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特許7022785コーン整経機及びコーン整経機を運転するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-09
(45)【発行日】2022-02-18
(54)【発明の名称】コーン整経機及びコーン整経機を運転するための方法
(51)【国際特許分類】
   D02H 3/00 20060101AFI20220210BHJP
   B25J 5/00 20060101ALI20220210BHJP
【FI】
D02H3/00
B25J5/00 E
【請求項の数】 19
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020099773
(22)【出願日】2020-06-09
(65)【公開番号】P2020200572
(43)【公開日】2020-12-17
【審査請求日】2020-06-12
(31)【優先権主張番号】19179809.9
(32)【優先日】2019-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】320001879
【氏名又は名称】カール マイヤー ストール アールアンドディー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ローランド,コーン
(72)【発明者】
【氏名】マルティン,フーア
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-207543(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第04443627(DE,A1)
【文献】米国特許第05206976(US,A)
【文献】特開2000-336540(JP,A)
【文献】特開2003-193346(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D02H 3/00
B25J 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
整経ドラムと、前記整経ドラムの側方に配置され、糸を供給する整経リードを坦持する整経テーブルと、を有するコーン整経機であって、
前記整経ドラム及び前記整経テーブルは互いに相対的に変位可能であり、
前記コーン整経機はロボットアームを有し、
前記ロボットアームは少なくとも1つの整経セクションをマニピュレーションするためのツール及び1つ以上の回転又は並進軸を有
前記ロボットアームは前記整経セクションを前記整経ドラムに固定する、
コーン整経機。
【請求項2】
整経ドラムと、前記整経ドラムの側方に配置され、糸を供給する整経リードを坦持する整経テーブルと、を有するコーン整経機であって、
前記整経ドラム及び前記整経テーブルは互いに相対的に変位可能であり、
前記コーン整経機はロボットアームを有し、
前記ロボットアームは少なくとも1つの整経セクションをマニピュレーションするためのツールを有し、
前記ロボットアームが整経セクションラップの端部を前記整経セクションラップの2つの整経セクション位置の間にクランプすることにより、前記ロボットアームは、前記整経セクションラップの端部を前記整経ドラムに固定する、
コーン整経機。
【請求項3】
整経ドラムと、前記整経ドラムの側方に配置され、糸を供給する整経リードを坦持する整経テーブルと、を有するコーン整経機であって、
前記整経ドラム及び前記整経テーブルは互いに相対的に変位可能であり、
前記コーン整経機はロボットアームを有し、
前記ロボットアームは少なくとも1つの整経セクションをマニピュレーションするためのツールを有し、
前記整経ドラムの表面領域を前記ロボットアームの動作半径内にもたらすように、前記ロボットアームを坦持するプラットフォーム及び前記整経ドラムは互いに相対的に移動する、
コーン整経機。
【請求項4】
前記ロボットアームはグリップツールを有する、
請求項1乃至3いずれか1項記載のコーン整経機。
【請求項5】
前記ロボットアームは分割ツールを有する、
請求項1乃至4いずれか1項記載のコーン整経機。
【請求項6】
前記ロボットアームはノードツールを有する、
請求項1乃至いずれか1項記載のコーン整経機。
【請求項7】
前記ロボットアームは、前記整経セクションを固定するために互いに離間する2つのグリップツールと、前記整経セクションを分割するための分割ツールと、を有する、
請求項1乃至いずれか1項記載のコーン整経機。
【請求項8】
