(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-09
(45)【発行日】2022-02-18
(54)【発明の名称】コンバインにおける穀稈の詰まり防止方法
(51)【国際特許分類】
A01D 69/00 20060101AFI20220210BHJP
A01D 41/12 20060101ALI20220210BHJP
A01D 61/00 20060101ALI20220210BHJP
A01F 12/10 20060101ALI20220210BHJP
【FI】
A01D69/00 302E
A01D41/12 A
A01D61/00 301B
A01F12/10 L
(21)【出願番号】P 2019100477
(22)【出願日】2019-05-29
【審査請求日】2020-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】特許業務法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三宅 達也
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-211817(JP,A)
【文献】特開2004-041115(JP,A)
【文献】特開2011-155907(JP,A)
【文献】特開2005-013168(JP,A)
【文献】特開2011-109978(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 67/00 - 69/12
A01D 41/12
A01D 61/00 - 61/04
A01F 12/10 - 12/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設定された経路に沿って走行しながら刈取作業を行うコンバインにおける穀稈の詰まり防止方法において、
前記コンバインには、エンジン(E)を搭載する機体フレーム(1)の下側に配置された走行装置(2)と、該機体フレーム(1)の前側に配置され圃場の穀稈を刈取る刈取装置(3)と、該刈取装置(3)の後側に配置され穀稈の脱穀処理を行う脱穀装置(4)を設け、
前記脱穀装置
(4)の一側に、前記刈取装置(3)で刈取られた穀稈を脱穀装置
(4)に移送するフィードチェン(66)を設け、
前記エンジン(E)と走行装置(2)の間に、前記エンジン(E)の出力回転速度を増減速して走行装置(2)に伝動する走行用HST(36)を設け、
前記エンジン(E)と刈取装置
(3)の間に、前記エンジン(E)の出力回転速度を増減速して刈取装置(3)に伝動する刈取用HST(33)を設け、
前記エンジン(E)とフィードチェン(66)の間に、前記エンジン(E)の出力回転速度をフィードチェン(66)に伝動するフィードチェン用HST(30)を設け、
前記刈取用HST(33)の油圧ポンプから油圧モータに供給される刈取用HST内の作動オイルの圧力が通常作業領域よりも高く設定された増速領域の圧力まで上昇した場合には、前記刈取用HST(33)の出力回転速
度を、前記刈取用HST内の作動オイルの圧力上昇量に応じて増速させることを特徴とするコンバインにおける穀稈の詰まり防止方法。
【請求項2】
前記刈取用HST内の作動オイルの圧力が前記増速領域よりも高い詰まり領域まで上昇した場合には、前記エンジン(E)を停止させるか、又は、前記走行装置(2)の駆動を停止させる請求項1記載のコンバインにおける穀稈の詰まり防止方法。
【請求項3】
前記フィードチェン用HST(30)の油圧ポンプから油圧モータに供給されるフィードチェン用HST内の作動オイルの圧力が通常作業領域よりも高い増速領域まで上昇した場合には、前記フィードチェン用HST(30)の出力回転速度を、前記フィードチェン用HST内の作動オイルの圧力上昇量に応じて増速させる請求項1又は2記載のコンバインにおける穀稈の詰まり防止方法。
【請求項4】
前記フィードチェン用HST内の作動オイルの圧力が前記増速領域よりも高い詰まり領域まで上昇した場合には、前記エンジン(E)を停止させるか、又は、前記走行装置(2)の駆動を停止させる請求項3記載のコンバインにおける穀稈の詰まり防止方法。
【請求項5】
測位衛星(11)から得られるコンバインの位置情報に基づいてコンバインの第1走行速度(V1)を算出し、
前記走行用HST(36)の出力回転速度に基づいてコンバインの第2走行速度(V2)を算出し、
前記第1走行速度(V1)を第2走行速度(V2)で除算して速度差比率係数(K)を算出し、
