(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-08
(45)【発行日】2022-02-17
(54)【発明の名称】サーバ、サーバ制御方法、サーバ制御プログラム、及び端末制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 13/00 20060101AFI20220209BHJP
H04N 21/258 20110101ALI20220209BHJP
H04N 21/2668 20110101ALI20220209BHJP
【FI】
G06F13/00
H04N21/258
H04N21/2668
(21)【出願番号】P 2019160733
(22)【出願日】2019-09-03
【審査請求日】2019-09-03
【審判番号】
【審判請求日】2020-08-24
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1.https://odb.tokyo/ 株式会社ワンダラービルが、自社ホームページにて2019年4月30日より、出願に係る発明の内容を公開。 2.https://note.mu/onedollarbill 株式会社ワンダラービルが、自社ブログにて2019年4月1日、2019年4月4日、2019年4月10日から出願に係る発明の内容を公開。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519320952
【氏名又は名称】株式会社ワンダラービル
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100192924
【氏名又は名称】石井 裕充
(72)【発明者】
【氏名】井本 陽
(72)【発明者】
【氏名】村山 智隆
(72)【発明者】
【氏名】松木 玲也
(72)【発明者】
【氏名】小田 岳史
【合議体】
【審判長】稲葉 和生
【審判官】富澤 哲生
【審判官】野崎 大進
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-93734(JP,A)
【文献】特開2008-220979(JP,A)
【文献】特開2012-93734(JP,A)
【文献】特開2017-67957(JP,A)
【文献】特開2019-95828(JP,A)
【文献】真嶋由貴恵,他3名,自己学習支援システムデザインと初学者の看護スキル習得状況,電子情報通信学会技術研究報告,日本,社団法人電子情報通信学会,2011年5月7日,第111巻,第39号,p.65-70
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
H04N 21/258, 21/2668
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配信者端末、挑戦者端末及び閲覧者端末と通信可能に接続されたサーバであって、
前記サーバはサーバ制御部を含み、前記サーバ制御部は、
前記配信者端末から配信者動画を受信し、
前記挑戦者端末からの要求に応じて、1以上の配信者動画の属性を含む配信者動画リストを送信し、
前記挑戦者端末によって前記配信者動画リストから選択された配信者動画を、前記挑戦者端末に送信し、
前記配信者動画と前記配信者動画に関連付けて撮影された挑戦者動画とを同一画面内の別の表示領域に表示する対戦動画を、前記挑戦者端末から受信し、
前記閲覧者端末からの要求に応じて、前記対戦動画を送信し、
前記閲覧者端末から、前記配信者動画と前記挑戦者動画との少なくとも一方に対する選択を受け付け、
前記配信者端末及び前記挑戦者端末の両方は携帯端末であり、
前記配信者動画及び前記挑戦者動画の両方は屋外で行われるストリートカルチャーを撮影した動画であ
り、
前記閲覧者端末により、配信者と挑戦者とが音声の内容で対戦していると判定されると、前記対戦動画において同一画面内の別の表示領域において表示される前記配信者動画と前記挑戦者動画とは、前記配信者動画の音声と前記挑戦者動画の音声とが被らないように交互に再生される、
サーバ。
【請求項2】
請求項1に記載のサーバにおいて、
前記閲覧者端末から受け付けた選択は、前記配信者動画及び前記挑戦者動画の少なくとも一方に経済上の利益を提供することの選択を含む、サーバ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のサーバにおいて、
