線方向の平面を前記ドラムの外径に対して維持するように回動す
る、請求項3に記載の空中給油システム。
【請求項5】
前記ホースが前記ドラム上に巻かれ又は巻き戻されるときに、前記入れ子式格納管が、前
記ドラムの回転軸に平行な平面内で前記ホースリールフレームに沿って並進移動する、請
求項4に記載の空中給油システム。
【請求項6】
前記ホースリールフレームが送りネジ及び前記入れ子式格納管の前方端部と前記送りネジ
とを連結するサービングギアナットを含み、前記サービングギアナットは、前記送りネジ
に沿って並進移動して、前記ドラムが回転し前記ホースを巻き付け又は巻き戻すときに、
前記入れ子式格納管の前記前方端部を移動させる、請求項に記載の空中給油システム。
【請求項7】
前記格納管マウントはさらに旋回部を含み、該旋回部は、前記入れ子式格納管が前記ホースリールフレームに沿って並進移動するときに、前記入れ子式格納管の前記後方端部を動かす、ことを特徴とする請求項5に記載の空中給油システム。
【請求項8】
前記ドラムが回転し、前記ホースを巻き戻すまで、前記ドローグは、前記入れ子式格納管
内に留まる、ことを特徴とする請求項1に記載の空中給油システム。
【請求項9】
前記ドラムが回転し、前記ホースを巻き戻すときに、前記入れ子式格納管の前記後方端部
から前記ドローグを付勢する格納ばねをさらに含む、請求項8に記載の空中給油システム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、胴体に搭載された空中給油システムに関し、より詳細には、格納管が可動ドア又はランプに固定されている一方で、ホースリールが胴体に固定される胴体搭載空中給油システムに関する。さらに詳細には、本発明は、格納管が可動ドア又はランプに固定される一方で、ホースリールが胴体に固定される胴体搭載空中給油システムに関し、格納管が、可動ドア又はランプが開放位置にあるか、又は閉鎖位置にあるかどうかに依存して、伸長位置と格納位置との間で入れ子式に伸縮するように構成される。
【背景技術】
【0002】
胴体に搭載された燃料補給システムは、特定の設備に関わらず、いくつかの共通する構成部品を含む。この構成部品には、燃料補給ホース、システムが使用されていないときにホース端部構成要素を保持する格納管又は他の装置を貯蔵及び分配するため、さらにホースリールドラムと出口ポイントとの間を航空機の表面又は外部モールドライン(OML)を通して案内するホースリール組立体を含む。また、ホースがOMLを通過し、空気流に入るトンネル又は他の固定位置出口点も含まれる。
【0003】
現在、配備されているシステムは、一般に、装置が胴体に搭載されているか、又はドア又はランプに搭載されているかによって2つのカテゴリのいずれかに分類される。前者の場合、既存のシステムは、胴体内に固定された向き及び位置をもちホースリール組立体を含み、単一の固定出口点が航空機OMLを通して提供される。後者の構成では、ホースリール及び他の構成要素は、ドア又はランプに搭載されおり、ドア又はランプが下げられたとき(開かれたとき)、格納位置から閉じたドア又はランプと一緒に給油位置に移動する。
【0004】
ランプ/ドアの配置は、多機能航空機に一時的に設置されるロールオン/ロールオフ型システムに特有のものである。ホースと何らかの種類のドラムを組み込んでホースを巻き付けし、巻き戻すシステムでは、性能と信頼性を確保するためには、巻き付け及び巻き戻しの間、ホースがドラム外径の接線方向にとどまることが必要となる。上述したランプタイプのシステムでは、ホースドラム装置及び格納管/ホース出口構成要素はすべて、ランプ位置又は移動に関係なく、前述の接線方向を維持するためにランプに搭載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このようなシステムに固有の深刻な限界がある。その限界とは、飛行中に使用される燃料補給システムの全体の大きさと重量を支える能力によるものである。さらなる性能についての限界は、貨物区画の床のような堅固な航空機構造ではなく、ランプ又はドアに適用されるホースの張力によって生ずる振動及び高負荷といった、動くドア又はランプに固有の構造的剛性の不足に起因するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様では、航空機OMLを通る出口点をドア/ランプの動きと共に上下に移動させながら(その間、ホースガイド/格納管をドラムに対して接線方向に維持する。)、動かない航空機構造体(胴体)に、取外し可能な燃料補給システムをしっかりと固定することができる。ホースリール組立体及び関連機器を床又は他の固定構造に取り付けることができることにより、システム重量の許容範囲を増加させ、ランプなどの他の機器の影響及び相互作用を最小にし、振動及び他の有害な影響を最小限に抑えることによってシステム性能を高める。この目的のために、ドア/ランプが動き、OMLとドラムとの間の距離が変化すると、OML出口点が移動することに起因する問題に対処するために、入れ子式機構が格納管に付加される。
