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特許7022908エアロゾル生成装置及びそのバッテリ寿命推定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-10
(45)【発行日】2022-02-21
(54)【発明の名称】エアロゾル生成装置及びそのバッテリ寿命推定方法
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/53 20200101AFI20220214BHJP
【FI】
A24F40/53
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020548791
(86)(22)【出願日】2020-03-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-05
(86)【国際出願番号】 KR2020003610
(87)【国際公開番号】W WO2020190002
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2020-09-11
(31)【優先権主張番号】10-2019-0031470
(32)【優先日】2019-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】イ、チェ ミン
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2018-0070443(KR,A)
【文献】特開平09-068561(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0079689(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
A61M 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成装置において、
エアロゾル生成基質を加熱してエアロゾルを生成させるヒータと、
前記ヒータに電力を供給するためのバッテリと、
第1時点で測定された前記バッテリの第1出力電圧、前記第1時点より遅れた第2時点で測定された前記バッテリの第2出力電圧、及び前記第1時点と前記第2時点との間の前記エアロゾル生成装置の使用回数のうち、少なくとも2つ以上に基づいて、前記バッテリの残余寿命を推定する制御部と、を含み、
前記制御部は、
前記第1出力電圧から前記第2出力電圧を減算して、前記バッテリの第1電圧降下量を計算し、
前記使用回数に対応する第1予想電圧降下量及び前記第1電圧降下量に基づいて、前記バッテリの残余寿命を推定し、
前記第1予想電圧降下量は、
前記第1出力電圧及び前記エアロゾル生成装置の前記使用回数に基づいて予め決定し、
前記第1予想電圧降下量は、前記バッテリが最高性能状態であるときの予想電圧降下量である第1最高性能予想電圧降下量、及び前記バッテリが最低性能状態であるときの予想電圧降下量である第1最低性能予想電圧降下量を含む、エアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記バッテリの第1出力電圧に基づいて、前記エアロゾル生成装置の使用可能回数を決定し、
前記使用回数による予想消費電流と前記使用可能回数による予想最初電流容量に基づいて、前記バッテリの残余寿命を推定する、
請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記予想消費電流及び前記エアロゾル生成装置の遊休時間の間の消費電流の和を、前記予想最初電流容量と比較することで、前記バッテリの残余寿命を推定する、
請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第1最低性能予想電圧降下量から前記第1電圧降下量を減算した値と、前記第1最低性能予想電圧降下量から前記第1最高性能予想電圧降下量を減算した値との比率である第1比率を計算し、
前記第1比率に基づいて、前記バッテリの残余寿命を推定する、
請求項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記バッテリが所定の放電率以上に放電される区間での前記バッテリの最低出力電圧を前記第1出力電圧から減算し、前記バッテリの第2電圧降下量をさらに計算し、
前記バッテリが所定の放電率以上に放電される区間での前記バッテリの第2予想電圧降下量及び前記第2電圧降下量に基づいて、前記バッテリの残余寿命を推定する、
請求項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記第2予想電圧降下量は、
前記第1出力電圧及び前記所定の放電率に基づいて予め決定され、
前記第2予想電圧降下量は、前記バッテリが最高性能状態であるときの予想電圧降下量である第2最高性能予想電圧降下量、及び前記バッテリが最低性能状態であるときの予想電圧降下量である第2最低性能予想電圧降下量を含む、
請求項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記第2最低性能予想電圧降下量から前記第2電圧降下量を減算した値と、前記第2最低性能予想電圧降下量から前記第2最高性能予想電圧降下量を減算した値との比率である第2比率をさらに計算し、
前記第1比率及び前記第2比率のうち、さらに小さい値に基づいて、前記バッテリの残余寿命を推定する、
請求項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項8】
前記所定の放電率以上に放電される区間は、
前記ヒータが予熱動作を行う区間である、
請求項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項9】
エアロゾル生成装置のバッテリ寿命推定方法において、
第1時点でバッテリの第1出力電圧を測定する段階と、
前記エアロゾル生成装置の使用回数をカウントする段階と、
前記使用回数以後の第2時点で前記バッテリの第2出力電圧を測定する段階と、
前記第1出力電圧及び前記第2出力電圧に基づいて、前記バッテリの残余寿命を推定する段階と、を含み、
前記第1出力電圧から前記第2出力電圧を減算し、前記バッテリの第1電圧降下量を計算する段階をさらに含み、
前記バッテリの残余寿命を推定する段階は、
前記使用回数に基づいて予測された第1予想電圧降下量及び前記バッテリの前記第1電圧降下量に基づいて、前記バッテリの残余寿命を推定する段階を含み、
前記第1予想電圧降下量は、
前記第1出力電圧及び前記エアロゾル生成装置の前記カウントされた使用回数に基づいて予め決定され、
前記第1予想電圧降下量は、前記バッテリが最高性能状態であるときの予想電圧降下量である第1最高性能予想電圧降下量、及び前記バッテリが最低性能状態であるときの予想電圧降下量である第1最低性能予想電圧降下量を含む、方法。
【請求項10】
