(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-08
(45)【発行日】2022-02-17
(54)【発明の名称】二次電池及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20220209BHJP
H01M 50/533 20210101ALI20220209BHJP
H01M 50/536 20210101ALI20220209BHJP
H01M 4/66 20060101ALI20220209BHJP
H01M 4/70 20060101ALI20220209BHJP
H01M 50/538 20210101ALI20220209BHJP
H01M 50/54 20210101ALI20220209BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M10/04 W
H01M50/533
H01M50/536
H01M4/66 A
H01M4/70 A
H01M50/538
H01M50/54
(21)【出願番号】P 2018037099
(22)【出願日】2018-03-02
【審査請求日】2020-12-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104732
【氏名又は名称】徳田 佳昭
(74)【代理人】
【識別番号】100164035
【氏名又は名称】村山 正人
(72)【発明者】
【氏名】松政 義高
(72)【発明者】
【氏名】山中 友和
【審査官】守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-294567(JP,A)
【文献】特開2010-282846(JP,A)
【文献】特開2014-212012(JP,A)
【文献】特開2013-165054(JP,A)
【文献】特開2007-026945(JP,A)
【文献】特開2014-203780(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/04
H01M 50/50
H01M 4/66
H01M 4/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製の第1芯体上に第1活物質層が形成された第1電極板と、
積層された前記第1芯体に接合された金属製の第1集電体と、を備えた二次電池であって、
積層された前記第1芯体は、前記第1集電体に接合された接合部を有し、
前記第1集電体に接合されていない部分の1枚の前記第1芯体の厚みと、前記接合部における前記第1芯体の積層数との積をT1としたとき、
前記接合部は、前記第1芯体の積層方向において、T1よりも厚みの小さい第1領域と、T1よりも厚みの大きい第2領域を有する二次電池。
【請求項2】
前記第1領域には凹部が形成され、
前記凹部の底部には平坦部が形成された請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記第2領域は、前記第1集電体から離れるにつれ先細りする形状を有する請求項1又は2に記載の二次電池。
【請求項4】
前記第1芯体は、アルミニウム又はアルミニウム合金製であり、
前記第1領域において最も厚みの小さい部分の厚みをT2とし、
前記第2領域において最も厚みの大きい部分の厚みをT3としたとき、
T2/T1が0.70~0.95であり、
T3/T1が1.02~1.53である請求項1~3のいずれかに記載の二次電池。
【請求項5】
前記第1芯体は、銅又は銅合金製であり、
前記第1領域において最も厚みの小さい部分の厚みをT2とし、
前記第2領域において最も厚みの大きい部分の厚みをT3としたとき、
T2/T1が0.75~0.90であり、
T3/T1が1.10~1.98である請求項1~3のいずれかに記載の二次電池。
【請求項6】
前記第1領域において、互いに接する前記第1芯体同士は拡散接合された請求項1~5のいずれかに記載の二次電池。
【請求項7】
前記第1領域において、前記第1芯体は、前記第1芯体の厚み方向における中央部に、
前記第1芯体が前記第1集電体に接合される際に溶融していない部分を有する請求項1~6のいずれかに記載の二次電池。
【請求項8】
前記第1領域における前記第1芯体間の接合強度は、前記第2領域における前記第1芯体間の接合強度よりも大きい請求項1~7のいずれかに記載の二次電池。
【請求項9】
前記第1領域において最も厚みの小さい部分の厚みT2は、
前記第1集電体において前記第1芯体に接合された部分のうち最も厚みの小さい部分の厚みT4よりも大きい請求項1~8のいずれかに記載の二次電池。
【請求項10】
前記第1領域において最も厚みの小さい部分の厚みをT2とし、
前記第1集電体において前記第1芯体に接合された部分のうち最も厚みの小さい部分の厚みをT4とし、
前記第1集電体において前記第1芯体に接合された部分のうち最も厚みの大きい部分の厚みをT5としたとき、
(T5-T4)は、(T1-T2)よりも大きい請求項1~9のいずれかに記載の二次電池。
【請求項11】
金属製の第1芯体上に第1活物質層が形成された第1電極板と、
