(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-08
(45)【発行日】2022-02-17
(54)【発明の名称】デスク及び保持構造
(51)【国際特許分類】
A47B 13/00 20060101AFI20220209BHJP
A47B 13/02 20060101ALI20220209BHJP
A47B 97/00 20060101ALI20220209BHJP
【FI】
A47B13/00 Z
A47B13/02
A47B13/00 B
A47B97/00 M
(21)【出願番号】P 2017213280
(22)【出願日】2017-11-02
【審査請求日】2020-10-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000152228
【氏名又は名称】株式会社内田洋行
(73)【特許権者】
【識別番号】000140007
【氏名又は名称】株式会社稲葉製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100113608
【氏名又は名称】平川 明
(74)【代理人】
【識別番号】100123098
【氏名又は名称】今堀 克彦
(74)【代理人】
【識別番号】100146330
【氏名又は名称】本間 博行
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼澤 彩香
(72)【発明者】
【氏名】丸山 高央
(72)【発明者】
【氏名】立川 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】柳澤 寿宜
(72)【発明者】
【氏名】今村 圭佑
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-080628(JP,A)
【文献】特開2015-085055(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0061783(US,A1)
【文献】中国実用新案第206548109(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 13/00
A47B 13/02
A47B 97/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板と、前記天板の下方に所定の間隔を空けて対向配置されることで被収納物を収納可能な空間であるダクトを形成する一対の立壁と、前記一対の立壁の互いに対向する面から突出形成されるとともに前記ダクトの延在方向に延在する一対の突出部と、
を備えるデスクであって、
前記一対の突出部を上下方向から挟持することによって前記ダクト内に設けられ、前記被収納物を保持可能な保持構造を更に備え、
前記保持構造は、前記一対の突出部間に横架される支持部材と、前記支持部材に支持されるとともに前記被収納物が取り付けられる取付部材と、を有し、前記支持部材と前記取付部材とが係合することによって、前記一対の突出部を上下方向から挟持
し、
前記支持部材は、前記取付部材が係合可能な支持部材側係合部を有し、前記取付部材は、前記支持部材側係合部に係合可能な取付部材側係合部を有し、
取付部材側係合部は、前記支持部材側係合部を差込可能なスリットを有し、
前記支持部材側係合部と前記取付部材側係合部は、前記スリットに前記支持部材側係合部が差し込まれることで係合する、
デスク。
【請求項2】
天板と、前記天板の下方に所定の間隔を空けて対向配置されることで被収納物を収納可能な空間であるダクトを形成する一対の立壁と、前記一対の立壁の互いに対向する面から突出形成されるとともに前記ダクトの延在方向に延在する一対の突出部と、
を備えるデスクであって、
前記一対の突出部を上下方向から挟持することによって前記ダクト内に設けられ、前記被収納物を保持可能な保持構造を更に備え、
前記保持構造は、前記一対の突出部間に横架される支持部材と、前記支持部材に支持されるとともに前記被収納物が取り付けられる取付部材と、を有し、前記支持部材と前記取付部材とが係合することによって、前記一対の突出部を上下方向から挟持
し、
前記一対の立壁のうち少なくとも一方は、前記ダクトの延在方向と平行に設けられた梁
部材によって形成され、
前記一対の突出部のうち、前記梁部材に形成された突出部は、当該梁部材を補強する補強体である、
デスク。
【請求項3】
天板と、前記天板の下方に所定の間隔を空けて対向配置されることで被収納物を収納可能な空間であるダクトを形成する一対の立壁と、前記一対の立壁の互いに対向する面から突出形成されるとともに前記ダクトの延在方向に延在する一対の突出部と、
を備えるデスクであって、
前記一対の突出部を上下方向から挟持することによって前記ダクト内に設けられ、前記被収納物を保持可能な保持構造を更に備え、
前記保持構造は、前記一対の突出部間に横架される支持部材と、前記支持部材に支持されるとともに前記被収納物が取り付けられる取付部材と、を有し、前記支持部材と前記取付部材とが係合することによって、前記一対の突出部を上下方向から挟持
し、
前記支持部材は、前記取付部材が係合可能な支持部材側係合部と、前記一対の突出部の上面に当接することで当該支持部材を前記一対の突出部間に横架させる一対の支持部材側挟持片と、を有し、
前記取付部材は、前記被収納物が接続される接続部と、前記支持部材側係合部に係合可能な取付部材側係合部と、前記一対の突出部間に横架された前記支持部材の前記支持部材側係合部に前記取付部材側係合部が係合することで前記突出部の下面に当接する取付部材側挟持片と、を有し、
前記支持部材側挟持片と前記取付部材側挟持片とが前記一対の突出部を上下方向から挟持する、
デスク。
【請求項4】
前記取付部材は、前記被収納物の前記ダクトの延在方向における両端に接続される一対の取付部材であって、
前記支持部材は、前記被収納物が挿通される開口が形成されたベース部を有し、
前記一対の支持部材側挟持片は、前記ベース部の前記ダクトの幅方向における両縁に延設された一対の支持部材側挟持片であって、
前記支持部材側係合部は、前記開口において前記ダクトの延在方向と平行な縁である一対の対向する第一開口縁を形成し、
前記取付部材側係合部は、前記一対の第一開口縁を差込可能な一対のスリットを有し、
前記支持部材側係合部と前記取付部材側係合部は、前記取付部材が前記開口の内側に入れられた状態で前記スリットに前記第一開口縁が差し込まれることで係合する、
請求項
3に記載のデスク。
【請求項5】
前記一対の取付部材は、前記被収納物が前記開口に挿通されることで、前記開口において前記ダクトの幅方向と平行な縁である一対の対向する第二開口縁に当接する、
請求項
4に記載のデスク。
【請求項6】
前記支持部材は、前記一対の突出部の上面に横架された状態において、前記取付部材と開口カバーとを選択的に支持可能であり、
前記開口カバーは、前記支持部材に支持されることによって前記開口を覆うことが可能である、請求項
4又は
5に記載のデスク。
【請求項7】
前記保持構造は、前記一対の取付部材同士を連結することによって前記被収納物を覆うことができるカバー部材を有する、請求項
4に記載のデスク。
【請求項8】
前記被収納物は、ネットワーク機器である、請求項1から7の何れか一項に記載のデス
ク。
【請求項9】
天板と、前記天板の下方に所定の間隔を空けて対向配置されることで被収納物を収納可能な空間であるダクトを形成する一対の立壁と、前記一対の立壁の互いに対向する面から突出形成されるとともに前記ダクトの延在方向に延在する一対の突出部と、を備えるデスクにおいて、前記一対の突出部を上下方向から挟持することによって前記ダクト内に設けられ、前記被収納物を保持可能な保持構造であって、
前記一対の突出部間に横架される支持部材と、前記支持部材に支持されるとともに前記被収納物が取り付けられる取付部材と、を有し、前記支持部材と前記取付部材とが係合することによって、前記一対の突出部を上下方向から挟持
し、
前記支持部材は、前記取付部材が係合可能な支持部材側係合部を有し、前記取付部材は、前記支持部材側係合部に係合可能な取付部材側係合部を有し、
取付部材側係合部は、前記支持部材側係合部を差込可能なスリットを有し、
前記支持部材側係合部と前記取付部材側係合部は、前記スリットに前記支持部材側係合部が差し込まれることで係合する、
保持構造。
【請求項10】
