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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-09
(45)【発行日】2022-02-18
(54)【発明の名称】物品
(51)【国際特許分類】
   A44B 99/00 20100101AFI20220210BHJP
   A45C 7/00 20060101ALI20220210BHJP
   A45C 11/34 20060101ALI20220210BHJP
   A45C 13/00 20060101ALI20220210BHJP
   B65D 33/25 20060101ALI20220210BHJP
   A44B 1/06 20060101ALI20220210BHJP
   A44B 19/00 20060101ALI20220210BHJP
【FI】
A44B99/00 601Z
A45C7/00 R
A45C11/34 C
A45C11/34 G
A45C13/00 H
B65D33/25 A
A44B1/06 D
A44B19/00
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020038053
(22)【出願日】2020-03-05
(65)【公開番号】P2021137352
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2020-12-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591274532
【氏名又は名称】株式会社メガハウス
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(72)【発明者】
【氏名】芳賀 智江
【審査官】新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-213545(JP,A)
【文献】登録実用新案第3223035(JP,U)
【文献】国際公開第2014/207840(WO,A1)
【文献】特開2011-234888(JP,A)
【文献】登録実用新案第3195093(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 7/00-13/00
A44B 1/06,19/00,99/00
B65D 33/25
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の複数の第1パーツと、シート状の一対の第2パーツとが連結されることにより所定のケースを形成する物品であって、
前記複数の第1パーツは、一方向に相互連結されて前記物品の正面部および背面部を形成し、かつ、前記一対の第2パーツは、該相互連結された複数の第1パーツを部分的に覆うように両側方からそれぞれ連結されて前記物品の一側面部および他側面部を形成し、
個々の第1パーツは、
互いに反対側の第1の縁部および第2の縁部と、前記第1の縁部および前記第2の縁部を接続する第3の縁部および第4の縁部とを含んで矩形形状を呈するパーツ本体と、
前記パーツ本体の前記第1の縁部および前記第2の縁部にそれぞれ一対の接続部材を介して接続されると共にそれぞれ一端部から他端部に亘って設けられた一対の第1連結部と、
前記一対の第1連結部とは異なる連結方式となるように前記パーツ本体上かつ前記第3の縁部および前記第4の縁部にそれぞれ設けられた一対の第2連結部と、
を備え、
前記パーツ本体および前記一対の接続部材は前記一対の第1連結部よりも撓み易く構成されており、
前記第1連結部はファスナーであり、
前記複数の第1パーツのうち、
前記一方向で互いに隣り合う2つの第1パーツは、其れらの一方の前記第1の縁部側の前記第1連結部と、他方の前記第2の縁部側の前記第1連結部とが噛合することにより相互連結され、
前記一方向における最端の2つの第1パーツは、其れらの一方の前記第1の縁部側の前記第1連結部と、他方の前記第2の縁部側の前記第1連結部とがスライダにより噛合し又は該噛合が解除されることにより前記ケースの開閉を実現可能に構成され、
前記一対の第2パーツは、前記一方向で互いに隣り合う2つの第1パーツを跨ぐように、其れらの前記第3の縁部および前記第4の縁部に対して前記一対の第2連結部によりそれぞれ連結され、該2つの第1パーツにおける前記第1の縁部および前記第2の縁部の前記一端部と前記他端部とを覆っており、
前記複数の第1パーツのうち、前記一方向における最端の2つの第1パーツの間にはスライダが取り付けられており、前記一方向で互いに隣り合う2つの第1パーツの間にはスライダが取り付けられていない
物品。
【請求項2】
