(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-08
(45)【発行日】2022-02-17
(54)【発明の名称】選択方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/80 20140101AFI20220209BHJP
A63F 13/30 20140101ALI20220209BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20220209BHJP
A63F 13/537 20140101ALI20220209BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20220209BHJP
【FI】
A63F13/80 E
A63F13/30
A63F13/55
A63F13/537
A63F13/58
(21)【出願番号】P 2021090159
(22)【出願日】2021-05-28
【審査請求日】2021-05-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】313011434
【氏名又は名称】エヌエイチエヌ コーポレーション
【住所又は居所原語表記】(Sampyeong-dong),16,Daewangpangyo-ro 645 beon-gil,Bundang-gu,Seongnam-si,Gyeonggi-do Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】516164173
【氏名又は名称】NHN PlayArt株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】吉本 真也
(72)【発明者】
【氏名】柏木 誠
(72)【発明者】
【氏名】藤本 勝博
(72)【発明者】
【氏名】梅澤 祐人
【審査官】鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-208674(JP,A)
【文献】特開2021-006275(JP,A)
【文献】特開2015-054220(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置に対応する第1キャラクタと前記第1キャラクタの周囲に配置される複数の第2キャラクタとを含む複数のキャラクタが表示される第1画面領域、およびそれぞれ所定の属性が割り当てられた複数のオブジェクトが表示される第2画面領域を前記通信装置に表示することと、
前記通信装置への入力操作および前記属性に基づいて前記複数のオブジェクトから2以上の特定オブジェクトを決定することと、
前記2以上の特定オブジェクトの第1位置関係と前記第1キャラクタを基準キャラクタとしたときの前記第2キャラクタの第2位置関係とに基づいて、前記複数の第2キャラクタから少なくとも1つの第2キャラクタを選択することと、
を含む選択方法。
【請求項2】
通信装置に対応する第1キャラクタと前記第1キャラクタの周囲に配置される複数の第2キャラクタとを含む複数のキャラクタが表示される第1画面領域、およびそれぞれ所定の属性が割り当てられた複数のオブジェクトが表示される第2画面領域を前記通信装置に表示することと、
前記通信装置への入力操作および前記属性に基づいて前記複数のオブジェクトから2以上の特定オブジェクトを決定することと、
前記2以上の特定オブジェクトの第1位置関係と前記複数のキャラクタのいずれかを基準キャラクタとしたときの前記第2キャラクタの第2位置関係とに基づいて、前記複数の第2キャラクタから少なくとも2つの第2キャラクタを選択することと、
を含む選択方法。
【請求項3】
前記第2キャラクタを選択することは、前記特定オブジェクトの数が増えるほど多くの前記第2キャラクタを選択することを含む、請求項1または請求項2に記載の選択方法。
【請求項4】
前記入力操作は、少なくとも1つの前記オブジェクトを移動させるための操作を含む、請求項1から請求項3のいずれかに記載の選択方法。
【請求項5】
前記第1位置関係は、少なくとも3つの前記特定オブジェクトが第1方向に並ぶことを含み、
前記第2キャラクタを選択することは、前記基準キャラクタに対して前記第1方向に関連付けられた第2方向に沿った位置関係を有する少なくとも1つの前記第2キャラクタを選択することを含む、請求項4に記載の選択方法。
【請求項6】
前記第2方向は、前記第1方向と同じ方向である、請求項5に記載の選択方法。
【請求項7】
前記第1位置関係は、さらに前記第1方向とは異なる第3方向に2以上の前記特定オブジェクトが並ぶことを含み、
前記第2キャラクタを選択することは、前記基準キャラクタに対して前記第3方向に関連付けられた第4方向であって前記第2方向とは異なる第4方向に沿った位置関係を有する少なくとも1つの前記第2キャラクタをさらに選択することを含む、請求項5または請求項6に記載の選択方法。
【請求項8】
前記第4方向は、前記第3方向と同じ方向である、請求項7に記載の選択方法。
【請求項9】
前記第2キャラクタは、前記第2方向および前記第4方向に沿って並ぶ、請求項7または請求項8に記載の選択方法。
【請求項10】
前記第4方向は、前記第2方向に対して垂直である、請求項9に記載の選択方法。
【請求項11】
前記第2キャラクタは、所定量のゲージを有し、
選択された前記第2キャラクタの前記ゲージを減少させることと、
前記ゲージが終了値以下になった場合に前記第2キャラクタを除去することと、をさらに含む、請求項1から請求項10のいずれかに記載の選択方法。
【請求項12】
前記ゲージを減少させることは、前記第1位置関係に含まれる前記特定オブジェクトの数が増えるほど、前記ゲージを大きく減少させることを含む、請求項11に記載の選択方法。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれかに記載の選択方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、選択方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークに接続する複数の通信装置を利用した対戦ゲームが従来から知られている。対戦ゲームは、2人(または2チーム)が参加するゲームと多人数(3人以上)が参加するゲームとを含む。2人が参加するゲームでは、一方のユーザは、他方のユーザを攻撃対象とする。したがって、攻撃対象が自動的に特定される。多人数が参加する場合には、各ユーザは、自分自身を除く複数のユーザから攻撃対象を選択する必要がある。
【0003】
ユーザの操作によってキャラクタが移動できるゲームの場合には、例えば、攻撃対象を選択するために、ユーザのキャラクタを攻撃対象のキャラクタに接近させる。一方、パズルゲームを用いた対戦ゲームの場合、ユーザによる操作はパズルゲームに対して行われるため、自分のキャラクタを操作することは一般的ではない。そこで、予め設定したルールにしたがって自動的に攻撃対象を選択する技術(例えば、特許文献1)が採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
予め設定したルールにしたがって自動的に攻撃対象を特定する技術によれば、ユーザの戦略にしたがって攻撃対象を選択することができる。しかしながら、ゲームの状況は随時変化していくため、状況に応じてルールの設定を変更していく必要があるが、ルールを細かく決めると設定の変更が煩雑になり、ルールを大まかに決めると攻撃対象の選択が単調になる。
【0006】
本発明の目的の一つは、対戦ゲームにおける攻撃対象の選択を新たな方法によって実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態によれば、通信装置に対応する第1キャラクタと前記第1キャラクタの周囲に配置される複数の第2キャラクタとを含む複数のキャラクタが表示される第1画面領域、およびそれぞれ所定の属性が割り当てられた複数のオブジェクトが表示される第2画面領域を前記通信装置に表示することと、前記通信装置への入力操作および前記属性に基づいて前記複数のオブジェクトから2以上の特定オブジェクトを決定することと、前記2以上の特定オブジェクトの第1位置関係と前記第1キャラクタを基準キャラクタとしたときの前記第2キャラクタの第2位置関係とに基づいて、前記複数の第2キャラクタから少なくとも1つの第2キャラクタを選択することと、を含む選択方法が提供される。
【0008】
