(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-10
(45)【発行日】2022-02-21
(54)【発明の名称】電子負荷装置及び放熱機能を具有する負荷モジュール
(51)【国際特許分類】
G01R 31/00 20060101AFI20220214BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20220214BHJP
H01L 23/467 20060101ALI20220214BHJP
【FI】
G01R31/00
H05K7/20 B
H05K7/20 H
H05K7/20 E
H01L23/46 C
(21)【出願番号】P 2020141199
(22)【出願日】2020-08-24
【審査請求日】2020-08-24
(32)【優先日】2019-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】505441638
【氏名又は名称】致茂電子股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Chroma Ate Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100107962
【氏名又は名称】入交 孝雄
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼建興
(72)【発明者】
【氏名】劉崇琳
(72)【発明者】
【氏名】周建車
【審査官】田口 孝明
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-009676(JP,A)
【文献】特開2012-247412(JP,A)
【文献】特開2004-020413(JP,A)
【文献】特開2005-010062(JP,A)
【文献】特開2006-113052(JP,A)
【文献】特開平01-103098(JP,A)
【文献】特開2006-010688(JP,A)
【文献】特開平10-253681(JP,A)
【文献】特開2012-078287(JP,A)
【文献】中国実用新案第201417283(CN,Y)
【文献】特開平07-254809(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G01R 31/00、
31/24-31/25、
H05K 7/20、
H01L 23/34-23/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マザーボード、負荷モジュールを含み、
上記マザーボードは、
複数の第一接続ポートを具有し、
上記負荷モジュールは、スレーブボードと放熱ユニットを含み、
上記スレーブボードは、第二接続ポートとパワーコンポーネントを接続するフットスロットを具有し、
該スレーブボードの上記第二接続ポートは、上記マザーボードの上記複数の第一接続ポートの中の一つと挿し抜き可能に接続され、
上記放熱ユニットは、筒状本体と
複数の放熱フィンを具有し、
該筒状本体の構造は、該筒状本体の外表面に
複数の上記放熱フィンを設けると共に、その内表面に上記フットスロットを接続した上記パワーコンポーネントが接して熱伝導する、
ことを特徴とする電子負荷装置の構造。
【請求項2】
更に、ファンユニットを備え、該ファンユニットは
前記放熱ユニットの筒状本体に相対して放熱フィンに送風するように配置し、負荷モジュールに対して着脱可能とした
ことを特徴とする請求項1記載の電子負荷装置の構造。
【請求項3】
更に、固定棒とストッパー部品を含み、
複数の前記放熱フィンに該固定棒を挿通して固定する第一定位部品を設け、
該ストッパー部品を前記マザーボード上に設置すると共に、上記固定棒を挿通する第二定位部品を設け、
該固定棒を該第一定位部品と該第二定位部品に通して連結することにより固定することを特徴とする請求項1記載の電子負荷装置の構造。
【請求項4】
前記スレーブボードの前記第二接続ポートは、前記マザーボードのプレート面に垂直な第一方向に沿って挿し抜きできるように複数の前記第一接続ポートのうちの一つと接続し、
且つ前記フットスロットは、前記スレーブボードの面に垂直な第二方向に沿って前
記パワーコンポーネントと接続し、該第一方向は該第二方向と相互に垂直であることを特徴とする請求項1記載の電子負荷装置の構造。
