(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-08
(45)【発行日】2022-02-17
(54)【発明の名称】屋根体
(51)【国際特許分類】
E04B 1/343 20060101AFI20220209BHJP
E04B 7/00 20060101ALI20220209BHJP
E04B 1/32 20060101ALI20220209BHJP
E04H 6/02 20060101ALI20220209BHJP
【FI】
E04B1/343 U
E04B7/00 Z
E04B1/32 101F
E04H6/02 A
(21)【出願番号】P 2018010081
(22)【出願日】2018-01-24
【審査請求日】2020-11-26
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成29年12月10日に、“LIXIL エクステリア アーキラインシェルター AR-F型”のチラシを発行した。
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】小島 智之
(72)【発明者】
【氏名】青木 博
(72)【発明者】
【氏名】大橋 幸治
(72)【発明者】
【氏名】辻 元之
(72)【発明者】
【氏名】矢倉 孝則
(72)【発明者】
【氏名】岡田 譲
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-198708(JP,U)
【文献】特開2007-217965(JP,A)
【文献】特開平09-317226(JP,A)
【文献】特開2001-279821(JP,A)
【文献】実開昭63-152803(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/00,1/32,1/343
E04B 7/00,7/08
E04H 1/00-1/14
E04H 6/02
E04D 1/00-3/40;
13/00-15/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向に延びる一対の第1枠材と、前記一対の第1枠材に直交して水平方向に延びる一対の第2枠材と、が方形状に枠組みされて形成されたフレーム体と、
前記一対の第1枠材の間に複数並んで配置され、前記第1枠材の長手方向に延びて長手方向の両端部それぞれが前記一対の第2枠材に接続され、かつ、長手方向の中央が両端部よりも上方側に位置するように湾曲する複数の中間アーチと、
隣接する前記中間アーチの間に配置され隣接する前記中間アーチそれぞれに連結されると共に隣接する前記中間アーチに沿って湾曲する複数の中間パネル材と、
前記複数の中間アーチのうちの最も前記第1枠材側の第1枠材側中間アーチと前記第1枠材との間に配置される端部パネル材であって、前記第1枠材側中間アーチと前記第1枠材とに連結され、かつ、前記第1枠材側中間アーチから前記第1枠材に向かって下り傾斜で傾斜する端部パネル材と、
前記中間パネル材及び前記端部パネル材における前記第1枠材の長手方向の端部を上方から押さえるパネル押さえ部材と、を備え
、
前記パネル押さえ部材は、前記第1枠材との間に所定の間隔を空けて配置され、
前記端部パネル材は、前記第1枠材側中間アーチから前記第1枠材に向かって下り傾斜で傾斜する際に、湾曲形状のアールが徐々に小さくなり、前記第1枠材側中間アーチから前記第1枠材に向かって徐々に湾曲形状から水平形状になるように形成される屋根体。
【請求項2】
前記第1枠材は、2つの下方側支持部を有するパネル材支持部を備え、
前記2つの下方側支持部は、前記端部パネル材の幅方向の前記第1枠材側の端部を下方側から支持すると共に、前記端部パネル材に下方側から当接するY字状の弾性部材を有する、請求項1に記載の屋根体。
【請求項3】
前記端部パネル材は、前記第1枠材側中間アーチから前記第1枠材まで延びる面材で構成され、前記第1枠材側中間アーチ側における長手方向の湾曲形状に沿う長さが、前記第1枠材側における前記第1枠材の長手方向に沿う長さよりも長く形成される請求項1
又は2に記載の屋根体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋根体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、屋根体を備える屋根構造体が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の屋根体は、方形状に枠組みされたフレーム体と、フレーム体の内側に並んで配置され長手方向の中央が上方側に位置するように湾曲する複数のアーチと、隣接するアーチの間に配置された複数のパネル材と、を備えて構成されている。特許文献1に記載の屋根体は、水平に配置されたフレーム体の内側において、アーチ状に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の屋根体は、アーチ状に形成されており、屋根体の端部側において、水平に配置されたフレーム体と湾曲したアーチとが隣接して配置されている。これにより、フレーム体とアーチとは、隣接した状態で段差が生じており、フレーム体とアーチとに段差が、外部から視認される可能性がある。そのため、屋根体の意匠性を向上させるという点において改善の余地があった。
【0005】
本発明は、意匠性を向上させることができる屋根体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、水平方向に延びる一対の第1枠材(例えば、後述の前後枠材62)と、前記一対の第1枠材に直交して水平方向に延びる一対の第2枠材(例えば、後述の左右枠材63)と、が方形状に枠組みされて形成されたフレーム体(例えば、後述のフレーム体61)と、前記一対の第1枠材の間に複数並んで配置され、前記第1枠材の長手方向に延びて長手方向の両端部それぞれが前記一対の第2枠材に接続され、かつ、長手方向の中央が両端部よりも上方側に位置するように湾曲する複数の中間アーチ(例えば、後述の中間アーチ64)と、隣接する前記中間アーチの間に配置され隣接する前記中間アーチそれぞれに連結されると共に隣接する前記中間アーチに沿って湾曲する複数の中間パネル材(例えば、後述の中間パネル材671)と、前記複数の中間アーチのうちの最も前記第1枠材側の第1枠材側中間アーチと前記第1枠材との間に配置される端部パネル材であって、前記第1枠材側中間アーチと前記第1枠材とに連結され、かつ、前記第1枠材側中間アーチから前記第1枠材に向かって下り傾斜で傾斜する端部パネル材(例えば、後述の端部パネル材672)と、を備える屋根体(例えば、後述の屋根体6)に関する。
【0007】
また、前記端部パネル材は、前記第1枠材側中間アーチから前記第1枠材まで延びる面材で構成され、前記第1枠材側中間アーチ側における長手方向の湾曲形状に沿う長さが、前記第1枠材側における前記第1枠材の長手方向に沿う長さよりも長く形成されることが好ましい。
【0008】
また、前記中間パネル材及び前記端部パネル材における前記第1枠材の長手方向の端部を上方から押さえるパネル押さえ部材(例えば、後述の左右枠材側パネル端部押さえ部材633)を更に備え、前記パネル押さえ部材は、前記第1枠材との間に所定の間隔を空けて配置されることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、意匠性を向上させることができる屋根体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係るシェルターを斜め上方側から見た斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るシェルターを斜め下方側から見た斜視図である。
【
図6】湾曲加工する前の端部パネル材を示す平面図である。
【
図9】左右枠材側パネル端部押さえ部材を示す斜視図である。
【
図13】屋根体のコーナー部分の分解斜視図である。
【
図15】変形形態の片支持のシェルターを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の屋根構造体としてのシェルター1の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るシェルター1を斜め上方側から見た斜視図である。
図2は、本発明の一実施形態に係るシェルター1を斜め下方側から見た斜視図である。
図3は、シェルター1の屋根体6の平面図である。
図4は、
図3のA-A線断面図である。
図5は、
図3のB-B線断面図である。