前記第1最低性能予想電圧降下量から前記第1電圧降下量を減算した値と、前記第1最低性能予想電圧降下量から前記第1最高性能予想電圧降下量を減算した値との比率である第1比率を計算する段階をさらに含み、
前記バッテリの残余寿命を推定する段階は、
前記第1比率に基づいて、前記バッテリの残余寿命を推定する段階を含む、
請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記バッテリが所定の放電率以上に放電される区間での前記バッテリの最低出力電圧を前記第1出力電圧から減算し、前記バッテリの第2電圧降下量を計算する段階をさらに含み、
前記バッテリの残余寿命を推定する段階は、
前記バッテリが所定の放電率以上に放電される区間での前記バッテリの第2予想電圧降下量及び前記第2電圧降下量を用いて、前記バッテリの残余寿命を推定する段階をさらに含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2予想電圧降下量は、
前記第1出力電圧及び前記所定の放電率に基づいて予め決定され、
前記第2予想電圧降下量は、前記バッテリが最高性能状態であるときの予想電圧降下量である第2最高性能予想電圧降下量、及び前記バッテリが最低性能状態であるときの予想電圧降下量である第2最低性能予想電圧降下量を含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第2最低性能予想電圧降下量から前記第2電圧降下量を減算した値と、前記第2最低性能予想電圧降下量から前記第2最高性能予想電圧降下量を減算した値との比率である第2比率を計算する段階をさらに含み、
前記バッテリの残余寿命を推定する段階は、
前記第1比率及び前記第2比率のうち、さらに小さい値に基づいて、前記バッテリの残余寿命を推定する段階を含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記所定の放電率以上に放電される区間は、
前記エアロゾル生成装置に含まれたヒータが予熱動作を行う区間である、
請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成装置及びそのバッテリ寿命推定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的な燃焼式シガレットの短所を克服する代替方法に係わる需要が増加している。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではない、シガレット内のエアロゾル生成物質が加熱されることにより、エアロゾルが生成される方法に係わる需要が増加している。これにより、加熱式シガレットまたは加熱式エアロゾル生成装置に係わる研究が活発に進められている。
【0003】
加熱式エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物質を加熱するためのヒータを含み、ヒータに電力を供給するためのバッテリを含む。ヒータは、エアロゾル生成装置の核心的な機能を行うので、バッテリの性能は、喫煙品質に直接的な影響を与えることができる。したがって、良好な喫煙品質を保持するように、バッテリの寿命を推定する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、エアロゾル生成装置のバッテリ寿命を効果的に推定するための方法及びその方法によってバッテリ寿命を推定する機能を含むエアロゾル生成装置を提供するところにある。
【0005】
追加的な側面は、以下の詳細な説明において説明され、部分的には、詳細な説明から明白になるが、本開示で提示された例示的な実施例の実行(practice)によって理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つ以上の例示的な実施例によれば、エアロゾル生成基質を加熱してエアロゾルを生成させるヒータと、前記ヒータに電力を供給するためのバッテリと、第1時点で測定された前記バッテリの第1出力電圧、前記第1時点より遅れた第2時点で測定された前記バッテリの第2出力電圧、及び前記第1時点と前記第2時点との間の前記エアロゾル生成装置の使用回数のうち、少なくとも2つ以上に基づいて、前記バッテリの残余寿命を推定する制御部と、を含んでもよい。
【0007】
1つ以上の例示的な実施例によれば、エアロゾル生成装置のバッテリ寿命推定方法において、バッテリの最初出力電圧を測定する段階と、前記バッテリの前記最初出力電圧に基づいて、前記エアロゾル生成装置の使用可能回数を決定する段階と、前記エアロゾル生成装置の使用回数をカウントする段階と、前記使用回数による前記エアロゾル生成装置の予想消費電流と前記使用可能回数による前記エアロゾル生成装置の予想最初電流容量に基づいて、前記バッテリの残余寿命を推定する段階と、を含んでもよい。
【0008】
1つ以上の例示的な実施例によれば、エアロゾル生成装置のバッテリ寿命推定方法において、第1時点でバッテリの第1出力電圧を測定する段階と、前記エアロゾル生成装置の使用回数をカウントする段階と、前記使用回数以後の第2時点で前記バッテリの第2出力電圧を測定する段階と、前記第1出力電圧及び前記第2出力電圧に基づいて、前記バッテリの残余寿命を推定する段階と、を含んでもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、エアロゾル生成装置のバッテリ残余寿命を効果的に推定し、バッテリ性能低下による喫煙品質劣化が一定レベル以上に進められることを防止し、喫煙品質を均一に保持させうる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
図2】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
図3】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
図4】シガレットの例を示す図面である。
図5】シガレットの例を示す図面である。
図6】例示的な実施例によるエアロゾル生成装置の構成を示すブロック図である。
図7】例示的な実施例によるバッテリの出力電圧グラフ及びエアロゾル生成装置の所定回数使用によるバッテリの電圧降下量を示す図面である。
図8】例示的な実施例によるバッテリの出力電圧グラフ及びバッテリ性能の状態別予想電圧降下量を示す図面である。
図9】例示的な実施例によってエアロゾル生成装置が1回使用される間に所定の放電率以上に放電されるバッテリの出力電圧グラフを示す図面である。
図10】例示的な実施例によるエアロゾル生成装置のバッテリ寿命推定方法を示すフローチャートである。
図11】例示的な実施例によるエアロゾル生成装置のバッテリ寿命推定方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1つ以上の例示的な実施例によれば、エアロゾル生成基質を加熱してエアロゾルを生成させるヒータと、前記ヒータに電力を供給するためのバッテリと、第1時点で測定された前記バッテリの第1出力電圧、前記第1時点より遅れた第2時点で測定された前記バッテリの第2出力電圧、及び前記第1時点と前記第2時点との間の前記エアロゾル生成装置の使用回数のうち、少なくとも2つ以上に基づいて、前記バッテリの残余寿命を推定する制御部と、を含んでもよい。