前記コーン整経機は、前記整経ドラムの側方に配置されたプラットフォームを有し、前記プラットフォームの上に前記ロボットアームが取り付けられてお
前記整経ドラム及び前記プラットフォームは互いに相対的に変位可能である、
請求項1乃至いずれか1項記載のコーン整経機。
【請求項9】
前記プラットフォームは、前記整経テーブルを介して形成されている、
請求項記載のコーン整経機。
【請求項10】
前記ロボットアームは1つ以上の回転又は並進軸を有する、
請求項1乃至いずれか1項記載のコーン整経機。
【請求項11】
コーン整経機を運転するための方法であって、
前記コーン整経機の整経ドラム及び前記コーン整経機の整経テーブルを、前記整経テーブルが前記整経ドラムの整経開始領域に対向して位置するまで、互いに相対的に変位させる、変位ステップと、
記整経テーブルから整経セクションを受け取る、受取ステップと、
前記コーン整経機のロボットアームを介して整経開始領域内において前記整経ドラムに前記整経セクションを固定する、固定ステップと、
を含
前記整経テーブルから整経セクションを受け取る前記受取ステップは前記ロボットアームによって行われ、前記ロボットアームは少なくとも1つの整経セクションをマニピュレーションするためのツール及び1つ以上の回転又は並進軸を有する、
方法。
【請求項12】
コーン整経機を運転するための方法であって、
前記コーン整経機の整経ドラム及び前記コーン整経機の整経テーブルを、前記整経テーブルが前記整経ドラムの整経開始領域に対向して位置するまで、互いに相対的に変位させる、変位ステップと、
前記コーン整経機のロボットアームを介して前記整経テーブルから整経セクションを受け取る、受取ステップと、
前記ロボットアームを介して整経開始領域内において前記整経ドラムに前記整経セクションを固定する、固定ステップと、
を含み、
前記ロボットアームが整経セクションラップの端部を前記整経セクションラップの2つの整経セクション位置の間にクランプすることにより、前記ロボットアームは、前記整経セクションラップの端部を前記整経ドラムに固定する、
方法。
【請求項13】
コーン整経機を運転するための方法であって、
前記コーン整経機の整経ドラム及び前記コーン整経機の整経テーブルを、前記整経テーブルが前記整経ドラムの整経開始領域に対向して位置するまで、互いに相対的に変位させる、変位ステップと、
前記コーン整経機のロボットアームを介して前記整経テーブルから整経セクションを受け取る、受取ステップと、
前記ロボットアームを介して整経開始領域内において前記整経ドラムに前記整経セクションを固定する、固定ステップと、
を含み、
前記整経ドラムの表面領域を前記ロボットアームの動作半径内にもたらすように、前記ロボットアームを坦持するプラットフォーム及び前記整経ドラムは互いに相対的に移動する、
方法。
【請求項14】
前記ロボットアームはグリップツールを用いて前記整経セクションを収容し、及び/又は前記整経ドラムに固定する、
請求項11乃至13いずれか1項記載の方法。
【請求項15】
前記方法はさらに、
前記整経ドラムを回転させながら前記整経ドラム上に前記整経セクションを整経し、前記整経ドラム及び前記整経テーブルを、前記整経テーブルが前記整経ドラムの整経終了領域に対向して位置するまで、互いに相対的に変位させる、整経ステップと、
前記整経ドラム上に前記整経セクションを介して形成された整経セクションラップが供給された前記整経セクションの部分から分離されるように、前記整経セクションを手動又は機械的に分割する、分割ステップと、
前記ロボットアームを介して整経終了領域内において前記整経ドラムに前記整経セクションラップの一端を固定する、固定ステップと、
を含む、請求項11乃至14いずれか1項記載の方法。
【請求項16】
前記ロボットアームが整経セクションラップの端部を前記整経セクションラップの2つの整経セクション位置の間にクランプすることにより、前記ロボットアームは、前記整経セクションラップの端部を前記整経ドラムに固定する、
請求項11、13乃至15いずれか1項記載の方法。
【請求項17】
前記ロボットアームは前記整経セクションを分割する、
請求項15又は16記載の方法。
【請求項18】
前記ロボットアームは、
前記整経セクションの両側を所定の分割線に固定するステップと、
前記整経セクションを前記分割線に沿って分割するステップと、を実行する、
請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記整経ドラムの表面領域を前記ロボットアームの動作半径内にもたらすように、前記ロボットアームを坦持するプラットフォーム及び前記整経ドラムは互いに相対的に移動する、