前記第2走行速度(V2)が第1走行速度(V1)よりも高速の場合には、前記刈取用HST(33)の出力回転速度とフィードチェン用HST(30)の出力回転速度を、前記速度差比率係数(K)に応じて減速させる請求項1~4のいずれか1項に記載のコンバインにおける穀稈の詰まり防止方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予め設定された経路に沿って走行しながら刈取作業を行うコンバインの穀稈の詰まり防止方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、予め設定された経路に沿って走行しながら刈取作業を行うコンバインが障害物に衝突するのを防止するために、予め設定された経路を障害物を迂回する経路に変更する技術が知られている。(特許文献1参照)
【0003】
また、圃場から収穫した穀稈を刈取装置の後部に搬送する搬送装置に、穀稈の詰まりを検出する詰まり検出センサを設けて、詰まり検出センサが穀稈の詰まりを検出すると警報等を鳴らして操縦者に告知する技術が知られている。(特許文献2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018―38291号公報
【文献】特開2011―92029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、予め設定された経路に沿って走行しながら刈取作業を行うコンバインに搭乗している監視者に穀稈の詰まりが告知された場合には、コンバインの走行を停止して、刈取装置等に詰まった穀稈を取除く必要があり、コンバインの刈取作業効率が低下する問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、穀稈が搬送装置等への詰まりを防止して、予め設定された経路に沿って走行しながら刈取作業を行うコンバインの刈取作業の効率化を実現するコンバインにおける穀稈の詰まり防止方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決した本発明は次のとおりである。
すなわち、請求項1記載の発明は、予め設定された経路に沿って走行しながら刈取作業を行うコンバインにおける穀稈の詰まり防止方法において、
前記コンバインには、エンジン(E)を搭載する機体フレーム(1)の下側に配置された走行装置(2)と、該機体フレーム(1)の前側に配置され圃場の穀稈を刈取る刈取装置(3)と、該刈取装置(3)の後側に配置され穀稈の脱穀処理を行う脱穀装置(4)を設け、前記脱穀装置(4)の一側に、前記刈取装置(3)で刈取られた穀稈を脱穀装置(4)に移送するフィードチェン(66)を設け、前記エンジン(E)と走行装置(2)の間に、前記エンジン(E)の出力回転速度を増減速して走行装置(2)に伝動する走行用HST(36)を設け、前記エンジン(E)と刈取装置(3)の間に、前記エンジン(E)の出力回転速度を増減速して刈取装置(3)に伝動する刈取用HST(33)を設け、 前記エンジン(E)とフィードチェン(66)の間に、前記エンジン(E)の出力回転速度をフィードチェン(66)に伝動するフィードチェン用HST(30)を設け、前記刈取用HST(33)の油圧ポンプから油圧モータに供給される刈取用HST内の作動オイルの圧力が通常作業領域よりも高く設定された増速領域の圧力まで上昇した場合には、前記刈取用HST(33)の出力回転速度を、前記刈取用HST内の作動オイルの圧力上昇量に応じて増速させることを特徴とするコンバインにおける穀稈の詰まり防止方法である。
【0008】
請求項2記載の発明は、前記刈取用HST内の作動オイルの圧力が前記増速領域よりも高い詰まり領域まで上昇した場合には、前記エンジン(E)を停止させるか、又は、前記走行装置(2)の駆動を停止させる請求項1記載のコンバインにおける穀稈の詰まり防止方法である。
【0009】
請求項3記載の発明は、前記フィードチェン用HST(30)の油圧ポンプから油圧モータに供給されるフィードチェン用HST内の作動オイルの圧力が通常作業領域よりも高い増速領域まで上昇した場合には、前記フィードチェン用HST(30)の出力回転速度を、前記フィードチェン用HST内の作動オイルの圧力上昇量に応じて増速させる請求項1又は2記載のコンバインにおける穀稈の詰まり防止方法である。
【0010】
請求項4記載の発明は、前記フィードチェン用HST内の作動オイルの圧力が前記増速領域よりも高い詰まり領域まで上昇した場合には、前記エンジン(E)を停止させるか、又は、前記走行装置(2)の駆動を停止させる請求項3記載のコンバインにおける穀稈の詰まり防止方法である。
【0011】
