(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-10
(45)【発行日】2022-02-21
(54)【発明の名称】光をカバーガラスに注入するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/042 20060101AFI20220214BHJP
G06F 3/0354 20130101ALI20220214BHJP
【FI】
G06F3/042
G06F3/0354 452
(21)【出願番号】P 2018559853
(86)(22)【出願日】2017-05-12
(86)【国際出願番号】 US2017032519
(87)【国際公開番号】W WO2017197337
(87)【国際公開日】2017-11-16
【審査請求日】2020-05-11
(32)【優先日】2016-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521564434
【氏名又は名称】フィンガープリント カーズ アナカタム アイピー アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】スミス, パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ウィックボルト, ポール
(72)【発明者】
【氏名】ミエンコ, マレク
(72)【発明者】
【氏名】カラッシ, パスカル イーエル
【審査官】菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0127790(US,A1)
【文献】特開2004-318890(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0021302(US,A1)
【文献】特表2015-503159(JP,A)
【文献】特表2015-530688(JP,A)
【文献】特表2012-516017(JP,A)
【文献】特開2009-129152(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0097380(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/042
G06F 3/0354
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面及び下面を有する透明層と、
前記透明層の下方で前記透明層の前記下面に直接接触して位置付けられる内層であって、前記透明層の第1の屈折率(n1)よりも低い第2の屈折率(n2)を有し、前記透明層の第1の領域が内層の端部を越えて延在する、内層と、
前記透明層の前記下面の下方に位置付けられる光源と、
前記光源によって放射された光を、前記透明層の前記第1の領域で前記透明層内へと反射するように構成された反射体であって、前記透明層内へと反射された前記光の少なくとも一部分が、全内反射によって前記透明層内で伝播する、反射体とを備え
、
前記反射体が、前記透明層の前記第1の領域に近接して前記透明層の下方に位置付けられるとともに前記光源の出射面に対向する面を有する光注入構成要素を含み、
前記内層が、前記内層の前記端部に近接したインク入れ部分を含み、前記インク入れ部分の一方の面の側に前記光源が位置付けられ、前記インク入れ部分の他方の面は、前記下面と同一の面に存在する、入力デバイス。
【請求項2】
前記光注入構成要素が、前記透明層の前記第1の屈折率(n1)と実質的に同じ屈折率を有する、請求項1に記載の入力デバイス。
【請求項3】
前記反射体が、前記透明層の端部に、又は端部に近接して形成された反射表面を含む、請求項1に記載の入力デバイス。
【請求項4】
前記反射表面が、前記透明層の前記端部に形成された反射コーティング、前記透明層の前記端部に近接した前記透明層を保持する構造に形成された反射コーティング、及び前記透明層の前記端部と前記構造との間に位置付けられる反射素子のうち1つを含む、請求項
3に記載の入力デバイス。
【請求項5】
前記反射表面が、線形状、凸形状、曲線形状、及び切子形状のうち1つを有する、請求項
3に記載の入力デバイス。
【請求項6】
前記透明層が透明カバー層であり、前記入力デバイスが、
前記内層の下方に位置付けられ、前記透明カバー層の前記上面に近接した指紋を検出するように構成され、前記透明カバー層内へと反射される前記光の少なくとも一部分によって照明される、光学センサを更に備える、請求項1に記載の入力デバイス。
【請求項7】
前記光学センサが表示層と前記内層との間に位置付けられる、請求項
6に記載の入力デバイス。
【請求項8】
前記透明層が透明導波層であり、前記入力デバイスが、上面及び下面を有する透明カバー層を更に備え、前記透明導波層が前記透明カバー層の前記下面の下方に位置付けられる、請求項1に記載の入力デバイス。
【請求項9】
前記透明導波層の上面に位置付けられ、前記透明導波層内を伝播する前記光の一部分を前記透明カバー層の前記上面へと向け直すように構成された、光抽出機構を更に備える、請求項
8に記載の入力デバイス。
【請求項10】
前記透明カバー層、及び前記透明カバー層と前記透明導波層との間の接着剤層のうち少なくとも1つが、前記透明導波層の前記第1の屈折率(n1)よりも低い第3の屈折率(n3)を有する、請求項
9に記載の入力デバイス。
【請求項11】
前記内層の下方に位置付けられ、前記透明カバー層の前記上面に近接した指紋を検出するように構成され、前記光抽出機構によって向け直される光の前記一部分によって照明される、光学センサを更に備える、請求項
9に記載の入力デバイス。
【請求項12】
前記光抽出機構が回折格子を含む、請求項
11に記載の入力デバイス。
【請求項13】
前記透明カバー層が、前記透明導波層の前記第1の屈折率(n1)と実質的に同じである第3の屈折率(n3)を有し、前記透明導波層の前記第1の領域が前記内層の端部を越えて延在し、前記透明導波層内へと反射される前記光の少なくとも一部分が、前記透明導波層及び前記透明カバー層
の両方の中を全内反射によって伝播する、請求項
8に記載の入力デバイス。
【請求項14】
前記透明カバー層の前記下面と前記透明導波層の上面との間に接着剤層を更に備え、前記接着剤層が、前記透明導波層の前記第1の屈折率(n1)と実質的に同じである第4の屈折率(n4)を有する、請求項
13に記載の入力デバイス。
【請求項15】
前記内層の下方に位置付けられ、前記透明カバー層の前記上面に近接した指紋を検出するように構成され、前記透明導波層及び前記透明カバー層
の両方の中を全内反射によって伝播する前記光の少なくとも一部分によって照明される、光学センサを更に備える、請求項
14に記載の入力デバイス。
【請求項16】
前記内層の下方に位置付けられる表示層を更に備える、請求項1に記載の入力デバイス。
【請求項17】
前記光源が前記表示層の下方に位置付けられる、請求項
16に記載の入力デバイス。
【請求項18】
前記内層が、フィルム及び接着剤材料のうち少なくとも1つを含む、請求項1に記載の入力デバイス。
【請求項19】
上面及び下面を有する透明カバー層と、
