(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-08
(45)【発行日】2022-02-17
(54)【発明の名称】内視鏡およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
A61B 1/07 20060101AFI20220209BHJP
A61B 1/06 20060101ALI20220209BHJP
G02B 23/26 20060101ALI20220209BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20220209BHJP
【FI】
A61B1/07 733
A61B1/06 531
G02B23/26 B
A61B1/00 735
(21)【出願番号】P 2018030667
(22)【出願日】2018-02-23
【審査請求日】2021-01-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000113263
【氏名又は名称】HOYA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】越智 国孝
【審査官】高松 大
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-296111(JP,A)
【文献】特開2001-299677(JP,A)
【文献】特開2006-047335(JP,A)
【文献】特開2007-296112(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0261178(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/07
A61B 1/06
G02B 23/26
A61B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検部位に挿入される挿入部を有する内視鏡であって、
ケースと、
撮像素子を有し、前記ケースに当接する第1当接面を有する撮像ユニットと、
照明装置の光源となるチップ状の発光素子
であって、その発光面を基準とした位置で前記撮像ユニットに固定される発光素子と、
前記ケース
に収容され、前記発光素子よりも前記発光素子の
光の照射方
向側に、前記発光素子の発光面に対向するように設けら
れ、前記発光素子から照射された光を集光して前記被検部位に照射する照明レンズと、
を有し、
前記ケースは、前記発光面と前記照明レンズの前
記発光面に対向する対向面との距離が所定の値になるように
、前記撮像ユニットの前記第1当接面に当接する第2当接面、を有する内視鏡。
【請求項2】
前記発光素子を
有し、前記撮像ユニットの挿入を許す貫通孔を有する発光素子ユニット
、をさらに有し、
治具に対して、前記撮像ユニットの前記第1当接面及び前記発光面の両方を当接させることによって、前記発光素子ユニットを前記撮像ユニットに固定する、請求項1に記載の内視鏡。
【請求項3】
被検部位に挿入される挿入部を有する内視鏡であって、
ケースと、
撮像素子を有し、前記ケースに当接する第1当接面を有する撮像ユニットと、
照明装置の光源となるチップ状の複数の発光素子
であって、それらの発光面を基準とした位置で前記撮像ユニットに固定される複数の発光素子と、
前記ケース
に収容され、前記複数の発光素子よりも前記複数の発光素子の
光の照射方
向側に、前記複数の発光素子の発光面に対向するように設けら
れ、前記複数の発光素子から照射された光を集光して前記被検部位に照射する複数の照明レンズと
、を有し、
前記ケースは、前記複数の発光素子の前記発光面と前記
複数の照明レンズの前
記発光面に対向する対向面との距離が所定
の値になるように
、前記撮像ユニットの前記第1当接面に当接する第2当接面、を有する内視鏡。
【請求項4】
前記複数の発光素子を
有し、前記撮像ユニットの挿入を許す貫通孔を有する発光素子ユニット
、をさらに有し、
治具に対して、前記撮像ユニットの前記第1当接面及び前記発光素子ユニットの前記複数の発光素子の発光面が当接することによって、前記発光素子ユニットが前記撮像ユニットに固定される、請求項3に記載の内視鏡。
【請求項5】
前記複数の発光素子の仕様(配光角や光量など)が複数ある場合において、前記発光素子ごとに、前記照明レンズ間の距離が異なっている
、請求項3又は4に記載の内視鏡。
【請求項6】
前記照明レンズの代わりに、平板ガラスを用いた
、請求項5に記載の内視鏡。
