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特許7023241折り畳み式はしごのための改善された横板
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-10
(45)【発行日】2022-02-21
(54)【発明の名称】折り畳み式はしごのための改善された横板
(51)【国際特許分類】
   E06C 1/12 20060101AFI20220214BHJP
   E06C 7/08 20060101ALI20220214BHJP
【FI】
E06C1/12
E06C7/08
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018551769
(86)(22)【出願日】2017-04-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-05-30
(86)【国際出願番号】 EP2017058027
(87)【国際公開番号】W WO2017174602
(87)【国際公開日】2017-10-12
【審査請求日】2020-04-01
(31)【優先権主張番号】1650454-0
(32)【優先日】2016-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】511158351
【氏名又は名称】テレステップス アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ベルンハルドソン イェンス
(72)【発明者】
【氏名】カールソン スティナ
(72)【発明者】
【氏名】エドヴァルドソン ヘンリク
(72)【発明者】
【氏名】エクストランド ニクラス
(72)【発明者】
【氏名】ネルソン カール-ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイェルヴァル ウルリク
【審査官】齋藤 智也
(56)【参考文献】
【文献】英国特許出願公開第02305956(GB,A)
【文献】独国特許出願公開第102014107182(DE,A1)
【文献】特開2011-069153(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01516999(EP,A2)
【文献】米国特許出願公開第2008/0000723(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02113631(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0256892(US,A1)
【文献】英国特許出願公開第02233022(GB,A)
【文献】特表2008-542593(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06C 1/00 - 9/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のはしご部分(5、5a~5j)を含む折り畳み式はしご(1)のはしご部分に用いるための横板であって、各はしご部分は、それぞれの前記はしご部分を形成するために互いに平行に配置され、かつ前記横板(20)によって相互接続された2つのはしごチューブ(10、12)を含み、各はしごチューブ(10、12)は、前記折り畳み式はしご(1)を形成するために下側のはしご部分のはしごチューブ(10、12)内に伸縮式に挿入され、前記横板(20)は主要部分(22)と、第1のブラケット部分(24a)と、第2のブラケット部分(24b)とを含み、前記第1および第2のブラケット部分(24a、24b)は、それぞれの前記はしごチューブ(10、12)を受取るために前記横板(20)の各端部に配置され、前記第1および第2のブラケット部分(24a、24b)は、1つの直線の部分(16)と、前記直線の部分(16)の第1の端部に90度よりも大きい角度で接続された第1の付加的な部分(18a)と、前記直線の部分(16)の第2の端部に90度よりも大きい角度で接続された第2の付加的な部分(18e)と、第1の付加的な部分(18a)に接続された第3の付加的な部分(18b)と、第2の付加的な部分(18e)に接続された第4の付加的な部分(18d)と、第3および第4の付加的な部分(18b,18d)を相互接続する第5の付加的な部分(18c)と、を含む断面形状をそれぞれ有し、第1、第2、第3、第4、および第5の付加的な部分(18a-18e)は、凸形状を有し、前記横板(20)の前記主要部分(22)と、前記第1および第2のブラケット部分(24a、24b)と、は、一体化されたユニットとして1つの単一片で提供され、および同じ材料によって形成され、前記主要部分(22)は、前記第1および第2のブラケット部分(24a、24b)が延在する面に対して角度(α)で傾斜し、前記横板(20)は、締め付けを用いてそれぞれの前記はしごチューブ(10、12)に配置され、締め付け機能は、第1のブラケット部分(24a)および第2のブラケット部分(24b)にスリットを配置することによって、および、前記はしごチューブ(10、12)の周りでスリットを閉じるようにロッキング手段を配置することによって、生じる横板。
【請求項2】
