(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-09
(45)【発行日】2022-02-18
(54)【発明の名称】ヒューズホルダ
(51)【国際特許分類】
H01H 85/20 20060101AFI20220210BHJP
H01H 85/25 20060101ALI20220210BHJP
【FI】
H01H85/20 A
H01H85/20 D
H01H85/25
(21)【出願番号】P 2018218387
(22)【出願日】2018-11-21
【審査請求日】2020-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000103194
【氏名又は名称】エムデン無線工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【氏名又は名称】樺澤 襄
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】堀江 則幸
【審査官】片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-193653(JP,U)
【文献】実開昭53-097360(JP,U)
【文献】実開昭57-125470(JP,U)
【文献】特開平08-077912(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 85/20
H01H 85/25
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部材と、
この第1部材に装着され、電線接続部及びヒューズ接続部を有する端子と、
前記第1部材と組み合わさ
れる第2部材とを備え、
前記第2部材は、
カバー部と、
前記カバー部に設けられ、導体部の端部が絶縁被覆部で被覆されたままの電線を保持する電線保持部と、
前記カバー部に設けられ、ヒューズを保持するヒューズ保持部とを有し、
前記端子が装着された前記第1部材と、
前記電線が前記電線保持部によって保持されかつ
前記ヒューズが前記ヒューズ保持部によって保持された状態の前記第2部材とが組み合わされることにより、前記電線の導体部が前記電線接続部に接続されるとともに前記ヒューズが前記ヒューズ接続部に接続される
ことを特徴とするヒューズホルダ。
【請求項2】
第2部材の電線保持部は、電線の外周面を嵌合保持する筒状部分を有する
ことを特徴とする請求項1記載のヒューズホルダ。
【請求項3】
第2部材の電線保持部は、
電線の外周面を嵌合保持する筒状部分と、
前記電線の先端面との当接により前記電線を所定位置に位置決めする当接面とを有する
ことを特徴とする請求項1記載のヒューズホルダ。
【請求項4】
第1部材は、上面開口部を有し、
第2部材のカバー部は、前記上面開口部を覆う長手状のカバー板部であり、
前記第2部材の電線保持部は、前記カバー板部の長手方向両端側にそれぞれ設けられ、
前記第2部材のヒューズ保持部は、前記カバー板部の長手方向中央部に設けられている
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載のヒューズホルダ。
【請求項5】
第2部材のヒューズ保持部は、ヒューズを挟持する対をなす弾性変形可能な挟持板を有する
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一記載のヒューズホルダ。
【請求項6】
第2部材のカバー部には、ヒューズ保持部によって挟持されたヒューズのヒューズエレメントの状態を確認するための開口部が形成されている
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一記載のヒューズホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容易に設置作業ができるヒューズホルダに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記の特許文献1に記載されたヒューズホルダが知られている。
【0003】