【請求項7】
被検部位に挿入される挿入部を有する内視鏡の製造方法であって、
ケースと、前記ケースに当接する第1当接面を有する撮像ユニットと、を準備する工程と、
照明装置の光源となるチップ状の発光素子
を、その発光面を基準とした位置で前記撮像ユニットに固定する工程と、
前記ケース内に
、前記発光素子よりも前記発光素子の
光の照射方
向側に、前記発光素子の発光面に対向するように、前記発光素子から照射された光を集光して前記被検部位に照射する照明レンズを取り付ける工程と、
前記発光面と前記照明レンズの前
記発光面に対向する対向面との距離が所定の値になるように
、前記撮像ユニットの前記第1当接面を前記ケースの第2当接面に当接させる工程と、を有する内視鏡の製造方法。
【請求項8】
前記発光素子を前記
撮像ユニットに固定する工程は、
治具に対して、前記撮像ユニットの前記第1当接面及び前記発光面の両方を当接させることによって、前記発光素子を前記撮像ユニットに固定する工程を含む、請求項7に記載の内視鏡の製造方法。
【請求項9】
被検部位に挿入される挿入部を有する内視鏡の製造方法であって、
ケースと、前記ケースに当接する第1当接面を有する撮像ユニットと、を準備する工程と、
照明装置の光源となるチップ状の複数の発光素子を
、それらの発光面を基準とした位置で前記撮像ユニットに固定する工程と、
前記ケース内に
、前記複数の発光素子よりも前記複数の発光素子の
光の照射方
向側に、前記複数の発光素子の発光面に対向するように、前記複数の発光素子から照射された光を集光して前記被検部位に照射する複数の照明レンズを取り付ける第1の工程と、
前記発光面と前記照明レンズの前
記発光面に対向する対向面との距離が所定
の値になるように
、前記撮像ユニットの前記第1当接面を前記ケースの第2当接面に当接させる第2の工程と、を有する内視鏡の製造方法。
【請求項10】
前記第2の工程は、前記複数の発光素子毎に独立して、前記発光面と前記対向面との距離を調整する工程を有する
、請求項
9に記載の内視鏡の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に内視鏡は、手許操作部と、この手許操作部から延びて被険部位に挿入される挿入部を備え、挿入部は、手許操作部側から順に、可撓性のある可撓管、遠隔操作により屈曲する湾曲管、及び先端硬性部を備えている。
内視鏡には、先端に対物光学系やCCD等の撮像素子を有する撮像ユニットと、被検部位を照明するための照明用レンズを有する照明ユニットとが配設された細長の挿入部が設けられている。挿入部の先端にLEDが配設することで内視鏡挿入部の小型化が可能である(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、LEDなどの発光素子を光源として用いた場合に、LEDの端面(発光面)と照明用レンズとの間の距離(相対位置)が発光素子により又は発光素子間でばらつくと、配光特性に影響が出ることで視野が一定にならないという問題があった。
例えば、発光素子の厚さが適正値(理想値)と異なることによる発光素子の端面(発光面)と照明用レンズとの間の距離のばらつきが生じる。
また、1つの内視鏡の照明装置において例えば発光色の異なる複数の発光素子を用いる場合に、発光素子間の厚さにばらつきがあると、所望の照明が得られないという問題がある。
【0005】
本発明は、発光素子の端面(発光面)と照明用レンズとの間の距離のばらつきを抑制することを目的とする。
また、本発明は、複数の発光素子を用いる場合に、発光素子間の厚さのばらつきを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一観点によれば、被検部位に挿入される挿入部を有する内視鏡であって、前記挿入部の先端のケースに取り付けられ照明装置の光源となるチップ状の発光素子と、前記ケース内において前記発光素子よりも前記発光素子の照射方向の先端側に、前記発光素子の発光面に対向するように設けられた、前記発光素子から照射された光を集光して前記被検部位に照射する照明レンズと、前記発光素子の前記発光面と前記照明レンズの前記発光素子の発光面に対向する対向面との距離が所定の値になるように調整する位置調整機構とを有する内視鏡が提供される。
【0007】
前記位置調整機構は、前記ケースに設けられ、撮像素子を有する筒状の撮像ユニットと、前記発光素子を固定し前記撮像ユニットの挿入を許す貫通孔を有する発光素子ユニットと、により前記発光素子を固定する発光素子固定部の前記対向面側の一面と当接する第1の当接面と、前記撮像ユニットの前記対向面側に前記対向面と当接する第2の当接面とにより構成されていることが好ましい。
