(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-08
(45)【発行日】2022-02-17
(54)【発明の名称】スロットマシン
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20220209BHJP
【FI】
A63F5/04 611B
A63F5/04 697
(21)【出願番号】P 2017246364
(22)【出願日】2017-12-22
【審査請求日】2020-11-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小倉 敏男
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 正文
(72)【発明者】
【氏名】田名後 善人
【審査官】馬渕 貴洋
(56)【参考文献】
【文献】特許第6227180(JP,B1)
【文献】特開2014-223360(JP,A)
【文献】特許第6149985(JP,B1)
【文献】特許第6216419(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
通常状態および有利状態を含む複数種類の状態のうちのいずれかに制御可能な状態制御手段と、
前記スロットマシンの試験を行う試験装置に対して前記有利状態の終了を特定させるための特定状態信号を
生成するために前記有利状態の終了を特定可能な特定状態データを設定するとともに、当該特定状態信号を当該特定状態データに基づき生成可能な状態信号生成手段と、
全遊技において遊技者に付与された総遊技用価値量に対する、当該全遊技のうちの前記有利状態に制御された遊技において遊技者に付与された総遊技用価値量の比率である特定比率の算出に用いる遊技用価値量を更新するための処理である特定更新処理を前記特定状態データに基づき実行する特定更新処理手段と、
前記特定比率を特定可能な情報を報知する特定報知手段と、
付与表示結果が導出されたことに基づいて遊技用価値を遊技者に付与するとともに、付与された遊技用価値量を前記試験装置に対して特定させるための付与信号を生成する付与処理を実行する付与処理手段と、を備え、
前記特定更新処理手段は、前記有利状態において表示結果が導出されたことに基づいて前記有利状態が終了する場合において、当該表示結果が導出されてから前記特定状態データが設定されるまでの間に、前記特定更新処理を実行し、
前記状態信号生成手段は、前記付与処理の実行後に、前記特定状態信号を生成
し、
表示結果が導出されてから前記特定更新処理が実行されるまでの間に、遊技用価値の付与に関する異常を判定する付与異常判定処理が実行される、スロットマシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、可変表示部を変動表示した後、可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンは、一般に、外周部に識別情報としての複数種類の図柄が描かれたリールを有する可変表示部を備えており、規定の賭数が設定された状態でスタートスイッチが操作されることによりリールが回転開始し、ストップスイッチが操作されてリールの回転が停止したときに入賞ライン上に予め定められた図柄組合せ(たとえば、7-7-7、以下、図柄組合せを表示結果の組合せ、もしくは役とも称する)が導出されることにより入賞が発生する。
【0003】
役の種類としては、小役、特別役、再遊技役といった種類がある。ここで、小役に対応する表示結果が入賞ライン上に導出された場合には、小役の種類ごとに定められた数のメダルが払い出される。特別役に対応する表示結果が入賞ライン上に導出された場合には、レギュラーボーナスやビッグボーナスといった遊技者にとって有利な特別遊技状態に遊技状態が制御可能となる。再遊技役に対応する表示結果が入賞ライン上に導出された場合には、賭数の設定に新たなメダルを消費することなく次のゲームを行うことができる。
【0004】
このようなスロットマシンとして、設定値に応じて入賞役の当選確率を異ならせるものがあり、所定の役の当選に基づいて通常状態から有利状態に制御するものがあった(たとえば、特許文献1)。すなわち、特許文献1のスロットマシンは、設計通りに遊技を進行させるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のスロットマシンの場合、設計通りに遊技が進行しているか否かについて確認する術がなく、またそのように確認するために行われる各種処理をどのようなタイミングで実行するかについても改良の余地があった。
【0007】
この発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、設計通りのスロットマシンであることを確認できるようにするとともに、確認のために必要な処理を好適にできるようにするスロットマシンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
通常状態および有利状態を含む複数種類の状態のうちのいずれかに制御可能な状態制御手段と、
前記スロットマシンの試験を行う試験装置に対して前記有利状態の終了を特定させるための特定状態信号を
生成するために前記有利状態の終了を特定可能な特定状態データを設定するとともに、当該特定状態信号を当該特定状態データに基づき生成可能な状態信号生成手段と、
全遊技において遊技者に付与された総遊技用価値量に対する、当該全遊技のうちの前記有利状態に制御された遊技において遊技者に付与された総遊技用価値量の比率である特定比率の算出に用いる遊技用価値量を更新するための処理である特定更新処理を前記特定状態データに基づき実行する特定更新処理手段と、
前記特定比率を特定可能な情報を報知する特定報知手段と、
付与表示結果が導出されたことに基づいて遊技用価値を遊技者に付与するとともに、付与された遊技用価値量を前記試験装置に対して特定させるための付与信号を生成する付与処理を実行する付与処理手段と、を備え、
前記特定更新処理手段は、前記有利状態において表示結果が導出されたことに基づいて前記有利状態が終了する場合において、当該表示結果が導出されてから前記特定状態データが設定されるまでの間に、前記特定更新処理を実行し、
前記状態信号生成手段は、前記付与処理の実行後に、前記特定状態信号を生成
し、
表示結果が導出されてから前記特定更新処理が実行されるまでの間に、遊技用価値の付与に関する異常を判定する付与異常判定処理が実行される。
なお、スロットマシンは、以下の構成であってもよい。
(1) 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン(たとえば、スロットマシン1)において、
通常状態(たとえば、非ボーナス状態)および有利状態(たとえば、ボーナス状態)を含む複数種類の状態のうちのいずれかに制御可能な状態制御手段(たとえば、メイン制御部41により状態を制御するための処理)と、
前記有利状態の終了を特定可能な特定状態データ(たとえば、ボーナス中データがOFF)を設定する設定手段(たとえば、メイン制御部41が外部出力信号出力処理(Sa11)でボーナス中データをONまたはOFF設定する処理)と、
全遊技において遊技者に付与された総遊技用価値量(たとえば、総払出枚数)に対する、当該全遊技のうちの前記有利状態に制御された遊技において遊技者に付与された総遊技用価値量(たとえば、ボーナス中払出枚数)の比率である特定比率(たとえば、役物比率)の算出に用いる遊技用価値量(たとえば、総払出枚数、ボーナス中払出枚数)の更新処理である特定更新処理(たとえば、役比モニタ用データ処理(Sa4))を実行する特定更新処理手段(たとえば、メイン制御部41が実行する役比モニタ用データ処理)と、
前記特定比率を特定可能な情報(たとえば、
図1(c)に示す遊技機情報表示器50に表示される情報)を報知する特定報知手段(たとえば、遊技機情報表示器50)とを備え、
前記特定更新処理手段は、前記有利状態において表示結果が導出されたことに基づいて前記有利状態が終了する場合において、当該表示結果が導出されてから前記特定状態データが設定されるまでの間に、前記特定更新処理を実行する(たとえば、
図4に示すように、ボーナス状態において図柄組合せが導出されたことに基づいてボーナス状態が終了する場合において、t2において図柄組合せが導出されてから、t7においてボーナス中データがOFF設定されるまでの間に、t4~t5の役比モニタ用データ処理が実行される)。
【0009】
(2) 上記(1)のスロットマシンにおいて、
遊技用価値を遊技者に付与する付与処理(たとえば、メダル払出処理(Sa9))を実行する付与手段(たとえば、メイン制御部41が実行するメダル払出処理)をさらに備え、
前記特定更新処理手段は、前記有利状態において表示結果が導出されたことに基づいて前記有利状態が終了する場合において、当該表示結果が導出されてから前記付与処理が実行されるまでの間に、前記特定更新処理を実行する(たとえば、
図4に示すように、ボーナス状態において図柄組合せが導出されたことに基づいてボーナス状態が終了する場合において、t2において図柄組合せが導出されてから、t5においてメダル払出処理が実行されるまでの間に、t4~t5の役比モニタ用データ処理が実行される)。
【0010】
(3) 上記(2)のスロットマシンにおいて、
