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特許7022144LNG及び液体窒素のための二重極低温載荷タンクを有する船舶/浮遊貯蔵ユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-08
(45)【発行日】2022-02-17
(54)【発明の名称】LNG及び液体窒素のための二重極低温載荷タンクを有する船舶/浮遊貯蔵ユニット
(51)【国際特許分類】
   B63B 25/16 20060101AFI20220209BHJP
   B63B 43/06 20060101ALI20220209BHJP
【FI】
B63B25/16 P
B63B25/16 Z
B63B43/06 A
B63B25/16 G
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2019553853
(86)(22)【出願日】2018-02-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-23
(86)【国際出願番号】 US2018017992
(87)【国際公開番号】W WO2018182862
(87)【国際公開日】2018-10-04
【審査請求日】2019-09-30
(31)【優先権主張番号】62/478,961
(32)【優先日】2017-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517002476
【氏名又は名称】エクソンモービル アップストリーム リサーチ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】ブラッカート オースティン
(72)【発明者】
【氏名】バラサブラマニアン サティシュ
【審査官】結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特公昭53-005321(JP,B1)
【文献】特開平11-115885(JP,A)
【文献】特開2016-120814(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0251763(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0192626(US,A1)
【文献】特開昭55-123585(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0127470(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0167787(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 25/16,43/06,
B63H 21/38,
F17C 13/00,
F25J 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液化天然ガス(LNG)及び液化窒素(LIN)を輸送するための水上輸送船であって、
前記水上輸送船の長さに沿って配置されてLNG又はLINを内部に収容するように構成された複数の2重目的極低温貯蔵タンクを備え、
前記水上輸送船の前記長さに沿って配置されてLNGのみをそこに収容するように構成されたLNG専用極低温貯蔵タンクを更に備え、
前記複数の2重目的極低温貯蔵タンクは、前記LNG専用極低温貯蔵タンクの両側に配置され
水上輸送船に搭載されて配置された液化モジュールであって、前記複数の2重目的極低温貯蔵タンクのうちの少なくとも1つに収容されたLINを使用して第1の場所で受け入れられた天然ガスストリームを液化するように構成された前記液化モジュールを更に備えている、
ことを特徴とする水上輸送船。
【請求項2】
前記複数の2重目的極低温貯蔵タンクの各々が、横方向にさらに分割されている、
請求項1に記載の水上輸送船。
【請求項3】
前記LNG専用極低温貯蔵タンクは、横方向にさらに分割されている、
請求項1または2に記載の水上輸送船。
【請求項4】
前記複数の2重目的極低温貯蔵タンク及び前記LNG専用極低温貯蔵タンクのうちの少なくとも一方に長手方向副分割器を更に備えている、
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の水上輸送船。
【請求項5】
前記複数の2重目的極低温貯蔵タンクが第1の場所でLINが空にされている時に水バラストを輸送船に追加し、かつ
前記複数の2重目的極低温貯蔵タンク及び前記LNG専用極低温貯蔵タンクが前記第1の場所でLNGで充填されている時に前記水バラストを輸送船から排出する、
ように構成された水バラストシステムを更に備えている、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の水上輸送船。
【請求項6】
前記複数の2重目的極低温貯蔵タンク及び前記LNG専用極低温貯蔵タンクのうちの少なくとも一方に収容されたLNGから燃料供給されるように構成された推進システムを備えている、
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の水上輸送船。
【請求項7】
船舶推進のためのLNGを保持するように構成されたLNG専用極低温燃料タンクを更に備えている、
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の水上輸送船。
【請求項8】
水上輸送船で液化天然ガス(LNG)及び液化窒素(LIN)を輸送する方法であって、
第1の場所で、前記輸送船の長さに沿って位置決めされた複数の2重目的極低温貯蔵タンクからLINを空にする段階と、
前記第1の場所で、前記複数の2重目的極低温貯蔵タンクと、該複数の2重目的極低温貯蔵タンクに平行に前記輸送船の前記長さに沿って位置決めされたLNG専用極低温貯蔵タンクと、をLNGで充填する段階と、
