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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-08
(45)【発行日】2022-02-17
(54)【発明の名称】映像配信システム及び映像配信方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/647 20110101AFI20220209BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20220209BHJP
   H04N 21/222 20110101ALI20220209BHJP
【FI】
H04N21/647
H04N7/18 D
H04N7/18 F
H04N21/222
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2015223413
(22)【出願日】2015-11-13
(65)【公開番号】P2017092826
(43)【公開日】2017-05-25
【審査請求日】2018-11-02
【審判番号】
【審判請求日】2020-04-06
(73)【特許権者】
【識別番号】509104034
【氏名又は名称】パナソニック ネットソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】特許業務法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 太
【合議体】
【審判長】千葉 輝久
【審判官】渡辺 努
【審判官】樫本 剛
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-288230(JP,A)
【文献】特開2001-313932(JP,A)
【文献】特開2003-283677(JP,A)
【文献】特開2007-318411(JP,A)
【文献】特開2000-50244(JP,A)
【文献】特開2014-53717(JP,A)
【文献】特開2010-213047(JP,A)
【文献】特開2006-174195(JP,A)
【文献】特開2015-45961(JP,A)
【文献】特開2007-13395(JP,A)
【文献】特開2001-237829(JP,A)
【文献】特開2002-199365(JP,A)
【文献】特開2010-147845(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N21/00-21/858
H04N7/14-7/15
H04N7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
広域ネットワークを介して相互に通信可能な第1映像配信装置及び第2映像配信装置と、カメラと、前記カメラにより撮影された映像を閲覧可能な複数台の端末装置とを備え、
前記第1映像配信装置は、前記広域ネットワークと前記カメラとの間に接続され、
前記第2映像配信装置は、前記広域ネットワークと前記複数台の端末装置との間に接続され、
前記第1映像配信装置は、前記カメラにより撮影された映像を取得し、かつ、前記第2映像配信装置から前記映像の配信の要求があると、前記映像を前記第2映像配信装置に配信するように構成され、
前記第2映像配信装置は、前記複数台の端末装置から前記映像の閲覧要求を受信する受信部と、前記第1映像配信装置からの前記映像を前記複数台の端末装置に配信する配信部とを有しており、
前記複数台の端末装置からの前記閲覧要求の対象は、同一の前記カメラにより撮影された同一の映像であり、
前記第2映像配信装置は、前記複数台の端末装置からの前記閲覧要求を前記受信部で受信したときに、前記第1映像配信装置に前記同一の映像の配信を1度だけ要求し、前記第1映像配信装置からの前記同一の映像を、前記配信部から前記複数台の端末装置に配信し、
前記複数台の端末装置のうち一部の端末装置は、前記複数台の端末装置のうち前記一部の端末装置を除く残りの端末装置からの前記閲覧要求があった後で、かつ前記第1映像配信装置からの前記映像が前記残りの端末装置に配信されている間に、前記閲覧要求を送信すると、前記残りの端末装置に配信される前記映像が配信される
ことを特徴とする映像配信システム。
【請求項2】
前記第2映像配信装置は、前記カメラにより撮影された映像を所定のタイミングで前記第1映像配信装置から取得する取得部を有し、
前記第2映像配信装置は、前記複数台の端末装置からの前記閲覧要求を前記受信部で受信したときに、前記取得部で取得した前記映像を、前記配信部から前記複数台の端末装置に配信する
ことを特徴とする請求項1記載の映像配信システム。
【請求項3】
前記カメラにより撮影された映像を録画する録画装置を、さらに備え、
前記第1映像配信装置は、前記録画装置により録画された映像を蓄積する蓄積部を有している
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の映像配信システム。
【請求項4】
前記カメラにより撮影された映像を録画する録画装置と、前記第1映像配信装置及び前記第2映像配信装置を管理する管理装置とを、さらに備え、
前記管理装置は、前記広域ネットワークを介して、前記第1映像配信装置及び前記第2映像配信装置と接続され、
前記第1映像配信装置は、前記録画装置により録画された映像を取得して前記管理装置に配信するように構成され、
前記管理装置は、前記第1映像配信装置からの前記録画された映像を蓄積する蓄積部を有している
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の映像配信システム。
【請求項5】
前記管理装置を、複数台備え、
前記第1映像配信装置は、前記録画装置により録画された映像のデータを複数の映像データに分割し、かつ、前記複数の映像データを、それぞれ前記複数台の管理装置に配信するように構成され、
前記複数台の管理装置の各々は、前記第1映像配信装置から配信された前記映像データを、前記蓄積部に蓄積するように構成されている
ことを特徴とする請求項4に記載の映像配信システム。
【請求項6】
前記第1映像配信装置からの前記映像を前記第2映像配信装置へ中継する第3映像配信装置を、さらに備え、
