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特許7022157注文遂行動作におけるロボット待ち列操作
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-08
(45)【発行日】2022-02-17
(54)【発明の名称】注文遂行動作におけるロボット待ち列操作
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20220209BHJP
   G06Q 10/08 20120101ALI20220209BHJP
   G05D 1/02 20200101ALI20220209BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20220209BHJP
【FI】
B65G1/137 A
G06Q10/08 330
G05D1/02 H
G05B19/418 Z
G05D1/02 P
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2019570137
(86)(22)【出願日】2018-06-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-20
(86)【国際出願番号】 US2018038674
(87)【国際公開番号】W WO2018237105
(87)【国際公開日】2018-12-27
【審査請求日】2020-02-05
(31)【優先権主張番号】15/628,751
(32)【優先日】2017-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/697,759
(32)【優先日】2017-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519067275
【氏名又は名称】ローカス ロボティクス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン、マイケル チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン、ショーン
(72)【発明者】
【氏名】パワーズ、ブラッドリー
(72)【発明者】
【氏名】ギャラハー、ケートリン マーガレット
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第09008827(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0152877(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0129592(US,A1)
【文献】特開2012-153466(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
G05D 1/02
G06Q 10/08
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
倉庫空間の中で1つ又は複数の占有する目標場所に向かうロボットを待ち列操作するための方法であって、
前記倉庫空間内の1つ又は複数の占有する目標場所に向かって移動する複数のロボットが、前記1つ又は複数の目標場所に近い予め規定された目標区域に侵入したかどうかを判定するステップと、
前記複数のロボットそれぞれを割り当てられた優先度に基づいて、前記倉庫空間の中の複数の待ち列場所のうちの1つに移動させて占有させるステップであって、前記割り当てられた優先度は、前記目標区域への前記複数のロボットそれぞれの侵入順と、前記複数のロボットのそれぞれによって処理されるべき顧客の注文に関連した注文の優先度とのうちの一方又はその両方によって決定される、ステップと、を含み、
前記複数の待ち列場所が、前記倉庫空間の中で前記1つ又は複数の占有する目標場所から間隔を空けて配置された1つ又は複数の待ち列群にグループ化される、方法。
【請求項2】
前記倉庫空間が、顧客の注文の遂行のために物品を収容する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記割り当てられた優先度が、前記目標区域への前記複数のロボットそれぞれの前記侵入順によって決定され、前記目標区域に侵入する第1のロボットに最も高い優先度が割り当てられる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のロボットそれぞれによって処理されるべき前記顧客の注文に関連した前記注文の優先度が、出荷優先度、物品の種類、顧客の種類、又は小売店のうちの1つ以上によって決定される、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の待ち列場所が、前記倉庫空間の中で互いに間隔を空けた少なくとも2つの待ち列群にグループ化される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
第1の群内に第1の複数の待ち列場所及び第2の待ち列群内に第2の複数の待ち列場所を含み、前記第1の群内の前記第1の複数の待ち列場所及び第2の待ち列群内の第2の複数の待ち列場所が、すべて1つの目標場所に関連する、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の待ち列場所が、1つの待ち列群にグループ化され、前記複数の待ち列場所が、複数の目標場所に関連する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
第1の群内に第1の複数の待ち列場所及び第2の待ち列群内に第2の複数の待ち列場所を含み、前記第1の群内の前記第1の複数の待ち列場所及び第2の待ち列群内の第2の複数の待ち列場所が、複数の目標場所に関連する、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記1つ又は複数の目標場所及び前記複数の待ち列場所がそれぞれ、前記ロボットがナビゲート動作することができる姿勢によって規定される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
