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特許7021563多連バッグユニットの梱包方法及び多連バッグユニット梱包体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-08
(45)【発行日】2022-02-17
(54)【発明の名称】多連バッグユニットの梱包方法及び多連バッグユニット梱包体
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/00 20060101AFI20220209BHJP
   B65B 63/04 20060101ALI20220209BHJP
   B65D 75/42 20060101ALI20220209BHJP
【FI】
C12M1/00 C
B65B63/04
B65D75/42
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018032353
(22)【出願日】2018-02-26
(65)【公開番号】P2019146507
(43)【公開日】2019-09-05
【審査請求日】2020-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000135036
【氏名又は名称】ニプロ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100118625
【弁理士】
【氏名又は名称】大畠 康
(72)【発明者】
【氏名】野津 遼祐
【審査官】馬場 亮人
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12M 1/00
B65B 63/04
B65D 75/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メインチューブと、
前記メインチューブに沿って右側に一列に並んで配置された所定数のバッグからなる右バッグ群と、
前記メインチューブに沿って左側に一列に並んで配置された所定数のバッグからなる左バッグ群と、
前記バッグの各々と前記メインチューブとを連結する連結チューブと、
を備えた、多連バッグユニットを、折り畳んで梱包する、梱包方法であって、
前記メインチューブを挟んで対向した位置関係にある前記右バッグ群の1個のバッグと前記左バッグ群の1個のバッグとからなる一組のバッグを、重ね合わせて、バッグ重ね体を作製する、重ね合わせ工程と、
前記バッグ重ね体を、小さくまとめて、バッグ小型体を作製する、小型化工程と、
残りの全ての前記一組のバッグについて、前記重ね合わせ工程及び前記小型化工程を繰り返して、全ての前記一組のバッグの各々がバッグ小型体に変わった小型体ユニットを作製する、繰り返し工程と、
前記小型体ユニットを、2個のユニット部に分けるように前記メインチューブの途中にて折り返すとともに、一方の前記ユニット部の前記バッグ小型体が他方の前記ユニット部の前記バッグ小型体に重ならないように前記2個のユニット部を重ね合わせて、コンパクトユニットを作製する、折り重ね工程と、
を有することを特徴とする、多連バッグユニットの梱包方法。
【請求項2】
前記重ね合わせ工程は、前記一組のバッグを各々の前記連結チューブが重なり合わないように重ね合わせる作業を、含んでいる、
請求項1記載の多連バッグユニットの梱包方法。
【請求項3】
前記多連バッグユニットにおいて、
前記バッグは、平面状で矩形を有しており、
対向した位置関係にある前記一組のバッグの各々の前記連結チューブは、前記メインチューブの同じ箇所から前記メインチューブに対して直交方向に延びており、
前記メインチューブ側から、前記一組のバッグの内の前記右バッグ群の前記バッグと前記左バッグ群の前記バッグとを、それぞれ見た場合において、前記連結チューブは、前記バッグの入口縁部の同じ片側に位置しており、
前記重ね合わせ工程は、前記一組のバッグを重ね合わせる前に、前記一組のバッグの各々を持ち上げて前記メインチューブに対して略直交するように変位させる作業を含んでいる、
請求項2記載の多連バッグユニットの梱包方法。
【請求項4】
前記小型化工程は、前記バッグ重ね体をロール状に丸めて前記バッグ小型体を作製する作業を、含んでいる、
請求項1~3のいずれか一つに記載の多連バッグユニットの梱包方法。