前記第1および第2のブラケット部分(24a、24b)は互いに対称である、請求項1に記載の横板。
【請求項3】
前記第1および第2のブラケット部分(24a、24b)は熱可塑性材料で作られている、請求項1または2に記載の横板。
【請求項4】
前記主要部分(22)の少なくとも一部には、複数の窪みまたは突起を含む外側層が設けられる、請求項1~3のいずれか一項に記載の横板。
【請求項5】
前記主要部分(22)の少なくとも一部は、複数の窪みまたは突起を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の横板。
【請求項6】
前記横板(20)は、少なくとも1つのグリップハンドル(40)を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の横板。
【請求項7】
前記少なくとも1つのグリップハンドル(40)は、前記横板(20)の中心線(C)から距離dを置いて配置され、前記中心線(C)は前記はしごチューブ(10、12)と平行であり、前記中心線(C)は長手方向の線(L)に対して垂直である、請求項6に記載の横板。
【請求項8】
前記グリップハンドル(40)および前記横板(20)は、一体化されたユニットとして提供される、請求項6に記載の横板。
【請求項9】
前記グリップハンドル(40)は底部プレートに配置され、前記底部プレートは前記横板(20)の前記主要部分(22)に取り外し可能に配置される、請求項6に記載の横板。
【請求項10】
複数のはしご部分(5、5a~5j)を含む折り畳み式はしごであって、各はしご部分は、それぞれの前記はしご部分を形成するために互いに平行に配置され、かつ横板(20)によって相互接続された2つのはしごチューブ(10、12)を含み、各はしごチューブ(10、12)は、前記折り畳み式はしご(1)を形成するために下側のはしご部分のはしごチューブ(10、12)内に伸縮式に挿入され、前記横板(20)は主要部分(22)と、第1のブラケット部分(24a)と、第2のブラケット部分(24b)とを含み、前記第1および第2のブラケット部分(24a、24b)は、それぞれの前記はしごチューブ(10、12)を受取るために前記横板(20)の各端部に配置され、前記第1および第2のブラケット部分(24a、24b)は、1つの直線の部分(16)と、前記直線の部分(16)の第1の端部に90度よりも大きい角度で接続された第1の付加的な部分(18a)と、前記直線の部分(16)の第2の端部に90度よりも大きい角度で接続された第2の付加的な部分(18e)と、第1の付加的な部分(18a)に接続された第3の付加的な部分(18b)と、第2の付加的な部分(18e)に接続された第4の付加的な部分(18d)と、第3および第4の付加的な部分(18b,18d)を相互接続する第5の付加的な部分(18c)と、を含む断面形状をそれぞれ有し、第1、第2、第3、第4、および第5の付加的な部分(18a-18e)は、凸形状を有し、前記横板(20)の前記主要部分(22)と、前記第1のブラケット部分(24a)と、前記第2のブラケット部分(24b)と一体化されたユニットとして1つの単一片で提供され、および同じ材料によって形成され、前記主要部分(22)は、前記第1および第2のブラケット部分(24a、24b)が延在する面に対して角度(α)で傾斜し、前記横板(20)は、締め付けを用いてそれぞれの前記はしごチューブ(10、12)に配置され、締め付け機能は、第1のブラケット部分(24a)および第2のブラケット部分(24b)にスリットを配置することによって、および、前記はしごチューブ(10、12)の周りでスリットを閉じるようにロッキング手段を配置することによって、生じる折り畳み式はしご。
【請求項11】
前記横板(20)は、請求項1~に記載の特徴のいずれかを含む、請求項10に記載の折り畳み式はしご。
【請求項12】
第1および第2のはしご脚部を含む折り畳み式脚立であって、前記はしご脚部は一方の端部において互いにヒンジで接続されており、前記はしご脚部の各々は複数のはしご部分(5、5a~5j)を含み、各部分(5)は、それぞれの前記はしご部分(5)を形成するために互いに平行に配置され、かつ横板(20)によって相互接続された2つのはしごチューブ(10、12)を含み、各はしごチューブ(10、12)は、少なくとも3つのはしご部分(5)を含む前記折り畳み式脚立を形成するために下側のはしご部分のはしごチューブ(10、12)内に伸縮式に挿入されており、前記横板(20)は主要部分(22)と、第1のブラケット部分(24a)と、第2のブラケット部分(24b)とを含み、前記第1および第2のブラケット部分(24a、24b)は、それぞれの前記はしごチューブ(10、12)を受取るために前記横板(20)の各端部に配置され、前記第1および第2のブラケット部分(24a、24b)は、1つの直線の部分(16)と、前記直線の部分(16)の第1の端部に90度よりも大きい角度で接続された第1の付加的な部分(18a)と、前記直線の部分(16)の第2の端部に90度よりも大きい角度で接続された第2の付加的な部分(18e)と、第1の付加的な部分(18a)に接続された第3の付加的な部分(18b)と、第2の付加的な部分(18e)に接続された第4の付加的な部分(18d)と、第3および第4の付加的な部分(18b,18d)を相互接続する第5の付加的な部分(18c)と、を含む断面形状をそれぞれ有し、第1、第2、第3、第4、および第5の付加的な部分(18