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特許7023291情報処理装置、情報処理方法、及びゲーム装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-10
(45)【発行日】2022-02-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びゲーム装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20220214BHJP
   A63F 9/00 20060101ALI20220214BHJP
【FI】
G06Q50/10
A63F9/00 513
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019546481
(86)(22)【出願日】2017-10-05
(86)【国際出願番号】 JP2017036268
(87)【国際公開番号】W WO2019069424
(87)【国際公開日】2019-04-11
【審査請求日】2020-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】襟川 恵子
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】特許第6321862(JP,B1)
【文献】特開2017-027376(JP,A)
【文献】特開2006-230697(JP,A)
【文献】特開平10-222376(JP,A)
【文献】特開2013-054736(JP,A)
【文献】特表2015-504212(JP,A)
【文献】多機能VR筐体『VR センス』完成&新作ソフト発表会,日本,[online],2017年06月29日,[検索日 2017.11.08],インターネット:<URL:https://www.koeitecmo.co.jp/news/2017/06/vr-vr.html>
【文献】多機能VR筐体『VR センス』完成&新作ソフト発表会,日本,[online],2017年06月29日,[検索日 2017.11.08],インターネット:<URL:https://www.koeitecmo.co.jp/news/2017/06/vr-vr.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
A63F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームプログラムがダウンロードされた数、またはゲームプログラムが実行された数に応じたランキングを取得する取得部と、
前記ランキングに基づいて、ダウンロードするゲームプログラムを決定する決定部と、
前記決定部により決定されたゲームプログラムを、ゲームの状況に応じた体感をユーザに与える体感装置を有するゲーム装置にダウンロードする制御部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記決定部は、ゲームプログラムが実行された曜日、ゲームプログラムが実行された曜日の種別、ゲームプログラムが実行された時間帯、ゲームプログラムがダウンロードまたは実行されたゲーム装置が設置されている地域、ゲームプログラムがダウンロードまたは実行されたゲーム装置が設置されている施設、及びゲームプログラムがダウンロードまたは実行された施設の種別の少なくとも一つに応じた前記ランキングに基づいて、ダウンロードするゲームプログラムを決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記決定部は、前記ゲーム装置が有する、ゲームの状況に応じた体感をユーザに与える体感装置の種別に応じた前記ランキングに基づいて、ダウンロードするゲームプログラムを決定する、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記決定部は、前記ゲーム装置が有する、ゲームの状況に応じた体感をユーザに与える体感装置の検査結果に応じた前記ランキングに基づいて、ダウンロードするゲームプログラムを決定する、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記決定部は、前記ゲーム装置の筐体の種別に応じた前記ランキングに基づいて、ダウンロードするゲームプログラムを決定する、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記決定部は、前記ゲーム装置と同一の施設に設置されている他のゲーム装置にて実行可能なゲームの種類とは異なる種類の前記ランキングに基づいて、ダウンロードするゲームプログラムを決定する、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
情報処理装置が、