前記輸送船を使用して前記LNGを第2の場所まで輸送する段階と、
前記第2の場所で、前記複数の2重目的極低温貯蔵タンク及び前記LNG専用極低温貯蔵タンクから前記LNGを空にする段階と、
前記第2の場所で、前記複数の2重目的極低温貯蔵タンクをLINで充填する段階と、
前記輸送船を使用して前記LINを前記第1の場所まで輸送する段階と、を含み、
前記LINが前記LNG専用極低温貯蔵タンク内に配置されず、
前記複数の2重目的極低温貯蔵タンクは、前記輸送船の長さに沿って2又は3以上の列に配置され、
前記LNG専用極低温貯蔵タンクは、前記輸送船の長さに沿った前記2又は3以上の列の隣接する2列の間に配置され
前記複数の2重目的極低温貯蔵タンクのうちの少なくとも1つから空にされたLINを使用して前記第1の場所で受け入れられた天然ガスストリームを前記水上輸送船上で液化する段階、を更に含み、
前記液化する段階は、前記第1の場所で前記複数の2重目的極低温貯蔵タンク及び前記LNG専用極低温貯蔵タンクのうちの少なくとも一方を充填する前記LNGを生成する、
ことを特徴とする方法。
【請求項9】
前記第1の場所は、LNG液化施設に隣接する、
請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の場所は、LNG再ガス化施設及びLIN生成施設のうちの少なくとも一方に隣接する、
請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の場所で、前記LNG専用極低温貯蔵タンクからLNGを空にする前にLNGの前記複数の2重目的極低温貯蔵タンクを空にする段階と、
前記第2の場所で、前記LNG専用極低温貯蔵タンクからLNGを空にする間に前記複数の2重目的極低温貯蔵タンクをLINで充填する段階と、を更に含む、
請求項8ないし10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の場所で、前記複数の2重目的極低温貯蔵タンクからLINを空にする間に前記LNG専用極低温貯蔵タンクをLNGで充填する段階を更に含む、
請求項8ないし11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の場所及び/又は前記第2の場所で、前記複数の2重目的極低温貯蔵タンク及び前記LNG専用極低温貯蔵タンクを空にする及び充填する間は前記輸送船の荷重平衡を維持する段階、を更に含む、
請求項8ないし12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記複数の2重目的極低温貯蔵タンクが第1の場所でLINが空にされている時に水バラストを前記輸送船に追加する段階と、
前記複数の2重目的極低温貯蔵タンク及び前記LNG専用極低温貯蔵タンクが前記第1の場所でLNGで充填されている時に前記水バラストを前記輸送船から排出する段階と、を更に含む、
請求項8ないし13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記LNG専用極低温貯蔵タンクからLNGを空にする段階は、該LNG専用極低温貯蔵タンク内のLNGの輸送船燃料許容量を維持する段階を含む、
請求項8ないし14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記LNG専用極低温貯蔵タンクからLNGを空にする段階は、船舶推進用LNGを保持するように構成されたLNG専用極低温燃料タンク内のLNGの輸送船燃料許容量を維持する段階を含む、
請求項8ないし15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の2重目的極低温貯蔵タンクをLINがそこに貯蔵された時にLIN液化温度に又はそれよりも低く維持する段階と、
前記複数の2重目的極低温貯蔵タンクをLNGがそこに貯蔵された時にLNG液化温度又はそれよりも低いが前記LIN液化温度よりも低くなく維持する段階と、を更に含む、
請求項8ないし16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記LNG専用極低温貯蔵タンクを、LNGがそこに貯蔵された時にLNG液化温度又はLNG液化温度より低いが前記LIN液化温度よりも低くない温度に、維持する段階を更に含む、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
水上輸送船で液化天然ガス(LNG)及び液化窒素(LIN)を輸送する方法であって、
第1の場所で、前記輸送船の長さに沿って位置決めされた複数の2重目的極低温貯蔵タンクからLINを空にする段階と、
前記第1の場所で、前記複数の2重目的極低温貯蔵タンクと該複数の2重目的極低温貯蔵タンクの間に前記輸送船の前記長さに沿って位置決めされたLNG専用極低温貯蔵タンクとをLNGで充填する段階と、
前記輸送船を使用して前記LNGを第2の場所まで輸送する段階と、
前記第2の場所で、前記複数の2重目的極低温貯蔵タンク及び前記LNG専用極低温貯蔵タンクから前記LNGを空にする段階と、
前記第2の場所で、前記複数の2重目的極低温貯蔵タンクをLINで充填する段階と、
前記輸送船を使用して前記LINを前記第1の場所まで輸送する段階と、
前記第1の場所及び/又は前記第2の場所で、前記複数の2重目的極低温貯蔵タンク及び前記LNG専用極低温貯蔵タンクを空にする及び充填する間は前記輸送船の荷重平衡を維持する段階と、を含み、
前記複数の2重目的極低温貯蔵タンクは、前記第2の場所で前記LNG専用極低温貯蔵タンクからLNGを空にする前にLNGが空にされ、
前記複数の2重目的極低温貯蔵タンクは、前記第2の場所で前記LNG専用極低温貯蔵タンクからLNGを空にする間にLINで充填され、
前記LNG専用極低温貯蔵タンクは、前記第1の場所で前記複数の2重目的極低温貯蔵タンクからLINを空にする間にLNGで充填され
