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特許7022725制御方法、コンピュータ及び制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-09
(45)【発行日】2022-02-18
(54)【発明の名称】制御方法、コンピュータ及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20220210BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20220210BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20220210BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F13/79
A63F13/53
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019145714
(22)【出願日】2019-08-07
(62)【分割の表示】P 2016222704の分割
【原出願日】2015-01-23
(65)【公開番号】P2019188244
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2019-08-07
(73)【特許権者】
【識別番号】504437801
【氏名又は名称】グリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100196829
【弁理士】
【氏名又は名称】中澤 言一
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 寛太
【審査官】前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-198542(JP,A)
【文献】特開2014-188142(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部を備え、ゲーム媒体をプレイヤと関連付けて記憶するゲームを実行するコンピュータを制御するための制御方法であって、
複数の前記ゲーム媒体を前記記憶部に記憶し、
第1の期間において、前記プレイヤからの要求を受けた場合、前記複数のゲーム媒体の中から、各ゲーム媒体に対応する確率に基づいて一のゲーム媒体を選択し、前記選択されたゲーム媒体を前記プレイヤと関連付けて前記記憶部に記憶し、
前記第1の期間において前記プレイヤと関連付けられたゲーム媒体の数が所定数に到達している場合、前記第1の期間において前記複数のゲーム媒体の中の所定のゲーム媒体が前記プレイヤと関連付けられる確率を、第2の期間において前記複数のゲーム媒体の中の所定のゲーム媒体が前記プレイヤと関連付けられる第1確率として設定し、
前記第1の期間において前記プレイヤと関連付けられたゲーム媒体の数が所定数に到達していない場合、前記第1確率より低い確率を、第2の期間において前記複数のゲーム媒体の中の所定のゲーム媒体が前記プレイヤと関連付けられる第2確率として設定し、
前記第2の期間において、前記プレイヤからの要求を受けた場合、前記複数のゲーム媒体の中から、各ゲーム媒体に対応する確率に基づいて一のゲーム媒体を選択し、前記選択されたゲーム媒体を前記プレイヤと関連付けて前記記憶部に記憶する、
ことを含み、
前記プレイヤからの要求を受けた場合に前記複数のゲーム媒体の中から所定のゲーム媒体が選択される確率は、前記選択の回数に応じて変更される
ことを特徴とする制御方法。
【請求項2】
前記所定のゲーム媒体は、前記プレイヤからの要求に従って設定される、請求項1に記載の制御方法。
【請求項3】
前記コンピュータは、出力部をさらに備え、
前記コンピュータは、さらに、前記所定のゲーム媒体が前記プレイヤと関連付けられる確率を表示するための表示データを前記出力部に出力する、請求項1又は2に記載の制御方法。
【請求項4】
前記プレイヤからの要求に従って、前記ゲームと異なる特定のゲームを実行し、
前記特定のゲームの結果に応じて、前記確率を変更する、請求項1~3の何れか一項に記載の制御方法。
【請求項5】
前記プレイヤからの要求に従って、前記ゲームと異なる特定のゲームを実行し、
前記特定のゲームにおける前記プレイヤのレベルに応じて、前記確率を変更する、請求項1~3の何れか一項に記載の制御方法。
【請求項6】
ゲーム媒体をプレイヤと関連付けて記憶するゲームを実行するコンピュータであって、
複数の前記ゲーム媒体を記憶する記憶部と、
第1の期間において、前記プレイヤからの要求を受けた場合、前記複数のゲーム媒体の中から、各ゲーム媒体に対応する確率に基づいて一のゲーム媒体を選択する選択部と、
前記選択されたゲーム媒体を前記プレイヤと関連付けて前記記憶部に記憶する関連付け部と、を備え、
前記選択部は、
前記第1の期間において前記プレイヤと関連付けられたゲーム媒体の数が所定数に到達している場合、前記第1の期間において前記複数のゲーム媒体の中の所定のゲーム媒体が前記プレイヤと関連付けられる確率を、第2の期間において前記複数のゲーム媒体の中の所定のゲーム媒体が前記プレイヤと関連付けられる第1確率として設定し、
前記第1の期間において前記プレイヤと関連付けられたゲーム媒体の数が所定数に到達していない場合、前記第1確率より低い確率を、第2の期間において前記複数のゲーム媒体の中の所定のゲーム媒体が前記プレイヤと関連付けられる第2確率として設定し、
前記第2の期間において、前記プレイヤからの要求を受けた場合、前記複数のゲーム媒体の中から、各ゲーム媒体に対応する確率に基づいて一のゲーム媒体を選択し、
前記関連付け部は、前記第2の期間において前記選択されたゲーム媒体を前記プレイヤと関連付けて前記記憶部に記憶し、
前記プレイヤからの要求を受けた場合に前記複数のゲーム媒体の中から所定のゲーム媒体が選択される確率は、前記選択の回数に応じて変更される
ことを特徴とするコンピュータ。
【請求項7】
記憶部を備え、ゲーム媒体をプレイヤと関連付けて記憶するゲームを実行するコンピュータを制御するための制御プログラムであって、
複数の前記ゲーム媒体を前記記憶部に記憶し、
第1の期間において、前記プレイヤからの要求を受けた場合、前記複数のゲーム媒体の中から、各ゲーム媒体に対応する確率に基づいて一のゲーム媒体を選択し、前記選択されたゲーム媒体を前記プレイヤと関連付けて前記記憶部に記憶し、
前記第1の期間において前記プレイヤと関連付けられたゲーム媒体の数が所定数に到達している場合、前記第1の期間において前記複数のゲーム媒体の中の所定のゲーム媒体が前記プレイヤと関連付けられる確率を、第2の期間において前記複数のゲーム媒体の中の所定のゲーム媒体が前記プレイヤと関連付けられる第1確率として設定し、
前記第1の期間において前記プレイヤと関連付けられたゲーム媒体の数が所定数に到達していない場合、前記第1確率より低い確率を、第2の期間において前記複数のゲーム媒体の中の所定のゲーム媒体が前記プレイヤと関連付けられる第2確率として設定し、
前記第2の期間において、前記プレイヤからの要求を受けた場合、前記複数のゲーム媒体の中から、各ゲーム媒体に対応する確率に基づいて一のゲーム媒体を選択し、前記選択されたゲーム媒体を前記プレイヤと関連付けて前記記憶部に記憶する、
ことを前記コンピュータに実行させ
前記プレイヤからの要求を受けた場合に前記複数のゲーム媒体の中から所定のゲーム媒体が選択される確率は、前記選択の回数に応じて変更される
ことを特徴とする制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム制御方法、コンピュータ及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信ネットワークを介して携帯端末にゲームを提供するサーバが普及している。このようなサーバにより提供されるゲームとして、複数のプレイヤが参加可能なもの(いわゆる「ソーシャルゲーム」)が知られている。ソーシャルゲームでは、プレイヤがゲームで使用するアイテムを取得するために、例えば、景品取得ゲーム(所謂「ガチャガチャ(登録商標)」)が実施される。景品取得ゲームは、複数の景品の中からランダム抽選により選択された景品をユーザに付与するゲームである。
【0003】
特許文献1には、ネットワークを介してプレイヤの端末装置に、ゲーム媒体を用いたゲームを提供するサーバ装置が記載されている。ゲーム媒体は、ゲームの進行のためにプレイヤによって用いられる電子データである。このサーバ装置は、プレイヤの端末装置からゲーム媒体取得要求を受けると、そのプレイヤに割り当てられたデッキに収容されているゲーム媒体の中から、所定の抽選アルゴリズムに従って当選ゲーム媒体を選択し、選択したゲーム媒体をそのプレイヤの保有ゲーム媒体とするとともに、デッキから削除する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5474237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、各プレイヤは、デッキに含まれるゲーム媒体の内、目玉となるゲーム媒体を取得することを目的としてゲーム媒体取得要求を行う。特許文献1のゲームシステムでは、各プレイヤは、デッキ内の全てのゲーム媒体を取得すれば目玉となるゲーム媒体を確実に取得することができる。また、目玉となるゲーム媒体が当選しなかった場合でも、当選したゲーム媒体はデッキから削除されていくので、次の抽選における目玉となるゲーム媒体の当選確率は高くなる。しかしながら、一回の抽選につき一つのゲーム媒体がデッキから減っていくだけでは、目玉となるゲーム媒体の当選確率の上昇度合いは単調となり、目玉となるゲーム媒体の取得に対するプレイヤの期待感を十分に向上させることができなかった。