天板と、前記天板の下方に所定の間隔を空けて対向配置されることで被収納物を収納可能な空間であるダクトを形成する一対の立壁と、前記一対の立壁の互いに対向する面から突出形成されるとともに前記ダクトの延在方向に延在する一対の突出部と、を備えるデスクにおいて、前記一対の突出部を上下方向から挟持することによって前記ダクト内に設けられ、前記被収納物を保持可能な保持構造であって、
前記一対の突出部間に横架される支持部材と、前記支持部材に支持されるとともに前記被収納物が取り付けられる取付部材と、を有し、前記支持部材と前記取付部材とが係合することによって、前記一対の突出部を上下方向から挟持
し、
前記支持部材は、前記取付部材が係合可能な支持部材側係合部と、前記一対の突出部の上面に当接することで当該支持部材を前記一対の突出部間に横架させる一対の支持部材側挟持片と、を有し、
前記取付部材は、前記被収納物が接続される接続部と、前記支持部材側係合部に係合可能な取付部材側係合部と、前記一対の突出部間に横架された前記支持部材の前記支持部材側係合部に前記取付部材側係合部が係合することで前記突出部の下面に当接する取付部材側挟持片と、を有し、
前記支持部材側挟持片と前記取付部材側挟持片とが前記一対の突出部を上下方向から挟持する、
保持構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デスク及び保持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天板と天板の両側端部に設けられて当該天板を支える一対の脚体とを備えるデスクが広く利用されている。また、PC(パーソナル・コンピュータ)等の電子機器の普及に伴い、これらの電子機器及びネットワーク機器をデスクの周囲に配置することが一般化している。例えば多数のパソコンをネットワーク環境に接続するために、ハブやルーター等の機器を使用することが不可欠となる。これに関連して、例えば、特許文献1には、天板に設けた配線ダクトに形成されたL状段部を、ハブが取り付けられるハブの取付金具本体10とL状段部への取付部を有する締付金具とによって上下から挟持することによって、ダクト内で移動及び固定可能に設けられたハブ取付装置が開示されている。
【0003】
特許文献1に記載の技術においてハブ取付装置を設置するためには、まず、L状段部を2組の取付金具本体10,10と締付金具11,13とによって上下から挟持した状態とする。そして、取付金具本体10と締付金具11とをネジ10Bによって固定し、且つ、2組の取付金具本体10,10間にハブを設置するとともにハブを取付金具本体10,10のそれぞれのネジ穴10gに固定する。このようなハブの取付構造においては、取付金具本体10,10のネジ穴10gとハブの取付用ビス穴とが一致するように取り付けピッチの位置出しを行いつつ、ハブをそれぞれの取付金具本体10にネジ固定をする必要がある。即ち、作業者は、ハブの落下に注意しながら取付金具本体とハブとの位置合わせ及び固定を行わなければならった。そのため、ダクト内へのハブの取付作業が煩雑となることや、複数人での取付け作業が必要となること等、種々の問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、デスクにおいて、容易に被収納物をダクト内に収納することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の目的を達成するために、以下の構成を採用した。即ち、本発明は、
天板と、前記天板の下方に所定の間隔を空けて対向配置されることで被収納物を収納可能な空間であるダクトを形成する一対の立壁と、前記一対の立壁の互いに対向する面から突出形成されるとともに前記ダクトの延在方向に延在する一対の突出部と、
を備えるデスクであって、
前記一対の突出部を上下方向から挟持することによって前記ダクト内に設けられ、前記被収納物を保持可能な保持構造を更に備え、
前記保持構造は、前記一対の突出部間に横架される支持部材と、前記支持部材に支持されるとともに前記被収納物が取り付けられる取付部材と、を有し、前記支持部材と前記取付部材とが係合することによって、前記一対の突出部を上下方向から挟持する、
デスクである。
【0007】
更に、前記支持部材は、前記取付部材が係合可能な支持部材側係合部と、前記一対の突
出部の上面に当接することで当該支持部材を前記一対の突出部間に横架させる一対の支持部材側挟持片と、を有し、
前記取付部材は、前記被収納物が接続される接続部と、前記支持部材側係合部に係合可能な取付部材側係合部と、前記一対の突出部間に横架された前記支持部材の前記支持部材側係合部に前記取付部材側係合部が係合することで前記突出部の下面に当接する取付部材側挟持片と、を有し、
前記支持部材側挟持片と前記取付部材側挟持片とが前記一対の突出部を上下方向から挟持してもよい。
【0008】
本発明によると、まず一対の突出部間に支持部材を横架した状態として、その後に支持部材側係合部に取付部材側係合部を係合させることで、保持構造をダクト内に設けることができる。即ち、支持部材と取付部材を順番にダクト内に設置すればよいため、被収納物の取付け位置決めをしながら保持構造を容易にダクト内に取り付けることができる。
【0009】
更に、前記取付部材は、前記被収納物の前記ダクトの延在方向における両端に接続される一対の取付部材であって、
前記支持部材は、前記被収納物が挿通される開口が形成されたベース部を有し、
前記一対の支持部材側挟持片は、前記ベース部の前記ダクトの幅方向における両縁に延設された一対の支持部材側挟持片であって、
前記支持部材側係合部は、前記開口において前記ダクトの延在方向と平行な縁である一対の対向する第一開口縁を形成し、
前記取付部材側係合部は、前記一対の第一開口縁を差込可能な一対のスリットを有し、
前記支持部材側係合部と前記取付部材側係合部は、前記取付部材が前記開口の内側に入れられた状態で前記スリットに前記第一開口縁が差し込まれることで係合してもよい。
【0010】
更に、前記一対の取付部材は、前記被収納物が前記開口に挿通されることで、前記開口において前記ダクトの幅方向と平行な縁である一対の対向する第二開口縁に当接してもよい。
【0011】
これによれば、被収納物を開口に挿通させるのみで、一対の取付部材のダクトの延在方向における移動を規制することができる。即ち、被収納物を開口に挿通させるのみで、取付部材と被収納物との位置決めを行うことができる。
【0012】
更に、前記支持部材は、前記一対の突出部の上面に横架された状態において、前記取付部材と開口カバーとを選択的に支持可能であり、
前記開口カバーは、前記支持部材に支持されることによって前記開口を覆うことが可能であってもよい。
【0013】
これによれば、支持部材を保持構造として用いない場合に開口カバーによって開口を覆うことにより、支持部材を、配線等を載置可能な配線用のトレーとして使用することができる。
【0014】
また、前記一対の立壁のうち少なくとも一方は、前記ダクトの延在方向と平行に設けられた梁部材によって形成され、
前記一対の突出部のうち、前記梁部材に形成された突出部は、当該梁部材を補強する補強体であってもよい。
【0015】
これによれば、既存のデスクに対して、保持構造を取り付けるための特別な部材を設けることなく、ダクト内に被収納物を収納することができる。
【0016】
更に、前記保持構造は、前記一対の取付部材同士を連結することによって前記被収納物を覆うことができるカバー部材を有してもよい。
【0017】
これによれば、被収納物を覆うことによって、被収納物の外面を外部から視認し難くすることができる。その結果、デスクの美観を向上させることができる。
【0018】
また、前記被収納物は、ネットワーク機器であってもよい。
【0019】
また、本発明は、保持構造としても特定することができる。即ち、本発明は、
天板と、前記天板の下方に所定の間隔を空けて対向配置されることで被収納物を収納可能な空間であるダクトを形成する一対の立壁と、前記一対の立壁の互いに対向する面から突出形成されるとともに前記ダクトの延在方向に延在する一対の突出部と、を備えるデスクにおいて、前記一対の突出部を上下方向から挟持することによって前記ダクト内に設けられ、前記被収納物を保持可能な保持構造であって、
前記一対の突出部間に横架される支持部材と、前記支持部材に支持されるとともに前記被収納物が取り付けられる取付部材と、を有し、前記支持部材と前記取付部材とが係合することによって、前記一対の突出部を上下方向から挟持する、
保持構造であってもよい。
【0020】