前記配信者動画と前記挑戦者動画とは、それぞれ、配信者と挑戦者とが同一の楽曲に合わせて行ったダンスの動画を含む、サーバ。
【請求項4】
請求項1乃至
3のいずれか一項に記載のサーバにおいて、
前記サーバ制御部は、対戦の開始時刻から所定時間が経過したと判定すると、前記対戦動画の配信を停止し、対戦が終了したことを前記配信者端末、前記挑戦者端末及び前記閲覧者端末の少なくとも1つに通知する、サーバ。
【請求項5】
配信者端末、挑戦者端末及び閲覧者端末と通信可能に接続されたサーバによって実行されるサーバ制御方法であって、
前記サーバに含まれるサーバ制御部は、
前記配信者端末から配信者動画を受信し、
前記挑戦者端末からの要求に応じて、1以上の配信者動画の属性を含む配信者動画リストを送信し、
前記挑戦者端末によって前記配信者動画リストから選択された配信者動画を、前記挑戦者端末に送信し、
前記配信者動画と前記配信者動画に関連付けて撮影された挑戦者動画とを同一画面内の別の表示領域に表示する対戦動画を、前記挑戦者端末から受信し、
前記閲覧者端末からの要求に応じて、前記対戦動画を送信し、
前記閲覧者端末から、前記配信者動画と前記挑戦者動画との少なくとも一方に対する選択を受け付け、
前記配信者端末及び前記挑戦者端末の両方は携帯端末であり、
前記配信者動画及び前記挑戦者動画の両方は屋外で行われるストリートカルチャーを撮影した動画であ
り、
前記閲覧者端末により、配信者と挑戦者とが音声の内容で対戦していると判定されると、前記対戦動画において同一画面内の別の表示領域において表示される前記配信者動画と前記挑戦者動画とは、前記配信者動画の音声と前記挑戦者動画の音声とが被らないように交互に再生される、
サーバ制御方法。
【請求項6】
配信者端末、挑戦者端末及び閲覧者端末と通信可能に接続されたサーバに、
前記配信者端末から配信者動画を受信し、
前記挑戦者端末からの要求に応じて、1以上の配信者動画の属性を含む配信者動画リストを送信し、
前記挑戦者端末によって前記配信者動画リストから選択された配信者動画を、前記挑戦者端末に送信し、
前記配信者動画と前記配信者動画に関連付けて撮影された挑戦者動画とを同一画面内の別の表示領域に表示する対戦動画を、前記挑戦者端末から受信し、
前記閲覧者端末からの要求に応じて、前記対戦動画を送信し、
前記閲覧者端末から、前記配信者動画と前記挑戦者動画との少なくとも一方に対する選択を受け付ける、
処理を実行させるサーバ制御プログラムであって、
前記配信者端末及び前記挑戦者端末の両方は携帯端末であり、
前記配信者動画及び前記挑戦者動画の両方は屋外で行われるストリートカルチャーを撮影した動画であ
り、
前記閲覧者端末により、配信者と挑戦者とが音声の内容で対戦していると判定されると、前記対戦動画において同一画面内の別の表示領域において表示される前記配信者動画と前記挑戦者動画とは、前記配信者動画の音声と前記挑戦者動画の音声とが被らないように交互に再生される、
サーバ制御プログラム。
【請求項7】
携帯端末に、
対戦動画の取得要求をサーバに送信し、
前記サーバから、配信者動画と前記配信者動画に関連付けて撮影された挑戦者動画とを同一画面内の別の表示領域に表示する対戦動画を受信し、
前記配信者動画と前記挑戦者動画との少なくとも一方に対する選択を受け付ける、
処理を実行させ、
前記配信者動画と前記挑戦者動画とは、それぞれ、配信者と挑戦者とが同一の楽曲に合わせて行ったダンスの動画を含み、
前記配信者動画及び前記挑戦者動画の両方は屋外で行われるストリートカルチャーを撮影した動画であ
り、
前記携帯端末により、配信者と挑戦者とが音声の内容で対戦していると判定されると、前記対戦動画において同一画面内の別の表示領域において表示される前記配信者動画と前記挑戦者動画とは、前記配信者動画の音声と前記挑戦者動画の音声とが被らないように交互に再生される、
