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  • 特許-斫り装置の作動方法及び斫り装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-10
(45)【発行日】2022-02-21
(54)【発明の名称】斫り装置の作動方法及び斫り装置
(51)【国際特許分類】
   E04G 23/08 20060101AFI20220214BHJP
   E02F 3/36 20060101ALI20220214BHJP
   B02C 1/00 20060101ALI20220214BHJP
   B28D 1/26 20060101ALI20220214BHJP
【FI】
E04G23/08 C
E02F3/36 A
B02C1/00 Z
B28D1/26
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018176112
(22)【出願日】2018-09-20
(65)【公開番号】P2020045704
(43)【公開日】2020-03-26
【審査請求日】2020-12-24
(73)【特許権者】
【識別番号】518095840
【氏名又は名称】水野建設工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092680
【弁理士】
【氏名又は名称】入江 一郎
(72)【発明者】
【氏名】水 野 勝 也
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】特公昭50-013505(JP,B1)
【文献】特開2017-105556(JP,A)
【文献】実開昭59-173579(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 23/08
E02F 3/36
B02C 1/00
B28D 1/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台と、
この基台の一方側に取り付けられた移動可能な支持腕と、
この支持腕の先端に取り付けた斫り機能を有する斫り機と、
この斫り機を操作すると共に、前記基台の他方側に取り付けられた操作部と、
平面視、前記操作部と前記支持腕との間であって、前記基台に取り付けられた蓄電池
と、
前記基台に搭載されると共に、前記斫り機を油圧によって駆動する油圧装置とを備えた斫り装置の作動方法であって、
前記支持腕、前記操作部、前記蓄電池及び前記油圧装置を搭載した前記基台の下部に
ハンドリフトの爪を位置させ、前記爪を前記基台の下部に当接して持ち上げ、前記ハンド
リフトを使って、作業現場へ運搬し、
運搬後、前記基台を前記作業現場設置し、前記斫り機を作動させる
ことを特徴とする斫り装置の作動方法。
【請求項2】
操作部から見て、手前側に第1の一対のアウトリガー及び奥側に第2の一対のアウト
リガーが基台に取り付けられ、
平面視、前記基台は、略四角形である斫り装置の作動方法であって、
前記基台の運搬中は、操作部から見て、前記第1の一対のアウトリガー及び前記第2
の一対のアウトリガーが前記基台の幅寸法より外側に出ないようにし、
斫り機を作動させる前に、前記操作部から見て、前記第1の一対のアウトリガー及び
前記第2の一対のアウトリガーが前記操作部から見て、前記基台の幅寸法より外側に張り
出し、前記第1の一対のアウトリガー及び前記第2の一対のアウトリガーを作業現場に設
する
ことを特徴とする請求項1記載の斫り装置の作動方法。
【請求項3】
基台と
この基台の一方側に取り付けられた移動可能な支持腕と、
この支持腕の先端に取り付けた斫り機能を有する斫り機と、
この斫り機を操作すると共に、前記基台の他方側に取り付けられた操作部と、
平面視、前記操作部と前記支持腕との間であって、前記基台に取り付けられた蓄電池
と、
前記基台に搭載されると共に、前記斫り機を油圧によって駆動する油圧装置と、
前記支持腕、前記操作部、前記蓄電池及び前記油圧装置を搭載した前記基台の下部に
爪を位置させ、前記爪を前記基台の下部に当接して持ち上げ、作業現場へ運搬するハンド
リフトとを備え、
前記油圧装置内の油は、前記蓄電池を駆動源とする油圧モーターにより油圧ポンプを
