(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-08
(45)【発行日】2022-02-17
(54)【発明の名称】アレイアンテナをキャリブレーションする方法および装置
(51)【国際特許分類】
H04B 7/08 20060101AFI20220209BHJP
H04B 7/06 20060101ALI20220209BHJP
H04B 7/0456 20170101ALI20220209BHJP
H01Q 3/26 20060101ALI20220209BHJP
H04B 17/12 20150101ALI20220209BHJP
【FI】
H04B7/08 982
H04B7/06 982
H04B7/0456 400
H01Q3/26 Z
H04B17/12
(21)【出願番号】P 2020514279
(86)(22)【出願日】2018-09-04
(86)【国際出願番号】 CN2018104029
(87)【国際公開番号】W WO2019047831
(87)【国際公開日】2019-03-14
【審査請求日】2020-03-11
(31)【優先権主張番号】201710813631.9
(32)【優先日】2017-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510065207
【氏名又は名称】大唐移▲動▼通信▲設▼▲備▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DATANG MOBILE COMMUNICATIONS EQUIPMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1/F, Building 1, No.5 Shangdi East Road, Haidian District,Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】100166729
【氏名又は名称】武田 幸子
(72)【発明者】
【氏名】ワン シーフア
(72)【発明者】
【氏名】ドゥアン タオ
(72)【発明者】
【氏名】マー ジンヤン
【審査官】北村 智彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-264418(JP,A)
【文献】特表平10-503892(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0122016(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0219195(US,A1)
【文献】国際公開第2008/139630(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第101887129(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/08
H04B 7/06
H04B 7/0456
H01Q 3/26
H04B 17/12
IEEE Xplore
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
標準ビーム方向に向けられたテストアンテナを使用して、キャリブレーション対象のアレイアンテナに第1のキャリブレーション信号を送信し、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各チャネルにより、前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナによって送信された第1のキャリブレーション信号を受信し、中央チャネルで受信された第1のキャリブレーション信号と各チャネルで受信された第1のキャリブレーション信号の間の振幅と位相の両方の誤差それぞれを決定するステップと、
取得された振幅と位相の両方の誤差に基づいて、初期ビームウェイトベクトルマトリックスをキャリブレーションして、補償ビームウェイトベクトルマトリックスを取得するステップとを備え、
前記中央チャネルは、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの中央要素に対応するチャネルであり、
前記初期ビームウェイトベクトルマトリックスは、所定の各ビーム方向の方位角に従って決定され、1グループの初期ビームウェイトベクトルは、ビーム方向の1つに対応することを特徴とするアレイアンテナをキャリブレーションする方法。
【請求項2】
取得された振幅と位相の両方の誤差に基づいて、前記初期ビームウェイトベクトルマトリックスをキャリブレーションし、補償ビームウェイトベクトルマトリックスを取得する
ステップは、
取得された振幅と位相の両方の誤差を使用して、初期ビームウェイトベクトルマトリックス内の各グループの初期ビームウェイトベクトルそれぞれを補償し、補償ビームウェイトベクトルマトリックスを取得する
ステップを備えることを特徴とする請求項1に記載のアレイアンテナをキャリブレーションする方法。
【請求項3】
取得された振幅と位相の両方の誤差に基づいて、前記初期ビームウェイトベクトルマトリックスをキャリブレーションし、補償ビームウェイトベクトルマトリックスを取得した後に、
前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナを使用して、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナに指定の電力定格を有する第2のキャリブレーション信号を送信し、取得された補償ビームウェイトベクトルマトリックスに基づいて、
前記キャリブレーション対象のアレイアンテナが各チャネルを介して前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナから受信した前記第2のキャリブレーション信号の標準ビームゲインを決定し、
前記キャリブレーション対象のアレイアンテナを使用して、前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナに、指定の電力定格を有する第2のキャリブレーション信号を送信し、前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナによって受信された前記キャリブレーション対象のアレイアンテナによって送信された第2のキャリブレーション信号の標準信号電力を決定し、
標準ビーム方向とは異なるビーム方向に向けられた各テストアンテナについて、次の動作を実行し“現在のテストアンテナに加え、前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナに対応する標準ビームゲインおよび標準信号電力を使用して、現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各チャネルをキャリブレーションすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアレイアンテナをキャリブレーションする方法。
【請求項4】
取得された補償ビームウェイトベクトルマトリックスに基づいて、
前記キャリブレーション対象のアレイアンテナが各チャネルを介して前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナから受信した前記第2のキャリブレーション信号の標準ビームゲインを決定する場合、
取得された補償ビームウェイトベクトルマトリックスに基づいて、前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナに対応する補償ビームウェイトベクトルを決定し、
前記補償ビームウェイトベクトルに基づいて、各チャネルを介して前記キャリブレーション対象のアレイアンテナによって受信された前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナによって送信された第2のキャリブレーション信号の標準ビームゲインを決定することを特徴とする請求項3に記載のアレイアンテナをキャリブレーションする方法。
【請求項5】
前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各チャネルは、受信チャネルと送信チャネルを含み、
取得された振幅と位相の両方の誤差に基づいて、前記初期ビームウェイトベクトルマトリックスをキャリブレーションし、補償ビームウェイトベクトルマトリックスを取得した後に、
補償ビームウェイトベクトルマトリックスを使用して、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各チャネルの初期ビームウェイトベクトルマトリックスを更新し、ここで、更新後の前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルに対応する補償受信ビームウェイトベクトルマトリックスがあり、また、各送信チャネルに対応する補償送信ビームウェイトベクトルマトリックスもあり、前記補償受信ビームウェイトベクトルマトリックスおよび前記補償送信ビームウェイトベクトルマトリックスは、補償ビームウェイトベクトルマトリックスであることを特徴とする請求項4に記載のアレイアンテナをキャリブレーションする方法。
【請求項6】
現在のテストアンテナに加え、前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナに対応する標準ビームゲインおよび標準信号電力を使用して、現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各チャネルをキャリブレーションする
ことは、
現在のビーム方向のテストアンテナを使用して、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナに指定の電力定格を有する第2のキャリブレーション信号を送信し、前記テストアンテナに対応する補償ビームウェイトベクトルに基づいて、
前記キャリブレーション対象のアレイアンテナが、前記テストアンテナから受信した第2のキャリブレーション信号のビームゲインを決定し、
前記ビームゲインと標準ビームゲインの間の誤差が第1所定の閾値より大きいかどうかを判断し、
前記ビームゲインと標準ビームゲインの間の誤差が第1所定の閾値より大きいと判断された場合、現在のビーム方向の方位角を調整し、調整後のビーム方向に基づいて、元のビーム方向に対応する補償受信ビームウェイトベクトルを更新し、得られたビームゲインと標準ビームゲインの間の誤差が前記第1所定の閾値に収まるまで、更新後の補償受信ビームウェイトベクトルに基づいて、第2のキャリブレーション信号のビームゲインを再び計算する
ことを備えることを特徴とする請求項5に記載のアレイアンテナをキャリブレーションする方法。
【請求項7】
前記ビームゲインと標準ビームゲインの間の誤差が第1所定の閾値以下であると判断された場合、現在のビーム方向に関する、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルのキャリブレーションが完了したと判断し、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナを使用して、現在のビーム方向のテストアンテナに指定の電力定格を有する第2のキャリブレーション信号を送信し、
前記キャリブレーション対象のアレイアンテナが前記テストアンテナから受信した第2のキャリブレーション信号の信号電力を決定し、前記信号電力と標準信号電力の間の誤差が第2の所定の閾値よりおき伊かどうかを判断し、
「はい」であれば、現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルを再びキャリブレーションし、
「いいえ」であれば、現在のビーム方向に関する、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各送信チャネルのキャリブレーションが完了したと判断することを特徴とする請求項6に記載のアレイアンテナをキャリブレーションする方法。
【請求項8】
前記ビームゲインと標準ビームゲインの間の誤差が第1所定の閾値よりも大きいと判断された後、現在のビーム方向の方位角を調整する前に、