前記複数の2重目的極低温貯蔵タンクのうちの少なくとも1つから空にされた前記LINを使用して前記第1の場所で受け入れられた天然ガスストリームを前記水上輸送船上で液化する段階、を更に含み、
前記液化する段階は、前記第1の場所で前記複数の2重目的極低温貯蔵タンク及び前記LNG専用極低温貯蔵タンクのうちの少なくとも一方を充填する前記LNGを生成する、
ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
この出願は、引用によって本明細書にその全体が組み込まれている「LNG及び液体窒素のための二重極低温載荷タンクを有する船舶/浮遊貯蔵ユニット」という名称の2017年3月30日出願の米国特許出願第62/478,961号の優先権利益を主張するものである。
【0002】
本発明の開示は、一般的に、液化天然ガス(LNG)を形成する天然ガス液化の分野に関する。より具体的には、本発明の開示は、天然ガスの海上及び/又は遠隔供給源からのLNGの生成及び移送に関する。
【背景技術】
【0003】
この節は、本発明の開示に関連付けることができる当業技術の様々な態様を導入することを意図している。この議論は、本発明の開示の特定の態様のより良い理解を容易にするフレームワークを提供することを意図している。従って、この節は、これに照らしてかつ必ずしも従来技術の受容としてではなく読むべきであることを理解しなければならない。
【0004】
LNGは、天然ガスを天然ガスの豊富な供給を有する場所から天然ガスの強力な需要を有する離れた場所まで供給する急速に成長している手段である。従来のLNGサイクルは、a)水、硫黄化合物、及び二酸化炭素のような汚染物質を除去するための天然ガス資源の初期処理、b)自己冷凍、外部冷凍、希薄オイルなどを含む様々な可能な方法によるプロパン、ブタン、ペンタンなどのような一部のより重い炭化水素ガスの分離、c)液化天然ガスを大気圧及び約-160℃で又はその近くで形成するための実質的に外部冷凍による天然ガスの冷凍、d)市場場所までの専用に設計された船舶又はタンカーでのLNG製品の輸送、及びe)天然ガス消費者まで流通させることができる加圧天然ガスへの再ガス化プラントでのLNGの再加圧及び再ガス化を含む。従来のLNGサイクルの段階(c)は、実質的な炭素及び他の排出物を放出する大型ガスタービンドライバによって動力供給されることが多い大型冷凍圧縮機の使用が通常は必要である。数十億米ドルの大規模な資本投資及び広範なインフラストラクチャーが液化プラントの一部として必要である。従来のLNGサイクルの段階(e)は、低温ポンプを使用してLNGを所要圧力まで再加圧する段階、及び次に中間流体を通してただし最終的には海水と熱交換することにより、又は天然ガスの一部分を燃焼させてLNGを加熱及び気化させることによってLNGを加圧天然ガスまで再ガス化する段階を一般的に含む。一般的に、極低温LNGの入手可能なエネルギは利用されない。
【0005】
冷却剤として液体窒素(LIN)を使用して天然ガスを液化し、かつ極低温LNGのエネルギを使用して窒素ガスの液化を容易にし、その後に資源場所まで輸送されてLNGの生成のための冷凍源として使用することができるLINを形成することにより、従来のLNGサイクルの段階(c)及び(e)を修正することが提案されている。このLINからLNG概念は、資源場所(輸出ターミナル)から市場場所(輸入ターミナル)までの船舶又はタンカーでのLNGの輸送及び市場場所から資源場所までのLINの逆輸送を更に含む場合がある。LINからLNG概念は、LINをLNG液化場所まで輸送し、かつLNGをLNG再ガス化場所まで輸送するように設計された1又は2以上の極低温貯蔵タンクを有する2重用途輸送船でLIN及びLNGを輸送する段階を更に含む場合がある。これらの概念は、引用によってその開示が本明細書に全体的に組み込まれている2016年11月10日出願の「液体窒素を貯蔵するLNG輸送船上の天然ガス液化の方法」という名称の本出願人所有の米国特許出願第15/348,004号明細書に開示されている。LINからLNG概念は、浮遊生成ユニットから天然ガスを受け入れる液化船上でLNG液化が行われることになる時に有益であるように開示されたが、この概念は、同じく陸上LNG液化施設と共に使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許出願第15/348,004号明細書
【文献】米国特許第8,079,321号明細書
【文献】米国仮特許出願第62/463,274号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
既知の2重目的輸送船内の貯蔵タンクは、船首から船尾に配分される。必要なものは、搭載されたLNG及び/又はLINのタイプ及び量に関わらず一定及び水平喫水で航行することになる2重目的LIN/LNG輸送船である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の開示は、液化天然ガス(LNG)及び液化窒素(LIN)を輸送するための水上輸送船を提供する。複数の2重目的極低温貯蔵タンクが、船舶の長さに沿って配置される。複数の2重目的極低温貯蔵タンクは、LNG又はLINを収容することができる。LNG専用極低温貯蔵タンクは、船舶の長さに沿って配置することができる。LNG専用極低温貯蔵タンクは、LNGのみを収容する。
【0009】
本発明の開示はまた、液化天然ガス(LNG)及び液化窒素(LIN)を水上輸送船で輸送する方法を提供する。第1の場所では、輸送船の長さに沿って位置決めされた複数の2重目的極低温貯蔵タンクからLINが空にされる。その第1の場所では、複数の2重目的極低温貯蔵タンク及び追加の極低温貯蔵タンクがLNGで充填される。追加の貯蔵タンクは、複数の2重目的極低温貯蔵タンクに対して平行に輸送船の長さに沿って位置決めされている。輸送船を使用して、LNGは、複数の2重目的極低温貯蔵タンク及び追加の極低温貯蔵タンクからLNGが空にされる第2の場所まで輸送される。第2の場所では、複数の2重目的極低温貯蔵タンクがLINで充填される。LINは、輸送船を使用して第1の場所まで輸送される。
