(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-09
(45)【発行日】2022-02-18
(54)【発明の名称】洗面化粧ユニット
(51)【国際特許分類】
A47K 1/02 20060101AFI20220210BHJP
A47K 5/12 20060101ALI20220210BHJP
【FI】
A47K1/02 E
A47K5/12 A
A47K5/12 Z
(21)【出願番号】P 2018067508
(22)【出願日】2018-03-30
【審査請求日】2021-01-27
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】芦塚 哲
(72)【発明者】
【氏名】堀 綾香
(72)【発明者】
【氏名】北村 愛子
【審査官】広瀬 杏奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-235655(JP,A)
【文献】特開2008-237603(JP,A)
【文献】実開平02-050289(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2007/0158363(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 1/02
A47K 5/12
A47K 5/18
A47B 67/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗面ボウルを有する洗面台と、
前記洗面ボウルに吐水する吐水装置と、
前記洗面台よりも上方に設けられるキャビネットと、
ユーザの操作を受け付けるための操作部と、
前記キャビネットの扉の裏面に配置される吐出部であって、当該扉の開閉にともなって当該扉とともに移動する吐出部から液体を吐出させるための吐出装置と、
を備え、
前記吐出装置は、前記扉が開かれているときに前記操作部が操作を受け付けた場合、前記吐出部から液体を吐出させることを特徴とする洗面化粧ユニット。
【請求項2】
前記吐出装置は、前記吐出部の吐出口が前記洗面ボウルの上方に位置しない場合、前記操作部が操作を受け付けても、前記吐出部から液体を吐出させないことを特徴とする請求項1に記載の洗面化粧ユニット。
【請求項3】
前記吐出口が前記洗面ボウルの上方に位置するときと、前記吐出口が前記洗面ボウルの上方に位置しないときとで検知状態が異なるように構成されたセンサを備え、
前記吐出装置は、前記センサからの検知結果に基づいて、前記吐出口が前記洗面ボウルの上方に位置するか否かを特定することを特徴とする請求項2に記載の洗面化粧ユニット。
【請求項4】
前記扉の開閉状態を撮像する撮像装置を備え、
前記吐出装置は、前記撮像装置が撮像した撮像画像に基づいて、前記吐出口が前記洗面ボウルの上方に位置するか否かを特定することを特徴とする請求項2に記載の洗面化粧ユニット。
【請求項5】
前記扉の開き角度を検出するセンサを備え、
前記吐出装置は、前記センサからの検知結果に基づいて、前記吐出口が前記洗面ボウルの上方に位置するか否かを特定することを特徴とする請求項2に記載の洗面化粧ユニット。
【請求項6】
前記キャビネットは、前記吐出部の吐出口が前記洗面ボウルの上方にない位置まで前記扉が開かないように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の洗面化粧ユニット。
【請求項7】
前記操作部は、非接触センサであり、前記吐出部の吐出口の下方に差し出された手を検知するように構成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の洗面化粧ユニット。
【請求項8】
前記扉の裏面には吐出容器が配置され、当該吐出容器は、液体が収容される容器本体と、前記吐出部を構成するディスペンサであって、前記容器本体の開口部に装着され、前記容器本体に収容される液体を吐出させるディスペンサと、を備え、
前記ディスペンサは、ノズルを有するヘッドを備え、当該ヘッドが押し下げられると前記容器本体に収容される液体を前記ノズルから吐出するよう構成され、
前記吐出装置は、前記操作部がユーザの操作を受け付けると、前記ヘッドを押し下げるよう構成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の洗面化粧ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗面化粧ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な洗面化粧ユニットが提案されている。例えば特許文献1には、石鹸液等の液体を抽出できるようにした抽出装置が化粧棚の内部に装備された洗面化粧ユニットが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された技術では、石鹸液等の液体が洗面台のカウンター等に垂れる場合がある。この場合、掃除の手間が生じる。