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特許7021442車両性能の評価方法、装置、端末、記憶媒体、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-08
(45)【発行日】2022-02-17
(54)【発明の名称】車両性能の評価方法、装置、端末、記憶媒体、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01M 17/007 20060101AFI20220209BHJP
【FI】
G01M17/007 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020024997
(22)【出願日】2020-02-18
(65)【公開番号】P2020134530
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2020-02-18
(31)【優先権主張番号】201910127175.1
(32)【優先日】2019-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】321009845
【氏名又は名称】アポロ インテリジェント ドライビング テクノロジー(ペキン)カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ジャン リージー
(72)【発明者】
【氏名】フー ユンユエン
(72)【発明者】
【氏名】パン イーフォン
(72)【発明者】
【氏名】リウ ルイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン ヤー
(72)【発明者】
【氏名】ホアン チーハオ
【審査官】山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-161587(JP,A)
【文献】特開2000-121506(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109242251(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108248608(CN,A)
【文献】特開2018-052160(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0203766(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 17/00 - 17/04
B60W 40/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両性能の評価装置により実行される車両性能の評価方法であって、
体感項目が発生する期間における標記体感スコアを取得し、車両状態を示すための標記体感指標データを記録することと、
前記標記体感スコアと前記標記体感指標データに基づいて、体感スコアと車両状態間の関連関係を得ることと、
予め設定された期間における目標体感指標データを取得し、前記目標体感指標データおよび前記体感スコアと車両状態間の関連関係に基づいて目標体感スコアを得ることと、
前記目標体感スコアに基づいて車両性能の評価結果を得ることと、を含
体感項目が発生する期間における標記体感スコアを取得することは、
体感項目が発生する期間にユーザーによる体感スコアリング音声を取得し、前記体感スコアリング音声を解析するとともに標記し、前記体感項目に対応する標記体感スコアを得ること、を含み、
前記標記体感スコアと前記標記体感指標データに基づいて、体感スコアと車両状態間の関連関係を得ることは、
予め設定された期間における、複数の標記体感スコアおよび複数の標記体感指標データを統計することと、
各前記標記体感指標データに対応する体感指標変化率をそれぞれ計算することと、
前記体感指標変化率及び前記標記体感スコアを分析し、正相関である前記体感スコアと車両状態間の関連関係を得ることと、を含む、
ことを特徴とする車両性能の評価方法。
【請求項2】
前記体感項目は、前傾感、揺れ感及び揺動感を含み、
体感項目が発生する期間における標記体感スコアを取得した後に、
前記体感項目が発生する期間における、前記前傾感に関する複数の標記体感スコア、前記揺れ感に関する複数の標記体感スコア及び前記揺動感に関する複数の標記体感スコアを取得することと、
前記前傾感に関する複数の標記体感スコア、前記揺れ感に関する複数の標記体感スコア及び前記揺動感に関する複数の標記体感スコアのそれぞれに対する平均値を計算し、標記体感スコアの平均値の分布図を作成することと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両性能の評価方法。