【0012】
例示的な実施例で使用される用語は、本発明での機能を考慮しつつ、可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、それは、当分野の技術者の意図、判例、または新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。従って、本発明で使用される用語は、単純な用語の名称ではない、その用語が有する意味と、本発明の全般にわたる内容とを基に定義されねばならない。
【0013】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載された「…部」、「…モジュール」というような用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、あるいはハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0014】
1つの構成要素が異なる構成要素と「連結される(connected to)」または「結合される(coupled to)」とするとき、他の構成要素と直接的に連結または結合される場合だけではなく、中間構成要素が存在する場合も含まれるということを、当該技術分野の通常の技術者であれば、容易に理解できるであろう。
【0015】
以下、添付図面に基づいて、本発明の例示的な実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な異なる形態によって具現されもし、ここで説明する例示的な実施例に限定されない。
【0016】
図1ないし図3は、エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
【0017】
図1を参照すれば、エアロゾル生成装置1は、バッテリ11、制御部12及びヒータ13を含む。図2及び図3を参照すれば、エアロゾル生成装置1は、蒸気化器14をさらに含む。また、エアロゾル生成装置1の内部空間には、シガレット2が挿入される。
【0018】
図1ないし図3に図示されたエアロゾル生成装置1には、この実施例に係わる構成要素が図示されている。したがって、図1ないし図3に図示された構成要素以外に他の汎用的な構成要素がエアロゾル生成装置1にさらに含まれるということを、この実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解することができるであろう。
【0019】
また、図2及び図3には、エアロゾル生成装置1にヒータ13が含まれているが、必要に応じて、ヒータ13は、省略されうる。
【0020】
図1には、バッテリ11、制御部12及びヒータ13が一列に配置されている。また、図2には、バッテリ11、制御部12、蒸気化器14及びヒータ13が一列に配置されている。また、図3には、蒸気化器14及びヒータ13が並列に配置されている。しかし、エアロゾル生成装置1の内部構造は、図1ないし図3の図示に限定されない。言い換えれば、エアロゾル生成装置1の設計によって、バッテリ11、制御部12、ヒータ13及び蒸気化器14の配置は、変更されうる。
【0021】
シガレット2がエアロゾル生成装置1に挿入されれば、エアロゾル生成装置1は、ヒータ13及び/または蒸気化器14を作動させ、エアロゾルを発生させうる。ヒータ13及び/または蒸気化器14によって発生されたエアロゾルは、シガレット2を通過してユーザに伝達される。
【0022】
必要に応じて、シガレット2がエアロゾル生成装置1に挿入されない場合にも、エアロゾル生成装置1は、ヒータ13を加熱することができる。
【0023】
バッテリ11は、エアロゾル生成装置1の動作に用いられる電力を供給する。例えば、バッテリ11は、ヒータ13または蒸気化器14が加熱されるように電力を供給し、制御部12の動作に必要な電力を供給することができる。また、バッテリ11は、エアロゾル生成装置1に設けられたディスプレイ、センサー、モータなどの動作に必要な電力を供給することができる。
【0024】
制御部12は、エアロゾル生成装置1の動作を全般的に制御する。具体的に、制御部12は、バッテリ11、ヒータ13及び蒸気化器14だけではなく、エアロゾル生成装置1に含まれた他の構成の動作を制御する。また、制御部12は、エアロゾル生成装置1の構成それぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置1が動作可能な状態であるか否かを判断する。
【0025】
制御部12は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイとしても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されたメモリの組合わせによっても具現される。また、他の形態のハードウェアとしても具現されるということを、当該実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0026】
ヒータ13は、バッテリ11から供給された電力によって加熱される。例えば、シガレットがエアロゾル生成装置1に挿入されれば、ヒータ13は、シガレットの外部に位置する。したがって、加熱されたヒータ13は、シガレット内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させうる。
【0027】
ヒータ13は、電気抵抗性ヒータでもある。例えば、ヒータ13は、導電性トラック(track)を含み、導電性トラックに電流が流れることにより、ヒータ13が加熱される。しかし、ヒータ13は、上述した例に限定されず、希望温度まで加熱されるものであれば、制限なしに該当する。ここで、希望温度は、エアロゾル生成装置1に既に設定されても、ユーザによって所望の温度に設定されてもよい。
【0028】
一方、他の例において、ヒータ13は、誘導加熱式ヒータでもある。具体的に、ヒータ13には、シガレットを誘導加熱方式で加熱するための導電性コイルを含み、シガレットは、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタを含んでもよい。
【0029】
例えば、ヒータ13は、管状の加熱要素、板状の加熱要素、針状の加熱要素または棒状の加熱要素を含み、加熱要素の形状によってシガレット2の内部または外部を加熱することができる。
【0030】
また、エアロゾル生成装置1には、ヒータ13が複数個配置されてもよい。この際、複数個のヒータ13は、シガレット2の内部に挿入されるように配置されても、シガレット2の外部に配置されてもよい。また、複数個のヒータ13の一部は、シガレット2の内部に挿入されるように配置され、残りは、シガレット2の外部に配置される。また、ヒータ13の形状は、図1ないし図3に図示された形状に限定されず、多様な形状によって作製される。
【0031】
