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特許7022838ガラス用組成物、低介在物含有量のガラス、その製造方法及び使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-09
(45)【発行日】2022-02-18
(54)【発明の名称】ガラス用組成物、低介在物含有量のガラス、その製造方法及び使用
(51)【国際特許分類】
   C03C 3/095 20060101AFI20220210BHJP
   C03C 3/097 20060101ALI20220210BHJP
   C03B 5/225 20060101ALI20220210BHJP
【FI】
C03C3/095
C03C3/097
C03B5/225
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2020543025
(86)(22)【出願日】2018-11-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-20
(86)【国際出願番号】 CN2018117645
(87)【国際公開番号】W WO2019153845
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2020-09-30
(31)【優先権主張番号】201810144654.X
(32)【優先日】2018-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518369475
【氏名又は名称】トンシュー グループ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TUNGHSU GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 369 Zhujiang Road, New & Hi-Tech Industrial Development Zone, Shijiazhuang, Hebei, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002620
【氏名又は名称】特許業務法人大谷特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン グアンタオ
(72)【発明者】
【氏名】リ キン
(72)【発明者】
【氏名】チャン クアン
(72)【発明者】
【氏名】ワン リホン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ドンチェン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジュンヘン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ボ
(72)【発明者】
【氏名】リ ツィヨン
【審査官】有田 恭子
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-106546(JP,A)
【文献】特開平11-292563(JP,A)
【文献】特開2001-048573(JP,A)
【文献】特開2012-106919(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104986954(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105236736(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C 1/00-14/00
C03B 5/225
INTERGLAD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
SiO 56~63wt%、Al 17~22wt%、B +P 0~5.2wt%、MgO 1~5wt%、CaO 2~8wt%、SrO 0~8wt%、BaO 1~12wt%、ZnO 0.3~4wt%、TiO 0.2~3wt%、Y +La +Nd 0.1~4wt%、R O <0.05wt%を含有し、ROはLiO、NaO、KO含有量の合計であり、
下記の条件を満たすことを特徴とするガラス用組成物。
(1)100ポアズの粘度に対応する温度T100が1730℃以上であり、
(2)1300℃での表面張力が420mN/m未満である。
【請求項2】
さらに、(3)液相線温度Tが1180℃未満であることを満たす、ことを特徴とする請求項1に記載のガラス用組成物。
【請求項3】
さらに、(4)歪点Tstが710℃以上であることを満たす、ことを特徴とする請求項1に記載のガラス用組成物。
【請求項4】
含まれるBは0~5wt%であり、Pは0~7wt%である、ことを特徴とする請求項1に記載のガラス用組成物。
【請求項5】