前記第3映像配信装置は、前記広域ネットワークに接続されている
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の映像配信システム。
【請求項7】
広域ネットワークを介して相互に通信可能な第1映像配信装置及び第2映像配信装置と、カメラと、前記カメラにより撮影された映像を閲覧可能な複数台の端末装置とを備え、前記第1映像配信装置は、前記広域ネットワークと前記カメラとの間に接続され、前記第2映像配信装置は、前記広域ネットワークと前記複数台の端末装置との間に接続された映像配信システムを用いた映像配信方法であって、
前記第2映像配信装置に前記複数台の端末装置からの前記映像の閲覧要求を受信させる受信処理と、
前記第1映像配信装置に、前記第2映像配信装置から前記映像の配信の要求があると、前記映像を前記第2映像配信装置へ配信させる第1配信処理と、
前記第2映像配信装置に前記第1映像配信装置からの前記映像を前記複数台の端末装置へ配信させる第2配信処理とを有しており、
前記複数台の端末装置からの前記閲覧要求の対象は、同一の前記カメラにより撮影された同一の映像であり、
前記受信処理において、前記第2映像配信装置が前記複数台の端末装置からの前記閲覧要求を受信したときに、前記第2配信処理において、前記第2映像配信装置が、前記第1映像配信装置に前記同一の映像の配信を1度だけ要求し、前記第1映像配信装置からの前記同一の映像を前記複数台の端末装置に配信し、
前記複数台の端末装置のうち一部の端末装置は、前記複数台の端末装置のうち前記一部の端末装置を除く残りの端末装置からの前記閲覧要求があった後で、かつ前記第1映像配信装置からの前記映像が前記残りの端末装置に配信されている間に、前記閲覧要求を送信すると、前記残りの端末装置に配信される前記映像が配信される
ことを特徴とする映像配信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、映像配信システム及び映像配信方法に関し、より詳細には、カメラで撮影された映像を配信する映像配信システム及び映像配信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネット等の広域ネットワークを利用して映像を配信する映像配信システムが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載された映像配信システムは、スポーツクラブ等における映像(レッスン映像)を、ユーザ端末からの閲覧要求に応じて配信するように構成されている。この映像配信システムは、現在のレッスン映像(ライブ映像)も配信できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-4045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載された映像配信システムは、複数のユーザ端末から閲覧要求があった場合、レッスン映像を、広域ネットワークを介して複数のユーザ端末に配信する。そのため、この映像配信システムでは、広域ネットワークのトラフィックが増加する可能性がある。
【0006】
本発明の目的は、広域ネットワークのトラフィックが増加するのを抑制可能な映像配信システム及び映像配信方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る第1の態様の映像配信システムは、広域ネットワークを介して相互に通信可能な第1映像配信装置及び第2映像配信装置と、カメラと、前記カメラにより撮影された映像を閲覧可能な複数台の端末装置とを備え、前記第1映像配信装置は、前記広域ネットワークと前記カメラとの間に接続され、前記第2映像配信装置は、前記広域ネットワークと前記複数台の端末装置との間に接続され、前記第1映像配信装置は、前記カメラにより撮影された映像を取得し、かつ、前記第2映像配信装置から前記映像の配信の要求があると、前記映像を前記第2映像配信装置に配信するように構成され、前記第2映像配信装置は、前記複数台の端末装置から前記映像の閲覧要求を受信する受信部と、前記第1映像配信装置からの前記映像を前記複数台の端末装置に配信する配信部とを有しており、前記複数台の端末装置からの前記閲覧要求の対象は、同一の前記カメラにより撮影された同一の映像であり、前記第2映像配信装置は、前記複数台の端末装置からの前記閲覧要求を前記受信部で受信したときに、前記第1映像配信装置に前記同一の映像の配信を1度だけ要求し、前記第1映像配信装置からの前記同一の映像を、前記配信部から前記複数台の端末装置に配信し、前記複数台の端末装置のうち一部の端末装置は、前記複数台の端末装置のうち前記一部の端末装置を除く残りの端末装置からの前記閲覧要求があった後で、かつ前記第1映像配信装置からの前記映像が前記残りの端末装置に配信されている間に、前記閲覧要求を送信すると、前記残りの端末装置に配信される前記映像が配信されることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る第の態様の映像配信システムは、第1の態様において、前記第2映像配信装置は、前記カメラにより撮影された映像を所定のタイミングで前記第1映像配信装置から取得する取得部を有し、前記第2映像配信装置は、前記複数台の端末装置からの前記閲覧要求を前記受信部で受信したときに、前記取得部で取得した前記映像を、前記配信部から前記複数台の端末装置に配信することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る第の態様の映像配信システムは、第1又は2の態様において、前記カメラにより撮影された映像を録画する録画装置を、さらに備え、前記第1映像配信装置は、前記録画装置により録画された映像を蓄積する蓄積部を有していることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る第の態様の映像配信システムは、第1又は2の態様において、前記カメラにより撮影された映像を録画する録画装置と、前記第1映像配信装置及び前記第2映像配信装置を管理する管理装置とを、さらに備え、前記管理装置は、前記広域ネットワークを介して、前記第1映像配信装置及び前記第2映像配信装置と接続され、前記第1映像配信装置は、前記録画装置により録画された映像を取得して