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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-10
(45)【発行日】2022-02-21
(54)【発明の名称】電池セル及び電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/557 20210101AFI20220214BHJP
   H01M 50/178 20210101ALI20220214BHJP
   H01M 50/548 20210101ALI20220214BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20220214BHJP
【FI】
H01M50/557
H01M50/178
H01M50/548 301
H01M50/55 301
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019568959
(86)(22)【出願日】2019-01-10
(86)【国際出願番号】 JP2019000479
(87)【国際公開番号】W WO2019150904
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2020-07-21
(31)【優先権主張番号】P 2018013971
(32)【優先日】2018-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】507357232
【氏名又は名称】株式会社エンビジョンAESCジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100127236
【弁理士】
【氏名又は名称】天城 聡
(72)【発明者】
【氏名】山本 剛正
(72)【発明者】
【氏名】小林 由樹
【審査官】藤原 敬士
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-187857(JP,A)
【文献】特開2016-025013(JP,A)
【文献】特開2017-188233(JP,A)
【文献】特開2012-142126(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/543 - 50/567
H01M 50/178
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極、第2電極及びセパレータを含み、第1面と、前記第1面の反対側の第2面と、前記第1面と前記第2面の間の第1側面と、を有する積層体と、
第1端と、前記第1端の反対側の第2端と、を有し、前記第1端が前記積層体の前記第1側面に対向するように位置する第1リード端子と、
前記積層体を包む外装材と、
を備え、
前記第1リード端子の前記第2端は、前記積層体の前記第1側面に対して斜めに突出しており、
前記外装材は、前記第1リード端子の前記第1端が前記外装材の内側に位置し、かつ前記第1リード端子の前記第2端が前記外装材の外側へ露出するように前記第1リード端子の一部を封止しており、
前記第1リード端子は、前記第1リード端子の前記一部に曲がり部を有する電池セル。
【請求項2】
請求項に記載の電池セルにおいて、
前記外装材は、前記第1リード端子と交わる第1辺を有し、
前記外装材の前記第1辺は、前記第1リード端子の両側のうちの少なくとも一方に切欠きを有する電池セル。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電池セルにおいて、
第1端と、前記第1端の反対側の第2端と、を有する第2リード端子を有し、
前記第2リード端子は、前記第2リード端子の前記第1端が前記積層体の前記第1側面に対向するように位置しており、
前記第2リード端子の前記第2端は、前記積層体の前記第1側面に対して斜めに突出している電池セル。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の電池セルにおいて、
第1端と、前記第1端の反対側の第2端と、を有する第2リード端子を有し、
前記積層体は、前記第1側面の反対側の第2側面を有し、
前記第2リード端子は、前記第2リード端子の前記第1端が前記積層体の前記第2側面に対向するように位置しており、
前記第1リード端子の前記第2端は、前記積層体の前記第2側面に対して斜めに突出している電池セル。
【請求項5】
ケースと、
前記ケースに収容された電池セルと、
を備え、
前記電池セルは、
第1電極、第2電極及びセパレータを含み、第1面と、前記第1面の反対側の第2面と、前記第1面と前記第2面の間の第1側面と、を有する積層体と、
第1端と、前記第1端の反対側の第2端と、を有し、前記第1端が前記積層体の前記第1側面に対向するように位置する第1リード端子と、