【0006】
本発明は、このような課題を解決すべくなされたものであり、特定のゲーム媒体の取得に対するプレイヤの期待感を向上させることを可能とするゲーム制御方法、コンピュータ及び制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るゲーム制御方法は、記憶部を備え、ゲーム媒体をプレイヤと関連付けて記憶するゲームを実行するコンピュータにおけるゲーム制御方法であって、ゲームにおける関連付けて記憶可能なゲーム媒体として複数のゲーム媒体を記憶部に記憶し、プレイヤからの要求に従って、複数のゲーム媒体の中からゲーム媒体を選択し、選択されたゲーム媒体をプレイヤと関連付けて記憶し、プレイヤからの要求に従って、関連付けて記憶されたゲーム媒体と同一種類のゲーム媒体を含む複数のゲーム媒体の中からゲーム媒体を再選択し、プレイヤからの要求に従ってゲーム媒体を選択した回数に応じて、プレイヤからの要求に従った次の選択における複数のゲーム媒体の内の特定のゲーム媒体が選択される確率を変更することを含む。
なお、コンピュータは、上記の手順を実行可能であればよく、例えば、携帯端末や据置端末、サーバ等である。
【0008】
また、本発明に係るゲーム制御方法において、特定のゲーム媒体は、複数のゲーム媒体の中で最も価値が高いゲーム媒体であり、ゲーム媒体の選択において最も価値が高いゲーム媒体ゲーム媒体以外のゲーム媒体が選択された場合、選択された最も価値が高いゲーム媒体ゲーム媒体以外のゲーム媒体をプレイヤと関連付けて記憶し、ゲーム媒体の再選択において、最も価値が高いゲーム媒体ゲーム媒体以外のゲーム媒体と同一種類のゲーム媒体を含む複数のゲーム媒体の中からゲーム媒体を再選択し、確率の変更において、プレイヤからの要求に従ってゲーム媒体を選択した回数が多いほど最も価値が高いゲーム媒体が選択される確率が高くなるように最も価値が高いゲーム媒体が選択される確率を変更することが好ましい。
【0009】
また、本発明に係るゲーム制御方法において、確率の変更において、ゲーム媒体の選択において特定のゲーム媒体が選択された場合、特定のゲーム媒体が選択される確率をリセットすることが好ましい。
【0010】
また、本発明に係るゲーム制御方法において、特定のゲーム媒体には、二つ以上のゲーム媒体が含まれ、確率の変更において、ゲーム媒体の選択において特定のゲーム媒体に含まれるゲーム媒体の内、第1のゲーム媒体が選択された場合、特定のゲーム媒体が選択される確率をリセットせず、第1のゲーム媒体以外の第2のゲーム媒体が選択された場合、特定のゲーム媒体が選択される確率をリセットすることが好ましい。
【0011】
また、本発明に係るゲーム制御方法において、確率の変更において、プレイヤからの要求に従ってゲーム媒体を選択した回数が所定数になった場合、特定のゲーム媒体が選択される確率をリセットすることが好ましい。
【0012】
また、本発明に係るゲーム制御方法において、特定のゲーム媒体は、プレイヤからの要求に従って設定されることが好ましい。
【0013】
また、本発明に係るゲーム制御方法において、コンピュータは、出力部をさらに備え、さらに、ゲーム媒体を選択した回数毎の特定のゲーム媒体が選択される確率を表示するための表示データを出力部に出力することが好ましい。
【0014】
また、本発明に係るゲーム制御方法において、確率の変更において、ゲーム媒体の選択において選択されたゲーム媒体と特定のゲーム媒体の関係、ゲームと異なる他のゲームでプレイヤに付与されたポイント、他のゲームにおけるプレイヤのレベル、又は、プレイヤが他のプレイヤに送信したメッセージ数に基づいて、ゲーム媒体が選択される確率を変更する度合いを変更することが好ましい。
【0015】
また、本発明に係るゲーム制御方法において、確率の変更において、ゲーム媒体の選択において選択されたゲーム媒体と特定のゲーム媒体の関係、ゲームと異なる他のゲームでプレイヤに付与されたポイント、他のゲームにおけるプレイヤのレベル、又は、プレイヤが他のプレイヤに送信したメッセージ数に基づいて、ゲーム媒体が選択される確率の上限値を設定することが好ましい。
【0016】
本発明に係るコンピュータは、ゲーム媒体をプレイヤと関連付けて記憶するゲームを実行するコンピュータであって、ゲームにおける関連付けて記憶可能なゲーム媒体として複数のゲーム媒体を記憶する記憶部と、プレイヤからの要求に従って、複数のゲーム媒体の中からゲーム媒体を選択する選択部と、選択されたゲーム媒体をプレイヤと関連付けて記憶する関連付け部と、を備え、選択部は、プレイヤからの要求に従って、関連付けて記憶されたゲーム媒体と同一種類のゲーム媒体を含む複数のゲーム媒体の中からゲーム媒体を再選択し、プレイヤからの要求に従ってゲーム媒体を選択した回数に応じて、プレイヤからの要求に従った次の選択における複数のゲーム媒体の内の特定のゲーム媒体が選択される確率を変更する。
【0017】
本発明に係る制御プログラムは、記憶部を備え、ゲーム媒体をプレイヤと関連付けて記憶するゲームを実行するコンピュータの制御プログラムであって、ゲームにおける関連付けて記憶可能なゲーム媒体として複数のゲーム媒体を記憶部に記憶し、プレイヤからの要求に従って、複数のゲーム媒体の中からゲーム媒体を選択し、選択されたゲーム媒体をプレイヤと関連付けて記憶し、プレイヤからの要求に従って、関連付けて記憶されたゲーム媒体と同一種類のゲーム媒体を含む複数のゲーム媒体の中からゲーム媒体を再選択し、プレイヤからの要求に従ってゲーム媒体を選択した回数に応じて、プレイヤからの要求に従った次の選択における複数のゲーム媒体の内の特定のゲーム媒体が選択される確率を変更することをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るゲーム制御方法、コンピュータ及び制御プログラムでは、特定のゲーム媒体が選択される確率を、ゲーム媒体を選択した回数に応じて柔軟に変更することが可能となるので、特定のゲーム媒体の取得に対するプレイヤの期待感を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】ゲームシステムの概略構成の一例を示す図である。
図2】携帯端末の概略構成の一例を示す図である。
図3】ゲームシステムが提供するゲームについて説明するための模式図である。
図4】(a)~(d)は携帯端末に表示される画面の一例を示す図である。
図5】サーバの概略構成の一例を示す図である。
図6】(a)~(c)は各テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図7】抽選ゲーム処理に係る動作シーケンスの一例を示す図である。
図8】詳細画面表示処理に係る動作シーケンスの一例を示す図である。
図9】抽選処理の動作フローの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ、本発明の様々な実施形態について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0021】
1.本実施形態の概略
本実施形態のゲームシステムでは、プレイヤは、サーバが提供するゲームを携帯端末を用いて実施する。本実施形態のゲームシステムでは、サーバはwebゲームを提供する。
【0022】
webゲームでは、携帯端末は、ブラウザを介してサーバから受信した情報(マークアップ言語で記述された文書、及びスクリプト言語で記述されたプログラム等)に基づいて、各種ゲーム画面を表示する。また、サーバは、携帯端末からブラウザを介して送信された情報に基づいて、ゲームデータの更新及び携帯端末に対する情報送信等を行う。
【0023】
サーバが提供するゲームには、メインゲーム及びメインゲームと異なる他のゲームである抽選ゲームが含まれる。サーバは、メインゲームとして、ゲームのシナリオに従って進行するクエストを実行する。クエストとは、一般に、探索、ミッション等とも称されるものであり、複数のダンジョンのそれぞれに複数のフロア(ステージ)を有し、各フロアの処理を順次実行していくものである。各フロアの処理には、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとのバトル(対戦)、プレイヤへの特定のゲーム媒体等の特典の付与、複数のプレイヤが参加するいわゆるRAIDバトル、他プレイヤとの遭遇及び/又は他プレイヤとのバトル(対戦)等が含まれる。プレイヤキャラクタは、プレイヤが所持するゲーム媒体であり、敵キャラクタは、ノンプレイヤキャラクタ又は他のプレイヤが所持するゲーム媒体である。
【0024】