この従来のヒューズホルダは、電線接続部及びヒューズ接続部を有する端子と、電線接続部に電線を接続した端子が収納されるとともにこの端子のヒューズ接続部をヒューズ収納部に対向して保持する端子収納部及びこの端子収納部を開閉可能に覆う端子カバー部を有するケースとを具備している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のヒューズホルダでは、電線を端子の電線接続部(かしめ部)に接続するに際し、電線の絶縁被覆部(電線の被覆材)の端部を剥離除去して導体部(電線の芯材)の端部を露出させる必要がある。このため、ヒューズホルダの設置作業に手間取るおそれがある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、容易に設置作業ができるヒューズホルダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載のヒューズホルダは、第1部材と、この第1部材に装着され、電線接続部及びヒューズ接続部を有する端子と、前記第1部材と組み合わされ、電線保持部及びヒューズ保持部を有する第2部材とを備え、前記端子が装着された前記第1部材と、導体部の端部が絶縁被覆部で被覆されたままの電線が前記電線保持部によって保持されかつヒューズが前記ヒューズ保持部によって保持された状態の前記第2部材とが組み合わされることにより、前記電線の導体部が前記電線接続部に接続されるとともに前記ヒューズが前記ヒューズ接続部に接続されるものである。
【0008】
請求項2記載のヒューズホルダは、請求項1記載のヒューズホルダにおいて、端子の電線接続部は、電線の絶縁被覆部を切断するナイフ部分を有するものである。
【0009】
請求項3記載のヒューズホルダは、請求項2記載のヒューズホルダにおいて、端子の電線接続部は、電線が挿入される挿入孔と、この挿入孔を介して互いに離間対向する対向部とを有し、前記電線の絶縁被覆部を切断するナイフ部分は、前記対向部のうち前記挿入孔に臨む部分に形成されているものである。
【0010】
請求項4記載のヒューズホルダは、請求項1ないし3のいずれか一記載のヒューズホルダにおいて、端子は、互いに離れて位置する複数の電線接続部を有するものである。
【0011】
請求項5記載のヒューズホルダは、請求項1ないし4のいずれか一ヒューズホルダにおいて、第1部材は、一方側係合部を有し、第2部材は、前記一方側係合部と係合する他方側係合部を有し、前記一方側係合部と前記他方側係合部との係合により、前記第1部材と前記第2部材とが互いに固定されるものである。
【0012】
請求項6記載のヒューズホルダは、請求項1ないし5のいずれか一ヒューズホルダにおいて、第2部材の電線保持部は、電線の絶縁被覆部を保持する筒状部分を有するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、電線の絶縁被覆部の端部を剥離除去して導体部の端部を露出させる必要がなく、容易に設置作業ができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施の形態に係るヒューズホルダの分解斜視図である。
【
図2】同上ヒューズホルダが電線間に設置された状態の平面図である。
【
図5】同上ヒューズホルダの設置作業の説明図である。
【
図6】(a)ないし(c)は
図5に続く設置作業の説明図である。
【
図7】(a)及び(b)はヒューズホルダの斜視図である。
【
図8】(a)はヒューズホルダの正面図、(b)は同底面図、(c)は同背面図、(d)は同左側面図、(e)は同右側面図である。
【
図9】(a)及び(b)はヒューズホルダの本体(第1部材)の斜視図である。
【
図10】(a)は本体の平面図、(b)は同正面図、(c)は同底面図、(d)は同背面図、(e)は同左側面図、(f)は同右側面図である。
【
図11】(a)及び(b)はヒューズホルダのカバー体(第2部材)の斜視図である。
【
図12】(a)はカバー体の平面図、(b)は同正面図、(c)は同底面図、(d)は同背面図、(e)は同左側面図、(f)は同右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施の形態について
図1ないし
図12を参照して説明する。なお、
図1に示す矢印の方向を前後方向及び左右方向として説明する。
【0016】
図1ないし
図4等において、1はヒューズホルダで、このヒューズホルダ1は、例えば電気機器である空調機(図示せず)に用いられるもので、空調機の回路に過電流が流れるのを防止する1個のヒューズ2を保持した状態でストリップレスの2本の電線3間に設置(接続)されるストリップレス線間ヒューズホルダである。
