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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-09
(45)【発行日】2022-02-18
(54)【発明の名称】縮合多環化合物及びその製造方法と用途
(51)【国際特許分類】
   C07D 491/048 20060101AFI20220210BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20220210BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20220210BHJP
   C07D 495/04 20060101ALI20220210BHJP
   C07D 513/04 20060101ALI20220210BHJP
   C07D 498/04 20060101ALI20220210BHJP
   C07F 5/02 20060101ALI20220210BHJP
   C07F 9/6584 20060101ALI20220210BHJP
【FI】
C07D491/048 CSP
H05B33/14 B
H05B33/22 B
H05B33/22 D
H01L27/32
C07D495/04 105
C07D495/04 103
C07D513/04 371
C07D498/04 111
C07F5/02 D
C07F9/6584
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020026669
(22)【出願日】2020-02-19
(65)【公開番号】P2020183371
(43)【公開日】2020-11-12
【審査請求日】2020-02-19
(31)【優先権主張番号】201910353474.7
(32)【優先日】2019-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519217559
【氏名又は名称】寧波盧米藍新材料有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】魏 定緯
(72)【発明者】
【氏名】蔡 ▲イェ▼
(72)【発明者】
【氏名】丁 歓達
(72)【発明者】
【氏名】謝 坤山
(72)【発明者】
【氏名】陳 志寛
【審査官】高森 ひとみ
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-518974(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0034103(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第104447505(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0112865(KR,A)
【文献】特表2017-527992(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下で表される構造を有することを特徴とする縮合多環化合物。
【化6】
(ただし、Tは、S又はOであり、
15~R23は、同じであっても異なってもよく、それぞれ独立に、水素、重水素、メチル基、重水素化メチル基、フェニル基、重水素化フェニル基、重水素化メチル置換フェニル基から選択され、R 15 ~R 23 少なくとも1つは、重水素、重水素化メチル基、重水素化フェニル基、重水素化メチル置換フェニル基のうちの1種から選択される。)
【請求項2】
以下で表される構造を有することを特徴とする縮合多環化合物。
【化1】
(ただし、ベンゼン環Aは、1、2の箇所又は2、3の箇所又は3、4の箇所に
【化2】
と結合して一辺を共有する縮合環を形成し、一般式IV中のアスタリスク記号およびベンゼン環α中のアスタリスク記号は、結合サイトを表し、
は、独立に、NR24、S、O、BR24、PR24、C(R24から選択され、R24は、同じであっても異なってもよく、それぞれ独立に、メチル基、重水素化メチル基、フェニル基、重水素化フェニル基、ビフェニリル基、重水素化ビフェニリル基、ナフチル基、重水素化ナフチル基から選択され、
及びTの少なくとも1つは、単結合であり、Tが単結合である場合、TはS又はOであり、Tが単結合である場合、TはS又はOであり、
15~R23は、同じであっても異なってもよく、それぞれ独立に、水素、重水素、メチル基、重水素化メチル基、フェニル基、重水素化フェニル基、重水素化メチル置換フェニル基から選択され、R15~R23の少なくとも1つは、重水素、重水素化メチル基、重水素化フェニル基、重水素化メチル置換フェニル基のうちの1種から選択される。)
【請求項3】
19、R21、R23の少なくとも1つは、重水素、重水素化メチル基、重水素化フェニル基、重水素化メチル置換フェニル基のうちの1種から選択されることを特徴とする請求項1又は2に記載の縮合多環化合物。
【請求項4】
15~R18は、同じであっても異なってもよく、 15 ~R 18 少なくとも1つ水素を含有し、及び/又は、
19~R23は、同じであっても異なってもよく、 19 ~R 23 少なくとも1つ水素を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の縮合多環化合物。
【請求項5】
が単結合である場合、TはS又はOであることを特徴とする請求項2又は3に記載の縮合多環化合物。
【請求項6】
以下のいずれか1つで表される分子構造を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の縮合多環化合物。
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【請求項7】
がC(R24から選択され、即ち、縮合多環化合物が一般式IV-1で表される構造を有する場合、TがClC(R24又はBrC(R24から選択され、
式(E)で表される化合物を原料とし、触媒の存在下で閉環反応させて中間体化合物(F)を得、中間体化合物(F)と式(G)で表される化合物とを触媒の作用下でカップリング反応させて一般式IV-1で表される化合物を得ることを含み、
上記一般式IV-1で表される化合物の製造経路は、
【化14】
で示され、
或いは、TがBR24から選択され、即ち、縮合多環化合物が一般式IV-2で表される構造を有する場合、Tが水素から選択され、
式(E)で表される化合物を原料とし、式(H)で表される化合物と触媒の存在下で反応させて中間体化合物(J)を得、中間体化合物(J)と式(G)で表される化合物とを触媒の作用下でカップリング反応させて一般式IV-2で表される化合物を得ることを含み、
上記一般式IV-2で表される化合物の製造経路は、
【化15】
で示され、
或いは、TがSから選択され、即ち、縮合多環化合物が一般式IV-3で表される構造を有する場合、Tがメルカプト基から選択され、
式(E)で表される化合物を原料とし、触媒の存在下で反応させて中間体化合物(K)を得、中間体化合物(K)と式(G)で表される化合物とを触媒の作用下でカップリング反応させて一般式IV-3で表される化合物を得ることを含み、
上記一般式IV-3で表される化合物の製造経路は、
【化16】
で示され、
或いは、TがOから選択され、即ち、縮合多環化合物が一般式IV-4で表される構造を有する場合、Tがヒドロキシ基から選択され、
式(E)で表される化合物を原料とし、触媒の存在下で反応させて中間体化合物(K-1)を得、中間体化合物(K-1)と式(G)で表される化合物とを触媒の作用下でカップリング反応させて一般式IV-4で表される化合物を得ることを含み、
上記一般式IV-4で表される化合物の製造経路は、
【化17】
で示され、
或いは、TがPR24から選択され、即ち、縮合多環化合物が一般式IV-5で表される構造を有する場合、Tが水素から選択され、
式(E)で表される化合物を原料とし、触媒の存在下で反応させて中間体化合物(L)を得、中間体化合物(L)を触媒の作用下で反応させて中間体化合物(M)を得、中間体化合物(M)と式(N)で表される化合物とを触媒の作用下でカップリング反応させて中間体化合物(O)を得、中間体化合物(O)と式(G)で表される化合物とを触媒の作用下でカップリング反応させて一般式IV-5で表される化合物を得ることを含み、
上記一般式IV-5で表される化合物の製造経路は、
【化18】
で示され、
或いは、TがNR24から選択され、即ち、縮合多環化合物が一般式IV-6で表される構造を有する場合、Tがニトロ基から選択され、
式(D)で表される化合物を原料とし、触媒の存在下で反応させて中間体化合物(P)を得、中間体化合物(P)と式(Q)で表される化合物、式(G)で表される化合物とを次々と反応させて一般式IV-6で表される化合物を得ることを含み、
上記一般式IV-6で表される化合物の製造経路は、
【化19】
で示され、
或いは、Tが単結合から選択され、即ち、縮合多環化合物が一般式IV-7で表される構造を有する場合、
式(R)で表される化合物を原料とし、式(S)で表される化合物と触媒の作用下で反応させて中間体化合物(T)を得、中間体化合物(T)を触媒の作用下で閉環反応させて中間体化合物(U)を得、中間体化合物(U)と式(G)で表される化合物とを触媒の作用下でカップリング反応させて一般式IV-7で表される化合物を得ることを含み、
上記一般式IV-7で表される化合物の製造経路は、
【化20】
(ただし、Wはフッ素、塩素、臭素又はヨウ素から選択される。)
で示されることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の縮合多環化合物の製造方法。