複数の他のロボットを収容するある倉庫空間の中で予め規定された場所にナビゲート走行することができるロボットであって、前記ロボット及び前記複数の他のロボットが、管理システムと対話可能であり、
移動ベースと、
前記ロボットと前記管理システムとの間の通信を可能にする通信装置と、
前記管理システムとの通信に応答するプロセッサであって、
前記ロボットを前記倉庫空間の中で目標場所にナビゲートし、
前記複数の他のロボットのうちの少なくとも1つが、前記目標場所を占有するかどうかを判定し、
前記複数の他のロボットのうちの少なくとも1つが、前記目標場所を占有していると判定した場合、前記ロボットが前記目標場所に近い予め規定された目標区域に侵入したかどうかを判定し、
前記ロボットが、前記予め規定された目標区域に侵入したと判定した場合、割り当てられた優先度に基づいて前記複数のロボットのそれぞれ、前記倉庫空間の中の複数の待ち列場所に移動させて占有させ、前記割り当てられた優先度は、前記目標場所への前記複数のロボットそれぞれの侵入順と、前記複数のロボットのそれぞれによって処理されるべき顧客の注文に関連した注文の優先度とのうちの一方又はその両方によって決定され、
ように構成されたプロセッサと、を備え、前記複数の待ち列場所が、前記倉庫空間の中で前記1つ又は複数の占有する目標場所から間隔を空けて配置された1つ又は複数の待ち列群にグループ化される、ロボット。
【請求項11】
前記倉庫空間が、顧客の注文の遂行のための物品を収容する、請求項10に記載のロボット。
【請求項12】
前記割り当てられた優先度が、前記目標区域への前記複数のロボットそれぞれの前記侵入順によって決定され、前記目標区域に侵入する第1のロボットは最も高い優先度が割り当てられる、請求項10に記載のロボット。
【請求項13】
前記複数のロボットそれぞれによって処理されるべき前記顧客の注文に関連した前記注文の優先度が、出荷優先度、物品の種類、顧客の種類、又は小売店のうちの1つ以上によって決定される、請求項10に記載のロボット。
【請求項14】
前記複数の待ち列場所が、前記倉庫空間の中で互いに間隔を空ける少なくとも2つの待ち列群にグループ化される、請求項10に記載のロボット。
【請求項15】
第1の群内に第1の複数の待ち列場所及び第2の待ち列群内に第2の複数の待ち列場所を含み、前記第1の群内の前記第1の複数の待ち列場所及び第2の待ち列群内の第2の複数の待ち列場所が、すべて1つの目標場所に関連する、請求項14に記載のロボット。
【請求項16】
前記複数の待ち列場所が、1つの待ち列群にグループ化され、前記複数の待ち列場所が、複数の目標場所に関連する、請求項10に記載のロボット。
【請求項17】
第1の群内に第1の複数の待ち列場所及び第2の待ち列群内に第2の複数の待ち列場所を含み、前記第1の群内の前記第1の複数の待ち列場所及び第2の待ち列群内の第2の複数の待ち列場所が、複数の目標場所に関連する、請求項14に記載のロボット。
【請求項18】
前記1つ又は複数の目標場所及び前記複数の待ち列場所がそれぞれ、前記ロボットがナビゲート動作することができる姿勢によって規定される、請求項10に記載のロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2016年3月25日出願の米国特許出願第15/081,124号の継続出願である、2017年6月21日出願の米国特許出願第15/628,751号の一部継続出願である、2017年10月3日に米国特許第9,776,324号として発行された2017年9月7日出願の米国特許出願第15/697,759号の優先権を主張し、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、ロボット支援型の製品注文遂行システム及び方法に関し、より詳細には1つ又は複数の待ち列群を使用して共通の場所に向かうロボットの待ち列操作に関する。
【背景技術】
【0003】
宅配のためのインターネットによる製品の注文は、きわめて人気のある買い物方法である。こうした注文を適時に、正確且つ効率的な方法で遂行することは、控えめに言っても物流面の課題がある。仮想ショッピングカート内の「勘定」ボタンをクリックすると、「注文」が作成される。注文は、特定の住所に出荷されるべき物品のリストを含む。「遂行」のプロセスは、大型倉庫からこれらの物品を物理的に取り出すこと、すなわち、「物品を取り出すこと」、それらを梱包すること、及びそれらを指定された住所に出荷することを含む。したがって、注文遂行プロセスの重要な目標は、可能な限り短時間で多くの物品を出荷することである。
【0004】
注文遂行プロセスは、典型的には注文に列挙されたものを含む、多くの製品を収容する大型倉庫で実施される。したがって、注文遂行の業務には、注文に列挙された様々な物品を見つけて収集するために倉庫を横断する業務が含まれる。加えて、最終的に出荷される製品は、まず倉庫内に搬入され、それらが出荷のために容易に引き出されるように、倉庫全体にわたり秩序立てて収納庫内に保管又は「配置」される必要がある。
【0005】
大型倉庫では、配送される商品及び注文されている商品を倉庫内で互いに大きく離して保管し、多数の他の商品の間で分散させることができる。商品の配置及び取り出しのために、人間のオペレータのみを採用する注文遂行プロセスでは、オペレータは長々と歩く必要があり、非効率的で時間がかかる可能性がある。遂行プロセスの効率は、単位時間あたりに出荷される物品の数の関数であるため、時間の増加に伴い効率は低下する。
【0006】