図6は、湾曲加工する前の端部パネル材672を示す平面図である。
【0012】
本実施形態においては、屋根構造体を、シェルター1に適用した例について説明する。なお、本実施形態においては、屋根構造体をシェルター1に適用した例について説明するが、これに限定されない。例えば、屋根構造体を、シェルター以外の構造物、例えば、カーポート、駐輪場、休憩所、テラス、バス停などの構造物に適用してもよい。
【0013】
なお、本実施形態の説明においては、2組の支柱2が並ぶ方向であって屋根体6の長手方向を前後方向ともいう。屋根体6の前後方向において、
図1におけるシェルター1の右手前側を前側ともいい、シェルター1の左奥側を後側ともいう。また、屋根体6の長手方向に直交する方向を左右方向ともいう。屋根体6の左右方向において、
図1におけるシェルター1の左手前側を左側ともいい、シェルター1の右奥側を右側ともいう。本実施形態においては、屋根体6は、四周を囲むフレーム体61が水平方向にフラットに形成され、屋根体6の内部側においてアーチ状に上方側に湾曲して形成される。
【0014】
まず、本実施形態のシェルター1の全体構造について説明する。本実施形態のシェルター1は、
図1~
図3に示すように、屋根体6を左右方向の両側それぞれにおいて2つの支柱2で支持する、いわゆる、両支持構造のシェルターである。また、本実施形態のシェルター1は、2組の一対の支柱2の上端部に屋根体6が置かれる置き構造で構成される。
【0015】
図1~
図5に示すように、本実施形態のシェルター1は、地面に立設される2組の支柱2(柱材)と、支柱2の側部に配置された支柱側部箱体3と、2組の支柱2の上端部に配置される屋根体6と、屋根体6の左右方向の両端部側に配置される一対の照明取付枠体8(
図2参照)と、一対の照明取付枠体8に取り付けられる一対の直接照明装置85(
図2参照)と、を備える。
【0016】
2組の支柱2(柱材)は、一対の支柱2が前後方向に2組並んで配置される。一対の支柱2は、シェルター1の左右方向の両側に配置され、屋根体6の左右方向の両端部の下部に接続される。支柱2は、アルミ材料の押出し形材で形成され、断面が中空状の中空部を有するホロー構造を有する。支柱2は、上下方向に延びて形成される。
【0017】
屋根体6は、2組の支柱2の上端部の上部に配置される。屋根体6は、
図1及び
図2に示すように、フレーム体61と、複数の中間アーチ64(中間部材)と、複数のパネル材67と、複数の左右枠材側パネル端部押さえ部材633と、一対の前後枠材側パネル端部カバー部材627と、を有する。フレーム体61は、一対の前後枠材62(第1枠材)と、一対の左右枠材63(第2枠材)と、が方形状に枠組みされて水平方向にフラットに形成される。
【0018】
一対の前後枠材62には、それぞれ、上面から窪む前後枠材側樋部(枠材側樋)622が形成される。前後枠材側樋部622は、前後枠材62における幅方向の外側に形成され、前後枠材62の長手方向に延びる。
一対の左右枠材63には、それぞれ、上面から窪む左右枠材側樋部(枠材側樋)632が形成される。左右枠材側樋部632は、左右枠材63における幅方向の外側に形成され、左右枠材63の長手方向に延びる。
一対の前後枠材62の前後枠材側樋部622及び一対の左右枠材63の左右枠材側樋部632は、フレーム体61の全周に連通しており、フレーム体61の四周に亘って連続して形成される。
【0019】
一対の前後枠材62は、屋根体6の前側に配置される前枠材62Aと、屋根体6の後側に配置される後枠材62Bと、により構成される。前枠材62A及び後枠材62Bは、屋根体6の前端部又は後端部において、左右方向の水平方向に直線状に延びて形成される。本実施形態においては、前後枠材62における前枠材62A及び後枠材62Bは、前後の位置及び向きが異なるのみで、同様の構成を有する。そのため、前枠材62A及び後枠材62Bの説明について、特に区別の必要がない場合には、「前後枠材62」として説明する。
【0020】
一対の左右枠材63は、一対の前後枠材62に直交して配置され、屋根体6の左側に配置される左枠材63Aと、屋根体6の右側に配置される右枠材63Bと、により構成される。左枠材63A及び右枠材63Bは、屋根体6の左端部又は右端部において、前後方向の水平方向に直線状に延びて形成される。一対の左右枠材63は、それぞれ、屋根体6の長手方向の各辺において、前後方向に並ぶ2つの支柱2に渡されており、2つの支柱2に支持される。そのため、左枠材63A及び右枠材63Bは、桁材として機能する。本実施形態においては、左右枠材63における左枠材63A及び右枠材63Bは、左右の位置及び向きが異なるのみで、同様の構成を有する。そのため、左枠材63A及び右枠材63Bの説明について、特に区別の必要がない場合には、「左右枠材63」として説明する。
【0021】
複数の中間アーチ64は、一対の前後枠材62の間に複数並んで配置される。複数の中間アーチ64は、前後枠材62の長手方向(屋根体6の左右方向)に延びて形成され、一対の左右枠材63に亘って配置される。複数の中間アーチ64は、それぞれ、長手方向の両端部それぞれが一対の左右枠材63に接続され、一対の左右枠材63を左右方向に繋ぐように配置される。複数の中間アーチ64は、
図4に示すように、長手方向の中央が両端部よりも上方側に位置するようにアーチ状に湾曲して形成される。
【0022】
複数のパネル材67は、
図1~
図3に示すように、一対の左右枠材63の間に複数並んで配置される。複数のパネル材67は、隣接する中間アーチ64の間に配置される複数の中間パネル材671と、最も前枠材62A側の中間アーチ64(第1枠材側中間アーチ)と前枠材62Aとの間に配置される端部パネル材672と、最も後枠材62B側の中間アーチ64(第1枠材側中間アーチ)と後枠材62Bとの間に配置される端部パネル材672と、を有する。中間パネル材671及び2つの端部パネル材672は、所定の厚みを有すると共に屋根体6の前後方向に所定の幅を有して、屋根体6の左右方向に延びる。
【0023】
複数の中間パネル材671は、それぞれ、隣接する中間アーチ64の間に配置され、隣接する中間アーチ64それぞれに連結される。中間パネル材671は、隣接する中間アーチ64の湾曲形状に沿って、長手方向の中央が両端部よりも上方側に位置するようにアーチ状に湾曲する。
【0024】
端部パネル材672は、複数の中間アーチ64のうちの最も前後枠材62側の中間アーチ64(第1枠材側中間アーチ)と前後枠材62との間に配置される。端部パネル材672は、中間アーチ64と前後枠材62とに連結され、中間アーチ64側において中間アーチ64の湾曲形状に沿って湾曲すると共に前後枠材62側において前後枠材62の水平形状に沿って形成される。端部パネル材672は、
図5に示すように、中間アーチ64から前後枠材62に向かって下り傾斜で傾斜する。
【0025】
端部パネル材672は、最も前後枠材62側の中間アーチ64から前後枠材62まで延びる面材で構成される。端部パネル材672は、施工時に湾曲加工されて取り付けられる。端部パネル材672は、
図6に示すように、湾曲加工する前において、例えば、略台形形状に形成され、平面視で左右対称の形状に形成される。端部パネル材672は、中間アーチ64側の辺である中間アーチ側辺672aと、前後枠材62側の辺である前後枠材側辺672cと、中間アーチ側辺672aの端部673aと前後枠材側辺672cの端部673cとを接続して延びる一対の端部傾斜辺672eと、を有する。
【0026】
中間アーチ側辺672aは、一対の中間アーチ側湾曲辺672bにより形成される。一対の中間アーチ側湾曲辺672bは、中間部673bを中心として左右に連続して形成され、左右対称の形状に形成される。一対の中間アーチ側湾曲辺672bは、それぞれ、端部パネル材672の中間アーチ64側の長手方向(左右方向)の両端部673aそれぞれから中間部673bに向かうに従って前後枠材62側から中間アーチ64側に向かうように僅かに曲線状に湾曲して形成される。
【0027】
前後枠材側辺672cは、一対の前後枠材側湾曲辺672dにより形成される。一対の前後枠材側湾曲辺672dは、中間部673dを中心として左右に連続して形成され、左右対称の形状に形成される。一対の前後枠材側湾曲辺672dは、それぞれ、端部パネル材672の前後枠材62側の長手方向(左右方向)の両端部673cそれぞれから中間部673dに向かうに従って前後枠材62側から中間アーチ64側に向かうように僅かに曲線状に湾曲して形成される。前後枠材側湾曲辺672dの曲率半径は、中間アーチ側湾曲辺672bの曲率半径よりも大きく形成され、前後枠材側湾曲辺672dは、中間アーチ側湾曲辺672bよりも緩く湾曲する。
【0028】