遊技機の異常(たとえば、メダルの投入に関する異常、メダルの払い出しに関する異常)を判定する異常判定処理(たとえば、エラー判定処理(Sa3))を実行する異常判定手段(たとえば、メイン制御部41が実行するエラー判定処理)をさらに備え、
前記異常判定手段は、前記有利状態において表示結果が導出されたことに基づいて前記有利状態が終了する場合において、当該表示結果が導出されてから前記特定更新処理が実行されるまでの間に、前記異常判定処理を実行する(たとえば、
図4に示すように、ボーナス状態において図柄組合せが導出されたことに基づいてボーナス状態が終了する場合において、t2においてボーナス図柄組合せが導出されてから、t4において役比モニタ用データ処理が実行されるまでの間に、t3~t4のエラー判定処理が実行される)。
【0011】
(4) 上記(1)~(3)のいずれかのスロットマシンにおいて、
前記有利状態の終了を特定可能な情報を報知する報知処理(たとえば、報知演出用コマンド送信処理(Sa10))を実行する状態報知手段(たとえば、メイン制御部41が実行する報知演出用コマンド送信処理)をさらに備え、
前記状態報知手段は、前記特定状態データが設定される前に、前記報知処理を実行する(たとえば、
図4に示すように、t7においてボーナス中データがOFF設定される前に、t6~t7の報知演出用コマンド送信処理が実行される)。
【0012】
(5) 上記(1)~(4)のいずれかのスロットマシンにおいて、
前記スロットマシンの試験を行う試験装置に対して前記有利状態の終了を特定させるための特定状態信号(たとえば、ボーナス中信号)を生成する状態信号生成手段(たとえば、メイン制御部41が実行する外部出力信号出力処理(Sa11))をさらに備え、
前記状態信号生成手段は、前記設定手段を含む(たとえば、
図2に示すように、ボーナス中データをOFF設定する処理は、外部出力信号出力処理(Sa11)において実行される)。
【0013】
(6) 上記(5)のスロットマシンにおいて、
遊技用価値を遊技者に付与する付与処理(たとえば、メダル払出処理(Sa9))を実行する付与手段(たとえば、メイン制御部41が実行するメダル払出処理)と、
前記試験装置に対して、付与された遊技用価値を特定させるための付与信号(たとえば、メダルOUT信号)を生成する付与信号生成手段(たとえば、メイン制御部41が実行するメダル払出処理)とをさらに備え、
前記状態信号生成手段は、前記付与処理の実行後に、前記特定状態信号を生成する(たとえば、
図4に示すように、t5~t6のメダル払出処理の実行後に、t7における外部出力信号出力処理においてボーナス中信号が生成される)。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】(a)は、本実施形態に係るスロットマシンの正面図であり、(b)は、スロットマシンの主な内部構成の一例を示す図であり、(c)は、遊技機情報表示器の表示例を示す図である。
【
図2】メイン制御部が実行する第3停止処理の制御内容を示すフローチャートである。
【
図3】ボーナス開始時に実行される処理について説明するためのタイミングチャートである。
【
図4】ボーナス終了時に実行される処理について説明するためのタイミングチャートである。
【
図5】有利区間開始時に実行される処理について説明するためのタイミングチャートである。
【
図6】有利区間終了時に実行される処理について説明するためのタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る遊技機としてスロットマシンを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【0016】
[スロットマシンの構成]
図1(a)は、本実施形態に係るスロットマシン1の正面図であり、
図1(b)は、スロットマシン1の主な内部構成の一例を示す図であり、
図1(c)は、遊技機情報表示器の表示例を示す図である。
【0017】
図1(a)に示すように、スロットマシン1は、画像を表示する液晶表示器51を備える。液晶表示器51の下方には、図示しない透視窓が形成されている。遊技者は、この透視窓を介してスロットマシン1の内部に並設されているリール2L,2C,2Rを視認可能である。各リール2L,2C,2Rには、各々が識別可能な複数種類の識別情報である図柄が所定の順序で配列されている。透視窓の下方には、ランプを点灯することで有利区間中であることを遊技者に報知する有利区間ランプ19と、ゲーム(遊技)を開始する際に操作されるスタートスイッチ7と、それぞれのリールの回転を停止させて表示結果を導出させるために操作されるストップスイッチ8L,8C,8Rとが設けられている。
【0018】
図1(b)に示すように、スロットマシン1の内部には、遊技の進行を制御するとともに遊技の進行に応じて各種コマンドを出力するメイン制御部41が設けられている。メイン制御部41は、遊技の進行に係る各種制御を行うメインCPU41aと、遊技の進行に係る各種データを記憶するRAM41cとを備える。メイン制御部41は、スタートスイッチ7やストップスイッチ8L,8C,8Rに対する操作を検出し、検出した操作に応じて、有利区間ランプ19の点灯または消灯の制御、および後述する遊技機情報表示器50の表示制御を行う。また、メイン制御部41には、外部出力信号を外部に出力するための外部出力基板1000が接続されている。
【0019】
スロットマシン1の内部には、メイン制御部41からのコマンドに応じて演出を制御するサブ制御部91が設けられている。サブ制御部91は、演出に係る各種制御を行うサブCPU91aと、演出に係る各種データを記憶するRAM91cとを備える。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、液晶表示器51における画像の表示を制御する。液晶表示器51の画像表示に用いられる演出データは、RAM91cに記憶されている。
【0020】
スロットマシン1においてゲームを行う場合、遊技者は、図示しないメダル投入部にメダルを投入するか、図示しないBETスイッチを操作するなどして規定数の賭数を設定する。これにより、入賞ラインが有効となり、かつスタートスイッチ7への操作が有効となってゲームが開始可能な状態となる。入賞ラインとは、透視窓に表示されたリール2L,2C,2Rにおける図柄の組合せが入賞図柄の組合せと一致するか否かを判定するためのラインである。
【0021】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、メイン制御部41は、導出を許容する表示結果を決定する。また、スタートスイッチ7が操作されると、メイン制御部41は、リール2L,2C,2Rを回転させて図柄を変動表示させる。ストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されると、メイン制御部41は、対応するリールの回転を停止する。リールの回転が停止することで、透視窓の上中下段に3つの図柄が表示結果として導出表示される。メイン制御部41は、導出を許容した表示結果と、ストップスイッチ8L,8C,8Rを操作したタイミングと、ストップスイッチ8L,8C,8Rを操作した順序とに基づいてリール2L,2C,2Rの回転を停止するためのリール制御を行う。
【0022】
入賞ライン上に入賞図柄の組合せが停止し入賞が発生したときには、メイン制御部41は、入賞に応じた処理を実行する。入賞に応じた処理には、たとえば、特典を付与する処理が含まれる。ここで、スロットマシン1においては、1ゲームを実行するために規定の賭数を設定する必要があるため、1ゲーム行う度に遊技用価値であるメダルが消費される。特典には、遊技用価値の付与、遊技用価値を消費することなくゲームを実行するための権利(再遊技)などが含まれる。
【0023】
入賞役のうち特別役には、ビッグボーナス(以下、ビッグボーナスをBBと称する)、レギュラーボーナス(以下、レギュラーボーナスをRBと称する)の2種類のボーナスが含まれる。ボーナスは、入賞ラインに所定のボーナス図柄組合せ(たとえば、「7-7-7」)が揃ったときに入賞となる。BBに入賞すると、ビッグボーナスに移行する。そして、ビッグボーナスは、BBの終了条件(たとえば、316枚以上メダルが払い出されたこと)が成立すると終了する。本実施の形態においては、ボーナス終了条件の異なるBB1およびBB2の2種類のBBに当選可能である。また、RBに入賞すると、レギュラーボーナスに移行される。そして、レギュラーボーナスは、RBの終了条件(たとえば、いずれかの役が6回入賞するか、12ゲーム消化したこと)が成立すると終了する。
【0024】
メイン制御部41は、リプレイが所定の当選確率で当選する複数のRT状態のいずれかに制御可能である。RT状態には、有利RT(RT2)と不利RT(RT0およびRT1)とが含まれる。リプレイの当選確率は、有利RT>不利RTとなるように設定されている。RT間は、所定の条件が成立すると移行される。所定の条件としては、所定役への入賞(RT移行図柄組合せの導出)やベル入賞を取りこぼしたときに特定のこぼし目が導出されることなどが挙げられる。
【0025】