ゲーム媒体とは、ゲームに使用される電子データであり、例えば、カード、アイテム、キャラクタ及びアバタ等を含む。また、ゲーム媒体は、ゲームの進行に応じ、プレイヤによって、ゲーム内で、取得、保有、使用、管理、交換、合成、強化、売却、廃棄、及び/又は贈与等され得る電子データであるが、ゲーム媒体の利用態様は本明細書で明示されるものには限られない。プレイヤは、クエストを実行することにより、キャラクタを成長させたり、アイテムを取得することが可能となる。
【0025】
本実施形態では、予めゲームシステムに登録されたカードをゲーム媒体の例として説明する。バトルに使用されるプレイヤキャラクタ又は敵キャラクタのカードは、バトル用パラメータを有している。バトル用パラメータは、例えば、攻撃力、防御力、体力(又はHP(ヒットポイント))、属性(例えば、火、水、雷等)、レア度(例えば、ノーマル、レア、S(スーパー)レア、SS(ダブルスーパー)レア、SSS(トリプルスーパー)レア、レジェンド等)、スキル(特殊効果)の発動率、攻撃速度(一ターンにおける攻撃回数、攻撃するまでのターン数等)、一対戦における防御回数等のパラメータ及び/又はジョブ(例えば、職業、兵種等)である。また、一つのキャラクタが割り当てられるカードは一つのカードに限定されず、キャラクタ毎に、バトル用パラメータがそれぞれ異なる複数のカードが割り当てられてもよい。
【0026】
また、サーバは、抽選ゲームとして、携帯端末を操作するプレイヤからの要求に従って、抽選対象として設定された複数のキャラクタカードの中からキャラクタカードを選択する抽選を実行し、選択されたキャラクタカードをプレイヤと関連付けて記憶することにより、プレイヤに付与する。即ち、この抽選では、関連付けて記憶可能なゲーム媒体が抽選対象のゲーム媒体として設定される。この抽選では、選択されてプレイヤに付与されたキャラクタカードは、抽選対象から除外されずに残される。即ち、次の抽選では、サーバは、プレイヤからの要求に従って、付与されたキャラクタカードと同一種類のキャラクタカードを含む、抽選対象として設定された複数のキャラクタカードの中からキャラクタカードを再選択する。そして、サーバは、各プレイヤからの要求に従って抽選を実行した回数に応じて、次の抽選における特定のキャラクタカードの当選確率を変更する。
【0027】
当選確率が変更される特定のキャラクタカードは、抽選ゲームにおいて目玉となる目玉カードであり、ゲームシステムの運営者によって予め定められる。目玉カードは、例えばレア度が最高のキャラクタカード、特定の特殊効果を有するキャラクタカード、特定の時期にしか取得することができないカード(季節又はイベント限定カード)等の抽選対象として設定された複数のキャラクタカードの中で最も価値が高いキャラクタカードである。目玉カードの当選確率は、目玉カードが選択されてプレイヤに付与された場合にリセットされる。なお、当選確率は、当選確率の初期値、即ち最初に抽選が実行されたときの当選確率に再設定されることにより、リセットされる。これにより、目玉カードの当選確率を抽選を実行した回数に応じて柔軟に変更することを可能とし、目玉カードの取得に対するプレイヤの期待感を向上させることを図る。
【0028】
2.ゲームシステム1の構成
図1は、ゲームシステム1の概略構成の一例を示す図である。
【0029】
ゲームシステム1は、少なくとも一台の携帯端末2と、サーバ3とを備える。携帯端末2とサーバ3は、例えば、基地局4、移動体通信網5、ゲートウェイ6、及びインターネット7等の通信ネットワークを介して相互に接続される。携帯端末2で実行されるプログラム(例えば、閲覧プログラム)と、サーバ3で実行されるプログラム(例えば、ゲームプログラム)とは、ハイパーテキスト転送プロトコル(Hypertext Transfer Protocol, HTTP)等の通信プロトコルを用いて通信を行う。
【0030】
なお、携帯端末2としては多機能携帯電話(所謂「スマートフォン」)を想定するが、本発明はこれに限定されない。携帯端末2は、本発明が適用可能であればよく、例えば、携帯電話(所謂「フィーチャーフォン」)、携帯情報端末(Personal Digital Assistant, PDA)、携帯ゲーム機、携帯音楽プレイヤ、タブレット端末、タブレットPC、ノートPC等でもよい。
【0031】
2.1.携帯端末2の構成
図2は、携帯端末2の概略構成の一例を示す図である。
【0032】
携帯端末2は、端末通信部21と、端末記憶部22と、操作部23と、表示部24と、端末処理部25とを備える。携帯端末2は、プレイヤによる操作部23(タッチパネル及びボタン等)の操作に応じて、ゲームの進行をサーバ3に要求する。また、携帯端末2は、サーバ3からゲームの進行に係る表示データを受信して表示する。
【0033】
端末通信部21は、所定の周波数帯を感受帯域とするアンテナを含む、通信インターフェース回路を備え、携帯端末2を無線通信ネットワークに接続する。端末通信部21は、基地局4により割り当てられるチャネルを介して、基地局4との間でCDMA(Code Division Multiple Access)方式等による無線信号回線を確立し、基地局4との間で通信を行う。そして、端末通信部21は、端末処理部25から供給されたデータをサーバ3等に送信する。また、端末通信部21は、サーバ3等から受信したデータを端末処理部25に供給する。なお、端末通信部21は、不図示のWifi(Wireless Fidelity)のアクセスポイントとの間でIEEE802.11規格の無線通信方式による無線通信を行うものでもよい。
【0034】
端末記憶部22は、例えば、半導体メモリ装置を備える。端末記憶部22は、端末処理部25での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、端末記憶部22は、ドライバプログラムとして、操作部23を制御する入力デバイスドライバプログラム、表示部24を制御する出力デバイスドライバプログラム等を記憶する。また、端末記憶部22は、アプリケーションプログラムとして、ゲームの進行に係る表示データの取得及び表示を行うプログラム等を記憶する。コンピュータプログラムは、例えばCD-ROM(compact disk read only memory)、DVD-ROM(digital versatile disk read only memory)等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて端末記憶部22にインストールされてもよい。また、コンピュータプログラムは、特定のサーバ装置等から無線通信を介して端末記憶部22にインストールされてもよい。また、端末記憶部22は、データとして、携帯端末2のユーザの識別情報であるプレイヤID、ゲームの進行に係る表示データ、映像データ、画像データ等を記憶する。さらに、端末記憶部22は、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶してもよい。
【0035】
操作部23は、携帯端末2の操作が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、タッチパネル、キーボタン等である。プレイヤは、操作部23を用いて、文字、数字、記号等を入力することができる。操作部23は、プレイヤにより操作されると、その操作に対応する信号を生成する。そして、生成された信号は、プレイヤの指示として、端末処理部25に供給される。
【0036】
表示部24も、映像や画像等の表示が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等である。表示部24は、端末処理部25から供給された映像データに応じた映像や、画像データに応じた画像等を表示する。
【0037】
端末処理部25は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を備える。端末処理部25は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、携帯端末2の全体的な動作を統括的に制御する。端末処理部25は、端末記憶部22に記憶されているプログラム、操作部23の操作等に基づいて携帯端末2の各種処理が適切な手順で実行されるように、端末通信部21、表示部24等の動作を制御する。端末処理部25は、端末記憶部22に記憶されているプログラム(オペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、端末処理部25は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行することができる。
【0038】
2.1.1.端末処理部25の機能
図3は、ゲームシステム1が提供する抽選ゲームについて説明するための模式図である。
【0039】
図3に示すように、ゲームシステム1による抽選ゲームでは、抽選対象のキャラクタカードは、それぞれ二つ以上のキャラクタカードを含む複数のグループ(グループ301、グループ302、グループ303)に分類される。グループ301は、例えばレア度が最高(スーパーレア)のキャラクタカード等の目玉カードのグループであり、グループ301には、それぞれ種類の異なる10枚の目玉カードが含まれる。グループ302は、例えばレア度が中間(レア)のキャラクタカード等の中レア度カードのグループであり、グループ302には、それぞれ種類の異なる10枚の中レア度カードが含まれる。グループ303は、例えばレア度が最低(ノーマル)のキャラクタカード等の低レア度カードのグループであり、グループ303には、それぞれ種類の異なる80枚の低レア度カードが含まれる。