一対の端部傾斜辺672eは、それぞれ、中間アーチ側辺672aの端部673aから前後枠材側辺672cの端部673cに向かうに従って端部パネル材672の長手方向(左右方向)の内側に向かうように僅かに傾斜する。
【0029】
端部パネル材672は、中間アーチ64と前後枠材62とに連結された状態において、最も前後枠材62側の中間アーチ64の長手方向の湾曲形状に沿う中間アーチ側辺672aの長さL1が、前後枠材62側における前後枠材62の長手方向に沿う前後枠材側辺672cの長さL2よりも長く形成される。言い換えると、端部パネル材672は、平面視で左右対称の形状に形成されるため、中間アーチ側辺672aの中間アーチ側湾曲辺672bの長さL1aが、前後枠材側辺672cの前後枠材側湾曲辺672dの長さL2aよりも長く形成される。なお、端部パネル材672は、施工する現場で湾曲加工してもよいし、工場で湾曲加工した後に、現場に搬入して取り付けてもよい。
【0030】
以上の端部パネル材672は、中間アーチ64から前後枠材62に向かって下り傾斜で傾斜する際に、湾曲形状のアールが徐々に小さくなり、中間アーチ64から前後枠材62に向かって徐々に湾曲形状から水平形状になるように形成される。そのため、中間アーチ64、端部パネル材672及び前後枠材62の一体感を生じさせて、外観を一層スッキリと見せることができる。これにより、意匠性を一層向上できる。
【0031】
一対の照明取付枠体8は、
図2及び
図4に示すように、屋根体6の左右方向の両側に設けられる。照明取付枠体8は、左右枠材63の内側の面に取り付けられる。照明取付枠体8には、直接照明装置85(照明装置)が取り付けられる。これにより、本実施形態においては、直接照明装置85は、屋根体6の左右方向の両側に一対設けられている。
【0032】
次に、本実施形態のシェルター1の各構成の詳細について説明する。
図7は、
図4のC-C線断面図である。
図8Aは、
図4のD部分の拡大図である。
図8Bは、
図3のE-E線断面図である。
図9は、左右枠材側パネル端部押さえ部材633を示す斜視図である。
図10は、
図5のF部分の拡大図である。
図11は、
図5のG部分の拡大図である。
【0033】
支柱2は、
図7に示すように、横断面が角筒状に形成される中空部を有する支柱側ホロー部21と、支柱側ホロー部21の左右方向の両側の側面から外部側に突出する一対のカバー取付係合片22a,22b,22cと、を有する。一対のカバー取付係合片22a,22b,22cには、支柱2の左右方向の両側において、一対の支柱カバー部材23が係合して取り付けられる。
【0034】
支柱側部箱体3は、
図1及び
図2に示すように、支柱2における屋根体6の前後方向の中央側の側面に、支柱2と一体で設けられる。支柱側部箱体3の内部には、
図7及び
図8Aに示すように、縦樋構成空間301と、配線空間302と、が形成される。縦樋構成空間301には、排水アタッチメント35を介して屋根体6から流入される水が流通される。配線空間302には、直接照明装置85の配線ケーブル85a(
図8A参照)や間接照明装置(図示せず)の配線ケーブル(図示せず)が配置される。
【0035】
支柱側部箱体3の内部には、縦樋構成空間301及び配線空間302が、屋根体6の左右方向に並んで配置される。支柱側部箱体3の内部において、屋根体6の内側には、配線空間302が配置され、屋根体6の外側には、縦樋構成空間301が配置される。
【0036】
支柱側部箱体3は、
図7に示すように、中空部311と開放部312とを有するベース部31と、箱体カバー部32と、を有する。中空部311の上方側には、後述する排水アタッチメント35が配置される(
図8A参照)。ベース部31が支柱2に取り付けられた状態で、箱体カバー部32が取り付けられることで、ベース部31の中空部311の内側には、屋根体6の左右方向の外側に配置される縦樋構成空間301が形成され、ベース部31の開放部312と箱体カバー部32との間には、屋根体6の左右方向の内側に配置される配線空間302が形成される。
図8Bに示すように、縦樋構成空間301は、左右枠材63の左右枠材側樋部(枠材側樋)632の下方に配置され、配線空間302は、左右枠材63の左右枠材側ホロー部631の下方に配置される。
【0037】
屋根体6の詳細について説明する。屋根体6は、
図1及び
図2に示すように、フレーム体61と、複数の中間アーチ64と、複数のパネル材67と、一対の複数の左右枠材側パネル端部押さえ部材633(パネル押さえ部材)と、前後枠材側パネル端部カバー部材627と、を有する。フレーム体61は、一対の前後枠材62と、一対の左右枠材63と、が方形状に枠組みされて形成される。
【0038】
一対の左右枠材63は、
図1~
図3に示すように、左右方向に離間して配置され、屋根体6の前後方向に水平に延びて形成される。左右枠材63は、
図4に示すように、支柱2の上端部の上方に配置される。左右枠材63は、中空部を有して構成される左右枠材側ホロー部(ホロー構造部)631と、左右枠材側樋部632と、を有する。左右枠材側ホロー部631及び左右枠材側樋部632は、左右枠材63の幅方向において並んで配置される。左右枠材63の幅方向において、屋根体6の内側には、左右枠材側ホロー部631が配置され、屋根体6の外側には、左右枠材側樋部632が配置される。
【0039】
左右枠材側ホロー部631は、
図8A及び
図8Bに示すように、左右枠材63における屋根体6の内側に形成され、左右枠材63の長手方向の全域に亘って延びる。
図8Bに示すように、左右枠材側ホロー部631は、下部に形成される左右枠材側下部溝631aと、左右枠材側下部溝631aを覆う下部カバー部材631b(
図8B参照)と、照明ブラケット取付部631cと、を有する。左右枠材側下部溝631aは、左右枠材側ホロー部631の下部において左右枠材側ホロー部631の下端部から上方に窪む凹状に形成され、左右枠材63の長手方向に延びる。
【0040】
左右枠材側下部溝631aにおいては、
図8Aに示すように、接続部材631gを介して、左右枠材63が支柱2に固定される。接続部材631gは、接続板631dと、スペーサ部材631eと、逆U字状部材631fと、が接続されて構成される。接続板631dは、左右枠材側下部溝631aの内部において、ネジ631hより、左右枠材63の内部に配置される補強スリーブ653と共締めされる。また、U字状部材631fは、支柱2の内部おいて、ネジ631iにより、支柱2に固定される。左右枠材側ホロー部631の下方には、
図8Bに示すように、左右枠材側下部溝631aを覆うように、下部カバー部材631bが取り付けられる。これにより、左右枠材側下部溝631aは、下部カバー部材631bにより、下方側から覆われる。
【0041】
左右枠材側樋部632は、左右枠材側ホロー部631における屋根体6の外側に形成され、左右枠材63の長手方向の全域に亘って延びる。左右枠材側樋部632は、左右枠材63における上方が開放された枠状に形成され、屋根体6の上面を流れる水が流入されて、左右枠材側樋部632には、流入された水が溜められる。
【0042】
左右枠材側樋部632の底面には、
図8Aに示すように、支柱2に取り付けられた支柱側部箱体3に対応した位置において、貫通穴632aが形成される。貫通穴632aの下方には、支柱側部箱体3の縦樋構成空間301が配置されている。貫通穴632aには、排水アタッチメント35が取り付けられる。
【0043】
排水アタッチメント35は、上下方向に貫通する筒状に形成され、左右枠材側樋部632に溜められた水を、支柱側部箱体3の縦樋構成空間301に流入させる。排水アタッチメント35は、上下方向に延びる筒状部350と、筒状部350の途中において径方向に突出するフランジ352と、を有する。筒状部350は、フランジ352よりも上方側に形成される上部筒状部351と、フランジ352よりも下方側に形成される下部筒状部353と、を有する。
【0044】
排水アタッチメント35は、左右枠材側樋部632の底面の下面にフランジ352を配置した状態で、左右枠材63の左右枠材側樋部632の貫通穴632aに取り付けられる。これにより、左右枠材63の左右枠材側樋部632の下方には、貫通穴632aに配置された排水アタッチメント35を介して、支柱側部箱体3の縦樋構成空間301が配置される。左右枠材側樋部632からの水は、排水アタッチメント35を介して支柱側部箱体3の縦樋構成空間301に流入される。排水アタッチメント35は、下部筒状部353を有しており、下部筒状部353の下端部から、支柱側部箱体3の縦樋構成空間301に、水切れよく水を落下させることができるため、排水性能を向上できる。
【0045】
