(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-08
(45)【発行日】2022-02-17
(54)【発明の名称】ポイント付与方法、プログラム、およびポイント情報管理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/12 20120101AFI20220209BHJP
G06Q 30/02 20120101ALI20220209BHJP
【FI】
G06Q50/12
G06Q30/02 320
(21)【出願番号】P 2020120072
(22)【出願日】2020-07-13
【審査請求日】2020-07-13
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年3月9日 株式会社スーパーホテルのホームページ「Smart Membership」にて公開
(73)【特許権者】
【識別番号】399040221
【氏名又は名称】株式会社スーパーホテル
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】日吉 常樹
(72)【発明者】
【氏名】板垣 邦直
(72)【発明者】
【氏名】中 朋大
(72)【発明者】
【氏名】久畑 徹
【審査官】山内 裕史
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-148891(JP,A)
【文献】特開2011-053848(JP,A)
【文献】特開2020-080156(JP,A)
【文献】特開2013-122685(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の顧客から前記第1の顧客および第2の顧客の宿泊の申込情報を取得するステップと、
前記申込情報から前記第1の顧客の会員情報を抽出するステップと、
顧客のポイントを管理するデータベースに、抽出された前記第1の顧客の会員情報に関連付けられたポイントを加算するステップと、
前記第2の顧客の宿泊の申込情報に基づいて引換情報を生成するステップと、
前記第2の顧客について前記引換情報を出力するステップと、
前記引換情報の入力を受け付けたことに応じて、前記データベースにおいて、前記第2の顧客の会員情報に関連付けられたポイントを加算するステップと、を備え
、
前記引換情報は、2以上の前記第2の顧客の各々に対して生成された固有の情報を含む、ポイント付与方法。
【請求項2】
前記引換情報を出力するステップは、2以上の前記第2の顧客の各々に対して実行される、請求項1に記載のポイント付与方法。
【請求項3】
前記引換情報の入力は、前記宿泊から一定期間以内にのみ受け付けられる、請求項1
または請求項2に記載のポイント付与方法。
【請求項4】
前記引換情報は、用紙に印刷されることによって出力される、請求項1
~請求項
3のいずれか1項に記載のポイント付与方法。
【請求項5】
前記引換情報は、文字列、または、前記文字列に対応する画像として印刷される、請求項
4に記載のポイント付与方法。
【請求項6】
前記引換情報を出力するステップは、前記データベースを管理するウェブサイトへのリンク情報、および、前記データベースを管理するアプリケーションの起動の指示の少なくとも一方を前記用紙に印刷することを含む、請求項
4または請求項
5に記載のポイント付与方法。
【請求項7】
前記ポイントを加算するステップでは、前記引換情報の入力に加えてさらに前記第2の顧客の会員情報を入力されたことに応じて、前記第2の顧客の会員情報に関連付けられたポイントが加算され、
前記データベースは、前記第2の顧客の会員情報と前記第2の顧客によって予め入力された顧客情報とを関連付け、
前記ポイントを加算するステップでは、前記第2の顧客の会員情報の代わりに前記顧客情報が入力されたことに応じて、前記第2の顧客の会員情報に関連付けられたポイントが加算される、請求項1~請求項
6のいずれか1項に記載のポイント付与方法。
【請求項8】
請求項1~請求項
7のいずれか1項に記載のポイント付与方法を1つ以上のプロセッサに実行させるための、プログラム。
【請求項9】
請求項
8に記載のプログラムを格納したメモリと、
前記プログラムを実行する1つ以上のプロセッサとを備える、ポイント情報管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ポイント付与方法に関し、特に、宿泊施設への宿泊に対してポイントを付与するポイント付与方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、宿泊施設の予約やチェックインに特化した情報処理が種々提案されている。たとえば、特開2016-157260号公報(特許文献1)は、チェックイン時の顧客に、顧客について管理される情報を、端末へ手描き入力させる技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、宿泊施設への宿泊に対してポイントが付与される場合がある。
