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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-09
(45)【発行日】2022-02-18
(54)【発明の名称】スライドレールアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A47B 88/49 20170101AFI20220210BHJP
【FI】
A47B88/49
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020117495
(22)【出願日】2020-07-08
(65)【公開番号】P2021126492
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2020-07-08
(31)【優先権主張番号】109104916
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 石龍
(72)【発明者】
【氏名】郭 建宏
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
【審査官】広瀬 杏奈
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3177386(JP,U)
【文献】特開2019-132049(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0265792(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 88/00-88/994
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のレールと、
前記第のレールに対して変位可能な第2のレールと、
前記第2のレールに対して変位可能な第3のレールと、
前記第1のレールに配置される第1及び第2の補助構造と、
前記第1のレールに配置される第1及び第2のガイド部と、
前記第2のレールに可動に取り付けられるとともに、前記第2のレールに対して第1の状態及び第2の状態のうちのいずれかになるように構成された第1及び第2の作用部材と、
前記第3のレールに設けられる第1及び第2の接触部と、
を含むスライドレールアセンブリであって、
前記第3のレールが前記第1のレールに対して引っ込め位置にある場合、前記第2のレールは前記第1のレールに対して引っ込められ、前記第1の作用部材は第1の状態にあり、
前記第3のレールが前記引っ込め位置から第1の伸長位置へと第1の方向に変位される間に、前記第1の状態にある前記第1の作用部材は前記第1の補助構造と接触させられるため、前記第1の状態から前記第2の状態に切り替えられ、
前記第3のレールが、前記第1の伸長位置から前記引っ込め位置へと前記第1の方向の反対方向である第2の方向に変位される間に、前記第3のレールの第1の接触部は、前記第2の状態にある前記第1の作用部材と接触させられて、前記第2のレールを前記第1のレールに対して前記第2の方向に駆動して引っ込め
前記第3のレールが前記引っ込め位置から第2の伸長位置へと前記第2の方向に変位される間に、前記第3のレール上の前記第1の接触部は、前記第2のレールを前記第2の方向に変位するために、前記第2の状態にある前記第1の作用部材と接触させられ、
前記第2のレールが前記第2の方向に変位される間に、前記第2の状態にある前記第1の作用部材は前記第2のガイド部に接触させられるため、前記第2の状態から前記第1の状態に切り替えられて、前記第1の接触部が前記第1の状態にある前記第1の作用部材を前記第2の方向に通過できるようにし、
前記第3のレールが前記引っ込め位置から前記第2の伸長位置へと前記第2の方向に変位される間に、前記第2の状態にある前記第2の作用部材は前記第2の補助構造に接触させられるため、前記第2の状態から前記第1の状態に切り替えられる、スライドレールアセンブリ。
【請求項2】
記第2の作用部材は、前記第3のレールが前記第1のレールに対して前記引っ込め位置にある場合に前記第の状態にあり、前記第3のレールが前記引っ込め位置から前記第1の伸長位置へと前記第1の方向に変位される間に、前記第3のレール上の前記第2の接触部は、前記第2のレールを前記第1の方向に変位させるために、前記第1の状態にある前記第2の作用部材と接触させられる、請求項1に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項3】
記第2のレールが前記第1の方向に変位される間に、前記第1の状態にある前記第2の作用部材は前記第1のガイド部と接触させられるため、前記第の状態から前記第2の状態に切り替えられ、前記第2の接触部が前記第2の状態にある前記第2の作用部材を前記第1の方向に通過できるようにする、請求項2に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項4】
前記第1の作用部材及び前記第2の作用部材は、前記第2のレールに枢結されている、請求項2に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項5】
前記第1の作用部材は前記第2のレールの前部に隣接して配置され、前記第2の作用部材は前記第2のレールの後部に隣接して配置され、前記第1の接触部は前記第3のレールの前部に隣接して配置され、前記第2の接触部は前記第3のレールの後部に隣接して配置され、
前記第3のレールは、上壁、下壁及び該上壁と該下壁との間に接続される長手壁を含み、前記第1の接触部及び前記第2の接触部は、前記第3のレールの上壁及び下壁にそれぞれ隣接する、請求項2に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項6】
記第3のレールが前記第2の伸長位置から前記引っ込め位置へと前記第1の方向に変位される間に、前記第3のレール上の第2の接触部は、前記第1のレールに対して前記第2のレールを前記第1の方向に駆動して引っ込めるために、前記第1の状態にある前記第2の作用部材と接触させられる、請求項3に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項7】