請求項11、12、14乃至18いずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整経ドラムと、整経ドラムの側方に配置され、糸を供給するための整経リードを坦持する整経テーブルとを有するコーン整経機であって、整経ドラム及び整経テーブルが互いに相対的に変位可能であり、コーン整経機がロボットアームを有する、コーン整経機に関する。
【背景技術】
【0002】
コーン整経機を用いて糸クリールから来る個別の糸は隣り合って巻き取られる(aufschaeren)ことができる。糸の群は、コーン整経機の整経テーブル上に配置された整経リードによって、コーン整経機に供給される。糸は整経セクションにまとめられ、そこでは糸は隣り合って配置される。整経セクションは、整経工程の際に整経ドラム上に巻きつけられる。整経工程の際に、整経ドラムは回転する。整経テーブル及び整経ドラムは、整経ドラムの長手軸に平行に、かつ、互いに相対的に移動し、したがって、整経セクションは長手方向に整経ドラムの套面に沿って巻きつけられる(aufgewickelt)。整経ドラムは少なくとも部分的にコーン状の形状を有し、整経工程の際に隣り合う糸を側方へ互いに離れさせることができる。1つの整経セクションが整経ドラムに巻き取られた後、そこから側方にさらなる整経セクションの巻き取りを開始することができる。
【0003】
各整経セクションの巻き取りのために、複数の手動の作業ステップが行われる。整経ドラム上に多数の整経セクションが巻き取られるので、これらの作業ステップは直ぐに累積する。
【0004】
EP2169098A1にはロボットアームを有するコーン整経機が記載されている。ロボットアームは測定装置を坦持し、測定装置は、整経工程の際に整経ドラム上に形成される整経セクションラップの測定を可能にする。整経の際に、整経ドラム及び整経テーブルは互いに相対的に変位し、整経セクションラップの現在の周囲長が考慮されなければならない。ロボットアームを用いて、整経セクションラップの外側輪郭は測定され、この工程のより良い制御を可能にする。これによって整経品質が向上する。しかしながら、ユーザは多数の作業ステップを手動で行わなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】欧州特許公開第2169098公報
【発明の概要】
【0006】
本発明は、整経工程においてより少ない手動介入しか必要としない整経機を提供することにある。
【0007】
本課題は、冒頭で述べたクリールのコーン整経機であって、ロボットアームが本発明にしたがって整経セクションをマニピュレーションするための少なくとも1つのツールを有する、コーン整経機を提供することによって、解決される。整経セクションをマニピュレーションするためのツールとは、整経セクションを物理的に統合することができるツールと解されるべきであり、即ち、例えば、整経セクションを把持し、分割し又は他の方法でマニピュレーションすることができるものである。
【0008】
ロボットアームはしたがって産業マニピュレータである。産業マニピュレータは、周辺環境との相互作用を可能にするロボットである。産業マニピュレータは、これまで人間のオペレータによって行われなければならなかった作業ステップを担うことができる。より少ない手動介入が必要となり、それにより整経工程が加速される。
【0009】
ロボットアームがグリップツールを有すると有利である。グリップツールは、ピンセット(eine Zange)として構成されることができる。グリップツールは、本発明によれば、ヒューマノイドロボットハンドとして構成されることもできる。本発明によればさらに、1つ以上の糸を出力することができるグリップツールを出力装置(eine Ansaugeinrichtung)として使用することも可能である。グリップツールによって、整経セクションは把持され、整経ドラムに固定される。固定装置(Befestigungsvorrichtung)を用いて整経ドラムに整経セクションを固定することが従来技術から知られている。したがって本発明によれば、整経ドラムが、整経セクションを挿入することができるクランププレート(Klemmbleche)を有することが可能である。あるいは、整経セクションが接着テープ(Klebestreifen)を有するとともに整経ドラムに接着されることが可能である。これはロボットアームを用いて行われることもできる。さらに、さらなる固定可能性(Befestigungsmoglichkeiten)も考えられる。
【0010】
ロボットアームが分割ツールを有すると特に有利である。ロボットアームは好ましくはグリップ及び分割の混合されたツールを有する。分割ツールとは、材料を分割するツールである。本発明によれば、分割ツールはナイフ、はさみ、ウェッジカッター、レーザーカッター、又はその他の種類の分割ツールである。