なお、上記課題を解決するための手段の内容は、本発明の課題や技術的思想を逸脱しない範囲で可能な限り組み合わせることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、デスクにおいて、簡易に被収納物をダクト内に収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、デスクの一例としての連結デスクを示す図である。
【
図3】
図3は、被収納物の一例としてのハブを示す斜視図である。
【
図4】
図4は、連結デスクを構成するデスク体を示す図である。
【
図15A】
図15Aは、取付部材をトレーの第二開口縁に当接させる動作を示す上面図である。
【
図18】
図18は、トレー開口カバー及び配線受を示す図である。
【
図19A】
図19Aは、変形例に係る保持具が片面仕様のデスクのダクト内に取り付けられた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下で説明する実施形態は例示であり、本発明は以下の態様には限定されない。
【0024】
<連結デスク>
図1は、本実施形態に係る連結デスク100の全体斜視図である。また、
図2は、本実施形態に係る連結デスク100の分解図である。
図2に、連結デスク100における、前後、左右、上下を示す。
図1に示すように、連結デスク100では、前後方向に符号1,1で示す2つのデスク体が並んで構成されている。また、連結デスク100には、符号12,12で示す一対の対向するエンド脚体が左右に設けられている。また、
図1に示すように、本実施形態に係る連結デスク100は、複数の天板パネルP1が連結することによって構成されている。本実施形態に係る連結デスク100では、複数の天板パネルP1が左右(幅)方向に2枚、前後(奥行き)方向に2枚配列しており、隣接するパネル同士が連結されている。ここで、一枚の天板パネルP1とその周囲の部材を1つのデスクとしたとき、本実施形態に係る連結デスク100は、連結されたデスクの集合体と捉えることができる。連結デスク100を構成する各デスクは、隣接するデスクと一部の部材を共有している。本実施形態では、便宜上、連結デスク100を構成する天板パネルP1のうち後列の天板パネルP1を含むデスクの集合体をデスク体1Aとして一纏めにし、前列の天板パネルP1を含むデスクの集合体をデスク体1Bとして一纏めにして説明する。デスク体1Bは、デスク体1Aを前後対称としたものと等しい。以下、デスク体1Aとデスク体1Bを区別せずに説明する場合は、単にデスク体1と称する。なお、本実施形態に係る連結デスク100は、デスクの集合体と捉えることができるが、本発明はこれに限定されず、天板が1枚のパネルで構成された単一のデスクであってもよい。
【0025】
図1に示すように、連結デスク100は、前後方向に対向するデスク体1A,1Bと、デスク体1Aとデスク体1Bとの間に形成されて各種の配線を収容可能な空間であるダクト10と、ダクト10を開閉するためのダクトカバー2と、ダクト10内に取り付けられることでハブ200(
図3参照)等の被収納物をダクト10内部に収納可能とするダクト内保持構造(以下、保持構造)30と、を備える。
【0026】
図1、
図2に示すように、デスク体1は、左右方向に並んだ2枚の天板パネルP1が連結することによって形成された平板である天板11と、天板11の下方に設けられて天板11の左右両側端を支持する一対のエンド脚体12,12と、一対のエンド脚体12,12の間に設けられて天板11を下方から支持する中間脚体13と、これらを接続する横梁部材である複数のビーム14とを有する。
【0027】
本実施形態に係る連結デスク100は、デスク体1Aとデスク体1Bとが対向することによって、デスク体1Aのビーム14とデスク体1Bのビーム14との間にダクト10を形成している。ダクト10は、使用者が作業するPCの電源ケーブルや、PCに電源を供給するタップ、電話線やLANケーブルといった通信ケーブル等の、種々のケーブル(配線)Cを収容可能な空間である。本実施形態に係る連結デスク100は、ダクト10内に保持構造30を取り付けることにより、ハブ200をダクト10内に収納することができる。また、連結デスク100及びデスク体1は、デスク体1に設けられた一対のエンド脚
体12,12と天板11とに囲まれることによって区画された下肢空間20を形成している。本実施形態に係る連結デスク100は、例えば、連結デスク100の前後方向に椅子が配置され、天板11上にPCや書類等が載置され、下肢空間20に椅子に着座した使用者の下肢が収容されて用いられる。ここで、以下の説明において、連結デスク100及びデスク体1における「外側」とは、下肢空間20の外部に向かう方向を指す。また、本実施形態に係るエンド脚体12及び中間脚体13を区別せずに説明するときには、単に脚体と称する。
【0028】
<ハブ>
図3は、本発明における被収納部の一例としてのハブ200を示す図である。ハブ200は、いわゆるハブであり、ネットワーク中継機器及び集線装置として機能する。一般的に、ハブは規格化された物が多い。本実施形態に係るダクト内保持構造は、ハブ200として、規格化された既存のものを好適に保持することができる。
図3に、ハブ200の前後、左右、上下を示す。
図3に示すように、ハブ200は、左右幅が前後幅及び上下幅よりも短尺な略直方体状の外形を形成するハブ本体Bと、ハブ本体Bを保持構造30に取り付けるためのマウント金具Mと、を有している。マウント金具Mは、ハブ本体Bの前後面の上端付近に設けられている。マウント金具Mは、平板の1か所を直角に折り曲げてL字形状とした部材である。L字形状を形成する一片は、ハブ本体Bの前後面に接続される接続片M1であり、他片は、保持構造30に接続されるマウント片M2である。マウント金具Mは、マウント片M2がハブ200の上面と平行に突出するようにしてハブ200の側面と接続される。マウント片M2の所定の位置には、マウント片M2を保持構造30に接続するためのマウント穴M3が貫通している。以下の説明において、ハブ本体の前後幅とマウント金具Mにおける接続片M1の厚みとを合わせた長さを第1ハブ長L1、ハブ本体の前後幅とマウント金具Mの前後幅とを合わせた長さを第2ハブ長L2、ハブ200の左右幅をハブ幅W、ハブ200の上下幅をハブ高Hとする。
【0029】
<デスク体>
図4は、デスク体1の全体斜視図である。
図4に、デスク体1における、前後、左右、上下を示す。本実施形態に係るデスク体1については、デスク体1から見て当該デスク体1の使用者が位置する方向を手前側(前方)とし、その逆を奥側(後方)とする。デスク体1の左右方向とは、使用者からデスク体1に向かったときの左右を指す。デスク体1において、エンド脚体12と中間脚体13は、前後方向における前端面の位置が一致するように配置されている。また、デスク体1において、天板11とビーム14は、それらの後端面がエンド脚体12と中間脚体13の後端面よりも前方に位置するようにオフセットして設けられている。以下、デスク体1の各構成について説明する。
【0030】
<天板>
図4に示すように、天板11は、その厚み方向が鉛直方向と一致して設けられるとともに、上面視において矩形状を形成する板部材である。上述したように、天板11は、左右方向に配列した2枚の天板パネルP1が連結することで構成されている。
図2に示すように、天板パネルP1は、上面視において略矩形状を形成する板部材である。天板パネルP1は、その左右の端部がエンド脚体12若しくは中間脚体13の上端面に架設される。天板パネルP1は、左右方向にほぼ隙間なく敷き詰められており、エンド脚体12若しくは中間脚体13の上端と図示しないボルトによって接続される。以下、天板11を構成する3枚の天板パネルP1を、デスク体1における右側から順にパネルP11,P12とする。天板パネルP11と天板パネルP12の左右方向における長さは異なっており、天板パネルP11の方が天板パネルP12よりも長尺となっている。但し、天板11を構成する天板パネルP1の大きさは任意のものとすることができる。詳細については後述するが、天板パネルP11と天板パネルP12の連結は、中間脚体13を介してなされる。なお、天板パネルP1は、その下側に任意のサイズの引き出しを備えてもよい。
【0031】
<エンド脚体>
図4に示すように、エンド脚体12は、その厚み方向がデスク体1の左右方向と一致して設けられるとともに、デスク体1の側面視において矩形状を形成する板部材である。一対のエンド脚体12,12は、左右方向に対向して配置されるとともに、天板11の左右両端部の下面に接続されることによって、天板11を支持する。エンド脚体12の前後方向における幅は、天板11の前後方向における幅よりも大きい。また、前後方向において、エンド脚体12,12の後端面同士が揃っており、天板11の後端面よりも後方に突出している。エンド脚体12,12の連結デスク100における内側の面のうち、天板11の後端面よりも前方の領域には、後述するビーム14が接続される。