前記第1の補助構造は、前記第1のレールの前部に隣接して配置され、前記第1のガイド部は、前記第のレールの後部に隣接して配置され、
前記第1のレールは、上壁、下壁及び該上壁と該下壁との間に接続される長手壁を含み、前記第1の補助構造及び前記第1のガイド部の双方は、前記第1のレールの上壁に隣接し、
前記第2の補助構造は、前記第1のレールの後部に隣接して配置され、前記第2のガイド部は、前記第1のレールの前部に隣接して配置され、前記第2の補助構造及び前記第2のガイド部の双方は、前記第1のレールの下壁に隣接する、請求項に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項8】
前記第1のレールと前記第2のレールとの間に可動に取り付けられる第1の摺動促進装置と、前記第2のレールと前記第3のレールとの間に可動に取り付けられる第2の摺動促進装置とをさらに含み、
前記第1のレールは第1のブロック部を備え、前記第2のレールは第2のブロック部を備え、前記第2のレールが第1の所定の位置にある場合、前記第1の摺動促進装置の前側区画及び後ろ側区画は、該第1のブロック部と前記第2のブロック部との間に位置するとともに、該第1のブロック部及び前記第2のブロック部にそれぞれ当接し、
前記第2のレールは第3のブロック部を備え、前記第3のレールは第4のブロック部を備え、前記第3のレールが前記第1の伸長位置にある場合に、前記第2の摺動促進装置の前側区画及び後ろ側区画は、該第3のブロック部と該第4のブロック部との間に位置するとともに、該第3のブロック部及び該第4のブロック部にそれぞれ当接し、
前記第1のレールは第5のブロック部を備え、前記第2のレールは第6のブロック部を備え、前記第2のレールが第2の所定の位置にある場合、前記第1の摺動促進装置の後ろ側区画及び前側区画は、該第5のブロック部と該第6のブロック部との間に位置するとともに、該第5のブロック部及び該第6のブロック部にそれぞれ当接し、
前記第2のレールは第7のブロック部を備え、前記第3のレールは第8のブロック部を備え、前記第3のレールが前記第2の伸長位置にある場合、前記第2の摺動促進装置の後ろ側区画及び前側区画は、該第7のブロック部と該第8のブロック部との間に位置するとともに、該第7のブロック部及び該第8のブロック部にそれぞれ当接する、請求項に記載のスライドレールアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスライドレールアセンブリに関し、より具体的には、2つの方向に開くことができるスライドレールアセンブリに又は2方向スライドレールアセンブリ(two-way slide rail assembly)に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の図1図4には、外側スライド部材、内側スライド部材及び外側スライド部材と内側スライド部材との間に取り付けられる中間スライド部材を含む従来の2方向スライドアセンブリが開示されている。特許文献1の図4に示されるように、中間スライド部材の一端にあるアームには2つのエンドストップが設けられ、中間スライド部材は、2つのエンドストップのうちの一方が内側スライド部材と接触した場合に、特定の方向に移動するのが防止される。しかしながら、スライド部材は比較的広い断面を有するため、引出しとキャビネット本体との間に取り付けられた場合にかなりのスペースを取るため、引出しの収容能力に悪影響を及ぼし得る。
【0003】
上記の問題の解決策として、特許文献1の図5図12に示す実施形態では、引出しスライドアセンブリの中間スライド部材が2方向キャビネット(又はラック)のいずれかの端部から突出するのを防止するためのシーケンシングラッチ(sequencing latch)が開示されている。引出しスライドアセンブリの内側スライド部材が動かされると、内側スライド部材のカムは、中間スライド部材のラッチングアームが中間スライド部材にある開口を介して枢動し、外側スライド部材のレセプタクルと係合するまでラッチングアームに力を加える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第5871265号明細書
【文献】米国特許第8511765号明細書
【文献】米国特許第8733864号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
カム及びレセプタクルの使用によって、中間スライド部材の2方向移動を制限できるが、シーケンシングラッチのラッチ機構によって中間スライド部材を変位できる距離が短くなり、ユーザーが引出し内の物体を取り出すのが比較的不便になる。
【0006】
本発明は、2方向に開くことができるスライドレールアセンブリであって、その設計的に、アセンブリの各可動レールを変位できる距離に悪影響を及ぼさないスライドレールアセンブリに関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、スライドレールアセンブリは、第1のレール、第2のレール、第3のレール、第1の補助構造、第1の作用部材及び第1の接触部を含む。第2のレールは第1のレールに対して変位可能であり、第3のレールは第2のレールに対して変位可能である。第1の補助構造は第1のレールに配置される。第1の作用部材は、第2のレールに可動に取り付けられ、第2のレールに対して第1の状態及び第2の状態のうちのいずれか一方になるように構成されている。第1の接触部は第3のレールに配置される。第3のレールが第1のレールに対して引っ込め位置にある場合、第2のレールは第1のレールに対して引っ込められ、第1の作用部材は第1の状態にある。第3のレールを引っ込め位置から第1の伸長位置へと第1の方向に変位させる過程で、第1の状態にある第1の作用部材は、第1の補助構造と接触させられるため、第1の状態から第2の状態に切り替えられる。第3のレールが第1の伸長位置から引っ込め位置へと第1の方向の反対方向である第2の方向に変位される過程で、第3のレール上の第1の接触部は、第1のレールに対して第2のレールを第2の方向に駆動して引っ込めるために、第2の状態にある第1の作用部材と接触させられる。
【0008】