【請求項3】
体感項目が発生する期間における標記体感スコアを取得する標記体感スコア取得モジュールと、
車両状態を示すための標記体感指標データを記録する標記体感スコア記録モジュールと、
前記標記体感スコアと前記標記体感指標データに基づいて、体感スコアと車両状態間の関連関係を得る関連関係計算モジュールと、
予め設定された期間における目標体感指標データを取得し、前記目標体感指標データおよび前記体感スコアと車両状態間の関連関係に基づいて目標体感スコアを得る標記体感スコア計算モジュールと、
前記目標体感スコアに基づいて車両性能の評価結果を得る評価結果生成モジュールと、を含
前記標記体感スコア取得モジュールは、
体感項目が発生する期間にユーザーによる体感スコアリング音声を取得する体感スコアリング音声取得ユニットと、
前記体感スコアリング音声を解析するとともに標記し、前記体感項目に対応する標記体感スコアを得る体感スコアリング音声解析ユニットと、を含み、
前記関連関係計算モジュールは、
予め設定された期間における、複数の標記体感スコアおよび複数の標記体感指標データを統計するデータ統計ユニットと、
各前記標記体感指標データに対応する体感指標変化率をそれぞれ計算する体感指標変化率計算ユニットと、
前記体感指標変化率及び前記標記体感スコアを分析し、正相関である前記体感スコアと車両状態間の関連関係を得る関連関係計算ユニットと、を含む、
ことを特徴とする車両性能の評価装置。
【請求項4】
前記体感項目は、前傾感、揺れ感及び揺動感を含み、
前記車両性能の評価装置は、
前記体感項目が発生する期間における、前記前傾感に関する複数の標記体感スコア、前記揺れ感に関する複数の標記体感スコア及び前記揺動感に関する複数の標記体感スコアを取得する体感スコア分類モジュールと、
前記前傾感に関する複数の標記体感スコア、前記揺れ感に関する複数の標記体感スコア及び前記揺動感に関する複数の標記体感スコアのそれぞれに対する平均値を計算し、標記体感スコアの平均値の分布図を作成する体感スコア平均値計算モジュールと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項に記載の車両性能の評価装置。
【請求項5】
1つ又は複数のプロセッサと、
1つ又は複数のプログラムを記憶するためのメモリと、を含み、
前記1つ又は複数のプロセッサは、前記1つ又は複数のプログラムを実行する場合、請求項1又は2に記載の車両性能の評価方法を実行させる、
ことを特徴とする車両性能の評価端末。
【請求項6】
コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体であって、
当該プログラムがプロセッサにより実行される場合、請求項1又は2に記載の車両性能の評価方法を実行させる、
ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項7】
コンピュータにおいて、プロセッサにより実行される場合、請求項1又は2に記載の車両性能の評価方法を実現することを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動運転技術分野に関し、特に車両性能の評価方法、装置、端末、記憶媒体、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動運転の分野では、自動運転車両に乗車している乗客の乗り心地を評価するため、通常、一定期間内において、乗り心地に応じてスコアが付けられ、得られたスコアは体感スコアと呼ばれる。体感スコアは、前傾感スコア、連続的に前後に揺さぶられる際の揺動感スコア、及び左右に揺れる際の揺れ感スコアを含み得る。体感スコアは、運転中の自動運転車両の性能を評価するために使用されることができる。しかし、既存の乗客によるスコアリングから取得した体感スコアは正確とは言えず、収集効率が低いため、最終的に運転中の自動運転車両に対する性能評価に大きな誤差が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術における1つ又は複数の技術課題を解決するため、本発明は、車両性能の評価方法、装置及び端末を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1様態は、車両性能の評価方法を提供する。当該車両性能の評価方法は、
体感項目が発生する期間における標記体感スコアを取得し、車両状態を示すための標記体感指標データを記録することと、
前記標記体感スコアと前記標記体感指標データに基づいて、体感と車両状態間の関連関係を得ることと、
予め設定された期間における目標体感指標データを取得し、前記目標体感指標データおよび前記体感と車両状態間の関連関係に基づいて目標体感スコアを得ることと、
前記目標体感スコアに基づいて車両性能の評価結果を得ることと、を含む。