請求項5記載の発明は、測位衛星(11)から得られるコンバインの位置情報に基づいてコンバインの第1走行速度(V1)を算出し、前記走行用HST(36)の出力回転速度に基づいてコンバインの第2走行速度(V2)を算出し、前記第1走行速度(V1)を第2走行速度(V2)で除算して速度差比率係数(K)を算出し、前記第2走行速度(V2)が第1走行速度(V1)よりも高速の場合には、前記刈取用HST(33)の出力回転速度とフィードチェン用HST(30)の出力回転速度を、前記速度差比率係数(K)に応じて減速させる請求項1~4のいずれか1項に記載のコンバインにおける穀稈の詰まり防止方法である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、刈取用HST(33)の油圧ポンプから油圧モータに供給される刈取用HST内の作動オイルの圧力が通常作業領域よりも高く設定された増速領域の圧力まで上昇した場合には、刈取用HST(33)の出力回転速度を、刈取用HST内の作動オイルの圧力上昇量に応じて増速させるので、刈取装置(3)、特に刈取装置(3)の後部に配置された搬送装置上に穀稈が完全に詰まる前に、搬送装置の搬送速度を増速させて後方に搬送される穀稈の層厚を薄くして穀稈の詰まりを抑制することができる。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明による効果に加えて、刈取用HST内の作動オイルの圧力が増速領域よりも高い詰まり領域まで上昇した場合には、エンジン(E)を停止させるか、又は、走行装置(2)の駆動を停止させるので、刈取装置(3)の搬送装置上に穀稈が完全に詰まった場合には、コンバインに搭乗している監視者が搬送装置に詰まった穀稈を安全に取除くことができる。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の発明による効果に加えて、フィードチェン用HST(30)の油圧ポンプから油圧モータに供給されるフィードチェン用HST内の作動オイルの圧力が通常作業領域よりも高い増速領域まで上昇した場合には、フィードチェン用HST(30)の出力回転速度を、フィードチェン用HST内の作動オイルの圧力上昇量に応じて増速させるので、フィードチェン(66)上に穀稈が完全に詰まる前に、フィードチェン(66)の搬送速度を増速させてフィードチェン(66)上を後方に搬送される穀稈の層厚を薄くして穀稈の詰まりをより抑制することができる。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の発明による効果に加えて、フィードチェン用HST内の作動オイルの圧力が増速領域よりも高い詰まり領域まで上昇した場合には、エンジン(E)を停止させるか、又は、走行装置(2)の駆動を停止させるので、フィードチェン(66)上に穀稈が完全に詰まった場合には、コンバインに搭乗している監視者が搬送装置に詰まった穀稈を安全に取除くことができる。
【0016】
請求項5記載の発明によれば、請求項1~4のいずれか1項に記載の発明による効果に加えて、第1走行速度(V1)を第2走行速度(V2)で除算して速度差比率係数(K)を算出し、第2走行速度(V2)が第1走行速度(V1)よりも高速の場合には、刈取用HST(33)の出力回転速度とフィードチェン用HST(30)の出力回転速度を、速度差比率係数(K)に応じて減速させるので、刈取装置(3)の搬送装置による穀稈の過搬送を防止して、搬送装置上とフィードチェン(66)上に穀稈がさらに詰まるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図9】穀稈の詰まりを防止する第1駆動方法の説明図である。
【
図10】フィードチェン用HSTの回転速度と作動オイルの圧力の説明図である。
【
図11】刈取用HSTの回転速度と作動オイルの圧力の説明図である。
【
図12】穀稈の詰まりを防止する第2駆動方法の説明図である。
【
図13】刈取装置の土中への突込みを防止する駆動方法の説明図である。
【
図14】走行用HSTの回転速度と作動オイルの圧力の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1~4に示すように、コンバインは、機体フレーム1の下側に土壌面を走行する左右一対のクローラからなる走行装置2が設けられ、機体フレーム1の前側に圃場の穀稈を刈取る刈取装置3が設けられ、刈取装置3の後方左側に刈取られた穀稈を脱穀・選別処理する脱穀装置4が設けられ、刈取装置3の後方右側に操縦者が搭乗する操縦部5が設けられている。
【0019】
操縦部5の下側にはエンジンEを搭載するエンジンルーム6が設けられ、操縦部5の後側には脱穀・選別処理された穀粒を貯留するグレンタンク7が設けられ、グレンタンク7の後側に穀粒を外部に排出する上下方向に延在する揚穀部と前後方向に延在する横排出部からなる排出オーガ8が設けられている。
【0020】