スライドレールアセンブリは、第2のレールに可動に取り付けられる第2の作用部材と、第3のレールに配置される第2の接触部とをさらに含むことが好ましい。第2の作用部材は、第2のレールに対して第1の状態及び第2の状態のうちのいずれか一方であるように構成され、第3のレールが第1のレールに対して引っ込め位置にある場合に第1の状態にある。第3のレールを引っ込め位置から第1の伸長位置へと第1の方向に変位させる過程で、第3のレール上の第2の接触部は、第2のレールを第1の方向に変位させるために第1の状態にある第2の作用部材と接触させられる。
【0009】
スライドレールアセンブリは、第1のレールに配置される第1のガイド部をさらに含むことが好ましい。第2のレールを第1の方向に変位させる過程で、第1の状態にある第2の作用部材は第1のガイド部と接触させられて、第1の状態から第2の状態に切り替えられるため、第2の接触部は第1の方向に移動して第2の状態にある第2の作用部材を通過できる。
【0010】
第1の作用部材及び第2の作用部材は、第2のレールに枢結されていることが好ましい。
【0011】
第1の作用部材は第2のレールの前部に隣接して配置され、第2の作用部材は第2のレールの後部に隣接して配置されることが好ましい。
【0012】
第1の接触部は第3のレールの前部に隣接して配置され、第2の接触部は、第3のレールの後部に隣接して配置されることが好ましい。
【0013】
第3のレールは、上壁、下壁及び第3のレールの上壁と下壁との間に接続される長手壁を含み、第1の接触部及び第2の接触部は、第3のレールの上壁及び下壁にそれぞれ隣接することが好ましい。
【0014】
第1の補助構造は、第1のレールの前部に隣接して配置され、第1のガイド部は、第1のレールの後部に隣接して配置されることが好ましい。
【0015】
第1のレールは、上壁、下壁及び第1のレールの上壁と下壁との間に接続される長手壁を含み、第1の補助構造及び第1のガイド部の双方は、第1のレールの上壁に隣接していることが好ましい。
【0016】
スライドレールアセンブリは、第2の補助構造及び第2のガイド部をさらに含むことが好ましい。第3のレールが引っ込め位置から第2の伸長位置へと第2の方向に変位される過程で、第2の状態にある第2の作用部材は、第2の補助構造と接触させられるため、第2の状態から第1の状態に切り替えられる。第3のレールが第2の伸長位置から引っ込め位置へと第1の方向に変位される過程で、第3のレール上の第2の接触部は、第1のレールに対して第2のレールを第1の方向に駆動して引っ込めるために、第1の状態にある第2の作用部材と接触させられる。
【0017】
第3のレールが引っ込め位置から第2の伸長位置へと第2の方向に変位される過程で、第3のレール上の第1の接触部は、第2のレールを第2の方向に変位させるために、第2の状態にある第1の作用部材と接触させられることが好ましい。
【0018】
第2のレールが第2の方向に変位される過程で、第2の状態にある第1の作用部材は、第2のガイド部と接触させられるため第2の状態から第1の状態に切り替えられて、第1の接触部は第2の方向に移動して第1の状態にある第1の作用部材部材を通過できる。
【0019】
第2の補助構造は第1のレールの後部に隣接して配置され、第2のガイド部は、第1のレールの前部に隣接して配置されることが好ましい。
【0020】
第2の補助構造及び第2のガイド部の双方は第1のレールの下壁に隣接することが好ましい。
【0021】
スライドレールアセンブリは、第1のレールと第2のレールとの間に可動に取り付けられる第1の摺動促進装置と、第2のレールと第3のレールとの間に可動に取り付けられる第2の摺動促進装置とをさらに含むことが好ましい。
【0022】
第1のレールに第1のブロック部が設けられ、第2のレールに第2のブロック部が設けられるため、第2のレールが第1の所定の位置にある場合、第1の摺動促進装置の前側区画及び後ろ側区画は第1のブロック部と第2のブロック部との間に位置するとともに、第1のブロック部及び第2のブロック部にそれぞれ当接することが好ましい。第2のレールに第3のブロック部が設けられ、第3のレールに第4のブロック部が設けられるため、第3のレールが第1の伸長位置にある場合、第2の摺動促進装置の前側区画及び後ろ側区画は第3のブロック部と第4のブロック部との間に位置するとともに、第3のブロック部及び第4のブロック部にそれぞれ当接することが好ましい。
【0023】
第1のレールに第5のブロック部が設けられ、第2のレールに第6のブロック部が設けられるため、第2のレールが第2の所定の位置にある場合、第1の摺動促進装置の前側区画及び後ろ側区画は第5のブロック部と第6のブロック部との間に位置するとともに、第5のブロック部及び第6のブロック部にそれぞれ当接することが好ましい。第2のレールに第7のブロック部が設けられ、第3のレールに第8のブロック部が設けられるため、第3のレールが第2の伸長位置にある場合、第2の摺動促進装置の前側区画及び後ろ側区画は第7のブロック部と第8のブロック部との間に位置するとともに、第7のブロック部及び第8のブロック部にそれぞれ当接することが好ましい。
【0024】
本発明の別の態様によれば、スライドレールアセンブリは、第1のレール、第2のレール、第3のレール、作用部材及び接触部を含む。第2のレールは第1のレールに対して変位でき、第3のレールは第2のレールに対して変位できる。作用部材は第2のレールに可動に取り付けられ、第2のレールに対して2つの状態の間で切り替え可能である。接触部は第3のレールに配置される。第3のレールは、引っ込め位置から第1の伸長位置へと第1の方向に変位でき、第3のレールが第1の伸長位置から引っ込め位置へと第1の方向の反対方向である第2の方向に変位される過程で、第3のレール上の接触部は、第1のレールに対して第2の方向に第2のレールを駆動して引っ込めるために、2つの状態のうちの1つにある作用部材と接触させられる。
【0025】
作用部材は、シャフトを介して第2のレールに対して枢結され、該シャフトは、第2のレールの長さ方向と実質的に同じ方向に延び、第1のレールには補助構造が配置されることが好ましい。第3のレールが引っ込め位置から第1の伸長位置へと第1の方向に変位される間に、2つの状態のうちの他方の状態にある作用部材は補助構造と接触させられるため、2つの状態のうちの前記他方から前記一方の状態に切り替えられる。
【0026】