【0008】
また、本発明は、被検部位に挿入される挿入部を有する内視鏡であって、前記挿入部の先端のケースに取り付けられ照明装置の光源となるチップ状の複数の発光素子と、前記ケース内において前記複数の発光素子よりも前記複数の発光素子の照射方向の先端側に、前記発光素子の発光面に対向するように設けられた、前記発光素子から照射された光を集光して前記被検部位に照射する複数の照明レンズと、前記複数の発光素子の前記発光面と前記照明レンズの前記発光素子の発光面に対向する対向面との距離が所定の一定の値になるように調整する位置調整機構とを有する内視鏡である。
複数の発光素子の仕様が複数ある場合において、前記発光素子ごとに、前記照明レンズ間の距離が異なっていても良い。
前記照明レンズの代わりに、平板ガラス(平板透明樹脂)を用いても良い。
【0009】
前記位置調整機構は、前記ケースに設けられ、撮像素子を有する筒状の撮像ユニットと、前記複数の発光素子を固定し前記撮像ユニットの挿入を許す貫通孔を有する発光素子ユニットと、により前記複数の発光素子を固定する発光素子固定部の前記対向面側の一面と当接する第1の当接面と、前記撮像ユニットの前記対向面側に前記対向面と当接する第2の当接面とにより構成されていることが好ましい。
【0010】
本発明の他の観点によれば、被検部位に挿入される挿入部を有する内視鏡の製造方法であって、前記挿入部の先端のケースに取り付けられ照明装置の光源となるチップ状の発光素子を準備する工程と、前記ケース内において前記発光素子よりも前記発光素子の照射方向の先端側に、前記発光素子の発光面に対向するように、前記発光素子から照射された光を集光して前記被検部位に照射する照明レンズを取り付ける工程と、前記発光面と前記照明レンズの前記発光素子の発光面に対向する対向面との距離が所定の値になるように調整して前記発光素子を前記ケース内に取り付ける工程と、を有する内視鏡の製造方法が提供される。
【0011】
前記発光素子を前記ケース内に取り付ける工程は、前記ケースに設けられ、前記発光素子を固定する撮像ユニットと前記発光素子を固定し前記撮像ユニットの挿入を許す貫通孔を有する発光素子ユニットとを有する発光素子固定部の前記対向面側の一面と前記対向面とを当接させて固定する工程を有するようにすると良い。
また、前記発光素子を前記ケース内に取り付ける工程の前に、前記撮像ユニットと前記発光素子ユニットとを、前記発光素子の発光面の高さが一定になるように固定する工程を有するようにしても良い。
【0012】
また、本発明は、被検部位に挿入される挿入部を有する内視鏡の製造方法であって、前記挿入部の先端のケースに取り付けられ照明装置の光源となるチップ状の複数の発光素子を準備する工程と、前記ケース内において前記発光素子よりも前記複数の発光素子の照射方向の先端側に、前記複数の発光素子の発光面に対向するように、前記複数の発光素子から照射された光を集光して前記被検部位に照射する照明レンズを取り付ける第1の工程と、前記発光面と前記照明レンズの前記発光素子の発光面に対向する対向面との距離が所定の一定の値になるように調整して前記複数の発光素子を前記ケース内に取り付ける第2の工程と、を有する内視鏡の製造方法である。
前記第2の工程は、前記複数の発光素子毎に独立して、前記発光面と前記対向面との距離を調整する工程を有するようにすると良い。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、発光素子の端面(発光面)と照明用レンズとの間の距離のばらつきを抑制することができる。
また、本発明によれば、複数の発光素子を用いる場合に、発光素子間の厚さのばらつきを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第1の実施の形態による内視鏡の概略構成例を示す図である。
【
図2】本実施の形態による内視鏡の挿入部に設けられる照明装置の一構成例を示す断面図である。
【
図3】
図3は、
図2に示す照明装置の各構成部品の一例を示す図であり、
図3(a)は、ケースユニット、
図3(b)は発光素子ユニット(以下、発光素子をLEDで代表させて呼称する。)、
図3(c)は撮像ユニットの図である。
【
図4】
図2に示す各ユニットを組み立てて
図1に示す照明装置を製造するための工程を示す図である。
【
図6】本発明の第2の実施の形態による内視鏡の製造工程を示す図であり、