図5に示すように、RTK-GPS測位方式である測位ユニット10は、測位衛星11と、既知の位置に設けられた基地局12と、コンバインに設けられた移動局16で構成されている。これにより、測位衛星11から移動局16に送信されてくる位置情報と基地局12から移動局16に送信されてくる補正用の位置情報から移動局16の位置を正確に得ることができる。
【0021】
基地局12は、固定用通信機13と、測位衛星11からの位置情報を受信する固定用GPSアンテナ14と、移動局16に補正用の位置情報を送信する固定用データ送信アンテナ15で構成されている。
【0022】
移動局16は、移動用通信機17と、測位衛星11からの位置情報を受信する移動用GPSアンテナ18と、基地局12からの補正用の位置情報を受信する移動用データ送信アンテナ19で構成されている。なお、移動局16内部で、測位衛星11からの位置情報と基地局12からの補正用の位置情報に基づいて移動局16の位置情報は算出されている。
【0023】
図6に示すように、コンバインのコントローラ20は、CPU等からなる処理部21と、ROM、RAM、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等からなる記憶部22と、外部とのデータ通信用の通信部23から形成されている。
【0024】
処理部21は、予め記憶部22に格納された、圃場の位置、圃場の形状、畦刈の経路、畦刈周回回数、走行速度、コンバインの搬入位置、及びコンバイン搬出位置が格納されているプログラムをRAMに読み出して、プログラムを実行してコンバインの作動を制御することができる。
【0025】
コントローラ20の入力側には、刈取装置3の先端下部に設けられた圃場面からの高さを計測する刈高さセンサ3Bと、移動局16の移動用通信機17と、フィードチェン用HST30の油圧ポンプから油圧モータに供給される作動オイルの圧力を計測する圧力センサ31Aと、油圧モータの回転速度を計測する回転速度センサ31Bと、油圧ポンプを駆動するモータ31Cの駆動時間を計測するタイマ31Dと、刈取用HST33の油圧ポンプから油圧モータに供給される作動オイルの圧力を計測する圧力センサ34Aと、油圧モータの回転速度を計測する回転速度センサ34Bと、油圧ポンプを駆動するモータ31Cの駆動時間を計測するタイマ31Dと、走行用HST36の油圧ポンプから油圧モータに供給される作動オイルの圧力を計測する圧力センサ37Aと油圧モータの回転速度を計測する回転速度センサ37Bが所定の入力インターフェース回路を介して接続されている。なお、HSTとは、油圧式無段変速装置の略語である。
【0026】
コントローラ20の出力側には、フィードチェン用HST30の油圧ポンプの操作レバーを回動させるモータ31Cと、刈取用HST33の油圧ポンプの操作レバーを回動させるモータ34Cと、走行用HST36の油圧ポンプの操作レバーを回動させるモータ37Cが所定の出力インターフェース回路を介して接続されている。
【0027】
図7に示すように、エンジンの出力軸40の出力回転は、ベルト42を介してカウンタ軸44に伝動される。ベルト42は、出力軸40の左端部に支持されたプーリ40Aとカウンタ軸44の右端部に支持されたプーリ44Aに巻回されている。なお、ベルト42には、テンションクラッチ42Aが設けられている。
【0028】
カウンタ軸44に伝動された回転は、ベルト46を介して脱穀装置4の上部に設けられた回転軸48に伝動される。ベルト46は、カウンタ軸14のプーリ44Aの左側に隣接する部位に支持されたプーリ44Bと回転軸48の左端部に支持されたプーリ48Aに巻回されている。なお、回転軸48に伝動された回転は、ベベルギヤ等を介して二番物の脱穀処理を行う二番処理胴4Aに伝動されている。
【0029】
カウンタ軸44に伝動された回転は、ベルト50を介して脱穀装置4の上部に設けられた回転軸52に伝動される。ベルト50は、カウンタ軸14のプーリ44Bの左側に隣接する部位に支持されたプーリ44Cと回転軸48の右端部に支持されたプーリ52Aに巻回されている。なお、回転軸52に伝動された回転は、ベベルギヤ等を介して穀稈の脱穀処理を行う扱胴4Bに伝動される。
【0030】
カウンタ軸44に伝動された回転は、ベルト54を介して脱穀装置4の下部に設けられた回転軸56に伝動される。ベルト54は、カウンタ軸14の左端部に支持されたプーリ44Fと回転軸56の左端部に支持されたプーリ56Aに巻回されている。なお、回転軸56には、揺動選別装置(図示省略)に向かって選別風を送風する唐箕4Cが支持されている。
【0031】
カウンタ軸44に伝動された回転は、ベルト58を介して回転軸56の後方に設けられた回転軸60に伝動される。ベルト58は、カウンタ軸14のプーリ44Fの右側に隣接する部位に支持されたプーリ44Eと回転軸60の左部に支持されたプーリ60Aに巻回されている。なお、回転軸60には、脱穀選別処理された穀稈をグレンタンク7に揚穀する一番搬送螺旋4Dが支持されている。また、回転軸60に伝動された回転はベルト等を介して二番物を二番処理胴4Aに揚穀する二番搬送螺旋4E等に伝動されている。