前記透明カバー層の下方で前記透明カバー層の前記下面に直接接触して位置付けられる材料層であって、前記透明カバー層の第1の屈折率(n1)よりも低い第2の屈折率(n2)を有し、前記透明カバー層の第1の領域が材料層の端部を越えて延在する、材料層と、
前記材料層の下方に配設される表示層と、
前記表示層の下方に位置付けられる光源と、
前記光源によって放射された光を、前記透明カバー層の前記第1の領域で前記透明カバー層内へと反射するように構成された反射体であって、前記透明カバー層内へと反射された前記光の少なくとも一部分が、全内反射によって前記透明カバー層内で伝播する、反射体とを備え
、
前記反射体が、前記透明カバー層の前記第1の領域に近接して前記透明カバー層の下方に位置付けられるとともに前記光源の出射面に対向する面を有する光注入構成要素を含み、
前記材料層が、前記材料層の前記端部に近接したインク入れ部分を含み、前記インク入れ部分の一方の面の側に前記光源が位置付けられ、前記インク入れ部分の他方の面は、前記下面と同一の面に存在する、入力デバイス。
【請求項20】
前記光注入構成要素が、前記透明カバー層の前記第1の屈折率(n1)と実質的に同じ屈折率を有する、請求項
19に記載の入力デバイス。
【請求項21】
前記反射体が、前記透明カバー層の端部に、又は端部に近接して形成された反射表面を含む、請求項
19に記載の入力デバイス。
【請求項22】
前記反射表面が、前記透明カバー層の前記端部に形成された反射コーティング、前記透明カバー層の前記端部に近接した前記透明カバー層を保持する構造に形成された反射コーティング、及び前記透明カバー層の前記端部と前記構造との間に位置付けられる反射素子のうち1つを含む、請求項
21に記載の入力デバイス。
【請求項23】
前記反射表面が、線形状、凸形状、曲線形状、及び切子形状のうち1つを有する、請求項
21に記載の入力デバイス。
【請求項24】
前記材料層の下方に位置付けられ、前記透明カバー層の前記上面に近接した指紋を検出するように構成され、前記透明カバー層内へと反射される前記光の少なくとも一部分によって照明される、光学センサを更に含む、請求項
19に記載の入力デバイス。
【請求項25】
前記光学センサが前記表示層と前記材料層との間に位置付けられる、請求項
24に記載の入力デバイス。
【請求項26】
前記光学センサが前記表示層に統合される、請求項
24に記載の入力デバイス。
【請求項27】
上面及び下面を有する透明カバー層と、
前記透明カバー層の前記下面の下方に位置付けられる導波層と、
前記導波層の下方で前記導波層の下面に直接接触して位置付けられる材料層であって、前記導波層の第1の屈折率(n1)よりも低い第2の屈折率(n2)を有し、前記導波層の第1の領域が材料層の端部を越えて延在する、材料層と、
前記導波層の前記下面の下方に位置付けられる光源と、
前記光源によって放射された光を、前記導波層の前記第1の領域で前記導波層内へと反射するように構成された反射体であって、前記導波層内へと反射された前記光の少なくとも第1の部分が、全内反射によって前記導波層内で伝播する、反射体と、
前記導波層の上面上で前記導波層と前記透明カバー層との間に位置付けられ、前記導波層内を伝播する前記光の一部分を前記透明カバー層の前記上面へと向け直すように構成された、光抽出機構とを備え
、
前記反射体が、前記透明カバー層の前記第1の領域に近接して前記透明カバー層の下方に位置付けられるとともに前記光源の出射面に対向する面を有する光注入構成要素を含み、
前記材料層が、前記材料層の前記端部に近接したインク入れ部分を含み、前記インク入れ部分の一方の面の側に前記光源が位置付けられ、前記インク入れ部分の他方の面は、前記下面と同一の面に存在する、入力デバイス。
【請求項28】
前記光抽出機構が回折格子を含む、請求項
27に記載の入力デバイス。
【請求項29】
上面及び下面を有する透明カバー層と、
前記透明カバー層の前記下面の下方に位置付けられる導波層と、
前記導波層の下方で前記導波層の下面に直接接触して位置付けられる材料層と、
前記導波層の前記下面の下方に位置付けられる光源と、
前記光源によって放射された光を、前記透明カバー層の第1の領域で前記導波層内へと反射するように構成された反射体とを備え、
前記材料層が、前記導波層の第1の屈折率(n1)よりも低い第2の屈折率(n2)を有し、前記透明カバー層が、前記導波層の前記第1の屈折率(n1)と実質的に同じである第3の屈折率(n3)を有し、前記導波層の前記第1の領域が前記材料層の端部を越えて延在し、前記導波層内へと反射される前記光の少なくとも一部分が、前記導波層及び前記透明カバー層
の両方の中を全内反射によって伝播
し、
前記反射体が、前記透明カバー層の前記第1の領域に近接して前記透明カバー層の下方に位置付けられるとともに前記光源の出射面に対向する面を有する光注入構成要素を含み、
前記材料層が、前記材料層の前記端部に近接したインク入れ部分を含み、前記インク入れ部分の一方の面の側に前記光源が位置付けられ、前記インク入れ部分の他方の面は、前記下面と同一の面に存在する、入力デバイス。
【請求項30】
前記透明カバー層の前記下面と前記導波層の上面との間に接着剤層を更に含み、前記接着剤層が、前記導波層の前記第1の屈折率(n1)と実質的に同じである第4の屈折率(n4)を有する、請求項
29に記載の入力デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)項に基づいて、2016年5月13日付けで提出された「カバーガラスへの光注入(LIGHT INJECTION INTO COVER GLASS)」という名称の米国仮特許出願第62/336,508号の利益を主張し、その全体を参照により本明細書に援用する。
【0002】
本開示は、概して、表示デバイスに関し、より詳細には、光学指紋センサを組み込んだ接触式表示デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
タッチセンサデバイス(一般に、タッチパッド又は近接センサデバイスとも呼ばれる)を含む入力デバイス、並びに指紋センサデバイスは、多種多様な電子システムで広く使用されている。
【0004】
タッチセンサデバイスは、一般的に、表面によって限界を定められている場合が多い、センシング領域を含み、そこでタッチセンサデバイスは、一般的にはユーザがユーザ入力を提供して電子システムと相互作用するのを可能にする目的で、1つ以上の入力オブジェクトの存在、場所、及び/又は運動を判定する。
【0005】
指紋センサデバイスはまた、一般的に、センシング領域を含み、そこで指紋センサデバイスは、一般的にはユーザ認証又はユーザの識別に関連する目的で、指紋若しくは部分指紋の存在、場所、運動、及び/又は特徴を判定する。
【0006】
タッチセンサデバイス及び指紋センサデバイスは、このように、電子システムに対するインターフェース接続を提供するのに使用されることがある。例えば、タッチセンサデバイス及び指紋センサデバイスは、大型のコンピューティングシステム向けの入力デバイス(ノートブック若しくはデスクトップコンピュータに統合された、又はその周辺の、不透明タッチパッド及び指紋リーダなど)として使用される場合が多い。タッチセンサデバイス及び指紋センサはまた、小型のコンピューティングシステム(スマートフォン及びタブレットなどの移動デバイスに統合されたタッチパネルなど)で使用される場合が多い。
【発明の概要】
【0007】