a-18e)は、凸形状を有し、前記折り畳み式脚立(1)は横板(20)を含み、前記横板(20)の前記主要部分(22)と、前記第1のブラケット部分(24a)と、前記第2のブラケット部分(24b)と一体化されたユニットとして1つの単一片で提供され、および同じ材料によって形成され、前記主要部分(22)は、前記第1および第2のブラケット部分(24a、24b)が延在する面に対して角度(α)で傾斜し、前記横板(20)は、締め付けを用いてそれぞれの前記はしごチューブ(10、12)に配置され、締め付け機能は、第1のブラケット部分(24a)および第2のブラケット部分(24b)にスリットを配置することによって、および、前記はしごチューブ(10、12)の周りでスリットを閉じるようにロッキング手段を配置することによって、生じる折り畳み式脚立。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いくつかのはしご部分を含む折り畳み式はしごのはしご部分に用いるための横板に関し、各はしご部分は、はしご部分を形成するために互いに平行に配置され、かつ横板によって相互接続された2つのはしごチューブを含む。各はしごチューブは、下側のはしご部分のはしごチューブ内に伸縮式に挿入されて、折り畳み式はしごを形成する。本発明は、改善された伸縮式または折り畳み式のはしごまたは脚立にも関する。
【背景技術】
【0002】
折り畳み式はしごの当業者に周知であるとおり、通常こうしたはしごはさまざまな直径を有するいくつかのチューブ部分を含み、よってこれらのチューブ部分は互いの中に伸縮式に挿入可能である。任意のチューブ部分のすべての上側端部ははしごステップの一方の端部に留められており、はしごステップの他方の端部は同じ直径を有するチューブ部分の上側端部に留められており、これら2つのチューブ部分とはしごステップとがはしご部分を形成し、そのチューブ部分は、より大きい直径を有するチューブ部分を含む隣接するはしご部分の中に挿入できる。
【0003】
よって、結果として得られるはしごは、上側のはしご部分を下側のはしご部分の中に挿入することによって折り畳むことができ、かつ上側のはしご部分を下側のはしご部分から引き抜くことによってはしごを伸ばすことができる。2つの隣接するチューブ部分の外壁の孔を通って延在するピンは、伸ばされたはしごが折り畳まれることを防ぐためにチューブ部分をロックする。折り畳み式の伸長可能なはしご部分を有するはしごは、保管および輸送の目的ではしごを小さくするために用いられる。
【0004】
横板およびそれが取り付けられる折り畳み式はしごの製造プロセスは、いくつかのステップを含む。先行技術における横板の構成のために、製造および組み立てプロセスは複雑である。さらに、折り畳み式はしごの耐久性は、常に改善が必要とされる品質である。
【0005】
本発明の目的は、構成が簡略化され、かつはしごの耐久性がより高い横板および折り畳み式はしごを提供することである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、折り畳み式はしごの組み立てを簡略化すると同時にはしごの耐久性をより高くする、折り畳み式はしごのための横板を提供することである。
【0007】
第1の態様によれば、折り畳み式はしごのはしご部分に用いるための横板が提供される。折り畳み式はしごはいくつかのはしご部分を含み、各はしご部分は、それぞれのはしご部分を形成するために互いに平行に配置され、かつ横板によって相互接続された2つのはしごチューブを含む。各はしごチューブは、折り畳み式はしごを形成するために下側のはしご部分のはしごチューブ内に伸縮式に挿入される。横板は主要部分と、第1のブラケット部分と、第2のブラケット部分とを含み、第1および第2のブラケット部分は、それぞれのはしごチューブを受取るために横板の各端部に配置される。横板は、主要部分と、第1および第2のブラケット部分とが一体化されたユニットとして提供されることを特徴とする。
【0008】
横板が一体化されたユニットとして形成されるという特徴は、折り畳み式はしごの構成にいくつかの利益をもたらす。たとえば、この新たな改善されたはしごはより少ない分離部品からなるため、折り畳み式はしごの組み立てが簡略化される。よって生産時間が減少することによって、生産コストが低くなる。
【0009】
さらに、先行技術のシステムにおいて、第1および第2のブラケット部分は、たとえば圧力嵌めを用いて横板の主要部分に取り付けられていた。この取り付けのステップは一般的に、品質引張りテストを行うときに問題を起こす。なぜなら、これらの部品は互いから分離するおそれがあるからである。横板を一体化されたユニットとして提供することによって、この問題が小さくなる。特に引張りテストを用いてはしごの品質テストを行うとき、一体化された横板の耐久性が増加する。
【0010】
主要部分と、第1および第2のブラケット部分とは同じ材料によって形成されてもよい。
【0011】
第1および第2のブラケット部分は、互いに対称であってもよい。
【0012】
主要部分は、前記第1および第2のブラケット部分が延在する面に対してある角度で傾斜されてもよい。
【0013】
主要部分の少なくとも一部には、複数の窪みまたは突起を含む外側層が設けられてもよい。
【0014】
主要部分の少なくとも一部は、複数の窪みまたは突起を含んでもよい。
【0015】
