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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-09
(45)【発行日】2022-02-18
(54)【発明の名称】自在伸縮継手
(51)【国際特許分類】
   F16L 27/12 20060101AFI20220210BHJP
   E01D 19/16 20060101ALI20220210BHJP
   F16L 3/01 20060101ALI20220210BHJP
   H02G 9/06 20060101ALI20220210BHJP
【FI】
F16L27/12 E
E01D19/16
F16L3/01
H02G9/06 050
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019094979
(22)【出願日】2019-05-21
(65)【公開番号】P2020190269
(43)【公開日】2020-11-26
【審査請求日】2021-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000151184
【氏名又は名称】株式会社土井製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100074251
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 寛
(74)【代理人】
【識別番号】100066223
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 政美
(72)【発明者】
【氏名】大作 誠
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-312295(JP,A)
【文献】実開昭52-108484(JP,U)
【文献】特開2006-026034(JP,A)
【文献】実開平01-076138(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 27/12
E01D 19/16
F16L 3/01
H02G 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を備えた配線保護管の端部に配線保護管を収納あるいは外出させる伸縮機構を備えて成り、伸縮機構は、配線保護管を覆うさや管と、さや管内から配線保護管を外出傾向に常時弾発付勢させるようさや管の内部に縮装した伸縮操作部材とから成り、伸縮機構において、配線保護管の一方の末端には、配線保護管に縮装される伸縮操作部材の一端側を固定する第1部材固定体が装着され、この第1部材固定体と、配線保護管にスライド自在に嵌め合わせられていて、さや管の外出開口端に固定される第2部材固定体との間に伸縮操作部材が弾発付勢状態で縮装されており、第2部材固定体は、配線保護管にスライド自在に嵌め合わせられていて、さや管の外出開口端に外側からねじ込まれる固定手段の先端が圧止される固定溝部を外周に形成してあることを特徴とする自在伸縮継手。
【請求項2】
第1部材固定体は、配線保護管の外側に嵌め合う嵌合部と、この嵌合部に比し外径が大きくなるよう段部を介して一体状に連続された大径管部とを有し、伸縮操作部材の一端側は段部に係止されている請求項1に記載の自在伸縮継手。
【請求項3】
伸縮機構は、配線保護管のいずれか一方の端部あるいは端部それぞれに装着してある請求項1または2に記載の自在伸縮継手。
【請求項4】
配線保護管は金属製螺旋管であり、伸縮操作部材はコイルスプリングであり、金属製螺旋管の螺旋方向とコイルスプリングの螺旋方向とは互いに逆向きにしてある請求項1乃至3のいずれかに記載の自在伸縮継手。
【請求項5】