【請求項5】
前記バッグ小型体は、前記メインチューブに対して略直交方向に延びている、
請求項4記載の多連バッグユニットの梱包方法。
【請求項6】
前記小型化工程は、前記バッグ重ね体を折り畳んで前記バッグ小型体を作製する作業を、含んでいる、
請求項1~3のいずれか一つに記載の多連バッグユニットの梱包方法。
【請求項7】
前記小型化工程は、前記バッグ小型体をそのままの状態に維持するように留める、留め作業を、含んでいる、
請求項1~6のいずれか一つに記載の多連バッグユニットの梱包方法。
【請求項8】
前記バッグは、液体培地用バッグである、
請求項1~7のいずれか一つに記載の多連バッグユニットの梱包方法。
【請求項9】
前記コンパクトユニットを、袋及び/又は箱に収納する、収納工程を、更に有する、
請求項1~8のいずれか一つに記載の多連バッグユニットの梱包方法。
【請求項10】
メインチューブと、前記メインチューブに沿って右側に一列に並んで配置された所定数のバッグからなる右バッグ群と、前記メインチューブに沿って左側に一列に並んで配置された所定数のバッグからなる左バッグ群と、前記バッグの各々と前記メインチューブとを連結する連結チューブと、を備えた、多連バッグユニットが、梱包された、梱包体であって、
前記多連バッグユニットは、請求項1~9のいずれか一つに記載の梱包方法によって得られた前記コンパクトユニットとして、袋及び/又は箱に収納されている、
ことを特徴とする、多連バッグユニット梱包体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所謂「多連バッグユニット」を折り畳んで梱包する梱包方法、及び、「多連バッグユニット」が折り畳まれて梱包された梱包体、に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば液体培地や他の液体試料等は、バルク品として使用者に納入されて使用される場合が多い。しかしながら、使用者がバルク品の全てを一度に使用することは、希であり、使用者は、一般に、バルク品から必要量の液体培地をその都度取り出して使用している。しかしながら、そのような使用では、バルク品中の液体培地に劣化が生じたりコンタミネーションが生じたりして、取り出される毎の液体培地の間の品質の同等性が担保されない恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-203488号公報
【文献】特許第5474496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、使用者側においてバルク品の液体培地を多数のバッグに小分けして保管することが、検討され、それに使用する「多連バッグユニット」が提案されている。多連バッグユニットは、メインチューブに対して多数のバッグが並列的に連結された構造を、有しており、メインチューブを通して各バッグに液体培地を供給できるようになっている。しかるに、そのような構成の多連バッグユニットは、そのままでは、嵩張り、不安定であり、取扱い難く、よって、滅菌、保管、運搬等の、作業を行うのが、困難であった。
【0005】
本発明は、多連バッグユニットをコンパクト化できる梱包方法、及び、コンパクト化された多連バッグユニットが梱包された梱包体、を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の多連バッグユニットの梱包方法は、
メインチューブと、前記メインチューブに沿って右側に一列に並んで配置された所定数のバッグからなる右バッグ群と、前記メインチューブに沿って左側に一列に並んで配置された所定数のバッグからなる左バッグ群と、前記バッグの各々と前記メインチューブとを連結する連結チューブと、を備えた、多連バッグユニットを、折り畳んで梱包する、梱包方法であって、
前記メインチューブを挟んで対向した位置関係にある前記右バッグ群の1個のバッグと前記左バッグ群の1個のバッグとからなる一組のバッグを、重ね合わせて、バッグ重ね体を作製する、重ね合わせ工程と、
前記バッグ重ね体を、小さくまとめて、バッグ小型体を作製する、小型化工程と、
残りの全ての前記一組のバッグについて、前記重ね合わせ工程及び前記小型化工程を繰り返して、全ての前記一組のバッグの各々がバッグ小型体に変わった小型体ユニットを作製する、繰り返し工程と、
