(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-08
(45)【発行日】2022-02-17
(54)【発明の名称】ホースリール
(51)【国際特許分類】
B65H 75/38 20060101AFI20220209BHJP
【FI】
B65H75/38 M
B65H75/38 Z
(21)【出願番号】P 2017237411
(22)【出願日】2017-12-12
【審査請求日】2020-11-20
(73)【特許権者】
【識別番号】591167669
【氏名又は名称】株式会社三洋化成
(74)【代理人】
【識別番号】100091443
【氏名又は名称】西浦 ▲嗣▼晴
(74)【代理人】
【識別番号】100130720
【氏名又は名称】▲高▼見 良貴
(74)【代理人】
【識別番号】100130432
【氏名又は名称】出山 匡
(72)【発明者】
【氏名】門脇 隆
(72)【発明者】
【氏名】浅野 友則
(72)【発明者】
【氏名】後藤 裕一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 伸久
(72)【発明者】
【氏名】金井 敏彦
【審査官】松林 芳輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-206639(JP,A)
【文献】登録実用新案第3202711(JP,U)
【文献】特開2015-124024(JP,A)
【文献】特開昭63-242870(JP,A)
【文献】特開2002-102812(JP,A)
【文献】特開平05-072188(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 75/34-75/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面にホース引き出し孔を有し、前記正面側から見て幅方向に一対の側壁部を有する分解できない外装と、
前記外装の内部に配置され、前記一対の側壁部と直交する方向に延びる回転中心線を中心にして回転し且つ内部に散水用ホースの一部が入る筒状部と該筒状部両端に設けられた一対の鍔部とを備え、前記筒状部の外周部に前記散水用ホースが捲かれる構造を有するドラムと、
一端に前記筒状部の外部で給水用ホースが連結される第1のホース連結部を有し、他端に前記筒状部の内部において前記散水用ホースの端部が連結される第2のホース連結部を有して、前記筒状部の一端に設けられるホース連結具を備えたホースリールであって、
前記ホース連結具は、前記筒状部の一端に取り外し可能に固定されており、
前記一対の側壁部の一方には、前記ホース連結具を抜き出すことを許容する連結具貫通嵌合孔が、前記回転中心線を中心として形成されており、
前記ホース連結具は、前記連結具貫通嵌合孔を通して外部に取り外し可能に構成されて
おり、
前記連結具貫通嵌合孔には、中央に貫通孔を有するキャップが、前記キャップを前記連結具貫通嵌合孔に押し込む動作の後に、前記押し込む動作を維持した状態で、前記回転中心線を中心にして前記キャップを一方向に所定の回転角度回転させる動作をすることにより嵌合され、前記キャップを押し込みながら前記一方向とは反対の他方向に前記所定の回転角度回転させる動作をした後、前記キャップを前記連結具貫通嵌合孔から引き抜く動作をすることにより嵌合が解除される解除可能な嵌合構造を介して取り付けられており、
前記連結具貫通嵌合孔は、前記回転中心線を中心とする筒状の大径部と前記筒状の大径部よりも径の小さい筒状の小径部と、前記大径部と前記小径部とを連結するように前記回転中心線と直交する方向に延びる前記回転中心線を中心とする円環状の環状部とによって囲まれており、
前記連結具貫通嵌合孔は、前記環状部の内縁部によって囲まれた前記小径部よりも径寸法の小さい最小孔部を有しており、
前記環状部の前記内縁部には、周方向に所定の間隔をあけた位置に前記回転中心線が延びる方向に貫通し且つ径方向内側に開口する複数の貫通凹部が形成されており、
前記環状部の前記内縁部の背面部には、前記複数の貫通凹部から周方向に前記所定の回転角度分あけた位置に前記回転中心線が延びる方向と径方向内側に開口する複数の有底凹部が形成されており、
前記キャップは、中央に前記貫通孔を有するカップ状部分と、該カップ状部分の開口部側に前記カップ状部分と一体に設けられて前記環状部と対向するフランジ部と、前記カップ状部分の外周部から径方向外側に突出し且つ前記カップ状部分の周方向に間隔をあけて形成された複数の突起部と、前記フランジ部に一体に設けられ前記カップ状部分が位置する側に突出し且つ前記フランジ部の周方向に間隔をあけて形成された複数のスペーサ部を備え、
前記複数の突起部と前記複数のスペーサ部は、前記カップ状部分の膨出方向から前記キャップを見たときに前記周方向に前記所定の回転角度分離れて配置されており、
前記複数のスペーサ部と前記複数の突起部は、前記複数の突起部を前記複数の貫通凹部に嵌合するように前記キャップを押し込んだ状態で、前記スペーサ部の先端が前記環状部の表面と接触し、その後前記一方向に前記キャップを回転しているときに、前記フランジ部に素材弾性を発揮させて前記複数の突起部が前記素材弾性により前記環状部の裏面に押し付けられるのを阻止または抑制し、前記複数の突起部が前記有底凹部に嵌ると前記素材弾性の発揮が解除されて前記複数の突起部が前記複数の有底凹部内に完全に嵌り、前記有底凹部内に前記複数の突起部が完全に嵌っている状態で前記キャップを押し込むと前記複数の突起部が前記複数の有底凹部から抜け、その後前記キャップを前記他方向に回転しているときに前記スペーサ部の先端が前記環状部の表面と接触しながら、前記フランジ部に素材弾性を発揮させて前記複数の突起部が前記素材弾性により前記環状部の裏面に押し付けられるのを阻止または抑制し、前記複数の突起部が前記貫通凹部に嵌ると前記素材弾性の発揮が解除されて前記複数の突起部を前記複数の貫通凹部から抜き出すことが可能になるように、前記複数のスペーサ部の突出量及び位置と前記複数の突起部の位置が定められていることを特徴とするホースリール。
【請求項2】
前記キャップの前記貫通孔から、前記ホース連結具の前記第1のホース連結部が突出しており、
前記ホース連結具は、前記キャップが取り外された前記連結具貫通嵌合孔を通して外部に取り外し可能に構成されている請求項1に記載のホースリール。
【請求項3】
前記ホース連結具は、前記第1のホース連結部と前記第2のホース連結部との間に前記筒状部の前記一端に嵌合される板状部を有しており、
前記板状部の外周部と前記筒状部の前記一端の内周部には、嵌合解除が可能な嵌合構造を構成する嵌合段部と被嵌合段部とが一体に設けられている請求項1に記載のホースリール。
【請求項4】
前記ホース連結具の前記板状部の外周部の近傍には、前記板状部の径方向と厚み方向に開口する凹部が形成されており、前記板状部の前記凹部と径方向に対向する前記外周部には径方向外側に突出する外側突出部が一体に設けられており、
前記筒状部の前記一端の前記内周部には前記外側突出部が嵌入される嵌入孔が形成されており、
前記筒状部の前記一端の前記内周部には前記嵌入孔と前記径方向に対向する位置に径方向内側に突出する内側突出部が一体に設けられており、
前記内側突出部には前記嵌入孔に前記外側突出部が嵌入されて、前記凹部と前記内側突出部とが整合した状態で、前記凹部を通して挿入されるネジ部材が螺入されるネジ螺入孔が形成されている請求項3に記載のホースリール。