前記一対の第2連結部は、嵌合により前記第1パーツを前記第2パーツに対して連結可能に構成されている
請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記一対の第2連結部はスナップボタンである
請求項2に記載の物品。
【請求項4】
前記パーツ本体は、前記第1の縁部および前記第2の縁部が前記第3の縁部および前記第4の縁部よりも長い長方形形状を呈している
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の物品。
【請求項5】
前記パーツ本体は、第1面と、第1面とは反対側の第2面とを含み、
前記第1面および前記第2面には互いに異なる柄が形成されている
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の物品。
【請求項6】
前記複数の第1パーツは、前記正面部および前記背面部を接続する底面部を更に形成するように、前記一方向に相互連結されている
請求項1から請求項5の何れか1項に記載の物品。
【請求項7】
前記一対の第2パーツが形成する前記一側面部および前記他側面部は、前記複数の第1パーツが形成する前記底面部の前記一方向の幅に対応する幅を有する
請求項6に記載の物品。
【請求項8】
前記一対の接続部材は、布材で構成されている
請求項1から請求項7の何れか1項に記載の物品。
【請求項9】
前記パーツ本体は、透光性材料で構成されている
請求項1から請求項8の何れか1項に記載の物品。
【請求項10】
前記パーツ本体にはポケットが設けられている
請求項1から請求項9の何れか1項に記載の物品。
【請求項11】
前記物品は、文具用品、生活用品又は服飾用品である
請求項1から請求項10の何れか1項に記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に、所定の物品の一部を構成可能なパーツに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数のシートをファスナーにより連結させて立体ケースを構成することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-18951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記シートでは、多様な物品の構成が難しく、構造上の改善の余地があった。
【0005】
本発明は、パーツで構成可能な物品の多様化に有利な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの側面は物品に係り、前記物品は、シート状の複数の第1パーツと、シート状の一対の第2パーツとが連結されることにより所定のケースを形成する物品であって、前記複数の第1パーツは、一方向に相互連結されて前記物品の正面部および背面部を形成し、かつ、前記一対の第2パーツは、該相互連結された複数の第1パーツを部分的に覆うように両側方からそれぞれ連結されて前記物品の一側面部および他側面部を形成し、個々の第1パーツは、互いに反対側の第1の縁部および第2の縁部と、前記第1の縁部および前記第2の縁部を接続する第3の縁部および第4の縁部とを含んで矩形形状を呈するパーツ本体と、前記パーツ本体の前記第1の縁部および前記第2の縁部にそれぞれ一対の接続部材を介して接続されると共にそれぞれ一端部から他端部に亘って設けられた一対の第1連結部と、前記一対の第1連結部とは異なる連結方式となるように前記パーツ本体上かつ前記第3の縁部および前記第4の縁部にそれぞれ設けられた一対の第2連結部と、を備え、前記パーツ本体および前記一対の接続部材は前記一対の第1連結部よりも撓み易く構成されており、前記第1連結部はファスナーであり、前記複数の第1パーツのうち、前記一方向で互いに隣り合う2つの第1パーツは、其れらの一方の前記第1の縁部側の前記第1連結部と、他方の前記第2の縁部側の前記第1連結部とが噛合することにより相互連結され、前記一方向における最端の2つの第1パーツは、其れらの一方の前記第1の縁部側の前記第1連結部と、他方の前記第2の縁部側の前記第1連結部とがスライダにより噛合し又は該噛合が解除されることにより前記ケースの開閉を実現可能に構成され、前記一対の第2パーツは、前記一方向で互いに隣り合う2つの第1パーツを跨ぐように、其れらの前記第3の縁部および前記第4の縁部に対して前記一対の第2連結部によりそれぞれ連結され、該2つの第1パーツにおける前記第1の縁部および前記第2の縁部の前記一端部と前記他端部とを覆っており、前記複数の第1パーツのうち、前記一方向における最端の2つの第1パーツの間にはスライダが取り付けられており、前記一方向で互いに隣り合う2つの第1パーツの間にはスライダが取り付けられていない