【0032】
カウンタ軸44に伝動された回転は、ベルト62を介してフィードチェン用HST30の油圧ポンプを駆動する入力軸30Aに伝動される。ベルト62は、カウンタ軸14のプーリ44Eの右側に隣接する部位に支持されたプーリ44Dと入力軸30Aの左部に支持されたプーリ30Cに巻回されている。なお、入力軸30Aに伝動された回転は、フィードチェン用HST30内で増減速と回転方向の切換がされた後に出力軸30Bに伝動される。
【0033】
フィードチェン用HST30の出力軸30Bに伝動された回転は、出力軸30Bに内嵌されているギヤボックス64の入力軸64Aに伝動される。入力軸64Aに伝動された回転は、ギヤボックス64内で増減速された後に出力軸64Bに伝動される。なお、出力軸64Aの左端部にはスプロケット64Cが支持されており、スプロケット64Cには穀稈を後方に搬送するフィードチェン66が巻回されている。
【0034】
これにより、エンジンEの出力回転が、走行装置2と刈取装置3を介することなくフィードチェン用HST30に伝動され、刈取装置3からフィードチェン66に移送れてくる穀稈量に応じてフィードチェン66の搬送速度を任意に設定して、穀稈のフィードチェン66上での詰まりを防止することができる。
【0035】
エンジンの出力軸40の出力回転は、ベルト68を介して走行用HST36の入力軸36Aに伝動される。なお、入力軸36Aに伝動された回転は、走行用HST36内で増減速と回転方向の切換がされた後に出力軸36Bに伝動され、出力軸36Bに伝動された回転は、トランスミッション(図示省略)を介して走行装置2の駆動軸(図示省略)に伝動される。
【0036】
これにより、エンジンEの出力回転が、ベルト68等を介して走行用HST30に伝動されるので、走行装置2のスリップ率に応じて走行装置2の走行速度を任意に設定して、処理部21に予め格納されている走行速度との大幅な乖離を防止することができる。
【0037】
走行用HST36の出力軸36Bに伝動された回転は、ベルト等を介して刈取用HST33の入力軸33Aに伝動される。これにより、走行装置2の走行速度に応じて刈取装置3の搬送装置3Aの搬送速度の増減速を行うことができる。また、刈取られた穀稈量に応じて搬送装置3Aの搬送速度を任意に設定して、穀稈の搬送装置3A上での詰まりを防止することができる。
【0038】
図8に示すように、油圧回路上には、フィードチェン用HST30と、刈取用HST33と、走行用HST36が設けられている。
【0039】
フィードチェン用HST30には、油圧ポンプを駆動する入力軸30Aと、油圧モータの回転が出力される出力軸30Bが設けられている。また、フィードチェン用HST30には、油圧ポンプから油圧モータに供給される作動オイルの圧力を検出する圧力センサ31Aと、油圧モータの出力軸30Bの回転速度を検出する回転速度センサ31Bが設けられている。
【0040】
刈取用HST33には、油圧ポンプを駆動する入力軸33Aと、油圧モータの回転が出力される出力軸33Bが設けられている。また、刈取用HST33には、油圧ポンプから油圧モータに供給される作動オイルの圧力を検出する圧力センサ34Aと、油圧モータの出力軸33Bの回転速度を検出する回転速度センサ34Bが設けられている。
【0041】
走行用HST36には、油圧ポンプを駆動する入力軸36Aと、油圧モータの回転が出力される出力軸36Bが設けられている。また、走行用HST36には、油圧ポンプから油圧モータに供給される作動オイルの圧力を検出する圧力センサ37Aと、油圧モータの出力軸36Bの回転速度を検出する回転速度センサ37Bが設けられている。
【0042】
また、油圧回路上には、刈取装置3の昇降を行う昇降シリンダ70と、排出オーガ8の横排出部の昇降を行う昇降シリンダ71と、機体の左右方向の傾斜を調整する左右一対をローリングシリンダ72A,72Bと、機体の前後方向の傾斜を調整するピッチングシリンダ73が設けられている。
【0043】
<穀稈の詰まりを防止する第1駆動方法>
図9に示すように、ステップS1Aで、処理部21は、コンバインが刈取作業中であるか否か、例えば、回転速度センサ37Bが走行用HST36の出力軸36Aの回転速度を検出しているか否か判断して、回転速度センサ37Bが出力軸36Aの回転速度を検出している場合には、コンバインが刈取作業中であると判断してステップS2Aに進み、回転速度センサ37Bが出力軸36Aの回転速度を検出していない場合には、コンバインが刈取作業中でないと判断してステップS1Aを繰返す。
【0044】
ステップS2Aで、処理部21は、圧力センタ31Aで計測されたフィードチェン用HST30内の作動オイルの圧力が、