【0032】
ここで、天板11の右端部を支持するエンド脚体12をエンド脚体12aと称する。反対に、天板11の左端部を支持するエンド脚体12をエンド脚体12bと称する。エンド脚体12aは、その上端面が天板パネルP11の下面における右端付近に接続されることによって、天板11の右端部を支持する。一方、エンド脚体12bは、その上端面が天板パネルP12の下面における左端付近に接続されることによって、天板11の左端部を支持する。
【0033】
図5は、エンド脚体12aを示す図である。
図5に示すように、エンド脚体12aにおいて天板11の後端面よりも後方に突出する領域には、エンド脚体12aを厚み方向に貫通する穴である配線口としてのダクトエンド口121が形成されていてもよい。ダクトエンド口121は、縦長の矩形状を有している。ダクトエンド口121が形成される位置は、連結デスク100の側面視において、後述するダクト10に対応する位置である。
【0034】
また、エンド脚体12aの下端面には、アジャスタ15を取り付けるための図示しないネジ穴であるアジャスタ取付穴が設けられている。アジャスタ15は、連結デスク100の高さを調整するための部材である。アジャスタ15には、雄ネジが設けられており、雌ネジが切られたアジャスタ取付穴に挿入する深さを変更することによって、連結デスク100の高さを調整することができる。
【0035】
以上、エンド脚体12aについて説明したが、エンド脚体12bについてはエンド脚体12aを前後対称にしたものであるため、詳細な説明は割愛する。また、エンド脚体12は板状のものを示したが、エンド脚体12は、このような形状には限られない。例えば、柱状の部材を適宜組み合わせることによりエンド脚体12を形成するようにしてもよい。なお、エンド脚体12は、必ずしも天板11の左右両端部に接続される必要はない。本実施形態に係るエンド脚体12は、天板11を支持する脚体のうち、デスク体1において最も外側に位置することで下肢空間20を形成する一対の脚体のことを指す。
【0036】
<中間脚体>
図4に示すように、中間脚体13は、一対のエンド脚体12,12の間に配置される柱部材である。中間脚体13は、地面に対して垂直に起立するとともに天板11の下面に接続されることによって、天板11を支持する。
図4に示すように、中間脚体13は、前後方向に延在して天板11を支持する梁状の第1水平部材131aと、第1水平部材131aの後端部の下面に接続されて下方向に延在する柱状の第1鉛直部材131bと、第1鉛直部材131bと所定の間隔を空けて第1水平部材131aの下面に接続されるとともに下方向に延在する柱状の第2鉛直部材132bと、前後方向に延在して第1鉛直部材131bと第2鉛直部材132bの下端面同士を接続する第2水平部材132aと、を有する。
【0037】
図6は、デスク体1における中間脚体13を示す図である。
図6に示すように、第1鉛
直部材131bと第2鉛直部材132bとの間に形成される隙間には、第1鉛直部材131bと第2鉛直部材132bの互いに対向する面の両側端同士を接続する一対の脚体配線カバー133が設けられている。一対の脚体配線カバー133は、第1水平部材131a及び第2水平部材132aに対して所定の隙間を空けて設けられている。この隙間を利用することによって、中間脚体13の内部に配線Cを取り回すことができる。ここで、第1水平部材131aと第1鉛直部材131bと第2鉛直部材132bと脚体配線カバー133とによって中間脚体13の側面に形成された隙間を、ダクト連通路134と称する。ダクト連通路134は、連結デスク100の側面視において、後述するダクト10に対応する位置に形成されている。これにより、中間脚体13に阻害されることなくダクト10内の配線Cを取り回すことができる。
【0038】
また、中間脚体13の下端面、即ち、第2水平部材132aの下端面には、アジャスタ15を取り付けるための図示しないアジャスタ取付穴が設けられている。アジャスタ15の構成及び中間脚体13への取付方法は、エンド脚体12の場合と同様である。
【0039】
図4に示すように、中間脚体13は、天板11を構成する天板パネルP1における左右の端部のうち、エンド脚体12によって支持されていない端部を支持する。具体的には、中間脚体13は、左右に隣接する天板パネルP1に跨るようにして天板11を支持する。本実施形態に係るデスク体1では、中間脚体13は、エンド脚体12によって支持されていない天板パネルP11の左端部と天板パネルP12の右端部とを支持する。より詳細には、中間脚体13の上端面は、天板パネルP11の左端部の下面と天板パネルP12の右端部の下面に接続される。中間脚体13の数は、天板11を構成する天板パネルP1の数量等に応じて、適宜変更されてもよい。
【0040】
<接続金具>
天板パネルP1と脚体は、任意の手段で接続することができる。例えば、平板の1か所を直角に折り曲げてL字形状とした接続金具(図示なし)を介して天板パネルP1と脚体とを接続してもよい。その場合、接続金具の一端をボルトによって天板パネルP1の下面と接続し、他端をボルトによって脚体の側面と接続することで、天板パネルP1と脚体とを連結することができる。
【0041】
<ビーム>
図4に示すように、ビーム14は、いわゆる横梁部材であり、左右の脚体同士を接続することでデスク体1の強度を確保する機能を有する。また、連結デスク100においては、一対のビーム14が対向することで、ダクト10を形成する。ビーム14は、板金材料を曲げ加工した複数の部材が組み合わされることによって、略直方体の外形を有して形成されている。
図7は、ビーム14を示す図である。
図7に示すように、ビーム14は、主に、脚体同士を接続する梁本体141と、梁本体141の内部に設けられて梁本体141を補強する補強体142と、を有する。梁本体141は、板金材料を水平方向に複数回折り曲げることによって略直方体の外形を有して形成されている。具体的には、梁本体141は、左右方向に延在するベース壁1411と、ベース壁1411の上端縁及び下端縁から後方向に延在した一対の対向する上端壁1413,下端壁1414と、ベース壁1411と対向するとともに上端壁1413及び下端壁1414の後端縁から互いに接近するようにして延在した後端壁1412,1412とを有する。後端壁1412,1412同士の間には、開口143が形成されている。梁本体141は、その側端において脚体と接続される。
【0042】
補強体142は、板金材料を水平方向に複数回折り曲げることによって形成され、横断面視において両端がベース壁1411に接続された略コ形状を形成している。より詳細には、補強体142は、ベース壁1411の後面から水平面と平行に後方向へ延在する上側
水平壁1421と、上側水平壁1421を直角に折り曲げることで下方向に延在する鉛直壁1423と、鉛直壁1423を更に直角に折り曲げることで水平面と平行に前方向に延在するとともにベース壁1411に接続される下側水平壁1422と、を有する。ベース壁1411は、本発明における「立壁」の一例である。補強体142は、上下方向においてベース壁1411の中央付近に設けられており、左右方向においては、ベース壁1411の左側端付近から右側端付近まで延在している。補強体142により、ビーム14の梁部材としての強度が確保されている。補強体142は、フランジとも呼ばれる。補強体142は、本発明における「突出部」の一例である。
【0043】
図4に示すように、本実施形態に係るデスク体1は、左右方向における長さが異なる2つビーム14,14によって脚体同士が接続されている。2つのビーム14,14を、デスク体1の右側から順にビーム14a,ビーム14bとする。ビーム14bは、ビーム14aを左右方向に短尺としたものであり、両者の構造は同一である。ビーム14aとビーム14bの左右方向における長さは、それぞれ、天板パネルP11と天板パネルP12の左右方向における長さと対応している。但し、ビーム14の左右方向における長さは適宜変更することができる。ビーム14aは、エンド脚体12aと中間脚体13とを接続し、ビーム14bは、中間脚体13とエンド脚体12bとを接続する。これにより、ビーム14aによって、エンド脚体12aの左側面と中間脚体13を構成する第2鉛直部材132bの右側面とが接続され、ビーム14bによって中間脚体13を構成する第2鉛直部材132bの左側面とエンド脚体12bの右側面とが接続される。なお、ビーム14と脚体との接続は、任意の方法を用いることができる。ビーム14a,14bは、前後方向におい