【請求項5】
前記ドラムの前記一対の鍔部には、前記回転中心線を中心とする一対の筒状壁部が一体に設けられており、
前記一対の側壁部には、前記回転中心線を中心としてそれぞれ前記一対の筒状壁部の内側に緩く嵌合する一対の筒状嵌合壁部が一体に設けられている請求項1乃至4のいずれか1項に記載のホースリール。
【請求項6】
前記一対の鍔部には、前記筒状壁部とは反対方向に延びる嵌合用環状部が一体に設けられており、
前記筒状部は前記一対の鍔部に設けられた一対の前記嵌合用環状部と該一対の嵌合用環状部が両端に嵌合される筒体とから構成されている請求項5に記載のホースリール。
【請求項7】
前記ドラムの前記一対の鍔部には、前記回転中心線を中心とする一対の筒状壁部が一体に設けられており、
前記一対の側壁部には、前記回転中心線を中心としてそれぞれ前記一対の筒状壁部の内側に緩く嵌合する一対の筒状嵌合壁部が一体に設けられており、
前記一対の鍔部には、前記筒状壁部とは反対方向に延びる嵌合用環状部が一体に設けられており、
前記筒状部は前記一対の鍔部に設けられた一対の前記嵌合用環状部と該一対の嵌合用環状部が両端に嵌合される筒体とから構成され、
前記嵌入孔は、前記嵌合用環状部と前記筒体の一端が嵌合されることにより形成されている請求項4に記載のホースリール。
【請求項8】
前記筒状部の他端には、前記回転中心線に沿って延びるハンドル固定部が設けられており、
前記一対の側壁部の他方には、前記ハンドル固定部が突出する固定部貫通嵌合孔が前記回転中心線を中心として形成されており、
前記固定部貫通嵌合孔には中央に貫通孔を有する別キャップが嵌合されており、
前記別キャップの前記貫通孔から、前記ハンドル固定部が突出していることを特徴とする請求項4記載のホースリール。
【請求項9】
前記筒状部には、前記筒状部の円柱状外周面から前記筒状部の仮想回転中心線に向かい且つ前記仮想回転中心線に沿って延びる鉛直壁部が設けられ、
前記鉛直壁部にホース貫通孔が形成され、
前記筒状部には、前記ホース貫通孔の外側に前記鉛直壁部と連続し前記
ホース貫通孔から延び出た前記散水用ホースの一部を前記円柱状外周面まで支持した状態でガイドするガイド壁部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のホースリール。
【請求項10】
前記外装の底面側壁部には水抜き孔が形成されており、
該水抜き孔の内周部には、新しい散水用ホースが前記ホース貫通孔に挿入される際に前記新しい散水用ホースの端部に嵌合されるホース端部キャップが分離可能に一体に設けられている請求項9に記載のホースリール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外装内に、ホースが捲かれるドラムが収納されてなるホースリールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
再表2007-80747号公報(特許文献1)には、正面側から見て左右方向に一対の側壁部を有する分解できない外装と、外装の内部に配置され、一対の側壁部と直交する方向に延びる回転中心線を中心にして回転し且つ内部に散水用ホースの一部が入る筒状部を備え、筒状部の外周部に散水用ホースが捲かれる構造を有するドラムと、一端に筒状部の外部で給水用ホースが連結される第1のホース連結部を有し、他端に筒状部の内部において散水用ホースの端部が連結される第2のホース連結具を有して、筒状部の一端に設けられるホース連結具を備えたホースリールが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の従来のホースリールのような外装を有するホースリールでは、組立後に外装を分解することができないのが一般的である。そのためホースにヒビや亀裂が入った場合には、外装の内部にあるドラムに捲回された散水用ホースを交換することがない。
【0005】
本発明の目的は、分解できない外装の内部に散水用ホースが捲回されたドラムが収納されている場合でも、散水用ホースの交換が可能なホースリールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、正面にホース引き出し孔を有し、正面側から見て幅方向に一対の側壁部を有する分解できない外装の内部にドラムが収納されているホースリールを対象とする。本発明の外装は、分解できない構造であれば、一部または全部が一体に構成されているものでも、また複数の部品が組み合わされて構成されているものでもよい。
【0007】
ドラムは、外装の内部に配置され、一対の側壁部と直交する方向に延びる回転中心線を中心にして回転し且つ内部に散水用ホースの一部が入る筒状部を備え、筒状部の両端に設けられた一対の鍔部とを備え、筒状部の外周部に散水用ホースが捲かれる構造を有している。そして一端に筒状部の外部で給水用ホースが連結される第1のホース連結部を有し、他端に筒状部の内部において散水用ホースの端部が連結される第2のホース連結部を有して、筒状部の一端に設けられるホース連結具を備えている。
【0008】
本発明においては、ホース連結具が、筒状部の一端に取り外し可能に固定されている。そして一対の側壁部の一方には、ホース連結具を抜き出すことを許容する連結具貫通嵌合孔が、回転中心線を中心として形成されている。本発明の構造によれば、ホース連結具をドラムの筒状部の一端に固定されたホース連結具を取り外し、ホース連結具を連結具貫通嵌合孔から外部に引き出すことができる。そして引き出したホース連結具から交換すべき散水用ホースを取り外し、ホース引き出し孔から引き抜く。その後、ホース引き出し孔から新しい散水用ホースの端部を外装内に挿入し、筒状部の内部を通して筒状部の一端から新しい散水用ホースの端部を押し出し、新たな散水用ホースをホース連結具の第2のホース連結部に連結する。その後ホース連結部をドラムの筒状部の一端に固定して散水用ホースを交換することができる。
【0009】
この連結具貫通嵌合孔には中央に貫通孔を有するキャップが嵌合されており、キャップの貫通孔から、ホース連結具の第1のホース連結部が突出していてもよい。この場合、ホース連結具は、キャップが取り外された連結具貫通嵌合孔を通して外部に取り外し可能に構成される。キャップを用いると、ホース連結具の主要部が露出することを防ぐことができる。
【0010】
具体的なホース連結具としては、第1のホース連結部と第2のホース連結部との間に筒状部の一端に嵌合される板状部を有しており、板状部の外周部と筒状部の一端の内周部には、嵌合解除が可能な嵌合構造を構成する嵌合段部と被嵌合段部とが一体に設けられているのが好ましい。このような嵌合構造を用いると、ホース連結具の位置決めが容易になる。
【0011】
またホース連結具の板状部の外周部の近傍には、板状部の径方向と厚み方向に開口する凹部が形成されており、板状部の凹部と径方向に対向する外周部には径方向外側に突出する外側突出部が一体に設けられているのが好ましい。この場合、筒状部の一端の内周部には外側突出部が嵌入される嵌入孔が形成されており、筒状部の一端の内周部には嵌入孔と径方向に対向する位置に径方向内側に突出する内側突出部が一体に設けられており、内側突出部には嵌入孔に外側突出部が嵌入されて、凹部と内側突出部とが整合した状態で、凹部を通して挿入されるネジ部材が螺入されるネジ螺入孔が形成されているのが好ましい。このような構造を採用すると、嵌入孔にホース連結具の外側突出部を嵌入することにより、ホース連結具の板状部に設けた凹部を、筒状部の内周部に設けた内側突出部と整合させることができる。その上ネジ部材をネジ螺入孔に螺入させることによりホース連結具をドラムの筒状部に対して固定することができける。ホースを交換する際には、ネジ部材を外すことにより、ホース連結具をドラムの筒状部から簡単に外すことができる。