【請求項8】
上記式(E)で表される化合物の製造方法は、
式(A)で表される化合物を出発原料とし、触媒の存在下でニトロ化反応させて中間体化合物(B)を得、中間体化合物(B)と式(C)で表される化合物とを触媒の作用下でカップリング反応させて中間体化合物(D)を得、中間体化合物(D)を触媒の作用下で還元反応させて式(E)で表される化合物を得ることを含み、
上記式(E)で表される化合物の製造経路は、
【化21】
で示されることを特徴とする請求項7に記載の縮合多環化合物の製造方法。
【請求項9】
請求項1~6のいずれか1項に記載の縮合多環化合物のいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含むことを特徴とする電子デバイス。
【請求項10】
陽極と、
陰極と、
上記陽極と上記陰極との間に位置し、請求項1~6のいずれか1項に記載の縮合多環化合物のいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含む有機薄膜層と、
を備える有機エレクトロルミネッセンスデバイスであることを特徴とする請求項9に記載の電子デバイス。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の電子デバイスを備えることを特徴とする表示装置。
【請求項12】
請求項9又は10に記載の電子デバイスを備えることを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示技術の分野に関し、具体的には、縮合多環化合物及びその製造方法と用途に関する。
【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンスダイオード(organic light-emitting diodes、OLEDs)は、応答が速く、エネルギー消費が低く、自己発光し、色域が広く、極めて薄く、折り畳み可能性及び可撓性などの利点を有し、将来、液晶表示技術よりも応用見込みのある新規な表示技術であるので、ますます重要視されてきている。
【0003】
【0004】
従来技術に比べて、OLEDデバイスは、駆動電圧が低く、発光効率が高く、コントラストが高く、彩度が高く、視野角が広く、そして応答時間が速いなどの多くの利点がある。現在のOLEDデバイスは、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層及び電子注入層のうちの複数の層を含み、適当な電極を組み合わせたものであり、これらの複数の層は、それぞれ正孔注入材料、正孔輸送材料、発光材料、正孔阻止材料、電子輸送材料及び電子注入材料で構成されており、中でも、ドープ法により製造されるOLED発光層は、デバイスの発光効率の面で優位性があるので、発光層材料は、通常ホスト材料にゲスト材料をドープすることにより形成され、ホスト材料は、OLEDデバイスの発光効率及び性能を左右する要因である。4、4’-ビス(9H-カルバゾール-9-イル)ビフェニル(4、4’-Bis(9H-carbazol-9-yl)biphenyl、CBP)は、広く応用されているホスト材料であり、良好な正孔輸送性質を有するが、ホスト材料として使用される際に、そのガラス転移温度が低く、再結晶化し易いので、OLEDデバイスの使用性能及び発光効率を低下させてしまう。一方で、材料分子量の増加により、材料のガラス転移温度及び熱的安定性を向上させることができるが、それと同時に材料の三重項エネルギー準位も低下し、デバイスの使用寿命及び発光効率に影響を与えてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術において、発光層のホスト材料は、ガラス転移温度が低く、結晶し易く、熱的安定性が悪く、良好な熱的安定性と高い三重項エネルギー準位を両立できないという欠点を克服することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の技術方案を採用する。
以下で表される構造を有する縮合多環化合物。
【0007】
【化1】
(ただし、ベンゼン環Aは、1、2の箇所又は2、3の箇所又は3、4の箇所に
【化2】
と結合して一辺を共有する縮合環を形成し、一般式IV中のアスタリスク記号およびベンゼン環α中のアスタリスク記号は、結合サイトを表し、
は、独立に、単結合、NR24、S、O、BR24、PR24、C(R24から選択され、R24は、同じであっても異なってもよく、それぞれ独立に、メチル基、重水素化メチル基、フェニル基、重水素化フェニル基、ビフェニリル基、重水素化ビフェニリル基、ナフチル基、重水素化ナフチル基から選択され、
及びTの少なくとも1つは、単結合であり、Tが単結合である場合、TはS又はOであり、Tが単結合である場合、TはS又はOであり、
15~R23は、同じであっても異なってもよく、それぞれ独立に、水素、重水素、メチル基、重水素化メチル基、フェニル基、重水素化フェニル基、重水素化メチル置換フェニル基から選択される。)
本発明において、ベンゼン環Aが3、4の箇所に
【化2】
と結合して一辺を共有する縮合環を形成する場合、一般式IVが以下の構造を有し、
【0008】
【化3】
【0009】
ベンゼン環Aが2、3の箇所に
【化2】
と結合して一辺を共有する縮合環を形成する場合、一般式IVが以下の構造を有し、
【0010】
【化4】
【0011】
ベンゼン環Aが1、2の箇所に
【化2】
と結合して一辺を共有する縮合環を形成する場合、一般式IVが以下の構造を有する。
【0012】
【化5】
【0013】
さらに、R15~R23は、同じであっても異なってもよく、その少なくとも1つは、重水素、重水素化メチル基、重水素化フェニル基、重水素化メチル置換フェニル基のうちの1種から選択され、
19、R21、R23の少なくとも1つは、重水素、重水素化メチル基、重水素化フェニル基、重水素化メチル置換フェニル基のうちの1種から選択されることが好ましい。
さらに、R15~R18は、同じであっても異なってもよく、少なくとも1つの水素を含有し、及び/又は、
19~R23は、同じであっても異なってもよく、少なくとも1つの水素を含有する。
さらに、Tが単結合である場合、TはS又はOである。
さらに、以下で表される構造を有する。
【0014】
【化6】
【0015】
さらに、上記縮合多環化合物は、以下のいずれか1つで表される分子構造を有する。
【0016】
【化7】
【0017】
【化8】
【0018】
【化9】
【0019】
【化10】
【0020】
【化11】
【0021】
【化12】
【0022】
【化13】
【0023】
本発明は、
がC(R24から選択され、即ち、縮合多環化合物が一般式IV-1で表される構造を有する場合、TがClC(R24又はBrC(R24から選択され、
式(E)で表される化合物を原料とし、触媒の存在下で閉環反応させて中間体化合物(F)を得、中間体化合物(F)と式(G)で表される化合物とを触媒の作用下でカップリング反応させて一般式IV-1で表される化合物を得ることを含み、
上記一般式IV-1で表される化合物の製造経路は、
【化14】
で示され、
或いは、TがBR24から選択され、即ち、縮合多環化合物が一般式IV-2で表される構造を有する場合、Tが水素から選択され、
式(E)で表される化合物を原料とし、式(H)で表される化合物と触媒の存在下で反応させて中間体化合物(J)を得、中間体化合物(J)と式(G)で表される化合物とを触媒の作用下でカップリング反応させて一般式IV-2で表される化合物を得ることを含み、
上記一般式IV-2で表される化合物の製造経路は、
【化15】
で示され、
或いは、TがSから選択され、即ち、縮合多環化合物が一般式IV-3で表される構造を有する場合、Tがメルカプト基から選択され、
式(E)で表される化合物を原料とし、触媒の存在下で反応させて中間体化合物(K)を得、中間体化合物(K)と式(G)で表される化合物とを触媒の作用下でカップリング反応させて一般式IV-3で表される化合物を得ることを含み、
上記一般式IV-3で表される化合物の製造経路は、
【化16】
で示され、
或いは、TがOから選択され、即ち、縮合多環化合物が一般式IV-4で表される構造を有する場合、Tがヒドロキシ基から選択され、
式(E)で表される化合物を原料とし、触媒の存在下で反応させて中間体化合物(K-1)を得、中間体化合物(K-1)と式(G)で表される化合物とを触媒の作用下でカップリング反応させて一般式IV-4で表される化合物を得ることを含み、
上記一般式IV-4で表される化合物の製造経路は、
【化17】
で示され、
或いは、TがPR24から選択され、即ち、縮合多環化合物が一般式IV-5で表される構造を有する場合、Tが水素から選択され、
式(E)で表される化合物を原料とし、触媒の存在下で反応させて中間体化合物(L)を得、中間体化合物(L)を触媒の作用下で反応させて中間体化合物(M)を得、中間体化合物(M)と式(N)で表される化合物とを触媒の作用下でカップリング反応させて中間体化合物(O)を得、中間体化合物(O)と式(G)で表される化合物とを触媒の作用下でカップリング反応させて一般式IV-5で表される化合物を得ることを含み、
上記一般式IV-5で表される化合物の製造経路は、
【化18】
で示され、
或いは、TがNR24から選択され、即ち、縮合多環化合物が一般式IV-6で表される構造を有する場合、Tがニトロ基から選択され、
式(D)で表される化合物を原料とし、触媒の存在下で反応させて中間体化合物(P)を得、中間体化合物(P)と式(Q)で表される化合物、式(G)で表される化合物とを次々と反応させて一般式IV-6で表される化合物を得ることを含み、
上記一般式IV-6で表される化合物の製造経路は、
【化19】
で示され、
或いは、Tが単結合から選択され、即ち、縮合多環化合物が一般式IV-7で表される構造を有する場合、