蒸気化器14は、液状組成物を加熱してエアロゾルを生成し、生成されたエアロゾルは、シガレット2を通過してユーザに伝達される。言い換えれば、蒸気化器14によって生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成装置1の気流通路に沿って移動し、気流通路は、蒸気化器14によって生成されたエアロゾルがシガレットを通過してユーザに伝達されるように構成される。
【0032】
例えば、蒸気化器14は、液体保存部、液体伝達手段及び加熱要素を含んでもよいが、それらに限定されない。例えば、液体保存部、液体伝達手段及び加熱要素は、独立したモジュールとしてエアロゾル生成装置1に含まれてもよい。
【0033】
液体保存部は、液状組成物を保存することができる。例えば、液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。液体保存部は、蒸気化器14から/に、脱/付着することによって作製されても、蒸気化器14と一体として作製されてもよい。
【0034】
例えば、液状組成物は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、またはビタミン混合物を含んでもよい。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分などを含んでもよいが、それらに制限されるものではない。香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供する成分を含んでもよい。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち、少なくとも1つが混合されたものでもあるが、それらに制限されるものではない。また、液相組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0035】
液体伝達手段は、液体保存部の液相組成物を加熱要素に伝達する。例えば、液体伝達手段は、綿纎維、セラミック纎維、ガラスファイバ、多孔性セラミックのような芯(wick)にもなるが、それらに限定されるものではない。
【0036】
加熱要素は、液体伝達手段によって伝達される液相組成物を加熱するための要素である。例えば、加熱要素は、金属熱線、金属熱板、セラミックヒータなどにもなるが、それらに限定されるものではない。また、加熱要素は、ニクロム線のような伝導性フィラメントによっても構成され、該液体伝達手段に巻かれる構造によっても配置される。加熱要素は、電流供給によって加熱され、加熱要素と接触された液体組成物に熱を伝達し、液体組成物を加熱することができる。その結果、エアロゾルが生成される。
【0037】
例えば、蒸気化器14は、カトマイザ(cartomizer)または霧化器(atomizer)とも称されるが、それらに限定されるものではない。
【0038】
一方、エアロゾル生成装置1は、バッテリ11、制御部12、ヒータ13、及び蒸気化器14以外に汎用的な構成をさらに含んでもよい。例えば、エアロゾル生成装置1は、視覚情報の出力が可能なディスプレイ及び/または触覚情報の出力のためのモータを含んでもよい。また、エアロゾル生成装置1は、少なくとも1つのセンサーを含んでもよい。また、エアロゾル生成装置1は、シガレット2が挿入された状態でも、外部空気が流入されたり、内部気体が流出されたりする構造にも作製される。
【0039】
図1ないし図3には、図示されていないが、エアロゾル生成装置1は、別途のクレードルと共に、システムを構成してもよい。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置1のバッテリ11の充電に用いられる。または、クレードルとエアロゾル生成装置1とが結合された状態で、ヒータ13が加熱されてもよい。
【0040】
シガレット2は、一般的な燃焼型シガレットと類似している。例えば、シガレット2は、エアロゾル生成物質を含む第1部分とフィルタなどを含む第2部分とに区分される。または、シガレット2の第2部分にも、エアロゾル生成物質が含まれてもよい。例えば、顆粒またはカプセルの形態に作られたエアロゾル生成物質が第2部分に挿入されてもよい。
【0041】
エアロゾル生成装置1の内部には、第1部分の全体が挿入され、第2部分は、外部に露出されうる。または、エアロゾル生成装置1の内部に、第1部分の一部だけ挿入され、第1部分及び第2部分の一部が挿入されてもよい。ユーザは、第2部分を口にした状態で、エアロゾルを吸入する。この際、エアロゾルは、外部空気が第1部分を通過することで生成され、生成されたエアロゾルは、第2部分を通過して、ユーザの口に伝達する。
【0042】
一例として、外部空気は、エアロゾル生成装置1に形成された少なくとも1つの空気通路を通じて流入される。例えば、エアロゾル生成装置1に形成された空気通路の開閉及び/または空気通路の大きさは、ユーザによって調節される。これにより、霧化量、喫煙感などがユーザによって調節される。他の例として、外部空気は、シガレット2の表面に形成された少なくとも1つの孔(hole)を介してシガレット2の内部に流入されてもよい。
【0043】
以下、図4及び図5を参照して、シガレット2の例を説明する。
【0044】
図4及び図5は、シガレットの例を示す図面である。
【0045】
図4を参照すれば、シガレット2は、タバコロッド21及びフィルタロッド22を含む。図1ないし図3を参照して上述した第1部分21000は、タバコロッドを含み、第2部分22は、フィルタロッド22を含む。
【0046】
図4には、フィルタロッド22が単一セグメントに図示されているが、それらに限定されない。言い換えれば、フィルタロッド22は、複数のセグメントで構成されてもよい。例えば、フィルタロッド22は、エアロゾルを冷却するセグメント及びエアロゾル内に含まれた所定の成分をフィルタリングするセグメントを含んでもよい。また、必要に応じて、フィルタロッド22には、他の機能を行う少なくとも1つのセグメントをさらに含んでもよい。
【0047】
シガレット2000は、少なくとも1つのラッパ24によって包装される。ラッパ24には、外部空気が流入されたり、内部気体が流出されたりする少なくとも1つの孔(hole)が形成される。一例として、シガレット2は、1つのラッパ24によって包装される。他の例として、シガレット2は、2以上のラッパ24によって重畳して包装されてもよい。例えば、第1ラッパ241によってタバコロッド21が包装され、ラッパ242、243、244によってフィルタロッド22が包装される。そして、単一ラッパ245によってシガレット2全体が再包装される。もし、フィルタロッド22が複数のセグメントで構成されているならば、それぞれのセグメントがラッパ242、243、244によっても包装される。
【0048】
タバコロッド21は、エアロゾル生成物質を含む。例えば、エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち、少なくとも1つを含んでもよいが、それらに限定されるものではない。また、タバコロッド21は、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含んでもよい。また、タバコロッド21には、メントールまたは保湿剤などの加香液が、タバコロッド21に噴射されることによって添加される。