【0017】
つまり、ストリップレス式のヒューズホルダ1は、このヒューズホルダ1を空調機の回路内に設置する際に、2本の各電線3の導体部3aの端部を露出させる必要がなく、2本の各電線3の絶縁被覆部3bの端部を剥離除去しなくてもよい。換言すると、このヒューズホルダ1を使用すれば、電線3のうちヒューズ2側の端部における絶縁被覆部3bを剥がすストリップ作業が不要(ストリップレス)となる。
【0018】
被覆電線である電線3の線状の導体部(芯材)3aは、導電性を有する金属製のものであり、その導体部3aの外周面の全体を被覆する絶縁被覆部(被覆材)3bは、絶縁性を有する合成樹脂製のものである。また、ヒューズ2は、例えば円筒状をなすガラス管ヒューズ(円筒ヒューズ)で、円筒状のガラス管部2aと、このガラス管部2aの両端部に設けられた口金部2bと、ガラス管部2a内に設けられ、過電流で溶断するヒューズエレメント2cとを有している。
【0019】
ヒューズホルダ1は、複数、すなわち例えば左右1対で2つの端子(コンタクト)6と、これら2つの端子6が所定距離を介して互いに離間した状態で内部に固定的に収納装着(固着)された上面開口状の箱形状の第1部材である本体7と、この本体7と脱着可能に組み合わされ、本体7の上面開口部10を覆う第2部材であるカバー体8とを備えている。
【0020】
つまり、ヒューズホルダ1は、上面開口部10を有するケース状の本体7と、この本体7内に上面開口部10から収納されて嵌着された2つの端子(クリップ端子)6と、本体7に脱着可能に取り付けられて上面開口部10を開閉可能に覆うカバー体8とで構成されている。そして、各端子6は、導電性を有する金属製のものである。本体7及びカバー体8は、いずれも絶縁性を有する合成樹脂製のものである。
【0021】
端子6は、左右方向長手状の底板部11と、この底板部11の長手方向一端側(外端側)に立設された複数、すなわち例えば互いに離れて位置する2つの電線接続部12と、底板部11の長手方向他端側(内端側)に立設された1つのヒューズ接続部13とを有している。
【0022】
電線接続部12は、底板部11に立設された矩形状の立設板15と、この立設板15の側端部に直交状に連設されたU字状の接続板16とを有している。
【0023】
接続板16は、上方に向かって開口して上方から電線3が挿入される挿入孔である長孔部17と、この長孔部17を介して互いに離間対向する対をなす対向部(対向板)18と、これら両対向部18の下端部を連結する連結部(連結板)19とを有している。
【0024】
長孔部17は、上下方向長手状の長手空間21と、この長手空間21の上端に連通した略三角形状の幅広空間22と、長手空間21の下端に連通した円形状の円形空間23とによって構成されている。長手方向に亘って等幅状の長手空間21の幅寸法Hは、電線3の導体部3aの外径寸法よりも若干小さい(
図4参照)。
【0025】
また、接続板16の両対向部18の対向端部(対向部18のうち長孔部17に臨む内側の部分)には、電線3の絶縁被覆部3bを切断する先細状の断面三角形状の刃部であるナイフ部分(ナイフエッジ)25が上下方向に沿って長手状に形成されている。なお、各ナイフ部分25は、上端部に傾斜部25aを有し、両傾斜部25aは異なる高さに位置している。
【0026】
そして、電線3が電線接続部12の接続板16の長孔部17に上方から挿入されると、電線3の絶縁被覆部3bは、接続板16の両対向部18のナイフ部分25によって両側から切断され、その切断位置に対応する導体部3aの一部がナイフ部分25に接触して電気的に接続される。なお、各端子6は、2つの電線接続部12を有するため、各電線3の導体部3aは、それぞれ対応する1個の端子に対して、長さ方向に異なる2箇所の位置で電気的に接続される。
【0027】
ヒューズ接続部13は、底板部11に立設された前後1対の弾性変形可能な対向接続板26を有し、この各対向接続板26には、上下方向に延びるスリット27が形成されている。また、各対向接続板26は、ヒューズ2の口金部(キャップ端子)2bの外周に対応した円弧状の円弧板部28と、この円弧板部28の上端部に連設された傾斜状の案内板部29とを有している。
【0028】