ゲームプログラムがダウンロードされた数、またはゲームプログラムが実行された数に応じたランキングを取得するステップと、
前記ランキングに基づいて、ダウンロードするゲームプログラムを決定するステップと、
決定されたゲームプログラムを、ゲームの状況に応じた体感をユーザに与える体感装置を有するゲーム装置にダウンロードするステップと、
を実行する情報処理方法。
【請求項8】
ゲーム装置であって、
ゲームプログラムがダウンロードされた数、またはゲームプログラムが実行された数に応じたランキングを、前記ゲーム装置に接続されたサーバから取得する取得部と、
前記ランキングに基づいて、ダウンロードするゲームプログラムを決定する決定部と、
前記決定部により決定されたゲームプログラムを前記サーバからダウンロードする制御部と、
を有するゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲーム装置に、ユーザ等の操作によりゲーム用のプログラムであるゲームソフトをガウンロードさせる技術が知られている(例えば、特許文献1-3を参照)。
【0003】
また、近年、ゲームセンターや商業施設等に設置されるゲーム装置であって、ヘッドマウントディスプレイ(HMD、Head Mounted Display)をユーザの頭部に装着させ、ゲームの状況に応じて、搭乗部の振動、香り、及び風を体感させるゲーム装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-066321号公報
【文献】特開2014-063206号公報
【文献】特開2009-003857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
商業施設等に設置されるゲーム装置において、利用可能なゲームソフト(ゲームプログラム)を入れ替えて使用する場合について検討する。この場合、従来技術を用いて、ゲーム装置の運用者等が、手動の操作により、ゲームプログラムをサーバからダウンロードすることが考えられる。しかしながら、従来技術では、運用者等の判断によっては、当該商業施設等におけるユーザの人気が比較的低いゲームプログラム等がダウンロードされる場合があるという問題がある。
【0006】
そこで、ユーザに人気がある等の所定の条件に合致するゲームプログラムをダウンロードできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
情報処理装置は、ゲームプログラムがダウンロードされた数、またはゲームプログラムが実行された数に応じたランキングを取得する取得部と、前記ランキングに基づいて、ダウンロードするゲームプログラムを決定する決定部と、前記決定部により決定されたゲームプログラムを、ゲームの状況に応じた体感をユーザに与える体感装置を有するゲーム装置にダウンロードする制御部と、を有する。

【発明の効果】
【0008】
開示の技術によれば、ユーザに人気がある等の所定の条件に合致するゲームプログラムをダウンロードできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A】実施形態に係るゲーム装置の筐体の一例を示す図である。
図1B】実施形態に係るゲーム装置の筐体の一例を示す図である。
図2】実施形態に係るゲームシステム1のハードウェア構成、及び配置例を示す図である。
図3】実施形態に係る制御装置及びサーバのハードウェア構成の一例について説明する図である。
図4】実施形態に係る制御装置及びサーバの機能ブロック図である。
図5】実施形態に係るプレイ履歴データの一例を示す図である。
図6】実施形態に係るダウンロード履歴データの一例を示す図である。
図7】実施形態に係るゲーム装置の制御部によるゲーム中の処理の一例を示すフローチャートである。
図8】実施形態に係るゲームシステムのゲームをダウンロードする際の処理の一例を示すフローチャートである。
図9】ランキングの取得要求を生成する処理の一例を示すフローチャートである。
図10】実施形態に係る利用体感装置データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
【0011】
<ゲーム装置の筐体>
図1A図1Bは、実施形態に係るゲーム装置10の筐体100の一例を示す図である。図1Aでは、筐体100を斜め前から見た場合の例を示す。図1Bでは、筐体100を横から見た場合の例を示す。筐体100は、前方筐体100A及び後方筐体100Bを有する。前方筐体100Aと後方筐体100Bとの間から、ユーザが内部に入れるように配置されている。図1Aの例では、筐体100の前部の外面に、筐体100の外部にいるユーザにゲームの宣伝用のコンテンツを表示するための表示装置150が設けられている。なお、表示装置150は、筐体100の前部に限らず、背部、側部等に設けられてもよく、実際にゲームプレイ時に使用するヘッドマウントディスプレイ等の表示装置以外の表示装置であることが好ましい。または、表示装置150は、平面ディスプレイやプロジェクタなどによって映像や文字を表示するデジタル・サイネージ(電子看板、デジタルPOP)であり、例えば、筐体100の周辺の外部、または筐体100内部のユーザ位置に対向する正面等に設置されてもよい。