【0011】
本発明によれば、ロボットアームがノードツール(Knotwerkzeug)を有することが可能である。ノードツールは、複数の糸を互いに結ぶことができる。本発明によれば、ロボットアームが、整経セクションの端部を結ぶために使用されることが可能である。さらに、2つの糸束(Fadenbander)を結ぶこともできる。したがって、整経工程の際に、ノードツールの様々な有利な適用可能性がある。
【0012】
本発明の特別な実施形態によれば、ロボットアームは、整経セクションを固定するための2つの互いに離間したグリップツールと、整経セクションを分割するための分割ツールとを有する。分割ツールは特にグリップツール同士の間に配置されている。したがって、ロボットアームは、整経セクションを両側で所定の分離位置(Trennstelle)に先ず固定してから、その後分割する(zerteilen)ことができるようになっている。本発明によれば、整経機は、整経セクションを互いに離間したグリップツールに入れるために作用する追加のロボットアームを有するように構成されることができる。本発明の代替的実施形態によれば、整経機は、整経テーブル上に、整経セクションを固定するために作用する手段を有する。ロボットアームは、この場合、分離するためだけに作用する。
【0013】
コーン整経機は、好ましくは、整経ドラムの側方に配置されたプラットフォームを有し、プラットフォーム上にはロボットアームが取り付けられており、整経ドラム及びプラットフォームは互いに相対的に変位可能である。本発明によれば、プラットフォームは整経ドラムの長手軸に平行に配向されたサイドレール上に設けられることができる。このようにしてプラットフォームは整経ドラムに平行に変位することができる。本発明によれば、この変異は駆動部を用いて行われることができる。このロボットアームの動作半径は最終的にロボットアームの長さによって制限される。ロボットアームは、当初到達できない整経ドラムの表面領域をその動作半径内にモータらす(bringen)ために、プラットフォームを用いて変位することができる。
【0014】
本発明の有利な実施形態によれば、プラットフォームは整経テーブルを介して形成されることができる。したがって、ロボットアームは整経テーブルと共に移動する。整経テーブルは、通常、整経セクションがマニピュレーションされるべき所にあるので、ロボットアームは本発明のこの実施形態において最適に位置決めされる。
【0015】
ロボットアームは好ましくは1つ以上の回転又はスライド軸を有する。したがって、ロボットアームは、特にフレキシブルであり、ロボットアームのツールを整経テーブル及び整経ドラムの領域内において後述の位置に置くことができる。
【0016】
本発明はさらに、コーン整経機を運転するための方法であって、整経テーブルが整経ドラムの整経開始領域に対向して位置するまで、コーン整経機の整経ドラム及びコーン整経機の整経テーブルを互いに相対的に変位させる、変位ステップと、コーン整経機のロボットアームを介して整経テーブルから整経セクションを受け取る、受取ステップと、ロボットアームを介して整経開始領域内において整経ドラムに整経セクションを固定する、固定ステップと、を含む方法に関する。
【0017】
整経工程は整経開始領域において開始される。整経機はまず整経テーブル上にある整経セクションをピックアップする。これは、整経機が整経セクション又は整経セクションの端部を把持し、吸引し、又は他の方法で取り上げることを意味すると解される。ロボットアームは整経セクションを整経ドラムへと運び、整経開始領域において整経ドラムに固定する。整経開始領域において、整経セクションをクランプするクランプ装置を設けることが可能である。ロボットアームは、この場合、整経セクションの端部をクランプ装置に差し込む。本発明によればさらに、ロボットアームが整経セクションを整経ドラムにクランプテープを用いて固定することが可能である。本発明による本方法のさらなる変形例によれば、ロボットアームは整経セクションを整経ドラムに結び付ける。整経セクションを別の方法で整経ドラムに固定することも考えられる。
【0018】
本方法は、好ましくは、ロボットアームがグリップツールを用いて整経セクションをピックアップするように及び/又は整経ドラムに固定するように構成されている。上述したように、本発明によれば整経セクションをピックアップする別の変形例も考えられる。
【0019】