含まれるYは0~2wt%であり、Laは0~3wt%であり、Ndは0~3wt%である、ことを特徴とする請求項4に記載のガラス用組成物。
【請求項6】
含まれるLiOは0.01wt%以下であり、NaOは0.01wt%以下であり、KOは0.01wt%以下である、ことを特徴とする請求項に記載のガラス用組成物。
【請求項7】
化学清澄剤をさらに含有する、ことを特徴とする請求項1に記載のガラス用組成物。
【請求項8】
前記化学清澄剤は酸化スズである、ことを特徴とする請求項7に記載のガラス用組成物。
【請求項9】
前記ガラス用組成物の全重量を基準とすると、前記化学清澄剤の含有量が1wt%以下である、ことを特徴とする請求項に記載のガラス用組成物。
【請求項10】
請求項1~のいずれか1項に記載のガラス用組成物を用いて製造される低介在物含有量のガラス。
【請求項11】
請求項1~のいずれか1項に記載のガラス用組成物の配合比で原料とNHNOとを均一に混合した後、溶融処理し、粘度210~500ポアズの範囲で気体介在物を除去し、次に、成形処理とアニーリング処理を順次行うステップを含む、ことを特徴とする低介在物含有量のガラスの製造方法。
【請求項12】
得られたガラスは、球相当径(D.EQ.)が0.02mmより大きい気体介在物の含有量が0.5個/Kgガラス未満であることを満たす、ことを特徴とする請求項11に記載の低介在物含有量のガラスの製造方法。
【請求項13】
前記ガラス用組成物の配合比の原料に対して、前記NHNOの使用量は、0.2~10wt%である、ことを特徴とする請求項11に記載の低介在物含有量のガラスの製造方法。
【請求項14】
前記ガラス用組成物の配合比の原料に対して、前記NH NO の使用量は、2.5~5wt%である、ことを特徴とする請求項13に記載の低介在物含有量のガラスの製造方法。
【請求項15】
粘度220~350ポアズの範囲で気体介在物をする、ことを特徴とする請求項13に記載の低介在物含有量のガラスの製造方法。
【請求項16】
粘度250~300ポアズの範囲で気体介在物を除去する、ことを特徴とする請求項15に記載の低介在物含有量のガラスの製造方法。
【請求項17】
アニーリング処理した産物を機械加工するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項11に記載の低介在物含有量のガラスの製造方法。
【請求項18】
機械加工した産物を二次溶融による薄化するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項17に記載の低介在物含有量のガラスの製造方法。
【請求項19】
前記機械加工又は前記二次溶融による薄化によって、製造されたガラスの厚さを0.1mm未満にする、ことを特徴とする請求項18に記載の低介在物含有量のガラスの製造方法。
【請求項20】
(1)球相当径(D.EQ.)が0.02mmより大きい気体介在物の含有量が0.5個/Kgガラス未満であり、体積百分率を基準とすると、前記気体介在物の成分中のN含有量が50vol.%以上であること、
(2)ZrO含有量と高温溶融前の混合材料中のZrO含有量との差ΔZrO2が0.02wt%以下であること、
(3)0.02mmより大きい固体介在物の含有量が0.5個/Kgガラス未満であることの条件を満たす、ことを特徴とする請求項10に記載の低介在物含有量のガラス。
【請求項21】
(1)球相当径(D.EQ.)が0.02mmより大きい気体介在物の含有量が0.1個/Kgガラス未満であり、体積百分率を基準とすると、前記気体介在物の成分中のN含有量が60vol.%以上であること、
(2)ZrO含有量と高温溶融前の混合材料中のZrO含有量との差ΔZrO2が0.015wt%以下であること、
(3)0.02mmより大きい固体介在物の含有量が0.1個/Kgガラス未満であることの条件を満たす、ことを特徴とする請求項20に記載の低介在物含有量のガラス。
【請求項22】
密度が2.7g/cm未満であること、50~350℃の範囲での熱膨張係数が40×10-7/℃未満であること、ヤング率が80GPaより大きいこと、波長308nmでの透過率が50%以上であること、600℃/10minの条件下での熱収縮が15ppm未満であることの条件を満たす、請求項20または21に記載の低介在物含有量のガラス。
【請求項23】
表示デバイス、太陽電池基板ガラス、安全ガラス、防弾ガラス、スマートカーガラス、スマートトラフィック表示画面、スマートウィンドウ又はスマートカードにおける請求項20~22のいずれか1項に記載の低介在物含有量のガラスの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス製造の分野に関し、具体的には、ガラス用組成物、低介在物含有量のガラス、その製造方法及び使用に関する。
【背景技術】
【0002】