【請求項5】
複数の前記第一接続ポートは、前記第一方向と垂直な第三方向に沿って、等間隔に前記マザーボードの表面に配列してなる、
ことを特徴とする請求項4記載の電子負荷装置の構造。
【請求項6】
前記筒状本体の前記内表面は収納スペースを形成し、前記スレーブボードは前記第三方向にて、該収納スペースの少なくとも一部の開口を遮蔽することを特徴とする請求項5記載の電子負荷装置の構造。
【請求項7】
複数の前記放熱フィンは放熱ユニット外表面から延伸して形成され、且つスパイラル状に配列することを特徴とする請求項1記載の電子負荷装置の構造。
【請求項8】
放熱ユニット及びスレーブボードを含み、
上記放熱ユニットは、筒状本体と
複数の放熱フィンを具有し、
該筒状本体の構造は、該筒状本体の外表面に複数の上記放熱フィンを設けると共に、その内表面はパワーコンポーネントを収納する収納スペースを囲んで形成し、
上記スレーブボードは、
複数のパワーコンポーネントを固定すると共に複数の該
パワーコンポーネントは上記収納スペースの中に位置してその内表面に接して熱伝導し、
上記筒状本体はその収納スペースの一方の開口の一部を上記スレーブボードが遮蔽すること、
を特徴とする放熱機能を具有する負荷モジュールの構造。
【請求項9】
複数の前記放熱フィンは放熱ユニットの前記外表面から延伸して形成され、且つスパイラル状に配列することを特徴とする請求項8記載の放熱機能を具有する負荷モジュールの構造。
【請求項10】
放熱ユニットの前記内表面は複数の前記
パワーコンポーネントに対応した
複数のフラットエリアを具有し、該各フラットエリアは該各
パワーコンポーネントにそれぞれ接して接続される、ことを特徴とする請求項8記載の放熱機能を具有する負荷モジュールの構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一種の電子負荷装置及び負荷モジュールの構造に関し、特にモジュール化した電子負荷装置及び放熱機能を具有する負荷モジュールの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な使用状況及びニーズに応じるため、同一シリーズの製品にも異なる効能の型番号を持つ可能性がある。例えば電子負荷装置は異なる負荷電力に基づき、異なる規格の型番号を対応する可能性がある。一般的に、電子負荷装置の規格の型番号が異なるとしても、ただパワーコンポーネントの数に差異がある事情が多く、放熱構造は往々にして別途にデザインすることがなく、最大負荷電力を満たす放熱構造を採用する。例えば、仮に同一シリーズの電子負荷装置にそれぞれ500ワット、300ワットと100ワットの負荷電力を設計する必要がある際、業界では実用上に500ワットの規格で放熱構造をデザインし、そして前記の放熱構造を全ての規格の型番号に提供して使用する。共用の放熱構造を使用するメリットは、パーツの共用性をアップできることであり、各種の型番号の作業効能に影響を与えない情況の下で、研究開発コスト及び製造コストを低減する。
【0003】
しかし、コストを減らすと同時に、上述のやり方にはいくつかの欠点を伴う。例えば、500ワットの型番号に使用できる放熱構造を僅か100ワット或いは300ワットの規格の型番号に使用する際、規格上、オーバースペックであることは当然である。同時に過剰な放熱能力もまた過多の資源を浪費することになり、環境に不必要な負担をかける。この他、100ワット或いは300ワットの規格の型番号で500ワットの規格の型番号の放熱構造を使用させると、100ワット或いは300ワットの体積も大きくなり、軽量化することができないことを鑑みて、様々な負荷電力に対応できると同時に、資源の浪費を減少できる新しい電子負荷装置及び負荷モジュールの開発が必要であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-10688号公報
【文献】特開2002-90404号公報
【文献】特開平10-243681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、これらの問題を解決する電子負荷装置及び放熱機能を具有する負荷モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を解決するために、本発明は一種の電子負荷装置を提供し、モジュール化を具有する負荷モジュールである。ユーザーは異なる負荷電力のニーズに基づき、異なる数量の負荷モジュールを組み合わせることができる。よって、資源の浪費を下げることができ、低負荷電力の電子負荷装置の体積が大きくなるのを避けることができる。