照明ブラケット取付部631cは、左右枠材側ホロー部631の内側から左右枠材側ホロー部631の内側の側方に方形状に突出して形成される。照明ブラケット取付部631cには、断面形状がL字形状の取付部材631jを介して、照明取付枠体8が取り付けられる。
【0046】
一対の照明取付枠体8及び直接照明装置85について説明する。
照明取付枠体8は、
図8A及び
図8Bに示すように、枠体側露出傾斜下面81と、直接照明装置85が配置される直接照明取付溝部82と、間接照明装置(図示せず)を配置可能な間接照明取付部83と、を備える。照明取付枠体8には、直接照明装置85又は間接照明装置(図示せず)を取り付けることが可能である。
【0047】
枠体側露出傾斜下面81は、照明取付枠体8の下面により形成され、外側から内側に向かうに従って、下方から上方に向かうように直線状に延びる傾斜面により平面状に形成される。枠体側露出傾斜下面81は、下方の外部に露出される面である。
【0048】
直接照明取付溝部82は、照明取付枠体8の下方側に形成される。直接照明取付溝部82の内部には、直接照明装置85が収容されて、ネジ止めされて取り付けられる。直接照明装置85は、屋根体6の長手方向に所定長さ延びて形成される。直接照明取付溝部82には、直接照明装置85が、屋根体6の前側の斜め下方に光を直接的に照射するように配置される。直接照明取付溝部82の手前側には、直接照明取付溝部82に直接照明装置85を取り付けた後に、透過性を有するアクリル板84が取り付けられる。
【0049】
図8Bに示すように、照明取付枠体8は、左右枠材63の照明ブラケット取付部631cにネジ605で固定された取付部材631jの引っ掛け部631kに、引っ掛けられる。この状態で、照明取付枠体8は、取付部材631j及び照明ブラケット取付部631cにネジ606で共締めされる。直接照明装置85は、照明取付枠体8が取付部材631jを介して照明ブラケット取付部631cに取り付けられた後に、照明取付枠体8に取り付けられる。
【0050】
直接照明装置85における前後枠材62の外部から配線される配線ケーブル85a(ケーブル)は、
図8Aに示すように、外部から支柱側部箱体3の配線空間302に通されて、左右枠材63の左右枠材側ホロー部631を貫通して左右枠材側ホロー部631の内部を通される。左右枠材側ホロー部631の内部を通された配線ケーブル85aは、照明取付枠体8の内部を通されて、直接照明取付溝部82に配置される直接照明装置85に接続される。また、複数の直接照明装置85を屋根体6の長手方向に直列に接続する配線ケーブル85bは、照明取付枠体8の内部において屋根体6の長手方向に沿うように配置される。そのため、配線ケーブル85a,85bは、シェルター1の下方からは視認されない箇所に配線される。これにより、意匠性を向上できる。
【0051】
間接照明取付部83は、照明取付枠体8の上方側に形成される。間接照明装置(図示せず)により屋根体6の下方に光を間接的に照らす場合(間接照明)には、直接照明装置85により屋根体6の下方に光を直接的に照らす場合(直接照明)(
図8A及び
図8B参照)の配置に代えて、間接照明取付部83に、間接照明装置(図示せず)を配置する。間接照明取付部83には、間接照明装置(図示せず)が、斜め上方側に向けて光を照射して、屋根体6の下面に反射された光が、下方に向けて間接的に照射されるように配置される。間接照明装置の配線ケーブルは、直接照明装置85と同様に、照明取付枠体8の内部を通されて接続される。
【0052】
図8Aに示すように、左右枠材63の左右枠材側ホロー部631の上部の幅方向のパネル材67側の端部は、複数の中間アーチ64における中間アーチ本体70(後述)の長手方向(屋根体6の左右方向)の端部がネジ固定される。中間アーチ64は、パネル材67(中間パネル材671、端部パネル材672)の幅方向(屋根体6の前後方向)の端部を保持する。中間アーチ64におけるパネル材67の幅方向(屋根体6の前後方向)の端部を保持する構成については後述する。
【0053】
また、
図8Bに示すように、左右枠材63の左右枠材側ホロー部631の上部の幅方向の中央寄りには、複数の左右枠材側パネル端部押さえ部材633が取り付けられる。複数の左右枠材側パネル端部押さえ部材633は、
図1及び
図3に示すように、複数のパネル材67(中間パネル材671、端部パネル材672)が並ぶ方向(左右枠材63の長手方向)に延びて形成され、左右枠材63の長手方向に直線状に複数並べられて配置される。
【0054】
複数の左右枠材側パネル端部押さえ部材633は、複数のパネル材67(中間パネル材671、端部パネル材672)の長手方向の端部を上方から押さえると共に、複数の中間アーチ64の長手方向の端部の少なくとも一部を覆うように配置される。
【0055】
また、左右枠材側パネル端部押さえ部材633は、前後枠材62との間に所定の間隔を空けて配置される。言い換えると、端部パネル材672における幅方向(屋根体6の前後方向)(前後枠材62の長手方向に直交する方向)の前後枠材62側の端部672tに配置されていない。本実施形態においては、前後枠材62は、後述するように、前後枠材62は、中空部を有して構成される前後枠材側ホロー部(ホロー構造部)621と、前後枠材側樋部622と、前後枠材側パネル端部カバー部材627と、を有する(
図10参照)。
図3に示すように、前後枠材側パネル端部カバー部材627は、端部パネル材672の幅方向の端部を覆うと共に、端部パネル材672の長手方向の端部まで延びる。左右枠材側パネル端部押さえ部材633は、前後枠材62の前後枠材側パネル端部カバー部材627との間に所定の間隔を空けて配置される。
【0056】
これにより、左右枠材側パネル端部押さえ部材633は、端部パネル材672における前後枠材62側の端部672tを押さえていないため、端部パネル材672に作用する応力を逃がすことができる。また、端部パネル材672の上面を流れる水を、端部パネル材672における前後枠材62側の端部672tにおいて、左右枠材63の左右枠材側樋部632に流すことができる。これにより、排水性能を向上できる。
【0057】
複数の左右枠材側パネル端部押さえ部材633は、
図8A、
図8B及び
図9に示すように、それぞれ、左右枠材63の上面に固定される固定片634と、固定片634の外側の端部から立ち上がる突起635と、固定片634のパネル材67側の端部から立ち上がる立ち上がり片636と、立ち上がり片636の上端部からパネル材67(中間パネル材671、端部パネル材672)側に延びる延在片637と、延在片637のパネル材67側の端部から下方に延びる押さえ片638(
図8A参照)と、を有する。左右枠材側パネル端部押さえ部材633は、
図8Bに示すように、固定片634においてネジ634aで左右枠材63の上面に固定された状態で、
図8Aに示すように、押さえ片638の下端部638cによりパネル材67の上面を押さえる。
【0058】
左右枠材側パネル端部押さえ部材633は、幅方向における複数のパネル材67(中間パネル材671、端部パネル材672)を押さえる側の端部において、
図3、
図8B及び
図9に示すように、端部切り欠き部638aと、中央切り欠き部638bと、を有する。端部切り欠き部638aは、左右枠材側パネル端部押さえ部材633の長手方向の両端部において、中間アーチ64が配置される部分に、押さえ片638が切り欠かれて形成され、端部切り欠き部638aには、
図8Bに示すように、中間アーチ64の端部が配置される。これにより、中間アーチ64の端部を配置するスペースを確保して、外観上もスッキリとなるため、意匠性を一層向上できる。また、中央切り欠き部638bは、
図8A及び
図9に示すように、左右枠材側パネル端部押さえ部材633の長手方向の中央において、後述する切欠き開口639に対向する位置に形成され、屋根体6の上面を流れる水は、中央切り欠き部638bを介して、切欠き開口639に流される。
【0059】
固定片634、突起635及び立ち上がる立ち上がり片636は、
図3、
図8A及び
図9に示すように、各左右枠材側パネル端部押さえ部材633の長手方向の一部において、切欠き開口639(開口部)で開口するように切り欠かれる。切欠き開口639は、中間アーチ64の長手方向の端部を覆う部分において、屋根体6の上面を流れる水を、左右枠材63の左右枠材側樋部632に流すように開口する。これにより、屋根体6の上面を流れる水は、切欠き開口639を介して、左右枠材63の左右枠材側樋部632に流れ込む。よって、排水性能を向上できる。
【0060】
左右枠材側パネル端部押さえ部材633は、
図8A及び
図8Bに示すように、一端側の固定片634が左右枠材63の上面に固定され(
図8B参照)、他端側の押さえ片638の下端部638cが屋根体6のパネル材67の長手方向(左右方向)の端部の上面を押圧する(
