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特許7021611イグニッション操作用アクチュエータ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-08
(45)【発行日】2022-02-17
(54)【発明の名称】イグニッション操作用アクチュエータ装置
(51)【国際特許分類】
   G01M 17/007 20060101AFI20220209BHJP
【FI】
G01M17/007 D
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018137393
(22)【出願日】2018-07-23
(65)【公開番号】P2020016441
(43)【公開日】2020-01-30
【審査請求日】2021-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000006105
【氏名又は名称】株式会社明電舎
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100104938
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜澤 英久
(74)【代理人】
【識別番号】100210240
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 友幸
(72)【発明者】
【氏名】高橋 利道
(72)【発明者】
【氏名】小林 正
(72)【発明者】
【氏名】有吉 健太
【審査官】岩永 寛道
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-228344(JP,A)
【文献】特開2010-096711(JP,A)
【文献】特開2010-175297(JP,A)
【文献】実開平06-010843(JP,U)
【文献】米国特許第05602450(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 17/00-17/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動部および該駆動部の動作により移動して車両のプッシュ式のイグニッションボタンを押圧操作する押圧部材を有するアクチュエータと、
車室内にアームを介して支持され、かつ上記アクチュエータを上記イグニッションボタンが配置された車両側パネルへ向けて付勢するプリロードユニットと、
を備え、
上記プリロードユニットは、
上記アームに支持されるベース部材と、
このベース部材に対し上記付勢方向に沿ってスライド可能に組み合わせられ、かつ上記アクチュエータが取り付けられる可動部材と、
上記ベース部材と上記可動部材との間に設けられ、上記可動部材を上記車両側パネルへ向けて付勢するスプリングと、
を備えてなるイグニッション操作用アクチュエータ装置。
【請求項2】
上記プリロードユニットが、
上記スプリングがばね力を蓄えるように上記可動部材を上記ベース部材に対し上記付勢方向と反対側へスライドさせた位置で、上記可動部材を上記ベース部材に対しロックする、解除可能なロック機構をさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載のイグニッション操作用アクチュエータ装置。
【請求項3】
上記プリロードユニットが、上記可動部材もしくは上記ベース部材に固定されたスプリングガイドボルトを備え、
上記スプリングは、上記スプリングガイドボルトの外周に嵌合して保持されるコイルスプリングからなる、ことを特徴とする請求項1または2に記載のイグニッション操作用アクチュエータ装置。
【請求項4】
上記スプリングガイドボルトは、上記可動部材もしくは上記ベース部材の一方に設けられた第1および第2のスプリングサポート部に両端部が支持されており、
上記可動部材もしくは上記ベース部材の他方に設けられたスプリング受け部の貫通孔を上記スプリングガイドボルトがスライド可能に貫通しており、
上記コイルスプリングは、上記第1のスプリングサポート部と上記スプリング受け部との間に圧縮状態でもって配設されている、ことを特徴とする請求項3に記載のイグニッション操作用アクチュエータ装置。
【請求項5】
上記スプリングは、一対のコイルスプリングからなり、
上記ベース部材と上記可動部材とを直線状にスライド可能に案内するガイド機構の両側でかつ該ガイド機構よりも外側の位置に、上記コイルスプリングがそれぞれ配置されている、ことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のイグニッション操作用アクチュエータ装置。
【請求項6】
上記アクチュエータは、
上記押圧部材と、
上記駆動部と、
この駆動部の動作により軸方向に移動して上記押圧部材を前後進させるプッシュロッドと、
上記押圧部材と上記プッシュロッドとの間に設けられた緩衝用スプリングと、
を備え、
