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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-09
(45)【発行日】2022-02-18
(54)【発明の名称】高周波外科用器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20220210BHJP
【FI】
A61B18/14
【請求項の数】 7
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019148938
(22)【出願日】2019-08-14
(62)【分割の表示】P 2016516981の分割
【原出願日】2014-09-22
(65)【公開番号】P2020000890
(43)【公開日】2020-01-09
【審査請求日】2019-09-10
(31)【優先権主張番号】102013110595.5
(32)【優先日】2013-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】502154016
【氏名又は名称】アエスキュラップ アーゲー
【住所又は居所原語表記】Am Aesculap-Platz, 78532 Tuttlingen Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ライクリー ヘイコー
(72)【発明者】
【氏名】ファイチ デルク
(72)【発明者】
【氏名】ハイツマン パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ハフナー ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】マーザー トーマス
【審査官】宮部 愛子
(56)【参考文献】
【文献】独国特許発明第2455171(DE,C2)
【文献】米国特許出願公開第2013/0046337(US,A1)
【文献】国際公開第2012/123337(WO,A1)
【文献】特開平10-258063(JP,A)
【文献】特表2004-527360(JP,A)
【文献】特開平6-162860(JP,A)
【文献】特開2012-125339(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに向かって閉位置へと動作可能な、第1の器具分岐部(10)と第2の器具分岐部(12)とを備える高周波外科用器具(1)であって、
前記第1の器具分岐部(10)は、少なくとも1つの第1の電極(18)が備えられ、
前記第2の器具分岐部(12)は、少なくとも1つの第2の電極(20)が備えられ、
前記第1の器具分岐部(10)と前記第2の器具分岐部(12)とは、それぞれ、電源(24)から電力を供給可能に構成されており、
前記高周波外科用器具(1)は、
少なくとも1つの電線(22)を介して前記電源(24)に接続される接点要素(30)と前記接点要素(30)に接続される第1の接点(32)であって、前記少なくとも1つの第1の電極(18)に電力を供給するための第1の接点(32と、を含む、別個に構成されたブリッジング手段(36)を備え、
機械実装されるように適合されたプリント基板(34)として形成される前記ブリッジング手段(36)は、前記第1の接点(32)が前記少なくとも1つの第1の電極(18)に電気的に接触するように前記第1の器具分岐部(10)へ導入されるように構成され、前記第1の器具分岐部(10)の近位側の軸方向開口部(38)を通して前記第1の器具分岐部(10)内に軸方向に挿入可能であり、
前記第1の器具分岐部(10)は、前記電源(24)に直接接続され、
前記第2の器具分岐部(12)には、前記第1の器具分岐部(10)を介して電力が間接的に供給され、
前記第1の器具分岐部(10)の前記ブリッジング手段(36)には、前記接点要素(30)に接続される第3の接点(42)が設けられ、
前記第の接点(42)は、前記第1の器具分岐部(10)と前記第2の器具分岐部(12)との、少なくとも前記閉位置において、前記第2の器具分岐部(12)上の対応する第2の接点に電気的に接触することを特徴とする、
高周波外科用器具(1)。
【請求項2】
前記ブリッジング手段(36)の前記第1の接点(32)は、前記第1の接点(32)と前記少なくとも1つの第1の電極(18)との間に導電圧接を生じさせる導電性ばね接点要素を有することを特徴とする、請求項1に記載の高周波外科用器具。
【請求項3】
前記第1の器具分岐部(10)内に導入された前記ブリッジング手段(36)は、前記ばね接点要素と前記少なくとも1つの第1の電極(18)との間における圧接により、前記第1の器具分岐部(10)内で非積極的に固定されることを特徴とする、請求項2に記載の高周波外科用器具。
【請求項4】
記ばね接点要素は、規定された接触位置において、前記第1の器具分岐部(10)と前記ブリッジング手段(36)との間の解除可能な係止係合を生じさせることを特徴とする、請求項2又は3に記載の高周波外科用器具。
【請求項5】
前記少なくとも1つの電線(22)は、前記電源(24)へのクランプ電気的接続のためのクランプ切断要素(26、28、30)を備えることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の高周波外科用器具。
【請求項6】
前記少なくとも1つの電線(22)は、前記電源(24)への密着性電気的接続のために、はんだ付けアイレットによって形成されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の高周波外科用器具。