図8A参照)ことで、左右枠材63側のパネル材67(中間パネル材671、端部パネル材672)の端部を押さえる。また、左右枠材側パネル端部押さえ部材633は、中間アーチ64の中間アーチカバー部材75の端部の小口面751(中間アーチ64の端部の小口面641(中間アーチ本体70の端部の小口面701、中間アーチカバー部材75の端部の小口面751)の少なくとも一部)を覆うように配置される。
【0061】
これにより、左右枠材側パネル端部押さえ部材633は、パネル材67の端部を押さえる構成と、中間アーチ64の中間アーチカバー部材75の端部の小口面751を覆う構成とを兼ねる。よって、部品点数を削減でき、製造コストを低減できる。また、中間アーチカバー部材75の端部の小口面751は、屋根体6の外部から視認されないように、複数の左右枠材側パネル端部押さえ部材633により覆われる。よって、外観上もスッキリとなるため、意匠性を向上できる。
【0062】
一対の前後枠材62は、
図1~
図3に示すように、前後方向に離間して配置され、屋根体6の左右方向に水平に延びて形成される。前後枠材62は、屋根体6の前端部又は後端部に配置される。前後枠材62は、
図10に示すように、中空部を有して構成される前後枠材側ホロー部(ホロー構造部)621と、前後枠材側樋部622と、前後枠材側パネル端部カバー部材627と、を有する。前後枠材側ホロー部621及び前後枠材側樋部622は、前後枠材62の幅方向に並んで配置される。前後枠材62の幅方向において、屋根体6の内側には、前後枠材側ホロー部621が配置され、屋根体6の外側には、前後枠材側樋部622が配置される。
【0063】
前後枠材側ホロー部621は、
図10に示すように、前後枠材62における屋根体6の内側に形成され、前後枠材62の長手方向の全域に亘って延びる。前後枠材側ホロー部621は、下部に形成される前後枠材側下部溝621aと、前後枠材側下部溝621aを覆う下部カバー部材621bと、を有する。前後枠材側下部溝621aは、前後枠材側ホロー部621の下部において前後枠材側ホロー部621の下端部から上方に窪む凹状に形成され、左右枠材63の長手方向に延びる。前後枠材側ホロー部621の下方には、前後枠材側下部溝621aを覆うように、下部カバー部材621bが取り付けられる。
【0064】
前後枠材側ホロー部621の上面には、ネジ孔構成突起部623と、パネル材支持部624(支持部)と、が形成される。
ネジ孔構成突起部623は、前後枠材側ホロー部621の上面の幅方向の前後枠材側樋部622側に形成される。
パネル材支持部624は、2つの下方側支持部625,626を有する。2つの下方側支持部625,626は、ネジ孔構成突起部623よりも屋根体6の内側において、前後枠材62の幅方向に離間して、屋根体6の外側から内側に向かってこの順に並んで配置される。2つの下方側支持部625,626は、前後枠材側ホロー部621の段差部分に配置される。ネジ孔構成突起部623側に配置される下方側支持部625は、屋根体6の内側に配置される下方側支持部626よりも下方に位置する。
【0065】
2つの下方側支持部625,626は、端部パネル材672の幅方向(屋根体6の前後方向)の前後枠材62側の端部を下方側から支持する。下方側支持部625,626には、上方側に開放するビード配置溝625a,626aが形成される。ビード配置溝625a,626aには、
図10の上方側の分解図に示すように、上方に向けて開放するY字状のビード材(弾性部材)625b,626bが配置される。Y字状のビード材(弾性部材)625b,626bは、端部パネル材672の端部の下方側から当接する。
【0066】
Y字状のビード材625b,626bは、上面が凹状に窪んで形成される。これにより、Y字状のビード材625b,626bは、両端部がしっかりと端部パネル材672に密着して、接触面積を大きくすることができ、摩擦抵抗が上がることで、密着力が上げることができる。
【0067】
Y字状のビード材(弾性部材)625b,626bを使用することで、Y字状のビード材625b,626bは、両端部がしっかりと端部パネル材672に密着して、接触面積を大きくすることで摩擦抵抗を上げることで、端部パネル材672への密着力を上げて、端部パネル材672を滑りにくい状態で支持できる。よって、端部パネル材672が下方側支持部625,626の部分から抜けにくくなるため、端部パネル材672の撓みを一層抑制できる。また、2点の下方側支持部625,626のY字状のビード材625b,626bにより、2重に止水できるため、止水性能を向上できる。
【0068】
前後枠材側パネル端部カバー部材627は、断面形状がL字状に形成され、前後枠材62の長手方向に延びる。前後枠材側パネル端部カバー部材627は、前後枠材62の幅方向に延びる上面板状部627aと、上面板状部627aの外側の端部から下方に延びる下方延在片627cと、上面板状部627aの内側の端部の下面に形成されるパネル材保持構成部628と、を有する。
【0069】
上面板状部627aは、板状に形成され、前後枠材側ホロー部621の上方側に前後枠材側ホロー部621に対向して配置される。上面板状部627aは、上面板状部627aの幅方向の外側の端部に形成されるネジ固定部627bを有する。ネジ固定部627bは、ネジ601により、前後枠材62のネジ孔構成突起部623に締結される。
下方延在片627cは、上面板状部627aの外側の端部から下方に延びることで、端部パネル材672の端部を覆う。
【0070】
パネル材保持構成部628は、1つの上方側保持部629を有する。1つの上方側保持部629は、前後枠材62における2つの下方側支持部625,626のうち、ネジ孔構成突起部623側の下方側支持部625の上方に対向した位置に配置される。上方側保持部629は、下方側に開放するビード配置溝629aが形成される。ビード配置溝629aには、
図10の上方側の分解図に示すように、下方に向けて開放するY字状のビード材(弾性部材)629bが配置される。Y字状のビード材(弾性部材)629bは、端部パネル材672の端部の上方側から当接する。Y字状のビード材629bは、下面が凹状に窪んで形成される。Y字状のビード材629bは、前述のY字状のビード材625b,626bと上下を逆に配置して構成されるだけで、前述のY字状のビード材625b,626bと同様の構成である。
【0071】
Y字状のビード材(弾性部材)629bを使用することで、Y字状のビード材629bは、両端部がしっかりと端部パネル材672に密着して、接触面積を大きくすることで摩擦抵抗を上げることで、端部パネル材672への密着力を上げて、端部パネル材672を滑りにくい状態で保持できる。よって、端部パネル材672が上方側保持部629の部分から抜けにくくなるため、端部パネル材672の撓みを一層抑制できる。
【0072】
以上のように構成される前後枠材62においては、
図10に示すように、前後枠材62の2つの下方側支持部625,626に、端部パネル材672の前後枠材62側の端部を配置した状態で、前後枠材側パネル端部カバー部材627を、前後枠材62にネジ601で固定する。これにより、端部パネル材672の前後枠材62側の端部は、前後枠材62により、下方側において2点(下方側支持部625,626)で支持されると共に、前後枠材側パネル端部カバー部材627により、上方側から1点(上方側保持部629)で保持される。端部パネル材672は、施工時に、前後枠材62側の端部が、前後枠材62が延びる水平方向に沿った直線状に配置されると共に、中間アーチ64から前後枠材62に向かって下り傾斜で傾斜した状態で、前後枠材62と前後枠材側パネル端部カバー部材627との間で保持される。
【0073】
図10に示すように、前後枠材側樋部622は、前後枠材側ホロー部621における屋根体6の外側に形成され、前後枠材62の長手方向の全域に亘って延びる。前後枠材側樋部622は、前後枠材62における上方が開放された枠状に形成され、屋根体6の上面を流れる水が流入されて、前後枠材側樋部622には、流入された水が溜められる。
【0074】
複数の中間アーチ64について説明する。
中間アーチ64は、
図4及び
図11に示すように、一対の左右枠材63を繋ぐように屋根体6の左右方向に延びる。中間アーチ64の長手方向の両端部は、一対の左右枠材63にネジ固定される。中間アーチ64は、下方に配置される中間アーチ本体70と、中間アーチ本体70の上方に配置される中間アーチカバー部材75と、を有する。中間アーチ本体70及び中間アーチカバー部材75は、
図4に示すように、屋根体6の左右方向の中央が両端部よりも上方側に位置するように湾曲される。
【0075】
