(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-08
(45)【発行日】2022-02-17
(54)【発明の名称】相互接続領域の上の集積回路ナノ粒子熱配路構造
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3205 20060101AFI20220209BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20220209BHJP
H01L 23/522 20060101ALI20220209BHJP
H01L 23/36 20060101ALI20220209BHJP
H01L 23/373 20060101ALI20220209BHJP
H01L 21/314 20060101ALI20220209BHJP
H01L 21/316 20060101ALI20220209BHJP
H01L 21/318 20060101ALI20220209BHJP
【FI】
H01L21/88 T
H01L23/36 D
H01L23/36 M
H01L21/314 A
H01L21/316 G
H01L21/318 Z
(21)【出願番号】P 2019528516
(86)(22)【出願日】2017-11-22
(86)【国際出願番号】 US2017063131
(87)【国際公開番号】W WO2018098360
(87)【国際公開日】2018-05-31
【審査請求日】2020-11-21
(32)【優先日】2016-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】アルチャナ ヴェヌゴパル
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン スタッセン クック
(72)【発明者】
【氏名】ルイジ コロンボ
(72)【発明者】
【氏名】ロバート レイド ドーリング
【審査官】宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-162591(JP,A)
【文献】特開2016-072447(JP,A)
【文献】特開2010-015550(JP,A)
【文献】特開2010-102698(JP,A)
【文献】特開2012-023380(JP,A)
【文献】特開2013-181050(JP,A)
【文献】特表2011-520286(JP,A)
【文献】国際公開第2012/133818(WO,A1)
【文献】特開2014-099470(JP,A)
【文献】特開2013-141037(JP,A)
【文献】特開平11-340434(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3205
H01L 23/36
H01L 23/373
H01L 21/314
H01L 21/316
H01L 21/318
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路であって、
半導体材料を含む基板と、
前記基板の上の相互接続領域であって、
誘電体層スタックと、
前記誘電体層スタックにおけるコンタクトと、
前記誘電体層スタックにおける相互接続であって、少なくとも2つの相互接続が、前記基板と前記相互接続領域との間の境界とは反対側の、前記相互接続領域の頂部表面に近接する、前記相互接続領域の頂部相互接続レベルにある、前記相互接続と、
前記誘電体層スタックにおけるビアと、
を含む、前記相互接続領域と、
前記基板と前記相互接続領域との間の境界に近接する、前記基板と前記相互接続領域とにおける熱生成構成要素と、
前記頂部相互接続レベルの上に配置され、前記熱生成構成要素の上と前記頂部相互接続レベルの一部の上とに延在する熱配路構造であって、前記相互接続の頂部表面の上の第1の凝集ナノ粒子膜と前記第1の凝集ナノ粒子膜の上の第2の凝集ナノ粒子膜とを含み、前記第1の凝集ナノ粒子膜が第1の電気的非伝導性ナノ粒子を含み、前記第2の凝集ナノ粒子膜が第2の電気的非伝導性ナノ粒子を含み、前記第1及び第2の凝集ナノ粒子膜が本質的に有機バインダ材料を含まない、前記熱配路構造と、
前記頂部相互接続レベルの上の誘電
体材料であって、前記熱配路構造に接し、前記熱配路構造の熱伝導度が前記誘電
体材料の熱伝導度より高い、前記誘電
体材料と、
を含む、集積回路。
【請求項2】
請求項1に記載の集積回路であって、
前記第1の電気的非伝導性ナノ粒子が、酸化アルミニウムとダイヤモンドと六方晶窒化ホウ素と立方晶窒化ホウ素と窒化アルミニウムとからなる群から選択される材料を含む、集積回路。
【請求項3】
請求項2に記載の集積回路であって、
前記熱配路構造に接するボンドパッド構造を更に含む、集積回路。
【請求項4】
請求項1に記載の集積回路であって、
熱除去領域を更に含み、
前記熱配路構造が前記熱除去領域まで延在する、集積回路。
【請求項5】
請求項1に記載の集積回路であって、
熱感受性構成要素を更に含み、
前記熱配路構造が前記熱感受性構成要素から離れて延在する、集積回路。
【請求項6】
請求項1に記載の集積回路であって、
マッチング構成要素を更に含み、
前記熱配路構造が前記マッチング構成要素の上に延在する、集積回路。
【請求項7】
請求項1に記載の集積回路であって、
ディープトレンチ熱配路構造と高熱伝導度
ビアと高熱伝導度横方向構造と高熱伝導度スルーパッケージ導管とグラファイト
ビアとからなる群から選択される熱配路構成要素を更に含み、
前記ディープトレンチ熱配路構造が、基板に配置され、前記基板と前記相互接続領域との間の境界まで延在し、
前記高熱伝導度ビアが、相互接続領域に配置され、
前記高熱伝導度横方向構造が、前記相互接続領域に配置され、
前記高熱伝導度スルーパッケージ導管が、前記集積回路の上の封止材料を介して配置され、前記集積回路まで延在し、
前記グラファイトビアが、前記熱生成構成要素の1つに電気的に結合される、集積回路。
【請求項8】
請求項1に記載の集積回路であって、
前記第1及び第2の電気的非伝導性ナノ粒子が、同じ型のナノ粒子材料で形成される、集積回路。
【請求項9】
請求項1に記載の集積回路であって、
前記第1の電気的非伝導性ナノ粒子が、前記第2の電気的非伝導性ナノ粒子と異なる型のナノ粒子材料で形成される、集積回路。
【請求項10】
請求項9に記載の集積回路であって、
前記第1の凝集ナノ粒子膜の熱伝導度が、前記第2の凝集ナノ粒子膜の熱伝導度と異なる、集積回路。