【0040】
なお、各グループは、キャラクタカードのレア度で分類されるのではなく、キャラクタカードが発行された時期もしくはイベント、又はキャラクタが装着するアイテム等によって分類されてもよい。
【0041】
各グループ301~303にはそれぞれ当選確率311~313が割り当てられている。グループ301の当選確率311の初期値は1%であり、グループ302の当選確率312の初期値は19%であり、グループ303の当選確率313の初期値は80%である。サーバ3は、各グループ301~303に割り当てられた当選確率311~313に従って、グループをランダムに選択する。即ち、1番目の抽選ステップでは、1%の確率でグループ301が選択され、19%の確率でグループ302が選択され、80%の確率でグループ303が選択される。なお、抽選ステップは各抽選に係る順序を表し、1番目の抽選ステップは1回目の抽選に対応する。さらに、サーバ3は、選択したグループに含まれる各キャラクタカードの中から、キャラクタカードを等確率でランダムに選択する。そして、サーバ3は、選択したキャラクタカードをプレイヤに付与する。
【0042】
なお、グループに含まれるキャラクタカードは一つのみでもよい。一つのキャラクタカードのみが含まれるグループが選択された場合、そのグループに含まれる一つのキャラクタカードがプレイヤに付与される。
【0043】
この抽選ゲームでは、付与されるキャラクタカードの種類は減少しない。即ち、選択されてプレイヤに付与されたキャラクタカードは、二回目以降の抽選において、各グループから削除されずに抽選対象として残る(または、付与されたキャラクタカードが各グループから一旦削除され、再度同一種類のキャラクタカードが補充される)。さらに、この抽選ゲームでは、二回目以降の抽選において、それまでの抽選実行回数に応じて、各グループ301~303が選択される当選確率311~313が変更される。サーバ3は、二回目以降の抽選において、目玉カードのグループ301が選択される当選確率311を高くしていき、その分だけ、他のグループ302、303が選択される当選確率312、313を低くしていく。即ち、2番目の抽選ステップでは、1.01%の確率でグループ301が選択され、18.998%の確率でグループ302が選択され、79.992%の確率でグループ303が選択される。また、99番目の抽選ステップでは、50%の確率でグループ301が選択され、9.596%の確率でグループ302が選択され、40.404%の確率でグループ303が選択される。
【0044】
この抽選ゲームでは、抽選を実行する度に目玉カードの当選確率311が高くなっていくため、目玉カードの取得に対するプレイヤの期待感を十分に向上させ、抽選に対するプレイヤの継続意欲を向上させることが可能となる。さらに、サーバ3は、二回目以降の抽選において目玉カードの当選確率311の上昇値(前回の当選確率に対する差分値)又は上昇率(前回の当選確率に対する比率)を単調増加させていく等、当選確率を柔軟に変更できるため、目玉カードの取得に対するプレイヤの期待感をさらに向上させることが可能となる。または、サーバ3は、二回目以降の抽選において、目玉カードの当選確率311の上昇値又は上昇率を単調減少させたり、当選確率311の上限値を定めることもできるため、抽選ゲームのゲーム性を向上させることも可能となる。
【0045】
図4(a)は、表示部24に表示されるホーム画面の一例を示す図である。
【0046】
図4(a)に示すホーム画面400は、ゲーム開始時等に表示される。以下で説明する各画面は、サーバ3から受信された表示データに基づいて表示される。
【0047】
ホーム画面400には、メインゲームボタン401及び抽選ゲームボタン402等が表示される。
【0048】
メインゲームボタン401が押下されると、メインゲームを実行するための画面が表示され、プレイヤはメインゲームを実行することができる。抽選ゲームボタン402が押下されると、抽選ゲームを実行するための画面が表示され、プレイヤは抽選ゲームを実行することができる。
【0049】
図4(b)は、表示部24に表示される抽選ゲーム画面の一例を示す図である。
【0050】
図4(b)に示す抽選ゲーム画面410は、ホーム画面400で抽選ゲームボタン402が押下されたときに表示される。抽選ゲーム画面410には、抽選実行回数411、当選確率412、抽選ボタン413、詳細ボタン414、戻るボタン415等が表示される。
【0051】
抽選実行回数411は、プレイヤからの要求に従って抽選が実行された回数、即ちキャラクタカードを選択した回数である。なお、抽選実行回数411は、プレイヤが抽選により目玉カードを取得したときにリセットされる。当選確率412は、抽選ゲームにおいて各キャラクタカードが選択される確率である。当選確率412として、抽選対象のキャラクタカードが分類されたグループ毎に、今回の抽選における当選確率が表示される。抽選ボタン413が押下されると、抽選が実行され、抽選結果を表示するための画面が表示される。詳細ボタン414が押下されると、当選確率の詳細情報を表示するための画面が表示され、プレイヤは当選確率の詳細を確認することができる。戻るボタン415が押下されると、再度、ホーム画面400が表示される。
【0052】
各キャラクタカードの当選確率412が表示されることにより、各プレイヤは目玉カードの取得可能性を予測でき、抽選ゲームに対する各プレイヤの期待感を向上させることが可能となる。
【0053】
図4(c)は、表示部24に表示される抽選結果画面の一例を示す図である。
【0054】
図4(c)に示す抽選結果画面420は、抽選ゲーム画面410で抽選ボタン413が押下されて抽選ゲームが実行されたときに表示される。抽選結果画面420には、当選カードの画像421、名前及びグループ422、抽選実行回数423、当選確率424、戻るボタン415等が表示される。
【0055】
画像421、名前及びグループ422として、抽選によりプレイヤが取得したキャラクタカードの画像、名前及びそのキャラクタカードが分類された抽選対象のグループが表示される。抽選実行回数423として、抽選ゲーム画面410に表示されていた抽選実行回数411からインクリメント(+1)された値が表示される。目玉カードが当選した場合、抽選実行回数423は0にリセットされる。当選確率424として、抽選対象のキャラクタカードが分類されたグループ毎に、次回の抽選における当選確率が表示される。戻るボタン425が押下されると、再度、抽選ゲーム画面410が表示される。
【0056】
次回の抽選における各キャラクタカードの当選確率424が表示されることにより、各プレイヤは次回の抽選における目玉カードの取得可能性を予測でき、各プレイヤの、抽選ゲームに再挑戦する意欲を向上させることが可能となる。
【0057】
図4(d)は、表示部24に表示される詳細画面の一例を示す図である。
【0058】
図4(d)に示す詳細画面430は、抽選ゲーム画面410で詳細ボタン414が押下されたときに表示される。詳細画面430には、抽選対象のキャラクタが分類されたグループ431毎に、各抽選実行回数における各グループの当選確率432が表示されるとともに、戻るボタン433等が表示される。戻るボタン433が押下されると、再度、抽選ゲーム画面410が表示される。
【0059】
当選確率432には、抽選実行回数毎の目玉カードの当選確率が含まれる。これにより、各プレイヤは、抽選を繰り返すことによって目玉カードの当選確率がどのように変化していくのかをより把握し易くなり、抽選ゲームに対する各プレイヤの継続意欲をより向上させることが可能となる。
【0060】
なお、次回の抽選における当選確率は、他の当選確率と区別可能に表示されてもよい。その場合、例えば、次回の抽選における当選確率を、他の当選確率より大きく表示したり、他の当選確率と異なる色で表示したり、又は点滅表示させることにより、他の当選確率と区別可能に表示することができる。これにより、各プレイヤは、特に次回の抽選における当選確率を把握し易くなる。
【0061】
2.1.2.端末処理部25の構成
端末処理部25は、少なくとも閲覧実行部251を備える。閲覧実行部251は、端末処理部25が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、閲覧実行部251は、ファームウェアとして携帯端末2に実装されてもよい。
【0062】
閲覧実行部251は、ゲームの進行に係る表示データの取得及び表示を行う。即ち、閲覧実行部251は、プレイヤからの指示に応じて、ゲームの進行に係る表示データの取得要求を端末通信部21を介してサーバ3に送信する。また、閲覧実行部251は、対応する表示データを端末通信部21を介してサーバ3から受信する。閲覧実行部251は、受信した表示データに基づいて描画データを作成する。即ち、閲覧実行部251は、受信した表示データを解析して制御データ及び内容データを特定し、特定した制御データに基づいて同じく特定した内容データをレイアウトし、描画データを作成する。そして、閲覧実行部251は、作成した描画データを表示部24に出力する。また、閲覧実行部251は、サーバ3との通信接続が確立されている間、表示データに含まれる各情報を端末記憶部22に記憶する。
【0063】
2.2.サーバ3の構成