中間アーチ本体70は、
図11に示すように、中空部を有するホロー構成部71と、ネジ孔構成突起部72と、一対のパネル材支持部73と、を有する。中間アーチ本体70は、アルミ材料の押出し形材で形成される。
【0076】
ホロー構成部71は、アルミ材料で形成され、所定幅を有して、左右方向に延びる。ホロー構成部71は、断面形状が略台形状に形成され、断面形状において、平面状の下面711と、平面状の上面712と、一対の傾斜側面713(傾斜部)と、を有する。
【0077】
下面711及び上面712は、上下方向に離間して略平行に配置される。上面712の幅方向の長さは、下面711の幅方向の長さよりも長く形成される。
傾斜側面713は、ホロー構成部71の幅方向の端部において、上方側から下方側に向かうに従って幅方向の内側に向かうように傾斜する。これにより、中間アーチ本体70は、ホロー構成部71が、幅方向の端部において、上方側から下方側に向かうに従って幅方向の内側に向かうように傾斜する略台形形状に形成される。そのため、中間アーチ本体70は、曲げ加工し易い形状であり、長手方向の中央が両端部よりも上方に位置するように湾曲させ易い。
【0078】
ネジ孔構成突起部72及び一対のパネル材支持部73は、
図11に示すように、ホロー構成部71の上面712に形成される。ネジ孔構成突起部72は、中間アーチ本体70の幅方向の中央に形成される。一対のパネル材支持部73は、ネジ孔構成突起部72を挟んで、中間アーチ本体70の幅方向に離間して配置される。
【0079】
一対のパネル材支持部73は、それぞれ、2つの下方側支持部731,732(支持部)を有する。2つの下方側支持部731,732は、中間アーチ本体70の幅方向に離間して、中間アーチ本体70の幅方向の内側から外側に向かってこの順に並んで配置される。
【0080】
2つの下方側支持部731,732は、パネル材67(中間パネル材671、端部パネル材672)における中間アーチ64側の端部において、パネル材67の下方側から2点で支持する。下方側支持部731,732には、上方側に開放するビード配置溝731a,732aが形成される。ビード配置溝731a,732aには、
図11の上方側の分解図に示すように、上方に向けて開放するY字状のビード材(弾性部材)731b,732bが配置される。Y字状のビード材(弾性部材)731b,732bは、パネル材67の端部の下方側から当接する。Y字状のビード材731b,732bは、前述のY字状のビード材625b,626bと同様の構成である。
【0081】
Y字状のビード材(弾性部材)731b,732bを使用することで、Y字状のビード材731b,732bは、両端部がしっかりとパネル材67に密着して、接触面積を大きくすることで摩擦抵抗を上げることで、パネル材67への密着力を上げて、パネル材67を滑りにくい状態で支持できる。よって、パネル材67が下方側支持部731,732の部分から抜けにくくなるため、パネル材67の撓みを一層抑制できる。また、2点の下方側支持部731,732のY字状のビード材731b,732bにより、2重に止水できるため、止水性能を向上できる。
【0082】
中間アーチカバー部材75は、
図11に示すように、中間アーチ本体70の上方に配置され、中間アーチ本体70との間に湾曲したパネル材67(中間パネル材671、端部パネル材672)の端部を挟み込む。中間アーチカバー部材75は、板状部76と、板状部76の幅方向の中央に形成されるネジ固定部77と、板状部76の外側の端部の下面に形成される一対のパネル材保持構成部78と、を有する。板状部76は、板状に形成され、中間アーチ本体70のホロー構成部71の上方側にホロー構成部71に対向して配置される。ネジ固定部77は、ネジ705により、中間アーチ本体70のネジ孔構成突起部72に締結される。一対のパネル材保持構成部78は、ネジ固定部77を挟んで、中間アーチカバー部材75の幅方向に離間して形成される。
【0083】
一対のパネル材保持構成部78は、それぞれ、1つの上方側保持部781を有する。1つの上方側保持部781は、中間アーチ本体70における2つの下方側支持部731,732のうち、ネジ孔構成突起部72側の下方側支持部731の上方に対向した位置に配置される。上方側保持部781には、下方側に開放するビード配置溝781aが形成される。ビード配置溝781aには、
図11の上方側の分解図に示すように、下方に向けて開放するY字状のビード材(弾性部材)781bが配置される。Y字状のビード材(弾性部材)781bは、パネル材67の端部の上方側から当接する。Y字状のビード材781bは、前述のY字状のビード材629bと同様の構成である。
【0084】
Y字状のビード材(弾性部材)781bを使用することで、Y字状のビード材781bは、両端部がしっかりとパネル材67に密着して、接触面積を大きくすることで摩擦抵抗を上げることで、パネル材67への密着力を上げて、パネル材67を滑りにくい状態で保持できる。よって、パネル材67が上方側保持部781の部分から抜けにくくなるため、パネル材67の撓みを一層抑制できる。
【0085】
以上のように構成される中間アーチ64においては、
図11に示すように、中間アーチ本体70の2つの下方側支持部731,732に、中間パネル材671の中間アーチ64側の端部を配置した状態で、中間アーチカバー部材75を、中間アーチ本体70にネジ705で固定する。
【0086】
隣接する中間アーチ64の間において、中間アーチ64に連結される中間パネル材671は、中間パネル材671の幅方向の両側の中間アーチ64側の端部が、
図11に示すように、中間アーチ本体70により、下方側において2点(下方側支持部731,732)で支持されると共に、中間アーチカバー部材75により、上方側において、1点(上方側保持部781)で保持される。
【0087】
これにより、中間パネル材671は、施工時に、隣接する中間アーチ64の間において、中間アーチ64の湾曲形状に沿って湾曲するように変形された状態で、中間アーチ64に保持される。よって、湾曲して配置される中間パネル材671を、2つの下方側支持部731,732において、撓みを抑制した状態で支持できる。従って、複数の中間アーチ64及びパネル材67の下方において複数の中間アーチ64に直交して延びる複数の中骨部材を配置しなくても、中間パネル材671の撓みを抑制した状態で、中間パネル材671を配置できる。これにより、屋根体6の強度を確保することができる。
【0088】
また、前後枠材62と中間アーチ64との間において、前後枠材62と中間アーチ64とに連結される端部パネル材672は、端部パネル材672の中間アーチ64側の端部が、
図11に示すように、中間アーチ本体70により、下方側において2点(下方側支持部731,732)で支持されると共に、中間アーチカバー部材75により、上方側において、1点(上方側保持部781)で保持される。また、端部パネル材672の前後枠材62側の端部が、
図10に示すように、前後枠材62により、下方側において2点(下方側支持部625,626)で支持されると共に、前後枠材側パネル端部カバー部材627により、上方側において、1点(上方側保持部629)で保持される。
【0089】
これにより、端部パネル材672は、施工時に、中間アーチ64側において、中間アーチ64の湾曲形状に沿って湾曲するように変形されると共に、前後枠材62側において、前後枠材62が延びる水平に配置されることで、中間アーチ64から前後枠材62に向かうに従って水平に形成され、
図5に示すように、中間アーチ64から前後枠材62に向かうに従って中間アーチ64から前後枠材62側に下るように傾斜して、中間アーチ64と前後枠材62との間に配置される。よって、湾曲して配置される端部パネル材672を、中間アーチ64側の2つの下方側支持部731,732及び前後枠材62の2つの下方側支持部625,626において、撓みを抑制した状態で支持できる。従って、複数の中間アーチ64及びパネル材67の下方において複数の中間アーチ64に直交して延びる複数の中骨部材を配置しなくても、中間パネル材671の撓みを抑制した状態で、中間パネル材671を配置できる。これにより、屋根体6の強度を確保することができる。
【0090】
また、前後枠材62に端部パネル材672が直接接続されるため、前後枠材62側に端部パネル材672を連結する端部アーチを設けずに、前後枠材62を端部アーチと一体化することができる。これにより、部品点数を削減でき、端部アーチに要する製造コストを低減できる。また、前後枠材62を端部アーチと一体化することができるため、施工性を向上できる。また、中間アーチ64や中間パネル材671がアーチ状に形成されても、フレーム体61が水平(フラット)に形成され、中間アーチ64から前後枠材62に向かって下り傾斜で傾斜する。そのため、中間アーチ64の湾曲形状が見えにくく、フレーム体61が水平(フラット)であるため、外観において、屋根体6をフラットに見せることができる。また、屋根体6の前後枠材62側の端部において、端部パネル材672が下り傾斜した状態で前後枠材62に接続されるため、端部パネル材672と前後枠材62とに一体感を生じさせて、外観を一層スッキリと見せることができる。これにより、意匠性を一層向上できる。