スライドレールアセンブリは、第1のレールに配置されるガイド部をさらに含むことが好ましい。第3のレールが引っ込め位置から第2の伸長位置へと第2の方向に変位される過程で、第3のレール上の接触部は、第2のレールを第2の方向に変位するのを助けるために、2つの状態のうちの前記一方の状態にある作用部材と接触させられ、第2のレールが第2の方向に変位される過程で、2つの状態のうちの前記一方の状態にある作用部材はガイド部に接触させられるため、2つの状態のうちの前記一方の状態から前記他方の状態に切り替えられ、接触部は第2の方向に移動して2つの状態のうちの前記他方の状態にある作用部材を通過できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るスライドレールアセンブリの斜視図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリの分解斜視図であり、特にスライドレールアセンブリの第1のレール、第2のレール及び第3のレールを示す。
図3図3は、本発明の実施形態に係る、スライドレールアセンブリの第2のレール及び作用部材を特に示す部分分解斜視図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る作用部材が第2のレールに対して第1の状態にあることを示す概略図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る作用部材が第2のレールに対して第2の状態にあることを示す概略図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリが引っ込められた状態にあることを示す概略図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係る第3のレールが第2のレールを第1の方向に変位させることができることを示す概略図である。
図8図8は、本発明の実施形態に係る第3のレール及び第2のレールが第1の方向に変位されることを示す概略図である。
図9図9は、本発明の実施形態に係る第3のレール及び第2のレールが第1の方向にさらに変位されることを示す概略図である。
図10図10は、本発明の実施形態に係る第3のレール及び第2のレールが第1の方向にさらに変位されて、スライドレールアセンブリを伸長状態にすることを示す概略図である。
図11図11は、本発明の実施形態に係る第3のレールが、第2のレールを第1のレールに対して第2の方向に駆動し、それによって引っ込めることができることを示す概略図である。
図12図12は、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリが引っ込められた状態にあることを示す概略図である。
図13図13は、本発明の実施形態に係る第3のレール及び第2のレールを第2の方向に変位させることができることを示す概略図である。
図14図14は、本発明の実施形態に係る第3のレール及び第2のレールが第2の方向に変位されて、スライドレールアセンブリを伸長状態にすることを示す概略図である。
図15図15は、第2のレールの作用部材が予期しない状態にあること及び第3のレールの接触部が作用部材に隣接していることを示す概略図である。
図16図16は、第3のレールの接触部によって、第2のレールの作用部材が所定の状態になるように駆動されることを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1及び図2を参照して、本発明の一実施形態に係るスライドレールアセンブリは、第1のレール22、第2のレール24、第3のレール26、第1の補助構造28、第1の作用部材30及び第1の接触部32を含む。スライドレールアセンブリは、第2の補助構造34、第2の作用部材36、第2の接触部38、第1のガイド部40及び第2のガイド部42をさらに含むことが好ましい。
【0029】
第1のレール22は前部f1及び後部r1を有する。第1のレール22は、上壁44a、下壁44b及び第1のレール22の上壁44aと下壁44bとの間に接続される長手壁46を含む。第1のレール22の上壁44a、下壁44b及び長手壁46は、第1の通路を共に定義する。
【0030】
第1の補助構造28及び第2のガイド部42は、第1のレール22に、例えば第1のレール22の前部f1に隣接して設けられることが好ましい。ここでは、一例として、第1の補助構造28及び第2のガイド部42は第1のコンポーネント48に一体化され、第1のコンポーネント48は、前部f1に隣接する位置で第1のレール22に接続されている。代替的な実施形態では、第1の補助構造28及び第2のガイド部42は、第1のレール22と直接一体化される2つの独立した部分である。本発明は、第1の補助構造28及び第2のガイド部42が第1のレール22にどのように設けられるかの点で限定されない。第1の補助構造28及び第2のガイド部42の双方は第1の通路内に位置し、第1のレール22の長手壁46に対して横方向に突出する。第1の補助構造28は第1の補助区画28a及び第1の壁28bを含み、これらは第1の補助構造28の後部及び前部にそれぞれ位置する。第1の補助区画28aは傾斜面又は湾曲面である。第2のガイド部42は第1のガイド区画42a、第2のガイド区画42b及び第1のガイド区画42aと第2のガイド区画42bとの間に接続される中間区画42cを含む。中間区画42cは、第1のレール22の長手壁46に対して横方向高さ(transverse height)を有し、第1のガイド区画42a及び第2のガイド区画42bのそれぞれは傾斜面又は湾曲面である。
【0031】
同様に、第2の補助構造34及び第1のガイド部40は第1のレール22に、例えば、第1のレール22の後部r1に隣接して設けられる。ここでは、一例として、第2の補助構造34及び第1のガイド部40は第2のコンポーネント52に一体化され、第2のコンポーネント52は、後部r1に隣接する位置で第1のレール22に接続されている。代替的な実施形態では、第2の補助構造34及び第1のガイド部40は、第1のレール22と直接一体化される2つの独立した部分である。本発明は、第2の補助構造34及び第1のガイド部40が第1のレール22にどのように設けられるかの点で限定されない。第2の補助構造34及び第1のガイド部40の双方は第1の通路内に位置し、第1のレール22の長手壁46に対して横方向に突出する。第2の補助構造34は第2の補助区画34a及び第2の壁34bを含み、これらは、第2の補助構造34の前部及び後部にそれぞれ位置する。第2の補助区画34aは傾斜面又は湾曲面である。第1のガイド部40は第1のガイド区画40a、第2のガイド区画40b及び第1のガイド区画40aと第2のガイド区画40bとの間に接続される中間区画40cを含む。中間区画40cは、第1のレール22の長手壁46に対して横方向高さを有し、第1のガイド区画40a及び第2のガイド区画40bのそれぞれは傾斜面又は湾曲面である。