効率を上げるために、ロボットが、人間の機能を実行するために使用することができ、又は人間の役割を補うために使用され得る。例えば、ロボットは、倉庫全体に分散された様々な場所に多数の物品を「配置する」ように、又は梱包及び出荷のために様々な場所から物品を「取り出す」ように割り当たられ得る。取り出し及び配置は、ロボット単独で、又は人間のオペレータの支援を伴って実行され得る。例えば、取り出し動作の場合、人間のオペレータは物品を棚から取り出して、それをロボット上に配置し、又は、配置動作の場合、人間のオペレータは、ロボットから物品を取り出して、棚に配置する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
多数のロボットが空間をナビゲート走行すると、ロボットは、別のロボットが占有している場所にナビゲート走行を試みる可能性が高く且つそうなりそうで、競争状態を引き起こす。競争状態は、2つのロボットが同じ場所への到達を試みて、変化する外部環境と折り合いをつけることを試みるため、プロセッサ・バウンドになるときである。競争状態は、非常に望ましくなく、状態が解決されるまで、ロボットがさらなる動作を実行することができなくなる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様では、本発明は、ある環境の中で1つ又は複数の目標場所に向かう待ちロボットを待ち列操作するための方法を特徴とする。この方法は、1つ又は複数の目標場所に向かう複数のロボットが、1つ又は複数の目標場所に近い予め規定された目標区域に侵入したかどうかを判定することを含む。この方法はまた、ロボットそれぞれをその目標場所に、又は割り当てられた優先度に基づいて複数の待ち列場所のうちの1つのどちらかに割り当てることを含む。複数の待ち列場所が、1つ又は複数の待ち列群にグループ化される。
【0009】
本発明の他の態様では、以下の特徴の1つ以上を含み得る。環境は、顧客の注文の遂行のための物品を収容する倉庫空間であり得る。割り当てられる優先度は、目標区域への複数のロボットそれぞれの侵入順によって決定することができ、目標区域に侵入する第1のロボットに最も高い優先度を割り当てられる。割り当てられる優先度は、目標区域への複数のロボットそれぞれの侵入順及び複数のロボットそれぞれによって処理されるべき顧客の注文に関連した注文の優先度のうちの一方又はその両方によって決定され得る。複数のロボットそれぞれによって処理されるべき顧客の注文に関連し得る注文の優先度は、出荷優先度、物品の種類、顧客の種類、又は小売店のうちの1つ以上によって決定される。複数の待ち列場所は、環境で互いに間隔を空けた少なくとも2つの待ち列群にグループ化され得る。第1の群内に第1の複数の待ち列場所及び第2の待ち列群内に第2の複数の待ち列場所が含まれてもよく、第1の群内の第1の複数の待ち列場所及び第2の待ち列群内の第2の複数の待ち列場所は、すべて1つの目標場所に関連する。複数の待ち列場所は、1つの待ち列群にグループ化することができ、複数の待ち列場所は、複数の目標場所に関連し得る。第1の群内の第1の複数の待ち列場所及び第2の待ち列群内の第2の複数の待ち列場所は、複数の目標場所に関連し得る。1つ又は複数の目標場所及び複数の待ち列場所はそれぞれ、ロボットがナビゲート走行することができる姿勢によって規定され得る。
【0010】
さらに別の態様では、本発明は、複数の他のロボットを収容するある環境内の予め規定された場所にナビゲート走行することができるロボットを特徴とする。ロボット及び複数の他のロボットは、管理システムと対話可能である。ロボットは、移動ベース及びロボットと管理システムとの間で通信できる通信装置を含む。管理システムとの通信に応答し、ロボットを環境の中で目標場所にナビゲート走行するように構成されたプロセッサがある。プロセッサはまた、複数の他のロボットのうちの少なくとも1つが、目標場所を占有するかどうかを判定するように構成される。複数の他のロボットのうちの少なくとも1つが、目標場所を占有すると判定した場合、プロセッサは、ロボットが目標場所に近い予め規定された目標区域に侵入したかどうか判定する。予め規定された目標区域に侵入したと判定した場合、プロセッサは、割り当てられた優先度に基づいてロボットを複数の待ち列場所のうちの1つに割り当てるように構成される。複数の待ち列場所は、1つ又は複数の待ち列群にグループ化される。
【0011】
本発明のさらなる態様では、以下の特徴の1つ以上を含み得る。環境は、顧客の注文の遂行のための物品を収容する倉庫空間であり得る。割り当てられる優先度は、目標区域への複数のロボットそれぞれの侵入順によって決定され得る。目標区域に侵入する第1のロボットは、最も高い優先度に割り当てられ得る。割り当てられる優先度は、目標区域への複数のロボットそれぞれの侵入順及び複数のロボットそれぞれによって処理されるべき顧客の注文に関連した注文の優先度のうちの一方又はその両方によって決定され得る。複数のロボットそれぞれによって処理されるべき顧客の注文に関連した注文の優先度は、出荷優先度、物品の種類、顧客の種類、又は小売店のうちの1つ以上によって決定され得る。複数の待ち列場所は、環境の中で互いに間隔を空ける少なくとも2つの待ち列群にグループ化され得る。第1の群内に第1の複数の待ち列場所及び第2の待ち列群内に第2の複数の待ち列場所があってもよく、第1の群内の第1の複数の待ち列場所及び第2の待ち列群内の第2の複数の待ち列場所は、すべて1つの目標場所に関連し得る。複数の待ち列場所は、1つの待ち列群にグループ化することができ、複数の待ち列場所は、複数の目標場所に関連し得る。第1の群内の第1の複数の待ち列場所及び第2の待ち列群内の第2の複数の待ち列場所は、複数の目標場所に関連し得る。1つ又は複数の目標場所及び複数の待ち列場所はそれぞれ、ロボットがナビゲート走行することができる姿勢によって規定され得る。
【0012】
本発明のこれら及び他の特徴は、以下の詳細な説明及び添付の図面より明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】注文遂行倉庫の上面平面図である。
図2図1に示す倉庫内で使用されるロボットのうちの1つのベースの斜視図である。
図3図1に示す棚の前に停留するアーマチュアに装着された図2のロボットの斜視図である。
図4】ロボット上のレーザレーダを用いて作成された図1の倉庫の部分マップである。
図5】倉庫中に分散された場所合わせ標識の位置を特定し、場所合わせ標識の姿勢を記憶するためのプロセスを示す流れ図である。