フラットディスプレイの分野では、ハンドヘルドディスプレイデバイスと固定式ディスプレイデバイスはともに高精細化している。携帯電話などのハンドヘルドディスプレイデバイスでは、主流のピクセル密度が200ppi、300ppi、さらに400ppiを超え、液晶テレビなどの固定式ディスプレイデバイスでは、解像度が2K、4K、さらに8Kを超えている。高精細化の傾向により、パネルの製造プロセスの精細さに対する要求がますます高まっているため、組み合わせて使用する基板ガラスの熱安定性や品質のさらなる向上が求められる。ディスプレイ基板に適用したガラスは、無アルカリの高アルミノケイ酸塩ガラス系であり、歪点が高く、高温での粘度が高く、表面張力が高いという特徴を有し、通常のソーダライムガラスに比べて製造の困難さが非常に高く、高温で残留される気体介在物が除去されにくく、最終的にガラスの表面又は内部で固化し、不良欠点となり、製品廃棄の原因となる。
【0003】
現在、高粘度ガラス中の残留気体介在物を除去するために、いくつかの方法が使用されている。方法の1つは、高温ガラス溶融物の粘度を下げることである。粘度が低い溶融物であるほど、温度が高く、ガラス内のほとんどの一般的な気体物質(たとえば、SO、CO、O)の化学的溶解度の低下に有利であり、また、残留気体介在物が溶融物の内部で上昇する時の粘性抵抗が低下することに有利であり、さらに残留気体介在物が上昇して集合して排出し、残留気体介在物の含有量要件を満たすガラス均質体を得ることに寄与する。しかし、表示基板ガラスでは、高温粘度と高表面張力の特性を持っているため、上記ガラス溶融物内の残留気体介在物を除去するために使用される従来のガラス溶融物の粘度は一般に約100ポイズであり、この粘度に対応する温度はしばしば1650℃、1700℃、さらに1750℃以上に達し、高温ガラス溶融物の粘度をさらに低下させると、温度がさらに上昇し、ガラスと耐火材の間の反応が激しくなり、さらに組み合わせて使用される耐火材の耐熱性や耐用年数に大きな課題が生じ、一方、上記ガラス溶融物用の溶融容器は、ZrO含有量が80%を超える高ジルコニウムレンガで構成されていることが多く、高温で腐食されて剥がれた耐火材(たとえば、ジルコニア)は、ガラス内部の固体介在物を発生させる原因となるおそれがある。
【0004】
別の方法は、化学清澄剤の含有量を向上させることである。この方法は、残留固体介在物の増加や、残留気体状介在物の除去効果が悪いなどの問題がある。上記高粘度ガラス溶融物は、高温溶融時に化学清澄剤を使用する場合が多く、たとえば、As、Sb、SnO、BaSO、Ba(NOなどの少なくとも1種が一般的である。酸化雰囲気については、製造時に環境を配慮する観点から、現在、清澄剤としてSnOが多く使用されており、その添加量は約0.1~1wt%程度である。ある場合には、添加量が増えると、ガラス溶融物に残留する気体介在物を除去することに有利である反面、SnOが降温プロセス中に凝縮してガラス溶融物ストリームに落ち、残留固体介在物の含有量の増加を引き起こすリスクがあり、別の場合には、SnO含有量が増加すると、かえって溶融物中のOが化学的に溶解して過飽和となることが促進され、過剰な気体物質が溶融物から迅速に排出できなくなり、残留気体介在物の形で残り、欠点になる。還元性雰囲気については、通常、化学清澄剤として硫酸塩が使用され、その添加量は約0.1~1wt%程度である。SOは低温型の清澄剤であり、含有量が増加すると、早期に過熱しやすくなり、均質化後期で残留気体介在物中の組成の分圧を調整できなくなり、気体介在物の効果的な除去効果が得られない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、介在物が除去されにくいという従来技術における課題を解決し、ガラス用組成物を提供することであり、該ガラス用組成物によって製造されるガラスは、介在物の含有量が低く、製造プロセスが簡単であり、製造コストが低いなどの利点を有する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成させるために、本発明の一態様は、SiO 50~64wt%、Al 14~24wt%、B+P 0~7wt%、MgO 0.5~7wt%、CaO 1~10wt%、SrO 0~9wt%、BaO 0.1~14wt%、ZnO 0.1~5wt%、TiO 0.1~4wt%、Y+La+Nd 0.1~7wt%、RO <0.05wt%を含有し、ROはLiO、NaO、KO含有量の合計であり、下記の条件を満たすガラス用組成物を提供する。
(1)100ポアズの粘度に対応する温度T100が1730℃以上であり、
(2)1300℃での表面張力が420mN/m未満である。
【0007】
好ましくは、該組成物は、さらに、(3)液相線温度Tが1180℃未満であることを満たす。
【0008】
好ましくは、該組成物は、さらに、(4)歪点Tstが710℃以上であることを満たす。
【0009】
好ましくは、該組成物は、SiO 56~63wt%、Al 17~22wt%、B+P 0~5.2wt%、MgO 1~5wt%、CaO 2~8wt%、SrO 0~8wt%、BaO 1~12wt%、ZnO 0.3~4wt%、TiO 0.2~3wt%、Y+La+Nd 0.1~4wt%、RO <0.05wt%を含有し、ROはLiO、NaO、KO含有量の合計である。