図5は、サーバ3の概略構成の一例を示す図である。また、図6(a)~(c)は、サーバ記憶部32が記憶する各種テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【0064】
サーバ3は、サーバ通信部31と、サーバ記憶部32と、サーバ処理部33とを備える。サーバ3は、携帯端末2からの要求に応じてゲームを進行させる。また、サーバ3は、ゲームの進行に係る表示データを作成して携帯端末2に送信する。
【0065】
サーバ通信部31は、出力部の一例であり、サーバ3をインターネット7に接続するための通信インターフェース回路を備え、インターネット7との間で通信を行う。そして、サーバ通信部31は、携帯端末2等から受信したデータをサーバ処理部33に供給する。また、サーバ通信部31は、サーバ処理部33から供給されたデータを携帯端末2等に送信する。
【0066】
サーバ記憶部32は、例えば、磁気テープ装置、磁気ディスク装置、又は光ディスク装置のうちの少なくとも一つを備える。サーバ記憶部32は、サーバ処理部33での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、サーバ記憶部32は、アプリケーションプログラムとして、ゲームを進行させ、その結果に係る表示データを作成するゲームプログラム等を記憶する。コンピュータプログラムは、例えばCD-ROM、DVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて端末記憶部22にインストールされてもよい。
【0067】
また、サーバ記憶部32は、データとして、図6(a)に示すプレイヤテーブル、図6(b)に示すカードテーブル、図6(c)に示すグループテーブル、各プレイヤの画像データ、ゲームの進行に係る様々な画像データ等を記憶する。さらに、サーバ記憶部32は、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶してもよい。
【0068】
図6(a)は、プレイヤを管理するプレイヤテーブルを示す。プレイヤテーブルには、各プレイヤについて、当該プレイヤの識別番号(プレイヤID)、パスワード、名前、画像データのファイル名、所有カード情報、バトルに使用される所有カードの識別番号(使用ID)、ゲームポイント、プレイヤレベル、抽選実行回数及び関連プレイヤのプレイヤID等の情報が関連付けて記憶される。
【0069】
所有カード情報には、プレイヤが所有する、ゲームで使用されるキャラクタカード毎に、所有するキャラクタカードを管理するための識別番号(所有ID)及び当該カードの識別番号(カードID)等が関連付けて記憶される。使用IDは、所有カード情報に含まれるカードの内、バトルに使用されるカードの所有IDである。ゲームポイントは、メインゲームにおいて各プレイヤに付与されたポイントの累積値であり、メインゲームで実施されるクエストの結果(ステージクリア)、バトルの結果(勝敗)、イベントの結果(プレイヤが所属するグループの順位)等に応じて各プレイヤに付与される。プレイヤレベルは、メインゲームにおけるプレイヤのレベルであり、プレイヤに付与されたゲームポイントに応じて定められる。抽選実行回数は、プレイヤからの要求に従って抽選が実行された回数である。
【0070】
関連プレイヤは、そのプレイヤに関連する他のプレイヤである。関連プレイヤは、例えばそのプレイヤと同一の所属グループに所属する他のプレイヤ、そのプレイヤとフレンド関係にある他のプレイヤ、過去の敵キャラクタとのバトルにおいてそのプレイヤを救援した他のプレイヤ、過去に対戦した他のプレイヤ及び/又は過去に対戦したグループに所属する他のプレイヤ等である。
【0071】
図6(b)は、キャラクタカードを管理するカードテーブルを示す。カードテーブルには、各キャラクタカードについて、当該キャラクタカードのカードID、名前、画像データのファイル名、キャラクタ名、レア度、HP、攻撃力、防御力、属性等が関連付けて記憶される。
【0072】
図6(c)は、抽選において分類されるキャラクタカードのグループを管理するグループテーブルを示す。グループテーブルには、各グループについて、当該グループの識別番号(グループID)、名前、当該グループに含まれるキャラクタカードのカードID、当選確率の初期値等が関連付けて記憶される。各グループに含まれるキャラクタカードは、抽選ゲームにおける抽選対象となる。各グループに含まれる各キャラクタカードの当選確率は、そのグループに関連付けられた当選確率の初期値及び各プレイヤに関連付けられた抽選実行回数に基づいて決定され、各キャラクタカードに付与される。なお、グループテーブルにおいて、各グループについて、抽選実行回数毎の当選確率が関連付けて記憶されてもよい。
【0073】
2.2.1.サーバ処理部33の構成
サーバ処理部33は、進行制御部331、表示データ出力部332、メインゲーム実行部333、選択部334及び関連付け部335を備える。これらの各部は、サーバ処理部33が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、これらの各部は、ファームウェアとしてサーバ3に実装されてもよい。
【0074】
進行制御部331は、ゲームの開始及び進行を制御し、表示データ出力部332、メインゲーム実行部333、選択部334及び関連付け部335に処理の実行を適宜指示する。進行制御部331は、サーバ通信部31を介して、携帯端末2との間で必要なデータをやり取りする。
【0075】
図4(a)~(c)を用いて説明した各画面の要求を携帯端末2から受信すると、進行制御部331は、プレイヤからの指示を受け付けるためのボタン、プレイヤに通知する文字情報、画像等をその画面に応じたレイアウトで表示させるための表示データの作成を各部に指示し、そのデータを携帯端末2に送信する。そして携帯端末2に表示させた画面上で何れかのボタンが押下され、そのボタンに対応する次の画面の要求を携帯端末2から受信すると、進行制御部331は、同様に次の画面の表示データの作成を各部に指示し、そのデータを携帯端末2に送信する。
【0076】
特に、プレイヤにより携帯端末2を用いてゲームを開始する操作、又は、ホーム画面へ遷移する操作が行われ、それに対応するホーム画面要求を携帯端末2から受信した場合、進行制御部331は、表示データ出力部332に、ホーム画面400を表示するための表示データの作成を指示する。そして、進行制御部331は、表示データ出力部332が作成した表示データを携帯端末2に送信する。
【0077】
また、携帯端末2に表示されたホーム画面400でメインゲームボタン401が押下され、それに対応するメインゲーム要求を携帯端末2から受信した場合、進行制御部331は、メインゲーム実行部333にメインゲームの実行を指示する。そして、進行制御部331は、メインゲーム実行部333が作成した、メインゲームを実行する画面を表示するための表示データを携帯端末2に送信する。
【0078】
また、携帯端末2に表示されたホーム画面400で抽選ゲームボタン402が押下され、それに対応する抽選画面要求を携帯端末2から受信した場合、進行制御部331は、選択部334に抽選ゲーム画面410を表示するための表示データの作成を指示する。そして、進行制御部331は、選択部334が作成した表示データを携帯端末2に送信する。
【0079】
また、携帯端末2に表示された抽選ゲーム画面410で抽選ボタン413が押下され、それに対応する抽選要求を携帯端末2から受信した場合、進行制御部331は、選択部334に抽選の実行を指示する。そして、進行制御部331は、選択部334が作成した、抽選結果画面420を表示するための表示データを携帯端末2に送信する。
【0080】
また、携帯端末2に表示された抽選ゲーム画面410で詳細ボタン414が押下され、それに対応する詳細画面要求を携帯端末2から受信した場合、進行制御部331は、選択部334に詳細画面430を表示するための表示データの作成を指示する。そして、進行制御部331は、選択部334が作成した表示データを携帯端末2に送信する。
【0081】
表示データ出力部332は、進行制御部331からホーム画面の表示データの作成が指示された場合、ホーム画面400を表示するための表示データを作成し、作成した表示データを進行制御部331に渡す。
【0082】
メインゲーム実行部333は、進行制御部331からメインゲームの実行が指示された場合、メインゲームを実行する画面を表示するための表示データを作成し、作成した表示データを進行制御部331に渡す。以後、携帯端末2に表示された、メインゲームを実行する画面に対するプレイヤによる操作に従ってメインゲームが実行される。メインゲーム実行部333は、メインゲームにおいて、プレイヤテーブルに記憶された使用IDに係るカード等を用いてバトル等を実行する。また、メインゲーム実行部333は、その結果に応じて、プレイヤテーブルにおけるゲームポイント及びプレイヤレベルを更新し、プレイヤにゲームポイントを付与するとともにプレイヤレベルを上昇させる。
【0083】
選択部334は、進行制御部331から抽選ゲーム画面410の作成が指示された場合、抽選画面要求に含まれるプレイヤIDを特定し、プレイヤテーブルから、特定したプレイヤIDに関連付けられた抽選実行回数を読み出す。また、選択部334は、グループテーブルから、各グループの当選確率の初期値を読み出す。選択部334は、読み出した初期値及び抽選実行回数に基づいて、次に実施される抽選における各グループの当選確率を算出する。選択部334は、読み出した抽選実行回数及び算出した当選確率を表す抽選ゲーム画面410を表示するための表示データを作成し、作成した表示データを進行制御部331に渡す。