図6】マッピングを行うための場所合わせIDの表である。
図7】場所合わせIDのマッピングに対する収容器の場所の表である。
図8】マッピング・プロセスを行うための製品SKUを示す流れ図である。
図9】本発明の一態様による待ち列操作プロセスで使用される目標場所及び待ち列場所の概略図である。
図10】本発明の一態様によるロボットの待ち待ち列操作プロセスを示す流れ図である。
図11】本発明の別の態様による、割り当てられた優先度に基づいてロボットが指定された待ち列場所に向けられている、目標場所及び待ち列場所の概略図である。
図12】共有された待ち列が使用される本発明による待ち待ち列操作プロセスの別の態様における目標場所及び待ち列場所の概略図である。
図13】共有された待ち列及び分割された待ち列の両方が使用される本発明による待ち列操作プロセスの別の態様における目標場所及び待ち列場所の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示及びその様々な特徴及び利点の詳細は、添付の図面に記載され且つ/又は図示され、並びに以下の説明で詳述される非限定的な実施例及び実例を参照してより完全に説明される。図面に示される特徴は、必ずしも縮尺に従っておらず、本明細書に別段の記載がない限り、一実施例の特徴は、当業者に認識されるように他の実施例に使用されてもよいことに留意されたい。周知の構成要素及び処理技術の説明は、本開示の実施例を不必要に不明瞭にしないため省略することができる。本明細書で使用される実例は、本開示が実践され得る方法を単に容易に理解すること、及び当業者が本開示の実施例を実践することをさらに可能にすることを意図する。したがって、本明細書の本実例及び実施例は、本開示の範囲を限定すると解釈されるべきではない。さらに、同様の参照符号は、いくつかの図面を通して同様の部品を表すことがわかる。
【0015】
本発明は、共通の目標場所に向かうロボットを待ち列操作するためのシステム及び方法に関する。いずれの特定のロボットの用途にも制限されないが、本発明が使用され得る1つの適切な用途は、注文遂行である。この用途でのロボットの使用が、ロボットを待ち列操作するためのシステム及び方法の文脈を提供するために説明されるが、その用途に限定されるものではない。
【0016】
図1を参照すると、典型的な注文遂行倉庫10は、注文16に含まれ得る様々な物品を詰めた棚12を含む。運用に際しては、倉庫管理サーバ15からの注文16が注文サーバ14に到着する。注文サーバ14は、注文16を倉庫10を動き回る複数のロボットから選択されたロボット18に通信する。
【0017】
好ましい実施例では、図2の示すロボット18は、レーザレーダ22を有する自立型車輪ベース20を含む。ベース20はまた、ロボット18が注文サーバ14からの命令を受信することを可能にするトランシーバ24及びカメラ26を備える。ベース20はまた、協働して倉庫10内のナビゲーションに関連する様々な業務を実行すると同様に、図3に示すように、棚12に配置された場所合わせ標識30にナビゲートするレーザレーダ22からデータを受信するプロセッサ32と、ロボットの環境を表す情報を捕捉するカメラ26とメモリ34とを備える。場所合わせ標識30(例えば、二次元バーコード)は、注文された物品の収容器/場所に対応する。本発明のナビゲーションの方法は、図4図8に関連して、以下に詳細に説明される。
【0018】
本明細書に提供される最初の説明は、顧客への出荷のための注文を遂行するため倉庫内の収容器の場所から物品を取り出すことに注目しているが、このシステムは、後の回収や顧客への出荷のため倉庫中の収容器の場所に、入庫した物品を保管又は配置することにも同様に適用可能である。本発明は、製品の集約、計数、検証、検査及び一掃など、こうした倉庫システムに関連した在庫制御業務にも適用可能である。
【0019】
以下により詳細に説明するように、ロボット18を利用して、インターリーブ方式で異なる業務の種類の複数の業務を実行することができる。これは、ロボット18は、倉庫10全体を移動しながら単一の注文を実行している間に、物品の取り出し、物品の配置、及び在庫管理業務を実行することができることを意味する。この種類のインターリーブ方式の業務方法は、効率及び性能を著しく改善することができる。
【0020】
再度図2を参照すると、ベース20の上面36は、そのうちの1つが図3に示される、複数の交換可能なアーマチュア40のいずれか1つと係合する継手38を備える。図3の特定のアーマチュア40は、物品を受けるトート44を搬送するためのトートホルダ42及びタブレット48を支持するためのタブレット・ホルダ46を備える。いくつかの実施例では、アーマチュア40は、物品を搬送するための1つ又は複数のトートを支持する。他の実施例では、ベース20は、受けた物品を搬送するための1つ又は複数のトートを支持する。本明細書で使用される、「トート」という用語は、貨物ホルダ、収容器、かご、棚、物品を吊るすことができる棒、缶、木箱、ラック、スタンド、架台、コンテナ、箱、キャニスタ、槽、及びリポジトリを含むが、それらに限定されない。
【0021】
ロボット18は、現在のロボットの技術を用いて、倉庫10を動き回ることに優れているが、ロボットの対象物の取り扱いに関する技術が困難なため、速く効率的に物品を棚から取り出し、トート44に配置することにはあまり優れていない。物品を取り出すより効率的な方法は、典型的には人であるローカル・オペレータ50を使用して、注文された物品を棚12から物理的に取り出し、それを例えば、トート44など、ロボット18に配置する業務を実行することである。ロボット18は、ローカル・オペレータ50が読むことができるタブレット48を介して、又はローカル・オペレータ50によって使用される携帯装置に注文を送信することによってローカル・オペレータ50に注文を伝える。
【0022】