複数の顧客のうちの一部の顧客が複数の顧客の宿泊を申し込む際、当該一部の顧客は、当該一部の顧客についてはポイントを付与されるための情報(たとえば、残りの顧客のそれぞれの会員番号など)を申込先であるシステムに対して入力できても、残りの顧客についての当該情報を入力できない場合がある。この場合、残りの顧客に対しては、一部の顧客と同様に宿泊施設に宿泊してもポイントが付与できない。
【0005】
本開示は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、複数の顧客の宿泊について、宿泊の申し込みをした顧客だけでなく、宿泊の申し込みをした顧客以外の顧客にもポイントを付与するための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のある局面に従うと、第1の顧客から第1の顧客および第2の顧客の宿泊の申込情報を取得するステップと、申込情報から第1の顧客の会員情報を抽出するステップと、顧客のポイントを管理するデータベースに、抽出された第1の顧客の会員情報に関連付けられたポイントを加算するステップと、第2の顧客の宿泊の申込情報に基づいて引換情報を生成するステップと、第2の顧客について引換情報を出力するステップと、引換情報の入力を受け付けたことに応じて、データベースにおいて、第2の顧客の会員情報に関連付けられたポイントを加算するステップと、を備える、ポイント付与方法が提供される。
【0007】
引換情報の入力は、宿泊から一定期間以内にのみ受け付けられていてもよい。
引換情報は、用紙に印刷されることによって出力されてもよい。
【0008】
引換情報は、文字列、または、文字列に対応する画像として印刷されてもよい。
引換情報を出力するステップは、データベースを管理するウェブサイトへのリンク情報、および、データベースを管理するアプリケーションの起動の指示の少なくとも一方を用紙に印刷することを含んでいてもよい。
【0009】
ポイントを加算するステップでは、引換情報の入力に加えてさらに第2の顧客の会員情報を入力されたことに応じて、第2の顧客の会員情報に関連付けられたポイントが加算されてもよい。データベースは、第2の顧客の会員情報と第2の顧客によって予め入力された顧客情報とを関連付けてもよい。ポイントを加算するステップでは、第2の顧客の会員情報の代わりに顧客情報が入力されたことに応じて、第2の顧客の会員情報に関連付けられたポイントが加算されてもよい。
【0010】
本開示の他の局面に従うと、上記のポイント付与方法を1つ以上のプロセッサに実行させるための、プログラムが提供される。
【0011】
本開示のさらに他の局面に従うと、上記プログラムを格納したメモリと、プログラムを実行する1つ以上のプロセッサとを備える、ポイント情報管理装置が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、第1の顧客が当該第1の顧客と第2の顧客の宿泊を申し込んだ場合に、第2の顧客は、当該第2の顧客の会員情報が宿泊の申込情報に含まれていなくても、引換情報を入力することによってポイントを加算される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】ポイント付与システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】ポイント情報管理装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】情報端末20Aのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】チェックイン端末20Bのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図5】情報端末20Aまたはチェックイン端末20Bから出力される引換券の一例を示す図である。
【
図6】ポイント情報管理装置10が予約情報を取得したときに実行する処理の一例のフローチャートである。
【
図7】予約情報のデータ構成の一例を示す図である。
【
図8】会員データベースのデータ構成の一例を示す図である。
【
図9】予約データベースのデータ構成の一例を示す図である。
【
図10】予約データベースのデータ構成の他の例を示す。
【
図11】ポイント情報管理装置10が宿泊者のチェックイン時に実行する処理の一例のフローチャートである。
【
図12】予約データベースのデータ構成のさらに他の例を示す図である。
【
図13】会員データベースのデータ構成の他の例を示す図である。
【
図14】事後付与情報データベースのデータ構成の一例を示す図である。
【
図15】引換情報の入力においてユーザの端末に表示される画面の具体例を示す図である。
【