前記管理装置に配信するように構成され、前記管理装置は、前記第1映像配信装置からの前記録画された映像を蓄積する蓄積部を有していることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る第の態様の映像配信システムは、第の態様において、前記管理装置を、複数台備え、前記第1映像配信装置は、前記録画装置により録画された映像のデータを複数の映像データに分割し、かつ、前記複数の映像データを、それぞれ前記複数台の管理装置に配信するように構成され、前記複数台の管理装置の各々は、前記第1映像配信装置から配信された前記映像データを、前記蓄積部に蓄積するように構成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る第の態様の映像配信システムは、第1の態様ないし第の態様のいずれか1つの態様において、前記第1映像配信装置からの前記映像を前記第2映像配信装置へ中継する第3映像配信装置を、さらに備え、前記第3映像配信装置は、前記広域ネットワークに接続されていることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る映像配信方法は、広域ネットワークを介して相互に通信可能な第1映像配信装置及び第2映像配信装置と、カメラと、前記カメラにより撮影された映像を閲覧可能な複数台の端末装置とを備え、前記第1映像配信装置は、前記広域ネットワークと前記カメラとの間に接続され、前記第2映像配信装置は、前記広域ネットワークと前記複数台の端末装置との間に接続された映像配信システムを用いた映像配信方法であって、前記第2映像配信装置に前記複数台の端末装置からの前記映像の閲覧要求を受信させる受信処理と、前記第1映像配信装置に、前記第2映像配信装置から前記映像の配信の要求があると、前記映像を前記第2映像配信装置へ配信させる第1配信処理と、前記第2映像配信装置に前記第1映像配信装置からの前記映像を前記複数台の端末装置へ配信させる第2配信処理とを有しており、前記複数台の端末装置からの前記閲覧要求の対象は、同一の前記カメラにより撮影された同一の映像であり、前記受信処理において、前記第2映像配信装置が前記複数台の端末装置からの前記閲覧要求を受信したときに、前記第2配信処理において、前記第2映像配信装置が、前記第1映像配信装置に前記同一の映像の配信を1度だけ要求し、前記第1映像配信装置からの前記同一の映像を前記複数台の端末装置に配信し、前記複数台の端末装置のうち一部の端末装置は、前記複数台の端末装置のうち前記一部の端末装置を除く残りの端末装置からの前記閲覧要求があった後で、かつ前記第1映像配信装置からの前記映像が前記残りの端末装置に配信されている間に、前記閲覧要求を送信すると、前記残りの端末装置に配信される前記映像が配信されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る第1の態様によれば、広域ネットワークとカメラとの間に第1映像配信装置が接続され、かつ、広域ネットワークと複数台の端末装置との間に第2映像配信装置が接続されているので、第1映像配信装置と第2映像配信装置とが広域ネットワークを介して1対1で通信可能となり、広域ネットワークのトラフィックが増加するのを抑制可能になる。
【0016】
また、複数台の端末装置から映像の閲覧要求があったときに、第2映像配信装置は、第1映像配信装置へ映像配信の要求を行い、第1映像配信装置は、カメラにより撮影された映像を、第2映像配信装置に配信するので、広域ネットワークのトラフィックが増加するのを抑制可能となる。
【0017】
本発明に係る第の態様によれば、第2映像配信装置は、複数台の端末装置から映像の閲覧要求があったときに、取得部で取得した映像を、複数台の端末装置に配信するので、カメラにより撮影された映像が、遅延して端末装置に配信されるのを抑制することが可能になる。
【0018】
本発明に係る第の態様によれば、第1映像配信装置の蓄積部に、録画装置により録画された映像(録画映像)を複製して保管することが可能となり、第1映像配信装置の蓄積部に、録画映像のバックアップを保管することができる。
【0019】
本発明に係る第の態様によれば、管理装置の蓄積部に、録画装置により録画された映像(録画映像)を複製して保管することが可能となり、管理装置の蓄積部に、録画映像のバックアップを保管することができる。
【0020】
本発明に係る第の態様によれば、録画装置により録画された映像のデータを複数のデータ(映像データ)に分割して、複数の映像データを、それぞれ複数台の管理装置に保管することが可能となり、録画映像のセキュリティを強化することができる。
【0021】
本発明に係る第の態様によれば、例えば、広域ネットワークで通信障害が発生したとしても、カメラにより撮影された映像の配信経路として迂回経路を形成することが可能となる。
【0022】
本発明に係る映像配信方法によれば、複数台の端末装置から映像の閲覧要求があったとき、第2映像配信装置に、第1映像配信装置からの映像を複数台の端末装置に配信させるので、広域ネットワークのトラフィックが増加するのを抑制可能になる。また、複数台の端末装置から映像の閲覧要求があったときに、第2映像配信装置は、第1映像配信装置へ映像配信の要求を行い、第1映像配信装置は、カメラにより撮影された映像を、第2映像配信装置に配信するので、広域ネットワークのトラフィックが増加するのを抑制可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本実施形態の映像配信システムのブロック図である。
図2】本実施形態の映像配信システムの映像配信装置のブロック図である。
図3】本実施形態の映像配信システムの映像配信装置の説明図である。
図4】本実施形態の映像配信システムの使用例のフローチャートである。
図5】本実施形態の映像配信システムの変形例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本実施形態の映像配信システム100は、図1に示すように、2台の映像配信装置10A,10Bと、カメラ11Aと、複数台の端末装置12Ba~12Bcとを備えている。2台の映像配信装置10A,10Bは、広域ネットワーク200を介して相互に通信可能に構成されている。複数台の端末装置12Ba~12Bcの各々は、カメラ11Aにより撮影された映像を閲覧可能に構成されている。
