(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-10
(45)【発行日】2022-02-21
(54)【発明の名称】ランダム・アクセス及び強誘電体メモリのためのウェア・レベリング
(51)【国際特許分類】
G06F 12/00 20060101AFI20220214BHJP
G11C 29/44 20060101ALI20220214BHJP
G11C 11/22 20060101ALI20220214BHJP
【FI】
G06F12/00 550Z
G11C29/44 100
G11C11/22 200
G06F12/00 597U
(21)【出願番号】P 2020511805
(86)(22)【出願日】2018-08-23
(86)【国際出願番号】 US2018047790
(87)【国際公開番号】W WO2019046104
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2020-04-24
(32)【優先日】2017-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595168543
【氏名又は名称】マイクロン テクノロジー,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【氏名又は名称】大菅 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100106851
【氏名又は名称】野村 泰久
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【氏名又は名称】天田 昌行
(72)【発明者】
【氏名】ファッケントホール,リチャード イー.
(72)【発明者】
【氏名】ヴィメルカーティ,ダニエーレ
(72)【発明者】
【氏名】ミルズ,デュアン アール.
【審査官】酒井 恭信
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-216434(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0172086(US,A1)
【文献】米国特許第09721639(US,B1)
【文献】特表2019-525375(JP,A)
【文献】特表2008-524748(JP,A)
【文献】特開2007-080429(JP,A)
【文献】国際公開第2009/009303(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 12/00
G11C 11/22
G11C 29/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の組のラッチにおいて、メモリ・アレイの第1のセクションから第1の組のデータを受信することであって、前記第1の組のラッチは前記メモリ・アレイの前記第1のセクションに関連付けられる、受信することと、
前記メモリ・アレイの第2のセクションに関連付けられるアイソレーション・デバイスを非アクティブ化することに基づいて、前記第2のセクションのメモリ・セルを、対応する感知構成要素のデジット線ノードから切り離すことと、
前記第2のセクションの前記切り離されたメモリ・セルの行に第1の論理状態をあらかじめ書き込むことと、
前記メモリ・アレイ外部の周辺部にある誤り訂正回路を通して、前記第1の組のデータを第2の組のラッチに送信することであって、前記第2の組のラッチは前記メモリ・アレイの
前記第2のセクションに関連付けられる、送信することと、
前記第1の組のデータを前記メモリ・アレイの前記第2のセクションに記憶することと
を含む
動作を電子メモリ装置が実行する方法。
【請求項2】
前記受信することは、
前記第1のセクションのメモリ・セルの行をアクティブ化することであって、前記メモリ・セルの行は前記第1の組のデータに対応する、アクティブ化することと、
前記第1のセクションに関連付けられる第1の組の感知構成要素を用いて、前記メモリ・セルのアクティブ化された行から前記第1の組のデータを検知することと、
前記第1の組のデータを前記第1の組のラッチに記憶することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の組のデータを前記第1の組のラッチ内に保持しながら、前記第1のセクションの前記メモリ・セルの行を非アクティブ化することを更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の論理状態は1の論理状態に対応する、請求項
1に記載の方法。
【請求項5】
前記送信することは、
前記第1の組のデータを前記第1の組のラッチから前記誤り訂正回路に転送することと、
前記誤り訂正回路に前記第1の組のデータに対する誤り訂正動作を実行させることと、
前記第1の組のデータを前記誤り訂正回路から前記第2の組のラッチに転送することと
を含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の組のデータをデータの複数のサブセットに分割することと、
データの前記複数のサブセットの各サブセットを前記誤り訂正回路を通して順次前記第2の組のラッチに送信することとを更に含む、請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の組のデータを前記送信することと、前記第2のセクションの前記切り離されたメモリ・セルの行をあらかじめ書き込むこととは同時に行われる、請求項
5に記載の方法。
【請求項8】
前記メモリ・アレイの前記第1のセクションの前記行をプリチャージすることなく、前記第1の組のラッチを閉じることを更に含む、請求項
5に記載の方法。
【請求項9】
前記メモリ・アレイの前記第2のセクションの前記あらかじめ書き込まれた行を前記第2の組のラッチ内の前記第1の組のデータでプリチャージすることを更に含む、請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
前記第2のセクションの前記あらかじめ書き込まれた行を前記プリチャージすることは、
前記第1の組のデータが前記あらかじめ書き込まれた第1の論理状態と異なるときに、第2の論理状態を書き込むことを含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の論理状態は0の論理状態に対応する、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
強誘電体メモリ・セルの複数のセクションを備えるメモリ・アレイであって、前記複数のセクションの各セクションは1組の感知構成要素及び1組のラッチに関連付けられる、メモリ・アレイと、
前記メモリ・アレイ外部の周辺部にある誤り訂正回路と、
前記メモリ・アレイ、前記1組の感知構成要素、前記1組のラッチ及び前記誤り訂正回路と電子通信するコントローラであって、前記コントローラは、
第1の組のラッチに、前記メモリ・アレイの第1のセクションから第1の組のデータを受信させることであって、前記第1の組のラッチは前記メモリ・アレイの前記第1のセクションに関連付けられる、受信させることと、
前記メモリ・アレイの第2のセクションに関連付けられるアイソレーション・デバイスを非アクティブ化することに基づいて、前記第2のセクションのメモリ・セルを、対応する感知構成要素のデジット線ノードから切り離すことと、
前記第2のセクションの前記切り離されたメモリ・セルの行に第1の論理状態をあらかじめ書き込むことと、
前記誤り訂正回路を通して前記第1の組のデータを第2の組のラッチに送信することであって、前記第2の組のラッチは前記メモリ・アレイの
前記第2のセクションに関連付けられる、送信することと、
前記第1の組のデータを前記メモリ・アレイの前記第2のセクションに記憶することとを行うように動作可能である、電子メモリ・デバイス。
【請求項13】
前記コントローラは、
前記第1のセクションのメモリ・セルの行をアクティブ化することであって、前記メモリ・セルの行は前記第1の組のデータに対応する、アクティブ化することと、
前記第1のセクションに関連付けられる第1の組の感知構成要素を用いて、前記メモリ・セルのアクティブ化された行から前記第1の組のデータを検知することと、
前記第1の組のデータを前記第1の組のラッチに記憶することとを行うように動作可能である、請求項
12に記載の電子メモリ・デバイス。
【請求項14】
前記コントローラは、
前記第1の組のデータを前記第1の組のラッチ内に保持しながら、前記第1のセクションの前記メモリ・セルの行を非アクティブ化するように動作可能である、請求項
13に記載の電子メモリ・デバイス。
【請求項15】
前記コントローラは、
前記第1の組のデータを前記第1の組のラッチから前記誤り訂正回路に転送することと、
前記誤り訂正回路に前記第1の組のデータに対する誤り訂正動作を実行させることと、
前記第1の組のデータを前記誤り訂正回路から前記第2の組のラッチに転送することと
を行うように動作可能である、請求項
12に記載の電子メモリ・デバイス。
【請求項16】
前記コントローラは、
前記第1の組のデータをデータの複数のサブセットに分割することと、
データの前記複数のサブセットの各サブセットを前記誤り訂正回路を通して順次前記第2の組のラッチに送信することとを行うように動作可能である、請求項
15に記載の電子メモリ・デバイス。
【請求項17】
前記コントローラは、
前記第1の組のデータを送信することと、前記第2のセクションの前記切り離されたメモリ・セルの行をあらかじめ書き込むこととを同時に行うように動作可能である、請求項
15に記載の電子メモリ・デバイス。
【請求項18】
前記コントローラは、
前記メモリ・アレイの前記第1のセクションの前記行をプリチャージすることなく、前記第1の組のラッチを閉じるように動作可能である、請求項
15に記載の電子メモリ・デバイス。
【請求項19】
前記コントローラは、
前記メモリ・アレイの前記第2のセクションの前記あらかじめ書き込まれた行を前記第2の組のラッチ内の前記第1の組のデータでプリチャージするように動作可能である、請求項
18に記載の電子メモリ・デバイス。
【請求項20】
第1の組のラッチにおいて第1の組のデータを受信するために、前記第1の組のデータに対応するメモリ・セルの行をアクティブ化することであって、前記第1の組のラッチはメモリ・アレイの第1のセクションに関連付けられ、前記第1のセクションは前記メモリ・セルの行を含む、アクティブ化することと、
前記第1の組のデータを前記第1の組のラッチ内に保持しながら、前記第1のセクションの前記メモリ・セルの行を非アクティブ化することと、
前記メモリ・アレイの第2のセクションに関連付けられるアイソレーション・デバイスを非アクティブ化する
ことに基づいて、前記第2のセクションのメモリ・セルを
、対応する感知構成要素のデジット線ノードから切り離した後に、前記第2のセクションのメモリ・セルの行に第1の論理状態をあらかじめ書き込むことと、
前記メモリ・アレイ外部の周辺部にある誤り訂正回路を通して前記第1の組のデータを第2の組のラッチに送信することであって、前記第2の組のラッチは前記第2のセクションに関連付けられる、送信することと、
前記第1のセクションの前記メモリ・セルの行をプリチャージすることなく、前記第1の組のラッチを閉じることと、
前記第2のセクションの前記メモリ・セルの前記あらかじめ書き込まれた行を前記第2の組のラッチ内の前記第1の組のデータでプリチャージすることとを含む
動作を電子メモリ装置が実行する方法。
【請求項21】
前記アクティブ化することは、
前記第1のセクションに関連付けられる第1の組の感知構成要素を用いて、前記メモリ・セルの前記アクティブ化された行から前記第1の組のデータを検知することと、
前記第1の組のデータを前記第1の組のラッチに記憶することとを含む、請求項
20に記載の方法。
【請求項22】
前記送信することは、
前記第1の組のデータをデータの複数のサブセットに分割することと、
前記複数のサブセットの各サブセットを順次前記誤り訂正回路に転送することと、
前記誤り訂正回路に前記複数のサブセットの各サブセットに対する誤り訂正動作を実行させることと、
前記複数のサブセットの各サブセットを前記誤り訂正回路から前記第2の組のラッチに転送することとを含む、請求項
20に記載の方法。
【請求項23】
強誘電体メモリ・セルの複数のセクションを備えるメモリ・アレイであって、前記複数のセクションの各セクションは1組の感知構成要素及び1組のラッチに関連付けられる、メモリ・アレイと、
前記メモリ・アレイ外部の周辺部にある誤り訂正回路と、
前記メモリ・アレイ、前記1組の感知構成要素、前記1組のラッチ及び前記誤り訂正回路と電子通信するコントローラであって、前記コントローラは、
第1の組のラッチにおいて第1の組のデータを受信するために、前記第1の組のデータに対応するメモリ・セルの行をアクティブ化することであって、前記第1の組のラッチは前記メモリ・アレイの第1のセクションに関連付けられ、前記第1のセクションは前記メモリ・セルの行を含む、アクティブ化することと、
前記第1の組のデータを前記第1の組のラッチ内に保持しながら、前記第1のセクションの前記メモリ・セルの行を非アクティブ化することと、
前記メモリ・アレイの第2のセクションに関連付けられるアイソレーション・デバイスを非アクティブ化する
ことに基づいて、前記第2のセクションのメモリ・セルを
、対応する感知構成要素のデジット線ノードから切り離した後に、前記第2のセクションのメモリ・セルの行に第1の論理状態をあらかじめ書き込むことと、
前記誤り訂正回路を通して前記第1の組のデータを第2の組のラッチに送信することであって、前記第2の組のラッチは前記第2のセクションに関連付けられる、送信することと、
前記第1のセクションの前記メモリ・セルの行をプリチャージすることなく、前記第1の組のラッチを閉じることと、
前記第2のセクションの前記メモリ・セルの前記あらかじめ書き込まれた行を前記第2の組のラッチ内の前記第1の組のデータでプリチャージすることとを行うように動作可能である、電子メモリ・デバイス。
【請求項24】
第1の組のラッチにおいて、メモリ・アレイの第1のセクションから第1の組のデータを受信するための
ハードウェア手段であって、前記第1の組のラッチは前記メモリ・アレイの前記第1セクションに関連付けられる、受信するための
ハードウェア手段と、
前記メモリ・アレイの第2のセクションに関連付けられるアイソレーション・デバイスを非アクティブ化することに基づいて、前記第2のセクションのメモリ・セルを、対応する感知構成要素のデジット線ノードから切り離すためのハードウェア手段と、
前記第2のセクションの前記切り離されたメモリ・セルの行に第1の論理状態をあらかじめ書き込むためのハードウェア手段と、
前記メモリ・アレイ外部の周辺部にある誤り訂正回路を通して前記第1の組のデータを第2の組のラッチに送信するための
ハードウェア手段であって、前記第2の組のラッチは前記メモリ・アレイの
前記第2のセクションに関連付けられる、送信するための
ハードウェア手段と、
前記第1の組のデータを前記メモリ・アレイの前記第2のセクションに記憶するための
ハードウェア手段とを備える、装置。
【請求項25】
前記第1のセクションのメモリ・セルの行をアクティブ化するための
ハードウェア手段であって、前記メモリ・セルの行は前記第1の組のデータに対応する、アクティブ化するための
ハードウェア手段と、
前記第1のセクションに関連付けられる第1の組の感知構成要素を用いて、前記メモリ・セルの前記アクティブ化された行から前記第1の組のデータを検知するための
ハードウェア手段と、
前記第1の組のデータを前記第1の組のラッチに記憶するための
ハードウェア手段とを更に備える、請求項
24に記載の装置。
【請求項26】
前記第1の組のデータを前記第1の組のラッチ内に保持しながら、前記第1のセクションの前記メモリ・セルの行を非アクティブ化するための
ハードウェア手段を更に備える、請求項
25に記載の装置。
【請求項27】
前記第1の組のデータを前記第1の組のラッチから前記誤り訂正回路に転送するための
ハードウェア手段と、
前記誤り訂正回路に前記第1の組のデータに対する誤り訂正動作を実行させるための
ハードウェア手段と、
前記第1の組のデータを前記誤り訂正回路から前記第2の組のラッチに転送するための
ハードウェア手段とを更に備える、請求項
24に記載の装置。