一実施形態によれば、上面及び下面を有する透明層と、透明層の下方で透明層の下面に直接接触して位置付けられる内層であって、透明層の第1の屈折率(n1)よりも低い第2の屈折率(n2)を有し、透明層の第1の領域が内層の端部を越えて延在する、内層とを含む、入力デバイスが提供される。デバイスはまた、透明層の下面の下方に位置付けられる光源と、光源によって放射された光を、透明層の第1の領域内で又はそこに近接して透明層内へと反射するように構成された反射体(reflector arrangement)であって、透明層内へと反射された光の少なくとも一部分が、全内反射によって透明層内で伝播する、反射体とを含む。
【0008】
別の実施形態によれば、上面及び下面を有する透明カバー層と、透明カバー層の下方で透明カバー層の下面に直接接触して位置付けられる材料層であって、透明カバー層の第1の屈折率(n1)よりも低い第2の屈折率(n2)を有し、透明カバー層の第1の領域が材料層の端部を越えて延在する、材料層とを含む、入力デバイスが提供される。デバイスはまた、材料層の下方に配設される表示層と、表示層の下方に位置付けられる光源と、光源によって放射された光を、透明カバー層の第1の領域内で又はそこに近接して透明カバー層内へと反射するように構成された反射体であって、透明カバー層内へと反射された光の少なくとも一部分が、全内反射によって透明カバー層内で伝播する、反射体とを含む。
【0009】
特定の実施形態では、反射体は、透明カバー層の第1の領域に近接して透明カバー層の下方に位置付けられる光注入構成要素を含み、光注入構成要素は、透明カバー層の第1の屈折率(n1)と実質的に同じ屈折率を有する。特定の態様では、反射体は、透明カバー層の端部に、又は端部に近接して形成された反射表面を含む。特定の態様では、反射表面は、線形状、凸形状、曲線形状、及び切子形状のうち1つを有してもよい。特定の態様では、入力デバイスは、材料層の下方に位置付けられるか又は配置され、透明カバー層の上面に近接した指紋又は他のオブジェクトを検出するように構成され、透明カバー層内へと反射される光の少なくとも一部分によって照明される、光学センサを更に含む。特定の態様では、光学センサは、表示層と材料層との間に、又は表示層の下方に位置付けられるか若しくは配置されてもよい。
【0010】
更なる実施形態によれば、上面及び下面を有する透明カバー層と、透明カバー層の下面の下方に位置付けられる導波層と、導波層の下方で導波層の下面に直接接触して位置付けられる材料層であって、導波層の第1の屈折率(n1)よりも低い第2の屈折率(n2)を有し、導波層の第1の領域が材料層の端部を越えて延在する、材料層と、導波層の下面の下方に位置付けられる光源と、光源によって放射された光を、導波層の第1の領域で導波層内へと反射するように構成された反射体であって、導波層内へと反射された光の少なくとも第1の部分が、全内反射によって導波層内で伝播する、反射体とを含む、入力デバイスが提供される。入力デバイスはまた、導波層の上面上で導波層と透明カバー層との間に位置付けられるか又は配置され、導波層内を伝播する光の一部分を透明カバー層の上面へと向け直すように構成された、光抽出機構を含む。特定の態様では、光抽出機構は回折格子を含む。
【0011】
更なる他の実施形態によれば、上面及び下面を有する透明カバー層と、透明カバー層の下面の下方に位置付けられる導波層と、導波層の下方で導波層の下面に直接接触して位置付けられる材料層と、導波層の下面の下方に位置付けられる光源と、光源によって放射された光を、透明カバー層の第1の領域で導波層内へと反射するように構成された反射体とを含む、入力デバイスが提供される。材料層は、導波層の第1の屈折率(n1)よりも低い第2の屈折率(n2)を有し、透明カバー層は、導波層の第1の屈折率(n1)と同じであるか実質的に同じである第3の屈折率(n3)を有し、導波層の第1の領域は材料層の端部を越えて延在し、導波層内へと反射される光の少なくとも一部分は、導波層及び透明カバー層両方の中を全内反射によって伝播する。特定の態様では、入力デバイスは、透明カバー層の下面と導波層の上面との間に接着剤層を更に含み、接着剤層は、導波層の第1の屈折率(n1)と同じであるか実質的に同じである第4の屈折率(n4)を有する。
【0012】
図面及び特許請求の範囲を含む、本明細書の残りの部分を参照することで、本発明の他の特徴及び利点が理解されるであろう。本発明の更なる特徴及び利点、並びに本発明の様々な実施形態の構造及び動作について、添付図面を参照して以下に詳細に記載する。
【0013】
詳細な説明は添付図面を参照して記載される。説明及び図面中の異なる事例における同じ参照番号の使用は、類似の又は同一の項目を指すことがある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】
図2Aは、別の入力デバイス例を示すブロック図、
図2Bは、別の入力デバイス例を示すブロック図である。
【
図3】
図3A~3Bは、タッチパネルインターフェース及び指紋センシングインターフェースの両方を有する電子デバイス例を示すブロック図である。
【
図4】
図4Aは、一実施形態による、カバーガラスの縁部に光注入用の反射体を含む入力デバイスを示す概略図、
図4Bは、別の実施形態による、反射体を含む入力デバイスを示す概略図である。
【
図5】別の実施形態による、プリズム構造を有する反射体を含む入力デバイスを示す概略図である。
【
図6】別の実施形態による、ファセットプリズム構造を有する反射体を含む入力デバイスを示す概略図である。
【
図7】別の実施形態による、曲線構造を有する反射体を含む入力デバイスを示す概略図である。
【
図8】別の実施形態による、反射体を含む入力デバイスを示す概略図である。
【
図9】
図9Aは、別の実施形態による、ディスプレイの下方に配置された光学センサを含む入力デバイスを示す概略図、
図9Bは、別の実施形態による、ディスプレイの上方に配置された光学センサを含む入力デバイスを示す概略図、
図9Cは、別の実施形態による、ディスプレイと統合された光学センサを含む入力デバイスを示す概略図、
図9Dは、別の実施形態による、活性面積外に配置された光学センサを含む入力デバイスを示す概略図である。
【
図10】別の実施形態による、ディスプレイの下方に配置された光源を含む入力デバイスを示す概略図である。
【
図11】カバー層と材料層との間に位置付けられた透明導波層を含む入力デバイススタックアップの別の実施形態を示す図である。
【
図12】カバー層と材料層との間に位置付けられた透明導波層を含む入力デバイススタックアップの別の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の詳細な説明は、本質的に例示であり、本開示、又は本開示の適用及び使用を限定しようとするものではない。更に、前述の背景技術及び図面の簡単な説明、又は以下の発明を実施するための形態において提示される、あらゆる明示又は暗示される理論によって束縛されることを意図しない。
【0016】