【0010】
本発明の開示は、液化天然ガス(LNG)及び液化窒素(LIN)を水上輸送船で輸送する方法を更に提供する。第1の場所では、輸送船の長さに沿って位置決めされた複数の2重目的極低温貯蔵タンクからLINが空にされる。この第1の場所では、複数の2重目的極低温貯蔵タンク及びLNG専用極低温貯蔵タンクがLNGで充填される。LNG専用極低温貯蔵タンクは、複数の2重目的極低温貯蔵タンク間で輸送船の長さに沿って位置決めされる。輸送船を使用して、LNGは、複数の2重目的極低温貯蔵タンク及びLNG専用極低温貯蔵タンクからLNGが空にされる第2の場所まで輸送される。第2の場所では、複数の2重目的極低温貯蔵タンクはLINで充填される。LINは、輸送船を使用して第1の場所まで輸送される。第1の場所及び/又は第2の場所では、輸送船の荷重平衡は、複数の2重目的極低温貯蔵タンク及びLNG専用極低温貯蔵タンクを空にする及び充填する間は維持される。複数の2重目的極低温貯蔵タンクは、第2の場所でLNG専用極低温貯蔵タンクからLNGが空にされる前にLNGが空にされる。複数の2重目的極低温貯蔵タンクは、第2の場所でLNG専用極低温貯蔵タンクからLNGが空にされている間にLINで充填される。LNG専用極低温貯蔵タンクは、第1の場所で複数の2重目的極低温貯蔵タンクからLINが空にされている間にLNGで充填される。
【0011】
以上は、以下の詳細説明をより良く理解することができるように本発明の開示の特徴を広く概説したものである。追加の特徴も以下で本明細書に説明する。
【0012】
本発明の開示のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の説明、添付の特許請求の範囲、及び以下に簡潔に説明する添付図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】本発明の開示の態様による船舶の側面図である。
図1B】本発明の開示の態様による船舶の上面図である。
図1C】本発明の開示の態様による船舶の端部断面図である。
図2】開示する態様による方法を示す簡易概略図である。
図3A】開示する態様による船舶の端部断面図である。
図3B】開示する態様による船舶の端部断面図である。
図3C】開示する態様による船舶の端部断面図である。
図4】別の開示する態様による船舶を示す簡易概略図である。
図5】本発明の開示の態様による方法のフローチャートである。
図6】本発明の開示の態様による方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図は単に例であり、本発明の開示の範囲に対する制限をそれによって意図していないことに注意しなければならない。更に、図は、一般的に縮尺通りに描かれておらず、むしろ本発明の開示の様々な態様を示す際の利便性及び明暸性の目的で描かれている。
【0015】
本発明の開示の原理の理解を容易にするために、図面に示す特徴をここで参照し、特定の用語を使用してそれを説明する。それにも関わらず、本発明の開示の範囲に関するいずれの制限もそれによって意図していないことは理解されるであろう。本明細書に説明する本発明の開示の原理のあらゆる変更及び更に別の修正、及びあらゆる更に別の用途は、本発明の開示に関連する当業者に通常想起されるであろうと考えている。明暸性のために、本発明の開示に関連しない一部の特徴は、図面に示されない場合がある。
【0016】
最初に、参照を容易にするために、この出願に使用するある一定の用語及びその関連で使用するそれらの意味を説明する。本発明に使用する用語が以下で定義されない範囲では、当業者が少なくとも1つの印刷文献又は交付特許に反映されるようにその用語に与えた最も広義の定義をそれに与えるべきである。更に、本発明の技術は、同じ又は類似の目的に寄与する全ての均等語、同義語、新しい発展、及び用語又は技術が本発明の特許請求の範囲内であると見なされるわけではないので、以下に示す用語の使用によって制限されない。
【0017】
当業者が認識するように、異なる個人が異なる名称によって同じ特徴又は構成要素を指す場合がある。本明細書は、名称のみが異なる構成要素又は特徴を区別することを意図していない。図は、必ずしも縮尺通りではない。本明細書でのある一定の特徴及び構成要素は、尺度的又は概略的に誇張されて示される場合があり、従来の要素の一部の詳細は、明暸さ及び簡潔さのために示されない場合がある。本明細書に説明する図を参照する場合に、同じ参照番号が簡潔さのために複数の図で参照される場合がある。以下の説明において及び特許請求の範囲において、用語「including」及び「comprising」は、制約なしに使用され、従って、「含むが限定されない」を意味すると解釈しなければならない。
【0018】
複数でない名詞は、必ずしも単数のみを意味するように制限されず、むしろ任意的に複数のそのような要素を含むように包括的及び制約なしである。
【0019】
本明細書に使用する時に、用語「近似的に」、「約」、「実質的に」、及び類似の用語は、本発明の開示の主題が関連する技術の当業者による一般的かつ受け入れられている使用と調和して広義の意味を有することを意図している。これらの用語が、提供される正確な数の範囲にこれらの特徴の範囲を制限することなく、説明及び主張するある一定の特徴の説明を可能にすることを意図していることは、本発明の開示を精査する当業者によって理解されるべきである。従って、これらの用語は、説明する主題の実体のない又は重要でない修正又は変更が本発明の開示の範囲内であることを示すと解釈しなければならない。
【0020】
「例示的」は、専ら「実施例、事例、又は例示として寄与する」ことを意味するように本明細書で使用する。「例示的」と本明細書に説明するいずれの実施形態又は態様も、必ずしも他の実施形態よりも好ましい又は有利であると解釈されないものとする。
【0021】
用語「2重目的輸送船」は、LIN及び/又はLNGを貯蔵及び/又は輸送することができる船舶を指す。
【0022】