【0005】
1つの実施形態において、体感項目が発生する期間における標記体感スコアを取得することは、
体感項目が発生する期間に体感スコアリング音声を取得し、前記体感スコアリング音声を解析するとともに標記し、前記体感項目に対応する標記体感スコアを得ること、を含む。
【0006】
1つの実施形態において、前記標記体感スコアと前記標記体感指標データに基づいて、体感と車両状態間の関連関係を得ることは、
予め設定された期間における、複数の標記体感スコアおよび複数の標記体感指標データを統計することと、
各前記標記体感指標データに対応する体感指標変化率をそれぞれ計算することと、
前記体感指標変化率及び前記標記体感スコアを分析し、正相関である前記体感と車両状態間の関連関係を得ることと、を含む。
【0007】
1つの実施形態において、
前記体感項目は、前傾感、揺れ感及び揺動感を含み、
体感項目が発生する期間における標記体感スコアを取得した後に、
前記体感項目が発生する期間における、前記前傾感に関する複数の標記体感スコア、前記揺れ感に関する複数の標記体感スコア及び前記揺動感に関する複数の標記体感スコアを取得することと、
前記前傾感に関する複数の標記体感スコア、前記揺れ感に関する複数の標記体感スコア及び前記揺動感に関する複数の標記体感スコアのそれぞれに対する平均値を計算し、標記体感スコアの平均値の分布図を作成することと、をさらに含む。
【0008】
本発明の第2様態は、車両性能の評価装置を提供する。当該車両性能の評価装置は、
体感項目が発生する期間における標記体感スコアを取得する標記体感スコア取得モジュールと、
車両状態を示すための標記体感指標データを記録する標記体感スコア記録モジュールと、
前記標記体感スコアと前記標記体感指標データに基づいて、体感と車両状態間の関連関係を得る関連関係計算モジュールと、
予め設定された期間における目標体感指標データを取得し、前記目標体感指標データおよび前記体感と車両状態間の関連関係に基づいて目標体感スコアを得る目標体感スコア計算モジュールと、
前記目標体感スコアに基づいて車両性能の評価結果を得る評価結果生成モジュールと、を含む。
【0009】
1つの実施形態において、前記標記体感スコア取得モジュールは、
体感項目が発生する期間に体感スコアリング音声を取得する体感スコアリング音声取得ユニットと、
前記体感スコアリング音声を解析するとともに標記し、前記体感項目に対応する標記体感スコアを得る体感スコアリング音声解析ユニットと、を含む。
【0010】
1つの実施形態において、前記関連関係計算モジュールは、
予め設定された期間における、複数の標記体感スコアおよび複数の標記体感指標データを統計するデータ統計ユニットと、
各前記標記体感指標データに対応する体感指標変化率をそれぞれ計算する体感指標変化率計算ユニットと、
前記体感指標変化率及び前記標記体感スコアを分析し、正相関である前記体感と車両状態間の関連関係を得る関連関係計算ユニットと、を含む。
【0011】
1つの実施形態において、
前記体感項目は、前傾感、揺れ感及び揺動感を含み、
前記車両性能の評価装置は、
前記体感項目が発生する期間における、前記前傾感に関する複数の標記体感スコア、前記揺れ感に関する複数の標記体感スコア及び前記揺動感に関する複数の標記体感スコアを取得する体感スコア分類モジュールと、
前記前傾感に関する複数の標記体感スコア、前記揺れ感に関する複数の標記体感スコア及び前記揺動感に関する複数の標記体感スコアのそれぞれに対する平均値を計算し、標記体感スコアの平均値の分布図を作成する体感スコア平均値計算モジュールと、をさらに含む。
【0012】
本発明の第3様態は、車両性能の評価端末を提供する。当該車両性能の評価端末の機能は、ハードウェアによって実現されてもよく、ハードウェアがその対応するソフトウェアを実行することによって実現されてもよい。前記ハードウェア又はソフトウェアは、上記機能に対応する1つ又は複数のモジュールを含む。
【0013】
1つの可能な実施形態において、車両性能の評価端末の構成にはプロセッサとメモリとが含まれ、前記メモリは、前記車両性能の評価端末が上記第1態様の車両性能の評価方法を実行することをサポートするプログラムを記憶するために用いられ、前記プロセッサは、前記メモリに記憶されたプログラムを実行するように構成される。前記車両性能の評価端末は、他のデバイス又は通信ネットワークと通信するための通信インターフェースをさらに含むことができる。
【0014】
本発明の第4様態は、車両性能の評価装置に用いられる、上記第1態様の車両性能の評価方法を実施するためのプログラムを含むコンピュータソフトウェアコマンドを記憶するためのコンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【発明の効果】
【0015】
上記の技術案のうちの少なくとも1つの技術案は、下記のメリットと有益的な効果を有する。