上記緩衝用スプリングは、上記プリロードユニットにおける上記スプリングよりも小さなばね定数を有する、ことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のイグニッション操作用アクチュエータ装置。
【請求項7】
上記アクチュエータの先端部に、上記押圧部材を囲むとともに先端が上記スプリングのばね力によって上記車両側パネルに圧接する筒状部材が設けられている、ことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載のイグニッション操作用アクチュエータ装置。
【請求項8】
上記筒状部材は、アクチュエータハウジングに対して上記付勢方向に沿って位置調整可能に取り付けられている、ことを特徴とする請求項7に記載のイグニッション操作用アクチュエータ装置。
【請求項9】
上記筒状部材は、透明材料にて形成されており、
さらに、上記イグニッションボタンを覆う先端側部分に、手指の挿入が可能な切欠部が形成されている、ことを特徴とする請求項7または8に記載のイグニッション操作用アクチュエータ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばシャシダイナモメータを用いて車両の走行試験を行うような場合に使用されるイグニッション操作用アクチュエータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばシャシダイナモメータを用いて車両の走行試験を行う場合、車両のイグニッションスイッチの操作は、イグニッション操作用アクチュエータ装置を介して行われる。このイグニッション操作用アクチュエータ装置は、走行試験に必要な種々の操作を運転者に代わって行ういわゆるドライブロボット(登録商標、以下同じ)の一部を構成しており、例えば運転席上に固定されるドライブロボットユニットから車両のダッシュパネルへ向かって延びたアームの先端にアクチュエータが支持された構成となっている。
【0003】
従前のイグニッションスイッチは、板状のキーをシリンダーキーの鍵穴に差し込んで回転操作する回転型の構成が多く採用されていたが、近年の車両では、直径2~3cm程度の円形のイグニッションボタンを押圧操作することでイグニッションスイッチのON・OFFを行うプッシュ式の構成が多く採用されている。
【0004】
このようなプッシュ式のイグニッションスイッチを具備する車両に対しては、当然のことながら、イグニッションボタンを押圧操作するイグニッション操作用アクチュエータ装置が必要となる。
【0005】
特許文献1には、プッシュ式のイグニッションスイッチに対応したイグニッション操作用アクチュエータ装置が開示されている。このイグニッション操作用アクチュエータ装置では、アームの先端に支持されたアクチュエータが半球状の押圧部材を備えており、カムの作用によりこの押圧部材が突出方向に移動することで、車両のイグニッションボタンが押圧操作される。また特許文献1のアクチュエータ装置では、押圧部材の周囲に、イグニッションボタン周囲のパネル面に先端が当接する筒状のガイド部材が設けられている。このガイド部材は、ダッシュパネルのパネル面に当接することで、アームの先端に片持ち状に支持されたアクチュエータの位置精度の向上に寄与している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第5556847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のようなイグニッション操作用アクチュエータ装置は、例えばシャシダイナモメータを用いた走行試験に際して、アームに支持されたアクチュエータの先端部つまり押圧部材が車両のイグニッションボタンに適切に対向するように位置調整され、特に、筒状のガイド部材の先端がダッシュパネルに当接するように位置調整される。
【0008】
理想的には、筒状のガイド部材がイグニッションボタン周囲のパネル面に当接した状態を保ったまま押圧部材が前後進すれば、イグニッションボタンが確実に操作される。
【0009】
しかしながら、実際には、アクチュエータ作動時にガイド部材がイグニッションボタン周囲のパネル面から離れてしまっていて正常にイグニッションボタンを押圧操作できないことがある。
【0010】
特に、イグニッションスイッチのON操作の際にブレーキペダルを踏み込みながらイグニッションボタンを押圧操作することが必要な車両にあっては、ドライブロボットの一部であるブレーキ操作用アクチュエータが同時にブレーキペダルの押圧を行うため、例えば運転席上に固定されているドライブロボットユニットの位置がブレーキペダルの反力で後方へ僅かに変位してしまう現象が生じ得る。そのため、ドライブロボットユニットとともにドライブロボット固定用フレームにアームを介して支持されているイグニッション操作用アクチュエータ装置が後方へ変位し、筒状のガイド部材がダッシュパネルのパネル面から浮き上がってしまう。そして、この状態で押圧部材が突出方向に動作するので、イグニッションボタンが正しく押圧操作されないことがあった。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は、このような課題を解決するために、プリロードユニットを付加した。すなわち、この発明に係るイグニッション操作用アクチュエータ装置は、