【請求項7】
互いに向かって閉位置へ動作可能な、第1の器具分岐部(10)と第2の器具分岐部(12)とを備える高周波外科用器具(1)を組み立てる方法であって、
前記第1の器具分岐部(10)は、少なくとも1つの第1の電極(18)を備え、
前記第2の器具分岐部(12)は、少なくとも1つの第2の電極(20)を備え、
前記第1の器具分岐部(10)と前記第2の器具分岐部(12)とは、それぞれ、電源(24)から電力を供給可能であり、
前記方法は、
前記第1の器具分岐部(10)に、前記少なくとも1つの第1の電極(18)を備え、前記第2の器具分岐部(12)に、前記少なくとも1つの第2の電極(20)を備えるステップと、
別個に構成されたブリッジング手段(36)であって、機械実装されるように適合されたプリント基板(34)として形成される前記ブリッジング手段(36)を、少なくとも1つの電線(22)を介して前記電源(24)に接続するステップと、
少なくとも1つの電線(22)を介して前記電源(24)に接続される接点要素(30)と、前記接点要素(30)に接続される第1の接点(32)であって、前記少なくとも1つの第1の電極(18)に電力を供給するための少なくとも1つの第1の接点(32と、を含む前記ブリッジング手段(36)を、前記第1の器具分岐部(10)の近位側の軸方向開口部(38)を通して軸方向に、前記第1の器具分岐部(10)内に挿入するステップと、
前記ブリッジング手段の前記少なくとも1つの第1の接点(32)を前記少なくとも1つの第1の電極(18)と接触させるステップと、
前記第1の器具分岐部(10)を前記電源(24)に直接接続するステップと、
を備え、
前記第2の器具分岐部(12)は、第1の器具分岐部(10)を介して、電源(24)から電力を間接的に供給可能であり、
前記第1の器具分岐部(10)の前記ブリッジング手段(36)には、前記接点要素(30)に接続される第3の接点(42)が設けられ、
前記第の接点(42)は、前記第1の器具分岐部(10)と前記第2の器具分岐部(12)との少なくとも前記閉位置において、前記第2の器具分岐部(12)上の対応する第2の接点に電気的に接触する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波外科用器具に関し、特に、請求項1に記載のプリアンブルによる二極式高周波シーリング器具、及び請求項9に記載のプリアンブルによる、前記高周波外科用器具を組み立てる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
そのような外科用高周波器具が、少なくとも1つの器具分岐部と電線とから実質的に構成されること、そして、少なくとも1つの器具分岐部の内部に少なくとも1つの電極が収容され、場合によっては(beziehungsweise)、その上に少なくとも1つの電極が配置されており、電線を介して外部電力源から、高周波器具、及び特にその電極に電力が供給できること、は周知である。外部電源は、例えば、高周波発生機の形態の高周波交流電源であってもよい。
【0003】
更に、そのような外科用高周波器具、特に、二極式型高周波シーリング器具が、組織細胞の熱的に誘起された変性又は破壊を引き起こすために使用できることは周知である。高周波交流(HF)を用いたそのような組織衝撃の目的は、人体若しくは動物体の止血、組織切離又は組織凝固を生じさせることであることが多い。例えば、血管及び組織構造は、高周波シーリング器具によって永久的かつ安全に熱溶着することができる。熱溶着は、一方では、電極が備えられた2つの対向する器具分岐部であって、それらの間に処置されるべき組織がクランプされる2つの対向する器具分岐部を介して電力を印加することによって、他方では、器具分岐部間で処置されるべき組織を圧縮する圧力によって実施される。
【0004】
高周波外科用器具の少なくとも1つの電極に電力を確実に供給するために、エネルギー供給用電線とハンドルユニットの電極とが確実に電気的に相互接続されることが必要である。実際の現場では、そのような高周波外科用器具内部の電極と電線との間の電気的接続に対して高い品質が要求される。まず、電気的接続は、エネルギー伝達の損失を可能な限り低くするために、好ましくは低インピーダンスとなるように設計されるべきである。高周波外科用器具の信頼性の高い機能を得るために、器具内部の電気的接続は、更に、接触しても安全であるように作製される。更に、組織に接触する電極側は生体適合性を有するように作製される、かつ、場合によっては高周波器具の組み立て後も生体適合性を有するままである。更に、そのような高周波外科用器具は、最も経済的な手法で組み立てられ、提供されるように適合される。特に、高周波外科用器具の二極式設計によって、ツール要素の可動性も制限されない。最後に、高周波外科用器具に電力を供給するための電気伝導は、1つのツール要素のみを介して実施されることが好ましい。
【0005】
多くの場合、高周波外科用器具は、いわゆる単回使用器具としても製造及び使用される。特に、高周波外科用器具のそのような設計の変形例では、比較的低い提供コストを実現するために、器具を提供するための組み立て費用を最少にすることが更に望ましい場合がある。
【0006】