【0007】
本発明のさらなる態様では、給油システムが、ホースドラムユニットをドラムの中心軸線を中心に回転させ、それにより、ホースの巻取り/巻き戻し中、格納管とドラムの外径(O.D.)との間の接線(方向)を維持することができる。限定を意図しないが、ドアの開閉時にドラムが常に最適な性能となるように方向付けられることを確実にするために、リール搭載のハードウェアをリンクを介してランプドアに「従属」するような、いくつかの手段を用いることができる。
【0008】
したがって、本発明は、一般に、開放姿勢と閉鎖姿勢との間を移動可能なドアを有する燃料供給航空機から飛行中の航空機に補給する空中給油システムに関する。このシステムは、燃料供給航空機の胴体に搭載されたホースリール組立体を備え、ホースリール組立体は、外径によって画定される回転可能なドラムを有する。ホースが、ドラムの周りに巻き付けられ、出口端部及び出口端部に取り付けられたドローグを有する。システムが使用されていないときにホースの出口端部及びドローグを保管し、システムが使用されているときに出口端部及びドローグを、給油を受ける航空機へと案内するように入れ子式格納管を構成することができる。入れ子式格納管は、ホースリール組立体に搭載されてホースをドラムから受け入れるように構成された前方端部と、ドアに取り付けられる後方端部とを有してもよい。その結果、入れ子式格納管は、ドアが閉鎖姿勢にあるとき格納された格納位置と、開放姿勢にあるときに伸長位置との間で伸長可能である。
【0009】
さらに、入れ子式格納管は、内部ハウジングに摺動自在に結合された外側ハウジングを含み、入れ子式格納管内のホースは、ドラムの外径に接する平面に沿って位置することができる。ホースリール組立体はまた、ホースリールフレームを含み、ホースリールフレームには、入れ子式格納管の前方端部がホースリールフレームに固定され得る。したがって、ホースリールフレームは、ドアが開放姿勢と閉鎖姿勢との間を移動するときに、ドラムの外径に対して入れ子式格納管内のホースの接線方向の面を維持するように枢動することができる。入れ子式格納管は、ホースがドラム上に巻取り又は巻き戻しされるとき、ドラムの回転軸に平行な平面内でホースリールフレームに沿ってさらに並進移動するようにする。この目的のために、ホースリールフレームは送りネジを含み、サービングギアナットは、入れ子式格納管の前方端部を送りネジに結合することができる。供給歯車ナットは、サービングギアナットは、送りネジに沿って並進するように構成され得る。
【0010】
さらに、空中給油システムは、第1の端部でドアに固定され、第2の端部で入れ子式格納管の後方端部に枢動可能に固定された格納管マウントをさらに含むことができる。格納管マウントは、入れ子式格納管がホースリールフレームに沿って並進移動するときに、入れ子式格納管の後方端部を動かすように構成された旋回部をさらに含むことができる。ドラムが回転してホースを巻き戻すまで、ドローグは入れ子式格納管内にとどまることができ、ホースは、ドラムが回転してホースを巻き戻すときに入れ子式格納管の後方端部から外へとドローグを付勢するばねをさらに含む。
【0011】
本発明のさらなる目的、利点及び新規な態様は、以下の説明に部分的に記載されおり、添付の図面を参照して考察されるとき、部分的に本発明の実施において明らかになるであろう。
上記及びその他の特徴は、本発明の利点であり、それらを達成する方法は、添付の図面と併せて以下の本発明の説明を参照することにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明による給油システムの部分概略図であり、給油システムを格納構成に示す。
図2図2は、巻き戻し構成の給油システムを示す、図1に示された給油システムの部分概略図である。
図3図3は、入れ子式格納管から部分的に排出されたドローグを有する図1に示された給油システムの断面図である。