横板は、少なくとも1つのグリップハンドルを含んでもよい。この少なくとも1つのグリップハンドルは、横板の中心線から距離dを置いて配置されてもよく、この中心線ははしごチューブと平行であり、中心線は長手方向の線に対して垂直である。
【0016】
グリップハンドルおよび横板は、一体化されたユニットとして提供されてもよい。グリップハンドルは底部プレートの上に配置されてもよく、底部プレートは横板の主要部分に取り外し可能に配置される。
【0017】
横板はロッキング機構を含んでもよい。横板は、ロッキング機構がロック位置にあるか否かの可視化を可能にするための少なくとも1つのロッキング表示器を含んでもよい。
【0018】
第2の態様によれば、折り畳み式はしごが提供される。折り畳み式はしごはいくつかのはしご部分を含み、各はしご部分は、それぞれのはしご部分を形成するために互いに平行に配置され、かつ横板によって相互接続された2つのはしごチューブを含み、各はしごチューブは、下側のはしご部分のはしごチューブ内に伸縮式に挿入されて、折り畳み式はしごを形成する。横板は主要部分と、第1のブラケット部分と、第2のブラケット部分とを含み、第1および第2のブラケット部分は、それぞれのはしごチューブを受取るために横板の各端部に配置される。折り畳み式はしごは、横板の主要部分と、第1のブラケット部分と、第2のブラケット部分とが一体化されたユニットとして提供されることを特徴とする。
【0019】
第3の態様によれば、折り畳み式脚立が提供される。この折り畳み式脚立は、第1および第2のはしご脚部を含み、これらの脚部は一方の端部において互いにヒンジで接続されており、はしご脚部の各々はいくつかのはしご部分を含む。各部分は、それぞれのはしご部分を形成するために互いに平行に配置され、かつ横板によって相互接続された2つのはしごチューブを含む。各はしごチューブは、少なくとも3つのはしご部分を含む折り畳み式脚立を形成するために下側のはしご部分のはしごの中に伸縮式に挿入される。横板は主要部分と、第1のブラケット部分と、第2のブラケット部分とを含み、第1および第2のブラケット部分は、それぞれのはしごチューブを受取るために横板の各端部に配置される。折り畳み式脚立は、横板の主要部分と、第1のブラケット部分と、第2のブラケット部分とが一体化されたユニットとして提供されることを特徴とする。
【0020】
以下において、添付の図面を参照しながら本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1aは、ある実施形態による伸ばされたはしごの前面図である。図1bは、ある実施形態による最大限に折り畳まれたはしごの前面図である。
図2図2a~cは各々、異なる実施形態によるはしごチューブの断面図を示す。
図3a】異なる実施形態によるはしごチューブの等角図を示す。
図3b】異なる実施形態によるはしごチューブの等角図を示す。
図3c】異なる実施形態によるはしごチューブの一部の頂面図を示す。
図3d】異なる実施形態によるはしごチューブの一部の頂面図を示す。
図4a】ある実施形態による横板の異なる図を示す。
図4b】ある実施形態による横板の異なる図を示す。
図4c】ある実施形態による横板の異なる図を示す。
図4d】ある実施形態による横板の異なる図を示す。
図4e】ある実施形態による横板の異なる図を示す。
図5a】ある実施形態による横板の異なる図を示す。
図5b】ある実施形態による横板の異なる図を示す。
図5c】ある実施形態による横板の異なる図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1には、完全に伸ばされた状態の折り畳み式はしご1が示されている。折り畳み式はしご1はいくつかのはしご部分5a~jを含み、各はしご部分5a~jは2つのはしごチューブ10、12と、1つの横板20a~kとを含む。はしご部分はU形状の形であり、ここでは2つのはしごチューブ10、12が互いに平行に配置されて、一方の端部において1つの横板20a~kによって相互接続されている。横板20a~kは、鉛直に配置されたはしごチューブ10、12の間に水平に配置される。はしごチューブ10、12は部分5a~jに分けられており、それらは互いの中に伸縮する。別の下側の部分よりも上に配置された部分(たとえば、部分5aは部分5bよりも上に配置される)は、下側の部分の内径よりも小さい外径を有する。これによって、伸ばされた状態と折り畳まれた状態との間で、上側の部分がチューブ部分の内側で伸縮することができる。
【0023】
図1bに、最大限に折り畳まれたはしごが示されている。最下段のはしご部分6は定常横板7を含み、この定常横板7ははしごの底部に設けられて、付加的な足部支持を提供して最下段のはしご部分6をより安定させるように設計される。図1bにみられるとおり、最下段のはしご部分6は定常であって、他の部分5a~jの中に伸縮させることはできない。最下段のはしご部分6は、定常横板7および横板20kの2つの横板を含んでもよい。
【0024】
はしごチューブ10、12には、上にはしごが立つ終端部分が設けられてもよい。よって終端部分は、はしごチューブ10、12の最下部に配置される。終端部分は高摩擦の材料とともに配置されることによって、使用中にはしごが動く危険性を低くしてもよい。
【0025】