そして、ヒューズ2の口金部2bがヒューズ接続部13の両対向接続板26間に上方から挿入されると、ヒューズ2の口金部2bは、両対向接続板26の円弧板部28によって挟持され、当該両円弧板部28に電気的に接続される。
【0029】
また、各端子6の底板部11のうち、ヒューズ接続部13の両対向接続板26の下端部間に位置する部分には、本体7の上方突出状の突出部であるピン9が挿通される挿通用孔30が形成されている(
図3参照)。本体7のピン9は、端子6を本体7に対して所定位置に位置決めするとともに、ヒューズ2の口金部2bを下方から支持してヒューズ2の下方移動を規制する。
【0030】
本体7は、左右方向に細長い上面開口状の箱形状のもので、左右両側に端子収納部31を有し、この各端子収納部31に端子6が嵌合収納されている。本体7の底板部32の2箇所には、ピン9が上方に向かって突設されている。
【0031】
また、本体7は、突出状の一方側係合部33を右部前側及び左部後側に有し、この一方側係合部33は板部34の上下方向中央部に突設されている。つまり、本体7は、前後面に突出状に形成された複数、例えば2つの一方側係合部(係合突部)33を有している。そして、2つの各一方側係合部33は、下端ほど前方又は後方に位置するように傾斜した傾斜面35を有しかつ下面に係合面36を有している。
【0032】
さらに、本体7は、突出状の一方側係合部33の両側方に位置する上下方向長手状の案内部38を有している。両案内部38は、本体7に対してカバー体8を取り付ける際に、カバー体8の他方側係合部53を案内する。本体7の左右側面の上側には、カバー体8の挿入板45が上方から挿入される側面開口部40が上面開口部10に連通して形成されている。
【0033】
カバー体8は、本体7の上面開口部10を覆う左右方向長手状のカバー板部41と、このカバー板部41の左右両側に下方に向かって突設された電線保持部42と、カバー板部41の中央部に下方に向かって突設されたヒューズ保持部43とを有している。
【0034】
各電線保持部42は、導体部3aの端部が絶縁被覆部3bで被覆されたままの電線(ストリップレスの電線)3の絶縁被覆部3bの端部側を嵌合保持する複数、すなわち例えば2つの筒状部分44を有している。つまり、両筒状部分44は、電線保持部42の挿入板45に切欠き形成された半円状の孔部46から差し込まれたストリップレスの電線3の絶縁被覆部3bの外周面を保持する。
【0035】
また、各電線保持部42は、電線3の先端面との当接により電線3を所定位置に位置決めする当接面47を有し、かつ、端子6の接続板16が挿入される挿入溝48を有している。
【0036】
ヒューズ保持部43は、ヒューズ2のガラス管部2aを挟持する前後1対の弾性変形可能な挟持板51を有している。また、カバー板部41の中央部には、ヒューズ保持部43の両挟持板51によって挟持されたガラス管部2a内のヒューズエレメント2cの状態を確認するための開口部52がカバー板部41の上下面に貫通して形成されている。
【0037】
また、カバー体8は、本体7の一方側係合部33と係脱可能に係合する弾性変形可能な他方側係合部53を右部前側及び左部後側に有している。各他方側係合部53は、矩形孔54を有する矩形環状で薄板状をなすもので、下部に左右方向やや長手状の係合板55を有している。
【0038】
そして、本体7とカバー体8とを互いに組み合わせる際には、他方側係合部53は、本体7の案内部38で案内されながら一方側係合部33の傾斜面35によって押圧されて弾性変形し、その後、傾斜面35を通過すると、弾性復元力で復帰して係合板55の上面が一方側係合部33の係合面36と係合する。このように、本体7の2つの一方側係合部33と、カバー体8の2つの他方側係合部53との係合により、本体7とカバー体8とが互いに解除可能に固定されて一体化される。
【0039】
次に、ヒューズホルダ1の作用等について説明する。
【0040】
電気機器である空調機の電気回路の途中に回路保護用のヒューズ2を接続するために、ヒューズホルダ1を2本の電線3間に設置(配置)する場合、つまりヒューズホルダ1の設置作業を行う場合について説明する。
【0041】
まず、
図5に示すように、作業者は、電線3の端部の絶縁被覆部3bを剥がすストリップ作業をしてないストリップレス(ストリップ作業レス)の電線3をカバー体8の電線保持部42に挿入して保持させ、かつ、ヒューズ2をカバー体8のヒューズ保持部43に保持させる。すなわち、1個のヒューズ2及びストリップレスの2本の電線3の各々をカバー体8に装着する。