【0049】
タバコロッド21は、多様に作製されうる。例えば、タバコロッド21は、シート(sheet)によっても作製され、ストランド(strand)によっても作製される。また、タバコロッド21は、タバコシートが細かく切られた刻みタバコによっても作製される。また、タバコロッド21は、熱伝導物質によって取り囲まれる。例えば、熱伝導物質は、アルミニウムホイルのような金属ホイルでもあるが、それに限定されない。一例として、タバコロッド21を取り囲む熱伝導物質は、タバコロッド21に伝達する熱を押し並べて分散させ、タバコロッドに加えられる熱伝導率を向上させ、それにより、タバコ味を向上させることができる。また、タバコロッド21を取り囲む熱伝導物質は、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタとしての機能を行うことができる。この際、図面に図示されていないが、タバコロッド21は、外部を取り囲む熱伝導物質以外にも追加のサセプタをさらに含んでもよい。
【0050】
フィルタロッド22は、酢酸セルロースフィルタでもある。一方、フィルタロッド22の形状には、制限がない。例えば、フィルタロッド22は、円柱状ロッドでもあり、内部に中空を含むチューブ状ロッドでもある。また、フィルタロッド22は、リセス状ロッドでもある。もし、フィルタロッド22が複数のセグメントで構成された場合、複数のセグメントのうち、少なくとも1つが異なる形状によって作製されてもよい。
【0051】
また、フィルタロッド22には、少なくとも1つのカプセル23が含まれる。ここで、カプセル23は、香味を発生させる機能も、エアロゾルを発生させる機能も行える。例えば、カプセル23は、香料を含む液体を被膜で覆い込んだ構造でもある。カプセル23は、球状または円筒状を有することができるが、それらに制限されるものではない。
【0052】
図5を参照すれば、シガレット3は、前端プラグ33をさらに含んでもよい。前端プラグ33は、フィルタロッド32に対向しない、タバコロッド31の一側に位置する。前端プラグ33は、タバコロッド31の分離を防止し、喫煙中にタバコロッド31から液状化されたエアロゾルがエアロゾル発生装置に流れて行くことを防止することができる。
【0053】
フィルタロッド32は、第1セグメント321及び第2セグメント322を含んでもよい。ここで、第1セグメント321は、図4のフィルタロッド22の第1セグメントに対応し、第2セグメント322は、図4のフィルタロッド22の第3セグメントに対応する。
【0054】
シガレット3の直径及び全長は、図4のシガレット2の直径及び全長に対応する。
【0055】
シガレット3は、少なくとも1枚のラッパ35によって包装される。ラッパ35には、外部空気が流入されたり、内部気体が流出されたりする少なくとも1つの孔(hole)が形成される。例えば、第1ラッパ351によって前端プラグ33が包装され、第2ラッパ352によってタバコロッド31が包装され、第3ラッパ353によって第1セグメント321が包装され、第4ラッパ354によって第2セグメント322が包装されてもよい。そして、第5ラッパ355によってシガレット3全体が再包装されてもよい。
【0056】
また、第5ラッパ355には、少なくとも1つの穿孔36が形成される。例えば、穿孔36は、タバコロッド31を取り囲む領域に形成されるが、それに制限されない。穿孔36は、図2及び図3に図示されたヒータ13によって形成された熱をタバコロッド31の内部に伝達する役割を行うことができる。
【0057】
また、第2セグメント322には、少なくとも1つのカプセル34が含まれる。ここで、カプセル34は、香味を発生させる機能も、エアロゾルを発生させる機能も行える。例えば、カプセル34は、香料を含む液体を被膜で覆い込んだ構造でもある。カプセル34は、球状または円筒状を有することができるが、それらに制限されるものではない。
【0058】
図6は、例示的な実施例によるエアロゾル生成装置600の構成を示すブロック図である。
【0059】
エアロゾル生成装置600は、制御部610、インターフェース620、ヒータ630、バッテリ640、センサー650、カウンタ660及びメモリ670を含んでもよい。しかし、図6に図示された構成要素より多いか、少ない構成要素によって、エアロゾル生成装置600が具現されてもよい。制御部610、ヒータ630及びバッテリ640は、図1ないし図3の制御部12、ヒータ13及びバッテリ11と同一構成でもあり、図1ないし図3を参照して説明した内容が同一に適用されうる。
【0060】
制御部610は、エアロゾル生成装置600の全般的な動作を制御する。例えば、制御部610は、センサー650及びカウンタ660によって獲得されたデータを処理して分析することができる。制御部610は、センシングデータによってバッテリ640からヒータ630への電力供給を開始または中断させうる。また、制御部610は、ヒータ630が所定の温度まで加熱されるか、適切な温度を保持するように、ヒータ630に供給される電力量、及び電力が供給される時間を制御することができる。また、制御部610は、インターフェース620の多様な入力情報及び出力情報を処理することができる。
【0061】
制御部610は、センサー650及びカウンタ660から出力されたデータ及び/またはメモリ670に保存されたデータを用いて、バッテリ640の残余寿命を推定することができる。例示的な実施例によれば、制御部610は、第1時点でのバッテリ640の最初出力電圧、第1時点より遅れた第2時点での現在出力電圧、及びカウンタ660によってカウントされた、第1時点及び第2時点の間のエアロゾル生成装置の使用回数のうち、少なくとも2つ以上に基づいて、バッテリ640の残余寿命を推定する。
【0062】
制御部610は、インターフェース620を介してバッテリ640の残余寿命に対する推定結果を出力しうる。例えば、制御部610は、多様な形態でバッテリ640の残余寿命に対する推定結果を出力することができる。例えば、制御部610は、インターフェース620を介して視覚的、聴覚的及び/または触覚的な情報を用いて、バッテリ640の残余寿命を示す数値、またはバッテリ640の残余寿命が正常動作範囲を外れたという警告メッセージを出力することができる。
【0063】
インターフェース620は、視覚情報を出力するディスプレイまたはランプ、触覚情報を出力するモータ、音情報を出力するスピーカ、ユーザから入力された情報を受信するか、ユーザに情報を出力する入/出力(I/O)インターフェーシング手段(例えば、ボタンまたはタッチスクリーン)や、データ通信を行うか、充電電力が供給されるための端子、外部デバイスと無線通信(例えば、WI-FI, WI-FI Direct, Bluetooth(登録商標), NFC(Near-Field Communication)など)を行うための通信インターフェーシングモジュールなどの多様なインターフェーシング手段を含んでもよい。但し、エアロゾル生成装置600は、前記例示された多様なインターフェーシング手段の一部のみを取捨選択して具現されてもよい。