本発明の開示は、LNG及びLINの安全な貯蔵、積み込み、及び積み出しを可能にする極低温貯蔵タンク及び機器を有する水上輸送船又は船舶設計を説明する。輸送船は、横断方向及び/又は長手方向再分割を備えた複数の貯蔵区画又は載荷タンクを有するように想定される。載荷タンクの一部又は全ては、異なる時間にLNG及びLINを輸送するように設計される場合がある。載荷タンクは、極低温貨物に対する流体荷重、温度、及び圧力限界に関する業界基準を満たし、かつボイルオフをある一定の値に制限するかつ対処するシステムを特徴とするように設計される。LIN及びLNGのための専用配管及び移送システムが含まれている。
【0023】
図1A図1B、及び図1Cは、本発明の開示の態様による水上輸送船、船、荷船、又は船舶100のそれぞれ側面図、上面図、及び断面端面図である。船舶100は、船舶の長さに平行な方向に配置されたLNG専用極低温タンク102を含むことができる。態様では、LNG専用極低温タンク102は、船舶の中心軸腺に沿って配置することができる。船舶は、LNG専用極低温タンク102のいずれの側にも沿って配置される第1及び第2の2重目的極低温タンク104、106を含む。タンク102、104、106の各々は、船舶移動中のスロッシングによる負荷を最小にするように各タンクを再分割するバッフル付き又はなしの単一タンクとして構成することができる。そのようなタンクの例は、引用によってその開示が全体的に本明細書に組み込まれている「長いタンクFSRU/FLSV/LNGC」という名称の本出願人所有の米国特許第8,079,321号明細書に見出すことができる。これに代えて、タンク102、104、106の各々は、船舶の長さに沿って延びる一連のより小さいタンクを含む場合がある。
【0024】
船舶100は、タンク102、104、106の構成と共に内容物を極低温状態に保つ冷凍構成要素を含む。具体的には、LNGのみを輸送するLNG専用極低温タンク102は、内容物をLNG沸点(すなわち、-162℃)又はそれよりも低いが必ずしも窒素の沸点(-196℃)よりも低くなく維持するように構成される。対照的に、2重目的極低温タンク104、106は、LNG又はLINのいずれも保持することができ、従って、これらのタンクは、LINがそこに収容される場合は窒素の沸点又はそれよりも低いが、だたしLNGがそこに保持されている場合はLNGの沸点又はそれよりも低く内容物を維持するように構成される。LNGをLINの沸点よりも低く維持することは不要である。
【0025】
態様では、船舶100は、LNG液化場所とすることができる第1の場所にLINを輸送するように設計される。第1の場所では、LINは、天然ガスを液化するための冷却剤として使用することができる。船舶は、次に、LNGを第1の場所から第2の場所まで輸送するのに使用することができ、第2の場所は、LNGが再ガス化される再ガス化場所とすることができる。図2は、開示する態様による例示的方法の概略図である。図は、LNG輸送及び送出サイクル200での様々な段階での船舶100を示している。図3Aに示すように、LINを収容する第1及び第2の2重目的極低温タンク104、106及び空であるLNG専用極低温タンク102を有する船舶100は、地上施設、浮遊生成及び貯蔵ユニット(FPSU)、又は天然ガスの生成、天然ガスの液化、及び/又はLNGの貯蔵に関連するあらゆる他の陸上/海上施設とすることができる第1の場所202に到着する。第1の場所202では、第1及び第2の2重目的極低温タンクは、LINが空にされる。LINは、天然ガスを液化してLNGを形成するのに使用することができ、又は他の目的に使用することができる。第1及び第2の2重目的極低温タンク104、106のLINが空にされた時に、LNGは、LNG専用極低温タンク102の中にポンピングすることができる。LNGは、第1及び第2の2重目的極低温タンク104、106の中にLINの全て又は実質的に全てがそこから空にされた場合にポンピングすることができる。図3Bに示すように、海水の形態のバラストは、船舶がLIN及び/又はLNGの全荷重よりも少ないものを有する場合に船舶を適切な喫水に維持する又は実質的に維持するようにバラストタンク110に導入することができる。本発明の開示の態様では、タンク102、104、106は、図3Cに示すように前後及び左右に平衡した荷重を運ぶことを保証するために輸送、貯蔵、及び充填作業中にLNGの類似のレベルで充填されるように設計される。船舶が望ましいLNG容量まで充填された場合に、船舶は、204aに示すように、態様では空気分離ユニット212のようなLNG再ガス化施設210及び/又はLIN生成施設又はその近くとすることができる第2の場所までLNGを輸送する。LNGは、次に、タンク102、104、106から積み出される。好ましい態様では、第1及び第2の2重目的極低温タンク104、106からのLNGが最初に除去され、次に、LNG専用極低温タンク102からLNGが除去される。LNGの再ガス化中に抽出されたLNGからの低温エネルギを使用して、LINを空気分離ユニット212で形成するための窒素の液化を支援することができる。LNGが空にされた又は実質的に空にされた状態で、第1及び第2の2重目的極低温タンクは、いずれの残留LNGも除去するためにパージすることができる。パージングは、引用によってその開示が全体的に本明細書に組み込まれている2017年2月24日出願の「2重目的LNG/LIN貯蔵タンクをパージする方法」という名称の本出願人所有の米国仮特許出願第62/463,274号明細書に開示された方法のようなあらゆる公知の方法を使用して達成することができる。第1及び第2の2重目的極低温タンク104、106は、次に、LNG専用極低温タンク102が空にされている間にLINで充填することができる。LINは、上述のように適切な荷重平衡を保証する方式で船舶の中に積み込まれる。LINを積んだ船舶は、サイクル200を繰り返すためにここで第1の場所202に戻る(204bに示すように)。
【0026】