一実施形態によれば、通信装置に対応する第1キャラクタと前記第1キャラクタの周囲に配置される複数の第2キャラクタとを含む複数のキャラクタが表示される第1画面領域、およびそれぞれ所定の属性が割り当てられた複数のオブジェクトが表示される第2画面領域を前記通信装置に表示することと、前記通信装置への入力操作および前記属性に基づいて前記複数のオブジェクトから2以上の特定オブジェクトを決定することと、前記2以上の特定オブジェクトの第1位置関係と前記複数のキャラクタのいずれかを基準キャラクタとしたときの前記第2キャラクタの第2位置関係とに基づいて、前記複数の第2キャラクタから少なくとも2つの第2キャラクタを選択することと、を含む選択方法が提供される。
【0009】
前記第2キャラクタを選択することは、前記特定オブジェクトの数が増えるほど多くの前記第2キャラクタを選択することを含んでもよい。
【0010】
前記入力操作は、少なくとも1つの前記オブジェクトを移動させるための操作を含んでもよい。
【0011】
前記第1位置関係は、少なくとも3つの前記特定オブジェクトが第1方向に並ぶことを含んでもよい。前記第2キャラクタを選択することは、前記第1キャラクタに対して前記第1方向に関連付けられた第2方向に沿った位置関係を有する少なくとも1つの前記第2キャラクタを選択することを含んでもよい。
【0012】
前記第2方向は、前記第1方向と同じ方向であってもよい。
【0013】
前記第1位置関係は、さらに前記第1方向とは異なる第3方向に2以上の前記特定オブジェクトが並ぶことを含んでもよい。前記第2キャラクタを選択することは、前記基準キャラクタに対して前記第3方向に関連付けられた第4方向であって前記第2方向とは異なる第4方向に沿った位置関係を有する少なくとも1つの前記第2キャラクタをさらに選択することを含んでもよい。
【0014】
前記第4方向は、前記第3方向と同じ方向であってもよい。
【0015】
前記第2キャラクタは、前記第2方向および前記第4方向に沿って並んでもよい。
【0016】
前記第4方向は、前記第2方向に対して垂直であってもよい。
【0017】
前記第2キャラクタは、所定量のゲージを有してもよい。選択された前記第2キャラクタの前記ゲージを減少させることと、前記ゲージが終了値以下になった場合に前記第2キャラクタを除去することと、をさらに含んでもよい。
【0018】
前記ゲージを減少させることは、前記第1位置関係に含まれる前記特定オブジェクトの数が増えるほど、前記ゲージを大きく減少させることを含んでもよい。
【0019】
上記の選択方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供されてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、対戦ゲームにおける攻撃対象の選択を新たな方法によって実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】一実施形態における通信システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】一実施形態における通信装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】一実施形態におけるサーバの構成を示すブロック図である。
【
図4】一実施形態におけるゲーム提供機能を示すブロック図である。
【
図5】一実施形態におけるゲーム制御機能を示すブロック図である。
【
図6】一実施形態におけるゲーム画面の一例を示す図である。
【
図7】一実施形態におけるキャラクタ配置設定の一例と第1ユーザの画面領域との関係を示す図である。
【
図8】一実施形態におけるキャラクタ配置設定の一例と第2ユーザの画面領域との関係を示す図である。
【
図9】一実施形態におけるゲーム画面の一例を示す図である。
【
図10】一実施形態におけるゲーム画面の一例を示す図である。
【
図11】一実施形態におけるキャラクタ配置設定の一例(再配置後)を示す図である。
【
図12】一実施形態におけるゲーム進行処理を示すフローチャートである。
【
図13】一実施形態におけるキャラクタ制御処理を示すフローチャートである。
【
図14】一実施形態におけるゲーム画面の一例を示す図である。
【
図15】一実施形態におけるゲーム画面の一例を示す図である。
【
図16】変形例におけるゲーム画面の一例を示す図である。
【
図17】変形例におけるゲーム画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[1-1.通信システムの構成]
図1は、一実施形態における通信システムの構成を示すブロック図である。一実施形態における通信システム1000は、通信装置10およびサーバ50を有するクライアントサーバシステムである。通信装置10およびサーバ50は、インターネット、通信回線などのネットワークNWに接続される。
図1において、サーバ50は、単一の装置として記載しているが、互いに協働する複数の装置で構成されていてもよい。
【0023】
クライアントである通信装置10は、例えば、スマートフォンであり、ネットワークNWに接続することによって他の装置と通信することができる。通信装置10は、スマートフォンに限らず、タブレット型端末、携帯ゲーム機等のユーザが保持可能な携帯装置であってもよいし、デスクトップパソコンのような据え置き型の装置であってもよい。
【0024】
通信装置10は、インストールされたゲームプログラムを実行することにより、複数のユーザにより対戦可能なゲームを、サーバ50と連携して通信装置10のユーザに提供する。複数のユーザが対戦するゲームであることから、複数のユーザにそれぞれ対応する複数の通信装置10がサーバ50に接続する。
【0025】
この例における対戦ゲームは、キャラクタ領域CAとパズル領域PAとを含むゲーム画面GSによって提供される(
図6参照)。キャラクタ領域CAには、対戦ゲームに参加する複数のユーザにそれぞれ対応する複数のキャラクタchが配置されている。複数のキャラクタchは、キャラクタ領域CAの中央部分に配置されたユーザキャラクタchy(第1キャラクタ)とユーザキャラクタchyの周囲を囲むように配置された敵キャラクタchx(第2キャラクタ)とを含む。ユーザキャラクタchyと敵キャラクタchxとは、ユーザに対応するか否かによって便宜的に区別して示している。したがって、双方を区別せずに説明する場合には単にキャラクタchという場合がある。
【0026】
パズル領域PAには、ユーザ操作によって移動可能な複数のオブジェクトbkが配置されている。ユーザ操作によってオブジェクトbkが移動した後のオブジェクトbkの配置が所定条件を満たすと、そのときのオブジェクトbkの配置に基づいて、キャラクタ領域CAに配置された敵キャラクタchxの一部が攻撃対象として選択される。その結果、攻撃対象の敵キャラクタchxの体力ゲージhgが減少し、体力ゲージhgが所定量(この例では「0」)になると敵キャラクタchxを倒したこと(この敵キャラクタchxの負けが確定すること)になる。ここでは、対戦ゲームの概要を説明したが、詳細については後述する。
【0027】
サーバ50は、通信装置10に対して、アプリケーションプログラムを提供したり、各種のサービスを提供したりする情報処理装置の一例である。各種のサービスには、例えば、通信装置10においてオンラインゲームを実行する際におけるログイン処理、同期処理などのサービスが含まれる。そのほか、各種のサービスには、例えば、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)が含まれていてもよい。サーバ50がゲーム制御プログラムを実行することによって、各種のサービスを実行するための機能がサーバ50において実現される。
【0028】
アプリケーションプログラムには、例えば、以下に説明するゲームを実行するためのアプリケーションプログラム(ゲームプログラム)が含まれる。アプリケーションプログラムは、サーバ50が読み取り可能な記録媒体に記録されている。記録媒体は、サーバ50に含まれる記憶装置であってもよいし、サーバ50に接続される記憶装置であってもよいし、サーバ50がネットワークNWを介して接続される記憶装置であってもよい。
【0029】
[1-2.通信装置の構成]
図2は、一実施形態における通信装置の構成を示すブロック図である。一実施形態における通信装置10は、制御部11、記憶部12、表示部13、操作部14、センサ部15、撮像部16、位置検出部17および通信部18を含む。通信装置10は、これらの構成のすべてを含むものに限定されない。また、通信装置10は、マイクロフォン、スピーカなど他の構成を含んでもよい。