て、その後端面、即ち、後端壁1412の後面が中間脚体13を構成する第2鉛直部材132bの後端面と略揃うように接続される。前後方向における第2鉛直部材132bの後端面の位置が天板11の後端面の位置と略一致していることにより、前後方向において、ビーム14の後端面の位置と天板11の後端面の位置が略一致している。これにより、ビーム14が第1鉛直部材131bの後端面に対して前方にオフセットされている。また、ビーム14の上端面と天板11の下面との間には、隙間が形成されている。
【0044】
図1に示すように、デスク体1Bは、デスク体1Aを前後対称としたものである。そして、連結デスク100は、デスク体1Aとデスク体1Bとを連結したものである。連結デスク100は、デスク体1Aとデスク体1Bとが、それぞれのエンド脚体12及び中間脚体13の後端面同士が当接した状態で連結されることで構成される。デスク体1Aとデスク体1Bの連結は、図示しない連結部材を介してなされる。このような連結デスク100においては、
図1に示すように、デスク体1Aのビーム14aとデスク体1Bのビーム14aとが対向し、デスク体1Aのビーム14bとデスク体1Bのビーム14bとが対向した状態となっている。上述したように、デスク体1においてビーム14がエンド脚体12及び中間脚体13の後端面に対して後方にオフセットして配置されていることから、対向するビーム14同士の間には、配線Cを収容可能な空間であるダクト10が左右方向に延在して形成されている。
【0045】
図8は、ダクト10の延在方向(連結デスク100における左右方向)におけるダクト10の断面図である。デスク体1においては、エンド脚体12及び中間脚体13の後端面に対して前方にオフセットして配置されていることから、
図8に示すように、天板11同士の間には、隙間が形成されている。これにより、使用者がこの隙間を介してダクト10にアクセス可能となっている。この隙間をダクト開口101と称する。また、
図8に示すように、ダクト10の内部においては、デスク体1Aの補強体142とデスク体1Bの補強体142とが対向している。対向する補強体142,142において、上側水平壁14
21の上面同士が同一平面内にあり、下側水平壁1422の下面同士が同一平面内にある。
【0046】
このようなダクト10は、中間脚体13によって区画されている。そして、ダクト10同士は中間脚体13に形成されたダクト連通路134を介して連通している。なお、エンド脚体12に設けられたダクトエンド口121を介して、連結デスク100の外部からダクト10内に配線Cを引き回すことができる。
【0047】
ここで、
図8に示すように、ダクト10において、対向する梁本体141のベース壁1411同士の間隔を立壁間隔d1とする。また、対向する補強体142,142の鉛直壁1423,1423同士の間隔を突出部間隔d2とする。また、補強体142の厚み、即ち上側水平壁1421の上面と下側水平壁1422の下面との高低差を、突出部厚tとする。
【0048】
<ダクトカバー>
図1に示すように、連結デスク100には、ダクト10に対応するダクト開口101を開閉可能なダクトカバー2が設けられる。ダクトカバー2は、上面視において矩形状を有する板部材であり、対向するビーム14,14の上端壁1413,1413同士の間に横架されたカバー支持部材3(
図2参照)に支持される。
【0049】
<保持構造>
以下、本実施形態に係る保持構造30について説明する。
図9は、連結デスク100において保持構造30がハブ200を収納している状態を示す。なお、
図9では、デスク体1Bの表示を省略している。
図9に示すように、保持構造30は、ダクト10内に設けられてハブ200を保持する保持具301と、保持具301に保持されたハブ200を覆う収納カバー302と、を含んで構成される。保持具301は、更に、ハブ200が取り付けられる一対の取付部材4,4と、ダクト10内に架設されて取付部材4を支持するトレ
ー5と、を有する。また、収納カバー302は、更に、一対のカバー部材7,7を有する
。なお、以下の説明において、ダクト10を構成する一対の対向するビーム14,14の
配列方向をダクト10の幅方向(以下、ダクト幅方向D1)とする。本実施形態において、ダクト幅方向D1は、連結デスク100の前後方向と等しい。また、ダクト幅方向D1に対して水平面内で直交する方向、即ち、ダクト10を構成する一対の対向するビーム14,14の配列方向に対して水平面内で直交する方向を、ダクト10の延在方向(以下、
ダクト延在方向D2)とする。ダクト延在方向D2は、連結デスク100の左右方向と等しい。
図9にダクト幅方向D1及びダクト延在方向D2を示す。以下、保持構造30を構成する各部材について説明する。
【0050】
<トレー>
まず、保持具301を構成するトレー5について説明する。上述したように、トレー5は、ダクト10内に架設されて取付部材4を支持する部材である。トレー5は、本発明における「支持部材」の一例である。
図10Aは、トレー5の全体斜視図である。
図10Aに、トレー5の前後、左右、上下を示す。
図10Bは、
図10AのA-A断面図である。
図10Aに示すように、トレー5は、上面視において前後左右対称な形状を有する。また、トレー5は、板金材料を複数回直角に折り曲げることによって、正面視において下に凸となる形状を形成している。具体的には、トレー5は、上面視において略矩形状の外形を形成するとともに略矩形状の開口を有するベース部51と、ベース部51の両側端の縁に延設された一対のトレー側挟持片52,52と、を有する。
【0051】
ベース部51は、取付部材4と係合する部分である。ベース部51は、上面視において略矩形状の外形を形成する。ベース部51の前後左右における中央には、略矩形状の開口であるトレー開口511が形成されている。トレー開口511は、ハブ200の収納時においてハブ200が挿通される開口である。トレー開口511は、互いに対向する一対の内縁である第一開口縁511a,511aと、第一開口縁511aと直交するととともに
互いに対向する一対の内縁である第二開口縁511b,511bとによって形成されている。第一開口縁511aは、ベース部51におけるトレー側挟持片52が延設されている縁と平行である。即ち、第一開口縁511aは、トレー開口511において左右に位置する内縁である。第二開口縁511bは、トレー開口511において前後に位置する内縁である。第一開口縁511a,511a同士の間隔は、ハブ幅Wよりも長尺となるように設計されている。また、第二開口縁511b,511b同士の間隔は、第1ハブ長L1と取付部材4の板厚とを合わせた寸法よりも若干長尺であり、且つ、第2ハブ長L2よりも短尺となるように設計されている。ここで、ベース部51のうち、トレー開口511における一対の第一開口縁511a,511aを形成する部分を、トレー側係合部51Aと称する。
【0052】
トレー側挟持片52は、後述する取付部材4の取付部材側挟持片42(
図11A参照)とともに補強体142を挟持する部分である。
図10Bに示すように、トレー側挟持片52は、ベース部51の左右両側縁からベース部51に対して垂直に起立する鉛直当接部521と、鉛直当接部521の上縁からベース部51の外側に向かって水平に延在する水平当接部522と、を有する。ここで、一対の鉛直当接部521,521の外側面同士の間
隔は、突出部間隔d2よりも若干短尺となるように設計されている。また、一対の水平当接部522,522の側縁同士の間隔は、立壁間隔d1よりも短尺となるように設計され
ている。
【0053】
<取付部材>
次に、保持具301を構成する一対の取付部材4,4について説明する。上述したよう
に、取付部材4は、トレー5に支持されるとともにハブ200が取り付けられる部材である。
図11Aは、取付部材4の全体斜視図である。
図11Aに取付部材4の前後、左右、上下を示す。
図11Bは、取付部材4の正面図である。また、
図11Cは、取付部材4の上面図である。
図11Aに示すように、取付部材4は、板金材料を複数回直角に折り曲げることによって形成されている。また、
図11A,11Cに示すように、取付部材4は、
左右対称の形状を有する。より具体的には、取付部材4は、その厚み方向が前後方向と一致して設けられるとともに正面視において両側縁に切欠が形成された略矩形状の外形を形成する取付部材側係合部41と、取付部材側係合部41の下縁に延設された取付部材側挟持片42と、取付部材側係合部41の上縁に延設されたハブ接続片43と、を有する。
【0054】