電気的接続が、はんだ付け接続、すなわち、密着性を有する接続によって作製又は製造される高周波外科用器具は従来技術から周知である。電線と電極との間のこの種の電気的接続は、信頼性、送電損失、及び主として接触安全性に関しては前述の品質要求を満たすが、しかしながら、特に、1つ又は複数の電極が、分割配置で設けられ、場合によっては高周波外科用器具のハンドルユニット内又は上に分割されて設けられ、個々に通電される必要がある場合、この状況におけるはんだ付け接続は、不利であることが判明している。ほとんどの場合、電線は複数コアの電線であるため、前記電線の複数のコアを分割式電極のそれぞれ個々のセグメントにはんだ付けする必要がある。すなわち、ハンドルユニット内、場合によってはハンドルユニット上に設けられる個々の電極セグメントが多くなるほど、電線を個々の電極に接続するためにはんだ付けプロセスをより頻繁に繰り返す必要がある。しかしながら、高周波外科用器具内の空間条件が制限されている場合には、個々の電極セグメントの数が増加するにつれて、電線の個々のコアを高周波外科用器具内を通って個々の電極本体まで案内することが次第に困難になっていく。したがって、はんだ付け接続には、高周波外科用器具の作製、場合によっては組み立てのために一定の時間消費が必要であり、このようにして作製される高周波外科用器具の製造コストは比較的高くなる。
【0007】
更に、高周波外科用器具は、多くの場合、クリーンルームで作製され、また、場合によっては、組み立てられることが意図されている。そのようなクリーンルームでは、通常、作業及び/又はプロセスの安全性に関する厳格な用件を遵守しながら、限られた程度までしかはんだ付けができない。また、厳格な用件の遵守は財政的な努力に直結し、器具の製造コストが比較的高くなる要因となる。
【0008】
更に、挿入される電極は比較的高い熱容量を有する場合があるため、材料の溶着、ゆえに、はんだ付け接続をするには、比較的長い時間消費を要する。
【0009】
また、限られた程度のみのはんだ付けにしか適しておらず、かつ直接的にははんだ付けに適しない又は全く適しない材料で電極が製造される場合、はんだ付け接続を、電線とハンドルユニットの少なくとも1つの電極との間の電気的接続として使用することが不利であると分かる場合がある。したがって、はんだ付け接続の使用では、高周波外科用器具の提供及び組み立てにいくつかの制約が課される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
これとは対照的に、本発明の目的は、構造の点で可能な限り単純な手段を用いることにより高周波外科用器具の組み立て労力を低減することである。1つの目的は、そのような高周波外科用器具の組み立て、場合によっては提供のためのコストを、その組み立てを簡略化することによって低減することである。更なる/別の目的は、低コストで提供できる高周波外科用器具の個々の構成要素の電気的接続を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、請求項1に記載の特徴を備える高周波外科用器具によって、場合によっては、請求項14に記載の特徴を備える高周波外科用器具を組み立てる方法によって達成される。有利な更なる発展形態は従属請求項に記載されている。
【0012】
本発明の第1の独立態様によれば、高周波外科用器具は、互いに向かって閉位置へと動作可能な2つの器具分岐部であって、そのそれぞれに、少なくとも1つの電極が備えられた2つの器具分岐部を含む。電極には、電源によって電力が供給され得る。本発明によれば、高周波外科用器具は、特に、好ましくは機械実装され得るプリント基板であってもよい、別個に構成されたブリッジング手段を含む。ブリッジング手段は、少なくとも1つの端子又は少なくとも1つの電線を介して電源に接続させることが可能であり、少なくとも1つの電極に電力を供給するための少なくとも1つの導電性接点を含む。少なくとも1つの導電性接点が少なくとも1つの電極に電気的に接触し、場合によっては少なくとも1つの電極に接触させることができるように、高周波外科用器具及び/又は電極とは別個に形成されたブリッジング手段は2つの器具分岐部の少なくとも1つに導入することができる。
【0013】
換言すると、本発明による高周波外科用器具は、電極とは別個に形成されたブリッジング手段を備え、このブリッジング手段によって、高周波外科用器具に案内され、場合によっては高周波外科用器具内で終端する電線を、電極の電気接点に導電状態で接続することができる。少なくとも、ブリッジング手段と電極の接点との間の電気的接続は非密着性を有する接続であってもよい。この文脈において、非密着性電気的接続とは、対応する接続相手がそれらの間に作用する原子又は分子力によって結合されない任意の種類の導電接続であると理解される。すなわち、非密着の状態で形成され、場合によっては製造されるブリッジング手段は、少なくとも、それ自体と、ハンドルユニットの少なくとも1つの電極の接点との間に、任意のはんだ付け、溶接若しくは接着接続、又は類似の種類の接続を含まない。特に、本発明によれば、非密着となるように形成されるこの接続は、はんだ付け接続とは対照的に、非破壊状態で解除可能な接続である。ブリッジング手段と複数の分割電極との間の非密着の接続により、電線と複数の分割電極との間の複数の個々のはんだ付け接続が省略され得るという利点が提供される。従来技術で提案される、複数の電極のそれぞれに金属薄板が配置される解決策と比較すると、この場合、組み立て費用を大幅に低減することができる。
【0014】
この状況において、ブリッジング手段は、少なくとも一部が導電性を有する手段、アダプタ又は構成要素であると理解され、ブリッジング手段によって、高周波外科用器具に案内され、かつ、そのハウジング内にそれぞれ案内される電線と、電力が供給される少なくとも1つの電極との間の空間的距離を克服する又は埋めることができる。すなわち、本発明によるブリッジング手段は、電線と高周波外科用器具の少なくとも1つの電極との間に空間的接続をもたらす又は生じさせるように構成される。
【0015】