【0030】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ(演算処理回路)およびRAM等の記憶装置を備えるコンピュータの一例である。制御部11は、記憶部12に記憶されたプログラムをプロセッサにより実行して、各種機能を通信装置10において実現させる。通信装置10の各要素から出力される信号は、通信装置10において実現される各種機能によって使用される。制御部11は、ゲームプログラムを実行することによって、ゲームをユーザに提供するときに用いるゲーム提供機能を実現する。
【0031】
記憶部12は、不揮発性メモリ、ハードディスクドライブなどの記憶装置である。記憶部12は、プログラムおよび当該プログラムの実行に必要となるパラメータ等の各種データを記憶する。上述したゲームプログラムは、サーバ50または他のサーバからネットワークNW経由でダウンロードされ、記憶部12に記憶されることによって、通信装置10にインストールされる。ゲームプログラムは、磁気記録媒体、光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリ等の記録媒体に記録した状態で提供されてもよい。この場合、通信装置10は、この記録媒体を読み取る装置を備えていればよい。記憶部12も記録媒体の一例である。
【0032】
表示部13は、制御部11の制御に応じて、各種の画面(例えば、ゲーム画面等)を表示する表示領域を有するディスプレイである。表示部13は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイ等の表示装置である。
【0033】
操作部14は、ユーザの操作に応じた信号を制御部11に出力する操作装置である。操作部14は、表示部13の表面に配置されたタッチセンサである。操作部14は、表示部13と組み合わせることによってタッチパネルを構成する。ユーザの指またはスタイラスペン等で操作部14に接触することによって、ユーザの操作に応じた命令または情報が通信装置10へ入力される。操作部14は、通信装置10の筐体に配置されたスイッチを含んでもよい。
【0034】
センサ部15は、通信装置10の動き、通信装置10の周囲の環境などに関する情報を収集して信号に変換する機能を備える装置である。センサ部15は、例えば、加速度センサ、ジャイロセンサ等を含む。制御部11は、センサ部15の出力信号に基づいて、通信装置10の挙動(例えば、傾き、振動など)に関する情報を取得する。センサ部15は、照度センサ、温度センサ、磁気センサその他のセンサを含んでもよい。
【0035】
撮像部16は、撮像対象の像を信号に変換する撮像装置である。通信装置10は、撮像部16から出力された撮像信号に基づいて画像データを生成する。画像データは、静止画像のデータであってもよいし、動画像のデータであってもよい。以下の説明において画像といった場合には、特に断りがない限り、静止画像および動画像のいずれも含む。撮像部16は、一次元コードまたは二次元コードなどの識別コードを読み取るスキャナーとしても機能する。
【0036】
位置検出部17は、位置情報に基づいて通信装置10の位置を検出する。本実施形態の位置検出部17は、GNSS(Global Navigation Satellite System)を用いて通信装置10の位置を検出する。
【0037】
通信部18は、制御部11の制御により、ネットワークNWと接続して、ネットワークNWに接続されたサーバ50など他の装置と情報の送信および受信を行う無線通信モジュールである。通信部18は、赤外線通信、近距離無線通信などを行う通信モジュールを含んでいてもよい。
【0038】
[1-3.サーバの構成]
図3は、一実施形態におけるサーバの構成を示すブロック図である。一実施形態におけるサーバ50は、制御部51、記憶部52および通信部53を含む。
【0039】
制御部51は、CPUなどのプロセッサ(演算処理回路)およびRAM等の記憶装置を備えるコンピュータの一例である。制御部51は、記憶部52に記憶されたプログラムをプロセッサにより実行して、各種機能をサーバ50において実現させる。サーバ50の各要素から出力される信号は、サーバ50において実現される各種機能によって使用される。制御部51は、ゲーム制御プログラムを実行することによって、通信装置10に提供するゲームを制御するためのゲーム制御機能を実現する。
【0040】
記憶部52は、不揮発性メモリ、ハードディスクドライブなどの記憶装置である。記憶部52は、プログラムおよび当該プログラムの実行に必要となるパラメータ等の情報を記憶する。プログラムにはゲーム制御プログラムも含まれる。ゲームを提供中に通信装置10から受信した各種データについても記憶部52に記憶される。記憶部52は、通信装置10に提供されるゲームプログラムを記憶してもよい。
【0041】
ゲーム制御プログラムは、他のサーバからネットワークNW経由でダウンロードされ、記憶部52に記憶されることによって、サーバ50にインストールされてもよい。ゲーム制御プログラムは、磁気記録媒体、光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録した状態で提供されてもよい。この場合、サーバ50は、この記録媒体を読み取る装置を備えていればよい。記憶部52も記録媒体の一例である。
【0042】
通信部53は、制御部51の制御により、ネットワークNWと接続して、ネットワークNWに接続された通信装置10、他のサーバなど、他の装置と情報の送信および受信を行う無線通信モジュールである。他のサーバとしては、例えば、ゲームサーバ、SNSサーバ、メールサーバなどである。
【0043】
[2-1.ゲーム提供機能]
ゲームは、ゲーム提供機能およびゲーム制御機能によって、ユーザに提供される。まず、ゲーム提供機能について説明する。ゲーム提供機能は、通信装置10の制御部11がゲームプログラムを実行することによって実現される。以下に説明するゲーム提供機能を実現するための構成の一部または全部がハードウエアによって実現されてもよい。
【0044】
図4は、一実施形態におけるゲーム提供機能を示すブロック図である。一実施形態におけるゲーム提供機能100は、ゲーム操作取得部101、選択データ送信部103、制御データ受信部105、ゲームデータ記憶領域107、表示データ生成部109およびゲーム処理実行部111を含む。
【0045】
ゲーム操作取得部101は、ユーザによって操作部14に入力された操作のうち、ゲーム操作を取得する。ゲーム操作は、ユーザによって操作部14に入力された操作のうち、ゲームに関する操作であって、例えば、後述するオブジェクトの移動、パラメータの指定等を含む。
【0046】
制御データ受信部105は、制御データをサーバ50から通信部18を介して受信する。制御データは、各通信装置10から送信された操作データに基づいてサーバ50が生成するデータである。
【0047】
ゲームデータ記憶領域107は、ゲーム画面を表示するために必要なデータ(例えば、画像データ等)を記憶する領域である。
【0048】
ゲーム処理実行部111は、ゲーム操作取得部101によって取得されたゲーム操作および制御データ受信部105によって受信された制御データに基づいて、ゲームの進行を制御するための処理(ゲーム進行処理)を実行する。ゲーム進行処理は、上述した複数の敵キャラクタchxのうち攻撃対象として選択した敵キャラクタchxを示すデータ(選択データ)を生成するための処理、およびゲーム画面を制御するための処理を含む。ゲーム進行処理の詳細については後述する。
【0049】
表示データ生成部109は、ゲーム処理実行部111において制御されるゲームの進行に応じたゲーム画面を表示部13に表示するための表示データを生成する。
【0050】
選択データ送信部103は、ゲーム処理実行部111において生成される選択データを、通信部18を介してサーバ50に送信する。
【0051】
[2-2.ゲーム制御機能]
続いて、ゲーム制御機能について説明する。ゲーム制御機能は、サーバ50の制御部51がゲーム制御プログラムを実行することによって実現される。以下に説明するゲーム制御機能を実現するための構成の一部または全部がハードウエアによって実現されてもよい。
【0052】
図5は、本発明の一実施形態におけるゲーム進行制御機能を示すブロック図である。一実施形態におけるゲーム制御機能500は、選択データ受信部501、キャラクタ処理実行部503、制御データ送信部505および設定データ記憶領域507を含む。
【0053】