【請求項28】
前記第1の組のデータをデータの複数のサブセットに分割するための
ハードウェア手段と、
データの前記複数のサブセットの各サブセットを前記誤り訂正回路を通して順次前記第2の組のラッチに送信するための
ハードウェア手段とを更に備える、請求項
27に記載の装置。
【請求項29】
前記メモリ・アレイの前記第1のセクションの前記行をプリチャージすることなく、前記第1の組のラッチを閉じるための
ハードウェア手段を更に備える、請求項
27に記載の装置。
【請求項30】
前記メモリ・アレイの前記第2のセクションの前記あらかじめ書き込まれた行を前記第2の組のラッチ内の前記第1の組のデータでプリチャージするための
ハードウェア手段を更に備える、請求項
29に記載の装置。
【請求項31】
前記第1の組のデータが前記あらかじめ書き込まれた第1の論理状態と異なるときに、第2の論理状態を書き込むための
ハードウェア手段を更に備える、請求項
30に記載の装置。
【請求項32】
第1の組のラッチに、メモリ・アレイの第1のセクションから第1の組のデータを受信させるための
ハードウェア手段であって、前記第1の組のラッチは前記メモリ・アレイの前記第1のセクションに関連付けられる、受信させるための
ハードウェア手段と、
前記メモリ・アレイの第2のセクションに関連付けられるアイソレーション・デバイスを非アクティブ化することに基づいて、前記第2のセクションのメモリ・セルを、対応する感知構成要素のデジット線ノードから切り離すためのハードウェア手段と、
前記第2のセクションの前記切り離されたメモリ・セルの行に第1の論理状態をあらかじめ書き込むためのハードウェア手段と、
前記第1の組のデータを誤り訂正回路を通して第2の組のラッチに送信するための
ハードウェア手段であって、前記第2の組のラッチは前記メモリ・アレイの
前記第2のセクションに関連付けられる、送信するための
ハードウェア手段と、
前記第1の組のデータを前記メモリ・アレイの前記第2のセクションに記憶するための
ハードウェア手段とを備える、装置。
【請求項33】
前記第1のセクションのメモリ・セルの行をアクティブ化するための
ハードウェア手段であって、前記メモリ・セルの行は前記第1の組のデータに対応する、アクティブ化するための
ハードウェア手段と、
前記第1のセクションに関連付けられる第1の組の感知構成要素を用いて、前記メモリ・セルの前記アクティブ化された行から前記第1の組のデータを検知するための
ハードウェア手段と、
前記第1の組のデータを前記第1の組のラッチに記憶するための
ハードウェア手段とを更に備える、請求項
32に記載の装置。
【請求項34】
前記第1の組のデータを前記第1の組のラッチ内に保持しながら、前記第1のセクションの前記メモリ・セルの行を非アクティブ化するための
ハードウェア手段を更に備える、請求項
33に記載の装置。
【請求項35】
前記第1の組のデータを前記第1の組のラッチから前記誤り訂正回路に転送するための
ハードウェア手段と、
前記誤り訂正回路に前記第1の組のデータに対する誤り訂正動作を実行させるための
ハードウェア手段と、
前記第1の組のデータを前記誤り訂正回路から前記第2の組のラッチに転送するための
ハードウェア手段と
を更に備える、請求項
32に記載の装置。
【請求項36】
前記第1の組のデータをデータの複数のサブセットに分割するための
ハードウェア手段と、
データの前記複数のサブセットの各サブセットを、前記誤り訂正回路を通して順次前記第2の組のラッチに送信するための
ハードウェア手段とを更に備える、請求項
35に記載の装置。
【請求項37】
前記第1の組のデータを送信することと、前記第2のセクションの前記切り離されたメモリ・セルの行をあらかじめ書き込むこととを同時に行うための
ハードウェア手段を更に備える、請求項
35に記載の装置。
【請求項38】
前記メモリ・アレイの前記第1のセクションの前記行をプリチャージすることなく、前記第1の組のラッチを閉じるための
ハードウェア手段を更に備える、請求項
35に記載の装置。
【請求項39】
前記メモリ・アレイの前記第2のセクションの前記あらかじめ書き込まれた行を前記第2の組のラッチ内の前記第1の組のデータでプリチャージするための
ハードウェア手段を更に備える、請求項
38に記載の装置。
【請求項40】
第1の組のラッチにおいて第1の組のデータを受信するために、前記第1の組のデータに対応するメモリ・セルの行をアクティブ化するための
ハードウェア手段であって、前記第1の組のラッチはメモリ・アレイの第1のセクションに関連付けられ、前記第1のセクションは前記メモリ・セルの行を含む、アクティブ化するための
ハードウェア手段と、
前記第1の組のデータを前記第1の組のラッチ内に保持しながら、前記第1のセクションの前記メモリ・セルの行を非アクティブ化するための
ハードウェア手段と、
前記メモリ・アレイの第2のセクションに関連付けられるアイソレーション・デバイスを非アクティブ化する
ことに基づいて、前記第2のセクションのメモリ・セルを
、対応する感知構成要素のデジット線ノードから切り離した後に、前記第2のセクションのメモリ・セルの行に第1の論理状態をあらかじめ書き込むための
ハードウェア手段と、
前記メモリ・アレイ外部の周辺部にある誤り訂正回路を通して前記第1の組のデータを第2の組のラッチに送信するための
ハードウェア手段であって、前記第2の組のラッチは前記第2のセクションに関連付けられる、送信するための
ハードウェア手段と、
前記第1のセクションの前記メモリ・セルの行をプリチャージすることなく、前記第1の組のラッチを閉じるための
ハードウェア手段と、
前記第2のセクションの前記メモリ・セルの前記あらかじめ書き込まれた行を前記第2の組のラッチ内の前記第1の組のデータでプリチャージするための
ハードウェア手段とを備える、装置。
【請求項41】
前記第1のセクションに関連付けられる第1の組の感知構成要素を用いて、前記メモリ・セルの前記アクティブ化された行から前記第1の組のデータを検知するための
ハードウェア手段と、
前記第1の組のデータを前記第1の組のラッチに記憶するための
ハードウェア手段とを更に備える、請求項
40に記載の装置。
【請求項42】
前記第1の組のデータをデータの複数のサブセットに分割するための
ハードウェア手段と、
前記複数のサブセットの各サブセットを順次誤り訂正回路に転送するための
ハードウェア手段と、
前記誤り訂正回路に前記複数のサブセットの各サブセットに対する誤り訂正動作を実行させるための
ハードウェア手段と、
前記複数のサブセットの各サブセットを前記誤り訂正回路から前記第2の組のラッチに転送するための
ハードウェア手段とを更に備える、請求項
40に記載の装置。
【請求項43】
第1の組のラッチにおいて第1の組のデータを受信するために、前記第1の組のデータに対応するメモリ・セルの行をアクティブ化するための
ハードウェア手段であって、前記第1の組のラッチはメモリ・アレイの第1のセクションに関連付けられ、前記第1のセクションは前記メモリ・セルの行を含む、アクティブ化するための
ハードウェア手段と、
前記第1の組のデータを前記第1の組のラッチ内に保持しながら、前記第1のセクションの前記メモリ・セルの行を非アクティブ化するための
ハードウェア手段と、
前記メモリ・アレイの第2のセクションに関連付けられるアイソレーション・デバイスを非アクティブ化する
ことに基づいて、前記第2のセクションのメモリ・セルを
、対応する感知構成要素のデジット線ノードから切り離した後に、前記第2のセクションのメモリ・セルの行に第1の論理状態をあらかじめ書き込むための
ハードウェア手段と、
誤り訂正回路を通して前記第1の組のデータを第2の組のラッチに送信するための手段であって、前記第2の組のラッチは前記第2のセクションに関連付けられる、送信するための
ハードウェア手段と、
前記第1のセクションの前記メモリ・セルの行をプリチャージすることなく、前記第1の組のラッチを閉じるための
ハードウェア手段と、
前記第2のセクションの前記メモリ・セルの前記あらかじめ書き込まれた行を前記第2の組のラッチ内の前記第1の組のデータでプリチャージするための
ハードウェア手段とを備える、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[クロス・リファレンス]
本特許出願は、2017年8月30日に出願された、Fackenthalらによる「Wear Leveling for Random Access and Ferroelectric Memory」という名称の米国特許出願第15/691,454号に対する優先権を主張する2018年8月23日に出願された、Fackenthalらによる「Wear Leveling for Random Access and Ferroelectric Memory」という名称のPCT出願番号PCT/US2018/047790に対する優先権を主張するものであり、それらの各々は、本発明の譲受人に譲渡され、参照によりその全体が明白に組み込まれる。
【0002】
以下は、包括的には、メモリ・アレイに関し、より具体的には、ランダム・アクセス及び強誘電体メモリのためのウェア・レベリングに関する。
【背景技術】
【0003】
メモリ・デバイスは、コンピュータ、ワイヤレス通信デバイス、カメラ、デジタル・ディスプレイなどの種々の電子デバイスにおいて情報を記憶するために広く使用されている。情報は、メモリ・セルの異なる状態をプログラムすることによって記憶される。例えば、2値メモリ・セルは、多くの場合に論理「1」又は論理「0」によって表される、2つの状態を有する。他のシステムでは、3つ以上の状態が記憶される場合がある。記憶された情報にアクセスするために、電子デバイスの構成要素が、メモリ・セル内に記憶された状態を読み出すか、又は検知することができる。情報を記憶するために、電子デバイスの構成要素が、メモリ・セル内に状態を書き込むか、又はプログラムすることができる。
【0004】
磁気ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ダイナミックRAM(DRAM)、同期型ダイナミックRAM(SDRAM)、強誘電体RAM(FeRAM)、磁気RAM(MRAM)、抵抗性RAM(RRAM(登録商標))、フラッシュ・メモリ、相変化メモリ(PCM)、3次元(3D)クロスポイント・メモリ(3D XPoint(商標)メモリ)、3DNot-AND(NAND)メモリなどを含む、種々のタイプのメモリ・デバイスが存在する。メモリ・デバイスは揮発性又は不揮発性とすることができる。不揮発性メモリ・デバイス、例えば、FeRAMは、外部電源が存在しない場合でも、長期間にわたって、記憶された論理状態を保持することができる。揮発性メモリ・デバイス、例えば、DRAMは、外部電源によって周期的にリフレッシュされない限り、記憶された状態を経時的に失う場合がある。FeRAMは、揮発性メモリと類似のデバイスアーキテクチャを使用する場合があるが、記憶デバイスとして強誘電体キャパシタを使用することに起因して、不揮発性を有することができる。FeRAMは、それゆえ、他の不揮発性及び揮発性メモリ・デバイスに比べて、改善された性能を有することができる。
【0005】
メモリ・デバイスを改善することは、一般に、数ある指標の中でも、メモリ・セル密度を高めること、読み出し/書き込み速度を上げること、信頼性を高めること、データ保持を長くすること、電力消費量を削減すること、又は製造コストを削減することを含むことができる。しかしながら、場合によっては、プログラム及び消去のサイクル持続能力が限られることに起因して、メモリ・セルの信頼性に関して限界があることが、消費者が経験するメモリ・デバイスの性能及び寿命に悪影響を及ぼす場合がある。
【発明の概要】
【0006】
本明細書における開示は、以下の図を参照し、それらの図を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の実施形態による、ランダム・アクセス及び強誘電体メモリのためのウェア・レベリングをサポートするメモリ・セルのアレイを有するメモリ・デバイスの一例を示す図である。
【
図2】本開示の実施形態による、ランダム・アクセス及び強誘電体メモリのためのウェア・レベリングをサポートする強誘電体メモリ・セル及び回路構成要素の一例を示す図である。
【
図3】本開示の実施形態による、ランダム・アクセス及び強誘電体メモリのためのウェア・レベリングをサポートする強誘電体メモリ・セルのためのヒステリシス曲線を伴う非線形電気的特性の一例を示す図である。
【
図4】本開示の実施形態による、ランダム・アクセス及び強誘電体メモリのためのウェア・レベリングをサポートする動作の図である。
【
図5A】本開示の実施形態による、ランダム・アクセス及び強誘電体メモリのためのウェア・レベリングをサポートする動作を示す図である。
【
図5B】本開示の実施形態による、ランダム・アクセス及び強誘電体メモリのためのウェア・レベリングをサポートする動作を示す図である。
【
図6】本開示の実施形態による、ランダム・アクセス及び強誘電体メモリのためのウェア・レベリングをサポートするメモリ・デバイスのブロック図である。
【
図7】本開示の実施形態による、ランダム・アクセス及び強誘電体メモリのためのウェア・レベリングのための方法を示すフローチャートである。
【
図8】本開示の実施形態による、ランダム・アクセス及び強誘電体メモリのためのウェア・レベリングのための方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ウェア・レベリングは、限られたサイクル性能を示す場合がある不揮発性メモリ・デバイス、例えば、FeRAMの使用可能寿命を延長することができる。ウェア・レベリングは、ある論理アドレスに対応するメモリ・セルの特定のサブセットが、メモリ・セルの残りの部分と比べて多くのプログラム及び消去サイクル回数を経験するのを回避するために、1組の異なるメモリ・セル(すなわち、ウェア・レベリング・プール)にわたってプログラム及び消去サイクルの回数を分散させることができる。
【0009】
ウェア・レベリング・アプリケーションにおいて、ウェア・レベリング・プールが大きいほど、ウェア・レベリングの実効性を増すことができる。ウェア・レベリング・プールは、データがその中を循環するアレイのページの数を指すことができる。ページは、種々のインターフェースにおいて単位として扱われるデータの数を指すことができ、メモリ・アレイのセクションに共通のワード線に関連付けられるデータのグループに関連付けることができる。例えば、FeRAM内のページの通常のサイズは64バイトとすることができる。例えば、128バイト、256バイト、512バイトなどの他のサイズのページも実現可能な場合がある。一例として、ウェア・レベリング・プールが1000ページである場合には、そして、顧客が1つの論理ページを絶えずヒットする場合には、その顧客サイクルはウェア・レベリング・プール内の1000ページに広がる場合があり、それゆえ、各ページが経験する物理的なサイクルカウントが、1000分の1に減少する場合がある。一方、ウェア・レベリング・プールが32000ページである場合には、各ページが経験する物理的なサイクルカウントは32000分の1に減少する場合がある。それゆえ、不揮発性メモリ・デバイスが示す場合がある限られたサイクル能力に関連付けられるリスクを軽減するために、より大きいサイズのウェア・レベリング・プールにわたるウェア・レベリングを助長しようとする動機につながる場合がある。
【0010】
ウェア・レベリング・アプリケーションにおいて、ページ・コピー動作が実行される場合があり、その場合に、1つのページ(すなわち、ソースページ)の内容をメモリ・アレイの1つのセクションからコピーし、その内容を別のページ(すなわち、宛先ページ)に移動させる。ページ・コピー動作中に、ソースページ及び宛先ページに共通である1組の感知構成要素及びラッチが使用される場合があり、それにより、ソースページ及び宛先ページが、共通の1組の感知構成要素及びラッチで構成される同じセクション内に存在するように制限されることを余儀なくされる場合がある。そのような制限は、ウェア・レベリング・プールのサイズを制限し、それにより、より大きいサイズのウェア・レベリング・プールを有するという利点を妨げる場合がある。
【0011】