【0007】
本発明は一種の電子負荷装置であって、マザーボード及び負荷モジュールを含む。マザーボードは複数個の第一接続ポートを具有し、負荷モジュールはスレーブボードと放熱ユニットを含む。スレーブボードは第二接続ポートとフットスロットを具有し、第二接続ポートは、前記複数個の第一接続ポートの中の一つと挿し抜きできるよう接続することができる。フットスロットはパワーコンポネントを接続するのに用いる。
放熱ユニットは筒状本体と複数個の放熱フィンを具有し、筒状本体の構造は、外表面と相対する内表面を具有し、前記複数個の放熱フィンを外表面に設置する。パワーコンポネントとフットスロットを接続する時、パワーコンポネントは内表面と密接に接して熱を伝導する。
【0008】
好適な実施例において、電子負荷装置は更にファンユニットを含む。ファンユニットは取り外せるように負荷モジュールと接続し、且つファンユニットの送風方向は内表面と垂直とする。この他、電子負荷装置は更に固定棒とストッパー部品を含む。前記複数個の放熱フィンの中の一つは、第一定位部品を具有し、ストッパー部品は第二定位部品を具有する。固定棒を第一定位部品と第二定位部品に通し、ストッパー部品をマザーボードに設置し、且つ前記複数個の第一接続ポートと同じ側に設置してこれらを一体に固定する。また、前記複数個の放熱フィンは外表面から延伸して突出し、且つ該放熱フィンはスパイラル状(spiral)を呈する。
【0009】
好適な実施例において、スレーブボードの第二接続ポートは前記マザーボードのプレート面に垂直な第一方向に沿って挿し抜きできるよう前記複数個の第一接続ポートのうちの一つと接続し、且つフットスロットはスレーブボードに垂直な第二方向に沿って、パワーコンポネントと接続し、第一方向は第二方向と垂直である。この他、前記複数個の第一接続ポートは第三方向に沿って、等間隔にマザーボードの表面に配列し、第三方向は第一方向と垂直である。また、筒状本体の内表面は収納スペースを囲み、スレーブボードは第三方向に相対して、収納スペースの少なくとも一部の開口を遮蔽する。
【0010】
上述の目的を解決するために、本発明は一種の放熱機能を具有する負荷モジュールを提供し、単独に電子負荷装置の中に組み立てることができる。また、負荷モジュールは独立したスレーブボードを具有し、それによりユーザーは異なる負荷電力のニーズに対応して、負荷モジュールを電子負荷装置のマザーボードに組み立てることができる。よって、資源の浪費を下げることができると同時に、低負荷電力の電子負荷装置の体積が無用に大きくなるのを避けることができる。
【0011】
上述の目的を解決するために、本発明は一種の放熱機能を具有する負荷モジュールを備え、放熱ユニット及びスレーブボードを含む。放熱ユニットは筒状本体と複数個の放熱フィンを具有し、筒状本体の構造は、外表面と相対する内表面を具有し、内表面は収納スペースを形成し、且つ前記複数個の放熱フィンを外表面に形成する。スレーブボードは複数個のパワーコンポネントを固定するのに用い、前記複数個のパワーコンポネントは上記収納スペースの中に位置し、且つそれぞれのパワーコンポーネントはその内表面に密接に接触する。放熱ユニットは更に筒状本体の両端である第一側及び第二側を有し、且つスレーブボードは第一側にて、収納スペースの少なくとも一部の開口を遮蔽する。
【0012】
幾つかの実施例において、前記複数個の放熱フィンは筒状本体の外表面から延伸して突出して形成し、且つ前記複数個の放熱フィンはスパイラル状を呈す。この他、筒状本体の内表面は複数個のフラットエリアを具有し、各一つのフラットエリアは前記複数個のパワーコンポネントの中の一つと密に接触するためのものであり、且つ前記複数個のフラットエリアは一つの平面になくそれぞれの面をなす。
【0013】