図16】引換情報の入力においてユーザの端末に表示される画面の具体例を示す図である。
【
図17】ポイントを事後的に付与するためにポイント情報管理装置10が実行する処理の一例のフローチャートである。
【
図18】会員データベースのデータ構造の他の例を示す図である。
【
図19】事後付与情報データベースのデータ構成の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、図面を参照しつつ、ポイント付与システムの一実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらの説明は繰り返さない。
【0015】
[1.ポイント付与システムの構成]
図1は、ポイント付与システムの構成の一例を示す図である。ポイント付与システムは、ある宿泊施設の宿泊に対して顧客に付与されるポイントを管理する。
【0016】
図1に示されるように、ポイント付与システムは、ポイント情報管理装置10と、情報端末20Aと、チェックイン端末20Bと、ユーザ端末30とを含む。ポイント情報管理装置10、情報端末20A、チェックイン端末20B、および、ユーザ端末30は、ネットワークNを介して互いに通信可能である。
【0017】
ポイント情報管理装置10は、宿泊情報に基づいて、宿泊客にポイントを付与するための引換情報を、情報端末20Aまたはチェックイン端末20Bへ出力する。一実現例では、情報端末20Aは、引換情報を受信すると、プリンタ50に引換情報を印刷された用紙(引換券)の出力を指示する。一実現例では、チェックイン端末20Bは、印刷情報を受信すると、引換券を出力する。ユーザは、引換券等によって取得した引換情報をユーザ端末30に入力する。ユーザ端末30は、入力された引換情報を、ネットワークNを介してポイント情報管理装置10へ送信する。ポイント情報管理装置10は、引換情報の入力に応じて、ユーザに対してポイントを付与する。
【0018】
[2.ポイント情報管理装置10のハードウェア構成]
図2は、ポイント情報管理装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。ポイント情報管理装置10は、通信インターフェース11と、プロセッサ12と、記憶装置13とを含む。通信インターフェース11は、たとえばネットワークインターフェースによって実現される。ポイント情報管理装置10は、通信インターフェース11を介して、ネットワーク上の他の装置(情報端末20A等)と通信する。
【0019】
ポイント情報管理装置10は、プロセッサ12が所与のプログラムを実行することにより、種々の動作を実行する。記憶装置13は、プロセッサ12によって実行されるプログラムおよび/または後述する会員データベース(
図8参照)等のデータを格納する。
【0020】
[3.情報端末20Aのハードウェア構成]
図3は、情報端末20Aのハードウェア構成の一例を示す図である。情報端末20Aは、通信インターフェース21と、プロセッサ22と、記憶装置23と、ディスプレイ24と、入出力インターフェース25とを含む。
【0021】
通信インターフェース21は、たとえばネットワークインターフェースによって実現される。情報端末20Aは、通信インターフェース21を介して、ネットワーク上の他の装置(ポイント情報管理装置10等)と通信する。
【0022】
情報端末20Aは、プロセッサ22が所与のプログラムを実行することにより、種々の動作を実行する。記憶装置23は、プロセッサ22によって実行されるプログラムおよび/または種々のデータを格納する。ディスプレイ24は、液晶表示装置等の表示装置と、タッチセンサ等の入力装置とを含む。入出力インターフェース25は、プリンタ等の外部機器と情報端末20Aの間のデータの送受信におけるインターフェースとして機能する。情報端末20Aにおいて、プロセッサ22は、入出力インターフェース25を介して、プリンタに引換情報の印刷を指示することができる。
【0023】
[4.チェックイン端末20Bのハードウェア構成]
図4は、チェックイン端末20Bのハードウェア構成の一例を示す図である。
図3の情報端末20Aと比較して、チェックイン端末20Bは、入出力インターフェース25の代わりにプリンタ26を含む。
【0024】
チェックイン端末20Bにおいて、プロセッサ22は、プリンタ26から引換券を出力することができる。
【0025】
[5.引換券]
図5は、情報端末20Aまたはチェックイン端末20Bから出力される引換券の一例を示す図である。
図5に示されるように、引換券500は、領域501,502,503,504を含む。領域501は、宿泊に対してポイントが事後的に付与されることを報知するメッセージを含む。
【0026】
領域502は、ポイント付与の対象となる宿泊に関する情報を含む。
図5の例では、領域502は、宿泊者名(お名前:ロハス_ヒマワリ_様)、宿泊期間(ご利用期間:2020/02/14~2020/02/15(1泊))、引換券500による事後的なポイント付与の有効期限(ポイント引換券有効期限:2020/02/16_AM10:00)を含む。