ウェア・レベリング・アプリケーションにおける別の検討事項は、ソースページの内容の中に存在する場合がある1つ以上の誤りビットに関連する場合がある。誤りビットを含むソースページの内容が宛先ページにコピーされるとき、宛先ページの内容が、複製された誤りビットを含む場合があり、それにより、結果として、宛先ページに割り当てられた誤り訂正能力の低下につながることがある。この問題は、誤り伝搬問題と呼ばれる場合がある。あるページに関連付けられる一定の数の誤りビットは、誤り訂正符号(ECC)ロジックを通して、ページの内容をスクラブすることによって訂正することができる。ECCロジックは、メモリ・アレイとともにチップ上に存在することができる。場合によっては、ECCロジックは、メモリ・アレイのバンク・レベル・ロジック内の任意のセクションからのデータ・セットに対してECC機能を実行するように構成することができる。それゆえ、ECCロジックが、ソースページの内容の中に存在する場合がある1つ又は複数の誤りビットを訂正し、誤り伝搬問題を回避するために、ソースページの内容が、メモリ・アレイのそのセクションに関連付けられる1組の感知構成要素及びラッチを越えて動かされる場合がある。
【0012】
ランダム・アクセス及び強誘電体メモリのためのウェア・レベリングをサポートする技法が本明細書において説明され、それらの技法は、消費する電力を少なくし、一定の遅延時間、例えば、行リフレッシュ時間(tRFC)を短縮しながら、ウェア・レベリング・プールのサイズを拡張するという利点を提供することができる。更に、ウェア・レベリング・アプリケーション中にソースページから宛先ページにページの内容を移動させながら、誤り訂正を成し遂げることができる。本明細書において使用されるときに、それらの技法は、他のサポート回路構成要素(例えば、感知構成要素、ラッチ、ECCロジック、内部論理回路など)とともに、3つのアドレス線、すなわち、プレート線、ディジット線及びワード線を備える強誘電体メモリ・セルを用いて説明される。サポート回路構成要素のいくつかは、いくつかの例において、強誘電体メモリ・セルのアレイのマルチデッキの下方に、すなわち、アレイ下方の相補型金属酸化膜半導体(CMOS)の一部として配置される場合がある。
【0013】
上記で導入された開示の特徴が、メモリ・デバイスとの関連において以下に更に説明される。その後、ランダム・アクセス及び強誘電体メモリのためのウェア・レベリングに関連するメモリ・アレイ及びメモリ部分に関する具体例が説明される。本開示のこれらの特徴及び他の特徴が、ランダム・アクセス及び強誘電体メモリのためのウェア・レベリングに関連する装置図、システム図及びフローチャートによって更に例示され、それらの図を参照しながら更に説明される。
【0014】
図1は、本開示の実施形態による、ランダム・アクセス及び強誘電体メモリのためのウェア・レベリングをサポートするメモリ・セルのアレイを有するメモリ・デバイス100の図の一例を示す。
図1は、メモリ・デバイス100の種々の構成要素及び特徴の例示的な概略的表現であり、それゆえ、他の構成要素を示さない場合がある。したがって、メモリ・デバイス100の構成要素及び特徴は、メモリ・デバイス100内の実際の物理的配置ではなく、ランダム・アクセス及び強誘電体メモリのためのウェア・レベリングをサポートする機能的な相互関係を例示するために図示されることを理解されたい。メモリ・デバイス100は、電子メモリ装置と呼ばれる場合もある。メモリ・デバイス100は、異なる状態を記憶するようにプログラム可能であるメモリ・セル105のアレイを含む。メモリ・セル105のアレイは、メモリ・アレイ、メモリ・コアなどと呼ばれる場合がある。場合によっては、メモリ・セル105は強誘電体メモリ・セルとすることができ、そのメモリ・セルは、絶縁材料として強誘電体材料を備えるキャパシタを含むことができる。場合によっては、そのキャパシタは、強誘電体コンテナ(ferroelectric container)と呼ばれる場合がある。各メモリ・セル105は、論理0及び論理1として表される、2つの状態を記憶するようにプログラム可能とすることができる。各メモリ・セル105は積重される場合があり、結果として、2デッキ(two-decks)のメモリ・セル145が形成される。それゆえ、
図1の例は、例示にすぎないが、2デッキのメモリ・アレイを表す例とすることができる。いくつかの例では、単一デッキのメモリ・アレイが、本開示の実施形態による、ランダム・アクセス及び強誘電体メモリのためのウェア・レベリングをサポートすることができる。
【0015】
場合によっては、メモリ・セル105は、3つ以上の論理状態を記憶するように構成される。メモリ・セル105は、キャパシタのプログラム可能な状態を表す電荷を蓄積することができる。例えば、充電されたキャパシタ及び充電されていないキャパシタがそれぞれ2つの論理状態を表すことができる。DRAMアーキテクチャは一般にそのような設計を使用することができ、利用されるキャパシタは、絶縁体として、常誘電性又は線形分極特性を有する誘電体材料を含むことができる。それに対して、強誘電体メモリ・セルは、絶縁材料として、強誘電体材料を備えるキャパシタを含むことができる。強誘電体キャパシタの異なる電荷レベルが異なる論理状態を表すことができる。強誘電体材料は、非線形分極特性を有する。強誘電体メモリ・セル105のいくつかの細部及び利点が以下に論じられる。
【0016】
アクセス動作と呼ばれる場合がある、読み出し及び書き込みのような動作は、ワード線110及びディジット線115をアクティブ化するか、又は選択することによって、メモリ・セル105上で実行することができる。ワード線110は、行線、センス線又はアクセス線として知られる場合もある。ディジット線115は、ビット線、列線又はアクセス線として知られる場合もある。ワード線及びディジット線、又はそれらの類似物への参照は、理解を失うことなく、又は論理演算を否定することなく、入れ替えることができる。ワード線110及びディジット線115は、メモリ・セルのアレイを作り出すために、互いに垂直(又は概ね垂直)にすることができる。メモリ・セルのタイプ(例えば、FeRAM、RRAMなど)によっては、例えば、プレート線などの、他方のアクセス線が存在する場合もある(図示せず)。メモリ・デバイスの厳密な動作は、メモリ・デバイスにおいて使用されるメモリ・セルのタイプ及び具体的なアクセス線に基づいて変更される場合があることは理解されたい。
【0017】
ワード線110又はディジット線115をアクティブ化又は選択することは、それぞれの線に対して電圧を印加することを含むことができる。ワード線110及びディジット線115は、金属(例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、タングステン(W)など)、合金、炭素、導電性にドープされた半導体などの導電性材料、又は他の導電性材料、合金、化合物などから形成することができる。
【0018】
図1の例によれば、メモリ・セル105の各行は単一のワード線110に接続され、メモリ・セル105の各列は単一のディジット線115に接続される。1つのワード線110及び1つのディジット線115をアクティブ化する(例えば、ワード線110又はディジット線115に電圧を印加する)ことによって、その交差部にある単一のメモリ・セル105にアクセスすることができる。メモリ・セル105にアクセスすることは、メモリ・セル105を読み出すこと、又は書き込むことを含むことができる。ワード線110及びディジット線115の交差部は、メモリ・セルのアドレスと呼ばれる場合がある。
【0019】
いくつかのアーキテクチャでは、セルの論理記憶デバイス、例えば、キャパシタは、セレクタ・デバイスによってディジット線から電気的に切り離すことができる。ワード線110は、セレクタ・デバイスに接続することができ、セレクタ・デバイスを制御することができる。例えば、セレクタ・デバイスはトランジスタ(例えば、薄膜トランジスタ(TFT)又は金属酸化膜半導体(MOS)トランジスタ)とすることができ、ワード線110はトランジスタのゲートに接続することができる。ワード線110をアクティブ化する結果として、メモリ・セル105のキャパシタと対応するディジット線115との間に電気的接続又は閉回路が形成される。その際、メモリ・セル105を読み出すか、又は書き込むために、ディジット線にアクセスすることができる。更に、
図2において以下に説明されるように、強誘電体メモリ・セルのアクセス動作は、プレート線を介して、強誘電体メモリ・セルのノード、すなわち、セル・プレート(CP)ノードへの更なる接続を必要とする場合がある。
【0020】
メモリ・セル105へのアクセスは、行デコーダ120及び列デコーダ130を通して制御することができる。例えば、行デコーダ210が、メモリ・コントローラ140から行アドレスを受信し、受信した行アドレスに基づいて、適切なワード線110をアクティブ化することができる。同様に、列デコーダ130が、メモリ・コントローラ140から列アドレスを受信し、適切なディジット線115をアクティブ化する。例えば、メモリ・デバイス100は、WL_1~WL_Mを付された複数のワード線110と、DL_1~DL_Nを付された複数のディジット線115とを含むことができる。ただし、M及びNはアレイ・サイズによって決まる。したがって、ワード線110及びディジット線115、例えば、WL_2及びDL_3をアクティブ化することによって、それらの交差部にあるメモリ・セル105にアクセスすることができる。更に、強誘電体メモリ・セルのアクセス動作は、プレート線デコーダ(図示せず)に関連付けられる、メモリ・セル105のための対応するプレート線をアクティブ化することが必要な場合がある。
【0021】
アクセスすると、メモリ・セル105の記憶された状態を特定するために、感知構成要素125によってメモリ・セル105を読み出すか、又は検知することができる。例えば、メモリ・セル105にアクセスした後に、メモリ・セル105の強誘電体キャパシタは、その対応するディジット線115上に放電することができる。強誘電体キャパシタを放電することは、強誘電体キャパシタにバイアスをかけること、すなわち、電圧を印加することから生じることができる。放電することにより、ディジット線115の電圧に変化が生じる場合があり、メモリ・セル105の記憶された状態を特定するために、感知構成要素125がその電圧を基準電圧(図示せず)と比較することができる。例えば、ディジット線115が基準電圧より高い電圧を有する場合には、感知構成要素125は、メモリ・セル105内の記憶された状態が論理1であったと判断することができ、その逆もあり得る。感知構成要素125は、信号の差を検出及び増幅するために、種々のトランジスタ又は増幅器を含むことができ、これはラッチングと呼ばれる場合がある。場合によっては、ラッチ127は、本開示の実施形態による、ウェア・レベリング動作中に感知構成要素が検出するメモリ・セル105の論理状態を記憶することができる。メモリ・セル105の検出された論理状態は、その後、出力135として列デコーダ130を通して出力することができる。場合によっては、感知構成要素125は、列デコーダ130又は行デコーダ120の一部とすることができる。又は、感知構成要素125は、列デコーダ130又は行デコーダ120に接続することができるか、又は電子通信することができる。
【0022】
関連するワード線110及びディジット線115を同様にアクティブ化することによって、メモリ・セル105を設定するか、又はメモリ・セル105に書き込むことができ、すなわち、メモリ・セル105に論理値を記憶することができる。列デコーダ130又は行デコーダ120は、メモリ・セル105に書き込まれるべきデータ、例えば、入力/出力135を受け取ることができる。強誘電体メモリ・セル105は、強誘電体キャパシタにわたって電圧を印加することによって書き込むことができる。このプロセスは以下に更に詳細に論じられる。
【0023】
いくつかのメモリアーキテクチャでは、メモリ・セル105にアクセスすることにより、記憶された論理状態が劣化するか、又は破壊される場合があり、リライト又はリフレッシュ動作を実行して、メモリ・セル105を元の論理状態に戻す場合がある。例えば、DRAMでは、検知動作中にキャパシタが部分的に、又は完全に放電し、記憶された論理状態が損なわれる場合がある。したがって、検知動作後に論理状態をリライトすることができる。場合によっては、メモリ・セル105に論理状態をライトバックすることは、プリチャージすると呼ばれる場合がある。更に、単一のワード線110をアクティブ化する結果として、行内の全てのメモリが放電される場合がある。したがって、行内のいくつか、又は全てのメモリ・セル105のリライト又はプリチャージが必要とされる場合がある。
【0024】
DRAMを含む、いくつかのメモリアーキテクチャでは、メモリ・セルが外部電源によって周期的にリフレッシュされない限り、自らの記憶した状態を経時的に失うことがある。例えば、充電されたキャパシタが、漏れ電流を通して経時的に放電される場合があり、結果として、記憶された情報が失われる場合がある。これらのいわゆる揮発性メモリ・デバイスのリフレッシュ・レートは比較的高い場合があり、例えば、DRAMアレイの場合、毎秒数十回のリフレッシュ動作になり、結果として、著しい電力消費量が生じる可能性がある。メモリ・アレイが大きくなるにつれて、電力消費量が増加するので、電池のような限られた電源に頼るモバイル・デバイスの場合に特に、メモリ・アレイの配置又は動作が抑制される場合がある(例えば、電力供給、発熱、材料限界など)。以下に論じられるように、強誘電体メモリ・セル105は、有益な特性を有することができ、結果として、他のメモリアーキテクチャに比べて性能を改善することができる。
【0025】
メモリ・コントローラ140は、種々の構成要素、例えば、行デコーダ120、列デコーダ130、感知構成要素125及びラッチ127を通して、メモリ・セル105の動作(例えば、読み出し、書き込み、リライト、放電、プリチャージなど)を制御することができる。また、メモリ・コントローラ140は、本開示の実施形態による、ウェア・レベリング動作中に、ECCロジックとともに、ウェア・レベリング及びECC機能に関連付けられる動作を制御することもできる。メモリ・コントローラ140は、メモリ・アレイと同じ基板上に存在する内部論理回路とすることができる。場合によっては、行デコーダ120、列デコーダ130、感知構成要素125及びラッチ127のうちの1つ以上が、メモリ・コントローラ140と同一の場所に配置される場合がある。メモリ・コントローラ140は、所望のワード線110及びディジット線115をアクティブ化するために、行アドレス信号及び列アドレス信号を生成することができる。また、メモリ・コントローラ140は、メモリ・デバイス100の動作中に使用される種々の電圧又は電流を生成及び制御することもできる。例えば、メモリ・コントローラは、1つ以上のメモリ・セル105にアクセスした後に、ワード線110又はディジット線115に放電電圧を印加することができる。
【0026】
一般に、本明細書において論じられる印加される電圧又は電流の振幅、形状又は持続時間は、調整又は変更することができ、動作中のメモリ・デバイス100において論じられる種々の動作ごとに異なる場合がある。更に、メモリ・デバイス100内の1つの、複数の、又は全てのメモリ・セル105が同時にアクセスされる場合がある。例えば、全てのメモリ・セル105、又はメモリ・セル105のグループが単一の論理状態に設定又はリセットされるアクセス(又は書き込み若しくはプログラム)動作中に、メモリ・デバイス100のうちの複数の、又は全てのセルが同時にアクセスされる場合がある。メモリ・デバイスの厳密な動作は、メモリ・デバイスにおいて使用されるメモリ・セルのタイプ及び/又は具体的なアクセス線に基づいて変更される場合があることは理解されたい。他のアクセス線、例えば、プレート線が存在する場合があるいくつかの例では(図示せず)、対応するプレート線が、ワード線及びディジット線と協調して、メモリ・アレイの特定のメモリ・セル105にアクセスするためにアクティブ化されることが必要な場合がある。メモリ・デバイスの厳密な動作は、メモリ・デバイスにおいて使用されるメモリ・セルのタイプ及び/又は具体的なアクセス線に基づいて異なる場合があることは理解されたい。
【0027】
図2は、本開示の実施形態による、ランダム・アクセス及び強誘電体メモリのためのウェア・レベリングをサポートする強誘電体メモリ・セル及び回路構成要素の一例を示す。回路200は、メモリ・セル105-a、ワード線110-a、ディジット線115-a、感知構成要素125-a、ISOデバイス295及びラッチ127-aを含み、それらはそれぞれ、