【請求項11】
集積回路を形成する方法であって、
半導体材料を含む基板を提供することと、
前記基板に熱生成構成要素を形成することと、
前記基板の上に相互接続領域を形成することであって、
前記基板の上に誘電体層スタックを形成することと、
前記誘電体層スタックに前記熱生成構成要素に対する電気的接続を行うコンタクトを形成することと、
前記誘電体層スタックに相互接続を形成することであって、前記相互接続が相互接続レベルに形成され、少なくとも2つの相互接続が第1の相互接続レベルに位置して前記コンタクトへの電気接続を行い、前記相互接続の一部が前記基板とは反対側の前記相互接続領域の頂部表面において頂部相互接続レベルに位置する、前記相互接続を形成することと、
前記誘電体層スタックに前記相互接続への電気接続を行うビアを形成することと、
を含む、前記相互接続領域を形成することと、
熱配路構造を形成することであって、
第1の電気的非伝導性ナノ粒子と第1のキャリア流体とを含む第1のナノ粒子インク膜を形成するために、前記頂部相互接続レベルの上に付加的プロセスによって第1のナノ粒子インクをディスペンスすることであって、前記第1のナノ粒子インク膜が有機バインダ材料を含まない、前記第1のナノ粒子インクをディスペンスすることと、
第1の凝集ナノ粒子膜を形成するために前記第1の電気的非伝導性ナノ粒子の凝集を誘起することと、
第2の電気的非伝導性ナノ粒子と第2のキャリア流体とを含む第2のナノ粒子インク膜を形成するために、前記第1のナノ粒子インク膜上に付加的プロセスによって第2のナノ粒子インクをディスペンスすることであって、前記第2のナノ粒子インク膜が有機バインダ材料を含まない、前記第2のナノ粒子インクをディスペンスすることと、
前記第1の凝集ナノ粒子膜の上に第2の凝集ナノ粒子膜を形成するために前記第2の電気的非伝導性ナノ粒子の凝集を誘起することと、
を含む、前記熱配路構造を形成することと、
前記第1のナノ粒子インク膜を形成することの前に前記頂部相互接続レベルの上に誘電
体隔離層を形成することであって、前記熱配路構造の熱伝導度が前記誘電体隔離層の熱伝導度よりも高い、前記誘電
体隔離層を形成することと、
を含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、
前記熱
配路構造を形成することが、前記第1の電気的非伝導性ナノ粒子の凝集を誘起することの前に、第1の凝縮ナノ粒子膜を形成するために、前記第1のナノ粒子インク膜を加熱して揮発性材料を除去することを含む、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、
前記ナノ粒子インク膜を加熱することが、赤外線発光ダイオード(IRLED)を用いることを含む、方法。
【請求項14】
請求項11に記載の方法であって、
前記第1の電気的非伝導性ナノ粒子が、酸化アルミニウムとダイヤモンドと六方晶窒化ホウ素と立方晶窒化ホウ素と窒化アルミニウムとからなる群から選択される材料を含む、方法。
【請求項15】
請求項11に記載の方法であって、
前記付加的プロセスが、離散液滴ディスペンスプロセスと連続押出プロセスと直接レーザートランスファプロセスと静電堆積プロセスと電気化学的堆積プロセスとからなる群から選択されるプロセスを含む、方法。
【請求項16】
請求項11に記載の方法であって、
前記第1の電気的非伝導性ナノ粒子の凝集を誘起することが、走査レーザ加熱プロセスとフラッシュ加熱プロセスとスパイク加熱プロセスとからなる群から選択されるプロセスを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は集積回路に関し、より詳細には、集積回路における熱管理に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路はしばしば、いくつかの能動構成要素において望ましくない熱を発生する。時には、ヒートシンク又は他の受動構造を介して熱を除去することが望ましい。集積回路内の熱に敏感な構成要素から熱を逸らすことが望ましい場合がある。集積回路内の過剰な熱を管理することは、ますます問題となってきている。
【発明の概要】
【0003】
記載された例では、集積回路が基板、及び基板の上方に配置される相互接続領域を有する。相互接続領域は、相互接続を含む頂部相互接続レベルを含む、複数の相互接続レベルを有する。集積回路は、頂部相互接続レベルの上方に熱配路構造を有する。熱配路構造は、頂部相互接続レベルの上の集積回路の全部ではなく一部の上を延在する。熱配路構造は、隣接するナノ粒子が互いに凝集している、凝集ナノ粒子フィルムを含む。熱配路構造は、熱配路構造に接する誘電材料より高い熱伝導度を有する。凝集ナノ粒子フィルムは、アディティブプロセスを含む方法によって形成される。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1A】一実施形態に従った、例示的な集積回路の断面図である。
【
図1B】一実施形態に従った、例示的な集積回路の断面図である。
【0005】
【
図2A】一実施形態に従った、
図1A及び
図1Bを参照して説明されるタイプの熱配路構造を有する集積回路を形成する例示的な方法を示す。
【
図2B】一実施形態に従った、
図1A及び
図1Bを参照して説明されるタイプの熱配路構造を有する集積回路を形成する例示的な方法を示す。
【
図2C】一実施形態に従った、
図1A及び
図1Bを参照して説明されるタイプの熱配路構造を有する集積回路を形成する例示的な方法を示す。
【
図2D】一実施形態に従った、
図1A及び
図1Bを参照して説明されるタイプの熱配路構造を有する集積回路を形成する例示的な方法を示す。
【
図2E】一実施形態に従った、
図1A及び
図1Bを参照して説明されるタイプの熱配路構造を有する集積回路を形成する例示的な方法を示す。
【
図2F】一実施形態に従った、
図1A及び
図1Bを参照して説明されるタイプの熱配路構造を有する集積回路を形成する例示的な方法を示す。
【0006】
【
図3A】一実施形態に従った、
図1A及び
図1Bを参照して説明されるタイプの熱配路構造を有する集積回路を形成する別の例示的な方法を示す。
【
図3B】一実施形態に従った、
図1A及び
図1Bを参照して説明されるタイプの熱配路構造を有する集積回路を形成する別の例示的な方法を示す。
【
図3C】一実施形態に従った、
図1A及び
図1Bを参照して説明されるタイプの熱配路構造を有する集積回路を形成する別の例示的な方法を示す。
【0007】
【
