(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-08
(45)【発行日】2022-02-17
(54)【発明の名称】環状補強構造
(51)【国際特許分類】
E01D 22/00 20060101AFI20220209BHJP
【FI】
E01D22/00 B
(21)【出願番号】P 2020068322
(22)【出願日】2020-04-06
【審査請求日】2020-04-06
(32)【優先日】2020-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】512107846
【氏名又は名称】財團法人國家實驗研究院
【氏名又は名称原語表記】NATIONAL APPLIED RESEARCH LABORATORIES
(74)【代理人】
【識別番号】100167689
【氏名又は名称】松本 征二
(72)【発明者】
【氏名】宋裕祺
(72)【発明者】
【氏名】蘇進國
(72)【発明者】
【氏名】洪曉慧
(72)【発明者】
【氏名】許家銓
(72)【発明者】
【氏名】許家▲ウェイ▼
【審査官】三笠 雄司
(56)【参考文献】
【文献】実開昭56-001904(JP,U)
【文献】実開昭59-140311(JP,U)
【文献】特開平10-292639(JP,A)
【文献】特開2012-233303(JP,A)
【文献】特開2013-044211(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0052221(KR,A)
【文献】特開2017-096007(JP,A)
【文献】特開2002-038413(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01D 19/00-19/04
22/00
E02D 27/34
E04G 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物の支持構造を補強する環状補強構造であって、
外枠フレームと、
前記外枠フレームに接続され、前記外枠フレーム内に設置され、前記外枠フレームとともに環状空間を定義する内枠フレームと、
前記環状空間内に設置され、前記外枠フレームと前記内枠フレームとの間に位置する弾性体と、を備え、
前記内枠フレームは、中空部を定義する楕円形のフレームであり、前記環状空間は、前記中空部を包囲することを特徴とする環状補強構造。
【請求項2】
前記支持構造は、基礎と、複数の支柱と、横桁と、を有し、前記複数の支柱は、互いに間隔をおいて前記基礎の上に設置され、前記横桁は、前記複数の支柱に接続され、前記基礎に対向し、前記基礎、前記複数の支柱、及び前記横桁は、前記支持構造の内周縁を定義し、前記環状補強構造が前記支持構造に結合すると、前記外枠フレームは前記内周縁に取り囲んで取り付けられることを特徴とする請求項1記載の環状補強構造。
【請求項3】
前記弾性体は、互いに隣接して前記環状空間内に設置される複数の弾性ユニットを有し、前記複数の弾性ユニットは、前記外枠フレームと前記内枠フレームに接触することを特徴とする請求項2記載の環状補強構造。
【請求項4】
各前記弾性ユニットの少なくとも1つの断面は、円形であることを特徴とする請求項
3記載の環状補強構造。
【請求項5】
前記外枠フレームは、複数の外枠部材を有し、前記内枠フレームは、複数の内枠部材を有し、各前記外枠部材は、それぞれ各前記内枠部材に接続され、環状サブ空間を定義し、前記複数の弾性ユニットは、互いに隣接して前記環状サブ空間内に設置され、環状補強ユニットを形成し、前記環状補強構造は、複数の前記環状補強ユニットの連結によって構成され、前記環状空間は、複数の前記環状サブ空間によって定義されることを特徴とする請求項4記載の環状補強構造。
【請求項6】
各前記外枠部材は、L字状の外枠部材であり、各前記内枠部材は、アーチ状の内枠部材であり、各前記内枠部材の凸曲面は、各前記外枠部材に対向し、各前記内枠部材と各前記外枠部材は、一体成形されていることを特徴とする請求項5記載の環状補強構造。
【請求項7】