【0012】
ドラムの一対の鍔部には、回転中心線を中心とする一対の筒状壁部を一体に設ける。そして一対の側壁部には、回転中心線を中心としてそれぞれ一対の筒状壁部の内側に緩く嵌合する一対の筒状嵌合壁部が一体に設けられているのが好ましい。この構造によれば、一対の筒状壁部と一対の筒状嵌合壁部が緩く嵌合することにより、ドラムの軸受け構造を簡単に構成することができる。
【0013】
一対の鍔部には、筒状壁部とは反対方向に延びる嵌合用環状部が一体に設けられており、筒状部が一対の鍔部に設けられた一対の嵌合用環状部と該一対の嵌合用環状部が両端に嵌合される筒体とから構成されているのが好ましい。この構造では、ドラムを3つの部品の組立部品として構成することができるので、ドラムを簡単に且つ安価に製造することができる。
【0014】
前述の嵌入孔は、嵌合用環状部と筒体の一端が嵌合されることにより形成することができる。この構造であれば、嵌入孔を簡単に形成することができる。
【0015】
筒状部の他端には、前記回転中心線に沿って延びるハンドル固定部が設けられており、一対の側壁部の他方には、ハンドル固定部が突出する固定部貫通嵌合孔を回転中心線を中心として形成することができる。そして固定部貫通嵌合孔には中央に貫通孔を有する別キャップを嵌合する。別キャップの貫通孔から、ハンドル固定部を突出する。この構造によれば、ハンドル固定部を簡単に突出さえることができる。
【0016】
散水用ホースがドラムに巻き付けられた状態で、散水用ホースがドラム近傍に折れ曲がり、散水用ホースから出せる水の量が減少することがある。そこで、この問題を解決するためには、以下の構成を付加すればよい。すなわちドラムの筒状部には、筒状部の円柱状外周面から筒状部の仮想回転中心線に向かい且つ前記仮想回転中心に沿って延びる鉛直壁部を設け、鉛直壁部にホース貫通孔を形成する。筒状部には、ホース貫通孔の外側に鉛直壁部と連続し貫通孔から延び出た散水用ホースの一部を円柱状外周面まで支持した状態でガイドするガイド壁部を設ける。ドラムをこのように構成すると、散水用ホースは鉛直壁部に設けた貫通孔を通過した後に、鉛直壁部と連続するガイド壁部に沿って筒状部の外周面までガイドされる。ガイド壁部により散水用ホースの一部を支持すると、筒状部の内部からで出る散水用ホースが折れ曲がることなくドラムの外周部まで延びる。その結果、散水用ホースから出る水の量が、減ることを防止できる。
【0017】
連結具貫通嵌合孔には、中央に貫通孔を有するキャップを嵌合することができる。このキャップは、キャップを連結具貫通嵌合孔に押し込む動作の後に、押し込む動作を維持した状態で、回転中心線を中心にしてキャップを一方向に所定の回転角度回転させる動作をすることにより嵌合状態となり、この嵌合状態から、キャップを押し込みながら一方向とは反対の他方向に所定の回転角度回転させる動作をした後、キャップを連結具貫通嵌合孔から引き抜く動作をすることにより嵌合状態が解除される解除可能な嵌合構造を介して連結具貫通嵌合孔に取り付けられている。この構造によれば、キャップはネジを用いることなく、嵌合だけで取り付けることができるので、少ない部品点数での組立が可能になる。
【0018】
具体的に、連結具貫通嵌合孔は、回転中心線を中心とする筒状の大径部と筒状の大径部よりも径の小さい筒状の小径部と、大径部と小径部とを連結するように回転中心線と直交する方向に延びる前記回転中心線を中心とする円環状の環状部とによって囲まれている。連結具貫通嵌合孔は、環状部の内縁部によって囲まれて小径部よりも径寸法の小さい最小孔部を有している。そして環状部の内縁部には、周方向に所定の間隔をあけた位置に回転中心線が延びる方向に貫通し且つ径方向内側に開口する複数の貫通凹部が形成されている。環状部の内縁部の背面部には、複数の貫通凹部から周方向に所定の回転角度分あけた位置に回転中心線が延びる方向と径方向内側に開口する複数の有底凹部が形成されている。キャップは、中央に貫通孔を有するカップ状部分と、該カップ状部分の開口部側にカップ状部分と一体に設けられてキャップの環状部と対向するフランジ部と、カップ状部分の外周部から径方向外側に突出し且つカップ状部分の周方向に間隔をあけて形成された複数の突起部と、フランジ部に一体に設けられカップ状部分が位置する側に突出し且つフランジ部の周方向に間隔をあけて形成された複数のスペーサ部を備えている。そして複数の突起部と複数のスペーサ部は、カップ状部分の膨出方向からキャップを見たときに周方向に所定の回転角度分離れて配置されている。
【0019】
複数のスペーサ部の突出量及び位置と複数の突起部の位置は、以下の動作を許容するように構成されている。すなわち複数の突起部を複数の貫通凹部に嵌合するようにキャップを押し込んだ状態で、スペーサ部の先端が環状部の表面と接触し、その後一方向にキャップを回転しているときに、フランジ部に素材弾性を発揮させて複数の突起部が素材弾性により環状部の裏面に押し付けられるのを阻止または抑制し、複数の突起部が有底凹部に嵌ると素材弾性の発揮が解除されて複数の突起部が複数の有底凹部内に完全に嵌る。また有底凹部内に複数の突起部が完全に嵌っている状態でキャップを押し込むと複数の突起部が複数の有底凹部から抜け、その後キャップを他方向に回転しているときにスペーサ部の先端が環状部の表面と接触しながら、フランジ部に素材弾性を発揮させて複数の突起部が素材弾性により前記環状部の裏面に押し付けられるのを阻止または抑制し、複数の突起部が貫通凹部に嵌ると素材弾性の発揮が解除されて複数の突起部を複数の貫通凹部から抜き出すことが可能になる。このような構成を採用すると、ネジを用いることなくキャップの着脱を行うことができるので、部品点数を少なくして、しかもホース交換の作業性が向上させることができる。
【0020】
外装の底面側壁部水抜き孔が形成されており、該水抜き孔の内周部には、新しい散水用ホースがホース貫通孔に挿入される際に新しい散水用ホースの端部に嵌合されるホース端部キャップが分離可能に一体に設けられているのが好ましい。ホース端部キャップが、水抜き孔の内周部に一体に設けられていれば、新しい散水用ホースを交換する際に、ホース端部キャップを探す必要がない。ホース貫通孔から筒状部の内部に新しい散水用ホースを押し込む際に、散水用ホースの端部が切断面のままであると、接触抵抗が大きいために新しい散水用ホースを押し込み難くなる。これに対してホース端部キャップを新しい散水用ホースの端部に嵌合すれば、新しい散水用ホースの先端部の接触抵抗が小さくなり、新しい散水用ホースが途中で引っかかることなくスムーズに散水用ホースの端部を進ませることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】(A)は本発明のホースリールの実施の形態の一例の収納状態を示す斜視図であり、(B)はこのホースリールからノズルフックを引き出した状態の斜視図であり、(C)はこのホースリールの右側面図である。
【
図2】本実施の形態のホースリールの分解斜視図である。
【
図3】(A)及び(B)は、それぞれノズルフックにノズルを掛けた状態を異なる方向から見た斜視図である。