さや管、伸縮操作部材は交換可能にしてある請求項1乃至4のいずれかに記載の自在伸縮継手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば橋梁において橋桁と橋台、桁同士の間に設けられる伸縮装置に関連して設置される各種ケーブルの接続箇所であるジョイント部に使用され、地震その他による地盤変動によってずれることがあっても、伸縮装置の伸縮に追随対応して接続箇所を伸縮させ、また曲がることでケーブル等を損傷させたり、断線させたりすることなく、これらを保護できるようにした自在伸縮継手に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、橋梁等において、熱収縮や地震時の変位動等を吸収する箇所であるエキスパンションでは電線、通信ケーブル等の各種ケーブルを保護すべく各種の伸縮継手装置が提案されている。例えば特許文献1に示されるケーブル保護用パイプの継手部構造であり、この継手部構造は、伸縮自在に互いに嵌合する2本のパイプ部分から成り、一方のパイプ部分は接続用短管に差し込まれる差込部材を備え、また他端内部に縮径されたストッパー部が形成された抜け止め部材を備え、他方のパイプ部材は抜け止め部材を通って本体部材内部に挿入され、前記ストッパー部に係止する別のストッパー部が形成されて成るとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-261945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この特許文献1の継手部構造は、パイプを伸縮させるに際し、伸長時の互いのパイプ部材の抜け止めを阻止するよう伸長時にはストッパー部同士が係止されるとする。ところがこの継手部構造ではパイプ部材相互間における伸縮で全体長さの長短が調整されても、その調整はパイプ材の長手方向にのみ沿うもので、例えば左右方向、上下方向等のいずれにも変動する地震時等では、これに対応できずにパイプ部材自体が破損、損壊されることがあると、内部に挿通させたケーブル等を十分に保護することができない。
【0005】
そこで本発明は叙上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、伸縮される箇所において配装されるケーブル保護管内に各種のケーブルが挿通配線されるとき、地震時等に生じるあらゆる方向に沿う三次元的な変位動によってもこれに追随対応して上下、左右、前後等の方向に沿って伸縮し、内部に挿通されている各種ケーブル等を損傷させることなく保護できるようにした自在伸縮継手を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、本発明にあっては、可撓性を備えた配線保護管1の端部に配線保護管1を収納あるいは外出させる伸縮機構10を備えて成り、伸縮機構10は、配線保護管1を覆うさや管20と、さや管20内から配線保護管1を外出傾向に常時弾発付勢させるようさや管20の内部に縮装したコイルスプリングの如き伸縮操作部材30とから成ることを特徴とする。
伸縮機構10において、配線保護管1の一方の末端には、配線保護管1に縮装される伸縮操作部材30の一端側を固定する第1部材固定体2が装着され、この第1部材固定体2と、配線保護管1にスライド自在に嵌め合わせられていて、さや管20の外出開口端に固定される第2部材固定体12との間に伸縮操作部材30が弾発付勢状態で縮装されて構成することができる。
第1部材固定体2は、配線保護管1の外側に嵌め合う嵌合部3と、この嵌合部3に比し外径が大きくなるよう段部を介して一体状に形成された大径管部5とを有し、伸縮操作部材30の一端側は段部に係止されることで構成することができる。
第2部材固定体12は、配線保護管1にスライド自在に嵌め合わせられていて、さや管20の外出開口端に外側からねじ込まれる固定手段22の先端が圧止される固定溝部13を外周に形成することで構成することができる。
伸縮機構10は、配線保護管1のいずれか一方の端部あるいは端部それぞれに装着することで構成することができる。
配線保護管1は金属製螺旋管であり、伸縮操作部材30はコイルスプリングであり、金属製螺旋管の螺旋方向とコイルスプリングの螺旋方向とは互いに逆向きにしてあることで構成することができる。
さや管20、伸縮操作部材30は交換可能にして構成することができる。
【0007】
以上のように構成された本発明に係る自在伸縮継手にあって、例えば各種のケーブルCを配線保護管1に挿通させることで配線するに際し、例えば橋梁における伸縮箇所に介在設置されることで、地震時その他で振動されるとき、さや管20の内外で配線保護管1が自在に伸縮され、また曲がることで内部に挿通させたケーブルC等を保護させる。
配線保護管1の端部に備えられた伸縮機構10は、配線保護管1に固定の第1部材固定体2と、さや管20の外出開口端に固定の第2部材固定体12との間で縮装した伸縮操作部材30の弾発作用によって、固定保持されるさや管20から配線保護管1を伸長して外出させ、あるいは縮小して収納させる。