外科用器具に案内され、かつ、外科用器具又はハンドルユニットのハウジング内で終端する電線それぞれは、外部電源、好ましくは高周波発生機から、高周波外科用器具及び少なくとも1つの電極それぞれへと電力を電気的に伝導するように構成してもよい。電線は、複数コアの電線であってもよく、高周波発生機を介した高周波発生機への電気的接続のために、対応する使用領域の対応する電源に適合させてもよい。
【0016】
少なくとも1つの電極及び/若しくはハンドルユニットとは別個に、又は場合によってはそれとは別個の構成要素として形成されて、高周波外科用器具に(別々に)導入されるように適合されたブリッジング手段により、有利なことには、ブリッジング手段を高周波外科用器具の残りの構成要素とは別に作製すること、そうでなければ、それぞれ、予め作製する若しくは予め実装することが可能になる。したがって、高周波外科用器具の最終組み立てにおいて、ブリッジング手段は、高周波外科用器具に導入することができ、場合によっては挿入することができ、かつ必要であれば、それに固定することができる。
【0017】
すなわち、特定の状況下においては、例えば、操作の安全性のため、クリーンルームでは困難なはんだ付け接続を、少なくとも1つの電極と電線との間に設ける必要はない。加えて、手動で作製されるはんだ付け接続を省略することによって、労力と時間の消費を大幅に低減することができ、したがって、高周波外科用器具の製造コストも低減される。更に、機械実装されるプリント基板の使用により、プリント基板の製造、ゆえに、高周波外科用器具の組み立てにおける比較的高い再現性を実現できる。このようにして、特に手動で作製されたはんだ付け接続に比べてより高い製品安全性及び製品品質を得ることができ、作製される部分品によっては、更に、製造コストを削減することができる。
【0018】
この組み立ては、複数の電極を用いて、電線と、電力が供給される電極との間の無線接続によって、いずれにしても容易になり、可能になる。更に、また、電線(ケーブル)を器具分岐部内に案内しなくてもよく、又は、少なくとも比較的少数の電線(ケーブル)を器具分岐部内に案内すればよいため、器具分岐部のハンドリング、場合によっては、可動性を向上できる。例えば、高周波外科用器具は、また、複数の分割電極、又は場合によっては、分割式電極を含んでもよく、電極の全ては、ブリッジング手段によって電線に非密着的に接続可能である。すなわち、高周波外科用器具のハンドル部材もまた、ブリッジング手段を介して非密着の状態で電線に接続可能な複数の分割的に配置された電極を有してもよい。ブリッジング手段と複数の分割電極との間の非密着的な接続は、電線と複数の分割電極との間の、複数の個々のはんだ付け接続を省略できるという利点を提供する。先行技術で提案される、複数の電極のそれぞれに金属薄板が配置される解決策と比較すると、この場合、組み立て労力を大幅に低減できる。
【0019】
加えて、本発明は、有利なことには、電線と電極との電気的ペアリングのため、生じる誤り率は比較的低い。更に、高周波外科用デバイスから解除可能な接続によって、あらゆる大きな労力をかけずブリッジング手段を交換することができるため、その保守についても向上する。更に、到達が困難な電極にも容易に電力を供給できる。
【0020】
相互接続されたプリント基板、場合によってはブリッジング手段によって自動化の度合いを大幅に増加できるため、製造をより経済的にすることができる。これは、特に単回使用器具においては非常に重要である。
【0021】
ブリッジング手段及び/又は電極の少なくとも1つの導電性接点が、接点と電極との間に導電圧接を生じさせる電気的に伝導性を有するばね接点要素を含む場合は特に有利であることが判明している。このようにして、例えば、高周波外科用器具のハウジング上、ブリッジング手段上又は電極において生じ得る製造公差を補償することができる。更に、そのような圧接により、電極と電源との間の特に信頼性の高い電気伝導性接続が可能になる。そのような圧接により、特に、高周波外科用器具の簡単な組み立てが可能になる。
【0022】
本発明の別の、独立可能又は追加の態様では、ブリッジング手段は、器具分岐部に緩みのある状態で導入されると、少なくとも1つのばね接点と少なくとも1つの電極との間における圧接により、器具分岐部内で力拘束により固定される。圧接は、例えば、ブリッジング手段が、高周波外科用器具内に、特に、電極と、高周波外科用器具のハウジング部との間にクランプ可能なように構成できる。ブリッジング手段の、場合によっては圧接のそのような構成は、ブリッジング手段のばね接点要素に対し、電気的伝導性接続と、同時に、高周波外科用器具内、例えば、そのハウジング部内におけるブリッジング手段の非積極的固定とを可能にする二重機能を付与する。この非積極的固定により、更に、任意の追加のツールを用いることなくブリッジング手段を組み立てることが可能になる。また、このようにして、ブリッジング手段の非破壊的な取り外しがツールを使用せずに可能となる。
【0023】
本発明の有利な発展形態によれば、少なくとも1つのばね接点要素は、規定された接触位置において、器具分岐部とブリッジング手段との間の解除可能な係止係合を生じさせることができる。この目的のため、例えば、高周波外科用器具のハウジング部に凹部を形成してもよく、この凹部にブリッジング手段を挿入することができる。このようにして、ツールを使用せずに、高周波外科用器具におけるブリッジング手段の非積極的及び積極的固定が得られる。
【0024】
ブリッジング手段を、器具分岐部の近位側の軸方向開口部を通じて軸方向に器具分岐部へと挿入できる場合は特に有利であることが判明している。これにより、器具分岐部の特に単純な構造が可能となる。
【0025】