積層された前記第1芯体に接合された金属製の第1集電体と、を備えた二次電池の製造方法であって、
積層された前記第1芯体の外面に前記第1集電体を配置する第1工程と、
前記積層された第1芯体と前記第1集電体を、アンビル及びホーンで挟み超音波振動を加えることにより、前記積層された第1芯体と前記第1集電体を接合することにより、前記積層された第1芯体に前記第1集電体と接合された接合部を形成する第2工程と有し、
接合される前の状態における前記第1芯体の1枚の厚みと、前記接合部における前記第1芯体の積層数との積をT1としたとき、
前記第2工程により、前記接合部には、前記第1芯体の積層方向において、T1よりも厚みの小さい第1領域と、T1よりも厚みの大きい第2領域が形成される二次電池の製造方法。
【請求項12】
前記第2工程において、前記第1領域となる部分を構成する金属の一部が、前記第2領域となる部分に移動する請求項11に記載の二次電池の製造方法。
【請求項13】
前記第2工程において、前記第1領域における前記第1芯体は厚み方向の中央部が溶融せず、前記第1芯体の表面同士が拡散結合により接合する請求項11又は12に記載の二次電池の製造方法。
【請求項14】
前記第1領域には凹部が形成され、
前記凹部の底部には平坦部が形成された請求項11~13のいずれかに記載の二次電池の製造方法。
【請求項15】
前記第2領域は、前記第1集電体から離れるにつれ先細りする形状を有する請求項11~14のいずれかに記載の二次電池の製造方法。
【請求項16】
前記第1芯体は、アルミニウム又はアルミニウム合金製であり、
前記第1領域において最も厚みの小さい部分の厚みをT2とし、
前記第2領域において最も厚みの大きい部分の厚みをT3としたとき、
T2/T1が0.70~0.95であり、
T3/T1が1.02~1.53である請求項11~15のいずれかに記載の二次電池の製造方法。
【請求項17】
前記第1芯体は、銅又は銅合金製であり、
前記第1領域において最も厚みの小さい部分の厚みをT2とし、
前記第2領域において最も厚みの大きい部分の厚みをT3としたとき、
T2/T1が0.75~0.90であり、
T3/T1が1.10~1.98である請求項11~15のいずれかに記載の二次電池の製造方法。
【請求項18】
前記第1領域における前記第1芯体間の接合強度は、前記第2領域における前記第1芯体間の接合強度よりも大きい請求項11~17のいずれかに記載の二次電池の製造方法。
【請求項19】
前記第1領域において最も厚みの小さい部分の厚みT2は、
前記第1集電体において前記第1芯体に接合された部分のうち最も厚みの小さい部分の厚みT4よりも大きい請求項11~18のいずれかに記載の二次電池の製造方法。
【請求項20】
前記第1領域において最も厚みの小さい部分の厚みをT2とし、
前記第1集電体において前記第1芯体に接合された部分のうち最も厚みの小さい部分の厚みをT4とし、
前記第1集電体において前記第1芯体に接合された部分のうち最も厚みの大きい部分の厚みをT5としたとき、
(T5-T4)は、(T1-T2)よりも大きい請求項11~19のいずれかに記載の二次電池の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非水電解質二次電池等の二次電池は、ハイブリッド電気自動車、電気自動車、大型蓄電システム等に利用される。
【0003】
これらの二次電池は、金属製の正極芯体上に正極活物質層を有する正極板と金属製の負極芯体上に負極活物質層を有する負極板がセパレータを介して積層ないし巻回された電極体を備える。そして正極端子に電気的に接続された正極集電体が積層された正極芯体に接続され、負極端子に電気的に接続された負極集電体が積層された負極芯体に接続される。
【0004】
正極集電体と正極芯体の接続方法、及び負極集電体と負極芯体の接続方法としては、超音波接合、抵抗溶接、レーザー溶接等が用いられている(下記特許文献1、下記特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5472687号公報
【文献】特開2009-047609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一つの目的は、集電体と積層された芯体の接合部の信頼性の高い二次電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つの形態の二次電池は、
金属製の第1芯体上に第1活物質層が形成された第1電極板と、
積層された前記第1芯体に接合された金属製の第1集電体と、を備えた二次電池であって、
積層された前記第1芯体は、前記第1集電体に接合された接合部を有し、
前記第1集電体に接合されていない部分の1枚の前記第1芯体の厚みと前記接合部における前記第1芯体の積層数との積をT1としたとき、
前記接合部は、前記第1芯体の積層方向において、T1よりも厚みの小さい第1領域と、T1よりも厚みの大きい第2領域を有する。
【0008】
本発明の一つの形態の二次電池の構成であると、集電体と積層された芯体の接合部の信頼性の高い二次電池となる。
【0009】
本発明の一つの形態の二次電池の製造方法は、
金属製の第1芯体上に第1活物質層が形成された第1電極板と、
積層された前記第1芯体に接合された金属製の第1集電体と、を備えた二次電池の製造方法であって、