式(R)で表される化合物を原料とし、式(S)で表される化合物と触媒の作用下で反応させて中間体化合物(T)を得、中間体化合物(T)を触媒の作用下で閉環反応させて中間体化合物(U)を得、中間体化合物(U)と式(G)で表される化合物とを触媒の作用下でカップリング反応させて一般式IV-7で表される化合物を得ることを含み、
上記一般式IV-7で表される化合物の製造経路は、
【化20】
(ただし、Wはフッ素、塩素、臭素又はヨウ素から選択される。)
で示される上記縮合多環化合物の製造方法をさらに提供する。
【0024】
さらに、上記式(E)で表される化合物の製造方法は、
式(A)で表される化合物を出発原料とし、触媒の存在下でニトロ化反応させて中間体化合物(B)を得、中間体化合物(B)と式(C)で表される化合物とを触媒の作用下でカップリング反応させて中間体化合物(D)を得、中間体化合物(D)を触媒の作用下で還元反応させて式(E)で表される化合物を得ることを含み、
上記式(E)で表される化合物の製造経路は、
【化21】
で示される。
【0025】
本発明は、上記縮合多環化合物のいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含む電子デバイスをさらに提供する。
上記電子デバイスは、有機エレクトロルミネッセンスデバイス、有機電界効果トランジスター、有機薄膜トランジスター、有機発光トランジスター、有機集積回路、有機太陽電池、有機電界消光デバイス、発光電気化学電池、有機レーザダイオード又は有機光レセプターのいずれか1種であることが好ましい。
【0026】
さらに、上記電子デバイスは、陽極と、陰極と、陽極と陰極との間に位置し、上記縮合多環化合物のいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含む有機薄膜層とを備える有機エレクトロルミネッセンスデバイスである。
上記有機薄膜層は、発光層を含み、正孔注入層、正孔輸送層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層、電子阻止層及び電荷輸送層のいずれか1種又は少なくとも2種の組合せをさらに含み、上記発光層は、上記縮合多環化合物のいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含むことが好ましい。
上記発光層は、ホスト材料及びゲスト材料を含み、上記発光層におけるホスト材料は、上記縮合多環化合物のいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含むことが好ましい。
【0027】
本発明は、上記電子デバイスを備える表示装置をさらに提供する。
【0028】
本発明は、上記電子デバイスを備える照明装置を提供する。
【発明の効果】
【0029】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。
1)本発明で提供される縮合多環化合物は、一般式IVで表されるような構造を有し、この化合物の構造は、双極性を有し、ホスト材料のHOMOエネルギー準位及びLUMOエネルギー準位は、それぞれ、異なる電子供与基及び電子吸引基に分布されることが可能である。これによって、ホスト材料における電荷と正孔の輸送バランスが良好になり、発光層における正孔と電子の再結合領域を拡大し、励起子の濃度を低下させ、デバイスの三重項-三重項消滅を防止し、デバイスの効率を向上させる。
【0030】
また、一般式IVで表される構造は、ベンゼン環Aの箇所に1つのベンゼン環を縮合することにより、化合物の構造の共役性がより大きく、励起状態の安定性がより良好であり、剛性がより強く、材料の安定性がより良好であり、寿命の延長に寄与する。また、上記化合物の特定の構造は、OLEDデバイスのホスト材料のキャリア再結合領域を発光層と正孔又は電子輸送層の隣接する界面から離間させることに一層寄与し、OLEDデバイスの色純度を向上させるとともに、励起子の輸送層へのリターンを防止し、デバイス効率をさらに向上させることができる。
【0031】
本発明に記載される縮合多環化合物は、HOMOエネルギー準位及びLUMOエネルギー準位が隣接する正孔輸送層、電子輸送層にマッチングすることにより、OLEDデバイスは、小さい駆動電圧を有する。また、上記化合物は、OLEDデバイスにおいて発光層のホスト材料として用いられ、高い三重項エネルギー準位とガラス転移温度、及び良好な熱的安定性を有し、ホスト材料からゲスト材料へのエネルギーの効率的な伝達を確保し、発光層の材料分子の結晶化を防止することができる。
【0032】
本発明に記載される化合物は、小さい一重項(ΔES1)と三重項(ΔET1)とのエネルギー準位差を有し、三重項励起子から一重項励起子への逆項間交差を促進する。一方で、ホスト材料の三重項T1から一重項S1への高逆項間交差(RISC)速度により、ホスト材料から発光染料へのデクスターエネルギー移動(DET)を抑制し、Forsterエネルギー移動を促進し、デクスターエネルギー移動(DET)による励起子の損失を低減させ、有機エレクトロルミネッセンスデバイスの効率のロールオフ効果を回避し、デバイスの外部量子効率を向上させ、高いデバイス効率を実現することができる。
【0033】
2)本発明で提供される縮合多環化合物において、さらに、R15~R23は、同じであっても異なってもよく、少なくとも1つは、重水素、重水素化メチル基、重水素化フェニル基、重水素化メチル置換フェニル基のうちの1種から選択される。重水素原子は、井戸型ポテンシャルがより低く、振動周波数がより低く、振幅がより小さく、かつ炭素-重水素結合がより安定していることにより、有機エレクトロルミネッセンスデバイスの発光効率及び使用寿命の向上に寄与する。さらに、R19、R21、R23の少なくとも1つは、重水素、重水素化メチル基、重水素化フェニル基、重水素化メチル置換フェニル基のうちの1種から選択される。オルト・パラ効果により、有機エレクトロルミネッセンスデバイスの使用寿命をさらに向上させる。さらに、本発明では、R15~R18が、同じであっても異なってもよく、少なくとも1つの水素を含有し、及び/又は、R19~R23が、同じであっても異なってもよく、少なくとも1つの水素を含有することを限定することにより、構造
【0034】
【化22】
【0035】
における置換基がすべて重水素置換基であるわけではなく、
【0036】
この構造は、上記特定の窒素複素環構造と相まって、デバイスの使用寿命の向上に一層寄与する。
【0037】
3)本発明で提供される有機エレクトロルミネッセンス(OLED)デバイスにおいて、上記発光層におけるホスト材料は、上記縮合多環化合物のいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含み、上記特定の縮合多環化合物を発光層のホスト材料として用いることにより、ホスト材料における電荷と正孔の輸送バランスが良好になり、発光層における正孔と電子の再結合領域を拡大し、励起子の濃度を低下させ、デバイスの三重項-三重項消滅を防止し、デバイスの効率を向上させる。
【0038】
また、上記化合物の特定の構造は、OLEDデバイスのホスト材料のキャリア再結合領域を発光層と正孔又は電子輸送層の隣接する界面から離間させることに一層寄与し、OLEDデバイスの色純度を向上させるとともに、励起子の輸送層へのリターンを防止し、デバイス効率をさらに向上させることができる。
【0039】
本発明に記載される縮合多環化合物は、HOMOエネルギー準位及びLUMOエネルギー準位が隣接する正孔輸送層、電子輸送層にマッチングすることにより、OLEDデバイスは、小さい駆動電圧を有する。また、上記化合物は、OLEDデバイスにおいて発光層のホスト材料として用いられ、高い三重項エネルギー準位とガラス転移温度、及び良好な熱的安定性を有し、ホスト材料からゲスト材料へのエネルギーの効率的な伝達を確保し、発光層の材料分子の結晶化を防止することができる。
【0040】
本発明に記載される化合物は、一重項エネルギー準位が高いことにより、ホスト材料からゲスト材料へのエネルギーの効率的な伝達を確保でき、一重項(ΔES1)と三重項(ΔET1)のエネルギー準位差が小さいことにより、三重項励起子から一重項励起子への逆項間交差を促進する。一方で、ホスト材料の三重項状態T1から一重項状態S1への高逆項間交差(RISC)速度により、ホスト材料から発光染料へのデクスターエネルギー移動(DET)を抑制し、Forsterエネルギー移動を促進し、デクスターエネルギー移動(DET)による励起子の損失を低減させ、有機エレクトロルミネッセンスデバイスの効率のロールオフ効果を回避し、デバイスの外部量子効率を向上させ、高いデバイス効率を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
本発明の具体的な実施形態又は従来技術における技術方案をより明確に説明するために、以下では、具体的な実施形態又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明する。以下に述べる図面は、本発明の幾つかの実施形態であり、本分野の通常の技術者であれば、創造的な労働をしない前提で、これらの図面によりその他の図面を得ることもできることは自明である。
【0042】
図1】本発明に係るデバイスの実施例1~18及び比較例1~2における有機エレクトロルミネッセンスデバイスの構造の模式図である。
図2】本発明に係る化合物10のHOMOエネルギー準位、LUMOエネルギー準位、及び一重項-三重項のエネルギー準位差△Estの理論的計算結果の比較図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明をより一層深く理解するために、以下の実施例を提供するが、本発明に記載される最適な実施形態に限らず、本発明の内容及び保護範囲が制限されない。いかなる人も本発明の示唆により、或いは本発明をその他の従来技術の特徴と組み合わせて得られる本発明と同じ又は類似するいかなる製品も、本発明の保護範囲内に入る。