本発明の一態様によれば、少なくとも1つの接点が、少なくとも1つの電極との接触を開始し、電気的に接触するように、ブリッジング手段は、器具分岐部の外側から、例えば、下部器具分岐部の下側から、器具分岐部又は電極把持取付具それぞれに挿入できる。ブリッジング手段は、器具分岐部、場合によっては、電極把持取付具上に様々な手法で、例えば、ピン又はねじによる形態拘束によって、固定してもよい。
【0026】
本発明の別の、独立可能又は追加の態様では、ブリッジング手段の少なくとも1つの導電端子は、電源に接続された電線への切断及び/又はクランプ電気的接続のためのクランプ切断要素を含む。別法として、この接続は圧着によって生じさせることができる。このようにして、また、電源、及び電線とブリッジング手段それぞれとの間の導電接続において、(密着性)はんだ付け接続を不要にできる。したがって、クリーンルーム内であっても電線のストランドと、クランプ切断要素又は接点とを相互接続することができる。この場合、給電線への接合点にも少なくとも1つの電極への接合点にも密着性接続は設けられず、これにより、組み立てが容易に又は更には可能になる。換言すると、全ての接点及び端子は、はんだがない状態である。
【0027】
この代わりとして、電源に接続された電線への密着性の電気的接続のため、少なくとも1つの導電端子ははんだ付けアイレットによって形成してもよい。したがって、電源とブリッジング手段との間に比較的安全な導電接触を確保できる。加えて、はんだ付けアイレットにより、製造が比較的容易なはんだ付け接続が、ブリッジング手段の比較的容易にアクセス可能な位置にて可能になる。有利には、はんだ付けアイレットは、高周波外科用器具の端部部分全体における無線電気接触が可能になるように、ブリッジング手段上に配置してもよい。
【0028】
本発明の別の、おそらくは独立又は追加態様では、2つの器具分岐部の一方は電線を介して電源に直接接続され、2つの器具分岐部の他方には、一方の器具分岐部を介して間接的に電力が供給される。一方の器具分岐部のブリッジング手段には、第1の接点、好ましくはばね接点、及び他方の器具分岐部のブリッジング手段には、第2の接点、好ましくはばね接点を設けてもよく、これら接点は、2つの器具分岐部の少なくとも閉位置において導電接触へと移行する。このようにして、有利なことには、他方の器具分岐部のための別個の電源を不要にすることが可能であり、したがって、両器具分岐部の電極への単純かつ同期的な電流供給が可能になる。これは、閉位置においてのみ、すなわち、相接によって相互作用接触が作動したときに対向電極に電流が供給されるため、安全の理由からも有利であることが判明している。更に、2つの器具分岐部の可動性、特に、一方の器具分岐部を介して電力が間接的に供給される器具分岐部の可動性は、後者の器具分岐部が(別個の)電線によりまったく制御されないことから、大幅に向上する。
【0029】
本発明は、また、互いに向かって閉位置へと動作可能な2つの器具分岐部を含み、そのそれぞれに、少なくとも1つの電極を備えることができ、電源から電力を供給することができる、高周波外科用器具を組み立てる方法に関する。本発明によれば、方法は、以下、
- 各器具分岐部に少なくとも1つの電極を備えるステップと、
- 少なくとも電極とは別個に形成されたブリッジング手段、特に、好ましくは機械実装されるように適合されたプリント基板を、少なくとも1つの電気的接続又は少なくとも1つの電線を介して電源に接続するステップと、
- 少なくとも1つの電極に電力を供給するための少なくとも1つの接点を有するブリッジング手段を少なくとも1つの器具分岐部に挿入するステップと、
- ブリッジング手段の少なくとも1つの接点を少なくとも1つの電極と接触させるステップと、を含む。
【0030】
上記(組み立て)方法の使用によって、特に都合よく、簡単な製造及びハンドリングに優れた高周波外科用器具を、それぞれ、組み立て、提供することができる。
【0031】
以下、本発明を、添付の図面を参照しながら、好適な実施形態により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】外部電力源に接続された本発明による高周波外科用器具の透視側面図を示す。
図2】本発明による高周波外科用器具の断面図、特に、ハンドルユニット、及び高周波外科用器具の器具分岐部の断面図を示す。
図3】本発明による高周波外科用器具の一部自由に切断したブリッジング手段の頂面図を示す。
図4】説明のため個々の構成要素が図示されない、本発明による高周波外科用器具の一部自由に切断したブリッジング手段の頂面図を示す。
図5】本発明による高周波外科用器具の分割電極を含む器具分岐部の透視側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
同じ又は類似の構成要素には全体を通して同じ参照符号が付与される。
【0034】
図1は、本発明による、二極式高周波シーリング器具の形態の高周波外科用器具1の一実施形態を透視側面図で示す。高周波外科用器具1により、使用者は組織細胞の熱的に誘起された変性又は破壊を生じさせることが可能になる。例えば、人体の血管及び組織構造は高周波外科用器具1によって永久的かつ安全に熱溶着され得る。
【0035】
図1に示される高周波外科用器具1は、分離可能にヒンジ様に連結された(連結可能な)2つの器具半片2、4を含み、そのそれぞれは、本明細書では、器具の長手方向(使用者から見て)に、先端方向に配置された対応する器具分岐部10、12を含む下部ハンドルユニット6、8を含む。器具分岐部10と器具分岐部12とは、処置される組織(図示せず)をそれらの間にクランプするために互いに対向することは図1から自明である。図1の下部ハンドルユニット6及び図1の上部ハンドルユニット8はそれぞれ、使用者用の人間工学的形状とされ、例えば、医療用に適したプラスチック又はシート材料で作製されたハンドルシェル14、16を有する。