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、使い勝手が向上した洗面化粧ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の洗面化粧ユニットは、洗面ボウルを有する洗面台と、洗面ボウルに吐水する吐水装置と、洗面台よりも上方に設けられるキャビネットと、ユーザの操作を受け付けるための操作部と、キャビネットの扉の裏面に配置される吐出部であって、当該扉の開閉にともなって当該扉とともに移動する吐出部から液体を吐出させるための吐出装置と、を備える。吐出装置は、扉が開かれているときに操作部が操作を受け付けた場合、吐出部から液体を吐出させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、使い勝手が向上した洗面化粧ユニットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施の形態に係る洗面化粧ユニットを示すの斜視図である。
【
図3】
図1の洗面化粧ユニットを模式的に示す平面図である。
【
図4】
図4(a)、(b)は、第2の実施の形態に係る洗面化粧ユニットを模式的に示す平面図である。
【
図5】
図5(a)、(b)は、第2の実施の形態の変形例に係る洗面化粧ユニットを模式的に示す平面図である。
【
図6】
図6(a)、(b)は、第3の実施の形態に係る洗面化粧ユニットを模式的に示す平面図である。
【
図7】
図7(a)、(b)は、第3の実施の形態の変形例に係る洗面化粧ユニットを模式的に示す平面図である。
【
図8】第4の実施の形態に係る洗面化粧ユニットを模式的に示す平面図である。
【
図9】第5の実施の形態に係る洗面化粧ユニットを模式的に示す平面図である。
【
図10】第6の実施の形態に係る洗面化粧ユニットを模式的に示す平面図である。
【
図11】変形例に係る洗面化粧ユニットの右収納扉の裏面を示す図である。
【0009】
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。また、本明細書において、「上」、「下」、「左」、「右」はそれぞれ、洗面化粧ユニットを利用するユーザから見た上、下、左、右をいう。また、「前」、「後」はそれぞれ、ユーザから見て手前側、奥側をいう。
【0010】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る洗面化粧ユニット1を示す斜視図である。洗面化粧ユニット1は、例えば洗面所に設置される。洗面化粧ユニット1は、洗面台2と、吐水装置3と、下部キャビネット4と、バックパネル5と、上部キャビネット10と、を備える。
【0011】
下部キャビネット4は、床面に設置される。下部キャビネット4は、本実施の形態では2つの引出を有しており、例えば洗面用具や化粧品を収容できる。洗面台2は、洗面ボウル6と、カウンター7と、を含む。洗面ボウル6は、下方に窪んだ凹状に形成される。洗面ボウル6は、吐水装置3から吐水される水を受ける。カウンター7は、板状であり、本実施の形態では洗面ボウル6の両サイドに設けられる。バックパネル5は、洗面ボウル6の後方側において洗面ボウル6から上方に立設される。本実施の形態では、バックパネル5、洗面ボウル6およびカウンター7は一体に形成されている。吐水装置3は、洗面ボウル6と上部キャビネット10との間に設けられる。吐水装置3は、ユーザの操作または動作に応じて吐水する。
【0012】
上部キャビネット10は、バックパネル5の上方の壁面に固定される。上部キャビネット10は、収納棚12と、収納扉14で総称される中央収納扉14C、左収納扉14L、右収納扉14Rと、を含む。収納棚12には、洗面用具、化粧品、その他の物品を収納できる。3つの収納扉14は、収納棚12を開閉可能に覆う扉である。本実施の形態では、各収納扉14の前面には、鏡が取り付けられている。つまり、本実施の形態の上部キャビネット10は、ミラーキャビネットである。
【0013】
図2は、右収納扉14Rの裏面を示す図である。
図3は、洗面化粧ユニット1を模式的に示す平面図である。
図3では、保持部38、吐出装置30および吐液センサ40の表示を省略している。なお、
図3では、右収納扉14Rは、左開きとなるように収納棚12に取り付けられているが、右開きとなるように収納棚12に取り付けられてもよい。
【0014】
洗面化粧ユニット1はさらに、吐出容器20を保持するための保持部38と、吐出容器20(後述)から液体を吐出させるための吐出装置30と、吐出装置30に対する、ひいては液体の吐出に対するユーザの操作を受け付けるための吐液センサ40と、を備える。
【0015】
吐出容器20は、液体が収容される容器本体22と、容器本体22に収容される液体(例えばハンドソープ液や消毒液やハンドクリームなど)を吐出させるためのディスペンサ24と、を含む。吐出容器20は、例えば市販の吐出容器であってもよい。ディスペンサ24は、公知の技術を用いて構成されればよい。