前記小型体ユニットを、2個のユニット部に分けるように前記メインチューブの途中にて折り返すとともに、一方の前記ユニット部の前記バッグ小型体が他方の前記ユニット部の前記バッグ小型体に重ならないように前記2個のユニット部を重ね合わせて、コンパクトユニットを作製する、折り重ね工程と、
を有することを特徴としている。
【0007】
本発明の多連バッグユニット梱包体は、
メインチューブと、前記メインチューブに沿って右側に一列に並んで配置された所定数のバッグからなる右バッグ群と、前記メインチューブに沿って左側に一列に並んで配置された所定数のバッグからなる左バッグ群と、前記バッグの各々と前記メインチューブとを連結する連結チューブと、を備えた、多連バッグユニットが、梱包された、梱包体であって、
前記多連バッグユニットは、本発明の梱包方法によって得られた前記コンパクトユニットとして、袋及び/又は箱に収納されている、
ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の多連バッグユニットの梱包方法によれば、多連バッグユニットを作業性良くコンパクト化でき、したがって、保管時又は運搬時におけるバッグの破損を抑制できる。
【0009】
本発明の多連バッグユニット梱包体によれば、小型の梱包体を実現でき、それによって、滅菌、保管、運搬等の作業性を向上でき、更には、保管時又は運搬時におけるバッグの破損を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の梱包方法の対象物である多連バッグユニットを示す平面図である。
図2図1の多連バッグユニットの斜視図である。
図3】1個の十字分岐管に係る部分の拡大平面図である。
図4】重ね合わせ工程の一作業を示す斜視図である。
図5図4に続く作業を示す斜視図である。
図6】1個のバッグロール体を上流側から見た斜視図である。
図7図6のバッグロール体を下流側から見た斜視図である。
図8】ロール体ユニットの斜視図である。
図9】ロール体ユニットの平面図である。
図10】ロール体ユニットの側面図である。
図11】コンパクトユニットの側面図である。
図12】コンパクトユニットの平面図である。
図13】コンパクトユニットの斜視図である。
図14】袋詰め形態の多連バッグユニット梱包体の透視図である。
図15】箱詰め形態の多連バッグユニット梱包体の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明の梱包方法の対象物である多連バッグユニットを示す平面図である。図2は、同じく斜視図である。この多連バッグユニット10は、メインチューブ1と、メインチューブ1に沿って右側に一列に並んで配置された所定数のバッグ2からなる右バッグ群2Aと、メインチューブ1に沿って左側に一列に並んで配置された所定数のバッグ2からなる左バッグ群2Bと、バッグ2の各々とメインチューブ1とを連結する連結チューブ3と、を備えている。なお、ここでは、所定数を11個とする。バッグ2は、液体培地や他の液体試料等である流動体を収容するためのものである。
【0012】
メインチューブ1は、等間隔に配置された11個の十字分岐管11を経由して、直線状に延びており、入口端部12と出口端部13とを有している。図3は、1個の十字分岐管11に係る部分の拡大平面図である。
【0013】
バッグ2は、平面状で矩形を有しており、図3に示されるように、入口縁部21、底縁部22、及び両側縁部23、24を有している。全ての縁部は、シールされている。なお、入口縁部21は、連結チューブ3と空気抜きチューブ4とを挿通させた状態でシールされている。
【0014】
右バッグ群2Aでは、11個のバッグ2が、メインチューブ1に沿って等間隔で且つ同じ状態で並んでおり、各バッグ2は、連結チューブ3を介してメインチューブ1に連結されている。連結チューブ3は、十字分岐管11の右側分岐部111に連結しており、よって、連結チューブ3は、メインチューブ1に対して直交方向に延びている。
【0015】
左バッグ群2Bでは、11個のバッグ2が、メインチューブ1に沿って等間隔で且つ同じ状態で並んでおり、各バッグ2は、連結チューブ3を介してメインチューブ1に連結されている。連結チューブ3は、十字分岐管11の左側分岐部112に連結しており、よって、連結チューブ3は、メインチューブ1に対して直交方向に延びている。