積層された前記第1芯体の外面に前記第1集電体を配置する第1工程と、
前記積層された第1芯体と前記第1集電体を、アンビル及びホーンで挟み超音波振動を加えることにより、前記積層された第1芯体と前記第1集電体を接合することにより、前
記積層された第1芯体に前記第1集電体と接合された接合部を形成する第2工程と有し、
接合される前の状態における前記第1芯体の1枚の厚みと、前記接合部における前記第1芯体の積層数との積をT1としたとき、
前記第2工程により、前記接合部には、前記第1芯体の積層方向において、T1よりも厚みの小さい第1領域と、T1よりも厚みの大きい第2領域が形成される。
【0010】
本発明の一つの形態の二次電池の製造方法によると、集電体と積層された芯体の接合部の信頼性の高い二次電池を提供できる。
【発明の効果】
【0011】
集電体と積層された芯体の接合部の信頼性の高い二次電池を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態に係る二次電池の電池ケース正面部分と絶縁シート正面部分とを取り除いた電池内部を示す正面図である。
【
図3】(a)は実施形態に係る正極板の平面図である。(b)は実施例に係る負極板の平面図である。
【
図4】積層された芯体と集電体をホーンとアンビルで挟み込む状態を示す図である。
【
図5】正極集電体と積層された正極芯体の接続部近傍の図であり、(a)は正極芯体側の面を示す図であり、(b)は正極集電体側の面を示す図である。
【
図6】
図5(a)におけるVI-VI線に沿った断面図である。
【
図7】負極集電体と積層された負極芯体の接合部近傍の図であり、(a)は負極芯体側の面を示す図であり、(b)は負極集電体側の面を示す図である。
【
図8】
図7(a)におけるVIII-VIII線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下の形態に限定されない。まず、
図1及び
図2を用いて実施形態に係る角形二次電池100の構成を説明する。
【0014】
図1及び
図2に示すように、角形二次電池100は、上方に開口を有する角形外装体1と、当該開口を封口する封口板2を備える。角形外装体1及び封口板2により電池ケース200が構成される。角形外装体1及び封口板2は、それぞれ金属製であり、アルミニウム又はアルミニウム合金製であることが好ましい。角形外装体1内には、正極板と負極板とがセパレータ(いずれも図示省略)を介して巻回された扁平状の巻回電極体3が非水電解質と共に収容される。正極板は、金属製の正極芯体上に正極活物質を含む正極活物質層が形成され、長手方向に沿って正極芯体が露出する正極芯体露出部が形成されたものである。また負極板は、金属製の負極芯体上に負極活物質を含む負極活物質層が形成され、長手方向に沿って負極芯体が露出する負極芯体露出部が形成されたものである。なお、正極芯体はアルミニウム又はアルミニウム合金製であり、負極芯体は銅又は銅合金製であることが好ましい。
【0015】
巻回電極体3は巻回軸が延びる方向の一方端側に正極活物質層が形成されていない正極芯体4aが積層された状態で配置されている。正極芯体4aは巻回されることにより積層された状態となっている。積層された正極芯体4aには正極集電体6が接続されている。なお、正極集電体6はアルミニウム又はアルミニウム合金製であることが好ましい。
巻回電極体3は巻回軸が延びる方向の他方端側に負極活物質層が形成されていない負極芯体5aが積層された状態で配置されている。負極芯体5aは巻回されることにより積層された状態となっている。積層された負極芯体5aには負極集電体8が接続されている。なお、負極集電体8は銅又は銅合金製であることが好ましい。
【0016】
正極端子7は、封口板2の電池外部側に配置される鍔部7aと、封口板2に設けられた貫通穴に挿入される挿入部を有する。正極端子7は金属製であり、アルミニウム又はアルミニウム合金製であることが好ましい。また、負極端子9は、封口板2の電池外部側に配置される鍔部9aと、封口板2に設けられた貫通穴に挿入される挿入部を有する。負極端子9は金属製であり、銅又は銅合金製であることが好ましい。なお、負極端子9が、アルミニウム又はアルミニウム合金製の部分と、銅又は銅合金製の部分とを有していてもよい。この場合、アルミニウム又はアルミニウム合金製の部分が封口板2よりも外側に突出し、銅又は銅合金製の部分が負極集電体8に接続されることが好ましい。
【0017】
正極端子7及び正極集電体6はそれぞれ樹脂製の内部側絶縁部材10、樹脂製の外部側絶縁部材11を介して封口板2に固定される。負極端子9及び負極集電体8はそれぞれ樹脂製の内部側絶縁部材12、樹脂製の外部側絶縁部材13を介して封口板2に固定される。内部側絶縁部材10は封口板2と正極集電体6の間に配置され、外部側絶縁部材11は封口板2と正極端子7の間に配置される。内部側絶縁部材12は封口板2と負極集電体8の間に配置され、外部側絶縁部材13は封口板2と負極端子9の間に配置される。巻回電極体3は絶縁シート14に覆われた状態で角形外装体1内に収容される。封口板2は角形外装体1の開口縁部にレーザー溶接等により溶接接続される。封口板2は電解液注液孔16を有し、この電解液注液孔16は電解液を注液した後、封止栓17により封止される。封口板2には電池内部の圧力が所定値以上となった場合にガスを排出するためのガス排出弁15が形成されている。