動かして前記油圧装置内に供給されるものであり、
前記操作部から見て、手前側に第1の一対のアウトリガー及び奥側に第2の一対のアウトリガーが基台に取り付けられ、
平面視、前記基台は、略四角形で、
前記基台の運搬中は、前記操作部から見て、前記第1の一対のアウトリガー及び前記第2の一対のアウトリガーが前記基台の幅寸法より外側に出ないようにし、
前記斫り機を作動させる前に、前記操作部から見て、前記第1の一対のアウトリガー及び前記第2の一対のアウトリガーが前記操作部から見て、前記基台の幅寸法より外側に張り出し、前記第1の一対のアウトリガー及び前記第2の一対のアウトリガーを作業現場に設置する
ことを特徴とする斫り装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、斫り装置の作動方法及び斫り装置に係り、特に、作業現場が狭い場所に好適な斫り装置の作動方法及び斫り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、エアーピックハンマー、エアーブレーカーの空圧工具の手持ち式機械を用いて、建設現場でコンクリートで作られた壁、土間等の構造物を破砕する場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
空圧工具の手持ち式機械を用いる場合、エアタンク、動力源としてコンプレッサー等が必要で大掛かりとなり、しかも、特に、作業現場が狭い通路を通らなければならない場合にあっては、作業現場へエアタンク、動力源としてコンプレッサー等を搬入せねばならず、作業性が良好でないと共に、場合によっては、作業現場に搬入できないという問題点があった。
【0004】
本発明は、上記要望に対応した作業現場が狭い場所に好適な斫り装置の作動方法及び斫り装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の斫り装置の作動方法は、基台と、この基台の一方側に取り付けられた移動可能な支持腕と、この支持腕の先端に取り付けた斫り機能を有する斫り機と、この斫り機を操作すると共に、前記基台の他方側に取り付けられた操作部と、平面視、前記操作部と前記支持腕との間であって、前記基台に取り付けられた蓄電池と、前記基台に搭載されると共に、前記斫り機を油圧によって駆動する油圧装置とを備えた斫り装置の作動方法であって、前記支持腕、前記操作部、前記蓄電池及び前記油圧装置を搭載した前記基台の下部にハンドリフトの爪を位置させ、前記爪を前記基台の下部に当接して持ち上げ、前記ハンドリフトを使って、作業現場へ運搬し、運搬後、前記基台を前記作業現場設置し、前記斫り機を作動させるものである。
【0006】
また、請求項2記載の斫り装置の作動方法は、請求項1記載の斫り装置の作動方法において、操作部から見て、手前側に第1の一対のアウトリガー及び奥側に第2の一対のアウトリガーが基台に取り付けられ、平面視、前記基台は、略四角形である斫り装置の作動方法であって、前記基台の運搬中は、操作部から見て、前記第1の一対のアウトリガー及び前記第2の一対のアウトリガーが前記基台の幅寸法より外側に出ないようにし、斫り機を作動させる前に、前記操作部から見て、前記第1の一対のアウトリガー及び前記第2の一対のアウトリガーが前記操作部から見て、前記基台の幅寸法より外側に張り出し、前記第1の一対のアウトリガー及び前記第2の一対のアウトリガーを作業現場に設置するものである。
【0007】
また、請求項3記載の斫り装置は、基台と、この基台の一方側に取り付けられた移動可能な支持腕と、この支持腕の先端に取り付けた斫り機能を有する斫り機と、この斫り機を操作すると共に、前記基台の他方側に取り付けられた操作部と、平面視、前記操作部と前記支持腕との間であって、前記基台に取り付けられた蓄電池と、前記基台に搭載されると共に、前記斫り機を油圧によって駆動する油圧装置と、前記支持腕、前記操作部、前記蓄電池及び前記油圧装置を搭載した前記基台の下部に爪を位置させ、前記爪を前記基台の下部に当接して持ち上げ、作業現場へ運搬するハンドリフトとを備え、 前記油圧装置内の油は、前記蓄電池を駆動源とする油圧モーターにより油圧ポンプを