図4A】一実施形態に従った、別の例示的な集積回路の断面図である。
【
図4B】一実施形態に従った、別の例示的な集積回路の断面図である。
【0008】
【
図5A】一実施形態に従った、
図4A及び
図4Bを参照して説明されるタイプの熱配路構造を有する集積回路を形成する例示的な方法を示す。
【
図5B】一実施形態に従った、
図4A及び
図4Bを参照して説明されるタイプの熱配路構造を有する集積回路を形成する例示的な方法を示す。
【
図5C】一実施形態に従った、
図4A及び
図4Bを参照して説明されるタイプの熱配路構造を有する集積回路を形成する例示的な方法を示す。
【
図5D】一実施形態に従った、
図4A及び
図4Bを参照して説明されるタイプの熱配路構造を有する集積回路を形成する例示的な方法を示す。
【0009】
【
図6】一実施形態に従った、組合せ熱配路構造を含む例示的な集積回路の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面は一定の縮尺で描かれていない。例示の実施形態は、行為又は事象の図示する順によって限定されるものではなく、行為の中には異なる順で、及び/又は、他の行為又は事象と同時に成され得るものもある。また、図示される行為又は事象の中には任意選択の行為又は事象もある。
【0011】
下記の同時係属中の特許出願を参照により本明細書に組み込む。米国特許出願番号US米国特許出願番号US15/361,394、米国特許出願番号US15/361,397、米国特許出願番号US15/361,399、米国特許出願番号US15/361,401、及び米国特許出願番号US15/361,403。
【文献】米国特許出願番号US15/361,394
【文献】米国特許出願番号US15/361,397
【文献】米国特許出願番号US15/361,399
【文献】米国特許出願番号US15/361,401
【文献】米国特許出願番号US15/361,403
【0012】
この説明では、「頂部」、「底部」、「前」、「後ろ」、「の上」、「の上方」、「の下」、「の下方」などの用語を用い得る。これらの用語は、構造又は要素の位置又は向きを限定すると解釈されるべきではなく、構造又は要素間の空間的な関係を提供する。
【0013】
本記載では、集積回路の「瞬時頂部表面」という用語が説明される特定のステップにおいて存在する集積回路の頂部表面を指す。瞬時頂部表面は、集積回路の形成において段階的に変化し得る。
【0014】
本記載では「横方向」という用語は、集積回路の瞬時頂部表面の面に平行な方向を指し、「垂直」という用語は、集積回路の瞬時頂部表面の面に垂直な方向を指す。
【0015】
図1A及び
図1Bは、一実施形態に従った、例示的な集積回路の断面図である。
図1Aを参照すると、集積回路100は、半導体材料104を含む基板102を含む。半導体材料104は、シリコン、シリコンゲルマニウム、又はシリコンカーバイドなどのIV型半導体とし得る。あるいは、半導体材料104は、窒化ガリウム又はヒ化ガリウムなどのIII−V族半導体であってもよい。他の半導体材料もこの例の範囲にある。集積回路100は、基板102の上に配置される相互接続領域106を更に含む。
図1Aに金属酸化物半導体(MOS)トランジスタとして示されている集積回路100の熱生成構成要素108が、基板102に配置され、場合によっては、基板102と相互接続領域106との間の境界110に近接して相互接続領域106内に延在し得る。バイポーラ接合トランジスタ、接合電界効果トランジスタ(JFET)、抵抗器、及びシリコン制御整流器(SCR)など、熱生成構成要素108の他の形態もこの例の範囲にある。この例では、集積回路100は更に、MOSトランジスタとして
図1Aに示される、熱の影響を受け易い構成要素112を含み得る。熱感受性構成要素112の他の形態もこの例の範囲にある。こういった構成要素は、基板102と相互接続領域106との間の境界110において、フィールド酸化物114によって横方向に隔離され得る。例えば、フィールド酸化物114は、
図1Aに示すような浅いトレンチ隔離(STI)構造を有し得、又はシリコンの局所酸化(LOCOS)構造を有し得る。
【0016】
相互接続領域106は、誘電体層スタック122に配置される、コンタクト116、相互接続118、及びビア120を含み得る。コンタクト116は、熱生成構成要素108及び熱の影響を受けやすい構成要素112への電気的接続を行う。相互接続118は、複数の相互接続レベルにおいて配置されている。第1の相互接続レベルにおける相互接続118は、コンタクト116への電気的接続を行う。ビア120は、連続する相互接続レベルの間に配置され、相互接続118への電気的接続を行う。相互接続118のいくつかが、相互接続領域106の頂部表面126に近接して位置する頂部相互接続レベル124に配置される。相互接続領域106の頂部表面126は、基板102と相互接続領域106との間の境界110とは反対側の相互接続領域106の表面に位置する。頂部相互接続レベル124における相互接続118は、アルミニウム相互接続、ダマシン銅相互接続、及び/又はメッキされた銅相互接続を含み得る。アルミニウム相互接続は、場合によってはチタンを含む接着層上に、及び場合によってはアルミニウム層上に窒化チタンの反射防止層を有する、数パーセントのシリコン、チタン、及び/又は銅を含むアルミニウム層を含み得る。ダマシン銅相互接続が、誘電体層スタック122内のトレンチに配置されるタンタル及び/又は窒化タンタルの障壁層上に銅を含み得る。メッキされた銅相互接続が、相互接続の底部に接着層を含み得、相互接続の側部上に配置される障壁層を有し得る。ボンドパッド構造128が、相互接続領域106の頂部表面126の上に配置され得、頂部相互接続レベル124の相互接続118に電気的に結合され得る。保護オーバーコート130が、相互接続領域106の頂部表面126の上に配置され得る。保護オーバーコート130は、ボンドパッド構造128に当接し得る。保護オーバーコート130は、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化窒化ケイ素、ポリイミド、及び/又はベンゾシクロブテン(BCB)などの誘電材料の1つ又は複数の層を含み得る。
【0017】
熱配路構造132が、相互接続領域106の頂部表面126の上に配置され、頂部表面126の全部ではないが一部の上に延在する。熱配路構造132は、熱配路構造132に接する誘電材料より高い熱伝導度を有する。熱配路構造132に接する誘電体材料は、誘電体層スタック122の誘電体材料及び/又は保護オーバーコート130の誘電体材料を含み得る。熱伝導度は材料の特性であり、ワット/メートル℃の単位で表すことができる。熱配路構造132は、