各前記弾性ユニットは、円柱体であることを特徴とする請求項6記載の環状補強構造。
【請求項8】
前記弾性体の弾性復元力は、前記外枠フレームと前記内枠フレームの弾性復元力より高いことを特徴とする請求項7記載の環状補強構造。
【請求項9】
前記外枠フレームと前記内枠フレームの材料は、金属であり、前記弾性体の材料は、熱硬化性のポリマーであることを特徴とする請求項8記載の環状補強構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に構造物の支持構造を補強する環状補強構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、構造物の支持構造は、基礎と、基礎に立設された支柱と、支柱を連結する横桁と、を有して構成される。構造物の支持構造の耐震性能を強化するために、様々な補強支持方式、例えば、柱体拡張補強、袖壁補強、ブレース補強の方式などは既に開発されている。さらに、振動吸収または振動遮断の装置(例えば、ダンパ)を設置することもある。それによって、地震の揺れによる構造物の横方向の変位を抑制することができ、損害を軽減することができる。近年、一般に採用される補強方式は、支持構造にブレースの補強構造を配置する方式である。即ち、ブレース補強構造は、互いに交差する複数のブレースを備える。前記複数のブレースは、隣接する支柱と横桁を斜め方向で連結する。
【0003】
例えば、トラス橋には、橋の支持構造として複数の橋台が間隔をおいて基礎の上に設置される。各橋台は、少なくとも2つの支柱と、少なくとも1つの横桁を有する。各支柱は、基礎の上に設置される。前記横桁は、前記複数の支柱に接続される。各橋台と基礎によって、中空領域が定義される。複数の橋台と基礎で定義された中空領域は、トラス橋を視覚的に透き通る印象にすることができる。ただし、橋の支持構造の耐震性能を強化するために、通常、既知のブレース補強構造には、各中空領域に少なくとも2つのブレースが交差して設置され、かつ橋台と基礎に接続される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記既知のブレース補強構造は、橋台と基礎の間の空間を占領するだけではなく、トラス橋の透き通る印象に悪影響を与えるという問題がある。また、各ブレースは、長さが比較的長く、重量も重いので、リベットなどの部品を橋台または基礎に打ち込んでから、リベットによってブレースを橋台または基礎に設置する必要がある。リベットによる設置方式は、橋台または基礎の構造の一部に損傷を与えることになるという課題がある。なお、既知のブレース補強構造は、部材の運搬が困難で、工事が複雑になり、工事期間が長いという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、環状空間を定義する外枠フレームと内枠フレームとを備え、環状空間内に弾性体を充填する環状補強構造を提供することを目的とする。外力(地震の揺れで構造物に加わる外力)が環状補強構造に加えられると、前記弾性体は圧縮変形によって外力を効果的に吸収することが可能なので、本発明に係る環状補強構造は外力吸収の効果を発揮することができる。また、外力が消えると、前記弾性体は、自身の高い弾性復元力によって迅速に元の形状に回復することが可能なので、その回復力で外枠フレームと内枠フレームを元の位置に戻し、環状補強構造の位置を復元することができる。複雑な構造を有する既知のダンパに比べて、本発明は弾性体自身の特性を利用して振動吸収の効果を得るので、構造を簡略化することができる。
【0006】
なお、本発明の他の目的は、内枠フレームが中空部を有し、構造物に設置されても橋の透き通る印象に悪影響を与えない環状補強構造を提供する。
【0007】
なお、本発明の他の目的は、工事の効率を高めるために、体積が小さい複数の環状補強ユニットに解体することができ、構造物の所在地に運搬されやすく、工事現場で迅速に複数の環状補強ユニットを構造物に結合する環状補強構造として組み立てることが可能な環状補強構造を提供する。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、外枠フレーム、内枠フレーム、及び弾性体を備え、構造物の支持構造を補強する環状補強構造を提供する。前記内枠フレームは、前記外枠フレームに接続され、前記外枠フレーム内に設置され、前記外枠フレームとともに環状空間を定義する。前記弾性体は、前記環状空間内に設置され、前記外枠フレームと前記内枠フレームとの間に位置する。