【0091】
屋根体6のフレーム体61のコーナー部分610における連結構造について説明する。
図12は、屋根体6のコーナー部分610の平面図である。
図13は、屋根体6のコーナー部分610の分解斜視図である。
図14は、
図12のH-H線断面図、I-I線断面図である。
【0092】
前後枠材62と左右枠材63とは、
図12に示すように、屋根体6のフレーム体61のコーナー部分610において連結される。屋根体6のフレーム体61のコーナー部分610においては、前後枠材62と左右枠材63が連結されることで、前後枠材側樋部622及び左右枠材側樋部632が連結され、これにより、フレーム体61の四周に亘って連続して樋部(前後枠材側樋部622及び左右枠材側樋部632)が形成される。
【0093】
前後枠材62の端面620は、前後枠材62の長手方向に対して、例えば45°傾斜して形成される。左右枠材63の端面630は、左右枠材63の長手方向に対して、例えば45°傾斜して形成される。前後枠材62の端面620及び左右枠材63の端面630は、コーナー連結部材68及びコーナー止水部材69を介して、互いに突き合わされて接続される。なお、前後枠材62の端面620及び左右枠材63の端面630の傾斜角度は、45°に限定されない。互いが傾斜面で突き合わされて接続できる角度であればよい。
【0094】
コーナー連結部材68は、
図12及び
図13に示すように、平面視L字状の板材により形成され、前後枠材62の端面620及び左右枠材63の端面630の接続部分に配置される。コーナー連結部材68は、前後枠材62の前後枠材側ホロー部621と、左右枠材63の左右枠材側ホロー部631と、を連結する。
【0095】
コーナー連結部材68は、
図13に示すように、L字状のベース板681と、一対の内側立ち上がり片682と、一対の外側立ち上がり片683と、を有する。一対の内側立ち上がり片682は、それぞれ、L字状のベース板681の各辺における内側の端部において、上方に立ち上がる。一対の外側立ち上がり片683は、それぞれ、L字状のベース板681の各辺における外側の端部において、上方に立ち上がる。内側立ち上がり片682と外側立ち上がり片683とが対向する部分においては、断面形状がU字状に形成される。コーナー連結部材68は、屋根体のコーナー部分610(
図12参照)において、前後枠材62の前後枠材側ホロー部621の内部と左右枠材63の左右枠材側ホロー部631とに跨って、前後枠材62及び左右枠材63をL字状に連結する。
【0096】
コーナー止水部材69は、
図13に示すように、前後枠材62の端面620及び左右枠材63の端面630の接続部分において、前後枠材62の端面620及び左右枠材63の端面630との間に配置される。コーナー止水部材69と前後枠材62とが合わされる部分、及びコーナー止水部材69と左右枠材63とが合わさる部分には、コーキングの処理が施されている。コーナー止水部材69は、例えば、樹脂材料で形成される。コーナー止水部材69は、上方から下方に窪む凹状の樋側止水部691と、樋側止水部691に連続して形成されるホロー側止水部692と、を有する。
【0097】
樋側止水部691は、
図13に示すように、前後枠材62の前後枠材側樋部622と左右枠材63の左右枠材側樋部632との接続部分を止水する。樋側止水部691は、U字状の樋側本体枠691aと、一対の樋下方側止水片691bと、一対の樋外側止水片691cと、一対の樋内側止水片691dと、を有する。
【0098】
樋側本体枠691aは、樋側止水部691が取り付けられた状態において、前後枠材62の前後枠材側樋部622のU字状の端面と左右枠材63の左右枠材側樋部632のU字状の端面との間に挟まれて配置される。
一対の樋下方側止水片691bは、コーナー止水部材69が取り付けられた状態において、前後枠材62の前後枠材側樋部622及び左右枠材63の左右枠材側樋部632の底部の内面に沿って配置される。
一対の樋外側止水片691cは、コーナー止水部材69が取り付けられた状態において、前後枠材62の前後枠材側樋部622及び左右枠材63の左右枠材側樋部632の外壁の内面に沿って配置される。
一対の樋内側止水片691dは、コーナー止水部材69が取り付けられた状態において、前後枠材62の前後枠材側樋部622及び左右枠材63の左右枠材側樋部632の内壁の内面に沿って配置される。
【0099】
ホロー側止水部692は、
図13に示すように、開口部692aが形成されたホロー側本体枠692bと、一対のホロー下方側片692cと、一対のホロー上方側片692dと、を有する。ホロー側止水部692の開口部692aには、コーナー止水部材69が取り付けられた状態において、コーナー連結部材68が挿通されており、コーナー連結部材68の屈曲部分が配置される。
【0100】
ホロー側本体枠692bは、コーナー止水部材69が取り付けられた状態において、前後枠材62の前後枠材側ホロー部621の開口状の端面と左右枠材63の左右枠材側ホロー部631の開口状の端面との間に挟まれて配置される。
一対のホロー下方側片692cは、コーナー止水部材69が取り付けられた状態において、前後枠材62の前後枠材側ホロー部621及び左右枠材63の左右枠材側ホロー部631の底部の下面に沿って配置される。
一対のホロー上方側片692dは、コーナー止水部材69が取り付けられた状態において、前後枠材62の前後枠材側ホロー部621及び左右枠材63の左右枠材側ホロー部631の上部の下面に沿って配置される。
【0101】
以上のように、屋根体6のコーナー部分610において、前後枠材62の端面620と左右枠材63の端面630とを連結する場合には、前後枠材62と左右枠材63との間に、コーナー止水部材69を配置した状態で、コーナー連結部材68で連結する。これにより、前後枠材62と左右枠材63とを強固に連結すると共に、屋根体6のコーナー部分610において、前後枠材62と左右枠材63との間の止水性能を向上できる。
【0102】
また、屋根体6のコーナー部分610において、前後枠材62の傾斜した端面620及び左右枠材63の傾斜した端面630が互いに突き合わされて接続されるため、互いの接続部分が角部を頂点に位置させることができる。これにより、前後枠材62及び左右枠材63の接続部分が外部から視認しにくく、意匠性を向上できる。
【0103】
また、前後枠材62の前後枠材側樋部622及び左右枠材63の左右枠材側樋部632には、それぞれ、屋根体6のコーナー部分610を補強するために、コーナー部分610の接続部分から所定距離離間した位置に、
図12に示すように、補強スリーブ651(補強部材)が配置される。補強スリーブ651は、コーナー部分610から所定距離離間した位置において、前後枠材側樋部622及び左右枠材側樋部632の内部に配置され、前後枠材側樋部622又は左右枠材側樋部632が延びる方向に沿って所定長さ延びる。
【0104】
補強スリーブ651は、
図14に示すように、前後枠材側樋部622及び左右枠材側樋部632の断面形状に沿って形成され、断面形状が上方に開放したU字状に形成される。補強スリーブ651が前後枠材側樋部622及び左右枠材側樋部632の内部に配置されることで、屋根体6のコーナー部分610において、前後枠材62の端部と左右枠材63との端部における歪みを軽減できる。補強スリーブ651は、例えば、アルミ材料で形成される。
【0105】
補強スリーブ651と前後枠材側樋部622との間、及び補強スリーブ651と左右枠材側樋部632との間には、発泡材料で形成された止水部材652(発泡部材)が配置される。止水部材652は、断面形状がU字状に形成され、補強スリーブ651と同じ位置において、略同じ長さに形成される。本実施形態では、止水部材652として、例えば、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)の発泡体を用いている。これにより、補強スリーブ651と前後枠材側樋部622との間、及び補強スリーブ651と左右枠材側樋部632との間に水が滞留することを抑制できる。なお、本実施形態においては、補強スリーブ651及び止水部材652を、左右枠材63の左右枠材側樋部632に配置した構成を図示して説明したが、前後枠材62の前後枠材側樋部622についても同様である。