【0010】
好ましくは、該組成物に含まれるBは0~5wt%であり、Pは0~7wt%、好ましくは0~5wt%であり、
好ましくは、該組成物に含まれるYは0~2wt%であり、Laは0~3wt%であり、Ndは0~3wt%であり、
好ましくは、該組成物に含まれるLiOは0.01wt%以下であり、NaOは0.01wt%以下であり、KOは0.01wt%以下である。
【0011】
好ましくは、前記組成物は、化学清澄剤をさらに含有する。より好ましくは、前記化学清澄剤は酸化スズである。より好ましくは、該組成物の全重量を基準とすると、前記清澄剤の含有量が1wt%以下である。
【0012】
好ましくは、上記ガラス用組成物の配合比で原料とNHNOとを均一に混合した後、溶融処理し、次に粘度210~500ポアズの範囲で気体介在物を除去し、成形処理とアニーリング処理を順次行うことで得られたガラスは、球相当径(D.EQ.)が0.02mmより大きい気体介在物の含有量が0.5個/Kgガラス未満であることを満たす。
【0013】
本発明の第2態様は、本発明の上記ガラス用組成物を用いて製造される低介在物含有量のガラスを提供する。
【0014】
好ましくは、該低介在物含有量のガラス製造方法において、上記ガラス用組成物の配合比で原料とNHNOとを均一に混合した後、溶融処理し、粘度210~500ポアズの範囲で気体介在物を除去し、次に、成形処理とアニーリング処理を順次行う。
【0015】
本発明の第3態様は、上記ガラス用組成物の配合比で原料とNHNOとを均一に混合した後、溶融処理し、次に粘度210~500ポアズの範囲で気体介在物を除去するステップを含む低介在物含有量のガラスの製造方法を提供する。
【0016】
好ましくは、前記ガラス用組成物の配合比の原料に対して、前記NHNOの使用量は0.2~10wt%、好ましくは1~8wt%、より好ましくは2.5~5wt%である。
【0017】
好ましくは、粘度220~350ポアズの範囲で気体介在物を除去し、より好ましくは、粘度250~300ポアズの範囲で気体介在物を除去する。
【0018】
好ましくは、該方法は、気体介在物を除去された産物に対して、成形処理、アニーリング処理及び機械加工処理を行うステップをさらに含む。
【0019】
好ましくは、該方法は、機械加工した産物を二次溶融による薄化するステップをさらに含む。
【0020】
好ましくは、前記機械加工処理又は二次溶融による薄化によって、製造されたガラスの厚さを0.1mm未満にする。
【0021】
本発明の第4態様は、上記製造方法によって製造される低介在物含有量のガラスを提供する。
【0022】
好ましくは、前記低介在物含有量のガラスは、
(1)球相当径(D.EQ.)が0.02mmより大きい気体介在物の含有量が0.5個/Kgガラス未満であり、体積百分率を基準とすると、前記気体介在物成分中のN含有量が50vol.%以上であること、
(2)ZrO含有量と高温溶融前の混合材料中のZrO含有量との差ΔZrO2が0.02wt%以下であること、
(3)0.02mmより大きい固体介在物の含有量が0.5個/kgガラス未満であることの条件を満たす。
【0023】
より好ましくは、前記低介在物含有量のガラスは、
(1)球相当径(D.EQ.)が0.02mmより大きい気体介在物の含有量が0.1個/Kgガラス未満であり、体積百分率を基準とすると、前記気体介在物成分中のN含有量が60vol.%以上であること、
(2)ZrO含有量と高温溶融前の混合材料中のZrO含有量との差ΔZrO2が0.015wt%以下であること、
(3)0.02mmより大きい固体介在物の含有量が0.1個/kgガラス未満であることの条件を満たす。
【0024】
好ましくは、前記低介在物含有量のガラスは、密度が2.7g/cm未満であること、50~350℃の範囲での熱膨張係数が40×10-7/℃未満であること、ヤング率が80GPaより大きいこと、波長308nmでの透過率が50%以上であること、600℃/10minの条件下での熱収縮が15ppm未満であることの条件を満たす。
【0025】
本発明の第5態様は、表示デバイス、太陽電池基板ガラス、安全ガラス、防弾ガラス、スマートカーガラス、スマートトラフィック表示画面、スマートウィンドウ又はスマートカードにおける上記低介在物含有量のガラスの使用を提供する。
【発明の効果】
【0026】
本発明者らは、低介在物含有量のガラスについて詳細な研究を行ったところ、ガラス用組成物の組成及び特性を適切に制御することによって、高粘度ガラスの製造中に介在物を除去する操作温度を低減でき、介在物の排出をより容易にし、それによって、製造されたガラス中の気体介在物及び/又は固体介在物の含有量を大幅に低下させ、ガラスの製造コストを合理的に削減できることを見出した。
【0027】