図1は、入力デバイス100の例のブロック図である。入力デバイス100は、電子システム(図示なし)に対する入力を提供するように構成されてもよい。本明細書で使用するとき、「電子システム」(又は「電子デバイス」)という用語は、情報を電子的に処理することができる任意のシステムを広く指す。電子システムのいくつかの非限定例としては、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ネットブックコンピュータ、タブレット、ウェブブラウザ、電子書籍リーダ、携帯情報端末(PDA)、並びにウェアラブルコンピュータ(スマートウォッチ及び活動量計デバイスなど)など、全てのサイズ及び形状のパーソナルコンピュータが挙げられる。電子システムの更なる例としては、入力デバイス100及び別個のジョイスティック又はキースイッチを含む、物理的キーボードなどの複合入力デバイスが挙げられる。電子システムの更なる例としては、データ入力デバイス(リモートコントロール及びマウスを含む)並びにデータ出力デバイス(表示画面及びプリンタを含む)などの周辺機器が挙げられる。他の例としては、遠隔端末、キオスク、及びビデオゲーム機(例えば、ビデオゲームコンソール、携帯型ゲーミングデバイスなど)が挙げられる。他の例としては、通信デバイス(スマートフォンなどの携帯電話を含む)、並びにメディアデバイス(記録機、編集機、及び再生機(テレビ、セットトップボックス、音楽プレーヤー、デジタルフォトフレーム、及びデジタルカメラなど)を含む)が挙げられる。更に、電子システムは、入力デバイスに対するホスト又はスレーブであることができる。
【0017】
入力デバイス100は、電子システムの物理的部品として実装することができ、又は電子システムと物理的に別個であることができる。適切な場合、入力デバイス100は、バス、ネットワーク、及び他の有線又は無線相互接続のうち任意の1つ以上を使用して、電子システムの部品と通信してもよい。例としては、I2C、SPI、PS/2、ユニバーサルシリアルバス(USB)、ブルートゥース、RF、及びIRDAが挙げられる。
【0018】
図1では、センサ105が入力デバイス100と共に含まれる。センサ105は、センシング領域にある1つ以上の入力オブジェクトによって提供される入力を感知する、1つ以上のセンシング素子を備える。入力オブジェクトの例としては、指、スタイラス、及び手が挙げられる。センシング領域は、入力デバイス100がユーザ入力(例えば、1つ以上の入力オブジェクトによって提供されるユーザ入力)を検出することができる、センサ105の上方、周り、中、及び/又は近くのあらゆる空間を包含する。特定のセンシング領域のサイズ、形状、及び場所は、実施形態ごとに異なることがある。いくつかの実施形態では、センシング領域は、信号雑音比が十分に正確なオブジェクト検出を妨げるまで、入力デバイス100の表面から1つ以上の方向で空間内へと延在する。このセンシング領域が特定の方向で延在する距離は、様々な実施形態では、1ミリメートル未満、数ミリメートル、数センチメートル、又はそれ以上の程度であってもよく、使用されるセンシング技術のタイプ及び望まれる精度に伴って大幅に変動することがある。したがって、いくつかの実施形態は、入力デバイス100のいずれの表面との接触も含まない入力、入力デバイス100の入力表面(例えば、タッチ表面)との接触を含む入力、適用されたある量の力若しくは圧力と結合された入力デバイス100の入力表面との接触を含む入力、及び/又はそれらの組み合わせを感知する。様々な実施形態では、入力表面は、センサ素子がその中若しくはその上に位置付けられるセンサ基板の表面によって、又はセンサ素子の上に位置付けられる面シート若しくは他のカバー層によって提供されてもよい。
【0019】
入力デバイス100は、センシング領域でユーザ入力を検出するのに、センサ構成要素とセンシング技術の任意の適切な組み合わせを利用してもよい。いくつかの実現例は、入力を検出するのに、複数のセンシング素子のアレイ又は他の規則的若しくは不規則なパターンを利用する。入力デバイス100が使用してもよいセンシング技術の例としては、容量性センシング技術、光学センシング技術、音響(例えば、超音波)センシング技術、圧力ベースの(例えば、圧電)センシング技術、抵抗性センシング技術、熱センシング技術、誘導性センシング技術、弾性センシング技術、磁性センシング技術、及び/又はレーダーセンシング技術が挙げられる。
【0020】
例えば、入力デバイス100は、1つ以上のセンシング素子がセンシング領域からの光を検出する、光学センシング技術を使用してもよい。検出光は、入力オブジェクトから反射されるか、入力オブジェクトを通して伝達されるか、入力オブジェクトによって放射されるか、又はそれらの何らかの組み合わせであってもよい。検出光は、可視スペクトル内又は不可視スペクトル内(赤外光若しくは紫外光など)であってもよい。光学センシング素子の例としては、フォトダイオード、CMOSイメージセンサアレイ、CCDアレイ、薄膜検出器、及び関心波長内の光に対する感度をもつ他の適切なフォトセンサが挙げられる。光をセンシング領域に提供するのに活性照明が使用されてもよく、照明波長内のセンシング領域からの反射が検出されて、入力オブジェクトに対応する入力情報が判定されてもよい。
【0021】
一例の光学技術は、構成に応じて、センシング領域の入力表面と接触していても接触していなくてもよい、入力オブジェクトの直接照明を利用する。1つ以上の光源及び/又は光ガイド構造が、光をセンシング領域へと方向付けるのに使用される。入力オブジェクトが存在するとき、この光は入力オブジェクトの表面から直接反射され、その反射を光学センシング素子によって検出し、入力オブジェクトに関する入力情報を判定するのに使用することができる。
【0022】
別の例の光学技術は、センシング領域の入力表面と接触している入力オブジェクトを検出するのに、内部反射に基づく間接照明を利用する。1つ以上の光源は、入力表面によって規定されるインターフェースの対向面における屈折率が異なるため、センシング領域の入力表面で内部反射される角度で伝達媒体内において光を方向付けるのに使用される。入力表面に入力オブジェクトが接触することによって、屈折率がこの境界にわたって変化して、入力表面における内部反射特性が変更される。入力オブジェクトを検出するのに漏れ全反射(FTIR)の原理が使用された場合、より高コントラストの信号を達成できる場合が多く、光は、入力オブジェクトが接触しており、また光を散乱させ、入力オブジェクトが接触している領域におけるこのインターフェースを横切って部分的に伝達する場所を除いて、全内反射される入射角で入力表面に方向付けられる。この一例は、ガラスと空気のインターフェースによって規定される入力表面に導入される指が存在する場合である。人間の皮膚は空気よりも屈折率が高いので、空気に対するインターフェースの臨界角で入力表面に入射する光は、別の場合ではガラスと空気のインターフェースで全内反射されるが、入力インターフェースを横切って部分的に伝達され、指によって散乱させられる。この光学応答は、システムによって検出し、空間情報を判定するのに使用することができる。いくつかの実施形態では、これを使用して、指の隆線又は谷線が入力表面のその部分と接触しているか否かに応じて入射光の内部反射率が異なる、指紋パターンなどの入力オブジェクトの小規模な表面の変化を画像化することができる。
【0023】
図1では、処理システム110が入力デバイス100と共に含まれる。処理システム110は、1つ以上の集積回路(IC)及び/又は他の回路構成要素の一部若しくは全てを含む。処理システム110は、センサ105に連結され、センサ105のセンシングハードウェアを使用して、センシング領域における入力を検出するように構成される。