【0042】
次いで、1個のヒューズ2及びストリップレスの2本の電線3を保持したカバー体8を、2つの端子6が収納装着された本体7に対して取り付ける。
【0043】
すなわち、
図6に示すように、2つの端子6が収納装着された本体7と、1個のヒューズ2及びストリップレスの2本の電線3を保持した状態のカバー体8とを互いに組み合わせる。
【0044】
すると、ストリップレスの電線3の絶縁被覆部3bが端子6のナイフ部分25によって切断されることで導体部3aが露出して端子6の電線接続部12に接続されるとともに、ヒューズ2の口金部2bが端子6のヒューズ接続部13に接続される。こうして、2つの端子6を介して、2本の電線3間にヒューズ2が電気的に接続される。
【0045】
またこのとき、本体7の一方側係合部33とカバー体8の他方側係合部53とが互いに係合することで、本体7とカバー体8とが互いに固定されて、2本の電線3間へのヒューズ2の接続状態が維持される。
【0046】
なお、ヒューズエレメント2cが溶断したヒューズ2を交換する際には、本体7の一方側係合部33とカバー体8の他方側係合部53との係合を解除して、本体7からカバー体8を取り外すことにより、ヒューズ2の交換が可能となる。
【0047】
そして、上記ヒューズホルダ1によれば、端子6が装着された本体7と、導体部3aの端部が絶縁被覆部3bで被覆されたままの電線3が電線保持部42によって保持されかつヒューズ2がヒューズ保持部43によって保持された状態のカバー体8とが互いに組み合わされることにより、電線3の導体部3aが端子6の電線接続部12に接続されるとともにヒューズ2が端子6のヒューズ接続部13に接続されるため、従来とは異なり2本の各電線3について絶縁被覆部3bの端部を剥離除去して導体部3aの端部を露出させる必要がなく、すなわち各電線3のストリップ作業が不要であり、その結果、ヒューズホルダ1の設置作業を容易に行うことができ、よって作業者の負担軽減を図ることができる。
【0048】
また、端子6の電線接続部12は、電線3の絶縁被覆部3bを両側から切断するナイフ部分25を有するため、当該ナイフ部分25によって電線3の絶縁被覆部3bを適切に切断でき、かつ、当該ナイフ部分25で電線3の導体部3aを適切に挟持できる。
【0049】
さらに、端子6は、所定距離を介して互いに離れて位置する複数の電線接続部12を有し、複数箇所で電線3の導体部3aと接続されるため、比較的大きな電流容量にも対応できる。
【0050】
また、本体7は一方側係合部33を有しかつカバー体8は他方側係合部53を有し、これら両係合部33,53の係合により本体7とカバー体8とが互いに固定されるため、ストリップレスの2本の電線3間へのヒューズ2の接続状態を適切に維持できる。
【0051】
さらに、カバー体8の電線保持部42は、電線3の絶縁被覆部3bが嵌挿されてこの絶縁被覆部3bを嵌合保持する複数の筒状部分44を有するため、電線保持部42によって電線3を適切に保持できる。
【0052】
なお、ヒューズホルダ1は、本体(第1部材)7とこの本体7に対して脱着可能なカバー体(第2部材)8とを備えた構成には限定されず、例えば第1部材に第2部材が回動可能に設けられ、この第2部材の回動により両部材が互いに組み合わされる構成等でもよい。
【0053】
また、例えば複数対の端子を第1部材に装着し、それに対応する複数個のヒューズを第2部材に保持させるようにしてもよい。
【0054】
さらに、端子は、電線の導体部が電気的に接続される1つ或いは3つ以上の電線接続部を有した構成でもよい。
【0055】
また、第1部材が一方側係合部を有しかつ第2部材が他方側係合部を有した構成には限定されず、例えばボルト等の固定手段を用いて両部材を互いに解除可能に固定する構成でもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 ヒューズホルダ
2 ヒューズ
3 電線
3a 導体部
3b 絶縁被覆部
6 端子
7 第1部材である本体(ヒューズホルダ本体)
8 第2部材であるカバー体(ヒューズホルダカバー)
12 電線接続部
13 ヒューズ接続部
17 挿入孔である長孔部
18 対向部
25 ナイフ部分
33 一方側係合部
42 電線保持部
43 ヒューズ保持部
44 筒状部分
53 他方側係合部