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数のシートで多様な物品を構成可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る物品の構成の一例を示す模式図。
図2】或るパーツの構成の一例を示す模式図。
図3】他のパーツの構成の一例を示す模式図。
図4】或るパーツの構成の他の例を示す模式図。
図5】或るパーツの構成の他の例を示す模式図。
図6A】連結補助具による連結態様の一例を示す模式図。
図6B】連結補助具による連結態様の一例を示す模式図。
図7A】生活用品の一例を示す模式図。
図7B】服飾用品の一例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
図1は、実施形態に係る物品1の構成例を示す。本実施形態では、物品1は、複数のパーツ11~14を備え、それらにより所定のケースを形成するものとする。ユーザは、この物品1を、例えばペンケース等の文具用品として利用することができる。
【0011】
パーツ11は、主に所望の可撓性を有する材料(例えば、ポリ塩化ビニル等の樹脂)で構成されたシート状の部材であり、本実施形態では、物品1の正面部または背面部を形成する。また、詳細については後述とするが、パーツ11は、他のパーツ11と連結可能に構成され、また、パーツ12とも連結可能に構成される。
【0012】
パーツ12は、主に所望の可撓性を有する材料(例えば、ポリ塩化ビニル等の樹脂)で構成されたシート状の部材であり、本実施形態では、物品1の側面部を形成する。
【0013】
パーツ13は、パーツ11を他のパーツ11に連結させるためのスライダであり、主に所望の剛性を有する材料(例えば、ポリエチレン等の樹脂、アルミニウム等の金属)で構成されうる。本実施形態では、パーツ13は、物品1を構成するように相互連結された複数のパーツ11のうちの最端のものに取り付けられ、それにより物品1としてのケースの開閉を実現可能とする。本明細書において、パーツ13は、スライダ13と表現されうる。スライダ13には公知の構造が採用されればよい。
【0014】
パーツ14は、付随的に取付け可能な装飾品であり、本実施形態ではストラップとする。本実施形態では、パーツ14は、物品1の両側面部の一方に対応するパーツ12に取り付けられるものとする。本明細書において、パーツ14は、ストラップ14と表現されうる。
【0015】
尚、詳細については後述とするが、物品1は、複数のパーツ11~14が相互連結されて構成されるものとするが、それらの一部は部分的に省略されてもよい。尚、相互連結は、2つの要素が、直接的に相互連結されることにより実現されてもよいし、間接的に相互連結されることにより実現されてもよい。
【0016】
図2は、パーツ11の構成例を示す模式図である。パーツ11の本体(パーツ本体20とする。)は、本実施形態では矩形形状を呈しており、上側縁部(第1の縁部)21Uおよび下側縁部(第2の縁部)21B、並びに、それらを接続する左側縁部(第3の縁部)21Lおよび右側縁部(第4の縁部)21Rを有する。尚、本実施形態では、パーツ本体20は、縁部21U及び21Bが縁部21L及び21Rよりも長い長方形形状を呈するものとするが、それらの長さの大小関係は逆であってもよいし、それらの長さは互いに実質的に等しくてもよい。他の実施形態として、パーツ本体20は、平行四辺形、台形等、他の形状を呈してもよい。
【0017】
パーツ11は、一方向における両縁部21U及び21Bにそれぞれ設けられた一対の連結部(第1連結部)22aと、他方向における両縁部21L及び21Rにそれぞれ設けられた一対の連結部(第2連結部)22bと、を備える。
【0018】
一対の連結部22aの其々は、他のパーツ11の一対の連結部22aの其々と相互連結可能に構成される。本実施形態では、上記相互連結は噛合により実現されるものとし、連結部22aにはファスナーが用いられるものとする。即ち、一対の連結部22aの一方は、縁部21Uにおける一端部から他端部に亘って延設され、他方は、縁部21Bにおける一端部から他端部に亘って延設される。
【0019】
一対の連結部22bは、詳細については後述とするが、パーツ12に対して連結可能に構成される。本実施形態では、上記連結は嵌合により実現されるものとし、連結部22bにはスナップボタンが用いられるものとする。
【0020】
図3は、パーツ12の構成例を示す模式図である。パーツ12は、パーツ11の連結部22bに対応する連結部22b’を備える。即ち、連結部22b及び連結部22b’の一方が他方に嵌合することにより、パーツ11及び12間の相互連結が実現される。
【0021】
尚、スナップボタンは、一般に、雄型ボタンおよび雌型ボタンの嵌合により実現される。そのため、雄型ボタンおよび雌型ボタンの一方が連結部22bとして用いられ、他方が連結部22b’として用いられればよい。