取付部材側係合部41は、トレー5のトレー側係合部51Aと係合する部分である。上述したように、取付部材側係合部41は、正面視において両側縁に切欠が形成された略矩形状の外形を形成している。取付部材側係合部41の左右幅は、トレー5に設けられた一対のトレー側挟持片52,52同士の間隔、即ち、一対の鉛直当接部521,521の互いに対向する面同士の間隔よりも短尺となるように設計されている。また、取付部材側係合部41の左右両側縁が略長方形状に切り欠かれることによって、一対の対向するスリット411,411が形成されている。スリット411は、左右両側縁の中央付近から互いに接近するように水平に延在している。スリット411を形成する内壁であって水平に延在する一対の対向する内壁のうち、上側の内壁を上側水平内壁411aとし、下側の内壁を下側水平内壁411bとする。また、上側水平内壁411aと下側水平内壁411bとを接続するとともに鉛直に延在する内壁を鉛直内壁411cとする。スリット411の上下幅、即ち、上側水平内壁411aと下側水平内壁411bとの間隔は、トレー5のトレー側係合部51Aにおける厚みよりも長尺に設計されている。また、スリット411同士の間隔、即ち、鉛直内壁411c同士の間隔は、トレー開口511における第一開口縁511a,511a同士の間隔よりも若干短尺となるように設計されている。
【0055】
取付部材側挟持片42は、トレー5に設けられたトレー側挟持片52とともに補強体142を挟持する部分である。また、取付部材側挟持片42は、カバー部材7を着脱可能な
構造を有する。
図11Aに示すように、取付部材側挟持片42は、取付部材側係合部41の下縁から前方向に向かって水平に延在しており、上面視において略矩形状を形成している。また、
図11Bに示すように、取付部材側挟持片42は、取付部材側係合部41に対して左右方向に突出している。取付部材側挟持片42の左右幅は、突出部間隔d2よりも長尺であり、且つ、立壁間隔d1よりも短尺となるように設計されている。ここで、取付部材側挟持片42において、取付部材4の左右方向における中央線Lから距離d2/2よりも離れた領域を、挟持領域42Aとする。挟持領域42Aは、即ち、取付部材側挟持片42における左右の両端付近の領域である。また、詳細については後述するが、挟持領域42Aは、補強体142に当接する領域である。また、取付部材側挟持片42における、挟持領域42A以外の領域、即ち、取付部材側挟持片42において中央線Lから距離d2/2以内の領域を、カバー取付領域42Bとする。
【0056】
ここで、
図10Aに示すように、トレー5においてベース部51の前後縁からトレー開口511の第2開口縁までの距離をd4とすると、
図11Cに示すように、取付部材側挟持片42の前後幅は、d4よりも長尺に設計されている。更に、カバー取付領域42Bにおいて、取付部材側挟持片42の後縁から距離d4以上前方に位置する領域には、収納カバー302を取り付けるための複数のカバー取付穴421が貫通している。複数のカバー取付穴421は、左右対称の位置に配置されている。
【0057】
ハブ接続片43は、ハブ200が接続される部分である。
図11Aに示すように、ハブ接続片43は、取付部材側挟持片42と同様に前方向に延在するとともに上面視において矩形状を形成するマウント部431と、マウント部431の前端縁から垂下する垂下部433と、を有する。
【0058】
マウント部431の左右幅は、トレー5に設けられた一対のトレー側挟持片52,52
における鉛直当接部521,521の互いに対向する面同士の間隔よりも短尺となるよう
に設計されている。また、
図11Cに示すように、取付部材4の上面視において、取付部材側挟持片42のカバー取付領域42Bに設けられたカバー取付穴421にマウント部431が重複しないように、マウント部431の前後幅が設計されている。
【0059】
また、マウント部431には、ハブ200を取り付けるためのネジ穴であるハブ取付ネジ穴432が所定のピッチで左右方向に配列している。本実施形態に係る取付部材4は、取付部材4に取り付けるハブ200の数量やダクト幅方向D1におけるハブ200の収納位置を変更することができるように、ハブ取付ネジ穴432の数量及びピッチが設計されている。具体的には、本実施形態に係る取付具には、9つの取付穴が、マウント穴M3のピッチの半分のピッチで配列している。但し、取付穴の数量及びピッチはこれに限定されず、ダクト10の幅や収納するハブ200の数量に応じて適宜変更することができる。
【0060】
図11Bに示すように、垂下部433は、正面視において矩形状を形成している。ここで、取付部材4の正面視において、取付部材側係合部41に設けられたスリット411に垂下部433が重複しないように、垂下部433の上下幅が設計されている。
【0061】
<収納カバー>
次に、保持具301に取り付けられて収納カバー302について説明する。収納カバー302は、保持具301に保持されたハブ200を覆うことによって、ハブ200を外部の衝撃から保護するとともに、連結デスク100の意匠性を向上させることができる。
図9に示すように、収納カバー302は、一対のカバー部材7,7によって構成される。図
12は、カバー部材7の全体斜視図である。
図12に、カバー部材7における前後、左右、上下を示す。
図12に示すように、カバー部材7は、その厚み方向が前後方向と一致するようにして設けられるとともに正面視において略矩形状を形成するカバー板71と、カ
バー板71の左右両端縁から前方向に延在する一対の端板72,72と、端板72,72の上端縁から互いに接近する方向に水平に延在する一対の上板73,73と、を有する。カ
バー板71の上下幅は、ハブ200のハブ高Hよりも長尺となるように設計されている。また、一対の端板72,72同士の間隔は、ハブ200のハブ幅Wよりも長尺となるように設計されている。また、一対の上板73,73には、カバー部材7を取付部材4に取り
付けるためのカバー取付ネジ穴731が設けられている。
【0062】
<組付手順>
次に、本実施形態に係る保持構造30を組み付けてハブ200を収納する手順について説明する。
図13A~
図16Bは、本実施形態に係る保持具301の組み付け手順を説明するための図である。本実施形態に係る保持具301は、ダクト開口101からトレー5をダクト10内に入れて、
図13A-Bに示すトレー5を補強体142間に横架させた状態から、
図14A-Bに示すように一対の取付部材4,4をトレー5に係合させた後に、
図15A-Bに示すように取付部材4を第二開口縁511bに当接させた状態にすることで、ハブ200におけるネジ取付けピッチに合わせる。その後、
図16A-Bに示すようにハブ200をトレー開口511に挿通し、ハブ200を取付部材4に取り付けることで組み付けられる。そして、保持具301に収納カバー302を取り付けることにより、
図9に示す保持構造30が組み付けられる。以下、詳細に説明する。
【0063】
まず、ハブ200を収納したい位置に対応するダクトカバー2を取り外すことによってダクト開口101が開放された状態とする。これにより、ダクト開口101からトレー5をダクト10内に入れることが可能となる。
図13A-Bは、トレー5を補強体142,142間に横架させた状態を示す図である。
図13Aは上面視を示し、
図13Bは
図13Aのダクト延在方向D2におけるA-A断面視を示す。
図13Aに示すように、上面視に
おいてトレー5の姿勢をトレー開口511の第一開口縁511a,511aがダクト延在
方向D2と平行となるようにし、
図13Bに示すように、ベース部51を補強体142,
142同士の間にはめ込むようにして、トレー5を一対の補強体142,142間に横架させる。このとき、トレー側挟持片52における水平当接部522の下面が補強体142における上側水平壁1421の上面と当接することで、トレー5が一対の補強体142,142間に横架された状態となる。
【0064】
更に、鉛直当接部521の外側の面が鉛直壁1423に当接することによって、ダクト幅方向D1において、トレー5が一対の補強体142に挟持された状態となっている。これにより、トレー5のダクト幅方向D1における移動が規制されている。その結果、トレー5の架設状態が維持され、補強体142からトレー5が脱落することが抑制されている。また、この状態では、トレー5をダクト延在方向D2における任意の位置にスライドさせることができる。これにより、ダクト延在方向D2における任意の位置に保持構造30を組み付けることができる。
【0065】
次に、一対の取付部材4,4をトレー5と係合させる。
図14A-Bは、一対の取付部
材4,4をトレー5と係合させる動作を示す図であって、