【0032】
第1の補助構造28及び第1のガイド部40の双方は、第1のレール22の上壁44aに隣接し、第2の補助構造34及び第2のガイド部42の双方は第1のレール22の下壁44bに隣接することが好ましい。
【0033】
第2のレール24は、第1のレール22に対して変位可能である。ここでは、一例として、第2のレール24は第1のレール22の第1の通路内に可動に取り付けられる。第2のレール24は前部f2及び後部r2を有する。第2のレール24は、上壁56a、下壁56b、第2のレール24の上壁56aと下壁56bとの間に接続される長手壁58を含む。第2のレール24の上壁56a、下壁56b及び長手壁58は、第2の通路を共に定義する。
【0034】
第1の作用部材30及び第2の作用部材36の双方が、第2のレール24に可動に取り付けられることが好ましい。ここでは、一例として、第1の作用部材30及び第2の作用部材36は実質的に同じ構造構成を有し、第1の作用部材30及び第2の作用部材36の双方は第2のレール24に枢結されている。第1の作用部材30は、第2のレール24の前部f2に隣接して設けられ、第2の作用部材36は、第2のレール24の後部r2に隣接して設けられている。
【0035】
スライドレールアセンブリは、第1のレール22及び第2のレール24が互いに対して滑らかに変位できるように、第1のレール22と第2のレール24との間に可動に取り付けられる第1の摺動促進装置60をさらに含むことが好ましい。例えば、第1の摺動促進装置60は、上部61a、下部61b及び第1の摺動促進装置60の上部61aと下部61bとの間に接続される本体部63を有する。上部61aには、第1のレール22の上壁44aと第2のレール24の上壁56aとの間で回転可能に支持される複数の第1の上側回転部材B1(例えば、回転ボール又は回転輪)が設けられ、下部61bには、第1のレール22の下壁44bと第2のレール24の下壁56bとの間で回転可能に支持される複数の第1の下側回転部材B2(例えば、回転ボール又は回転輪)が設けられる。
【0036】
第1のブロック部62が、第1のレール22の前部f1に隣接して設けられることが好ましい。ここでは、一例として、第1のブロック部62は第1のレール22の長手壁46に対して横方向に突出する。第2のレール24も、少なくとも1つの第2のブロック部64を備えることが好ましい。ここでは、一例として、2つの第2のブロック部64は、第2のレール24の上壁56a及び下壁56bにそれぞれ位置するとともに、第2のレール24の後部r2に隣接する。
【0037】
第3のレール26は、第2のレール24に対して変位可能である。ここでは、一例として、第3のレール26は第2のレール24の第2の通路内に可動に取り付けられる。第3のレール26は、前部f3及び後部r3を有する。第3のレール26は、上壁66a、下壁66b及び第3のレール26の上壁66aと下壁66bとの間に接続される長手壁68を含む。
【0038】
第1の接触部32及び第2の接触部38の双方が第3のレール26に設けられることが好ましい。例えば、第1の接触部32は第3のレール26の前部f3に隣接して設けられ、第2の接触部38は第3のレール26の後部r3に隣接して設けられ、第1の接触部32は、第3のレール26の上壁66aに隣接し、第2の接触部38は第3のレール26の下壁66bに隣接する。
【0039】
第1の接触部32及び第2の接触部38は、第3のレール26の長手壁68に設けられ、第1の接触部32及び第2の接触部38は、第3のレール26の長手壁68に対して第2のレール24の長手壁58の方へと横方向に突出することが好ましい。
【0040】
スライドレールアセンブリは、第2のレール24と第3のレール26とが互いに対して滑らかに変位できるように、第2のレール24と第3のレール26との間で可動に取り付けられる第2の摺動促進装置70をさらに含むことが好ましい。例えば、第2の摺動促進装置70は、上部72a、下部72b及び第2の摺動促進装置70の上部72aと下部72bとの間に接続される本体部74を有する。上部72aは、第2のレール24の上壁56aと第3のレール26の上壁66aとの間で回転可能に支持される複数の第2の上側回転部材B3(例えば、回転ボール又は回転輪)を備え、下部72bは、第2のレール24の下壁56bと第3のレール26の下壁66bとの間で回転可能に支持される複数の第2の下側回転部材B4(例えば、回転ボール又は回転輪)を備える。
【0041】
第3のブロック部76が、第2のレール24の前部f2に隣接して設けられることが好ましい。ここでは、一例として、第3のブロック部76は、第2のレール24の長手壁58に対して横方向に突出する。第3のレール26に、少なくとも1つの第4のブロック部78が設けられることも好ましい。ここでは、一例として、2つの第4のブロック部78が、第3のレール26の上壁66a及び下壁66bにそれぞれ位置し、第3のレール26の後部r3に隣接する。
【0042】
第5のブロック部80が、第1のレール22の後部r1に隣接して設けられることが好ましい。ここでは、一例として、第5のブロック部80は第1のレール22の長手壁46に対して横方向に突出する。第2のレール24は、少なくとも1つの第6のブロック部82を備えることも好ましい。ここでは、一例として、2つの第6のブロック部82が、第2のレール24の上壁56a及び下壁56bにそれぞれ位置し、第2のレール24の前部f2に隣接する。
【0043】
第7のブロック部84が、第2のレール24の後部r2に隣接して設けられることが好ましい。ここでは、一例として、第7のブロック部84は、第2のレール24の長手壁58に対して横方向に突出する。第3のレール26は、少なくとも1つの第8のブロック部86を備えることも好ましい。ここでは、一例として、2つの第8のブロック部86は、第3のレール26の上壁66a及び下壁66bにそれぞれ位置し、第3のレール26の前部f3に隣接する。
【0044】