端末制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ、サーバ制御方法、サーバ制御プログラム、及び端末制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータ上で行われるゲーム対戦の画面をキャプチャした動画、又は、そのゲーム対戦の様子を撮影した動画を、視聴者端末の画面に配信するシステムが知られている(例えば下記特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1において配信される動画データは、開催中のゲーム対戦を配信するものに過ぎないので、ユーザ同士をどのように対戦させるかの方法については記載されていない。よって従来の技術には改善の余地がある。
【0005】
上記のような問題点に鑑みてなされた本発明の目的は、動画によりユーザ同士を対戦させる技術を改善させるサーバ、サーバ制御方法、サーバ制御プログラム、及び端末制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本実施形態に係るサーバは、
配信者端末、挑戦者端末及び閲覧者端末と通信可能に接続されたサーバであって、
前記サーバはサーバ制御部を含み、前記サーバ制御部は、
前記配信者端末から配信者動画を受信し、
前記挑戦者端末からの要求に応じて、1以上の配信者動画の属性を含む配信者動画リストを送信し、
前記挑戦者端末によって前記配信者動画リストから選択された配信者動画を、前記挑戦者端末に送信し、
前記配信者動画と前記配信者動画に関連付けて撮影された挑戦者動画とを同一画面内の別の表示領域に表示する対戦動画を、前記挑戦者端末から受信し、
前記閲覧者端末からの要求に応じて、前記対戦動画を送信し、
前記閲覧者端末から、前記配信者動画と前記挑戦者動画との少なくとも一方に対する選択を受け付ける。
【0007】
上記課題を解決するため、本実施形態に係るサーバ制御方法は、
配信者端末、挑戦者端末及び閲覧者端末と通信可能に接続されたサーバによって実行されるサーバ制御方法であって、
前記サーバに含まれるサーバ制御部は、
前記配信者端末から配信者動画を受信し、
前記挑戦者端末からの要求に応じて、1以上の配信者動画の属性を含む配信者動画リストを送信し、
前記挑戦者端末によって前記配信者動画リストから選択された配信者動画を、前記挑戦者端末に送信し、
前記配信者動画と前記配信者動画に関連付けて撮影された挑戦者動画とを同一画面内の別の表示領域に表示する対戦動画を、前記挑戦者端末から受信し、
前記閲覧者端末からの要求に応じて、前記対戦動画を送信し、
前記閲覧者端末から、前記配信者動画と前記挑戦者動画との少なくとも一方に対する選択を受け付ける。
【0008】
上記課題を解決するため、本実施形態に係るサーバ制御プログラムは、
配信者端末、挑戦者端末及び閲覧者端末と通信可能に接続されたサーバに、
前記配信者端末から配信者動画を受信し、
前記挑戦者端末からの要求に応じて、1以上の配信者動画の属性を含む配信者動画リストを送信し、
前記挑戦者端末によって前記配信者動画リストから選択された配信者動画を、前記挑戦者端末に送信し、
前記配信者動画と前記配信者動画に関連付けて撮影された挑戦者動画とを同一画面内の別の表示領域に表示する対戦動画を、前記挑戦者端末から受信し、
前記閲覧者端末からの要求に応じて、前記対戦動画を送信し、
前記閲覧者端末から、前記配信者動画と前記挑戦者動画との少なくとも一方に対する選択を受け付ける、
処理を実行させる。
【0009】
上記課題を解決するため、本実施形態に係る端末制御プログラムは、
コンピュータに、
対戦動画の取得要求をサーバに送信し、
前記サーバから、配信者動画と前記配信者動画に関連付けて撮影された挑戦者動画とを同一画面内の別の表示領域に表示する対戦動画を受信し、
前記配信者動画と前記挑戦者動画との少なくとも一方に対する選択を受け付ける、
処理を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明のサーバ、サーバ制御方法、サーバ制御プログラム、及び端末制御プログラムによれば、動画によりユーザ同士を対戦させる技術を改善させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態の情報処理システムの全体図である。
【
図3】サーバ記憶部に記憶されるデータの一例を示す図である。
【
図5】サーバ記憶部に記憶されるデータの一例を示す図である。
【
図7】サーバ記憶部に記憶されるデータの一例を示す図である。
【
図8】情報処理システムにおいて実行される処理のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を用いて本発明の実施形態が説明される。