【0012】
<ゲームシステム1の構成>
図2は、実施形態に係るゲームシステム1のハードウェア構成、及び配置例を示す図である。図2において、ゲームシステム1は、1以上のゲーム装置10、及びサーバ20を有する。ゲーム装置10とサーバ20は、インターネット、携帯電話網、及びLAN(Local Area Network)等のネットワーク30を介して、通信できるように接続されている。
【0013】
ゲーム装置10は、筐体100、表示装置101A、スピーカ101B、コントローラ102、搭乗部103、体感装置104A、体感装置104B、体感装置104C、体感装置104D、・・・(以下で、それぞれを区別する必要がない場合は、単に「体感装置104」と称する。)、制御装置110、及び表示装置150等を有する。
【0014】
筐体100は、例えば1人用の場合であって、シートに着座してプレイすることが想定される場合、高さは2m以下、幅は1m~1.5m程度であり、側壁に入り口となる開口部があり、床部の中央付近にシートが設置される。当該開口部には扉が設置されてもよい。
【0015】
表示装置101Aは、例えば、ユーザの頭部に装着するヘッドマウントディスプレイであり、ゲーム中において、ユーザの視点の変更に応じた3次元のバーチャルリアリティ(VR、Virtual Reality)映像を表示する。
【0016】
スピーカ101Bは、例えば、ユーザの頭部に装着するヘッドセットであり、ゲームの音声等を出力する。
【0017】
コントローラ102は、例えば公知のゲーム用のコントローラでもよいし、簡略化した略棒状等のコントローラでもよい。また、コントローラ102は、音声入力による操作を行えるものでもよいし、タッチパネルでもよい。また、例えば、表示装置101Aを通じて目前にタッチパネル式の入力装置があるように表示し、ユーザが空中で指を動かすことで仮想のタッチパネルに入力する仮想のタッチパネルでもよい。
【0018】
搭乗部103は、例えば、1人~2人向けのシート(座席)である。表示装置101Aを使用しながらユーザが立ち歩くと、転倒したり構造物に衝突したりする可能性がある。このため、着座するか、あるいは、着座はしないが位置を固定できるような搭乗部103を設ける。
【0019】
体感装置104は、ゲームの状況に応じた体感をユーザに与える。体感装置104Aは、例えば、アクチュエータであり、ゲーム中においてユーザに遥動や振動等を体感させる装置である。
【0020】
体感装置104Bは、香りを放出する装置であり、ゲーム中においてユーザに香りを体感させる装置である。
【0021】
体感装置104Cは、風、温風、冷風、及び霧混じりの風等を送る装置であり、例えばペルチェ素子、加湿装置、及び送風装置を有する。体感装置104Cは、ゲーム中においてユーザに、例えば、風により空間の広がり等を感じさせる。また、体感装置104Cは、例えば、温風、及び冷風により、環境の変化等を感じさせる。また、体感装置104Cは、例えば、霧混じりの風により、雨や湿気など気候を感じさせる。
【0022】
体感装置104Dは、例えば、ポリチューブのようなソフトな素材の複数のフィルムが棒状部材(ロール)に取り付けられ、棒状部材を回転させ、フィルムをユーザの足に接触させることにより、ゲーム中においてユーザに地を這う生物との接触等を体感させる装置である。
【0023】
制御装置110は、例えば、家庭用のゲーム機と、専用のシステムボードとをUSB(Universal Serial Bus)等で接続することにより構成されてもよい。制御装置110は、コントローラ102等からの入力に応答して、ゲームプログラム(以下で「ゲームソフト」とも称する。)を実行するとともに、表示装置101A、及びスピーカ101Bに、ゲームの映像、及び音声をそれぞれ出力する。
【0024】
また、制御装置110は、予め記憶されているゲームのプログラム、及びサーバ20からダウンロードしたゲームのプログラムを実行し、ゲームの状況に応じて、体感装置104を制御する。
【0025】
制御装置110は、ゲームのプログラム、及び当該ゲームの宣伝用コンテンツを、サーバ20からダウンロードする。制御装置110は、サーバ20からダウンロードしたゲームの宣伝用コンテンツを、ゲーム装置10の筐体100の内部、外部または外面に設けられた表示装置150に表示させる。
【0026】
サーバ20は、ゲーム装置10からの要求に従い、またはサーバ20の管理者からの操作に従い、ゲーム装置10に、ゲームのプログラム、及び当該ゲームの宣伝用コンテンツ等を配信する。
【0027】
<制御装置のハードウェア構成>