【0064】
ヒータ630は、制御部610の制御によってバッテリ640から供給された電力によって電気的に加熱される。ヒータ630は、エアロゾル生成基質を加熱してエアロゾルを生成させる。
【0065】
バッテリ640は、エアロゾル生成装置600の動作に用いられる電力を供給する。具体的に、バッテリ640は、ヒータ630を加熱するための電力を供給することができる。また、バッテリ640は、エアロゾル生成装置600内に備えられた制御部610、インターフェース620、センサー650及びカウンタ660のような他のハードウェアの動作に必要な電力を供給することができる。
【0066】
センサー650は、パフ感知(puff detect)センサー(例えば、温度センサー、流量(flow)センサー、位置センサー、圧力センサーなど)、シガレット挿入感知センサー、バッテリ640の出力電圧を測定する電圧センサー、バッテリ640の放電電流を測定する電流センサー、ヒータ630の温度感知センサーなどの多様な種類のセンサーを含んでもよい。センサー650によってセンシングされたデータは、制御部610に伝達され、制御部610は、センシングデータを用いてバッテリ残余寿命推定、ヒータ温度の制御、喫煙の制限、シガレット挿入有無の判断、お知らせ表示のような多様な機能が行われるように、エアロゾル生成装置600を制御することができる。
【0067】
カウンタ660は、ユーザによるエアロゾル生成装置600の使用回数をカウントする。例示的な実施例によるカウンタ660は、センサー650によってセンシングされたデータに基づいて、エアロゾル生成装置600が使用されることを感知し、エアロゾル生成装置600の使用回数をカウントする。
【0068】
例示的な実施例によれば、カウンタ660は、パフ感知センサーによって感知されるユーザのパフ回数に基づいてエアロゾル生成装置600の使用回数をカウントすることができる。例えば、カウンタ660は、所定の時間内に感知されたパフ回数が所定の回数を超過する場合、エアロゾル生成装置600が1回使用された(例えば、1回の使用回数がカウントされた)と決定することができる。
【0069】
他の例示的な実施例において、カウンタ660は、温度センサーによって感知されたヒータ630の温度変化に基づいて、エアロゾル生成装置600の使用回数をカウントすることができる。例えば、カウンタ660は、メモリ670に保存された温度プロファイル及びヒータ630の温度変化に基づいて、エアロゾル生成装置600の使用回数をカウントすることができる。
【0070】
さらに他の例示的な実施例において、カウンタ660は、ヒータ630が所定の温度に予熱開始されるか、予熱によって所定の温度に到達した後、所定時間が経過すれば、エアロゾル生成装置600の使用回数を1回加算することができる。但し、カウンタ660がエアロゾル生成装置600の使用回数をカウントする方法は、前記例示に限定されない。
【0071】
カウンタ660は、図6において、制御部610と別個の構成要素であると図示されているが、カウンタ660は、制御部610、または他の構成要素に物理的または論理的に含まれてもよい。
【0072】
メモリ670は、エアロゾル生成装置600内で処理される各種データを保存するハードウェアである。メモリ670は、制御部610で処理されたデータ及び処理されるデータを保存することができる。メモリ670は、DRAM(dynamic random access memory), SRAM(static random access memory)のようなRAM(random access memory), ROM(read-only memory), EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)などの多様な種類のメモリによって具現される。
【0073】
例示的な実施例によれば、メモリ670は、バッテリ640の出力電圧、カウンタ660によってカウントされたエアロゾル生成装置600の使用回数、バッテリ640の残余寿命を推定するのに用いられるデータを保存することができる。
【0074】
図6の制御部610及びカウンタ660は、少なくとも1つ以上のプロセッサ(processor)によって具現される。これにより、制御部610及びカウンタ660は、マイクロプロセッサやコンピュータシステムのような他のハードウェア装置に含まれる。
【0075】
以下、例示的な実施例による制御部610がバッテリ640の残余寿命を推定する方法について説明する。
【0076】
制御部610は、第1時点でのバッテリ640の最初出力電圧、第1時点より遅れた第2時点でのバッテリ640の現在出力電圧、並びに第1時点及び第2時点の間でのエアロゾル生成装置600の使用回数のうち、少なくとも2つ以上に基づいて、バッテリ640の残余寿命を推定する。以下、バッテリ640の最初出力電圧は、充電終了直後のバッテリ640の出力電圧を意味する。この際、最初出力電圧に対応するバッテリ640の充電状態は、必ずしも満充填状態である必要はなく、バッテリ640が所定電圧(例えば、4.0V)以上の出力電圧を有するように充電されても十分である。
【0077】
例示的な実施例によれば、制御部610は、エアロゾル生成装置600の使用回数に基づいてバッテリ640の残余寿命を推定することができる。
【0078】
この例示的な実施例において、制御部610は、バッテリ640の最初出力電圧に基づいてエアロゾル生成装置600の使用可能回数を決定することができる。例えば、バッテリ640の最初出力電圧が満充填状態であるときに測定される場合、エアロゾル生成装置600の使用可能回数は、エアロゾル生成装置600の保証使用回数でもある。他の例において、バッテリ640の最初出力電圧が未充填時に測定される場合、バッテリ640及びエアロゾル生成装置600の特性によって既定の数学モデルに基づいて、エアロゾル生成装置600の使用可能回数が決定される。
【0079】
バッテリ640の他の出力電圧によるエアロゾル生成装置600の使用可能回数は、予めメモリ670に保存されているか、制御部610によって前記数学的モデルに基づいて算出される。
【0080】
制御部610は、カウントされた使用回数による予想消費電流と、エアロゾル生成装置600の決定された使用可能回数に対応する予想最初電流容量に基づいてバッテリ640の残余寿命を推定する。例示的な実施例において、制御部610は、カウントされた使用回数による予想消費電流及びエアロゾル生成装置600の遊休時間の間に消費された電流を示す遊休消費電流の和を、予想最初電流容量と比較して、バッテリ640の残余寿命を推定することができる。例えば、下記数式1は、バッテリ640の残余寿命を推定するために用いられる。
【0081】
【数1】
【0082】
数式1において、Rは、バッテリ640の残余電流容量を示し、Tは、待期時間を示し、Nは、カウンタによってカウントされた使用回数を示し、Nは、バッテリ640の最初出力電圧に基づいて決定された使用可能回数を意味する。