【0084】
選択部334は、プレイヤの抽選実行回数に応じて、そのプレイヤからの要求に従った次の抽選における目玉カードの当選確率を変更する。選択部334は、抽選実行回数が多いほど、目玉カードのグループの当選確率が高くなり、それに応じて、他のグループの当選確率が低くなるように当選確率を変更する。
【0085】
例えば、図3に示した目玉カードのグループ301、中レア度カードのグループ302、低レア度カードのグループ303の、各抽選実行回数における当選確率は、以下の計算式により算出される。
グループ301の当選確率P=A×100/(100-抽選実行回数)
グループ302の当選確率P=(1-P)×(A/(1-A))
グループ303の当選確率P=(1-P)×(A/(1-A))
ここで、Aはグループ301の当選確率の初期値であり、Aはグループ302の当選確率の初期値であり、Aはグループ303の当選確率の初期値である。
【0086】
以下、グループ301の当選確率Pが1%であり、グループ302の当選確率Pが19%であり、グループ303の当選確率Pが80%である場合を例にして説明する。抽選実行回数が0(抽選ステップが1)の場合、グループ301の当選確率は1%となり、グループ302の当選確率は19%となり、グループ303の当選確率は80%となる。一方、抽選実行回数が1(抽選ステップが2)の場合、グループ301の当選確率は1.01%となり、グループ302の当選確率は18.998%となり、グループ303の当選確率は79.992%となる。また、抽選実行回数が98(抽選ステップが99)の場合、グループ301の当選確率は50%となり、グループ302の当選確率は9.596%となり、グループ303の当選確率は40.404%となる。この計算式では、目玉カードの当選確率の上昇値及び上昇率は抽選実行回数に対して単調増加となるため、プレイヤが抽選を実行するほど目玉カードの当選確率は飛躍的に増大する。したがって、プレイヤの抽選ゲームに対する継続意欲を向上させることが可能となる。
【0087】
なお、選択部334は、上記の計算式とは異なる方法で各グループの当選確率を変更してもよい。例えば、選択部334は、目玉カードの当選確率の上昇値又は上昇率が抽選実行回数に対して単調減少となるように当選確率を変更してもよい。これにより、目玉カードの当選確率は、初期段階においてある程度高い値になり、抽選ゲームを少ししか実行しないようなライトユーザでも目玉カードを取得し易くなる。したがって、より多くのライトユーザを抽選ゲームに参加させて、抽選ゲームの参加者数を増大させることが可能となる。
【0088】
または、選択部334は、目玉カードの当選確率が、抽選実行回数に対して線形になるように、当選確率を変更してもよい。その場合、選択部334は、例えば目玉カードの当選確率を、1番目の抽選ステップでは1%、2番目の抽選ステップでは2%、99番目の抽選ステップでは99%とする。これにより、目玉カードの当選確率の遷移がシンプルになり、プレイヤは現在の当選確率を容易に把握することができる。
【0089】
また、選択部334は、抽選において選択されたキャラクタカードのキャラクタ、属性、レア度もしくは所属するグループ、抽選において選択されたキャラクタカードとプレイヤが所有するキャラクタカードの関係、抽選において選択されたキャラクタカードと目玉カードの関係、メインゲームでプレイヤに付与されたポイント、メインゲームにおけるプレイヤのレベル、又は、プレイヤが他のプレイヤに送信したメッセージ数に基づいて、当選確率を変更する度合いを変更してもよい。なお、選択部334は、1回の抽選で抽選ステップを2ステップ以上進める(大きくする)ことにより、当選確率の上昇度合いを大きくし、抽選ステップを戻す(小さくする)ことにより、当選確率を小さくすることができる。また、選択部334は、抽選後に抽選ステップを変更しないことにより、当選確率を変更させないことができる。
【0090】
例えば、選択部334は、抽選において選択されたキャラクタカードのキャラクタ、属性、レア度又は所属するグループが、予め定められたキャラクタ、属性、レア度又はグループと同一である場合の次回の当選確率を、同一でない場合の次回の当選確率よりも大きくする。また、選択部334は、抽選において選択されたキャラクタカードが、プレイヤが既に所有するキャラクタカードと同一である場合の次回の当選確率を、同一でない場合の次回の当選確率よりも大きくする。また、選択部334は、抽選において選択されたキャラクタカードと目玉カードのキャラクタ又は属性が同一である場合の次回の当選確率を、同一でない場合の次回の当選確率よりも大きくする。これらにより、目玉カードが当選しなかった場合でも、次回の当選確率が大きく向上する可能性があるので、目玉カードの取得に対するプレイヤの期待感を向上させることが可能となる。
【0091】
また、例えば、選択部334は、プレイヤテーブルに記憶されたゲームポイント又はプレイヤレベルが高いほど各ステップにおける当選確率の上昇度合いが大きくなり、ゲームポイント又はプレイヤレベルが低いほど当選確率の上昇度合いが小さくなるように当選確率の上昇度合いを変更する。これにより、各プレイヤは、当選確率の上昇度合いを向上させるためにメインゲームをより頻繁に実行するので、メインゲームの活性化を図ることが可能となる。
【0092】
また、例えば、選択部334は、プレイヤが関連プレイヤに送信したメッセージ数、又はプレイヤが他のプレイヤに送信したメインゲームへ勧誘するメッセージ数が多いほど当選確率の上昇度合いが大きくなるように当選確率の上昇度合いを変更する。これにより、各プレイヤは、当選確率の上昇度合いを向上させるためにより多くのメッセージを送信するので、プレイヤ間のコミュニケーションの活性化を図ることが可能となる。
【0093】
また、選択部334は、メインゲームでプレイヤに付与されたポイント、メインゲームにおけるプレイヤのレベル、又は、プレイヤが他のプレイヤに送信したメッセージ数に基づいて、当選確率をリセットした直後の初期値を変更してもよい。なお、選択部334は、当選確率をリセットした直後の抽選ステップを1以外の他のステップにすることにより、当選確率の初期値を動的に変更することができる。
【0094】
例えば、選択部334は、プレイヤテーブルに記憶されたゲームポイント又はプレイヤレベルが高いほど、当選確率の初期値が大きくなり、ゲームポイント又はプレイヤレベルが低いほど、当選確率の初期値が小さくなるように当選確率の初期値を変更する。これにより、各プレイヤは、当選確率の初期値を向上させるためにメインゲームをより頻繁に実行するので、メインゲームの活性化を図ることが可能となる。
【0095】
また、例えば、選択部334は、プレイヤが関連プレイヤに送信したメッセージ数、又はプレイヤが他のプレイヤに送信したメインゲームへ勧誘するメッセージ数が多いほど、当選確率の初期値が大きくなるように当選確率の初期値を変更する。これにより、各プレイヤは、当選確率の初期値を向上させるためにより多くのメッセージを送信するので、プレイヤ間のコミュニケーションの活性化を図ることが可能となる。
【0096】
また、上記の計算式では、抽選実行回数が99の場合、グループ301の当選確率は100%になり、必ず目玉カードが当選することになる。そこで、選択部334は、目玉カードの当選確率に上限を設定する。例えば、選択部334は、当選確率の上限を50%に設定し、抽選実行回数が99以上(100番目以降の抽選ステップ)の場合の各グループの当選確率を、抽選実行回数が98(99番目の抽選ステップ)の場合の当選確率と同じ値に設定する。当選確率に上限が設定されることにより、当選確率が高くなり過ぎて目玉カードの取得に対するプレイヤの期待感が低下することを抑制することが可能となる。
【0097】
なお、選択部334は、抽選において選択されたキャラクタカードのキャラクタ、属性、レア度もしくは所属するグループ、抽選において選択されたキャラクタカードとプレイヤが所有するキャラクタカードの関係、抽選において選択されたキャラクタカードと目玉カードの関係、メインゲームでプレイヤに付与されたポイント、メインゲームにおけるプレイヤのレベル、又は、プレイヤが他のプレイヤに送信したメッセージ数に基づいて、当選確率の上限値を設定してもよい。なお、選択部334は、抽選ステップの最大数を変更することにより、当選確率の上限値を変更することができる。
【0098】
例えば、選択部334は、抽選において選択されたキャラクタカードのキャラクタ、属性、レア度又は所属するグループが、予め定められたキャラクタ、属性、レア度又はグループと同一である場合、当選確率の上限値を現在の上限値よりも高い値に設定する。また、選択部334は、抽選において選択されたキャラクタカードが、プレイヤが既に所有するキャラクタカードと同一である場合、当選確率の上限値を現在の当選確率の上限値よりも高い値に設定する。また、選択部334は、抽選において選択されたキャラクタカードと目玉カードのキャラクタ又は属性が同一である場合、当選確率の上限値を現在の上限値よりも高い値に設定する。これらにより、目玉カードが当選しなかった場合でも、当選確率の上限値が高くなる可能性があるので、目玉カードの取得に対するプレイヤの期待感を向上させることが可能となる。