【0036】
下部器具分岐部10は、もう一方の上部器具分岐部12に面する側に、電力により動作可能な電極18(図1に輪郭のみで示される)を含む。上部器具分岐部12は、同じく、もう一方の下部器具分岐部10に面する側に、更なる電極20(また、図1に輪郭のみで示される)を含む。高周波外科用器具1に電力を供給するために、高周波外科用器具1、及びハンドルユニット6及び8の1つは、詳細に示されないハウジング開口部を含み、このハウジング開口部を通して、電線22が高周波外科用器具1へと又はこの内へと案内される。電線22は外部電力源24に電気的に接続される。外部電力源24は、この実施形態では高周波交流(高周波電流)を発生させるための高周波発生機である。電力源24から2つの電極18、20への電力の供給について、以下、更に詳細に記載する。
【0037】
図2は、高周波外科用器具1の断面図、特に、高周波外科用器具1の下部ハンドルユニット6、及び下部器具分岐部10の断面図を示す。電極18が器具分岐部10内に組み込まれ、外部に露出して、処置される組織に接するように構成された有効表面18aを有することは自明である。更に、電線22が、電源24から高周波外科用器具1内へと案内され、かつ、この実施形態では、電線22の導電性締付具を切断及び/又はクランプするための切断及び/又はクランプ要素である3つの接点要素26、28、30内で終端することは自明である。この種の接点要素26、28、30によって、いずれの場合においても、電線22を、おそらくは、導体を取り囲むその絶縁体を先だって除去することなく各接点要素26、28又は30内に直接挿入し、それを対応する接点要素26、28又は30に固定することが可能となる。3つの接点要素26、28及び30のそれぞれは、必要であれば、電線22の絶縁体を貫通し、このようにして、接点要素26、28及び30自体と、電線22の個々の導電性コアとの間に電気的接続を確立する切断部材を含む。更に、接点要素26、28、30は、クランプ部材26a、28a、30aを含み、クランプ部材26a、28a、30aのクランプ係合によって、電線は接点要素26、28、30へのクランプにより固定される。
【0038】
更に、図2から、切断及び/又はクランプ要素の形態の接点要素26、28、30は、図2では接点要素30の遠位側隣に配置されたばね接点要素32、33に接する、すなわち、隣接することが示され得る。特に、電線22が固定される接点要素30と、ばね接点要素32との間に、2つの構成部分の直接接触による電気的接続がある。このようにして、電力源24によって発生した電力は電線22及び接点要素30を介してばね接点要素32に案内され得る。更に、図2から、ばね接点要素32のばね部材32aがハンドルユニット6の内部に配置され、下から電極18の下部表面側18bを押すことは自明である。このようにして、ばね接点要素32は、電力源24によって発生した電力を、電線22、接点要素30及びばね接点要素32を介して電極18に供給するために、有効表面18aに面する電極18の側18bと導電接触している。
【0039】
図2は、電力を伝送するために使用される要素、この実施形態では、すなわち、接点要素26、28、30及びばね接点要素32は、プリント基板34の接続側に配置されることも示す。プリント基板34と、プリント基板34上に配置され、かつ、それぞれ固定された要素26、28、30及び32とは、このようにして、高周波外科用器具1内で終端する電線22と、電流が供給される電極18との間の空間的距離を埋めるとともに、それぞれ克服し、このようにして2つの構成要素間に電気的接続を確立するブリッジング手段36をともに構成する。
【0040】
プリント基板34は、高周波外科用器具1の最終組み立て時に、電極18と、ハンドルユニット6に属するハウジング壁40との間に形成された、近位側に配置された受け入れ開口部38内に導入又は挿入され、好ましくは、予め作製された、同様に好ましくは、機械作製された構成要素である。電極18とハウジング壁40との間に配置されたプリント基板34は、(堅固に取り付けられた)電極18上にハウジング壁40の方向に載置されたばね接点要素32、33によってクランプされる。このため、プリント基板34が受け入れ開口部内で非積極的に固定されることとなり、プリント基板34のそれ以上の固定を提供する必要はない。しかしながら、更なる固定の可能性(図示せず)をオプションとして提供してもよい。
【0041】
更に、図2では、電線22に等しく電気的に接続され、かつ弾性的に、又は、場合によっては浮動的に支持された接点要素42が示される。弾性的に支持された接点要素42は、図2に図示しないもう一方のハンドルユニット8又は器具分岐部12への電気的接続、場合によっては、もう一方のハンドルユニット8又は器具分岐部12に配置された電極20への、電極20に接触することによる電気的接続を確立する機能を果たす。このようにして、2つのハンドルユニット6、8及び器具分岐部10、12がそれぞれ互いに接近しているときに、プリント基板34を介して、場合によってはその上に配置され、かつ弾性的に支持された接点要素42によって、電線22と電極20との間に電気的接続を確立することができる。弾性的に支持された接点要素42は、例えば、高周波外科用器具1の透視側面図を示す図1に示される。ばね接点42は、ばね付勢接点ピン又はばね舌状部を含む。ばね付勢接点ピン又はばね舌状部は、これにより作動されるように、一方の器具半片から他方の器具半片の方向に延出する。ばね接点42は、他方の器具分岐部12の対応する接点要素に、器具分岐部10、12が閉じる前には接触しない。他方の器具分岐部の接点は、電極20及びその電極セグメントにそれぞれ電気的に接続される。したがって、所定の閉鎖力に到達したとき又は到達する直前にのみ、電源、好ましくは外部高周波発生機から2つの器具分岐部10、12へと電流が放出される。このようにして、他方の(上部)器具分岐部12の電極20は、一方の(下部)器具分岐部10によって、より正確には、一方の(下部)器具分岐部10内に設けられたブリッジング手段36を介して間接的に制御される。