動かして前記油圧装置内に供給されるものであり、前記操作部から見て、手前側に第1の一対のアウトリガー及び奥側に第2の一対のアウトリガーが基台に取り付けられ、平面視、前記基台は、略四角形で、前記基台の運搬中は、前記操作部から見て、前記第1の一対のアウトリガー及び前記第2の一対のアウトリガーが前記基台の幅寸法より外側に出ないようにし、前記斫り機を作動させる前に、前記操作部から見て、前記第1の一対のアウトリガー及び前記第2の一対のアウトリガーが前記操作部から見て、前記基台の幅寸法より外側に張り出し、前記第1の一対のアウトリガー及び前記第2の一対のアウトリガーを作業現場に設置するものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の斫り装置の作動方法によれば、支持腕、操作部、蓄電池及び油圧装置を搭載した基台に移動機能を持たせず、その分、基台をコンパクトにすることができ、基台の移動は、狭い場所においての移動が可能なハンドリフトの利点を活かすことができ、しかも、平面視、操作部と支持腕との間であって、前記基台に取り付けられた蓄電池の重量により、斫り機の動作を安定させることができ、加えて、支持腕から遠い側である基台の他方側に操作部が取り付けられているため、作業者が斫り機による微細な斫り片を吸引するのを防ぐことができる。
【0010】
また、請求項2記載の斫り装置の作動方法によれば、上述した請求項2記載の発明の効果に加え、基台の運搬中は、操作部から見て、第1の一対のアウトリガー及び第2の一対のアウトリガーが基台の幅寸法より外側に出ないようにして、狭い場所においての移動を可能とし、斫り機を作動させる前に、操作部から見て、第1の一対のアウトリガー及び第2の一対のアウトリガーが操作部から見て、基台の幅寸法より外側に張り出し、第1の一対のアウトリガー及び第2の一対のアウトリガーを作業現場に設置されるようにして、斫り機の動作を安定させることができる。
【0011】
また、請求項3記載の斫り装置によれば、支持腕、操作部、蓄電池及び油圧装置を搭載した基台に移動機能を持たせず、その分、基台をコンパクトにすることができ、基台の移動は、狭い場所においての移動が可能なハンドリフトの利点を活かすことができ、しかも、平面視、操作部と支持腕との間であって、前記基台に取り付けられた蓄電池の重量により、斫り機の動作を安定させることができ、加えて、支持腕から遠い側である基台の他方側に操作部が取り付けられているため、作業者が斫り機による微細な斫り片を吸引するのを防ぐことができる。また、前記基台の運搬中は、操作部から見て、前記第1の一対のアウトリガー及び前記第2の一対のアウトリガーが基台の幅寸法より外側に出ないようにして、狭い場所においての移動を可能とし、斫り機を作動させる前に、操作部から見て、第1の一対のアウトリガー及び第2の一対のアウトリガーが操作部から見て、基台の幅寸法より外側に張り出し、第1の一対のアウトリガー及び第2の一対のアウトリガーを作業現場に設置されるようにして、斫り機の動作を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の一実施例の斫り装置をハンドリフトにより施行場所へ移動中の概略的側面図である。
図2図2は、図1の斫り装置をハンドリフトにより施行場所へ移動した状態の概略的側面図である。
図3図3は、図2の斫り装置を施行場所へ移動した後、斫り装置からハンドリフトを離脱させると共に、アウトリガーで斫り装置を設置し、作動状態の概略的側面図である。
図4図4は、図3の斫り装置の概略的平面図である。
図5図5は、図1の斫り装置に使用される油圧装置の概略的構成図である。
図6図6は、図1の斫り装置に使用される第2の一対のアウトリガーが基台の幅寸法の外側に出ないようにした状態の写真である。
図7図7は、図6の斫り装置に使用される第2の一対のアウトリガーが基台の幅寸法の外側に張り出した状態の写真である。
図8図8は、図3の斫り装置に使用される操作部の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施例の斫り装置の作動方法及び斫り装置を図面(図1乃至図8)を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施例の斫り装置HをハンドリフトLにより施行場所へ移動中の概略的側面図であり、図3は、図2の斫り装置Hを施行場所へ移動した後、斫り装置HからハンドリフトLを離脱させると共に、アウトリガー101、102で斫り装置Hを設置し、斫り装置Hの作動状態の概略的側面図である。