実施例で具体的な実験ステップ又は条件が明記されていないものは、本分野における文献に述べたルーチンの実験ステップの操作又は条件に従い行うことができる。使用される試薬又は機器に製造メーカーが明記されていないものは、いずれも市販品を購入することで入手できるルーチンの試薬製品である。
【実施例
【0044】
実施例1
本実施例は、中間体3-1、中間体3-2、中間体3-3及び中間体3-4を提供する。その合成経路は、以下のとおりである。
【0045】
【化23】
【0046】
中間体3-1の製造方法は、具体的に以下のステップを含む。500mLの二つ口丸底フラスコを取り、そこに撹拌子を入れて還流管を接続し、二つ口丸底フラスコを乾燥した後に窒素ガスを充填した。二つ口丸底フラスコにそれぞれ化合物N3(23.8g、1.2当量、0.12mol)、化合物N4(12.3g、0.1mol)、炭酸カリウム(0.15mol)、エタノール(50mL)、水(50mL)、トルエン(200mL)、テトラ(トリフェニルホスフィン)パラジウム(5mmol)を入れ、その後、還流するまで加熱し、12時間反応し、反応終了後に室温まで冷却し、水200mLを添加して消光させ、ジクロロメタン(3×400mL)で抽出し、抽出液を収集し、得られた抽出液に硫酸マグネシウムを添加して乾燥、濾過及び濾液の遠心脱水を行い、粗生成物を得た。粗生成物をクロマトグラフィーにより精製し(酢酸エチル/ヘキサン、体積比1/10)、中間体3-1(16.6g、収率69%)を得た。
【0047】
【化24】
【0048】
中間体3-2の製造方法は、化合物N4の代わりに化合物N5(12.31g、1.0当量、0.1mol)を用いて中間体3-2(16.9g、収率70%)を得たことで、中間体3-1の製造方法と異なっている。
【0049】
【化25】
【0050】
中間体3-3の製造方法は、化合物N4の代わりに化合物N6(12.4g、0.1mol)を用いて中間体3-3(16.7g、収率69%)を得たことで、中間体3-1の製造方法と異なっている。
【0051】
【化26】
【0052】
中間体3-4の製造方法は、化合物N4の代わりに化合物N7(12.5g、0.1mol)を用いて中間体3-4(16.3g、収率67%)を得たことで、中間体3-1の製造方法と異なっている。
【0053】
実施例2
本実施例は、縮合多環化合物を提供する。化合物10の合成経路は、以下のとおりである。
【0054】
【化27】
【0055】
化合物10の製造方法は、具体的に以下のステップを含む。
1)中間体1-10の合成:三つ口フラスコに酢酸(500mL)、化合物N16(72.0g、0.20mol)を入れ、その後、0℃で質量分率65%の濃硝酸(20.3g、0.21mol)を滴下し、滴下完了後に、0℃で2時間撹拌し、反応液を氷水800mLに入れ、水酸化ナトリウムを添加してpH=6~7になるまで中和し、酢酸エチルで抽出し(500mL×2)、抽出液を合わせた後に飽和食塩水で洗浄し(200ml×2)、硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥後の有機相を遠心脱水して粗生成物78.2gを得、カラムクロマトグラフィーにより精製した(PE:EA=20:1~5:1)後、中間体1-10(63.5g、収率78.4%)を得た。
【0056】
2)中間体2-10の合成:三つ口フラスコに中間体1-10(40.5g、0.10mol)、化合物N17(29.3g、0.10mol)、炭酸カリウム(27.6g、0.20mol)、テトラヒドロフラン-水(テトラヒドロフランと水の体積比3:1、400mL)を入れ、窒素の脱保護をした後、テトラ(トリフェニルホスフィン)パラジウム(5mmol)を添加し、再び窒素の脱保護をし、75℃まで昇温して4時間撹拌し、降温し、水(200mL)を入れて溶解させた後、酢酸エチルで抽出し(200mL×2)、有機相を遠心脱水した後に粗生成物55.3gを得、カラムクロマトグラフィーにより精製した(PE:EA=10:1~5:1)後、中間体2-10(40.3g、収率76.5%)を得た。
【0057】
3)中間体3-10の合成:酢酸(200mL)に中間体2-10(26.3g、0.050mol)を入れ、鉄粉(14g、0.25mol)を添加し、室温で2時間撹拌し、鉄粉を濾過し、酢酸を遠心脱水し、粗生成物35gを得、カラムクロマトグラフィーにより精製した(PE:EA=5:1~3:1)後、中間体3-10(22.1g、収率89.1%)を得た。
【0058】
4)中間体4-10の合成:三つ口フラスコに中間体3-10(14.9g、0.030mol)、キシレン(120mL)、質量分率10%のトリ-t-ブチルホスフィンのキシレン溶液(6.0g、4mol%)、ナトリウムt-ブトキシド(5.77g、0.060mol)を入れ、窒素の脱保護をした後、Pd(dba)(1.5mmol)を入れ、再び窒素の脱保護をし、140℃まで昇温して4時間撹拌し、室温まで冷却し、キシレンを遠心脱水した後、直接にカラムクロマトグラフィーにより精製した(PE:EA=5:1~2:1)後、中間体4-10(9.4g、収率75.7%)を得た。
【0059】
5)化合物10の合成:三つ口フラスコに中間体4-10(8.3g、0.020mol)、中間体3-1(7.2g、0.030mol)、ナトリウムt-ブトキシド(3.85g、0.040mol)、xphos(400mg)、キシレン(60mL)を入れ、窒素の脱保護をした後、テトラ(トリフェニルホスフィン)パラジウム(200mg)を添加し、再び窒素の脱保護をし、140℃まで昇温して4時間撹拌し、降温し、有機相を遠心脱水した後に、カラムクロマトグラフィーにより精製した(PE:EA=4:1~2:1)後、キシレン、テトラヒドロフランでそれぞれ3回叩解した後(100mL×6)、化合物10(7.3g、収率58.0%)を得た。
【0060】
元素分析:(C4328DNS)理論値:C:83.20、H:4.87、N:6.77、S:5.16、実測値:C:83.23、H:4.86、N:6.76、S:5.15、HRMS(ESI)m/z(M):理論値:620.2145、実測値:620.2147。
【0061】
実施例3
本実施例は、縮合多環化合物を提供する。化合物22の合成経路は、以下のとおりである。
【0062】
【化28】
【0063】
化合物22の製造方法は、具体的に以下のステップを含む。
1)中間体1-22の合成:その合成方法は、中間体1-10の合成と同じであり、化合物N16の代わりに化合物N18(72g、0.2mol)を用いて中間体1-22(63.2g、収率78%)を得たことで異なっている。
【0064】
2)中間体2-22の合成:その合成方法は、中間体2-10の合成と同じであり、中間体1-10の代わりに中間体1-22(40.50g、0.1mol)を用いて中間体2-22(40.1g、収率76.3%)を得たことで異なっている。
【0065】
3)中間体3-22の合成:その合成方法は、中間体3-10の合成と同じであり、中間体2-10の代わりに中間体2-22(26.25g、0.05mol)を用いて中間体3-22(19.7g、収率91.2%)を得たことで異なっている。
【0066】
4)中間体4-22の合成:その合成方法は、中間体4-10の合成と同じであり、中間体3-10の代わりに中間体3-22(12.93g、0.03mol)を用いて中間体4-22(9.3g、収率75.1%)を得たことで異なっている。
【0067】
5)化合物22の合成:その合成方法は、化合物10の合成と同じであり、中間体4-10の代わりに中間体4-22(8.3g、0.02mol)を用いて化合物22(6.8g、収率55.1%)を得たことで異なっている。
【0068】
元素分析:(C4328DNS)理論値:C:83.20、H:4.87、N:6.77、S:5.16、実測値:C:83.22、H:4.86、N:6.76、S:5.16、HRMS(ESI)m/z(M):理論値:620.2145、実測値:620.2146。
【0069】
実施例4
本実施例は、縮合多環化合物を提供する。化合物26の合成経路は、以下のとおりである。
【0070】
【化29】
【0071】
化合物26の製造方法は、具体的に以下のステップを含む。
1)中間体1-26の合成:三つ口フラスコに中間体1-10(81.0g、0.20mol)、2-メルカプト-1-ナフタレンボロン酸(化合物N19)(49.0g、0.24mol)、炭酸カリウム(55.2g、0.40mol)、テトラヒドロフラン-水(テトラヒドロフランと水の体積比3:1、600mL)を入れ、窒素の脱保護をした後、テトラ(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.0g)を添加し、再び窒素の脱保護をし、75℃まで昇温して4時間撹拌し、降温し、水(300mL)を入れて溶解させた後、酢酸エチル(300mL×2)を添加して抽出し、有機相を遠心脱水した後に粗生成物を得、カラムクロマトグラフィーにより精製した(PE:EA=8:1~3:1)後、中間体1-26(62.5g、収率71.4%)を得た。
【0072】
2)中間体2-26の合成:酢酸(300mL)に中間体1-26(43.7g、0.10mol)を入れ、鉄粉(28g、0.50mol)を添加し、室温で2時間撹拌し、鉄粉を濾過し、酢酸を遠心脱水し、粗生成物を得、カラムクロマトグラフィーにより精製した(PE:EA=5:1~2:1)後、中間体2-26(37g、収率91%)を得た。
【0073】