【0042】
図3は、高周波外科用器具1のプリント基板34の形態の、一部自由に切断したブリッジング手段36の頂面図を示す。電線22が容易に接続可能である、場合によっては各要素に接続され得るように、プリント基板34に、接点要素26、28、30及び弾性的に支持された接点要素42が備えられることは自明である。
【0043】
高周波外科用器具1のプリント基板34の形態の一部自由に切断したブリッジング手段の頂面図を示す図4(説明のため個々の構成要素は図示されない)から、それぞれ切断及び/又はクランプ要素として構成される接点要素26、28、30の機能が理解され得る。特に、図4では、クランプ部材26a、28a、30aによる電線22の個々のコア(他に明記されない限り)の挿入及びクランプを明確に説明できるようにするため、切断及び/又はクランプ要素として構成される接点要素26、28、30の各上カバー(他に明記されない限り)は図示されない。更に、図4では、弾性的に支持された接点要素42が接点要素30と電気的接続し、器具分岐部10の電極20に電力が供給され得ることは明らかである。
【0044】
高周波外科用器具1の分割又は分割式電極18c、18d及び18eを含む器具分岐部10の透視側面図を示す図5において、また、複数の別個に配置された、すなわち、分割された電極に、プリント基板34の形態のブリッジング手段によって電力が供給され得ることは自明である。この目的のため、複数の導電性接点要素又はばね接点要素だけが電極の個々のセグメントに接触することが求められる。十分な接触を確実にするために、また、電極18、場合によっては電極セグメント18c、18d、18eに対し、1つよりもむしろ、2つ以上のばね接点要素32、33が設けられてもよい。
【0045】
高周波外科用器具1の組み立ては、以下に記載されるように進めることができる。
【0046】
まず、互いに向かって閉位置へと動作可能な2つの器具分岐部10、12を含む高周波外科用器具1を、本質的に周知の手法で製造及び提供する。特に、器具分岐部10、12には、電極18、20が備えられる。
【0047】
1つの下部器具分岐部1、場合によっては電極支持体の装備は、電極又は電極セグメント18が射出成形ツールに挿入され、電極又は電極セグメント18の周りにプラスチック材料が射出成形されるという点において、射出成形により実施され得る。
【0048】
それとは(時間的に)独立した作業ステップにおいて、ブリッジング手段36(この実施形態においては、機械実装されるプリント基板34)は製造及び提供される。この別個に構成されたブリッジング手段36は、接点要素26、28、30内に電流伝導コアが挿入され、続いて、コアを切断及びクランプしつつ、接点要素26、28、30が作動されるという点において、接点要素26、28、30により電線22に接続される。
【0049】
ばね接点要素32、33と電極18との間に導電(圧)接を確立するために、ブリッジング手段36は、ばね接点要素32、33がばね部品によって電極18の下部表面側18bに対して押され、このようにして、下部表面側18bに接触されるような手法で方向付けられた状態で、受け入れ開口部38内に挿入される。この状況において、プリント基板34は、接点要素26、28、30及びばね接点要素32、33を支持する側に片面が面することによって、受け入れ開口部38内のハウジング壁40上に載置される。プリント基板3は、器具分岐部10内に軸方向に確実に収容され、固定されるように導入される。このプリント基板34の支持配置構成によって、プリント基板34は受け入れ開口部38内に、一方では力拘束によって、他方では形態拘束によって保持され、電極18の下部表面側18bに導電接触する。
【0050】
ブリッジング手段36を器具分岐部内に軸方向にスライドさせる代わりに、ブリッジング手段36は、別法として、ばね接点要素32、3がばね部品により電極18の下部表面側18bに対し押され、このようにして、下部表面側18bに接触されるように、下面が開いた器具分岐部10、場合によっては電極支持体に挿入することができる。その後、ブリッジング手段36は、例えば、ピン又はねじによって電極支持体に固定される。ブリッジング手段36、場合によってはプリント基板の下面は、器具分岐部10が面一になるように閉じるように設計されている。
【0051】
本発明は、図示された実施形態から開始し様々な点において変更してもよい。例えば、電線22、場合によってはその個々のコアは、切断及び/又はクランプ要素として構成される接点要素26、28、30によってではなくむしろ、1つ以上のはんだ付けアイレット(図示せず)によって、例えば、はんだ付けによって、ブリッジング手段36及びプリント基板34それぞれに対し導電性となるように固定されることが想定できる。
【0052】