図2の例では、ディスペンサ24は、ノズル(吐出部)27を有するヘッド26と、容器本体22の開口に装着されるキャップ28と、容器本体22に収容されるポンプ(不図示)と、備える。ヘッド26に下向きの力を加えてヘッド26を押し下げると、ポンプが容器本体22内の液体を吸い上げ、ヘッド26のノズル27から吐出される。ヘッド26は上方に付勢されているため、ヘッド26に下向きの力を加えるのを止めると、ヘッド26は元の位置に上昇する。
【0016】
保持部38は、右収納扉14Rの裏面に固定される。本実施の形態の保持部38は水平な載置面38aを有し、この載置面38aに吐出容器20が載置される。したがって、吐出容器20は、右収納扉14Rが開閉されると、右収納扉14Rと一緒に移動する。右収納扉14Rが閉じた状態では、保持部38と保持部38に保持された吐出容器20は、収納棚12の内部の収納空間に収納される。
【0017】
吐出装置30は、押圧部材32と、押圧部材32を上下動させる駆動部34と、駆動部34を制御する制御部36と、を含む。押圧部材32は、吐出容器20のディスペンサ24のヘッド26に上側から当接する。駆動部34は、右収納扉14Rの裏面に固定される。駆動部34は、モータにより駆動され、押圧部材32を上下に移動させる。
【0018】
制御部36は、特に限定しないが、駆動部34の筐体内に収容される。制御部36は、吐液センサ40がユーザの手を検知すると、駆動部34を制御して押圧部材32を下方に移動させ、ヘッド26を押し下げる。これにより、ヘッド26のノズル27から液体が吐出される。
【0019】
吐液センサ40は、右収納扉14Rの裏面に固定される。吐液センサ40は、非接触センサであり、その検知領域42に差し出されたユーザの手を非接触で検知する。吐液センサ40は右収納扉14Rの裏面に固定されているため、必然的に右収納扉14Rが開かれているときに、ユーザの手を非接触で検知する。吐液センサ40は、その検知領域42が吐出容器20のノズル27の吐出口27aの下方の領域を含むように構成される。これにより、ノズル27の吐出口27aの下方に差し出された手を吐液センサ40が検知して液体が吐出されるため、吐出口17aの下方に差し出された手でそのまま液体を受けることができる。
【0020】
まとめると、右収納扉14Rを開き、吐出容器20のノズル27の吐出口27aの下方に手を差し出すと、吐出装置30が駆動してヘッド26を押し下げ、これによりノズル27の吐出口27aから液体が吐出される。
【0021】
つづいて、本実施の形態が奏する効果について述べる。本実施の形態によれば、吐出容器20は右収納扉14Rの開閉にともなって右収納扉14Rとともに移動する。したがって、吐出容器20のノズル27の吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置する状態で吐出口27aから液体を吐出させることができるため、洗面台2、具体的には洗面台2のカウンター7が液体で汚れるのを抑止することが可能になる。
【0022】
また、特許文献1に記載の技術では、化粧棚の内部に抽出装置が装備されているため、石鹸液等が入った容器を交換する際に、化粧棚の内部に液体が垂れて化粧棚の内部が汚れる場合がある。この場合、掃除の手間が生じる。これに対し、本実施の形態によれば、吐出容器20が洗面ボウル6の真上に位置する状態で吐出容器20を交換できるため、そのような問題が生じない。
【0023】
(第2の実施の形態)
図4(a)、(b)は、第2の実施の形態に係る洗面化粧ユニット1を模式的に示す平面図である。
図4(a)では、吐出容器20のノズル27の吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置しない状態を示し、
図4(b)では、吐出容器20のノズル27の吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置する状態を示す。洗面化粧ユニット1は、位置検出センサ50をさらに備える。
【0024】
本実施の形態では、右収納扉14Rは右開きとなるように収納棚12に取り付けられており、開き角度が或る角度までは吐出口27aは洗面ボウル6の真上に位置せず、開き角度が或る角度を超えると吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置する。
【0025】
位置検出センサ50は、吐出容器20のノズル27の吐出口27aの位置を検出するためのセンサである。本実施の形態の位置検出センサ50は、接触センサであり、収納棚12に固定される本体部52と、本体部52から前方に突出する長尺状のロッド54と、を含む。ロッド54は、長手方向(すなわち前後方向)に変位可能で、本体部52から突出する向き(すなわち前向き)に付勢されている。位置検出センサ50は、吐出口27aが洗面ボウル6の上方に位置しないときにはロッド54が本体部52に押し込まれた状態となり、吐出口27aが洗面ボウル6の上方に位置するときにはロッド54が本体部52に押し込まれていない状態となるように構成、配置される。位置検出センサ50は、ロッド54が押し込まれているときすなわち吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置しないときと、ロッド54が押し込まれていないときすなわち吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置するときとで、異なる信号を吐出装置30に送信する。