選択データ受信部501は、複数の通信装置10から送信された選択データを受信する。これらの選択データは、送信元の通信装置10に対応するユーザに関連付けられる。通信装置10に対応するユーザは、通信装置10を介してログインしたユーザである。
【0054】
設定データ記憶領域507は、キャラクタ領域CAに複数のキャラクタchを配置するときの位置関係を定義するための設定データを記憶する。位置関係は、この例では、最大100のキャラクタchが10×10のマトリクス状に配置されるときの各キャラクタchの座標によって定義される(
図7参照)。設定データは、さらに、各キャラクタchの状態を示す値、この例では各キャラクタchに対応する体力ゲージhgに対応する値(以下、体力値という)をさらに含む。すなわち、設定データは、この例では、各キャラクタchに対応して、配置座標および体力値を定義する。
【0055】
キャラクタ処理実行部503は、選択データ受信部501が受信した選択データに基づいて、キャラクタchの状況を制御するためのキャラクタ制御処理を実行する。キャラクタ制御処理は、設定データを修正し、各通信装置10に対して制御データを送信する処理を含む。制御データは、修正後の設定データに基づいて生成され、各通信装置10においてゲーム画面の制御に用いられる。キャラクタ制御処理の詳細については後述する。
【0056】
制御データ送信部505は、複数の通信装置10のそれぞれに対して、通信部58を介して、制御データを送信する。
【0057】
このように、ゲーム提供機能100およびゲーム制御機能500によって、ゲームがユーザに提供される。
【0058】
[3.ゲーム画面]
対戦ゲームにおいて、通信装置10の表示部13に表示されるゲーム画面GSについて説明する。
【0059】
図6は、一実施形態におけるゲーム画面の一例を示す図である。ゲーム画面GSは、キャラクタ領域CAおよびパズル領域PAを含む。この例では、キャラクタ領域CAとパズル領域PAとは左右に並んで配置されているが、上下に並んで配置されてもよい。キャラクタ領域CAの上部には、ゲーム開始時に存在するキャラクタchの数(
図6の例では「100」)および現在残っているキャラクタchの数(
図6の例では残存キャラクタ数「96」)を示す画像CNが表示されている。言い換えると、画像CNは、ゲーム開始を基準として、4人のユーザの敗戦が確定して残り96人のユーザの対戦が継続している状態を示す。
【0060】
[3-1.キャラクタ領域]
キャラクタ領域CAは、設定データに定義される位置関係にしたがって配置された複数のキャラクタchを表示する。この例では、互いに垂直に交わる方向(上下方向(縦方向ともいう場合もある)および左右方向(横方向という場合もある))に沿って5×5のマトリクス状に配置された25のキャラクタchが表示されている。この例では、キャラクタ領域CAに表示されるキャラクタchは、設定データに定義されるキャラクタchの一部である。キャラクタ領域CAの中央部分には、ユーザキャラクタchyが配置され、それ以外の場所には敵キャラクタchxがユーザキャラクタchyを囲むように配置される。ユーザキャラクタchyは、このゲーム画面GSを表示する通信装置10のユーザに対応するキャラクタchである。それぞれのキャラクタchの下側には体力ゲージhgが表示されている。体力ゲージhgは、設定データに定義される各キャラクタchに対応した体力値にしたがって表示される。
【0061】
[3-2.設定データ]
ここで、設定データに定義される複数のキャラクタchの位置関係と、キャラクタ領域CAに表示される範囲との関係について説明する。
【0062】
図7は、一実施形態におけるキャラクタ配置設定の一例と第1ユーザの画面領域との関係を示す図である。
図8は、一実施形態におけるキャラクタ配置設定の一例と第2ユーザの画面領域との関係を示す図である。設定データは、10×10の座標によって複数のキャラクタchの互いの位置関係を定義する。ここでは、横軸(左右方向)に「a」から「j」までの座標、および縦軸(上下方向)に「1」から「10」までの座標が定義されている。この例では、キャラクタ配置設定における座標の定義のため10×10のマトリクスで示された領域(以下、設定座標領域SAという場合がある)が示されているが、左端と右端とは接続され、上端と下端とは接続されているものとして扱う。例えば、座標(a,1)を基準とすると、右方向に隣接する座標は(b、1)であり、下方向に隣接する座標は(a、2)である。さらに、上方向に隣接する座標は(a、10)であり、左方向に隣接する座標は(j、1)である。
【0063】
ユーザキャラクタUc1、Uc2、Uc3、Uc4は、それぞれ、第1ユーザから第4ユーザに対応するキャラクタchの位置を示す。Uc1は、座標(c,5)が割り当てられている。この例では、Uc1からUc4までが表示されているが、他のユーザについては、記載が省略されているだけで実際には存在する。また、一部のユーザについては、通信装置10を利用するユーザではなく、AIなどによって動作する仮想的なユーザであってもよい。仮想的なユーザは、サーバ50によって実現されてもよいし、別の装置によって実現されてもよい。「×」については、すでに負けが確定したユーザに対応するキャラクタchの位置を示している。この例では、4人のユーザが既に敗戦していることを示し、ゲーム開始時には「×」の位置には敗戦する前の4人のユーザに対応するキャラクタchの位置が決められていたことを示す。
【0064】
図7に示す画面領域CA1は、Uc1を中心とした5×5の範囲であり、第1ユーザに対応する通信装置10においてキャラクタ領域CAとなる範囲に対応する。例えば、
図6に示すゲーム画面GSが第1ユーザに対応する場合には、ユーザキャラクタchyが、
図7に示すUc1に対応する。
図6に示すキャラクタ領域CAの左上に対応する敵キャラクタchxが、
図7に示すUc3に対応する。
【0065】
図8に示す画面領域CA2は、Uc2を中心とした5×5の範囲であり、第2ユーザに対応する通信装置10においてキャラクタ領域CAとなる範囲に対応する。
図8においては、Uc2を中心とした5×5の範囲をわかりやすくするため、画面領域CA2は、設定座標領域SAを超えた部分を含んでいる。その部分は、実際には、座標(a,1)から(a,4)までの範囲、座標(g,10)から(j,10)までの範囲、座標(a,10)に対応する。そのため、例えば、Uc3は、設定座標領域SAではUc2の左側に定義されているが、相対的に近い関係で考えると、画面領域CA2で示すようにUc2の右側に定義されていることに相当する。
【0066】
このように設定されていることで、設定座標領域SAの外縁近傍の位置にキャラクタが定義されたユーザであっても、通信装置10におけるキャラクタ領域CAでは、そのユーザのキャラクタ(ユーザキャラクタchy)が中央部分に表示される。したがって、ユーザから見ると、自身のキャラクタが設定座標領域SAの外縁近傍に位置しているか中央近傍に位置しているかによって、キャラクタ領域CAの表示態様に違いは無い。
【0067】
[3-3.パズル領域]
図6に戻って説明を続ける。パズル領域PAは、この例では7×7のマトリクス状に配置された複数のオブジェクトbkを含む。以下の説明において、オブジェクトbkは、パズル領域PAにおけるオブジェクトをそれぞれ区別せずに示す。個別のオブジェクトbkを指し示す場合には、オブジェクトbk1、bk2、bka、bkb等、「bk」の後に別の識別子(1、2、・・・、a、b、・・・)を付加することによって他のオブジェクトと区別して説明する。
【0068】
複数のオブジェクトbkには、複数の属性(この例では4種類の属性)のいずれかが割り当てられている。
図6においては、各オブジェクトbkは、属性により異なる模様によって表示されている。例えば、オブジェクトbkaとオブジェクトbkbとは異なる属性を有している。属性は、オブジェクトbkの模様によって示される場合に限らず、色、形状などに示されてもよく、視覚によって区別できる形態で示されればよい。
【0069】
複数のオブジェクトbkは、ユーザ操作によって移動可能に配置されている。ユーザ操作によって、複数のオブジェクトbkから1つのオブジェクトbkを選択し、いずれかの方向(ここでは上下左右のいずれか)に移動させると、移動先のオブジェクトbkと位置関係が入れ替わる。オブジェクトbkは、移動先のオブジェクトbkと1回だけ入れ替え可能(元の位置と隣接する位置まで移動可能)であってもよいし、移動先のオブジェクトbkと2回以上入れ替え可能(元の位置と隣接しない位置まで移動可能)であってもよい。
【0070】
