IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

7022122船舶の排出ガス浄化ユニットにおける洗浄液の流量を決定するシステムと方法
<>
  • -船舶の排出ガス浄化ユニットにおける洗浄液の流量を決定するシステムと方法 図1
  • -船舶の排出ガス浄化ユニットにおける洗浄液の流量を決定するシステムと方法 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-08
(45)【発行日】2022-02-17
(54)【発明の名称】船舶の排出ガス浄化ユニットにおける洗浄液の流量を決定するシステムと方法
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/04 20060101AFI20220209BHJP
   B01D 53/92 20060101ALI20220209BHJP
   B01D 53/18 20060101ALI20220209BHJP
【FI】
F01N3/04 A ZAB
F01N3/04 D
B01D53/92 215
B01D53/92 331
B01D53/18 150
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019517798
(86)(22)【出願日】2017-10-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-16
(86)【国際出願番号】 EP2017077558
(87)【国際公開番号】W WO2018078075
(87)【国際公開日】2018-05-03
【審査請求日】2020-10-15
(31)【優先権主張番号】16196145.3
(32)【優先日】2016-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518378101
【氏名又は名称】ヤラ マリン テクノロジーズ エーエス
【氏名又は名称原語表記】YARA MARINE TECHNOLOGIES AS
【住所又は居所原語表記】Drammensveien 134 Building no. 6, 0277 Oslo, Norway
(74)【代理人】
【識別番号】100065248
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(72)【発明者】
【氏名】バハドゥール タパ,シャム
(72)【発明者】
【氏名】アールストレーム,クリストフェル
【審査官】二之湯 正俊
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/119513(WO,A1)
【文献】特許第5999228(JP,B1)
【文献】特開昭62-023423(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0044335(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/00- 3/38
F01N 9/00-11/00
B01D 53/92
B01D 53/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶内に設置された排出ガス浄化ユニットの洗浄液注入口における洗浄液の合計流量Qtotを決定するシステムであって、その排出ガス浄化ユニットは、
・ 排出ガス導入口と排出ガス排出口との間に排気ガス流を備える気体浄化パイプと、
・ 気体浄化パイプ内に異なる高さレベルで設けられた2つ以上の噴霧ノズルとを備え、
噴霧ノズルの各々は
・排出ガスからSOの少なくとも一部を除去するために気体浄化パイプ内に存在する排出ガスに洗浄液を噴霧するようになっており、
・各噴霧ノズルを開きおよび閉じるようにするバルブによって作動され、
前記排出ガス浄化ユニットは、それぞれのバルブによって開かれて活性化される最上位の活性噴霧ノズルを備え、
前記システムは、
・ 最上位の活性噴霧ノズルに印加されバールで表される圧力Pを測定するように配置された少なくとも1つの圧力センサと、
・ プロセスコントローラとを備え、
プロセスコントローラは、
・個別の活性噴霧ノズルの各々を介して流れる洗浄液のリットル/分又はm3/hで表される流量Qindを次式を用いて算出し、
ind=K×√(P-圧力補正値+高さ補正値)
(但し、
■Kは噴霧ノズルのタイプによる噴霧ノズル係数、
■圧力補正値は、洗浄液の主供給パイプの噴霧ノズルまでの距離による圧力損失およびパイプそれ自体の圧力損失に対してバールで表される圧力Pの補正因子、そして
■高さ補正値は、流量が算出される各活性噴霧ノズルに対する圧力センサの位置の高さの差に基づきバールで表される圧力Pの補正因子である)
・排出ガス浄化ユニットの洗浄液注入口における洗浄液のリットル/分又はm3/hで表される合計流量Qtotを、個別の活性噴霧ノズルの各々を通る洗浄液の異なる流量Qindを合計することによって算出するシステム。