【0026】
吐出装置30の制御部36は、吐液センサ40がユーザの手を検知すると、位置検出センサ50から送信される信号に基づいて、吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置しているか否かを特定する。具体的には制御部36は、ロッド54が押し込まれていることを示す信号を受信しているときは吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置しないと特定し、ロッド54が押し込まれていないことを示す信号を受信しているときは吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置すると特定する。そして制御部36は、吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置すると特定した場合に、駆動部34を制御して押圧部材32を下方に移動させ、ヘッド26を押し下げる。これにより、ヘッド26のノズル27から液体が吐出される。
【0027】
本実施の形態によれば、吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置しないときは、吐出容器20から液体が吐出されない。言い換えると、吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置するときだけ、吐出容器20から液体が吐出される。したがって、ユーザが受けられなかった吐出容器20液体は洗面ボウル6に落ちるため、洗面台2、特に洗面台2のカウンター7が吐出容器20からの液体が汚れるのを抑止できる。
【0028】
つづいて変形例を説明する。
図5(a)、(b)は、第2の実施の形態の変形例に係る洗面化粧ユニットを模式的に示す平面図である。
図5(a)、(b)はそれぞれ、
図4(a)、(b)に対応する。
【0029】
本変形例では、右収納扉14Rは左開きとなるよう収納棚12に取り付けられており、第2の実施の形態とは反対に、開き角度が或る角度までは吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置し、開き角度が或る角度を超えると吐出口27aは洗面ボウル6の真上に位置しない。
【0030】
位置検出センサ50は、吐出口27aが洗面ボウル6の上方に位置するときにはロッド54が本体部52に押し込まれた状態となり、吐出口27aが洗面ボウル6の上方に位置しないときにはロッド54が本体部52に押し込まれていない状態となるように構成、配置される。位置検出センサ50は、ロッド54が押し込まれているときすなわち吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置するときと、ロッド54が押し込まれていないときすなわち吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置しないときとで、異なる信号を吐出装置30に送信する。
【0031】
吐出装置30の制御部36は、ロッド54が押し込まれていることを示す信号を受信している場合は吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置すると特定し、ロッド54が押し込まれていないことを示す信号を受信している場合は吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置しないと特定する。
【0032】
本変形例によれば、第2の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0033】
(第3の実施の形態)
図6(a)、(b)は、第3の実施の形態に係る洗面化粧ユニットを模式的に示す平面図である。
図6(a)、(b)はそれぞれ、
図4(a)、(b)に対応する。
【0034】
右収納扉14Rは、第2の実施の形態と同様に、右開きとなるよう収納棚12に取り付けられており、開き角度が或る角度までは吐出口27aは洗面ボウル6の真上に位置せず、開き角度が或る角度を超えると吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置する。
【0035】