オブジェクトbkを移動させることによってパズル領域PAにおけるオブジェクトbkの状態(位置関係)を変化させたときに、移動後のオブジェクトbkの位置関係が特定条件を満たす場合、その条件を満たすオブジェクトbkを特定オブジェクトとして決定し、特定オブジェクトの並び方に応じた特定処理が実行される。特定条件を満たす場合とは、例えば、所定の関係を有する属性(例えば、同じ属性)で一列に並ぶ3以上のオブジェクトbkが存在する場合を示す。
【0071】
オブジェクトbkの移動後において特定オブジェクトが存在しない場合には、移動させたオブジェクトbkが移動前の配置に戻るようにしてもよい。パズル領域PAにおけるオブジェクトbkの位置関係は、オブジェクトbkの移動によって特定オブジェクトを決定できないような状況の場合には、その位置関係を変更するように再配置されてもよい。
図9および
図10を用いて特定処理の一例を説明する。
【0072】
[3-4.ゲーム進行例]
図9および
図10は、一実施形態におけるゲーム画面の一例を示す図である。
図9に示すゲーム画面GSは、
図6に示すゲーム画面GSにおいて、ユーザ操作によってオブジェクトbk1を右方向(オブジェクトbk2の方向)に移動させたときの状況を示す。パズル領域PAでは、オブジェクトbk1がオブジェクトbk2の位置に配置されるときに、オブジェクトbk1が配置されていた位置にオブジェクトbk2が移動する。すなわち、オブジェクトbk1とオブジェクトbk2とが入れ替わる。このとき、ユーザ操作によってオブジェクトbk2を左方向(オブジェクトbk1の方向)に移動させることによって、オブジェクトbk1とオブジェクトbk2とが入れ替えることであっても同じである。
【0073】
この入れ替えによって、オブジェクトbk2と同じ属性のオブジェクトbkが、オブジェクトbk2の上下に存在することになり、一列に並んだ3つのオブジェクトbkが特定オブジェクトとなる。これによって特定処理が実行される。特定オブジェクトを囲む領域を以下の説明では特定領域SLという。
【0074】
キャラクタ領域CAでは、特定オブジェクトの並び方、すなわち特定領域SLの形状に応じて、複数の敵キャラクタchxのうち少なくとも1つが攻撃対象として選択される。例えば、ユーザキャラクタchy(基準キャラクタ)に対して、特定領域SLに対応する位置関係に配置された敵キャラクタchxが選択される。特定領域SLが上下に拡がる形状であるため、攻撃対象は、ユーザキャラクタchyを中心に上下に隣接する敵キャラクタchxとなる。
図9に示す例では、攻撃対象は、ユーザキャラクタchyの上に配置された敵キャラクタchx1、およびユーザキャラクタchyの下に配置された敵キャラクタchx2に対応する。一方、特定領域SLが左右に拡がる形状である場合には、ユーザキャラクタchyの左右に隣接する敵キャラクタchxが攻撃対象として選択される。
【0075】
この例では、特定領域SLに含まれるオブジェクトbkのうち、移動したオブジェクトbk2の位置をユーザキャラクタchyと対応させることで、ユーザキャラクタchyの上下の敵キャラクタchx1、chx2が攻撃対象として選択される。仮に特定領域SLにおける最上部のオブジェクトbkが移動したオブジェクトbkである場合には、ユーザキャラクタchyの上の敵キャラクタchx1に代えて、ユーザキャラクタchyの2つ下の敵キャラクタchxが攻撃対象として選択される。
【0076】
このような選択方法に限らず、移動したオブジェクトbkにかかわらず、特定領域SLが上下に並ぶ領域であれば、
図9に示すようにユーザキャラクタchyを中心として上下の敵キャラクタchx1、chx2が攻撃対象として選択されるようにしてもよい。
【0077】
オブジェクトbkが4つ以上並ぶことによって特定領域SLが拡がる場合には、さらに遠くの敵キャラクタchx(例えば、ユーザキャラクタchyに対して2つ上の敵キャラクタchxおよび2つ下の敵キャラクタchxのいずれか一方または双方)が攻撃対象として選択されるようにしてもよいし、敵キャラクタchx1、chx2に対する体力値の減少量を大きくしてもよい。攻撃対象の拡大と体力値減少量の増加との双方が実行されてもよい。
【0078】
敵キャラクタchx1、chx2に対応する体力値は、ユーザキャラクタchyからの攻撃によって減少し始める。このとき、攻撃対象である敵キャラクタchxをユーザキャラクタchyが攻撃することを模した攻撃画像が表示されてもよい。攻撃画像は、ユーザキャラクタchyから敵キャラクタchxに向かう画像であってもよいし、攻撃対象として選択された敵キャラクタchxを指し示す画像(例えば特定領域SLに相当する画像)であってもよい。続いて、
図10に示すゲーム画面GSのように、特定オブジェクトがパズル領域PAから消去される。この例では、パズル領域PAでは、下方に向けて重力が発生している状況を仮定している。そのため、消去された領域の上方に存在するオブジェクトbkxが落下することによって、消去された領域を別のオブジェクトbkが埋める。消去された領域を埋めるために不足するオブジェクトbkは、パズル領域PAの上方の外側から補充される。上述した敵キャラクタの選択および体力値の減少開始はオブジェクトbkが消去された後に実行されてもよい。
【0079】
キャラクタ領域CAでは、敵キャラクタchx1に対応する体力ゲージhgが
図9に示す状態から所定量減少する。一方、敵キャラクタchx2は、この例では、残存する体力値が少ないため、所定量減少することにより体力値が「0」に到達して負けが確定する。負けが確定した敵キャラクタchx2は、キャラクタ領域CAから消去され、敗戦画像bgに置換される。敗戦画像bgは、残存しているキャラクタと区別できる画像であればよく、例えば墓石の画像である。敵キャラクタchx2に対応するユーザが敗戦したことにより、残存するキャラクタchの数が減少し、画像CNにおける残存キャラクタ数が「96」から「95」に減少する。
【0080】
敗戦画像bgが表示されている部分は
図7に示す設定データにおける「×」となる部分に対応する。ユーザキャラクタchyに隣接して敗戦画像bgが表示されている場合において、攻撃対象として敗戦画像bgが表示されている部分が選択されるときには、攻撃が行われなかったもの(無効処理)としてもよいし、さらに1つ離れた部分に敵キャラクタchxが攻撃対象として選択されてもよい。
【0081】
残存キャラクタ数が所定の設定値まで減少すると、設定データに示すキャラクタchの位置関係が再設定される。この例では、残存キャラクタ数が81(=9×9)、64(=8×8)、49(=7×7)、・・・、9(=3×3)といった平方数(=a×b;aおよびbは3から9までの整数で互いに同じ値)に減少すると、設定データにおける位置関係の再設定が実行される。これによって、残存している複数のキャラクタchが再配置される。以下の説明では、再設定が実行されるときのキャラクタ数を再配置値という。上述のように、複数の再配置値が存在するが、単に再配置値という場合には、残存キャラクタ数より小さい再配置値のうち最も大きい値を示す。例えば、残存キャラクタ数が「75」であれば、再配置値は「64」である。
【0082】
図11は、一実施形態におけるキャラクタ配置設定の一例(再配置後)を示す図である。
図11に示す例では、残存キャラクタ数が再配置値「81」(「a=9」)になったときの設定データを示す。このときには、設定座標領域SAは、9×9のマトリクス(縦横が上述した「a」に相当する数)で示された領域に修正される。そのため、設定座標領域SAは、横軸に「a」から「i」までの座標、および縦軸に「1」から「9」までの座標に再定義される。例えば、残存キャラクタ数が再配置値「49」(「a=7」)になったときには、設定座標領域SAは、7×7のマトリクスで示された領域に修正される。
【0083】
再配置後のキャラクタchの位置は、この例ではランダムに決定されるが、これに限られず、別の方法で決定されてもよい。再配置後のキャラクタchの位置は、例えば、負けが確定して除去されたキャラクタchの位置に他のキャラクタchを移動させるように決定されてもよい。移動させるキャラクタchは、設定座標領域SAが変化することによって存在できなくなったキャラクタch、すなわち、座標が(a,10)から(j,10)および(j,1)から(j,9)に配置されていたキャラクタchであってもよい。
【0084】
複数のキャラクタchがランダムに再配置されたことにより、
図11に示す例では第1ユーザに対応する画面領域CA1には、
図7に示す例において含まれていたUc3は含まれず、Uc2およびUc4が含まれる状態に変化している。
【0085】