現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルのキャリブレーション回数が所定の回数よりも大きいかどうかを判断し、
現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルのキャリブレーション回数が所定の回数よりも大きいかどうかを判断した後、
現在のビーム方向で、キャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルのキャリブレーション回数が所定の回数以下であると判断された場合、現在のビーム方向の方位角を調整し、
現在のビーム方向で、キャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルのキャリブレーション回数が所定の回数よりも大きいと判断された場合、受信チャネルキャリブレーションの警告信号を送信することを特徴とする請求項6に記載のアレイアンテナをキャリブレーションする方法。
【請求項9】
前記信号電力と標準信号電力の間の誤差が第2の所定の閾値を越えると判断した後に、現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルを再びキャリブレーションする前に、
現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各送信チャネルのキャリブレーション回数が所定の回数よりも大きいかどうかを判断し、
現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各送信チャネルのキャリブレーション回数が所定の回数よりも大きいかどうかを判断した後、
現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各送信チャネルのキャリブレーション回数が所定の回数以下であると判断された場合、現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルを再びキャリブレーションし、
現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各送信チャネルのキャリブレーション回数が所定の回数よりも大きいと判断された場合、送信チャネルキャリブレーションの警告信号を送信することを特徴とする請求項7に記載のアレイアンテナをキャリブレーションする方法。
【請求項10】
標準ビーム方向に向けられたテストアンテナを使用して、キャリブレーション対象のアレイアンテナに第1のキャリブレーション信号を送信し、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各チャネルにより、前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナによって送信された第1のキャリブレーション信号を受信し、中央チャネルで受信された第1のキャリブレーション信号と各チャネルで受信された第1のキャリブレーション信号の間の振幅と位相の両方の誤差それぞれを決定するように構成された第1処理ユニットと、
取得された振幅と位相の両方の誤差に基づいて、初期ビームウェイトベクトルマトリックスをキャリブレーションして、補償ビームウェイトベクトルマトリックスを取得するように構成されたキャリブレーションユニットとを備え、
前記中央チャネルは、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの中央要素に対応するチャネルであり、
1グループの初期ビームウェイトベクトルは、ビーム方向の1つに対応し、
前記初期ビームウェイトベクトルマトリックスは、所定の各ビーム方向の方位角に従って決定されることを特徴とするアレイアンテナをキャリブレーションする装置。
【請求項11】
1つ以上のプロセッサと、
アレイアンテナをキャリブレーションするためのプログラムを格納する1つ以上のコンピュータ可読媒体とを備え、
前記プロセッサが前記プログラムを実行するとき、請求項1から請求項9のいずれか1項の方法のステップを実行することを特徴とする電子装置。
【請求項12】
アレイアンテナをキャリブレーションするためのプログラムを格納し、1つ以上のプロセッサがプログラムを実行するとき、通信装置に請求項1から請求項9のいずれか1項の方法を実行させることを特徴とする1つ以上のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年9月11日に中国特許局に提出し、出願番号が200910219572.8であり、発明名称が「アレイアンテナをキャリブレーションする方法および装置」との中国特許出願を基礎とする優先権を主張し、その開示の総てをここに取り込む。
本発明は、移動通信技術分野に関し、特にアレイアンテナをキャリブレーションする方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
第5世代(以下「5G」)通信の時代において、大規模なアクティブアレイアンテナ技術は、重要な実現技術である。アクティブアレイアンテナは、アクティブ回路をアレイアンテナの各要素に直接接続することにより、電磁波を受信または送信するシステムである。アクティブアレイアンテナはビームフォーミングを可能にし、各要素に対応するチャネルをキャリブレーションして要素の振幅と位相を制御することにより、送信信号が特定の方向に集束するようにする。
【0003】
既存の技術では、密封型無響室の遠距離場と近距離場の両方での無線(Over The Air,OTA)試験が、ビームフォーミングの有効性を測定するために大規模なアクティブアレイアンテナをキャリブレーションするために使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、無響室は、構築するのに費用がかかり、テスト結果の高精度にもかかわらず、そのテスト効率は低い。したがって、上記の無響室ベースのテスト方法は、大規模な大量生産ではなく、実験室での研究にのみ適している。
【0005】
本発明の実施形態提供は、開放キャリブレーション環境においてリアルタイムでアレイアンテナをキャリブレーションする、アレイアンテナをキャリブレーションする方法および装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態に係る具体的に解決策は以下とおりである。
第1の態様では、本発明の実施形態は、アレイアンテナをキャリブレーションする方法を提供する。この方法は、
標準ビーム方向に向けられたテストアンテナを使用して、キャリブレーション対象のアレイアンテナに第1のキャリブレーション信号を送信し、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各チャネルにより、前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナによって送信された第1のキャリブレーション信号を受信し、中央チャネルで受信された第1のキャリブレーション信号と各チャネルで受信された第1のキャリブレーション信号の間の振幅と位相の両方の誤差それぞれを決定するステップと、
取得された振幅と位相の両方の誤差に基づいて、初期ビームウェイトベクトルマトリックスをキャリブレーションして、補償ビームウェイトベクトルマトリックスを取得するステップとを備え、
前記中央チャネルは、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの中央要素に対応するチャネルであり、前記初期ビームウェイトベクトルマトリックスは、所定の各ビーム方向の方位角に従って決定され、1グループの初期ビームウェイトベクトルは、ビーム方向の1つに対応する。
【0007】
好ましくは、取得された振幅と位相の両方の誤差に基づいて、前記初期ビームウェイトベクトルマトリックスをキャリブレーションし、補償ビームウェイトベクトルマトリックスを取得場合、取得された振幅と位相の両方の誤差を使用して、初期ビームウェイトベクトルマトリックス内の各グループの初期ビームウェイトベクトルそれぞれを補償し、補償ビームウェイトベクトルマトリックスを取得する。
【0008】
好ましくは、取得された振幅と位相の両方の誤差に基づいて、前記初期ビームウェイトベクトルマトリックスをキャリブレーションし、補償ビームウェイトベクトルマトリックスを取得した後に、さらに、
前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナを使用して、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナに指定の電力定格を有する第2のキャリブレーション信号を送信し、取得された補償ビームウェイトベクトルマトリックスに基づいて、各チャネルを介してキャリブレーション対象のアレイアンテナによって受信された前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナによって送信された第2のキャリブレーション信号の標準ビームゲインを決定し、
前記キャリブレーション対象のアレイアンテナを使用して、前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナに、指定の電力定格を有する第2のキャリブレーション信号を送信し、前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナによって受信された前記キャリブレーション対象のアレイアンテナによって送信された第2のキャリブレーション信号の標準信号電力を決定し、標準ビーム方向とは異なるビーム方向に向けられた各テストアンテナについて、次の動作を実行し、現在のテストアンテナに加え、前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナに対応する標準ビームゲインおよび標準信号電力を使用して、現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各チャネルをキャリブレーションする。
【0009】
好ましくは、取得された補償ビームウェイトベクトルマトリックスに基づいて、各チャネルを介してキャリブレーション対象のアレイアンテナによって受信された前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナによって送信された第2のキャリブレーション信号の標準ビームゲインを決定する場合、
取得された補償ビームウェイトベクトルマトリックスに基づいて、前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナに対応する補償ビームウェイトベクトルを決定し、
前記補償ビームウェイトベクトルに基づいて、各チャネルを介して前記キャリブレーション対象のアレイアンテナによって受信された前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナによって送信された第2のキャリブレーション信号の標準ビームゲインを決定する。
【0010】
好ましくは、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各チャネルは、受信チャネルと送信チャネルを含み、
取得された振幅と位相の両方の誤差に基づいて、前記初期ビームウェイトベクトルマトリックスをキャリブレーションし、補償ビームウェイトベクトルマトリックスを取得した後に、さらに、
補償ビームウェイトベクトルマトリックスを使用して、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各チャネルの初期ビームウェイトベクトルマトリックスを更新し、ここで、更新後の前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルに対応する補償受信ビームウェイトベクトルマトリックスがあり、また、各送信チャネルに対応する補償送信ビームウェイトベクトルマトリックスもあり、前記補償受信ビームウェイトベクトルマトリックスおよび前記補償送信ビームウェイトベクトルマトリックスは、補償ビームウェイトベクトルマトリックスである。