駆動部および該駆動部の動作により移動して車両のプッシュ式のイグニッションボタンを押圧操作する押圧部材を有するアクチュエータと、
車室内にアームを介して支持され、かつ上記アクチュエータを上記イグニッションボタンが配置された車両側パネルへ向けて付勢するプリロードユニットと、
を備え、
上記プリロードユニットは、
上記アームに支持されるベース部材と、
このベース部材に対し上記付勢方向に沿ってスライド可能に組み合わせられ、かつ上記アクチュエータが取り付けられる可動部材と、
上記ベース部材と上記可動部材との間に設けられ、上記可動部材を上記車両側パネルへ向けて付勢するスプリングと、
を備えている。
【0012】
この構成では、車両への設置時に、プリロードユニットのスプリングが適宜に撓んだ状態でもってアクチュエータをイグニッションボタンに対して位置決めすることで、アクチュエータが常に適宜な付勢力でもって車両側パネルへ向けて押し付けられた状態となる。そのため、イグニッションボタンに対する位置ずれが生じにくくなり、確実な押圧操作が可能となる。例えば、ブレーキ操作用アクチュエータが同時に作動してアームが僅かに後退したような場合でも、プリロードユニットの作用によりアクチュエータが車両側パネルから離れなくなり、確実な押圧操作が図れる。
【0013】
なお、アクチュエータは、押圧部材以外の適宜な箇所が車両側パネルに当接することで、車両側パネルが上記の付勢力を支承するように構成することが望ましい。例えば、アクチュエータの先端部に、上記押圧部材を囲む筒状部材を備えることが望ましく、この筒状部材の先端が上記スプリングのばね力によって上記車両側パネルに圧接する。
【0014】
好ましい一つの態様では、上記プリロードユニットは、上記スプリングがばね力を蓄えるように上記可動部材を上記ベース部材に対し上記付勢方向と反対側へスライドさせた位置で、上記可動部材を上記ベース部材に対しロックする、解除可能なロック機構をさらに備えている。
【0015】
この構成では、所定のプリロードをセットした状態でロック機構を用いてプリロードユニットをロックすることができる。そして、このロック状態のままアクチュエータをイグニッションボタンに対して位置調整した上で、ロックを解除すれば、スプリングのばね力によってアクチュエータが車両側パネルへ向かって押し付けられる。従って、設置時の位置調整が容易となる。
【0016】
好ましくは、上記プリロードユニットが、上記可動部材もしくは上記ベース部材に固定されたスプリングガイドボルトを備え、コイルスプリングが上記スプリングガイドボルトの外周に嵌合して保持される。この構成では、比較的長く構成されるコイルスプリングが安定的に保持される。
【0017】
具体的な一つの態様では、上記スプリングガイドボルトは、上記可動部材もしくは上記ベース部材の一方に設けられた第1および第2のスプリングサポート部に両端部が支持されており、上記可動部材もしくは上記ベース部材の他方に設けられたスプリング受け部の貫通孔を上記スプリングガイドボルトがスライド可能に貫通しており、上記コイルスプリングは、上記第1のスプリングサポート部と上記スプリング受け部との間に圧縮状態でもって配設されている。すなわち、可動部材とベース部材とを相対的にスライドさせることで、コイルスプリングが第1のスプリングサポート部とスプリング受け部との間で圧縮され、プリロードとなるばね力が蓄えられる。
【0018】
好ましくは、上記スプリングは、一対のコイルスプリングからなり、上記ベース部材と上記可動部材とを直線状にスライド可能に案内するガイド機構の両側でかつ該ガイド機構よりも外側の位置に、上記コイルスプリングがそれぞれ配置されている。このような構成では、一対のコイルスプリングによる付勢力がガイド機構の外側で平行に作用するので、アクチュエータが傾くことなく安定して付勢される。
【0019】
また、好ましい一つの態様では、上記アクチュエータは、上記押圧部材と、上記駆動部と、この駆動部の動作により軸方向に移動して上記押圧部材を前後進させるプッシュロッドと、上記押圧部材と上記プッシュロッドとの間に設けられた緩衝用スプリングと、を備え、上記緩衝用スプリングは、上記プリロードユニットにおける上記スプリングよりも小さなばね定数を有する。
【0020】
従って、押圧部材が緩衝用スプリングを介して突出方向に動作したときでも、プリロードユニットの状態はほとんど変化せず、アクチュエータが車両側パネルに当接した状態が継続される。
【0021】
上記筒状部材は、望ましくは、アクチュエータハウジングに対して上記付勢方向に沿って位置調整可能に取り付けられている。このように筒状部材のアクチュエータハウジングに対する位置を調整することで、イグニッションボタンと押圧部材との位置関係をより適切なものとすることが可能である。
【0022】
また上記筒状部材は、望ましくは、透明材料にて形成されており、さらに、上記イグニッションボタンを覆う先端側部分に、手指の挿入が可能な切欠部が形成されている。