はしごを伸縮式に折り畳んだり伸長させたりするために、ロッキングまたは保持機構が設けられてもよい。図1a~bに示される実施形態において、保持機構は、それぞれの部分5を解放するために各個別の横板20a~kに配置された複数のアクチュエータ30を含む。保持機構はばね荷重ロッキングピン27(図5a~cを参照)を含み、このロッキングピン27は、はしごチューブのロッキング孔17(図3dを参照)内に挿入されることによって、別の隣接はしご部分5bに対してはしご部分5aをロックする。横板20の両側に配置されたアクチュエータ30(たとえば回転ボタンまたはスライドボタン)を用いることによって、各部分5a~jが個別に解放される。アクチュエータ30を用いて、たとえばスライドボタンを互いに向けて摺動させることによって、はしごチューブ10、12のそれぞれのロッキング孔17からロッキングピン27が引き抜かれる。こうした保持機構は、本明細書において参照により援用される欧州特許第120021203号に記載されている。
【0026】
一実施形態において、はしごは、たとえば最下段から2番目の横板の前側に配置された1対のアクチュエータのみを含む。この単一対のアクチュエータでも、はしご全体を折り畳むことができるだろう。代替的に、はしごは、最上段から2番目のはしご横板に配置された第1のアクチュエータ対と、最上段から2番目の横板および最下段から2番目の横板の間に位置する横板に配置された第2のアクチュエータ対とを含む。第2のアクチュエータ対は折り畳み式はしごの下部を低くすることを可能にし、第1のアクチュエータ対は折り畳み式はしごの上部を低くすることを可能にする。こうしたアクチュエータは、本明細書において参照により援用される欧州特許第1728966号に記載されている。
【0027】
さらなる実施形態においては、はしごの使用者の足で操作されるように位置して配置されたフットコントロールを操作することによって、最下段はしご部分のピンが隣接するはしご部分のチューブのそれぞれの孔との相互作用から引き抜かれてもよい。こうしたロッキング機構は、本明細書において参照により援用される国際公開第20120020333号に記載されている。
【0028】
なお、本明細書においてはいくつかのタイプのロッキング/保持機構にしか言及していないが、伸縮式のはしごを折り畳みかつ伸長するために好適な任意のタイプの機構が用いられ得る。
【0029】
図2a~cに、はしごチューブの断面形状の異なる実施形態が示されている。この断面形状は、少なくとも1つの直線の部分16と、少なくとも1つの付加的な部分18とを含む。この断面形状は、任意の数の付加的な部分18を有してもよい。付加的な部分の数は1、2、3、4、5、6などであってもよい。この1つまたは複数の部分は、1つの側部を含んでもよい。付加的な1つの部分/複数の部分は直線、凹状、凸状、または別様の曲線であってもよい。さらに、断面は対称であっても非対称であってもよい。
【0030】
材料のコストを減らすためには、断面形状が比較的小さい断面積を有することが有益である。同時に、屈曲に対する高い抵抗性を有する形状を有することが有益である。断面係数は、断面形状に大きく依存する。
【0031】
さらに、はしごチューブ10、12は容易な製造プロセスを可能にする形を有するべきである。製造プロセスは、いくつかの重要なステップ、たとえばはしごチューブ10、12を構成し得る外形を押出すステップ、ロッキング孔を置くべきところを測定するステップ、および孔の製造を実際に行うステップ、を含む。直線の側部16を含む断面を有するチューブ10、12を有することによって、これらのステップの性能の品質が改善される。
【0032】
はしごチューブ10、12は、押出されたアルミニウム外形として形成されてもよい。このプロセスに対して高温押出しが用いられるとき、もしチューブ10、12が冷却中に静止できる直線の部分を有していれば、押出しプロセス後の変形の危険性が低減される。
【0033】
直線の部分16を有することは、製造プロセスの間の基準点としても有益である。ロッキング孔の測定および製造は、高精度を必要とする。直線の部分16は、孔の測定および/または製造の際にはしごチューブ10、12を拘束することを容易にするため、得られる精度が増加する。孔は、たとえば穿孔、ドリリング、ミリング、または放電機械加工を用いて製造されてもよい。よって直線の部分16は、製造中の技術的表面として用いられる。
【0034】
しかし、直線の部分16のみを含む断面を有するはしごチューブを有することは、望ましくない。こうした構成は屈曲に対する抵抗性が低くなり、十分なねじれ剛性を有さないだろう。よって望ましい構成は、少なくとも1つの直線の部分16と、少なくとも1つの直線でない付加的な部分とを有する断面形状を有する。
【0035】
本発明者らは、洞察に満ちた考察の後に、ただ1つの直線の部分16と、少なくとも1つの凹状の付加的な部分18a~bとを含む断面形状を有するはしごチューブ、より良好なはしごチューブが新規かつ発明的なやり方で提供され得ることを認識した。
【0036】
図2aに示される一実施形態において、断面形状は直線の部分16を含む。この直線の部分は直線の側部であり、その各端部において1つの付加的な部分18a、18eに接続される。直線の部分16と、2つの付加的な部分18a、18eとの接続はどちらも、90度よりも大きい接続角度を伴って配置される。接続角度はたとえば鈍角、すなわち90度よりも大きいが180度未満であってもよい。
【0037】