伸長時には、配線保護管1自体の可撓性によって上下、左右、前後更には複合的な三次元方向に自在に曲がり、例えば震動方向に自在に対応させる。
配線保護管1の一端に固定の第1部材固定体2の段部は伸縮操作部材30の一端を、さや管20の外出開口端に固定の第2部材固定体12の末端は伸縮操作部材30の他端それぞれを係止させることで、伸縮操作部材30をさや管20内に保持させる。
さや管20の外出開口端の外側からねじ込ませた固定手段22は、その先端が第2部材固定体12の固定溝部13に圧止することで第2部材固定体12をさや管20に確実に一体化させ、伸縮操作部材30の縮小時に大きくなる弾発力に十分に抗し、第2部材固定体12をさや管20から離脱させない。
伸縮機構10の配線保護管1のいずれかの端部に装着することで、この端部における配線保護管1の外出、収納で伸縮許容箇所での全体長さを伸縮させる。
配線保護管1の金属製螺旋管と、伸縮操作部材30のコイルスプリングそれぞれの螺旋方向は互いに逆向きにしてあることで、金属螺旋管、コイルスプリングの伸縮によってもコイルスプリングが金属螺旋管の溝等に嵌まり込まず、伸縮作動を阻害しない。
さや管20、伸縮操作部材30の交換は、保守、点検時のメンテナンス維持を容易にさせる。
【発明の効果】
【0008】
本発明は以上説明したように構成されているため、例えば橋梁その他の構築物とその周辺との間におけるケーブルの配線接続箇所において、地震その他による振動等に起因する変位動に伴い相互に離反、接近するとき、これらの震動等に追随して接続箇所を伸縮でき、内部に挿通させたケーブルC等の破断、損壊等を防止することができる。
【0009】
すなわちこれは本発明において、可撓性を備えた配線保護管1の端部に伸縮機構10を備え、この伸縮機構10は、配線保護管1を覆うさや管20内から配線保護管1を外出傾向に常時弾発付勢させるようさや管20の内部に伸縮操作部材30を縮装したからであり、これによって外部から震動その他によって変動するとき、これに追随して三次元的に伸縮することができる。
【0010】
また、伸縮機構10は、配線保護管1に固定した第1部材固定体2と、さや管20の外出開口端に固定した第2部材固定体12との間で縮装したコイルスプリングの如き伸縮操作部材30が、配線保護管1をさや管20から外出傾向に常時弾発付勢させているので、設置箇所で適宜に固定保持されているさや管20から配線保護管1を伸長して外出させ、あるいは縮小して収納させることができる。
【0011】
伸縮操作部材30は、第1部材固定体2と第2部材固定体12との間で係止固定されていることで、それぞれの外方に突出することはなく、弾発付勢された状態でさや管20内に保持させておくことができる。
【0012】
金属製螺旋管の配線保護管1とコイルスプリング製の伸縮操作部材30との螺旋方向を互いに逆向きにしてあることで、伸縮操作部材30の伸長、縮小時に配線保護管1の螺旋溝内に伸縮操作部材30が嵌まり込むことがなく、伸縮操作部材30に伸縮作動が妨げられず、さや管20からの配線保護管1の外出、収納を円滑にさせる。
【0013】
さや管20、伸縮操作部材30は交換可能にしてあることで、保守、点検時に例えば経年劣化が生じている場合には簡単に交換でき、メンテナンス維持を図ることができる。
【0014】
尚、上記の課題を解決するための手段、発明の効果の項それぞれにおいて付記した符号は、図面中に記載した構成各部を示す部分との参照を容易にするために付した。本発明は、これらの記載、図面中の符号等によって示された構造・形状等に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明を実施するための一形態を示す一部切欠側面図で、その(A)は縮小設置状態時、その(B)は伸張状態時である。
図2】同じく分解斜視図である。
図3】同じくさや管の外出開口端における要部断面図である。
図4】同じく配線ボックス相互間に設置時の一例における一部を省略した平面図で、その(A)は縮小設置状態時、その(B)は例えば水平方向に移動したときの伸張状態時である。
図5】同じく配線ボックス相互間に設置時の一例における一部を省略した側面図で、その(A)は縮小設置状態時、その(B)は上下方向に移動したときの伸張状態時である。
図6】同じく他の実施の形態における一部切欠側面図である。