【0022】
本実施形態においては、前述のとおり、連結部22aは噛合により相互連結を実現し、連結部22aは嵌合により相互連結を実現する。即ち、連結部22a及び22bは、互いに異なる連結方式となるように構成される。そのため、ユーザは、連結部22a及び22bの何れを用いてパーツ11を他のパーツ11又はパーツ12に連結させればよいかを比較的容易に理解可能であり、物品1の組立てを比較的簡便に実現可能となっている。
【0023】
付随的に、パーツ12には孔23が設けられうる。この孔23により、ストラップ14をパーツ12に取付け可能となる。本実施形態においては、物品1の両側面部の一方に用いられるパーツ12に、孔23が設けられるものとする。
【0024】
再び図2を参照すると、パーツ11は、両縁部21U及び21Bにおいて、パーツ本体20に対して連結部22aを接続する一対の接続部材24を更に備える。接続部材24は、パーツ本体20の一部としてもよい。ここで、連結部22aは、所望の剛性を有する材料(例えば、ポリエチレン等の樹脂、アルミニウム等の金属)で構成されうる。パーツ本体20は、所望の可撓性を有する材料(例えば、ポリ塩化ビニル等の樹脂)で構成され、よって、一対の連結部22aよりも撓み易い。また、一対の接続部材24は、所望の可撓性を有する材料(例えば、布材)で構成され、よって、一対の連結部22aよりも撓み易い。
【0025】
このような構成によれば、パーツ11は全体的に可撓性を有する構成となり、それにより、物品1としてのケースの収容物に応じて該ケースが変形可能となるため、物品1の利便性が向上可能となる。尚、連結部22bは、連結部22a同様、所望の剛性を有する材料で構成されうる。
【0026】
パーツ本体20は、透光性材料で構成されてもよい。これにより、物品1としてのケースの収容物を外部から視認可能となり、物品1の利便性が更に向上可能となる。他の実施形態として、パーツ本体20は、非透光性材料で構成されてもよく、接続部材24同様の材料で構成されてもよいし、或いは、接続部材24と一体に構成されてもよい。
【0027】
図4は、パーツ11の他の構成例を示す模式図である。パーツ本体20の表面(第1面)に形成される柄と、その反対側の裏面(第2面)に形成される柄とは、互いに異なっていてもよい。これにより、パーツ11をリバーシブルとすることも可能である。この場合、連結部22bは、両縁部21L及び21Rのそれぞれにおいて、互いに反対向きの姿勢となるように、2つ並設されるとよい。即ち、該並設された2つの連結部22bの一方は、物品1としてのケースの外側面をパーツ11の表面が形成する場合に連結部22b’との嵌合に用いられ、他方は、該ケースの外側面をパーツ11の裏面が形成する場合に連結部22b’との嵌合に用いられる。
【0028】
尚、上記2つの連結部22bは、図4の例では、縁部21U(又は21B)の方向に沿って並設されるものとするが、他の例として、縁部21L(又は21R)の方向に沿って並設されてもよい。更に他の例として、上記2つの連結部22bは、両面において連結部22b’と嵌合可能に一体に構成されてもよい。
【0029】
図5は、パーツ11の更に他の構成例を示す模式図である。パーツ本体20には、ポケット51が設けられてもよい。これにより、物品1の利便性を向上させることも可能となる。パーツ11をリバーシブルとする場合(図4参照)には、ポケット51を、物品1としてのケースの内側ポケットおよび外側ポケットの何れとすることもできる。
【0030】
以上、本実施形態によれば、パーツ11は、物品1の一部を構成可能であり、その両縁部21U及び21Bにそれぞれ設けられた一対の連結部22aを備える。一対の連結部22aの其々は、他のパーツ11の一対の連結部22aの其々と相互連結可能に構成される。このようなパーツ11を、2以上、例えばスライダ13を用いて相互連結させることにより、例えば物品1を構成可能となる。
【0031】
図6Aは、パーツ11間の相互連結を比較的簡便に実現可能な態様の一例を示す。前述のとおり、2つのパーツ11はスライダ13を用いて相互連結可能である。しかしながら、該相互連結を比較的容易に実現可能とするため、ユーザは連結補助具61を利用することも可能である。
【0032】
連結補助具61は、スライダ611および基台612を備える。スライダ611は、スライダ13同様の構成を有していればよいが、引手部(取手部、把持部等と称されてもよい。)は設けられなくてもよく、胴体部のみでもよい。基台612は、スライダ611を固定する板材であり、その一端部に設けられた係止部6121を含む。係止部6121は、基台612本体に対して折畳み可能に構成されていてもよく、不使用時には折り畳まれてもよい。
【0033】