【0025】
映像配信装置10A(第1映像配信装置)は、広域ネットワーク200とカメラ11Aとの間に接続されている。映像配信装置10B(第2映像配信装置)は、広域ネットワーク200と複数台の端末装置12Ba~12Bcとの間に接続されている。
【0026】
映像配信装置10Aは、カメラ11Aにより撮影された映像を取得するように構成されている。また、映像配信装置10Aは、映像配信装置10Bに映像を配信するように構成されている。
【0027】
映像配信装置10Bは、第1受信部29と、配信部22とを有している。第1受信部29は、複数台の端末装置12Ba~12Bcから映像の閲覧要求を受信するように構成されている。配信部22は、映像配信装置10Aからの映像を複数台の端末装置12Ba~12Bcに配信するように構成されている。
【0028】
映像配信システム100では、広域ネットワーク200とカメラ11Aとの間に映像配信装置10Aが接続され、かつ、広域ネットワーク200と複数台の端末装置12Ba~12Bcとの間に映像配信装置10Bが接続されている。これにより、映像配信システム100では、映像配信装置10Aと映像配信装置10Bとが広域ネットワーク200を介して1対1で通信可能となる。よって、映像配信システム100では、特許文献1に記載された映像配信システムに比べて、広域ネットワーク200のトラフィックが増加するのを抑制可能になる。
【0029】
以下、本実施形態の映像配信システム100について、図1図5を参照しながら詳細に説明する。
【0030】
映像配信システム100は、例えば、駅の映像監視に用いられる。本実施形態では、広域ネットワーク200を利用して、駅構内の人の様子(例えば、混雑状況等)を監視する場合を例として、映像配信システム100の構成及び機能を説明する。
【0031】
映像配信システム100は、図1に示すように、2台の映像配信装置10A,10Bと、2台のカメラ11A,11Bと、6台の端末装置12Aa~12Ac,12Ba~12Bcと、2台の録画装置13A,13Bとを備えている。
【0032】
広域ネットワーク200は、例えば、WAN(Wide Area Network)である。なお、広域ネットワーク200は、WANに限らず、例えば、専用回線、VPN(Virtual Private Network)、キャリア網(例えば、3G回線や4G回線)等であってもよい。
【0033】
2台の映像配信装置10A,10Bは、それぞれ2つの駅(A駅、B駅)に設置されている。本実施形態では、A駅に設置された映像配信装置10を「映像配信装置10A」と表し、B駅に設置された映像配信装置10を「映像配信装置10B」と表している。また、本実施形態では、映像配信装置10Aが、第1映像配信装置及び第2映像配信装置の両方に対応する。また、本実施形態では、映像配信装置10Bが、第1映像配信装置及び第2映像配信装置の両方に対応する。なお、映像配信装置10Aと映像配信装置10Bとは、同じ構成及び機能を有している。また、以下では、映像配信装置10A及び映像配信装置10Bを特に区別しない場合、単に「映像配信装置10」として説明する。
【0034】
A駅には、1台のカメラ11Aと、3台の端末装置12Aa~12Acと、1台の録画装置13Aとが設置されている。B駅には、1台のカメラ11Bと、3台の端末装置12Ba~12Bcと、1台の録画装置13Bとが設置されている。以下では、カメラ11A及びカメラ11Bを特に区別しない場合、単に「カメラ11」として説明する。また、以下では、3台の端末装置12Aa~12Ac及び3台の端末装置12Ba~12Bcを特に区別しない場合、単に「端末装置12」として説明する。さらに、以下では、録画装置13A及び録画装置13Bを特に区別しない場合、単に「録画装置13」として説明する。
【0035】
映像配信装置10は、カメラ11、端末装置12及び録画装置13と通信可能に構成されている。具体的には、映像配信装置10Aは、第1ネットワーク300Aを介して、カメラ11A、3台の端末装置12Aa~12Ac及び録画装置13Aと接続されている。映像配信装置10Bは、第2ネットワーク300Bを介して、カメラ11B、3台の端末装置12Ba~12Bc及び録画装置13Bと接続されている。第1ネットワーク300A及び第2ネットワーク300Bは、例えば、LAN(Local Area Network)である。LANは、有線LANであってもよいし、無線LANであってもよい。なお、以下では、第1ネットワーク300A及び第2ネットワーク300Bを特に区別しない場合、単に「ネットワーク300」として説明する。
【0036】
カメラ11は、CCD(Charge Coupled Devices)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサ(撮像素子)を有し、撮影した映像を電気信号に変換して出力するように構成されている。本実施形態では、カメラ11により撮影される映像は、動画である。動画は、擬似動画(アニメーション)を含む。
【0037】
また、カメラ11は、撮影した映像を、例えば、H.264またはH.265等のコーデック(codec)で圧縮し、映像コンテンツとして映像配信装置10へ出力するように構成されている。本実施形態では、カメラ11は、専用のカメラではなく、ネットワーク300に接続する機能(LAN接続の機能)を有する汎用のIP(Internet Protocol)カメラ(ネットワークカメラ)である。なお、カメラ11には、マイクが内蔵されていてもよい。
【0038】
端末装置12は、ネットワーク300に接続する機能を有している。具体的には、端末装置12は、Webブラウザの機能を搭載しており、映像配信装置10から配信される映像を表示する(再生する)。端末装置12は、例えば、パソコン(パーソナルコンピュータ)である。なお、端末装置12は、パソコンに限らず、例えば、スマートフォン、タブレット端末等であってもよい。
【0039】
録画装置13は、カメラ11により撮影された映像を録画するように構成されている。また、録画装置13は、ネットワーク300に接続する機能を有している。具体的には、録画装置13は、ネットワーク300を介して、カメラ11から出力される映像コンテンツを録画する。録画装置13は、例えば、ネットワークディスクレコーダである。本実施形態では、録画装置13により録画された映像は、録画装置13が設置された駅(例えば、録画装置13Aの場合は、A駅)で保管することを主目的としている。