【0023】
筒状部材を透明とすることで、イグニッションボタンの状態やイグニッションボタンと押圧部材との位置関係などの視認が可能となる。また必要であれば、切欠部から手指を挿入してイグニッションボタンの人為的な押圧操作が可能である。
【発明の効果】
【0024】
この発明によれば、プッシュ式のイグニッションボタンを押圧操作するイグニッション操作用アクチュエータ装置として、アクチュエータをイグニッションボタンが配置された車両側パネルへ向けて付勢するプリロードユニットを設けたので、アクチュエータがイグニッションボタンに対して確実に位置決めされ、イグニッションボタンの押圧操作を確実なものとすることができる。特に、ドライブロボットのブレーキ操作用アクチュエータが同時に動作するような場合でも、イグニッションボタンの誤操作を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】イグニッション操作用アクチュエータ装置の一実施例を示す一部切欠の正面図。
図2】同じく一実施例の側面図。
図3】誤操作防止カラーの斜視図。
図4】プリロードユニットの下面図。
図5】プリロードユニットの正面図。
図6】プリロードユニットの側面図。
図7】下面側から見たプリロードユニットの分解図。
図8】プリロードユニットの(A)自由状態および(B)ロック状態を対比して示す斜視図。
図9】イグニッションボタンに対してアクチュエータが設置された状態を示す要部の断面図。
図10】先端面にテープスイッチを備えた誤操作防止カラーの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、この発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0027】
図1および図2は、例えばシャシダイナモメータと組み合わされて用いられる、この発明に係るイグニッション操作用アクチュエータ装置の一実施例を示している。
【0028】
このイグニッション操作用アクチュエータ装置は、車両のプッシュ式のイグニッションボタン51(図9参照)を押圧操作するアクチュエータ1と、このアクチュエータ1を支持するとともに車室内での設置状態でアクチュエータ1に所定のプリロードを与えるプリロードユニット2と、から大略構成されている。
【0029】
アクチュエータ1としては、種々の形式のものを使用することができるが、この実施例においては、電動モータとボールねじ機構とを組み合わせてなる直動型の電動アクチュエータが用いられている。アクチュエータ1は、比較的細長い円筒状をなすアクチュエータハウジング4を有し、このアクチュエータハウジング4の内部に、駆動部となる電動モータおよびボールねじ機構(図示せず)が収容されている。アクチュエータハウジング4の基端部からは電動モータに接続されたハーネス5が引き出されている。
【0030】
アクチュエータハウジング4の先端には、該アクチュエータハウジング4の先端側へ向かって開口した比較的厚肉のカップ状をなすガイドスリーブ6が設けられている。このガイドスリーブ6は、アクチュエータハウジング4の一部を構成している。詳しくは、ガイドスリーブ6の外周面は径が異なる段付形状をなしており、その小径部が、アクチュエータハウジング4の主要部をなす円筒状のアウタシリンダ7の内周に嵌合し、大径部の外周面とアウタシリンダ7の外周面とが実質的に等しい径の連続した円筒面を形成している。従って、アウタシリンダ7およびガイドスリーブ6を含むアクチュエータハウジング4は、全体としてほぼ一定の外径を有する円筒形状をなしている。なお、このアクチュエータハウジング4の円筒の中心軸線に沿った方向つまりアクチュエータ1の長手方向に沿った方向をアクチュエータ1の軸方向と呼ぶ。プリロードユニット2は、後述するように、このアクチュエータ1の軸方向に沿って付勢力を付与する。
【0031】
ガイドスリーブ6は、円筒面からなる内周ガイド面6aを有し、この内周ガイド面6aに、押圧部材8がスライド可能に嵌合している。押圧部材8は、内周ガイド面6aに嵌合する円柱部8aと、ガイドスリーブ6の開口面から突出する半球状の球面部8bと、を有し、アクチュエータ1の初期状態(換言すれば押圧部材8が後退位置にある状態)では、半球状の球面部8bのほぼ全体がガイドスリーブ6の開口面から露出している。
【0032】
円柱部8aの中心には段付状の中心孔9が軸方向に沿って形成されており、ガイドスリーブ6の底壁6bを貫通して延びたプッシュロッド10の先端部が緩衝用スプリング11とともに軸方向にスライド可能に嵌合している。詳しくは、中心孔9の小径部9aの中にプッシュロッド10の先端部がスライド可能に嵌合しており、また中心孔9の大径部9bにプッシュロッド10のフランジ部10aがスライド可能に嵌合している。そして、大径部9bの一端とフランジ部10aとの間に緩衝用スプリング11が僅かに圧縮した状態で配設されている。また、円柱部8aの端面にリテーナ12がネジ13によって固定されており、このリテーナ12によってフランジ部10aおよび緩衝用スプリング11が大径部9b内に保持されている。