図7】同じく配線ボックス相互間に設置時の一例における平面図である。
図8】同じく配線ボックス相互間に設置時の一例における側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明を実施するための一形態を説明すると、図において示される符号1は可撓性ある配線保護管であり、例えば所定幅員の帯状材を螺旋状に巻回しながら重ね合わせられる縁部を噛み合わせることで所定径を有する管状に形成された、いわゆる金属製螺旋管とされ、例えば設置する橋梁における桁と橋台、桁同士等の伸縮部分の伸縮を許容させる長さに相当した長さに形成されている。
【0017】
この配線保護管1の端部には、この配線保護管1自体を外出させて伸長させ、あるいは引き入れ収納させて縮小させる伸縮機構10が設けられている。この伸縮機構10は、配線保護管1を覆うさや管20と、さや管20内から配線保護管1を外出傾向に常時弾発付勢させるようさや管20の内部に縮装した伸縮操作部材30とから成る。すなわち、配線保護管1の外径に比しやや大径にした所定径のさや管20が、配線保護管1を覆うようにして配線保護管1に装着されており、さや管20における配線保護管1の外出開口端側と、さや管20内に装入される配線保護管1の末端側との間で配線保護管1に縮装したコイルスプリングの如き伸縮操作部材30の伸縮に伴う弾発力によって、さや管20内から配線保護管1が外出傾向に常時弾発付勢されるようにしている。
【0018】
この伸縮機構10において、配線保護管1の一方の末端には、配線保護管1に縮装される伸縮操作部材30の一端側を固定する第1部材固定体2が装着され、この第1部材固定体2と、配線保護管1にスライド自在に嵌め合わせられていて、さや管20の外出開口端に固定される第2部材固定体12との間に伸縮操作部材30が弾発付勢状態で縮装されている。配線保護管1の他方の末端は、配線保護管1の一端側のみが伸縮される場合にはブッシング9が装着され(図1参照)、後述するように例えばロックナット8と共に所定の配線ボックスB1,B2に固定されるようにしてある。また、配線保護管1の両端側が伸縮される場合には、後述するように配線保護管1の他方の末端に第1部材固定体2が装着されると共に、伸縮操作部材30を介在させて第2部材固定体12が配線保護管1の所定部位に嵌め合わせて配装される(図6参照)。
【0019】
配線保護管1を金属製螺旋管とし、伸縮操作部材30をコイルスプリングとするとき、これらの螺旋方向は互いに逆向きとしておくことがよく、伸縮する伸縮操作部材30が配線保護管1に形成されている螺旋溝内に嵌まり込まないように配慮しておく。
【0020】
第1部材固定体2は、配線保護管1の外側にきっちりと嵌め合う嵌合部3と、この嵌合部3に比し外径が大きくなるよう段部を介して一体状に形成された大径管部5とを有して成り、大径管部5に形成した溝部にOリング6が嵌め合わせられ、嵌合部3の開口端にはブッシング4、大径管部の開口端の内側に樹脂リング7が嵌め合わせられている。伸縮操作部材30の一端側は、段部に突き当て状に係止して嵌合部3に嵌め合わせられることで、第1部材固定体2の大径管部5の外方には突出しないようしてあり、また、Oリング6はさや管20の内部でこの第1部材固定体2を容易に前後にスライド移動させるようにしている。
【0021】
第2部材固定体12は、配線保護管1に緩やかに嵌め合わせられるよう配線保護管1の外径に比しやや大径にした内径を備えた筒状に形成されていて、筒状の外側面には第2部材固定体12自体の外周に沿っている固定溝部13を設けてある。この第2部材固定体12の開口端の開口径は、伸縮操作部材30の他端側の末部径とほぼ同様に形成されることで、伸縮操作部材30が当接されると共に、伸縮操作部材30が第2部材固定体12の外方には突出しないようにしてある。
【0022】
さや管20の一端開口は、配線保護管1を外出させている外出開口端となっていて、端縁部分をやや外方にラッパ状に拡開させることで配線保護管1の装入が容易になるように配慮してあり、さや管20の他端開口は、外周に形成したメネジにブッシング21がねじ込まれるようになっている。
【0023】
また、さや管20の外出開口端部分には、さや管20に装入した配線保護管1における前記第2部材固定体12を固定する固定手段22が設けられている。この固定手段22は、図示のように例えばさや管20の外周に沿って3箇所に穿設した透孔に固着したナットに所定のネジ材がねじ込まれるようにして成る。このネジ材先端を、伸縮操作部材30と共にさや管20の内部に装入した配線保護管1の第2部材固定体12の固定溝部13にねじ止め圧止することで、伸縮操作部材30に所定量の弾発力を付与し、これに対応して弾発的な伸縮作用でさや管20から配線保護管1が外出されるようにしてある。