図1を参照しながら説明されたような、メモリ・セル105、ワード線110、ディジット線115、感知構成要素125及びラッチ127の例とすることができる。メモリ・セル105-aは、キャパシタ205のような論理記憶構成要素を含むことができ、キャパシタ205は、第1のプレート、すなわち、セル・プレート230と、第2のプレート、すなわち、セル底部215とを有する。セル・プレート230及びセル底部215は、その間に位置決めされる強誘電体材料を通して容量性結合することができる。セル・プレート230及びセル底部215の配置は、メモリ・セル105-aの動作を変更することなく、入れ替えることができる。また、回路200は、セレクタ・デバイス220及び基準線225を含む。セル・プレート230は、プレート線210(PL)を介してアクセスすることができ、セル底部215はディジット線115-a(DL)を介してアクセスすることができる。上記のように、キャパシタ205を充電又は放電することによって、種々の状態を記憶することができる。
【0028】
キャパシタ205の記憶された状態は、回路200内に表される種々の要素を動作させることによって読み出すか、又は検知することができる。キャパシタ205は、ディジット線115-aと電子通信することができる。例えば、キャパシタ205は、セレクタ・デバイス220が非アクティブ化されるときにディジット線115-aから切り離すことができ、セレクタ・デバイス220がアクティブ化されるときにディジット線115-aに接続することができる。セレクタ・デバイス220をアクティブ化することは、メモリ・セル105-aを選択することを指すことができる。場合によっては、セレクタ・デバイス220はトランジスタ(例えば、薄膜トランジスタ(TFT)又は金属酸化膜半導体(MOS)トランジスタ)であり、その動作は、トランジスタ・ゲートに電圧を印加することによって制御され、その電圧の大きさは、トランジスタの閾値電圧の大きさより大きい。ワード線110-a(WL)がセレクタ・デバイス220をアクティブ化することができる。例えば、ワード線110-aに印加される電圧がトランジスタ・ゲートに印加され、キャパシタ205をディジット線115-aと接続する。
【0029】
他の例では、セレクタ・デバイス220及びキャパシタ205の位置を入れ替えることができ、それにより、セレクタ・デバイス220がプレート線210とセル・プレート230との間に接続され、キャパシタ205がディジット線115-aとセレクタ・デバイス220の他方の端子との間に接続される。この実施形態では、セレクタ・デバイス220は、キャパシタ205を通して、ディジット線115-aと電子通信したままにすることができる。この構成は、読み出し及び書き込み動作の場合に代替的なタイミング及びバイアスに関連付けることができる。
【0030】
キャパシタ205のプレート間にある強誘電体材料に起因して、そして以下に更に詳細に論じられるように、キャパシタ205は、ディジット線115-aに接続しても放電しない場合がある。1つの方式では、強誘電体キャパシタ205によって記憶される論理状態を検知するために、ワード線110-aにバイアスをかけてメモリ・セル105-aを選択することができ、プレート線210に電圧を印加することができる。場合によっては、ディジット線115-aは仮想的に接地され、その後、プレート線210及びワード線110-aにバイアスをかける前に、仮想接地から切り離され、それは「浮いている」と言われる場合もある。プレート線210にバイアスをかける結果として、キャパシタ205にわたって電圧差(例えば、プレート線210の電圧-ディジット線115-aの電圧)が生じる場合がある。電圧差はキャパシタ205上に蓄積される電荷の変化をもたらす場合があり、蓄積される電荷の変化の大きさは、キャパシタ205の初期状態によって、例えば、初期状態が論理1を記憶したか、論理0を記憶したかによって決まる場合がある。これにより、キャパシタ205上に蓄積される電荷に基づいて、ディジット線115-aの電圧の変化を引き起こすことができる。セル・プレート230への電圧を変更することによるメモリ・セル105-aの動作は、「移動セル・プレート(moving cell plate)」と呼ばれる場合がある。
【0031】
ディジット線115-aの電圧の変化は、その固有キャパシタンスによって決まる場合がある。すなわち、ディジット線115-aを通って電荷が流れるのに応じて、有限の電荷がディジット線115-a内に蓄積される場合があり、結果として生じる電圧が固有キャパシタンスによって決まる場合がある。固有キャパシタンスは、ディジット線115-aの、寸法を含む、物理的特性に依存する場合がある。ディジット線115-aは、数多くのメモリ・セル105を接続する場合があるので、ディジット線115-aは、無視できない(例えば、ピコファラッド(pF)オーダの)キャパシタンスを生成する長さを有する場合がある。ディジット線115-aの結果として生じる電圧は、メモリ・セル105-a内の記憶された論理状態を特定するために、その後、感知構成要素125-aによって基準(例えば、基準線225の電圧)と比較することができる。他の検知プロセスが使用される場合もある。
【0032】
感知構成要素125-aは、信号の差を検出及び増幅するために種々のトランジスタ又は増幅器を含むことができ、これはラッチングと呼ばれる場合がある。感知構成要素125-aは、ディジット線115-aの電圧と、基準電圧とすることができる基準線225の電圧とを受信及び比較する感知増幅器を含むことができる。感知増幅器出力は、比較に基づいて、高い方(例えば、正)の供給電圧、又は低い方(例えば、負又は接地)の供給電圧にドライブすることができる。例えば、ディジット線115-aが基準線225より高い電圧を有する場合には、感知増幅器出力は、正の供給電圧にドライブすることができる。場合によっては、感知増幅器は更に、ディジット線115-aを供給電圧にドライブすることができる。感知構成要素125-aは、その後、感知増幅器の出力及び/又はディジット線115-aの電圧をラッチすることができ、それらを用いて、メモリ・セル105-a内の記憶された状態、例えば、論理1を特定することができる。代替的には、ディジット線115-aが基準線225より低い電圧を有する場合には、感知増幅器出力は、負の電圧又は接地電圧にドライブすることができる。感知増幅器125-aは、同様に、感知増幅器出力をラッチして、メモリ・セル105-a内の記憶された状態、例えば、論理0を特定することができる。メモリ・セル105-aのラッチされた論理状態は、その後、例えば、列デコーダ130を通して、
図1において参照された出力135として出力することができる。場合によっては、ラッチ127-aは、感知増幅器125-aが検出するメモリ・セル105の論理状態を記憶するために種々のトランジスタ及び他の回路要素を含むことができる。
【0033】
ISOデバイス295は、本開示の実施形態による、ランダム・アクセス及び強誘電体メモリのためのウェア・レベリング動作中に、メモリ・セル105-aのディジット線115-a(DL)から、感知増幅器125のディジット線ノードを切り離すことができる。感知構成要素125がメモリ・セル105-aから切り離されるとき、メモリ・セルは、他の動作が進行中に、ある論理状態にプログラムされるか、又はあらかじめ書き込まれる場合がある。それゆえ、あるページに関連付けられるメモリ・セルが切り離されるとき、ウェア・レベリング・アプリケーション中に、そのページのメモリ・セル全体が単一の論理状態にあらかじめ書き込まれる場合がある。セル又はセルのグループを書き込むときに伴う時間遅延を短縮する(又は少なくとも部分的に、「隠す」)ために、メモリ・セルに単一の論理状態をあらかじめ書き込むことができる。時間遅延短縮は、セルをプログラムするのが本来非対称性であること、又はプログラムされることになるデータの正味の量を削減すること、又はその両方の組み合わせに起因して達成することができる。例えば、強誘電体メモリ・セルでは、0の論理状態をプログラムすることは、1の論理状態をプログラムすることより高速である場合がある。更に、メモリ・セルに記憶されることになるデータ(例えば、0の論理状態)があらかじめ書き込まれたデータ(例えば、1の論理状態)と異なるときにのみ、メモリ・セルのプログラムが必要とされる場合がある。ISO295によって、以下に説明されるように、ウェア・レベリング動作中に少なくとも2つ以上のステップが並列に動作できるようになる。
【0034】
メモリ・セル105-aを書き込むために、キャパシタ205にわたって電圧を印加することができる。種々の方法が使用される場合がある。一例において、キャパシタ205をディジット線115-aに電気的に接続するために、ワード線110-aを通してセレクタ・デバイス220をアクティブ化することができる。セル・プレート230の電圧を、(プレート線210を通して)CPドライバ235によって、及び(ディジット線115-aを通して)セル底部215によって制御することにより、キャパシタ205にわたって電圧を印加することができる。論理0を書き込むために、セル・プレート230をハイにすることができ、すなわち、(プレート線210を通して)CPドライバ235によってプレート線210に正の電圧を印加することができ、セル底部215をローにすることができ、例えば、ディジット線115-aを仮想的に接地するか、又はディジット線115-aに負の電圧を印加することができる。論理1を書き込むために逆のプロセスが実行され、セル・プレート230がローにされ、セル底部215がハイにされる。
【0035】
図3は、本開示の実施形態による、ランダム・アクセス及び強誘電体メモリのためのウェア・レベリングをサポートする強誘電体メモリ・セルのためのヒステリシス曲線300-a及び300-bを伴う非線形電気的特性の一例を示す。ヒステリシス曲線300-a及び300-bはそれぞれ、一例の強誘電体メモリ・セルの書き込みプロセス及び読み出しプロセスを示す。ヒステリシス曲線300は、強誘電体キャパシタ(例えば、
図2のキャパシタ205)上に蓄積される電荷Qを、強誘電体キャパシタにわたる電圧差Vの関数として表す。
【0036】
強誘電体材料は自発電気分極によって特徴付けられ、すなわち、強誘電体材料は、電界が存在しなくても、非ゼロの電気分極を保持する。例示的な強誘電体材料は、チタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸鉛(PbTiO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)及びタンタル酸ストロンチウムビスマス(SBT)を含む。本明細書において説明される強誘電体キャパシタは、これらの、又は他の強誘電体材料を含むことができる。強誘電体キャパシタ内の電気分極は、結果として強誘電体材料表面において正味の電荷を生成し、キャパシタ端子を通して反対の電荷を引き付ける。このようにして、強誘電体材料とキャパシタ端子との界面に電荷が蓄積される。外部から印加される電界がなくても、比較的長時間にわたって、更には無期限に電気分極を保持することができるので、例えば、DRAMアレイにおいて利用されるキャパシタと比較すると、電荷の漏れを著しく減少させることができる。これは、いくつかのDRAMアーキテクチャに関して、上記のようなリフレッシュ動作を実行する必要性を低減することができる。
【0037】
ヒステリシス曲線300は、キャパシタの単一の端子の観点から理解することができる。一例として、強誘電体材料が負の分極を有する場合には、その端子に正の電荷が蓄積する。同様に、強誘電体材料が正の分極を有する場合には、その端子に負の電荷が蓄積する。更に、ヒステリシス曲線300における電圧は、キャパシタにわたる電圧差を表し、方向性を有することを理解されたい。例えば、当該端子(例えば、セル・プレート230)に正の電圧を印加し、第2の端子(例えば、セル底部215)を接地しておく(又は、約0ボルト(0V)に保持する)ことによって、正の電圧を実現することができる。当該端子を接地しておき、第2の端子に正の電圧を印加することによって、負の電圧を印加することができ、すなわち、当該端子を負に分極させるために正の電圧を印加することができる。同様に、ヒステリシス曲線300に図示される電圧差を生成するために、2つの正の電圧、2つの負の電圧、又は正の電圧と負の電圧との任意の組み合わせを適切なキャパシタ端子に印加することができる。
【0038】
ヒステリシス曲線300に表されるように、強誘電体材料は、ゼロの電圧差で正又は負の分極を保持することができ、結果として、2つの取り得る充電された状態:電荷状態305及び電荷状態310が生成される。
図3の例によれば、電荷状態305は論理0を表し、電荷状態310は論理1を表す。いくつかの例では、メモリ・セルを動作させるための他の方式に対応するために、それぞれの電荷状態の論理値を入れ替えることができる。
【0039】
電圧を印加することによって、強誘電体材料の電気分極を、それゆえ、キャパシタ端子上の電荷を制御することによって、メモリ・セルに論理0又は論理1を書き込むことができる。例えば、キャパシタにわたって正味の正の電圧315を印加する結果として、電荷状態305-aに達するまで電荷が蓄積される。電圧315を取り除くと、ゼロ電圧において電荷状態305に達するまで、電荷状態305-aが経路320に従う。同様に、正味の負の電圧325を印加することによって電荷状態310が書き込まれ、結果として、電荷状態310-aが生じる。負の電圧325を取り除いた後に、ゼロ電圧において電荷状態310に達するまで、電荷状態310-aが経路330に従う。電荷状態305-a及び310-aは、残留分極(Pr)値と呼ばれる場合もあり、すなわち、外部バイアス(例えば、電圧)を取り除いても残留する分極(又は、電荷)である。抗電圧は、電荷(又は分極)がゼロである電圧である。
【0040】
強誘電体キャパシタの記憶された状態を読み出すか、又は検知するために、キャパシタにわたって電圧を印加することができる。それに応答して、蓄積された電荷Qが変化し、その変化の度合いは、初期の電荷状態に依存し、すなわち、最終的に蓄積される電荷(Q)は、電荷状態305-b、310-bのいずれが初期に蓄積されていたかによって決まる。例えば、ヒステリシス曲線300-bは、2つの取り得る蓄積された電荷状態305-b及び310-bを示す。
図2を参照しながら論じられたように、キャパシタにわたって電圧335を印加することができる。他の場合には、セル・プレートに一定の電圧を印加することができ、それは正の電圧として表されるが、電圧335は負であってもよい。電圧335に応答して、電荷状態305-bが経路340に従うことができる。同様に、電荷状態310-bが初期に記憶された場合には、それは経路345に従う。電荷状態305-c及び電荷状態310-cの最終的な位置は、具体的な検知方式及び回路を含む、いくつかの要因によって決まる。
【0041】
場合によっては、最終的な電荷は、メモリ・セルに接続されるディジット線の固有キャパシタンスによって決まる場合がある。例えば、キャパシタがディジット線に電気的に接続され、電圧335が印加される場合には、ディジット線の電圧は、その固有キャパシタンスに起因して上昇する場合がある。したがって、感知構成要素において測定される電圧が、電圧335に等しくない場合があり、代わりに、ディジット線の電圧に依存する場合がある。それゆえ、ヒステリシス曲線300-b上の最終的な電荷状態305-c及び310-cの位置は、ディジット線のキャパシタンスによって決まる場合があり、負荷線解析を通して特定される場合があり、すなわち、電荷状態305-c及び310-cは、ディジット線キャパシタンスに対して規定される場合がある。結果として、キャパシタの電圧、電圧350又は電圧355は異なる場合があり、それはキャパシタの初期状態によって決まる場合がある。
【0042】
ディジット線電圧を基準電圧と比較することによって、キャパシタの初期状態を特定することができる。ディジット線電圧は、電圧335と、キャパシタにわたる最終的な電圧、電圧350又は電圧355との間の差、すなわち、(電圧335-電圧350)又は(電圧335-電圧355)とすることができる。記憶された論理状態を特定するために、すなわち、ディジット線電圧が基準電圧より高い場合でも、低い場合でも、その大きさが2つの取り得るディジット線電圧の2つの取り得る電圧間にあるように、基準電圧を生成することができる。例えば、基準電圧は、2つの量、(電圧335-電圧350)及び(電圧335-電圧355)の平均とすることができる。感知構成要素によって比較されると、検知されたディジット線電圧が基準電圧より高いか、低いかを判断することができ、強誘電体メモリ・セルの記憶された論理値(すなわち、論理0又は1)を特定することができる。