【0033】
つまり、押圧部材8は、緩衝用スプリング11によってプッシュロッド10に対し突出方向に付勢されている。そして、押圧部材8が外部から後退方向へ押圧されたときには、緩衝用スプリング11が圧縮されながら一定ストロークだけプッシュロッド10に対して後退できるように構成されている。なお、電動モータおよびボールねじ機構からなる駆動部のストロークは、上記のプッシュロッド10と中心孔9との間で許容されるストロークよりも大きい。
【0034】
従って、イグニッションボタン51を押圧操作する際に、電動モータおよびボールねじ機構からなる駆動部によってプッシュロッド10が突出方向に前進すると、緩衝用スプリング11を介して押圧部材8が前進し、イグニッションボタン51が押圧される。仮にイグニッションボタン51の操作反力が緩衝用スプリング11のばね力よりも大きい場合でも、駆動部によるプッシュロッド10のストロークが中心孔9との間で許容されるストロークを超えた段階で押圧部材8が前進し、イグニッションボタン51が押し込まれる。なお、押圧部材8の外径つまり円柱部8aの外径は、一般的な車両のイグニッションボタン51の径よりも多少小さくなるように、例えば20~25mm程度に設定されている。
【0035】
アクチュエータハウジング4の先端部には、さらに、ガイドスリーブ6および押圧部材8の外周を囲む筒状部材として円筒状の誤操作防止カラー15が取り付けられている。この誤操作防止カラー15は、図3にも示すように、リング部16aおよび比較的に短い円筒部16bを有する金属製取付部材16と、透明な合成樹脂材料から単純な円筒状に形成されたスリーブ17と、から構成されている。スリーブ17は、取付部材16の円筒部16bの外周に極僅かな隙間を介して嵌合しており、基端側の端面がリング部16aの端面に接着剤等の適宜な手段によって接合されている。取付部材16は、アクチュエータハウジング4の外径に対応した内径を有し、アクチュエータハウジング4の外周面に前後スライド可能に嵌合している。取付部材16のリング部16aには、例えば90°間隔の4箇所に取付ネジ18が設けられており、この取付ネジ18によって誤操作防止カラー15がアクチュエータハウジング4に固定されている。従って、誤操作防止カラー15は、アクチュエータ1の軸方向に沿って前後に位置調整が可能であり、適宜に調整した位置において取付ネジ18によって固定されている。
【0036】
アクチュエータ装置の使用時には、図9に示すように、誤操作防止カラー15は、透明なスリーブ17の先端面17aがイグニッションボタン51周囲の車両側パネル例えばダッシュパネル52に当接した状態となる。アクチュエータハウジング4に対する誤操作防止カラー15の取付位置を調整することで、ダッシュパネル52に当接するスリーブ17の先端面17aと押圧部材8との位置関係を適宜なものとすることができる。図示例では、初期状態において、スリーブ17の先端面17aと押圧部材8の球面部8bの頂点とがほぼ同一平面上に整列している。例えば、イグニッションボタン51が周囲のパネル面から大きく突出しているような場合には、パネル面に当接するスリーブ17の先端面17aが押圧部材8の球面部8bの頂点よりも相対的に前方に位置するように誤操作防止カラー15の取付位置が調整される。
【0037】
なお、図9の例では、ダッシュパネル52にイグニッションボタン51を囲む円環状の膨出部52aが設けられており、この膨出部52aよりも外周側に誤操作防止カラー15の先端面17aが当接する。
【0038】
スリーブ17が透明であることから、イグニッションボタン51の状態の確認、イグニッションボタン51と押圧部材8との位置関係の確認、等を目視で行うことが可能である。
【0039】
誤操作防止カラー15の透明なスリーブ17は、さらに、手指の挿入が可能な大きさの切欠部17bを備えている。この切欠部17bは、スリーブ17の先端面17aにおいて開放された略U字形をなしており、例えば、スリーブ17の180°離れた2箇所に設けられている。この切欠部17bは、作業者がイグニッションボタン51を手動操作する際に用いられる。例えば、多くの車両ではブレーキペダルを踏まずにイグニッションボタン51を押圧操作した際に、エンジンが始動することなく計器類を含む電気系統への通電が行われるいわゆるAcc状態となるが、このようなAcc状態とした計器類の確認等を切欠部17bを通した手動操作によって簡単に行うことができる。
【0040】
特に、上記実施例では、押圧部材8が緩衝用スプリング11を介して支持されているので、押圧部材8の球面部8bの表面とイグニッションボタン51表面との間に生じる隙間に手指を入れると、緩衝用スプリング11が撓んで押圧部材8が後退し、イグニッションボタン51中央まで容易に手指が到達する。従って、手動操作が容易かつ確実となる。
【0041】
上記のように構成されたアクチュエータ1は、試験車両の車室内において、図示せぬドライブロボットのフレーム(このフレームは例えば運転席に固定される)から延びたアーム19の先端に支持される。詳しくは、アーム19とアクチュエータ1との間にプリロードユニット2が介在しており、アクチュエータ1はプリロードユニット2を介してアーム19に支持されている。