本方法は、有利には、さらに、整経ドラムを回転させながら整経ドラム上に整経セクションを整経し、整経テーブルが整経ドラムの整経終了領域に対向して位置するまで、整経ドラム及び整経テーブルを互いに相対的に変位させる、整経ステップと、整経ドラム上に整経セクションを介して形成された整経セクションラップが、供給された整経セクションの部分から分離されるように、整経セクションを手動又は機械的に分割する、分割ステップと、ロボットアームを介して整経終了領域内において整経ドラムに前記整経セクションラップの一端を固定する、固定ステップと、を含む。
【0020】
整経終了領域は、整経工程が終了して整経セクションが整経ドラムに固定される整経ドラムの領域である。整経工程の際に、整経セクションは整経ドラム上に巻きつけられ、整経ドラム上にある整経セクションラップを形成する。整経セクションは、本発明によれば、整経セクションラップを整経セクションの残りの部分から分離するために分割される。整経セクションは、ヘルパーによる手動で、例えばハサミを用いて、分断されることができる。しかしながら、整経セクションは機械的に分断されることもでき、このためにコーン整経機は分離装置を有することができる。整経セクションラップの端部は、その後ロボットアームを介して整経ドラムに固定され、したがってルーズにぶら下がらない。好ましくは、整経セクションラップの端部は整経ドラムにクランプを用いて固定される。これは、整経セクションラップの端部を整経セクションラップ自体の中にクランプすることにより行われる。
【0021】
ロボットアームが整経セクションラップの端部を整経ドラムに固定する場合、ロボットアームが整経セクションラップの端部を整経セクションラップの2つの整経セクション位置の間にクランプすると特に好ましい。あるいは、整経セクションラップの端部が別の方法で整経セクションラップ内又は上に取り付けられるか又は整経ドラムに直接取り付けられることが可能である。本発明による方法のさらなる変形例によれば、整経セクションラップの端部は整経終了領域において整経ドラムのクランプ装置内に固定される。
【0022】
ロボットアームが整経セクションを分割すると有利である。本発明によれば、ロボットアームは整経セクションを、切断により、レーザービームを用いて、又は他の方法によって分割することができる。本発明によれば、分割ステップがロボとアームによってではなく、分他の種類の離装置によって行われることも可能である。したがって、整経テーブル上に、整経セクションを分割する分離装置が配置されていることも考えられる。考えられる。
【0023】
ロボットアームは好ましくは、整経セクションを分割するために、整経セクションの両側を所定の分割線に固定するステップと分割線に沿って整経セクションを分割するステップと、を行う。本発明によれば、このことは、ロボットアームが整経セクションを2つのグリップツールで把持し、これらの間で、整経セクションを分離線に沿って分割するために、分割ツールを使用する、と言い換えられることができる。。
【0024】
本方法の実施の際には、有利には、整経ドラムの表面領域を動作範囲系内にモータらすように、ロボットアームによって担持されるコーン整経機のプラットフォーム及び整経ドラムは互いに相対的に移動する。好ましくは、プラットフォーム及び整経ドラムは互いに相対的に、かつ、整経ドラムの長手方向に沿って移動する。相対移動によって、ロボットアームが残りの作業ステップを整経ドラムの整経開始領域において又は整経終了領域において行い得ることが保証される。ロボットアームが整経テーブルと一緒に移動すると好ましい。したがって、本発明によれば、ロボットアームが整経テーブル上に置かれること、即ち、上述のプラットフォームが整経テーブルによって形成されることが可能である。本発明による方法を実施する際に、整経テーブルに依存しないで移動すると、特に有利である。この場合には、ロボットアームは整経テーブル上には設けられておらず、整経テーブルから独立して移動可能なプラットフォーム上にある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の有利な実施形態が図面に示される。
図1】本発明によるコーン整経機を模式的に示す図である。
図2】コーン整経機のロボットアームが整経セクションを固定している、コーン整経機の整経ドラムの部分を模式的に示す図である。
図3】ロボットアームのグリップ及びカットツールを模式的に示す図である。
図4】ロボットアームが整経セクションを固定する整経セクションラップの部分を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本発明によるコーン整経機1を模式的に示す。コーン整経機1は整経ドラム2と、整経テーブル3とを有する。整経ドラム2は、モータによって回転させられることができ、さらに、その長手軸と平行に変位することができる。整経テーブル3はサイドレール4上でガイドされ、この上で変位することができ、整経テーブル3は整経ドラム2の長手軸と平行に移動することができる。整経テーブル3上には、整経リード5が設けられており、これを介して糸クリール(Fadengatter)から来るコーン整経機の糸が供給され束ねられる。束ねられた糸は一緒に整経セクションを形成する。