図10の詰まり領域にあるか否か判断して、フィードチェン用HST30の油圧ポンプから油圧モータに供給される作動オイルの圧力が詰まり領域にある場合には、ステップS3Aに進み、作動オイルの圧力が詰まり領域にない場合には、ステップS4Aに進む。
【0045】
図10に示すように、フィードチェン用HST30の油圧ポンプから油圧モータに供給される作動オイルの圧力は、フィードチェン66に詰まった穀稈の量によって変化する。フィードチェン66によって穀稈が後方に順調に搬送されている場合には、作動オイルの圧力は通常作業領域にあり、フィードチェン66上に穀稈が詰まり始めると通常作業領域から第1増速領域、そして第2増速領域に加圧され、フィードチェン66上に穀稈が完全に詰まると第2増速領域から詰まり領域に加圧される。
【0046】
ステップS4Aで、処理部21は、圧力センタ34Aで計測された刈取用HST33内の作動オイルの圧力が、
図11の詰まり領域にあるか否か判断して、刈取用HST33の油圧ポンプから油圧モータに供給される作動オイルの圧力が詰まり領域にある場合には、ステップS3Aに進み、作動オイルの圧力が詰まり領域にない場合には、ステップS5Aに進む。
【0047】
図11に示すように、刈取用HST33の油圧ポンプから油圧モータに供給される作動オイルの圧力は、搬送装置3Aに詰まった穀稈の量によって変化する。搬送装置3Aによって穀稈が後方に順調に搬送されている場合には、作動オイルの圧力は通常作業領域にあり、搬送装置3Aに穀稈が詰まり始めると通常作業領域から第1増速領域、そして第2増速領域に加圧され、搬送装置3Aに穀稈が完全に詰まると第2増速領域から詰まり領域に加圧される。
【0048】
ステップS3Aで、走行装置2の走行を停止又はエンジンEを停止させて、テンションクラッチ42Aを操作して出力軸40の回転がカウンタ軸44に伝動されないようにしてステップS1Aに戻る。なお、警報、警告灯の点滅等も併せて行うこともできる。これにより、コンバインに搭乗している監視者が、フィードチェン66に詰まった穀稈と搬送装置3Aに詰まった穀稈を安全に取除くことができる。
【0049】
ステップS5Aで、処理部21は、圧力センタ31Aで計測されたフィードチェン用HST30内の作動オイルの圧力が、
図10の第1増速領域又は第2増速領域にあるか否か判断して、フィードチェン用HST30の油圧ポンプから油圧モータに供給される作動オイルの圧力が第1増速領域又は第2増速領域にある場合には、ステップS6Aに進み、作動オイルの圧力が第1増速領域又は第2増速領域にない場合には、ステップ12Aに進む。
【0050】
ステップS6Aで、処理部21は、モータ31Cを駆動して油圧ポンプから油圧モータに供給される作動オイルの供給量を増量させて、油圧モータの出力軸30Bの回転速度を増速させフィードチェン66の搬送速度を通常速度よりも作動オイルの圧力上昇量に応じて増速させてステップS7Aに進む。これにより、フィードチェン66上を後方に搬送される穀稈の層厚を薄くして穀稈の詰まりを抑制することができる。なお、作動オイルの供給量を段階的に増量させて、油圧モータの出力軸30Bの回転速度を段階的に増速させフィードチェン66の搬送速度を段階的に増速させるのが好ましい。これにより、穀稈の詰まりをより抑制することができる。
【0051】
ステップS7Aで、処理部21は、タイマ31Dを起動して、モータ31Cが駆動された駆動時間TA1を計測して、ステップS8Aに進む。
【0052】
ステップS8Aで、処理部21は、予め記憶部22に格納されているモータ31Cの設定駆動時間TA0を読出して、駆動時間TA1が設定駆動時間TA0になるまでモータ31Cの駆動を維持して、ステップS9Aに進む。
【0053】
ステップS9Aで、処理部21は、圧力センタ31Aで計測されたフィード内の作動オイルの圧力が、
図10のいずれの領域にあるか判断して、フィードチェン用HST30の油圧ポンプから油圧モータに供給される作動オイルの圧力が維持されて第1増速領域又は第2増速領域にある場合には、ステップS7Aに戻り、作動オイルの圧力が減圧されて通常作業領域にある場合には、ステップS10Aに進み、作動オイルの圧力が加圧されて詰まり領域にある場合には、ステップS11Aに進む。
【0054】
ステップS10Aで、処理部21は、モータ31Cを駆動して油圧ポンプから油圧モータに供給される作動オイルの供給量を減量させて、油圧モータの出力軸30Bの回転速度を減速させフィードチェン66の搬送速度を減速させて通常速度にして、ステップS1Aに戻る。
【0055】
ステップS11Aで、走行装置2の走行を停止又はエンジンEを停止させて、テンションクラッチ42Aを操作して出力軸40の回転がカウンタ軸44に伝動されないようにしてステップS1Aに戻る。なお、警報、警告灯の点滅等も併せて行うこともできる。これにより、コンバインに搭乗している監視者が、フィードチェン66に詰まった穀稈と搬送装置3Aに詰まった穀稈を安全に取除くことができる。