図14Aは上面視を示し、
図1
4Bは
図14Aのダクト延在方向D2におけるA-A断面視を示す。
図14Aに示すよう
に、取付部材4とトレー5との係合は、取付部材4の取付部材側係合部41に形成された一対のスリット411内にトレー5のトレー側係合部51Aが差し込まれることによってなされる。まず、取付部材4を取付部材側係合部41がダクト幅方向D1に対して傾いた姿勢とすることで、取付部材4をトレー開口511の内側に入れる。その状態で、取付部材側係合部41がダクト幅方向D1と平行となるように水平面内で取付部材4を回転させるとともに、
図14Bに示すように、一対のスリット411,411内にトレー5のトレ
ー側係合部51A,51Aを差し込ませる。このとき、
図14Aに示すように、一対の取
付部材4,4の取付部材側係合部41,41同士が向き合う姿勢となるように取付部材4,
4を回転させる。即ち、一対の取付部材4は、上面視において、カバー取付領域42Bがマウント部431よりも外側に位置する姿勢となる。
図14Bに示すように、スリット411内にトレー5のトレー側係合部51Aが差し込まれることにより、スリット411の上側水平内壁411aがトレー側係合部51Aの上面に当接し、スリット411の鉛直内壁411cがトレー開口511を形成する第二開口縁511bに当接した状態となる。これにより、取付部材4とトレー5とが係合する。この状態では、スリット411の鉛直内壁411cがトレー開口511の第二開口縁511bに当接することで、取付部材4のダクト幅方向D1への移動が規制される。
【0066】
ここで、本実施形態に係る保持構造30は、スリット411の上側水平内壁411aがトレー側係合部51Aの上面に当接した状態における、トレー5の水平当接部522の下面と取付部材側挟持片42の上面との距離が、突出部厚tよりも若干長尺となるように設計されている。これにより、スリット411内にトレー5のトレー側係合部51Aが差し込まれて取付部材4とトレー5とが係合した状態となると、取付部材側挟持片42における挟持領域42Aの上面が補強体142の下側水平壁1422の下面に当接する。その結果、
図14Bに示すように、補強体142がトレー5のトレー側挟持片52,52と取付部材4の取付部材側挟持片42,42とによって上下方向から挟持される。
【0067】
取付部材4とトレー5とが係合した状態では、トレー5においては、水平当接部522の下面に補強体142の上側水平壁1421が当接し、トレー側係合部51Aの上面に取付部材4の上側水平内壁411aが当接することにより、トレー5の上下方向の移動が規制される。また、取付部材4においては、上側水平内壁411aにトレー5のトレー側係合部51Aが当接し、取付部材側挟持片42における挟持領域42Aの上面に補強体142の下側水平壁1422が当接することで、取付部材4の上下方向の移動が規制されている。
【0068】
次に、取付部材4,4を第二開口縁511bに当接させる。
図15A-Bは、一対の取
付部材4,4を第二開口縁511bに当接させる動作を示す図であって、
図15Aは上面視を示し、
図15Bは
図15Aのダクト延在方向D2におけるA-A断面視を示す。
図1
5Aに示すように、取付部材4をトレー5に係合させた状態で、一対の取付部材4,4を
、ダクト延在方向D2において互いに離間するようにトレー開口511内でスライドさせ、それぞれの取付部材側係合部41が一対の第二開口縁511b,511bのそれぞれに
当接した状態にする。これにより、一対の取付部材4,4は、取付部材側係合部41が第
二開口縁511bと当接した状態となる。その結果、上面視において、取付部材4のカバー取付領域42Bがトレー開口511の外側に位置した状態となる。上述したように、トレー開口511の第二開口縁511b,511b同士の間隔が第1ハブ長L1と取付部材
4の板厚とを合わせた寸法よりも若干長尺となるように設計されていることから、取付部材4,が第二開口縁511b,511bに当接することで、トレー開口511にハブ200を挿通させることが可能となる。
【0069】
次に、トレー開口511にハブ200を挿通した状態とし、ハブ200を取付部材4に取り付ける。
図16A-Bは、ハブ200を取付部材4に取り付ける動作を示す図であって、
図16Aは上面視を示し、
図16Bは
図16Aのダクト延在方向D2におけるA-A
断面視を示す。
図16Aに示すように、ハブ200は、上面が上になるように、且つ、その幅方向がダクト幅方向D1一致するようにしてトレー開口511に挿通される。上述したように、トレー開口511の第二開口縁511b,511b同士の間隔は、第2ハブ長
L2よりも小さく設計されていることから、ハブ200から突出するマウント片M2が一対の取付部材4,4のハブ接続片43の上に載置される。これにより、ハブ200が取付部材4,4間に横架される。そして、マウント部431のハブ取付ネジ穴432とマウント片M2のマウント穴M3との位置合わせを、一対の取付部材4,4のそれぞれに対して
行い、図示しないネジ部材をハブ取付ネジ穴432に螺合することによって、マウント片M2をマウント部431に接続する。これにより、ハブ200が取付部材4に取り付けられる。以上のようにして、保持具301が組み付けられるとともに、ハブ200が保持具301に保持された状態となる。なお、上述したように、本実施形態に係る保持構造30は、取付部材4に取り付けるハブ200の数量やダクト幅方向D1におけるハブ200の収納位置を変更することができるように、ハブ取付ネジ穴432の数量及びピッチが設計されている。本実施形態では、
図16A-Bに示すように、例示として、ハブ200を2つ収納している。
【0070】
ここで、
図17は、
図16Aのダクト幅方向D1におけるB-B断面視を示す。
図17に示すように、ハブ200が保持具301に保持された状態では、取付部材4がダクト延在方向D2においてトレー5の第二開口縁511bとトレー開口511に挿通されたハブ200とに挟まれた状態となっている。これにより、ハブ200が保持具301に保持された状態では、取付部材4がそれ以上トレー開口511の内側へ移動することが規制されている。即ち、取付部材4がダクト延在方向D2においてトレー5の第二開口縁511bとハブ200とに挟まれることによって、取付部材4のトレー開口511内における移動が規制されている。その結果、取付部材4とトレー5との係合が維持され、取付部材4がトレー5から脱落することが抑制されている。
【0071】
以上のように、ハブ200が保持具301に保持された状態では、トレー5のダクト幅方向D1への移動が補強体142によって規制され、上下方向の移動が補強体142と取付部材4によって規制されている。また、取付部材4のダクト幅方向D1への移動がトレー5によって規制され、トレー開口511内におけるダクト延在方向D2への移動がトレー5とハブ200によって規制されている。これにより、トレー5が補強体142から脱落することや、取付部材4がトレー5から脱落することが抑制され、保持具301によるハブ200の保持が維持される。
【0072】
また、保持具301が補強体142を上下から挟むようにして補強体142に組み付けられているため、ハブ200を保持した状態で保持具301をダクト延在方向D2にスライドさせることができる。その結果、ダクト10内の任意の位置にハブ200を収納させることができる。
【0073】
更に、本実施形態に係る保持構造30は、収納カバー302を備えることにより、ハブ200を外部の衝撃から保護するとともに、連結デスク100の意匠性を向上させることができる。
図9に示すように、収納カバー302は、一対のカバー部材7,7のそれぞれ
が、一対の取付部材4,4同士を連結することで保持具301に取り付けられる。具体的
には、カバー部材7が有する一対の上板73,73のそれぞれが、一対の取付部材4,4のそれぞれに接続される。即ち、一方の取付部材4にカバー部材7における一方の上板73が接続され、他方の取付部材4に他方の上板73が接続されることで、カバー部材7が保持具301に取り付けられる。取付部材4への上板73の接続は、取付部材4の取付部材側挟持片42に設けられたカバー取付穴421に上板73のカバー取付ネジ穴731を位置合わせし、図示しないネジ部材をカバー取付ネジ穴731に螺合することによってなされる。カバー部材7が取付部材4に取り付けられることによって、カバー板71がハブ200の側面を覆う。保持構造30は、一対のカバー部材7,7を取付部材4に取り付けることによって、ハブ200の両側面を覆うことができる。一般的に、ハブ200は、意匠性が考慮された外観を有していない場合が多い。本実施形態に係る保持構造30は、ダクト10内に収納されたハブ200をカバー部材7によって覆い隠すことができる。これにより、連結デスク100を前後から見たときに、ハブ200の側面を視認され難くすることができる。その結果、連結デスク100の美観を向上させることができる。