【0040】
映像配信装置10は、画像サーバ14と、中継サーバ15とを備えている。
【0041】
画像サーバ14は、図2に示すように、取得部21と、配信部22と、第1受信部29と、第1制御部23と、蓄積部24とを備えている。画像サーバ14は、CPU(Central Processing Unit)及びメモリを有するコンピュータ(第1コンピュータ)であって、メモリに格納されたプログラム(第1プログラム)を実行することで、取得部21、配信部22、第1受信部29及び第1制御部23の機能を実現する。また、第1プログラムは、第1コンピュータを画像サーバ14として機能させるプログラムである。
【0042】
取得部21は、カメラ11により撮影された映像を取得するように構成されている。具体的には、取得部21は、カメラ11から出力される映像コンテンツを、RTSP(Real Time Streaming Protocol)を使用してストリーミング方式で取得する。
【0043】
配信部22は、取得部21により取得された映像を、ネットワーク300を介して、3台の端末装置12へ配信するように構成されている。本実施形態では、配信部22は、取得部21により取得された映像を、例えば、3台の端末装置12に並行して配信することができる。言い換えれば、配信部22は、取得部21により取得された映像を、3台の端末装置12へ同時に配信することができる。
【0044】
また、配信部22は、取得部21により取得された映像を、例えば、512Kbps(bits per second)の伝送速度で3台の端末装置12へ配信するように構成されている。
【0045】
第1受信部29は、3台の端末装置12及び中継サーバ15からの要求(例えば、映像の閲覧要求等)を受信するように構成されている。
【0046】
第1制御部23は、取得部21、配信部22及び第1受信部29を制御するように構成されている。また、第1制御部23は、中継サーバ15に指令(例えば、3台の端末装置12からの要求等)を伝達するように構成されている。
【0047】
蓄積部24は、録画装置13により録画された映像を蓄積するように構成されている。蓄積部24は、例えば、ハードディスクドライブである。ここにおいて、取得部21は、録画装置13により録画された映像(録画映像)を取得するように構成されている。蓄積部24は、取得部21により取得された録画映像を蓄積することで、録画装置13により録画された映像を蓄積することができる。つまり、蓄積部24は、録画装置13により録画された映像を複製して保管する(録画映像のバックアップを保管する)ことができる。
【0048】
中継サーバ15は、図2に示すように、中継部25と、第2制御部26とを備えている。中継サーバ15は、CPU及びメモリを有するコンピュータ(第2コンピュータ)であって、メモリに格納されたプログラム(第2プログラム)を実行することで、中継部25及び第2制御部26の機能を実現する。また、第2プログラムは、第2コンピュータを中継サーバ15として機能させるプログラムである。
【0049】
中継部25は、取得部21により取得された映像(録画映像を含む)を、他の映像配信装置10へ中継する(配信する)ように構成されている。また、中継部25は、他の映像配信装置10から配信された映像を、画像サーバ14へ中継するように構成されている。具体的には、中継部25は、送信部27と、第2受信部28とを有している。
【0050】
送信部27は、取得部21により取得された映像(映像のデータ)を、他の映像配信装置10へ送信するように構成されている。第2受信部28は、他の映像配信装置10から配信された映像(映像のデータ)を受信するように構成されている。また、送信部27は、第2受信部28により受信された映像を、画像サーバ14へ出力するように構成されている。ここにおいて、取得部21は、送信部27により送信された映像を取得するように構成されている。これにより、取得部21は、他の映像配信装置10から配信された映像を取得することができる。
【0051】
また、第2受信部28は、他の映像配信装置10からの要求(例えば、映像の閲覧要求等)を受信するように構成されている。
【0052】
第2制御部26は、中継部25(送信部27及び第2受信部28)を制御するように構成されている。また、第2制御部26は、第1制御部23に指令(例えば、他の映像配信装置10からの要求等)を伝達するように構成されている。ここにおいて、第1制御部23は、第2制御部26からの指令を受け付けるように構成されている。
【0053】
また、第2制御部26は、第1制御部23からの指令を受け付けるように構成されている。
【0054】
ここで、A駅において、カメラ11Aにより撮影された映像を3台の端末装置12Aa~12Acに配信する場合の動作について、図1に基づいて説明する。なお、以下では、一例として、A駅の場合について説明するが、B駅において、カメラ11Bにより撮影された映像を3台の端末装置12Ba~12Bcに配信する場合の動作も同様である。
【0055】
映像配信装置10Aは、カメラ11Aにより撮影された映像(撮影映像)を取得する。映像配信装置10Aは、3台の端末装置12Aa~12Acから撮影映像の閲覧要求があったときに、撮影映像を、3台の端末装置12Aa~12Acに配信する。
【0056】
次に、A駅のカメラ11Aにより撮影された映像を、広域ネットワーク200を介して、B駅の3台の端末装置12Ba~12Bcに配信する場合の動作について、図1に基づいて説明する。この場合、A駅に設置された映像配信装置10Aが「第1映像配信装置」に対応し、B駅に設置された映像配信装置10Bが「第2映像配信装置」に対応する。なお、以下では、A駅のカメラ11Aにより撮影された映像を、B駅の3台の端末装置12Ba~12Bcに配信する場合の動作について説明するが、B駅のカメラ11Bにより撮影された映像を、A駅の3台の端末装置12Aa~12Acに配信する場合の動作も同様である。この場合、B駅に設置された映像配信装置10Bが「第1映像配信装置」に対応し、A駅に設置された映像配信装置10Aが「第2映像配信装置」に対応する。
【0057】