【請求項2】
最上位の活性噴霧ノズルに印加される圧力Pは、最上位の活性噴霧ノズルの上流で気体浄化パイプの外で測定された洗浄液の圧力である請求項1記載のシステム。
【請求項3】
噴霧ノズルは螺旋タイプのものである請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
噴霧ノズルを作動させるバルブは遠隔操作される請求項1~3のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項5】
船舶に設置される排出ガス浄化ユニットの浄化液注入口における浄化液の合計流量Qtotを決定する方法であって、その排出ガス浄化ユニットは排出ガス導入口と排出ガス排出口との間に排出ガスの流れを有する気体浄化パイプを備え、その方法は、
・ 排出ガスからSOの少なくとも一部を除去するために、洗浄液を、各作動可能バルブによって開かれて活性化され排出ガス浄化ユニットの気体浄化パイプ内に異なる高さで配置された2つ以上の活性噴霧ノズルによって、気体浄化パイプ内に存在する排出ガスに吹込み、
・ バルブによって開かれて活性化された最上位の活性噴霧ノズルに印加されバールで表される圧力Pを1つ以上の圧力センサを用いて測定し、
・ 個別の活性噴霧ノズルの各々を通って流れる洗浄液のリットル/分で表される流量Qindを、次式を用いてプロセスコントローラによって算出し、
ind=K×√(P-圧力補正値+高さ補正値)
(但し、
■Kは噴霧ノズルのタイプによる噴霧ノズル係数、
■圧力補正値は、洗浄液の主供給パイプの噴霧ノズルまでの距離による圧力損失およびパイプそれ自体の圧力損失に対してバールで表される圧力Pの補正因子、そして
■高さ補正値は、流量が算出される各活性噴霧ノズルに対する圧力センサの位置の高さの差に基づきバールで表される圧力Pの補正因子である)
・ 排出ガス浄化ユニットの洗浄液注入口における洗浄液のリットル/分又はm3/hで表される合計流量Qtotを、個別の活性噴霧ノズルの各々を通る洗浄液の異なる流量Qindをプロセスコントローラで合計することによって算出する工程を備える方法。
【請求項6】
圧力Pおよび高さ補正値は、排出ガス浄化ユニットの設置期間中に決定される請求項5に記載の方法。
【請求項7】
請求項1~4のいずれか1つに記載のシステムを用いる請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
方法がコンピュータで実行される請求項5~7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
請求項5~8のいずれか1つに記載の方法を実行するプログラムコード指令を備えたコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項10】
請求項5~8のいずれか1つに記載の方法を実行するように構成された請求項1~4のいずれか1つに記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、船舶の1つ以上のエンジンからの排気ガスを浄化するために設計され船舶に据え付けられた排出ガス浄化ユニット、特に、湿式気体浄化システムの内部における、とくにその排気ガス導入口のレベルにおける、洗浄液の合計流量を決定する技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
MEPC.259(68)4.4.7,2015の「排出ガス浄化システムのガイドライン」によれば、EGC(排出ガス浄化)ユニットは、EGCユニットの(洗浄水)注入口連結部における洗浄水の圧力と流量を自動的に記録しなければならない。
【0003】
現在、湿式気体浄化装置の洗浄液注入孔において、洗浄液の流量を測定する流量センサを用いることが知られている。上記の要求を満たすために、船舶に設置される湿式気体浄化装置は、各々、この流量を測定するそのような流量センサを備える必要があるが、湿式気体浄化装置の直線パイプの直径の少なくとも5倍が流量の正しい測定に必要であるので、船舶内でこれらの流量計を設置する適当な場所を見つけることを難しくしている。
【0004】
従って、低価格で、船舶内でほとんどスペースを必要とせず、保守の要求が殆どなく、当該技術分野で用いられる流量センサより信頼できる成績を提供する、湿式気体浄化装置の導入口における洗浄液の合計流量を決定するシステムと方法を提供することが、重要になる。
【0005】
[発明の要旨]
この出願は、第1の観点において、船舶内に設置された排出ガス浄化ユニットの洗浄液注入口における洗浄液の合計流量Qtotを決定するシステムを提供し、その排出ガス浄化
ユニットは、
- 排出ガス導入口と排出ガス排出口との間に排気ガス流を有する気体浄化パイプと、
- 気体浄化パイプ内に異なる高さレベルで設けられた2つ以上の噴霧ノズルとを備え、
噴霧ノズルの各々は
・排出ガスからSOの少なくとも一部を除去するために気体浄化パイプ内に存在する排出ガスに洗浄液を噴霧するようになっており、