本発明者らは、洞察に満ちた考察の後に、ただ1つの直線の部分16と、少なくとも3つの非直線の付加的な部分18a~eとを含む断面形状を有するはしごチューブ、より良好なはしごチューブが新規かつ発明的なやり方で提供され得ることを認識した。さらにより好ましい実施形態において、はしごチューブは、すべてが凸形状を有する5つの付加的な部分18a~18eを含む。
【0038】
図2aに示される実施形態において、断面は合計6つの部分を含む。すなわち、直線の部分16および5つの付加的な部分18a~eである。第1の付加的な部分18aは直線の部分16の第1の端部に接続され、第2の付加的な部分18eは直線の部分16の第2の端部に接続され、第3の付加的な部分18bは第1の付加的な部分18aに接続され、第4の付加的な部分18dは第2の付加的な部分18eに接続され、第5の付加的な部分18cは第3の付加的な部分およびさらなる付加的な部分18b、18dを相互接続する。第1第2、第3、第4、および第5の付加的な部分18a~18eはすべて凸形状を有する。
【0039】
図示されていないが、断面形状はたとえば、2つの直線の部分および4つの付加的な部分、または3つの直線の部分および3つの付加的な部分の組み合わせも含んでもよいことが留意されるべきである。
【0040】
付加的な凹状の部分18aは、屈曲に対するより良好な抵抗性およびより高いねじれ(または回転)剛性を提供するという利益を有する。はしごチューブが伸縮するパイプアセンブリに装着されるとき、この断面形状ははしごチューブ10、12がねじれの動きをせずに自身の位置を保持することを可能にし、これは全体のはしご構成を堅固にする。よって、はしごチューブを線形的にのみ動かすための任意の付加的なステアリング部品は必要ない。複数のはしごチューブ10、12が伸縮式に配置されるため、はしごチューブ10、12のねじれ、すなわちひねりは非常に望ましくない。
【0041】
さらに、1つの直線の部分16および少なくとも1つの付加的な凹状の部分を含む断面形状を有することは、製造プロセスの組み立てステップの際に利益を有する。付加的な部分18が直線の部分16とは異なる形状であるおかげで、組み立てプロセスが容易になって誤りが起こりにくくなり、よってはしご1の組み立てを行うユーザの、はしご1の組み立て方に対する能力が低くなる。よって、はしごチューブ10、12に非直線の部分18および直線の部分16の組み合わせを有することは、はしごチューブ10、12がそれぞれの横板20に誤って配置される可能性を低くするという利益を有する。
【0042】
図2bに示される実施形態において、はしごチューブの断面形状は直線の部分16と、1つの付加的な部分18aとを含む。直線の部分16は、各端部において90度よりも大きい角度にて、少なくとも1つの付加的な部分18aに接続される。直線の部分16の各側部における接続角度は、約100~120度である。付加的な部分18aは、半円形である。
【0043】
図2cは、折り畳み式はしご1内に伸縮式に配置されたいくつかのはしごチューブの断面の頂面図を示す。頂部にあるチューブ、すなわちチューブの中央に配置されたチューブの断面の直径が最も小さい。はしごチューブを互いに伸縮式に挿入できるようにするために、はしごチューブ10、12は少なくとも部分的に中空である必要がある。
【0044】
図3a~dの各々は、はしごチューブ10、12の実施形態を示す。図3aには、図2aに関連して考察された断面形状を有するはしごチューブ10、12の例示的実施形態の一部が示される。はしごチューブ10、12の好適な長さは、国内標準およびはしごの設計によって変わり得る。はしごチューブ10、12の長さは、横板の間の所望の距離に依存する。横板20の間の距離は異なる規格によって規制されることがあり、たとえば欧州規格によって推奨される横板の間の距離は、250~300mmである。
【0045】
図3bは、チューブ10、12が第1の装着孔14を含む実施形態を示す。第1の装着孔14は、横板20の各ブラケット部分24a、24bに配置された横板突起28(図4a~eを参照)に対応しており、第1の装着孔14と横板突起28との協働によって、横板がはしごチューブ10、12上に確実に配置され得る。底部分6に配置されるはしごチューブ10、12は、2つの横板7、20kが配置されるため、図3bにみられるものとは異なる。よって底部分6に配置されるはしごチューブ10、12は、2つの第1の装着孔(図示せず)を含む。
【0046】
図3cは、第1の装着孔14および第2の装着孔15を含むはしごチューブ10、12の別の実施形態を示す。よって各横板20には、対応する第1および第2の装着孔14、15に横板20を固定するための少なくとも2つの横板突起28が配置される。
【0047】
図3dはチューブ10、12の一部の実施形態を示しており、直線の部分16および2つの付加的な部分を示す。この実施形態において、はしごのロッキング機構はロッキングピン27と、対応するロッキング孔17とを含む。ロッキング孔17は、はしごチューブ10、12の直線の部分16に配置される。ロッキング孔17は、ロッキングピン27を受取るために配置される。加えて、チューブ10、12の直線の側部16は第3の装着孔19を含み、この第3の装着孔19は対応する横板突起28とともに、横板20をチューブ10、12に配置することを助ける。
【0048】
一実施形態において、各横板20aは、第1の装着孔14、第2の装着孔15、および第3の装着孔19に各々対応する3つの横板突起28a~cを用いてチューブに配置される。第1、第2および第3の装着孔14、15、19は、はしごチューブ10、12の断面形状によっては本明細書に示される以外の部分に配置されてもよいことに留意すべきである。