本実施の形態の位置検出センサ50は、非接触センサであり、収納棚12に固定される。位置検出センサ50は、光を投光する投光器(不図示)と、その反射光を受光する受光器(不図示)と、を含む。位置検出センサ50は、吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置しないときには投光器から投光された光の一部は右収納扉14Rによって反射され、受光器がその反射光を検知し、吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置するときには投光器から投光された光は右収納扉14Rによって反射されないように構成、配置される。つまり、位置検出センサ50は、吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置しないときには右収納扉14Rを検知し、吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置するときには右収納扉14Rを検知しない。位置検出センサ50は、右収納扉14Rを検知しているときすなわち吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置しないときと、右収納扉14Rを検知していないときすなわち吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置するときとで、異なる信号を吐出装置30に送信する。
【0036】
吐出装置30の制御部36は、右収納扉14Rが検知されている場合は吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置しないと特定し、右収納扉14Rが検知されていない場合は吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置すると特定する。
【0037】
本実施の形態によれば、第2の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0038】
つづいて変形例を説明する。
図7(a)、(b)は、第3の実施の形態の変形例に係る洗面化粧ユニットを模式的に示す平面図である。
図7(a)、(b)はそれぞれ、
図6(a)、(b)に対応する。
【0039】
本変形例では、右収納扉14Rは左開きとなるよう収納棚12に取り付けられており、第3の実施の形態とは反対に、開き角度が或る角度までは吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置し、開き角度が或る角度を超えると吐出口27aは洗面ボウル6の真上に位置しない。
【0040】
位置検出センサ50は、吐出口27aが洗面ボウル6の上方に位置するときには投光器から投光された光の一部は右収納扉14Rによって反射され、受光器がその反射光を検知し、吐出口27aが洗面ボウル6の上方に位置しないときには投光器から投光された光は右収納扉14Rによって反射されないように構成、配置される。つまり、位置検出センサ50は、吐出口27aが洗面ボウル6の上方に位置するときには右収納扉14Rを検知し、吐出口27aが洗面ボウル6の上方に位置しないときには右収納扉14Rを検知しない。位置検出センサ50は、右収納扉14Rを検知しているときすなわち吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置するときと、右収納扉14Rを検知していないときすなわち吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置しないときとで、異なる信号を吐出装置30に送信する。
【0041】
吐出装置30の制御部36は、右収納扉14Rが検知されている場合は吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置すると特定し、右収納扉14Rが検知されていない場合は吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置しないと特定する。
【0042】
本変形例によれば、第3の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0043】
(第4の実施の形態)
図8は、第4の実施の形態に係る洗面化粧ユニットを模式的に示す平面図である。
図8はそれぞれ、
図4(a)に対応する。
【0044】
洗面化粧ユニット1は、位置検出センサの代わりに、撮像装置150を備える。撮像装置150は、収納棚12の天板上に設置される。撮像装置150は、右収納扉14Rの開閉状態を撮像する。撮像装置150は、撮像した撮像画像を吐出装置30に送信する。
【0045】
吐出装置30の制御部36は、撮像装置150が撮像した撮像画像を画像解析して、吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置しているか否かを特定する。例えば、吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置するときの右収納扉14Rの位置範囲と、吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置しないときの右収納扉14Rの位置範囲を把握しておけば、画像解析により右収納扉14Rの位置を特定することで、吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置しているか否かを特定できる。