【
図4】(A)及び(B)は、内部構造を示すためにホース7を省略した
図1(C)のA-A線断面図及びB-B線断面であり、(C)はホース端部キャップの取付の一例を示す図である。
【
図5】(A)は外装の外装
枠体の斜視図であり、(B)は
図4(A)のVB-VB線断面であり、(C)は
図4(A)のVC-VC線断面図である。
【
図6】(A)は2つのホースリールを積み上げた状態の図であり、(B)は
図6(A)のB-B線断面図、(C)は
図6(B)のC-C線断面図である。
【
図7】(A)乃至(C)は、ノズルフック収納支持構造にノズルフックが装着されている状態を、それぞれ見る角度を変えて示した部分斜視図である。
【
図8】(A)乃至(E)は、ノズルフックの斜視図、平面図、背面図、左側面図及び右側面図である。
【
図9】(A)及び(B)は、それぞれドラムの支持構造の一部拡大断面図である。
【
図10】ハンドル側のドラムの支持構造の一部拡大断面図である。
【
図11】(A)は外装の側壁部の正面図であり、(B)は外装の側壁部の背面図である。
【
図12】(A)乃至(C)は、ドラムの斜視図、左側面図及び正面図であり、(D)はホース端部キャップを新しい散水用ホースの端部に嵌合した状態を示す図である。
【
図13】(A)乃至(C)は、ホース連結具を組み付けたドラムの斜視図、半割り斜視図及び部分拡大図である。
【
図14】(A)乃至(D)は、ホース連結具の斜視図、正面図、左側面図及び右側面図である。
【
図15】(A)乃至(E)は、給水側のキャップの斜視図、正面図、背面図、
図15(B)のD-D線断面図及び
図15(B)のE-E線断面図である。
【
図16】(A)乃至(E)は、ハンドル側のキャップの斜視図、正面図、背面図、
図16(B)のD-D線断面図及び
図16(B)のE-E線断面図である。
【
図17】(A)乃至(F)は、本発明のホースリールの一実施の形態の正面図、背面図、右側面図、左側面図、平面図及び底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明のホースリールの実施の形態を詳細に説明する。
【0023】
<第1の実施の形態>
[全体構成]
図1(A)は本発明のホースリールの実施の形態の一例のノズルフック11の収納状態を示す斜視図であり、
図1(B)はこのホースリール1からノズルフック11を引き出した状態の斜視図であり、
図1(C)はこのホースリール1の右側面図である。また
図2は、本実施の形態のホースリール1の分解斜視図であり、
図3(A)及び(B)はそれぞれノズルフック11にノズル9を掛けた状態を異なる方向から見た斜視図である。また
図4(A)及び(B)は、内部構造を示すためにホース7を省略した
図1(C)のA-A線断面図及びB-B線断面である。なお
図4(A)及び(B)には、断面部分を示すハッチングの図示を省略してある。
図5(A)は、外装3の外装
枠体30の斜視図であり、
図5(B)は
図4(A)のVB-VB線断面であり、
図5(C)は
図4(A)のVC-VC線断面図である。なお
図5(A)乃至(C)には、断面部分を示すハッチングの図示を省略してある。
【0024】
これらの図において、ホースリール1は、プラスチック製の外装3と、外装3の内部に回転自在に収納されたプラスチック製のドラム5と、ドラム5に捲回されたPVC等のホース7の先端の自由端部に装着されるプラスチック製または金属製のノズル9と、外装3に設けられてノズル9が係止されるプラスチック製のノズルフック11と、外装3の内部に設けられたドラム5を回転させるプラスチック製または金属製のハンドル13とを備えている。ドラム5は、外装3の内部に配置され、外装の一対の側面と直交する方向に延びる中心線CL(
図4)を中心にして回転する。
【0025】
[外装の構成]
なお外装3は,分解できないものでも、分解できるものでもよい。また外装3は、一体に構成されているものでも、また複数の部品が組み合わされて構成されているものでもよい。本実施の形態の外装3は、設置状態において前後方向に開口するホース引き出し孔15を正面に有しており、正面の前後方向と直交する幅方向の幅寸法Wが高さ寸法Hよりも小さい縦置き箱形形状を有している。尚外装3は、立方体形状でもよい。
【0026】
具体的に、外装3は、
図5(A)によく示されるように、平面側壁部31、底面側壁部32、ホース引き出し孔15を有する正面側壁部33、背面側壁部34、平面側壁部31と正面側壁部33とを連結する第1の角壁部35、底面側壁部32と正面側壁部33とを連結する第2の角壁部36と、平面側壁部31と背面側壁部34とを連結する第3の角壁部37と、背面側壁部34と底面側壁部32とを連結する第4の角壁部38とからなる外装枠体30と、正面側から見て左右方向にそれぞれ位置する一対の左右側壁部39及び40とから構成されている。外装3の正面のホース引き出し孔15の上に位置する第1の角壁部35には、ノズルフック11の引き出し窓41が形成されている。本実施の形態の外装3では、外装枠体30に対して左右側壁部39及び40が外すことができない嵌め殺し状態で固定されている。そのため外装枠体30に対して左右側壁部39及び40が嵌められた後は、外装3は分解することができない。
【0027】
外装3の内部には、引き出し窓41が形成されている壁部(第1の角壁部35)とドラム5との間に形成されるスペースS内に、ノズルフック11の不使用時にはノズルフック11のフック本体11Aを収納することを可能にし、使用時には引き出し窓41からノズルフック11のフック本体11Aの大部分を引き出すことを可能にする後に詳しく説明するノズルフック収納支持構造16が構成されている。このようにすると外装3とドラム5との間に形成されるスペースSを利用してノズルフック11のフック本体11Aを外装3内に収納できる。そのため外装3の寸法を大きくすることなく、ノズルフック11のフック本体11Aを外装3内に収納した状態で、配送用の段ボール箱に収納することができる。またホースリール1を保管場所に保管する際及び保管場所から取り出す際に、ノズルフック11が邪魔になることがなく、破損を防ぐことができる。
【0028】
図5(A)乃至(C)に示すように、外装3の内部には、第1の角壁部35と対向し上下方向の両端が平面側壁部31と正面側壁部33とに連結されて左右方向に延びる第1の補強壁42と、第2の角壁部36と対向し上下方向の両端が底面側壁部32と正面側壁部33とに連結されて左右方向に延びる第2の補強壁43と、第3の角壁部37と対向し上下方向の両端が平面側壁部31と背面側壁部34とに連結されて左右方向に延びる第3の補強壁44と、第4の角壁部38と対向し上下方向の両端が背面側壁部34と底面側壁部32とに連結されて左右方向に延びる第4の補強壁45が外装3と一体に設けられていている。このような第1至第4の補強壁42乃至45を設ければ、外装3をプラスチックにより成形した場合で、しかもノズルフック11を収納する構造を採用しても、外装3に必要な強度を付与することができる。
【0029】
また本実施の形態では、
図3に示すように、背面側壁部34または第3の角壁部37には、使用者の複数本の指が入る有底の把持凹部46が形成されている。本実施の形態の把持凹部46は、使用者の複数本の指が曲がった状態で入るように形状が定められている。なお把持凹部46に代えて把持孔を設けても良い。第3の角壁部37とドラム5との間には、広いスペースが確保できるので、把持孔または把持凹部を設けるのに適している。このようにするとホースリール1を移動させる際に、把持孔凹部46又は把持孔に使用者が指を入れてホースリール1を持ち上げることができる。その結果、把持用の別部品を外装に装着する必要がなくなる。