【0074】
なお、保持構造30のダクト10からの取り外しは、上記と逆の動作によって容易に行うことができる。即ち、まず、収納カバー302を取り外した状態でハブ200をトレー開口511から抜き取った後に、取付部材4をスライドさせるとともに取付部材4を水平面内で回転させることにより、取付部材4とトレー5との係合を解除すればよい。そうすることにより、取付部材4及びトレー5の上方向への移動の規制が解除され、取付部材4及びトレー5をダクト10内から取り出すことができる。
【0075】
[作用・効果]
以上のように、本実施形態に係る保持構造30は、一対の補強体142,142を上下方向から挟持することでダクト10内に設けられる。これにより、ダクト延在方向D2における任意の位置にハブ200を収納することができる。
【0076】
更に、保持構造30は、一対の補強体142,142の上面に横架されるトレー5と、トレー5に支持されるとともにハブ200が取り付けられる取付部材4と、を含んで構成されている。更に、トレー5は、取付部材4が係合可能なトレー側係合部51Aと、一対の補強体142,142の上面に当接することでトレー5を一対の補強体142,142間に横架させる一対のトレー側挟持片52,52と、を有している。また、取付部材4は、
ハブ200が接続されるハブ接続片43と、トレー側係合部51Aに係合可能な取付部材側係合部41と、一対の補強体142,142の上に横架されたトレー5のトレー側係合
部51Aに取付部材側係合部41が係合することで補強体142の下面に当接する取付部材側挟持片42と、を有している。即ち、本実施形態に係る保持構造30は、まず一対の補強体142,142間にトレー5を横架した状態として、その後にトレー側係合部51Aに取付部材側係合部41を係合させることで、保持構造30をダクト10内に設けることができる。即ち、トレー5と取付部材4を順番にダクト10内に設置することができる。そのため、作業者が一人であっても、保持構造30を容易にダクト10内に取り付けることができる。
【0077】
更に、トレー側係合部51Aは、ハブ200を挿通可能なトレー開口511における第一開口縁511aを形成しており、取付部材側係合部41は、トレー側係合部51Aを差し込み可能なスリット411を有している。そして、トレー側係合部51Aと取付部材側係合部41は、取付部材4が開口の内側に入れられた状態でスリット411に第一開口縁511aが差し込まれることで係合する。これによれば、トレー5と取付部材4との係合が第一開口縁511aとスリット411とによって為されることから、ダクト10内への保持構造30の取付にネジやボルトといった締結部材を用いる必要がない。即ち、本実施形態に係る保持構造30によると、ハブ200の取り付け手順の最後においてハブ200を取付部材4にネジ固定するまでは、ネジ等の締結部材を一切必要としない。その結果、ダクト10内の任意の位置における保持構造30の着脱を容易に行うことができる。そして、トレー開口511のダクト10の延在方向D2における両縁である一対の第二開口縁511b,511bは、ハブ200がトレー開口511に挿通された状態において、一対の取付部材4,4に当接する。これによれば、ハブ200をトレー開口511に挿通させるのみで、一対の取付部材4,4のダクト延在方向D2における移動を規制し、取付部材4とハブ200との位置合わせをすることができる。即ち、本実施形態に係る保持構造30は、トレー開口511の第一開口縁511aを取付部材4とトレー5との係合に利用し、第二開口縁511bを取付部材4とハブ200との位置決めに利用することができる。更に、ハブ200をトレー開口511に挿通させることで、ハブ200から突出するマウント片M2が一対の取付部材4のハブ接続片43の上に載置され、ハブ200が取付部材4,4間に横架される状態となるため、ハブ200の取り付けにおけるハブ200の落下等を抑制することができる。以上のように、本実施形態に係る保持構造30によれば、最終的にハブ200を取付部材4にネジ固定するまでの保持構造30の組み付けにおいてネジ等の締結部材を一切必要とせず、また、ハブ200の取付作業におけるハブ200の落
下等を抑制することができる。その結果、簡易且つ安全にハブ200をダクト10内に収納することができる。
【0078】
更に、本実施形態に係るトレー5は、保持具301として用いない場合には、配線受8として利用することができる。
図18は、本実施形態に係るトレー5を用いた配線受8を示す図である。本実施形態に係るトレー5は、一対の補強体142,142間に横架された状態において、取付部材4と
図18に示すトレー開口カバーを選択的に支持することができる。
図18に示すように、トレー開口カバーは、トレー5に取付部材4が係合していない状態でトレー5のベース部51に載置されることで、トレー開口511を覆うことができる。これにより、トレー5を配線受8として利用することができる。
図18に示すように、配線受8においては、トレー開口カバーによってトレー開口511が覆われているため、配線受8に配線Cを載置することができる。以上のように、本実施形態に係る保持構造30によれば、使用者のニーズに応じて、最適な状態で配線処理を行うことが可能となる。
【0079】
なお、本実施形態に係る保持構造30は、ビーム14を補強するための補強体142を利用してダクト10内にハブ200を収納することができる。即ち、既存のデスクに対して、保持構造30を取り付けるための特別な部材を設けることなく、ダクト10内にハブ200を収納することができる。但し、本実施形態に係る保持構造30は、ビーム14を補強するための補強体142を突出部の一例として、補強体142に対して取り付ける構成としたが、本発明における突出部は上記に限定されない。突出部は、梁部材の補強を目的とするものでなくともよい。また、本実施形態に係るダクト10は、梁部材としてのビーム14によって形成されていなくてもよい。即ち、ダクト10を構成する立壁は、デスクの剛性を確保するための梁部材の一部でなくともよい。
【0080】
<変形例>
図19A-Bは、デスク体1の背面に幕板16を装着することで片面仕様としたデスク体1Cに、変形例に係る保持具301Aが取り付けられた状態を示す図である。
図19Aは上面視を示し、
図19Bは
図19Aのダクト延在方向D2におけるA-A断面視を示す
。本発明に係る保持構造は、一対のデスク体が連結した連結デスクでなく、
図19A-Bに示す、単独のデスク体1Cにも用いることができる。
図19A-Bに示すデスク体1Cは、ビーム14とビーム14と対向して設けられた板部材である幕板16との間にダクト10Aを形成する。また、幕板16には、ビーム14の補強体142と対向する位置に、幕板を補強するための補強体142Aが設けられている。幕板16に設けられた補強体142Aは、基本的な構成をビーム14の補強体142と同一とするため、その詳細な説明については割愛する。変形例に係るダクト10Aの幅は、ダクト10の幅よりも狭く形成されている。変形例に係る保持具301Aは、ダクト幅に合わせて、取付部材4A及びトレー5Aの幅が設計されている。
図19Bに示すように、保持構造30Aは、ビーム14の補強体142と幕板16の補強体142Aを利用して、ダクト10A内に取り付けることができる。
【0081】
なお、本発明に係る保持構造を構成する各部材の材料は、金属製でなくともよい。保持構造は、樹脂材料によって形成されてもよい。また、保持構造内に収納する被収納物として、ハブ以外のネットワーク機器、例えば、サーバやルーター、モデム等を適用してもよい。但し、本発明に係るデスクは、配線を収納可能なダクト内にネットワーク機器を収納することによって、ネットワーク機器と配線とを一つの空間に収めることができる。但し、本発明における被収納物は、ネットワーク機器でなくともよい。保持構造は、電子機器以外の物品、例えばボックスファイルや紙用類等を被収納物として利用してもよい。
【符号の説明】
【0082】
100・・・デスク
1・・・デスク体
11・・・天板
12・・・エンド脚体
13・・・中間脚体
14・・・ビーム
15・・・アジャスタ
2・・・ダクトカバー
3・・・カバー支持部材
4・・・取付部材
5・・・トレー(支持部材)
6・・・トレー開口カバー
7・・・カバー部材
10・・・ダクト
20・・・下肢空間
30・・・保持構造