【0027】
領域503は、QR(quick response)コードを含む。QRコード(登録商標)は、ポイント付与に必要とされる引換番号を含む種々の情報がコード化されたものである。引換番号については、
図12を参照して後述する。
【0028】
領域504は、引換番号を表す17桁の数字(1234123456788)を含む。引換番号は、ポイント付与のために入力を必要とされる情報(引換情報)の単なる一例である。引換情報は、いかなる種類の情報(文字、数字、記号、画像、など)によっても構成され得る。
【0029】
[6.予約情報取得時の処理の流れ]
図6は、ポイント情報管理装置10が予約情報を取得したときに実行する処理の一例のフローチャートである。予約情報は、ウェブサイトなどで宿泊施設の予約を受け付ける外部の装置(
図1に示されていない、予約サーバー)によって生成されてもよいし、ウェブサイトなどで宿泊施設の予約を受け付けたポイント情報管理装置10によって生成されてもよい。
【0030】
ポイント情報管理装置10は、外部の装置から予約情報を受信したとき、または、予約情報を生成したときに、
図6の処理を開始する。ポイント情報管理装置10は、たとえばプロセッサ12に所与のプログラムを実行させることによって
図6の処理を実現する。
【0031】
図6を参照して、ステップS100にて、ポイント情報管理装置10は、予約情報を取得(受信または生成)する。
【0032】
図7は、予約情報のデータ構成の一例を示す図である。
図7の予約情報は、たとえばポイント情報管理装置10の記憶装置13に格納される。
【0033】
図7の例では、予約情報は、「予約者の情報」と「予約内容」とを含む。
より具体的には、「予約者の情報」は、予約者のメールアドレスおよび予約者のパスワードを含む。一実現例では、予約者は、予約用のウェブサイトに、メールアドレスとパスワードとを入力する。入力されたメールアドレスとパスワードとが予約情報に含まれる。
図7の例では、予約者のメールアドレスの一例として「SR@AAA.com」が、予約者のパスワードの一例として「pass_SR」が、それぞれ示されている。
【0034】
「予約内容」は、宿泊者名、タイプ、到着日、および、出発日を含む。一実現例では、予約者は、予約用のウェブサイトに、宿泊者名、(宿泊する部屋の)タイプ、到着日、および、出発日を入力すると、これらが宿泊情報に含まれる。
図7の例では、宿泊者名として3人の氏名(「ロハス_サクラ」「ロハス_ヒマワリ」および「ロハス_モミジ」)が、タイプとして「0」が、到着日として「2020/02/14」が、出発日として「2020/02/15」が、それぞれ含まれる。一実現例では、タイプは、宿泊施設の部屋のタイプを表す。たとえば、タイプ「0」はシングルルームを、タイプ「1」はダブルルームを、タイプ「2」はツインルームを、タイプ「3」はトリプルルームを、それぞれ表す。
【0035】
図6に戻って、ステップS102にて、ポイント情報管理装置10は、取得された予約情報に予約番号を付与する。
【0036】
ステップS104にて、ポイント情報管理装置10は、予約情報において予約者のメールアドレスとパスワードとから、予約者の会員番号を取得する。一実現例では、予約者の会員番号の取得に、会員データベースが利用される。
【0037】
図8は、会員データベースのデータ構成の一例を示す図である。会員データベースは、たとえばポイント情報管理装置10の記憶装置13に格納される。
【0038】
図8に示されるように、会員データベースは、予約対象の宿泊施設の会員に関するデータベースであり、より具体的には、「会員番号」と、「メールアドレス」と、「パスワード」と、「ポイント」とを含む。一実現例では、ユーザは、会員登録の際に、メールアドレスと、パスワードとをポイント情報管理装置10に登録する。ポイント情報管理装置10は、各ユーザに会員番号を割り当てる。
図8の例では、メールアドレス「SR@AAA.com」には、会員番号「BVLJ710」が割り当てられている。「ポイント」は、宿泊などに対して各ユーザ(会員)に付与されるポイントを意味する。
図8の例では、メールアドレス「SR@AAA.com」によって特定されるユーザに対して500ポイントが付与されている。
【0039】
図6に戻って、ステップS104にて、ポイント情報管理装置10は、会員データベースにおいて、予約情報に含まれるメールアドレスおよびパスワードに関連付けられた会員を検索し、検索結果である会員に付与された会員番号を、予約者の会員番号として取得する。
【0040】
ステップS106にて、ポイント情報管理装置10は、ステップS100にて取得した予約情報と、ステップS102において付与された予約番号と、ステップS104において取得した会員番号を予約データベースに登録する。
【0041】