図1Bにより詳細に示される、主にナノ粒子135を含む凝集ナノ粒子フィルム134を含む。凝集ナノ粒子フィルム134内の隣接するナノ粒子135は互いに凝集する。ナノ粒子135の表面上には、シリコン及び酸素を含むシラン系分子などの無機能分子が存在し得る。凝集ナノ粒子フィルム134は、接着剤又はポリマーなどの有機バインダ材料を実質的に含まない。熱配路構造132は
図1Aに示すように、熱生成構成要素108の上の領域から集積回路100の熱除去領域136まで延在し得る。熱配路構造132は、
図1Aに示すように、熱感受性構成要素112の上の領域の外に配置され得、したがって、集積回路100の動作の間、熱生成構成要素108からの熱を熱感受性構成要素112から有利に逸らすように構成され得る。
【0018】
図1A及び
図1Bに示されるようなこの例のバージョンでは、熱配路構造132は非導電性であってもよく、ナノ粒子135の例は、酸化アルミニウム、ダイヤモンド、六方晶窒化ホウ素、立方晶窒化ホウ素、及び/又は窒化アルミニウムのナノ粒子を含み得る。熱配路構造132は、隣接するボンドパッド構造128間の望ましくない電気的分路の危険を冒すことなくボンドパッド構造128に接し得、有利にも、熱生成構成要素108からより多くの熱を有利に収集し、熱をより効率的に熱除去領域136に搬送するために、熱生成構成要素108の上及び熱除去領域136内の領域のより完全な被覆を可能にする。
【0019】
この例の別のバージョンでは、熱配路構造132は、導電性であり得る。そのようなバージョンでは、ナノ粒子135の例は、金属、グラフェン、金属に埋め込まれたグラフェン、グラファイト、グラファイトカーボン、及び/又はカーボンナノチューブのナノ粒子を含み得る。熱配路構造132の導電性バージョンは、ボンドパッド構造128から横方向に隔離され得、頂部相互接続レベル124において相互接続118から垂直に隔離され得る。
【0020】
この例のさらなるバージョンでは、ナノ粒子135は、グラファイト材料の触媒作用に適した金属を含み得、熱配路構造132は、ナノ粒子134の凝集体上にグラファイト材料の層を含み得る。そのようなバージョンでは、ナノ粒子135の例は、銅、ニッケル、パラジウム、白金、イリジウム、ロジウム、セリウム、オスミウム、モリブデン、及び/又は金のナノ粒子を含み得る。グラファイト材料は、グラファイト、グラファイトカーボン、グラフェン、及び/又はカーボンナノチューブなどを含み得る。そのようなバージョンでは、熱配路構造132は、導電性であり、したがって、ボンドパッド構造128から横方向に隔離され得、頂部相互接続レベル124において相互接続118から垂直に隔離され得る。
【0021】
図2A~
図2Fは、一実施形態に従った、熱配線構造を有する集積回路を形成する例示的な方法を示す。
図2Aを参照すると、集積回路200は、半導体材料204を含む基板202上に形成される。例えば、基板202は、半導体ウェハであり得る。熱生成構成要素208及び熱感受性構成要素212などの構成要素が半導体材料204において形成される。こういった構成要素は、MOSトランジスタ、バイポーラ接合トランジスタ、JFET、抵抗器、SCR、ダイオードなどを含み得る。構成要素を横方向に隔離するために、基板202においてフィールド酸化物214が形成され得る。フィールド酸化物214は、STIプロセスによって、あるいはLOCOSプロセスによって形成され得る。
【0022】
相互接続領域206が基板202の上に形成される。相互接続領域206は、誘電体層スタック222を形成するための一連の誘電体層として形成され得、誘電体層の各々に相互接続要素が形成される。誘電体層スタック222のプレメタル誘電体(PMD)層が、基板202の上に直接形成され得、その後、コンタクト216がPMD層を介して形成され、熱生成構成要素208及び熱感受性構成要素212を含む構成要素への電気接続を行うことができる。第1の金属内誘電体(IMD)層が、誘電体層スタック222の一部として形成される。第1のIMD層内の第1の相互接続レベルにおける相互接続218が、PMD層及びコンタクト216の上に形成される。第1の相互接続レベルにおける相互接続218は、コンタクト216への電気的接続を行う。第1のレベル間誘電体(ILD)層が、誘電体層スタック222の一部として、第1のIMD層及び第1の相互接続レベルの上に形成される。ビア220が、第1のILDにおいて形成され、第1の相互接続レベルにおける相互接続218への電気的接続を行う。順次の相互接続レベルの相互接続を有する付加的IMD層と、ビア220を有する付加的ILD層とが、相互接続領域206に形成され、頂部相互接続レベル224における相互接続218に達する。頂部相互接続レベル224は、相互接続領域206の頂部表面226まで延在する。
【0023】
この例の熱配路構造の形成は、相互接続領域206の頂部表面226の上に第1のアディティブプロセス242によって第1のナノ粒子インク240の第1のナノ粒子インクフィルム238を形成することで始まる。この説明では、アディティブプロセスが第1のナノ粒子インク240を所望の領域に配置し、第1のナノ粒子インク240を所望の領域の外に配置しないので、第1のナノ粒子インクフィルム238の一部を除去する必要なく、第1のナノ粒子インクフィルム238の最終的な所望の形状が生成される。アディティブプロセスはフォトリソグラフィプロセス及びその後のエッチングプロセスなしに、所望の領域にフィルムを形成することを可能にし得、したがって、有利にも、製造コスト及び複雑さを低減する。この例の1つのバージョンでは、第1のナノ粒子インクフィルム238は、
図2Aに示すように、相互接続領域206の頂部表面226上に直接形成され得る。代替バージョンでは、第1のナノ粒子インクフィルム238を形成する前に、保護オーバーコートの1つ又は複数の層が頂部表面226上に形成され得る。第1ナノ粒子インク240は、ナノ粒子及びキャリア流体を含み得る。例えば、第1ナノ粒子インク240は、インク、スラリー、懸濁(suspension)、又はゾルゲルであり得る。ナノ粒子は、
図1A及び
図1Bを参照してナノ粒子135について説明した材料を含み得る。その後の凝集を促進するために、ナノ粒子の表面上に無機能分子が存在し得る。第1のナノ粒子インク240の組成は、集積回路200に所望の接着性を提供するように選択し得る。第1のナノ粒子インク240は、後に形成される熱配路構造のための領域において集積回路200上にディスペンスされ、相互接続領域206の瞬時頂部表面の全体にわたってディスペンスされない。第1のアディティブプロセス242は、