残存キャラクタ数が「5」になった場合には、設定データによらず、ユーザキャラクタchyの上下左右に隣接して敵キャラクタchxが配置されるように再配置される。最終的には、最後まで残ったユーザが勝利となりゲームが終了する。残存キャラクタ数が所定の終了値、例えば「5」になった場合に、ゲームが終了してもよい。この場合には、残存する各ユーザに対応するキャラクタchの残存体力値に応じて、各ユーザの順位が決定されてもよい。最後まで残ったユーザが勝利となる場合には、終了値は「1」に対応する。
【0086】
[4-1.ゲーム進行処理]
続いて、ゲーム進行処理について説明する。
図12に示すゲーム進行処理は、ゲームが開始されることによって実行される。ゲームを開始する条件は、100人のユーザがゲームに参加する状態になったことであってもよいし、最初のユーザからゲームの参加申請があってから所定時間が経過した後であってもよい。100人のユーザによる参加申請が無かった場合には、不足している数の仮想ユーザをサーバ50が設定してもよい。上述したように、ゲーム進行処理は、通信装置10における制御部11によって実行され、以下に説明するように敵キャラクタchxを攻撃対象として選択する方法(選択方法)を実現する処理を含む。
【0087】
図12は、一実施形態におけるゲーム進行処理を示すフローチャートである。制御部11は、キャラクタ領域CAおよびパズル領域PAを含むゲーム画面GSを表示部13に表示する(ステップS101)。制御部11は、サーバ50から終了指示を受信するか、ユーザによる操作部14へ入力操作(オブジェクトbkを移動させるための操作)が受け付けられるまで待つ(ステップS111;No,ステップS113;No)。この状態を待機状態という。終了指示を受信した場合(ステップS111;Yes)には、制御部11は、ゲームを終了するように制御する。
【0088】
入力操作が受け付けられた場合(ステップS113;Yes)には、制御部11は、入力操作に応じてオブジェクトbkを移動する(ステップS121)。オブジェクトbkを移動したことにより、特定条件を満たす位置関係のオブジェクト、すなわち特定オブジェクトが存在するか否かを判定する(ステップS123)。特定オブジェクトが存在しない場合(ステップS123;No)、すなわち、同じ属性で一列に3つ以上並んだオブジェクトbkが存在しない場合には、制御部11は、待機状態に戻す(ステップS111;No,ステップS113;No)。特定オブジェクトが存在する場合(ステップS123;Yes)には、制御部11は、特定オブジェクトを消去する(ステップS125)。
【0089】
続いて、制御部11は、特定オブジェクトの並び方(特定領域SLの形状)に応じて攻撃対象のキャラクタchを選択し(ステップS131)、攻撃対象のキャラクタchを示す選択データをサーバ50に送信して(ステップS133)、待機状態に戻す(ステップS111;No,ステップS113;No)。
【0090】
選択データは、サーバ50において攻撃対象のキャラクタchを識別することができる情報であればよく、例えば、攻撃対象のキャラクタchの識別子であってもよいし、ユーザキャラクタchyに対する相対的な位置であってもよいし、特定領域SLの形状であってもよい。攻撃対象のキャラクタchの識別子ではない場合には、サーバ50は、選択データを送信した通信装置10からユーザを特定し、設定データにより定義される位置関係、そのユーザのキャラクタchの位置、および攻撃対象の相対的な位置に基づいて、攻撃対象のキャラクタchのキャラクタchを特定する。上述したように、特定領域SLの形状によって体力値の減少量を調整する場合には、減少量に応じた情報が選択データに含まれてもよい。
【0091】
上述したフローチャートで示す処理以外にも、ゲーム進行処理は、サーバ50から送信される制御データにしたがってゲーム画面GS(特に、キャラクタ領域CA)を制御する処理を含む。
【0092】
[4-2.キャラクタ制御処理]
続いて、キャラクタ制御処理について説明する。
図13に示すキャラクタ制御処理は、サーバ50が通信装置10から選択データを受信することによって実行される。
【0093】
図13は、一実施形態におけるキャラクタ制御処理を示すフローチャートである。制御部51は、選択データによって特定される攻撃対象のキャラクタchについて、体力値を減少させるように制御する(ステップS201)。具体的には、制御部51は、設定データにおける攻撃対象のキャラクタchの体力値を減少後の値に修正し、攻撃対象のキャラクタchの修正後の体力値を示す制御データを通信装置10に送信する。この制御データに基づいて、各通信装置10は、キャラクタ領域CAに表示されている各キャラクタchの体力ゲージhgが減少するように変化させる。
【0094】
制御データの送信対象となる通信装置10は、選択データを送信した通信装置10だけではなく、ゲームに参加している全てのユーザの通信装置10である。以下の処理において制御データを送信するときも同様である。
【0095】
続いて、制御部51は、体力値が「0」になったキャラクタchが存在するか否かを判定する(ステップS211)。体力値が「0」になったキャラクタchが存在しない場合(ステップS211;No)には、制御部51はキャラクタ制御処理を終了する。体力値が「0」になったキャラクタchが存在する場合(ステップS211;Yes)には、そのキャラクタchを除去するように制御する(ステップS213)。具体的には、制御部51は、設定データにおいて、除去対象のキャラクタchを負けが確定したキャラクタchとして修正し、除去対象のキャラクタchを示す制御データを通信装置10に送信する。この制御データに基づいて、各通信装置10は、キャラクタ領域CAにおいて負けが確定したキャラクタchを除去するように制御する。
【0096】
続いて、制御部51は、キャラクタchを除去した結果、残存するキャラクタchの数(残存キャラクタ数)が終了値になったか否かを判定する(ステップS221)。残存キャラクタ数が終了値以下になった場合(ステップS221;Yes)には、制御部51は、ゲームの終了指示を含む制御データを送信する(ステップS241)。残存キャラクタ数が終了値になっていない場合(ステップS221;No)には、制御部51は、残存キャラクタ数が再配置値以下に変化したか否かを判定する(ステップS223)。
【0097】
残存キャラクタ数が再配置以下に変化していない場合(ステップS223;No)には、制御部51は、キャラクタ制御処理を終了する。残存キャラクタ数が再配置値以下に変化した場合(ステップS223;Yes)には、制御部51は、残存しているキャラクタchを再配置して(ステップS231)、キャラクタ制御処理を終了する。具体的には、制御部51は、残存しているキャラクタchを再配置して設定データを修正し、各キャラクタchの位置を示す制御データを通信装置10に送信する。この制御データに基づいて、各通信装置10は、キャラクタ領域CAに表示されるキャラクタchを再配置する。この場合であっても、各通信装置10に対応するユーザキャラクタchyは、キャラクタ領域CAの中央部分に配置される。
【0098】
このように、ゲーム進行処理を実行するゲーム提供機能100およびキャラクタ制御処理を実行するゲーム制御機能500を含む各機能によって、ユーザにゲームが提供される。
【0099】
[5.特定領域SLの他の形状]
特定領域SLの形状と攻撃対象のキャラクタchとの関係について、さらに説明する。上述した例では、特定領域SLが一方向に拡がっている形状を例としたが、複数の方向に拡がる形状となる他の例も想定される。その一例について
図14および
図15を用いて説明する。
【0100】
図14および
図15は、一実施形態におけるゲーム画面の一例を示す図である。
図14は、
図6に示すゲーム画面GSにおいて、ユーザ操作によってオブジェクトbk3を右方向(オブジェクトbk4の方向)に移動させたときの状況を示す。パズル領域PAでは、オブジェクトbk3とオブジェクトbk4とが入れ替わる。この入れ替えによって、オブジェクトbk3と同じ属性のオブジェクトbkが、オブジェクトbk3の上下に存在することになり、一列に並んだ3つのオブジェクトbkが特定オブジェクトとなる。さらに、この例では、オブジェクトbk3と同じ属性のオブジェクトbkが、オブジェクトbk3の右方向に一列に2つ並ぶことになる。そのため、5つのオブジェクトbkが特定オブジェクトとなる。5つの特定オブジェクトを囲む特定領域SLは、オブジェクトbk3の上下方向に拡がる領域とオブジェクトbk3から右方向に拡がる領域とを組み合わせた形状を有する。
【0101】