・各噴霧ノズルを開きおよび閉じるようにするバルブによって作動され、
前記排出ガス浄化ユニットは、それぞれのバルブによって開かれて活性化される最上位の活性噴霧ノズルを備え、
前記システムは、
- 最上位の活性噴霧ノズルに印加されバールで表される圧力Pを測定するように配置さ
れた少なくとも1つの圧力センサと、
- プロセスコントローラとを備え、
プロセスコントローラは、
・個別の活性噴霧ノズルの各々を介して流れる洗浄液のリットル/分又はm3/hで表さ
れる流量Qを次式を用いて算出し、
ind=K×√(P-圧力補正値+高さ補正値)
(但し、
■Kは噴霧ノズルのタイプによる噴霧ノズル係数、
■圧力補正値は、気体浄化パイプ内の各噴霧ノズルの高度の関数としてバールで表される圧力Pの補正因子、そして
■高さ補正値は、流量が算出される各活性噴霧ノズルに対する圧力センサの位置の高さの差に基づきバールで表される圧力Pの補正因子である)
・排出ガス浄化ユニットの洗浄液注入口における洗浄液のリットル/分又はm3/hで表さ
れる合計流量Qtotを、個別の活性噴霧ノズルの各々を通る洗浄液の異なる流量Qを合計
することによって算出する。
【0006】
このシステムは、船舶における搭載スペースを十分に節約し、メンテナンスを殆ど必要とせず、より信頼性のある表示を提供するという利点を有する。さらに、現存するシステムをこのシステムで容易に取り換えることができる。
【0007】
この出願によるシステムの実施形態において、最上位の活性噴霧ノズルに印加される圧力Pは、最上位の活性噴霧ノズルの上流の気体浄化パイプの外で測定された洗浄液の圧力である。
【0008】
この出願によるシステムの実施形態において、噴霧ノズルは螺旋タイプのものである。
【0009】
これらの噴霧ノズルは、高いエネルギー効率を有し、詰まりにくく、高い放出速度を有する。
【0010】
この出願によるシステムの実施形態において、噴霧ノズルを作動させるバルブは、遠隔操作される。
【0011】
この出願は、第2の観点において、船舶に設置される排出ガス浄化ユニットの浄化液注入口における浄化液の合計流量Qtotを決定する方法を提供し、その排出ガス浄化ユニットは排出ガス導入口と排出ガス排出口との間に排出ガスの流れを有する気体浄化パイプを備え、その方法は、
- 排出ガスからSOの少なくとも一部を除去するために、洗浄液を、各作動可能バルブによって開かれて活性化され排出ガス浄化ユニットの気体浄化パイプ内に異なる高さで配置された2つ以上の活性噴霧ノズルによって、気体浄化パイプ内に存在する排出ガスに吹込み、
- バルブによって開かれて活性化された最上位の活性噴霧ノズルに印加されバールで表される圧力Pを1つ以上の圧力センサを用いて測定し、
- 個別の活性噴霧ノズルの各々を通って流れる洗浄液のリットル/分で表される流量Qindを、次式を用いてプロセスコントローラによって算出し、
ind=K×√(P-圧力補正値+高さ補正値)
(但し、
■Kは噴霧ノズルのタイプによる噴霧ノズル係数、
■圧力補正値は、気体浄化パイプ内の各噴霧ノズルの高度の関数としてバールで表される圧力Pの補正因子、そして
■高さ補正値は、流量が算出される各活性噴霧ノズルに対する圧力センサの位置の高さの差に基づきバールで表される圧力Pの補正因子である)
・排出ガス浄化ユニットの洗浄液注入口における洗浄液のリットル/分又はm3/hで表される合計流量Qtotを、個別の活性噴霧ノズルの各々を通る洗浄液の異なる流量Qindをプロセスコントローラで合計することによって算出する工程を備える。
【0012】
圧力補正値は、洗浄液の主供給パイプの噴霧ノズルまでの距離による圧力損失、パイプそれ自体の圧力損失、洗浄液の主供給パイプの噴霧ノズルまでのエルボーにおける圧力損失などである。
【0013】
この出願による可能な方法において、圧力および高さ補正値は、排出ガス浄化ユニットの設置期間中に決定される。
【0014】
この出願による方法の実施形態において、その方法は、この出願による上述のようなシステムを用いる。
【0015】
この出願は、第3の観点において、この出願による上述のような方法を提供し、その方法はコンピュータで実行される。
【0016】
この出願は、第4の観点において、この出願による上述のような方法を実行するプログラムコード指令を備えたコンピュータプログラムプロダクトを提供する。
【0017】
この出願は、第5の観点において、この出願による上述のようなシステムを提供し、そのシステムはこの出願による上述のような方法を実行するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】最上位の活性噴霧ノズルの上流の気体浄化パイプの外側の圧力を測定するための2つの圧力センサを備える、この出願によるシステムを備えた湿式気体状化システムを示す。
図2図1に示す代表的な湿式気体状化システムの排出ガス導入口(2)における洗浄液の合計流量Qtotを決定するためのプロセスコントローラの代表的なプログラミングブロックを示し、そこでは、最上位の活性噴霧ノズルの上流の気体浄化パイプの外側での圧力が2.1バールであり、噴霧ノズルI,II,V,VIは開いて活性である。