【0013】
図1は、本実施形態の情報処理システムSの全体図である。情報処理システムSは、ネットワークNWを介して互いに通信可能に接続されたサーバ1と配信者端末2と挑戦者端末3と閲覧者端末4とを含む。
図1では説明の簡便のため、サーバ1と配信者端末2と挑戦者端末3と閲覧者端末4とは1つずつ図示されている。しかし、サーバ1と配信者端末2と挑戦者端末3と閲覧者端末4とのそれぞれの数は2つ以上であってよい。
【0014】
図2Aはサーバ1の機能ブロック図である。サーバ1はサーバ通信部11とサーバ記憶部12とサーバ制御部13とを含む。
【0015】
サーバ通信部11は、サーバ1と他の任意の端末との間の通信を行う通信モジュールを含む。サーバ通信部11は、他の任意の端末から出力された情報を取得するとともに、その情報を、ネットワークNWを介して接続された他の任意の端末へ送信することができる。
【0016】
サーバ記憶部12は1つ以上のメモリを含む。メモリは、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。サーバ記憶部12に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。サーバ記憶部12は、他の任意の端末から出力された情報を記憶する。サーバ記憶部12は、サーバ制御プログラム又は情報処理システムSの全体の動作又は制御に関する各種プログラムを記憶してよい。
【0017】
サーバ制御部13はCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを備える。サーバ制御部13は、サーバ通信部11、サーバ記憶部12の制御を行うとともに、サーバ1の全体の動作に関する全ての制御を行う。
【0018】
図2Bは配信者端末2の機能ブロック図である。配信者端末2は、配信を行うユーザによって操作される端末である。配信者端末2は、撮像部21と入力部22と記憶部23と制御部24と通信部25と出力部26とを備える。
【0019】
撮像部21は、配信者端末2の周囲の被写体を撮影する、いわゆるカメラを含む。
【0020】
入力部22は、ユーザ入力を検出し、入力情報を制御部24に送る入力インタフェースを含む。入力インタフェースは、たとえば、物理キー、静電容量キー、パネルディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、または音声入力を受け付けるマイクロフォン等であるが、これらに限られず、任意の入力部であってもよい。
【0021】
記憶部23は1つ以上のメモリを含む。メモリは、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部23に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部23は、制御部24によって分析又は処理された結果の情報を記憶してよい。記憶部23は、配信者端末2の動作又は制御に関する各種情報等(例えば、アプリケーション)を記憶してよい。
【0022】
制御部24は例えばCPU等のプロセッサを含む。プロセッサは、汎用のプロセッサ、又は特定の処理に特化した専用のプロセッサであってよい。例えば、制御部24は、配信者端末2の全体の動作を制御する。制御部24は、配信者端末2に含まれる他の機能部の制御を行う。
【0023】
通信部25は、サーバ1と配信者端末2との間の通信を行う通信モジュールを含む。通信部25は、ネットワークNWに接続する通信モジュール、或いは、4G(4th Generation)及び5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応する通信モジュールを含んでもよい。
【0024】
出力部26は、制御部24が生成した情報、記憶部23から読み出された情報、又はサーバ1から受信した情報等を、ユーザに対して表示する表示インタフェースを含む。出力部26は例えばパネルディスプレイを含んでよい。本実施形態の表示インタフェースはアプリケーションによって生成されるが、これに限られない。更に出力部26は、スピーカを用いて音を出力し、バイブレーション機能を用いて振動を出力してよい。
【0025】
図2C及び