【0024】
処理システム110は、入力デバイス100のセンシングハードウェアを用いてセンシング信号を駆動するように構成されたドライバ回路類、及び/又はセンシングハードウェアを用いて、結果として得られる信号を受信するように構成された受信機回路類を含んでもよい。例えば、光学センサデバイスの処理システムは、1つ以上のLED若しくは他の光源に対する照明信号を駆動するように構成されたドライバ回路類、及び/又は受光素子から信号を受信するように構成された受信機回路類を備えてもよい。
【0025】
処理システム110は、ファームウェアコード、ソフトウェアコード、及び/又はその他など、電子的に読取り可能な命令を含んでもよい。処理システム110は、センサ105の物理的部品として実装することができ、又はセンサ105と物理的に別個であることができる。また、処理システム110の構成部品は、まとめて配置されてもよく、又は互いから物理的に離れて配置されてもよい。例えば、入力デバイス100は、コンピューティングデバイスに結合された周辺機器であってもよく、処理システム110は、コンピューティングデバイスの中央処理装置で稼動するように構成されたソフトウェアと、中央処理装置とは別個の1つ以上のIC(例えば、関連するファームウェアを含む)とを備えてもよい。別の例として、入力デバイス100は、移動デバイスに物理的に統合されてもよく、処理システム110は、移動デバイスの主プロセッサの一部である回路及びファームウェアを備えてもよい。処理システム110は、入力デバイス100を実装するための専用のものであってもよく、又は表示画面の操作、触覚アクチュエータの駆動など、他の機能を実施してもよい。
【0026】
処理システム110は、入力デバイス100のセンシング素子を動作させて、センシング領域における入力(又は入力の欠如)を示す電気信号を生成してもよい。処理システム110は、電子システムに提供される情報を生成する際に、電気信号に対して任意の適切な量の処理を実施してもよい。例えば、処理システム110は、センサ電極から得られるアナログ電気信号をデジタル化してもよい。別の例として、処理システム110は、フィルタ処理又は他の信号調整を実施してもよい。更に別の例として、処理システム110は、情報が電気信号とベースラインとの差を反映するように、ベースラインに対して減算又は他の計算を行ってもよい。更なる別の例として、処理システム110は、位置情報を判定すること、入力をコマンドとして認識すること、手書きを認識すること、生体サンプルを照合することなどを行ってもよい。
【0027】
入力デバイス100のセンシング領域は、例えば、センサ105がタッチパネルインターフェース又はディスプレイ統合型の生体センシングインターフェースを提供する場合、表示デバイスの活性面積の一部又は全体に重なってもよい。表示デバイスは、無機発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機LED(OLED)ディスプレイ、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、電界発光(EL)ディスプレイ、又は他の表示技術を含む、視覚的インターフェースをユーザに対して表示することができる、任意の適切なタイプの動的なディスプレイであってもよい。ディスプレイは、可撓性又は剛性であってもよく、平面型、曲面型、又は他の幾何学形状を有してもよい。ディスプレイは、視覚情報の提供及び/又は他の機能性の提供のために表示ピクセルをアドレス指定するのに使用されてもよい、TFT回路類のガラス又はプラスチック基板を含んでもよい。表示デバイスは、ディスプレイ回路類の上方に、またディスプレイモジュールの内層の上方に配設される、カバーレンズ(「カバーガラス」と呼ばれる場合がある)を含んでもよく、カバーレンズはまた、入力デバイス100の入力表面を提供してもよい。カバーレンズ材料の例としては、化学強化ガラスなどの光学的に透明なアモルファス固体、及びサファイアなどの光学的に透明な結晶質構造が挙げられる。入力デバイス100及び表示デバイスは物理的要素を共有してもよい。例えば、同じ電気的構成要素のいくつかは、表示の更新及び入力の感知の両方に対して1つ以上の表示電極を使用するなど、視覚情報の表示と、入力デバイス100を用いた入力センシングとの両方に利用されてもよい。別の例として、表示画面は、入力デバイスと連通している処理システム110によって部分的又は全体的に操作されてもよい。
【0028】
図2A~2Bは、入力デバイス100の更なる例を示している。
図2Aでは、タッチセンサ205aを含むような入力デバイス100が示されている。タッチセンサ205aは、センシング領域220a内にある入力オブジェクト240aの位置情報を検出するように構成される。入力オブジェクト240aは、
図2Aに示されるように、指又はスタイラスを含んでもよい。センシング領域220aは、入力オブジェクトよりも大きい面積を有する入力表面を含んでもよい。タッチセンサ205aは、入力表面に対する接触の場所を検出するように構成された分解能を有する、センシング素子のアレイを含んでもよい。
【0029】
図2Bでは、指紋センサ205bを含むような入力デバイス100が示されている。指紋センサ205bは、指240bから指紋を取得するように構成される。センサ205bは、センサ205bの上に置かれるかその上をスワイプされる指紋の入力表面を提供する、カバー層212の下に配設される。センシング領域220bは、指紋全体のサイズよりも大きい、それよりも小さい、又はそれと同様の面積を有する入力表面を含んでもよい。指紋センサ205bは、指240bの表面のばらつきを検出するように構成された分解能を有するセンシング素子のアレイを有し、指紋センサ205bは、
図2Aのタッチセンサ205aよりも高い分解能を有する。
【0030】
図3A~3Bは、ディスプレイ及び指紋センシングインターフェースの両方を有する、電子デバイス301a及び301bの例を示すブロック図である。
図3Aでは、電子デバイス(例えば、スマートフォン又はタブレットなどの、移動デバイス)301aは、活性表示面積305aとは別個の指紋センサ305bを有する。
図3Bでは、電子デバイス301bは、指紋センサのインターフェースがタッチセンサのインターフェースと重なるようにして、活性表示面積305a内に統合された指紋センサ305bを有する。
図3A~3Bでは、タッチセンサインターフェースは、活性表示面積が指紋センシング及び接触センシング両方のインターフェースを含むようにして、ディスプレイの活性面積とも重なってもよい。指紋センシングインターフェースは、ディスプレイの活性面積の一部分のみと重なってもよく、又はディスプレイの活性面積全体と重なってもよい。
【0031】
電子デバイスのカバーガラスの上に置かれた指を画像化する光学指紋センサでは、活性光源で指を照明し、カバーガラスの下方に配設された(又はカバーガラスの下であるディスプレイに内蔵されるか、若しくはその下に配置された)光学センサに十分な光を提供することが有用である。
【0032】