次に、図3を参照し、ゲーム装置10が有する制御装置110、及びサーバ20のハードウェア構成について説明する。図3は、実施形態に係る制御装置110及びサーバ20のハードウェア構成の一例について説明する図である。
【0028】
図3に示す制御装置110は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置111、補助記憶装置112、メモリ装置113、CPU114、インタフェース装置115等を有する。
【0029】
制御装置110での処理を実現するゲーム制御プログラムは、記録媒体111Aによって提供される。ゲーム制御プログラムを記録した記録媒体111Aがドライブ装置111にセットされると、ゲーム制御プログラムが記録媒体111Aからドライブ装置111を介して補助記憶装置112にインストールされる。但し、ゲーム制御プログラムのインストールは必ずしも記録媒体111Aより行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置112は、インストールされたゲーム制御プログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
メモリ装置113は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置112からプログラムを読み出して格納する。CPU114は、メモリ装置113に格納されたプログラムに従って制御装置110に係る機能を実現する。インタフェース装置115は、ネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。
【0030】
なお、記録媒体111Aの一例としては、CD-ROM、DVDディスク、又はUSBメモリ等の可搬型の記録媒体が挙げられる。また、補助記憶装置112の一例としては、HDD(Hard Disk Drive)又はフラッシュメモリ等が挙げられる。記録媒体111A及び補助記憶装置112のいずれについても、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に相当する。
【0031】
なお、サーバ20のハードウェア構成は、図2に示す制御装置110のハードウェア構成例と同様でもよい。
【0032】
<機能構成>
次に、図4を参照し、制御装置110及びサーバ20の機能構成について説明する。図4は、実施形態に係る制御装置110及びサーバ20の機能ブロック図である。
【0033】
≪ゲーム装置≫
ゲーム装置10の制御装置110は、記憶部11を有する。記憶部11は、例えば、補助記憶装置112等を用いて実現される。記憶部11は、ゲームソフト等を記憶する。
【0034】
ゲーム装置10の制御装置110は、取得部12、決定部13、及び制御部14を有する。これら各部は、制御装置110にインストールされた1以上のプログラムが、制御装置110のCPU114に実行させる処理により実現される。
【0035】
取得部12は、各ゲームソフトがダウンロードされた数、または各ゲームソフトが実行された数に応じたランキング(順位)をサーバ20から取得する。
【0036】
決定部13は、取得部12により取得されたランキングに基づいて、ダウンロードさせるゲームソフトを決定する。
【0037】
制御部14は、記憶部11に記憶されているゲームソフトを実行し、ゲームの状況に応じて、体感装置104等のゲーム装置10に含まれる各装置の制御を行う。また、制御部14は、決定部13により決定されたゲームソフトをサーバ20からダウンロードし、記憶部11に記憶させる。
【0038】
≪サーバ≫
サーバ20は、記憶部21を有する。記憶部21は、例えば、補助記憶装置等を用いて実現される。
【0039】
記憶部21は、ゲーム装置10に配信するゲームソフト、各ゲームソフトがユーザによりプレイ(実行)された履歴を含むプレイ履歴データ211、各ゲームソフトがダウンロードされた履歴を含むダウンロード履歴データ212、ゲームソフトで用いられるゲーム装置10の各体感装置104の各機能を検査するための利用体感装置データ213等を記憶する。
【0040】
図5は、実施形態に係るプレイ履歴データ211の一例を示す図である。図5に示すプレイ履歴データ211は、ゲームID、ゲームの名称、ジャンル、プレイ日時、ゲーム装置ID、地域、施設ID及び、施設の種別の項目を有する。
【0041】
ゲームIDは、ゲームソフトの識別情報である。ゲームの名称は、ゲームソフトの名称(タイトル)である。ジャンルは、ゲームソフトのゲームのジャンル(分類、種類)であり、例えば、アクションゲーム、レースゲーム、シミュレーションゲーム等の分類である。プレイ日時は、ゲームソフトがユーザにより利用された日時である。ゲーム装置IDは、ゲーム装置10の識別情報である。地域は、当該ゲーム装置10が設置されている地域であり、例えば、秋葉原、新宿等である。施設IDは、当該ゲーム装置10が設置されている施設の識別情報である。施設の種別は、当該ゲーム装置10が設置されている施設の種別であり、例えば、駅ビル、ショッピングモール、ゲームセンター等である。