【0011】
好ましくは、現在のテストアンテナに加え、前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナに対応する標準ビームゲインおよび標準信号電力を使用して、現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各チャネルをキャリブレーションする場合、
現在のビーム方向のテストアンテナを使用して、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナに指定の電力定格を有する第2のキャリブレーション信号を送信し、前記テストアンテナに対応する補償ビームウェイトベクトルに基づいて、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナによって受信した、前記テストアンテナによって送信された第2のキャリブレーション信号のビームゲインを決定し、
前記ビームゲインと標準ビームゲインの間の誤差が第1所定の閾値より大きいかどうかを判断し、
前記ビームゲインと標準ビームゲインの間の誤差が第1所定の閾値より大きいと判断された場合、現在のビーム方向の方位角を調整し、調整後のビーム方向に基づいて、元のビーム方向に対応する補償受信ビームウェイトベクトルを更新し、得られたビームゲインと標準ビームゲインの間の誤差が前記第1所定の閾値に収まるまで、更新後の補償受信ビームウェイトベクトルに基づいて、第2のキャリブレーション信号のビームゲインを再び計算する。
【0012】
好ましくは、前記ビームゲインと標準ビームゲインの間の誤差が第1所定の閾値以下であると判断された場合、現在のビーム方向に関する、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルのキャリブレーションが完了したと判断し、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナを使用して、現在のビーム方向のテストアンテナに指定の電力定格を有する第2のキャリブレーション信号を送信し、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナから前記テストアンテナによって受信された第2のキャリブレーション信号の信号電力を決定し、前記信号電力と標準信号電力の間の誤差が第2の所定の閾値よりおおきいかどうかを判断し、
「はい」であれば、現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルを再びキャリブレーションし、
「いいえ」であれば、現在のビーム方向に関する、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各送信チャネルのキャリブレーションが完了したと判断する。
【0013】
好ましくは、前記ビームゲインと標準ビームゲインの間の誤差が第1所定の閾値よりも大きいと判断された後、現在のビーム方向の方位角を調整する前に、さらに、
現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルのキャリブレーション回数が所定の回数よりも大きいかどうかを判断し、
現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルのキャリブレーション回数が所定の回数よりも大きいかどうかを判断した後、さらに、
現在のビーム方向で、キャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルのキャリブレーション回数が所定の回数以下であると判断された場合、現在のビーム方向の方位角を調整し、
現在のビーム方向で、キャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルのキャリブレーション回数が所定の回数よりも大きいと判断された場合、受信チャネルキャリブレーションの警告信号を送信する。
【0014】
好ましくは、前記信号電力と標準信号電力の間の誤差が第2の所定の閾値を越えると判断した後に、現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルを再びキャリブレーションする前に、さらに、
現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各送信チャネルのキャリブレーション回数が所定の回数よりも大きいかどうかを判断し、
現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各送信チャネルのキャリブレーション回数が所定の回数よりも大きいかどうかを判断した後、さらに、
現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各送信チャネルのキャリブレーション回数が所定の回数以下であると判断された場合、現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルを再びキャリブレーションし、
現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各送信チャネルのキャリブレーション回数が所定の回数よりも大きいと判断された場合、送信チャネルキャリブレーションの警告信号を送信する。
【0015】
第2の態様では、アレイアンテナをキャリブレーションする装置は、
標準ビーム方向に向けられたテストアンテナを使用して、キャリブレーション対象のアレイアンテナに第1のキャリブレーション信号を送信し、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各チャネルにより、前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナによって送信された第1のキャリブレーション信号を受信し、中央チャネルで受信された第1のキャリブレーション信号と各チャネルで受信された第1のキャリブレーション信号の間の振幅と位相の両方の誤差それぞれを決定するように構成された第1処理ユニットと、
取得された振幅と位相の両方の誤差に基づいて、初期ビームウェイトベクトルマトリックスをキャリブレーションして、補償ビームウェイトベクトルマトリックスを取得するように構成されたキャリブレーションユニットとを備え、
前記中央チャネルは、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの中央要素に対応するチャネルであり、前記初期ビームウェイトベクトルマトリックスは、所定の各ビーム方向の方位角に従って決定され、1グループの初期ビームウェイトベクトルは、ビーム方向の1つに対応する。
【0016】
好ましくは、取得された振幅と位相の両方の誤差に基づいて、前記初期ビームウェイトベクトルマトリックスをキャリブレーションし、補償ビームウェイトベクトルマトリックスを取得する場合、前記キャリブレーションユニットは、
取得された振幅と位相の両方の誤差を使用して、初期ビームウェイトベクトルマトリックス内の各グループの初期ビームウェイトベクトルそれぞれを補償し、補償ビームウェイトベクトルマトリックスを取得する。
【0017】
好ましくは、前記装置は、第2の処理ユニットをさらに備え、前記第2の処理ユニットは、
取得された振幅と位相の両方の誤差に基づいて、前記初期ビームウェイトベクトルマトリックスをキャリブレーションし、補償ビームウェイトベクトルマトリックスを取得した後に、次の動作を実行し、
前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナを使用して、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナに指定の電力定格を有する第2のキャリブレーション信号を送信し、取得された補償ビームウェイトベクトルマトリックスに基づいて、各チャネルを介してキャリブレーション対象のアレイアンテナによって受信された前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナによって送信された第2のキャリブレーション信号の標準ビームゲインを決定し、
前記キャリブレーション対象のアレイアンテナを使用して、前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナに、指定の電力定格を有する第2のキャリブレーション信号を送信し、前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナによって受信された前記キャリブレーション対象のアレイアンテナによって送信された第2のキャリブレーション信号の標準信号電力を決定し、
標準ビーム方向とは異なるビーム方向に向けられた各テストアンテナについて、次の動作を実行し、現在のテストアンテナに加え、前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナに対応する標準ビームゲインおよび標準信号電力を使用して、現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各チャネルをキャリブレーションする。
【0018】
好ましくは、取得された補償ビームウェイトベクトルマトリックスに基づいて、各チャネルを介してキャリブレーション対象のアレイアンテナによって受信された前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナによって送信された第2のキャリブレーション信号の標準ビームゲインを決定する場合、前記第2の処理ユニットは、
取得された補償ビームウェイトベクトルマトリックスに基づいて、前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナに対応する補償ビームウェイトベクトルを決定し、
前記補償ビームウェイトベクトルに基づいて、各チャネルを介して前記キャリブレーション対象のアレイアンテナによって受信された前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナによって送信された第2のキャリブレーション信号の標準ビームゲインを決定する。
【0019】
好ましくは、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各チャネルは、受信チャネルと送信チャネルを含み、
前記装置は更新ユニットをさらに備え、前記更新ユニットは、
取得された振幅と位相の両方の誤差に基づいて、前記初期ビームウェイトベクトルマトリックスをキャリブレーションし、補償ビームウェイトベクトルマトリックスを取得した後に、次の動作を実行し、
補償ビームウェイトベクトルマトリックスを使用して、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各チャネルの初期ビームウェイトベクトルマトリックスを更新し、ここで、更新後の前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルに対応する補償受信ビームウェイトベクトルマトリックスがあり、また、各送信チャネルに対応する補償送信ビームウェイトベクトルマトリックスもあり、前記補償受信ビームウェイトベクトルマトリックスおよび前記補償送信ビームウェイトベクトルマトリックスは、補償ビームウェイトベクトルマトリックスである。
【0020】
好ましくは、現在のテストアンテナに加え、前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナに対応する標準ビームゲインおよび標準信号電力を使用して、現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各チャネルをキャリブレーションする場合、前記第2の処理ユニットは、
現在のビーム方向のテストアンテナを使用して、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナに指定の電力定格を有する第2のキャリブレーション信号を送信し、前記テストアンテナに対応する補償ビームウェイトベクトルに基づいて、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナによって受信した、前記テストアンテナによって送信された第2のキャリブレーション信号のビームゲインを決定し、