図2Dはそれぞれ、挑戦者端末3及び閲覧者端末4の機能ブロック図である。挑戦者端末3及び閲覧者端末4は、それぞれ、配信者に対する挑戦を行うユーザ及び生成された対戦動画を閲覧するユーザによって操作される端末である。挑戦者端末3及び閲覧者端末4のハードウェア構成は配信者端末2のハードウェア構成と同一であってよいため、ここでの説明を省略する。
【0026】
以下、情報処理システムSが実行する制御方法を詳細に説明する。
【0027】
配信者端末2は、配信者の操作を受け付けて、配信者動画の生成に使用する楽曲を記憶部23から選択する。代替例として、配信者端末2はサーバ1のサーバ記憶部12に記憶された1以上の楽曲の属性(例えば、タイトル、キーワード、サムネイル等)を、アプリ等の機能を用いて出力部26に表示して、配信者から楽曲の選択を受け付けてよい。別の代替例として、配信者端末2は、配信者端末2の記憶部23に記憶された1以上の任意の動画の属性を出力部26に表示し、選択された動画で使用された楽曲又は選択された楽曲に関連付けられた楽曲を、配信者動画の生成に使用する楽曲として選択してよい。更に別の代替例として、配信者端末2は、サーバ1のサーバ記憶部12に記憶された楽曲リストから、配信者によって選択された楽曲を選択して、選択された楽曲をサーバ通信部11とネットワークNWとを介して受信してよい。
【0028】
配信者端末2は、配信者の操作を受け付けて、配信者の撮影を開始する。本実施形態において配信者端末2は、配信者がダンスをする様子を撮影する。他の実施形態では、配信者端末2は、配信者がダンスではなく例えばグラフイティ、ラップ、ダブルダッチ、スケートボード、BMX(Bicycle Motocross)、スカイダイビング、演奏、歌唱、再生機器の操作(DJ操作)、及び、その他任意のストリートカルチャー等を行う様子を撮影してよい。配信者端末2は、配信者を撮影する代わりに、配信者の操作を受け付けて、記憶部23に記憶された動画を選択してよい。
【0029】
配信者端末2は、撮影された動画を楽曲と合成して配信者動画を生成し、配信要求と共にサーバ1に送信する。
【0030】
サーバ1は配信者動画を受信すると、
図3に示すように、配信者動画を配信者IDと関連付けてサーバ記憶部12に記憶する。
【0031】
挑戦者端末3は、任意の時点で挑戦者ユーザの操作を受け付けて、配信者動画リストの取得要求をサーバ1に送信する。取得要求は、配信者動画の属性(例えば、タイトル、キーワード、タグ、サムネイル等)を指定するクエリを含んでよい。
【0032】
サーバ1は、取得要求を受信すると、取得要求に含まれた属性に対応した1以上の配信者動画を記憶部23から取得し、1以上の配信者動画のそれぞれの属性を含む配信者動画リストを生成する。
【0033】
サーバ1は、生成した配信者動画リストを挑戦者端末3に送信する。
【0034】
配信者動画リストを受信した挑戦者端末3は、挑戦者の操作を受け付けて、挑戦者が挑戦する対象となる動画(本実施形態では1つの動画であるが、他の実施形態では複数の動画であってよい)を配信者動画リストから選択する。挑戦者端末3は、出力部36に、バトル作成画面(
図4参照)を表示する。領域R41には配信者動画又は配信者動画を表す画像(例えばサムネイル)等が表示される。
【0035】
挑戦者端末3は、サーバ1から取得した情報を用いて、配信者動画で使用された楽曲を識別し、その楽曲と同一の楽曲を記憶部33から取得する。
【0036】
挑戦者端末3は、挑戦者による領域R42の選択操作を受け付けると、挑戦者の撮影を開始する。本実施形態の配信者動画は配信者が一例としてダンスをする様子の動画である。挑戦者は、配信者と同一の楽曲に合わせて自身のダンスを行い、挑戦者端末3を用いてダンスの様子を撮影する。代替例として挑戦者端末3は、挑戦者を撮影する代わりに、挑戦者の操作を受け付けて、記憶部33に記憶された動画を選択してよい。
【0037】
挑戦者端末3は、撮影された動画を楽曲と合成して挑戦者動画を生成する。
【0038】
挑戦者端末3は、挑戦者が挑戦する対象となる配信者動画をサーバ1から受信すると、挑戦者動画と配信者動画とを合成して対戦動画を生成する。挑戦者端末3は、任意の画像編集操作を挑戦者から受け付けてよい。対戦動画においては、配信者動画と挑戦者動画とは、同一画面内の別の表示領域に表示される。挑戦者端末3は、対戦動画を、対戦情報と共にサーバ1に送信する。対戦情報は例えば、対戦を行うユーザの組み合わせ、対戦開始時刻等を含んでよい。