【0049】
加えて、チューブ10、12は追加の孔、たとえばはしごが偶発的に引き離されることを防ぐ装置のための固定孔、を含んでもよいことに留意すべきである。
【0050】
図4a~cでは、異なる斜視図において横板20の実施形態が示される。各々の横板20は主要部分22と、第1のブラケット部分24aと、第2のブラケット部分24bとを含む。第1および第2のブラケット部分24a~bは、それぞれのはしごチューブ10、12を受取るために横板20の各端部に配置される。各ブラケット部分24a~bには、対応するはしごチューブ10、12の断面形状と同じ形状を有する開口部26a、26bが配置される。図2および図3に関連して考察したとおり、はしごチューブ10、12の断面形状は特有の形を有してもよい。製造プロセスをさらに改善するために、はしごチューブ10、12の直線の部分16は、主要部分22に面するようにしてブラケット部分内に配置されてもよい。
【0051】
2つのブラケット部分24a、24bは同一であって互いに対称であってもよく、すなわち第1のブラケット部分24aは第1または第2のはしごチューブ10、12のいずれにも配置され得る。
【0052】
横板20は単一の一体化されたユニットとして提供され、主要部分22と、第1のブラケット部分24aと、第2のブラケット部分24bとは1つの単一片である。主要部分22と、第1および第2のブラケット部分24a~bとは同じ材料によって形成される。材料は、たとえばポリマーであってもよい。一実施形態において、材料は熱可塑性材料である。熱可塑性材料は、たとえばナイロンなどのポリアミドであってもよい。ガラス繊維の組成物を加えることによって、材料が強化されてもよい。
【0053】
横板20が一体化されたユニットとして形成されるという特徴は、折り畳み式はしごの構成にいくつかの利益をもたらす。たとえば、この新たな改善されたはしご1はより少ない分離部品からなるため、折り畳み式はしごの組み立てが簡略化される。よって生産時間が減少することによって、生産コストが低くなる。
【0054】
先行技術のシステムにおいて、第1および第2のブラケット部分は、たとえば圧力嵌めを用いて横板の主要部分に取り付けられていた。この取り付けステップは一般的に、品質引張りテストを行うときに問題を起こす。なぜなら、これらの部品は互いから分離するおそれがあるからである。横板20を一体化されたユニットとして提供することによって、この問題が小さくなる。特に引張りテストを用いてはしごの品質テストを行うとき、一体化された横板20の耐久性が増加する。
【0055】
より使いやすいはしご1を提供するために、横板20の主要部分22はわずかに傾斜している。一実施形態において、主要部分22は水平面に対して角度α傾斜される。角度αは10~20度の範囲であってもよく、より好ましくは約15度であってもよい。
【0056】
横板の主要部分22は、はしごの使用中にユーザが足を置くことが意図される表面であるステップ表面23を含む。一実施形態において、横板20の主要部分22のステップ表面23の少なくとも一部分には、複数の窪みまたは突起(図示せず)が設けられる。これらの窪みまたは突起は、たとえば複数の線上に配置されるなどの異なるパターンで設けられてもよい。個々の窪みまたは突起は、円形、立方体、線の形、または任意のその他好適な形を有してもよい。これらの窪みまたは突起は、ユーザが上に立つためのより良好なグリップを提供する横板表面23を提供する。したがって、滑る危険性が減少する。これらの窪みまたは突起は、残りの横板20と一体的に構成されてもよい。
【0057】
一実施形態において、ステップ表面23の少なくとも一部には外側層(図示せず)が設けられる。外側層には、異なるパターンで配置された複数の窪みもしくは突起が設けられてもよく、かつ/または外側層は、横板20の上に立つユーザの快適さを増やす柔らかい層であってもよい。
【0058】
一実施形態において、横板20は、はしごチューブ10、12の第1、第2および第3の装着孔14、15、19に嵌合するように配置された3つの横板突起28a~cを含む。このことによって、横板10、12がはしごチューブ10、12に固定される。横板突起28a~cの各々は、はしごチューブ10、12の装着孔14、15、19に対応するように横板20に配置される。
【0059】
製造プロセスの組み立てステップを容易にするために、横板20は付加的または代替的に締め付けを用いてはしごチューブ10、12に配置されてもよい。
【0060】
一実施形態において、締め付け機能は、第1のブラケット部分24aおよび第2のブラケット部分24bにスロットまたはスリット31(図4aに示される)を配置することによって生じる。横板20をはしごチューブ10、12に装着する際に、スロットがわずかに開いた位置で配置されることによって、横板20を意図される位置に配置するときに、はしごチューブ10、12に対する横板20のより容易な移動が可能になる。横板20が意図される位置にくると、はしごチューブ10、12の周りでスロット31を閉じるねじなどのロッキング手段32によって、スロット31が閉じられる。よって、第1のブラケット部分24aおよび第2のブラケット部分24bはパイプクランプとして作用する。スリット31およびロッキング手段32の組み合わせとともに、横板が一体化されたユニットとして構成されるという事実によって、横板の製造は安価になる。