前記ビームゲインと標準ビームゲインの間の誤差が第1所定の閾値より大きいかどうかを判断し、
前記ビームゲインと標準ビームゲインの間の誤差が第1所定の閾値より大きいと判断された場合、現在のビーム方向の方位角を調整し、調整後のビーム方向に基づいて、元のビーム方向に対応する補償受信ビームウェイトベクトルを更新し、得られたビームゲインと標準ビームゲインの間の誤差が前記第1所定の閾値に収まるまで、更新後の補償受信ビームウェイトベクトルに基づいて、第2のキャリブレーション信号のビームゲインを再び計算する。
【0021】
好ましくは、前記第2の処理ユニットは、さらに、
前記ビームゲインと標準ビームゲインの間の誤差が第1所定の閾値以下であると判断された場合、現在のビーム方向に関する、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルのキャリブレーションが完了したと判断し、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナを使用して、現在のビーム方向のテストアンテナに指定の電力定格を有する第2のキャリブレーション信号を送信し、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナから前記テストアンテナによって受信された第2のキャリブレーション信号の信号電力を決定し、前記信号電力と標準信号電力の間の誤差が第2の所定の閾値よりおおきいかどうかを判断し、
「はい」であれば、現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルを再びキャリブレーションし、
「いいえ」であれば、現在のビーム方向に関する、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各送信チャネルのキャリブレーションが完了したと判断する。
【0022】
好ましくは、前記装置は、第1の判断ユニットをさらに備え、前記第1の判断ユニットは、
前記ビームゲインと標準ビームゲインの間の誤差が第1所定の閾値よりも大きいと判断された後、現在のビーム方向の方位角を調整する前に、次の動作を実行し、
現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルのキャリブレーション回数が所定の回数よりも大きいかどうかを判断し、
現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルのキャリブレーション回数が所定の回数よりも大きいかどうかを判断した後、前記第1の判断ユニットは、さらに、
現在のビーム方向で、キャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルのキャリブレーション回数が所定の回数以下であると判断された場合、現在のビーム方向の方位角を調整し、
現在のビーム方向で、キャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルのキャリブレーション回数が所定の回数よりも大きいと判断された場合、受信チャネルキャリブレーションの警告信号を送信する。
【0023】
好ましくは、前記装置は第2の判断ユニットをさらに備え、前記第2の判断ユニットは、
前記信号電力と標準信号電力の間の誤差が第2の所定の閾値を越えると判断した後に、現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルを再びキャリブレーションする前に、次の動作を実行し、
現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各送信チャネルのキャリブレーション回数が所定の回数よりも大きいかどうかを判断し、
現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各送信チャネルのキャリブレーション回数が所定の回数よりも大きいかどうかを判断した後、前記第2の判断ユニットは、さらに、
現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各送信チャネルのキャリブレーション回数が所定の回数以下であると判断された場合、現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルを再びキャリブレーションし、
現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各送信チャネルのキャリブレーション回数が所定の回数よりも大きいと判断された場合、送信チャネルキャリブレーションの警告信号を送信する。
【0024】
第3の態様では、電子装置は、
1つ以上のプロセッサと、
アレイアンテナをキャリブレーションするためのプログラムを格納する1つ以上のコンピュータ可読媒体とを備え、
前記プロセッサが前記プログラムを実行するとき、第1の態様の方法のステップを実行する。
【0025】
第4の態様では、1つ以上のコンピュータ可読媒体は、アレイアンテナをキャリブレーションするためのプログラムを格納し、1つ以上のプロセッサがプログラムを実行するとき、通信装置に第1の態様の方法方法を実行させる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の実施形態では、標準ビーム方向に向けられたテストアンテナキャリブレーション対象のアレイアンテナに第1のキャリブレーション信号を送信し、キャリブレーション対象のアレイアンテナの各チャネルによって受信された第1のキャリブレーション信号に基づいて、中央チャネルで受信された第1のキャリブレーション信号とチャネル各チャネルによって受信された第1のキャリブレーション信号との間の振幅と位相の両方の誤差を決定し、振幅と位相の両方の誤差を使用して、初期ビームウェイトベクトルマトリックスをキャリブレーションし、補償ビームウェイトベクトルマトリックスを取得し、ここで、初期ビームウェイトベクトルマトリックスは、所定の各ビーム方向の方位角によって決定され、1グループの初期ビームウェイトベクトルは、ビーム方向の1つに対応する。したがって、開放環境でアレイアンテナのビームフォーミングを効果的に検出できるため、アレイアンテナ各チャネルの振幅と位相の両方の誤差をキャリブレーションし、アレイアンテナの大量生産に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の実施形態に係るキャリブレーション環境の概略図である。
【
図2】本発明の実施形態係るアレイアンテナをキャリブレーションする第1の方法のフローチャートである。
【
図3a】本発明の実施形態係るアレイアンテナをキャリブレーションする第2の方法のフローチャートである。
【
図3b】本発明の実施形態係るアレイアンテナをキャリブレーションする第2の方法のフローチャートである。
【
図4】本発明の実施形態係るアレイアンテナをキャリブレーションする装置の構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の実施例における目的、技術方案と利点を明確にするため、以下に本発明の実施例における図と結合して本発明の実施例における技術方案の詳細を明確に、完全に説明する。当然、記載の実施例は本発明の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明における実施例にもとづき、当業者は、創造性作業を行わないことを前提として、取得したその他の実施例は、本発明の保護範囲に属する。
【0029】
本発明の技術案は多様な通信システムに応用することができる。例えば、GSM(登録商標)(Global System of Mobile communication)システム、CDMA(Code Division Multiple Access)システム、WCDMA(登録商標)(Wideband Code Division Multiple Access)システム、GPRS(General Packet Radio Service)、LTE(登録商標)(Long Term Evolution)システム、LTE-A(Advanced long term evolution)システム、UMTS(Universal Mobile Telecommunication System)新しい無線(New radio,NR)等に応用できる。
【0030】
また、本発明に係る実施例において、UE(User Equipment)は、MS(Mobile Station)、移動端末(Mobile Terminal)、MT(Mobile Telephone)、携帯(handset)及び携帯機器(portable equipment)を含むが、それに限られない。当該ユーザー設備は、RAN(Radio Access Network,RAN)を介して1つまたは複数のコアネットワークと通信することができる。例えば、ユーザー設備は、MT(Cellular phoneとも呼ばれる)、無線通信機能を有するコンピュータなどを含むこともできる。ユーザー設備は、携帯式、ポケット式、手持ち式、コンピュータに内蔵されるかまたは、車載の移動装置であることもできる。
【0031】
本発明に係る実施例において、基地局(例えば、接続点)は、AN(Access Network)で無線インターフェースにおいて、1つまたは複数のセクターを介して無線端末と通信する設備であることができる。基地局は、受信した無線フレームとIP組み分けを相互に転換して、無線端末とANの他の部分間のルーターとすることができる。ここで、ANの他の部分は、IPネットワークを含むことができる。基地局は、無線インターフェースに対する属性管理を協調することができる。例えば、基地局は、GSMまたはCDMAの基地局(Base Transceiver Station,BTS)であってもよいし、WCDMAの基地局(NodeB)であってもよく、LTEの進化型基地局(NodeBまたはeNBまたはe-NodeB,evolutional Node B)、または5G NRにおける基地局(gNB)であってもよいが、本発明をそれに限定しない。
【0032】
開放キャリブレーション環境においてリアルタイムでアレイアンテナをキャリブレーションするために、本発明の実施形態では、アレイアンテナをキャリブレーションする方法を改めに設定下。当該方法では、標準ビーム方向に向けられたテストアンテナを使用して、キャリブレーション対象のアレイアンテナに第1のキャリブレーション信号を送信し、標準ビーム方向に向けられたテストアンテナにから、キャリブレーション対象のアレイアンテナの各チャネルによって受信された第1のキャリブレーション信号に基づいて、中央チャネルで受信された第1のキャリブレーション信号と各チャネルで受信された第1のキャリブレーション信号の間の振幅と位相の両方の誤差それぞれを決定し、そして、取得された振幅と位相の両方の誤差に基づいて、初期ビームウェイトベクトルマトリックスをキャリブレーションして、補償ビームウェイトベクトルマトリックスを取得し、ここで、初期ビームウェイトベクトルマトリックスは、所定の各ビーム方向の方位角に従って決定され、1グループの初期ビームウェイトベクトルは、ビーム方向の1つに対応する。
【0033】
本発明の実施形態による技術的解決策は、添付の図面を参照して以下に明確かつ完全に説明される。明らかに、以下に記載される実施形態は、本発明の実施形態の一部であり、すべてではない。本明細書に記載される本発明の実施形態に基づいて、当業者は、創造性作業を行わないことを前提として、当業者が思いつく他のすべての実施形態は、本発明の保護範囲に属する。
【0034】
以下、実施形態によって本発明の技術案を詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
【0035】
本発明の実施形態では、キャリブレーション対象のアレイアンテナをキャリブレーションする前に、キャリブレーション環境を設定して、遠距離場のテスト条件を満たす安定した電磁環境を提供する必要がある。具体的には、キャリブレーション対象のアレイアンテナの異なるビーム方向に対応して複数のテストアンテナを配置するか、または、少なくとも1つのテストアンテナが異なるビーム方向を横切って移動する。どちらの方法を使用する場合でも、本質は、キャリブレーション対象のアレイアンテナの異なるビーム方向に対応するチャネルをキャリブレーションすることである。