ユーザは、このような連結補助具61を用いることにより、2つのパーツ11を連結部22aにおいて相互連結させることができる。即ち、ユーザは、例えばテーブル等の台の上に、該台の端部で係止部6121が係止するように連結補助具61を設置し、2つのパーツ11を両手で把持してスライダ611に対して摺動させることで、それらを比較的容易に相互連結させることができる。
【0034】
係止部6121は左右一対設けられるとよく、これにより、上記摺動の際の基台612の位置ずれを防止可能とする。代替的/付随的に、基台612底面部には吸着パッド等が設けられてもよい。
【0035】
図6Bは、スライダ13そのもののパーツ11への取付けを実現可能な態様の一例を示す。前述のとおり、スライダ13は、物品1を構成するように相互連結された複数のパーツ11のうちの最端のものに取り付けられ、物品1としてのケースの開閉を実現可能とする。しかしながら、該取付けを比較的容易に実現可能とするため、ユーザは連結補助具62を利用することも可能である。
【0036】
連結補助具62は、保持部621および基台622を備える。保持部621は、スライダ13の一端部(本実施形態では、ファスナーの務歯を噛合させる側の端部)を保持可能に構成される。基台622は、保持部621を固定する板材であり、保持部621を固定する基部6221と、保持部621により保持されるスライダ13が嵌合する凹部6222と、を含む。
【0037】
ユーザは、このような連結補助具62を用いることにより、物品1としてのケースの開閉を実現可能とするスライダ13を上記最端のパーツ11に取り付けることができる。即ち、ユーザは、台の上に連結補助具62を設置し、保持部621により保持されるスライダ13に対して、物品1としてのケースの開口を形成する2つのパーツ11を摺動させることで、それらにスライダ13を比較的容易に取り付けることができる。
【0038】
尚、連結補助具62においても、連結補助具61の係止部6121同様の機能を実現可能な要素が設けられてもよい。
【0039】
本実施形態では物品1として文具用品を例示したが、他の実施形態として、上記パーツ11等を用いて、例えば生活用品、服飾用品等、多様な物品が構成可能である。生活用品の例としては、バッグ、ポーチ、小物入れ等が挙げられうる。服飾用品の例としては、帽子、サッシュ、レインコート等が挙げられうる。
【0040】
図7Aは、生活用品の一例として、バッグ71の模式図を示す。バッグ71は、正面部711、背面部712、底面部713、一側面部714、他側面部715、及び、ストラップ716を備える。正面部711、背面部712、底面部713、一側面部714および他側面部715には、それらが相互連結可能となるように、連結部22a、22b及び22b’が設けられればよい。例えば、正面部711、背面部712および底面部713には、連結部22a及び22bが設けられうる(正面部711、背面部712および底面部713は、2以上のパーツ11により構成されうる。)。この場合、一側面部714および他側面部715には、連結部22b’が設けられうる(一側面部714および他側面部715は、対応のパーツ12により構成されうる。)。また、この場合、ストラップ716は、パーツ14として用意されればよい。尚、この場合、パーツ13は用いられない。
【0041】
図7Bは、服飾用品の一例として、帽子72の模式図を示す。帽子72は、トップクラウン721、サイドクラウン722およびプリム723を備える。これらの要素721~723には、それらが相互連結可能となるように、連結部22a、22b及び22b’が設けられればよい。例えば、サイドクラウン722には、連結部22a及び22bが設けられうる(サイドクラウン722は、2以上のパーツ11により構成されうる)。この場合、トップクラウン721及びプリム723には、連結部22b’が設けられうる(トップクラウン721及びプリム723は、対応のパーツ12により構成されうる)。尚、この場合、パーツ13及び14は用いられない。
【0042】
また、服飾用品の他の例として、サッシュは、複数のパーツ11が環状に相互連結されることにより構成されうる。この場合、パーツ12~14は用いられない。即ち、多様な物品を構成するのに際して、パーツ12~14の一部/全部は省略可能である。
【0043】
このように、パーツ11~14の其々は、多様な態様で用意可能である。例えば、多様なサイズ及び/又はデザインのパーツ11が用意可能であり、それらに対応する多様なパーツ12~14が用意可能である。よって、ユーザは、それらパーツ11~14を選択的に組み合わせて、自分の趣向に合った物品を任意に作成可能である。
【0044】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0045】
1:物品、11:パーツ、22a:連結部(第1連結部)、22b:連結部(第2連結部)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B