【0099】
また、例えば、選択部334は、プレイヤテーブルに記憶されたゲームポイント又はプレイヤレベルが高いほど当選確率の上限値が高くなるように当選確率の上限を設定し、ゲームポイント又はプレイヤレベルが低いほど当選確率の上限値が低くなるように当選確率の上限を設定する。これにより、各プレイヤは、当選確率の上限値を向上させるためにメインゲームをより頻繁に実行するので、メインゲームの活性化を図ることが可能となる。
【0100】
また、例えば、選択部334は、プレイヤが関連プレイヤに送信したメッセージ数、又はプレイヤが他のプレイヤに送信したメインゲームへ勧誘するメッセージ数が多いほど当選確率の上限値が高くなるように当選確率の上限を設定する。これにより、各プレイヤは、当選確率の上限値を向上させるためにより多くのメッセージを送信するので、プレイヤ間のコミュニケーションの活性化を図ることが可能となる。
【0101】
また、選択部334は、進行制御部331から抽選の実行が指示された場合、抽選画面要求に含まれるプレイヤIDを特定し、プレイヤテーブルから、特定したプレイヤIDに関連付けられた抽選実行回数を読み出す。また、選択部334は、グループテーブルから、各グループの当選確率の初期値を読み出す。選択部334は、読み出した初期値及び抽選実行回数に基づいて、上記した方法により各グループの当選確率を算出し、算出した当選確率に従って、グループをランダムに選択する。例えば、選択部334は、サーバ3の現在のクロックカウンタ値等を種として発生させた擬似乱数を用いてグループをランダムに選択する。さらに、選択部334は、選択したグループに含まれる各キャラクタカードの中から、キャラクタカードをランダムに選択する。例えば、選択部334は、サーバ3の現在のクロックカウンタ値等を種として発生させた擬似乱数を用いて、全てのキャラクタカードが同一の確率で選択されるように、キャラクタカードをランダムに選択する。
【0102】
このように、選択部334は、プレイヤからの要求に従って、抽選対象の複数のキャラクタカードの中からキャラクタカードを選択する。選択部334は、抽選において目玉カードのグループ以外のグループが選択された場合、プレイヤテーブルにおいて抽選実行回数をインクリメントする。この場合、目玉カードの次回の抽選における当選確率は今回の抽選における当選確率より高くなり、目玉カード以外のキャラクタカードの次回の抽選における当選確率は今回の抽選における当選確率より低くなる。一方、選択部334は、抽選において目玉カードのグループが選択された場合、プレイヤテーブルにおいて抽選実行回数をリセットする。この場合、各キャラクタカードの次回の抽選における当選確率はリセットされ、初期値に戻る。
【0103】
なお、選択部334は、抽選において目玉カードのグループが選択された場合でも、抽選実行回数をリセットせず、各キャラクタカードの次回の抽選における当選確率をリセットしないようにしてもよい。これにより、プレイヤは、目玉カードのグループの内の特定の目玉カードを取得した後も、他の目玉カードを高確率で取得することができ、抽選ゲームに対するプレイヤの継続意欲を向上させることが可能となる。
【0104】
また、選択部334は、抽選実行回数が所定数(例えば50回)になった場合、抽選実行回数を自動的にリセットし、各キャラクタカードの次回の抽選における当選確率をリセットしてもよい。これにより、各プレイヤは所定の抽選実行回数の間に目玉カードを取得する必要があるため、抽選ゲームのゲーム性が向上し、更に、目玉カードがプレイヤに大量に付与されることが抑制される。
【0105】
また、選択部334は、プレイヤからの要求に従って、抽選実行回数をリセットし、各キャラクタカードの次回の抽選における当選確率をリセットしてもよい。
【0106】
また、選択部334は、目玉カードの内、特殊カードが選択された場合、各キャラクタカードの当選確率をリセットせず、特殊カード以外の他のカードが選択された場合、各キャラクタカードの当選確率をリセットしてもよい。その場合、特殊カードは各プレイヤに大量に付与される可能性があるため、大量に流通してもよいカードが特殊カードとして定められることが好ましい。これにより、特殊カードが選択された場合は、目玉カードの当選確率は高いままとなるので、抽選ゲームのゲーム性をさらに向上させることが可能となる。または、特殊カードは、プレイヤ毎に、各プレイヤによって設定されてもよい。これにより、各プレイヤが設定したキャラクタカードが選択されるまでは、目玉カードの当選確率は高いままとなるので、各プレイヤは所望のカードを確実に取得することができる。
【0107】
次に、選択部334は、関連付け部335に、選択したキャラクタカードのプレイヤへの付与を指示する。次に、選択部334は、プレイヤテーブルにおいて更新した抽選回数に基づいて、次回の抽選における各グループの当選確率を算出する。選択部334は、選択したプレイヤカード、更新した抽選実行回数及び算出した次回の当選確率を表す抽選結果画面420を表示するための表示データを作成し、作成した表示データを進行制御部331に渡す。
【0108】
また、選択部334は、進行制御部331から詳細画面430を表示するための表示データの作成が指示された場合、抽選実行回数毎の各グループの当選確率を算出し、算出した抽選実行回数毎の当選確率を表す詳細画面430を表示するための表示データを作成し、作成した表示データを進行制御部331に渡す。
【0109】
関連付け部335は、選択部334からキャラクタカードのプレイヤへの付与が指示された場合、選択部334によって選択されたキャラクタカードをプレイヤと関連付けて記憶することにより、プレイヤに付与する。関連付け部335は、プレイヤテーブルにおいて、キャラクタカードのカードIDをプレイヤの所有カード情報に追加することにより、そのキャラクタカードをプレイヤに付与する。その際、関連付け部335は、選択部334によって選択されたキャラクタカードをグループテーブルから削除せずに、次の抽選における抽選対象に残す。
【0110】
このように、関連付け部335は、抽選において目玉カードのグループ以外のグループが選択された場合も、目玉カードのグループが選択された場合も、選択されたキャラクタカードを次の抽選における抽選対象に残しつつプレイヤに付与する。これにより、次の抽選においても、選択部334は、付与されたキャラクタカードと同一種類のキャラクタカードを含む、抽選対象として設定された複数のキャラクタカードの中からキャラクタカードを再選択することになる。即ち、各抽選において抽選対象となるキャラクタカードの種類又は種類数は変更されず、維持される。
【0111】
図7は、ゲームシステム1の抽選ゲーム処理に係る動作シーケンスの一例を示す図である。この動作シーケンスは、予め端末記憶部22及びサーバ記憶部32に記憶されているプログラムに基づいて、主に端末処理部25及びサーバ処理部33により、携帯端末2及びサーバ3の各要素と協働して実行される。
【0112】
まず、携帯端末2の表示部24にホーム画面400が表示された状態で、プレイヤが操作部23を用いて抽選ゲームボタン402を押下すると、携帯端末2の閲覧実行部251は、抽選画面要求を端末通信部21を介してサーバ3に送信する(ステップS101)。サーバ3の進行制御部331が携帯端末2から抽選画面要求を受信した場合、選択部334は、各グループの当選確率の初期値及びプレイヤの抽選実行回数に基づいて次の抽選における各グループの当選確率を算出する(ステップS102)。次に、選択部334は、プレイヤの抽選実行回数及び算出した当選確率を表す抽選ゲーム画面410を表示するための表示データを作成する(ステップS103)。次に、進行制御部331は、選択部334が作成した表示データを携帯端末2に送信する(ステップS104)。サーバ3から端末通信部21を介して表示データを受信した場合、携帯端末2の閲覧実行部251は、受信した表示データに基づき描画データを作成して、表示部24に抽選ゲーム画面410を表示させる(ステップS105)。
【0113】
次に、携帯端末2の表示部24に抽選ゲーム画面410が表示された状態で、プレイヤが操作部23を用いて抽選ボタン413を押下すると、携帯端末2の閲覧実行部251は、抽選要求を端末通信部21を介してサーバ3に送信する(ステップS106)。サーバ3の進行制御部331が携帯端末2から抽選要求を受信した場合、選択部334は、抽選処理を実行する(ステップS107)。抽選処理の詳細については後述する。次に、選択部334は、抽選処理において選択したプレイヤカード、更新した抽選実行回数及び算出した次回の当選確率を表す抽選結果画面420を表示するための表示データを作成する(ステップS108)。次に、進行制御部331は、選択部334が作成した表示データを携帯端末2に送信する(ステップS109)。サーバ3から端末通信部21を介して表示データを受信した場合、携帯端末2の閲覧実行部251は、受信した表示データに基づき描画データを作成して、表示部24に抽選結果画面420を表示させる(ステップS110)。以上で、抽選ゲーム処理に係る動作シーケンスは終了する。
【0114】
図8は、ゲームシステム1の詳細画面表示処理に係る動作シーケンスの一例を示す図である。この動作シーケンスは、予め端末記憶部22及びサーバ記憶部32に記憶されているプログラムに基づいて、主に端末処理部25及びサーバ処理部33により、携帯端末2及びサーバ3の各要素と協働して実行される。