キャラクタ領域CAでは、ユーザキャラクタchyの上下および右方向に2つ分の範囲のそれぞれの位置に配置された敵キャラクタchx1からchx4が攻撃対象として選択される。この例では、特定オブジェクトの数が5つであるため、攻撃対象のキャラクタchの体力値の減少量を
図9および
図10において説明した例(特定オブジェクトの数が3つである例)よりも増加させてもよい。
【0102】
図14は、移動したオブジェクトbk3の位置をユーザキャラクタchyと対応させて敵キャラクタchxを攻撃対象として選択する例を示している。一方、
図15は、移動したオブジェクトbk3の位置とユーザキャラクタchyとを対応させずに、敵キャラクタchxを攻撃対象として選択する例を示している。ここでは、制御部11は、移動したオブジェクトbk3とは関係なく特定領域SLの形状を上下方向に拡がる領域SL1と左右方向に拡がる領域SL2とを組み合わせた形状として解釈することで、ユーザキャラクタchyの上下および左右のそれぞれの位置に配置された敵キャラクタchx1、chx2、chx3、chx5を攻撃対象として選択する。
【0103】
上下方向に拡がる領域SL1と、左右方向に拡がる領域SL2とを組み合わせた形状は、
図14および
図15に示すようにT型(T型を回転させた場合を含む)である場合に限らず、L型(L型を回転させた場合を含む)であってもよい。
【0104】
[6.一実施形態における効果]
上述したゲームによれば、ユーザの入力操作によりパズル領域PAのオブジェクトbkを移動させて、特定オブジェクトの並び方(特定領域SLの形状)を決定する。このとき攻撃対象のキャラクタchが特定領域SLの形状に応じて選択される。このようなゲームによって、従来のように予め設定したルールにしたがって攻撃対象を選択する方法とは全く異なった楽しみ方をユーザに提供することができる。より具体的には、パズル領域PAでオブジェクトbkを並べるというゲームをユーザに提供しつつ、その並べ方によって攻撃対象のキャラクタを選択することができるという新しい楽しみ方をユーザに提供することができる。これによってパズルゲームを単にオブジェクトbkを並べるだけではない新しい形態として提供することができる。
【0105】
[7.変形例]
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、他の様々な変形例が含まれる。例えば、上述した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。実施形態の構成の一部および以下に説明する変形例の一部について、他の構成を追加・削除・置換してもよい。以下、変形例について説明する。
【0106】
(1)上述したように、通信装置10において実現されるゲーム提供機能およびサーバ50において実現されるゲーム制御機能によって、ゲームがユーザに提供される。ゲーム表示機能の一部がサーバ50において実現されてもよい。例えば、ゲーム提供機能のうち、ゲーム操作取得部101以外の構成がサーバ50において実現されてもよい。この場合、通信装置10は、ゲーム操作取得部101が取得したゲーム操作を示す操作データをサーバ50に送信し、サーバ50から表示データを受信して、表示データに基づいて表示部13に表示すればよい。
【0107】
(2)上述したキャラクタ領域CAにおける複数のキャラクタchおよびパズル領域PAにおける複数のオブジェクトbkがそれぞれ縦横に並んで配置される場合に限らず、別の形態で並んでいてもよい。例えば、
図16および
図17に示すように、放射状に並んで配置されてもよい。
【0108】
図16および
図17は、一実施形態におけるゲーム画面の一例を示す図である。
図16に示すように、キャラクタ領域CAにおいて、ユーザキャラクタchyは、キャラクタ領域CAの中央部分に配置され、敵キャラクタchxは、ユーザキャラクタchyを中心とした複数の円周CC1、CC2上、かつ複数の径方向CD1、CD2、・・・、CD8のいずれかに沿って配置されている。この例では、径の大きい円周CC2上の敵キャラクタchxの数は径の小さい円周CC1上の敵キャラクタchxの数よりも多いが、同じあってもよい。
【0109】
この例におけるキャラクタ領域CAにおける複数のキャラクタchの位置関係は、設定データに基づかなくてもよい。すなわち、全てのユーザに対して、複数のキャラクタchが同じ位置関係となるように規定されていなくてもよい。
【0110】
パズル領域PAにおいてもキャラクタ領域CAと同様に、複数のオブジェクトbkが所定の中心を基準として複数の円周PC1、PC2、PC3上、かつ複数の径方向PD1、PD2、・・・、PD8のいずれかに沿って配置されている。この例では、オブジェクトbkは、円周方向または径方向に沿って移動することができる。
【0111】
図17に示すように、オブジェクトbk6をオブジェクトbk7の方向に移動させてオブジェクトbk6とオブジェクトbk7とを入れ替えると、オブジェクトbk6と同じ属性を有するオブジェクトbkが径方向PD4に沿って3つ並ぶことになる。パズル領域PAにおける径方向PD4とキャラクタ領域CAにおける径方向CD4とは対応関係にある。したがって、3つの特定オブジェクトの並び方(特定領域SLの形状)に応じて、ユーザキャラクタchyに対して径方向CD4に隣接する敵キャラクタchx6が攻撃対象として選択される。
【0112】
円周方向に同じ属性で3つ以上のオブジェクトbkが並ぶ例も想定される。この場合には、対応関係にある円周上かつ径方向の敵キャラクタchxが攻撃対象として選択されてもよい。例えば、オブジェクトbk8をオブジェクトbk9の方向に移動させてオブジェクトbk8とオブジェクトbk9とを入れ替えると、円周PC1上において径方向PD4、PD5、PD6の範囲で同じ属性のオブジェクトbkが並ぶ。キャラクタ領域CAにおいて対応する位置に配置されている敵キャラクタchx7が攻撃対象として選択される。
【0113】
このように、キャラクタ領域CAに配置されるキャラクタchとパズル領域PAに配置されるオブジェクトbkとが相関を有する形態で配置されれば、様々にキャラクタchの位置関係とオブジェクトbkの位置関係とを定義することができる。
【0114】
(3)設定データにおいて位置関係が定義される複数のキャラクタchは、各通信装置10におけるキャラクタ領域CAに配置される複数のキャラクタch以外も含んでいたが、含まなくてもよい。すなわち、キャラクタ領域CAに配置されるキャラクタchの数と、設定データにおいて位置関係が定義されるキャラクタchの数とが同じであってもよい。この場合には、設定データにおける設定座標領域SAと各ユーザの画面領域CA1、CA2とは同じ範囲になる。
【0115】
(4)設定座標領域SAにおいて、左端と右端とが接続され、上端と下端とが接続されているものとして扱う場合に限らず、それぞれ接続されていないものとして扱われてもよい。
【0116】
(5)パズル領域PAにおいて、1つのオブジェクトbkを移動するときには、移動先のオブジェクトbkと位置を入れ替えるのではなく、移動方向に沿って配置された複数のオブジェクトbkが全体的に同じ方向に移動するように制御されてもよい。例えば、
図6においてオブジェクトbk1が右方向に移動するときには、オブジェクトbk1の左右方向に並ぶオブジェクトbk(オブジェクトbk2を含む)がいずれも右方向に移動する。このとき右端のオブジェクトbkは左端に移動する。
【0117】
(6)特定オブジェクトはパズル領域PAから消去される場合に限られない。例えば、他の属性のオブジェクトに変化してもよい。
【0118】
(7)オブジェクトbkの属性は、1種類が割り当てられる場合に限らず、複数種類が割り当てられてもよい。2種類の属性が割り当てられる場合には、例えば、オブジェクトbkの形状と色とに割り当ててもよい。特定オブジェクトとなるオブジェクトbkは、同じ属性である例を示したが、複数種類の属性が割り当てられる場合には、いずれか1つの属性が同じであれば、同じ属性を有するオブジェクトbkとして扱ってもよい。
【0119】
(8)同じ属性で一列に並ぶ3つ以上のオブジェクトbkを特定オブジェクトとして決定していたが、一列に並ぶ数は3つ以上に限らない。例えば、一列に並ぶ数は、2つ以上であってもよいし、4つ以上であってもよい。すなわち特定オブジェクトは少なくとも2つ以上のオブジェクトbkによって決定されればよい。また、3つ以上のオブジェクトbkが連なっていれば、一列に並ぶ場合にのみ特定オブジェクトとして決定される場合に限らない。例えば、互いに上下に隣接する2つのオブジェクトbkと、これらのいずれか一方のオブジェクトbkの左右いずれかに隣接するオブジェクトbkとを含む3つのオブジェクトbkが、特定オブジェクトとして決定されてもよい。