映像配信装置10Aは、カメラ11Aにより撮影された映像を取得する。映像配信装置10Bは、3台の端末装置12Ba~12Bcから撮影映像の閲覧要求を受信する。映像配信装置10Bは、3台の端末装置12Ba~12Bcから撮影映像の閲覧要求があったときに、映像配信装置10Aに撮影映像の配信を1度だけ要求する。映像配信装置10Aは、映像配信装置10Bから撮影映像の配信の要求があったときに、カメラ11Aからの撮影映像を、映像配信装置10Bに配信する。映像配信装置10Bは、映像配信装置10Aからの撮影映像を3台の端末装置12Ba~12Bcに配信する。本実施形態では、映像配信装置10Aは、広域ネットワーク200を介して映像配信装置10Bに撮影映像を配信するとき、この撮影映像を、ユニキャスト通信で配信する。また、本実施形態では、映像配信装置10Bは、映像配信装置10Aから撮影映像が配信されたとき、この撮影映像を、ユニキャスト通信で3台の端末装置12Ba~12Bcに配信する。
【0058】
図3に基づいて詳しく説明すると、映像配信装置10Bは、3台の端末装置12Ba~12Bcから撮影映像の閲覧要求があったときに、新規のプロセス(親プロセス)を起動し、映像配信装置10Aに撮影映像の配信を1度だけ要求する。映像配信装置10Aは、映像配信装置10Bから撮影映像の配信の要求があったときに、カメラ11Aからの撮影映像を、映像配信装置10Bに配信する。映像配信装置10Bは、映像配信装置10Aからの撮影映像を取得すると、例えば、複数(図示例では、3つ)のプロセス(子プロセス)を起動し、3つの子プロセスが、撮影映像を、それぞれ3つの端末装置12Ba~12Bcに配信する。すなわち、映像配信装置10Bは、映像配信装置10Aからの撮影映像を、3つの端末装置12Ba~12Bcに配信する。これにより、映像配信システム100では、特許文献1に記載された映像配信システムに比べて、広域ネットワーク200のトラフィックが増加するのを抑制可能となる。その結果、映像配信システム100では、特許文献1に記載された映像配信システムに比べて、通信コストの削減を図ることが可能になる。なお、図3では、映像配信装置10Bに3台の端末装置12Ba~12Bcから同時に閲覧要求があった場合の動作について説明しているが、例えば、映像配信装置10Bに3台の端末装置12Ba~12Bcのうち1台の端末装置(例えば、端末装置12Ba)から撮影映像の閲覧要求があった場合の動作もほぼ同様であり、1台の端末装置12Baに映像が撮影配信される点のみが相違する。また、3台の端末装置12Ba~12Bcからの閲覧要求には、時間差があってもよい。例えば、端末装置12Baからの閲覧要求があった後で、かつ、映像配信装置10Aからの撮影映像が端末装置12Baに配信されている間に、端末装置12Bbや端末装置12Bcからの閲覧要求があってもよい。これにより、映像配信システム100では、3台の端末装置12Ba~12Bcからの閲覧要求が同時にあった場合に限らず、複数台の端末装置12Ba~12Bcからの閲覧要求に時間差があった場合にも利点がある。例えば、3台の端末装置12Ba~12Bcのうち1台の端末装置(1番目の端末装置12Ba)から閲覧要求があったときに、映像配信装置10Bは、映像配信装置10Aへ映像配信の要求を行い、映像配信装置10Bが端末装置12Baに映像を配信する間に、残り2台の端末装置(2番目以降の端末装置12Bb,12Bc)から閲覧要求があったとき、端末装置12Baに配信する映像を、残り2台の端末装置12Bb,12Bcに配信することが可能となり、広域ネットワークのトラフィックが増加するのを抑制可能となる。
【0059】
本実施形態の映像配信方法は、3つの処理(第1処理~第3処理)を有している。第1処理は、映像配信装置10Bに複数台の端末装置12Ba~12Bcからの映像の閲覧要求を受信させる処理である。第2処理は、映像配信装置10Aに映像を映像配信装置10Bへ配信させる処理である。第3処理は、映像配信装置10Bに映像配信装置10Aからの映像を複数台の端末装置12Ba~12Bcへ配信させる処理である。これにより、本実施形態の映像配信方法では、複数台の端末装置12Ba~12Bcから映像の閲覧要求があったとき、映像配信装置10Bに、映像配信装置10Aからの映像を複数台の端末装置12Ba~12Bcに配信させるので、広域ネットワーク200のトラフィックが増加するのを抑制可能になる。
【0060】
本実施形態の映像配信システム100は、図1に示すように、管理装置30を、さらに備えている。管理装置30は、映像配信装置10Cと、管理サーバ31とを備えている。映像配信装置10Cは、映像配信装置10A及び映像配信装置10Bと同じ構成及び機能を有している。本実施形態では、管理装置30は、各駅の情報を統括する管理センタに設置されている。また、本実施形態では、管理センタに、1台の端末装置12Cが設置されている。端末装置12Cは、各端末装置12Aa~12Ac,12Ba~12Bcと同じ構成及び機能を有している。端末装置12Cは、有線LANまたは無線LANを介して、管理装置30と通信可能に構成されている。
【0061】
管理サーバ31は、映像配信装置10、カメラ11、端末装置12及び録画装置13を管理するように構成されている。一例を挙げて説明すると、管理サーバ31は、各駅に設置された装置(例えば、映像配信装置10、カメラ11、端末装置12及び録画装置13)の情報を一括管理する。また、管理サーバ31は、映像配信装置10C及び端末装置12Cを管理するように構成されている。また、管理サーバ31は、映像配信システム100を利用可能なユーザの情報を管理する。すなわち、本実施形態では、管理サーバ31に、映像配信システム100に関する全ての情報が保管されている。
【0062】
管理装置30は、広域ネットワーク200を介して、映像配信装置10A及び映像配信装置10Bと通信可能に構成されている。具体的には、管理装置30(詳細には、映像配信装置10C)は、広域ネットワーク200を介して、映像配信装置10A及び映像配信装置10Bと接続されている。
【0063】
以下、本実施形態の映像配信システム100の使用例について、図4に基づいて説明する。なお、以下では、一例として、B駅のユーザ(駅員)が、A駅に設置されたカメラ11Aにより撮影された映像を、端末装置12Baを利用して閲覧する場合の動作について説明する。
【0064】
B駅の駅員は、端末装置12Baを使用して、ユーザIDやパスワードを入力して、管理装置30の管理サーバ31にログイン要求を行う(ステップS1)。