本発明の開示の他の態様により、LNG液化機器は、船舶100に搭載されて配置することができる。図4は、そのような開示する態様による浮遊生成ユニット(FPU)400及び液化船402を示している。天然ガスは、FPU400上で生成及び処理することができる。FPU400は、液化及び/又は市場に適する生成天然ガスを製造するために、天然ガスから不純物が存在する場合にそれを除去するガス処理機器を収容することができる。そのような不純物は、水、重炭化水素、及び酸性ガスなどを含むことができる。FPUは、液化船まで輸送される前に処理天然ガスを予冷却する1又は2以上の予冷手段を収容することができる。予冷手段は、深海水回収及び冷却、機械冷凍、又は他の公知の技術を含むことができる。予冷却された処理天然ガスは、FPU400からパイプライン又は他の可撓接続部407及び1又は2以上の液化船に接続及び再接続することができる1又は2以上の係留浮遊式切断可能タレット408を通じて液化船まで輸送することができる。船舶100の場合と同様に、液化船402は、LNG又はLINを保持することができる第1及び第2の2重目的極低温タンク及びLNGのみを保持することができるLNG専用極低温タンクを含むことができる。(これらのタンクは、前出図に関して説明しており、簡潔さのために再度説明しない。)予冷却された処理天然ガスは、LINストリームを少なくとも部分的に気化し、かつ予冷却された処理天然ガスストリームを少なくとも部分的に凝縮してLNGを形成するためにLINストリーム(液化船上に貯蔵されたLINからの)と予冷却された処理天然ガスストリームとの間で熱交換する少なくとも1つの熱交換器を含むことができるLINからLNG処理モジュール416内の機器を使用して液化船上で液化することができる。適切なLINからLNG処理モジュールの例は、引用によってその開示が全体的に本明細書に組み込まれている2016年11月10日出願の「液体窒素を貯蔵するLNG輸送船上の天然ガス液化の方法」という名称の本出願人所有の米国特許出願第15/348,004号明細書に開示されている。液化船402は、液化処理に関連付けられた追加のユーティリティシステム418を含むことができる。ユーティリティシステム418は、液化船402の船体内に及び/又は船舶の上甲板上に位置付けることができる。LINからLNG処理モジュール416によって生成されたLNGは、上述のように、LNG専用極低温タンク内又は第1又は第2の2重目的極低温タンク内のいずれかに貯蔵することができる。LNGは、輸送船の役目もする液化船上で生成されるので、生成現場でのLNGの水上移送が排除される。本明細書で先に開示したように、第1及び第2の2重目的極低温タンク及びLNG専用極低温タンクは、それぞれ複数のLINタンク、複数のLNGタンク、及び複数の多目的タンクを含むことが予想される。
【0027】
図4に開示する態様は、いくつかの利点を有する。第1に、液化船402の設計は、船舶100に基づいて、液化施設の建造及び/又は保守が経済的に実行不能と考えられる遠隔の地上及び海上場所でのLNG生成を可能にする。これに加えて、LIN及び/又は液体窒素ボイルオフガスは、液化機器を液化処理の軽減又は停止中に低温に保つのに使用することができる。LINは、気化窒素を液化して液化処理の「アイドリング状」作動を生成するのに使用することができる。小型ヘルパーモータを膨脹器サービスに見出される圧縮機/膨脹器の組合せに取り付けて、液化処理の軽減又は停止中に圧縮機/膨脹器サービスの回転を維持することができる。窒素蒸気は、液化船上のLNG生成間の期間中に熱交換器を除霜するのに使用することができる。これに加えて、LNG液化中に発生したいずれの窒素蒸気も大気に通気することができる。
【0028】
開示する態様は、本発明の精神及び範囲内に保ちながら多くの方法で変えることができる。例えば、1よりも多いLNG専用極低温タンクを使用することができる。そのような追加のLNG専用タンクの1つは、参照番号112によって図1に示されており、そこに収容されたLNGは、船舶の推進のための燃料として使用される。様々なタンクの配置は、船舶安定性配慮に従って並びに積み込み/積み出し回数を最少にするように調整することができる。第1のLNG/LIN船舶又は輸送船上のLINは、第2のLNG輸送船又はLNG/LIN輸送船によって輸送されることになるLNGを液化するのに使用することができ、第1のLNG/LIN輸送船は、第2及び/又は第3のLNG/LIN輸送船からのLINを使用して液化されたLNGを積み込むことができる。更に、船舶100は、LIN及び/又はLNGを第1の場所又は第2の場所のいずれかで又は別の場所でさえも不確定時間にわたって貯蔵する浮遊貯蔵ユニット又は荷船として使用することができる。これに加えて、LNG専用極低温タンク102は、LNG及びLINを貯蔵及び輸送することができる2重目的極低温タンクによって置換することができる。そのような配置では、LNG及び/又はLINは、あらゆる望ましいシーケンスで船舶100上に又はそこから積み込み及び/又は積み出すことができ、船舶上の全てのそのような2重目的極低温タンクは、それらの内容物を所与の時間でのタンクの内容物に応じて窒素並びにメタンの沸点よりも低く維持することができることが必要であると考えられる。
【0029】
図5は、LNG及びLINを本発明の開示の態様により水上輸送船で輸送する方法500のフローチャートである。ブロック502では、LINは、輸送船の長さに沿って位置決めされた複数の2重目的極低温貯蔵タンクから第1の場所で空にされる。ブロック504では、複数の2重目的極低温貯蔵タンク及び追加の極低温貯蔵タンクは、第1の場所でLNGで充填される。追加の貯蔵タンクは、複数の2重目的極低温貯蔵タンクに平行に輸送船の長さに沿って位置決めされる。追加の極低温貯蔵タンクは、2重目的極低温貯蔵タンクとすることができ、又はLINではなくLNGのみが貯蔵及び/又は輸送されるように構成されたLNG専用極低温貯蔵タンクとすることができる。ブロック506では、LNGは、第2の場所まで輸送される。ブロック508では、LNGは、第2の場所で複数の2重目的極低温貯蔵タンク及び追加の極低温貯蔵タンクから空にされる。ブロック510では、複数の2重目的極低温貯蔵タンクは、第2の場所でLINで充填される。ブロック512では、LINは、輸送船を使用して第1の場所まで輸送される。