本発明の低介在物含有量のガラスの製造方法によれば、ケイ酸塩反応段階において、強酸化剤NHNOは、可変原子価の化学清澄剤を高原子価状態に維持し、激しい酸素放出段階の前に早めに反応して作用できなくなることを回避し、ガラス構造形成及び気体介在物除去の段階において、NHNOの分解により得られたNがガラス内で溶解して過飽和となると気体介在物に入り、Nガスの分圧が高くなると、O、COなどのガスが気体介在物に侵入し続け、気体介在物の体積が増大し、Nガスの分圧が低下し、さらに気体介在物へのNの侵入が促進される。このように繰り返すと、気体介在物の体積及び上昇する浮力が継続的に増加し、最終的にガラス外へ排出される。本発明の低介在物含有量のガラスの製造方法によれば、NHNOを添加し、特定の粘度範囲で気体介在物を除去することにより、ガラス中の気体介在物及び/又は固体介在物の含有量をさらに減らすことができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本明細書に開示されている範囲の端点及び任意の値は、この正確な範囲又は値に限定されず、これらの範囲又は値は、これらの範囲又は値に近い値を含むと理解されるべきである。数値範囲の場合、各範囲の端点値の間、各範囲の端点値と個々の点の値の間、及び個々の点の値の間を組み合わせて1つ以上の新しい数値範囲を取得でき、これらの値の範囲は、本明細書で具体的に開示されているものとして見なされるべきである。
【0029】
本発明では、SiO 50~64wt%、Al 14~24wt%、B+P 0~7wt%、MgO 0.5~7wt%、CaO 1~10wt%、SrO 0~9wt%、BaO 0.1~14wt%、ZnO 0.1~5wt%、TiO 0.1~4wt%、Y+La+Nd 0.1~7wt%、RO <0.05wt%を含有し、ROはLiO、NaO、KO含有量の合計であり、下記の条件を満たすガラス用組成物を提供する。
(1)100ポアズの粘度に対応する温度T100が1730℃以上であり、
(2)1300℃での表面張力が420mN/m未満である。
【0030】
好ましくは、該組成物は、さらに、(2)1300℃での表面張力が400mN/m未満であることを満たす。
【0031】
本発明の一好適な実施形態では、該組成物は、さらに、(3)液相線温度Tが1180℃未満であることを満たす。
【0032】
本発明の一好適な実施形態では、該組成物は、さらに、(4)歪点Tstが710℃以上であることを満たす。
【0033】
本発明では、100ポアズの粘度に対応する温度T100については、ASTM C-965を参照してガラスの高温での粘度-温度曲線を測定し、ここで、100P粘度は温度T100に対応し、単位が℃であり、1300℃での表面張力は、高温表面張力計(北京旭輝新鋭科技有限公司、ZLXS-II型)を使用して測定され、液相線温度TはASTM C-829を参照して温度勾配炉法により測定され、歪点TstはASTM C-336を参照して測定される。
【0034】
本発明では、ガラス用組成物が上記組成及び特性を有することにより、前記ガラス用組成物では、高い粘度(たとえば、210~500ポアズ)でガラス溶融物中の残留気体介在物を除去することができ、それによって、本発明のガラス用組成物溶融物中の気体介在物を除去するプロセスがより低い操作温度で行われ得る。すなわち、本発明のガラス用組成物の溶融物から気体介在物を除去する最小粘度ηminは、210~500ポアズ、好ましくは220~350ポアズ、より好ましくは250~300ポアズである。上記最小溶融粘度を制御して増加することにより、本発明のガラス用組成物溶融物は、適切な段階で「沸騰」効果を示し、このようにして、残留気体介在物の含有量を大幅に減少させ、溶融物の均質化プロセスを促進するだけでなく、プロセス領域を広げて、生産の困難さを低減させる。また、本発明では、ガラスの表面張力を制御することにより、気体介在物を容易に除去し、製造されたガラス中の介在物の含有量をさらに低減することができる。
【0035】
本発明の一好適な実施形態では、該組成物は、SiO 56~63wt%、Al 17~22wt%、B+P 0~5.2wt%、MgO 1~5wt%、CaO 2~8wt%、SrO 0~8wt%、BaO 1~12wt%、ZnO 0.3~4wt%、TiO 0.2~3wt%、Y+La+Nd 0.1~4wt%、RO <0.05wt%を含有し、ROはLiO、NaO、KO含有量の合計である。
【0036】
好ましくは、該組成物に含まれるBは0~5wt%であり、Pは0~7wt%、好ましくは0~5wt%である。たとえば、Bは0~4.7wt%及び/又はPは0~1.5wt%である。
【0037】
好ましくは、該組成物に含まれるYは0~2wt%であり、Laは0~3wt%であり、Ndは0~3wt%である。たとえば、Yは0~1wt%であり、Laは0~1.7wt%及び/又はNdは0~2wt%である。
好ましくは、該組成物に含まれるLiOは0.01wt%以下であり、NaOは0.01wt%以下であり、KOは0.01wt%以下である。
【0038】