【0042】
次に、図4図8を併せて参照し、プリロードユニット2について説明する。プリロードユニット2は、スリーブ17の先端面17aがパネル面に当接するようにアクチュエータ1を設置した後に、アクチュエータ1をパネル面へ向けて所定のプリロードを与えるように付勢する機構である。
【0043】
プリロードユニット2は、図7の分解図から明らかなように、上記のアーム19に支持されるベース部材となるベースプレート21と、アクチュエータ1が固定的に取り付けられた可動部材となる可動プレート22と、ベースプレート21と可動プレート22との間に設けられたプリロード付与のための一対のコイルスプリング23と、から大略構成されている。なお、以下では、理解を容易にするために、図1および図2の姿勢を基準として「上」・「下」の用語を用いる。但し、これは本発明のアクチュエータ装置が図1および図2の姿勢でのみ使用されることを意味するものではない。
【0044】
従って、ベースプレート21は下方からアーム19によって支持されており、このベースプレート21の上に可動プレート22が重なっている。そして可動プレート22の上にアクチュエータ1が搭載されている。
【0045】
なお、図7の分解図や図8の斜視図は、図1図2の姿勢を基準とすると、プリロードユニット2を下側から見た図に相当する。可動プレート22は、長方形の板状をなす可動プレート本体部25と、この可動プレート本体部25の前後両端面にそれぞれ一対のネジ28を介して取り付けられた第1エンドプレート26および第2エンドプレート27と、から構成されている。第1エンドプレート26および第2エンドプレート27は、基本的に同様の外形状を有し、図6に明らかなように、可動プレート本体部25の端面に沿って細長く延びているとともに、両端部に、下方に張り出した一対のスプリングサポート部26a,27aをそれぞれ備えている。
【0046】
第1エンドプレート26のスプリングサポート部26aと第2エンドプレート27のスプリングサポート部27aとの間には、スプリングガイドボルト29が配置されている。スプリングガイドボルト29は、図7に示すように、六角穴(図示せず)を有する頭部29aと、螺条を具備しない円筒面からなる軸部29bと、この軸部29bの先端から延びたネジ部29cと、を備えている。第1エンドプレート26のスプリングサポート部26aは、上記軸部29bが貫通する円形の貫通孔26bを有し、第2エンドプレート27のスプリングサポート部27aは、上記ネジ部29cが螺合するネジ孔27bを有している。従って、スプリングガイドボルト29は、第1エンドプレート26の貫通孔26bを貫通して延び、かつ先端のネジ部29cが第2エンドプレート27のネジ孔27bに螺合して固定されている。軸部29bの長さは、第1エンドプレート26と第2エンドプレート27との間隔に対応しており、ネジ部29cがネジ孔27bに螺合した状態で、頭部29aが第1エンドプレート26の外側面に圧接している。なお、一対のスプリングガイドボルト29は、それぞれ、アクチュエータ1の軸方向と平行に延びている。
【0047】
一対のコイルスプリング23は、それぞれ上記スプリングガイドボルト29の外周に嵌合して配置されている。換言すれば、コイルスプリング23の内周側にスプリングガイドボルト29が挿通されており、これによってコイルスプリング23が保持されている(図4図5等参照)。
【0048】
第1エンドプレート26および第2エンドプレート27の間において、可動プレート本体部25の下面には、一対のリニアガイド31を構成する一対のガイドレール32がネジ35を介して取り付けられている(図7参照)。これらのガイドレール32は、図7に分解して示したベースプレート21側のスライダ33とそれぞれ組み合わせられ、両者によって、高精度な直線状の案内を行うリニアガイド31が構成される。これらのガイドレール32は、やはりアクチュエータ1の軸方向と平行に延びている。
【0049】
また、図7に示すように、可動プレート本体部25の一側部には、ロック機構の一部を構成する円形のロック孔34が形成されている。このロック孔34は、可動プレート22の上面側が閉塞された凹部であってもよいが、図示例では、可動プレート本体部25を上下方向に貫通した貫通孔として形成されている。
【0050】
アクチュエータ1は、上記のように構成された可動プレート22の上に搭載される。図7に示すように、第1エンドプレート26および第2エンドプレート27の各々の中央部に上下に延びた貫通孔36が形成されており、これらの貫通孔36を通して下方から挿入されたアクチュエータ取付用ネジ37(図6参照)によってアクチュエータ1と可動プレート22とが連結・固定されている。
【0051】