センシング表面がディスプレイの上方にあるとき、ディスプレイからの光が指(又は他の入力オブジェクト)を照明するのに使用されてもよいが、これらの照明条件は、指の画像を質の悪いものにする場合があり得る。これは多くの場合、(ガラスにおける)法線から約45度未満の角度の場合が多い、ディスプレイから放射されている光の方向(ほとんどは上方及びディスプレイの外方)によってもたらされる。このタイプの照明によって、特に、強い周辺光が指を通して伝達されている場合に、カバーガラス上に置かれた指の隆線及び谷線の特徴間の光学コントラストが不十分になる場合がある。これは、隆線(ガラスが指の隆線表面の底部と接触している箇所)又は谷線(ガラスと指の谷線表面の底部との間に空隙がある箇所)でカバーガラスの上面から反射される、ディスプレイから来る光の量を、指を通して伝達され、次に隆線及び谷線でカバーガラスを通してセンサに向かって伝達される周辺光の量と比較した、その差によるものである。異なる隆線/谷線のコントラストは、これら2つの潜在的に競合する照明スキーム下で、光学センサによって見える隆線/谷線コントラストを低減(更には、場合によっては、排除)することができる。
【0033】
少なくともこの理由のため、十分な光をカバーガラスから指又は他のオブジェクト上に、ほぼすれすれ入射で方向付けることができるのが望ましく、そのため、光学センサが見る主光源は、ディスプレイから来て、反射して光学センサに戻る光ではなく、指又は他のオブジェクトから来る(例えば、それによって散乱させられる)光である。このタイプの照明は、(例えば、屋外のとき、昼光の間の)潜在的に明るい周辺光によって生成される隆線/谷線の光学コントラストを、減少するのではなく増強し、利用可能な周辺光がほとんどない場合、このタイプの照明は、光学センサによって検出されるのに十分な強度で、同じ隆線/谷線のコントラストを提供する。
【0034】
しかしながら、いくつかの電子デバイスでは、他のフィルムがカバーガラスの底部にコーティング又は接着されて、所望の視射角でカバーガラス内へと光を注入することを困難にしている。これは、例えば、カバーガラスの下方に(若しくはその下面に直接)装飾層又は不透明層又は反射層が、並びにカバーガラスの屈折率に近いか又はそれよりも高い屈折率を有することがある、カバーガラスの直下の層(PETコーティング層若しくは装飾層など)が、存在することによるものであり得る。
【0035】
したがって、これらの余分な層が存在しないカバーガラスの縁部に直接光を注入することが望ましく、主にガラス表面に対して小さい角度で、一旦光がガラス内に注入されると、光は、カバーガラスの下側表面がカバーガラスよりも低い屈折率を有する層とのみ接触している限り、カバーガラス内の長距離を、検出されるべき指又は他のオブジェクトが位置していてもよいセンシング領域(表示面積の上方若しくは外部であってもよい)に向かって全内反射で伝播することができる。この屈折率の差は、全内反射によってカバーガラスに閉じ込められる光の量に関連し、屈折率の差が大きいほど全内反射によってカバーガラスに閉じ込められる光の量は多く、したがってセンシング領域に提供することができる光の量が増加する。
【0036】
図4~12は、カバーガラスの縁部又は端部に、反射構造又は反射表面を含む反射体を有して、カバーガラスの下方に位置する光源(LEDなど)から、又はカバーガラスの縁部付近の反射表面から、カバーガラス内へ(若しくは、
図11及び
図12に示されるような導波層内へ)と、光の伝播方向に沿ってカバーガラスの上面及び下面に対して小さい角度で、光をカバーガラスの縁部から反射させることを可能にしている、入力デバイスの実施形態を示している。
【0037】
図4Aは、透明カバー層(「カバーガラス」若しくは「カバー層」とも呼ばれる)412と、カバーガラス412の下面414の下方にそれと直接接触して配設される材料層420とを含む、入力デバイススタックアップ400の一実施形態を示している。
図4Aの実施形態では、材料層(「低率層」とも呼ばれる)420は、カバーガラス412の屈折率(n
1)よりも低い屈折率(n
2)を有する材料で作られる(即ち、n
1>n
2)。特定の実施形態では、材料層420の一部分は、材料層420の端部421に近接してインク入れ部分(inked portion)423を含んでもよい。インク入れ部分423は、材料層420の上面若しくは下面上に位置する、インクのコーティング又は色付きフィルムを含んでもよい。インク入れ部分423は、本明細書では、「インク層」又は「インク入れ層」と呼ばれることがある。図示されるように、カバーガラス412は、材料層420の端部421を越えて延在して、材料層420がその下には存在しない、カバーガラス420の領域418を規定する。光源430は、カバーガラス412の下面414の下方に、また
図4Aの実施形態では、材料層420の下方にも、位置付けられるか又は配設される。様々な実施形態では、反射体は、光源430(例えば、LED、又は所望のように可視若しくは赤外若しくは他の波長範囲で放射する他の光源)からの光を、適切な角度又は角度範囲でカバーガラス412内へと方向付けるのに提供され、それによって、カバーガラス内へと注入された光の少なくとも一部分は、全内反射によってカバーガラス412内を伝播する。
図4Aに示される実施形態によれば、反射体は、光注入構成要素440と反射表面450とを含む。光注入構成要素440は、本明細書では「入口ガラス(entry glass)」と呼ばれることがあるが、光注入構成要素440は、ガラス以外の光学的に透明な材料を含んでもよいことが理解されるべきである。
【0038】
例えば、光注入構成要素440は、カバーガラス412の延長部を含んでもよく、又は領域418でカバーガラス412の下面414に固着された、別個の材料片(ガラス、又はカバーガラス412と同じか若しくは類似の屈折率を有する他の透明材料)を含んでもよく、反射表面450は、反射材料でコーティングされたカバーガラスの端部又は縁部を含んでもよい。光注入構成要素440は、光を光源430から端部反射器450に向かって、またカバーガラス412内へと伝達するように構成される。カバーガラスの縁部は、
図4Aでは直線として示されているが、この縁部は、凸形状又は曲線形状又は切子形状など、何らかの他の形状を有してもよい。入力デバイス400の様々な要素を固定の関係で保持するのに、ハウジング構造460(例えば、フレーム)が提供される。
【0039】
光注入構成要素がカバー層に固着された別個の構造を含む実施形態の場合、屈折率は、カバー層と同じである(例えば、カバー層と同じ材料である)か、又はカバー層と実質的に同じである(例えば、材料が、カバー層材料の屈折率(n1)の約1%若しくは2%の許容範囲内の屈折率を有する)べきである。
【0040】
反射表面450は多くのやり方で構築することができる。例えば、反射コーティングが透明カバー層412の端部上に形成されてもよく、反射コーティングが、透明カバー層を保持する構造460(例えば、フレーム)上に形成されてもよく、又はミラー素子などの別個の反射素子が、カバー層の端部と構造460との間に位置付けられてもよい。特定の例は、カバー層(平滑面若しくは粗面を有してもよい)の縁部又は端部、及び/又は存在する場合は光注入構成要素の縁部を、金属化若しくは塗装すること、或いはカバー層の端部と携帯電話又は他の電子デバイスのフレームとの間に反射器素子を配置すること、或いはフレームの内部を反射材料でコーティングすることを含む。反射表面450はまた、カバーガラス412又は構造460の端部に、若しくは端部上に形成された回折格子を含んでもよい。
【0041】