前記積層体を包む外装材と、
を備え、
前記第1リード端子の前記第2端は、前記積層体の前記第1側面に対して斜めに突出しており、
前記外装材は、前記第1リード端子の前記第1端が前記外装材の内側に位置し、かつ前記第1リード端子の前記第2端が前記外装材の外側へ露出するように前記第1リード端子の一部を封止しており、
前記第1リード端子は、前記第1リード端子の前記一部に曲がり部を有する電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池セル及び電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、非水電解液二次電池、特に、リチウムイオン二次電池が開発されている。リチウムイオン二次電池では、積層された複数の電池セルによって電池モジュールが構成されることがある。各電池セルは、正極、負極、セパレータ、外装材及びリード端子を含んでいる。正極、負極及びセパレータは、積層体を構成しており、隣り合う正極及び負極がセパレータによって互いに隔てられるように積層されている。積層体は、外装材によって包まれている。リード端子は、リード端子の一端が外装材の内側に位置し、かつリード端子の他端が外装材の外側へ露出するように位置している。
【0003】
特許文献1から3には、リード端子を折り曲げることについて記載されている。特許文献1及び2では、リード端子を外装材の外側で折り曲げている。特許文献3では、リード端子を外装材の内側で折り曲げている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-504780号公報
【文献】特開2003-323883号公報
【文献】特開2000-200586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電池セルでは、リード端子の一端が電池セルの内部部材(例えば、積層体)に対向するようにされることがある。本発明者は、衝撃によってリード端子が電池セルの内部部材へ突き刺さるおそれがあることを見出した。
【0006】
本発明の目的は、リード端子の電池セルの内部部材への突き刺さりを抑えることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、
第1電極、第2電極及びセパレータを含み、第1面と、前記第1面の反対側の第2面と、前記第1面と前記第2面の間の第1側面と、を有する積層体と、
第1端と、前記第1端の反対側の第2端と、を有し、前記第1端が前記積層体の前記第1側面に対向するように位置する第1リード端子と、
前記積層体を包む外装材と、
を備え、
前記第1リード端子の前記第2端は、前記積層体の前記第1側面に対して斜めに突出しており、
前記外装材は、前記第1リード端子の前記第1端が前記外装材の内側に位置し、かつ前記第1リード端子の前記第2端が前記外装材の外側へ露出するように前記第1リード端子の一部を封止しており、
前記第1リード端子は、前記第1リード端子の前記一部に曲がり部を有する電池セルが提供される。
【0008】
本発明によれば、
ケースと、
前記ケースに収容された電池セルと、
を備え、
前記電池セルは、
第1電極、第2電極及びセパレータを含み、第1面と、前記第1面の反対側の第2面と、前記第1面と前記第2面の間の第1側面と、を有する積層体と、
第1端と、前記第1端の反対側の第2端と、を有し、前記第1端が前記積層体の前記第1側面に対向するように位置する第1リード端子と、
前記積層体を包む外装材と、
を備え、
前記第1リード端子の前記第2端は、前記積層体の前記第1側面に対して斜めに突出しており、
前記外装材は、前記第1リード端子の前記第1端が前記外装材の内側に位置し、かつ前記第1リード端子の前記第2端が前記外装材の外側へ露出するように前記第1リード端子の一部を封止しており、
前記第1リード端子は、前記第1リード端子の前記一部に曲がり部を有する電池パックが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、リード端子の電池セルの内部部材への突き刺さりを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
【0011】
図1】実施形態1に係る電池セルの上面図である。
図2図1のA-A断面図である。
図3図1のB-B断面図である。
図4図2の変形例を示す図である。
図5】実施形態2に係る電池セルの上面図である。
図6図5のC-C断面図である。
図7図5のD-D断面図である。
図8】実施形態3に係る電池セルの断面図である。
図9図8に示した電池セルの一部を拡大した上面図である。
図10】実施形態4に係る電池パックの側面図である。
図11図10に示した電池パックの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0013】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る電池セル10の上面図である。図2は、図1のA-A断面図である。図3は、図1のB-B断面図である。