3)中間体3-26の合成:三つ口フラスコに中間体2-26(20.4g、0.050mol)をDMF(100mL)に溶解させ、臭化カリウム(1.19g、0.010mol)を添加し、110℃で12時間反応し、冷却し、溶剤を遠心脱水し、水(100mL)を入れて希釈し、酢酸エチル(100mL×2)を添加して抽出し、有機相を合わせた後の有機相に飽和食塩水を添加して洗浄し(100mL×2)、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶剤を遠心脱水した後、粗生成物3-26(18.5g)を得、カラムクロマトグラフィーにより精製した(PE:EA=3:1~1:1)後、遠心脱水して中間体3-26(13.5g、収率66.6%)を得た。
【0074】
4)化合物26の合成:三つ口フラスコに中間体3-26(8.1g、0.020mol)、中間体3-1(7.23g、0.030mol)、ナトリウムt-ブトキシド(3.85g、0.040mol)、xphos(400mg)、キシレン(60mL)を入れ、窒素の脱保護をした後、テトラ(トリフェニルホスフィン)パラジウム(200mg)を添加し、再び窒素の脱保護をし、140℃まで昇温して4時間撹拌し、降温し、有機相を遠心脱水した後に、カラムクロマトグラフィーにより精製し(PE:EA=4:1~2:1)、化合物26の粗生成物を得、化合物26の粗生成物をキシレン、テトラヒドロフランでそれぞれ3回叩解した後(80mL×6)、化合物26(7.8g、収率64%)を得た。
【0075】
元素分析:C4022DN理論値:C:78.66、H:3.96、N:6.88、実測値:C:78.64、H:3.96、N:6.89、HRMS(ESI)m/z(M):理論値:610.1396、実測値:610.1400。
【0076】
実施例5
本実施例で提供される中間体2の合成経路は、以下のとおりである。
【0077】
【化30】
【0078】
中間体2の製造方法は、具体的に以下のステップを含む。
1)中間体1の合成:500mLの二つ口丸底フラスコを取り、そこに撹拌子を入れて還流管を接続し、二つ口丸底フラスコを乾燥した後に窒素ガスを充填した。二つ口丸底フラスコにそれぞれ化合物N1(30.1g、0.12mol)、化合物N2(27.8g、0.1mol)、炭酸カリウム(27.6g、0.2mol)、テトラヒドロフラン-水(テトラヒドロフランと水の体積比3:1、200mL)を入れ、窒素の脱保護をした後、テトラ(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.0g)を添加し、再び窒素の脱保護をし、75℃まで昇温して4時間撹拌し、降温し、水(150mL)を入れて溶解させた後、酢酸エチル(150mL×2)を添加して抽出し、有機相を遠心脱水した後に粗生成物を得、カラムクロマトグラフィーにより精製した(PE:EA=20:1~8:1)後、黄色の固体(65.4g、収率81%)の中間体1を得た。
【0079】
2)中間体2の合成:500mLの二つ口丸底フラスコを取り、そこに撹拌子を入れて還流管を接続し、二つ口丸底フラスコを乾燥した後に窒素ガスを充填した。二つ口丸底フラスコにそれぞれ中間体1(40.5g、0.1mol)、亜リン酸トリエチル(250mL)を入れ、120℃で16時間撹拌し、冷却し、溶剤を遠心脱水し、水(200mL)を入れ、酢酸エチル(200mL×2)で抽出し、有機相を合わせ、有機相を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、遠心脱水して粗生成物41.5gを得、カラムクロマトグラフィーにより精製した(PE:EA=10:1~5:1)後、遠心脱水して中間体2(30.2g、収率81%)を得た。
【0080】
実施例6
本実施例は、縮合多環化合物を提供する。化合物36の合成経路は、以下のとおりである。
【0081】
【化31】
【0082】
化合物36の製造方法は、具体的に以下のステップを含む。
化合物36の合成:500mLの二つ口丸底フラスコを取り、そこに撹拌子を入れて還流管を接続し、二つ口丸底フラスコを乾燥した後に窒素ガスを充填した。二つ口丸底フラスコにそれぞれ中間体3-1(24.1g、0.1mol)、中間体2(37.3g、0.1mol)、tert-BuNa(ナトリウムt-ブトキシド、0.3mol)、xphos(2g)を入れ、その後、キシレン(100ml)、Pd[PPh(テトラ(トリフェニルホスフィン)パラジウム、0.005mol)を入れ、混合物を140℃で5時間撹拌し、反応した後に室温まで冷却した。反応系を濾過した後に濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィーにより精製し(酢酸エチル/ヘキサン、体積比1/10)、化合物36(42.2g、収率73%)を得た。
【0083】
元素分析:C4022DNS理論値:C:83.02、H:4.18、N:7.26、実測値:C:83.05、H:4.16、N:7.25、HRMS(ESI)m/z(M):理論値:578.1675、実測値:578.1681。
【0084】
実施例7
本実施例は、縮合多環化合物を提供する。化合物37の合成経路は、以下のとおりである。
【0085】
【化32】
【0086】
化合物37の製造方法は、具体的に以下のステップを含む。
化合物37の合成:その合成方法は、化合物36の合成方法と同じであり、中間体3-1の代わりに中間体3-2(24.1g、0.1mol)を用いて化合物37(41.1g、収率71%)を得たことで異なっている。
【0087】
元素分析:C4022DNS理論値:C:83.02、H:4.18、N:7.26、実測値:C:83.07、H:4.16、N:7.25、HRMS(ESI)m/z(M):理論値:578.1675、実測値:578.1671。
【0088】
実施例8
本実施例は、縮合多環化合物を提供する。化合物38の合成経路は、以下のとおりである。
【0089】
【化33】
【0090】
化合物38の製造方法は、具体的に以下のステップを含む。
化合物38の合成:その合成方法は、化合物36の合成方法と同じであり、中間体3-1の代わりに中間体3-3(24.2g、0.1mol)を用いて化合物38(41.0g、収率71%)を得たことで異なっている。
【0091】
元素分析:C4021S理論値:C:82.87、H:4.35、N:7.25、実測値:C:82.83、H:4.37、N:7.27、HRMS(ESI)m/z(M):理論値:579.1738、実測値:579.1742。
【0092】
実施例9
本実施例は、縮合多環化合物を提供する。化合物39の合成経路は、以下のとおりである。
【0093】
【化34】
【0094】
化合物39の製造方法は、具体的に以下のステップを含む。
化合物39の合成:その合成方法は、化合物36の合成方法と同じであり、中間体3-1の代わりに中間体3-4(24.3g、0.1mol)を用いて化合物39(39.5g、収率68%)を得たことで異なっている。
【0095】
元素分析:C4020S理論値:C:82.73、H:4.51、N:7.24、実測値:C:82.77、H:4.51、N:7.22、HRMS(ESI)m/z(M):理論値:580.1801、実測値:580.1808。
【0096】
実施例10
本実施例は、縮合多環化合物を提供する。化合物46の合成経路は、以下のとおりである。
【0097】
【化35】
【0098】
化合物46の製造方法は、具体的に以下のステップを含む。
中間体3-5の合成:その合成方法は、中間体3-1の合成方法と同じであり、化合物N4の代わりに化合物N8(13.9g、0.1mol)を用いて中間体3-5(16.5g、収率64%)を得たことで異なっている。
【0099】
化合物46の合成:その合成方法は、化合物36の合成方法と同じであり、中間体3-1の代わりに中間体3-5(25.7g)を用いて化合物46(40.4g、収率68%)を得たことで異なっている。
【0100】
元素分析:C4122S理論値:C:82.80、H:4.74、N:7.07、実測値:C:82.83、H:4.73、N:7.06、HRMS(ESI)m/z(M):理論値:594.1957、実測値:594.1962。
【0101】
実施例11
本実施例は、縮合多環化合物を提供する。化合物47の合成経路は、以下のとおりである。
【0102】
【化36】
【0103】
化合物47の製造方法は、具体的に以下のステップを含む。
中間体3-6の合成:その合成方法は、中間体3-1の合成方法と同じであり、化合物N4の代わりに化合物N9(13.9g、0.1mol)を用いて中間体3-6(16.7g、収率65%)を得たことで異なっている。
【0104】
化合物47の合成:その合成方法は、化合物36の合成方法と同じであり、中間体3-1の代わりに中間体3-6(25.7g)を用いて化合物47(40.4g、収率68%)を得たことで異なっている。
【0105】
元素分析:C4122S理論値:C:82.80、H:4.74、N:7.07、実測値:C:82.82、H:4.73、N:7.06、HRMS(ESI)m/z(M):理論値:594.1957、実測値:594.1963。
【0106】
実施例12
本実施例は、縮合多環化合物を提供する。化合物48の合成経路は、以下のとおりである。
【0107】
【化37】
【0108】
化合物48の製造方法は、具体的に以下のステップを含む。
中間体3-7の合成:その合成方法は、中間体3-1の合成方法と同じであり、化合物N4の代わりに化合物N10(15.6g、0.1mol)を用いて中間体3-7(17.3g、収率63%)を得たことで異なっている。
【0109】
化合物48の合成:その合成方法は、化合物36の合成方法と同じであり、中間体3-1の代わりに中間体3-7(27.4g)を用いて化合物48(39.7g、収率65%)を得たことで異なっている。
【0110】
元素分析:C4221S理論値:C:82.46、H:5.44、N:6.87、実測値:C:82.48、H:5.43、N:6.86、HRMS(ESI)m/z(M):理論値:611.2302、実測値:611.2308。