図2Aに示されるような離散液滴ディスペンス装置243を用いる、インクジェットプロセスと呼ばれることもある離散液滴プロセスを含み得る。離散液滴ディスペンス装置243は、集積回路200及び離散液滴ディスペンス装置243は、第1のナノ粒子インクフィルム238のための所望のディスペンスパターンを提供するために、互いに対して横方向に移動され得るように構成され得る。離散液滴ディスペンス装置243は第1のアディティブプロセス242のための所望のスループットを提供するために、並列に独立して作動され得る複数のディスペンスポートを有し得る。この例の代替バージョンでは、第1のアディティブプロセス242は、連続押出プロセス、直接レーザートランスファプロセス、静電堆積プロセス、又は電気化学的堆積プロセスを含み得る。
【0024】
図2Bを参照すると、
図2Aの第1のナノ粒子インクフィルム238は第1のベークプロセス244によって加熱されて、第1のナノ粒子インクフィルム238から揮発性材料の少なくとも一部を除去し、主としてナノ粒子を含む第1のナノ粒子フィルム246を形成する。第1のベークプロセス244は、
図2Bに概略的に示されるような白熱光源245、又は赤外線発光ダイオード(IR LED)を用いるなどの、放射熱プロセスであり得る。あるいは、第1のベークプロセス244は、基板202を介して第1のナノ粒子インクフィルム238を加熱するホットプレートプロセスであり得る。第1のベークプロセス244は、揮発性材料の除去を向上させるために、部分真空中で、又は低圧でのガスの連続的な流れを伴う雰囲気中で実行され得る。
【0025】
図2Cを参照すると、
図2Bの第1のナノ粒子フィルム246は、隣接するナノ粒子が互いに凝集して第1の凝集ナノ粒子フィルム248を形成するように、第1の凝集誘起プロセス250によって加熱される。隣接するナノ粒子間の凝集を誘起するために必要な温度は、ナノ粒子のサイズの関数である。より小さいナノ粒子は、所望の凝集を達成するために、より大きいナノ粒子より低い温度で加熱され得る。ナノ粒子は、集積回路構成要素及び構造に適合する温度での凝集を可能にするように選択され得る。凝集は、隣接するナノ粒子間の原子の拡散を含む物理的メカニズムを含むプロセスによって起こり得る。凝集はまた、隣接するナノ粒子間の原子の反応に関与する化学的メカニズムを含むプロセスによっても起こり得る。第1の凝集誘起プロセス250は、
図2Cに概略的に示すように、走査レーザ装置251による加熱を含み得る。走査レーザ装置251は、実質的に第1のナノ粒子フィルム246のみに熱を提供し、第1のナノ粒子フィルム246に横方向に隣接する集積回路200の部分に熱を提供しないように構成され得、有利にも、構成要素208及び212に対する総熱負荷を低減する。
【0026】
この例の一変形例では、第1の凝集誘起プロセス250は、1マイクロ秒~10マイクロ秒の放射エネルギーを印加するフラッシュ加熱プロセスを含み得る。別の変形例では、第1の凝集誘起プロセス250は、放射エネルギーを100ミリ秒~5秒間印加するスパイク加熱プロセスを含み得る。この例の代替バージョンでは、
図2Bを参照して説明される第1のベークプロセス244を、第1の凝集誘起プロセス250と組み合わせることができ、
図2Bの第1のナノ粒子フィルム246に印加される熱出力をランプさせて、まず揮発性材料を除去し、続いてナノ粒子の凝集を誘起する。ナノ粒子間の凝集を誘起する他の方法も本例の範囲にある。
【0027】
図2Dを参照すると、この例の熱配路構造の形成は、第1の凝集ナノ粒子フィルム248上に第2のナノ粒子インク254をディスペンスすることによって第2のナノ粒子インクフィルム252を形成することで継続する。例えば、第2ナノ粒子インク254は、インク、スラリー、又はゾルゲルであり得る。第2のナノ粒子インク252は、
図2Aの第1のナノ粒子インクフィルム238と実質的に同じ組成を有し得る。あるいは、第2のナノ粒子インクフィルム252は、例えば、所望の熱伝導度を提供するように選択された組成など、第1のナノ粒子インクフィルム238とは異なる組成を有し得る。第2のナノ粒子インク254は、第2のアディティブプロセス256によって第1の凝集ナノ粒子フィルム248上にディスペンスされる。第2のアディティブプロセス256は、
図2Aを参照して説明される第1のアディティブプロセス242によって用いられるのと同じタイプの装置、例えば、
図2Dに示すような離散液滴ディスペンス装置257、を用い得る。あるいは、第2のアディティブプロセス256は、特に第2のナノ粒子インクフィルム252の組成が第1のナノ粒子インクフィルム238の組成とは異なる場合、異なる装置を用いてもよく、又は異なるプロセスを用い得る。
【0028】
図2Eを参照すると、
図2Dの第2のナノ粒子インクフィルム252は、第2のベークプロセス258によって加熱されて、第2のナノ粒子インクフィルム252から揮発性材料の少なくとも一部を除去して、第2のナノ粒子フィルム260を形成する。第2のナノ粒子フィルム260は、主にナノ粒子を含む。第2のベークプロセス258は、
図2Eに概略的に示すように、IR LED259を用い得る。IR LED259を用いることにより、放射熱を、実質的に、第2のナノ粒子インクフィルム252を含む領域のみに加える一方で、放射熱を第2のナノ粒子インクフィルム252の外の集積回路200の領域に加えないことが可能になり、構成要素208及び212に対する熱負荷を有利に低減し得る。あるいは、第2のベークプロセス258は、白熱源を用いる放射熱プロセスを含み得、又はホットプレートプロセスを含み得る。第2のベークプロセス258は、任意選択で、第1のベークプロセス244よりも高い温度又は長い時間で成され得る。
【0029】
図2Fを参照すると、
図2Eの第2のナノ粒子フィルム260は第2の凝集誘起プロセス264によって加熱され、そのため、第2のナノ粒子フィルム260内の隣接するナノ粒子が互いに凝集し、第1の凝集ナノ粒子フィルム248の上に第2の凝集ナノ粒子フィルム262が形成される。第2の凝集誘起プロセス264は、走査レーザ装置265を用いる第2の走査レーザ加熱プロセスなど、第1の凝集誘起プロセス250と同様であり得る。第1の凝集ナノ粒子フィルム248内のナノ粒子のさらなる凝集が、第2の凝集誘起プロセス264によって誘起され得る。