【0018】
<電極体の作製>
次に、巻回電極体3の作製方法について説明する。
正極活物質としてのリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物、導電剤、結着剤及び分散媒を含む正極合剤スラリーを作製する。次に、正極芯体4aとしての厚さ15μmの帯状のアルミニウム箔の両面に、正極合剤スラリーを塗布する。その後、正極合剤スラリーを乾燥させ、分散媒を除去する。これにより、正極芯体4aの両面に正極活物質層4bを形成する。そして、正極活物質層4bを所定の充填密度に圧縮し、正極板4とする。
図3(a)は正極板4の平面図である。正極板4は、短辺方向の一方側の端部に正極活物質層4bが形成されていない所定幅の正極芯体露出部を有する。
【0019】
負極活物質としての黒鉛粉末、結着剤、及び分散媒含む負極合剤スラリーを作製する。次に、負極芯体5aとしての厚さ8μmの帯状の銅箔の両面に、負極合剤スラリーを塗布する。その後、負極合剤スラリーを乾燥させ、分散媒を除去する。これにより、負極芯体5aの両面に負極活物質層5bを形成する。そして、負極活物質層5bを所定の充填密度に圧縮し、負極板5とする。
図3(b)は負極板5の平面図である。負極板5は、短辺方向の一方側の端部に負極活物質層5bが形成されていない所定幅の負極芯体露出部を有する。
【0020】
上述の方法で得られた正極板4の正極芯体露出部と負極板5の負極芯体露出部とがそれぞれ対向する電極の活物質層と重ならないようにずらして、ポリエチレン製の多孔質セパレータを間に介在させて巻回し、扁平状に成形する。これにより、一方の端部において正極芯体4aが積層され、他方の端部において負極芯体5aが積層された扁平状の巻回電極体3とする。
【0021】
<封口板への部品取り付け>
次に、正極集電体6、正極端子7、負極集電体8及び負極端子9の封口板2への取り付け方法を、正極側を例に説明する。なお、負極側についても正極側と同様の方法で取り付けを行うことができる。
【0022】
封口板2の電池外部側に外部側絶縁部材11を配置し、封口板2の電池内部側に内部側絶縁部材10及び正極集電体6を配置する。そして、正極端子7の挿入部を電池外部側から、外部側絶縁部材11、封口板2、内部側絶縁部材10及び正極集電体6のそれぞれに設けられた貫通穴に挿入し、挿入部の先端側を正極集電体6上にカシメる。これにより、正極端子7、外部側絶縁部材11、封口板2、内部側絶縁部材10及び正極集電体6が一体的に固定される。なお、正極端子7の挿入部の先端のカシメられた部分を正極集電体6に溶接することが好ましい。
【0023】
<電極体への集電体の取り付け>
次に、巻回電極体3への正極集電体6及び負極集電体8の取り付け方法について説明する。
【0024】
[正極集電体と正極芯体の接続]
厚さ15μmのアルミニウム製の正極芯体4aが60枚積層された部分の一方の外面に厚さ0.8mmのアルミニウム製の正極集電体6を配置する。
次に、
図4に示すように、積層された正極芯体4aと正極集電体6を超音波接合装置のホーン90とアンビル91で挟み込む。このとき、ホーン90は積層された正極芯体4aの外面と接するように配置する。アンビル91は正極集電体6において正極芯体4aと接する面とは反対側の面に接するように配置する。
そして、ホーン90を振動させることにより積層された正極芯体4a同士、及び正極芯体4aと正極集電体6を接合する。超音波接合の条件は特に限定されないが、ホーン荷重1000N~2500N(100kgf~250kgf)、周波数19kHz~30kHz、接合時間200ms~500msで超音波接合を行うことが好ましい。なお、周波数20kHzの場合、ホーン振幅を50%~90%とすることが好ましい。
積層された正極芯体4a及び正極集電体6に超音波振動が加えられることにより、摩擦により正極芯体4a及び正極集電体6の表面の酸化膜が取り除かれ、正極芯体4a同士の間、正極芯体4aと正極集電体6の間が固相接合し、強固に接合される。
【0025】
ホーン90において正極芯体4aと接する面には複数のホーン突起90aが形成されており、ホーン突起90aが積層された正極芯体4aに食い込んだ状態で超音波接合される。
また、アンビル91において正極集電体6と接する面には複数のアンビル突起91aが形成されており、アンビル突起91aが正極集電体6に食い込んだ状態で超音波接合される。
【0026】
積層された正極芯体4aと正極集電体6が超音波接合されることにより、積層された正極芯体4aには正極集電体6と接合された接合部80が形成される。接合部80には複数の凹凸が形成される。また、正極集電体6において積層された正極芯体4aが接合された領域であって、積層された正極芯体4aが配置される側とは反対側の面に複数の集電体凹部6xが形成される。
【0027】
図6は、
図5(a)におけるVI-VI線に沿った断面図である。
正極集電体6と接合されていない部分の正極芯体4a(例えば、正極芯体4aにおいて正極集電体6と対応する部分であって、正極集電体6と接合されていない部分)の1枚の厚みと接合部80における正極芯体4aの積層数の積をT