【0042】
図5の例では、ゲームIDが「001」のゲームソフトが、「2017/9/28 16:04:21」に、新宿のショッピングモールに設置されたゲーム装置10において実行されたこと等が記録されている。
【0043】
図6は、実施形態に係るダウンロード履歴データ212の一例を示す図である。図6に示すダウンロード履歴データ212は、ゲームID、ゲームの名称、ダウンロード日時、ゲーム装置ID、地域、施設ID及び、施設の種別の項目を有する。ダウンロード日時は、ゲームソフトがゲーム装置10にダウンロードされた日時である。図6の例では、ゲームIDが「001」のゲームソフトが、「2017/9/27 23:00:56」に、新宿のショッピングモールに設置されたゲーム装置10においてダウンロードされたこと等が記録されている。
【0044】
また、サーバ20は、生成部22、配信部23、及び制御部24を有する。これら各部は、制御装置110にインストールされた1以上のプログラムが、サーバ20のCPUに実行させる処理により実現される。
【0045】
生成部22は、プレイ履歴データ211、及びダウンロード履歴データ212に基づいて、各ゲームソフトのランキングの情報を生成する。
【0046】
配信部23は、生成部22により集計されたランキング、及び記憶部21に記憶されているゲームソフト等を、ゲーム装置10に配信する。
【0047】
制御部24は、サーバ20の全体の制御を行う。
【0048】
<処理>
≪ゲーム中の処理≫
次に、図7を参照し、制御部14のゲーム中の処理について説明する。図7は、実施形態に係るゲーム装置10の制御部14によるゲーム中の処理の一例を示すフローチャートである。
【0049】
まず、ステップS1において、制御部14は、コントローラ102等を用いたゲーム操作をユーザから受け付ける。
【0050】
続いて、制御部14は、ゲーム内の状況を判定する(ステップS2)。
【0051】
続いて、制御部14は、ゲーム内の状況に応じて、体感装置104を制御する(ステップS3)、処理を終了する。
【0052】
ここで、制御部14は、ゲームにおいて、例えば、屋敷の外が暴風雨であるにもかかわらず、ユーザが屋敷の外に出る操作をすれば、体感装置104Cを用いて、ユーザに向かって風と水(水滴)を吹き付けさせる。
【0053】
また、制御部14は、ゲームにおいて、例えば、案内役の女性キャラクターと初めて遭遇した際に、体感装置104Bを用いて、花の香りを放出させる。また、制御部14は、ゲームにおいて、例えば、敵のボス役のキャラクターを登場させた際、当該キャラクターの風格や威圧感等をユーザに感じさせるため、体感装置104Cを用いて、風をユーザに送る。また、制御部14は、ゲームにおいて、例えば、ユーザのキャラクターが馬に乗って敵を追いかける際、体感装置104Aを用いて、乗馬しているような振動をユーザに体感させる。
【0054】
≪ゲームをダウンロードする際の処理≫
次に、図8を参照し、ゲーム装置10がサーバ20からゲームをダウンロードする際の処理について説明する。図8は、実施形態に係るゲームシステム1のゲームをダウンロードする際の処理の一例を示すフローチャートである。以下の処理は、例えば、予め設定された日時(例えば、夜間等)となった際に実行されてもよい。
【0055】
ステップS11において、ゲーム装置10の取得部12は、ランキングの取得要求をサーバ20に送信する。ここで、取得部12は、複数の条件に応じた一のランキングの取得要求を送信してもよいし、複数の条件にそれぞれ応じた複数のランキングの取得要求を送信してもよい。
【0056】
続いて、サーバ20の配信部23は、各ゲームソフトがダウンロードされた数、または各ゲームソフトがプレイされた数等に応じたランキング等のデータを、ゲーム装置10に送信する(ステップS12)。
【0057】
続いて、ゲーム装置10の決定部13は、受信したランキングに基づいて、ダウンロードするゲームソフトを決定する(ステップS13)。ここで、決定部13は、受信したランキングに含まれる1以上のゲームソフトのうち、ゲーム装置10において記憶されていない所定数のゲームソフトを、ダウンロードすると決定してもよい。また、決定部13は、ステップS11において、複数の条件にそれぞれ応じた複数のランキングの取得要求を送信した場合、各ゲームソフトに、各ランキングの順番が上位であるほど高いスコアを付与する。そして、決定部13は、合計のスコアが高い順に、ゲーム装置10において記憶されていない所定数のゲームソフトを、ダウンロードすると決定してもよい。
【0058】
続いて、ゲーム装置10の制御部14は、決定したゲームソフトのダウンロード要求をサーバ20に送信する(ステップS14)。
【0059】
続いて、サーバ20の配信部23は、要求されたゲームソフトを、ゲーム装置10に送信する(ステップS15)。
【0060】