第3のレール26には第1の作動部88及び第2の作動部90がさらに設けられることが好ましい。第1の作動部88及び第2の作動部90は、第3のレール26の上壁66a及び下壁66bにそれぞれ隣接する。第1の作動部88及び第2の作動部90は実質的に同じ構造構成を有し、双方とも第3のレール26の長手壁68に対して第2のレール24の長手壁58の方へと突出する。第1の作動部88を例に取り上げると、第1の作動部88は前部に第1の作動区画A1を有し、後部に第2の作動区画A2を有する。第1の作動区画A1及び第2の作動区画A2のそれぞれは傾斜面又は湾曲面である。
【0045】
第1の作用部材30及び第2の作用部材36は実質的に同じ構造構成を有し、第1の作用部材30が第2のレール24に取り付けられる原理は、第2の作用部材36が第2のレール24に取り付けられる原理と実質的に同じである。図3を参照して、第2の作用部材36を例に取ると、第2の作用部材36は、第2のレール24上のベース92に取り付けられる。より具体的には、ベース92は、接続部材94によって第2のレール24の長手壁58に接続(例えば、固定接続)され、それ故に第2のレール24の一部と見ることができる。ベース92は、上側支持部96a、下側支持部96b及び上側支持部96aと下側支持部96bとの間に接続される側部98を含む。第2の作用部材36は、シャフト100を介して第2のレール24に対して枢結されている。例えば、シャフト100は、ベース92に枢結され、第2のレール24の長さ方向と実質的に同じ方向に(すなわち、双方の方向は長手方向である)延びる。第2の作用部材36は、上側作用部102、下側作用部104及び上側作用部102と下側作用部104との間に接続される中間部106を含む。
【0046】
ベース92は第1の空間K1を有し、第2のレール24(より具体的には、その長手壁58)は、第1の空間K1に対応する第2の空間K2を有することが好ましい。第1の空間K1及び第2の空間K2は、第2のレール24の第1の側L1と第2の側L2とを互いに連通する。第1の側L1は第1のレール22(より具体的にはその長手壁46)に面し、第2の側L2は第3のレール26(より具体的にはその長手壁68)に面する。
【0047】
第2の作用部材36は、ベース92の第1の空間K1に受容されることが好ましい。第2の作用部材36の上側作用部102は、第1の伸長区画102a及び第2の伸長区画102bに分岐する。
【0048】
図4及び図5に示すように、各作用部材(すなわち、第1の作用部材30又は第2の作用部材36)は、第2のレール24に対して動かして2つの状態の間で切り替えることができる。第2の作用部材36を例に取ると、第2の作用部材36は第2のレール24に対して動かして、第1の状態S1(図4参照)及び第2の状態S2(図5参照)のうちの一方となることができる。例えば、シャフト100は、第2の作用部材36が第1の状態S1から第2の状態S2へと第1の枢動方向R1に枢動できるとともに、第2の状態S2から第1の状態S1に戻るように第1の枢動方向R1の反対方向である第2の枢動方向R2に枢動できるようにする。
【0049】
第2のレール24(より具体的には、第2のレール24に接続されるベース92)は、上側ブロック部108及び下側ブロック部110を有することが好ましい。第2の作用部材36の上側作用部102の第1の伸長区画102a及び第2の伸長区画102bは、第2のレール24(より具体的にはベース92)の上側ブロック部108を受容するために、それらの間に第1の受容空間X1を定義する。上側ブロック部108は、第1の受容空間X1の大きさよりも小さい。同様に、第2の作用部材36の下側作用部104の第1の伸長区画104a及び第2の伸長区画104bは、第2のレール24(より具体的にはベース92)の下側ブロック部110を受容するために、それらの間に第2の受容空間X2を定義する。下側ブロック部110は、第2の受容空間X2の大きさよりも小さい。
【0050】
第2の作用部材36が第1の状態S1(図4参照)にある場合、第2の作用部材36の上側作用部102の第1の伸長区画102aは、第2のレール24の上側ブロック部108によって第2の枢動方向R2においてブロックされるため、位置制限効果がもたらされる。同様に、第2の作用部材36が第1の状態S1から第2の状態S2(図5参照)に枢動されると、第2の作用部材36の下側作用部104の第1の伸長区画104aは、第2のレール24の下側ブロック部110によって第1の枢動方向R1においてブロックされるため、位置制限効果がもたらされる。
【0051】
図3を参照して、第2の作用部材36及びベース92のうちの一方は、第2の作用部材36がベース92に対して枢動される間に、第2の作用部材36とベース92との間に摩擦抵抗を提供して、第2の作用部材36を第1の状態S1又は第2の状態S2で維持するのを助けるために少なくとも1つの維持部112(例えば、限定されないがリブ)を有することが好ましい。
【0052】
図6は、引っ込められた状態にあるスライドレールアセンブリを示す。第1の作用部材30は、第1のレール22の第1の補助構造28と第2のガイド部42との間の中間位置に対応し、第2の作用部材36は、第1のレール22の第2の補助構造34と第1のガイド部40との間の中間位置に対応する。なお、図6では、第1の摺動促進装置60、第2の摺動促進装置70、第1のレール22の下壁44b、第2のレール24の下壁56b及び第3のレール26の下壁66bが省略されている。
【0053】
より具体的には、第3のレール26が第1のレール22に対して引っ込め位置Rにある場合、第2のレール24は第1のレール22に対して引っ込められており、第1の作用部材30は第1の状態S1にある。例えば、第1の作用部材30が第2のレール24に対して第1の状態S1にある間、第1の作用部材30の上側作用部114は、第1のレール22(より具体的にはその長手壁46)の方に沈んで近くにあり、上側作用部114の第2の伸長区画114bは第1の補助構造28の第1の補助区画28aに対応し、上側作用部114の第1の伸長区画114aは第3のレール26の第1の接触部32からずれている。他方、第1の作用部材30の下側作用部116は、第3のレール26(より具体的には、その長手壁68)に方へと上方に傾斜して近くにあり、下側作用部116の第2の伸長区画116bは第1のレール22の第2のガイド部42からずれている。
【0054】