本発明によれば、本発明のガラス用組成物は、必要に応じて、化学清澄剤をさらに含有してもよい。前記化学清澄剤として、特に限定されず、酸化スズ、酸化ヒ素、酸化アンチモン、硫酸バリウム、及び硝酸バリウムのうちの1つ又は複数など、ガラスに使用できる従来の化学清澄剤であってもよい。好ましくは、前記化学清澄剤は酸化スズである。前記化学清澄剤の含有量としては、組成物の総重量を100wt%として、前記清澄剤の含有量は、好ましくは1wt%以下、好ましくは0.1~0.8wt%、より好ましくは0.2~0.4wt%である。
【0039】
本発明によれば、前記ガラス用組成物の介在物含有量を低下させるために、好ましくは、上記ガラス用組成物の配合比で原料とNHNOとを均一に混合した後、溶融処理し、次に粘度210~500ポアズの範囲で気体介在物を除去し、成形処理とアニーリング処理を順次行うことで得られたガラスは、球相当径(D.EQ.)が0.02mmより大きい気体介在物の含有量が0.5個/Kgガラス未満であることを満たす。
【0040】
本発明のさらなる好適な実施形態によれば、上記ガラス用組成物の配合比で原料とNHNOとを均一に混合した後、溶融処理し、次に粘度210~500ポアズの範囲で気体介在物を除去し、成形処理とアニーリング処理を順次行うことで得られたガラスは、体積百分率を基準とすると、前記気体介在物成分中のN含有量が50vol.%以上であることをさらに満たす。
【0041】
本発明は、本発明の上記ガラス用組成物によって製造される低介在物含有量のガラスをさらに提供する。
【0042】
上記低介在物含有量のガラスは、ガラスを製造するための任意の従来の方法によって製造できる。介在物含有量を低下させ、ガラスの物理的特性を向上させるために、好ましくは、該低介在物含有量のガラス製造方法において、本発明の上記ガラス用組成物の配合比で原料とNHNOとを均一に混合した後、溶融処理し、粘度210~500ポアズの範囲で気体介在物を除去し、次に、成形処理とアニーリング処理を順次行う。本発明のガラス用組成物の配合比の原料とNHNOとを混合すると相まって、特定の粘度の範囲で気体介在物を除去することによって、製造されたガラス中の気体介在物及び/又は固体介在物の含有量を大幅に低下させるとともに、ガラスの製造コストを合理的に削減することができる。
【0043】
本発明は、低介在物含有量のガラスの製造方法をさらに提供し、該方法は、上記ガラス用組成物の配合比で原料とNHNOとを均一に混合した後、溶融処理し、次に粘度210~500ポアズの範囲で気体介在物を除去するステップを含む。
【0044】
当業者にとって明らかなように、本発明のガラス用組成物には、SiO、Al、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、TiO、Y、La及びNdが含まれ、上記ガラス用組成物を製造するために使用される配合比の原料とは、上記元素を含む炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、塩基性炭酸塩、酸化物などを指し、上記の各成分の含有量はすべて各元素の酸化物で換算するものであり、具体的には、各元素の炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、塩基性炭酸塩及び酸化物の選択は、当業者に公知するものであるので、ここでは詳しく説明しない。
【0045】
本発明では、高温溶融前に、本発明のガラス用組成物の配合比の原料とNHNOとを混合すると相まって、特定の粘度の範囲で気体介在物を除去することによって、製造されたガラス中の気体介在物及び/又は固体介在物の含有量を大幅に低下させるとともに、ガラスの製造コストを合理的に削減することができる。
【0046】
本発明によれば、前記NHNOの使用量について特に限定がなく、気体介在物を除去する効果を奏すればよい。本発明の一好適な実施形態では、前記ガラス用組成物の配合比の原料に対して、前記NHNOの使用量は0.2~10wt%、好ましくは1~8wt%、より好ましくは2.5~5wt%である。NHNOの使用量を上記範囲内とすることで、NHNOの分解による十分な量のNがガラス溶融物からの気体介在物の除去に関与することを確保し、気体介在物の除去効果をさらに高める。
【0047】
本発明の方法では、好ましくは、粘度220~350ポアズの範囲で気体介在物を除去し、より好ましくは、粘度250~300ポアズの範囲で気体介在物を除去する。上記粘度の範囲で気体介在物を除去する(より好ましくは、上記最小溶融粘度で気体介在物を除去する)ように制御することによって、100ポアズ以下の粘度の範囲で気体介在物を除去する従来の方法に比べて、本発明は、より低い温度で気体介在物を除去することができ、それによって、製造に消費されるエネルギー量及びコストを削減させる。
【0048】
本発明の方法では、溶融処理条件について特に限定がなく、ガラス用組成物の溶融処理に利用可能な従来の条件を利用できる。好ましくは、前記溶融処理条件としては、温度が1680℃未満であり、時間が1hより大きく、たとえば、温度が1600~1650℃であり、時間が2~50hである。溶融温度及び溶融時間は、当業者によって実際な状況に応じて決定され得るが、当業者に公知するものであるので、ここで詳しく説明しない。