【0019】
[発明の詳細な説明]
図1に示されるように、排出ガス浄化ユニット、特に、湿式気体浄化システムは、その底部に排出ガス導入口(2)を、そしてその先端部に排出ガス排出口(3)を有し、その間に排気ガスが流れる気体浄化パイプ(1)を備える。気体浄化パイプ(1)の内部には、気体浄化パイプ(1)の全体に異なる高さレベルで搭載された、多数の噴霧ノズル(I-VI)が配置されている。噴霧ノズル(I-VI)の各々は、洗浄液、特に海水を気体浄化パイプ(1)の中に存在する排出ガスの中に吹き込み、排出ガスからSOの少なくとも一部、特にその必要量を除去する。特に、螺旋型の噴霧ノズルが使用される。洗浄液は洗浄液主パイプ(6)から種々の洗浄液副パイプ(7)に供給され、洗浄液副パイプ(7)は気体浄化パイプ(1)の内部の異なる噴霧ノズル(I-VI)の各々に洗浄液を供給する。
【0020】
噴霧ノズル(I-VI)の各々は、噴霧ノズル(I-VI)の各々を開きおよび閉じるように構成されたバルブ(a-f)、特にバタフライバルブによって作動される。開かれた、従って、活性化された噴霧ノズルは、「活性」噴霧ノズルとも呼ばれる。これらのバルブ(a-f)は、1つ以上のアクチュエータ(図示しない)によって遠隔的に制御(開および閉)される。
【0021】
さらに、MEPC.259(68)4.4.7,2015の「排出ガス浄化システムのガイドライン」により要求される、洗浄液主パイプ(6)を流れる洗浄液の合計流量Qtotを決定するシステムが設けられる。従って、そのシステムは、個別の活性噴霧ノズルの各々への洗浄液の異なる個別の流量Qindを合計することによって、洗浄液主パイプ(6)内の洗浄液の合計流量Qtotを算出するように構成されたプロセスコントローラ(図示しない)を備える。従って、そのプロセスコントローラは、次式を用いて、個別の活性噴霧ノズルの各々を介して流れる洗浄液の流量Qindを算出するように構成される。
ind=K×√(P-圧力補正値+高さ補正値)
(但し、
■Pは最上位の活性噴霧ノズルに印加される圧力、
■Kは噴霧ノズルのタイプによる噴霧ノズル係数、
■圧力補正値は、気体浄化パイプ内の各噴霧ノズルの高度の関数としてバールで表される圧力Pの補正因子、そして
■高さ補正値は、流量が算出される各活性噴霧ノズルに対する圧力センサの位置の高さの差に基づきバールで表される圧力Pの補正因子である)
【0022】
最上位の活性噴霧ノズルに印加される圧力Pを測定するために、システムは少なくとも1つの圧力センサ(4)を備える。圧力Pは、バルブが最上位の活性噴霧ノズルを作動させるバルブの上流の、気体浄化パイプ(1)の外の洗浄液主パイプ(6)の内部で特に測定される(図1参照)。特に2つの圧力センサ(4)が重複して適用されている。つまり、これらの2つの圧力センサ(4)において測定された圧力の差が大きい時、それらはチェックされるべきであり、欠陥のある方は調整される必要がある。圧力指示器は、2つの圧力センサ(4)によって測定される圧力Pを示す(圧力Pは圧力センサ(4)の各々で同じであるべきである)。
【0023】
有利なことに、圧力および高さ補正値は、湿式気体浄化システムの設置時に決定される。
【0024】
湿式気体浄化装置を介して洗浄液が流れない時には、ポンプが停止され、噴霧ノズル(I-VI)の各高さにおける流量は零となり、従って、湿式気体浄化装置の注入口の高さにおける合計流量も零になる。
【0025】
このシステムは、排出ガス内のSO2のCO2に対する比が警告値を超える場合に警告を発するように構成された排気ガス放出監視システムを備えることができる。
[実施例]
【0026】
図2は、図1に示す代表的な湿式気体浄化システムの排気ガス導入口(2)における洗浄液の合計流量Qtotを決定するプロセスコントローラの代表的なプログラミングブロックをしめす。図2に示すように、最上位の活性噴霧ノズルは第1噴霧ノズル(I)である。第1噴霧ノズル(I)の作動バルブの上流で、気体浄化パイプ(1)の外側において測定された圧力は、2.1バールであった。第2,第5,第6噴霧ノズル(II,V,VI)が開かれ、活性になった。
【0027】
異なる個別の噴霧ノズルの高さにおける流量Qindは、次の通りである。
・ 噴霧ノズルI:1550×√(2.1-0.4)=2020.95l/min又は121.2572 m3/h;
・ 噴霧ノズルII:2552×√(2.1-0.4+0.1)=3423.87l/min又は205.432 m3/h;
・ 噴霧ノズルV:1752×√(2.1-0.4+0.8185)=2780.39l/min又は166.8231 m3/h;
・ 噴霧ノズルVI:1752×√(2.1-0.4+0.9085)=2829.63l/min又は169.7777 m3/h;
【0028】
気体浄化装置の注入口における洗浄液の合計流量Qtotは噴霧ノズル当たりの個々の流量Qindの合計(121.2572+205.432+166.8231+169.7777)m3/hつまり663 m3/hであった。
図1
図2