【0014】
図2を用いて、電池セル10の概要を説明する。電池セル10は、積層体100及び第1リード端子210を備えている。積層体100は、第1電極110、第2電極120及びセパレータ130を含んでいる。積層体100は、第1面102a、第2面102b及び第1側面104aを有している。第2面102bは、第1面102aの反対側にある。第1側面104aは、第1面102aと第2面102bの間にある。第1リード端子210は、第1端212及び第2端214を有している。第2端214は、第1端212の反対側にある。第1リード端子210は、第1リード端子210の第1端212が積層体100の第1側面104aに対向するように位置している。第1リード端子210の第2端214は、積層体100の第1側面104aに対して斜めに突出している。特に図2に示す例では、第1リード端子210は、第1端212と第2端214の間、より具体的には外装材140(詳細は後述する。)の外側に、第1リード端子210の長手方向に沿った曲がり部Cを有している。
【0015】
上述した構成によれば、第1リード端子210の電池セル10の内部部材(例えば、積層体100)への突き刺さりを抑えることができる。具体的には、上述した構成においては、第1リード端子210の第2端214は、積層体100の第1側面104aに対して斜めに突出している。したがって、第1リード端子210の第2端214が衝撃を受けても、第1リード端子210の第1端212から電池セル10の内部部材、特に積層体100に伝わる力を緩和することができる。したがって、第1リード端子210の電池セル10の内部部材(例えば、積層体100)への突き刺さりを抑えることができる。
【0016】
図3に示す例においても、同様にして、第2リード端子220の電池セル10の内部部材(例えば、積層体100)への突き刺さりを抑えることができる。第2リード端子220は、第1端222及び第2端224を有している。第2端224は、第1端222の反対側にある。第2リード端子220は、第2リード端子220の第1端222が積層体100の第1側面104aに対向するように位置している。第2リード端子220の第2端224は、積層体100の第1側面104aに対して斜めに突出している。特に図3に示す例では、第2リード端子220は、第1端222と第2端224の間、より具体的には外装材140(詳細は後述する。)の外側に、第2リード端子220の長手方向に沿った曲がり部Cを有している。したがって、第2リード端子220の電池セル10の内部部材(例えば、積層体100)への突き刺さりを抑えることができる。
【0017】
図1から図3を用いて、電池セル10の詳細を説明する。
【0018】
電池セル10は、積層体100、複数の第1タブ112、複数の第2タブ122、外装材140、第1リード端子210及び第2リード端子220を備えている。
【0019】
図1から図3に示す例では、積層体100は、複数の第1電極110、複数の第2電極120及び複数のセパレータ130を含んでいる。他の例において、積層体100に含まれる第1電極110の数、第2電極120の数及びセパレータ130の数のそれぞれは、1つのみであってもよい。第1電極110及び第2電極120は、互いに異なる極性を有しており、それぞれ、正極及び負極であってもよいし、又は、それぞれ、負極及び正極であってもよい。第1電極110、第2電極120及びセパレータ130は、隣り合う第1電極110と第2電極120がセパレータ130によって隔てられるように一方向(図内のZ方向)に積層されている。
【0020】
積層体100は、実質的に直方体の形状を有している。積層体100は、第1面102a、第2面102b、第1側面104a、第2側面104b、第3側面104c及び第4側面104dを有している。第2面102bは、第1面102aの反対側にある。第1側面104aは、第1面102aと第2面102bの間にある。第2側面104bは、第1側面104aの反対側にある。第3側面104cは、第1側面104aと第2側面104bの間にある。第4側面104dは、第3側面104cの反対側にある。積層体100は、第1面102aと第2面102bの間に厚さ(図内のZ方向)を有し、第1側面104aと第2側面104bの間に長さ(図内のX方向)を有し、第3側面104cと第4側面104dの間に幅(図内のY方向)を有している。図1に示す例では、積層体100の長さ(図内のX方向)は、積層体100の幅(図内のY方向)よりも大きくなっている。
【0021】
図2に示すように、複数の第1タブ112は、積層体100から突出している。複数の第1タブ112のそれぞれの一端は、積層体100内の複数の第1電極110のそれぞれに接続している。複数の第1タブ112のそれぞれのもう一端は、第1リード端子210において束ねられている。複数の第1電極110は、複数の第1タブ112及び第1リード端子210を介して、外装材140の外側の部材に電気的に接続することができる。