メイン制御部41は、遊技状態(RT状態)とは異なる状態の概念として、複数種類の遊技区間に制御する。遊技区間には、通常区間および有利区間が含まれる。通常区間は、ナビ情報を報知不可能な区間である。有利区間は、ナビ情報を報知可能な区間であり、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様を遊技者に指示する指示機能(ナビ)に係る性能を持つ区間である。設定変更後は、通常区間に制御され、有利区間への移行に当選したことに基づいて有利区間に移行する。有利区間への移行は、所定の条件が成立したときに当選する。
【0026】
本実施の形態においては、メイン制御部41は、通常区間において有利区間移行役(たとえば、チェリーなどのレア役)に当選したときに、有利区間に移行する。たとえば、有利区間は、AT(アシストタイム)に制御された区間である。ATは、メイン制御部41によって制御され、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様を遊技者に報知するナビ演出が実行される報知状態である。有利区間に制御されている場合、有利区間の終了条件(たとえば、ATゲーム数が0になったこと)が成立したことに基づいて通常区間に移行する。
【0027】
[役比モニタ]
図1(c)に示される遊技機情報表示器50は、スロットマシン1の内部に設置されている。遊技機情報表示器50は、7セグメント表示器で構成されており、遊技の制御を行う遊技制御基板に配置されている。店員等は、スロットマシン1の前面扉を開放した状態において遊技機情報表示器50の表示内容を視認できるようになっている。遊技機情報表示器50は、役比モニタとも称する。
【0028】
メイン制御部41は、後述の役比モニタ用データ処理(Sa4)により集計された有利区間比率、役物比率および連続役物比率を遊技機情報表示器50に表示させる。
【0029】
有利区間比率とは、全遊技において消化した総ゲーム数に対する、全遊技のうちの有利区間に制御された遊技において消化した有利区間中ゲーム数の比率である。有利区間とは、AT非当選の状態においてATに当選したときから、当選したATに伴うATの制御が全て終了し、非ATに移行するまでの期間である。
【0030】
役物比率とは、全遊技において遊技者に付与された総払出枚数に対する、全遊技のうちのボーナス状態(BBおよびRB)に制御された遊技において遊技者に付与されたボーナス中払出枚数の比率である。
【0031】
連続役物比率とは、全遊技において遊技者に付与された総払出枚数に対する、全遊技のうちのBBに制御された遊技において遊技者に付与されたBB中払出枚数の比率である。
【0032】
全遊技とは、たとえば、工場出荷時あるいは何らかの原因でRAM41cのデータが初期化されてからの累計ゲーム数であってもよく、直近の6000ゲームであってもよい。
【0033】
メイン制御部41は、有利区間比率、役物比率および連続役物比率を、
図1(c)に示す表示順にて所定時間(本実施例では、30秒間)ごとに切り替えて遊技機情報表示器50に表示させる。
【0034】
この際、遊技機情報表示器50には、上位2桁に現在表示中の表示内容を示す略記が表示される。たとえば、有利区間比率が表示されている場合には「01」、役物比率が表示されている場合には「02」、連続役物比率が表示されている場合には「03」がそれぞれ表示されるようにしてもよい。
【0035】
また、この際、遊技機情報表示器50には、下2桁に前述の略記に対応する現在表示すべき比率が表示され、いずれのデータについても%で表示されるようになっている。たとえば、
図1(c)に示すように、有利区間比率が70%であることを示す「70」、役物比率が60%であることを示す「60」、連続役物比率が60%であることを示す「60」がそれぞれ表示される。
【0036】
以下、本実施の形態においては、
図2~6を用いて、役物比率および有利区間比率を後述の役比モニタ用データ処理(Sa4)において算出させる例について説明する。まず、役物比率を算出する際に、ボーナス状態であるか否かを判断するために必要な「ボーナス中データ」、および、有利区間比率を算出する際に、有利区間であるか否かを判断するために必要な「有利区間中データ」について説明する。
【0037】
[ボーナス中データ]
本実施の形態では、メイン制御部41は、RAM41cの所定の記憶領域にボーナス中データを記憶する。ボーナス中データは、ボーナス状態への制御を特定可能なデータである。たとえば、ボーナス状態へ制御されたこと(「ボーナス中」)を特定可能なデータは、「FFh」である。メイン制御部41は、ボーナス状態に制御されたときに、ボーナス中データを「00h」から「FFh」に更新する(ON設定する)。ボーナス状態へ制御されていないこと(「非ボーナス中」)を特定可能なデータは、「00h」である。メイン制御部41は、ボーナス状態が終了したときに、ボーナス中データを「FFh」から「00h」に更新する(OFF設定する)。
【0038】
本実施の形態では、メイン制御部41は、RAM41cの所定の記憶領域にボーナスフラグを記憶する。ボーナスフラグは、制御中のボーナス状態の種類を特定可能なデータである。ボーナスフラグには、BB1フラグ、BB2フラグおよびRBフラグがある。メイン制御部41は、BB1当選後、BB1に入賞するとBB1フラグをON設定する。メイン制御部41は、BB1の終了条件が成立すると、BB1フラグをOFF設定する。BB2およびRBについても同様である。ボーナスフラグは、後述する遊技状態設定処理(Sa8)やボーナス終了チェック処理(Sa5)で更新される。
【0039】
ボーナス中データは、後述する「外部出力信号出力処理(Sa11)」において設定される。メイン制御部41は、いずれかのボーナスフラグがON設定された場合は、ボーナス中データをON設定し、全てのボーナスフラグがOFF設定された場合は、ボーナス中データをOFF設定する。
【0040】
続いて、メイン制御部41は、外部出力信号出力処理において、スロットマシン1の試験を行う試験装置に対してボーナス状態への制御を特定させるためのボーナス中信号を生成する。ボーナス中信号は、ボーナス中データに基づき生成される。具体的には、メイン制御部41は、ボーナス中データがON設定であるときには、ボーナス中信号をON状態にし、ボーナス中データがOFF設定であるときには、ボーナス中信号をOFF状態にする。そして、ボーナス中データは、「役比モニタ用データ処理(Sa4)」において、ボーナスに制御されているか否かを判定する際にも用いられる。
【0041】
このように、ボーナス中データを用いて、外部出力信号出力処理においてボーナス中信号を生成する処理が実行されるとともに、役比モニタ用データ処理においてボーナスに制御されているか否かを判定する処理が実行される。
【0042】
[有利区間中データ]
本実施の形態では、メイン制御部41は、RAM41cの所定の記憶領域に有利区間中データを記憶する。有利区間中データは、有利区間への制御を特定可能なデータである。たとえば、有利区間へ制御されたこと(「有利区間中」)を特定可能なデータは、「FFh」である。メイン制御部41は、有利区間に制御されたときに、有利区間中データを「00h」から「FFh」に更新する(ON設定する)。有利区間へ制御されていないこと(「非有利区間」)を特定可能なデータは、「00h」である。メイン制御部41は、有利区間が終了したときに、有利区間中データを「FFh」から「00h」に更新する(OFF設定する)。
【0043】
本実施の形態では、有利区間は、ATに制御された区間である。メイン制御部41は、有利区間移行役に当選すると(ATへの制御が決定されると)、有利区間フラグをON設定する。メイン制御部41は、有利区間の終了条件が成立すると(ATゲーム数が0になると)、有利区間フラグをOFF設定する。有利区間フラグは、後述する有利区間管理処理(Sa7)で更新される。
【0044】
有利区間中データは、後述する「有利区間ランプ処理(Sa12)」において設定される。メイン制御部41は、有利区間フラグがON設定された場合は、有利区間中データをON設定し、有利区間フラグがOFF設定された場合は、有利区間中データをOFF設定する。
【0045】
続いて、メイン制御部41は、有利区間ランプ処理において、有利区間ランプ19の点灯または消灯を制御する処理を実行する。有利区間ランプ19は、有利区間中データによって点灯態様が特定される。具体的には、メイン制御部41は、有利区間中データがON設定であるときには、有利区間ランプ19を点灯状態(ON状態)にし、有利区間中データがOFF設定であるときには、有利区間ランプ19を消灯状態(OFF状態)にする。そして、有利区間中データは、「役比モニタ用データ処理(Sa4)」において、有利区間に制御されているか否かを判定する際に用いられる。
【0046】
このように、有利区間中データを用いて、有利区間ランプ処理において有利区間ランプ19を点灯または消灯させる処理が実行されるとともに、役比モニタ用データ処理において有利区間に制御されているか否かを判定する処理が実行される。
【0047】
[第3停止処理]
メイン制御部41は、メイン処理を実行する。メイン処理は、一単位の遊技毎に繰り返し実行される処理である。そして、メイン処理の一周期が遊技の一単位に相当している。
【0048】
メイン処理において、メイン制御部41は、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点でゲームを開始させる処理を実行する。そして、メイン制御部41は、スタートスイッチ7の検出による遊技の開始と同時に取得された内部抽選用の乱数値に基づいて、入賞の発生を許容するか否かを決定する内部抽選を行う。そして、メイン制御部41は、遊技の開始に基づきリールを回転させる処理を実行する。