図4図4は、図1に示された燃料補給システム内で使用するホースリール組立体の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、V-22オスプレー貨物機(以下「V-22」という)における本発明の一般的な空中給油システムの具体的な用途についての説明がなされる。ここで、給油システムは、貨物室及び下部貨物区画ドアに取り付けられ、これによりV-22は他の航空機に給油するための臨時タンカーに変更される。V-22を参照して図示及び説明されているが、本発明の入れ子式格納管及び回転式ホースリール組立体は、武器区画ドア、又は貨物区画ドアを有する他の(民生用又は軍事用的)航空機(ここでのシステムでは、格納管を回転ドアに固定すること及びホースリール組立体を航空機の恒久的構造部材に固定することが必要となっている。)のような他のプラットフォーム上で使用することができることは当業者には理解されよう。
【0014】
以下でより詳細に説明されるように、入れ子式格納管は、給油組立体と航空機構造物との間に最大量のクリアランスをもったまま、給油組立体(すなわち、給油口及び給油ホース)を気流中に安全に突き出るようにすることを要求される。ホースリール組立体が、恒久的な構造部材(例えば、胴体)に取り付けられ、入れ子式格納管が、貨物区画ドアに取り付けられることから、貨物区画ドアの開閉時に、格納管の角度が変化する。この格納管の角度が変化するために、入れ子式格納管内のホースとホースリールドラムとの間の接線関係を維持するように、ドアが、下に向き(開放)し、戻しホースリール動作の間に、格納管を伸ばすことが必要となる。そのためには、格納管の角度は給油ホースの自然カテナリ角度に一致していなければならず、その結果、全ホース張力の変化は、ホースリール組立体のトルクアーム及びブーストシリンダを介するように、ホースリール組立体を介して伝達される。
【0015】
V-22の場合、航空機には、機内の要員が航空機を捨てる必要がある場合(すなわち、利用不能又は被災した航空機を制御して着陸を試みる場合)には、上下の貨物区画ドアを閉じなければならないという安全上の条件が課せられている。この安全上の条件のため、格納管組立体をさらに入れ子式に伸縮することを可能にする追加の機構が必要となる。すなわち、下側の貨物区画ドアが上向き(閉鎖)姿勢にあるとき、上側の貨物区画ドアが完全に閉じることができるように、格納管の後端は貨物区画ドアの前方になければならない。しかし、給油作業の準備中やその作業中などでは、下側の貨物区画ドアが下向き(開放)姿勢にあるときは、燃料補給ホースの巻出し又は巻き戻し中に、格納管の後端は、下側の貨物区画ドア又は他の航空機構成要素と接触することがないように、下側の貨物区画ドアの後ろに位置しなければならない。以下で詳述されるように、この動作は、これに限定されないが、下側の貨物区画ドアに従属するリニアアクチュエータ、ばね、ケーブル及び/又はリンケージによって実行されてもよい。
【0016】
図面、特に図1乃至図3に示されているように、本発明による空中給油システムが、参照符号10により示されている。空中給油システム10は、一般に、胴体14のような燃料供給航空機13の構造要素に搭載されるホースリール組立体12を備える。ホースリール組立体12は、外径18によって画定される回転可能なドラム16を含む。ホース20は、当該技術分野において知られているようにドラム16の周りに巻かれる(図4も参照)。図3において最も明確に理解できるように、ホース20の後方端部22は、膨張可能なドローグ26を備えたドローグ給油組立体24を保持するように構成される。給油動作中ドローグ給油組立体24を突き出す前、又は空中給油システム10が格納状態(図1に示されている)にあるときは、後方端部22及びドローグ給油組立体24を含むホース20の一部が、入れ子式格納管28内に収納される。入れ子式格納管28は、ドラム16からホース20を受け取るために、ホースリール組立体12に取り付けられた前方端部30と、貨物区画ドア34などの航空機13のドア/ランプに取り付けられ後方端部32とを含む。この目的のために、後方端部32は、ピボット38で格納管マウント36に枢着可能に取り付けられる。このようにして、貨物区画ドア34が閉鎖姿勢(図1)と開放姿勢(図2図3)との間を往復移動するときに、後方端部32(したがって入れ子式格納管28)が枢動する。
【0017】
本発明の一態様では、入れ子式格納管28は、内部ハウジング42に摺動可能に結合された外部ハウジング40を含む。このようにして、入れ子式格納管28の長さは、以下で詳述されるように、変化することができる。摺動配置において重なり合う同心のハウジングとして示され説明されているが、入れ子式格納管が、任意の適切な形態で構成されてもよいことに留意されたい。しかし、外側ハウジング40と内側ハウジング42との摺動係合は、使用中に入れ子式格納管28に加えられる横方向の応力に適応するのに十分に堅固となっている。
【0018】