【0015】
斫り装置Hは、建設現場でコンクリートで作られた壁、土間等の構造物Cを破砕する場合に使用されるもので、作業現場が狭い場所に好適な装置で、斫り装置Hの運搬は、ハンドリフトLによって行う。
なお、ハンドリフトLは、後述する支持腕2、操作部4、蓄電池5及び油圧装置Uを搭載した基台1の下部にハンドリフトLの爪L1を位置させ、爪L1を基台1の下部に当接して持ち上げ、作業現場へ運搬するもので、ハンドリフトLは、ハンドパレットトラック、パレットジャッキ、パレットトラック、ハンドリフト、ハンドフォーク、キャッチパレ(をくだ屋技研 の商標)、ビシャモン(スギヤスの商標)、ハンドプラッター等と呼ばれるものである。
【0016】
図1に示す1は基台で、基台1の一方側に支持腕2が取り付けられ、支持腕2は、移動可能(例えば、上下、左右任意の位置に移動可能)なものである。
支持腕2は、基台1から順にブーム21、アーム22、バケット23、ブレーカー24を有する。
支持腕2の先端(具体的には、ブレーカー24の先端)に斫り機能を有する斫り機(例えば、鑿)3が取り付けられ、斫り機(例えば、鑿)3は、建設現場でコンクリートで作られた壁や土間などの構造物Cを壊すものである。
【0017】
図1に示す4は基台1の他方側に取り付けられた操作部で、操作部4は、斫り機3を操作(上下、左右任意の位置に操作)するものである。
操作部4には、図5及び図8に示すように、アウトリガー左前シリンダー用方向制御弁102a’を制御する左前レバー41、アウトリガー左後シリンダー用方向制御弁101a’を制御する左後レバー42、アウトリガー右後シリンダー用方向制御弁101b’を制御する右後レバー43、アウトリガー右前シリンダー用方向制御弁102b’を制御する右前レバー44、ブレーカーシリンダー用方向制御弁9’を制御するブレーカレバー45、ブーム用方向制御弁10’を制御するブームレバー46、スウィング用方向制御弁11’制御するスウィングレバー47、アーム用方向制御弁12’を制御するアームレバー48、バケット用方向制御弁13’を制御するバケットレバー49が設けられている。 また、図5に示す9はブレーカーシリンダー、10はブームシリンダー、11はスウィングシリンダー、12はアームシリンダー、13はバケットシリンダー、X、Yは、レリーフ弁である。
【0018】
そして、図8に示すブレーカレバー45を前に押すと、ブレーカー24が作動、ブームレバー46を引くとブーム21が上昇、ブームレバー46を押すとブーム21が下降、
スウィングレバー47を引くと平面視(図4参照)作業者から見て支持腕2が右旋回、スウィングレバー47を押すと平面視(図4参照)作業者から見て支持腕2が左旋回、アームレバー48を引くと平面視(図4参照)作業者から見てアーム22が手前に作動、アームレバー48を押すと平面視(図4参照)作業者から見てアーム22が前方に作動、バケットレバー49を引くと平面視(図4参照)作業者から見てバケット23が手前に作動、バケットレバー49を押すと平面視(図4参照)作業者から見てバケット23が前方に作動、図8の状態にあって、左前レバー41、左後レバー42、右後レバー43及び右前レバー44を引くとアウトリガー左前シリンダー用方向制御弁102a’、アウトリガー左後シリンダー用方向制御弁101a’、アウトリガー右後シリンダー用方向制御弁101b’及びアウトリガー右前シリンダー用方向制御弁102b’が上昇、左前レバー41、左後レバー42、右後レバー43及び右前レバー44を押すとアウトリガー左前シリンダー用方向制御弁102a’、アウトリガー左後シリンダー用方向制御弁101a’、アウトリガー右後シリンダー用方向制御弁101b’及びアウトリガー右前シリンダー用方向制御弁102b’が下降するようになっている。
【0019】
また、図4に示す5は、平面視、操作部4と支持腕2との間であって、基台1に取り付けられた蓄電池である。
また、図5に示すUは、基台1に搭載されると共に、斫り機3を油圧によって駆動する油圧装置で、油圧装置U内の油は、蓄電池5を駆動源とする油圧モーター6により油圧ポンプ7を動かして油圧装置Uの油圧通路内に供給される。図5の油圧装置Uにおいて、8は油圧ポンプ7の吐出油の流れの方向を変える方向制御弁である。