【0016】
右側分岐部111と左側分岐部112とは、メインチューブ1の同じ箇所から反対側に且つメインチューブ1に対して直交方向に延びているので、右バッグ群2Aと左バッグ群2Bとは、メインチューブ1を挟んで対向した位置関係にある一組のバッグ2を11組構成している。図3は、一組のバッグ2を示している。
【0017】
右バッグ群2Aのバッグ2では、連結チューブ3は入口縁部21の上流側に位置しており、左バッグ群2Bのバッグ2では、連結チューブ3は入口縁部21の下流側に位置している。すなわち、メインチューブ1側から、一組のバッグ2の内の、右バッグ群2Aのバッグ2と左バッグ群2Bのバッグ2とを、それぞれ見た場合、すなわち、右バッグ群2Aに対しては矢印A方向に、及び、左バッグ群2Bに対しては矢印B方向に、見た場合において、連結チューブ3は、バッグ2の入口縁部21の同じ片側に位置している。すなわち、右バッグ群2Aのバッグ2と左バッグ群2Bのバッグ2とは、連結チューブ3に対して千鳥状に配置されている。
【0018】
なお、連結チューブ3の途中には、連結チューブ3を遮断するクランプ51が1個取り付けられており、空気抜きチューブ4の途中には、空気抜きチューブ4を遮断するクランプ52が1個取り付けられている。更に、メインチューブ1においても、十字分岐管11の上流側及び下流側に、メインチューブ1を遮断するクランプ53が1個ずつ取り付けられている。
【0019】
[使用方法]
上記構成の多連バッグユニット10は、次のように使用する。
まず、図1に示されるように、入口端部12に、流動体供給ポンプ71を接続し、出口端部13に、廃物収容袋72を接続する。なお、流動体供給ポンプ71及び廃物収容袋72は、予め接続されていてもよい。
【0020】
次に、流動体供給ポンプ71を作動させる。これにより、流動体が、メインチューブ1、十字分岐管11、及び連結チューブ3を経て、バッグ2へ供給される。このとき、クランプ51、53を選択的に閉じることによって、任意のバッグ2へ流動体を供給できる。
【0021】
次に、流動体が充填されたバッグ2の連結チューブ3のクランプ51を閉じる。そして、所望数のバッグ2への流動体の供給が終了すると、各バッグ2を連結チューブ3にて切断してメインチューブ1から切り離す。
【0022】
こうして、流動体が小分けされた多数のバッグ2が、得られる。
【0023】
このように、上記構成の多連バッグユニット10によれば、流動体を多数のバッグ2に容易に小分けすることができる。しかも、同じユニット10内において流動体を連続して多数のバッグ2へ小分けすることができるので、「全てのバッグ2が同じ流動体を収容している」という品質保証機能を発揮できる。
【0024】
特に、上記構成の多連バッグユニット10は、細胞懸濁液等の生体試料を試験サンプルとして保管するのに適している。すなわち、流動体としては、液体培地の他に、細胞懸濁液、薬液、その他を、挙げることができるが、例えば、細胞懸濁液等の生体試料の場合には、再生医療に使用する細胞懸濁液と同じものを品質管理等の試験サンプルとして保管することが要望されている。例えば、保存容器が原因で細胞懸濁液の汚染が生じている場合には、汚染が発生した保存容器の収容室に接触した細胞懸濁液が、試験サンプルとして保管されている必要があるが、上記構成の多連バッグユニット10は、そのような細胞懸濁液を保管するのに適している。細胞懸濁液等は、非常に高価で、貴重であるので、バッグが破損することによって紛失したり汚染されたりすることが極力抑制される必要があるが、上記構成の多連バッグユニット10によれば、それを実現できる。
【0025】
[梱包方法]
図1に示されているような平面的に広がった状態の多連バッグユニット10を、負荷を加えることなく、保管、運搬等することは、困難である。そこで、本発明は、多連バッグユニット10を、次のようにして折り畳んで梱包している。
【0026】
(1)重ね合わせ工程
まず、右バッグ群2A及び左バッグ群2Bの内、メインチューブ1を挟んで対向した位置関係にある一組のバッグ2を、各々の連結チューブ3が重なり合わないように、重ね合わせて、バッグ重ね体を作製する。
【0027】
すなわち、まず、図4に示されるように、一組のバッグ2の各々を持ち上げてメインチューブ1に対して略直交するように変位させ、図5に示されるように、一組のバッグ2を重ね合わせて、バッグ重ね体20Aを作製する。