【0030】
なお本実施の形態では、
図2及び
図4に示すように、底面側壁部32に、水抜き孔47が形成されている。量販店などでは、
図6(A)に示すように、ホースリール1を段ボールから出して積み上げることがしばしば行われる。そこで外装3の平面側壁部31には上に置かれる他のホースリールの底面側壁部32に設けられた嵌合用凸部48[
図1(C),
図4(B),
図6(B)及び(C)]が嵌合される嵌合用凹部49が形成されており、底面側壁部32には下に置かれる他のホースリールの嵌合用凹部49が嵌合される嵌合用凸部48が形成されている。なお
図6(B)及び(C)には、断面を示すハッチングは省略してある。このような構造を設けると、ホースリール1を積み上げて展示する場合に、上のホースリールの嵌合用凸部48を下のホースリールの嵌合用凹部49に嵌合させることにより、上下のホースリールの間で位置づれが生じることを防止できる。
【0031】
なお
図4(C)に示すように、水抜き孔47の内周部には、ホースを交換する際に交換用ホースの先端に嵌合するホース端部キャップHCを分離可能に一体に設けても良い。ホース端部キャップHCは、水抜き孔47の内周部から嵌合用凸部48が突出する方向とは反対の方向(ドラム5に向かう方向)に突出させる。ホース端部キャップHCを水抜き孔47の内周部に取り付けておけば、散水用ホースを交換する際に、ホース端部キャップHCを探す必要がなくなる。なおホース端部キャップHCの使用法については、後に説明する。
【0032】
[ノズルフック収納支持構造とノズルフックの組み合わせ構成]
図7(A)乃至(C)は、ノズルフック収納支持構造16にノズルフック11が装着されている状態を見る角度を変えて示した部分斜視図である。なお
図7(A)乃至(C)には、断面部分に断面であることを示すハッチングの図示を省略してある。また
図8(A)乃至(E)は、ノズルフック11の斜視図、平面図、背面図、左側面図及び右側面図である。
図5(B)及び(C)並びに
図7(A)乃至(C)に示すように、ノズルフック11のフック本体11Aは、不使用時には先端部11Bがフック引き出し窓41を塞ぐように外装3の内部に収納され、使用時には引き出し窓41から主要部が引き出された状態でノズルフック収納支持構造16に保持される構造を有している。ノズルフック収納支持構造16は、フック本体11Aの大部分が引き出し窓41から引き出される際には、ノズルフック11をスライド可能に保持し、主要部が引き出し窓41から引き出された状態では、外装3内に位置するフック本体11Aの部分(11C)と係合してノズルフック11がフック引き出し窓41から抜け出るのを防止するように構成されている。なお本実施の形態では、ノズルフック収納支持構造16の一部が第1の補強壁42を構成している。具体的には、ノズルフック収納支持構造16は、外装3の前後方向と幅方向に延び且つフック本体11Aの下面の少なくとも一部及びフック本体の上面の少なくとも一部と接触するように上下方向に間隔をあけて配置された一対の対向壁部42A及び42Bを備えている。このような一対の対向壁部を設けると、フック本体11Aが一対の対向壁部42A及び42Bの間に挟まれた状態でノズルフックが保持されるので、ノズルフック11を安定した状態でガタツキ無く強固に保持することができる。
【0033】
本実施の形態では、一方の対向壁部42Bには、他方の対向壁部42Aに向かって上下方向に延び且つ前後方向の後方に向かって延びる起立壁部42Cが一体に設けられている。また並びに
図8(A)及び(B)に示すように、フック本体11Aには、一方の対向壁部42Bに向かって開口し且つ後方に向かって開口して、起立壁部42Cが相対的に摺動可能に嵌合する溝部11Dが設けられている。この起立壁部42Cと溝部11Dを設けると、ノズルフック11が幅方向及び上下方向に移動することを規制することができるので、ノズルフック11をスムーズに前後方向に移動させることが可能になる。
【0034】
本実施の形態では、外装3の第1の角壁部35の内側に、比較的に大きなスペースを確保できるので、ノズルフック収納支持構造16を、余裕を持った大きさで構成することができる。また第1の角壁部35に設けたフック引き出し窓41からノズルフック11を引き出すと、ホース引き出し孔15の真上にノズルフック11が位置するため、ノズルフック11に係止させたノズル9とホース引き出し孔15との間に出るホース7の長さを最小のものとすることができる。したがってホース7が邪魔になることを防止できる。
【0035】
本実施の形態では、フック本体11Aの外装内に位置する部分は、フック本体11Aの外装3内に位置する部分の幅方向の両側面に設けられて引き出し窓41から前後方向の後方に向かうに従って幅方向の寸法が小さくなる一対のフック状係止片部11Cから構成されている。また本実施の形態では、フック本体11Aの外装3内に位置する一対のフック状係止片部11Cと係合してノズルフック11が引き出し窓41から抜け出るのを防止する構造は、引き出し窓41の幅方向の両端部に位置して後方に向かって延びる一対の板状係止片42Dから構成されている。一対の板状係止片42Dは、フック本体11Aが引き出し窓41の前方側から引き出し窓41内に挿入される際に一対のフック状係止片部11Cの幅方向の側面と接触しながら幅方向の両側に傾き、一対のフック状係止片部11Cが一対の板状係止片42Dの端部を越えると平行状態になる構造を有している。一対のフック状係止片部11Cと一対の板状係止片42Dとを設けると、ノズルフック11をフック引き出し窓41から挿入した後は、ノズルフック11を前方に引き出すと、一対の板状係止片42Dが一対のフック状係止片部11Cと係止状態になって、ノズルフック11が引き出し窓41から抜け出るのを阻止することができる。
【0036】
また
図8(A)、(C)及び(D)に示すように、一対のフック状係止片部11Cの近傍には、一対のフック状係止片部11Cが設けられている部分の変位を容易にするために下方向と幅方向に開口するスリット11Eが形成されている。このようなスリット11Eを形成すると、一対のフック状係止片部11Cが一対の板状係止片42Dの端部を越えるまでの間、一対のフック状係止片部11Cが内側に変位するので、フック本体11Aの挿入が容易になる。
【0037】
また対向壁部42Bとフック本体11Aの対向壁部42Bと対向する部分には、フック本体11Aが外装3内に完全に収納されているときには、フック本体11Aに所定以上の引き抜き力が加えられたときにのみフック本体11Aが前方に移動することを許容し、フック本体11Aが引き出し窓41から引き出されて所定位置を越えているときには、フック本体11Aに所定以上の押し込み力が加えられたときにのみフック本体11Aが後方に移動することを許容する係止構造が設けられている。具体的に本実施の形態では、係合構造の一部として、
図7(A)及び(B)に示すように、対向壁部42Aの中央部に、起立壁部42Cと対向するように前後方向に間隔をあけて突起42E及び42Fが設けられている。また
図7(A)乃至(C)及び
図8(C)に示すように、フック本体11