【0046】
なお、
図8では右収納扉14Rが右開きであるが、本実施の形態によれば、右収納扉14Rが左開きである場合にも、吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置しているか否かを特定できる。
【0047】
本実施の形態によれば、第2の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0048】
(第5の実施の形態)
図9は、第5の実施の形態に係る洗面化粧ユニットの上部キャビネットを模式的に示す平面図である。
【0049】
洗面化粧ユニット1は、位置検出センサの代わりに、開閉角度検出センサ250を備える。開閉角度検出センサ250は、右収納扉14Rの開き角度を検出する。開閉角度検出センサ250は、例えばポテンショメータやロータリーエンコーダであり、例えば右収納扉14Rを収納棚12に取り付けるための蝶番(不図示)の回転軸の回転角度を検出することによって右収納扉14Rの開き角度を検出する。
【0050】
吐出装置30の制御部36は、開閉角度検出センサ250が検出した右収納扉14Rの開き角度に基づいて、吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置しているか否かを特定する。例えば、吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置しているときの右収納扉14Rの開き角度の範囲と、吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置していないときの右収納扉14Rの開き角度の範囲を把握しておけば、開閉角度検出センサ250が検出した右収納扉14Rの開き角度により吐出口27aが洗面ボウル6の真上にあるか否かを特定できる。
【0051】
なお、
図9では右収納扉14Rが左開きであるが、本実施の形態によれば、右収納扉14Rが右開きである場合にも、吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置しているか否かを特定できる。
【0052】
本実施の形態によれば、第2の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0053】
以上、実施の形態に係る洗面化粧ユニットについて説明した。この実施の形態は例示であり、各構成要素の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、変形例を説明する。
【0054】
(第6の実施の形態)
図10は、第6の実施の形態に係る洗面化粧ユニットの上部キャビネットを模式的に示す平面図である。
【0055】
本実施の形態では、右収納扉14Rは左開きとなるよう収納棚12に取り付けられており、開き角度が或る角度までは吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置し、開き角度が或る角度を超えると吐出口27aは洗面ボウル6の真上に位置しない。
【0056】
右収納扉14Rは、吐出容器20のノズル27の吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置しなくなるところまで開かないように構成されている。例えば、吐出容器20のノズル27の吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置しなくなるところまで右収納扉14Rが開かないように、右収納扉14Rを収納棚12に取り付けるための蝶番60が調整されていてもよい。また例えば、吐出容器20のノズル27の吐出口27aが洗面ボウル6の真上に位置しなくなるところまで開かないように規制する規制部材を洗面化粧ユニット1が備えていてもよい。
【0057】
本実施の形態によれば、第2の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0058】
(変形例1)
図11は、変形例に係る洗面化粧ユニットの右収納扉14Rの裏面を示す図である。
図11は
図2に対応する。本変形例では、保持部38は、傾斜した載置面38aを有し、この載置面38aに吐出容器20が載置される。したがって、吐出容器20は傾いた状態に保持される。この場合、吐出容器20を傾いた状態に保持するのに合わせて、駆動部34がヘッド26を押し下げる方向も傾いている。本変形例によれば、傾けない場合にはノズル27の吐出口27aが容器本体22の真上に位置する吐出容器20について、吐出口27aが容器本体22の真上に位置しないようにできる。これにより、吐出口27aから吐出された液体が容器本体22に垂れるのを抑止できる。さらなる変形例として、保持部38は、吐出容器20を保持する角度を調整できるように構成されてもよい。この場合、保持部38は、吐出容器20を傾けずに保持することも、吐出容器20を傾けて保持し、かつ、その角度を調整することもできる。