【0020】
なお、支持腕2、操作部4、蓄電池5及び油圧装置Uを搭載した基台1の下部にハンドリフトLの爪L1を位置させ、爪L1を基台1の下部に当接して持ち上げ、ハンドリフトLを使って、斫り装置Hを作業現場へ運搬する(図1参照)。運搬後、基台1を作業現場に設置する(図2参照)。
設置は、アウトリガー左前シリンダー102a、アウトリガー左後シリンダー101a、アウトリガー右後シリンダー101b、アウトリガー右前シリンダー102bを手動にて基台1の外側に張り出すようにする。
【0021】
張り出し後、操作部4の左前レバー41を前方に倒すことにより、アウトリガー左前シリンダー用方向制御弁102a’を制御し、アウトリガー左前シリンダー用方向制御弁102a’が図3の状態になる。アウトリガー前シリンダー用方向制御弁102a’が図3の状態になると、アウトリガー左前シリンダー102aが基台1を持ち上げるように作用する。
また、操作部4の左後レバー42を前方に倒すことにより、アウトリガー左後シリンダー用方向制御弁101a’を制御し、アウトリガー左後シリンダー用方向制御弁101a’が図3の状態になる。アウトリガー左後シリンダー用方向制御弁101a’が図3の状態になると、アウトリガー左後シリンダー101aが基台1を持ち上げるように作用する。
また、操作部4の右後レバー43を前方に倒すことにより、アウトリガー右後シリンダー用方向制御弁101b’を制御し、アウトリガー右後シリンダー用方向制御弁101b’が図3の状態になる。アウトリガー右後シリンダー用方向制御弁101b’が図3の状態になると、アウトリガー右後シリンダー101bが基台1を持ち上げるように作用する。
また、操作部4の右前レバー44を前方に倒すことにより、アウトリガー右前シリンダー用方向制御弁102b’を制御し、アウトリガー右前シリンダー用方向制御弁102b’が図3の状態になる。アウトリガー右前シリンダー用方向制御弁102b’が図3の状態になると、アウトリガー右前シリンダー102bが基台1を持ち上げるように作用する。
また、操作部4のブレーカレバー45を前方に倒すことにより、ブレーカー24を垂直方向に往復移動させる。
また、操作部4のブームレバー46を前方に倒すことによりブーム21を下降、手前に引くとブーム21を上昇させる。そして、ブレーカレバー45を前に押してブレーカ24を作動させ、斫り機3を垂直方向に往復移動させて、建設現場でコンクリートで作られた壁、土間等の構造物Cを破砕する。
【0022】
従って、上述した斫り装置の作動方法(斫り装置H)によれば、支持腕2、操作部4、蓄電池5及び油圧装置Uを搭載した基台1に移動機能を持たせず、その分、基台1をコンパクトにすることができ、基台1の移動は、狭い場所においての移動が可能なハンドリフトLの利点を活かすことができ、しかも、平面視、操作部4と支持腕2との間であって、基台1に取り付けられた蓄電池5の重量により、斫り機3の動作を安定させることができ、加えて、支持腕2から遠い側である基台1の他方側に操作部4が取り付けられているため、作業者が斫り機による微細な斫り片を吸引するのを防ぐことができる。
【0023】
斫り機3の動作を安定させるために、基台1の横に張り出して作業現場に設置させるアウトリガー101、102を用いている(図4参照)。
即ち、図4に示すように、操作部4から見て、手前側に第1の一対のアウトリガー101及び奥側に第2の一対のアウトリガー102が基台1に取り付けられ、平面視、基台1は、略四角形である。
基台1の運搬中は、操作部4から見て、第1の一対のアウトリガー101(101a、101b)及び第2の一対のアウトリガー102(102a、102b)が基台1の幅寸法Wより外側に出ないようにし、
斫り機3を作動させる前に、操作部4から見て、第1の一対のアウトリガー101及び第2の一対のアウトリガー102が、基台1の幅寸法Wより外側に張り出し、第1の一対のアウトリガー101及び第2の一対のアウトリガー102を作業現場に設置されるようにしている。
【符号の説明】
【0024】
U 油圧装置
L ハンドリフト
L1 爪
1 基台
2 支持腕
3 斫り機
4 操作部
5 蓄電池
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8