【0106】
以上のように、補強スリーブ651及び止水部材652を設けることで、前後枠材62及び左右枠材63の形材が製造時の押出し成形などにより歪んで成形された場合であっても、補強スリーブ651により、コーナー部分610における前後枠材62及び左右枠材63の歪みを強制して、前後枠材62の端部及び左右枠材63の端部の形を整えることができる。これにより、コーナー部分610において、前後枠材62の前後枠材側樋部622及び左右枠材63の左右枠材側樋部632の接続部分における止水性能を一層向上できる。また、止水部材652により、前後枠材62の前後枠材側樋部622と補強スリーブ651との間や、左右枠材63の左右枠材側樋部632と補強スリーブ651との間に、水が滞留することを抑制できる。従って、止水性能を一層向上できる。
【0107】
また、コーナー部分610の接続部分から所定距離離間した位置に補強スリーブ651及び止水部材652を設けている。そのため、コーナー部分610の接続部分において、コーナー止水部材69と前後枠材62とが合わさる部分にコーキングの処理を施す場合や、コーナー止水部材69と左右枠材63とが合わさる部分にコーキングの処理を施す場合に、補強スリーブ651及び止水部材652がコーキングの処理の邪魔にならないため、コーキングの処理を施す際の施工性が良好である。
【0108】
また、本実施形態においては、左右枠材63は、
図12に示すように、複数の左右枠材構成部材640が屋根体6の前後方向に直線状に並べられて構成されている。隣接する複数の左右枠材構成部材640の接続部分には、繋ぎ補強スリーブ655が配置される。
【0109】
繋ぎ補強スリーブ655は、前述の補強スリーブ651と同様の部材を用いることができる。繋ぎ補強スリーブ655は、
図14に示すように、左右枠材63を構成する複数の左右枠材構成部材640の断面形状に沿って形成され、断面形状が上方に開放したU字状に形成される。
【0110】
繋ぎ補強スリーブ655は、隣接する左右枠材構成部材640を接続するように、左右枠材構成部材640の内部において、隣接する左右枠材構成部材640に跨って配置される。繋ぎ補強スリーブ655が隣接する左右枠材構成部材640の内部に配置されることで、隣接する左右枠材構成部材640の接続部分を補強して、左右枠材63の強度を向上させることができる。繋ぎ補強スリーブ655は、例えば、アルミ材料で形成される。
【0111】
繋ぎ補強スリーブ655と左右枠材構成部材640との間には、発泡材料で形成された繋ぎ止水部材656(発泡部材)が配置される。繋ぎ止水部材656は、前述の止水部材652と同様の部材を用いることができる。繋ぎ止水部材656断面形状がU字状に形成され、繋ぎ補強スリーブ655と同じ位置において、略同じ長さに形成される。本実施形態では、繋ぎ止水部材656として、例えば、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)の発泡体を用いている。これにより、繋ぎ補強スリーブ655と左右枠材構成部材640との間に水が滞留することを抑制できる。そして、隣接する左右枠材構成部材640の接続部分から水が落下することを抑制できる。
【0112】
以上説明した本実施形態のシェルター1の屋根体6によれば、以下のような効果を奏する。
本実施形態においては、屋根体6は、水平方向に延びる一対の前後枠材62と、一対の前後枠材62に直交して水平方向に延びる一対の左右枠材63と、が方形状に枠組みされて形成されたフレーム体61と、一対の前後枠材62の間に複数並んで配置され、長手方向の両端部それぞれが一対の左右枠材63に接続され、かつ、長手方向の中央が両端部よりも上方側に位置するように湾曲する複数の中間アーチ64と、隣接する中間アーチ64に沿って湾曲する複数の中間パネル材671と、複数の中間アーチ64のうちの最も前後枠材62側の中間アーチ64と前後枠材62との間に配置される端部パネル材672であって、最も前後枠材62側の中間アーチ64と前後枠材62とに連結され、かつ、最も前後枠材62側の中間アーチ64から前後枠材62に向かって下り傾斜で傾斜する端部パネル材672と、を備える。
【0113】
そのため、前後枠材62に端部パネル材672が直接接続されるため、前後枠材62側に端部パネル材672を連結する端部アーチを設けずに、前後枠材62を端部アーチと一体化することができる。これにより、部品点数を削減でき、端部アーチに要する製造コストを低減できる。また、前後枠材62を端部アーチと一体化することができるため、施工性を向上できる。また、中間アーチ64や中間パネル材671がアーチ状に形成されても、フレーム体61が水平(フラット)に形成され、中間アーチ64から前後枠材62に向かって下り傾斜で傾斜する。そのため、中間アーチ64の湾曲形状が見えにくく、フレーム体61が水平(フラット)であるため、外観において、屋根体6をフラットに見せることができる。また、屋根体6の前後枠材62側の端部において、端部パネル材672が下り傾斜した状態で前後枠材62に接続されるため、端部パネル材672と前後枠材62との一体感が生じて、外観を一層スッキリと見せることができる。これにより、意匠性を一層向上できる。
【0114】
また、本実施形態においては、端部パネル材672は、最も前後枠材62側の中間アーチ64から前後枠材62まで延びる面材で構成され、最も前後枠材62側の中間アーチ64側における長手方向の湾曲形状に沿う長さが、前後枠材62側における前後枠材62の長手方向に沿う長さよりも長く形成される。これにより、端部パネル材672を、中間アーチ64から前後枠材62に向かって徐々に湾曲形状から水平形状になるような形状に形成して、最も前後枠材62側の中間アーチ64と前後枠材62との間に配置できる。そのため、中間アーチ64、端部パネル材672及び前後枠材62の一体感を生じさせて、外観を一層スッキリと見せることができる。これにより、意匠性を一層向上できる。
【0115】
また、本実施形態においては、左右枠材側パネル端部押さえ部材633は、前後枠材62との間に所定の間隔を空けて配置される。これにより、左右枠材側パネル端部押さえ部材633は、端部パネル材672における前後枠材62側の端部672tを押さえていないため、端部パネル材672に作用する応力を逃がすことができる。また、端部パネル材672の上面を流れる水を、端部パネル材672における前後枠材62側の端部672tにおいて、左右枠材63の左右枠材側樋部632に流すことができる。これにより、排水性能を向上できる。
【0116】
以上、本発明のシェルター1の好ましい一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、シェルター1を、屋根体6を左右方向の両側それぞれにおいて一対の支柱2で支持する、いわゆる、両支持構造のシェルター1により説明したが、これに限定されず、屋根体6を左右方向の一方の端部を支柱で支持する、いわゆる、片支持構造のシェルターでもよい。また、本実施形態のシェルター1は、支柱2の上端部に屋根体6が置かれる置き構造としたが、これに限定されず、両支持構造及び片支持構造のシェルターいずれの場合においても、屋根体6が梁に吊られる吊り構造としてもよい。
【0117】
例えば、本発明を片支持構造のシェルターに適用した変形形態について説明する。
図15は、片支持構造のシェルター1Aを示す斜視図である。変形形態の説明にあたって、前記実施形態の構成と異なる構成について主に説明し、前記実施形態の構成と同一の構成については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
【0118】
図15に示すように、変形形態の片支持構造のシェルター1Aは、主に、前記実施形態のシェルター1(
図1等参照)の両支持構造を片支持構造に変更した形態であり、屋根体6の構成は、前記実施形態の屋根体6の構成と同様である。シェルター1Aは、屋根体6と、屋根体6の一方側に配置される2つの支柱2と、2つの梁4と、吊金具5と、を備える。シェルター1Aは、屋根体6が一方側において支柱2に支持される片支持構造である。また、屋根体6は、吊金具5を介して、梁4に吊られる吊り構造である。変形形態のシェルター1Aの屋根体6においても、前記実施形態のシェルター1の屋根体6と同様の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0119】
6 屋根体
61 フレーム体
62 前後枠材(第1枠材)
63 左右枠材(第2枠材)
64 中間アーチ
633 左右枠材側パネル端部押さえ部材(パネル押さえ部材)
671 中間パネル材
672 端部パネル材