【0016】
本発明によれば、体感項目が発生する期間全体に、音声スコアリングを実行することで体感スコアを取得することができ、体感スコアに対して標記するとともに、体感項目が発生した全過程における体感指標データを記録し、取得した体感スコアと記録した体感指標データ間の関連関係を得て、関連関係に基づき、予め設定された期間における目標体感スコアを直接得ることにより、車両性能の評価結果を得ることができる。よって、乗客の関与を必要とせず、コストを削減し、車両性能の評価効率を高めることができる。
【0017】
上記の略述は、単に説明のために過ぎず、いかなる限定をも目的としない。上記に記載されている例示的な様態、実施形態、及び特徴以外に、図面及び下記の詳細説明を参照することによって、本発明のさらなる様態、実施形態、及び特徴の理解を促す。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態による車両性能の評価方法のフローチャートである。
図2】本発明の実施形態による他の車両性能の評価方法のフローチャートである。
図3】本発明の実施形態による加速度変化率と前傾感スコアの座標図である。
図4】本発明の実施形態による時間とともに変化する標記体感スコアの曲線図である。
図5】本発明の実施形態による車両性能の評価装置のブロック図である。
図6】本発明の実施形態による他の車両性能の評価装置のブロック図である。
図7】本発明の実施形態による車両性能の評価端末を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図面において特に規定されない限り、複数の図面において同様の図面符号は、同様又は類似的な部材又はエレメントを示す。これらの図面は必ずしも実際の比例に従って製図されたものではない。これらの図面は本発明に基づいて開示された幾つかの実施形態を描いたものに過ぎず、本発明の範囲に対する制限としてはならないことを理解すべきである。
【0020】
下記において、幾つかの例示的実施形態を簡単に説明する。当業者が把握出来るよう、本発明の主旨又は範囲を逸脱しない限り、様々な方式により説明された実施形態に変更可能である。従って、図面と説明は制限を加えるものでなく、本質的には例示的なものである。
【0021】
実施形態一
図1は、本発明の実施形態による車両性能の評価方法のフローチャートである。当該方法は下記のステップS10、S20、S30、S40を含む。
【0022】
ステップS10において、体感項目が発生する期間における標記体感スコアを取得し、車両状態を示すための標記体感指標データを記録する。
【0023】
ステップS20において、前記標記体感スコアと前記標記体感指標データに基づいて、体感と車両状態間の関連関係を得る。
【0024】
ステップS30において、予め設定された期間における目標体感指標データを取得し、前記目標体感指標データおよび前記体感と車両状態間の関連関係に基づいて目標体感スコアを得る。
【0025】
ステップS40において、前記目標体感スコアに基づいて車両性能の評価結果を得る。
【0026】
1つの示例において、体感項目は、前傾感、揺れ感、及び揺動感等の複数の次元のものを含むことができる。 その中で、前傾とは通常、制動時の慣性による身体の前方傾斜を指す。揺れ感とは通常、車両が旋回するとき身体が左右に揺れることを指す。揺動感は、通常、速度が複数回の劇的な変化の過程で人体が慣性によって連続発生する複数回の前傾を指す。体感項目の発生時間を完全にカバーするため、アクションが発生する前と発生した後の時間の長さを通常、体感項目が発生する期間とする。この期間中に体感スコアを取得する。体感スコアを取得する方法は、例えば、人工的にスコアリングする方法であってもよい。
【0027】
たとえば、20秒を切り取り、20秒間以内に1回、前傾、揺動、または揺れのいずれかが発生し、記録された体感項目に対応する体感スコア、例えば、前傾感に対応する体験スコアは3ポイントである。体感項目は、速度、加速度、回転速度及び無人車両の位置などの車両状態を示す体感指標の影響を受けるため、20秒間における体感指標データは同時に記録される。 その後、取得した体感項目、体感項目に対応する体感スコアすなわち標記体感スコア及び体感項目に対応する標記体感指標データを、1つのファイルに保存する。標記データが格納された複数の前記のファイルを取得し、標記データを統計し、体感と車両状態間の関連関係を得る。そして、予め設定された期間における目標体感指標データを取得しようとする際、体感項目と車両状態間の関連関係に基づいて目標体感スコアが得られ、目標体感スコアに応じた車両性能の評価結果を得ることができる。よって、乗客の関与を必要とせず、コストを削減し、車両性能の評価効率を高めることができる。
【0028】
1つの実施形態において、図2に示すように、体感項目が発生する期間における標記体感スコアを取得ことは、