図4Aは、スラブ又はレンガ状の光注入構成要素440を示しているが、他のプリズム形状(又は接着剤など、ガラス以外の材料)が使用されてもよい。例えば、
図5に示されるように、注入構成要素の代わりに使用することができる別の幾何学形状は、放射光の一部分をプリズム構造の角度付きの下面からカバーガラス412の端部の反射表面450に向かって反射させることによってなど、図示されるように光をカバーガラス内へと方向付けるように構成されたプリズム構造である。
【0042】
図4Bは、
図4Aに示される実施形態と類似しているが、角度付きの反射表面450が光注入構成要素440の端部に形成されている、一実施形態を示している。この実施形態では、光源430によって放射された光は、図示されるような角度付きの反射表面450によって反射される。一実施形態では、反射表面450は、光注入構成要素の端部又はその付近のみに形成されてもよく、即ち、カバーガラスの端部又はその付近には反射表面はない。
【0043】
図6は、カバーガラスの縁部における小さい空き領域418(カバーガラスの下面が、インク若しくは装飾フィルムでコーティングされておらず、低率層420と接触していない領域)の利点を提供する、プリズム形状の反射器構造450を含み、したがって上方からは見えにくいであろう、反射体の別の実施形態を示している。特に、
図6に示される反射器450の上面は、外部フレーム460の一部であるか、又はインクを入れて(例えば、着色若しくはコーティングして)、外部フレーム又はインク入れ層423と同様に見せて、反射器450の可視性を更に低減することができる。
【0044】
図6は、特定の直角反射プリズム構造を示しているが、カバーガラスの縁部に沿った円筒形状に類似した、切子面がない曲線縁部を含む、より多数の又は異なる切子面を有する他の形状を使用することができる。
図7は、カバーガラス412の縁部、光注入構成要素440、及び反射器450が曲線表面を有する、一例を示している。曲線表面に近似するように、任意の数の切子面も使用されてもよい。また、これらの例は、入口ガラス又は他の光注入構成要素をカバーガラス412の下面の下方に使用するが、一実施形態では、光注入構成要素は、カバーガラスの一部であるか、又はカバーガラスと一体的に形成されてもよい。例えば、
図7では、カバーガラスの縁部部分は、デバイスの内側領域に向かって下向きに突出するか、又は低率層420の下方で突出するリップを含んでもよく、光源430は、この突出する領域内へと光を方向付けてもよい。
【0045】
図8は、光源430が領域418でカバーガラス412の下方に位置付けられ、カバー層412の縁部領域で光を反射表面450に向かって上に方向付ける、別の実施形態を示している。反射表面は、
図8に示されるような単一の切子面を含んでもよく、又は曲線若しくは複数の切子面の表面を含んでもよい。別個の反射器が含まれてもよく、又は反射表面はカバーガラスの縁部でコーティングされてもよく、又は光が適切な角度で方向付けられ、縁部が適切な幾何学形状の曲線若しくは切子面である(例えば、それによって、縁部表面上に光が入射する領域でTIRが生じる)場合、カバーガラス自体の表面が反射器の機能性を提供してもよい。この実施形態では、光注入構成要素440は任意である(但し、
図8にはこれも示されている)。光注入構成要素440の屈折率又は形状を正しく選択することで(例えば、レンズ素子、若しくはレンズとして作用するグルードーム(glue dome)を含んでもよい)、光注入構成要素440は、より多くの光をカバーガラス内で保つように光を集束させる助けとなる。フレーム若しくはインク層423に類似した色のコーティング、又はフレーム自体の一部分は、入力デバイスの美観的な品質を改善するため、カバーガラスの縁部を越えて延在してもよい。この実施形態は、光源430は、インク入りであってもよい(例えば、インク層を含む)、外部の切子面の下方に位置付けられる。
【0046】
図9A~9Dは、異なるデバイス層構成を有する入力デバイス400の追加の実施形態を示している。
図9A~9Dでは、入力デバイス400は、屈折率n
1を有する材料で作られた透明カバー層(「カバーガラス」若しくは「カバー層」とも呼ばれる)412を含む。透明カバー層の上面416は指のための入力表面を提供する。屈折率n
2を有する材料で作られたフィルム又は層を含む材料層(「内層」とも呼ばれる)420は、カバー層412の下面の下方に提供される。内層420はカバー層の下面とインターフェース接続してもよく、カバー層412の屈折率n1は、内層420の屈折率n
2、及びカバー層412の上面416とインターフェース接続する空気又は別の材料の屈折率n
3の両方よりも大きくてもよい。これにより、光源430によって注入される光を、全内反射によってカバー層内に閉じ込めることが可能になる。図示されるように、光源430は、カバーガラス412の下方に位置し、所望の角度又は角度範囲で光をカバーガラス412内へと反射する、カバーガラス412の縁部に近接した反射表面450に向かって光を方向付ける。周辺部分の、又はカバーガラス412の縁部に近接した面積418は、内層420を含まず、光源430によって放射される光を内層420の周りのカバーガラス412内へと注入することが可能になる。
【0047】
ディスプレイスタック(「ディスプレイ」とも呼ばれる)470及び光学センサ(「光検出器アレイ」とも呼ばれる)480は、カバー層412の下方及び内層420の下方に位置付けられてもよい。光学センサは、光源からの光の波長に感度をもつ、複数の光センサなど、検出器素子のアレイを含んでもよく、カバーガラス412の上方で提供される指紋又は他のオブジェクトの画像を取得するのに使用されてもよい。
図9Aでは、光学センサ480は、ディスプレイスタック470の下方に位置付けられ、ディスプレイスタックを通して、また内層を通して指紋を取得する。
図9Bでは、光学センサ480は、ディスプレイスタック470の下方に位置付けられ、内層を通して指紋画像を取得する。
図9Cでは、光学センサ480は、例えば、個々の表示ピクセル又はサブピクセルをアドレス指定するのに使用される、同じ層に形成された薄膜検出器を使用して、ディスプレイスタック470に統合される。
図9A~9Cのいずれかにおいて、光学センサ480は、ディスプレイ470の活性面積全体に、又はディスプレイ470の活性面積の一部分のみに及んでもよい。
図9Dでは、光学センサ480は、ディスプレイ470の活性面積の外に、例えば内層420のインク入れ領域の下側に位置付けられるが、ディスプレイ470の活性面積は、内層420の視覚的に透明な領域の下に位置付けられる。この例では、インク入れ領域は、光源430からの光の波長に対しては透明であるが、可視スペクトル又は他のスペクトルでは不透明又は実質的に不透明であってもよい。
【0048】
図10は、光源430がディスプレイ470の下方に位置付けられている、入力デバイス400の別の実施形態を示している。光源430と反射体との間の距離、及び/又は光源430と反射体との間における他のデバイス構成要素の配置に応じて、追加の光学素子(図示なし)が、放射光を反射体へと方向付けるのに含まれてもよい。例えば、潜望鏡型の構成で配置された一連の1つ以上のミラー素子が、放射光を光注入構成要素へと方向付けてもよい。本明細書に記載するような反射体の実施形態のいずれも、
図10に示されるような光源位置(ディスプレイの下)と併せて使用されてもよいことが認識されるべきである。