【0111】
実施例13
本実施例は、縮合多環化合物を提供する。化合物49の合成経路は、以下のとおりである。
【0112】
【化38】
【0113】
中間体3-8の合成:その合成方法は、中間体3-1の合成方法と同じであり、化合物N4の代わりに化合物N11(17.3g、1当量、0.1mol)を用いて中間体3-8(17.8g、収率61%)を得たことで異なっている。
【0114】
化合物49の合成:その合成方法は、化合物36の合成方法と同じであり、中間体3-1の代わりに中間体3-8(29.1g)を用いて化合物49(40.2g、収率64%)を得たことで異なっている。
【0115】
元素分析:C4320S理論値:C:82.13、H:6.09、N:6.68、実測値:C:82.12、H:6.09、N:6.69、HRMS(ESI)m/z(M):理論値:628.2647、実測値:628.2653。
【0116】
実施例14
本実施例は、縮合多環化合物を提供する。化合物73の合成経路は、以下のとおりである。
【0117】
【化39】
【0118】
化合物73の製造方法は、具体的に以下のステップを含む。
1)化合物N22の合成:化合物N22の合成方法は、中間体1-10と同じであり、
【化40】
の代わりに
【化41】
を0.2mol用い、収率が74%であったことで異なっている。
【0119】
2)中間体1-73の合成:三つ口フラスコに化合物N22(38.9g、0.10mol)、化合物N21(21.7g、0.10mol)、炭酸カリウム(27.6g、0.20mol)、テトラヒドロフラン-水(テトラヒドロフランと水の体積比3:1、400mL)を入れ、窒素の脱保護をした後、テトラ(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.0g)を添加し、再び窒素の脱保護をし、75℃まで昇温して4時間撹拌し、降温し、水(200mL)を入れて溶解させた後、酢酸エチルで抽出し(200mL×2)、有機相を遠心脱水した後に粗生成物46.3gを得、カラムクロマトグラフィーにより精製した(PE:EA=20:1~10:1)後、中間体1-73(32.1g、収率74%)を得た。
【0120】
3)中間体2-73の合成:三つ口フラスコに中間体1-73(21.7g、0.05mol)を入れ、イソプロパノール(200mL)を添加して溶解させ、二酸化チタン(8.0g、0.10mol)を入れ、窒素の保護下で、紫外線灯で16時間照射して反応し、溶剤を遠心脱水し、残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製した(PE:EA=15:1~5:1)後、中間体2-73(12.0g、収率65%)を得た。
4)化合物73の合成:三つ口フラスコに中間体2-73(7.4g、0.02mol)を入れ、無水テトラヒドロフラン(50mL)を添加し、-78℃まで降温し、フェニルリチウム(20mL、0.02mol)を滴下し、温度を-78℃に保持して2時間撹拌し、そして、化合物
【化42】
(4.5g、0.02mol)のテトラヒドロフラン溶液(30mL)を滴下し、滴下完了後、-78℃で2時間保温し、室温まで昇温して一夜経過した。水(100mL)を入れて消光させ、酢酸エチル(100mL×2)を添加して抽出し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、遠心脱水して粗生成物12.5gを得、カラムクロマトグラフィーにより精製した(PE:EA=7:1~3:1)後、化合物73(8.2g、収率63%)を得た。
【0121】
元素分析:C4627DNO理論値:C:84.51、H:4.47、N:8.57、実測値:C:84.54、H:4.48、N:8.58、HRMS(ESI)m/z(M):理論値:653.2326、実測値:653.2334。
【0122】
実施例15
本実施例は、縮合多環化合物を提供する。化合物67の合成経路は、以下のとおりである。
【0123】
【化43】
【0124】
化合物67の製造方法は、具体的に以下のステップを含む。
1)中間体1-67の合成:三つ口フラスコに中間体1-10(81.0g、0.20mol)、1-ナフタレンボロン酸(41.3g、0.24mol)、炭酸カリウム(55.2g、0.40mol)、テトラヒドロフラン-水(テトラヒドロフランと水の体積比3:1、500mL)を入れ、窒素の脱保護をした後、テトラ(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.0g)を添加し、再び窒素の脱保護をし、75℃まで昇温して4時間撹拌し、降温して抽出し、有機相を遠心脱水した後に粗生成物100.5gを得、カラムクロマトグラフィーにより精製した(PE:EA=10:1~5:1)後、中間体1-67(60.5g、収率74.6%)を得た。
【0125】
2)中間体2-67の合成:酢酸(300mL)に中間体1-67(40.5g、0.10mol)を入れ、鉄粉(28g、0.50mol)を添加し、室温で2時間撹拌し、鉄粉を濾過し、酢酸を遠心脱水し、粗生成物50gを得、カラムクロマトグラフィーにより精製した(PE:EA=5:1~3:1)後、中間体2-67(34.2g、収率91.1%)を得た。
【0126】
3)中間体3-67の合成:三つ口フラスコに中間体2-67(18.8g、0.05mol)、ジクロロフェニルボラン(9.5g、0.06mol)、無水トルエン(150mL)、三塩化アルミニウム(10.0g、0.08mol)を入れ、窒素の保護下で、トルエンを4時間還流させ、冷却し、濾過し、濾液を飽和食塩水で洗浄し(100mL)、遠心脱水した後に、トルエンで2回叩解し(100mL×2)、中間体3-67(15.0g、65%)を得た。
【0127】
4)化合物67の合成:三つ口フラスコに中間体3-67(9.2g、0.020mol)、中間体3-1(7.22g、0.030mol)、ナトリウムt-ブトキシド(3.9g、0.040mol)、xphos(400mg)、キシレン(60mL)を入れ、窒素の脱保護をした後、テトラ(トリフェニルホスフィン)パラジウム(200mg)を添加し、再び窒素の脱保護をし、140℃まで昇温して4時間撹拌し、降温し、有機相を遠心脱水した後に、残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製し(PE:EA=4:1~2:1)、その後、キシレン、テトラヒドロフランでそれぞれ3回叩解した後(80mL×6)、製品である化合物67(8.2g、収率62%)を得た。
元素分析:(C4627DBNS)理論値:C:82.88、H:4.38、N:6.30、S:4.81、実測値:C:82.90、H:4.38、N:6.29、S:4.80、HRMS(ESI)m/z(M):理論値:666.2160、実測値:666.2167。
【0128】
実施例16
本実施例は、縮合多環化合物を提供する。化合物107の合成経路は、以下のとおりである。
【0129】
【化44】
【0130】
化合物107の製造方法は、具体的に以下のステップを含む。
化合物N28の合成:化合物N28の合成方法は、中間体1-10と同じであり、
【化40】
の代わりに
【化45】
を0.1mol用い、収率が71%であったことで異なっている。
【0131】
中間体1-107の合成:その合成方法は、中間体1-67の合成と同じであり、中間体1-10の代わりに化合物N28(77.8g、0.20mol)を用い、化合物N25の代わりに化合物N29を用いて中間体1-107(56.8g、収率73.0%)を得たことで異なっている。
【0132】
中間体2-107の合成:その合成方法は、中間体2-67の合成と同じであり、中間体1-67の代わりに中間体1-107(38.9g、0.01mol)を用いて中間体2-107(33.5g、収率93.2%)を得たことで異なっている。
【0133】
中間体3-107の合成:その合成方法は、中間体3-67の合成と同じであり、中間体2-67の代わりに中間体2-107(18.0g、0.05mol)を用いて中間体3-107(14.9g、収率67%)を得たことで異なっている。
【0134】
化合物107の合成:その合成方法は、化合物67の合成と同じであり、中間体3-67の代わりに中間体3-107(8.9g、0.02mol)を用いて化合物107(8.2g、収率63.0%)を得たことで異なっている。
【0135】
元素分析:(C4627DBNO)理論値:C:84.93、H:4.49、N:6.46、実測値:C:84.97、H:4.49、N:6.45、HRMS(ESI)m/z(M):理論値:650.2388、実測値:650.2394。
【0136】
実施例17
本実施例は、縮合多環化合物を提供する。化合物92の合成経路は、以下のとおりである。
【0137】
【化46】
【0138】
化合物92の製造方法は、具体的に以下のステップを含む。
化合物N30の合成:その合成方法は、中間体2-67の合成と同じであり、原料として、化合物
【化40】
の代わりに化合物
【化47】
を用い、最終的な収率が26%であったことで異なっている。その合成経路は以下のとおりである。
【0139】
【化48】
【0140】
中間体2-92の合成:三つ口フラスコに化合物N30(75.1g、0.20mol)を入れ、ベンゼン(500mL)、無水三塩化リン(27.5g、0.2mol)を添加し、窒素の保護下で、16時間還流させ、冷却した後に、ロータリー蒸発でベンゼンを除去した後、無水三塩化アルミニウム(3.1g、0.02mol)を添加し、反応混合物を180℃で5時間反応させ、冷却した後に、カラムクロマトグラフィーにより精製した(PE:EA=5:1~3:1)後、中間体2-92(62.5g、収率71.1%)を得た。
【0141】