注文サーバ14から注文16を受信すると、ロボット18は、例えば、図3に示す第1の倉庫の場所に進む。これは、メモリ34内に記憶され、プロセッサ32によって実行されるナビゲーション・ソフトウェアに基づいて実行される。ナビゲーション・ソフトウェアは、レーザレーダ22によって収集される環境に関するデータ、特定の物品を見つけることができる倉庫10内の場所に対応する場所合わせ標識30の場所合わせ識別子(「ID」)を識別するメモリ34内の内部表、及びナビゲートするためのカメラ26に依存する。
【0023】
正しい場所に到達すると、ロボット18は、物品が保管されている棚12の前に停留し、ローカル・オペレータ50が棚12から物品を回収してトート44内に配置するのを待つ。ロボット18が、回収する他の物品がある場合、それらの場所に進む。ロボット18によって回収された物品は、その後、図1の包装ステーション100に引き渡され、そこで、それらは包装され、出荷される。
【0024】
各ロボットは、1つ又は複数の注文を遂行することができ、各注文は、1つ又は複数の物品から成り得ることが当業者には理解されよう。典型的には、何かの形態のルート最適化ソフトウェアが含まれて、効率化を高める可能性があるが、それは本発明の範囲を超えたものであるので、本明細書では説明されない。
【0025】
本発明の説明を単純にするため、単一のロボット18及びオペレータ50について説明する。しかし、図1から明らかであるように、典型的な遂行作業は、連続した注文の流れを遂行するため倉庫で互いに作業する多くのロボットとオペレータを含む。
【0026】
本発明のナビゲーションの方法、並びに物品が配置される倉庫内の場所合わせ標識に関連付けられた場所合わせID/姿勢に対する回収すべき物品のSKUの意味マッピングを図4図8に関連して以下に詳細に説明する。
【0027】
1つ又は複数のロボット18を使用する際には、倉庫10のマップを作成しなければならず、倉庫全体に分散された様々な場所合わせ標識の場所を、判定しなければならない。このため、ロボット18のうちの1つは、図4に示すように、レーザレーダ22、及び同時ローカリゼーション及びマッピング(simultaneous localization and mapping (SLAM))を利用して、倉庫をナビゲート走行し、マップ10aを構築するものであり、SLAMは、未知の環境のマップの構成又は更新の計算上の問題である。一般的なSLAM近似解法は、粒子フィルタ及び拡張カルマン・フィルタを含む。SLAM Gマッピング方法は、好ましい方法であるが、いずれの適切なSLAM方法も使用することができる。
【0028】
ロボット18は、レーザレーダが環境を走査する際に受信する反射に基づいて、空間内の開放空間112、壁114、物体116、及び棚12などのその他の静止障害物を識別しながら空間全体を移動するとき、倉庫10のマップ10aを生成するためそのレーザレーダ22を利用する。
【0029】
マップ10aを構築する間、又はその後、1つ又は複数のロボット18は、物品が保管される、図3の32、34などの収容器に近い棚に、倉庫全体に分散された場所合わせ標識(二次元バーコード)の場所を特定するよう環境を走査するためカメラ26を使用しながら倉庫10をナビゲート走行する。ロボット18は、既知の出発点すなわち、原点110など、基準用の原点を使用する。図3及び図4の場所合わせ標識30などの場所合わせ標識が、ロボット18によってそのカメラ26を用いて配置されると、原点110に対する倉庫内の場所が判定される。
【0030】
ホイール・エンコーダとヘディング・センサとの使用によって、ベクトル120及び倉庫10内のロボットの場所が判定され得る。場所合わせ標識/二次元バーコードの撮像画像とその既知のサイズとを使用して、ロボット18は、場所合わせ標識/二次元バーコードのロボットに対する向き及び距離、すなわち、ベクトル130を判定できる。既知のベクトル120及び130によって、原点110と場所合わせ標識30との間のベクトル140を決定することができる。ベクトル140及びロボット18に対する場所合わせ標識/二次元バーコードの決定された向きから、場所合わせ標識30に対する四元数(x,y,z,ω)によって規定される姿勢(位置及び向き)を決定できる。
【0031】
場所合わせ標識の位置プロセスを説明する図5の流れ図200について説明する。これは、初期マッピング・モードで、ロボット18が、取り出し、配置、及び/又は他の業務を実行する間、倉庫内の新しい場所合わせ標識に遭遇したときに、実行される。ステップ202でロボット18は、カメラ26を用いて画像を撮像し、ステップ204で、撮像画像内の場所合わせ標識を探索する。ステップ206で、場所合わせ標識を画像内に見つけた場合(ステップ204)、場所合わせ標識が、ロボット18のメモリ34内に配置された図6の場所合わせ表300にすでに記憶されているかどうか判定される。場所合わせ情報が、メモリにすでに記憶されている場合、流れ図は、ステップ202に戻り、別の画像を撮像する。メモリ内に記憶されていない場合、上述のプロセスにしたがって、姿勢が決定され、ステップ208で場所合わせに加えられて、ルックアップ・テーブル300に提示する。
【0032】
各ロボットのメモリに記憶され得るルックアップ・テーブル300には、各場所合わせ標識に対して、場所合わせID1、2、3など及び各場所合わせIDに関連付けられた場所合わせ標識/バーコードに対する姿勢が含まれる。姿勢は、向き又は四元数(x、y、z、ω)と共に倉庫内のx、y、z座標で構成される。
【0033】
図7の別のルックアップ・テーブル400は、これもまた各ロボットのメモリ内に記憶されるものであり、特定の場所合わせID404、例えば数字の「11」に対応付けられた倉庫10内の収容器の場所(例えば、402a~f)の一覧表である。この実例では、収容器の場所は、7桁の英数文字で構成される。最初の6文字(例えば、L01001)は、倉庫内の棚の場所に関係し、最後の文字(例えば、A~F)は、棚の場所の特定の収容器を識別する。この実例では、場所合わせID「11」に関連付けられた6つの異なる収容器の場所が存在する。各場所合わせID/標識に関連付けられた1つ又は複数の収容器が存在し得る。
【0034】