ステップS101において、体感項目が発生する期間に体感スコアリング音声を取得し、前記体感スコアリング音声を解析するとともに標記し、前記体感項目に対応する標記体感スコアを得る。
【0029】
1つの示例において、人体が体感項目の発生を感じると、ユーザーによる体感スコアリング音声は、携帯電話などのモバイル機器のアプリケーションによって収集されることができる。たとえば、体感スコアリング音声は「揺れ感5ポイント」であり、音声を解析した結果、5ポイントの揺れ感の体感スコアを得る。その後、解析結果に対して、人工的に標記を付ける。たとえば、体感項目が発生した期間と時間の長さ、「揺れ感」や「揺動感」などの体感項目の内容、及び体感項目に対応する体感スコアなどを記録する。もちろん、体感スコアは他の手段で取得してもよい。
【0030】
一実施形態において、図2に示すように、ステップS20は、更に以下のステップを含む。
【0031】
ステップS201において、予め設定された期間における、複数の標記体感スコアおよび複数の標記体感指標データを統計する。
【0032】
ステップS202において、各前記標記体感指標データに対応する体感指標変化率をそれぞれ計算する。
【0033】
ステップS203において、前記体感指標変化率及び前記標記体感スコアを分析し、正相関である前記体感と車両状態間の関連関係を得る。
【0034】
1つの示例において、体感指標変化率と体感スコアとの関係は、体感項目と車両状態間の関連関係を直接表すことができる。 例えば、図3に示すように、加速度変化率を横軸にし、前傾感が発生する頻度を縦軸にしてグラフを描く。描かれたグラフからわかるよう、加速度の変化率が3.8のとき、前傾感の頻度の値は約420で、前傾感の体感スコアは3ポイントであり、ほとんどの人は、前傾感が深刻で不快であると感じる。体感指標変化率が大きいほど、前傾感の体感は強くなる。同様に、他の体感指標変化率と体感項目間の関連関係はここでは説明を省略する。
【0035】
一実施形態では、図2に示すように、前記体感項目は、前傾感、揺れ感及び揺動感を含み、体感項目が発生する期間における標記体感スコアを取得した後に、以下のステップをさらに含む。
【0036】
ステップS11において、前記体感項目が発生する期間における、前記前傾感に関する複数の標記体感スコア、前記揺れ感に関する複数の標記体感スコア及び前記揺動感に関する複数の標記体感スコアを取得する。
【0037】
ステップS12において、前記前傾感に関する複数の標記体感スコア、前記揺れ感に関する複数の標記体感スコア及び前記揺動感に関する複数の標記体感スコアのそれぞれに対する平均値を計算し、標記体感スコアの平均値の分布図を作成する。
【0038】
1つの示例において、特定の期間中に取得された複数の標記体感スコアに対して、統計および分析を行い、体感項目と車両状態間の関連関係を更新する。時間次元に応じて、一定期間に取得された前傾感の複数の体感スコア、揺れ感の複数の体感スコア、および揺動感の複数の体感スコアのそれぞれの平均値を求めてもよい。 例えば、図4に示すように、毎週および毎月の前方傾斜の平均値、揺れ感の平均値、および揺動感の平均値を統計し、体感スコアの平均値が時間の経過とともに変化する曲線を描くことができ、曲線のトレンドより、無人車両の体感項目のトレンドを得ることができる。同時に、毎週および毎月の体感(体感ADE、auto driving experience)の合計スコアを統計することもでき、体感の合計スコアは、ドライバーレスエクスペリエンスのある期間中にユーザーによりスコアリングされた体感の合計スコアを指す。たとえば、「体感の合計スコア5ポイント」という音声で取得することができる。合計スコアが高いほど、ユーザーの無人運転車に乗るエクスペリエンスが向上する。
【0039】
実施形態二
他の実施形態において、図5に示すように、車両性能の評価装置を提供し、当該装置は、
体感項目が発生する期間における標記体感スコアを取得するように構成された標記体感スコア取得モジュール10と、
車両状態を示すための標記体感指標データを記録するように構成された標記体感スコア記録モジュール20と、
前記標記体感スコアと前記標記体感指標データに基づいて、体感と車両状態間の関連関係を得るように構成された関連関係計算モジュール30と、
予め設定された期間における目標体感指標データを取得し、前記目標体感指標データおよび前記体感と車両状態間の関連関係に基づいて目標体感スコアを得るように構成された目標体感スコア計算モジュール40と、
前記目標体感スコアに基づいて車両性能の評価結果を得るように構成された評価結果生成モジュール50と、を含む。
【0040】
1つの実施形態において、図6に示すように、標記体感スコア取得モジュール10は、
体感項目が発生する期間に体感スコアリング音声を取得するように構成された体感スコアリング音声取得ユニット101と、
