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特許7023363リモノイド化合物とビグアニド化合物を含有する組み合わせ製品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-10
(45)【発行日】2022-02-21
(54)【発明の名称】リモノイド化合物とビグアニド化合物を含有する組み合わせ製品
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/366 20060101AFI20220214BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20220214BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20220214BHJP
   A61K 9/10 20060101ALI20220214BHJP
   A61K 9/12 20060101ALI20220214BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20220214BHJP
   A61K 9/16 20060101ALI20220214BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20220214BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20220214BHJP
   A61K 31/155 20060101ALI20220214BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20220214BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20220214BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20220214BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220214BHJP
【FI】
A61K31/366
A61K9/06
A61K9/08
A61K9/10
A61K9/12
A61K9/14
A61K9/16
A61K9/20
A61K9/48
A61K31/155
A61P3/04
A61P3/06
A61P3/10
A61P43/00 121
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020529791
(86)(22)【出願日】2018-07-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-10-22
(86)【国際出願番号】 CN2018095615
(87)【国際公開番号】W WO2019029319
(87)【国際公開日】2019-02-14
【審査請求日】2020-06-09
(31)【優先権主張番号】201710670354.0
(32)【優先日】2017-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】520045491
【氏名又は名称】ゼァージァン ヤンシェンタン インスティテュート オブ ナチュラル メディケイション カンパニー、リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、ドン
(72)【発明者】
【氏名】ハン、クワン
(72)【発明者】
【氏名】フー、リュー
(72)【発明者】
【氏名】シュエ、リャン
【審査官】梅田 隆志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0371303(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/177730(US,A1)
【文献】長谷川 信 ほか,日本食品工業学会誌,1994年,Vol.41, No.5,pp.372-380.
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/366
A61K 9/06
A61K 9/08
A61K 9/10
A61K 9/12
A61K 9/14
A61K 9/16
A61K 9/20
A61K 9/48
A61K 31/155
A61P 3/04
A61P 3/06
A61P 3/10
A61P 43/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リモノイド化合物またはその薬学的に許容される塩と、ビグアニド化合物またはその薬学的に許容される塩とを含む、血糖レベルの低下のための組み合わせ製品であって、
前記ビグアニド化合物は、メトホルミンであり、前記リモノイド化合物が、リモニン、イソリモニン酸、オバクノン、イチャンギン、イチャンゲンシン、ノミリン、デアセチルノミリン、ノミリン酸、デアセチルノミリン酸、およびイソオバクノン酸からなる群から選択され、