第3のレール26が第1のレール22に対して引っ込め位置Rにある場合、第2の作用部材36も第1の状態S1にあることが好ましい。例えば、第2の作用部材36が第2のレール24に対して第1の状態S1にある間、第2の作用部材36の上側作用部102は、第1のレール22(より具体的には、その長手壁46)の方に沈んで近づき、上側作用部102の第2の伸長区画102bは、第1のガイド部40の第2のガイド区画40bに対応する。他方、第2の作用部材36の下側作用部104は第3のレール26(より詳細には、その長手壁68)に向かって上方に傾斜して近づき、下側作用部104の第1の伸長区画104aは第3のレール26上の第2の接触部38に対応する。
【0055】
図6及び図7を参照して、第3のレール26は引っ込め位置Rから第1の方向D1に又は第1の方向D1の反対方向である第2の方向D2に変位させることができる。ここでは、一例として、第3のレール26は第1の方向D1に変位される。第3のレール26が第1の方向D1に変位されて第1の伸長位置に動かされる過程で、第3のレール26上の第2の接触部38は、第1の状態S1にある第2の作用部材36の下側作用部104(より具体的には、その第1の伸長区画104a)と接触させられるため、第2のレール24を第1の方向D1に変位させるのを支援できる。すなわち、第2のレール24及び第3のレール26を第1の方向D1に同時に変位させることができる。
【0056】
図7及び図8を参照して、第2のレール24が第3のレール26に沿って第1の方向D1に変位される過程で、第1の状態S1にある第2の作用部材36の上側作用部102(より具体的にはその第2の伸長区画102b)(図7参照)が第1のガイド部40の第2のガイド区画40bと接触させられ、その結果、第2の作用部材36は第1の状態S1(図7参照)から第2の状態S2(図8参照)に切り替えられる。図8に示すように、第2の作用部材36の上側作用部102は、第1のガイド部40の第2のガイド区画40bによってガイドされるように構成され、第2の作用部材36の下側作用部104(より具体的にはその第1の伸長区画104a)が第3のレール26の第2の接触部38にもはや対応せず、ずれるように第1のガイド部40を最終的に通過して、第3のレール26の第2の接触部38が第1の方向D1に移動して(第2の状態S2にある)第2の作用部材36を通過できるようにする。すなわち、第2のレール24及び第3のレール26は、第1の方向D1に同時に変位できない。
【0057】
図8及び図9を参照して、第3のレール26が第1の方向D1にさらに変位される間に、第2のレール24は第3のレール26に対して第1の方向D1に作動的に(differntially)変位される。このプロセスの間に、第1の状態S1にある第1の作用部材30の上側作用部114(より具体的には、その第2の伸長区画114b)は、第1の補助構造28の第1の補助区画28aと接触させられることにより、第1の作用部材30が第1の状態S1(図8参照)から第2の状態S2(図9参照)に切り替えられる。図9に示すように、第1の作用部材30の上側作用部114は、第1の補助構造28の第1の補助区画28aによってガイドされて、最終的に第1の補助構造28を通過するように構成され、第1の作用部材30が第2の状態S2になると、第1の作用部材30の上側作用部114は、もはや第3のレール26の第1の接触部32からずれていない。すなわち、第1の作用部材30の上側作用部114(より具体的には、その第1の伸長区画114a)は、第1の作用部材30が第2の状態S2にある場合に第3のレール26上の第1の接触部32に対応する。
【0058】
図9及び図10を参照して、第3のレール26が第1のレール22に対して第1の方向D1にさらに変位された後で第1の伸長位置P1に到達すると、第2のレール24は第1の所定の位置Y1に到達し、スライドレールアセンブリは伸長状態(例えば、限定されないが完全伸長状態)にある。
【0059】
第2のレール24が第1のレール22に対して第1の所定の位置Y1にある場合、第1の摺動促進装置60の前側区画60a及び後ろ側区画60bは、第1のブロック部62と第2のブロック部64との間に位置するとともに、第1のブロック部62及び第2のブロック部64にそれぞれ当接する。例えば、第1の摺動促進装置60の前側区画60aは第1のレール22の第1のブロック部62に当接するのに対して、第2のレール24の第2のブロック部64は、第1の摺動促進装置60の後ろ側区画60bと当接する。第3のレール26が第1の伸長位置P1にある場合、第2の摺動促進装置70の前側区画70a及び後ろ側区画70bは、第3のブロック部76と第4のブロック部78との間に位置するとともに、第3のブロック部76及び第4のブロック部78にそれぞれ当接することも好ましい。例えば、第2の摺動促進装置70の前側区画70aは第2のレール24の第3のブロック部76に当接するのに対して、第3のレール26の第4のブロック部78は第2の摺動促進装置70の後ろ側区画70bに当接する。なお、図10では、第1のコンポーネント48上の第1の補助構造28及び第2のガイド部42、第2のコンポーネント52上の第2の補助構造34及び第1のガイド部40が省略されている。
【0060】
図11及び図12を参照して、第3のレール26が第1の伸長位置P1から引っ込め位置Rへと第2の方向D2に変位される過程で、第3のレール26上の第1の接触部32は、第2の状態S2にある第1の作用部材30の上側作用部114(より具体的には、その第1の伸長区画114a)と接触させられるため、第2のレール24を第1のレール22に対して第2の方向D2に駆動して引っ込めて、スライドレールアセンブリを引っ込め状態に戻すことができる。なお、第3のレール26が第1のレール22に対して引っ込め位置Rに再度到達すると、第1の作用部材30及び第2の作用部材36の双方は第2の状態S2にある。
【0061】
図12を参照して、第1の作用部材30が第2のレール24に対して第2の状態S2にある場合、第1の作用部材30の下側作用部116(より具体的には、その第2の伸長区画116b)は、第2のガイド部42の第2のガイド区画42bに対応し、第2の作用部材36が第2のレール24に対して第2の状態S2にある場合、第2の作用部材36の下側作用部104(より具体的には、その第2の伸長区画104b)は、第2の補助構造34の第2の補助区画34aに対応する。この状態にある第3のレール26は、第1のレール22に対して引っ込め位置Rから第2の方向D2に変位させることができる。第3のレール26が第2の伸長位置へと第2の方向D2に変位される間、第3のレール26上の第1の接触部32は、第2の状態S2にある第1の作用部材30の上側作用部114(より具体的にはその第1の伸長区画114a)と接触させられるため、第2のレール24を第2の方向D2に変位させるのを支援できる。すなわち、第2のレール24及び第3のレール26は、第2の方向D2に同時に変位させることができる。