機内給油操作のための空中給油システム10を展開するとき、貨物区画ドア34は閉鎖姿勢(図1)から開放姿勢(図2~3)に移動する。貨物区画ドア34がヒンジ44を中心に(矢印46で示す方向に)回動すると、入れ子式格納管28は、上述のように、引っ込んだ格納位置(図1)から伸長した位置(図2~3)に矢印48に示された方向に伸張する。入れ子式格納管28が完全に伸張した位置にあるとき、ホース20は、ドラム16から引き出され、当業者には知られているように、(すなわち、燃料の提供を受ける飛行機(図示されていない)と安全に連結するように、燃料供給航空機13から外側に伸長する)最後尾の位置にある給油組立体24及びドローグ26へ向けられる。
【0019】
図3に示されているように、燃料補給組立体24及びドローグ26を、入れ子式格納管28を通して突き出させるために、ホース20は、燃料補給組立体24及びドローグ26を、入れ子式格納管28の後端部32の終端により画定される出口オリフィス52へとバイアスする、格納位置で完全に圧縮されたばね50を含む。格納位置(図1)にあるとき、ホース20がドラム16の周りに巻かれており、ばね50のばねバイアスは維持されている。しかし、貨物区画ドア34が開放され、入れ子式格納管28が伸長した後に(図2図3)、ホース20を後方位置に配置するために、ドラム16は一定速度で回転し、ホース20を、入れ子式格納管28を通って突きださせる。ばね50に蓄えられたバイアス力は、燃料補給組立体24及びドローグ26を出口オリフィス52に向かって押すように動作する。燃料補給組立体24が空気流に達すると、ドローグ26は膨張してホース20上に抗力を生成するともに、ドローグ26及びホース20は燃料供給航空機13から完全な後方位置に向かって外側に延びる。
【0020】
ホースリール組立体12が胴体14に取り付けられ、入れ子式格納管28の後方端部32が貨物区画ドア34に取り付けられていることから、貨物区画ドア34が開閉するときに(図1の角度A及び角度A’)、格納管角度は変化する。格納管の角度の変化に対応するために、入れ子式格納管28とホースリール組立体12との間の相対角度Bを、貨物区画ドア34及びホースリール組立体12の動きを通して実質的に同じであるように、ホースリール組立体12は、貨物区画ドア34がヒンジ44を中心に枢動するときに回転するように構成され得る。この目的のために、ホースリール組立体12は、ホースリール組立体12の搭載フレーム56上に枢動可能に取り付けられたホースリールフレーム54含むことができる。ホースリールフレーム54の枢動制御は、貨物区画ドア34が開き、入れ子式格納管28が、その格納された格納位置から伸長位置まで、上述したように延びるときに、角度Bが維持されるように、貨物区画34の枢動制御に沿ったものとすることができる。このようにして、ホース20は、ドラム16の外径18に対して接線方向である平面P内に留まることができる。ホース20を、外径18に対して接線方向の平面に維持することにより、ホースの摩耗特性が改善され、ホースの張力の変化が、ホースリール組立体12の構造部品を介して、例えばトルクアーム58及びブーストシリンダ60(図4を参照)により、伝達され得る。本発明の一態様では、ホースリール組立体12のドラム16は燃料入口(図示せず)の周りで回転でき、その結果、空中給油システム10を燃料漏れなく、燃料貯蔵タンク(図示せず)に結合するために、堅固なラインを使用することができる。
【0021】
図4に示されているように、ホースリールフレーム54は、送りネジ62とサービングギアナット64とを含み、入れ子式格納管28の前方端部30はサービングギアナット64に取り付けられる。サービングギア64は、送りネジ62が回転すると、主送りネジ62にそって並行移動する。送りネジ62は、ギアナット64及び入れ子式格納管28の前方端部30がドラム16から巻き付け/巻き戻すホース20に対して直角のまま並進するようにドラム16回転制御に従うことができる。入れ子式格納管28の直角並進移動により、ホース20のドラム16への適切な巻き戻し/再巻取りが可能になる。前方端部30の直角並進移動の間に、入れ子式格納管28に対する横方向の応力を防止又は最小にするために、格納管マウント36は、前方端部30が並進するときに後端部32の移動を可能にするように構成される旋回部66を含んでもよい。
【0022】
本発明が好適実施形態を参照して説明されているが、以下の特許請求の範囲によって画定される本発明の完全な思想及び範囲から逸脱することなく、様々な変更がなされ得ることは理解されるであろう。装置構成要素の回転運動について具体的に説明がなされてきたが、当業者であれば、そのような回転を逆にすることができ、そのような教示は本発明の範囲内であることを理解すべきである。
図1
図2
図3
図4