p1とする。積層された正極芯体4aの接合部80は、T
p1よりも厚みの小さい第1領域80aと、T
p1よりも厚みの大きい第2領域80bを有する。このような構成を有することにより、正極芯体4aに損傷・破断が生じることを抑制でき、且つ正極芯体4aと正極集電体6を強固に接合できる。
【0028】
第1領域80aにおいて、最も厚みの小さい部分の厚みをTp2とする。第2領域80bにおいて、最も厚みの大きい厚みをTp3とする。厚みTp2、厚みTp3は、超音波接合部の適正な剥離強度、導通、外観を満足するために、超音波接合装置のホーン荷重、周波数、ホーン振幅、接合時間の設定で制御する。特にホーン振幅の設定によりコントロールすることが好ましい。
【0029】
第1領域80aにおいては、各正極芯体4a同士が拡散接合されている。各正極芯体4a同士は固相接合であることが好ましい。第1領域80aにおいては、1枚の正極芯体4aの厚み方向における中央部には、超音波接合の際に溶融・凝固していない領域が存在することが好ましい。これにより、第1領域80aにおいて最も厚みが小さい部分の厚みが過剰に小さくなることを効果的に抑制でき、正極芯体4aが損傷・破断することをより効果的に防止できる。例えば、超音波接合前の正極芯体4aの1枚の厚みをTpxとする。そして、第1領域80aに関し、超音波接合後の正極芯体4aの厚み方向において、一方の面側の拡散層と他方の面側の拡散層との間の距離をTpyとする。このとき、Tpy/Tpxが0.5以上であることが好ましく、0.6以上であることがより好ましく、0.8以上であることがさらに好ましい。
【0030】
なお、第1領域80aに形成される芯体凹部80xの数よりも、正極集電体6に形成される集電体凹部6xの数が多いことが好ましい。
【0031】
第1領域80aにおける正極芯体4a同士の接合強度(剥離強度)は、第2領域80bにおける正極芯体4a同士の接合強度(剥離強度)よりも大きいことが好ましい。これにより、積層された正極芯体4aと正極集電体6を強固に接合しつつ、正極芯体4aの損傷・破断をより効果的に抑制できる。
【0032】
第1領域80aに形成される芯体凹部80xの底部には平坦部80x1が形成されることが好ましい。このような構成であると、超音波接合される際、第1領域80aとなる部分に摩擦挙動が促進されて、各正極芯体4a間、正極芯体4aと正極集電体6の間がより強固に接合される。
【0033】
正極芯体4aの積層方向に沿って見たとき、一つの平坦部80x1の面積は、0.010mm2~0.60mm2であることが好ましく、0.01mm2~0.25mm2であることがより好ましく、0.01mm2~0.16mm2であることがさらに好ましい。
また、正極集電体6に形成される集電体凹部6xの底部に平端部が形成されないことが好ましい。あるいは、正極集電体6に形成される集電体凹部6xの底部に形成される一つの平坦部の面積は、一つの平坦部80x1の面積よりも小さいことが好ましい。
【0034】
第2領域80bは、正極集電体6から離れるにつれ先細りする形状を有することが好ましい。これにより、超音波接合の際、第1領域80aとなる部分を構成する金属が伸びて、第2領域80bとなる部分がこの伸びた第1領域80aとなる部分を構成する金属を受け入れやすくなる。よって、正極芯体4aが損傷・破断することをより効果的に抑制できる。なお、第1領域80aに形成された一つの芯体凹部80xと他の芯体凹部80xの間に形成される突出部の頂部を含む部分が第2領域80bとなることが好ましい。
【0035】
なお、第2領域80bでは、正極集電体6から離れるにつれて、正極芯体4a同士の接合強度が低くなる構成とすることができる。このような構成であると、正極芯体4aの損傷・破断をより効果的に抑制できる。例えば、第2領域80bでは、正極芯体4aの積層方向における外面近傍において、正極芯体4a同士の間に隙間が形成されていてもよい。
【0036】
正極芯体4aがアルミニウム又はアルミニウム合金製の場合、第1領域80aにおいて最も厚みの小さい部分の厚みをTp2とし、第2領域80bにおいて最も厚みの大きい部分の厚みをTp3としたとき、Tp2/Tp1が0.70~0.95であり、Tp3/Tp1が1.02~1.53であることが好ましい。これにより、より確実に正極芯体4aの損傷・破損を抑制でき、且つ正極芯体4aと正極集電体6をより強固に接合できる。なお、Tp3/Tp1は1.05~1.23であることがより好ましい。
【0037】
また、第2領域80bにおいて最も厚みの大きい部分の厚みTp3と、第1領域80aにおいて最も厚みの小さい部分の厚みTp2との差(Tp3-Tp2)は、0.8mm以下であることが好ましく、0.1mm~0.5mmであることがより好ましく、0.2mm~0.4mmであることがさらに好ましい。
【0038】
なお、第1領域80aにおいて、積層された正極芯体4aのうち最も正極集電体6から遠い正極芯体4aについて、超音波接合による伸び率Xが20%以下となるように超音波接合を行うことが好ましい。これにより、より確実に正極芯体4aの損傷・破損を抑制できる。なお、伸び率Xは、(超音波接合後の正極芯体4aの長さ-超音波接合前の正極芯体4aの長さ)/(超音波接合前の正極芯体4aの長さ)×100で算出される。