図4(b)に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の一実施の形態による内視鏡について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態による内視鏡の概略構成例を示す図である。
図1に示すように、内視鏡10は、操作者が把持する把持操作部11と、この把持操作部11から延出する挿入部12とを有している。挿入部12は、先端側から順に、先端硬性部13と、湾曲管14と、可撓管15とを接続してなる。先端硬性部13は、実質的に弾性変形不能な硬質樹脂材料(例えば、ABS、変性PPO、PSUなど)によって構成されている。湾曲管14は、内周側から順に、複数の湾曲駒をリベットで回転自在に連結した湾曲管と、この湾曲管の外周を被覆する網状管と、この網状管の外周をさらに被覆する湾曲管外皮とによって構成され、把持操作部11に設けた湾曲操作レバー16の回転操作に応じて湾曲可能となっている。可撓管15は、内周側から順に、螺旋管と、この螺旋管の外周を被覆する網状管と、この網状管の外周をさらに被覆する可撓管外皮とによって構成されている。挿入部12を構成する先端硬性部13、湾曲管14及び可撓管15は略同一の外径を有している。
【0017】
把持操作部11からはユニバーサルチューブ17が延出されており、このユニバーサルチューブ17の先端にはコネクタ部18が設けられている。内視鏡10には、挿入部12(先端硬性部13、湾曲管14、可撓管15)、把持操作部11、ユニバーサルチューブ17、コネクタ部18が設けられ、コネクタ部18のコネクタ端子18aがビデオプロセッサのコネクタ端子(図示せず)に接続される。また、先端硬性部13には対物レンズと撮像素子及びLED(
図2以降で後述する)が設けられており、この対物レンズを介して撮像素子で得られた被写体の画像信号が信号ケーブル(図示せず)を通じてビデオプロセッサに伝送される。
【0018】
図2は、本実施の形態による内視鏡の挿入部に設けられる内視鏡光源として用いる内視鏡の照明装置の一構成例を示す断面図である。
図3は、
図2に示す内視鏡の照明装置の各構成部品の一例を示す図であり、
図3(a)は、ケースユニット、
図3(b)は発光素子ユニット(以下、「発光素子」を「LED(素子)」で代表させて呼称する。)、
図3(c)は撮像ユニットの断面図である。
【0019】
図2、
図3に示すように、本実施の形態による内視鏡の照明装置は、ケースユニット1と、LEDユニット51と、撮像ユニット81と、を有している。
ケースユニット1は、例えば円筒状の先端ケース3を有している。円筒状の先端ケース3に設けられた貫通孔5の内面は、LEDユニット51と撮像ユニット81とを組み立てた、後述する対物アセンブリの挿入を許すような内径で形成されている。
ケースユニット1の先端側には、先端側からガラス製などの照明レンズ31a,31b、…を嵌め込んで収容する照明レンズ収容部20(側面7,底面19)が形成されている。
さらに、照明レンズ収容部20の底面19よりも先端部と反対側には、後述する対物アセンブリの当接面と当接する第1の当接面(平面B)21が形成されている。
【0020】
図3(b)に示すように、LEDユニット51は、ヒートシンク53などの基台上に搭載されたLED基板55と、LED基板55上に形成されたLED素子(右,R)57,LED素子(左、L)61が搭載されている。ここでは、2つのLED素子が配置されている例を示すが、LED素子の数は限定されるものではない。符号58は後述するように、撮像ユニット81を収容するための貫通孔を示す。
LED素子57,61には、それぞれの発光面57a,61aが形成されている。また、基台(53)には、LED素子57,61に対して電力を供給するためのケーブル71が設けられている。
【0021】
図3(c)に示すように、撮像ユニット81は、撮像素子として例えば固体撮像素子83と、先端側に形成される対物レンズ87とを有している。撮像ユニット81は、先端側の小径部とそれに続く大径部とを有し、小径部と大径部との間には、先端側から見てリング形状の領域91(平面A)が形成されている。先端レンズ87とレンズ枠88とを接着するために接着剤89が使用される。
【0022】
図4、
図5は、
図3に示す各ユニットを組み立てて
図2に示す照明装置を製造するための要部の工程を示す図である。
図4(a)に示すように、まず、撮像ユニット81をLEDユニット51の貫通孔58内に挿入する。