【0043】
上記で論じられたように、強誘電体キャパシタを使用しないメモリ・セルを読み出すことにより、記憶された論理状態が劣化するか、又は破壊される場合がある。しかしながら、強誘電体メモリ・セルは、読み出し動作後にその初期論理状態を保持することができる。例えば、電荷状態305-bが記憶される場合には、読み出し動作中に、電荷状態は電荷状態305-cまで経路340に従うことができ、電圧335を取り除いた後に、電荷状態は、逆方向に経路340に従うことによって、初期電荷状態305-bに戻ることができる。本開示の実施形態による、ウェア・レベリング動作中に、セル又はセルのグループを書き込むときに伴う時間遅延を短縮する(又はホスト又はアプリケーションに対して「隠す」)ために、FeRAMメモリ・セルに単一の論理状態をあらかじめ書き込むことができる。いくつかの例において、宛先ページ内のFeRAMメモリ・セルが、論理状態1をあらかじめ書き込まれる場合がある。その後、削減されたエネルギー消費量でウェア・レベリング動作の高速実行を成し遂げるために、宛先ページ内のFeRAMメモリ・セルは、FeRAMメモリ・セルに記憶されることになるデータ(例えば、0の論理状態)があらかじめ書き込まれたデータ(例えば、1の論理状態)と異なるときにしか、プログラムされる必要がない場合がある。
【0044】
図4は、本開示の実施形態による、ランダム・アクセス及び強誘電体メモリのためのウェア・レベリングをサポートする動作の図を示す。
図400は、メモリ・タイル405、感知部410、ソースページ420、宛先ページ425及び誤り訂正符号(ECC)ロジック430を含む。ソースページ420及び宛先ページ425は、同じメモリ・タイル内に存在しても、存在しなくてもよい。
【0045】
メモリ・タイル405は、種々の数のメモリ・セルを含むように構成することができる。場合によっては、メモリ・タイル405は、2次元マトリックスに配置される1024×1024メモリ・セルを含むことができる。メモリ・タイルの他の構成、例えば、2048×2048、又は1024×2048メモリ・セルが実現可能な場合がある。場合によっては、メモリ・タイル405の水平配列は、メモリ・アレイのセクション(図示せず)と呼ばれる場合がある。場合によっては、水平方向はワード線方向とすることができる。場合によっては、セクションの垂直配列(すなわち、タイルの2次元配列)は、メモリ・アレイのバンク(図示せず)と呼ばれる場合がある。場合によっては、垂直方向はディジット線方向とすることができる。
【0046】
感知部410は、感知構成要素及びラッチを含むことができる。感知部410内の感知構成要素は、
図1及び
図2を参照しながら説明されたような感知構成要素125の一例とすることができる。感知部410内のラッチは、
図1及び
図2を参照しながら説明されたようなラッチ127の一例とすることができる。場合によっては、感知部410は、メモリ・アレイのセクションに関連付けることができる。一例として、感知部410-eは、メモリ・タイル405-cに関連付けられるセクションを検知するように構成される場合があり、メモリ・アレイの他のセクション(例えば、メモリ・タイル405-d)を検知するように構成されない場合がある。感知部410は、垂直又はディジット線方向において、メモリ・タイル405の片側又は両側に位置することができる。
【0047】
ECCロジック430は、メモリ・アレイとともにチップ上に位置することができる。ECCロジック430は、データ・セット内に存在する場合がある一定の数の誤りを検出及び訂正するように構成される種々のトランジスタ及び他の回路要素を含むことができる。ECCロジック430は、メモリ・アレイのバンク・レベル・ロジックの任意のセクション(例えば、メモリ・タイル405-c又はメモリ・タイル405-d)からのデータ・セットに関してECC機能を実行するように構成することができる。場合によっては、ECCロジック430は、データのページからのデータのサブセットに関してECC機能を実行するように構成することができる。ECCロジック430がECC機能を実行するデータのサブセットは、コードワードと呼ばれる場合がある。
【0048】
図400-a及び400-bに示されるように、ソースページ420及び宛先ページ425はいずれも同じタイル(例えば、メモリ・タイル405-a又は405-b)内に、それゆえ、メモリ・アレイの同じセクション(図示せず)内に位置する場合がある。ソースページ420は、メモリ・セルに共通のワード線に関連付けられるメモリ・セル(すなわち、ウェア・レベリング動作中にデータがそこからコピーされるメモリ・セル)を含むことができる。場合によっては、ソースページ420は、
図1及び
図2を参照しながら説明されたように、ワード線に接続される1024個のメモリ・セルの行を含むことができる。1024個のメモリ・セルはそれぞれ、
図1及び
図2を参照しながら説明されたように、感知部410に接続することができるディジット線に関連付けることができる。宛先ページ425は、メモリ・セルのために共通に構成される別のワード線に関連付けられる、ソースページ(例えば、1024個のメモリ・セルの行)と同じ数のメモリ・セル(すなわち、ウェア・レベリング動作中にデータがそこにコピーされるメモリ・セル)を含むことができる。ソースページ420内のメモリ・セル及び宛先ページ425内のメモリ・セルは、
図1及び
図2を参照しながら説明されたように、共通のビット線に関連付けることができる。
【0049】
図400-aは、ウェア・レベリング動作中に実行されるページ・コピー動作の一例を示すことができる。感知部410-a及び/又は410-bにおいてソースページ420-a内に記憶されるデータを取り込むために、ソースページ420-aをアクティブ化することができる(すなわち、ソースページ420-aに関連付けられるワード線及びディジット線が選択されるか、又はオンに切り替えられる)。データの復号化、検知及び取り込みは、
図1~
図3を参照しながら上記したような手順に従って実行することができる。ソースページ420-aから感知部410-aへのデータの取り込みは、経路450-aによって示すことができる。ソースページ420-aから感知部410-bへのデータの取り込みは、例示を簡単にするために省略される。
【0050】
感知部410-a及び/又は410-bにおけるソースページ420-aからのデータの取り込みに基づいて、例えば、ソースページ420-aに関連付けられるワード線及びディジット線を選択解除することができるか、又はオフに切り替えることができる。ソースページ420-aに関連付けられるワード線及びディジット線をオフに切り替えるのに基づいて、宛先ページ425-aに関連付けられるワード線及びディジット線を選択するか、又はオンに切り替えることができる。宛先ページ425-aに関連付けられるワード線及びディジット線をオンに切り替えること、すなわち、宛先ページ425-aをイネーブルにすることに基づいて、感知部410-a及び/又は410-bに記憶されるか、又は取り込まれたデータを、宛先ページ425-a内のメモリ・セルに書き込むことができる。場合によっては、感知部410-a及び/又は410-bから宛先ページ425-aにデータを書き込むことは、宛先ページ425-aをプリチャージすると言われる場合がある。感知部410-aから宛先ページ425-aにデータを書き込むこと、すなわち、宛先ページ425-aをプリチャージすることは、経路460-aで示すことができる。感知部410-bから宛先ページ425-aにデータを書き込むことは、例示を簡単にするために省略される。
【0051】
上記のシーケンスは、ウェア・レベリング動作中にソースページ420-aから宛先ページ425-aにデータを移動させることができる。感知部410-a及び/又は410-bは、データを移動させるシーケンスを助長することができる。そのシーケンスは、ウェア・レベリング・プール内のいくつかのページ(例えば、1024個の異なる物理的なページ・ロケーション)にわたってサイクル・イベントを実効的に分散させるように、別の物理的なページ(例えば、宛先ページ425-a内のメモリ・セル)を利用することによって、特定の物理的なページ(例えば、ソースページ420-a)において繰り返し循環(ソースページ420-a内のメモリ・セルのプログラム及び消去)が生じるのを回避する。データの論理アドレスは、ウェア・レベリング・プール内にデータが実際に存在するページの物理的なロケーションに関わらず、同じままにすることができる。そこからデータを取り込んだ後にソースページ420-aのプリチャージを行わないことに起因して、ソースページ420-a内に存在するデータは、もはや有効でないか、又は信頼性がない場合がある。ウェア・レベリング・アプリケーションにおいて、ソースページ420-aは新たな空きページ、すなわち、宛先ページとしての役割を果たすために利用可能なメモリ・ページになることができる。
【0052】
図400-aに示されるように、感知部410-a及び/又は410-bを利用することは、あるセクション内でのウェア・レベリング動作を可能にする場合があるが、感知部410はそのセクションのメモリ・セル専用になるように構成されるので、ウェア・レベリング・プールは、そのセクション内に存在するページ(例えば、1024ページ)の中に限定される場合がある。
【0053】
図400-bは、ソースページ420-b内に1つ又は複数の誤りが存在する場合があるときに、ウェア・レベリング動作中に上記のシーケンスに伴うデータの移動を示すことができる。1つ又は複数の誤りは、ページ内の欠陥があるか、又は誤りのある1つ又は複数のメモリ・セルの内容に関連付けることができる。1つ又は複数の誤りは
図400-b内の記号Xとして表される。ウェア・レベリング動作は、
図400-aを参照しながら上記されたのと同じシーケンスを含む。ソースページ420-bから感知部410-cへの1つ又は複数の誤りを含むデータの取り込みは、経路450-bで示すことができる。感知部410-cから宛先ページ425-bへの1つ又は複数の誤りを含むデータの書き込み、すなわち、宛先ページ425-bをプリチャージすることは、経路460-bで示すことができる。
図400-bの例において、1つ又は複数の誤りが、データの一部としてソースページ420-bから宛先ページ425-bにコピーされる場合がある。宛先ページ425-bは、欠陥があるか、又は誤りのある1つ又は複数のメモリ・セルに起因して、1つ又は複数の自らの誤りを有する場合があるので、そのような誤りの伝搬は、宛先ページ425-bに関連付けられる誤り訂正能力を消耗する場合がある。ソースページ420-bの内容を宛先ページ425-bに記憶する前に、ソースページ420-b内の欠陥があるか、又は誤りのある1つ又は複数のメモリ・セルの内容を誤り訂正動作が訂正している場合がある。
【0054】
図400-cは、記号Xによって示されるような、ソースページ420-c内に存在する場合がある1つ又は複数の誤りを訂正するECCロジック430とともに、ウェア・レベリング動作中に別のシーケンスに伴うデータの移動を示すことができる。経路450-cによって示されるように、ソースページ420-cからの1つ又は複数の誤りを含むデータが感知部410-eにおいて検知され、取り込まれた後に、ソースページ420-cからのデータのサブセットを感知部410-eからECCロジック430に送信し、ECCロジック430によって1つずつ「スクラブする」ことができる。場合によっては、そのサブセットはコードワード(例えば、ページの一部)とすることができる。スクラブすることは、経路455-cによって示されるように、各コードワードをECCロジック430を通して処理し、コードワード内に存在する場合がある誤りを訂正することを意味することができる。一例として、ページあたり8つのコードワードが存在した場合には、各コードワードを感知部410-eから取り出し、ECCロジック430を通して処理することができる。それゆえ、ECCロジック430を介してECC機能を実行するシーケンスのこの部分は、8つのシーケンス又は動作のループにおいて実行することができる。
【0055】
感知部410-eに取り込まれたデータをスクラブすることは、ECCロジック430を通して各コードワードを処理することを含むことができる。メモリ・アレイのバンク・レベル・ロジック内に存在する場合があるECCロジック430に達するために、データ・トラフィック動作がセクション・レベルを越えるので、これは、
図400-a及び
図400-bにおいて示されるような、ソースページ420及び宛先ページ425を同じセクション(例えば、タイル405)内に保持することに関連付けられる利点を制限する場合がある。しかしながら、ウェア・レベリング・プールが大きいほど、ウェア・レベリングが実効性を増すことができるので、ページ・コピー動作が異なるセクションにわたって達成される場合があるときに、ウェア・レベリング・プールのサイズを大きくすることができる。このようにして、ECCロジック430を通して各コードワードを処理することによってスクラブ処理を実行することができ、その一方で、ECCロジック430によってスクラブされた各コードワードを、経路456-cによって示されるように、タイル405-dに関連付けられる感知部410-gに保存することができる。
【0056】
タイル405-dは、宛先ページ425-cを含む異なるタイルとすることができ、感知部410-g又は410-hに関連付けることができる。その後、ECCロジック430によってスクラブされた、感知部410-g内のデータは、経路460-cによって示されるように、タイル405-d内の宛先ページ425-c内に保存することができる。結果として、ソースページ420-cの内容は、その誤りがECCロジック430を介して訂正されており、メモリ・アレイの異なるセクション内に存在する場合がある宛先ページ425-cに転送することができる。ECCロジック430によって実行される誤り訂正機能に起因して、宛先ページ425-c内に記憶されているデータの内容は、宛先ページ425-c内に記号Xがないことによって示されるように、誤りを含まない場合がある。本開示の実施形態による、
図400-cを参照しながら説明されたようなウェア・レベリング動作の更なる詳細が、以下に
図5A及び
図5Bにおいて説明される。
【0057】
図5A及び
図5Bは、本開示の実施形態による、ランダム・アクセス及び強誘電体メモリのためのウェア・レベリングをサポートする動作を示す。
図500は、メモリ・タイル505、感知部510、ソースページ520、宛先ページ525及びECCロジック530を含む。
【0058】
メモリ・タイル505は、
図4を参照しながら説明されたようなメモリ・タイル405の一例とすることができる。上記のように、場合によっては、メモリ・タイル505の水平配列は、メモリ・アレイのセクション(図示せず)と呼ばれる場合がある。場合によっては、水平方向はワード線方向とすることができる。場合によっては、セクションの垂直配列(すなわち、タイルの2次元配列)は、メモリ・アレイのバンクと呼ばれる場合がある。場合によっては、垂直方向はディジット線方向とすることができる。
図5A及び
図5Bを参照しながら説明されるシーケンスはメモリ・アレイの同じセクション内にあるソースページ及び宛先ページには限定されない場合があるので、メモリ・アレイのあるセクションから別のセクションにデータを移動させることを例示するために、
図5A及び
図5Bには複数のメモリ・タイル505が示される。
【0059】
感知部510は、
図4を参照しながら説明されたような感知部410の一例とすることができる。場合によっては、感知部510-a及び/又は510-bが、505-b、505-c又は505-dのようなメモリ・アレイの異なるセクションの他のタイルを検知するために利用されない場合があるように、感知部510-a及び/又は510-bは、メモリ・アレイのタイル505-a(又はタイル505-aを含むセクション、図示せず)に関連付けることができる。
図4を参照しながら上記で説明されたように、感知部510は、垂直又はディジット線方向においてメモリ・タイル505の片側又は両側に位置することができる。
【0060】
ECCロジック530は、