【0030】
第1の凝集ナノ粒子フィルム248及び第2の凝集ナノ粒子フィルム262は、熱配路構造232を提供し得る。あるいは、ナノ粒子凝集を誘起し、第1の凝集ナノ粒子フィルム248及び第2の凝集ナノ粒子フィルム262と組み合わさり、熱配路構造232を提供するため、付加的ナノ粒子インクフィルムが形成、焼成、加熱され得る。
【0031】
図3A~
図3Cは、一実施形態に従った、熱配線構造を有する集積回路を形成する別の例示的な方法を示す。
図3Aを参照すると、集積回路300は、半導体材料304を含む基板302上に形成される。構成要素は、基板302の頂部表面310に近接して、半導体材料304において形成される。この例の構成要素は構成要素の第1のセット308及び構成要素の第2のセット366を含み得、構成要素の第1のセット308は構成要素の第2のセット366から空間的に分離され、構成要素の第1のセット308及び構成要素の第2のセット366は同じ熱環境を共有することから利点を得る。構成要素の第1のセット308及び構成要素の第2のセット366は、アナログ回路のマッチング構成要素であり得る。マッチング構成要素は、駆動電流及びしきい値などの実質的に等しい性能パラメータを有するように設計される。これらの性能パラメータは温度によって影響されるので、マッチング構成要素間の温度差を低減することは、性能パラメータの差を有利に低減し得る。構成要素308及び366は、MOSトランジスタ、バイポーラ接合トランジスタ、JFET、抵抗器、SCR、ダイオードなどを含み得る。構成要素を横方向に分離するために、基板302においてフィールド酸化物314が形成され得る。フィールド酸化物314は、STIプロセスによって、又は代替的にLOCOSプロセスによって形成され得る。
【0032】
相互接続領域306が基板302の上に形成される。基板302の頂部表面310は、基板302と相互接続領域306との間の境界でもある。相互接続領域306は、誘電体層において、コンタクト316、相互接続318、及びビア320などの相互接続要素が形成された状態で、誘電体層スタック322を形成するために、PMD層、ならびに交互のIMD層及びILD層などの、一連の誘電体層として形成され得る。相互接続318の一部が、頂部相互接続レベル324に配置される。頂部相互接続レベル324は、相互接続領域306の頂部表面326に近接して延在する。相互接続領域306の頂部表面326は、基板302と相互接続領域306との間の境界310とは反対側の相互接続領域306の表面に位置する。
【0033】
この例の熱配路構造の形成は、相互接続領域306の頂部表面326の上に、アディティブプロセス342によってナノ粒子インク340のナノ粒子インクフィルム338を形成することで始まる。この例の1つのバージョンでは、ナノ粒子インクフィルム338は、
図3Aに示すように、頂部表面326上に直接形成され得る。本実施例のナノ粒子インク340は、ナノ粒子とキャリア流体とを含む。ナノ粒子インク340は、後に形成される熱配路構造のための領域において集積回路300上にディスペンスされ、相互接続領域306の頂部表面326全体にわたってディスペンスされない。アディティブプロセス342は、
図3Aに示すようなマイクロ押出ディスペンス装置343を用いる、連続押出プロセスを含み得る。マイクロ押出ディスペンス装置343は、集積回路300及びマイクロ押出ディスペンス装置343は、ナノ粒子インクフィルム338のための所望のディスペンスパターンを提供するために、互いに対して横方向に移動され得るように構成され得る。この例では、マイクロ押出ディスペンス装置343が付加的ナノ粒子インクフィルムを必要とせずに、熱配路構造を形成するのに十分な厚さのナノ粒子インクフィルム338を形成され得る。
【0034】
図3Bを参照すると、
図3Aのナノ粒子インクフィルム338はベークプロセス344によって加熱されて、ナノ粒子インクフィルム338から揮発性材料の少なくとも一部を除去し、主としてナノ粒子を含むナノ粒子フィルム346を形成する。ベークプロセス344は、基板302の下に配置されるホットプレート345を用いるホットプレートプロセスであり得る。あるいは、ベークプロセス344は、
図2B又は
図2Eを参照して説明されるように、放射熱プロセスであり得る。ベークプロセス344は、揮発性材料の除去を向上させるために、部分真空中で、又は低圧でのガスの連続的な流れを有する雰囲気中で成され得る。
【0035】
図3Cを参照すると、
図3Bのナノ粒子フィルム346は、凝集誘起プロセス350によって加熱されて、隣接するナノ粒子が互いに凝集して、凝集ナノ粒子フィルム348を形成する。凝集誘起プロセス350は、
図3Cに概略的に示すように、フラッシュランプ368を用いるフラッシュ加熱プロセス350を含み得る。ナノ粒子間の凝集を誘起する他の方法も本例の範囲にある。凝集ナノ粒子フィルム348は、熱配路構造332の実質的にすべてを提供し得る。あるいは、熱配路構造332を提供するために、凝集ナノ粒子フィルム348と組み合わさるように、さらなる凝集ナノ粒子フィルムが形成され得る。
【0036】
図4A及び
図4Bは、一実施形態に従った、別の例示的な集積回路の断面図である。
図4Aを参照すると、集積回路400は、半導体材料404を含む基板402を含む。集積回路400は、基板402の上に配置される相互接続領域406を更に含む。この例では、第1のセットの構成要素408及び第2のセットの構成要素466が、基板402と相互接続領域406との間の境界410に近接して、基板402に配置される。この例では、第1のセットの構成要素408及び第2のセットの構成要素466は、性能が同様の熱環境を有することから利点を得るマッチング構成要素とし得る。集積回路400は、動作温度が低下することにつれて性能が向上する熱感受性構成要素412を更に含み得る。構成要素408、466、及び412はMOSトランジスタとして
図4Aに示されているが、他の形態(バイポーラ接合トランジスタ、JFET、抵抗器、及びSCRなど)もこの例の範囲にある。構成要素408、466、及び412は、基板402と相互接続領域406との間の境界410において、フィールド酸化物414によって横方向に分離され得る。
【0037】