【0036】
説明の便宜上、本明細書では、キャリブレーション対象のアレイアンテナの異なるビーム方向に対応して複数のテストアンテナが配置されるキャリブレーション環境を例として取り上げる。具体的には、複数のテストアンテナのそれぞれは、異なるビーム方向の1つに対応して配置される(以下、「ビーム方向に向けられたテストアンテナ」)。異なるビーム方向のそれぞれは方位角を持ち、方位角は少なくとも水平面上の方位角と垂直面上の傾斜角を含む。つまり、ビーム方向に向けられたテストアンテナは、方位角と傾斜角のグループに対応する。異なるビーム方向に向けられたテストアンテナに対応する方位角と傾斜角は異なる。
【0037】
図1に示されるように、点線で接続されたテストアンテナは、水平面(x-y)に配置されたテストアンテナを表す。水平面上のテストアンテナとキャリブレーション対象のアレイアンテナの間の角度は方位角であり、「φ」で示される。点線で接続されたテストアンテナは、垂直面(y-z)に配置されたテストアンテナを表す。垂直面上のテストアンテナとキャリブレーション対象のアレイアンテナの間の角度は傾斜角であり、「θ」で示される。
【0038】
本発明の実施形態によれば、キャリブレーション対象のアレイアンテナに対するキャリブレーションが実行されるときはいつでもキャリブレーション環境を再構築する代わりに、キャリブレーション環境を再利用することができる。
第1の実施形態
【0039】
図2に示されるように、本発明の実施形態の実施形態によるアレイアンテナをキャリブレーションする方法は、ステップ200および210を備える。
【0040】
ステップ200:標準ビーム方向に向けられたテストアンテナを使用して、キャリブレーション対象のアレイアンテナに第1のキャリブレーション信号を送信し、標準ビーム方向に向けられたテストアンテナにから、キャリブレーション対象のアレイアンテナの各チャネルによって受信された第1のキャリブレーション信号に基づき、中央チャネルで受信された第1のキャリブレーション信号と各チャネルで受信された第1のキャリブレーション信号の間の振幅と位相の両方の誤差それぞれを決定し、ここで、中央チャネルは、キャリブレーション対象のアレイアンテナの中央要素に対応するチャネルである。
【0041】
標準ビーム方向に向けられたテストアンテナは、キャリブレーション対象のアレイアンテナの同じ水平線上のテストアンテナである。すなわち、標準ビーム方向に対応する方位角について、方位角がゼロであり、傾斜角もゼロである。中央チャネルとは、キャリブレーションするアレイアンテナの中心要素に対応するチャネルを指し、キャリブレーションするアレイアンテナのチャネルのうちの1つである。
【0042】
ステップ210:取得された振幅と位相の両方の誤差に基づいて、初期ビームウェイトベクトルマトリックスをキャリブレーションして、補償ビームウェイトベクトルマトリックスを取得し、ここで、初期ビームウェイトベクトルマトリックスは、所定の各ビーム方向の方位角に従って決定され、1グループの初期ビームウェイトベクトルは、ビーム方向の1つに対応する。
【0043】
補償ビームウェイトベクトルマトリックスは、ステップ200~201により取得されるため、アレイアンテナの各チャネルは、標準ビーム方向での最初のキャリブレーションが実現された。
【0044】
図3に示されるように、本発明の実施形態によって提供されるアレイアンテナをキャリブレーションする方法は、ステップ300~321を備える。
【0045】
ステップ300:所定の各ビーム方向の方位角に基づき、キャリブレーション対象のアレイアンテナの初期ビームウェイトベクトルマトリックスを決定する。ここで、初期ビームウェイトベクトルマトリックスの各グループのビームウェイトベクトルは1つのビーム方向に対応する。
【0046】
具体的に、現在のキャリブレーション環境における各ビーム方向の方位角に基づいて、キャリブレーション対象のアレイアンテナの初期ビームウェイトベクトルマトリックスを決定する。ここで、初期ビームウェイトベクトルマトリックスの1グループの初期ビームウェイトベクトルは、1つのビーム方向に対応し、各グループビームウェイトベクトルの方向は各自に対応する方位角である。
好ましくは、本発明の実施形態では、以下の数式で初期ビームウェイトベクトルマトリックスWを表す:
【数1】
【0047】
ここで、
【数2】
はテストアンテナに対応する方位角を表し、θはテストアンテナに対応する傾斜角を表す。Qは異なるビーム方向に向けられたテストアンテナの数を表す。
【数3】
は1グループのビームウェイトベクトルを表す。
【数4】
の次元はキャリブレーション対象のアレイアンテナに対応するチャネルの数Nである。
【0048】
例えば、方位角および傾斜角がゼロであるビーム方向に向けられたテストアンテナの場合、対応するビームウェイトベクトルは:
【数5】
である。つまり、当該グループのビームウェイトベクトルの大きさは1、ビームのウェイトベクトルに対応する方位角の方位角と傾斜角は「0°」である。
【0049】
さらに、キャリブレーション対象のアレイアンテナは、信号を送信および受信することができる。したがって、キャリブレーション対象のアレイアンテナには、受信チャネルと送信チャネルがある。現在のキャリブレーション環境では、キャリブレーション対象のアレイアンテナの受信チャネルに対応する初期受信ビームウェイトベクトルマトリックス、および送信チャネルに対応する初期送信ビームウェイトベクトルマトリックスがある。また、初期受信ビームウェイトベクトルマトリックスは、受信チャネルに対応し、初期送信ビームウェイトベクトルマトリックスは、送信チャネルに対応する。本発明の実施形態では、初期受信ビームウェイトベクトルマトリックスおよび初期送信ビームウェイトベクトルマトリックスは同じであり、いずれも初期ビームウェイトベクトルマトリックスであることができる。
好ましくは、本発明の実施形態では、以下の数式で受信チャネルの初期受信ビームウェイトベクトルマトリックス
【数6】
および送信チャネルの初期送信ビームウェイトベクトルマトリックス
【数7】
を表す:
【数8】
【0050】
ステップ301:標準ビーム方向に向けられたテストアンテナを使用して、キャリブレーション対象のアレイアンテナに第1のキャリブレーション信号を送信する。
【0051】
具体的に、標準ビーム方向に向けられたテストアンテナを使用して、キャリブレーション対象のアレイアンテナに第1のキャリブレーション信号を送信する。好ましくは、本発明の実施形態では、標準ビーム方向の方位角は「0°」であり、すなわち、方位角および傾斜角はゼロである。第1のキャリブレーション信号は、単一トーンキャリブレーション信号であり得る。
【0052】
ステップ302:キャリブレーション対象のアレイアンテナの各チャネルにより、標準ビーム方向に向けられたテストアンテナによって送信された第1のキャリブレーション信号を受信し、中央チャネルで受信された第1のキャリブレーション信号と各チャネルで受信された第1のキャリブレーション信号の間の振幅と位相の両方の誤差それぞれを決定する。
【0053】
具体的には、キャリブレーション対象のアレイアンテナは、複数のチャネルにより上記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナによって送信された第1のキャリブレーション信号を受信し、中央チャネルによって受信された第1のキャリブレーション信号を基準点として使用して、各チャネルで受信された第1のキャリブレーション信号と央チャネルで受信された第1のキャリブレーション信号の間の振幅と位相の両方の誤差それぞれを決定する。ここで、中央チャネルは、キャリブレーション対象のアレイアンテナの中央要素に対応するチャネルであり、上記複数のチャネル内のチャネルである。
【0054】
例えば、N個のチャネルによりキャリブレーション対象のアレイアンテナによって受信される第1のキャリブレーション信号は、
【数9】
であり、当該キャリブレーション対象のアレイアンテナの中央要素に対応する中央チャネルによって受信された第1のキャリブレーション信号は、
【数10】
であり、
【数11】
は基準点として使用される。
好ましくは、本発明の実施形態では、以下の数式で中央チャネルによって受信された第1のキャリブレーション信号と複数のチャネルのいずれか1つによって受信された第1のキャリブレーション信号の間の振幅と位相の両方の誤差e
Nを計算する。ここで、いずれの受信チャネルも中央チャネルを含む:
【数12】
【0055】
さらに、中央チャネルによって受信された第1のキャリブレーション信号と各チャネルによって受信された第1のキャリブレーション信号の間の振幅と位相の両方の誤差eは、次の数式によって計算される。
【数13】
【0056】
ここで、「1」は、中央チャネルと自体に対応する振幅と位相の両方の誤差を表す。
【0057】
ステップ303:取得された振幅と位相の両方の誤差を使用して、初期ビームウェイトベクトルマトリックスをキャリブレーションし、補償ビームウェイトベクトルマトリックスを取得する。
【0058】
具体的に、各チャネルで受信された第1のキャリブレーション信号と央チャネルで受信された第1のキャリブレーション信号の間の振幅と位相の両方の誤差それぞれを決定した後、取得された振幅と位相の両方の誤差を使用して、初期ビームウェイトベクトルマトリックスにおける初期ビームウェイトベクトルの各グループを補償して、補償ビームウェイトベクトルマトリックスを取得する。
【0059】
例えば、取得された振幅と位相の両方の誤差eを使用して、初期ビームウェイトベクトルマトリックスWの振幅と位相の両方の誤差を補償して補償ビームウェイトベクトルマトリックスWcを取得する。
【0060】
具体的に、本発明の実施形態では、好ましい補償は内積演算であってもよい。次に、初期ビームウェイトベクトル
【数14】
のグループのいずれか1つに対する補正結果が、取得された振幅と位相の両方の誤差eに従って以下の数式で計算される。
【数15】
【0061】
ここで、「・」は内積演算を表す。
【数16】
は、q番目のビーム方向に対応する初期ビームウェイトベクトルを表す。
【数17】
は、q番目のビーム方向に対応する補償ビームウェイトベクトルを表す。
【0062】
さらに、本発明の実施形態では、以下の数式で補償ビームウェイトベクトルマトリックスW
cを表す。
【数18】
【0063】
ここで、
【数19】
は、Q番目のビーム方向に向けられたテストアンテナの補償ビームウェイトベクトルである。
【0064】
キャリブレーション対象のアレイアンテナのチャネル間で振幅および位相に誤差があるため、複数のチャネルが同じ送信機によって送信された同じ信号を受信しても、チャネル自身による振幅と位相の両方の誤差のため、受信された信号にも、振幅と位相の両方の誤差が生じられる。したがって、上記のステップにおいて、まず。標準ビーム方向に向けられたテストアンテナを使用して、キャリブレーション対象のアレイアンテナに第1のキャリブレーション信号を送信し、そして、キャリブレーション対象のアレイアンテナ各チャネルによって受信された第1のキャリブレーション信号に生じられた振幅と位相の両方の誤差を決定し、当該振幅と位相の両方の誤差を使用して、初期ビームウェイトベクトルマトリックスを補償する。こうして、標準ビーム方向において、キャリブレーション対象のアレイアンテナの場合の、各チャネル振幅と位相の両方の誤差のキャリブレーションが実現される。
【0065】
補償ビームウェイトベクトルマトリックスを使用して、更新キャリブレーション対象のアレイアンテナの各チャネルの初期ビームウェイトベクトルマトリックス,ここで、更新後のキャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルに対応する補償受信ビームウェイトベクトルマトリックスがあり、また、各送信チャネルに対応する補償送信ビームウェイトベクトルマトリックスもあり、補償受信ビームウェイトベクトルマトリックスおよび補償送信ビームウェイトベクトルマトリックスのいずれも、補償ビームウェイトベクトルマトリックスである。