上記をまとめると、本発明で提供する電子負荷装置は、異なる負荷電力のニーズに基づき、マザーボードにて異なる数量の負荷モジュールを組み合わせることができる。この他、負荷モジュールは同じ放熱ユニットを使用できるため、ハイスペックパーツを共用することによってもたらすコストメリットがあるだけでなく、低負荷電力の規格の型番号において、過大な体積の放熱構造を使用するのを避けることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の電子負荷装置及び放熱機能を具有する負荷モジュールにより、ユーザーは異なる負荷電力のニーズに対応して、異なる数量の負荷モジュールを組み合わせることができる。また、負荷モジュールは同じ放熱ユニットを使用できるため、ハイスペックパーツを共用することによってもたらすコストのメリットがあるだけでなく、低負荷電力の電子負荷装置の体積が大きくなるのを避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一つの実施例である電子負荷装置の立体略図である。
【
図2】本発明の一つの実施例であるマザーボードの立体略図である。
【
図3】本発明の一つの実施例である負荷モジュールの立体略図である。
【
図4】本発明の一つの実施例である負荷モジュールのスレーブボード及びパワーコンポネントの立体略図である。
【
図5】本発明の一つの実施例である負荷モジュールの放熱ユニットの立体略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
〔実施例〕
【0017】
以下に、本発明の特徴、目的及び機能について説明する。なお、以下の内容は本発明の実施例の説明であって、本発明の範囲を制約するものではない。本技術に熟知する者が、これらの記載に基づいて行う変更や調整は本発明の範囲に含まれる。
【0018】
図1に示すのは、本発明の一実施例である電子負荷装置の立体略図である。
図1に示すように、電子負荷装置1に含まれるのはマザーボード10及び複数個の負荷モジュール12a~12dであり、負荷モジュール12dの片側はファンユニット14を接続する。
図1にマザーボード10に搭載した4つの負荷モジュール12a~12dを示すが、本実施例では負荷モジュールの実際の数量には制約はない。例えば、電子負荷装置1は一つの負荷モジュール12aのみ、或いは更に多くの負荷モジュールを含むことができる。この他、負荷モジュール12a~12dには同じ或いは異なる負荷電力を設定することができる。例えば、負荷電力が同じである場合、複数個の負荷モジュール同士は、外観或いはサイズ的にもほぼ同じにすることができる。また、電子負荷装置1は一つの外ケース(図に未掲載)を備えることもでき、マザーボード10、複数個の負荷モジュール12a~12d及びファンユニット14は全て外ケースの中に設置することができる。
以下にそれぞれ電子負荷装置1の各部の部品について説明を行う。
【0019】
説明に合わせて
図1及び
図2を参照されたい。
図2は本発明の一つの実施例に基づくマザーボードの立体略図である。図に示すように、マザーボード10はプレート100、プレート100に設置する複数個の第一接続ポート102a~102g及び外部接続ポート104を具有する。プレート100は一種のプリント基板であって、また内部にレイアウトサーキット(Layout circuit)を設ける。
前記のレイアウトサーキットを用いて第一接続ポート102a~102g及び外部接続ポート104を電気接続する。ここにおいて、第一接続ポート102a~102gは相対応する数の負荷モジュール12a~12dと電気接続できるだけの数があればよい。また、外部接続ポート104は外部の電源端子或いは制御端子と電気的に接続して、電流或いは制御シグナルが供給される。到来技術分野では、通常の知識を持つ者であれば、自由に第一接続ポート102a~102g及び外部接続ポート104の規格を選択することができる。
また、本実施例では、第一接続ポート102a~102g及び外部接続ポート104をプレート上に設置する位置に格別の制約はない。例えば、第一接続ポート102a~102gは一つの方向(即ち第三方向に沿って)において、等間隔にプレート100の上に配列することができ、外部接続ポート104はプレート100の縁に位置することができる。
【0020】
この他、本実施例でも第一接続ポートの数に制限該はない。図に示すプレート100には7つの第一接続ポート102a~102gを設置するが、第一接続ポートの数は必要に応じて増減することができる。例えば、第一接続ポートの数は電子負荷装置1の最大負荷電力と対応する。例を挙げると、第一接続ポートの数が多いほど、電子負荷装置1は更に高い負荷電力を具有することができる。実用上、全ての第一接続ポート102a~102gはそれぞれ一つの負荷モジュールに対応することができる。例えば図に示した接続ポート102aは負荷モジュール12aに対応し、接続ポート102bは負荷モジュール12bに対応する。