相互接続領域406は、誘電体層スタック422に配置される、コンタクト416、相互接続418、及びビア420を含み得る。相互接続418のいくつかが、相互接続領域406の頂部表面426に位置する頂部相互接続レベル424に配置される。相互接続領域406の頂部表面426は、基板402と相互接続領域406との間の境界410とは反対側の相互接続領域406の表面に位置する。ボンドパッド構造428が、相互接続領域406の頂部表面426上に配置され得る。ボンドパッド構造428は、頂部相互接続レベル424における相互接続418に電気的に結合される。保護オーバーコート430は、相互接続領域406の頂部表面426の上に配置され得る。ボンドパッド構造428は、保護オーバーコート430を介して延在し得る。
【0038】
熱配路構造432が、相互接続領域406の頂部表面426の上に配置され、頂部表面426の全部ではないが一部の上に延在する。この例では、熱配路構造432は、金属を含むナノ粒子435を含む凝集ナノ粒子フィルム434と、
図4Bに詳細に示すように、凝集ナノ粒子フィルム434上に配置されるグラファイト材料470の層とを含む。例えば、ナノ粒子435内の金属は、銅、ニッケル、パラジウム、白金、イリジウム、ロジウム、セリウム、オスミウム、モリブデン、及び/又は金を含み得る。グラファイト材料470の層は、グラファイト、グラファイトカーボン、グラフェン、カーボンナノチューブなどを含み得る。
【0039】
誘電体隔離層472が、任意選択で、凝集ナノ粒子フィルム434の下に配置され得る。誘電体隔離層472は、凝集ナノ粒子フィルム434を、頂部相互接続レベル424における下にある相互接続418から電気的に隔離され得る。
【0040】
この例では、熱配路構造432は、
図4Aに示すように、第1のセットの構成要素408及び第2のセットの構成要素466の上に延在し得、熱の影響を受け易い構成要素412から離れて延在し得る。したがって、熱配路構造432は、第1のセットの構成要素408及び第2のセットの構成要素466に対して、より密接に整合した熱環境を提供し得、それによって、第1のセットの構成要素408及び第2のセットの構成要素466からの熱を熱感受性構成要素412から離れるように有利に逸らしながら、それらの性能を改善し得る。
【0041】
図5A~
図5Dは、一実施形態に従った、熱配線構造を有する集積回路を形成する別の例示的な方法を示す。
図5Aを参照すると、集積回路500は、半導体材料504を含む基板502上に形成される。構成要素(熱生成構成要素508、熱感受性構成要素512、及びマッチング構成要素566など)が、基板502の頂部表面510に近接して半導体材料504において形成される。フィールド酸化物514は、構成要素508、512、及び566を横方向に分離するために、基板502の頂部表面510に近接して形成され得る。相互接続領域506が基板502上に形成される。基板502の頂部表面510は、基板502と相互接続領域506との間の境界でもある。相互接続領域506は、誘電体層スタック522を有するように形成され得、
図2Aを参照して説明されるように、コンタクト516、相互接続518、及びビア520などの相互接続要素が誘電体層スタック522において形成される。相互接続518の一部が、相互接続領域506の頂部表面526に近接して延在する頂部相互接続レベル524に配置される。相互接続領域506の頂部表面526は、基板502と相互接続領域506との間の境界510とは反対側の相互接続領域506の表面に位置する。
【0042】
この例の熱配路構造の形成は、任意選択で、相互接続領域506の頂部表面526上に誘電体隔離層572を形成することで開始し得る。誘電体隔離層572の目的は、導電性である熱配路構造を、頂部相互接続レベル524における相互接続518から電気的に隔離することである。誘電体隔離層572は、
図5Aに示すように、相互接続領域506の頂部表面526全体の上を延在するブランケット層として形成され得る。あるいは、誘電体隔離層572は、熱配路構造のための領域を覆う、パターニングされた層として形成され得る。例えば、誘電体隔離層572は、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、又は他の無機誘電体材料を含み得る。誘電体隔離層572は、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)を用いるプラズマ化学気相成長(PECVD)プロセスを含むさまざまな方法によって形成され得る。この例の1つのバージョンでは、
図2A~
図2F、又は
図3A~
図3Cを参照して説明される方法に従ったアディティブプロセスを用いて、下にある誘電体材料より高い熱伝導度を有する非導電性ナノ粒子から、誘電体隔離層572のパターニングされる形態が形成され得る。熱伝導度ナノ粒子を含むパターニングされた誘電体隔離層572が、熱配路構造の全体的な熱伝導度を有利に増加させる。
【0043】
熱配路構造の形成は、誘電体隔離層572の上にアディティブプロセス574によって、金属を含むナノ粒子を含むナノ粒子インクフィルム538を形成することで継続する。ナノ粒子は、
図4A及び
図4Bを参照して説明される金属、又はグラファイト材料の後続の成長のための触媒として適切な他の金属を含み得る。ナノ粒子インクフィルム538は、後に形成される熱配線構造のための領域に形成され、相互接続領域506の頂部表面526全体には形成されない。アディティブプロセス574は、パルスレーザ575を用いてナノ粒子インク576の小片をナノ粒子インク層578から集積回路500に転移する直接レーザートランスファプロセスを含み得る。ナノ粒子インク層578は、支持(backing)層580に取り付けられる。ナノ粒子インク層578と支持層580とを組み合わせたものは、リボンと呼ばれることもある。パルスレーザ575、ナノ粒子インク層578及び支持層580、及び集積回路500は、所望の領域にナノ粒子インクフィルム538を形成するために、互いに対して移動され得る。この例の代替バージョンでは、ナノ粒子インクフィルム538は、
図2A~
図2F、又は
図3A~
図3Cを参照して説明されるように、ナノ粒子インクをディスペンスすることによって形成され得る。
【0044】
図5Bを参照すると、
図5Aのナノ粒子インクフィルム538はベークプロセス544によって加熱されて、ナノ粒子インクフィルム538から揮発性材料の少なくとも一部を除去し、主としてナノ粒子を含むナノ粒子フィルム546を形成する。ベークプロセス544は、
図5Bに概略的に示すように、白熱灯545を用いる放射熱プロセスであり得る。ベークプロセス544の他の形態もこの例の範囲にある。
【0045】
図5Cを参照すると、