【0065】
管理サーバ31は、端末装置12Baからのログイン要求に従って、ログイン認証(ユーザIDの識別)を行う(ステップS2)。管理サーバ31は、ログイン認証が成功すると、セッション情報を作成し、このセッション情報を、映像配信装置10A、映像配信装置10B及び端末装置12Baに通知する(ステップS3)。これにより、映像配信システム100では、映像配信装置10A及び映像配信装置10Bが、広域ネットワーク200を介して、相互に通信可能な状態となる。一方、管理サーバ31は、ログイン認証が失敗すると、端末装置12Baへログイン失敗の通知を行う。なお、セッション情報とは、例えば、ログイン中のユーザを識別するための情報やユーザの行動を捕捉するための情報等を意味する。
【0066】
B駅の駅員は、ログイン認証が成功すると、端末装置12Baを使用して、A駅に設置されたカメラ11Aにより撮影された映像(撮影映像)の閲覧要求を行う(ステップS4)。
【0067】
映像配信装置10Bは、端末装置12Baから撮影映像の閲覧要求があったとき、映像配信装置10Aへ撮影映像の配信を要求する(ステップS5)。映像配信装置10Aは、映像配信装置10Bから撮影映像の配信要求があったとき、カメラ11により撮影された映像を、映像配信装置10Bに配信する(ステップS6)。
【0068】
映像配信装置10Cにおける画像サーバ14Cの蓄積部(図示せず)は、録画装置13により録画された映像を蓄積するように構成されている。一例を挙げて説明すると、映像配信装置10Cは、映像配信装置10Aから配信された録画映像を取得するように構成されている。映像配信装置10Cにおける画像サーバ14Cの上記蓄積部は、画像サーバ14Cの取得部(図示せず)により取得された録画映像を蓄積することで、録画装置13Aにより録画された映像を蓄積することができる。これにより、映像配信システム100では、録画装置13により録画された映像を複製して、管理装置30に保管する(録画映像のバックアップを保管する)ことが可能となる。また、映像配信システム100では、録画装置13により録画された映像を、管理装置30で一括管理することが可能になる。
【0069】
ところで、映像配信装置10Aは、予め決められた時間帯に、録画装置13Aにより録画された映像を管理装置30に配信するように構成されていてもよい。これにより、映像配信システム100では、例えば、夜間等の通信トラフィックが空いている時間帯に録画映像を配信すれば、映像配信装置10Aが管理装置30へ録画映像を配信する際に、通信エラーが発生するのを抑制することが可能になる。
【0070】
管理装置30は、映像配信装置10Aから配信された録画映像を、画像サーバ14Cの上記蓄積部に蓄積するときに、広域ネットワーク200との接続が遮断された場合、広域ネットワーク200との接続が復旧した後に、遮断時に配信されなかった映像を、映像配信装置10Aから取得するように構成されていてもよい。これにより、映像配信システム100では、映像配信装置10Aが管理装置30に録画映像を配信する際に通信エラーが発生したとしても、録画装置13Aにより録画された映像を、画像サーバ14Cの上記蓄積部に保管することが可能になる。
【0071】
管理装置30は、複数台(例えば、2台)の画像サーバ14Cを備えていてもよい。この場合、映像配信装置10Cの中継サーバ15は、複数台の画像サーバ14Cとデータ伝送が可能に構成される。これにより、映像配信システム100では、複数台の画像サーバ14Cそれぞれの蓄積部(図示せず)に録画映像を蓄積することが可能となり、複数台の画像サーバ14Cに録画映像を保管することが可能となる。また、映像配信システム100では、録画映像を複数台の画像サーバ14Cそれぞれの上記蓄積部に蓄積することで、管理装置30が複数台の映像配信装置10Cを備える場合に比べて、広域ネットワーク200のトラフィックが増加するのを抑制することが可能となる。
【0072】
映像配信システム100は、図5に示すように、複数台(図示例では、3台)の管理装置30を備えていてもよい。この場合、複数台の管理装置30は、それぞれ複数の管理センタ(管理センタA、管理センタB及び管理センタC)に設置される。映像配信装置10Aは、例えば、図5に示すように、録画装置13Aにより録画された映像のデータを、複数(図示例では、3つ)のデータ(映像データ)に分割するように構成されている。また、映像配信装置10Aは、複数の映像データを、それぞれ複数台の管理装置30に配信するように構成されている。複数台の管理装置30の各々は、映像配信装置10Aから配信された映像データを、画像サーバ14Cの上記蓄積部に蓄積するように構成されている。これにより、映像配信システム100では、録画装置13Aにより録画された映像のデータを複数に分割して、複数に分割された映像データを、それぞれ複数台の管理装置30に保管することが可能となる。よって、映像配信システム100では、複数に分割された映像データの全てが揃わない限り(全ての映像データを結合しない限り)、録画装置13Aにより録画された映像のデータを復元することが困難である。例えば、映像配信システム100では、複数に分割された映像データの1つが盗まれた場合であっても、録画装置13Aにより録画された映像のデータを復元することができない。その結果、映像配信システム100では、1台の管理装置30に映像のデータを保管する場合に比べて、映像データのセキュリティを強化することが可能になる。なお、図5中の「H」は、ヘッダを表している。また、図5中の「F」は、フッタを表している。また、図5中の「h」は、ハッシュを表している。
【0073】
映像配信装置10Bは、映像配信装置10Aから配信された撮影映像の伝送速度を変更せずに、撮影映像を、3台の端末装置12Ba~12Bcに配信するように構成されているが、この構成に限らない。映像配信装置10Bは、映像配信装置10Aから配信された撮影映像の伝送速度を変更するように構成されていてもよい。例えば、映像配信装置10Bは、映像配信装置10Aから配信された撮影映像の伝送速度を、512Kbpsよりも低い伝送速度(例えば、256Kbps)に変更するように構成されていてもよい。また、映像配信装置10Bは、映像配信装置10Aから配信された撮影映像を、疑似動画に変更するように構成されていてもよい。これにより、映像配信システム100では、ネットワーク300の伝送帯域を制限することが可能になる。