活性成分として、ポリメトキシフラボンを含まない、組み合わせ製品。
【請求項2】
リモノイド化合物またはその薬学的に許容される塩と、ビグアニド化合物またはその薬学的に許容される塩とを含む、脂質低下、または体重減少のための組み合わせ製品であって、
前記ビグアニド化合物は、メトホルミンであり、前記リモノイド化合物が、ノミリン、デアセチルノミリン、ノミリン酸、およびデアセチルノミリン酸からなる群から選択され、
活性成分として、ポリメトキシフラボンを含まない、組み合わせ製品。
【請求項3】
医薬組成物の形態である、請求項1または2に記載の組み合わせ製品。
【請求項4】
前記リモノイド化合物またはその薬学的に許容される塩と、前記ビグアニド化合物またはその薬学的に許容される塩が、それぞれ別個の製剤の形態である、請求項1または2に記載の組み合わせ製品。
【請求項5】
前記リモノイド化合物またはその薬学的に許容される塩と前記ビグアニド化合物またはその薬学的に許容される塩が同時にまたは順次に投与される、請求項に記載の組み合わせ製品。
【請求項6】
前記ビグアニド化合物が50mg~2000mgの量を有する、請求項1からのいずれか一項に記載の組み合わせ製品。
【請求項7】
前記リモノイド化合物が50mg~2000mgの量を有する、請求項1からのいずれか一項に記載の組み合わせ製品。
【請求項8】
薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤をさらに含む、請求項1からのいずれか一項に記載の組み合わせ製品。
【請求項9】
錠剤、カプセル剤、顆粒剤、シロップ、散剤、ロゼンジ、サシェ、カシェ、エリキシル、懸濁剤、乳剤、液剤、シロップ、エアゾール、軟膏、クリームまたは注射の形態である、請求項8に記載の組み合わせ製品。
【請求項10】
糖レベルの低下のために使用される医薬品の製造における、リモノイド化合物またはその薬学的に許容される塩と、ビグアニド化合物またはその薬学的に許容される塩との組み合わせの使用であって、
前記ビグアニド化合物は、メトホルミンであり、前記リモノイド化合物が、リモニン、イソリモニン酸、オバクノン、イチャンギン、イチャンゲンシン、ノミリン、デアセチルノミリン、ノミリン酸、デアセチルノミリン酸およびイソオバクノン酸からなる群から選択され、
前記医薬品は、活性成分として、ポリメトキシフラボンを含まない、使用。
【請求項11】
脂質低下、または体重減少のために使用される医薬品の製造における、リモノイド化合物またはその薬学的に許容される塩と、ビグアニド化合物またはその薬学的に許容される塩との組み合わせの使用であって、
前記ビグアニド化合物は、メトホルミンであり、前記リモノイド化合物が、ノミリン、デアセチルノミリン、ノミリン酸、およびデアセチルノミリン酸からなる群から選択され、
前記医薬品は、活性成分として、ポリメトキシフラボンを含まない、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医学の技術分野に属し、特にリモノイド化合物(およびその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩またはプロドラッグ)とビグアニド化合物(またはその薬学的に許容される塩)を含む組み合わせ製品に関する。本発明はまた、糖尿病、肥満およびメタボリックシンドロームに関連する疾患の治療および/または予防における組み合わせ製品の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
IDF統計によると、2015年には世界中で約4億1500万人の糖尿病患者が存在した、すなわち、11人に1人が糖尿病である。中国の糖尿病患者の数は約1億1000万人で、世界で1位である。2040年までに、世界中で6億4200万人が糖尿病になり、中国の糖尿病患者は1億5100万人に達すると予測されている。糖尿病は生涯の監視および治療を必要とし、十分に管理されないと、患者の続発性心血管疾患、失明、脳卒中、糖尿病性腎症、糖尿病性壊疽および他の合併症を引き起こし、人間の健康および生命を深刻に危険にさらす。
【0003】
糖尿病の90%超はII型糖尿病であり、経口血糖降下薬が主な治療法である。現在、主な経口薬には、スルホニル尿素、ビグアニド、α-グルコシダーゼ阻害剤、チアゾリジンジオン、DPP-4阻害剤等が含まれるが、経口血糖降下薬は、薬剤耐性、低血糖ならびに肝臓および腎臓に対する毒性などの重篤な副作用の傾向がある。例えば、ビグアニド化合物は血糖降下効果を有するが、同時に、既存の臨床データによると、その投与により、腎機能障害または欠陥を有する患者で乳酸蓄積をもたらし、乳酸アシドーシスを引き起こし得ることが知られているので、毒性副作用の一定のリスクが存在する。メトホルミンなどのビグアニド化合物は、塩酸塩で一般的に使用され、この塩酸塩は無臭で、水溶性で、メタノールに可溶性で、エタノールにわずかに可溶性で、クロロホルムまたはエーテルに不溶性の、白色結晶または結晶性粉末である。その副作用は、主に(1)悪心、嘔吐、下痢、腹痛、腹部膨満、消化不良、疲労等;(2)疲れ、体重減少、頭痛、めまい、味覚異常、発疹、悪寒、インフルエンザ様症状、動悸、潮紅等;(3)嘔吐、腹痛、過度の換気および意識障害として現れる乳酸アシドーシスである。