図9は、予約データベースのデータ構成の一例を示す図である。予約データベースは、たとえばポイント情報管理装置10の記憶装置13に格納される。
【0042】
図9に示されるように、予約データベースは、「予約番号」と、「宿泊者名」と、「タイプ」と、「到着日」と、「出発日」と、「会員番号」と、「C/I」とを含む。
【0043】
図9の例では、
図7に示された予約情報に対して、予約番号「0001」が付与されている。「C/I」は、チェックインがあったか否かを表す。「C/I」の値が「Y」であることは、予約情報によって規定された宿泊者のチェックインが完了していることを意味し、「C/I」の値が「N」であることは、当該宿泊者がまだチェックインしていないことを意味する。
【0044】
ステップS106の後、ポイント情報管理装置10は、
図6の処理を終了させ、新たな予約情報を取得するまで待機する。新たな予約情報を受信(または生成)すると、ポイント情報管理装置10は、予約データベースに情報を蓄積する。
【0045】
図10は、予約データベースのデータ構成の他の例を示す。
図10に示された状態では、予約データベースは、
図9に示された状態に対して予約番号「0002」に対応する予約情報を追加されている。
【0046】
[7.チェックイン時の処理の流れ]
図11は、ポイント情報管理装置10が宿泊者のチェックイン時に実行する処理の一例のフローチャートである。
【0047】
宿泊者は、宿泊施設のフロントに設置された情報端末20Aを操作する従業員に申し出ることによって宿泊施設にチェックインしてもよいし、チェックイン端末20Bを操作することによって宿泊施設にチェックインしてもよい。ポイント情報管理装置10は、情報端末20Aまたはチェックイン端末20Bから宿泊者がチェックインしたこと表す通知を取得したことに応じて、
図11の処理を開始する。ポイント情報管理装置10は、たとえばプロセッサ12に所与のプログラムを実行させることによって
図11の処理を実現する。
【0048】
なお、情報端末20Aおよびチェックイン端末20Bは、チェックインの後すぐに、ポイント情報管理装置10に上記通知を送信してもよい。情報端末20Aおよびチェックイン端末20Bは、宿泊者のチェックインに関する情報を所与の条件が成立するまで蓄積し、所与の条件が成立したことに応じて、チェックインに関する情報をポイント情報管理装置10へ送信してもよい。一実現例では、情報端末20Aおよびチェックイン端末20Bは、毎日、特定の時刻(たとえば、チェックイン締切時刻)に、その日に受け付けたチェックインに関する情報をまとめてポイント情報管理装置10へ送信してもよい。情報端末20Aおよびチェックイン端末20Bからポイント情報管理装置10へ、複数の予約番号に対応するチェックインの情報が送信される場合、
図11の処理は、予約番号ごとに実行され得る。
【0049】
図11を参照して、ステップS200にて、ポイント情報管理装置10は、情報端末20Aまたはチェックイン端末20Bから、チェックインした宿泊者に対応する予約番号を取得する。
【0050】
ステップS202にて、ポイント情報管理装置10は、予約データベースにおいて、ステップS200において取得した予約番号の「C/I」の値を、「N」から「Y」へ更新する。
【0051】
図12は、予約データベースのデータ構成のさらに他の例を示す図である。予約番号「0001」の宿泊者全てがチェックインすると、予約データベースは、
図10に示された状態から
図12に示された状態へと更新される。すなわち、予約番号「0001」に対応する宿泊者全ての「C/I」の値が「N」から「Y」へと更新される。
【0052】
図11に戻って、ステップS204にて、ポイント情報管理装置10は、ステップS200において取得した予約番号に予約データベースにおいて関連付けられた会員番号を取得する。
図12では、予約番号「0001」に、会員番号「BVLJ710」が関連付けられている。ポイント情報管理装置10は、たとえば、予約番号「0001」を取得すると、当該予約番号に関連付けられた会員番号として「BVLJ710」を取得する。
【0053】
図11に戻って、ステップS206にて、ポイント情報管理装置10は、ステップS204において取得した会員番号に対するポイントの付与を所定のリスト(たとえば、ポイント付与リスト)に登録する。ポイント情報管理装置10は、ポイント付与リストに、ポイントを付与される会員番号と、付与されるポイントとを登録してもよく、毎日、所定の時刻が到来すると、ポイント付与リストに登録された内容(会員番号およびポイント数)に基づいて会員データベースを更新した後、ポイント付与リストをリセットしてもよい。
【0054】
図13は、会員データベースのデータ構成の他の例を示す図である。予約番号「0001」の宿泊者がチェックインすると、ポイント情報管理装置10は、当該宿泊者に関するポイントの付与をポイント付与リストに登録し、上記所定の時刻が到来すると、会員データベースを、