【0056】
これにより、フィードチェン66上に穀稈が完全に詰まる前に、フィードチェン66の搬送速度を増速させてフィードチェン66上を後方に搬送される穀稈の層厚を薄くして穀稈の詰まりを抑制しながら刈取経路に沿ってコンバインを走行させて刈取作業を行うことができる。また、フィードチェン66上に穀稈が完全に詰まった場合には、コンバインに搭乗している監視者がフィードチェン66に詰まった穀稈を安全に取除くことができる。
【0057】
ステップS12Aで、処理部21は、圧力センタ34Aで計測された刈取用HST33内の作動オイルの圧力が、
図11の第1増速領域又は第2増速領域にあるか否か判断して、刈取用HST33の油圧ポンプから油圧モータに供給される作動オイルの圧力が第1増速領域又は第2増速領域にある場合には、ステップS13Aに進み、作動オイルの圧力が第1増速領域又は第2増速領域にない場合には、ステップS1Aに戻る。
【0058】
ステップS13Aで、処理部21は、モータ34Cを駆動して油圧ポンプから油圧モータに供給される作動オイルの供給量を増量させて、油圧モータの出力軸33Bの回転速度を増速させ搬送装置3Aの搬送速度を作動オイルの圧力上昇量に応じて増速させてステップS14Aに進む。これにより、搬送装置3A上を後方に搬送される穀稈の層厚を薄くして穀稈の詰まりを抑制することができる。なお、作動オイルの供給量を段階的に増量させて、油圧モータの出力軸33Bの回転速度を段階的に増速させ搬送装置3Aの搬送速度を段階的に増速させるのが好ましい。これにより、穀稈の詰まりをより抑制することができる。
【0059】
ステップS14Aで、処理部21は、タイマ34Dを起動して、モータ34Cが駆動された駆動時間TB1を計測して、ステップS15Aに進む。
【0060】
ステップS15Aで、処理部21は、予め記憶部22に格納されているモータ34Cの設定駆動時間TB0を読出して、駆動時間TB1が設定駆動時間TB0になるまでモータ34Cの駆動を維持して、ステップS16Aに進む。
【0061】
ステップS16Aで、処理部21は、圧力センタ34Aで計測された刈取用HST33内の作動オイルの圧力が、
図11のいずれの領域にあるか判断して、刈取用HST33の油圧ポンプから油圧モータに供給される作動オイルの圧力が維持されて第1増速領域又は第2増速領域にある場合には、ステップS14Aに戻り、作動オイルの圧力が減圧されて通常作業領域にある場合には、ステップS17Aに進み、作動オイルの圧力が加圧されて詰まり領域にある場合には、ステップS11Aに戻る。
【0062】
ステップS17Aで、処理部21は、モータ31Cを駆動して油圧ポンプから油圧モータに供給される作動オイルの供給量を減量させて、油圧モータの出力軸30Bの回転速度を減速させフィードチェン66の搬送速度を減速させて通常速度にして、且つ、モータ34Cを駆動して油圧ポンプから油圧モータに供給される作動オイルの供給量を減量させて、油圧モータの出力軸33Bの回転速度を減速させ搬送装置3Aの搬送速度を減速させて通常速度にしてステップS1Aに戻る。
【0063】
これにより、搬送装置3A上に穀稈が完全に詰まる前に、搬送装置3Aの搬送速度を増速させて搬送装置3A上を後方に搬送される穀稈の層厚を薄くして穀稈の詰まりを抑制しながら刈取経路に沿ってコンバインを走行させて刈取作業を行うことができる。また、搬送装置3A上に穀稈が完全に詰まった場合には、コンバインに搭乗している監視者が搬送装置3Aに詰まった穀稈を安全に取除くことができる。
【0064】
<穀稈の詰まりを防止する第2駆動方法>
図12に示すように、ステップS1Bで、処理部21は、コンバインが刈取作業中であるか否か、例えば、回転速度センサ37Bが走行用HST36の出力軸36Aの回転速度を検出しているか否か判断して、回転速度センサ37Bが出力軸36Aの回転速度を検出している場合には、コンバインが刈取作業中であると判断してステップS2Bに進み、回転速度センサ37Bが出力軸36Aの回転速度を検出していない場合には、コンバインが刈取作業中でないと判断してステップS1Bを繰返す。
【0065】
ステップS2Bで、処理部21は、移動用通信機17から入力された測位衛星11からの位置情報に基づいて移動速度(請求項の「第1移動速度」)V1を算出し、走行用HST36の回転速度センサ37Bの回転速度に基づいて移動速度(請求項の「第2移動速度」)V2を算出してステップS3Bに進む。
【0066】
ステップS3Bで、処理部21は、移動速度V1と移動速度V2を比較して、移動速度V2が移動速度V1よりも高速と判断した場合には、ステップS4Bに進み、移動速度V2が移動速度V1よりも低速と判断した場合には、ステップS1Bに戻る。