仮にそれぞれの負荷モジュールを100ワットの負荷電力として積算すると、マザーボード10は7つの第一接続ポート102a~102gを具有するため、マザーボード10は100ワットから700ワットの間の負荷電力に対応できるといえる。また、
図1の本実施例に示す電子負荷装置1のマザーボード10は、4つの負荷モジュール12a~12dと接続するため、負荷電力が400ワットの規格の型番号に対応することができる。
もちろん、異なる負荷電力の規格の型番号もまた、異なるマザーボードに使用することができる。例えば400ワットの規格の型番号にもちょうど4つの第一接続ポートのみを具有することができるが、本実施例ではこれらの数量の制約はない。
【0021】
また、第一接続ポート102a~102gは必ずしも全て負荷モジュールに接続することはない。例えば第一接続ポートと負荷モジュールの数が異なることもできる。図で分かるように、第一接続ポート102fと第一接続ポート102gもまた負荷モジュールと接続することなしに空けることができる。もちろん実用上、ほかの第一接続ポートを選んで空けることもできるのであって、本実施例でも接続する第一接続ポートに制約はない。
また、他の例として電子負荷装置1の負荷電力は更に、全ての負荷モジュールのパワーコンポーネントの規格とも関連し、例えばパワーコンポーネントの負荷電力が高いほど、電子負荷装置1は同じ数の負荷モジュールと接続しても更に高い負荷電力を提供することができる。
以上の説明の趣旨は、本実施例ではこれらの第一接続ポートと負荷電力容量と関係で組み合わせの可能性を示したのみであり、電子負荷装置1が使用できる負荷電力の範囲を制約するものであると解すべきでない。
【0022】
詳しく本実施例の負荷モジュールを説明するために、合わせて
図1から
図5を参照されたい。
図3は本発明の一実施例の負荷モジュールの立体略図である。
図4は本発明の一実施例の負荷モジュールのスレーブボードとパワーコンポネントの立体略図である。
図5は本発明の一実施例の負荷モジュールの放熱ユニットの立体略図である。
図に示すように、
図3から
図5は負荷モジュール12a~12dの中の一つを選択して示す。負荷モジュール12aを例に挙げると、負荷モジュール12aはスレーブボード120と放熱ユニット122を含み、スレーブボード120は第二接続ポート1200とフットスロット1202を具有する。
例えば、第二接続ポート1200は、
図2に示す第一接続ポート102aのように前記複数個の第一接続ポート102a~102gの中の一つと挿し抜きできるよう接続する。第一接続ポート102a~102gは同じ規格を具有することにより、負荷モジュール12aもまた、その他の第一接続ポートと接続することが可能である。一つの例において、スレーブボード120はプレート100と同じく一種のプリント基板であって、内部にレイアウトサーキットを設けたものとすることができる。前記のレイアウトサーキットは第二接続ポート1200とフットスロット1202とを電気接続する。ここにおいて、フットスロット1202は更にパワーコンポネント1204を接続する。外部の電源端子から供給される電流は、外部接続ポート104、プレート100を経て第一接続ポート102aまで、更に第二接続ポート1200からスレーブボード120、フットスロット1202を経て、パワーコンポネント1204まで流れる。
【0023】
図に示すように、第二接続ポート1200はプレート100と垂直となる方向(即ち第一方向に沿って)から第一接続ポート102aと挿し抜きすることができ、スレーブボード120はプレート100の表面上に立設することができる。ここにおいて、本実施例は第二接続ポート1200の規格には格別の制約はない。ただ、第一接続ポート102aと第二接続ポート1200は互いに接続することができ、且つ電流を送り或いはシグナルを制御できれば、本実施例において述べる第二接続ポート1200の範疇に属する。
この他、フットスロット1202はスレーブボード120にある一つ或いは複数個の貫通穴(via)を設けて、それを通してパワーコンポネント1204の接続ピン(pin)をフットスロット1202に挿入することができる。よってパワーコンポネント1204はスレーブボード120内部のレイアウトサーキットと電気接続することができる。この時、パワーコンポネント1204は垂直に(即ち第二方向に沿って)スレーブボード120にあるフットスロット1202に挿入する。つまり、フットスロット1202はパワーコンポネント1204を設置する部位とする。一つの例において、スレーブボード120には複数個のフットスロット1202を設置することができる。例えば