英数文字の収容器の場所は、図3のオペレータ50など、人間には、物品が保管される倉庫10内の物理的な場所に対応するものとして理解可能である。しかし、それらはロボット18には意味を持たない。場所合わせIDに対して場所をマッピングすることによって、ロボット18は、図6の表300内の情報を使用して場所合わせIDの姿勢を判定し、そして、本明細書に記載する姿勢へとナビゲート動作することができる。
【0035】
本発明による注文遂行プロセスが、図8の流れ図500に示される。ステップ502では、図1の倉庫管理システム15は、回収すべき1つ又は複数の物品で構成され得る注文を取得する。ステップ504では、物品のSKU番号が、倉庫管理システム15によって決定され、ステップ506で、SKU番号から、収容器の場所が決定される。その後、注文に対する収容器の場所の一覧は、ロボット18に送信される。ステップ508では、ロボット18は、収容器の場所を場所合わせIDに対応付け、ステップ510では、場所合わせIDから、各場所合わせIDの姿勢を取得する。ステップ512では、ロボット18は、図3に示す姿勢へとナビゲート動作し、そこで、オペレータは、適切な収容器から回収すべき物品を取り出し、ロボット上に配置できる。
【0036】
倉庫管理システム15によって取得されるSKU番号及び収容器の場所などの物品の特定の情報は、ロボット18上の表48に送信することができ、その結果、ロボットが各場所合わせ標識場所に到着したとき、オペレータ50は、回収すべき特定の物品について通知されることができる。
【0037】
SLAMマップ及び場所合わせIDの姿勢が既知であることにより、ロボット18は、様々なロボット・ナビゲーション技術を用いて場所合わせIDのいずれか1つに容易にナビゲート動作することができる。好ましい方法は、倉庫10内の開放空間112及び壁114、棚(棚12など)及び他の障害物116の情報が付与された場所合わせ標識姿勢に初期ルートを設定することを含む。ロボットは、そのレーザレーダ26を用いて倉庫を横断し始めると、他のロボット18及び/又はオペレータ50など静的なものについても動的なものについても、その経路に何か障害物が存在するかどうか判定し、場所合わせ標識の姿勢へのその経路を繰返し更新する。ロボットは、障害物を避けながら最も効率的で効果的な経路を常に探索して、そのルートを約50ミリ秒毎に再計画する。
【0038】
いずれも本明細書に記載のSLAMナビゲーション技術と組み合わされた場所合わせ姿勢マッピング技術のための製品SKU/場所合わせIDによって、ロボット18は、グリッド・ライン及び中間場所合わせ標識を含んで、倉庫内の場所を判定する典型的に使用されるものより複雑なナビゲーション方法を使う必要なく、非常に効率的且つ効果的に倉庫空間をナビゲート走行することができる。
【0039】
上述の通り、空間をナビゲート走行する複数のロボットで起こり得る問題は、「競争状態」と呼ばれ、それは、1つ又は複数のロボットが、別のロボットによって占有されている空間にナビゲート走行しようと試みる場合に発生する可能性がある。本発明により、ロボットのための代替の目的地が生成されて、ロボットを待ち列に配置し、競争状態の発生を回避する。このプロセスは、図9に示され、そこで、ロボット600は、目標場所/姿勢602に位置して示されている。姿勢602は、例えば、包装若しくは荷揚げステーション又は特定の収容器に近い場所など倉庫空間内の任意の場所に対応し得る。ロボット604、606、及び608など他のロボットが、姿勢602へとナビゲート動作しようとすると(ロボットから姿勢602で終わる点線で示されるように)、それらは、場所又は待ち列スロット610、612、及び614などの一時保持場所に仕向けられる。
【0040】
待ち列スロットすなわち待ち列場所610、612、及び614は、姿勢612からオフセットされている。この実例では、待ち列スロット610は、距離xだけ姿勢602からオフセットされ、距離は例えば、1メートルであり得る。待ち列スロット612は、追加の距離xだけ待ち列スロット610からオフセットされ、待ち列スロット614は、待ち列スロット612から別の距離xだけオフセットされる。この実例では、距離は姿勢602から出る直線に沿って均一に離されているが、これは、本発明の要件ではない。待ち列スロットの場所は、非均一であってもよく、倉庫の動的環境によって変化し得る。待ち列スロットは、基礎をなすグローバル・マップ並びに既存の障害物及びローカル・マップの制約に従う待ち列操作アルゴリズムにしたがって、オフセットされ得る。待ち列操作アルゴリズムはまた、目標場所/姿勢に近い空間で待ち列操作する現実的な限界を考慮して、通行阻止、他の場所との干渉、及び新しい障害物の生成を回避することができる。
【0041】
さらに、待ち列へのロボットの適切な待ち列スロット配置を管理しなければならない。図9に示す実例では、姿勢602を占有する第1の優先度を有するロボットは、第1の待ち列スロット610内に待ち列操作されるが、他のロボットは、それぞれの優先度に基づいて他の待ち列スロット内に待ち列操作される。優先度は、姿勢602に近い区域618へのロボットの侵入順によって決定される。この場合、区域618は、姿勢602の周りの半径Rによって規定され、半径Rは、この場合、約3メートル(すなわち3x)である。この場合604では、この区域に侵入する第1のロボットは、最も高い優先度を有し、第1の待ち列スロット、すなわち待ち列スロット610を割り当てられる。ロボット608よりも区域618に近いロボット606が、区域618に侵入するとき、ロボット600が、まだ姿勢602にいると仮定すると、ロボット604は、待ち列スロット610に配置され、次に最も高い優先度を有し、したがって、待ち列スロット612に割り当てられる。次に、ロボット608が、区域618に侵入するとき、ロボット600がまだ姿勢602にいて、ロボット604及び606が、まだ待ち列スロット610及び612それぞれに配置されていると仮定すると、ロボット608は、待ち列スロット614に割り当てられる。
【0042】