【0022】
図3に示すように、複数の第2タブ122は、積層体100から突出している。複数の第2タブ122のそれぞれの一端は、積層体100内の複数の第2電極120のそれぞれに接続している。複数の第2タブ122のそれぞれのもう一端は、第2リード端子220において束ねられている。複数の第2電極120は、複数の第2タブ122及び第2リード端子220を介して、外装材140の外側の部材に電気的に接続することができる。
【0023】
外装材140は、積層体100を包んでおり、積層体100、複数の第1タブ112、複数の第2タブ122、第1リード端子210の一部及び第2リード端子220の一部を封止している。外装材140は、電解液(不図示)も収容している。図2に示す例では、外装材140は、第1リード端子210の第1端212が外装材140の内側に位置し、かつ第1リード端子210の第2端214が外装材140の外側へ露出するように第1リード端子210の一部を封止している。図3に示す例では、外装材140は、第2リード端子220の第1端222が外装材140の内側に位置し、かつ第2リード端子220の第2端224が外装材140の外側へ露出するように第2リード端子220の一部を封止している。
【0024】
図1に示す例において、外装材140は、シール部142を有している。シール部142は、例えば、外装材140の溶着によって形成されたものである。シール部142は、積層体100の第1側面104a、第3側面104c、第2側面104b及び第4側面104dに沿って連続的に広がっている。このようにして、積層体100は、外装材140によって封止される。
【0025】
第1リード端子210は、第1端212と第2端214の間、特に図2に示す例では外装材140の外側に、曲がり部Cを有している。図2に示す例では、曲がり部Cの曲率が大さく、したがって、第1リード端子210は、外装材140の外側の実質的に1点(曲がり部C)において折れ曲がっている。これによって、第1リード端子210の第2端214は、積層体100の第1側面104aに対して斜めに突出している。したがって、第1リード端子210の第2端214が衝撃を受けても、第1リード端子210の第1端212から電池セル10の内部部材、特に積層体100に伝わる力が緩和される。
【0026】
第2リード端子220は、第1端222と第2端224の間、特に図3に示す例では外装材140の外側に、曲がり部Cを有している。図3に示す例では、曲がり部Cの曲率が大さく、したがって、第2リード端子220は、外装材140の外側の実質的に1点(曲がり部C)において折れ曲がっている。これによって、第2リード端子220の第2端224は、積層体100の第1側面104aに対して斜めに突出している。したがって、第2リード端子220の第2端224が衝撃を受けても、第2リード端子220の第1端222から電池セル10の内部部材、特に積層体100に伝わる力が緩和される。
【0027】
図1から図3に示す例では、電池セル10は、積層体100の長さ方向(図内のX方向)において外装材140の両側のうちの一方に第1リード端子210及び第2リード端子220の双方を有している。第1リード端子210及び第2リード端子220は、積層体100の幅方向(図内のY方向)に並んでいる。第1リード端子210と第2リード端子220を適当な距離だけ離すことで、第1リード端子210と第2リード端子220の接触、すなわち、第1リード端子210と第2リード端子220の短絡を防ぐことができる。
【0028】
図2及び図3に示す例では、第1リード端子210及び第2リード端子220は、同じ方向(図内のZ方向において下側)に向けて折れ曲がっている。他の例において、第1リード端子210及び第2リード端子220は、互いに異なる方向に向けて折れ曲がっていてもよい。一例において、第1リード端子210は上側に向けて折れ曲がるようにし、第2リード端子220が下側に向けて折れ曲がるようにしてもよい。
【0029】
図4は、図2の変形例を示す図である。
【0030】
第1リード端子210は、第1端212と第2端214の間、より具体的には外装材140の外側に、第1リード端子210の長手方向に沿った曲がり部Cを有している。図4に示す例では、曲がり部Cの曲率が小さく、したがって、第1リード端子210は、シール部142の端部から第2端214にかけて湾曲している。これによって、第1リード端子210の第2端214は、積層体100の第1側面104aに対して斜めに突出している。したがって、第1リード端子210の第2端214が衝撃を受けても、第1リード端子210の第1端212から電池セル10の内部部材、特に積層体100に伝わる力が緩和される。
【0031】
(実施形態2)
図5は、実施形態2に係る電池セル10の上面図であり、実施形態1の図1に対応する。図6は、図5のC-C断面図である。図7は、図5のD-D断面図である。本実施形態に係る電池セル10は、以下の点を除いて、実施形態1に係る電池セル10と同様である。