【0004】
リモノイド化合物は主に、未熟なダイダイ、ネーブルオレンジ、柑橘類、オレンジ、ブンタンなどのミカン科植物の果実に存在する。それらの含有量は、芯(種子)で高く、皮で低い(約1/10000~5/100000)。柑橘類植物から約50種類のリモノイド化合物が単離および同定されている。リモノイド化合物は、抗腫瘍剤、昆虫の摂食阻害剤、抗ウイルス剤、鎮痛剤、抗炎症剤および催眠剤などの種々の生物学的活性を有し、機能性食品添加物、抗がん性食品、農薬、飼料添加物等に使用できる。
【0005】
ビグアニド化合物の血糖降下効果および副作用を考慮すると、服用が簡単で、効果が高く、副作用の少ない医薬組み合わせ製品に対する満たされていないニーズが存在する。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、リモノイド化合物とビグアニド化合物を含む組み合わせ製品、ならびに糖尿病、肥満およびメタボリックシンドロームに関連する疾患を予防および/または治療するためのこの組み合わせ製品の使用を提供する。同じ用量の単剤療法としてのビグアニド化合物またはリモノイド化合物と比較して、本発明で言及されるリモノイド化合物とビグアニド化合物を含有する組み合わせ製品は、血糖降下効果、脂質低下効果および体重減少効果などの治療効果を有意に増強し、相乗効果を示すことができる。同時に、ビグアニド化合物の量が減少するので、副作用が減少する。
【0007】
本発明の第1の態様では、リモノイド化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)とビグアニド化合物(またはその薬学的に許容される塩)を含む組み合わせ製品、または有効成分としてリモノイド(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)とビグアニド化合物(またはその薬学的に許容される塩)のみを含む組み合わせ製品が提供される。
【0008】
本発明で言及されるリモノイド化合物は、4,4,8-トリメチル-17-フラノステロイド骨格を有する高度に酸化された化合物またはその誘導体のクラスの一般的な用語である(またはフラノラクトン多環式コア構造の変異体からなり、4つの縮合6員環および1つのフラン環を有する化合物として表すことができる)。具体的には、リモノイド化合物の例としては、それだけに限らないが、リモニン、イソリモニン酸(isolimonic acid)、7α-リモノール、オバクノン、イチャンギン(ichangin)、イチャンゲンシン、ノミリン、デアセチルノミリン、ノミリン酸、デアセチルノミリン酸、シトルシン、イソオバクノン酸(isoobacunoic acid)等およびこれらのいずれかのグリコシド誘導体が挙げられる。例示的なリモノイド化合物、すなわちリモニンの構造式を以下に示す。
【化1】
【0009】
さらに、本発明で言及されるリモノイド化合物のグルコシド誘導体には、それだけに限らないが、リモニン17-β-D-グルコピラノシド、イチャンギン17-β-D-グルコピラノシド、イソリモニン酸17-β-D-グルコピラノシド、デアセチルノミリン(deactylnomilin)17-β-D-グルコピラノシド、ノミリン17-β-D-グルコピラノシド、オバクノン17-β-D-グルコピラノシド(glucopynoside)、ノミリン酸17-β-D-グルコピラノシド、デアセチルノミリン酸17-β-D-グルコピラノシド等が含まれる。
【0010】
いくつかの実施形態では、本発明で言及されるリモノイド化合物が、モノマーまたは抽出物の形態である。モノマーは抽出または人工的に合成され、その供給源は市販されている、または当該技術分野の先行技術によって容易に調製および入手することができる。
【0011】
本発明で言及されるビグアニド化合物には、それだけに限らないが、メトホルミン、ブホルミン、フェンホルミンなどが含まれる。N,N-ジメチルイミドジカルボンイミド酸ジアミドは、通常メトホルミンまたは1,1-メトホルミンと呼ばれる。メトホルミンは、遊離塩基の形態で存在してもよいし、または塩酸塩(例えば、一塩酸塩)などの薬学的に許容される塩を含む塩を形成してもよい。本明細書で使用される「メトホルミン」という用語は、その遊離塩基に限定されず、メトホルミンの薬学的に許容される塩、メトホルミンの塩酸塩および一塩酸塩などのメトホルミン塩も含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、組み合わせ製品が医薬組成物の形態であり、医薬組成物が単位剤形である。
【0013】