ベースプレート21は、可動プレート本体部25と同程度の大きさの略長方形をなすベースプレート本体部40を主体とし、アクチュエータ1の軸方向に沿って可動プレート22と相対的にスライド可能となるように組み合わせられている。具体的には、前述したガイドレール32とともにリニアガイド31を構成する一対のスライダ33がベースプレート本体部40の上面にネジ41(図4図8参照)を介して固定されている。この一対のリニアガイド31によって、ベースプレート21に対し可動プレート22がアクチュエータ1の軸方向に沿ってスライド可能となる。図6に示すように、断面略U字形をなすスライダ33がガイドレール32と嵌合しているので、ベースプレート21と可動プレート22とが上下に分離することはない。なお、リニアガイド31としては市販のものを利用することができる。
【0052】
ベースプレート本体部40の下面中央には、前述したアーム19の先端部が取り付けられる取付用レール42が一対のネジ43(図6図8参照)を介して固定されている。この取付用レール42は、断面略U字形のチャンネル状をなし、やはりアクチュエータ1の軸方向に沿って延びている。アーム19の先端部は、この取付用レール42に沿って位置を調節した上で、該取付用レール42に固定されている。なお、ベースプレート本体部40の前後の端面は、取付用レール42の長さに対応して、それぞれの中央部が前後に張り出した形状をなしている。
【0053】
ベースプレート本体部40の一対の側面には、それぞれスプリング受け部材46が一対のネジ45によって固定されている。これらのスプリング受け部材46は、ベースプレート本体部40の側面に沿って延びた棒状をなし、かつ第1エンドプレート26寄りの一端部にスプリング受け部46aが形成されている。このスプリング受け部46aは、棒状をなすスプリング受け部材46の本体部分から外側へ張り出しているとともに上方へ張り出している(図5図8参照)。そして、このスプリング受け部46aは、前述したスプリングガイドボルト29の軸部29bがスライド可能に貫通する貫通孔46b(図5参照)を有している。この貫通孔46bの径は、コイルスプリング23の径よりも小さい。従って、組立状態においては、スプリングガイドボルト29がスプリング受け部46aの貫通孔46bを自由にスライドできるように貫通する一方、コイルスプリング23の一端がスプリング受け部46aに圧接する。換言すれば、コイルスプリング23は、圧縮状態でもって第2エンドプレート27のスプリングサポート部27aとベースプレート21のスプリング受け部46aとの間に配設されている。なお、一対のスプリング受け部材46は、互いに対称に構成されている。
【0054】
図6および図7等から明らかなように、一対のコイルスプリング23は、ベースプレート21と可動プレート22との間でのガイド機構となる一対のリニアガイド31の両側でかつリニアガイド31よりも外側となる位置にそれぞれ配置されている。従って、一対のコイルスプリング23のばね力がリニアガイド31の外側で平行に作用し、ベースプレート21と可動プレート22とが互いに傾いたりするがない。
【0055】
また、ベースプレート21は、可動プレート22側のロック孔34とともにロック機構を構成するロックピン48を備えている。このロックピン48は、スライド方向に対し直交する方向に延びており、図8に示すように、ベースプレート本体部40のネジ孔(図示せず)にねじ込んで固定される筒状の基部48aと、この基部48aに対して一定量だけ上下方向にスライドするプランジャ部48bと、から構成されている。プランジャ部48bは、円盤状のつまみ部48cを基端に備えている。またプランジャ部48bの先端には、各図には示されていないが、可動プレート22側のロック孔34に嵌合可能な径を有する棒状のピン部が突出形成されている。なお、プランジャ部48bは、基部48aに対して上方(つまりロック孔34と係合する方向)へ付勢するばね機構を具備していることが望ましい。
【0056】
上記ロック孔34とロックピン48とは、コイルスプリング23を圧縮しつつ可動プレート22がベースプレート21に対して一定量スライドした位置で互いに合致する。より具体的には、ベースプレート21側のスプリング受け部46aと可動プレート22側のスプリングサポート部27aとがほぼ接する状態まで近付いた位置で、ロック孔34とロックピン48とが合致する。この位置でロックピン48のピン部がロック孔34に係合することにより、ベースプレート21と可動プレート22とを互いにロックすることが可能である。
【0057】
図8は、上記のロック機構を具備したプリロードユニット2の作用を説明するものであり、図(A)は、コイルスプリング23が最大限に伸長している初期状態を示している。この状態では、ロックピン48とロック孔34とがずれているため、ベースプレート21と可動プレート22とは互いにロックされておらず、可動プレート22がベースプレート21に対してスライド可能である。
【0058】
図(B)は、図(A)の状態からコイルスプリング23を圧縮させつつ可動プレート22をベースプレート21に対してスライドさせた状態を示しており、ロックピン48がロック孔34と係合して可動プレート22がベースプレート21に対してロックされている。従って、コイルスプリング23が初期状態よりも圧縮された状態に保持され、アクチュエータ1にプリロードを付与するためのばね力が蓄えられた状態となっている。図8にはアクチュエータ1が図示されていないが、図(B)の可動プレート22のスライド方向は、アクチュエータ1の後退方向となる。従って、図(B)の状態からロックを解除すれば、蓄えられていたばね力によってアクチュエータ1が前進方向へ付勢されることとなる。