図4を参照しながら説明されたようなECCロジック430の一例とすることができる。ECCロジック530は、メモリ・アレイのバンク・レベル内の任意のセクションからのデータ・セットに関してECC機能を実行するように構成することができる。それゆえ、ECCロジック530は、タイル505-a、505-b、505-c又は505-dからのデータ・セットに関してECC機能を実行することができる。
【0061】
図500-aのステップ1は、アクティブ化(ACT)ステップを表すことができる。ACTステップ中に、ソースページ520-aをアクティブ化して(すなわち、ソースページ520-aに関連付けられるワード線及びディジット線を選択するか、又はオンに切り替えて)、ソースページ520-a内に記憶されたデータを検知し、感知部510-a及び/又は510-bに取り込むことができる。ソースページ520-a内の記号Xは、ソースページ520-a内のデータの内容に存在する1つ又は複数の誤りを表すことができる。ソースページ520-aから感知部510-a及び/又は510-bへのデータの取り込みは、経路550-a及び/又は550-bで示すことができる。
【0062】
図500-aのステップ2は、HOLDステップを表すことができる。HOLDステップ中に、感知部510-a及び510-bの感知構成要素を停止することができる。更に、ソースページ520-aからのデータが感知部510-a及び510-bのラッチ内に依然として保持される場合があることを除いて、ワード線及びディジット線のための選択回路及びメモリ・アレイに関連付けられる他の制御回路を非アクティブ化することができる。それゆえ、HOLDステップは、感知部510-a及び510-bのラッチがその中にデータを保持することができること除いて、アイドル状態と見なすことができる。感知部510-b内の記号Xは、ソースページ520-aから伝搬したデータの内容に存在する1つ又は複数の誤りを表すことができる。更に、ソースページ520-a内のデータは、その中にデータをプリチャージしないことに起因して、もはや有効でないか、又は信頼性がない場合がある。上記のように、ソースページ520-aは、新たな空きページ、すなわち、ウェア・レベリング・アプリケーション中に宛先ページとしての役割を果たすために利用可能なメモリ・ページになることができる。
【0063】
図500-aのステップ3はPre-Setステップを表すことができる。Pre-Setステップ中に、異なるセクション内に位置するタイル、すなわち、タイル505-d内の宛先ページ525-a内のいくつかの、又は全てのメモリ・セルをある論理状態にプログラムすることができる。場合によっては、その論理状態は論理1に対応する場合がある。宛先ページ525-aは、ソースページ520-aが位置するタイル(又はセクション)とは異なるタイル(又はセクション)内に存在する場合があり、それにより、ウェア・レベリング・プール・サイズが拡張されることを理解されたい。Pre-Setステップ中に、宛先ページ525-aに関連付けられるISOデバイスを非アクティブ化することができる。
図2を参照しながら上記で説明されたように、ISOデバイスは、非アクティブ化されるときに、メモリ・アレイのディジット線から、感知構成要素のディジット線ノードを切り離すことができる。宛先ページ525-aのメモリ・セルは、宛先ページ525-aに関連付けられるISOデバイスが非アクティブ化される間に、単一の論理状態にあらかじめ書き込むことができる。場合によっては、あらかじめ書き込まれる論理状態は1の論理状態に対応することができる。
【0064】
図4Bの
図500-bのステップ4は、ソースページ520-aの内容をスクラブするために、ECCロジック530を介して、感知部510-a及び/又は510-bのラッチ内に記憶されるソースページ520-aの全てのコードワードを処理する動作を表すことができる。感知部510-a及び/又は510-bからECCロジック530にコードワードを送信することによってコードワードをスクラブすることは、経路555-a及び/又は555-bとして示すことができる。その後、各コードワードは、宛先ページ525-aに関連付けられる感知部510-c及び/又は510-d内のラッチに記憶することができる。ECCロジック530から感知部510-c及び/又は510-d内のラッチにコードワードを記憶することは、経路560-a及び/又は560-bとして示すことができる。宛先ページ525-aに関連付けられる感知部510-c及び/又は510-d内に記憶されるデータの内容に記号Xがないことは、ECCロジック530がECC機能を実行することに起因して、ソースページ520-aの内容のデータに1つ又は複数の誤りがない場合があることを示す。
【0065】
ステップ4の動作は、ステップ3の動作と同時に実行されてもよいことは理解されたい。タイル505-dに関連付けられるISOデバイスは、非アクティブ化されるときに、タイル505-d内のメモリ・セル、それゆえ、宛先ページ525-aのメモリ・セルから感知部510-c及び/又は510-dを切り離す。ステップ3の動作(例えば、宛先ページ525-a内のメモリ・セルのためのPre-Setステップ)は、ISOデバイスが非アクティブ化されることに起因して、ステップ4の動作(例えば、ECCロジックを通してコードワードを処理し、スクラブされたコードワードを感知部510-c及び/又は510-d内のラッチに記憶すること)から独立している場合があるので、ステップ3及びステップ4の動作は並列に実行することができる。ステップ3及びステップ4の動作を並列にすることは、ウェア・レベリング動作に関連付けられる全時間を削減する(又は少なくとも部分的に「隠す」)ことができる。
【0066】
図500-bのステップ5は、ソースページ520-aをプリチャージすることなく、感知部510-a及び/又は510-b内のラッチを閉じることに関連付けられる動作を表すことができる。ステップ5の完了時に、すなわち、感知部510-a及び/又は510-bのラッチを閉じると、感知部510-c及び/又は510-dは、ソースページ520-aからの有効なデータをもはや表さない。また、ソースページ520-aはウェア・レベリング動作中に空きページとしての役割を果たすことができるので、ソースページ520-aのプリチャージは不要な場合がある。ソースページ520-aのプリチャージを省くことにより、ウェア・レベリング・アプリケーションに関連付けられる全時間を短縮し、エネルギーを削減することができる。
【0067】
図500-bのステップ6は、感知部510-c及び/又は510-dに記憶されたデータを宛先ページ525-aに書き込むことを表すことができる。場合によっては、宛先ページ525-aに書き込むことは、宛先ページ525-aをプリチャージすると言われる場合がある。感知部510-c及び/又は510-dから宛先ページ525-aにデータをプリチャージすることは、経路565-a及び/又は565-bで示すことができる。宛先ページ525-aにデータをプリチャージすることは、上記のようなステップ3において確立されたあらかじめ書き込まれた論理状態とは異なる論理状態を記憶する、宛先ページ525-a内のメモリ・セルにのみ、データのサブセットを書き込むことを含むことができる。例えば、メモリ・セルが論理状態「1」にあらかじめ書き込まれるとき、宛先ページ525-a内の、論理状態「0」を記憶すべきメモリ・セルのみが、論理「0」でプログラムされることが必要な場合がある。宛先ページ525-aのプリチャージ中にメモリ・セルの数を削減することにより、ウェア・レベリング・アプリケーションに関連付けられる全時間を短縮し、エネルギーを削減することができる。
【0068】
図5A及び
図5Bを参照しながら上記で説明されたステップ1~ステップ6は、メモリ・アレイの同じセクション内にあるべきというソースページ及び宛先ページの両方に関する制約を回避することによって、より大きいウェア・レベリング・プール・サイズを用いてウェア・レベリングを可能にする。更に、誤り訂正を実行して、ソースページの内容をスクラブし、誤り伝搬問題に起因して宛先ページの誤り訂正能力を消耗するのを回避することができる。更に、効率的なウェア・レベリング動作を実現するために、全時間を短縮し、エネルギー消費量を削減することができる。
【0069】
図6は、本開示の実施形態による、ランダム・アクセス及び強誘電体メモリのためのウェア・レベリングをサポートするメモリ・デバイス100-aのブロック
図600を示す。メモリ・デバイス100-aは、電子メモリ装置と呼ばれる場合があり、メモリ・コントローラ140-a及びメモリ・セル105-bを含むことができ、それらは
図1を参照しながら説明されたメモリ・コントローラ140及びメモリ・セル105の例とすることができる。メモリ・コントローラ140-aは、メモリ・セル105-bのアレイと同じ基板上に存在する内部論理回路とすることができる。メモリ・コントローラ140-aは、本開示の実施形態による、ウェア・レベリング動作中にECCロジックとともに、ウェア・レベリング及びECC機能に関連付けられる動作を制御することもできる。メモリ・コントローラ140-aは、バイアス構成要素610及びタイミング構成要素615を含むことができ、
図1を参照しながら説明されたように、メモリ・デバイス100-aを動作させることができる。メモリ・コントローラ140-aは、ワード線110-b、ディジット線115-b、プレート線210-a及び感知構成要素125-bと電子通信することができ、それらは、
図1及び
図2を参照しながら説明されたワード線110、ディジット線115、プレート線210及び感知構成要素125の例とすることができる。
【0070】
メモリ・デバイス100-aは、基準構成要素620、ラッチ625及びECCロジック630を含むこともできる。感知部640が、感知構成要素125-b及びラッチ625を含むことができる。ラッチ625は、
図1及び
図2を参照しながら説明されたラッチ127の一例とすることができる。また、メモリ・デバイス100-aはISOデバイス695を含むことができ、それは
図2を参照しながら説明されたISOデバイス295の一例とすることができる。ISOデバイス695は、本開示の実施形態による、ウェア・レベリング動作中に、メモリ・セル105-bのディジット線(DL)から感知構成要素125-bのディジット線ノードを切り離すことができる。ISOデバイス695は、本開示の実施形態による、
図5A及び
図5Bを参照しながら上記で説明されたようなステップ3及びステップ4の同時実行を可能にする。メモリ・デバイス100-aの構成要素は、互いに電子通信することができ、
図1~
図5を参照しながら説明された機能を実行することができる。場合によっては、基準構成要素620、感知構成要素125-b及びラッチ625は、メモリ・コントローラ140-aの構成要素とすることができる。
【0071】
メモリ・コントローラ140-aは、ワード線110-b、プレート線210-a又はディジット線115-bの種々のノードに電圧を印加することによって、それらの線をアクティブ化するように構成することができる。例えば、バイアス構成要素610は、上記のように、メモリ・セル105-bを読み出すか、書き込むか、又はプリチャージするために、電圧を印加してメモリ・セル105-bを動作させるように構成することができる。場合によっては、メモリ・コントローラ140-aは、
図1を参照しながら説明されたように、行デコーダ、列デコーダ、又は両方を含むことができる。これにより、メモリ・コントローラ140-aは、1つ以上のメモリ・セル105にアクセスできるようになる場合がある。また、バイアス構成要素610は、感知構成要素125-bのための基準信号を生成するために、基準構成要素620に電位を与えることができる。更に、バイアス構成要素610は、感知構成要素125-bの動作のための電位を与えることができる。
【0072】
場合によっては、メモリ・コントローラ140-aは、タイミング構成要素615を用いて、自らの動作を実行することができる。例えば、タイミング構成要素615は、本明細書において論じられる、読み出し、書き込み又はプリチャージなどのメモリ機能を実行するために、スイッチング及び電圧印加に関するタイミングを含む、種々のワード線選択又はプレート線バイアスのタイミングを制御することができる。場合によっては、タイミング構成要素615は、バイアス構成要素610の動作を制御することができる。
【0073】
基準構成要素620は、感知構成要素125-bのための基準信号を生成する種々の構成要素を含むことができる。基準構成要素620は、基準信号を生成するように構成される回路を含むことができる。場合によっては、基準構成要素620は、他の強誘電体メモリ・セル105を含むことができる。いくつかの例では、基準構成要素620は、
図3を参照しながら説明されたように、2つの感知電圧間の値を有する電圧を出力するように構成することができる。又は、基準構成要素620は、仮想接地電圧(すなわち、約0V)を出力するように設計することができる。
【0074】
感知構成要素125-bは、(ディジット線115-b経由の)メモリ・セル105-bからの信号を基準構成要素620からの基準信号と比較することができる。論理状態を特定すると、感知構成要素は、その後、ラッチ625内に出力を記憶することができ、それは、メモリ・デバイス100-aがその一部である電子デバイスの動作に従って使用することができる。
【0075】
場合によっては、電子メモリ・デバイスは、それぞれのセクションが1組の感知構成要素及び1組のラッチに関連付けられる、強誘電体メモリ・セルの複数のセクションを含むメモリ・アレイと、メモリ・アレイ外部の周辺部にある誤り訂正回路と、メモリ・アレイ、1組の感知構成要素、1組のラッチ及び誤り訂正回路と電子通信するコントローラとを含むことができ、コントローラは、第1の組のラッチにメモリ・アレイの第1のセクションから第1の組のデータを受信させることであって、第1の組のラッチはメモリ・アレイの第1のセクションに関連付けられる、受信させることと、誤り訂正回路を通して第1の組のデータを第2の組のラッチに送信することであって、第2の組のラッチはメモリ・アレイの第2のセクションに関連付けられる、送信することと、誤り訂正回路を通して第1の組のデータを第2の組のラッチに送信することであって、第2の組のラッチはメモリ・アレイの第2のセクションに関連付けられる、送信することと、第1の組のデータをメモリ・アレイの第2のセクションに記憶することとを行うように動作可能とすることができる。
【0076】
場合によっては、コントローラは第1のセクションのメモリ・セルの行をアクティブ化することであって、メモリ・セルの行は第1の組のデータに対応する、アクティブ化することと、第1のセクションに関連付けられる第1の組の感知構成要素を用いて、メモリ・セルのアクティブ化された行から第1の組のデータを検知することと、第1の組のデータを第1の組のラッチに記憶することとを行うように動作可能とすることができる。場合によっては、コントローラは、第1の組のデータを第1の組のラッチ内に保持しながら、第1のセクションのメモリ・セルの行を非アクティブ化するように動作可能とすることができる。場合によっては、コントローラは、メモリ・アレイの第2のセクションに関連付けられるアイソレーション・デバイスを非アクティブ化するのに基づいて、第2のセクションのメモリ・セルを切り離すことと、第2のセクションの切り離されたメモリ・セルの行を第1の論理状態にあらかじめ書き込むこととを行うように動作可能とすることができる。
【0077】
場合によっては、コントローラは、第1の組のデータを第1の組のラッチから誤り訂正回路に転送することと、誤り訂正回路に第1の組のデータに対する誤り訂正動作を実行させることと、第1の組のデータを誤り訂正回路から第2の組のラッチに転送することとを行うように動作可能とすることができる。場合によっては、コントローラは、第1の組のデータをデータの複数のサブセットに分割することと、データの複数のサブセットの各サブセットを誤り訂正回路を通して順次第2の組のラッチに送信することとを行うように動作可能とすることができる。
【0078】