図5Bのナノ粒子フィルム546は凝集誘起プロセス550によって加熱され、そのため、隣接するナノ粒子が互いに凝集して、凝集ナノ粒子フィルム534が形成される。凝集誘起プロセス550は、
図5Cに概略的に示すように、白熱灯582を用いるスパイク加熱プロセスを含み得る。スパイク加熱プロセスは、ナノ粒子フィルム546を1ミリ秒から10ミリ秒などの時間期間にわたって加熱し、構成要素508、512、及び566の加熱を有利に制限する。ナノ粒子間の凝集を誘起する他の方法も本例の範囲にある。
【0046】
図5Dを参照すると、グラファイト材料570の層が、グラファイト材料PECVDプロセスによって、凝集ナノ粒子フィルム534上に選択的に形成される。グラファイト材料PECVDプロセスでは、基板502は、ウェハチャック584上に配置され、ウェハチャック584によって、例えば200℃~400℃の温度まで加熱される。
図5Dにおいて「炭素試薬ガス」と示される炭素含有試薬ガスが、集積回路500の上に流され、
図5Dにおいて「RF出力」と示される無線周波数(RF)出力が炭素含有試薬ガスに印加されて、集積回路500の上方に炭素ラジカルが生成される。炭素含有試薬ガスは、メタン、エタン、プロパン及び/又はブタンなどの直鎖アルカン、エタノールなどのアルコール、及び/又はシクロブタン又はベンゼンなどの環状炭化水素を含み得る。水素、アルゴン及び/又は酸素のような付加的ガスを集積回路500に対して上に流すこともできる。凝集ナノ粒子フィルム534内のナノ粒子内の金属は、炭素ラジカルに触媒作用を及ぼしてグラファイト材料を形成するように反応し、そのため、グラファイト材料570の層の第1の層が、凝集ナノ粒子フィルム534上に選択的に形成されるようにする。グラファイト材料の後続の層が、前に形成されたグラファイト材料の層上に選択的に形成され、そのため、グラファイト材料570の層が、凝集ナノ粒子フィルム534上に選択的に形成され、グラファイト材料570は凝集ナノ粒子フィルム534の外の集積回路500上には形成されないようになる。凝集ナノ粒子フィルム534とグラファイト材料570の層との組み合わせは、熱配路構造532を提供する。
【0047】
図6は、一実施形態に従った、組合せ熱配路構造を含む例示的な集積回路の断面図である。集積回路600は、半導体材料604を含む基板602を含む。集積回路600は、基板602の上に配置される相互接続領域606を更に含む。構成要素608が、基板602と相互接続領域606との間の境界610において、基板602及び相互接続領域606に配置される。例えば、構成要素608は、MOSトランジスタ、バイポーラ接合トランジスタ、JFET、抵抗器、及び/又はSCRであり得る。構成要素608は、基板602と相互接続領域606との間の境界610において、フィールド酸化物614によって横方向に分離され得る。相互接続領域606は、誘電体層スタック622に配置される、コンタクト616、相互接続618、及びビア620を含み得る。相互接続618のいくつかが、相互接続領域606の頂部表面626に位置する頂部相互接続レベル624に配置される。相互接続領域606の頂部表面626は、基板602と相互接続領域606との間の境界610とは反対側に位置する。ボンドパッド構造628が、相互接続領域606の頂部表面626の上に配置され、頂部相互接続レベル624における相互接続618に電気的に結合される。保護オーバーコート630が、相互接続領域606の頂部表面626の上に配置される。
【0048】
この例では、集積回路600は、ボンドパッド構造628のいくつかの上にワイヤボンド686を用いてアセンブルされる。集積回路600は、封入材料688内に封止によってパッケージングされる。エポキシ樹脂のような封止材料688は、保護オーバーコート630及びボンドパッド構造628の上に配置される。
【0049】
この例の集積回路600は、基板602の内側から相互接続領域606を通り、有機ポリマー封入材料688を通して延在する、組合せ熱配路構造690を含む。組合せ熱配路構造690は、本明細書の実施例のいずれかに従って、頂部相互接続レベル624の上に配置される熱配路構造632を含む。組合せ熱配路構造690は、構成要素608によって生成された熱を、集積回路600を含むパッケージの外に配置されるヒートシンクなどの熱除去装置に導通させ得、これは、構成要素608の動作温度を有利に低下させ得る。
【0050】
組合せ熱配路構造690は、基板602に配置され、基板602と相互接続領域606との間の境界610まで延在する、ディープトレンチ熱配路構造692を含み得る。ディープトレンチ熱配路構造692は、構成要素608の一部を囲み得、
図6の平面の外の場所で互いに接続され得る。ディープトレンチ熱配路構造692は、米国特許出願番号US15/361,397に記載されているような構造を有し得、形成され得る。
【0051】
組合せ熱配路構造690は、相互接続領域606に配置される高熱伝導度ビア694を含み得る。高熱伝導度ビア694は、構成要素608の一部を囲み得、
図6の平面の外の位置において互いに接続され得る。高熱伝導度ビア694は、米国特許出願番号US15/361,399に記載されているような構造を有し得、記載されるように形成され得る。
【0052】
組合せ熱配路構造690は、相互接続領域606に配置される高熱伝導度横方向構造696を含み得る。高熱伝導度横方向構造696は、構成要素608の一部を囲み得、
図6の平面の外の位置において互いに接続され得る。高熱伝導度横方向構造696は、米国特許出願番号US15/361,394に記載されているような構造を有し得、記載されるように形成され得る。
【0053】
組合せ熱配路構造690は、集積回路600までの、封止材料688を介して配置される高熱伝導度スルーパッケージ導管698を含み得る。高熱伝導度スルーパッケージ導管698は、米国特許出願番号US15/361,403に記載されているような構造を有し得、記載されるように形成され得る。
【0054】
集積回路600は、構成要素608に電気的に結合されるグラファイトビア699を更に含み得る。グラファイトビア699は、構成要素608によって生成された熱を、基板から離れて、場合によっては組合せ熱配路構造690に導通させ得、これは構成要素608の動作温度を有利に低下させ得る。グラファイトビア699は、米国特許出願番号US15/361,401に記載されているような構造を有し得、記載されるように形成され得る。
【0055】
特許請求の範囲内で、説明した実施形態において改変が可能であり、他の実施形態も可能である。