好ましくは、本発明の実施形態では、以下の数式でキャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルの補償受信ビームウェイトベクトルマトリックス
【数20】
、および各送信チャネルに対応する補償送信ビームウェイトベクトルマトリックス
【数21】
を表す:
【数22】
【0066】
ステップ304:標準ビーム方向に向けられたテストアンテナと通じてキャリブレーション対象のアレイアンテナに指定の電力定格を有する第2のキャリブレーション信号を送信する。
【0067】
具体的に、キャリブレーション対象のアレイアンテナのチャネル(受信チャネルおよび送信チャネルを含む)の補償ビームウェイトベクトルマトリックスを決定した後、標準ビーム方向に向けられたテストアンテナを使用して、キャリブレーション対象のアレイアンテナに指定の電力定格を有する第2のキャリブレーション信号を送信する。
【0068】
例えば、
【数23】
を使用する。
【数24】
のテストアンテナは、電力定格P
0でキャリブレーション対象のアレイアンテナに第2のキャリブレーション信号を送信する。
【0069】
ステップ305:キャリブレーション対象のアレイアンテナの複数のチャネルにより、標準ビーム方向に向けられたテストアンテナによって送信された第2のキャリブレーション信号を受信し、対応する補償ビームウェイトベクトルに基づいて、キャリブレーション対象のアレイアンテナ各チャネルで受信された第2のキャリブレーション信号の標準ビームゲインを決定する。
【0070】
具体的に、標準ビーム方向に向けられたテストアンテナが、予め設定された電力定格で、キャリブレーション対象のアレイアンテナに第2のキャリブレーション信号を送信した後、キャリブレーション対象のアレイアンテナは、複数のチャネルにより、テストアンテナによって送信された第2のキャリブレーション信号を受信し、取得された補償ビームウェイトベクトルマトリックスに基づいて、当該標準ビーム方向に向けられたテストアンテナに対応する補償ビームウェイトベクトルを決定し、そして、当該補償ビームウェイトベクトルに基づいて、現在のキャリブレーション対象のアレイアンテナが自身のチャネルで受信した第2のキャリブレーション信号の標準ビームゲインを決定する。
【0071】
好ましくは、本発明の実施形態では、電力定格でP
0で標準ビーム方向に向けられたテストアンテナによって送信された、キャリブレーション対象のアレイアンテナによって受信された第2のキャリブレーション信号の標準ビームゲインG
RX0を以下の数式で計算する。
【数25】
【0072】
ここで、
【数26】
は標準ビーム方向に対応する補償ビームウェイトベクトルを表し、
【数27】
、すなわち、x(t)はキャリブレーション対象のアレイアンテナの各チャネルで受信された標準ビーム方向に向けられたテストアンテナによって送信された第2のキャリブレーション信号である。
【0073】
したがって、取得された標準ビームゲインは、キャリブレーション対象のアレイアンテナの標準ビーム方向の受信ビームフォーミング指数である。
【0074】
ステップ306:キャリブレーション対象のアレイアンテナにより、標準ビーム方向に向けられたテストアンテナに指定の電力定格を有する第2のキャリブレーション信号を送信し、標準ビーム方向に向けられたテストアンテナによって受信された第2のキャリブレーション信号の標準信号電力を決定する。
【0075】
具体的に、キャリブレーション対象のアレイアンテナの複数のチャネルにより、標準ビーム方向に向けられたテストアンテナに指定の電力定格を有する第2のキャリブレーション信号を送信し、標準ビーム方向に向けられたテストアンテナによって受信された第2のキャリブレーション信号に対応する標準信号電力を決定する。
【0076】
もちろん、本発明の実施形態では、標準ビーム方向に向けられたテストアンテナによって受信された第2のキャリブレーション信号の標準信号電力を決定する方法は、既存の方法であってもよく、本明細書でさらに紹介されない。
【0077】
例えば、キャリブレーション対象のアレイアンテナによって送信された第2のキャリブレーション信号の電力定格がP0であり、標準ビーム方向に向けられたテストアンテナによって受信された第2のキャリブレーション信号に対応する標準信号の電力がPBであると想定する。
【0078】
したがって、取得された標準信号電力は、キャリブレーション対象のアレイアンテナの標準ビーム方向の送信ビームフォーミング指数である。
【0079】
ステップ307:標準ビーム方向とは異なるビーム方向に向けられた複数のテストアンテナを決定し、キャリブレーションが実行されていないビーム方向の1つに対応するテストアンテナを選択する。
【0080】
本発明の実施形態では、キャリブレーション対象のアレイアンテナの各チャネルは、チャネルエラーを修正するために、異なるビーム方向においてキャリブレーションする。上記ステップにおいて、まず、キャリブレーション対象のアレイアンテナのチャネル(受信チャネルおよび送信チャネルを含む)を標準ビーム方向においてキャリブレーションし、各チャネルに対応する補償ビームウェイトベクトルマトリックスを取得し、そして、キャリブレーション対象のアレイアンテナの各チャネルは、標準ビーム方向に従って他の方向に関してキャリブレーションされる。
【0081】
具体的に、標準ビーム方向とは異なるすべてのビーム方向に向けられた複数のテストアンテナのうち、キャリブレーションが行われていないビーム方向に対応するテストアンテナを選択して、以下のステップを行う。
【0082】
ステップ308:現在の選定されたテストアンテナにより、キャリブレーション対象のアレイアンテナに指定の電力定格を有する第2のキャリブレーション信号を送信する。
【0083】
具体的に、現在の選定されたビーム方向に対応するテストアンテナを使用して、キャリブレーション対象のアレイアンテナに指定の電力定格を有する第2のキャリブレーション信号を送信する。
【0084】
例えば、
【数28】
を使用する。
【数29】
のテストアンテナは、電力定格P
0でキャリブレーション対象のアレイアンテナに第2のキャリブレーション信号を送信する。
【0085】
ステップ309:現在のテストアンテナに対応する補償ビームウェイトベクトルに基づいて、当該テストアンテナにてから、キャリブレーション対象のアレイアンテナによって受信された第2のキャリブレーション信号のビームゲインを決定する。
【0086】
具体的に、現在の選定されたビーム方向に向けられたテストアンテナは、予め設定された電力定格でキャリブレーション対象のアレイアンテナに第2のキャリブレーション信号を送信した後、キャリブレーション対象のアレイアンテナは、各チャネルで第2のキャリブレーション信号を受信し、取得された補償ビームウェイトベクトルマトリックスに基づいて、現在のビーム方向のテストアンテナに対応する補償ビームウェイトベクトルを決定し、そして、当該補償ビームウェイトベクトルに基づき、当該キャリブレーション対象のアレイアンテナが自身のチャネル出受信した第2のキャリブレーション信号のビームゲインを決定する。
【0087】
好ましくは、本発明の実施形態では、キャリブレーション対象のアレイアンテナが受信した第2のキャリブレーション信号の標準ビームゲインG
RXkを以下の数式で計算する。、当該第2のキャリブレーション信号は、ビーム方向が
【数30】
であるテストアンテナが電力定格P
0で送信された信号である。
【数31】
【0088】
ここで、
【数32】
は、ビーム方向が「
【数33】
」であるテストアンテナに対応する補償ビームウェイトベクトル
【数34】
を表し、すなわち、x(t)はキャリブレーション対象のアレイアンテナ各チャネルで受信された上記ビーム方向に向けられたテストアンテナによって送信された第2のキャリブレーション信号である。
【0089】
ステップ310:現在のビームゲインと標準ビームゲインの間の誤差が第1所定の閾値範囲内にあるかどうかを判定する。はい」であれば、ステップ311を実行し、「いいえ」であればステップ312を実行する。
【0090】
具体的に、現在選択されているビーム方向に向けられたキャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルにより受信された第2のキャリブレーション信号に対応するビームゲインと、標準ビーム方向に向けられたキャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルにより受信された第2のキャリブレーション信号に対応する標準ビームゲインの間の誤差が第1所定の閾値範囲内にあるかどうかを判定する。「はい」であれば、ステップ311を実行し、「いいえ」であればステップ312を実行する。
【0091】
ステップ310では、現在選択されているビーム方向に向けられたテストアンテナおよび標準ビーム方向に向けられたテストアンテナにより、キャリブレーション対象のアレイアンテナに、電力定格が同じである第2のキャリブレーション信号を送信する目的としては、同じ電力のキャリブレーション信号が異なるビーム方向に向けられたテストアンテナから送信され、キャリブレーション対象のアレイアンテナの受信チャネルで受信される場合、キャリブレーション対象のアレイアンテナのビームゲインにじょじられた誤差を決定するためである。
【0092】
ステップ311:現在選択されているビーム方向に関して、キャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルのキャリブレーションが完了したことを決定する。
【0093】
具体的に、現在選択されているビーム方向のキャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルにより受信された第2のキャリブレーション信号に対応するビームゲインと、標準ビーム方向に向けられたキャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルにより受信された第2のキャリブレーション信号に対応する標準ビームゲインの間の誤差が所定の閾値範囲内にある場合、現在選択されているテストアンテナのビーム方向に関して、キャリブレーション対象のアレイアンテナの受信チャネルのキャリブレーションが完了する。すなわち、取得された補償受信ビームウェイトベクトルマトリックスにおいて、当該ビーム方向に対応する補償受信ビームウェイトベクトルをさらにキャリブレーションする必要はない。
【0094】
例えば、現在選択されているビーム方向は、「
【数35】
」であり、補償受信ビームウェイトベクトルマトリックス
【数36】
内の対応する補償受信ビームウェイトベクトル
【数37】
は、もはやキャリブレーションされる必要はない。
【0095】
ステップ312:現在のビーム方向に向けられたキャリブレーション対象のアレイアンテナ受信チャネルのキャリブレーション回数が所定の回数よりも大きいかどうかを判断し、「はい」であれば、ステップ313を実行し、「いいえ」であれば、ステップ314を実行する。
【0096】
ステップ313:受信チャネルキャリブレーションの警告信号を送信する。
【0097】
具体的に、現在のビーム方向に向けられたキャリブレーション対象のアレイアンテナ各受信チャネルのキャリブレーション回数よりも大きい場合、キャリブレーション回数が過大であることを意味し、受信チャネルキャリブレーションの警告信号を送信することができる。
【0098】
ステップ314:現在のビーム方向の方位角を調整し、調整後の方位角に基づいて、元のビーム方向に対応する補償受信ビームウェイトベクトルを更新する。
【0099】
具体的に、現在のビーム方向に向けられたキャリブレーション対象のアレイアンテナ受信チャネルのキャリブレーション回数が所定の回数よりも大きくない場合、まず、中央チャネルによって受信された第2のキャリブレーション信号と各チャネルによって受信された第2のキャリブレーション信号の間の振幅と位相の両方の誤差を決定し、予め設定された角度で、現在のビーム方向の方位角を調整し、その後、取得された振幅と位相の両方の誤差および調整後の方位角似基づいて、現在のビーム方向に対応する補償受信ビームウェイトベクトルを更新する。
【0100】
好ましくは、本発明の実施形態では、以下の数式で中央チャネルによって受信された第2のキャリブレーション信号と各チャネルによって受信された第2のキャリブレーション信号の間の振幅と位相の両方の誤差ekを決定する。