ロボット600が、姿勢602(目標場所)から移動すると、ロボット604は、待ち列スロット610から姿勢602に移動する。ロボット606及び608は、待ち列スロットの場所610及び612それぞれに移動する。区域618に侵入する次のロボットは、待ち列スロットの場所614内に位置付けられる。待ち列スロットの場所のさらなる番号を含んで、予想される交通流れを収容できることは言うまでもない。
【0043】
ロボットが、待ち列スロット及び最終的に目標場所にナビゲートされる方法は、目標場所の姿勢から待ち列スロットの姿勢へ一時的にロボットを仕向けることによって達成される。言い換えると、ロボットは、待ち列スロットに配置されなければならないと判定したとき、その目標姿勢は、ロボットが割り当てられた待ち列スロットの場所に対応する姿勢に一時的に調整される。姿勢が、待ち列内の場所に移動すると、姿勢が元の目標姿勢にリセットされる元の目標場所に到達することができるまで、姿勢は、次に最も高い優先度を有する待ち列スロットの姿勢に再度一時的に調整される。
【0044】
図10の流れ図700は、倉庫内の特定の姿勢(目標姿勢)に対するWMS15によって具現されるロボット待ち列操作プロセスを示す。ステップ702で、目標姿勢は、ロボットによって占有されているかどうか判定される。占有されていない場合、プロセスは、目標姿勢を占有するロボットが存在するまでステップ702に戻る。ロボットが、目標姿勢を占有している場合、プロセスは、目標区域内に別のロボットが存在するかどうか、又は、待ち列スロットの1つ以上の中にロボットが存在するかどうかをステップ704で判定する。目標区域内、又は1つ若しくは複数の待ち列スロット内にロボットが存在しないと判定した場合、プロセスは、ステップ702に戻る。目標姿勢を占有しているロボットが存在すると判定されるか、又は待ち列スロットが占有されている場合、ステップ706でロボットは、適切な待ち列スロットに割り当てられる。
【0045】
目標区域内にロボットが存在するが、待ち列スロット内にロボットが存在しない場合、目標区域内のロボットは、第1の待ち列スロット、すなわち、図9の待ち列スロット610を占有するように仕向けられる。目標区域内にロボットが存在し、ロボット(又は待ち列スロット内の複数のロボット)が存在する場合、上述のように、目標区域内のロボットは、次に利用可能な待ち列スロットに入れられる。目標区域内にロボットが存在しないが、待ち列スロット内にロボットが存在する場合、スロットに入れられたロボットは、同じ場所に留まる。ステップ708で、目標姿勢が占有されていないと判定した場合、待ち列スロット内のロボットは、1つ先の場所へ、すなわち、待ち列スロット610から目標姿勢に、待ち列スロット612から待ち列スロット610になど、移動される。目標姿勢がまだ占有されている場合、プロセスは、704に戻る。
【0046】
図9で、待ち列場所610、612、及び614は、一列且つ互いに隣接して存在する。これは、多くの状況に対して容認できるが、空間が限られている、若しくは交通が混んでいる、又は多くの待ち列場所が必要な場合の倉庫環境内の領域では、「分割された」待ち列を利用することが望ましい場合がある。この実例を図11に示す。ここで、目標場所802を有するステーション800を示す。ステーション800は、ロボットが、顧客の注文を満たすことに割り当てられて、注文を搬送するためトートを備えているオペレータが付き添う誘導ステーションであるか、又は、ロボットがオペレータによる包装及び出荷に対する顧客の注文を降ろしている包装ステーションであってよい。目標場所は、ステーションに関連している必要はないが、複数のロボットが共通の目標場所に対して同時に競争している可能性がある典型的な状況である。
【0047】
再度図11を参照すると、待ち列場所804、806及び808は、第1の待ち列群810の一部であり、目標場所802から間隔を空けて示されている。この実例では、追加の待ち列場所が必要とされるが、待ち列群810は、ロボット814及びオペレータなど、ロボットが横切る交通渋滞経路に隣接しているので、空間は限られている。この課題を克服するため、経路812を渡って待ち列群810から物理的に間隔を空けて、追加の待ち列場所818、820、及び822を含む第2の待ち列群816が形成される。2つの待ち列群810及び816内の待ち列場所は、物理的に離れていても、一緒に目標場所802に対する単一の待ち列を形成する。2つの待ち列群はそれぞれ3つの待ち列場所を有するが、本明細書の本開示にしたがって、任意の数の待ち列場所を有する任意の数の待ち列群を使用することができることに留意されたい。
【0048】
図9と同様に、図11の実例では、目標場所802(「T」とラベル付けされる)は、ステーション802で作業中のロボットによって占有されていると仮定すると、点線によって規定される予め規定された目標区域803に侵入するロボットは、システムによってロボットに割り当てられた優先度に基づいて待ち列場所に割り当てられる。「1」とラベル付けされる待ち列場所804は、最も高い優先度の待ち列場所である。待ち列場所806~822は、そのラベル「2」~「6」によって示されるように、より低い/低下する優先度のレベルを有する。したがって、目標場所802を占有する第1の又は最も高い優先度を有するロボットは、目標場所802が利用可能な場合、待ち列場所804に仕向けられるが、他のロボットは、それぞれの優先度に基づいて他の待ち列スロットに待ち列操作される。優先度は、予め規定された目標区域へのロボットの侵入順によって決定され得る。言い換えると、より早く目標区域に侵入すると、より高い優先度、したがって、より低い待ち列番号がロボットに割り当てられる。
【0049】
割り当てられる優先度は、他の方法で確立することができる。例えば、目標区域に侵入する時間の代わり、又はそれと組み合わせて、優先度が、ロボットによって処理されるべき顧客の注文に基づいて割り当てられ得る。各ロボットに対する顧客の注文は、例えば、輸送優先度、物品の種類、顧客の種類、又は小売店などの基準のうちの1つ以上に基づいて優先度を割り当てられ得る。緊急配送の顧客の注文又は好ましい顧客の注文は、高い優先度を割り当てられる可能性があり、したがって、より速い処理を確保するため、より高い優先度の待ち列場所に配置される場合がある。同様に、所定の製品又は小売店に契約関係に基づいて、優先度が与えられ得る。顧客の注文単独の優先度、又は目標区域に侵入する時間に基づいた優先度との組み合わせの優先度を使用して、優先度、したがって、共通の目標場所に対するロボットの競争のための待ち列場所を割り当てることができる。