図8に示された状態から
図13に示された状態へと更新する。より具体的には、ポイント情報管理装置10は、予約番号「0001」に対応する会員番号「BVLJ710」の「ポイント」の値に500を加算する。これにより、予約番号「0001」の予約を入れた会員(会員名:ロハス_サクラ,会員番号:BVLJ710)に対して付与されたポイントが、「500」から「1000」へと増加する。
【0055】
図11に戻って、ステップS208にて、ポイント情報管理装置10は、ステップS200にて取得した予約番号について、ステップS206でポイントの付与を登録した宿泊者(会員)以外の宿泊者について、引換番号を生成し、事後付与情報データベースに登録する。
【0056】
図14は、事後付与情報データベースのデータ構成の一例を示す図である。
図14の事後付与情報データベースは、たとえばポイント情報管理装置10の記憶装置13に格納される。
【0057】
図12の予約番号「0001」には3人の宿泊者が含まれるのに対し、ステップS206では1人の宿泊者(ロハス_サクラ)についてのみポイントの付与が登録された。
図14の事後付与情報データベースには、予約番号「0001」に含まれる3人のうち、ポイントを付与されていない2人の宿泊者のそれぞれについて登録される2つの引換番号(「12341234123456788」および「12341234123456789」)が登録されている。引換番号は、引換情報の一例である。
図14の例では、引換番号は17桁の数字によって構成されるが、引換情報は、数字以外の他の態様によって構成される情報であってもよい。
【0058】
なお、
図14に示されるように、事後付与情報データベースは、各引換番号が登録された日を特定する情報(登録日)をさらに含む。すなわち、ポイント情報管理装置10は、事後付与情報データベースに対して、各宿泊者について引換番号を生成して登録するとともに、引換番号を登録した日(たとえば、宿泊者がチェックインした日)を登録する。
【0059】
図11に戻って、ポイント情報管理装置10は、
ステップS210にて、ステップS200における予約番号の送信元(情報端末20Aまたはチェックイン端末20B)に対して、引換券の出力を指示する。その後、ポイント情報管理装置10は
図11の処理を終了させる。
【0060】
引換券の出力の指示に応じて、ステップS200の予約番号をポイント情報管理装置10に送信した情報端末20Aまたはチェックイン端末20Bは、引換券を出力する。より具体的には、情報端末20Aはプリンタ50に引換券の出力を指示し、チェックイン端末20Bはプリンタ26から引換券を出力する。
【0061】
[8.事後的なポイント付与のための宿泊者による操作]
図15および
図16は、引換情報の入力に際してユーザ端末30に表示される画面の具体例を示す図である。
【0062】
一実現例では、引換券500を取得したユーザは、ユーザ端末30を用いて、宿泊施設によって運営されるウェブサイト(たとえば、ポイント情報管理装置10によって管理される)にアクセスし、パスワードとメールアドレスを入力することによってログインする。ポイント情報管理装置10は、入力されたパスワードとメールアドレスの組合せを会員データベースに格納された組合せと照合することによってユーザ(会員)を特定し、ログインを許可する。これにより、ユーザ端末30には会員用のメニュー画面が表示される。当該メニュー画面において、引換情報(引換番号)を入力するメニューを選択する。
図15の画面1500は、当該メニューが選択されたことに応じてユーザ端末30に表示される画面の一例である。
【0063】
画面1500は、引換情報の入力方法を選択するためのウィンドウ1510を含む。ウィンドウ1510は、QRコードの撮影によって引換情報を入力するためのキー1511と、引換情報を直接入力するためのキー1512を入力するためのキー1512とを含む。ユーザ端末30は、キー1511を操作されると、当該ユーザ端末30のカメラで撮影されたQRコードを解読することによって引換情報を取得し、当該引換情報をポイント情報管理装置10へ送信する。ユーザ端末30は、キー1512を操作されると、当該操作に引き続いて入力された引換情報をポイント情報管理装置10へ送信する。
【0064】
図16の画面1600は、引換情報を直接入力するための画面の一例である。画面1600は、引換情報(引換番号)を入力する領域1601と、領域1601に入力された引換情報の送信を指示するキー1602とを含む。ユーザが、ユーザ端末30におけるキー操作などによって領域1601に引換情報を入力し、キー1602を操作すると、ユーザ端末30は、入力された引換情報をポイント情報管理装置10へ送信する。
【0065】
[9.ポイントの事後付与のための処理の流れ]
図17は、ポイントを事後的に付与するためにポイント情報管理装置10が実行する処理の一例のフローチャートである。ポイント情報管理装置10は、たとえばプロセッサ12に所与のプログラムを実行させることによって