【0115】
まず、携帯端末2の表示部24に抽選ゲーム画面410が表示された状態で、プレイヤが操作部23を用いて詳細ボタン414を押下すると、携帯端末2の閲覧実行部251は、詳細画面要求を端末通信部21を介してサーバ3に送信する(ステップS201)。サーバ3の進行制御部331が携帯端末2から詳細画面要求を受信した場合、選択部334は、抽選実行回数毎の各グループの当選確率を算出する(ステップS202)。次に、選択部334は、算出した抽選実行回数毎の当選確率を表す詳細画面430を表示するための表示データを作成する(ステップS203)。次に、進行制御部331は、選択部334が作成した表示データを携帯端末2に送信する(ステップS204)。サーバ3から端末通信部21を介して表示データを受信した場合、携帯端末2の閲覧実行部251は、受信した表示データに基づき描画データを作成して、表示部24に詳細画面430を表示させる(ステップS205)。以上で、詳細画面表示処理に係る動作シーケンスは終了する。
【0116】
図9は、選択部334及び関連付け部335による抽選処理の動作フローを示す。図9に示すホーム画面表示データ作成処理は、図7のステップS107において実行される。
【0117】
選択部334は、まず、プレイヤの抽選実行回数に基づいて今回の抽選における各グループの当選確率を算出する(ステップS301)。次に、選択部334は、算出した当選確率に従ってグループをランダムに選択し、選択したグループに含まれる各キャラクタカードの中から、キャラクタカードをランダムに選択する(ステップS302)。次に、選択部334は、抽選において目玉カードが選択されたか否かを判定する(ステップS303)。選択部334は、抽選において目玉カード以外のキャラクタカードが選択された場合(ステップS303-No)、プレイヤテーブルにおいてプレイヤに関連付けられた抽選実行回数をインクリメントする(ステップS304)。一方、選択部334は、抽選において目玉カードが選択された場合(ステップS303-Yes)、プレイヤテーブルにおいてプレイヤに関連付けられた抽選実行回数をリセットする(ステップS305)。
【0118】
次に、関連付け部335は、選択部334によって選択されたキャラクタカードを、グループテーブルからは削除せずに、プレイヤテーブルの所有カード情報に追加することにより、プレイヤに付与し(ステップS306)、一連のステップを終了する。
【0119】
なお、選択部334は、ステップS301において今回の抽選における各グループの当選確率を算出するのではなく、図7のステップS102で算出していた当選確率を用いて抽選を実行してもよい。
【0120】
以上説明してきたように、サーバ3は、目玉カードの当選確率を抽選実行回数に応じて柔軟に変更することが可能となるので、目玉カードの取得に対するプレイヤの期待感を向上させることが可能となる。また、プレイヤは、抽選ゲームを繰り返すことにより、目玉カードの当選確率を上昇させていくことができるため、抽選ゲームを育成していく感覚を得ることができる。
【0121】
また、本実施形態の抽選では、当選したキャラクタカードが抽選対象から削除されないため、プレイヤは当選したキャラクタカードを再度取得することができる。したがって、同一のカードを用いてキャラクタカードのレベル又はレベルの上限を上昇させることができるゲームにおいて、プレイヤはキャラクタカードのレベル又はレベルの上限を上昇させ易くなる。
【0122】
また、当選したキャラクタカードが抽選対象から削除される抽選では、残った全てのカードの当選確率が高くなっていくのに対して、本実施形態の抽選では、抽選実行回数が多いほど目玉カードの当選確率が高くなり、他のカードの当選確率が低くなる。したがって、本実施形態の抽選では、抽選が繰り返されるほど、未当選のカードが当選する可能性が低くなっていき、プレイヤが必要としないカードが当選する可能性が低くなっていく。
【0123】
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態では、目玉カードは、ゲームシステムの運営者により予め定められるものとしたが、目玉カードのグループに含まれるキャラクタカードの一部又は全部は、携帯端末2を用いたプレイヤからの要求に従って設定されてもよい。これにより、各プレイヤは、抽選を実行する度に、自分が欲しいキャラクタカードの当選確率を上昇させることが可能となり、抽選に対するプレイヤの継続意欲をより向上させることが可能となる。
【0124】
また、選択部334は、抽選において選択されたキャラクタカードの当選確率のみが低くなり、目玉カードの当選確率のみが高くなるように当選確率を変更してもよい。または、選択部334は、抽選において選択されたキャラクタカードの当選確率のみが低くなり、他の全てのキャラクタカードの当選確率が高くなるように当選確率を変更してもよい。これらにより、同一のキャラクタカードが重複して当選される可能性を残しつつ低減させることができるので、プレイヤが同一のキャラクタカードを得ることにより失望する可能性を低減させつつ、抽選ゲームにおけるゲーム性を維持することができる。
【0125】
また、逆に、選択部334は、抽選において選択されなかった、目玉カード以外のキャラクタカードの当選確率のみが低くなり、目玉カードの当選確率のみが高くなるように当選確率を変更してもよい。または、選択部334は、抽選において選択されなかった、目玉カード以外のキャラクタカードの当選確率のみが低くなり、他の全てのキャラクタカードの当選確率が高くなるように当選確率を変更してもよい。同一のキャラクタカードを用いてキャラクタカードのパラメータ値の上限値を上昇させることができるゲームでは、これらにより同一のキャラクタカードを取得できる確率を維持又は向上させることができ、上限値を上昇させることができる可能性を維持又は向上させることができる。
【0126】
また、メインゲーム実行部333は、抽選ゲームにおいて抽選実行回数が上限又は所定数に到達した場合、メインゲームにおいてプレイヤに特典を付与してもよい。例えば、メインゲーム実行部333は、特典として、メインゲームで使用されるアイテム、キャラクタカード等のゲーム媒体をプレイヤに付与する。または、メインゲーム実行部333は、特典として、メインゲームでプレイヤに付与されるゲームポイントを通常付与されるポイントより大きくしてもよい。これにより、各プレイヤは、メインゲームをより有利に進めることができるように抽選ゲームをより頻繁に実行するので、ゲーム全体の活性化を図ることが可能となる。
【0127】
また、所定のイベント期間毎に抽選ゲームが実施される場合、サーバ3は、特定のイベント期間に実施された抽選ゲームにおいて抽選実行回数(目玉カードの当選確率)が上限又は所定値に到達したときは、その抽選実行回数(目玉カードの当選確率)を次のイベント期間に実施される抽選ゲームに引き継がせてもよい。その場合、サーバ3は、特定のイベント期間の終了後も、抽選実行回数(目玉カードの当選確率)を削除せず、次のイベント期間に実施される抽選における抽選実行回数(目玉カードの当選確率)の初期値として用いる。これにより、各プレイヤは、将来得られるメリットに期待して抽選ゲームをより頻繁に実行するので、抽選ゲームの活性化を図ることが可能となる。
【0128】
また、本実施形態では、メインゲームと異なる他のゲームを抽選ゲームとして説明したが、当該ゲームは、抽選ゲームに限定されず、特定のゲーム媒体を選択するゲームであればどのような形態のゲームであってもよい。
【0129】
また、本実施形態では、選択されたゲーム媒体がプレイヤに付与される例について説明したが、選択されたゲーム媒体はプレイヤと関連付けて記憶されれば、必ずしもプレイヤに付与されなくてもよい。例えば、選択されたゲーム媒体は、プレイヤが閲覧のみできるように、又は他のプレイヤへの提供のみできるように設定されてもよい。
【0130】
また、上述したサーバ処理部33の各機能は、携帯端末2の端末処理部25で実行してもよい。この場合、プレイヤテーブル、カードテーブル及びグループテーブルを端末記憶部22に記憶しておけば、処理の都度サーバ3と通信を行う必要はなく、携帯端末2だけで上記の機能を実現することも可能である。また、携帯端末2において実行されるゲームは、サーバ3と携帯端末2のそれぞれが処理の一部を担うハイブリッドゲームとしてもよい。その場合、例えば、ゲームの進行に係る各画面をサーバ3が生成した表示データに基づいて携帯端末2に表示されるウェブ表示とし、その他のメニュー画面等を携帯端末2にインストールされているネイティブアプリによって表示するネイティブ表示とする。
【0131】
当業者は、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換、及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。
【符号の説明】
【0132】
1 ゲームシステム
3 サーバ
31 サーバ通信部
32 サーバ記憶部
33 サーバ処理部
331 進行制御部
332 表示データ出力部
333 メインゲーム実行部
334 選択部
335 関連付け部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9