続いて、ゲーム装置10の制御部14は、受信したゲームソフトを記憶する(ステップS16)。ここで、ゲーム装置10の記憶部11には、例えば、工場からの出荷時等において所定数(例えば、3つ)のゲームソフトが記憶されており、所定の最大数(例えば、5つ)までのゲームソフトを記憶しておくことができる。そのため、ゲーム装置10において既に記憶されているゲームソフトの数が当該最大数になっている場合、1つのゲームソフトを追加するためには、既に記憶されている1つのゲームソフトを削除する必要がある。この場合、ゲーム装置10の制御部14は、ゲーム装置10の記憶部11に既に記憶されているゲームソフトのうち、受信したランキングにおいて最も順位の低い等のゲームソフトを自動で、またはゲーム装置10の管理者の操作により、削除してもよい。
【0061】
なお、ゲーム装置10の制御部14は、ゲームソフトのダウンロードが完了した後、自動で当該ゲームソフトがインストールし、当該ゲームソフトをユーザがプレイできるようにしてもよい。または、ゲーム装置10の制御部14は、例えば、夜間のうちにゲームソフトをダウンロードしておき、ゲーム装置10の管理者の確認操作により、当該ゲームソフトをユーザがプレイできるようにしてもよい。
【0062】
≪ランキングの取得要求を生成する処理≫
続いて、図9、及び図10を参照し、ステップS11の、ゲーム装置10の取得部12がランキングの取得要求をサーバ20に送信する処理について説明する。図9は、ランキングの取得要求を生成する処理の一例を示すフローチャートである。図10は、実施形態に係る利用体感装置データ213の一例を示す図である。
【0063】
ステップS101において、取得部12は、サーバ20から利用体感装置データ213を取得し、取得した利用体感装置データ213を用い、ゲーム装置10が有する体感装置104の種別に応じたランキングの取得要求を生成する。図10の例では、利用体感装置データ213には、ゲームソフトのIDに対応付けて、ゲームの名称(タイトル)、ゲームにて使用される体感装置104の各機能(体感装置104が有する機能の種別)を示す情報、及び当該各機能の重要度が記録されている。図10の例では、「名称A」のゲームでは、「花の香り」及び「冷風」を提供する機能が「推奨」であり、「振動」を提供する機能が「必須」と設定されている。これは、「振動」を提供する機能が正常に動作しない場合はゲームを実行すべきではないことを示している。また、「花の香り」及び「冷風」を提供する機能については、例えば、ゲームにおいて重要ではない、または主要なゲームシナリオでは用いられない等の理由により、香りが弱まっている等の場合でもゲームを実行してもよいことを示している。
【0064】
利用体感装置データ213のゲームソフトにおいて、重要度が「必須」、及び「推奨」と設定されている各体感装置104をゲーム装置10が有している場合、取得部12は、当該ゲームソフトを含むランキングを生成させる取得要求を生成する。なお、取得部12は、例えば、SQL(Structured Query Language)のコマンドにより取得要求を生成してもよい。
【0065】
続いて、制御部14は、ゲーム装置10が有する、体感装置104を検査する(ステップS102)。ここで、ゲーム装置10の制御部14は、受信した検査用のデータに示される各体感装置104の各機能が、正常であるか否かを検査する。図10の「名称A」のゲームの例では、体感装置104Aの振動機能が正常であるか、体感装置104Bの花の香りの機能が正常であるか、体感装置104Cの冷風機能が正常であるか等を検査するプログラムを実行する。
【0066】
続いて、取得部12は、体感装置104の検査結果に応じたランキングの取得要求を生成する(ステップS103)。ここで、取得部12は、利用体感装置データ213のゲームソフトにおいて、重要度が「必須」、及び「推奨」と設定されている各体感装置104をゲーム装置10が有しており、当該各体感装置104の検査結果が正常である場合、当該ゲームソフトを含むランキングを生成させる取得要求を生成する。これにより、例えば、同一の施設に設置されている4台のゲーム装置10のうち、3台のゲーム装置10においては、所定の香りのカートリッジを交換したくない場合に、当該所定の香りの機能が正常であるゲーム装置10にのみ、当該所定の香りの機能を利用するゲームソフトをダウンロードさせることができる。
【0067】
続いて、取得部12は、ゲーム装置10が有する、ゲーム装置10の筐体の種別に応じたランキングの取得要求を生成する(ステップS104)。ここで、ゲーム装置10は、当該ゲーム装置10を利用するユーザの種別に応じた筐体を有している。例えば、男性のユーザ向けのゲーム装置10は金色の筐体とし、女性のユーザ向けのゲーム装置10は銀色の筐体とする。そして、取得部12は、ゲーム装置10の筐体が金色であれば、「格闘アクション」、及び「美少女ゲーム」等のジャンルを少なくとも含むゲームソフトのランキングの取得要求を生成する。一方、取得部12は、ゲーム装置10の筐体が銀色であれば、「乙女ゲーム」等のジャンルを少なくとも含むゲームソフトのランキングの取得要求を生成する。これにより、例えば、管理者は、金色の筐体のゲーム装置10の体感装置104Bには、花の香りのカートリッジを設置しておき、銀色の筐体のゲーム装置10の体感装置104Bには、男性用香水のカートリッジを設置しておく等により、それぞれで利用可能な体感装置104の機能を分けることができる。