【0050】
図11を続けて参照すると、予め規定された目標区域803に侵入している2つのロボット824及び826が示されている。ロボット824は、(1、B)の優先度を割り当てられ、ロボット826は、(2、A)の優先度を割り当てられている。この実例では、第1の優先度の基準は、数字であり、ロボットが目標区域803に侵入した順、すなわち、ロボット824は、最初に侵入し、ロボット826は2番目に侵入したことを示す。侵入順が唯一の基準である場合、ロボット824は、待ち列場所804に割り当てられ、ロボット826は、待ち列場所806に割り当てられるであろう。しかし、この実例では、例えば、輸送優先度、物品の種類、顧客の種類、又は小売店など、顧客の注文に関連する第2の基準がある。ロボット824は、その顧客の注文に関して「B」の優先度を割り当てられたが、ロボット826は、「A」の優先度を割り当てられた。この実例では、顧客の注文の優先度が目標区域への侵入順に勝ち、線825及び827に示されるように、ロボット824は、待ち列場所806(場所「2」)に仕向けられ、ロボット826は、待ち列場所804(場所「1」)に仕向けられる。
【0051】
上記の実例は、単に1つの優先度割り当ての実例に過ぎず、優先度を割り当てる任意の適切な方法が、図9に示す標準の待ち列、図11の分割された待ち列並びに以下の図12及び図13に記載の共有/分割された待ち列を使用して本発明と共に使用することができる。
【0052】
図12に示す別の実施例では、本開示の別の態様を説明する。ここでは、「共有された」待ち列830を使用することができる。この文脈において「共有」が意味するものは、待ち列群830が、ステーション838、840、及び842それぞれに関連付けられ、それらの近くにある目標場所832、834、及び836など、複数の目標場所の中で共有されることである。目標場所832、834、又は836のいずれかに向かうロボットは、それぞれ優先度1~9を有する待ち列場所850~858のうちの1つに仕向けられる。これは、待ち列場所850(優先度「1」)は、最も高い優先度を有するロボットが、ロボットが向かう目標場所に関係なく配置される場所であり、待ち列場所9(優先度「9」)は、最も低い優先度を有するロボットが仕向けられるであろう待ち列場所であることを意味する。
【0053】
ステーション838(「A」)、840(「B」)、及び842(「C」)は、同じか又は異なる機能を実行するように構成され得る。例えば、すべてが、誘導ステーション又は包装ステーションとして構成されてもよく、或いはそれらは、誘導ステーションと包装ステーションの組み合わせとして構成されてもよい。さらに、待ち列群830内の任意の数のステーション及び任意の数の待ち列場所を使用してもよい。一例では、ステーション838、840、及び842は、待ち列場所内の任意のロボットが任意の目標場所/ステーションに進むことができるように構成され得る。その場合、実線864で示すように、待ち列場所850に位置するロボットは、この実例では、目標場所832である第1の利用可能な目標場所に進む。目標場所834及び836は、ロボット860及び862それぞれによって、占有されているように示されている。他の待ち列場所のロボットは、すべて次に最も高い優先度の待ち列場所に移動するであろう。
【0054】
代替で、様々な理由で、いくつかのロボットは、所定のステーション/目標場所に進むことだけができる場合がある。この例は、点線866によって図12に示され、待ち列場所851(優先度「2」)のロボットが、待ち列場所850(優先度「1」)のロボットの代わりに空いた目標場所832に進むことを示す。これは、待ち列場所850のロボットは、ステーション838では作業できない(例えば、ロボットは誘導されることが必要であるが、ステーション838は、包装/配送専門であるなど)ことによる可能性がある。点線868が示すように、ロボット860が目標場所834から出発するとき(ロボット860は、ロボット862の前に出発すると仮定する)、待ち列場所850のロボットは、ステーション840で作業する目標場所834に進む。
【0055】
さらに別の実施例では、図13に、待ち列群830a及び830bを有する分割された待ち列に分けられた図12の共有された待ち列830が示されている。この共有された待ち列は、図12の共有された待ち列830と同じ方法で動作するが、ロボット872などのオペレータ及びロボットによって横切られる、経路870の近さにより、2つの待ち列群に分割される。第1の待ち列群830aは、経路870の片側に待ち列場所850~855を有し、第2の待ち列群830bは、経路870の反対側に待ち列場所856~858を有する。2つの待ち列群830a及び830b内の待ち列場所は、物理的に離れていても、一緒に目標場所832、834、及び836への単一の待ち列を形成する。
【0056】
本発明の上述の説明は、当業者が最良の形態と現在考えられるものを作成し、使用することを可能にするが、当業者は、本明細書の特定の実施例及び実例の変形、組み合わせ、並びに等価物の存在を理解し、認識するであろう。本発明の上述の実施例は、例としてのみ意図される。本明細書に添付の特許請求の範囲によってのみ定義される、本発明の範囲から逸脱することなく、改造、変更及び変形を、当業者が特定の実施例にもたらしてもよい。したがって、本発明は、上述の実施例及び実例によって制限されない。
【0057】
本発明及びその好ましい実施例について説明してきたが、新規に請求され、特許文によって保証されるものは、特許請求の範囲に記載される。
図1
図2
図3
図4
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図10
図11
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図13