図4に示すスレーブボード120には3つのフットスロット1202を設けており、且つそれぞれのフットスロット1202はいずれも一つのパワーコンポネント1204と接続する。
【0024】
実用上、パワーコンポネント1204は作動時に高熱を生じるため、複数個のフットスロット1202は大体一定距離の間隔が開けられ、パワーコンポネント1204が互いに接触するのを避けなければならない。
また、放熱するために負荷モジュール12aは更に放熱ユニット122を具有する。放熱ユニット122は筒状本体1220を具有し、筒状本体1220の構造は、外表面1222と相対する内表面1224を具有し、外形状において筒状本体1220は中空の構造であって、それにより内表面1224は収納スペースS1を形成する。図で分かるように、内表面1224は収納スペースS1を囲んで区画するが、収納スペースS1を封鎖するためのものではない。例えば収納スペースS1は筒状本体1220の両サイドを開口とすることができる。スレーブボード120と放熱ユニット122を組み立てる際、スレーブボード120は筒状本体1220の一つの側面としっかり接触し、それぞれのパワーコンポーネント1204は内表面1224と接触すると共に、スレーブボード120は収納スペースS1の一部の開口を遮蔽する。
【0025】
図の例でいうと、パワーコンポネント1204はほぼ立方体の形であるため、それぞれのパワーコンポネント1204をより密接して放熱ユニット122の内表面1224と接触させるために、内表面1224には平坦なフラットエリア1224aを具有し、パワーコンポネント1204と密着して接触する。即ちフラットエリア1224aとパワーコンポネント1204は相対して接する一対一の関係としてパワーコンポネント1204の片側面は内表面1224に熱伝導を行うことができる。つまり、スレーブボード120に設置するパワーコンポネント1204の数に応じて、これに接する筒状本体1220の内表面1224の形状或いはフラットエリア1224aの数を決定する。
1例を挙げると、スレーブボード120には電気接続した3つの三辺形(三角形)に配列したパワーコンポネント1204があり、筒状本体1220の内表面1224の3つの平面からなるフラットエリア1224aと対応することで、3つのパワーコンポネント1204はいずれも平坦な内表面1224と密接に接触することができる。
【0026】
この他、スレーブボード120と放熱ユニット122を組み立てる際、本実施例ではスレーブボード120と放熱ユニット122を固定するか否かに制約はない。実用上、パワーコンポネント1204が仮に筒状本体1220の内表面1224のフラットエリア1224aと密着して貼合すると、熱伝導効率を上げるのに役立つはずである。例えば、パワーコンポネント1204は熱伝導性接着剤を用いて、内表面1224のフラットエリア1224aに貼付することができる。或いは、直接パワーコンポネント1204を内表面1224のフラットエリア1224aに固定、或いは掛合する。
一つの例において、パワーコンポネント1204は、収納スペースS1中に収用してパワーコンポネント1204を内表面1224のフラットエリア1224aと接触するのみでもよく、格別にパワーコンポネント1204を内表面1224のフラットエリア1224aに粘着或いは固定しないこともできる。
【0027】
また、筒状本体1220の外表面1222は複数個の放熱フィン1226を設けて、放熱フィン1226の外形はスパイラル状を呈することで、風を受ける面積を広くすることができる。この他、放熱フィン1226の役割は、熱を放出させることができるほか、一部の放熱フィン1226は定位部品1228(第一定位部品)を具有する。
実用上、角に位置する放熱フィン1226はいずれも定位部品1228を設置することができ(
図5参照)、定位部品1228は複数個を具有し、且つ対称に配列することができる。もちろん本実施例においては、定位部品1228の位置に制約はなく、定位部品1228が
図1にある固定棒16を掛合するのに用いることができるものであれば、本実施例にて言及する定位部品1228の範疇に入る。