【0030】
図6は、LNG及びLINを本発明の開示の態様により水上輸送船で輸送する方法600のフローチャートである。ブロック602では、LINは、輸送船の長さに沿って位置決めされた複数の2重目的極低温貯蔵タンクから第1の場所で空にされる。ブロック604では、複数の2重目的極低温貯蔵タンク及びLNG専用極低温貯蔵タンクは、第1の場所でLNGで充填される。LNG専用極低温貯蔵タンクは、複数の2重目的極低温貯蔵タンク間に輸送船の長さに沿って位置決めされる。ブロック606では、LNGは、第2の場所まで輸送される。ブロック608では、LNGは、第2の場所で複数の2重目的極低温貯蔵タンク及びLNG専用極低温貯蔵タンクから空にされる。ブロック610では、複数の2重目的極低温貯蔵タンクは、第2の場所でLINで充填される。ブロック612では、LINは、輸送船を使用して第1の場所まで輸送される。ブロック614では、複数の2重目的極低温貯蔵タンク及びLNG専用極低温貯蔵タンクが空にされる又は充填される間は、輸送船の荷重平衡が第1の場所及び/又は第2の場所で維持される。ブロック616では、LNGが第2の場所でLNG専用極低温貯蔵タンクから空にされる前に複数の2重目的極低温貯蔵タンクはLNGが空をされる。ブロック618では、LNGが第2の場所でLNG専用極低温貯蔵タンクから空にされている間に、複数の2重目的極低温貯蔵タンクは、LNGで充填される。ブロック620では、第1の場所でLINが複数の2重目的極低温貯蔵タンクから空にされている間に、LNG専用極低温貯蔵タンクは、LNGで充填される。
【0031】
図5及び図6に示す段階は、例示のためだけに示されており、特定の段階は、開示する方法を実行するのに要求されない場合がある。更に、図5及び図6は、実行することができる全ての段階を示さない場合がある。特許請求の範囲及び特許請求の範囲のみが、開示するシステム及び方法を定めるものである。
【0032】
本明細書に説明する態様は、公知の技術に優るいくつかの利点を有する。例えば、開示するタンク再分割及び配置の利点は、船舶の航行条件をLIN及びLNG航海の両方に対して同様であるように維持することである。更に、再分割は、2つの貨物の同時積み込み及び積み出しを可能にして第1及び第2の場所での港で費やす時間を最適化する。別の利点は、船舶は、公知のLNG輸送船と同様に一連の燃料で運用することができ、かつ通行中及び港内で船舶に対する動力必要性を満たすためにLNG載荷の一部としてクリーン燃焼ディーゼルを含むことができることである。更に別の利点は、開示するタンク配置は、LNG/LIN輸送船が従来のLNG輸送船と類似の方式で港へのアクセスを有することを可能にすることである。本明細書に開示する再分割及び複数のタンクは、LIN及びLNGを積み込む及び積み出す際の作動の安定性及び容易性を保証する。
【0033】
本明細書に開示するLNG液化処理でのLINの使用は、追加の利益を提供する。例えば、LINは、LNG生成、輸送、及び/又は積み出し中にLNG専用極低温タンク102及び/又は第1及び第2の2重目的タンク104、106からLNGボイルオフガスを液化するのに使用することができる。
【0034】
これに加えて、開示する態様は、貯蔵された液体窒素の僅かな部分を使用してLNG専用極低温タンクをLNGがそこに貯蔵されていない期間中に低温に保つことができるので、高速始動及び低減熱サイクルを可能にする追加の利点を有する。
【0035】
本発明の開示の態様は、以下の付番項目に示す方法及びシステムのあらゆる組合せを含むことができる。これは、以上の説明からあらゆる数の変形を想定することができるので、全ての可能な態様の完全なリストと考えないものとする。
1.複数の2重目的極低温貯蔵タンクが、船舶の長さに沿って位置決めされ、複数の2重目的極低温貯蔵タンクが、LNG又はLINをそこに収容するように構成された液化天然ガス(LNG)及び液化窒素(LIN)を輸送する水上輸送船。
2.船舶の長さに沿って位置決めされたLNG専用極低温貯蔵タンクを更に含み、LNG専用極低温貯蔵タンクがLNGのみをそこに収容するように構成された項目1の水上輸送船。
3.複数の2重目的極低温貯蔵タンクがLNG専用極低温貯蔵タンクのいずれの側にも配置される項目2の水上輸送船。
4.複数の2重目的極低温貯蔵タンクの各々が横断方向に再分割される項目1から3のいずれかの水上輸送船。
5.LNG専用極低温貯蔵タンクが横断方向に再分割される項目2から4のいずれかの水上輸送船。
6.複数の2重目的極低温貯蔵タンク及びLNG専用極低温貯蔵タンクのうちの少なくとも一方に長手方向再分割器を更に含む項目2から5のいずれかの水上輸送船。
7.複数の2重目的極低温貯蔵タンクが第1の場所でLINが空にされた時にバラストを輸送船に追加し、複数の2重目的極低温貯蔵タンク及びLNG専用極低温貯蔵タンクに第1の場所でLNGが充填された時に水バラストを輸送船から排出するように構成されたバラストシステムを更に含む項目2から6のいずれかの水上輸送船。
8.複数の2重目的極低温貯蔵タンク及びLNG専用極低温貯蔵タンクのうちの少なくとも一方に収容されたLNGから給油されるように構成された推進システムを更に含む項目1から7のいずれかの水上輸送船。
9.船舶推進のためのLNGを保持するように構成されたLNG専用極低温燃料タンクを更に含む項目1から8のいずれかの水上輸送船。
10.水上輸送船に搭載かつ配置された液化モジュールを更に含み、液化モジュールが、複数の2重目的極低温貯蔵タンクのうちの少なくとも1つに収容されたLINを使用して第1の場所で受け入れられた天然ガスストリームを液化するように構成される項目1から9のいずれかの水上輸送船。