【0068】
続いて、取得部12は、ゲーム装置10と同一の施設に設置されている他のゲーム装置10にて実行可能なゲームの所定のジャンルとは異なるジャンルのランキングの取得要求を生成する(ステップS105)。ここで、取得部12は、例えば、同一の施設に設置されている他のゲーム装置10にて、「美少女ゲーム」のジャンルのゲームソフトが実行可能な場合、「美少女ゲーム」のジャンルを含まないゲームソフトのランキングの取得要求を生成する。
【0069】
続いて、取得部12は、各種の条件に応じたランキングの取得要求を生成する(ステップS106)。ここで、取得部12は、当該各種の条件として、各ゲームソフトが実行された曜日、各ゲームソフトが実行された曜日の種別、各ゲームソフトが実行された時間帯、各ゲームソフトがダウンロードまたは実行されたゲーム装置が設置されている地域、各ゲームソフトがダウンロードまたは実行されたゲーム装置が設置されている施設、及び各ゲームソフトがダウンロードまたは実行された施設の種別の少なくとも一つを含めてもよい。これにより、例えば、所定の条件に応じたユーザの特性等に基づいて、ダウンロードするゲームソフトを決定できる。
【0070】
なお、各ゲームソフトが実行された曜日の種別は、例えば、各ゲームソフトが実行された日が平日であるか、休日または祝日であるか等の種別である。各ゲームソフトが実行された時間帯は、例えば、日中、夕方、夜間等の時間帯である。これにより、例えば、平日の夕方は学生等のユーザが多く、休日の日中等は家族連れ等のユーザが多い等の傾向に応じて、ダウンロードするゲームソフトを決定できる。
【0071】
<変形例1>
上述した例では、ゲーム装置10が、所定の条件に応じたランキングをサーバ20から取得する例について説明した。これに代えて、ゲーム装置10が、所定期間におけるプレイ履歴データ211、及びダウンロード履歴データ212をサーバ20から取得し、所定の条件に応じたランキングを生成するようにしてもよい。
【0072】
<変形例2>
取得部12、決定部13、及び制御部14は、例えば1以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティングにより実現されていてもよい。また、取得部12、決定部13、及び制御部14を、ゲーム装置10に代えて、サーバ20が備えるようにしてもよい。この場合、サーバ20において、例えば、ゲーム装置10のIDに対応付けて、ゲーム装置10の筐体の種別、ゲーム装置10が有する体感装置104の種別等を記憶部21にて予め記憶しておくようにしてもよい。また、ゲーム装置10が有する体感装置104の検査結果等は、当該ゲーム装置10から取得するようにしてもよい。
【0073】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0074】
ゲーム装置10の制御装置110、及びサーバ20は、それぞれ、「情報処理装置」の一例である。
【0075】
<変形例3>
上述した実施形態では、ゲームソフトとして、ユーザがゲームをプレイできるゲームソフト(通常のゲームプログラム、正規版ゲームプログラム)をランキングに応じてダウンロードさせる例について説明した。これに代えて、ゲームソフトとして、正規版と試用版との少なくとも一方を、ランキングに応じてダウンロードさせるようにしてもよい。ここで、試用版のゲームソフトとは、例えば、宣伝用のコンテンツ等として用いられ、正規版と比較して限られた時間、または限られたステージまたは範囲等のみでプレイ可能なゲームソフトであるが、正規版と同様の操作によりプレイ可能である。
【0076】
そのため、ゲーム装置10の運用者等が、試用版で実際にゲームをプレイしてみて、体感装置104の作動の状況やゲームの内容を確認し、正規版の当該ゲームプログラムをゲーム装置に導入(インストール)するか否か、またはダウンロードするか否かを決定することができる。なお、正規版のゲームソフト、及び試用版のゲームソフトは、それぞれ、「ゲームプログラム」の一例である。
【符号の説明】
【0077】
1 ゲームシステム
10 ゲーム装置
100 筐体
101A 表示装置
102 コントローラ
103 搭乗部
104 体感装置
110 制御装置
150 表示装置
11 記憶部
12 取得部
13 決定部
14 制御部
20 サーバ
21 記憶部
22 生成部
23 配信部
24 制御部
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10