図17の処理を実現する。
【0066】
図17を参照して、ステップS300にて、ポイント情報管理装置10は、ユーザ端末30から引換情報を受信する。
【0067】
ステップS302にて、ポイント情報管理装置10は、ステップS300において受信した引換情報の登録日が一定期間以内であるか否かを判断する。より具体的には、ポイント付与システムでは、引換情報に有効期限を設定することができる。ステップS302では、受信された引換情報が有効期限内のものであるか否かが判断され得る。たとえば、有効期限が「宿泊の日(チェックインの日)の翌々日の午前10時」と設定された場合、ステップS302が実行されたタイミングがある日の午前10時以前であれば、登録日が前々日以降であるときに「登録日が一定期間以内である」と判断され、ステップS302が実行されたタイミングがある日の午前10時より後であれば、登録日が前日または当日であるときに「登録日が一定期間以内である」と判断される。
【0068】
ポイント情報管理装置10は、登録日が一定期間以内であると判断すると(ステップS302にてYES)、ステップS304へ制御を進め、そうでなければ(ステップS302にてNO)、ステップS306へ制御を進める。
【0069】
ステップS304にて、ポイント情報管理装置10は、ログインしている会員に対してポイントの付与を所与のリスト(たとえば、上記ポイント付与リスト)に登録する。これにより、会員データベースを更新するための所定の時刻が到来すると、ポイント情報管理装置10は、会員データベースにおいて、ログインしている会員に関連付けられたポイントに、予め定められた数のポイントを付与する。ステップS304の後、制御はステップS308へ進む。
【0070】
図18は、会員データベースのデータ構造の他の例を示す図である。たとえば、会員名「ロハス_ヒマワリ」としてログインしているユーザから会員情報を受信した後で上記所定の時刻が到来すると、ポイント情報管理装置10は、会員データベースを
図13に示された状態から
図18に示された状態へと更新する。
図18に示された状態では、
図13に示された状態に対して、会員名「ロハス_ヒマワリ」に関連付けられたポイントが、1000から1500へと変化している(500加算更新されている)。
【0071】
図17に戻って、ステップS306にて、ポイント情報管理装置10は、引換情報の有効期限が切れていることをユーザ端末30に対して通知する。その後、制御はステップS308へ進む。一方、ユーザ端末30は、この通知に応じて、引換情報の有効期限が切れていることを表示する。
【0072】
ステップS308にて、ポイント情報管理装置10は、ステップS300において受信した引換情報を事後付与情報データベースから削除する。その後、ポイント情報管理装置10は、
図17の処理を終了させる。
【0073】
図19は、事後付与情報データベースのデータ構成の他の例を示す図である。
図14と比較して、
図19では、引換番号「12341234123456788」が事後付与情報データベースから削除されている。たとえば、ポイント情報管理装置10は、ステップS300において引換番号「12341234123456788」を受信すると、ステップS304において会員へのポイントの付与を登録した後、または、ステップS306において会員に引換番号の有効期限が切れていることを通知した後、ステップS308において、引換番号「12341234123456788」を事後付与情報データベースから削除する。これにより、ポイント付与に利用された引換番号、または、有効期限の切れた引換番号が、事後付与情報データベースから削除される。
【0074】
以上説明されたポイント付与システムでは、予約情報を入力した宿泊者には、予約時に入力された情報(メールアドレスとパスワード)に基づいてポイントが付与され、予約情報を入力した宿泊者以外の宿泊者には、ポイント付与のための引換券が発行される。予約者以外の宿泊者は、引換券に印刷されたQRコードまたは引換番号を、ユーザ端末30を介してポイント情報管理装置10へ送信送信することにより、ポイント加算という利益を享受する。
【0075】
より具体的には、会員名「ロハス_サクラ」の会員が、3名分(ロハス_サクラ、ロハス_ヒマワリ、ロハス_モミジ)の宿泊を予約した場合、宿泊を予約した会員(ロハス_サクラ)には、予約の際に入力された情報に基づいてポイントが付与される。残りの宿泊者(ロハス_ヒマワリ、ロハス_モミジ)の宿泊については引換番号が出力される。残りの宿泊者(ロハス_ヒマワリ、ロハス_モミジ)のそれぞれは、出力された引換番号をポイント情報管理装置10に送信することにより、ポイントを付与される。
【0076】
各会員に対して付与されたポイントは、会員データベースにおいて管理される。ポイント情報管理装置10は、会員(宿泊者)に対して、付与されたポイントに応じて、宿泊代金の割引、現金の授与、記念品の授与など、種々の特典を提供し得る。ポイント情報管理装置10は、会員への特典の提供に応じて、当該会員に対して付与されたポイントを減算し得る。