【0028】
(2)ロール工程(小型化工程)
次に、バッグ重ね体20Aを、バッグ2の底縁部22側からロール状に丸めていき、図6に示されるように、メインチューブ1に対して略直交方向に延びたバッグロール体(バッグ小型体)20Bを作製する。なお、作製されたバッグロール体20Bは、ロール状のまま維持されるように、接着テープや輪ゴム等で留める。図7は、バッグロール体20Bを下流側から見た斜視図である。
【0029】
(3)繰り返し工程
次に、残りの全ての一組のバッグ2について、上述した重ね合わせ工程及びロール工程を繰り返して、図8に示されるように、全ての一組のバッグ2の各々がバッグロール体20Bに変わったロール体ユニット(小型体ユニット)10Aを作製する。なお、図9は、ロール体ユニット10Aの平面図であり、図10は、ロール体ユニット10Aの側面図である。
【0030】
(4)折り重ね工程
そして、ロール体ユニット10Aを、図11に示されるように、2個のユニット部10Bすなわち上側ユニット部10Bと下側ユニット部10Bとに分けるようにメインチューブ1の途中にて折り返すとともに、上側ユニット部10Bのバッグロール体20Bが下側ユニット部10Bのバッグロール体20Bに重ならないように、すなわち、上側ユニット部10Bのバッグ2と下側ユニット部10Bのバッグ2とが交互になるように、上側ユニット部10Bと下側ユニット部10Bとを重ね合わせて、コンパクトユニット10Cを作製する。なお、図12は、コンパクトユニット10Cの平面図であり、図13は、コンパクトユニット10Cの斜視図である。
【0031】
以上のようにして、多連バッグユニット10を、負荷を加えることなく、コンパクト化できる。
【0032】
(5)収納工程
更に、作製されたコンパクトユニット10Cを、図14に示されるように、そのまま袋61に収納する。これにより、袋詰め形態の多連バッグユニット梱包体10Dが得られる。
【0033】
或いは、更に、袋詰め形態の多連バッグユニット梱包体10Dを、図15に示されるように、そのまま箱62に収納する。これにより、箱詰め形態の多連バッグユニット梱包体10Eが得られる。
【0034】
なお、作製されたコンパクトユニット10Cは、袋61に収納することなく、そのまま箱62に収納してもよい。
【0035】
[効果]
以上のように、本発明の梱包方法によれば、次のような効果を発揮できる。
(a)一組のバッグ2を重ねて丸めることを繰り返した後、メインチューブ1の途中で折り返すだけであるので、作業が簡単である。すなわち、作業性が良い。
【0036】
(b)バッグ重ね体20Aを作製する際に連結チューブ3が重ならないようにしているので、コンパクトユニット10Cにおける嵩高さを低減でき、したがって、コンパクトユニット10Cのコンパクト化を実現できる。特に、図3に示されるように、右バッグ群2Aのバッグ2と左バッグ群2Bのバッグ2とが、連結チューブ3に対して千鳥状に配置されているので、バッグ2を重ね合わせる際に連結チューブ3の捻れを最小限にすることができ、よって、連結チューブ3の破断リスクを抑制できる。
【0037】
(c)全ての一組のバッグ2をバッグロール体20Bに変えて取り扱うので、作業性が良い。
【0038】
(d)全ての一組のバッグ2をバッグロール体20Bに変えるので、コンパクトユニット10Cにおける嵩高さを低減でき、したがって、コンパクトユニット10Cのコンパクト化を実現できる。
【0039】
(e)上側ユニット部10Bと下側ユニット部10Bとを重ね合わせる際に上側ユニット部10Bのバッグロール体20Bと下側ユニット部10Bのバッグロール体20Bとが重ならないようにしているので、コンパクトユニット10Cにおける嵩高さを低減でき、したがって、コンパクトユニット10Cのコンパクト化を実現できる。特に、バッグ2がメインチューブ1に沿って等間隔で並んでいるので、上側ユニット部10Bと下側ユニット部10Bとを重ね合わせる際にバッグ2同士の接触を効果的に防止でき、したがって、良好なコンパクト化を実現できる。
【0040】
したがって、本発明の梱包方法によれば、多連バッグユニット10を作業性良く且つ負荷が加わることなくコンパクト化できる。
【0041】
また、本発明の多連バッグユニット梱包体10D、10Eによれば、次のような効果を発揮できる。