【0024】
図1(A)に示すように、例えば地震時などで伸縮される必要がある箇所に、配線保護管1の一方側では後述するように適宜に固定されるさや管20の第1部材固定体2によって位置決めされて設置され、配線保護管1の他方側ではロックナット8、ブッシング9等によって位置決めされて設置されて、配線保護管1内には所定の通信用、電力用の各種のケーブルCが挿通される。
【0025】
そして、地震時などで位置決め箇所相互間が伸長されたり、縮小されたりした場合、図1(B)に示すように、配線保護管1が引き出されるように伸長されるときには伸縮操作部材30が縮小されることで配線保護管1がさや管20から外出される。逆に配線保護管1がさや管20内に収納されるときには伸縮操作部材30が伸長されることで配線保護管がさや管20内に引き入れられる。
【0026】
図1乃至図5においては、配線保護管1の一方端部側にのみ、さや管20、伸縮操作部材30による伸縮機構10を装着した場合であり、図6乃至図8においては、配線保護管1の端部側それぞれに伸縮機構10を装着した場合であり、設置現場の状況に応じてこれらは任意に選択装着される。なお、さや管20の内部への配線保護管1の配置は、第1部材固定体2側から順次に装入し、伸縮操作部材30に適当量の弾発力が蓄積されている状態となる位置に対応して、さや管20の外出開口端部分位置で固定手段22によって第2部材固定体12を固定する。
【0027】
なお、配線保護管1の両端部側に前記伸縮機構10が装着される場合は、左右で対称的に配置されるもので、その詳細な説明は省略される。
【0028】
次にこれの使用の一例を、例えば橋梁における桁と橋台との間に設置される場合で説明すると、配線保護管1の一方の端部のみが伸縮されるときには、図4図5に示すように桁、橋台それぞれに設けられる例えばコンクリート材製の配線ボックスB1,B2の内部それぞれに、配線ボックスのいずれか一方(B1)ではさや管固定部25によって配線ボックスB1内に位置決めしてさや管20を固定し、配線ボックスのいずれか他方(B2)では配線保護管1を配線貫挿する部位に、配線ボックスB2の躯体壁を挟み込むロックナット8等によって位置決めして配線保護管1を固定する(図4(A)、図5(A)参照)。なお、配線保護管1内に挿通されるケーブルCは、例えば配線ボックスB2内で、伸長される余長分が予めセットされる。
【0029】
なお、さや管固定部25は、図示のように並列配置したさや管20それぞれを個別にねじ止め固定するよう囲繞する囲み部分を備えたバンド部材を配線ボックスB1,B2に連結固定できるようにしてある。
【0030】
例えば地震その他でこの伸縮許容箇所で伸縮するときには、さや管20内の伸縮操作部材30が縮小あるいは伸長し、さや管20内から配線保護管1を外出あるいは収納させて、震動に伴う方向、例えば左右、上下、前後あるいはこれらの複合した方向に曲がることで移動し、震動による破断、損壊等を防止させる(図4(B)、図5(B)参照)。
【0031】
また、配線保護管1の端部側それぞれが伸縮されるように伸縮機構10が設けられている場合は、図7図8に示すように配線ボックスB1,B2それぞれにさや管固定部25によってさや管20を配線ボックスB1,B2内それぞれで位置決めすることで固定すると共に、適宜にケーブルCの余長分をセットしておけば良く、地震その他が生じたときには同様に伸縮し、曲がることで内部に挿通させた各種のケーブルCを保護する。
【0032】
なお、いずれの設置態様においてもさや管固定部25の取り外し、再度の固定によって、例えば経年劣化した場合のさや管20、伸縮操作部材30それぞれを新規のものと交換し、再度固定できるようにしている。
【符号の説明】
【0033】
B1,B2…配線ボックス
C…ケーブル
1…配線保護管
2…第1部材固定体
3…嵌合部
4…ブッシング
5…大径管部
6…Oリング
9…ブッシング
10…伸縮機構
12…第2部材固定体
13…固定溝部
20…さや管
21…ブッシング
22…固定手段
25…さや管固定部
30…伸縮操作部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8