Aの背面部の中央部には、溝部11Dと対応する位置に係合片11Fが係合構造の残部として設けられている。係合片11Fの両側には係合片の動きを容易にするために一対のスリット11Gが形成されている。またフック本体11Aの底部には、一対の突起11Hが一体に設けられている。これらの突起11Hは、係合構造が非係合状態にあるときに、対向壁部42Bの表面と接触して、フック本体11Aが上下方向に振動するのを抑制する。この係合構造では、フック本体11Aが外装3内に完全に収納されているときには、係合片11Fが突起42Fを後方側に乗り越えており、フック本体11Aに所定以上の引き抜き力が加えられたときにのみ、係合片11Fが突起42Fを乗り越えてフック本体11Aが前方に移動することが許容される。またフック本体11Aが引き出し窓41から引き出されて所定位置を越えて
図7(B)に示すように、係合片11Fが突起42Eを前方側に乗り越えており、フック本体11Aに所定以上の押し込み力が加えられたときにのみフック本体11Aが突起42Eを後方側に乗り越えて後方に移動することを許容する。このような係止構造を設けると、搬送時の振動でフック本体11Aが引き出し窓から出ることを阻止することができ、またフック本体11Aにノズル9を係止させるときにフック本体11Aが簡単に外装3内に入り込んでしまうのを阻止することができる。
【0038】
[ノズルフックの構造]
図3(A)及び(B)、
図7(A)乃至(C)及び
図8(A)及び(B)に示すように、ノズルフック11に、ノズル係止部11Iと給水用ホース17の端部に設けられたコネクタ19を係止するコネクタ係止部11Jが設けられている。このようにすると、ノズル9だけでなく、給水用ホース17のコネクタ19もノズルフック11に係止できるので、水道の蛇口から外した給水用ホース17が邪魔になることなく、ホースリール1を片付けることが可能になる。
【0039】
なおノズル係止部11Iは、外装3から引き出されたフック本体11Aを上下方向に貫通する貫通孔11Iaと、該貫通孔11Iaと連通した状態で、上下方向及び幅方向の一方の方向に貫通するスリット部11Ibとから構成されている。貫通孔11Iaは、散水用ホース7は通すが、ノズル9のハンド部9Aの最大径寸法部分は通さない形状寸法を有している。スリット部11Ibは幅方向の一方の方向から散水用ホース7を挿入することが可能な形状寸法を有している。このようにするとノズル9を持った状態で、散水用ホース7をスリット部11Ibに通した後、ノズル9の下端部を貫通孔11Iaに挿入することにより、ノズル9を確実にノズル係止部11Iに係止させることができる。
【0040】
またコネクタ係止部11Jは、給水用ホース17に設けたコネクタ19が係止可能な構造を有している。このようにするとコネクタ19を利用して簡単に給水用ホース17をコネクタ係止部11Jに係止できるので、ホースリール1を搬送する際に、給水用ホース17が邪魔になることがない。
【0041】
なおコネクタ係止部11Jは、上下方向及び幅方向の一方の方向とは反対の他方の方向に開口する平面視でコの字状を呈する凹部11Jaと、凹部11Jaの底部に設けられて他方の方向に向かって突出して、コネクタ19が係止可能な形状を有する係止突起11Jbから構成されている。このようにコネクタ係止部11Jを構成すると、給水用ホース17のコネクタ19を閉じた状態で給水用ホース17の端部を係止するので、給水用ホース17から中に残った水が漏れることを阻止できる。その結果、使用後のホースリール1を移動する際に、給水用ホース17から漏れる水で、使用者の衣服を濡らすことを防止できる。
【0042】
フック本体11Aの上下方向の厚み寸法は、コネクタ係止部11Jの係止突起11Jbの最大直径寸法よりも大きく且つコネクタ19の最大直径寸法よりも小さい。このようにするとコネクタ係止部11Jの係止突起11Jbの強度を十分に確保できる上、必要以上にフック本体11Aの厚みを厚くする必要がなくなる。
【0043】
[散水用ホースの交換構造]
本実施の形態の外装3は、前述の通り分解できない構造であるため、組立後に散水用ホース7を交換できる構造を有している。
図9(A)及び(B)及び
図10には、
図4(A)及び(B)の構造の理解を容易にするために、
図4(A)及び(B)に示したドラム5の支持構造の一部拡大断面図を示してある。そして
図11(A)は、外装3の側壁部39の正面図であり、
図11(B)は外装3の側壁部39の背面図である。
図12(A)乃至(C)はドラムの斜視図、左側面図及び正面図であり、
図13(A)乃至(C)はホース連結具6を固定したドラム5の斜視図、半割り斜視図及び符合Aで示した部分の部分拡大図である。散水用ホース7は、外装3の内部に配置されたドラム5に捲回されている。
図4(A)及び(B)、
図12(A)乃至(C)及び
図13(A)乃至(C)に示すように、ドラム5は、外装3の一対の側壁部39及び40と直交する方向に延びる回転中心線CLを中心にして回転し且つ内部に散水用ホース7(
図2,
図3)の一部が入る筒状部51を備え、筒状部51の両端に一対の鍔部52及び53を備えている。筒状部51の外周部には、散水用ホース7が捲かれる。
図4(A)及び(B)、
図9(A)並びに
図13(A)乃至(C)に示すように、筒状部51の一方の端部にはホース連結具6が嵌合されて固定されている。なお
図14(A)乃至(D)には、ホース連結具6の斜視図、正面図、左側面図及び右側面図が示してある。
【0044】
図9(A)及び(B)に示すように、外装3の一方の側壁部39には、ホース連結具6を抜き出すことを許容する連結具貫通嵌合孔39Aが、回転中心線CLを中心として形成されている。後に詳しく説明するが、ホース連結具6は、一端に筒状部51の外部で給水用ホース17が連結される第1のホース連結部61を有し、他端に筒状部51の内部において散水用ホース7の端部が連結される第2のホース連結部62を有している。そして後に詳しく説明するが、このドラム5の筒状部51の一端に固定されたホース連結具6を取り外し、ホース連結具6を連結具貫通嵌合孔39Aから外部に引き出すことにより、散水用ホース7の交換を行う。
【0045】
連結具貫通嵌合孔39Aには中央に貫通孔21Aを有するキャップ21が嵌合されており、キャップ21の貫通孔21Aから、ホース連結具6の第1のホース連結部61が突出している。なお
図15(A)乃至(E)には、キャップ21の斜視図、正面図、背面図、
図15(B)のD-D線断面図及び
図15(B)のE-E線断面図を示してある。
図9(A)に示すように、連結具貫通嵌合孔39Aは、回転中心線CLを中心とする筒状の大径部39Aaと筒状の大径部39Aaよりも径の小さい筒状の小径部39Abと、大径部39Aaと小径部39Abとを連結するように回転中心線と直交する方向に延びる回転中心線を中心とする円環状の環状部39Acとによって囲まれている。連結具貫通嵌合孔39Aは、環状部
39Acの内縁部によって囲まれて小径部39Abよりも径寸法の小さい最小孔部39Adを有している。そして環状部39Acの内縁部には、周方向に所定の間隔(本実施例では180度)をあけた位置に回転中心線CLが延びる方向に貫通し且つ径方向内側に開口する2つの貫通凹部39Bが形成されている。環状部39Acの内縁部の背面部には、2つの貫通凹部39Bから周方向に所定の回転角度(本実施例では90度)分あけた位置に回転中心線CLが延びる方向と径方向内側に開口する2つの有底凹部39C[
図9(B)及び
図11(B)]が形成されている。
【0046】