【0049】
本発明によれば、該方法は、気体介在物を除去された産物に対して、成形処理、アニーリング処理及び機械加工処理を順次行うステップをさらに含む。
【0050】
本発明の製造方法では、成形処理については特に限定がなく、本分野によく使用されている各種の成形処理方式、たとえば、オーバーフロー法、フロート法、プレス法、ブロー法、引き上げ法、圧延法、キャスト法などであってもよい。
【0051】
本発明の製造方法では、好ましくは、アニーリング処理条件としては、温度が730℃より高く、時間が0.1hより大きく、たとえば、温度が770~850℃であり、時間が0.5~5hである。アニーリング温度及びアニーリング時間は、当業者によって実際な状況に応じて決定され得るが、当業者にとって公知するものであるので、ここで詳しく説明しない。
【0052】
本発明の製造方法では、機械加工処理については特に限定がなく、本分野によく使用されている各種の機械加工方式であってもよく、たとえば、アニーリング処理して得た産物に対して、切断、研磨、艶出しなどが施される。
【0053】
本発明の一好適な実施形態では、該方法は、機械加工した産物を二次溶融による薄化するステップをさらに含む。二次溶融による薄化によって、得られたガラスの厚さをさらに低下できる。
【0054】
本発明によれば、好ましくは、前記機械加工処理又は二次溶融による薄化によって、製造されたガラスの厚さを0.1mm未満、より好ましくは0.01~0.08mmにする。
【0055】
本発明は、上記製造方法によって製造される低介在物含有量のガラスをさらに提供する。
【0056】
好ましくは、前記低介在物含有量のガラスは、以下の条件を満たす。
(1)球相当径(D.EQ.)が0.02mmより大きい気体介在物含有量が0.5個/Kgガラス未満であり、体積百分率を基準とすると、前記気体介在物成分中のN含有量が50vol.%以上であること、
(2)ZrO含有量と高温溶融前の混合材料中のZrO含有量との差ΔZrO2が0.02wt%以下であること、
(3)0.02mmより大きい固体介在物含有量が0.5個/kgガラス未満であること。
【0057】
より好ましくは、前記低介在物含有量のガラスは、以下の条件を満たす。
(1)球相当径(D.EQ.)が0.02mmより大きい気体介在物含有量が0.1個/Kgガラス未満であり、体積百分率を基準とすると、前記気体介在物成分中のN含有量が60vol.%以上であること、
(2)ZrO含有量と高温溶融前の混合材料中のZrO含有量との差ΔZrO2が0.015wt%以下であること、
(3)0.02mmより大きい固体介在物含有量が0.1個/kgガラス未満であること。
【0058】
本発明の一好適な実施形態では、前記低介在物含有量のガラスは、密度が2.7g/cm未満であること、50~350℃の範囲での熱膨張係数が40×10-7/℃未満であること、ヤング率が80GPaより大きいこと、波長308nmでの透過率が50%以上であること、600℃/10minの条件下での熱収縮が15ppm未満であることの条件を満たし、好ましくは、密度が2.7g/cm未満であること、50~350℃の範囲での熱膨張係数が40×10-7/℃未満であること、ヤング率が80GPaより大きいこと、波長308nmでの透過率が50%以上であること、600℃/10minの条件下での熱収縮が10ppm未満であることの条件を満たす。
【0059】
本発明は、表示デバイス、太陽電池基板ガラス、安全ガラス、防弾ガラス、スマートカーガラス、スマートトラフィック表示画面、スマートウィンドウにおける上記低介在物含有量のガラスの使用をさらに提供する。本発明の低介在物含有量のガラスは、特に、フラットパネルディスプレイ製品のガラス基板材料及び/又は画面表面保護用ガラス膜材料、フレキシブルディスプレイ製品のガラス基板材料及び/又は表面実装ガラス材料及び/又は画面表面保護用ガラス膜の材料、フレキシブル太陽電池のガラス基板材料、安全ガラス、防弾ガラス、スマートカーガラス、スマートトラフィック表示画面、スマートウィンドウ、スマートカード、及び高熱安定性や機械的安定性を必要とするほかのガラス材料を製造する分野に適用できる。
【0060】
以下、実施例にて本発明を詳しく説明する。以下の実施例では、特に断らない限り、使用される各材料は市販品として入手でき、特に断らない限り、使用される方法は本分野における常法である。
【0061】
ガラスの密度は、ASTM C-693を参照して測定され、単位はg/cmである。
50~350℃のガラス熱膨張係数は、ASTM E-228を参照して、横型膨張計を用いて測定され、単位は10-7/℃である。
ガラスのヤング率は、ASTM C-623を参照して測定され、単位はGPaである。
ガラスの高温での粘度-温度曲線は、ASTM C-965を参照して測定され、100P粘度は温度T100に対応し、単位は℃であり、粘度Xポアズは温度Tに対応し、単位は℃である。