【0061】
一実施形態において、横板20は横板ロッキング孔29を含み、この横板ロッキング孔29はロッキング孔17とともに、はしごのロッキング機構に用いられるロッキングピン27(図5a~cを参照)を受取るために用いられる。
【0062】
図4d~eには、少なくとも1つのグリップハンドル40を含む横板の2つの異なる実施形態が示される。1つの横板20が少なくとも1つのグリップハンドル40、40’を含んでいるはしご1を有することで、ユーザの運搬および移動がより簡単になる。グリップハンドル40またはハンドル40、40’は運搬されるために好適な任意の形状であってもよく、たとえば矩形のハンドル、丸いハンドルまたはノブであってもよい。グリップハンドル(単数または複数)40、40’は横板の底部側に、すなわちステップ表面23の反対側に設けられてもよい。
【0063】
図4d~eに示される横板20は、はしごチューブ10、12と平行な中心線Cを有する。中心線Cは、第1および第2のブラケット部分24a、24bの間の中央に配置された鉛直線である。中心線Cは、第1および第2のブラケット部分24a、24bの間に延在する長手方向の線Lに対して垂直である。
【0064】
図4dに示されるとおり、中心線Cから距離dを置いて単一のグリップハンドル40が配置される。グリップハンドル40は中心線Cの右手側に示されているが、グリップハンドル40は中心線の左手側に配置されてもよい。
【0065】
図4eには、2つのグリップハンドル40、40’を有する横板20が示されている。各グリップハンドルは、中心線Cから距離dを置いて配置される。中心線からの距離dは、ユーザがはしごを運搬するときにその重量を分散させるような有益な角度にてはしごを運搬することを可能にする。
【0066】
図示されていないが、2つのグリップハンドル40、40’は中心線からの異なる距離にて配置されてもよく、たとえば一方のハンドルは中心線からの距離dにて配置され、他方のグリップハンドルは中心線からの距離d2にて配置されてもよく、ここで距離d2は距離dよりも小さくても大きくてもよいであろう。
【0067】
一実施形態において、グリップハンドル40は別個のユニットとして横板の底部側に配置される。よって、グリップハンドルと横板とは単一のユニットとして構成されない。
【0068】
別の実施形態において、グリップハンドル40は横板と一体的に配置され、よって単一のユニットとして構成される。
【0069】
さらに別の実施形態において、グリップハンドル40は底部プレート(図示せず)の上に設けられ、この底部プレートは横板20の主要部分22に取り外し可能に配置される。底部プレートは、横板20と同じ材料で構成されてもよい。
【0070】
図面には示されていないが、グリップハンドル40は折り畳み式はしごの1つまたはいくつかの横板のみに配置されてもよいことが当業者に理解されるべきである。
【0071】
図4a~eに示される横板20は、任意のアクチュエータ30を含まない。この場合には、はしご1の最下段から2番目の横板のみが手動で動作される一対のアクチュエータ30(回転ボタンまたはスライドボタンなど)を有し、最下段から2番目の横板のアクチュエータ30を動作させることによって、その他すべての横板が自動的に折り畳まれてもよい。
【0072】
図5a~cでは、異なる斜視図において、一対のアクチュエータ30を有する横板20の実施形態が示される。2つのアクチュエータ30は、2つのブラケット部分24a、24bとともに配置されている。横板20の横板ロッキング孔29内に、ばね荷重ロッキングピン27が配置される。ここでばね荷重ロッキングピン27は、横板20の直線の部分16に配置される。
【0073】
一実施形態において、折り畳み式はしご1は、すべてまたはいくつかの横板20a~kにロッキング表示器(図示せず)を含む。ロッキング表示器は、そのロッキング表示器に関連するロッキング機構が活動化していることを示すための緑色の領域、および/またはロッキング表示器が非活動化していることを示すための赤色の領域を有してもよい。これらの表示領域は、ロッキング表示器に取り付けられたプラスチックまたは金属でできたプレート上に設けられてもよい。ロッキング表示器は横板に完全に収容されていてもよいが、緑色および赤色の領域を有するプレートは横板の窪みを通じて可視である。代替的に、ロッキング表示器はロッキングピン27の着色部分として配置され得る。
【0074】
詳細な実施形態または図面には示されていないが、請求される横板は脚立に使用され得ることが明白である。折り畳み式の脚立は、第1および第2のはしご脚部を含む。これらの脚部は一方の端部において互いにヒンジで接続されており、はしご脚部の各々は個々の折り畳み式はしごとみることができる。
【0075】
前述の記載において本発明の多数の特徴および利点を本発明の構造および機能の詳細とともに示したが、当然のことながらこの記載は単なる例示であり、添付の請求項によって最大限に示される本発明の範囲内で、詳細、特に部品の形状、サイズ、および配置に関して変更が行われてもよい。

図1a
図1b
図2a
図2b
図2c
図3a
図3b
図3c
図3d
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図5a
図5b
図5c