【0049】
メイン制御部41は、リールの回転後、第3停止操作(最終リールの停止操作)が行われたときに、第3停止処理を実行する。
図2は、メイン制御部が実行する第3停止処理の制御内容を示すフローチャートである。
【0050】
図2に示すように、メイン制御部41は、第3停止操作が行われたとき、最終リールを停止させる。これにより、図柄組み合わせが導出される(Sa1)。たとえば、BB1当選時においては、BB1のボーナス図柄組み合わせが導出される。
【0051】
メイン制御部41は、Sa2のステップにおいて入賞判定処理を実行する。メイン制御部41は、入賞判定処理において、Sa1のステップにおいて全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。たとえば、BB1のボーナス図柄組み合わせが導出されることによって、BB1の入賞が発生する。
【0052】
メイン制御部41は、Sa3のステップにおいて、エラー判定処理を実行する。メイン制御部41は、エラー判定処理において、メダル投入部からのメダルの投入に関する異常やホッパーからのメダルの払い出しに関する異常が検出されているか否かを判定する投入払出エラーチェック処理を実行する。
【0053】
投入払出エラーチェック処理では、メイン制御部41は、払出センサの信号の遷移に異常が検出された旨を示す払出エラーフラグや、投入メダルセンサの信号の遷移に異常が検出された旨を示す投入エラーフラグが、RAM41cの所定領域に設定されているか否かを判定し、払出エラーフラグや投入エラーフラグが設定されていない場合には、投入払出エラーチェック処理を終了させる。一方、メイン制御部41は、払出エラーフラグや投入エラーフラグが設定されている場合には、エラー処理を行う。メイン制御部41は、エラー処理では、エラーコードを特定可能なエラーコマンドをサブ制御部91に対して送信し、当該エラーコードを遊技補助表示器に表示させるように制御する。その後は、メイン制御部41は、エラーコードに応じたエラー状態の解除条件が成立したことが特定されるまでエラー状態の制御を行う。
【0054】
メイン制御部41は、Sa4のステップにおいて、役比モニタ用データ処理を実行する。役比モニタ用データ処理では、メイン制御部41は、まず、役物比率の算出に用いる総払出枚数およびボーナス中払出枚数と、役物比率とを更新する処理を実行する。総払出枚数、ボーナス中払出枚数および役物比率は、RAM41cの所定の領域に格納されている。
【0055】
総払出枚数は、現在の総払出枚数に、今回発生した入賞により遊技者に付与されるメダル枚数(払出枚数)を加算することによって更新される。
【0056】
ボーナス中払出枚数は、ボーナス中データがON設定である場合に、更新処理が実行される。ボーナス中データがON設定である場合、ボーナス中払出枚数は、今回発生した入賞により遊技者に付与されるメダル枚数(払出枚数)を加算することによって更新される。
【0057】
次に、メイン制御部41は、役物比率を算出する。メイン制御部41は、全遊技において遊技者に付与された総払出枚数に対する、全遊技のうちのボーナス状態に制御された遊技において遊技者に付与されたボーナス中払出枚数の比率を役物比率として算出する。
【0058】
更新された払出枚数、ボーナス中払出枚数および役物比率は、RAM41cの所定の領域に格納される。
【0059】
ここで、ボーナス中データは、役比モニタ用データ処理(Sa4)の後で実行される外部出力信号出力処理(Sa11)において更新されるデータである。したがって、今回のゲームにおいてBB1に入賞したとしても、役比モニタ用データ処理において、ボーナス中データはOFF設定からON設定に更新されていないため、ボーナス中払出枚数が更新されることがなく、実際にBB1に制御される次ゲームにおいて更新されることになる。
【0060】
また、今回のゲームにおいて、BB1の終了条件が成立しても、役比モニタ用データ処理において、ボーナス中データはON設定からOFF設定に更新されていないため、ボーナス中払出枚数は更新される。そして、実際にBB1が終了する次ゲームからボーナス中払出枚数は更新されなくなる。
【0061】
次に、メイン制御部41は、有利区間比率の算出に用いる総ゲーム数および有利区間中ゲーム数と、有利区間比率とを更新する処理を実行する。総ゲーム数、有利区間中ゲーム数および有利区間比率は、RAM41cの所定の領域に格納されている。
【0062】
総ゲーム数は、現在の総ゲーム数に、1ゲーム加算することによって更新される。
【0063】
有利区間中ゲーム数は、有利区間中データがON設定である場合に、更新処理が実行される。有利区間中データがON設定である場合、有利区間中ゲーム数は、1ゲーム加算することによって更新される。
【0064】
次に、メイン制御部41は、有利区間比率を算出する。メイン制御部41は、全遊技において消化した総ゲーム数に対する、全遊技のうちの有利区間に制御された遊技において消化した有利区間中ゲーム数の比率を有利区間比率として算出する。
【0065】
更新された総ゲーム数、有利区間中ゲーム数および有利区間比率は、RAM41cの所定の領域に格納される。
【0066】
ここで、有利区間中データは、役比モニタ用データ処理(Sa4)の後で実行される有利区間ランプ処理(Sa12)において更新されるデータである。したがって、今回のゲームにおいて、有利区間の開始条件が成立したとしても、役比モニタ用データ処理において、有利区間中データはOFF設定からON設定に更新されていないため、有利区間中ゲーム数が更新されることがなく、実際に有利区間に制御される次ゲームにおいて更新されることになる。
【0067】
また、今回のゲームにおいて、有利区間の終了条件が成立しても、役比モニタ用データ処理において、有利区間中データはON設定からOFF設定に更新されていないため、有利区間中ゲーム数は更新される。そして、実際に有利区間が終了する次ゲームから有利区間中ゲーム数は更新されなくなる。
【0068】
メイン制御部41は、算出された役物比率および有利区間比率を、遊技機情報表示器50に表示させる。遊技機情報表示器50に表示させる処理は、たとえば、タイマ割込み処理(メイン)において実行されるようにしてもよい。タイマ割込処理(メイン)は、メイン制御部41が、一定時間間隔(たとえば、2ミリ秒)毎に実行する処理である。
【0069】
このように、役物比率の算出に用いる総払出枚数およびボーナス中払出枚数の更新処理と、有利区間比率の算出に用いる総ゲーム数および有利区間中ゲーム数の更新処理は、いずれも役比モニタ用データ処理において実行される。
【0070】
メイン制御部41は、Sa5のステップにおいて、ボーナス終了チェック処理を実行する。ボーナス終了チェック処理では、メイン制御部41は、遊技状態設定処理(Sa8)において実行されるボーナスに関する処理のうち、ボーナス終了条件の判定処理を実行する。
【0071】
ボーナス終了条件の判定処理においては、メイン制御部41は、RB、BB1およびBB2のいずれかのボーナスに制御されている状態において、当該ボーナスのボーナス終了条件が成立している場合に、当該ボーナスのボーナスフラグをOFF設定する。たとえば、メイン制御部41は、BB1に制御されている状態(BB1フラグがON設定)において、BB1の終了条件(316枚以上メダルが払い出されたこと)が成立していれば、BB1フラグをOFF設定する。
【0072】
メイン制御部41は、Sa6のステップにおいて、RT関連処理を実行する。RT関連処理では、メイン制御部41は、リールにRT状態の移行を伴うRT移行図柄の組合せが停止しているか否かを判定し、RT移行図柄の組合せが停止している場合には、RAM41cの所定領域に設定されている現在のRT状態を、当該RT移行図柄の組合せに応じたRT状態に更新する。
【0073】
メイン制御部41は、Sa7のステップにおいて、有利区間管理処理を実行する。有利区間管理処理では、メイン制御部41は、有利区間に関する状態移行に関する処理を実行する。具体的には、メイン制御部41は、AT開始条件/終了条件の判定処理や、ATゲーム数の更新処理などを実行する。
【0074】
AT開始条件の判定処理においては、メイン制御部41は、有利区間移行役に当選してATへの制御が決定されると、有利区間の開始条件が成立していると判断し、有利区間フラグをON設定する。また、AT終了条件の判定処理においては、メイン制御部41は、ATゲーム数が0になったときに、有利区間の終了条件が成立していると判断し、有利区間フラグをOFF設定する。
【0075】
メイン制御部41は、Sa8のステップにおいて、遊技状態設定処理を実行する。遊技状態設定処理では、メイン制御部41は、ボーナス終了チェック処理(Sa5)で実行されるボーナス終了条件の判定処理以外の処理を実行する。具体的には、メイン制御部41は、ボーナス開始条件の判定処理や、ボーナス中フラグ、ボーナス中の払出枚数・ゲーム数などの各種データの更新処理などを実行する。
【0076】
ボーナス開始条件の判定処理においては、メイン制御部41は、RB、BB1およびBB2のいずれのボーナスにも制御されていない状態において、いずれかのボーナスの開始条件が成立している場合に、開始条件が成立したボーナスのボーナスフラグをON設定する。たとえば、メイン制御部41は、ボーナスに制御されていない状態(ボーナスフラグが全てOFF設定)において、BB1の開始条件(BB1入賞)が成立していれば、BB1フラグをON設定する。