【0032】
図5から図7に示す例では、電池セル10は、積層体100の長さ方向(図内のX方向)において外装材140の両側のうちの一方に第1リード端子210を有し、積層体100の長さ方向(図内のX方向)において外装材140の両側のうちのもう一方に第2リード端子220を有している。したがって、第1リード端子210と第2リード端子220を大きな距離離すことができ、第1リード端子210と第2リード端子220の接触、すなわち、第1リード端子210と第2リード端子220の短絡を防止することができる。図6に示すように、第1リード端子210は、第1端212が積層体100の第1側面104aに対向するように位置している。図7に示すように、第2リード端子220は、第1端222が積層体100の第2側面104bに対向するように位置している。
【0033】
図6に示す例では、図2に示した例と同様にして、第1リード端子210の第2端214は、積層体100の第1側面104aに対して斜めに突出している。したがって、第1リード端子210の電池セル10の内部部材(例えば、積層体100)への突き刺さりを抑えることができる。
【0034】
図7に示す例では、図3に示した例と同様にして、第1リード端子210の第2端214は、積層体100の第2側面104bに対して斜めに突出している。したがって、第2リード端子220の電池セル10の内部部材(例えば、積層体100)への突き刺さりを抑えることができる。
【0035】
(実施形態3)
図8は、実施形態3に係る電池セル10の断面図であり、実施形態1の図2に対応する。図9は、図8に示した電池セル10の一部を拡大した上面図である。本実施形態に係る電池セル10は、以下の点を除いて、実施形態1に係る電池セル10と同様である。
【0036】
第1リード端子210の一部が外装材140によって封止されており、第1リード端子210は、第1リード端子210の当該一部に曲がり部Cを有している。したがって、外装材140の一部が第1リード端子210と一緒になって折れ曲がっている。
【0037】
図9に示す例において、外装材140は、第1辺142aを有している。第1辺142aは、第1リード端子210と交わっている。外装材140のシール部142は、第1リード端子210の両側の少なくとも一方切欠きを有し、特に図9に示す例では、第1リード端子210の両側に切欠き144を有している。切欠き144によって、第1リード端子210と一緒に外装材140を折れ曲げやすくなっている。
【0038】
図8及び図9に示した第1リード端子210及びその周辺の構造は、第2リード端子220及びその周辺の構造にも適用可能である。
【0039】
(実施形態4)
図10は、実施形態4に係る電池パック20の側面図である。図11は、図10に示した電池パック20の正面図である。図10及び図11では、説明のため、ケース300の内部の部材(例えば、電池セル10)がケース300を透けるようにしている。
【0040】
電池パック20は、複数の電池セル10及びケース300を備えている。
【0041】
各電池セル10は、実施形態1から実施形態3までのいずれかに係る電池セル10と同様であり、特に図10及び図11に示す例では、図1から図3に示した電池セル10と同様である。複数の電池セル10は、一方向(図内のZ方向)に積層されている。
【0042】
ケース300は、実質的に直方体の形状を有する内部空間を有している。ケース300の内部空間は、第1内面302a、第2内面302b、第1内側面304a、第2内側面304b、第3内側面304c及び第4内側面304dによって画定されている。第2内面302bは、第1内面302aに対向している。第1内側面304aは、第1内面302aと第2内面302bの間にある。第2内側面304bは、第1内側面304aに対向している。第3内側面304cは、第1内側面304aと第2内側面304bの間にある。第4内側面304dは、第3内側面304cに対向している。ケース300は、第1内面302aと第2内面302bの間に高さ(図内のZ方向)を有し、第1内側面304aと第2内側面304bの間に長さ(図内のX方向)を有し、第3内側面304cと第4内側面304dの間に幅(図内のY方向)を有している。
【0043】
複数の電池セル10は、各電池セル10の第1リード端子210及び第2リード端子220がケース300の第1内側面304aに対向するようにケース300に収容されている。
【0044】
図10及び図11に示す例では、電池パック20への衝撃によってケース300の第1内側面304aと第1リード端子210が衝突して第1リード端子210が衝撃を受けても、上述したように、第1リード端子210から電池セル10の内部部材に伝わる力を第1リード端子210の曲がり部によって緩和することができる。したがって、第1リード端子210の電池セル10の内部部材への突き刺さりを抑えることができる。同様にして、電池パック20への衝撃によってケース300の第1内側面304aと第2リード端子220が衝突して第2リード端子220が衝撃を受けても、上述したように、第2リード端子220から電池セル10の内部部材に伝わる力を第2リード端子220の曲がり部によって緩和することができる。したがって、第2リード端子220の電池セル10の内部部材への突き刺さりを抑えることができる。