図15(A)乃至(E)に示すように、キャップ21は、中央に貫通孔21Aを有するカップ状部分21Bと、該カップ状部分21Bの開口部側にカップ状部分21Bと一体に設けられて側壁部39の環状部39Acと対向するフランジ部21Cと、カップ状部分21Bの外周部から周方向に180度の角度間隔を開けて径方向外側に突出する2つの突起部21Dと、フランジ部に一体に設けられカップ状部分が位置する側に突出し且つフランジ部21Cの周方向に間隔をあけて形成された2つのスペーサ部21Eを備えている。そして2つの突起部21Dと2つのスペーサ部21Eは、カップ状部分21Bの膨出方向からキャップ21を見たときに周方向に回転角度(180度)分離れて配置されている。
【0047】
図9(A)及び(B)に示す2つの突起部21Dの位置と2つのスペーサ部21Eの突出量及び位置は、以下の動作を許容するように定められている。すなわち2つの突起部21Dが貫通凹部39Bを通過して連結具貫通嵌合孔39Aの小径部39Ab内に嵌合するようにキャップを押し込んだ状態で、2つのスペーサ部21Eが環状部39Acと接触し、その後キャップ21が一方向に回転しているときに、フランジ部21Cに素材弾性を発揮させて2つの突起部21Dが素材弾性により環状部39Acの裏面に押し付けられるのを阻止または抑制し、2つの突起部21Dが2つの有底凹部39Cに嵌ると素材弾性の発揮が解除されて2つの突起部21Dが2つの有底凹部内39Cに完全に嵌る。また有底凹部39C内に2つの突起部21Dが完全に嵌っている状態でキャップ21を押し込むと2つの突起部21Dが2つの有底凹部39Cから抜け、その後キャップ21を他方向に回転しているときにスペーサ部21Eの先端が環状部39Acの表面と接触しながら、フランジ部21Cに素材弾性を発揮させて2つの突起部21Dが素材弾性により環状部39Acの裏面に押し付けられるのを阻止または抑制し、2つの突起部21Dが貫通凹部39Bに嵌ると素材弾性の発揮が解除されて2つの突起部21Dを2つの貫通凹部39Bから抜き出すことが可能になる。
【0048】
なおキャップ21の貫通孔21Aは、筒部21Fの内部に形成されており、筒部21Fの外側端部には周方向に所定の間隔をあけて回り止め用スリット21Gが複数形成されている。この回り止め用スリット21Gには、給水用ホースの先端に設けたコネクタ19の一部が嵌って回り止めがはかられる。
【0049】
連結具貫通嵌合孔39Aに、キャップ21を嵌合するためには、キャップ21を連結具貫通嵌合孔39Aに押し込む動作をする際に、
図15(C)及び(D)に示すキャップ21の2つの突起部21Dを、
図11(A)及び(B)に示す側壁部39に形成した連結具貫通嵌合孔39Aの周囲に設けた2つの貫通凹部39Bに挿入する押し込み動作をした後に、回転中心線CLを中心にしてキャップ21を一方向に回転させる動作をする。キャップ21を外す際には、キャップ21に押し込み動作をした後に、キャップ21を一方向とは反対の他方向に回転させる動作をした後、キャップ21を連結具貫通嵌合孔39Aから引き抜く動作をすることにより、突起部21Dを貫通凹部39Bから引き出して、嵌合状態を解除する。この構造によれば、キャップ21はネジを用いることなく、嵌合だけで取り付けることができるので、少ない部品点数での組立が可能になる。キャップ21には、回転させる際に使用者の指を掛ける爪部21Hがカップ状部分21Bの内部に180度間隔をあけて一体に設けられている。
【0050】
図14(A)乃至(D)に示すように、ホース連結具6は、一端に筒状部51の外部で給水用ホース17が連結される第1のホース連結部61を有し、他端に筒状部51の内部において散水用ホース7の端部が連結される第2のホース連結部62を有している。ホース連結具6は、筒状部51の一端に取り外し可能に固定するために、ドラム5の筒状部51の一端に嵌合される円板状の板状部63を一体に有している。板状部63の外周部と筒状部の一端の内周部には、嵌合解除が可能な嵌合構造を構成する嵌合段部63A[
図14(A),(B)及び(D),
図9(A)]と被嵌合段部51A[
図9(A),
図12(A)]とが、それぞれ一体に設けられている。このような嵌合構造を用いると、ホース連結具6のドラム5への位置決めが容易になる。
【0051】
またホース連結具6の板状部63の外周部の近傍には、板状部63の径方向と厚み方向に開口する凹部64が形成されている。また板状部63には、凹部64と径方向に対向する外周部には径方向外側に突出する外側突出部65が一体に設けられている。またドラム5の筒状部51の一端の内周部には外側突出部65が嵌入される嵌入孔51B[
図12(B)及び(C)、
図13(B)及び(C)]が形成されている。またドラム5の筒状部51の一端の内周部には嵌入孔51Bと径方向に対向する位置に径方向内側に突出する内側突出部51Cが一体に設けられている。この内側突出部51Cには、
図13(C)に示すように、嵌入孔51Bに外側突出部65が嵌入されて、凹部64と内側突出部51Cとが整合した状態で、凹部64を通して挿入されるネジ部材SC[
図2]が螺入されるネジ螺入孔51D[
図12(A)及び(B)並びに
図13(A)]が形成されている。このような構造を採用すると、ドラム5の嵌入孔51Bにホース連結具6の外側突出部65を嵌入することにより[
図13(B)及び(C)]、ホース連結具6の板状部63に設けた凹部64を、ドラム5の筒状部51の一端の内周部に設けた内側突出部51Cと整合させることができる。ドラム5の嵌入孔51Bにホース連結具6の外側突出部65を嵌入することにより、ホース連結具6の抜け止めと回り止めが図られる。
【0052】
その上ネジ部材SCをネジ螺入孔51Dに螺入させることによりホース連結具6をドラム5の筒状部51に対して固定することができる。ホース7を交換する際には、ネジ部材SCを外すことにより、ホース連結具6をドラム5の筒状部51の一端から簡単に外すことができる。
【0053】
ホース7を交換する際には、引き出したホース連結具6から交換すべき散水用ホース7を取り外し、外装3の正面のホース引き出し孔15(
図2)からホース7を引き抜く。その後、ホース引き出し孔15から新しい散水用ホースの端部を外装3内に挿入し、ドラム5のホース貫通孔57から筒状部51の内部を通して筒状部51の一端から新しい散水用ホースの端部を押し出し、新たな散水用ホースをホース連結具6の第2のホース連結部62に連結する。その後ホース連結具6をドラム5の筒状部51の一端に固定し、ドラム5を回転させることにより、筒状部51の周囲に新しいホースを捲回すれば、散水用ホースを交換することができる。なお
図12(D)に示すように、新しい散水用ホース
7の端部には、
図4(C)に示したホース端部キャップHCを嵌合して、ドラム5のホース貫通孔57に挿入するようにしてもよい。ホース貫通孔57から筒状部51の内部に新しい散水用ホース
7を押し込む際に、散水用ホース
7の端部が切断面のままであると、接触抵抗が大きいために新しい散水用ホース
7を押し込み難くなる。これに対してホース端部キャップHCを新しい散水用ホース
7の端部に嵌合すれば、新しい散水用ホース
7の先端部の接触抵抗が小さくなり、新しい散水用ホース
7が途中で引っかかることなくスムーズに散水用ホース
7の端部を進ませることができる。
【0054】
[ドラムの支持構造]
図4(A)及び(B),
図9(A)及び(B)並びに