互いに向かって閉位置へと動作可能な2つの器具分岐部を含み、そのそれぞれに、少なくとも1つの電極が備えられ、電源から電力が供給される、高周波外科用器具が開示される。本発明によれば、高周波外科用器具は、別個に形成されたブリッジング手段、特に、好ましくは機械実装されるように適合され、少なくとも1つの電気的接続又は少なくとも1つの電線を介して電源に接続可能なプリント基板を含み、少なくとも1つの電極に電力を供給するため、少なくとも1つの導電性接点を含み、この少なくとも1つの導電性接点は、少なくとも1つの接点を少なくとも1つの電極により電気的に接触させる/少なくとも1つの電極に接触させるために、2つの器具分岐部の少なくとも1つに導入され得る。
【0053】
更に、互いに向かって閉位置へと動作可能な2つの器具分岐部を含み、2つの器具分岐部のそれぞれに、少なくとも1つの電極を備えることができ、電源から電力が供給され得る高周波外科用器具を組み立てる方法が開示される。本発明によれば、方法は、器具分岐部に、少なくとも1つの対応する電極を備えるステップと、別個に構成されたブリッジング手段、特に、好ましくは機械実装され得るプリント基板を、少なくとも1つのコネクタ又は少なくとも1つの電線を介して、電源に接続するステップと、少なくとも1つの電極に電力を供給するための少なくとも1つの接点を含むブリッジング手段を、少なくとも1つの器具分岐部に挿入するステップと、ブリッジング手段の少なくとも1つの接点を少なくとも1つの電極に接触させるステップと、を含む。
以下の項目は、出願当初の特許請求の範囲に記載の要素である。
(項目1)
互いに向かって閉位置へと動作可能な2つの器具分岐部(10、12)を備える高周波外科用器具(1)であって、
前記2つの器具分岐部(10、12)のそれぞれに、少なくとも1つの電極(18、20)が備えられ、電源(24)から電力を供給可能であり、
前記高周波外科用器具(1)は、
少なくとも1つの電気的接続又は少なくとも1つの電線(22)を介して前記電源(24)に接続可能であり、前記少なくとも1つの電極(18、20)に電力を供給するための少なくとも1つの接点(10、12)を含む別個に構成されたブリッジング手段(36)を備え、
前記ブリッジング手段(36)、特に、好ましくは機械実装されるように適合されたプリント基板(34)は、前記少なくとも1つの接点が前記少なくとも1つの電極(18、20)に電気的に接触するように前記2つの器具分岐部(10、12)の少なくとも1つに特に着脱可能に導入され得ることを特徴とする、
高周波外科用器具(1)。
(項目2)
前記ブリッジング手段(36)の前記少なくとも1つの接点(32、33)及び/又は前記電極(18、20)は、前記接点と前記電極(18、20)との間に導電圧接を生じさせる導電性ばね接点要素(32)を有することを特徴とする、項目1に記載の高周波外科用器具。
(項目3)
前記器具分岐部(10、20)内に特に緩みのある状態で導入された前記ブリッジング手段(36)は、前記少なくとも1つのばね接点要素(32)と前記少なくとも1つの電極(18、20)との間における圧接により、前記器具分岐部(10、12)内で非積極的に固定されることを特徴とする、項目2に記載の高周波外科用器具。
(項目4)
前記少なくとも1つのばね接点要素(32)は、規定された接触位置において、前記器具分岐部(10、12)と前記ブリッジング手段(36)との間の解除可能な係止係合を生じさせることを特徴とする、項目2又は3に記載の高周波外科用器具。
(項目5)
前記ブリッジング手段(36)は、前記器具分岐部(10、12)の近位側の軸方向開口部(38)を通して前記器具分岐部(10、12)内に軸方向に挿入可能であることを特徴とする、項目1~4のいずれか一項に記載の高周波外科用器具。
(項目6)
前記ブリッジング手段の前記少なくとも1つの電気的接続は、前記電源(24)に接続された電線(22)へのクランプ電気的接続のためのクランプ切断要素(26、28、30)を備えることを特徴とする、項目1~5のいずれか一項に記載の高周波外科用器具。
(項目7)
前記少なくとも1つの電気的接続は、前記電源に接続された電線(22)への密着性電気的接続のために、はんだ付けアイレットによって形成されることを特徴とする、項目1~5のいずれか一項に記載の高周波外科用器具。
(項目8)
前記2つの器具分岐部(10)の一方が前記電源(24)に直接接続され、
前記2つの器具分岐部(10、12)の他方(12)には、前記一方の器具分岐部(10)を介して電力が間接的に供給され、
前記一方の器具分岐部(10)の前記ブリッジング手段(36)には、第1の接点(42)が設けられ、
前記第1の接点(42)は、前記2つの器具分岐部(10、12)の少なくとも前記閉位置において、前記他方の器具分岐部(12)上の対応する第2の接点に電気的に接触することを特徴とする、項目1~7のいずれか一項に記載の高周波外科用器具。
(項目9)
互いに向かって閉位置へ動作可能な2つの器具分岐部(10、12)を備える高周波外科用器具(1)を組み立てる方法であって、
前記2つの器具分岐部(10、12)のそれぞれに、少なくとも1つの電極(18、20)を備えることができ、電源(24)から電力を供給可能であり、
前記方法は、
前記器具分岐部(10、12)に、少なくとも1つの対応する電極(18、20)を備えるステップと、
別個に構成されたブリッジング手段(36)、特に、好ましくは機械実装されるように適合されたプリント基板(34)を、少なくとも1つの接続又は少なくとも1つの電線(22)を介して前記電源(24)に接続するステップと、
前記少なくとも1つの電極(18、20)に電力を供給するための少なくとも1つの接点を含む前記ブリッジング手段(36)を少なくとも1つの器具分岐部(10、12)内に挿入するステップと、
前記ブリッジング手段の前記少なくとも1つの接点を前記少なくとも1つの電極(18、20)と接触させるステップと、
を備えることを特徴とする、方法。

図1
図2
図3
図4
図5