図4(b)に示すように、LEDの発光面57a,61aと当接する平面103を有する治具101などを用いて、LEDの端面(発光面)57a,61aを基準として、撮像ユニット81とLEDユニット51の貫通孔58の内周部とを接着剤、溶接などにより所定の位置で固定することで、対物アセンブリ95を形成することができる。このようにして組み立てた対物アセンブリ95において、LED端面と平面A91との距離が所定の値となる。所定の位置(値)は、例えば、適正値である。治具101を精密に作製することで、寸法精度を高めることができる。従って、この治具101により、対物アセンブリ95を形成することで、LED端面と平面A91との距離h2の精度を極めて高いものとすることができる。
【0023】
LED端面57a,61aを基準として所定の位置で撮像ユニット81とLEDユニット51との固定を行うため、撮像ユニット81とLEDユニット51のLEDの端面との間における部品寸法や組み立て寸法などの誤差の影響を抑制することができる。
次に、
図5(a)に示すように、ケースユニット1の貫通孔5内に対物アセンブリ95を挿入していくと、平面A91と平面B21とが当接した位置で、対物アセンブリ95の挿入動作を停止させることができる。
このように、本実施の形態においては、LEDの発光面57a,61aと照明レンズ31a,31bのLED素子の発光面57a,61aに対向する対向面20との距離が所定の値になるように構成された位置調整機構が設けられている。
【0024】
従って、
図5(b)に示すように、LEDの端面と平面A91との距離h2を所定の値(適正値)と合わせることができる。従って、照明レンズとLEDの発光面との距離Hも、部品寸法や組付寸法の誤差の影響を受けずに所定の値(適正値)に合わせることができる。
従って、照明装置の配光特性のLED素子の厚み等に依存する誤差の発生を抑制することができるため、内視鏡における適正値に沿った良好な視野が得られる。
【0025】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態と第1の実施の形態との相違点は、複数のLEDにおいて、例えば、左右の異なる位置のLEDの厚さなどの違いを考慮することができるようにした点である。
【0026】
図6は、
図4(b)に対応する図である。
図6においては、左右のLED55,57の厚さが異なっている。このような場合でも、左右のLED55,57を配置するLEDユニット51において、左右のLEDユニットの位置を調整できるように構成する。このようにすることで、例えば、
図6に示すように、右側のLEDユニットと左側のLEDユニットとの軸方向に沿った位置を、2つのLED55,57の端面(発光面)57a,61aが同じ位置になるように調整できる。従って、
図4(b)と実質的に同じ状態とすることができる。
【0027】
このように、第1の実施の形態の位置調整機構に加えて、複数のLED素子の位置を調整する機構を設けたことで、複数のLEDを備えている場合において、LEDの厚さにバラツキがあっても、照明装置の配光特性のばらつきが抑制されるため、良好な視野が得られる。
従って、照明装置の配光特性の複数のLED素子間(面内)のばらつきが抑制されるため、内視鏡における良好な視野が得られる。
尚、複数のLED55,57を使用する場合で、さらにLED55,57の仕様(配光角や光量など)が複数ある場合には、LED55,57ごとに、照明レンズ(
図5では、31a,31b)間の距離は異なってもいても良い。
すなわち、LED55,57ごとに適正値(最適値)が異なるため、最適距離は異なる。この場合には、治具101の各距離を変えることで対応可能である。
また、照明レンズ(
図5では、31a,31b)の代わりに、平板ガラス(平板透明樹脂)を使用しても良い。
【0028】
上記の実施の形態において、図示されている構成等については、これらに限定されるものではなく、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
また、本発明の各構成要素は、任意に取捨選択することができ、取捨選択した構成を具備する発明も本発明に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、内視鏡に利用可能である。
【符号の説明】
【0030】
1 ケースユニット
3 円筒状の先端ケース
5 貫通孔
10 内視鏡
11 把持操作部
12 挿入部
13 先端硬性部
14 湾曲管
15 可撓管
20 照明レンズ収容部
51 LEDユニット(発光素子ユニット)
53 ヒートシンク
55 LED基板
57 LED素子(右,R)
57a 発光面
58 貫通孔
61 LED素子(左、L)
61a 発光面
71 ケーブル
81 撮像ユニット
101 治具