【0049】
特定の実施形態では、材料層420は任意の所望の材料を含んでもよい。有用な材料の例としては、約1.4の屈折率を有することができる、シリコーン接着剤材料が挙げられてもよい。かかる材料は、カバー層材料の屈折率(n
1)よりも低い屈折率(n
2)を有するべきである。他の実施形態では、材料層420は、空隙で作られた内層と置き換えられる。ガラスを含むカバー層の場合、屈折率(n
1)は一般的に約1.5となる。特定の実施形態では、カバー層の厚さは、一般的に、約400μm~約1000μmの範囲であるが、それよりも厚くても又は薄くてもよく、材料層420の厚さは、一般的に、約100μm~約300μmの範囲であるが、それよりも厚くても又は薄くてもよい。それに加えて、特定の実施形態では、領域418の寸法はカバー層412の厚さと同程度のサイズである。例えば、直線距離を規定する領域418(例えば、材料層420の端部421からカバー層412の端部における反射表面まで)は、一般的に、400μm~約1000μm以上の程度であるが、
図6~8に示される実施形態の場合など、それよりも薄くてもよい。
【0050】
図11は、カバー層412と材料層420との間に位置付けられた透明導波層425を含む入力デバイススタックアップ400の別の実施形態を示している。導波層425は、ガラス層412の屈折率(n
3)よりも高い(又は、透明導波層425とカバー層412との間の1つ以上の層の屈折率よりも高い)、また材料層420の屈折率(n
2)よりも高い屈折率(n
1)を有する材料を含む。光は、
図4~10に示される実施形態でカバー層412に光が注入されるのと同様の手法で、導波層425に注入されてもよく、それによって導波層425内でTIRによって伝播する。
図11に示される特定の実施形態では、光は、プリズム形状の反射器構造450を使用して、導波層425内へと注入されるか又は向け直されるが、本明細書で考察されるような任意の光源・反射器構造が使用されてもよい。例えば、光源はまた、
図10に示されるようにディスプレイの下に位置してもよい。
【0051】
図示される実施形態では、光抽出機構427は、導波層425内を伝播する光の少なくとも一部をカバー層412内へ、表面416上の入力表面又はセンシング領域に向かって、例えばセンシング領域に近接した指に向かって抽出するか又は向け直す。光抽出機構427は、上面416上の1つ以上の特定の(センシング)位置に向かって光を向け直すように構成された、回折格子又は他の機構などの1つ以上の特徴を、導波路の上面上に含んでもよい。例として、回折格子は、導波層425の上面に周期的な特徴をエッチングすることによって形成することができる。
【0052】
図12は、カバー層412と材料層420との間に位置付けられた透明導波層425を含む入力デバイススタックアップ400の別の実施形態を示している。この実施形態では、光抽出機構は存在せず、カバー層412の屈折率は導波層425の屈折率と同じ又は同様である。この実施形態では、反射器構造は、カバー層412内へと、但し図示されるような導波層425の「側面」を通してのみ、光を向け直すように構成される。光は、TIRモードで導波層425及びカバー層412の両方を通って伝播する。実際上、カバー層412及び導波層425は両方とも、共に調和して光ガイドとして作用する。特定の実施形態では、接着剤層は導波層425とカバー層412との間にも提供される。接着剤層は、カバー層及び導波層の屈折率と同じ又は実質的に同じである屈折率(n
4)を有する材料を含む。
図4~12に示される実施形態は、有利には、カバーガラスを通して、光センシング面積の上に位置する指又は他のオブジェクトに向かって、光が全内反射で伝播するのを可能にする角度で、カバーガラスの縁部で光を注入させる。いくつかの実施形態(
図6~7に示されるものなど)は、光がカバーガラス内へと注入される場所を隠すことなどによる、表面的な利点も提供する。様々な実施形態は、移動デバイスの美観的外観を減じないような邪魔にならない形で、光学センシング面積及びしたがって指の一定した十分な照明を確保する有効な手法を提供する。
【0053】
本明細書で「層」に言及するとき、必ずしも単一層構造を要するのではなく、代わりに複数層構造も含み得ることに留意されたい。例えば、透明カバー層は、カバーシートの単一層(例えば、単一のカバーガラスシート)又はカバーシートを形成する複数層構造(例えば、複数の積層シート、若しくは1つ以上の接着剤層を含むカバーガラスシート)を含んでもよい。
【0054】
公報、特許出願、及び特許を含む、本明細書で引用する全ての参考文献は、各参考文献が、その全体が参照により援用され本明細書に説明されるものと個別に具体的に示されたのと同じ範囲で、参照により本明細書に援用する。
【0055】
本発明について記載する文脈における(特に、以下の特許請求の範囲の文脈における)、「a」及び「an」及び「the」及び「少なくとも1つの(at least one)」という用語並びに類似の指示物の使用は、本明細書において別段の指示があるか文脈によって明らかに否定されない限り、単数形及び複数形の両方を包含するものと解釈されるものとする。「少なくとも1つの」という用語の使用及びそれに続く1つ以上の項目の列挙(例えば、「A及びBの少なくとも1つ」)は、本明細書において別段の指示があるか文脈によって明らかに否定されない限り、列挙される項目から選択された1つの項目(A若しくはB)、又は列挙される項目のうち2つ以上の任意の組み合わせ(A及びB)を意味すると解釈されるものとする。「備える」、「有する」、「含む」、及び「包含する」という用語は、別段の指摘がない限り、オープンエンドの用語(即ち、「~を含むがそれに限定されない」ことを意味する)として解釈されるものとする。本明細書における値の範囲の列挙は、単に、本明細書において別段の指示がない限り、範囲内にある各々の値を個々に指す簡潔な方法として役立つことが意図され、各々の値は、本明細書で個々に列挙されたものとして明細書に組み込まれる。
【0056】
本明細書に記載される全ての方法は、本明細書において別段の指示があるか文脈によって明らかに否定されない限り、任意の適切な順序で実施することができる。本明細書で提供されるあらゆる例、又は例示的言語(例えば、「など」)の使用は、単に、本発明をより良好に解明又は例証しようとするものであり、別段の請求がない限り、本発明の範囲を制限しない。本明細書中のいかなる言語も、いずれかの特許請求されていない要素が本発明を実施するのに必須であると示すものとして解釈されるべきではない。
【0057】
本発明の様々な実施形態について本明細書に記載している。それらの実施形態の変形例は、上述の説明を読むことにより、当業者には明白となることがある。本発明者らは、専門家がかかる変形例を必要に応じて採用することを期待し、また本発明者らは、本明細書に具体的に記載されるのとは別の形で本発明が実施されることを意図する。したがって、本発明は、適法によって許可されるものとして本明細書に添付の特許請求の範囲で列挙される主題の全ての修正例及び等価物を含む。更に、その全ての可能な変形例における上述の要素の任意の組み合わせは、本明細書に別の形で指示されるか又は別の形で文脈によって明らかに否定されない限り、本発明によって包含される。
【符号の説明】
【0058】
100 入力デバイス
105 センサ
110 処理システム