【0077】
メイン制御部41は、Sa9のステップにおいて、メダル払出処理を実行する。メダル払出処理では、メイン制御部41は、発生した入賞に応じて、入賞役毎に予め定められた所定枚数のメダルを遊技者に対して付与して、付与するメダル枚数分をクレジットに加算し、クレジットが上限数(本実施例では、50)に達した場合には、ホッパーモータを駆動させてクレジットに加算されなかった分のメダルをメダル払出口から払い出す。
【0078】
また、メイン制御部41は、メダル払出処理において、メダルOUT信号を生成する。メダルOUT信号は、スロットマシン1の試験を行う試験装置において、遊技者に対して付与されたメダル数が特定可能な信号である。生成されたメダルOUT信号は、試験信号として外部出力される。
【0079】
メイン制御部41は、Sa10のステップにおいて、報知演出用コマンド送信処理を実行する。報知演出用コマンド送信処理では、メイン制御部41は、ボーナス状態への制御を特定可能な情報または有利区間への制御を特定可能な情報を報知するために、報知演出用コマンドを送信する。サブ制御部91は、報知演出用コマンドを受信することで、報知演出を実行する。たとえば、液晶表示器51を用いて、ボーナスの開始・終了を報知する報知演出、ATの開始・終了を報知する報知演出が実行される。
【0080】
メイン制御部41は、Sa11のステップにおいて、外部出力信号出力処理を実行する。外部出力信号出力処理では、メイン制御部41は、まず、ボーナス中データを設定する処理を実行する。メイン制御部41は、ボーナス終了チェック処理(Sa5)において、ボーナスフラグがOFF設定された場合は、ボーナス中データをOFF設定する。また、メイン制御部41は、遊技状態設定処理(Sa8)において、ボーナスフラグがON設定された場合は、ボーナス中データをON設定する。
【0081】
そして、メイン制御部41は、ボーナス中データに基づき、スロットマシン1の試験を行う試験装置に対して送信される試験用信号を生成する処理を実行する。たとえば、メイン制御部41は、ボーナス状態への制御を特定させるためのボーナス中信号を生成する。メイン制御部41は、ボーナス中データがON設定であるときには、ボーナス中信号をON状態にし、ボーナス中データがOFF設定であるときには、ボーナス中信号をOFF状態にする。
【0082】
たとえば、メイン制御部41は、BB1フラグがON設定された場合は、ボーナス中データをON設定する。メイン制御部41は、ボーナス中信号を、ボーナス中データに基づき、ON状態にする。メイン制御部41は、ボーナス中信号を、試験信号として外部出力する。このように、ボーナス中データは、試験信号として外部出力されるボーナス中信号をON状態またはOFF状態にするために用意されたデータである。たとえば、タイマ割込処理(メイン)において、ボーナス中データに基づきボーナス中信号をON状態またはOFF状態にして外部出力するようにしてもよい。
【0083】
メイン制御部41は、Sa12のステップにおいて、有利区間ランプ処理を実行する。有利区間ランプ処理では、まず、メイン制御部41は、有利区間中データを設定する処理を実行する。メイン制御部41は、有利区間管理処理(Sa7)において、有利区間フラグがOFF設定された場合は、有利区間中データをOFF設定し、有利区間フラグがON設定された場合は、有利区間中データをON設定する。
【0084】
そして、メイン制御部41は、有利区間中データに基づき、有利区間データを設定する処理を実行する。メイン制御部41は、有利区間中データがON設定であるときには、有利区間ランプ19を点灯状態(ON状態)にし、有利区間中データがOFF設定であるときには、有利区間ランプ19を消灯状態(OFF状態)にする。このように、有利区間データは、有利区間ランプ19を点灯または消灯させるために用意されたデータである。たとえば、タイマ割込処理(メイン)において、有利区間データに基づき有利区間ランプ19を点灯または消灯させるようにしてもよい。
【0085】
なお、Sa5~Sa8の処理は、メダル払出処理(Sa9)、外部出力信号出力処理(Sa11)および有利区間ランプ処理(Sa12)の処理前に実行する必要があるが、入賞判定処理(Sa2)の後~役比モニタ用データ処理(Sa4)の前に実行するようにしてもよい。Sa5~Sa8で設定されるボーナスフラグや有利区間フラグは、外部出力信号出力処理などにおいて用いられるが、役比モニタ用データ処理においては用いられず、役比モニタ用データ処理との処理順序は問わないからである。また、報知演出用コマンド送信処理(Sa10)も、Sa5~Sa8でボーナスフラグや有利区間フラグが設定された後であれば、どのようなタイミングで実行してもよい。
【0086】
第3停止処理が終了した後は、メイン処理に戻る。サブ制御部91に遊技終了コマンドを送信する処理などが実行されると、一単位の遊技の制御に関する処理が終了し、一単位の遊技毎にメイン処理が繰り返し実行されることとなる。
【0087】
以下、
図3~6を用いて、ボーナス開始時/終了時および有利区間開始時/終了時のそれぞれについて、具体的な処理の流れを説明する。
【0088】
[ボーナス開始時に実行される処理]
図3は、ボーナス開始時に実行される処理について説明するためのタイミングチャートである。
図3のタイミングチャートにおいて、横軸はタイミングtを示す。縦軸は、上から、リール回転、入賞判定処理(Sa2)、エラー判定処理(Sa3)、役比モニタ用データ処理(Sa4)、メダル払出処理(Sa9)、報知演出用コマンド送信処理(Sa10)、ボーナス中データ、外部出力信号処理(Sa11)、有利区間中データ、有利区間ランプ処理(Sa12)のON/OFFを示す。以下、非ボーナス中にBB1の開始条件が成立するゲームについて説明する。
【0089】
t1の時点では、いずれのボーナスにも制御されていないため、ボーナス中データは、OFF設定である。また、非ボーナス中であるため、有利区間中データは、OFF設定である。t1において、スタートスイッチ7によるスタート操作がされると、リール2L,2C,2Rは回転を開始する。このとき、内部抽選により、BB1に当選したとする。
【0090】
t2において、ストップスイッチ8L,8C,8Rの第3停止操作がされたとき、BB1のボーナス図柄組み合わせが導出されたとする。このとき、入賞判定処理が実行される。BB1のボーナス図柄組み合わせが導出されたことにより、BB1が入賞したことが判定される。
【0091】
t3において、エラー判定処理が実行される。
図3の例においては、メダル投入エラーなどのエラーは発生していなかったとする。
【0092】
t4において、役比モニタ用データ処理が実行される。たとえば、現在、総払出枚数は「500枚」、ボーナス中払出枚数は「300枚」、役物比率は「60%」、総ゲーム数は「1000ゲーム」、有利区間中ゲーム数は「700ゲーム」、有利区間比率は「70%」であったとする。
【0093】
BB1入賞により払出は発生しないため、総払出枚数は「500枚」のままである(「500枚」に「0枚」が加算される処理が実行される)。ボーナス中データはOFF設定であるため、ボーナス中払出枚数の加算処理は実行されない。役物比率は、「60%」(=300枚/500枚)と算出される。
【0094】
総ゲーム数は「1000ゲーム」に「1ゲーム」が加算され、「1001ゲーム」に更新される。有利区間中データはOFF設定であるため、有利区間中払出枚数の加算処理は実行されない。有利区間比率は、「70%」(=700ゲーム/1001ゲーム)と算出される。
【0095】
このように、非ボーナス状態においてボーナス図柄組合せが導出されたことに基づいてボーナス状態に制御される場合において、t2においてボーナス図柄組合せが導出されてから、t4において役比モニタ用データ処理が実行されるまでの間に、t3~t4のエラー判定処理が実行される。
【0096】
図3では図示を省略しているが、遊技状態設定処理(Sa8)において、BB1入賞により、BB1フラグがON設定される。
【0097】
t5において、メダル払出処理が実行される。BB1入賞によるメダル払出はないため、メダルの払い出しは行われない。
【0098】
このように、非ボーナス状態においてボーナス図柄組合せが導出されたことに基づいてボーナス状態に制御される場合において、t2においてボーナス図柄組合せが導出されてから、t5においてメダル払出処理が実行されるまでの間に、t4~t5の役比モニタ用データ処理が実行される。
【0099】
t6において、報知演出用コマンド送信処理が実行される。メイン制御部41は、BB1への制御を特定可能な報知演出用コマンドを送信する。サブ制御部91は、報知演出用コマンドに基づき、液晶表示器51においてBB1の開始を報知する報知演出を実行する。
【0100】
t7において、外部出力信号出力処理が実行される。外部出力信号出力処理では、まず、ボーナス中データを設定する処理が実行される。BB1フラグがON設定であるため、ボーナス中データはON設定される。また、ボーナス中データがON設定であるため、ボーナス中信号はOFF状態からON状態になる。
【0101】