【0039】
サーバ1は対戦情報及び対戦動画を受信すると、
図5に示すように、配信者IDと挑戦者IDと対戦動画とを、対戦IDに関連付けてサーバ記憶部12に記憶する。
【0040】
サーバ1は、1つの配信者動画に対して、1以上の挑戦者端末3のそれぞれから1以上の対戦動画を受け付けることができる。例えば
図5に示すように、配信者H001に対して、挑戦者T001とT002とのそれぞれが対戦を行うことができる。それぞれの対戦において、対戦動画BV001及びBV002がサーバ記憶部12に記憶される。
【0041】
サーバ1は、新たな対戦動画がサーバ記憶部12に記憶されたとき、その対戦動画に関連付けられた配信者をフォローしている閲覧者(配信者に関連付けてサーバ記憶部12に記憶された閲覧者)の閲覧者端末4に対し、新たな対戦動画がアップロードされたことを示す任意の通知を送信してよい。通知はプッシュ通知であってよい。
【0042】
サーバ1は、閲覧者端末4からの要求に応じて、1以上の対戦動画のそれぞれの属性を含む対戦動画リストを生成する。その要求は、対戦動画の属性を指定するクエリを含んでよい。
【0043】
閲覧者端末4は、対戦動画リストに含まれる対戦動画(本実施形態では1つ)をサーバ1から受信し、出力部46に表示して再生する。閲覧者端末4は更に、動画の再生中に、対戦動画リストに含まれる別の1以上の動画をバックグラウンド処理で受信してよい。これにより、閲覧者端末4は複数の対戦動画を切り替えて再生可能である。例えば閲覧者端末4は、閲覧者によるスワイプ操作を受け付けて、再生中の対戦動画を別の対戦動画に切り替えて再生することができる。
【0044】
対戦動画の再生中、閲覧者端末4は
図6に示すように、同一画面内の異なる表示領域R61及びR62で配信者動画と挑戦者動画とを再生する。このとき、配信者動画と挑戦者動画とのそれぞれの音声の両方又は片方が出力されてよいし、両方とも出力されなくてもよい。
【0045】
閲覧者端末4は、対戦情報に含まれる対戦内容に応じて、対戦動画において配信者動画と挑戦者動画とを交互に再生してよい。例えば閲覧者端末4は、配信者と挑戦者とが、演奏又は歌唱等を行ってその音声の内容(例えば、音色、響き、音程等)で対戦していると判定すると、配信者の音声と挑戦者の音声とが被らないように動画の再生を制御する。具体的には閲覧者端末4は、所定時間、配信者動画を停止した状態で閲覧者動画のみを再生し、次の所定時間に閲覧者動画を停止した状態で配信者動画を再生してよい。
【0046】
閲覧者端末4は、閲覧者から、配信者と挑戦者とのいずれを応援するかの選択を受け付ける。代替例として閲覧者端末4は、配信者と挑戦者の双方を応援することの選択を受け付けてよい。応援とは、経済上の利益を提供することを含む。経済上の利益は、本実施形態では一例としてポイントであるが、他の実施形態では金銭であってもよい。本実施形態の応援は、いわゆる投げ銭であってよい。閲覧者は応援を行うことによって、自身が応援するユーザ(配信者又は挑戦者)に経済上の利益を提供することができる。経済上の利益の提供は、閲覧者の保有ポイント数の限り、任意の回数行うことができる。
【0047】
閲覧者は、
図6に示す領域R61に表示された配信者を応援する場合は領域R63を選択し、領域R62に表示された挑戦者を応援する場合は領域R64を選択する。閲覧者端末4は、閲覧者による選択結果を含む応援情報をサーバ1に送信する。
【0048】
サーバ1は、
図7に示すように、応援情報をサーバ記憶部12に記憶する。サーバ記憶部12は、応援者ID(閲覧者ID)に関連付けて、被応援者ID(配信者ID又は挑戦者ID)と、応援によって提供される経済上の利益(
図7の「ポイント数」に対応)とを記憶する。
【0049】
サーバ1は、対戦情報から、対戦開始時刻から所定時間(例えば72時間)が経過したと判定すると、対戦を終了する。具体的にはサーバ1は、対戦が終了した対戦動画を、対戦動画リストから除外する。これにより閲覧者端末4は、対戦が終了した対戦動画に対し応援を行うことはできない。しかしサーバ1は、終了した対戦動画をアーカイブ動画としてサーバ記憶部12に記憶し、閲覧者端末4からの要求に応じて配信してよい。これにより閲覧者端末4は、終了した対戦動画を再生することができる。
【0050】