前記体感スコアリング音声を解析するとともに標記し、前記体感項目に対応するように構成された体感スコアリング音声解析ユニット102と、を含む。
【0041】
1つの実施形態において、図6に示すように、関連関係計算モジュール30は、
予め設定された期間における、複数の標記体感スコアおよび複数の標記体感指標データを統計するように構成されたデータ統計ユニット301と、
各前記標記体感指標データに対応する体感指標変化率をそれぞれ計算するように構成された体感指標変化率計算ユニット302と、
前記体感指標変化率及び前記標記体感スコアを分析し、正相関である前記体感と車両状態間の関連関係を得るように構成された関連関係計算ユニット303と、を含む。
【0042】
1つの実施形態において、図6に示すように、
前記体感項目は、前傾感、揺れ感及び揺動感を含み、
前記車両性能の評価装置は、
前記体感項目が発生する期間における、前記前傾感に関する複数の標記体感スコア、前記揺れ感に関する複数の標記体感スコア及び前記揺動感に関する複数の標記体感スコアを取得するように構成された体感スコア分類モジュール11と、
前記前傾感に関する複数の標記体感スコア、前記揺れ感に関する複数の標記体感スコア及び前記揺動感に関する複数の標記体感スコアのそれぞれに対する平均値を計算し、標記体感スコアの平均値の分布図を作成するように構成された体感スコア平均値計算モジュール12と、を含む。
【0043】
実施形態三
本実施形態において、図7に示すように、車両性能の評価端末を提供し、当該端末は、
メモリ400とプロセッサ500を含み、メモリ400にプロセッサ500で実行可能なコンピュータプログラムが記憶される。プロセッサ500が前記コンピュータプログラムを実行するとき、上記の実施形態における車両性能の評価方法は実現される。メモリ400とプロセッサ500の数は1つであってもよく又は複数であってもよい。
【0044】
当該装置は、メモリ400とプロセッサ500が他のデバイスと通信するために用いられる通信インターフェース600をさらに含む。
【0045】
メモリ400は、高速度RAMメモリを含んでもよく、少なくとも1つの磁気メモリのような不揮発性メモリ(non-volatile memory)を含んでもよい。
【0046】
メモリ400、プロセッサ500、及び通信インターフェース600が個別に実現される場合、メモリ400、プロセッサ500、及び通信インターフェース600は、バスによって相互接続して相互通信を行うことができる。前記バスは、インダストリスタンダードアーキテクチャ(ISA、Industry Standard Architecture)バス、外部デバイス相互接続(PCI、Peripheral ComponentInterconnect)バス、又は拡張インダストリスタンダードアーキテクチャ(EISA、Extended Industry Standard Component)バス等であってもよい。前記バスは、アドレスバス、データバス、制御バス等として分けられることが可能である。表示の便宜上、図7に1本の太線のみで表示するが、バスが1つ又は1種類のみであることを意味しない。
【0047】
任意選択で、具体的な実現において、メモリ400、プロセッサ500及び通信インターフェース600が1つのチップに集積した場合、メモリ400、プロセッサ500、及び通信インターフェース600は、内部インターフェースによって相互通信を行うことができる。
【0048】
実施形態四
本実施形態は、コンピュータプログラムが記憶されるコンピュータ可読記憶媒体を提供し、当該プログラムがプロセッサにより実行される時、上記の実施形態のいずれか1つに記載された方法を実現させる。
【0049】
本明細書において、「1つの実施形態」、「幾つかの実施形態」、「例」、「具体例」或いは「一部の例」などの用語とは、当該実施形態或いは例で説明された具体的特徴、構成、材料或いは特点を結合して、本発明の少なくとも1つの実施形態或いは実施例に含まれることを意味する。また、説明された具体的特徴、構成、材料或いは特点は、いずれか1つ或いは複数の実施形態または例において適切に結合することが可能である。また、矛盾しない限り、当業者は、本明細書の異なる実施形態または例、および、異なる実施形態または例における特徴を結合したり、組み合わせたりすることができる。
【0050】
また、用語「第1」、「第2」とは比較的重要性を示している又は暗示しているわけではなく、単に説明のためのものであり、示される技術的特徴の数を暗示するわけでもない。そのため、「第1」、「第2」で限定される特徴は、少なくとも1つの当該特徴を明示又は暗示的に含むことが可能である。本出願の記載の中において、「複数」の意味とは、明確的に限定される以外に、2つ又は2つ以上を意味する。
【0051】