【0077】
[10.実施の形態のまとめ]
[1]ポイント情報管理装置10は、ステップS100(
図6)において、第1の顧客(ロハス_サクラ)から、第1の顧客(ロハス_サクラ)および第2の顧客(ロハス_ヒマワリ、ロハス_モミジ)の宿泊の申込情報(予約情報)を取得する。ポイント情報管理装置10は、ステップS204(
図11)において、申込情報から第1の顧客の会員情報(ロハス_サクラの会員番号)を抽出する。ポイント情報管理装置10は、ステップS206(
図11)において、顧客のポイントを管理するデータベース(会員データベース)に、抽出された第1の顧客の会員情報に関連付けられたポイントを加算する。ポイント情報管理装置10は、ステップS206(
図11)において、第2の顧客の宿泊の申込情報に基づいて引換情報(引換番号)を生成する。ポイント情報管理装置10は、ステップS210(
図11)において、第2の顧客について引換情報を出力する(情報端末20Aまたはチェックイン端末20Bへの引換情報の送信と当該引換情報の出力の指示)。ポイント情報管理装置10は、ステップS304(
図17)において、引換情報の入力を受け付けたことに応じて、データベースにおいて、第2の顧客の会員情報に関連付けられたポイントを加算する。
【0078】
[2]ステップS302(
図17)では、引換情報がその登録日から一定期間以内に入力された場合にのみ、ステップS304へ制御が進められる。このような処理の流れによって、引換情報の入力は、宿泊から一定期間以内にのみ受け付けられていてもよい。
【0079】
[3]引換情報は、用紙(引換券500)に印刷されることによって出力されてもよい。ただし、引換情報は、用紙に印刷されなくてもよく、ウェブサイトにおいて提供されてもよい。この場合、ポイント情報管理装置10は、たとえば、予約をした者以外の宿泊者の宿泊について、引換情報として宿泊を特定する情報(たとえば、到着日、出発日、および、宿泊者名)を、事後付与情報データベースに登録する。予約をした者以外の宿泊者は、ウェブサイトにログインした後、到着日と出発日と宿泊者名を入力する。ポイント情報管理装置10は、入力された、到着日と出発日と宿泊者名の組合せが事後付与情報データベースに登録された組合せと一致することに応じて、ログインした宿泊者(会員)にポイントを付与してもよい。
【0080】
[4]引換情報は、文字列(引換番号)、または、文字列に対応する画像(QRコード)として印刷されてもよい。
【0081】
[5]引換情報を出力するステップは、データベースを管理するウェブサイトへのリンク情報、および、データベースを管理するアプリケーションの起動の指示の少なくとも一方を用紙に印刷することを含んでいてもよい。すなわち、領域503(
図5)に印刷されたQRコードは、宿泊施設の会員用のウェブサイトのURLを含んでいてもよい。これにより、ユーザ端末30は、撮影されたQRコードを解読することによって、引換番号だけでなく宿泊施設の会員用のウェブサイトのURLを取得する。ユーザ端末30は、ユーザによって取得されたウェブサイトへのアクセスを許可する操作がなされると、当該ウェブサイトへアクセスし、QRコードから取得した引換番号を当該ウェブサイトに入力する。これにより、ユーザは、ユーザ端末30にQRコードを読み取らせるだけで、会員用のウェブサイトにアクセスでき、さらに、当該ウェブサイトに引換番号を入力できる。
【0082】
[6]宿泊施設のウェブサイトへのログインに必要とされる情報は、メールアドレスとパスワードの組合せであってもよいし、会員番号とパスワードの組合せであってもよい。すなわち、第2の顧客の会員情報(宿泊施設の会員用のウェブサイトにログインするために入力される、会員番号とパスワード)が入力され、そして、引換情報が入力されたことに応じて、第2の顧客の会員情報に関連付けられたポイントが加算されてもよい。データベースは、第2の顧客の会員情報と第2の顧客によって予め入力された顧客情報(メールアドレス)とを関連付けてもよい。第2の顧客の会員情報(会員番号)の代わりに顧客情報(メールアドレス)が入力されたことに応じて、第2の顧客のポイントが加算されてもよい。
【0083】
今回開示された各実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、実施の形態および各変形例において説明された発明は、可能な限り、単独でも、組合わせても、実施することが意図される。
【符号の説明】
【0084】
10 ポイント情報管理装置、11,21 通信インターフェース、12,22 プロセッサ、13,23 記憶装置、20A 情報端末、20B チェックイン端末、24 ディスプレイ、25 入出力インターフェース、26,50 プリンタ、30 ユーザ端末、500 引換券、501~504 領域、N ネットワーク。