以上説明したように、非ボーナス状態においてボーナス図柄組合せが導出されたことに基づいてボーナス状態に制御される場合において、t2においてボーナス図柄組合せが導出されてから、t7においてボーナス中データが設定されるまでの間に、t4~t5の役比モニタ用データ処理が実行される。また、t5~t6のメダル払出処理の実行後に、t7における外部出力信号出力処理においてボーナス中信号が生成される。また、t7においてボーナス中データが設定される前に、t6~t7の報知演出用コマンド送信処理が実行される。
【0102】
また、ボーナス中データは、試験装置に対して送信されるボーナス中信号を生成するために、外部出力信号出力処理において設定されるデータである。ボーナス中データ(ボーナス中信号)は、スロットマシンの試験に用いられるデータであり、スロットマシンの機種が異なっても共通に用いられるデータ(機種依存しないデータ)である。このため、試験に用いられるデータを用いて役比モニタ用データ処理を実行するようにすることで、役比モニタ用データ処理プログラムを機種依存しない共通化したプログラムとすることができる。なお、本実施の形態においては、BB1、BB2およびRBの3種類のボーナスが用意されているが、これらのボーナスは機種によって異なるものであるため、このようなボーナスのボーナスフラグを役比モニタ用データ処理に用いることは適切ではない。
【0103】
[ボーナス終了時に実行される処理]
図4は、ボーナス終了時に実行される処理について説明するためのタイミングチャートである。以下、BB1中にBB1の終了条件が成立するゲームについて説明する。
【0104】
t1の時点では、BB1に制御されているため、ボーナス中データは、ON設定である。また、非ボーナス中であるため、有利区間中データは、OFF設定である。t1において、スタートスイッチ7によるスタート操作がされると、リール2L,2C,2Rは回転を開始する。このとき、内部抽選により、8枚役のベルに当選したとする。
【0105】
t2において、ストップスイッチ8L,8C,8Rの第3停止操作がされたとき、ベル入賞が発生する図柄組み合わせが導出されたとする。これにより、入賞判定処理においてベルに入賞したことが判定される。また、ベル入賞による払出によりBB1の終了条件が成立するとする。
【0106】
t3において、エラー判定処理が実行される。
図4の例においては、メダル投入エラーなどのエラーは発生していなかったとする。
【0107】
t4において、役比モニタ用データ処理が実行される。たとえば、現在、総払出枚数は「500枚」、ボーナス中払出枚数は「300枚」、役物比率は「60%」、総ゲーム数は「1000ゲーム」、有利区間中ゲーム数は「700ゲーム」、有利区間比率は「70%」であったとする。
【0108】
ベル入賞により8枚の払出が発生すると、総払出枚数は、「500枚」に「8枚」が加算されて「508枚」に更新される。ボーナス中データがON設定であるため、ボーナス中払出枚数は「300枚」に「8枚」が加算されて「308枚」に更新される。役物比率は、「61%」(=308枚/508枚)と算出される。
【0109】
総ゲーム数は「1000ゲーム」に「1ゲーム」が加算され、「1001ゲーム」に更新される。有利区間中データはOFF設定であるため、有利区間中払出枚数の加算処理は実行されない。有利区間比率は、「70%」(=700ゲーム/1001ゲーム)と算出される。
【0110】
このように、ボーナス状態においてベル入賞が発生する図柄組合せが導出されたことに基づいてボーナス状態が終了する場合において、t2において図柄組合せが導出されてから、t4において役比モニタ用データ処理が実行されるまでの間に、t3~t4のエラー判定処理が実行される。
【0111】
図4では図示を省略しているが、ボーナス終了チェック処理(Sa5)において、BB1の終了条件成立により、BB1フラグがOFF設定される。これにより、全てのボーナスフラグがOFF設定となる。
【0112】
t5において、メダル払出処理が実行される。ベル入賞により8枚のメダルを払い出す処理が実行される。
【0113】
このように、ボーナス状態においてベル入賞する図柄組合せが導出されたことに基づいてボーナス状態が終了する場合において、t2において図柄組合せが導出されてから、t5においてメダル払出処理が実行されるまでの間に、t4~t5の役比モニタ用データ処理が実行される。
【0114】
t6において、報知演出用コマンド送信処理が実行される。メイン制御部41は、BB1の終了を特定可能な報知演出用コマンドを送信する。サブ制御部91は、報知演出用コマンドに基づき、液晶表示器51においてBB1の終了を報知する報知演出を実行する。
【0115】
t7において、外部出力信号出力処理が実行される。外部出力信号出力処理では、まず、ボーナス中データを設定する処理が実行される。全てのボーナスフラグがOFF設定になったため、ボーナス中データはOFF設定される。また、ボーナス中データがOFF設定であるため、ボーナス中信号はON状態からOFF状態になる。
【0116】
以上説明したように、ボーナス状態においてベル入賞が発生する図柄組合せが導出されたことに基づいてボーナス状態が終了する場合において、t2において図柄組合せが導出されてから、t7においてボーナス中データが設定されるまでの間に、t4~t5の役比モニタ用データ処理が実行される。また、t5~t6のメダル払出処理の実行後に、t7の外部出力信号出力処理においてボーナス中信号が生成される。また、t7においてボーナス中データが設定される前に、t6~t7の報知演出用コマンド送信処理が実行される。
【0117】
[有利区間開始時に実行される処理]
図5は、有利区間開始時に実行される処理について説明するためのタイミングチャートである。以下、非有利区間中に有利区間の開始条件が成立するゲームについて説明する。
【0118】
t1の時点では、非ボーナス中であるため、ボーナス中データは、OFF設定である。また、非有利区間中であるため、有利区間中データは、OFF設定である。t1において、スタートスイッチ7によるスタート操作がされると、リール2L,2C,2Rは回転を開始する。このとき、内部抽選により、有利区間移行役(たとえば、チェリー)に当選したとする。
【0119】
t2において、ストップスイッチ8L,8C,8Rの第3停止操作がされ、チェリー入賞が発生する図柄組み合わせが導出されたとする。これにより、チェリー入賞したことが入賞判定処理において判定される。
【0120】
t3において、エラー判定処理が実行される。
図5の例においては、メダル投入エラーなどのエラーは発生していなかったとする。
【0121】
t4において、役比モニタ用データ処理が実行される。たとえば、現在、総払出枚数は「500枚」、ボーナス中払出枚数は「300枚」、役物比率は「60%」、総ゲーム数は「1000ゲーム」、有利区間中ゲーム数は「700ゲーム」、有利区間比率は「70%」であったとする。
【0122】
チェリー入賞により払出が1枚発生したとすると、総払出枚数は「500枚」に「1枚」が加算され、「501枚」に更新される。ボーナス中データはOFF設定であるため、ボーナス中払出枚数の加算処理は実行されない。役物比率は、「60%」(=300枚/501枚)と算出される。
【0123】
総ゲーム数は「1000ゲーム」に「1ゲーム」が加算され、「1001ゲーム」に更新される。有利区間中データはOFF設定であるため、有利区間中払出枚数の加算処理は実行されない。有利区間比率は、「70%」(=700ゲーム/1001ゲーム)と算出される。
【0124】
このように、非有利区間中において図柄組合せが導出されたことに基づいて有利区間中に制御される場合において、t2において図柄組合せが導出されてから、t4において役比モニタ用データ処理が実行されるまでの間に、t3~t4のエラー判定処理が実行される。
【0125】
図5では図示を省略しているが、有利区間管理処理(Sa7)において、有利区間移行役当選により、有利区間フラグがON設定される。
【0126】
t5において、メダル払出判定処理が実行される。チェリー入賞により、1枚のメダルが払い出される処理が実行される。
【0127】
t6において、報知演出用コマンド送信処理が実行される。メイン制御部41は、有利区間への制御を特定可能な報知演出用コマンドを送信する。サブ制御部91は、報知演出用コマンドに基づき、液晶表示器51において有利区間の開始を報知する報知演出を実行する。
【0128】
t7において、有利区間ランプ処理が実行される。有利区間ランプ処理では、まず、有利区間中データを設定する処理が実行される。有利区間フラグがON設定であるため、有利区間中データはON設定される。また、有利区間中データがON設定であるため、有利区間ランプ19が点灯状態(ON状態)になる。
【0129】
以上説明したように、非有利区間中において図柄組合せが導出されたことに基づいて有利区間に制御される場合において、t2において図柄組合せが導出されてから、t7において有利区間中データが設定されるまでの間に、t4~t5の役比モニタ用データ処理が実行される。また、t7において有利区間中データが設定される前に、t6~t7の報知演出用コマンド送信処理が実行される。
【0130】
また、有利区間中データは、遊技者に対して有利区間であることを報知するための有利区間ランプ19の処理に用いられるものである。このため、当該データを共通データとして用いることで、役比モニタ用データ処理において、実際に遊技者に対して報知されている状況に応じた有利区間の移行判断をすることができる。
【0131】