場合によっては、コントローラは、第1の組のデータを送信することと、第2のセクションの切り離されたメモリ・セルの行をあらかじめ書き込むこととを同時に行うように動作可能とすることができる。場合によっては、コントローラは、メモリ・アレイの第1のセクションの行をプリチャージすることなく、第1の組のラッチを閉じるように動作可能とすることができる。場合によっては、コントローラは、メモリ・アレイの第2のセクションのあらかじめ書き込まれた行を第2の組のラッチ内の第1の組のデータでプリチャージするように動作可能とすることができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、装置が説明される。その装置は、第1の組のラッチにメモリ・アレイの第1のセクションから第1の組のデータを受信させるための手段であって、第1の組のラッチはメモリ・アレイの第1のセクションに関連付けられる、受信させるための手段と、誤り訂正回路を通して第1の組のデータを第2の組のラッチに送信するための手段であって、第2の組のラッチはメモリ・アレイの第2のセクションに関連付けられる、送信するための手段と、第1の組のデータをメモリ・アレイの第2のセクションに記憶するための手段とを含むことができる。場合によっては、その装置は、第1のセクションのメモリ・セルの行をアクティブ化するための手段であって、メモリ・セルの行は第1の組のデータに対応する、アクティブ化するための手段と、第1のセクションに関連付けられる第1の組の感知構成要素を用いて、メモリ・セルのアクティブ化された行から第1の組のデータを検知するための手段と、第1の組のデータを第1の組のラッチに記憶するための手段とを更に含むことができる。場合によっては、その装置は、第1の組のデータを第1の組のラッチ内に保持しながら、第1のセクションのメモリ・セルの行を非アクティブ化するための手段を更に含むことができる。
【0080】
場合によっては、その装置は、メモリ・アレイの第2のセクションに関連付けられるアイソレーション・デバイスを非アクティブ化するのに基づいて、第2のセクションのメモリ・セルを切り離すための手段と、第2のセクションの切り離されたメモリ・セルの行を第1の論理状態にあらかじめ書き込むための手段とを更に含むことができる。場合によっては、その装置は、第1の組のデータを第1の組のラッチから誤り訂正回路に転送するための手段と、誤り訂正回路に第1の組のデータに対する誤り訂正動作を実行させるための手段と、第1の組のデータを誤り訂正回路から第2の組のラッチに転送するための手段とを更に含むことができる。
【0081】
場合によっては、その装置は、第1の組のデータをデータの複数のサブセットに分割するための手段と、データの複数のサブセットの各サブセットを誤り訂正回路を通して順次第2の組のラッチに送信するための手段とを更に含むことができる。場合によっては、その装置は、第1の組のデータを送信することと、第2のセクションの切り離されたメモリ・セルの行をあらかじめ書き込むこととを同時に行うための手段を更に含むことができる。場合によっては、その装置は、メモリ・アレイの第1のセクションの行をプリチャージすることなく、第1の組のラッチを閉じるための手段を更に含むことができる。場合によっては、その装置は、メモリ・アレイの第2のセクションのあらかじめ書き込まれた行を第2の組のラッチ内の第1の組のデータでプリチャージするための手段を更に含むことができる。
【0082】
場合によっては、電子メモリ・デバイスは、それぞれのセクションが1組の感知構成要素及び1組のラッチに関連付けられる、強誘電体メモリ・セルの複数のセクションを含むメモリ・アレイと、メモリ・アレイ外部の周辺部にある誤り訂正回路と、メモリ・アレイ、1組の感知構成要素、1組のラッチ及び誤り訂正回路と電子通信するコントローラとを含むことができ、コントローラは、第1の組のラッチにおいて第1の組のデータを受信するために、第1の組のデータに対応するメモリ・セルの行をアクティブ化することであって、第1の組のラッチはメモリ・アレイの第1のセクションに関連付けられ、第1のセクションはメモリ・セルの行を含む、アクティブ化することと、第1の組のデータを第1の組のラッチ内に保持しながら、第1のセクションのメモリ・セルの行を非アクティブ化することと、メモリ・アレイの第2のセクションに関連付けられるアイソレーション・デバイスを非アクティブ化するのに基づいて、第2のセクションのメモリ・セルを切り離した後に、第2のセクションのメモリ・セルの行に第1の論理状態をあらかじめ書き込むことと、誤り訂正回路を通して第1の組のデータを第2の組のラッチに送信することであって、第2の組のラッチは第2のセクションに関連付けられる、送信することと、第1のセクションのメモリ・セルの行をプリチャージすることなく、第1の組のラッチを閉じることと、第2のセクションのメモリ・セルのあらかじめ書き込まれた行を第2の組のラッチ内の第1の組のデータでプリチャージすることとを行うように動作可能とすることができる。
【0083】
いくつかの実施形態において、装置が説明される。その装置は、第1の組のラッチにおいて第1の組のデータを受信するために、第1の組のデータに対応するメモリ・セルの行をアクティブ化するための手段であって、第1の組のラッチはメモリ・アレイの第1のセクションに関連付けられ、第1のセクションはメモリ・セルの行を含む、アクティブ化するための手段と、第1の組のデータを第1の組のラッチ内に保持しながら、第1のセクションのメモリ・セルの行を非アクティブ化するための手段と、メモリ・アレイの第2のセクションに関連付けられるアイソレーション・デバイスを非アクティブ化するのに基づいて、第2のセクションのメモリ・セルを切り離した後に、第2のセクションのメモリ・セルの行に第1の論理状態をあらかじめ書き込むための手段と、誤り訂正回路を通して第1の組のデータを第2の組のラッチに送信するための手段であって、第2の組のラッチは第2のセクションに関連付けられる、送信するための手段と、第1のセクションのメモリ・セルの行をプリチャージすることなく、第1の組のラッチを閉じるための手段と、第2のセクションのメモリ・セルのあらかじめ書き込まれた行を第2の組のラッチ内の第1の組のデータでプリチャージするための手段とを含むことができる。
【0084】
図7は、本開示の実施形態による、ランダム・アクセス及び強誘電体メモリのためのウェア・レベリングのための方法700を例示するフローチャートを示す。方法700の動作は、本明細書において説明されたような、メモリ・コントローラ140、又はその構成要素によって実施することができる。いくつかの例において、メモリ・コントローラ140は、デバイスの機能要素を制御し、以下に説明される機能を実行するために、1組のコードを実行することができる。それに加えて、又はその代わりに、メモリ・コントローラ140は、専用ハードウェアを用いて、以下に説明される機能のうちのいくつか又は全てを実行することができる。
【0085】
ブロック705において、メモリ・コントローラ140が、第1の組のラッチにおいて、メモリ・アレイの第1のセクションから第1の組のデータを受信することができ、第1の組のラッチはメモリ・アレイの第1のセクションに関連付けられる。ブロック705の動作は、
図1~
図6を参照しながら説明された方法に従って実行することができる。
【0086】
ブロック710において、メモリ・コントローラ140が、メモリ・アレイ外部の周辺部にある誤り訂正回路を通して、第1の組のデータを第2の組のラッチに送信することができ、第2の組のラッチはメモリ・アレイの第2のセクションに関連付けられる。ブロック710の動作は、
図1~
図6を参照しながら説明された方法に従って実行することができる。
【0087】
ブロック715において、メモリ・コントローラ140が、第1の組のデータをメモリ・アレイの第2のセクションに記憶することができる。ブロック715の動作は、
図1~
図6を参照しながら説明された方法に従って実行することができる。
【0088】
いくつかの実施形態において、方法700のような、ランダム・アクセス及び強誘電体メモリのためのウェア・レベリングのための方法が開示される。その方法は、第1の組のラッチにおいて、メモリ・アレイの第1のセクションから第1の組のデータを受信することであって、第1の組のラッチはメモリ・アレイの第1のセクションに関連付けられる、受信することと、メモリ・アレイ外部の周辺部にある誤り訂正回路を通して、第1の組のデータを第2の組のラッチに送信することであって、第2の組のラッチはメモリ・アレイの第2のセクションに関連付けられる、送信することと、第1の組のデータをメモリ・アレイの第2のセクションに記憶することとを含むことができる。
【0089】
方法700のような、1つ又は複数の方法を実行するための装置が説明される。その装置は、第1の組のラッチにおいて、メモリ・アレイの第1のセクションから第1の組のデータを受信するための手段であって、第1の組のラッチはメモリ・アレイの第1のセクションに関連付けられる、受信するための手段と、メモリ・アレイ外部の周辺部にある誤り訂正回路を通して、第1の組のデータを第2の組のラッチに送信するための手段であって、第2の組のラッチはメモリ・アレイの第2のセクションに関連付けられる、送信するための手段と、第1の組のデータをメモリ・アレイの第2のセクションに記憶するための手段とを含むことができる。
【0090】
方法700のような、1つ又は複数の方法を実行するための別の装置が説明される。その装置は、メモリ・アレイと、メモリ・アレイと電子通信するメモリ・コントローラとを含むことができ、メモリ・コントローラは、第1の組のラッチにおいて、メモリ・アレイの第1のセクションから第1の組のデータを受信することであって、第1の組のラッチはメモリ・アレイの第1のセクションに関連付けられる、受信することと、メモリ・アレイ外部の周辺部にある誤り訂正回路を通して、第1の組のデータを第2の組のラッチに送信することであって、第2の組のラッチはメモリ・アレイの第2のセクションに関連付けられる、送信することと、第1の組のデータをメモリ・アレイの第2のセクションに記憶することとを行うように動作可能とすることができる。
【0091】
本明細書において説明される方法700及び装置のいくつかの例において、受信することは、第1のセクションのメモリ・セルの行をアクティブ化することであって、メモリ・セルの行は第1の組のデータに対応する、アクティブ化することと、第1のセクションに関連付けられる第1の組の感知構成要素を用いて、メモリ・セルのアクティブ化された行から第1の組のデータを検知することと、第1の組のデータを第1の組のラッチに記憶することとを行うためのプロセス、機構、手段又は命令を更に含むことができる。本明細書において説明される方法700及び装置のいくつかの例は、第1の組のデータを第1の組のラッチ内に保持しながら、第1のセクションのメモリ・セルの行を非アクティブ化するためのプロセス、機構、手段又は命令を更に含むことができる。
【0092】
本明細書において説明される方法700及び装置のいくつかの例は、メモリ・アレイの第2のセクションに関連付けられるアイソレーション・デバイスを非アクティブ化することに基づいて、第2のセクションのメモリ・セルを切り離すことと、第2のセクションの切り離されたメモリ・セルの行を第1の論理状態にあらかじめ書き込むこととを行うためのプロセス、機構、手段又は命令を更に含むことができる。本明細書において説明される方法700及び装置のいくつかの例において、第1の論理状態は1の論理状態に対応することができる。本明細書において説明される方法700及び装置のいくつかの例において、送信することは、第1の組のデータを第1の組のラッチから誤り訂正回路に転送することと、誤り訂正回路に第1の組のデータに対する誤り訂正動作を実行させることと、第1の組のデータを誤り訂正回路から第2の組のラッチに転送することとを行うためのプロセス、機構、手段又は命令を更に含むことができる。
【0093】
本明細書において説明される方法700及び装置のいくつかの例は、第1の組のデータをデータの複数のサブセットに分割することと、データの複数のサブセットの各サブセットを誤り訂正回路を通して順次第2の組のラッチに送信することとを行うためのプロセス、機構、手段又は命令を更に含むことができる。本明細書において説明される方法700及び装置のいくつかの例において、第1の組のデータを送信することと、第2のセクションの切り離されたメモリ・セルの行をあらかじめ書き込むこととは同時に行うことができる。本明細書において説明される方法700及び装置のいくつかの例は、メモリ・アレイの第1のセクションの行をプリチャージすることなく、第1の組のラッチを閉じるためのプロセス、機構、手段又は命令を更に含むことができる。本明細書において説明される方法700及び装置のいくつかの例は、メモリ・アレイの第2のセクションのあらかじめ書き込まれた行を第2の組のラッチ内の第1の組のデータでプリチャージするためのプロセス、機構、手段又は命令を更に含むことができる。本明細書において説明される方法700及び装置のいくつかの例において、第2のセクションのあらかじめ書き込まれた行をプリチャージすることは、第1の組のデータが、あらかじめ書き込まれた第1の論理状態と異なるときに、第2の論理状態を書き込むためのプロセス、機構、手段又は命令を更に含むことができる。本明細書において説明される方法700及び装置のいくつかの例において、第2の論理状態は、0の論理状態に対応することができる。
【0094】
図8は、本開示の実施形態による、ランダム・アクセス及び強誘電体メモリのためのウェア・レベリングのための方法800を例示するフローチャートを示す。方法800の動作は、本明細書において説明されたような、メモリ・コントローラ140、又はその構成要素によって実施することができる。いくつかの例において、メモリ・コントローラ140は、デバイスの機能要素を制御し、以下に説明される機能を実行するために、1組のコードを実行することができる。それに加えて、又はその代わりに、メモリ・コントローラ140は、専用ハードウェアを用いて、以下に説明される機能のうちのいくつか又は全てを実行することができる。
【0095】
ブロック805において、メモリ・コントローラ140が、第1の組のラッチにおいて第1の組のデータを受信するために、第1の組のデータに対応するメモリ・セルの行をアクティブ化することができ、第1の組のラッチはメモリ・アレイの第1のセクションに関連付けられ、第1のセクションはメモリ・セルの行を含む。ブロック805の動作は、
図1~
図6を参照しながら説明された方法に従って実行することができる。
【0096】
ブロック810において、メモリ・コントローラ140が、第1の組のデータを第1の組のラッチ内に保持しながら、第1のセクションのメモリ・セルの行を非アクティブ化することができる。ブロック810の動作は、
図1~
図6を参照しながら説明された方法に従って実行することができる。
【0097】
ブロック815において、メモリ・コントローラ140が、メモリ・アレイの第2のセクションに関連付けられるアイソレーション・デバイスを非アクティブ化するのに基づいて、第2のセクションのメモリ・セルを切り離した後に、第2のセクションのメモリ・セルの行に第1の論理状態をあらかじめ書き込むことができる。ブロック815の動作は、
図1~
図6を参照しながら説明された方法に従って実行することができる。
【0098】
ブロック820において、メモリ・コントローラが、メモリ・アレイ外部の周辺部にある誤り訂正回路を通して、第1の組のデータを第2の組のラッチに送信することができ、第2の組のラッチは第2のセクションに関連付けられる。ブロック820の動作は、
図1~
図6を参照しながら説明された方法に従って実行することができる。
【0099】
ブロック825において、メモリ・コントローラ140が、第1のセクションのメモリ・セルの行をプリチャージすることなく、第1の組のラッチを閉じることができる。ブロック825の動作は、
図1~
図6を参照しながら説明された方法に従って実行することができる。
【0100】
ブロック830において、メモリ・コントローラ140が、第2のセクションのメモリ・セルのあらかじめ書き込まれた行を第2の組のラッチ内の第1の組のデータでプリチャージすることができる。ブロック830の動作は、
図1~
図6を参照しながら説明された方法に従って実行することができる。
【0101】
いくつかの実施形態において、方法800のような、ランダム・アクセス及び強誘電体メモリのためのウェア・レベリングのための方法が開示される。その方法は、第1の組のラッチにおいて第1の組のデータを受信するために、第1の組のデータに対応するメモリ・セルの行をアクティブ化することであって、第1の組のラッチはメモリ・アレイの第1のセクションに関連付けられ、第1のセクションはメモリ・セルの行を含む、アクティブ化することと、第1の組のデータを第1の組のラッチ内に保持しながら、第1のセクションのメモリ・セルの行を非アクティブ化することと、メモリ・アレイの第2のセクションに関連付けられるアイソレーション・デバイスを非アクティブ化するのに基づいて、第2のセクションのメモリ・セルを切り離した後に、第2のセクションのメモリ・セルの行に第1の論理状態をあらかじめ書き込むことと、メモリ・アレイ外部の周辺部にある誤り訂正回路を通して第1の組のデータを第2の組のラッチに送信することであって、第2の組のラッチは第2のセクションに関連付けられる、送信することと、第1のセクションのメモリ・セルの行をプリチャージすることなく、第1の組のラッチを閉じることと、第2のセクションのメモリ・セルのあらかじめ書き込まれた行を第2の組のラッチ内の第1の組のデータでプリチャージすることとを含むことができる。