【0120】
(9)ユーザキャラクタchyに対して、特定領域SLが拡がる方向と同じ方向に隣接して配置された敵キャラクタchxが攻撃対象として選択されたが、これに限られない。例えば、特定領域SLの形状が上下に拡がる場合にユーザキャラクタchyの左右に隣接する敵キャラクタchxが攻撃対象として選択され、特定領域SLの形状が左右に拡がる場合にユーザキャラクタchyの上下に隣接する敵キャラクタchxが攻撃対象として選択されてもよい。このように、特定領域SLが拡がる第1方向と関連付けられた第2方向が予め決められ、ユーザキャラクタchyに対して第2方向に沿った位置関係を有する敵キャラクタchxが攻撃対象として選択されればよい。このとき第1方向と第2方向とは、同じであっても異なっていてもよい。さらに、特定領域SLの形状(特定オブジェクトの位置関係)と攻撃対象として選択される敵キャラクタchxの位置(ユーザキャラクタchyに対する敵キャラクタchxの位置関係)とが相関を有するように設定されていてもよい。
【0121】
(10)パズル領域PAに配置されるオブジェクトbkには、特殊オブジェクトが含まれていてもよい。特殊オブジェクトが特定オブジェクトとして決定された場合には、キャラクタchに対して特殊処理を実行するように制御する。例えば、ユーザキャラクタchyの体力値を増加させてもよいし、攻撃対象となる敵キャラクタchxの範囲を拡張してもよいし、体力値の減少量を大きくしてもよい。攻撃対象となる敵キャラクタchxの範囲を拡張する場合には、例えば、一実施形態における方法で選択された攻撃対象に加えて、その攻撃対象の敵キャラクタchxに隣接する敵キャラクタchxまで拡張して攻撃対象として選択するようにもよい。
【0122】
(11)キャラクタ領域CAに配置されるキャラクタchには、特殊キャラクタが含まれていてもよい。例えば、特殊キャラクタは、兵器、市民、障害物および地形などを含んでもよい。兵器は、例えば、定期的に周囲のキャラクタchに対して攻撃をするキャラクタであってもよい。市民は、攻撃を与える(攻撃対象として選択する)とユーザキャラクタchyにペナルティまたはサポートを与えるキャラクタであってもよい。
【0123】
ペナルティは、ユーザキャラクタchyの体力値を減少させる処理、周囲の敵キャラクタchxの体力値を増加させる処理、ユーザのパズル領域PAにおけるオブジェクトbkの移動を制限したり入力操作を制限したりする等のゲーム操作を妨害する処理などが例示される。サポートは、ペナルティの処理とは反対の処理であり、ユーザキャラクタchyの体力値を増加させる処理、周囲の敵キャラクタchxの体力値を減少させる処理、敵キャラクタchxに対応するユーザのパズル領域PAにおけるオブジェクトbkの移動を制限したり入力操作を制限したりする等のゲーム操作を妨害する処理などが例示される。
【0124】
障害物は、例えば、上述した敗戦画像bgに相当する機能を有していてもよい。地形は、障害物の一例としてもよいが、例えば、山、木、池等であってもよく、これらに相当する画像が表示されるだけでキャラクタ領域CAにおける処理に対しては存在しない(ゲームの進行に作用しない)ものとして扱われてもよい。このように様々な特殊キャラクタが存在すると、より高度な戦略が必要なゲームをユーザに提供することができる。
【0125】
(12)特定処理において攻撃対象として選択される敵キャラクタchxは、複数である場合に限らず、1つであってもよい。
【0126】
(13)ユーザ1に対応するゲーム画面GSにおいて、他のユーザのユーザキャラクタchyが敵キャラクタchxを攻撃する場合においても、攻撃画像が表示されてもよい。この場合、ユーザ1に対応するゲーム画面GSにおいて、ユーザキャラクタchyから敵キャラクタchxへの攻撃画像だけでなく、敵キャラクタchxが他の敵キャラクタchxに攻撃する攻撃画像が表示されることになる。このとき、攻撃元のキャラクタchによって異なる攻撃画像が表示されてもよい。
【0127】
(14)キャラクタ領域CAには、各キャラクタchに対応して体力ゲージhgが表示されていたが、これに代えて、またはこれとともに、他のゲージ等、キャラクタchに関連付けられた情報を示す画像が表示されてもよい。例えば、ユーザによって所定の処理が実行されたとき(例えば、上述した特定処理が行われたとき、特殊オブジェクトが消去されたとき等)において、そのユーザのユーザキャラクタchyに対応するスキルゲージが増加するようにする。スキルゲージが所定値に至ると、ユーザキャラクタchyに対応する所定のスキルが発動できるようになる。スキルゲージのような表示があることで、優先的に攻撃対象とすべき敵キャラクタchxを検討することができる。
【0128】
(15)敵キャラクタchxを攻撃対象として選択するときの基準キャラクタはユーザキャラクタchyでなくてもよい。例えば、キャラクタ領域CAに表示されているいずれかのキャラクタchが所定のルールにしたがって基準キャラクタとして設定されてもよい。所定のルールは、例えば、ランダムであってもよいし、パズル領域PAにおける特定領域SLの位置に対応して決められてもよい。また、基準キャラクタは、ユーザの操作によって指定されてもよい。この操作は、オブジェクトbkを移動させて特定オブジェクトが消去されるときに入力されてもよいし、オブジェクトbkを移動させる前に予め入力されてもよい。
【0129】
(16)パズル領域PAにおいて、オブジェクトbkに対して作用するアイテム、例えば、爆弾アイテムを用いてもよい。爆弾アイテムは、パズル領域PAのいずれかの位置に配置可能であり、配置された位置のオブジェクトbkおよびその周囲のオブジェクトbkを特定オブジェクトとして扱って消去する。この場合においても特定オブジェクトを囲む特定領域SLの形状に応じてユーザキャラクタchyの周囲の敵キャラクタchxが攻撃対象として選択されればよい。
【0130】
また、オブジェクトbkに対して作用するアイテムは、同一属性除去アイテムであってもよい。同一属性除去アイテムは、パズル領域PAのいずれかの位置に配置可能であり、配置された位置のオブジェクトbkと同じ属性を有するオブジェクトbkを特定オブジェクトとして扱って消去する。この場合においても、パズル領域PAにおける特定オブジェクトの位置に基づいて、キャラクタ領域CAにおける敵キャラクタchxが攻撃対象として選択されればよい。パズル領域PAにおいて特定オブジェクトは様々に分散する。したがって、特定オブジェクトの分散態様(密度等)に応じて、攻撃対象として選択される敵キャラクタchxの位置が決まってもよいし、特定オブジェクトの数に対応して決められた数の敵キャラクタchxが攻撃対象としてランダムに選択されてもよい。
【0131】
オブジェクトbkに作用するアイテムは、上述のようにユーザ操作によって、パズル領域PAのいずれかのオブジェクトbkに対応して配置することによって使用されてもよいし、パズル領域PAのいずれかのオブジェクトbkと置換するように配置され、ユーザ操作によって配置されたアイテムが使用されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0132】
10:通信装置、11:制御部、12:記憶部、13:表示部、14:操作部、15:センサ部、16:撮像部、17:位置検出部、18:通信部、50:サーバ、51:制御部、52:記憶部、53:通信部、100:ゲーム提供機能、101:ゲーム操作取得部、103:選択データ送信部、105:制御データ受信部、107:ゲームデータ記憶領域、109:表示データ生成部、111:ゲーム処理実行部、500:ゲーム制御機能、501:選択データ受信部、503:キャラクタ処理実行部、505:制御データ送信部、507:設定データ記憶領域、1000:通信システム
【要約】
【課題】対戦ゲームにおける攻撃対象の選択を新たな方法によって実現すること
【解決手段】一実施形態における選択方法によれば、通信装置に対応する第1キャラクタと第1キャラクタの周囲に配置される複数の第2キャラクタを含む複数のキャラクタとが表示される第1画面領域、およびそれぞれ所定の属性が割り当てられた複数のオブジェクトが表示される第2画面領域を通信装置に表示することと、通信装置への入力操作および属性に基づいて複数のオブジェクトから2以上の特定オブジェクトを決定することと、2以上の特定オブジェクトの第1位置関係と第1キャラクタを基準キャラクタとしたときの第2キャラクタの第2位置関係とに基づいて、複数の第2キャラクタから少なくとも1つの第2キャラクタを選択することと、を含む。
【選択図】
図12