【0083】
カウントされた使用回数に基づいた予想消費電流は、エアロゾル生成装置600のカウントされた使用回数とエアロゾル生成装置600の1回使用当り予想消費電流Ibを乗算することで獲得される。使用可能回数に対応する予想最初電流容量は、使用可能回数とエアロゾル生成装置600の1回使用当り予想消費電流Ibと、決定された使用可能回数を乗算することで獲得される。エアロゾル生成装置600の遊休時間における消費電流は、待期時間(例えば、バッテリ640の充電終了後の総遊休時間)と時間当り待機消費電流(quiescent current, Ia)を乗算することで獲得される。
【0084】
バッテリ640の残余寿命は、バッテリ640の残余電流容量Rに基づいて推定される。“N*I”及び“T*I”の和が、“N*I”と同一である場合、制御部610は、バッテリ640が消耗していると判断することができる。
【0085】
一方、例示的な実施例による制御部610は、エアロゾル生成装置600の使用によって減少するバッテリ640の出力電圧に基づいてバッテリ640の残余寿命を推定することもできる。
【0086】
図7は、例示的な実施例によるエアロゾル生成装置600の使用によって減少するバッテリ640の出力電圧を示すグラフである。図8は、例示的な実施例によるバッテリ640の出力電圧グラフ及びバッテリ640の性能状態別予想電圧降下量を示す図面である。
【0087】
エアロゾル生成装置600が繰り返して使用されることにより、バッテリ640の出力電圧は、降下される。バッテリ640の充放電サイクルが繰り返されながら発生するサイクル劣化によってバッテリ640の直流抵抗が増加することにより、バッテリ640の出力電圧降下もサイクル数が増加するほど大きくなる。これにより、バッテリ640の最初出力電圧が同一であっても、バッテリ640の残余寿命が短いほど(すなわち、劣化程度が大きいほど)、同一時間でのバッテリ640の出力電圧降下量が大きくなる。図7を参照すれば、バッテリ640の最初出力電圧がVa1である時、同一時間での出力電圧降下は、サイクル数が増加するほど大きくなることを確認することができる。
【0088】
制御部610は、センサー650によってセンシングされたバッテリ640の最初出力電圧Va1及び降下された出力電圧Vbnを獲得する。降下された出力電圧Vbnは、カウントされた使用回数(例えば、n回)以後の降下された出力電圧であって、最近の使用(例えば、n回の使用)に対応する時点tnでの出力電圧を示す。制御部610は、最初出力電圧Va1から降下された出力電圧Vbnを減算し、バッテリ640の第1電圧降下量VDnを計算することができる。
【0089】
制御部610は、バッテリ640の第1予想電圧降下量及び第1電圧降下量VDnに基づいて、バッテリ640の残余寿命を推定することができる。
【0090】
第1予想電圧降下量は、最初出力電圧Va1及びカウントされた使用回数に基づいて予め決定されうる。第1予想電圧降下量は、バッテリ640が最高性能状態であるときの予想電圧降下量である第1最高性能予想電圧降下量VDmax、及びバッテリ640が最低性能状態であるときの予想電圧降下量である第1最低性能予想電圧降下量VDminを含んでもよい。図8を参照すれば、第1最高性能予想電圧降下量VDmaxは、バッテリ640のサイクルが1であるときの出力電圧グラフに基づいて決定され、第1最低性能予想電圧降下量VDminは、バッテリ640のサイクルが300であるときの出力電圧グラフに基づいて決定される。しかし、これは、例示に過ぎず、1つ以上の例示的な実施例に制限されるものではない。
【0091】
制御部610は、数式2のように第1最低性能予想電圧降下量VDmin、第1最高性能予想電圧降下量VDmax及び第1電圧降下量VDnに基づいて、バッテリ640の残余寿命を推定することができる。
【0092】
【数2】
【0093】
数式2は、制御部610が用いる第1比率Rに係わる数式を示す。
【0094】
制御部610は、第1最低性能予想電圧降下量VDminから第1電圧降下量VDnを減算した値(VDmin-VDn)と、第1最低性能予想電圧降下量VDminから第1最高性能予想電圧降下量VDmaxを減算した値VDmin-VDmaxの間の比率である第1比率Rを計算する。そして、制御部610は、第1比率Rに基づいてバッテリの残余寿命を推定する。例えば、制御部610は、第1比率Rの値が1に近いほど残余寿命が長いと判断し、0に近いほど残余寿命が短いと判断する。
【0095】
図9は、例示的な実施例によってエアロゾル生成装置600の1回使用中のバッテリ640の出力電圧を示すグラフである。
【0096】
例示的な実施例によるバッテリ640は、所定の放電率(例えば、1C)以上に放電する区間を有する。これは、短い時間区間の間に、大きい電流が消費されるときに発生する。そのような放電区間で、バッテリ640の出力電圧は大きく降下される。その場合、バッテリ640の残存寿命が十分に長くなければ、バッテリ640の出力電圧が放電終止電圧まで降下され、それにより、エアロゾル生成装置600の正常な動作ができなくなる。
【0097】
例示的な実施例による制御部610は、エアロゾル生成装置600の使用中に、バッテリ640が所定の放電率以上に放電される区間でバッテリ640の最低出力電圧Vcn’をさらに用いて、バッテリ640の残余寿命を推定することで、上のような問題を防止することができる。
【0098】
この例示的な実施例において、制御部610は、所定の放電率以上に放電される区間でのバッテリ640の最低出力電圧Vcn’をセンサー650から獲得することができる。例えば、バッテリ640が所定の放電率以上に放電される区間は、ヒータ630がエアロゾル生成基質を加熱するための予熱動作を行う区間でもあるが、それらに限定されない。例えば、センサー650は、ヒータ630の予熱動作開始後、所定の時間区間でバッテリ640の最低出力電圧Vcn’をセンシングして制御部610に伝達することができる。
【0099】
制御部610は、バッテリ640の最低出力電圧Vcn’を最初出力電圧Va1から減算し、所定の放電率以上に放電される区間でのバッテリ640の第2電圧降下量VDn’を計算する。
【0100】
制御部610は、バッテリ640が所定の放電率以上に放電される区間でのバッテリ640の第2予想電圧降下量及び前記第2電圧降下量VDn’を用いて、バッテリ640の残余寿命を推定する。
【0101】
第2予想電圧降下量は、最初出力電圧Va1及び所定の放電率に基づいて予め決定される。第2予想電圧降下量は、バッテリ640が最高性能状態であるときの予想電圧降下量である第2最高性能予想電圧降下量VDmax’、及びバッテリ640が最低性能状態であるときの予想電圧降下量である第2最低性能予想電圧降下量VDmin’を含んでもよい。例えば、第2最高性能予想電圧降下量VDmax’は、バッテリ640のサイクルが1であるときの出力電圧グラフに基づいて決定され、第2最低性能予想電圧降下量VDmin’は、バッテリ640のサイクルが300であるときの出力電圧グラフに基づいて決定されるが、1つ以上の例示的な実施例は、その限りではない。