サーバ1は、対戦が終了すると、その対戦において配信者又は挑戦者に対して提供された経済上の利益を、それぞれ配信者と挑戦者とに分配する。具体的には、サーバ1は、サーバ記憶部12において、配信者に提供された経済上の利益の値と、挑戦者に提供された経済上の利益の値とを、それぞれ配信者IDと挑戦者IDとに関連付けて記憶する。
【0051】
サーバ1は、終了した対戦に関連付けられた配信者端末2及び挑戦者端末3と、その対戦で応援を行った閲覧者端末4とに、対戦が終了したことを通知する。
【0052】
サーバ1は、定期的に(本実施形態では一例として毎月)、特定の配信者又は挑戦者に対して提供された経済上の利益をユーザ毎に集計する。
【0053】
サーバ1は、定期的に(本実施形態では一例として毎月)、所定の計算式を用いて、該当期間(本実施形態では今月)の換金単価を算出する。サーバ1は、ユーザ毎に、集計された経済上の利益と、算出された換金単価とを用いて、換金額を算出する。サーバ1は換金額を、ユーザに関連付けてサーバ記憶部12に記憶する。
【0054】
サーバ1は、換金額の算出及び記憶が完了したことを、配信者端末2と挑戦者端末3とに通知する。
【0055】
本実施形態では上記の通り、閲覧者が配信者又は挑戦者に対して経済上の利益を提供する。しかし他の実施形態では、配信者又は挑戦者は、それぞれ、自身が投稿した配信者動画又は挑戦者動画に対して経済上の利益を加算することができる。このときサーバ1は、経済上の利益の加算を受けた配信者動画又は挑戦者動画をおすすめの動画として例えばタイムライン画面に表示し、又は、表示される回数を増加させてよい。これにより、配信者又は挑戦者は、自身の配信者動画又は挑戦者動画の広告を行うことができる。
【0056】
本実施形態では上記の通り、挑戦者端末3は、配信者動画に対して挑戦者動画を投稿する。しかし、他の実施形態では、サーバ1は、送信された挑戦者動画をそのまま配信者動画として配信し、別の挑戦者端末3から挑戦者動画を受け付けて、新たな対戦動画を生成することができる。生成処理は上記の通りであるため、ここでの説明を省略する。
【0057】
図8及び
図9に、情報処理システムSにおいて任意の時点で実行される処理のシーケンス図が示される。
【0058】
ステップS1にて、配信者端末2は配信者のダンスの様子を撮影する。
【0059】
ステップS2にて、配信者端末2は撮影した動画を配信者動画としてサーバ1に送信する。
【0060】
ステップS3にてサーバ1は配信者動画をサーバ記憶部12に記憶する。
【0061】
ステップS4にて挑戦者端末3は配信者動画リストの取得要求をサーバ1に送信する。
【0062】
ステップS5にてサーバ1は配信者動画リストを挑戦者端末3に送信する。
【0063】
ステップS6にて挑戦者端末3は、配信者動画リストから、1つの配信者動画を選択する。
【0064】
ステップS7にて挑戦者端末3は、挑戦者のダンスの様子を撮影することによって、選択された配信者動画に対戦する挑戦者動画を生成する。
【0065】
ステップS8にて挑戦者端末3はサーバ1から配信者動画を受信する。
【0066】
ステップS9にて挑戦者端末3は、配信者動画と挑戦者動画とを合成して対戦動画を生成する。
【0067】
ステップS10にて挑戦者動画は、生成した対戦動画と、対戦に関する対戦情報とをサーバ1に送信する。
【0068】
ステップS11にてサーバ1は対戦動画と対戦情報とをサーバ記憶部12に記憶する。
【0069】
ステップS12にて閲覧者端末4は対戦動画の取得要求をサーバ1に送信する。
【0070】
ステップS13にてサーバ1は、対戦動画を閲覧者端末4に送信する。
【0071】
ステップS14にて閲覧者端末4は、対戦動画を再生する。このとき閲覧者は、対戦動画を視認する。
【0072】
ステップS15にて閲覧者端末4は、閲覧者から、応援対象として配信者と挑戦者との少なくとも一方に対する選択を受け付ける。
【0073】
ステップS16にて閲覧者端末4は、配信者と挑戦者との少なくとも一方を応援することを示す応援情報をサーバ1に送信する。
【0074】
ステップS17にてサーバ1は、応援情報をサーバ記憶部12に記憶する。
【0075】
ステップS18にてサーバ1は、対戦開始時刻から所定時間が経過したか否か(すなわち、対戦が終了したか否か)を判定する。
【0076】
ステップS18でYesのとき、サーバ1は、ステップS19にて、終了した対戦において配信者又は挑戦者に対して提供された経済上の利益を、それぞれ配信者と挑戦者とに分配する。