【0027】
整経工程を開始するために、まず、整経テーブル3が整経ドラム2の整経開示領域6に対向して位置するように、整経ドラム2及び整経テーブル3は互いに相対的に変位する。そうして(nun)、整経セクションは整経開始領域内において整経ドラム2に固定される。
【0028】
その後、整経ドラム2は回転させられる。整経ドラム2及び整経テーブル3は、整経テーブル3が整経終了領域7に対向して位置するまで、互いに相対的に変位する。そうして、整経セクションは、整経ドラム2の上に長手方向に巻き付けられ、整経ドラム2上で整経セクションラップを形成する。整経セクションラップは分離され、整経セクションラップの自由端部(ein loses Ende)は整経終了領域7内において整経ドラム2に固定される。複数の整経セクション位置が整経ドラム2上に巻き取られるように、この工程は複数回繰り返される。
【0029】
整経工程の際のユーザ保護のために、整経テーブル3上に設けられたロボットアーム8は役立つ。ロボットアーム8を介して行われる作業ステップは、後述される。
【0030】
図2は、コーン整経機1のロボットアーム8が整経セクション9を固定する、コーン整経機の整経ドラムの整経開始領域を模式的に示す図である。整経ドラム2は複数の開口10を有し、開口内にはクランプ装置が配置される。ロボットアーム8はマニピュレータヘッド11を用いて、図示されていない整経テーブル上にある整経セクション9を把持し、それを、クランプ装置を用いて整経ドラム2の開口10内に固定する。そうして、整経セクション9は、整経ドラム2上に巻き取られることができる。
【0031】
図3は、ロボットアームのマニピュレータヘッド11を模式的に示す図である。整経セクション9の巻き取りの後、これは分割されなければならない。マニピュレーションヘッド11のソケット12には2つのグリップツール13が配置されており、グリップツールはそれぞれ2つのグリップフィンガを有し、グリップツールは互いに離間している。これらのグリップツール13の間には、鋸刃状のカッティングエッジ10を有する分割ツール14が配置されている。分割ツール14は、グリップ13を介して固定された整経セクション9を切断するために、ソケット12に対してモータによって変位可能である。切断後には、整経セクションラップに属する整経セクション9の端部は整経ドラムに固定されるべきである。そのために、整経セクション9の端部は整経セクションラップの2つの整経セクション位置の間にクランプされることができる。
【0032】
図4は、コーン整経機のロボットアーム8が整経セクションラップ15の端部を整経セクションラップ15内にクランプしている、整経セクションラップ15の部分を模式的に示す。整経セクションラップ15は複数の整経セクション位置16、つまり、整経ドラム上に巻き取られた、重なり合って巻きつけられた、整経セクション9の層からなる。ロボットアーム8は整経セクション位置16を脇へスライドし、マニピュレータヘッド11を用いてその際に生じる相応のギャップ17内へ整経セクションラップ15の端部を配置する。マニピュレータヘッド11は、その後、そのギャップ17から引き出され、したがってギャップ17は閉じる。整経セクションラップ15の端部は、そうして、整経セクションラップ15内において隣り合う整経セクション位置16の間にクランプされる。整経工程は、そうして、整経セクション9のさらなる部分で新たに開始される。
【符号の説明】
【0033】
1 コーン整経機(Konusschaermaschine)
2 整経ドラム (Schaertrommel)
3 整経テーブル(Schaertisch)
4 サイドレール(Seitenschiene)
5 整経リード(Schaerriet)
6 整経開始領域(Schaeranfangsbereich)
7 整経終了領域(Schaerendbereich)
8 ロボットアーム(Roboterarm)
9 整経セクション(Schaerband)
10 開口(Oeffnung)
11 マニピュレータヘッド(Manipulatorkopf)
12 ソケット(Fassung)
13 グリップツール(Greifwerkzeug)
14 分割ツール(Zerteilungswerkzeug)
15 整経セクションラップ(Schaerbandwickel)
16 整経セクション位置(Schaerbandlage)
17 ギャップ(Spalt)
図1
図2
図3
図4