【0045】
電池パック20は、複数の緩衝部材310をさらに備えている。各緩衝部材310は、隣り合う第1リード端子210を互いに隔て、隣り合う第2リード端子220を互いに隔てている。図11に示す例では、各緩衝部材310は、第1リード端子210から第2リード端子220にかけて延伸している。緩衝部材310は、電池パック20が受ける衝撃を緩和可能な材料(例えば、ゴム又はスポンジ)からなっている。したがって、第1リード端子210及び第2リード端子220が受ける衝撃を緩衝部材310によって緩和することができる。
【0046】
図10に示す例において、隣り合う外装材140の組と緩衝部材310の間には、空間312が画定されている。空間312は、電池パック20が受ける衝撃を緩衝するための領域として機能している。さらに、空間312は、電池パック20が受ける衝撃によって移動した緩衝部材310が入り込むための領域として機能している。仮に、空間312がない状態で緩衝部材310が外装材140に向けて移動すると、外装材140内の電池セル10(例えば、図2及び図3)が緩衝部材310によって損傷を受けるおそれがある。図10に示す例では、緩衝部材310の移動による外装材140内の電池セル10(例えば、図2及び図3)の損傷を空間312によって抑えることができる。
【0047】
電池パック20は、飛行体(例えば、ドローン)に搭載され得る。この場合、電池パック20は、落下による大きな衝撃を受けることがある。電池パック20がこのような大きな衝撃を受けても、本実施形態によれば、第1電極110及び第2リード端子220の電池セル10の内部部材への突き刺さりを抑えることができる。
【0048】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、参考形態の例を付記する。
1. 第1電極、第2電極及びセパレータを含み、第1面と、前記第1面の反対側の第2面と、前記第1面と前記第2面の間の第1側面と、を有する積層体と、
第1端と、前記第1端の反対側の第2端と、を有し、前記第1端が前記積層体の前記第1側面に対向するように位置する第1リード端子と、
を備え、
前記第1リード端子の前記第2端は、前記積層体の前記第1側面に対して斜めに突出している電池セル。
2. 1.に記載の電池セルにおいて、
前記積層体を包む外装材をさらに備え、
前記外装材は、前記第1リード端子の前記第1端が前記外装材の内側に位置し、かつ前記第1リード端子の前記第2端が前記外装材の外側へ露出するように前記第1リード端子の一部を封止しており、
前記第1リード端子は、前記第1リード端子の前記一部に曲がり部を有する電池セル。
3. 2.に記載の電池セルにおいて、
前記外装材は、前記第1リード端子と交わる第1辺を有し、
前記外装材の前記第1辺は、前記第1リード端子の両側のうちの少なくとも一方に切欠きを有する電池セル。
4. 1.から3までのいずれか一つに記載の電池セルにおいて、
第1端と、前記第1端の反対側の第2端と、を有する第2リード端子を有し、
前記第2リード端子は、前記第2リード端子の前記第1端が前記積層体の前記第1側面に対向するように位置しており、
前記第2リード端子の前記第2端は、前記積層体の前記第1側面に対して斜めに突出している電池セル。
5. 1.から3までのいずれか一つに記載の電池セルにおいて、
第1端と、前記第1端の反対側の第2端と、を有する第2リード端子を有し、
前記積層体は、前記第1側面の反対側の第2側面を有し、
前記第2リード端子は、前記第2リード端子の前記第1端が前記積層体の前記第2側面に対向するように位置しており、
前記第1リード端子の前記第2端は、前記積層体の前記第2側面に対して斜めに突出している電池セル。
6. ケースと、
前記ケースに収容された電池セルと、
を備え、
前記電池セルは、
第1電極、第2電極及びセパレータを含み、第1面と、前記第1面の反対側の第2面と、前記第1面と前記第2面の間の第1側面と、を有する積層体と、
第1端と、前記第1端の反対側の第2端と、を有し、前記第1端が前記積層体の前記第1側面に対向するように位置する第1リード端子と、
を備え、
前記第1リード端子の前記第2端は、前記積層体の前記第1側面に対して斜めに突出している電池パック。
【0049】
この出願は、2018年1月30日に出願された日本出願特願2018-013971号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
図1
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図9
図10
図11