ガラスの液相線温度Tは、ASTM C-829を参照して、温度勾配炉法により測定され、単位は℃である。
ガラスの歪点Tstは、ASTM C-336を参照して測定され、単位は℃である。
ガラスの1300℃での表面張力は、高温表面張力計(北京旭輝新鋭科技有限公司、ZLXS-II型)を使用して測定され、単位はmN/mである。
ガラス中の残留気体介在物中の各成分の種類及び体積百分率は、バブル分析質量分析計(ドイツのIPI社、GIA522型)を用いて測定され、単位はvol.%である。
ガラス中の気体介在物の個数は、×200倍偏光顕微鏡(オリンパス社、BX51型、下同)を用いて統計し、単位は個/kgガラスである。
ガラス中の固体介在物の個数は、×200倍偏光顕微鏡を用いて統計し、単位は個/kgガラスである。
混合材料中のZrO含有量は、蛍光X線分析装置(オランダのPANalytical社、Magix(PW2403)型)を用いて測定され、mと表記し、単位はwt%であり、製造されたガラス中のZrO含有量は、蛍光X線分析装置を用いて測定され、mと表記し、単位はwt%である。製造されたガラス中のZrO含有量mと高温溶融前の混合材料中のZrO含有量mとの差をΔZrO2と記載すると、ΔZrO2=m2~であり、単位はwt%である。
ガラスの透過率は、紫外可視分光光度計(Perkin Elmer社、LAMBDA25型)を用いて測定され、ガラスサンプルの厚さは0.5mmであり、308nmでの透過率は使用され、単位は%である。
【0062】
以下の熱処理方法(差分計算方法)によって熱処理後の熱収縮率を測定する。ガラスを25℃(初期長さを測定して、L0とする)、5℃/minの昇温速度で600℃に昇温し、600℃で10min保温し、次に、5℃/minの降温速度で25℃に降温し、ガラスの長さに一定量の収縮が生じると、再度その長さを計測してLtとすると、熱収縮率Y
【数1】

として表され、最終の単位はppmで表される。
【0063】
実施例1~13、比較例1~3
表1~2に示す配合比で各原料の成分を秤量して、均一に混合し、混合材料を高ジルコニウムレンガ坩堝(ZrO>85wt%)に入れて、次に、ηポアズの粘度に対応する温度Tの抵抗炉にて48時間加熱し、高ジルコニウムロッド(ZrO>85wt%)撹拌器を用いて均等な速度で緩やかに撹拌した。溶融した溶融ガラスをステンレス鋳鉄金型に素早く注入し、所定の塊状ガラス製品にし、次に、ガラス製品をアニーリング炉にて2時間アニーリングして、電源をオフにして25℃に炉冷した。ガラス製品を切断、研磨、艶出しした後、脱イオン水できれいに清洗して乾燥し、厚さ0.5mmのガラス完成品を得た。各ガラス完成品の各種の性能をそれぞれ測定し、結果を表1~2に示し、ガラス中の気体介在物の組成を表3に示した。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】

表中、「体積」欄における7.65E-06とは、7.65×10-6、3.66E-09とは3.66×10-9を表し、他のデータの表現は同様である。
【0067】
表1~3中の実施例と比較例のデータを比較すると、本発明の実施例1~13で得た低介在物含有量のガラスでは、本発明の成分及び製造方法を用いることで、製造されたガラス中の気体介在物及び/又は固体介在物の含有量を大幅に低下させ、そして、介在物をより低い温度で除去し、ガラスの製造コストを削減できることが分かった。実施例1~8では、好ましい原料の成分を使用することによって、得られたガラスは、より低い液相線温度Tや適切な歪点Tstなどの物理的特性を有し、ガラスの使用により有利であった。
【0068】
一方、比較例1に使用されている原料が本発明の範囲ではない場合、得られたガラスは、歪点、熱収縮などの物理的特性が劣り、使用の要件を満足できず、比較例2では、本発明における介在物除去条件が使用されるのではなく、従来技術によく使用されているより高い温度で介在物を除去し、比較例3では、NHNOが添加されていないが、比較例2、3で得たガラス中の介在物がかえって多くなり、本発明の実施例1~13の低介在物含有量のガラスよりもはるかに多かった。
【0069】
以上から分かるように、本発明の方法は、表示基板ガラスなどの高粘度ガラス中の気体介在物と固体介在物の含有量が高すぎるという問題に対して明らかな効果があり、気体介在物を除去する高いガラス溶融物粘度で製造された高粘度ガラスは、気体介在物と固体介在物の含有量が明らかに低く、熱安定性が高く、ガラス形成の安定性が高く、機械的強度が高いなどの利点を有する。
【0070】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はこれらに限定されない。本発明の技術的構想の範囲内で、本発明の技術案に対して、他の適切な方式で様々な技術的特徴を組み合わせることを含む多くの簡単な変形を行うことができ、これらの簡単な変形及び組み合わせも、本発明の開示内容と見なされるべきであり、すべて本発明の特許範囲に属する。