【0074】
また、映像配信装置10Bは、映像配信装置10Aからの撮影映像を、ユニキャスト通信で3台の端末装置12Ba~12Bcに配信しているが、これに限らない。映像配信装置10Bは、映像配信装置10Aからの撮影映像を、マルチキャスト通信で3台の端末装置12Ba~12Bcに配信してもよい。すなわち、映像配信装置10Bは、映像配信装置10Aからの撮影映像を、ユニキャスト通信からマルチキャスト通信に変換(リアルタイム変換)して、3台の端末装置12Ba~12Bcに配信するように構成されていてもよい。
【0075】
また、映像配信装置10Bは、例えば、B駅の駅員が端末装置12Baを使用して、A駅に設置されたカメラ11Aにより撮影された映像の閲覧要求を行う前に、例えば、一定時間(例えば、30秒)ごとに、カメラ11Aにより撮影された映像を取得していてもよい。言い換えれば、映像配信装置10Bは、カメラ11Aにより撮影された映像を所定のタイミングで映像配信装置10Aから取得するように構成されていてもよい。この場合、映像配信装置10Bは、3台の端末装置12から閲覧要求があったとき、映像配信装置10Aに撮影映像の配信を要求せず、映像配信装置10Aから取得した撮影映像を、対象の端末装置12に配信する。これにより、映像配信システム100では、例えば、B駅の駅員が端末装置12Baを使用して、A駅に設置されたカメラ11Aにより撮影された映像の閲覧要求を行ったとき、直ぐに、カメラ11Aにより撮影された映像を端末装置12Baに配信可能となる。すなわち、映像配信システム100では、カメラ11により撮影された映像が、遅延して端末装置12Baに配信されるのを抑制することが可能になる。
【0076】
本実施形態の映像配信システム100は、映像配信装置10A及び映像配信装置10Bを備えているが、映像配信装置10A及び映像配信装置10Bに加えて、映像配信装置10Aからの撮影映像を映像配信装置10Bへ中継する映像配信装置(第3映像配信装置)10を備えていてもよい。第3映像配信装置10は、広域ネットワーク200に接続される。第3映像配信装置10は、映像配信装置10A及び映像配信装置10Bと同じ構成及び機能を有している。第3映像配信装置10は、例えば、管理装置30の映像配信装置10Cであってもよい。すなわち、映像配信システム100は、3台以上の映像配信装置10を備えていてもよい。
【0077】
映像配信システム100が3台の映像配信装置10を備える場合は、3台の映像配信装置10が、広域ネットワーク200によって、接続されていることが好ましい。また、映像配信システム100が4台以上の映像配信装置10を備える場合は、4台以上の映像配信装置10が、広域ネットワーク200によって、メッシュ型に接続されていることが好ましい。この場合、映像配信装置10Aは、例えば、1台または複数台の第3映像配信装置10を経由して、映像配信装置10Bに映像を配信することが可能になる。これにより、映像配信システム100では、例えば、広域ネットワーク200で通信障害が発生したとしても、撮影映像の配信経路として迂回経路を形成することが可能になる。
【0078】
なお、本実施形態の映像配信システム100は、管理装置30を備えているが、管理装置30を備えていなくてもよい。また、映像配信システム100は、録画装置13(2台の録画装置13A,13B)を備えているが、録画装置13を備えていなくてもよい。また、画像サーバ14は、蓄積部24を備えているが、蓄積部24を備えていなくてもよい。
【0079】
映像配信装置10は、1台の画像サーバ14を備えているが、複数台の画像サーバ14を備えていてもよい。これにより、映像配信システム100では、カメラ11により撮影された映像を閲覧可能な端末装置12の台数を増やすことが可能になる。
【0080】
映像配信装置10(画像サーバ14及び中継サーバ15)は、2台のコンピュータ(第1コンピュータ及び第2コンピュータ)で構成されているが、1台のコンピュータで構成されていてもよい。
【0081】
本実施形態では、各駅に、1台のカメラ11が設置されているが、複数台のカメラ11が設置されていてもよい。この場合、取得部21は、複数台のカメラ11により撮影された映像を並行して取得するように構成される。ここで、取得部21が映像を並行して取得可能なカメラ11の台数は、例えば、200~1000台である。
【0082】
配信部22は、取得部21により取得された映像を、3台の端末装置12に並行して配信するように構成されているが、この構成に限らない。配信部22は、4台以上の端末装置12に並行して配信するように構成されていてもよい。ここで、配信部22が映像を並行して配信可能な端末装置12の台数は、例えば、300~1000台である。
【0083】
また、配信部22は、取得部21により取得された映像を、512Kbpsの伝送速度で端末装置12へ配信するように構成されているが、この構成に限らない。配信部22は、取得部21により取得された映像を、例えば、300~1000Mbpsの伝送速度で端末装置12へ配信するように構成されていてもよい。
【0084】
また、本実施形態では、各駅に、3台の端末装置12と1台の録画装置13とが設置されているが、端末装置12及び録画装置13それぞれの台数は、この台数に限らない。
【0085】
また、本実施形態では、映像配信システム100が駅の映像監視に用いられる場合について説明したが、この用途に限らない。映像配信システム100は、例えば、スポーツクラブや授業の映像配信等に用いられてもよい。すなわち、映像配信システム100は、カメラ11で撮影された映像の配信に、広く適用可能である。
【0086】
以上説明した本実施形態の映像配信システム100は、本発明の一例に過ぎず、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0087】
10A 映像配信装置(第1映像配信装置)
10B 映像配信装置(第2映像配信装置)
11A カメラ
12Ba~12Bc 端末装置
13A 録画装置
21 取得部
22 配信部
24 蓄積部
29 第1受信部(受信部)
30 管理装置
100 映像配信システム
200 広域ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5