【0009】
前記構造物の前記支持構造は、基礎と、間隔をおいて前記基礎に設置される複数の支柱と、横桁と、を有する。前記横桁は、前記複数の支柱に接続され、前記基礎に対向する。前記基礎、前記複数の支柱、及び前記横桁は、前記支持構造の内周縁を定義する。前記環状補強構造が前記支持構造に結合すると、前記外枠フレームは前記内周縁に取り囲んで取り付けられる。
【0010】
前記弾性体は、互いに隣接して前記環状空間内に設置される複数の弾性ユニットを有する。前記複数の弾性ユニットは、前記外枠フレームと前記内枠フレームに接触する。
【0011】
前記内枠フレームは、中空部を定義する楕円形のフレームである。前記環状空間は、前記中空部を包囲する。
【0012】
各前記弾性ユニットの少なくとも1つの断面は、円形である。
【0013】
前記外枠フレームは、複数の外枠部材を有する。前記内枠フレームは、複数の内枠部材を有する。各前記外枠部材は、それぞれ各前記内枠部材に接続され、環状サブ空間を定義する。前記複数の弾性ユニットは、互いに隣接して前記環状サブ空間内に設置され、環状補強ユニットを形成する。前記環状補強構造は、複数の前記環状補強ユニットの連結によって構成される。前記環状空間は、複数の前記環状サブ空間によって定義される。
【0014】
各前記外枠部材は、L字状の外枠部材である。各前記内枠部材は、アーチ状の内枠部材である。各前記内枠部材の凸曲面は、各前記外枠部材に対向する。各前記内枠部材と各前記外枠部材は、一体成形されている。
【0015】
各前記弾性ユニットは、円柱体である。
【0016】
前記弾性体の弾性復元力は、前記外枠フレームと前記内枠フレームの弾性復元力より高い。
【0017】
前記外枠フレームと前記内枠フレームの材料は、金属である。前記弾性体の材料は、熱硬化性のポリマーである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に係る環状補強構造の実施例と構造物の支持構造の結合を示す部分斜視図である。
【
図2】本発明に係る環状補強構造の実施例を示す正面図である。
【
図3】本発明に係る環状補強構造の実施例と構造物の支持構造の組み立てを示す部分模式図である。
【
図4】本発明に係る環状補強構造による迅速な工事方式を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に係る環状補強構造1は、構造物(例えば、橋)の支持構造2を補強するものである。また、以下の説明においては、本発明の実施例を構造物の支持構造2に適用するものを例として説明する。
図1は、本発明に係る環状補強構造1の実施例と構造物の支持構造2の結合を示す部分斜視図である。
図2は、本発明に係る環状補強構造1の実施例を示す正面図である。
図3は、本発明に係る環状補強構造1の実施例と構造物の支持構造の組み立てを示す部分模式図である。
図4は、本発明に係る環状補強構造1による迅速な工事方式を示すフローチャートである。まず、構造物の支持構造2について説明する。
図1及び
図3に示すように、構造物の支持構造2は、基礎21と複数の橋台を備える。各橋台は、対向する2つの支柱22及び横桁23を有する。前記支柱22は、互いに間隔をおいて基礎21の上に設置される。横桁23は、前記複数の支柱22に接続され、かつ基礎21に対向する。基礎21、複数の支柱22、及び横桁23は、支持構造2の内周縁24を定義し、中空領域24aを形成する。即ち、複数の橋台と基礎21で複数の中空領域24aを形成することで、構造物を視覚的に透き通る印象にすることができる。
【0020】
次に、本発明に係る環状補強構造1の実施例の詳細な構造について説明する。
図2及び