中間体3-92の合成:三つ口フラスコに中間体2-92(44.0g、0.10mol)を入れ、無水テトラヒドロフラン(300mL)を添加し、窒素の保護下で、0℃でフェニルグリニャール試薬(150mL、0.30mol)を滴下し、滴下完了後に、室温で12時間撹拌した後、2時間還流させ、冷却した後に、氷水(300mL)に入れ、5%塩酸を添加してpHが中性になるまで調整し、ジクロロメタン(200mL×2)を添加して抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄し(200mL)、硫酸ナトリウムで乾燥し、遠心脱水して粗生成物59gを得、粗生成物をエチルエーテル:ジクロロメタン(体積比1:1、400mL)で再結晶化し、中間体3-92(30.5g、収率63.3%)を得た。
【0142】
化合物92の合成:三つ口フラスコに中間体3-92(9.6g、0.020mol)、中間体3-1(7.2g、0.030mol)、ナトリウムt-ブトキシド(3.9g、0.040mol)、xphos(400mg)、キシレン(60mL)を入れ、窒素の脱保護をした後、テトラ(トリフェニルホスフィン)パラジウム(200mg)を添加し、再び窒素の脱保護をし、140℃まで昇温して4時間撹拌し、降温し、有機相を遠心脱水し、その後、カラムクロマトグラフィーにより精製した(PE:EA=8:1~4:1)後、化合物92の粗生成物(12.2g)を得、化合物92の粗生成物をキシレン、テトラヒドロフランでそれぞれ3回叩解した後(80mL×6)、化合物92(7.7g、収率56%)を得た。
【0143】
元素分析:(C4627DNPS)理論値:C:80.45、H:4.26、N:6.12、S:4.67、実測値:C:80.48、H:4.26、N:6.12、S:4.65、HRMS(ESI)m/z(M):理論値:686.1804、実測値:686.1809。
【0144】
実施例18
本実施例は、縮合多環化合物を提供する。化合物95の合成経路は、以下のとおりである。
【0145】
【化49】
【0146】
化合物95の製造方法は、具体的に以下のステップを含む。
中間体2-95の合成:その合成方法は、中間体2-92の合成と同じであり、N30の代わりに中間体2-67(75g、0.20mol)を用いて中間体2-95(63.0g、収率71.8%)を得たことで異なっている。
【0147】
中間体3-95の合成:その合成方法は、中間体3-92の合成と同じであり、中間体2-92の代わりに中間体2-95(43.9g、0.1mol)を用いて中間体3-95(29.4g、収率61.2%)を得たことで異なっている。
【0148】
化合物95の合成:その合成方法は、化合物92の合成と同じであり、中間体2-95の代わりに中間体3-95(9.6g、0.02mol)を用いて化合物95(7.9g、収率57.8%)を得たことで異なっている。
【0149】
元素分析:(C4627DNPS)理論値:C:80.45、H:4.26、N:6.12、S:4.67、実測値:C:80.48、H:4.25、N:6.12、S:4.68、HRMS(ESI)m/z(M):理論値:686.1804、実測値:686.1811。
【0150】
実施例19
本実施例は、縮合多環化合物を提供する。化合物105の合成経路は、以下のとおりである。
【0151】
【化50】
【0152】
化合物105の製造方法は、具体的に以下のステップを含む。
化合物N32の合成:化合物N32の合成方法は、中間体2-67と同じであり、化合物
【化40】
の代わりに化合物
【化51】
を0.2mol用い、最終的な収率が23%であったことで異なっている。その合成経路は、以下のとおりである。
【0153】
【化52】
【0154】
中間体2-105の合成:その合成方法は、中間体2-92の合成と同じであり、化合物N30の代わりに化合物N32(71.8g、0.20mol)を用いて中間体2-105(63.5g、収率75.1%)を得たことで異なっている。
【0155】
中間体3-105の合成:その合成方法は、中間体3-92の合成と同じであり、中間体2-92の代わりに中間体2-105(42.3g、0.1mol)を用いて中間体3-105(28.4g、収率61.0%)を得たことで異なっている。
【0156】
化合物105の合成:その合成方法は、化合物92の合成と同じであり、中間体2-105の代わりに中間体3-105(9.3g、0.02mol)を用いて化合物105(7.9g、収率57.8%)を得たことで異なっている。
【0157】
元素分析:(C4727PO)理論値:C:82.20、H:4.84、N:6.12、実測値:C:82.24、H:4.83、N:6.11、HRMS(ESI)m/z(M):理論値:686.2315、実測値:686.2321。
【0158】
実施例20
本実施例は、縮合多環化合物を提供する。化合物133の合成経路は、以下のとおりである。
【0159】
【化53】
【0160】
化合物133の製造方法は、化合物36と同じであり、中間体3-1の代わりに
【化54】
を用いて化合物133を得、収率が66%であったことで異なっている。
【0161】
元素分析:C4023S理論値:C:83.16、H:4.01、N:7.27、S:5.55、実測値:C:83.19、H:4.01、N:7.25、S:5.54、HRMS(ESI)m/z(M):理論値:577.1613、実測値:577.1619。
【0162】
デバイスの実施例1
本実施例は、下から順に積層して設けられた陽極1、正孔注入層2、正孔輸送層3、有機発光層4、電子輸送層5、電子注入層6及び陰極7を含む有機エレクトロルミネッセンスデバイスを提供する。上記デバイスは、ITO/正孔注入層(HIL)(30nm)/正孔輸送層(HTL)(40nm)/有機発光層(化合物10に化合物RDをドープしたもの)(40nm)/電子輸送層(ETL)(40nm)/電子注入層(EIL/LiF)(1nm)/陰極(Al)(150nm)である図1に示す具体的な構造に形成された。
有機エレクトロルミネッセンスデバイスにおける陽極1としては、ITO材料が使用される。
正孔注入層2の材料としては、下記のような構造の化合物HAT(CN)が使用される。
【0163】
【化55】
【0164】
正孔輸送層3の材料としては、下記のような構造の化合物NPBが使用される。
【0165】
【化56】
【0166】
有機発光層4は、ホスト材料及びゲスト材料をコドープすることにより形成されたものであり、ホスト材料としては、化合物10が使用され、ゲスト材料としては、化合物RDが使用され、ホスト材料とゲスト材料のドープ質量比が100:5であり、化合物RDの化学構造は、以下のとおりである。
【0167】
【化57】
【0168】
電子輸送層5の材料としては、下記のような構造の化合物CBPが使用される。
【0169】
【化58】
【0170】
電子注入層6の材料としては、下記のような構造の化合物BCPと電子注入材料LiFをドープすることにより形成されたものであり、BCPとLiFのドープ質量比が100:3である。
【0171】
【化59】
【0172】
陰極7としては、金属Alが使用される。
上記有機エレクトロルミネッセンスデバイスの製造は、以下のステップを含む
1)基板洗浄
ITO透明電極が塗布されたガラス基板を業務用洗浄剤(横浜化学科技(常州)有限公司、成分と濃度:エチレングリコール類溶剤≦10wt%、トリエタノールアミン≦1wt%)で超音波処理し、脱イオン水中でリンスし、アセトン:エタノールの混合溶剤(体積比1:1)中で超音波脱脂し、清浄環境下で水分が完全に除去されるまでベークし、その後、紫外光及びオゾンにより洗浄した。
【0173】
2)有機層と陰極の製造
上記陽極層付きガラス基板を真空チャンバー内に置き、1×10-6~2×10-4Paになるまで真空引きし、上記陽極層膜に、正孔注入層としてHAT(CN)を蒸着速度0.1nm/s、蒸着厚さ30nmで真空蒸着した。
正孔注入層に正孔輸送層を蒸着速度0.1nm/s、蒸着膜厚40nmで蒸着した。
正孔輸送層に有機発光層を蒸着した。具体的には、ホスト材料の蒸着速度0.1nm/s、ゲスト材料の蒸着速度0.005nm/s、蒸着総膜厚40nmとなるように、共蒸着により発光層のホスト材料とゲスト材料を真空蒸着した。
有機発光層に1つの電子輸送層を蒸着速度0.1nm/s、蒸着総膜厚40nmで真空蒸着した。
電子輸送層に1つの電子注入層を蒸着速度0.05nm/s、蒸着総膜厚1nmで真空蒸着した。
電子注入層にAlを蒸着速度0.1nm/s、蒸着総膜厚150nmで蒸着した。
【0174】
デバイスの実施例2
本実施例は、有機エレクトロルミネッセンスデバイスを提供する。デバイスの実施例1で提供される有機エレクトロルミネッセンスデバイスとの区別は、有機発光層におけるホスト材料として、化合物22が使用されていることにある。
【0175】
デバイスの実施例3
本実施例は、有機エレクトロルミネッセンスデバイスを提供する。デバイスの実施例1で提供される有機エレクトロルミネッセンスデバイスとの区別は、有機発光層におけるホスト材料として、化合物26が使用されていることにある。
【0176】
デバイスの実施例4
本実施例は、有機エレクトロルミネッセンスデバイスを提供する。デバイスの実施例1で提供される有機エレクトロルミネッセンスデバイスとの区別は、有機発光層におけるホスト材料として、化合物36が使用されていることにある。
【0177】
デバイスの実施例5
本実施例は、有機エレクトロルミネッセンスデバイスを提供する。デバイスの実施例1で提供される有機エレクトロルミネッセンスデバイスとの区別は、有機発光層におけるホスト材料として、化合物37が使用されていることにある。
【0178】
デバイスの実施例6
本実施例は、有機エレクトロルミネッセンスデバイスを提供する。デバイスの実施例1で提供される有機エレクトロルミネッセンスデバイスとの区別は、有機発光層におけるホスト材料として、化合物38が使用されていることにある。