【0102】
制御部610は、数式3のように第2最低性能予想電圧降下量VDmin’、第2最高性能予想電圧降下量VDmax’及び第2電圧降下量VDn’を用いて、バッテリ640の残余寿命を推定する。
【0103】
【数3】
【0104】
数式3は、制御部610が用いる第2比率Rに係わる数式を示す。
【0105】
制御部610は、第2最低性能予想電圧降下量VDmin’から第2電圧降下量VDn’を減算した値VDmin’-VDn’と、第2最低性能予想電圧降下量VDmin’から第2最高性能予想電圧降下量VDmax’を減算した値VDmin’-VDmax’との比率である第2比率Rを計算する。そして、制御部610は、第2比率Rに基づいてバッテリ640の残余寿命を推定する。例えば、制御部610は、第2比率Rの値が1に近いほど残余寿命が長いと判断し、0に近いほど残余寿命が短いと判断する。
【0106】
例示的な実施例によれば、制御部610は、前記数式2を用いて計算した第1比率Rと、前記数式3を用いて計算した第2比率Rのうち、さらに小さい比率に基づいてバッテリ640の残余寿命を推定する。
【0107】
図10は、例示的な実施例によるエアロゾル生成装置のバッテリ寿命推定方法を示すフローチャートである。
【0108】
段階S1010において、エアロゾル生成装置は、充電完了後のバッテリの最初出力電圧を測定することができる。
【0109】
段階S1020において、エアロゾル生成装置は、バッテリの最初出力電圧に基づいてエアロゾル生成装置の使用可能回数を決定することができる。
【0110】
段階S1030において、エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成装置の使用回数をカウントすることができる。
【0111】
段階S1040において、エアロゾル生成装置は、段階S1030でカウントされた使用回数によるエアロゾル生成装置の予想消費電流と、段階S1020で決定されたエアロゾル生成装置の使用可能回数による予想最初電流容量に基づいてバッテリの残余寿命を推定することができる。段階S1040は、カウントされた使用回数によるエアロゾル生成装置の予想消費電流とエアロゾル生成装置の遊休時間との消費電流の和を、エアロゾル生成装置の決定された使用可能回数によるエアロゾル生成装置の予想最初電流容量と比較することで、バッテリの残余寿命を推定する段階を含んでもよい。
【0112】
図11は、例示的な実施例によるエアロゾル生成装置のバッテリ寿命推定方法を示すフローチャートである。
【0113】
段階S1110において、エアロゾル生成装置は、充電完了後のバッテリの最初出力電圧を測定することができる。
【0114】
段階S1120において、エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成装置の使用回数をカウントすることができる。
【0115】
段階S1130において、エアロゾル生成装置は、カウントされた使用回数以後の最初出力電圧から降下された、バッテリの出力電圧を測定することができる。
【0116】
段階S1140において、エアロゾル生成装置は、バッテリの最初出力電圧及びバッテリの降下された出力電圧に基づいて、バッテリの残余寿命を推定することができる。
【0117】
図10及び図11はそれぞれ段階S1010ないし段階S1040及び段階S1110ないし段階S1140を順次に行うと記載されているが、これは、この例示的な実施例の概念を例示的に説明したものに過ぎない。本開示が属する技術分野の通常の知識を有する者であれば、本開示の本質的な特性から外れない範囲で図10及び図11に記載された順序を変更して行うか、1つ以上の段階を並列的に行うことで多様に変形して適用可能なもなので、図10及び図11は、時系列的な順序に限定されるものではない。
【0118】
また、図10及び図11の各段階には、図6ないし図9を参照して説明した内容のうち、各段階に係わる内容が同一に適用されうる。
【0119】
図1図3及び図6の制御部12、610、ユーザインターフェース620及びカウンタ660のように図面においてブロックで表現される構成要素、エレメント、モジュールまたはユニット(この段落では、総じて「構成要素」と称する)のうち、少なくとも1つは、一実施例によって、前述した個別的な機能を行う多様な数のハードウェア、ソフトウェア及び/またはファームウエア構造によって具現される。例えば、そのような構成要素のうち、少なくとも1つは、1つ以上のマイクロプロセッサまたは他の制御装置の制御を通じて個別的な機能を行うメモリ、プロセッサ、論理回路、ルックアップテーブルのような直接回路構造を用いてもよい。また、そのような構成要素のうち、少なくとも1つは、特定の論理機能を行うための1つ以上の実行可能な命令語を含むモジュール、プログラム、またはコードの一部によって具体的に具現され、1つ以上のマイクロプロセッサまたは他の制御装置によっても実行される。また、そのような構成要素のうち、少なくとも1つは、個別的な機能を処理する中央処理ユニット(CPU)、マイクロプロセッサのようなプロセッサを含むか、プロセッサによって具現される。そのような構成要素の2つ以上は結合されて1つの単一構成要素になり、該単一構成要素は、結合された2つ以上の構成要素の機能または動作の全てを行う。また、そのような構成要素のうち、少なくとも1つの機能の少なくとも一部は、そのような構成要素のうち、他の1つによって行われる。また、前述したブロック図にバスが図示されていなくても、構成要素間の連結は、バスを通じて行われる。前述した例示的な実施例の機能的側面は、1つ以上のプロセッサを行うアルゴリズムによって具現される。それに付け加えて、ブロックまたは処理段階によって表現される構成要素は、電子構成、信号処理及び/または制御、データ処理などのための任意の数の関連技術を用いてもよい。
【0120】
1つ以上の例示的な実施例によれば、エアロゾル生成装置の残余バッテリ寿命は、効果的に推定され、特定レベル以下にバッテリ性能が劣化することによる喫煙品質の低下を防止し、一貫した喫煙品質を保持することができる。
【0121】
この例示的な実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者は、前記記載の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態によって具現されるということを理解できるであろう。したがって、開示された方法は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されねばならない。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、請求範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての差は、本発明に含まれていると解釈されねばならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11