【0067】
ステップS4Bで、処理部21は、移動速度V1を移動速度V2で除算して算出した速度差比率係数Kを算出して、ステップS5Bに進む。
【0068】
ステップS5Bで、処理部21は、速度差比率係数Kに応じて、モータ31Cを駆動して油圧ポンプから油圧モータに供給される作動オイルの供給量を減量させて、油圧モータの出力軸30Bの回転速度を減速させフィードチェン66の搬送速度を減速させ、且つ、モータ34Cを駆動して油圧ポンプから油圧モータに供給される作動オイルの供給量を減量させて、油圧モータの出力軸33Bの回転速度を減速させ搬送装置3Aの搬送速度を減速させてステップS1Bに戻る。
【0069】
これにより、搬送装置3Aによる穀稈の過搬送を防止して、搬送装置3A上とフィードチェン66上に穀稈が詰まるのを抑制し、穀稈の搬送姿勢を好適に維持することができる。なお、
図12の第1駆動方法と
図13の第2駆動方法を合わせて行うことによって、穀稈の搬送装置3A上とフィードチェン66上の詰まりをさらに抑制して、コンバインを経路に沿って効率良く走行させることができる。
【0070】
<刈取装置の土中への突込みを防止する駆動方法>
図13に示すように、ステップS1Cで、処理部21は、コンバインが刈取作業中であるか否か、例えば、回転速度センサ37Bが走行用HST36の出力軸36Aの回転速度を検出しているか否か判断して、回転速度センサ37Bが出力軸36Aの回転速度を検出している場合には、コンバインが刈取作業中であると判断してステップS2Cに進み、回転速度センサ37Bが出力軸36Aの回転速度を検出していない場合には、コンバインが刈取作業中でないと判断してステップS1Cを繰返す。
【0071】
ステップS2Cで、処理部21は、圧力センタ37Aで計測された走行用HST36内の作動オイルの圧力P1を読取って記憶部22に保存して、ステップS3Cに進む。
【0072】
ステップS3Cで、処理部21は、圧力センタ37Aで計測された走行用HST36内の作動オイルの圧力P2が、
図14の通常作業領域にあるか否か判断して、走行用HST36の油圧ポンプから油圧モータに供給される作動オイルの圧力が通常作業領域にある場合には、ステップS1Cに戻り、作動オイルの圧力が通常作業領域にない場合には、ステップS4Cに進む。
【0073】
図14に示すように、走行用HST36の油圧ポンプから油圧モータに供給される作動オイルの圧力は、圃場の状態や土中への突込み状態によって変化する。走行装置2が乾燥している圃場面を走行している場合には、作動オイルの圧力は通常作業領域にあり、走行装置2が湿田を走行している場合には、通常作業領域から湿田作業領域に加圧され、刈取装置3の先端下部が圃場の土中に突込んだ場合には、湿田作業領域から突込み領域に加圧される。
【0074】
ステップS4Cで、処理部21は、刈取装置3の先端下部に設けられた刈高さセンサ3Bで計測された刈高さHが、刈取装置3の先端下部が土中に突込んだ状態にあるか否か判断して、刈取装置3の先端下部が土中に突込んだ状態にある、すなわち、刈高さHがマイナス値の場合には、ステップS5Cに進み、刈取装置3の先端下部が土中に突込んだ状態でない、刈高さHがプラス値の場合には、ステップS1Cに戻る。
【0075】
ステップS5Cで、処理部21は、記憶部22から作動オイルの圧力P1を読出して、圧力P2と比較し、圧力P2が圧力P1よりも高い場合には、ステップS6C進み、圧力P2が圧力P1よりも低い場合には、ステップS1Cに戻る。
【0076】
ステップS6Cで、処理部21は、モータ37Cを駆動して油圧ポンプから油圧モータに供給される作動オイルの供給量を減量させて、油圧モータの出力軸36Bの回転速度を減速させ走行装置2の走行速度を減速させて、ステップS7Cに進む。これにより、刈取装置3の先端下部に土中から過度の力が加わるのを防止して刈取装置3の先端の変形等を防止することができ、また、土の付着に伴う籾の汚れを防止することができる。
【0077】
ステップS7Cで、処理部21は、走行装置2が走行しているか否か、すなわち、回転速度センサ37Bの値がゼロであり走行装置2が停止している場合には、ステップS1Cに戻り、回転速度センサ37Bの値がゼロでなく走行装置2が走行している場合には、ステップS6Cに戻る。これにより、刈取装置3の先端下部に土中から過度の力が加わるのをより防止して刈取装置3の先端の変形等を防止することができ、また、土の付着に伴う籾の汚れをより防止することができる。
【符号の説明】
【0078】
1 機体フレーム
2 走行装置
3 刈取装置
4 脱穀装置
11 測位衛星
30 フィードチェン用HST
33 刈取用HST
36 走行用HST
66 フィードチェン
E エンジン
K 速度差比率係数
V1 移動速度(第1移動速度)
V2 移動速度(第2移動速度)