フローチャート又はその他の方式で説明された、いかなるプロセス又は方法に対する説明は、特定な論理的機能又はプロセスのステップを実現するためのコマンドのコードを実行可能な1つ又はそれ以上のモジュール、断片若しくはセグメントとして理解することが可能であり、さらに、本発明の好ましい実施形態の範囲はその他の実現を含み、示された、又は、記載の順番に従うことなく、係る機能に基づいてほぼ同時にまたは逆の順序に従って機能を実行することを含み、これは当業者が理解すべきことである。
【0052】
フローチャートに示された、又はその他の方式で説明された論理及び/又はステップは、例えば、論理機能を実現させるための実行可能なコマンドのシーケンスリストとして見なされることが可能であり、コマンド実行システム、装置、又はデバイス(プロセッサのシステム、又はコマンド実行システム、装置、デバイスからコマンドを取得して実行することが可能なその他のシステムを含むコンピュータによるシステム)が使用できるように提供し、又はこれらのコマンドを組み合わせて使用するコマンド実行システム、装置、又はデバイスに使用されるために、いかなるコンピュータ可読記憶媒体にも具体的に実現されることが可能である。本明細書において、「コンピュータ可読記憶媒体」は、コマンド実行システム、装置、デバイス、又はこれらのコマンドを組み合わせて実行するシステム、装置又はデバイスが使用できるように提供するため、プログラムを格納、記憶、通信、伝搬又は伝送する装置であってもよい。コンピュータ読み取り可能媒体のより具体的例(非網羅的なリスト)として、1つ又は複数の布配線を含む電気接続部(電子装置)、ポータブルコンピュータディスク(磁気装置)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリー・メモリ(ROM)、消去書き込み可能リード・オンリー・メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバー装置、及びポータブル読み取り専用メモリ(CDROM)を少なくとも含む。また、コンピュータ読み取り可能媒体は、そのうえで前記プログラムを印字できる紙又はその他の適切な媒体であってもよく、例えば紙又はその他の媒体に対して光学的スキャンを行い、そして編集、解釈又は必要に応じてその他の適切の方式で処理して電子的方式で前記プログラムを得、その後コンピュータメモリに記憶することができるためである。
【0053】
なお、本発明の各部分は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの組み合わせによって実現されることができる。上記実施形態において、複数のステップ又は方法は、メモリに記憶された、適当なコマンド実行システムによって実行されるソフトウェア又はファームウェアによって実施されることができる。例えば、ハードウェアによって実現するとした場合、別の実施形態と同様に、データ信号に対して論理機能を実現する論理ゲート回路を有する離散論理回路、適切な混合論理ゲート回路を有する特定用途向け集積回路、プログラマブルゲートアレイ(GPA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などといった本技術分野において公知である技術のうちのいずれか1つ又はそれらの組み合わせによって実現される。
【0054】
当業者は、上記の実施形態における方法に含まれるステップの全部又は一部を実現するのは、プログラムによって対応するハードウェアを指示することによって可能であることを理解することができる。前記プログラムは、コンピュータ読取可能な媒体に記憶されてもよく、当該プログラムが実行されるとき、方法の実施形態に係るステップのうちの1つ又はそれらの組み合わせを含むことができる。
【0055】
また、本発明の各実施形態における各機能ユニットは、1つの処理モジュールに統合されてよく、別個の物理的な個体であってもよく、2つ又は3つ以上のユニットが1つのモジュールに統合されてもよい。上記の統合モジュールは、ハードウェアで実現されてもよく、ソフトウェア機能モジュールで実現されてもよい。上記の統合モジュールが、ソフトウェア機能モジュールで実現され、しかも独立した製品として販売又は使用される場合、コンピュータ読取可能な記憶媒体に記憶されてもよい。前記記憶媒体は読取専用メモリ、磁気ディスク又は光ディスク等であってもよい。
【0056】
上記の記載は、単なる本発明の具体的な実施形態に過ぎず、本発明の保護範囲はそれに限定されることなく、当業者が本発明に開示されている範囲内において、容易に想到し得る変形又は置換は、全て本発明の範囲内に含まれるべきである。そのため、本発明の範囲は、記載されている特許請求の範囲に準じるべきである。
図1
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図5
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図7