11.第1の場所でLINを輸送船の長さに沿って位置決めされた複数の2重目的極低温貯蔵タンクから空にする段階と、第1の場所で複数の2重目的極低温貯蔵タンクと複数の2重目的極低温貯蔵タンクに平行に輸送船の長さに沿って位置決めされる追加の極低温貯蔵タンクとにLNGが充填される段階と、輸送船を使用してLNGを第2の場所まで輸送する段階と、第2の場所でLNGを複数の2重目的極低温貯蔵タンク及び追加の極低温貯蔵タンクから空にする段階と、第2の場所で複数の2重目的極低温貯蔵タンクがLINで充填される段階と、輸送船を使用してLINを第1の場所まで輸送する段階とを含む液化天然ガス(LNG)及び液化窒素(LIN)を水上輸送船で輸送する方法。
12.追加の極低温貯蔵タンクが、LNG専用極低温貯蔵タンクであり、LINが、LNG専用極低温貯蔵タンクに入れられない項目11の方法。
13.第1の場所がLNG液化施設に隣接する項目11又は項目12の方法。
14.第2の場所がLNG再ガス化施設及びLIN生成施設のうちの少なくとも一方に隣接する項目11から13のいずれかの方法。
15.複数の2重目的極低温貯蔵タンクが輸送船の長さに沿って2又は3以上の列に配置される項目11から14のいずれかの方法。
16.複数の2重目的極低温貯蔵タンクが輸送船の長さに沿って2又は3以上の列間に配置される項目15の方法。
17.第2の場所でLNGをLNG専用極低温貯蔵タンクから空にする前にLNGを複数の2重目的極低温貯蔵タンクから空にする段階と、第2の場所でLNGがLNG専用極低温貯蔵タンクから空にされている間に複数の2重目的極低温貯蔵タンクがLINで充填される段階とを更に含む項目12から16のいずれかの方法。
18.第1の場所でLINが複数の2重目的極低温貯蔵タンクから空にされている間にLNG専用極低温貯蔵タンクがLNGで充填される段階を更に含む項目12から17のいずれかの方法。
19.第1の場所及び/又は第2の場所で複数の2重目的極低温貯蔵タンク及びLNG専用極低温貯蔵タンクを空にする及び充填する間は輸送船の荷重平衡を維持する段階を更に含む項目12から18のいずれかの方法。
20.複数の2重目的極低温貯蔵タンクが第1の場所でLINが空にされた時に水バラストを輸送船に追加する段階と、複数の2重目的極低温貯蔵タンク及びLNG専用極低温貯蔵タンクが第1の場所でLNGが充填されている時に水バラストを輸送船から排出する段階とを更に含む項目12から19のいずれかの方法。
21.LNGをLNG専用極低温貯蔵タンクから空にする段階が、LNG専用極低温貯蔵タンク内のLNGの輸送船燃料許容量を維持する段階を含む項目12から20のいずれかの方法。
22.LNGをLNG専用極低温貯蔵タンクから空にする段階が、LNG専用極低温燃料タンク内のLNGの輸送船燃料許容量を維持する段階を含む項目12から21のいずれかの方法。
23.複数の2重目的極低温貯蔵タンクをLINがそこに貯蔵された時にLIN液化温度に又はそれよりも低く維持する段階と、複数の2重目的極低温貯蔵タンクをLNGがそこに貯蔵された時にLNG液化温度又はそれよりも低いがLIN液化温度又はそれよりも低くなく維持する段階とを更に含む項目12から22のいずれかの方法。
24.LNG専用極低温貯蔵タンクをLNGがそこに貯蔵された時にLNG液化温度又はそれよりも低いがLIN液化温度よりも低くなく維持する段階を更に含む項目12から23のいずれかの方法。
25.複数の2重目的極低温貯蔵タンクのうちの少なくとも1つから空にされたLINを使用して第1の場所で受け入れられた天然ガスストリームを水上輸送船上で液化する段階を更に含み、液化する段階が、第1の場所で複数の2重目的極低温貯蔵タンク及び追加の極低温貯蔵タンクのうちの少なくとも一方を充填するLNGを生成する項目11から24のいずれかの方法。
26.第1の場所でLINを輸送船の長さに沿って位置決めされた複数の2重目的極低温貯蔵タンクから空にする段階と、第1の場所で複数の2重目的極低温貯蔵タンクと複数の2重目的極低温貯蔵タンク間に輸送船の長さに沿って位置決めされたLNG専用極低温貯蔵タンクとがLNGで充填される段階と、輸送船を使用してLNGを第2の場所まで輸送する段階と、第2の場所でLNGを複数の2重目的極低温貯蔵タンク及びLNG専用極低温貯蔵タンクから空にする段階と、第2の場所で複数の2重目的極低温貯蔵タンクがLINで充填される段階と、輸送船を使用してLINを第1の場所まで輸送する段階と、第1の場所及び/又は第2の場所で、複数の2重目的極低温貯蔵タンク及びLNG専用極低温貯蔵タンクを空にする及び充填する間は輸送船の荷重平衡を維持する段階とを含み、複数の2重目的極低温貯蔵タンクが、LNGを第2の場所でLNG専用極低温貯蔵タンクから空にする前にLNGが空にされ、複数の2重目的極低温貯蔵タンクが、LNGが第2の場所でLNG専用極低温貯蔵タンクから空にされている間にLINで充填され、LNG専用極低温貯蔵タンクが、LINが第1の場所で複数の2重目的極低温貯蔵タンクから空にされている間にLNGで充填される液化天然ガス(LNG)及び液化窒素(LIN)を水上輸送船で輸送する方法。
27.複数の2重目的極低温貯蔵タンクのうちの少なくとも1つから空にされたLINを使用して、第1の場所で受け入れられた天然ガスストリームを水上輸送船上で液化する段階を更に含み、液化する段階が、第1の場所で複数の2重目的極低温貯蔵タンク及びLNG専用極低温貯蔵タンクのうちの少なくとも一方を充填するLNGを生成する項目26に記載の方法。
【0036】
上述の開示に対する多くの変形、修正、及び変更を本発明の開示の範囲から逸脱することなく行うことができることは理解しなければならない。従って、以上の説明は、本発明の範囲を制限することを意味しない。むしろ、本発明の開示の範囲は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物によってのみ決定されるものとする。本発明の例における構造及び特徴は、互いに対して変更、再配置、置換、削除、複製、結合、又は追加することができることも考えられている。
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6