【0077】
ステップS20、ステップS21及びステップS22にて、サーバ1は、終了した対戦に関連付けられた配信者端末2及び挑戦者端末3と、その対戦で応援を行った閲覧者端末4とに、対戦が終了したことを通知する。
【0078】
ステップS23にて、サーバ1は、定期的に、特定の配信者又は挑戦者に対して提供された経済上の利益をユーザ毎に集計する。
【0079】
ステップS24にてサーバ1は、所定の計算式を用いて、該当期間の換金単価を算出する。
【0080】
ステップS25にてサーバ1は、ユーザ毎に、集計された経済上の利益と、算出された換金単価とを用いて、換金額を算出する。サーバ1はまた、換金額をサーバ記憶部12に記憶する。
【0081】
ステップS26及びステップS27にてサーバ1は、換金額の算出及び記憶が完了したことを、配信者端末2と挑戦者端末3とに通知する。
【0082】
以上述べたように、本実施形態によれば、サーバ1は、配信者動画と配信者動画に関連付けて撮影された挑戦者動画とを同一画面内の別の表示領域に表示する対戦動画を、挑戦者端末3から受信し、閲覧者端末4からの要求に応じて、対戦動画を送信する。更にサーバ1は、閲覧者端末4から、配信者動画と挑戦者動画との少なくとも一方に対する選択を受け付ける。この構成により、サーバ1は、配信者動画と挑戦者動画とを同一画面内に表示して、少なくとも一方に対する選択を閲覧者から受け付けることができるので、動画を用いた配信者と挑戦者との対戦を一層容易にすることができる。
【0083】
また本実施形態によれば、閲覧者端末4から受け付けた選択は、配信者動画と挑戦者動画との少なくとも一方に経済上の利益を提供することの選択を含む。この構成により、閲覧者による配信者又は挑戦者への応援方法が充実する。
【0084】
また本実施形態によれば、配信者動画と挑戦者動画とは、それぞれ、配信者と挑戦者とが同一の楽曲に合わせて行ったダンスの動画を含む。この構成により、様々な方法による対戦が可能である。
【0085】
また本実施形態によれば、対戦動画において同一画面内の別の表示領域において表示される配信者動画と挑戦者動画とは、対戦動画の対戦内容に応じて交互に再生される。この構成により、配信者の音声と挑戦者の音声とが被らないように制御することができるので、両者が音声の内容により対戦している場合に、閲覧者は、どちらが一層優れているかを判定しやすい。
【0086】
また本実施形態によれば、サーバ1は、対戦の開始時刻から所定時間が経過したと判定すると、対戦動画の配信を停止し、対戦が終了したことを配信者端末2、挑戦者端末3及び閲覧者端末4の少なくとも1つに通知する。この構成により、サーバ1は、配信者、挑戦者及び閲覧者の少なくとも1つに対戦が終了したことを認識させることができるので、利便性を向上させることができる。
【0087】
本発明が諸図面及び実施例に基づき説明されるが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これらの変形及び修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0088】
任意の端末又はサーバのそれぞれを、上記実施形態に係る配信者端末2、挑戦者端末3若しくは閲覧者端末4、又はサーバ1として機能させる構成が可能である。具体的には、実施形態に係る配信者端末2、挑戦者端末3若しくは閲覧者端末4又はサーバ1の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、上記任意の端末又はサーバのメモリに格納し、その任意の端末又はサーバのプロセッサによってそのプログラムを読み出して実行させる。したがって、本実施形態に係る発明は、プロセッサが実行可能なプログラムとしても実現可能である。
【符号の説明】
【0089】
S 情報処理システム
NW ネットワーク
1 サーバ
11 サーバ通信部
12 サーバ記憶部
13 サーバ制御部
2 配信者端末
21 撮像部
22 入力部
23 記憶部
24 制御部
25 通信部
26 出力部
3 挑戦者端末
31 撮像部
32 入力部
33 記憶部
34 制御部
35 通信部
36 出力部
4 閲覧者端末
41 撮像部
42 入力部
43 記憶部
44 制御部
45 通信部
46 出力部