図12(A)乃至(C)に示すように、ドラム5の一対の鍔部52及び53には、回転中心線CLを中心とする一対の筒状壁部54及び55が一体に設けられている。そして外装3の一対の側壁部39及び40には、回転中心線CLを中心としてそれぞれ一対の筒状壁部54及び55の内側に緩く嵌合する一対の筒状嵌合壁部39D及び40Cが一体に設けられている。この構造によれば、一対の筒状壁部54及び55と一対の筒状嵌合壁部39D及び40Cが緩く嵌合することにより、ドラム5の軸受け構造を簡単に構成することができる。
【0055】
本実施の形態では、ドラム5は一体に成形されているが、筒状部51と鍔部52及び53を別部品として、これらの部品を組み合わせることにより、ドラム5を構成するようにしても良いのは勿論である。
【0056】
[ハンドルの取付構造]
図4(A)及び(B)並びに
図10に示すように、ドラム5の筒状部51の他端には、回転中心線CLに沿って延びるハンドル固定部8が一体に設けられている。外装3の側壁部40には、ハンドル固定部8の中に位置する筒部8Aが突出する固定部貫通嵌合孔40Aが回転中心線を中心として形成されている。固定部貫通嵌合孔40Aには中央に貫通孔23Aを有するキャップ23[
図16(A)乃至(E)]が嵌合されている。このキャップ23の貫通孔23Aから、ハンドル固定部8の筒部8Aを突出する。この構造によれば、ハンドル固定部8を簡単に突出させることができる。ハンドル13の取付部13Aは、筒部8Aに対して回転しない回り止め構造を有している。なおこの構造は公知であるため詳細な説明は省略する。またキャップ23の構造は、前述のキャップ21と実質的に同じであるため、
図16においては、
図15に付した符号の数に2の数を足した符合を付して説明を省略する。
【0057】
[ホースの折れ曲がり防止構造]
本実施の形態では、散水用ホース7がドラム5に巻き付けられた状態で、散水用ホース7がドラム5の近傍において折れ曲がり、散水用ホース7から出せる水の量が減少することを防ぐ構造を採用している。
図12(A)乃至(C)に示すように、ドラム5の筒状部51には、筒状部51の円柱状外周面から筒状部51の仮想回転中心線(CL)に向かい且つ仮想回転中心(CL)に沿って延びる鉛直壁部56を設け、この鉛直壁部56にホース貫通孔57を形成している。そして筒状部51には、ホース貫通孔57の外側に鉛直壁部56と連続しホース貫通孔57から延び出た散水用ホースの一部を円柱状外周面CSまで支持した状態でガイドするガイド壁部58を設けている。ドラム5をこのように構成すると、散水用ホース7は鉛直壁部56に設けたホース貫通孔57を通過した後に、鉛直壁部56と連続するガイド壁部58に沿って筒状部51の外周面CSまでガイドされる。ガイド壁部58により散水用ホース7の一部を支持すると、筒状部51の内部からで出る散水用ホースが折れ曲がることなくドラム5の外周面CSまで延びる。その結果、散水用ホースから出る水の量が、減ることを防止できる。
図4(A)及び(B)には、散水用ホース7は図示していない。なお
図4(A)及び(B)には、筒状部51内に挿入されて、ホース連結具6の第2のホース連結部62に装着された散水用ホース7の端部に挿入されるコイルスプリング25を図示してある。
図4においては、ハンドル13の取付部13Aの内部にコイルスプリング25の一端が入っているが、実際には、ホース貫通孔57から筒状部51の内部に挿入された散水用ホース7の中に、コイルスプリング25が挿入される。なおこのコイルスプリング25の使用も公知であるため詳細な説明は省略する。また
図4(A)及び(B)においては、ホース連結具6の第2のホース連結部62にホースキャップ26を嵌めてあるが、このホースキャップ26は散水用ホース7の端部を第2のホース連結部62に連結するためのものであり、実際に使用する際には、第2のホース連結部62に上に装着された散水用ホース7の端部の外側に配置される。
【0058】
[ホースリール本体]
図17(A)乃至(F)には、ホースを装着していないホースリール本体の6面図を示している。なお
図17(F)に示されるように、このホースリール本体では、水抜き孔の内周部に、新しい散水用ホースWHがホース貫通孔57に挿入される際に新しい散水用ホースの端部に嵌合されるホース端部キャップHCが分離可能に一体に設けられている。
【0059】
[変形例]
キャップ21及びキャップ23も同じ構造を有しているものを用いるようにしてもよい。このようにすると部品の共通化を図ることができるので、部品の種類を少なくすることができ、製品の価格を低減できる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明においては、ホース連結具が、筒状部の一端に取り外し可能に固定されている。そして一対の側壁部の一方には、ホース連結具を抜き出すことを許容する連結具貫通嵌合孔が、回転中心線を中心として形成されているので、ホース連結具をドラムの筒状部の一端に固定されたホース連結具を取り外し、ホース連結具を連結具貫通嵌合孔から外部に引き出すことができる。そして引き出したホース連結具から交換すべき散水用ホースを取り外し、ホース引き出し孔から引き抜く。その後、ホース引き出し孔から新しい散水用ホースの端部を外装内に挿入し、ホース貫通孔から筒状部の内部を通して筒状部の一端から新しい散水用ホースの端部を押し出し、新たな散水用ホースをホース連結具の第2のホース連結部に連結する。その後ホース連結部をドラムの筒状部の一端に固定し、ドラムを回転させることにより、筒状部の周囲にホースを捲回すれば、散水用ホースを交換することができる。
【符号の説明】
【0061】
1 ホースリール
3 外装
5 ドラム
6 ホース連結具
7 散水用ホース
8 ハンドル固定部
8A 筒部
9 ノズル
9A ハンド部
11 ノズルフック
11A フック本体
11B 先端部
11C フック状係止片部
11D 溝部
11E スリット
11F 係合片
11G スリット
11H 突起
11I ノズル係止部
11J コネクタ係止部
11Ia 貫通孔
11Ib スリット部
11Ja 凹部
11Jb 係止突起
13 ハンドル
13A 取付部
15 孔
16 ノズルフック収納支持構造
17 給水用ホース
19 コネクタ
21 キャップ
21A 貫通孔
21B カップ状部分
21C フランジ部
21D 突起部
21E スペーサ部
21F 筒部
21G スリット
21H 爪部
23A 貫通孔
23 キャップ
25 コイルスプリング
26 ホースキャップ
30 外装枠体
31 平面側壁部
32 底面側壁部
33 正面側壁部
34 背面側壁部
35 第1の角壁部
36 第2の角壁部
37 第3の角壁部
38 第4の角壁部
39 側壁部
39A 連結具貫通嵌合孔
39B 貫通凹部
39C 有底凹部
39D,40C 筒状嵌合壁部
40 側壁部
40A 固定部貫通嵌合孔
41 引き出し窓
42 第1の補強壁
43 第2の補強壁
44 第3の補強壁
45 第4の補強壁
42A 対向壁部
42B 対向壁部
42C 起立壁部
42D 板状係止片
42E 突起
42F 突起
46 把持孔
47 水抜き孔
48 嵌合用凸部
49 嵌合用凹部
51 筒状部
51A 被嵌合部
51B 嵌入孔
51C 内側突出部
51D ネジ螺入孔
52,53 鍔部
54,55 筒状壁部
56 鉛直壁部
57 ホース貫通孔
58 ガイド壁部
61 筒状部
62 ホース連結部
63 板状部
63A 嵌合段部
64 凹部
65 外側突出部
W 幅寸法
H 寸法
S スペース
CL 回転中心線
SC ネジ部材
CS 円柱状外周面
HC ホース端部キャップ