【0102】
方法800のような、1つ又は複数の方法を実行するための装置が説明される。その装置は、第1の組のラッチにおいて第1の組のデータを受信するために、第1の組のデータに対応するメモリ・セルの行をアクティブ化するための手段であって、第1の組のラッチはメモリ・アレイの第1のセクションに関連付けられ、第1のセクションはメモリ・セルの行を含む、アクティブ化するための手段と、第1の組のデータを第1の組のラッチ内に保持しながら、第1のセクションのメモリ・セルの行を非アクティブ化するための手段と、メモリ・アレイの第2のセクションに関連付けられるアイソレーション・デバイスを非アクティブ化するのに基づいて、第2のセクションのメモリ・セルを切り離した後に、第2のセクションのメモリ・セルの行に第1の論理状態をあらかじめ書き込むための手段と、メモリ・アレイ外部の周辺部にある誤り訂正回路を通して第1の組のデータを第2の組のラッチに送信するための手段であって、第2の組のラッチは第2のセクションに関連付けられる、送信するための手段と、第1のセクションのメモリ・セルの行をプリチャージすることなく、第1の組のラッチを閉じるための手段と、第2のセクションのメモリ・セルのあらかじめ書き込まれた行を第2の組のラッチ内の第1の組のデータでプリチャージするための手段とを含むことができる。
【0103】
方法800のような、1つ又は複数の方法を実行するための別の装置が説明される。その装置は、メモリ・アレイと、メモリ・アレイと電子通信するメモリ・コントローラとを含むことができ、メモリ・コントローラは、第1の組のラッチにおいて第1の組のデータを受信するために、第1の組のデータに対応するメモリ・セルの行をアクティブ化することであって、第1の組のラッチはメモリ・アレイの第1のセクションに関連付けられ、第1のセクションはメモリ・セルの行を含む、アクティブ化することと、第1の組のデータを第1の組のラッチ内に保持しながら、第1のセクションのメモリ・セルの行を非アクティブ化することと、メモリ・アレイの第2のセクションに関連付けられるアイソレーション・デバイスを非アクティブ化するのに基づいて、第2のセクションのメモリ・セルを切り離した後に、第2のセクションのメモリ・セルの行に第1の論理状態をあらかじめ書き込むことと、メモリ・アレイ外部の周辺部にある誤り訂正回路を通して第1の組のデータを第2の組のラッチに送信することであって、第2の組のラッチは第2のセクションに関連付けられる、送信することと、第1のセクションのメモリ・セルの行をプリチャージすることなく、第1の組のラッチを閉じることと、第2のセクションのメモリ・セルのあらかじめ書き込まれた行を第2の組のラッチ内の第1の組のデータでプリチャージすることとを行うように動作可能とすることができる。
【0104】
本明細書において説明される方法800及び装置のいくつかの例において、アクティブ化することは、第1のセクションに関連付けられる第1の組の感知構成要素を用いて、メモリ・セルのアクティブ化された行から第1の組のデータを検知することと、第1の組のデータを第1の組のラッチに記憶することとを行うためのプロセス、機構、手段又は命令を更に含むことができる。場合によっては、送信することは、第1の組のデータをデータの複数のサブセットに分割することと、複数のサブセットの各サブセットを順次誤り訂正回路に転送することと、誤り訂正回路に複数のサブセットの各サブセットに対する誤り訂正動作を実行させることと、複数のサブセットの各サブセットを誤り訂正回路から第2の組のラッチに転送することとを行うためのプロセス、機構、手段又は命令を更に含むことができる。
【0105】
本明細書において説明される情報及び信号は、様々な異なる技術及び技法のいずれかを用いて表すことができる。例えば、上記の説明全体を通じて参照される場合があるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光学粒子、又はそれらの任意の組み合わせによって表すことができる。いくつかの図面は、信号を単一の信号として示す場合がある。しかしながら、信号は信号のバスを表す場合があり、バスが様々なビット幅を有する場合があることは、当業者は理解することができる。
【0106】
本明細書において使用されるとき、「仮想接地」という用語は、約ゼロ・ボルト(0V)の電圧に保持されるが、接地と直接には接続されていない電気回路のノードを指す。したがって、仮想接地の電圧は、一時的に変動し、定常状態において約0Vに戻る場合がある。仮想接地は、演算増幅器及び抵抗器からなる分圧器などの種々の電子回路要素を用いて実現することができる。他の実施例も可能である。「仮想接地する」又は「仮想的に接地される」は、約0Vに接続されることを意味する。
【0107】
「電子通信」及び「結合される」という用語は、構成要素間の電子の流れをサポートする構成要素間の関係を指す。これは、構成要素間の直接接続を含む場合があるか、又は中間構成要素を含む場合がある。互いに電子通信するか、又は結合される構成要素は、電子若しくは信号を(例えば、電圧を印加された回路において)能動的に交換している場合があるか、又は電子若しくは信号を(例えば、電圧を印加されない回路において)能動的に交換していない場合があるが、回路が電圧を印加されると、電子若しくは信号を交換するように構成し、動作可能にすることができる。一例として、スイッチ(例えば、トランジスタ)を介して物理的に接続される2つの構成要素は、スイッチの状態に関わらず(すなわち、開いていても、閉じていても)電子通信しているか、又は結合される場合がある。
【0108】
本明細書において使用されるときに、「実質的に」という用語は、修飾される特徴(例えば、「実質的に」という用語によって修飾される動詞又は形容詞)が、完全である必要はないが、その特徴の利点を達成するほど十分に近いことを意味する。
【0109】
「切り離される」という用語は、電子が構成要素間を流れることがその時点で不可能である構成要素間の関係を指す。構成要素は、それらの構成要素間に開回路がある場合、互いから切り離される。例えば、スイッチによって物理的に接続された2つの構成要素は、スイッチが開いているとき、互いから切り離される場合がある。
【0110】
メモリ・デバイス100を含む、本明細書において論じられるデバイスは、シリコン、ゲルマニウム、シリコン-ゲルマニウム合金、ガリウムヒ素、窒化ガリウムなどの半導体基板上に形成することができる。場合によっては、基板は、半導体ウェハである。他の場合には、基板は、シリコン・オン・ガラス(SOG)又はシリコン・オン・サファイア(SOS)などのシリコン・オン・インシュレータ(SOI)基板とすることができるか、又は別の基板上の半導体材料のエピタキシャル層とすることができる。基板又は基板のサブ領域の導電性は、限定はしないが、リン、ホウ素又はヒ素を含む、種々の化学種を使用するドーピングを通して制御することができる。ドーピングは、基板の初期形成又は成長中に、イオン注入によって、又は任意の他のドーピング手段によって実行することができる。
【0111】
本明細書において論じられる1つ又は複数のトランジスタは、電界効果トランジスタ(FET)を表し、ソース、ドレイン及びゲートを含む3端子デバイスを含むことができる。それらの端子は、導電性材料、例えば、金属を通して、他の電子要素に接続される場合がある。ソース及びドレインは導電性とすることができ、高濃度にドープされた、例えば、縮退した、半導体領域を備えることができる。ソース及びドレインは、低濃度にドープされた半導体領域又はチャネルによって分離することができる。チャネルがn型である(すなわち、多数キャリアが電子である)場合には、FETは、n型FETと呼ばれる場合がある。チャネルがp型である(すなわち、多数キャリアが正孔である)場合には、FETは、p型FETと呼ばれる場合がある。チャネルは、絶縁性ゲート酸化物によって覆われる場合がある。チャネル導電性は、ゲートに電圧を印加することによって制御することができる。例えば、n型FET又はp型FETにそれぞれ正の電圧又は負の電圧を印加する結果として、チャネルを導電性にすることができる。トランジスタの閾値電圧以上の電圧がトランジスタ・ゲートに印加されるとき、トランジスタを「オン」にすることができるか、又は「アクティブ化」することができる。トランジスタの閾値電圧未満の電圧がトランジスタ・ゲートに印加されるとき、トランジスタを「オフ」にすることができるか、又は「非アクティブ化」することができる。
【0112】
添付の図面に関連して、本明細書において記述される説明は、例示的な構成を説明しており、実現することができるか、又は特許請求の範囲内にある全ての例を表すとは限らない。本明細書において使用されるときに、「例示的な」という用語は、「例、事例又は例示としての役割を果たす」ことを意味しており、他の例より「好ましい」か、又は「有利である」ことを意味するものではない。詳細な説明は、説明される技法を理解してもらうために具体的な細部を含む。しかしながら、これらの技法は、これらの具体的な細部を用いることなく実施することもできる。場合によっては、説明される例の概念を曖昧にするのを避けるために、周知の構造及びデバイスはブロック図の形で示される。
【0113】
添付の図において、類似の構成要素又は特徴が同じ参照ラベルを有する場合がある。更に、同じタイプの種々の構成要素が、参照ラベルの後に、ダッシュと、類似の構成要素を区別する第2のラベルとを続けることによって区別される場合がある。本明細書において、少なくとも第1の参照ラベルが使用されれば、その説明は、第2の参照ラベルに関わらず、同じ第1の参照レベルを有する類似の構成要素のいずれにも適用可能である。
【0114】
本明細書において説明される情報及び信号は、様々な異なる技術及び技法のいずれかを使用して表すことができる。例えば、上記の説明全体を通じて参照される場合があるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光学粒子、又はそれらの任意の組み合わせによって表すことができる。
【0115】
本明細書における開示に関連して説明される種々の例示的なブロック及びモジュールは、汎用プロセッサ、DSP、ASIC、FPGA又は他のプログラマブル論理デバイス、個別のゲート又はトランジスタロジック、個別のハードウェア構成要素、又は本明細書において説明される機能を実行するように設計されるその任意の組み合わせで実現又は実行することができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサとすることができるが、代替形態では、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又は状態機械とすることができる。また、プロセッサは、コンピューティング・デバイスの組み合わせ(例えば、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)及びマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと関連する1つ以上のマイクロプロセッサ、又は任意の他のそのような構成)として実現することもできる。
【0116】
本明細書において説明される機能は、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせにおいて実現することができる。プロセッサによって実行されるソフトウェアにおいて実施される場合には、それらの機能は、1つ又は複数の命令又はコードとしてコンピュータ可読媒体上に記憶されるか、又はコンピュータ可読媒体を介して送信することができる。他の例及び実施例も本開示及び添付の特許請求の範囲内にある。例えば、ソフトウェアの性質により、上記で説明された機能は、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、ハードワイヤリング、又はこれらのいずれかの組み合わせを用いて実現することができる。また、それらの機能を実施する機構は、機能の部分が異なる物理的な場所において実施されるように分散させることを含む、種々の位置に物理的に位置することができる。また、特許請求の範囲内を含む本明細書で使用されるときに、項目のリスト(例えば、「のうちの少なくとも1つ」又は「のうちの1つ以上」などの言い回しが前に置かれた項目のリスト)内で使用される「又は」は包括的なリストを示しており、したがって、例えば、A、B又はCのうちの少なくとも1つというリストは、A、又はB、又はC、又はAB、又はAC、又はBC、又はABC(すなわち、A及びB及びC)を意味する。また、本明細書において使用されるときに、「に基づいて」という言い回しは、閉じた1組の条件への参照と解釈されない場合がある。例えば、「条件Aに基づいて」として説明される例示的なステップは、本開示の範囲から逸脱することなく、条件A及び条件Bの両方に基づく場合がある。言い換えると、「に基づいて」という言い回しは、「少なくとも部分的に基づいて」という言い回しと同じように解釈することができる。
【0117】
コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータ・プログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む、非一時的コンピュータ記憶媒体及び通信媒体の両方を含む。非一時的記憶媒体は、汎用コンピュータ又は専用コンピュータによってアクセスできる任意の入手可能な媒体とすることができる。一例であって、限定はしないが、非一時的コンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、コンパクト・ディスク(CD)ROM若しくは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置若しくは他の磁気記憶デバイス、又は命令若しくはデータ構造の形で所望のプログラム・コード手段を搬送若しくは記憶するために使用することができ、汎用コンピュータ若しくは専用コンピュータ、又は汎用プロセッサ若しくは専用プロセッサによってアクセスすることができる他の任意の非一時的媒体を含むことができる。また、あらゆる接続が、コンピュータ可読媒体と呼ばれるのが適切である。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、ツイスト・ペア、デジタル加入者線(DSL)、又は赤外線、無線及びマイクロ波などのワイヤレス技術を用いてウェブサイト、サーバ又は他のリモート・ソースから送信される場合には、同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、ツイスト・ペア、デジタル加入者線(DSL)、又は赤外線、無線及びマイクロ波などのワイヤレス技術が、媒体の定義に含まれる。ディスク(disk)及びディスク(disc)は、本明細書において使用されるときに、CD、レーザ・ディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー・ディスク及びBlu-ray(登録商標)ディスクを含み、ディスク(disk)は通常、データを磁気的に再生し、一方、ディスク(disc)はレーザを用いて光学的にデータを再生する。上記の組み合わせも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれる。
【0118】
本明細書における説明は、当業者が本開示を作製又は使用することを可能にするために提供される。本開示に対する種々の変更形態が、当業者には容易に明らかになる場合がある。本明細書において規定される一般的原理は、本開示の範囲から逸脱することなく、他の変形形態に適用することができる。したがって、本開示は、本明細書において説明される例及び設計には限定されず、本明細書において開示される原理及び新規の特徴に合致する最も広い範囲が与えられるべきである。