【0059】
次に、上記アクチュエータ装置の操作手順について説明する。
【0060】
まず初めに、図1のようにアクチュエータ1がプリロードユニット2上に搭載されている状態において、アクチュエータ1および可動プレート22をベースプレート21に対してアクチュエータ1の後退方向へスライドさせる。そして、所定位置でロック機構によりロックする。つまり、図8(B)に示すようにプリロードユニット2がばね力を蓄えた状態とする。
【0061】
次に、プリロードユニット2を支持しているアーム19や該アーム19に関連した図示せぬジョイントを調節して、アクチュエータ1をイグニッションボタン51に対して位置合わせする。具体的には、図9に示すように、アクチュエータ1先端の誤操作防止カラー15の先端面17aがイグニッションボタン51周囲のダッシュパネル52に接した状態とする。なお、このときには、誤操作防止カラー15が必ずしもダッシュパネル52に密接していなくてもよい。
【0062】
次に、このようにアクチュエータ1の位置調整が完了した状態において、プリロードユニット2のロックピン48を引き下げてロックを解除する。このロック解除に伴い、可動プレート22に一対のコイルスプリング23のばね力が作用することとなり、このばね力によってアクチュエータ1がダッシュパネル52へ向けて付勢される。つまり、誤操作防止カラー15の先端面17aがダッシュパネル52に所定のプリロードでもって圧接した状態となる。
【0063】
このような状態で、ドライブロボットによるイグニッション操作を行う。イグニッションボタン51をオン操作する際には、前述したようにブレーキペダルが同時に別のアクチュエータによって操作されるため、ブレーキペダルの反力によってドライブロボットを運転席上に固定支持しているフレームが変位し、アクチュエータ1を支持しているアーム19が僅かに後退しようとする。しかしながら、このようなアーム19の変位があっても、アクチュエータ1は常にコイルスプリング23のばね力によってダッシュパネル52へ向けて付勢されるので、誤操作防止カラー15の先端面17aがダッシュパネル52から離れることがない。従って、押圧部材8の前進に伴い、イグニッションボタン51の確実な操作がなされる。つまり、アーム19の変位が図8の(A)に示す初期状態から(B)に示すロック状態までのストロークの範囲内であれば、誤操作防止カラー15がダッシュパネル52に圧接した状態が維持される。
【0064】
なお、一対のコイルスプリング23がリニアガイド31の外側に位置し、かつこれら一対のコイルスプリング23は、アクチュエータ1の中心軸線を挟んで両側で平行に付勢力を生じるので、ダッシュパネル52へ向けてアクチュエータ1を安定的に付勢することができる。
【0065】
また、前述したように、誤操作防止カラー15のスリーブ17が透明であることから、イグニッションボタン51の状態や、押圧部材8とイグニッションボタン51との位置関係等を視認できる。さらに、透明なスリーブ17が切欠部17bを備えていることで、必要に応じて、作業者が手指を挿入してイグニッションボタン51を手動操作することが可能である。
【0066】
次に、図10は、アクチュエータ1とダッシュパネル52との接触状態を電気的に検出するために、誤操作防止カラー15の先端面17aに接触スイッチ具体的にはテープ状のテープスイッチ60を設けた実施例を示している。特にこの実施例では、透明なスリーブ17の先端面17aの円弧形形状に合わせてテープスイッチ60を形成し、接触面の全体にテープスイッチ60を配置してある。このようにテープスイッチ60を設けることで、試験中に誤操作防止カラー15がダッシュパネル52から浮き上がった等の異常を容易に検出することができる。
【0067】
以上、この発明の一実施例を詳細に説明したが、この発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0068】
例えば、アクチュエータ1としては、上記実施例のような電動モータとボールねじ機構とを組み合わせた直動型のものに限らず、ソレノイド形式のもの、カムを利用するもの、などいかなる形式のものであってもよい。また、電動モータ等の駆動源をアクチュエータハウジングの外部に備え、その力をワイヤケーブル等を介して押圧部材に伝達する形式のアクチュエータであっても、本発明は適用が可能である。
【符号の説明】
【0069】
1…アクチュエータ
2…プリロードユニット
8…押圧部材8
10…プッシュロッド
11…緩衝用スプリング
15…誤操作防止カラー
16…取付部材
17…スリーブ
17b…切欠部
21…ベースプレート
22…可動プレート
23…スプリング
29…スプリングガイドボルト
31…リニアガイド
34…ロック孔
46…スプリング受け部材
48…ロックピン
51…イグニッションボタン
52…ダッシュパネル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10