(i)コンパクトユニット10Cにおいて、上側ユニット部10Bのバッグロール体20Bと下側ユニット部10Bのバッグロール体20Bとが、メインチューブ1に沿って交互に位置しているので、上側ユニット部10Bと下側ユニット部10Bとがバッグロール体20Bによって上下に噛み合ったような状態となっている。それにより、コンパクトユニット10Cは、その形態を安定して維持できる。したがって、多連バッグユニット梱包体10D、10Eは、多連バッグユニット10を安定して梱包できる。
【0042】
(ii)コンパクト化された多連バッグユニット10を梱包しているので、小型の梱包体を実現できる。
【0043】
(iii)多連バッグユニット梱包体10D、10Eは、小型であるので、保管、運搬等の作業性を向上でき、また、梱包している多連バッグユニット10の滅菌作業の作業性も向上できる。
【0044】
[変形例]
(1)バッグ2としては、流動体の種類に合わせて、液体培地用バッグ、培養用バッグ、薬品用バッグ、液状生成物用バッグ等を、採用できる。
【0045】
(2)バッグ2の所定数は、11個に限らず、3個以上の任意である。
【0046】
(3)バッグ2では、空気抜きチューブ4は無くてもよい。
【0047】
(4)バッグ2では、空気抜きチューブ4に代えて試料取出し用チューブを設けてもよい。この場合、チューブの先端部は、熱シール等でシールされ、又は、無菌接続用プラグ等に連結される。
【0048】
(5)右バッグ群2A及び左バッグ群2Bにおいて、連結チューブ3は、メインチューブ1に対して必ずしも直交していなくてもよく、メインチューブ1に対して斜め方向に延びていてもよい。
【0049】
(6)バッグ2は、メインチューブ1に沿って、等間隔ではなく不規則な間隔で並んでいてもよい。
【0050】
(7)図3においては、右バッグ群2Aのバッグ2では連結チューブ3は入口縁部21の上流側に位置しており、左バッグ群2Bのバッグ2では連結チューブ3は入口縁部21の下流側に位置しているが、このバッグ2と連結チューブ3との上下流の位置関係は、図3の場合の逆でもよい。或いは、右バッグ群2Aのバッグ2及び左バッグ群2Bのバッグ2共に、連結チューブ3が入口縁部21の上流側に位置してもよく、又は、連結チューブ3が入口縁部21の下流側に位置してもよい。
【0051】
(8)十字分岐管11に代えて、三方活栓等を採用してもよい。これによれば、メインチューブ1及び連結チューブ3にクランプを設ける必要がない。
【0052】
(9)多連バッグユニット10は、流動体供給ポンプ71及び廃物収容袋72が予め接続された状態であっても、上記と同様の梱包方法によって、コンパクト化できる。
【0053】
(10)多連バッグユニット10は、1ユニットのみで使用するだけでなく、出口端部13に更に多連バッグユニット10の入口端部12を接続して、複数ユニットの形態で使用してもよい。
【0054】
(11)連結チューブ3及び空気抜きチューブ4に取り付けるクランプ51、52の個数は、1個に限らず、任意である。また、メインチューブ1において十字分岐管11の上流側及び下流側に取り付けるクランプ53の個数も、1個に限らず、任意である。
【0055】
(12)上記梱包方法の小型化工程では、得られたバッグロール体(バッグ小型体)20Bがメインチューブ1に対して略直交方向に延びているが、得られたバッグロール体20Bはメインチューブ1に対して略直交方向ではなく斜めに延びていてもよい。
【0056】
(13)上記梱包方法の小型化工程では、バッグ重ね体20Aをロール状に丸めてバッグロール体(バッグ小型体)20Bを作製しているが、本発明の梱包方法では、バッグ重ね体20Aを折り畳んでバッグ小型体を作製してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明の梱包方法は、多連バッグユニットをコンパクト化して保管、運搬等の作業性を向上できるので、産業上の利用価値が大である。
【符号の説明】
【0058】
1 メインチューブ 2 バッグ 2A 右バッグ群 2B 左バッグ群
3 連結チューブ 10 多連バッグユニット 10A ロール体ユニット
10B ユニット部 10C コンパクトユニット 20A バッグ重ね体
20B バッグロール 61 袋 62 箱
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15