図3に示すように、環状補強構造1は、外枠フレーム11、内枠フレーム12、及び弾性体13を備える。内枠フレーム12は、外枠フレーム11に接続され、外枠フレーム11内に設置され、外枠フレーム11とともに環状空間Aを定義する。この実施例において、内枠フレーム12は、中空部12aを定義する楕円形のフレームである。即ち、環状空間Aは、中空部12aの外側に位置する。弾性体13は、複数の弾性ユニット131を有する。複数の弾性ユニット131は、互いに隣接して環状空間A内に設置され、外枠フレーム11と内枠フレーム12との間に位置する。
図1に示すように、環状補強構造1が支持構造2に結合すると、外枠フレーム11は内周縁24に取り囲んで取り付けられる。環状補強構造1は中空部12aを有するので、環状補強構造1を支持構造2に設置しても、支持構造2の中空領域24aを遮ることはなく、構造物の視覚的に透き通る印象を維持することができる。
【0021】
図3に示すように、外枠フレーム11は、4つの外枠部材111を有する。内枠フレーム12は、4つの内枠部材121を有する。この実施例において、各外枠部材111は、L字状の外枠部材である。各内枠部材121は、アー
チ状の内枠部材である。各弾性ユニット131は、円柱体である。即ち、各弾性ユニット131の1つの断面は、円形である。各内枠部材121の凸曲面1211は、各外枠部材111に対向する。この実施例において、各内枠部材121の両端は、各外枠部材111の両端に接続される。複数の弾性ユニット131は、外枠部材111と内枠部材121の間に設置される。それによって、環状補強ユニット14が形成される。環状補強ユニット14の形状は、略三角形である。言い換えれば、本実施例に係る環状補強構造1は、4つの環状補強ユニット14を有する。各環状補強ユニット14,それぞれ環状サブ空間A1を定義する。環状補強構造1の環状空間Aは、複数の環状サブ空間A1によって構成される。即ち、この実施例において、環状空間Aは、4つの環状サブ空間A1に区分けされる。
【0022】
複数の弾性ユニット131は、互いに隣接して環状サブ空間A1内に設置される。
図3に示すように、環状サブ空間A1の形状は略三角形である。略三角形の環状サブ空間A1内に弾性ユニット131をなるべく隙間なく充填するために、各弾性ユニット131は、それぞれ異なる直径を有し、互いに隣接して環状サブ空間A1内に設置される。各弾性ユニット131は弾性復元力を有するため、組み立ての際には、各弾性ユニット131を少し圧縮して環状サブ空間A1に入れると、弾性ユニット131は環状サブ空間A1内に弾性復元力によって元の形状に回復し、しっかり外枠部材111と内枠部材121の間に設置される。それによって、他の固定部品を利用して弾性ユニット131を環状サブ空間A1に固定する必要はない。そのため、本発明に係る環状補強構造1の構造を簡略化することができ、組み立てのコストを削減することができる。
【0023】
前述のように、本発明に係る環状補強構造1は、工場に複数の環状補強ユニット14を予め製造し、体積が比較的小さい環状補強ユニット14を構造物の所在地に運搬することが可能である。それによって、本発明に係る環状補強構造1は、運搬しやすいという効果を得ることが可能になる。さらに、本発明は、環状補強構造1で構造物の支持構造2を補強する迅速な工事方式(
図4も参照)を提供する。ステップS1は、4つの環状補強ユニット14をそれぞれ支持構造2の中空領域24aの4つのコーナーに設置し、各外枠部材111を内周縁24に対応して取り付ける。ステップS2は、隣接した環状補強ユニット14を連結する(この実施例においては、ボルト15を利用して環状補強ユニット14を連結する)。前記2つのシンプルなステップによって、本実施例に係る環状補強構造1は、支持構造2を補強できるように、迅速に組み立てられて支持構造2の内周縁24に取り付けられる。
【0024】
この実施例において、外枠フレーム11の長さと幅は中空領域24aの長さと幅よりやや大きいので、外枠フレーム11は中空領域24a内に安定して係合できる。本発明の他の実施例において、環状補強構造1と内周縁24の間に隙間を設けて、さらにステップS3を行ってもよい。ステップS3は、外枠部材111と内周縁24の間にある隙間に充填剤を充填する。なお、充填剤は、無収縮モルタルまたはエポキシ樹脂であってもよい。前記既知のブレース補強構造は、リベットなどの固定部材で支持構造と補強構造を連結するために、支柱または横桁の一部に損傷を与える必要がある。それに比べて、本発明に係る環状補強構造1は、支柱または横桁に損傷を与える必要がなく、支持構造内に直接係合することで、支持構造を補強することができるという利点がある。