[有利区間終了時に実行される処理]
図6は、有利区間終了時に実行される処理について説明するためのタイミングチャートである。以下、有利区間中に有利区間の終了条件が成立するゲームについて説明する。
【0132】
t1の時点では、非ボーナス中であるため、ボーナス中データは、OFF設定である。また、有利区間中であるため、有利区間中データは、ON設定である。t1において、スタートスイッチ7によるスタート操作がされると、リール2L,2C,2Rは回転を開始する。
【0133】
t2において、ストップスイッチ8L,8C,8Rの第3停止操作がされる。このとき、入賞が発生しなかったことが入賞判定処理により判定されたとする。ただし、ATゲーム数が0になり、有利区間の終了条件は成立しているとする。
【0134】
t3において、エラー判定処理が実行される。
図6の例においては、メダル投入エラーなどのエラーは発生していなかったとする。
【0135】
t4において、役比モニタ用データ処理が実行される。たとえば、現在、総払出枚数は「500枚」、ボーナス中払出枚数は「300枚」、役物比率は「60%」、総ゲーム数は「1000ゲーム」、有利区間中ゲーム数は「700ゲーム」、有利区間比率は「70%」であったとする。
【0136】
払出が発生しないため、総払出枚数は「500枚」のままである(「500枚」に「0枚」が加算される処理が実行される)。ボーナス中データはOFF設定であるため、ボーナス中払出枚数の加算処理は実行されない。役物比率は、「60%」(=300枚/500枚)と算出される。
【0137】
総ゲーム数は「1000ゲーム」に「1ゲーム」が加算され、「1001ゲーム」に更新される。有利区間中データはON設定であるため、有利区間中払出枚数は「700ゲーム」に「1ゲーム」が加算され、「701ゲーム」に更新される。有利区間比率は、「70%」(=701ゲーム/1001ゲーム)と算出される。
【0138】
このように、有利区間中において図柄組合せが導出されたことに基づいて有利区間が終了する場合において、t2において図柄組合せが導出されてから、t4において役比モニタ用データ処理が実行されるまでの間に、t3~t4のエラー判定処理が実行される。
【0139】
図6では図示を省略しているが、有利区間管理処理(Sa7)において、有利区間終了条件の成立により、有利区間フラグがOFF設定される。
【0140】
t5において、メダル払出判定処理が実行される。入賞が発生しなかったため、メダルの払い出しは行われない。
【0141】
t6において、報知演出用コマンド送信処理が実行される。メイン制御部41は、有利区間への制御を特定可能な報知演出用コマンドを送信する。サブ制御部91は、報知演出用コマンドに基づき、液晶表示器51において有利区間の終了を報知する報知演出を実行する。
【0142】
t7において、有利区間ランプ処理が実行される。有利区間ランプ処理では、まず、有利区間中データを設定する処理が実行される。有利区間フラグがOFF設定であるため、有利区間中データはOFF設定される。また、有利区間中データがOFF設定であるため、有利区間ランプ19が消灯状態(OFF状態)になる。
【0143】
以上説明したように、有利区間中において図柄組合せが導出されたことに基づいて有利区間が終了する場合において、t2において図柄組合せが導出されてから、t7において有利区間中データが設定されるまでの間に、t4~t5の役比モニタ用データ処理が実行される。また、t7において有利区間中データが設定される前に、t6~t7の報知演出用コマンド送信処理が実行される。
【0144】
[主な効果]
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
【0145】
(1-1)
図3に示すように、非ボーナス状態においてボーナス図柄組合せが導出されたことに基づいてボーナス状態に制御される場合において、t2においてボーナス図柄組合せが導出されてから、t7の外部出力信号処理においてボーナス中データがON設定されるまでの間に、t4~t5の役比モニタ用データ処理(役物比率の算出に用いる総払出枚数およびボーナス中払出枚数の更新処理)が実行され、遊技機情報表示器50に役物比率が表示される。このようにすることで、非ボーナス状態において払い出されたメダル数をボーナス状態で払い出されたメダル数として扱ってしまうことを防止することができる。さらに、ボーナス状態か否かを判断するためのデータとして、外部出力信号出力処理のような他の処理で用いられるボーナス中データを流用する場合、役比モニタ用データ処理のために別途データを用意する必要がなくなり、当該処理のためのプログラム容量や記憶容量が過大にならない。このように、設計通りのスロットマシンであることを遊技機情報表示器50における役物比率の表示で確認できるようにするとともに、確認のために必要な処理(総払出枚数およびボーナス中払出枚数の更新処理)を好適に処理することができる。
【0146】
(1-2)
図3に示すように、非ボーナス状態においてボーナス図柄組合せが導出されたことに基づいてボーナス状態に制御される場合において、t2においてボーナス図柄組合せが導出されてから、t5においてメダル払出処理が実行されるまでの間に、t4~t5の役比モニタ用データ処理が実行される。このようにすることで、役比モニタ用データ処理において用いた遊技者に付与されるメダル払出枚数を特定可能なデータが、メダル払出処理においても流用できるため、メダル払出処理のために当該データを別途用意する必要がなくなる。
【0147】
(1-3)
図3に示すように、非ボーナス状態においてボーナス図柄組合せが導出されたことに基づいてボーナス状態に制御される場合において、t2においてボーナス図柄組合せが導出されてから、t4において役比モニタ用データ処理が実行されるまでの間に、t3~t4のエラー判定処理が実行される。このようにすることで、異常が発生している状況において役比モニタ用データ処理が実行されてしまうことを回避することができる。
【0148】
(1-4)
図3に示すように、t7においてボーナス中データがON設定される前に、ボーナス状態への移行を報知するためのt6~t7の報知演出用コマンド送信処理が実行される。このようにすることで、ボーナス状態への移行を速やかに報知することができる。
【0149】
(1-5)
図2に示すように、ボーナス中データをON設定する処理は、外部出力信号出力処理(Sa11)において実行される。このようにすることで、外部出力信号出力処理で用いられるボーナス中データを役比モニタ用データ処理でも兼用することができるため、役比モニタ用データ処理のためのプログラム容量や記憶容量が過大にならない。
【0150】
(1-6) 試験装置に対するメダルOUT信号を生成する処理をメダル払出処理において実行し、
図3に示すように、t5~t6のメダル払出処理の実行後に、t7における外部出力信号出力処理においてボーナス中信号が生成される。このように、メダルOUT信号を生成した後にボーナス中信号をすることで、試験装置が、非ボーナス状態で付与されたメダル払出枚数をボーナス状態で付与されたメダル払出枚数として扱ってしまうことを防止することができる。
【0151】
(2-1)
図4に示すように、ボーナス状態において図柄組合せが導出されたことに基づいてボーナス状態が終了する場合において、t2において図柄組合せが導出されてから、t7の外部出力信号処理においてボーナス中データがOFF設定されるまでの間に、t4~t5の役比モニタ用データ処理(役物比率の算出に用いる総払出枚数およびボーナス中払出枚数の更新処理)が実行され、遊技機情報表示器50に役物比率が表示される。このようにすることで、ボーナス状態において払い出されたメダル数を非ボーナス状態で払い出されたメダル数として扱ってしまうことを防止することができる。さらに、ボーナス状態か否かを判断するためのデータとして、外部出力信号出力処理のような他の処理で用いられるボーナス中データを流用する場合、役比モニタ用データ処理のために別途データを用意する必要がなくなり、当該処理のためのプログラム容量や記憶容量が過大にならない。このように、設計通りのスロットマシンであることを遊技機情報表示器50における役物比率の表示で確認できるようにするとともに、確認のために必要な処理(総払出枚数およびボーナス中払出枚数の更新処理)を好適に処理することができる。
【0152】
(2-2)
図4に示すように、ボーナス状態において図柄組合せが導出されたことに基づいてボーナス状態が終了する場合において、t2において図柄組合せが導出されてから、t5においてメダル払出処理が実行されるまでの間に、t4~t5の役比モニタ用データ処理が実行される。このようにすることで、役比モニタ用データ処理において用いた遊技者に付与されるメダル払出枚数を特定可能なデータが、メダル払出処理においても流用できるため、メダル払出処理のために当該データを別途用意する必要がなくなる。
【0153】
(2-3)
図4に示すように、ボーナス状態において図柄組合せが導出されたことに基づいてボーナス状態が終了する場合において、t2において図柄組合せが導出されてから、t4において役比モニタ用データ処理が実行されるまでの間に、t3~t4のエラー判定処理が実行される。このようにすることで、異常が発生している状況において役比モニタ用データ処理が実行されてしまうことを回避することができる。
【0154】
(2-4)