【0101】
例えば、キャリブレーション対象のアレイアンテナのN個のチャネルによって受信された第2のキャリブレーション信号それぞれが
【数38】
であり、当該キャリブレーション対象のアレイアンテナの中央要素に対応する中央チャネルによって受信された第2のキャリブレーション信号はy
0(t)であり、y
0(t)を基準点として使用される。
好ましくは、本発明の実施形態では、以下の数式で、中央チャネルによって受信された第2のキャリブレーション信号と、いずれのチャネルによって受信された第2のキャリブレーション信号の間の振幅と位相の両方の誤差e
Nを計算し、ここで、いずれの受信チャネルにも中央チャネルが含まれる:
【数39】
さらに、中央チャネルによって受信された第2のキャリブレーション信号と各チャネルによって受信された第2のキャリブレーション信号の間の振幅と位相の両方の誤差e
kは次の数式で表し、
【数40】
【0102】
ここで、「1」は中央チャネルと自身の間の振幅と位相の両方の誤差を表す。
【0103】
次に、予め設定された角度で現在のビーム方向の方位角を調整する。
【0104】
例えば、予め設定された角度は、「2.5°」であり、現在選択されているビーム方向に対応する方位角は
【数41】
である。調整後の方位角
【数42】
は
【数43】
である。
【0105】
最後、取得された振幅と位相の両方の誤差および調整後の方位角に基づいて、元のビーム方向に対応する補償受信ビームウェイトベクトルを更新し、好ましくは、本発明の実施形態では、以下の数式で更新後の補償受信ビームウェイトベクトル
【数44】
を決定する。
【数45】
【0106】
ここで、
【数46】
は調整後の方位角を表す。
【数47】
は元のビーム方向に対応する補償受信ビームウェイトベクトルを表す。
「・」は内積演算を表す。「÷」は割算を示す。
【0107】
対応する補償受信ビームウェイトベクトルが更新された後、ステップ309が再び実行される。
【0108】
ステップ315:現在選択されているテストアンテナにより、キャリブレーション対象のアレイアンテナに指定の電力定格を有する第2のキャリブレーション信号を送信し、キャリブレーション対象のアレイアンテナによって受信された第2のキャリブレーション信号の信号電力を決定する。
【0109】
具体的に、現在選択されているビーム方向に関して、キャリブレーション対象のアレイアンテナの受信チャネルのキャリブレーションが完了した後、現在のビーム方向において、キャリブレーション対象のアレイアンテナの送信チャネルを引き続きキャリブレーションする。まず、現在のビーム方向のテストアンテにより、ナキャリブレーション対象のアレイアンテナに指定の電力定格を有する第2のキャリブレーション信号を送信し、キャリブレーション対象のアレイアンテナによって受信された第2のキャリブレーション信号の信号電力を決定する。
【0110】
例えば、キャリブレーション対象のアレイアンテナによって送信された第2のキャリブレーション信号の電力定格がP0であり、現在のビーム方向のテストアンテナによって受信された第2のキャリブレーション信号に対応する標準信号電力がPCである。
【0111】
ステップ316:現在の信号電力と標準信号電力の間の誤差が第2の所定の閾値の範囲内にあるかどうかを判断し、「はい」であれば、ステップ317を実行し、「いいえ」であれば、ステップ318を実行する。
【0112】
具体的に、現在のテストアンテナによって受信されたキャリブレーション対象のアレイアンテナの各送信チャネルにより送信された第2のキャリブレーション信号に対応する信号電力と、標準ビーム方向に向けられたテストアンテナによって受信されたキャリブレーション対象のアレイアンテナの各送信チャネルにより送信された第2のキャリブレーション信号に対応する標準信号電力の間の誤差が第2の所定の閾値内にあるかどうかを判断し、「はい」であれば、ステップ317を実行し、「いいえ」であれば、ステップ318を実行する。
【0113】
ステップ317:キャリブレーション対象のアレイアンテナの各送信チャネルの現在選択されているビーム方向でのキャリブレーションが完了したことを決定する。
【0114】
具体的に、現在のテストアンテナによって受信されたキャリブレーション対象のアレイアンテナの各送信チャネルにより送信された第2のキャリブレーション信号に対応する信号電力と、標準ビーム方向に向けられたテストアンテナによって受信されたキャリブレーション対象のアレイアンテナの各送信チャネルにより送信された第2のキャリブレーション信号に対応する標準信号電力の間の誤差が第2の所定の閾値以下であると判断すれば、キャリブレーション対象のアレイアンテナの各送信チャネルが現在選択されているビーム方向でのキャリブレーションが完了したことを決定する。すなわち、取得された補償送信ビームウェイトベクトルマトリックスにおいて、当該ビーム方向に対応する補償送信ビームウェイトベクトルをさらにキャリブレーションする必要はない。
【0115】
ステップ318:現在のビーム方向に向けられたキャリブレーション対象のアレイアンテナ送信チャネルのキャリブレーション回数が所定の回数よりも大きいかどうかを判断し、「はい」であれば、ステップ319を実行し、「いいえ」であれば、ステップ308に戻す。
【0116】
ステップ319:送信チャネルキャリブレーションの警告信号を送信する。
【0117】
具体的に、現在のビーム方向に向けられたキャリブレーション対象のアレイアンテナの各送信チャネルのキャリブレーション回数よりも大きい場合、キャリブレーション回数が過大であることを意味し、送信チャネルキャリブレーションの警告信号を送信してもよい。
【0118】
ステップ320:キャリブレーション対象のアレイアンテナがキャリブレーションされていないビーム方向があるかどうかを判定する。「はい」であれば、ステップ307を実行し、「いいえ」であれば、ステップ321を実行する。
【0119】
具体的には、本発明の目的は、キャリブレーション対象のアレイアンテナの各チャネルは、異なるビーム方向に関してキャリブレーションされることにある。キャリブレーション対象のアレイアンテナの現在選択されているビーム方向でのキャリブレーションが完了した後、キャリブレーションが実行されていないビーム方向がまだあるかどうかが判定され、「はい」であれば、ステップ307に戻って、次のビーム方向に関してキャリブレーションし、「いいえ」であれば、ステップ321を実行する。
【0120】
ステップ321:キャリブレーション対象のアレイアンテナの各チャネルのキャリブレーションが完了したことを決定し、最新の補償ビームウェイトベクトルマトリックスを保存する。
【0121】
具体的には、キャリブレーション対象のアレイアンテナの受信チャネルおよび送信チャネルの各ビーム方向に関するキャリブレーションが完了した後、キャリブレーション対象のアレイアンテナの各チャネルのキャリブレーションが完了したと決定し、最新の補正ビームのウェイトベクトルマトリックスが保存される。
【0122】
図4に示されるように、本発明の実施形態では、アレイアンテナをキャリブレーションする装置は、少なくとも第1の処理ユニット41と、キャリブレーションユニット42とを備える。
【0123】
第1の処理ユニット41は、標準ビーム方向に向けられたテストアンテナを使用して、キャリブレーション対象のアレイアンテナに第1のキャリブレーション信号を送信し、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各チャネルにより、前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナによって送信された第1のキャリブレーション信号を受信し、中央チャネルで受信された第1のキャリブレーション信号と各チャネルで受信された第1のキャリブレーション信号の間の振幅と位相の両方の誤差それぞれを決定し、前記中央チャネルは、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの中央要素に対応するチャネルである。
【0124】
キャリブレーションユニット42は、取得された振幅と位相の両方の誤差に基づいて、前記初期ビームウェイトベクトルマトリックスをキャリブレーションし、補償ビームウェイトベクトルマトリックスを取得し、前記初期ビームウェイトベクトルマトリックスは、所定の各ビーム方向の方位角に従って決定され、1グループの初期ビームウェイトベクトルは、ビーム方向の1つに対応する。
【0125】
好ましくは、取得された振幅と位相の両方の誤差に基づいて、前記初期ビームウェイトベクトルマトリックスをキャリブレーションし、補償ビームウェイトベクトルマトリックスを取得する場合、前記キャリブレーションユニット42は、取得された振幅と位相の両方の誤差を使用して、初期ビームウェイトベクトルマトリックス内の各グループの初期ビームウェイトベクトルそれぞれを補償し、補償ビームウェイトベクトルマトリックスを取得する。
【0126】
好ましくは、前記装置は、第2の処理ユニット43をさらに備える。前記第2の処理ユニット43は、
取得された振幅と位相の両方の誤差に基づいて、前記初期ビームウェイトベクトルマトリックスをキャリブレーションし、補償ビームウェイトベクトルマトリックスを取得した後に、次の動作を実行し、
前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナを使用して、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナに指定の電力定格を有する第2のキャリブレーション信号を送信し、取得された補償ビームウェイトベクトルマトリックスに基づいて、各チャネルを介してキャリブレーション対象のアレイアンテナによって受信された前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナによって送信された第2のキャリブレーション信号の標準ビームゲインを決定し、
前記キャリブレーション対象のアレイアンテナを使用して、前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナに、指定の電力定格を有する第2のキャリブレーション信号を送信し、前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナによって受信された前記キャリブレーション対象のアレイアンテナによって送信された第2のキャリブレーション信号の標準信号電力を決定し、
標準ビーム方向とは異なるビーム方向に向けられた各テストアンテナについて、次の動作を実行し、現在のテストアンテナに加え、前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナに対応する標準ビームゲインおよび標準信号電力を使用して、現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各チャネルをキャリブレーションする。
【0127】
好ましくは、取得された補償ビームウェイトベクトルマトリックスに基づいて、各チャネルを介してキャリブレーション対象のアレイアンテナによって受信された前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナによって送信された第2のキャリブレーション信号の標準ビームゲインを決定する場合、前記第2の処理ユニット43は、取得された補償ビームウェイトベクトルマトリックスに基づいて、前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナに対応する補償ビームウェイトベクトルを決定し、
前記補償ビームウェイトベクトルに基づいて、各チャネルを介して前記キャリブレーション対象のアレイアンテナによって受信された前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナによって送信された第2のキャリブレーション信号の標準ビームゲインを決定する。
【0128】
好ましくは、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各チャネルは、受信チャネルと送信チャネルを含む。
前記装置は更新ユニット44をさらに備える。前記更新ユニット44は、