【0059】
(変形例2)
第1~第6の実施の形態およびそれらの変形例では、保持部38、吐出装置30および吐液センサ40が右収納扉14Rの裏面に設けられる場合について説明したが、これに限られず、保持部38、吐出装置30および吐液センサ40は左収納扉14Lまたは右収納扉14Rの裏面に設けられてもよい。
【0060】
(変形例3)
実施の形態および上述の変形例では、洗面化粧ユニットが、ユーザの操作を受け付けるための操作部として吐液センサ40すなわち非接触センサを備える場合について説明したが、これに限られない。洗面化粧ユニットは、非接触センサの代わりに、例えば接触センサや、物理的なボタンやレバーなどを備えていてもよい。つまり、洗面化粧ユニットは、ユーザの操作を受け付けるための操作部を備えていればよい。
【0061】
(変形例4)
実施の形態および上述の変形例では、吐出容器20が収納扉14の裏面に配置される場合について説明したが、これに限られない。吐出容器20に相当する部材が洗面化粧ユニット1の構成部品として洗面化粧ユニット1に備え付けられていてもよい。この場合、容器本体は収納扉14の裏面に固定されていても、収納棚12の収納空間内に設けられていても、その他の場所に設けられていてもよい。容器本体が収納扉14の裏面以外に設けられる場合は、吐出部だけが収納扉14の裏面に設けられ、例えばチューブを介して容器本体から液体を吸い上げ、吐出部から吐出する。
【0062】
(変形例5)
実施の形態および上述の変形例では、上部キャビネット10は、洗面化粧ユニットの一部を構成し、洗面所に設置される場合について説明したが、これに限られず、キッチン、トイレ、その他の場所に設置されてもよい。
【0063】
上述した実施の形態および変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。また、請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施の形態および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連携によって実現されることも当業者には理解されるところである。
【0064】
以上の実施形態、変形例により具体化される発明を一般化すると、以下の技術的思想が導かれる。
本発明のある態様の洗面化粧ユニットは、洗面ボウルを有する洗面台と、洗面ボウルに吐水する吐水装置と、洗面台よりも上方に設けられるキャビネットと、ユーザの操作を受け付けるための操作部と、キャビネットの扉の裏面に配置される吐出部であって、当該扉の開閉にともなって当該扉とともに移動する吐出部から液体を吐出させるための吐出装置と、を備える。吐出装置は、扉が開かれているときに操作部が操作を受け付けた場合、吐出部から液体を吐出させる。
【0065】
この態様によると、吐出部が洗面ボウルの真上に位置する状態で吐出部から液体を吐出させることができるため、洗面台、具体的には例えば洗面台のカウンターが液体で汚れるのを抑止することが可能になる。
【0066】
吐出装置は、吐出部の吐出口が洗面ボウルの上方に位置しない場合、操作部が操作を受け付けても、吐出部から液体を吐出させない。
【0067】
吐出口が洗面ボウルの上方に位置するときと、吐出口が洗面ボウルの上方に位置しないときとで検知状態が異なるように構成されたセンサを備えてもよい。吐出装置は、センサからの検知結果に基づいて、吐出口が洗面ボウルの上方に位置するか否かを特定してもよい。
【0068】
扉の開閉状態を撮像する撮像装置を備えてもよい。吐出装置は、撮像装置が撮像した撮像画像に基づいて、吐出口が洗面ボウルの上方に位置するか否かを特定してもよい。
【0069】
扉の開き角度を検出するセンサを備えてもよい。吐出装置は、センサからの検知結果に基づいて、吐出口が洗面ボウルの上方に位置するか否かを特定してもよい。
【0070】
キャビネットは、吐出部の吐出口が洗面ボウルの上方にない位置まで扉が開かないように構成されていてもよい。
【0071】
これらの態様によると、洗面台、具体的には例えば洗面台のカウンターが液体で汚れるのを抑止できる。
【0072】
操作部は、非接触センサであり、吐出部の吐出口の下方に差し出された手を検知するように構成されていてもよい。
【0073】
扉の裏面には吐出容器が配置され、当該吐出容器は、液体が収容される容器本体と、吐出部を構成するディスペンサであって、容器本体の開口部に装着され、容器本体に収容される液体を吐出させるディスペンサと、を備えてもよい。ディスペンサは、ノズルを有するヘッドを備え、当該ヘッドが押し下げられると容器本体に収容される液体をノズルから吐出するよう構成され、吐出装置は、操作部がユーザの操作を受け付けると、ヘッドを押し下げるよう構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1 洗面化粧ユニット、 2 洗面台、 3 吐水装置、 10 上部キャビネット、 40 吐液センサ、 27 ノズル、 30 吐出装置。