実際の例を挙げて説明する。負荷モジュール12a~12dはそれぞれ第一接続ポート102a~102dと接続する際、単純に第一接続ポート102aと第二接続ポート1200が互いに接続することで負荷モジュール12a~12dを固定することは、構造上比較的弱く、且つ安定性が不足する場合がある。この時、電子負荷装置1は複数個の固定棒16を介し、負荷モジュール12a~12dの中にあるそれぞれの放熱ユニット122を一緒にロックすることで、構造上比較的強固なものとなる。もちろん、本実施例では必ずしも固定棒16が必要であるとする制約はなく、例えば電子負荷装置1の外ケースは、マザーボード10と負荷モジュール12a~12dの相対位置を固定するのに用いることも可能であり、強度上の要件を満たせば固定棒16が欠如しても、電子負荷装置1の機能に影響するほどのことはない。
【0028】
この他、マザーボード10のプレート100には、また取り外すことのできるストッパー部品10a、10bを設置することができる。ユーザーは負荷モジュールの数に基づき、ストッパー部品10a、10bの設置場所を決定することができる。
図1を例に挙げると、マザーボード10は4つの負荷モジュール12a~12dを接続し、ストッパー部品10aは負荷モジュール12aの片側に設置してストッパー10bを負荷モジュール12dの他の側に設置することで負荷モジュール12a~12dをストッパー部品10a、10bの間に概ね挟むようにする。
また、ストッパー10a、10bには更に貫通穴(第二定位部品)を設置することができ、それにより固定棒16はストッパー部品10a、10b及び負荷モジュール12a~12dのそれぞれの放熱ユニット122を全て一緒に連結することができる。ストッパー部品10a、10bは直接プレート100の上に固定するため、第一接続ポート102aと第二接続ポート1200が互いに接続する負荷モジュール12a~12dと比較して、より頑丈にすることができる。
前述のように、本実施例では必ずしもストッパー部品10a、10bを必要とするよな制約はない。例えば電子負荷装置1の外ケースは、負荷モジュール12a~12dを挟むのに使用できるので、ストッパー部品10a、10bが欠如しても、電子負荷装置1の機能に影響するほどのことはない。
【0029】
放熱フィン1226の放熱する効率を上げるために、電子負荷装置1にはファンユニット14を設置することができ、気流を発生させて、放熱フィン1226の熱を効果的に放出させることができる。
一例として、ファンユニット14の送風方向は、スレーブボード120に向って、或いは第一接続ポート102a~12gの配列方向と同じである。筒状本体1220の片側の開口がスレーブボード120によって遮蔽されているため、収納スペースS1には比較的少ない気流が入り、多くの気流は放熱フィン1226を通る。
図1に示すように、ファンユニット14をストッパー部品10bの上方に設置するが、実用上ファンユニット14は別側のストッパー部品10aの上方に設置することもできる。同様にして、ファンユニット14もまた貫通穴を設けて、それにより固定棒16はストッパー部品10a、10b、負荷モジュール12a~12dのそれぞれの放熱ユニット122及びファンユニット14を全て一体に連結することができる。一例として、ストッパー部品10a、10bが無くてもファンユニット14もまた固定棒16を直接負荷モジュール12a~12dに連結することができる。ファンユニット14を電子負荷装置1の外ケースに固定することも可能であり、本実施例ではこれらの構造に格別の制約はない。
【0030】
上記をまとめると、本発明にて提供する電子負荷装置は、マザーボード上で異なる数量の負荷モジュールを組み立てることにより異なる負荷電力のニーズに対応することができる。この他、負荷モジュールは同じ放熱ユニットを使用できるため、ハイスペックパーツを共用することによってもたらすコストのメリットがあるだけでなく、低負荷電力のニーズに対して過大な体積の放熱構造を使用することを避けることができる。
【符号の説明】
【0031】
1 電子負荷装置
10 マザーボード
10a、10b ストッパー部品
100 プレート
102a~102g 第一接続ポート
104 外部接続ポート
12a~12d 負荷モジュール
120 スレーブボード
1200 第二接続ポート
1202 フットスロット
1204 パワーコンポネント
122 放熱ユニット
1220 筒状本体
1222 外表面
1224 内表面
1224a フラットエリア
1226 放熱フィン
1228 定位部品
14 ファンユニット
16 固定棒
S1 収納スペース