また、第2領域80bにおいて、積層された正極芯体4aのうち最も正極集電体6から遠い正極芯体4aについて、超音波接合による伸び率Yが伸び率Xよりも小さくなるように超音波接合を行うことが好ましい。これにより、より確実に正極芯体4aの損傷・破損を抑制できる。第2領域80bにおいて、積層された正極芯体4aのうち最も正極集電体6から遠い正極芯体4aについて、超音波接合による伸び率Yが5%以下となるように超音波接合を行うことが好ましい。
【0039】
第1領域80aにおいて最も厚みの部分の厚みTp2は、正極集電体6において正極芯体4aと接合された部分のうち、最も厚みの小さい部分の厚みTp4よりも大きいことが好ましい。
【0040】
正極集電体6と接合されていない部分の正極芯体4aの1枚の厚みと接合部80における正極芯体4aの積層数の積をTp1とする。
第1領域80aにおいて最も厚みの小さい部分の厚みをTp2とする。
正極集電体6において正極芯体4aが接合された部分のうち最も厚みの小さい部分の厚みをTp4とする。
正極集電体6において正極芯体4aが接合された部分のうち最も厚みの大きい部分の厚みをTp5とする。
このとき、(Tp5-Tp4)は、(Tp1-Tp2)よりも大きいことが好ましい。
【0041】
正極芯体4aがアルミニウム又はアルミニウム合金製の場合、正極芯体4aの厚みは5μm~30μmであることが好ましく、8μm~25μmであることより好ましく、10μm~20μmであることがさらに好ましい。
また、正極芯体4aがアルミニウム又はアルミニウム合金製の場合、正極芯体4aの積層数は、20層~100層であることが好ましく、30層~90層であることがより好ましく、40層~80層であることがさらに好ましい。
【0042】
正極集電体6がアルミニウム又はアルミニウム合金製の場合、正極集電体6の厚みは0.3mm~2mmであることが好ましく、0.5mm~1.5mmであることより好ましく、0.8mm~1.5mmであることがさらに好ましい。
【0043】
[負極集電体と負極芯体の接続]
厚さ8μmの銅製の負極芯体5aが62枚積層された部分の一方の外面に厚さ0.8m
mの銅製の負極集電体8を配置する。
次に、
図4に示すように、積層された負極芯体5aと負極集電体8を超音波接合装置のホーン90とアンビル91で挟み込む。このとき、ホーン90は積層された負極芯体5aの外面と接するように配置する。アンビル91は負極集電体8において負極芯体5aと接する面とは反対側の面に接するように配置する。
そして、ホーン90を振動させることにより積層された負極芯体5a同士、及び負極芯体5aと負極集電体8を接合する。超音波接合の条件は特に限定されないが、ホーン荷重1000N~2500N(100kgf~250kgf)、周波数19kHz~30kHz、接合時間300ms~800msで超音波接合を行うことが好ましい。なお、周波数20kHzの場合、ホーン振幅を60%~95%とすることが好ましい。
積層された負極芯体5a及び負極集電体8に超音波振動が加えられることにより、摩擦により負極芯体5a及び負極集電体8の表面の酸化膜が取り除かれ、負極芯体5a同士の間、負極芯体5aと負極集電体8の間が固相接合し、強固に接合される。
【0044】
ホーン90において負極芯体5aと接する面には複数のホーン突起90aが形成されており、ホーン突起90aが積層された負極芯体5aに食い込んだ状態で超音波接合される。
また、アンビル91において負極集電体8と接する面には複数のアンビル突起91aが形成されており、アンビル突起91aが負極集電体8に食い込んだ状態で超音波接合される。
【0045】
積層された負極芯体5aと負極集電体8が超音波接合されることにより、積層された負極芯体5aには負極集電体8と接合された接合部81が形成される。接合部81には複数の凹凸が形成される。また、負極集電体8において積層された負極芯体5aが接合された領域であって、積層された負極芯体5aが配置される側とは反対側の面に複数の集電体凹部8xが形成される。
【0046】
図8は、
図7(a)におけるVIII-VIII線に沿った断面図である。
負極集電体8と接合されていない部分の負極芯体5a(例えば、負極芯体5aにおいて負極集電体8と対応する部分であって、負極集電体8と接合されていない部分)の1枚の厚みと接合部81における負極芯体5aの積層数の積をT
n1とする。積層された負極芯体5aの接合部81は、T
n1よりも厚みの小さい第1領域81aと、T
n1よりも厚みの大きい第2領域80bを有する。このような構成を有することにより、負極芯体5aに損傷・破断が生じることを抑制でき、且つ負極芯体5aと負極集電体8を強固に接合できる。
【0047】
第1領域81aにおいて、最も厚みの小さい部分の厚みをTn2とする。第2領域81bにおいて、最も厚みの大きい厚みをTn3とする。厚みTn2、厚みTn3は、超音波接合部の適正な剥離強度、導通、外観を満足するために、超音波接合装置のホーン荷重、周波数、ホーン振幅、接合時間の設定で制御する。特にホーン振幅の設定によりコントロールすることが好ましい。
【0048】