【0062】
図12及び図13を参照して、第3のレール26が引っ込め位置Rから第2の方向D2に変位される過程で、第2の状態S2にある第2の作用部材36の下側作用部104(より具体的にはその第2の伸長区画104b)は第2の補助構造34の第2の補助区画34aと接触させられるため、第2の作用部材36が第2の状態S2(図12参照)から第1の状態S1(図13参照)に切り替えられる。さらに、第2のレール24が第2の方向D2に変位される過程で、第2の状態S2にある第1の作用部材30の下側作用部116(より具体的には、その第2の伸長区画116b)が第2のガイド部42(より具体的には、その第2のガイド区画42b)と接触させられるため、第1の作用部材30が第2の状態S2(図12参照)から第1の状態S1(図13参照)に切り替えられ、図13に示すように、第1の接触部32を第2の方向D2に移動させて、第1の状態S1にある第1の作用部材30(より具体的には、その第1の伸長区画114a)を通過させることができる。
【0063】
図14を参照して、第3のレール26が第1のレール22に対して第2の方向D2にさらに変位された後で第2の伸長位置P2に到達すると、第2のレール24は第2の所定の位置Y2に到達し、スライドレールアセンブリは伸長状態(例えば、限定されないが完全伸長状態)にある。
【0064】
第2のレール24が第1のレール22に対して第2の所定の位置Y2にある場合、第1の摺動促進装置60の後ろ側区画60b及び前側区画60aは、第5のブロック部80と第6のブロック部82との間に位置するとともに、第5のブロック部80及び第6のブロック部82にそれぞれ当接する。例えば、第1の摺動促進装置60の後ろ側区画60bが第1のレール22の第5のブロック部80と当接するのに対して、第2のレール24の第6のブロック部82は第1の摺動促進装置60の前側区画60aと当接する。第3のレール26が第2の伸長位置P2にある場合、第2の摺動促進装置70の後ろ側区画70b及び前側区画70aは、第7のブロック部84と第8のブロック部86との間に位置するとともに、第7のブロック部84及び第8のブロック部86にそれぞれ当接することも好ましい。例えば、第2の摺動促進装置70の後ろ側区画70bは第2のレール24の第7のブロック部84に当接するのに対して、第3のレール26の第8のブロック部86は第2の摺動促進装置70の前側区画70aに当接する。なお、図14では、第1のコンポーネント48の第1の補助構造28及び第2のガイド部42、第2のコンポーネント52の第2の補助構造34及び第1のガイド部40は省略されている。
【0065】
図14及び図13を連続して参照して、第3のレール26が第2の伸長位置P2から引っ込め位置Rへと第1の方向D1に変位される過程で、第3のレール26の第2の接触部38は、第1の状態S1にある第2の作用部材36の下側作用部104(より具体的には、その第1の伸長区画104a)と接触させられるため、第2のレール24を第1のレール22に対して第1の方向D1に駆動して引っ込め、スライドレールアセンブリを再び引っ込め状態にすることができる(図6参照)。これに伴う動作原理は、図11及び図12に示したものと同様である。
【0066】
図15及び図16は、第3のレール26が第1のレール22に対して第1の伸長位置P1の方へと第1の方向D1に変位され、予期しない力の印加(人によるもの又は外部要因によるもの)によって、第1の作用部材30が第2の状態S2(例えば、所定の状態)から第1の状態S1(例えば、予期しない状態)に切り替わり、第3のレール26が第1の伸長位置P1から第2の方向D2に続けて変位された場合に、第3のレール26の第1の接触部32が第1の作用部材30と接触できない場合を示す。しかしながら、第3のレール26を動作させること、すなわち、変位させることによって、ユーザーは、第2の作動部90(具体的には、その第1の作動区画A1又は第2の作動区画A2)を、第1の状態S1にある第1の作用部材30の下側作用部116(より具体的にはその第1の伸長区画116a)に接触させて、第2の作動部90が第1の作用部材30を第1の状態S1(図15参照)から第2の状態S2(図16参照)に切り替え、第3のレール26が第1の伸長位置P1から第2の方向D2に変位されている間に、第3のレール26の第1の接触部32が第2の状態S2にある第1の作用部材30の上側作用部114(より具体的にはその第1の伸長区画114a)と接触し、第2のレール24を第1のレール22に対して第2の方向D2に駆動して、確実に引っ込めることができるようにする。
【0067】
同じ動作原理により、ユーザーは、第1の作動部88(より具体的にはその第1の作動区画A1又は第2の作動区画A2)が第2の作用部材36を第2の状態S2から第1の状態S1に切り替えるよう第3のレール26を操作し(すなわち、変位させて)、第3のレール26が第2の伸長位置P2から第1の方向D1に変位される間に、第3のレール26の第2の接触部38は、第1の状態S1にある第2の作用部材36と接触して第2のレールを第1のレール22に対して第1の方向D1に駆動して引っ込めることができる。
【0068】
上記から、上述の実施形態は以下の特徴を有することが好ましいことが分かる。
【0069】
1)第3のレール26が第1のレール22に対して伸長位置(例えば、第1の伸長位置P1又は第2の伸長位置P2)から引っ込められる間に、接触部のうちの1つは、第2のレール24を第1のレール22に対して確実に引っ込めることができるように、所定の状態にある対応する作用部材と接触する。
【0070】
2)第3のレール26及び第2のレール24は、第1のレール22に対して、反対する2つの方向(例えば、第1の方向D1及び第2の方向D2)に引き出すことができ、第2のレール24及び第3のレール26のそれぞれを変位できる距離に何ら悪影響を及ぼすことなく、2つの方向に開くことができる。
【0071】
前述の実施形態を通じて本発明を開示したが、本実施形態は、本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。出願人が求める特許保護の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16