【0179】
デバイスの実施例7
本実施例は、有機エレクトロルミネッセンスデバイスを提供する。デバイスの実施例1で提供される有機エレクトロルミネッセンスデバイスとの区別は、有機発光層におけるホスト材料として、化合物39が使用されていることにある。
【0180】
デバイスの実施例8
本実施例は、有機エレクトロルミネッセンスデバイスを提供する。デバイスの実施例1で提供される有機エレクトロルミネッセンスデバイスとの区別は、有機発光層におけるホスト材料として、化合物46が使用されていることにある。
【0181】
デバイスの実施例9
本実施例は、有機エレクトロルミネッセンスデバイスを提供する。デバイスの実施例1で提供される有機エレクトロルミネッセンスデバイスとの区別は、有機発光層におけるホスト材料として、化合物47が使用されていることにある。
【0182】
デバイスの実施例10
本実施例は、有機エレクトロルミネッセンスデバイスを提供する。デバイスの実施例1で提供される有機エレクトロルミネッセンスデバイスとの区別は、有機発光層におけるホスト材料として、化合物48が使用されていることにある。
【0183】
デバイスの実施例11
本実施例は、有機エレクトロルミネッセンスデバイスを提供する。デバイスの実施例1で提供される有機エレクトロルミネッセンスデバイスとの区別は、有機発光層におけるホスト材料として、化合物49が使用されていることにある。
【0184】
デバイスの実施例12
本実施例は、有機エレクトロルミネッセンスデバイスを提供する。デバイスの実施例1で提供される有機エレクトロルミネッセンスデバイスとの区別は、有機発光層におけるホスト材料として、化合物73が使用されていることにある。
【0185】
デバイスの実施例13
本実施例は、有機エレクトロルミネッセンスデバイスを提供する。デバイスの実施例1で提供される有機エレクトロルミネッセンスデバイスとの区別は、有機発光層におけるホスト材料として、化合物67が使用されていることにある。
【0186】
デバイスの実施例14
本実施例は、有機エレクトロルミネッセンスデバイスを提供する。デバイスの実施例1で提供される有機エレクトロルミネッセンスデバイスとの区別は、有機発光層におけるホスト材料として、化合物107が使用されていることにある。
【0187】
デバイスの実施例15
本実施例は、有機エレクトロルミネッセンスデバイスを提供する。デバイスの実施例1で提供される有機エレクトロルミネッセンスデバイスとの区別は、有機発光層におけるホスト材料として、化合物92が使用されていることにある。
【0188】
デバイスの実施例16
本実施例は、有機エレクトロルミネッセンスデバイスを提供する。デバイスの実施例1で提供される有機エレクトロルミネッセンスデバイスとの区別は、有機発光層におけるホスト材料として、化合物95が使用されていることにある。
【0189】
デバイスの実施例17
本実施例は、有機エレクトロルミネッセンスデバイスを提供する。デバイスの実施例1で提供される有機エレクトロルミネッセンスデバイスとの区別は、有機発光層におけるホスト材料として、化合物105が使用されていることにある。
【0190】
デバイスの実施例18
本実施例は、有機エレクトロルミネッセンスデバイスを提供する。デバイスの実施例1で提供される有機エレクトロルミネッセンスデバイスとの区別は、有機発光層におけるホスト材料として、化合物133が使用されていることにある。
【0191】
比較例1
本比較例は、有機エレクトロルミネッセンスデバイスを提供する。デバイスの実施例1で提供される有機エレクトロルミネッセンスデバイスとの区別は、有機発光層におけるホスト材料として、化合物E-1が使用されていることにある。
【0192】
【化60】
【0193】
比較例2
本比較例は、有機エレクトロルミネッセンスデバイスを提供する。デバイスの実施例1で提供される有機エレクトロルミネッセンスデバイスとの区別は、有機発光層におけるホスト材料として、化合物E-2が使用されていることにある。
【0194】
【化61】
【0195】
試験例1
1、熱分解温度及びガラス転移温度の測定
化合物の熱分解温度の測定:熱重量分析計(TGA 米国TA TGA55)を用いて本発明の材料に対して熱分解温度(Td)試験を行い、試験範囲を室温~600℃とし、昇温速度を10℃/minとし、窒素雰囲気下で、5%重量減少温度を分解温度として定義した。
化合物のガラス転移温度の測定:示差走査熱量計(DSC、米国TA DSC250)を用いて本発明の材料に対してガラス転移温度(Tg)試験を行い、試験範囲を室温~600℃とし、昇温速度を10℃/minとし、降温速度を10℃/minとし、窒素雰囲気下で、昇温と降温を2サイクル行った。
【0196】
2、LUMO及びHOMOエネルギー準位試験
電気化学的ワークステーションを利用してサイクリックボルタンメトリー(CV 上海辰華 CHI-600E)により本発明の材料のHOMOとLUMOエネルギー準位に対して試験を行い、白金フィラメント(Pt)を対電極とし、銀/塩化銀(Ag/AgCl)を基準電極とし、窒素雰囲気下で、0.1Mのテトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスファートを含有するジクロロメタン電解液中に100mV/sの走査速度で試験を行い、フェロセンにより電位校正を行い、フェロセンの電位の真空状態での絶対準位を-4.8eVに設定した。
【0197】
【数1】
【0198】
三重項エネルギー準位の試験条件:トルエンを溶剤とし、受験化合物を溶液(濃度2*10-5mol/L)として配合し、蛍光分光光度計(日立F-4600)を用いて上記溶液に対して-78℃の条件下で試験を行った。ET1(eV)は、化合物の三重項エネルギー準位を示し、以下の式により計算された。
【0199】
T1=1240/λ
【0200】
λは最短紫外光/可視光の吸収波長である。
【0201】
試験結果を表1及び表2に示した。図2には、E(eV)はHOMO-LUMOの準位差を示す。
【0202】
【表1】
【0203】
【表2】
【0204】
表1及び表2の結果から分かるように、本発明で提供される縮合多環化合物は、高い熱分解温度を有するため、これによって形成されるホスト材料がデバイスにおいて優れた熱的安定性を保つことを確保でき、デバイスが製造過程中に分解や破壊し難くなる。また、本発明で提供される縮合多環化合物は、HOMOエネルギー準位及びLUMOエネルギー準位が隣接する輸送層にマッチングすることにより、OLEDデバイスは、小さい駆動電圧を有する。なお、本発明で提供される縮合多環化合物は、一重項エネルギー準位が高いため、ホスト材料からゲスト材料へのエネルギーの効率的な伝達を確保できる。
【0205】
試験例2
機器:デバイスの電流、電圧、輝度、寿命などの特性については、PR 650スペクトル走査輝度計及びKeithley K 2400ソースメータシステムを用いて同期的に試験を行った。
【0206】
試験条件:電流密度10mA/cm、温度25℃。
デバイスの実施例1~18及び比較例1~2で提供される有機エレクトロルミネッセンスデバイスに対して試験を行い、結果を表3に示した。
【0207】
【表3】
【0208】
デバイスの実施例1~18及び比較例1~2で提供される有機エレクトロルミネッセンスデバイスに対して試験を行い、結果を表2に示した。比較例におけるデバイスに比べて、本発明のデバイスの実施例で提供されるOLEDデバイスは、作業電圧が低く、電流効率が高く、デバイスの寿命が長い。この結果から分かるように、本発明で提供される縮合多環化合物をOLEDデバイスの発光層のホスト材料として用いることにより、デバイスの発光効率を著しく向上させ、デバイスの作業電圧を低下させ、デバイスの使用寿命を長くし、OLEDの性能を向上させることができる。
【0209】
注意すべきなのは、発明者は研究過程に、本発明で提供される縮合多環化合物構造において、ベンゼン環Aが1、2の箇所又は2、3の箇所又は3、4の箇所に
【化2】
と結合して一辺を共有する縮合環を形成していない場合、デバイスの電流効率及びデバイスの寿命がひどく影響されることを見出した。
【0210】
本発明で提供される一般式Iの化合物構造において、R15~R23の一部の置換基が重水素含有置換基である場合には、R15~R23の全てが水素である場合に比べて、デバイスの電流効率及びデバイスの寿命が優れる。さらに、本発明で提供される縮合多環化合物構造において、TがNR24、S、O、BR24、PR24、CR24から選択される場合にも、OLEDデバイスは優れた発光効率及び使用寿命を有する。注意すべきなのは、TとTが連結結合であり、TがSである場合に、一般式Iで表される構造を用いることにより、デバイスの使用寿命及び電流効率に対する向上効果が最も顕著になり、色度が一層純粋になり、R15~R23が重水素置換基から選択される場合には、重水素化メチル置換基の場合に比べて、その効果が優れ、また、発明者は、長期の研究によって、重水素置換基の位置もデバイスの使用寿命に重要な影響をもたらし、ベンゼン環のオルト・パラにおいて重水素置換することによりデバイスの使用寿命を著しく向上させることを見出した。
【0211】
上記実施例は、本発明を明確に説明するために挙げた例に過ぎず、実施形態を限定するものではないことは自明である。本分野の通常の技術者であれば、上記説明を基礎とし、その他の異なる形態の変形又は変更を加えることもできる。ここでは、すべての実施形態を全部挙げる必要もなく、挙げることも不可能である。これによって派生した自明な変形又は変更は、依然として本発明の保護範囲内に入る。
【符号の説明】
【0212】
1 : 陽極
2 : 正孔注入層
3 : 正孔輸送層
4 : 有機発光層
5 : 電子輸送層
6 : 電子注入層
7 : 陰極
図1
図2