図4に示すように、t7においてボーナス中データがOFF設定される前に、ボーナス状態の終了を報知するためのt6~t7の報知演出用コマンド送信処理が実行される)。このようにすることで、ボーナス状態の終了を速やかに報知することができる。
【0155】
(2-5)
図2に示すように、ボーナス中データをOFF設定する処理は、外部出力信号出力処理(Sa11)において実行される。このようにすることで、外部出力信号出力処理で用いられるボーナス中データを役比モニタ用データ処理でも兼用することができるため、役比モニタ用データ処理のためのプログラム容量や記憶容量が過大にならない。
【0156】
(2-6) 試験装置に対するメダルOUT信号を生成する処理をメダル払出処理において実行し、
図4に示すように、t5~t6のメダル払出処理の実行後に、t7における外部出力信号出力処理においてボーナス中信号が生成される。このように、メダルOUT信号を生成した後にボーナス中信号をすることで、試験装置が、ボーナス状態で付与されたメダル払出枚数を非ボーナス状態で付与されたメダル払出枚数として扱ってしまうことを防止することができる。
【0157】
(3-1)
図5に示すように、非有利区間中において図柄組合せが導出されたことに基づいて有利区間に制御される場合において、t2において図柄組合せが導出されてから、t7の有利区間ランプ処理において有利区間中データがON設定されるまでの間に、t4~t5の役比モニタ用データ処理(有利区間比率の算出に用いる総ゲーム数および有利区間中ゲーム数の更新処理)が実行され、遊技機情報表示器50に有利区間比率が表示される。このようにすることで、非有利区間中で実行されたゲーム数を有利区間中で実行されたゲーム数として扱ってしまうことを防止することができる。さらに、有利区間中であるか否かを判断するためのデータとして、有利区間ランプ処理のような他の処理で用いられる有利区間中データを流用する場合、役比モニタ用データ処理のために別途データを用意する必要がなくなり、当該処理のためのプログラム容量や記憶容量が過大にならない。このように、設計通りのスロットマシンであることを遊技機情報表示器50における有利区間比率の表示で確認できるようにするとともに、確認のために必要な処理(総ゲーム数および有利区間中ゲーム数の更新処理)を好適に処理することができる。
【0158】
(3-2)
図2に示すように、役物比率の算出に用いる総払出枚数およびボーナス中払出枚数の更新処理と、有利区間比率の算出に用いる総ゲーム数および有利区間中ゲーム数の更新処理は、いずれも役比モニタ用データ処理(Sa4)において実行される。このようにすることで、役比モニタに表示される役物比率および有利区間比率の算出に用いるデータの更新契機が分散しない。
【0159】
(3-3)
図5に示すように、非有利区間中において図柄組合せが導出されたことに基づいて有利区間中に制御される場合において、t2において図柄組合せが導出されてから、t4において役比モニタ用データ処理が実行されるまでの間に、t3~t4のエラー判定処理が実行される。このようにすることで、異常が発生している状況において役比モニタ用データ処理が実行されてしまうことを回避することができる。
【0160】
(3-4)
図5に示すように、t7において有利区間中データがON設定される前に、有利区間への移行を報知するためのt6~t7の報知演出用コマンド送信処理が実行される。このようにすることで、有利区間への移行を速やかに報知することができる。
【0161】
(3-5)
図2に示すように、有利区間中データにより、有利区間ランプ19が点灯または消灯する。このように、有利区間ランプ処理で用いられる有利区間中データを役比モニタ用データ処理でも兼用することができるため、役比モニタ用データ処理のためのプログラム容量や記憶容量が過大にならない。
【0162】
(4-1)
図6に示すように、有利区間中において図柄組合せが導出されたことに基づいて有利区間が終了する場合において、t2において図柄組合せが導出されてから、t7において有利区間中データがOFF設定されるまでの間に、t4~t5の役比モニタ用データ処理(有利区間比率の算出に用いる総ゲーム数および有利区間中ゲーム数の更新処理)が実行され、遊技機情報表示器50に有利区間比率が表示される。このようにすることで、有利区間中で実行されたゲーム数を非有利区間中で実行されたゲーム数として扱ってしまうことを防止することができる。さらに、有利区間中であるか否かを判断するためのデータとして、有利区間ランプ処理のような他の処理で用いられる有利区間中データを流用する場合、役比モニタ用データ処理のために別途データを用意する必要がなくなり、当該処理のためのプログラム容量や記憶容量が過大にならない。このように、設計通りのスロットマシンであることを遊技機情報表示器50における有利区間比率の表示で確認できるようにするとともに、確認のために必要な処理(総ゲーム数および有利区間中ゲーム数の更新処理)を好適に処理することができる。
【0163】
(4-2)
図2に示すように、役物比率の算出に用いる総払出枚数およびボーナス中払出枚数の更新処理と、有利区間比率の算出に用いる総ゲーム数および有利区間中ゲーム数の更新処理は、いずれも役比モニタ用データ処理(Sa4)において実行される。このようにすることで、役比モニタに表示される役物比率および有利区間比率の算出に用いるデータの更新契機が分散しない。
【0164】
(4-3)
図6に示すように、有利区間中において図柄組合せが導出されたことに基づいて有利区間が終了する場合において、t2において図柄組合せが導出されてから、t4において役比モニタ用データ処理が実行されるまでの間に、t3~t4のエラー判定処理が実行される。このようにすることで、異常が発生している状況において役比モニタ用データ処理が実行されてしまうことを回避することができる。
【0165】
(4-4)
図6に示すように、t7において有利区間中データがOFF設定される前に、有利区間の終了を報知するためのt6~t7の報知演出用コマンド送信処理が実行される。このようにすることで、有利区間の終了を速やかに報知することができる。
【0166】
(4-5)
図2に示すように、有利区間中データにより、有利区間ランプ19が点灯または消灯する。このように、有利区間ランプ処理で用いられる有利区間中データを役比モニタ用データ処理でも兼用することができるため、役比モニタ用データ処理のためのプログラム容量や記憶容量が過大にならない。
【0167】
[変形例]
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
【0168】
[有利区間について]
本実施の形態においては、有利区間は、ATに制御された区間であるとした。しかし、有利区間は、ATに制御された区間に限らず、CZに区間された状態を含むものあってもよい。CZは、遊技者にとって有利な区間に制御された状態である。たとえば、CZ中においては、最大払出枚数が得られる入賞が発生するナビ演出が少なくとも1回実行される。
【0169】
[役比モニタについて]
本実施の形態においては、メイン制御部41は、役比モニタ用データ処理により集計されたデータを遊技機情報表示器50に表示させるようにした。しかし、これに限らず、スロットマシン1の透視窓の下方に備えられるクレジット表示器および遊技補助表示器に表示させるものであってもよい。クレジット表示器と遊技補助表示器は、遊技の進行に応じた情報が表示される表示器であり、比率表示を常時表示させることができないため、遊技が行われていない状況下で遊技店の店員などにより所定の操作が行われたことにより比率表示を表示させる。
【0170】
本実施の形態では、有利区間比率が表示されている場合には「01」、役物比率が表示されている場合には「02」、有利区間払出比率が表示されている場合には「03」がそれぞれ表示されるようにした。しかし、これに限らず、累計ゲーム数(工場出荷時あるいは何らかの原因でRAM41cのデータが初期化されてからのゲーム数)、および直近の6000ゲームの双方を集計して表示させてもよい。たとえば、累計ゲーム数に対する有利区間比率が表示されている場合には「1A」、直近の6000ゲームに対する有利区間比率が表示されている場合には「1B」とそれぞれ表示させるようにしてもよい。
【0171】
また、遊技機情報表示器50には、有利区間比率、役物比率および連続役物比率を表示させるようにしたが、有利区間払出比率を表示させるものであってもよい。有利区間払出比率は、全遊技において遊技者に付与された総払出枚数に対する、全遊技のうちの有利区間に制御された遊技において遊技者に付与された有利区間中払出枚数の比率である。
【0172】
[ボーナスについて]
なお、本実施の形態では、ボーナスとして、RBと、RBが連続して作動するBBのみを搭載する構成であるが、全ての種類の小役の入賞が許容されるが、一部のリールについて引込が制限されるCT、CTが連続して作動するCBを搭載する構成であっても良く、CTを搭載する場合には、CT中に払い出されたメダル数は、役物比率に反映され、CBを搭載する場合には、CB中に払い出されたメダル数は、連続役物比率に反映されることとなる。
【0173】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0174】
1 スロットマシン、2L,2C,2R リール、7 スタートスイッチ、8L,8C,8R ストップスイッチ、41 メイン制御部、51 液晶表示器、91 サブ制御部。