取得された振幅と位相の両方の誤差に基づいて、前記初期ビームウェイトベクトルマトリックスをキャリブレーションし、補償ビームウェイトベクトルマトリックスを取得した後に、次の動作を実行する:
【0129】
補償ビームウェイトベクトルマトリックスを使用して、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各チャネルの初期ビームウェイトベクトルマトリックスを更新する。ここで、更新後の前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルに対応する補償受信ビームウェイトベクトルマトリックスがあり、また、各送信チャネルに対応する補償送信ビームウェイトベクトルマトリックスもあり、前記補償受信ビームウェイトベクトルマトリックスおよび前記補償送信ビームウェイトベクトルマトリックスは、補償ビームウェイトベクトルマトリックスである。
【0130】
好ましくは、現在のテストアンテナに加え、前記標準ビーム方向に向けられたテストアンテナに対応する標準ビームゲインおよび標準信号電力を使用して、現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各チャネルをキャリブレーションする場合、前記第2の処理ユニット43は、
現在のビーム方向のテストアンテナを使用して、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナに指定の電力定格を有する第2のキャリブレーション信号を送信し、前記テストアンテナに対応する補償ビームウェイトベクトルに基づいて、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナによって受信した、前記テストアンテナによって送信された第2のキャリブレーション信号のビームゲインを決定し、
前記ビームゲインと標準ビームゲインの間の誤差が第1所定の閾値より大きいかどうかを判断し、
前記ビームゲインと標準ビームゲインの間の誤差が第1所定の閾値より大きいと判断された場合、現在のビーム方向の方位角を調整し、調整後のビーム方向に基づいて、元のビーム方向に対応する補償受信ビームウェイトベクトルを更新し、得られたビームゲインと標準ビームゲインの間の誤差が前記第1所定の閾値に収まるまで、更新後の補償受信ビームウェイトベクトルに基づいて、第2のキャリブレーション信号のビームゲインを再び計算する。
【0131】
好ましくは、前記第2の処理ユニット43は、さらに、
前記ビームゲインと標準ビームゲインの間の誤差が第1所定の閾値以下であると判断された場合、現在のビーム方向に関する、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルのキャリブレーションが完了したと判断し、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナを使用して、現在のビーム方向のテストアンテナに指定の電力定格を有する第2のキャリブレーション信号を送信し、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナから前記テストアンテナによって受信された第2のキャリブレーション信号の信号電力を決定し、前記信号電力と標準信号電力の間の誤差が第2の所定の閾値よりおおきいかどうかを判断し、
「はい」であれば、現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルを再びキャリブレーションし、
「いいえ」であれば、現在のビーム方向に関する、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各送信チャネルのキャリブレーションが完了したと判断する。
【0132】
好ましくは、前記装置は、第1の判断ユニット45をさらに備える。前記第1の判断ユニット45は、
前記ビームゲインと標準ビームゲインの間の誤差が第1所定の閾値よりも大きいと判断された後、現在のビーム方向の方位角を調整する前に、次の動作を実行し、
現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルのキャリブレーション回数が所定の回数よりも大きいかどうかを判断する。
【0133】
現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルのキャリブレーション回数が所定の回数よりも大きいかどうかを判断した後、前記第1の判断ユニット45はさらに、
現在のビーム方向で、キャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルのキャリブレーション回数が所定の回数以下であると判断された場合、現在のビーム方向の方位角を調整し、
現在のビーム方向で、キャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルのキャリブレーション回数が所定の回数よりも大きいと判断された場合、受信チャネルキャリブレーションの警告信号を送信する。
【0134】
好ましくは、前記装置は第2の判断ユニット46をさらに備える。前記第2の判断ユニット46は、
前記信号電力と標準信号電力の間の誤差が第2の所定の閾値を越えると判断した後に、現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルを再びキャリブレーションする前に、次の動作を実行し、
現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各送信チャネルのキャリブレーション回数が所定の回数よりも大きいかどうかを判断する。
【0135】
現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各送信チャネルのキャリブレーション回数が所定の回数よりも大きいかどうかを判断した後、前記第2の判断ユニット46はさらに、
現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各送信チャネルのキャリブレーション回数が所定の回数以下であると判断された場合、現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各受信チャネルを再びキャリブレーションし、
現在のビーム方向で、前記キャリブレーション対象のアレイアンテナの各送信チャネルのキャリブレーション回数が所定の回数よりも大きいと判断された場合、送信チャネルキャリブレーションの警告信号を送信する。
【0136】
要約すると、本発明の実施形態では、まず、所定の各ビーム方向の方位角に基づき、キャリブレーション対象のアレイアンテナ初期ビームウェイトベクトルマトリックスを決定し、標準ビーム方向に向けられたテストアンテナと通じてキャリブレーション対象のアレイアンテナに第1のキャリブレーション信号を送信し、キャリブレーション対象のアレイアンテナの各チャネルによって受信された第1のキャリブレーション信号に基づいて、中央チャネルで受信された第1のキャリブレーション信号とチャネル各チャネルによって受信された第1のキャリブレーション信号との間の振幅と位相の両方の誤差を決定し、振幅と位相の両方の誤差を使用して、初期ビームウェイトベクトルマトリックスをキャリブレーションし、補償ビームウェイトベクトルマトリックスを取得する。
【0137】
次に、標準ビーム方向に向けられたテストアンテナを使用して、キャリブレーション対象のアレイアンテナに指定の電力定格を有する第2のキャリブレーション信号を送信する,取得された補償ビームウェイトベクトルマトリックスに基づいて、キャリブレーション対象のアレイアンテナの各チャネルで受信された標準ビーム方向に向けられたテストアンテナによって送信された第2のキャリブレーション信号の標準ビームゲインを決定し、キャリブレーション対象のアレイアンテナを使用して、標準ビーム方向に向けられたテストアンテナに指定の電力定格を有する第2のキャリブレーション信号を送信し、対象のアレイアンテナによって送信された第2のキャリブレーション信号の標準信号電力を決定し、標準ビーム方向とは異なるビーム方向に向けられた各テストアンテナについて、次の動作を実行する:現在のテストアンテナに加え、標準ビーム方向に向けられたテストアンテナに対応する標準ビームゲインおよび標準信号電力を使用して、現在のビーム方向で、キャリブレーション対象のアレイアンテナの各チャネルをキャリブレーションする。
【0138】
OTAに基づいてアレイアンテナをキャリブレーションするための上述の方法は、開放キャリブレーション環境に適用され、無響室を必要とせず、これにより実装が容易になる。また、アレイアンテナのビームフォーミングを効果的に検出できる。また、各ビーム方向に向けられたテストアンテナを使用して、アレイアンテナのキャリブレーション信号を送受信することにより、アレイアンテナの各チャネルの異なるビーム方向での振幅と位相の両方の誤差を決定し、振幅と位相の両方の誤差を補償することにより、チャネルキャリブレーションが実現される。そのため、この方法では、アレイアンテナが実際の生産段階で検出されているときに、アレイアンテナのビーム形成能力の完全性を迅速に判断できる。
【0139】
本分野の技術者として、本発明の実施形態が、方法、システム或いはコンピュータプログラム製品を提供できるため、本発明は完全なハードウェア実施形態、完全なソフトウェア実施形態、またはソフトウェアとハードウェアの両方を結合した実施形態を採用できることがわかるはずである。さらに、本発明は、一つ或いは複数のコンピュータプログラム製品の形式を採用できる。当該製品はコンピュータ使用可能なプログラムコードを含むコンピュータ使用可能な記憶媒体(ディスク記憶装置、CD-ROM、光学記憶装置等を含むがそれとは限らない)において実施する。
【0140】
以上は本発明の実施形態の方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフロー図および/またはブロック図によって、本発明を記述した。理解すべきことは、コンピュータプログラム指令によって、フロー図および/またはブロック図における各フローおよび/またはブロックと、フロー図および/またはブロック図におけるフローおよび/またはブロックの結合を実現できる。プロセッサはこれらのコンピュータプログラム指令を、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組込み式処理装置、或いは他のプログラム可能なデータ処理装置設備の処理装置器に提供でき、コンピュータ或いは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサは、これらのコンピュータプログラム指令を実行し、フロー図における一つ或いは複数のフローおよび/またはブロック図における一つ或いは複数のブロックに指定する機能を実現する。
【0141】
これらのコンピュータプログラム指令は、又、コンピュータ或いは他のプログラム可能なデータ処理装置を特定方式で動作させるコンピュータ読取記憶装置に記憶できる。これによって、指令を含む装置は当該コンピュータ読取記憶装置内の指令を実行でき、フロー図における一つ或いは複数のフローおよび/またはブロック図における一つ或いは複数のブロックに指定する機能を実現する。
【0142】
これらコンピュータプログラム指令はさらに、コンピュータ或いは他のプログラム可能なデータ処理装置設備に実装もできる。コンピュータプログラム指令が実装されたコンピュータ或いは他のプログラム可能設備は、一連の操作ステップを実行することによって、関連の処理を実現し、コンピュータ或いは他のプログラム可能な設備において実行される指令によって、フロー図における一つ或いは複数のフローおよび/またはブロック図における一つ或いは複数のブロックに指定する機能を実現する。
【0143】
上述した実施形態に記述された技術的な解決手段を改造し、或いはその中の一部の技術要素を置換することもできる。そのような、改造と置換は本発明の各実施形態の技術の範囲から逸脱するとは見なされない。
【0144】
論、当業者によって、上述した実施形態に記述された技術的な解決手段を改造し、或いはその中の一部の技術要素を置換することもできる。そのような、改造と置換は本発明の各実施形態の技術の範囲から逸脱するとは見なされない。そのような改造と置換は、すべて本発明の請求の範囲に属する。