【0025】
本実施例において、外枠フレーム11と内枠フレーム12の材料は、鋼鉄である。弾性体13の材料は、加硫ゴム
である。そのため、弾性体13の弾性復元力は、外枠フレーム11と内枠フレーム12の弾性復元力より高い。外枠フレーム11は、基礎21から支柱22と横桁23まで延在し、支持構造2の内周縁24に取り付けられるので、支持構造2を内側からサポートすることが可能である。なお、構造物が地震で揺れると、支柱22と横桁23及び基礎21の接続箇所(即ち、中空領域24aの4つのコーナー)に加わる横方向の力が最も大きいので、支持構造2はこれらの接続箇所で破断しやすいと考えられる。楕円形の内枠フレーム12と外枠フレーム11の組み合わせによって、本発明に係る環状補強構造1は、中空領域24aの4つのコーナーに三角形のサポートを形成できるので、中空領域24aの4つのコーナーにおける支持力を強化することが可能である。
【0026】
また、構造物が地震で揺れると、外枠フレーム11と内枠フレーム12の間に位置する弾性体13によって、揺れによる横方向の力は支持構造2から外枠フレーム11に伝達されて、さらに弾性体13に伝達される。弾性体13は、圧縮変形によって外力を効果的に吸収して軽減することができる。また、弾性体13のクッション作用によって、外枠フレーム11と支持構造2の衝突を回避することができる。地震が終わると、弾性体13は高い弾性復元力で迅速に元の形状に回復することが可能である。そして、弾性体13は、外枠フレーム11及び内枠フレーム12に力を加え、外枠フレーム11及び内枠フレーム12を元の位置に回復させることが可能である。それによって、本発明に係る環状補強構造1は、地震後に元の位置に回復できるという効果を得ることが可能になる。
【0027】
さらに、本発明に係る環状補強構造1は、支持構造2における補強が必要な箇所に柔軟に対応することができ、弾性体13の弾性ユニット131の数量と各弾性ユニット131のサイズ、形状、及び設置位置を調整することが可能である。例えば、この実施例において、中空領域24aの各コーナーの中央部は最も力を受けるので、これらの箇所に直径が最も大きい弾性ユニット131を配置し(
図2及び
図3に示すように、中空領域24aの4つのコーナーに直径が最も大きい弾性ユニット131を配置し)、横方向の力をより多く吸収する。また、この実施例において、弾性ユニット131は円柱体であるが、本発明の他の実施例において、弾性ユニットは球体など他の形状であってもよい。他の実施例において、弾性ユニット131が球体である場合、弾性ユニット131の少なくとも2つの断面は円形である。
【0028】
なお、本発明の他の実施例において、外枠フレーム11及び内枠フレーム12の材料は金属であり、弾性体13の材料は熱硬化性のポリマーであるが、これらの材料に限定されない。また、本発明に係る環状補強構造1の実施例は、4つの環状補強ユニット14を備えるが、本発明は、構造物の支持構造2のサイズ及び形状に応じて環状補強ユニット14の数量を変更してもよいし、外枠フレーム11及び内枠フレーム12を一体成形し、複数の環状補強ユニット14に分けなくてもよい。
【0029】
上述の実施例は、本発明の実施形態を説明するものであり、本発明の特徴構成を説明するものであるが、本発明は上記の実施例に限定されるものではない。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0030】
1 環状補強構造
11 外枠フレーム
111 外枠部材
12 内枠フレーム
121 内枠部材
1211 凸曲面
12a 中空部
13 弾性体
131 弾性ユニット
14 環状補強ユニット
15 ボルト
2 支持構造
21 基礎
22 支柱
23 横桁
24 内周縁
24a 中空領域
A 環状空間
A1 環状サブ空間