第1領域81aにおいては、各負極芯体5a同士が拡散接合されている。各負極芯体5a同士は固相接合であることが好ましい。第1領域81aにおいては、1枚の負極芯体5aの厚み方向における中央部には、超音波接合の際に溶融・凝固していない領域が存在することが好ましい。これにより、第1領域81aにおいて最も厚みが小さい部分の厚みが過剰に小さくなることを効果的に抑制でき、負極芯体5aが損傷・破断することをより効果的に防止できる。例えば、超音波接合前の負極芯体5aの1枚の厚みをTnxとする。そして、第1領域81aに関し、超音波接合後の負極芯体5aの厚み方向において、一方の面側の拡散層と他方の面側の拡散層との間の距離をTnyとする。このとき、Tny/
Tnxが0.5以上であることが好ましく、0.6以上であることがより好ましく、0.8以上であることがさらに好ましい。
【0049】
なお、第1領域81aに形成される芯体凹部81xの数よりも、負極集電体8に形成される集電体凹部8xの数が多いことが好ましい。
【0050】
第1領域81aにおける負極芯体5a同士の接合強度(剥離強度)は、第2領域81bにおける負極芯体5a同士の接合強度(剥離強度)よりも大きいことが好ましい。これにより、積層された負極芯体5aと負極集電体8を強固に接合しつつ、負極芯体5aの損傷・破断をより効果的に抑制できる。
【0051】
第1領域81aに形成される芯体凹部81xの底部には平坦部81x1が形成されることが好ましい。このような構成であると、超音波接合される際、第1領域81aとなる部分に摩擦挙動が促進されて、各負極芯体5a間、負極芯体5aと負極集電体8の間がより強固に接合される。
【0052】
負極芯体5aの積層方向に沿って見たとき、一つの平坦部81x1の面積は、0.01mm2~0.60mm2であることが好ましく、0.01mm2~0.25mm2であることがより好ましく、0.01mm2~0.16mm2であることがさらに好ましい。
また、負極集電体8に形成される集電体凹部8xの底部に平端部が形成されないことが好ましい。あるいは、負極集電体8に形成される集電体凹部8xの底部に形成される一つの平坦部の面積は、一つの平坦部81x1の面積よりも小さいことが好ましい。
【0053】
第2領域81bは、負極集電体8から離れるにつれ先細りする形状を有することが好ましい。これにより、超音波接合の際、第1領域81aとなる部分を構成する金属が伸びて、第2領域81bとなる部分がこの伸びた第1領域81aとなる部分を構成する金属を受け入れやすくなる。よって、負極芯体5aが損傷・破断することをより効果的に抑制できる。なお、第1領域81aに形成された一つの芯体凹部81xと他の芯体凹部81xの間に形成される突出部の頂部を含む部分が第2領域81bとなることが好ましい。
【0054】
なお、第2領域81bでは、負極集電体8から離れるにつれて、負極芯体5a同士の接合強度が低くなる構成とすることができる。このような構成であると、負極芯体5aの損傷・破断をより効果的に抑制できる。例えば、第2領域81bでは、負極芯体5aの積層方向における外面近傍において、負極芯体5a同士の間に隙間が形成されていてもよい。
【0055】
負極芯体5aが銅は銅合金製の場合、第1領域81aにおいて最も厚みの小さい部分の厚みをTn2とし、第2領域81bにおいて最も厚みの大きい部分の厚みをTn3としたとき、Tn2/Tn1が0.70~0.95であり、Tn3/Tn1が1.10~1.98であることが好ましい。これにより、より確実に負極芯体5aの損傷・破損を抑制でき、且つ負極芯体5aと負極集電体8をより強固に接合できる。なお、Tn3/Tn1は1.27~1.42であることがより好ましい。
【0056】
また、第2領域81bにおいて最も厚みの大きい部分の厚みTn3と、第1領域81aにおいて最も厚みの小さい部分の厚みTn2との差(Tn3-Tn2)は、0.8mm以下であることが好ましく、0.1mm~0.5mmであることがより好ましく、0.2mm~0.4mmであることがさらに好ましい。
【0057】
なお、第1領域81aにおいて、積層された負極芯体5aのうち最も負極集電体8から遠い負極芯体5aについて、超音波接合による伸び率Yが20%以下となるように超音波接合を行うことが好ましい。これにより、より確実に負極芯体5aの損傷・破損を抑制で
きる。なお、伸び率Yは、(超音波接合後の負極芯体5aの長さ-超音波接合前の負極芯体5aの長さ)/(超音波接合前の負極芯体5aの長さ)×100で算出される。
また、第2領域81bにおいて、積層された負極芯体5aのうち最も負極集電体8から遠い負極芯体5aについて、超音波接合による伸び率Yが伸び率Xよりも小さくなるように超音波接合を行うことが好ましい。これにより、より確実に負極芯体5aの損傷・破損を抑制できる。第2領域81bにおいて、積層された負極芯体5aのうち最も負極集電体8から遠い負極芯体5aについて、超音波接合による伸び率Yが5%以下となるように超音波接合を行うことが好ましい。
【0058】
第1領域81aにおいて最も厚みの部分の厚みTn2は、負極集電体8において負極芯体5aと接合された部分のうち、最も厚みの小さい部分の厚みTn4よりも大きいことが好ましい。
【0059】
負極集電体8と接合されていない部分の負極芯体5aの1枚の厚みと接合部81における負極芯体5aの積層数の積をTn1とする。
第1領域81aにおいて最も厚みの小さい部分の厚みをTn2とする。
負極集電体8において負極芯体5aが接合された部分のうち最も厚みの小さい部分の厚みをTn4とする。
負極集電体8において負極芯体5aが接合された部分のうち最も厚みの大きい部分の厚みをTn5とする。
このとき、(Tn5-Tn4)は、(Tn1-Tn2)よりも大きいことが好ましい。
【0060】
負極芯体5aが銅又は銅合金製の場合、負極芯体5aの厚みは5μm~30μmであることが好ましく、5μm~20μmであることより好ましく、6μm~15μmであることがさらに好ましい。
また、負極芯体5aが銅又は銅合金製の場合、負極芯体5aの積層数は、20層~100層であることが好ましく、30層~90層であることがより好ましく、40層~80層であることがさらに好ましい。
【0061】
負極集電体8が銅又は銅合金製の場合、負極集電体8の厚みは0.3mm~2mmであることが好ましく、0.5mm~1.5mmであることより好ましく、0.8mm~1.0mmであることがさらに好ましい。
【0062】
[実施例1~5]
厚さ15μmのアルミニウム製の正極芯体4aを60枚積層し、厚さ0.8mmのアルミニウム製の正極集電体6と、それぞれ異なる条件で超音波接合し、実施例1~5とした。実施例1~5における条件及び結果を表1に示す。
なお、表1において、「ホーン荷重(N)」、「ホーン振幅(%)」「接合時間(ms)」はそれぞれ超音波接合の条件を示す。なお、周波数はいずれも20kHzである。
実施例1~5において、ホーン90のホーン突起90aの高さは0.26mmであり、アンビル91のアンビル突起91a高さは0.36mmのものを用いた。
【0063】
また、接合部抵抗値は、以下の方法で測定した。
正極芯体4aにおいてホーン90のホーン突起90aと接触した部分と、正極集電体6においてアンビル91のアンビル突起91aと接触した部分の間の交流抵抗値を測定した。
【0064】
【0065】
表1に示すように、Tp2/Tp1が0.70~0.95であり、Tp3/Tp1が1.05~1.23の場合、正極芯体4aに破断が生じることなく、正極芯体4a同士及び正極芯体4aと正極集電体6が強固に接合されることを確認できた。
【0066】
[実施例6~8]
厚さ8μmの銅製の負極芯体5aを62枚積層し、厚さ0.8mmの銅製の負極集電体8と、それぞれ異なる条件で超音波接合し、実施例6~8とした。実施例6~8における条件及び結果を表2に示す。
なお、表2において、「ホーン荷重(N)」、「ホーン振幅(%)」「接合時間(ms)」はそれぞれ超音波接合の条件を示す。なお、周波数はいずれも20kHzである。
なお、実施例6~8において、ホーン90のホーン突起90aの高さは0.26mmであり、アンビル91のアンビル突起91a高さは0.36mmのものを用いた。
【0067】
また、接合部抵抗値は、以下の方法で測定した。
負極芯体5aにおいてホーン90のホーン突起90aと接触した部分と、負極集電体8においてアンビル91のアンビル突起91aと接触した部分の間の交流抵抗値を測定した。
【表2】
【0068】
表2に示すように、Tn2/Tn1が0.75~0.90であり、Tn3/Tn1が1.27~1.42の場合、負極芯体5aに破断が生じることなく、負極芯体5a同士及び負極芯体5aと負極集電体8が強固に接合されることを確認できた。
【0069】
≪その他≫
電極体は、複数枚の正極板と複数の負極板が積層された積層型電極体であってもよいし、帯状の正極板と帯状の負極板が巻回された巻回型電極体であってもよい。
【0070】
上述の実施形態においては、帯状の芯体露出部が巻回されることにより、芯体が積層される例を示したが、これに限定されない。帯状の極板に複数の芯体露出部が形成され、この複数の芯体露出部が積層されることにより、芯体が積層された状態となっていてもよい。あるいは、複数枚の正極板と複数枚の負極板を含む積層型電極体において、それぞれの極板の芯体が積層されていてもよい。
【0071】
ホーン突起90a及びアンビル突起91aの形状は特に限定されない。ホーン突起90
a及びアンビル突起91aの形状としては、円錐、先端部が切り落とされた円錐、多角錐、先端部が切り落とされた多角錐、円筒、球形等が考えられる。なお、ホーン突起90aの形状と、アンビル突起91aの形状は同じであっても良いし、異なっていても良い。また、ホーン突起90aの数、及びアンビル突起91aの数は適宜調整できる。
【符号の説明】
【0072】
100・・・角形二次電池
200・・・電池ケース
1・・・角形外装体
2・・・封口板
3・・・巻回電極体
4・・・正極板
4a・・・正極芯体
4b・・・正極活物質層
5・・・負極板
5a・・・負極芯体
5b・・・負極活物質層
6・・・正極集電体
6x・・・集電体凹部
7・・・正極端子
7a・・・鍔部
8・・・負極集電体
8x・・・集電体凹部
9・・・負極端子
9a・・・鍔部
10・・・内部側絶縁部材
11・・・外部側絶縁部材
12・・・内部側絶縁部材
13・・・外部側絶縁部材
14・・・絶縁シート
15・・・ガス排出弁
16・・・電解液注液孔
17・・・封止栓
80、81・・・接合部
80a、81a・・・第1領域
80b、81b・・・第2領域
80x、81x・・・芯体凹部
80x1、81x1・・・平坦部
90・・・ホーン
90a・・・ホーン突起
91・・・アンビル
91a・・・アンビル突起