いくつかの実施形態では、リモノイド化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)とビグアニド化合物(またはその薬学的に許容される化合物)がそれぞれ別個の製剤の形態である。さらに、リモノイド化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)とビグアニド化合物(またはその薬学的に許容される塩)がそれぞれ別個の単位剤形の形態である。さらに、リモノイド化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)とビグアニド化合物(またはその薬学的に許容される塩)を同時にまたは順次に投与することができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、ビグアニドが、10mg、20mg、40mg、50mg、75mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、375mg、500mg、750mg、1500mg、1875mgまたは2000mgの量、およびこれらの量の間の範囲を有し、範囲には、それだけに限らないが、10mg~20mg、10mg~40mg、10mg~50mg、10mg~75mg、10mg~100mg、10mg~150mg、10mg~200mg、10mg~250mg、10mg~300mg、10mg~375mg、10mg~500mg、10mg~750mg、10mg~1500mg、10mg~1875mg、10mg~2000mg、20mg~40mg、20mg~50mg、20mg~75mg、20mg~100mg、20mg~150mg、20mg~200mg、20mg~250mg、20mg~300mg、20mg~375mg、20mg~500mg、20mg~750mg、20mg~1500mg、20mg~1875mg、20mg~2000mg、40mg~50mg、40mg~75mg、40mg~100mg、40mg~150mg、40mg~200mg、40mg~250mg、40mg~300mg、40mg~375mg、40mg~500mg、40mg~750mg、40mg~1500mg、40mg~1875mg、40mg~2000mg、50mg~75mg、50mg~100mg、50mg~150mg、50mg~200mg、50mg~250mg、50mg~300mg、50mg~375mg、50mg~500mg、50mg~750mg、50mg~1500mg、50mg~1875mg、50mg~2000mg、75mg~100mg、75mg~150mg、75mg~200mg、75mg~250mg、75mg~300mg、75mg~375mg、75mg~500mg、75mg~750mg、75mg~1500mg、75mg~1875mg、75mg~2000mg、100mg~150mg、100mg~200mg、100mg~250mg、100mg~300mg、100mg~375mg、100mg~500mg、100mg~750mg、100mg~1500mg、100mg~1875mg、100mg~2000mg、150mg~200mg、150mg~250mg、150mg~300mg、150mg~375mg、150mg~500mg、150mg~750mg、150mg~1500mg、150mg~1875mg、150mg~2000mg、200mg~250mg、200mg~300mg、200mg~375mg、200mg~500mg、200mg~750mg、200mg~1500mg、200mg~1875mg、200mg~2000mg、250mg~300mg、250mg~375mg、250mg~500mg、250mg~750mg、250mg~1500mg、250mg~1875mg、250mg~2000mg、300mg~375mg、300mg~500mg、300mg~750mg、300mg~1500mg、300mg~1875mg、300mg~2000mg、375mg~500mg、375mg~750mg、375mg~1500mg、375mg~1875mg、375mg~2000mg、500mg~750mg、500mg~1500mg、500mg~1875mg、500mg~2000mg、750mg~1500mg、750mg~1875mg、750mg~2000mgおよび1875mg~2000mgが含まれる。
【0015】
いくつかの実施形態では、リモノイド化合物が、10mg、20mg、40mg、50mg、75mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、375mg、500mg、750mg、1500mg、1875mgまたは2000mgの量、およびこれらの量の間の範囲を有し、範囲には、それだけに限らないが、10mg~20mg、10mg~40mg、10mg~50mg、10mg~75mg、10mg~100mg、10mg~150mg、10mg~200mg、10mg~250mg、10mg~300mg、10mg~375mg、10mg~500mg、10mg~750mg、10mg~1500mg、10mg~1875mg、10mg~2000mg、20mg~40mg、20mg~50mg、20mg~75mg、20mg~100mg、20mg~150mg、20mg~200mg、20mg~250mg、20mg~300mg、20mg~375mg、20mg~500mg、20mg~750mg、20mg~1500mg、20mg~1875mg、20mg~2000mg、40mg~50mg、40mg~75mg、40mg~100mg、40mg~150mg、40mg~200mg、40mg~250mg、40mg~300mg、40mg~375mg、40mg~500mg、40mg~750mg、40mg~1500mg、40mg~1875mg、40mg~2000mg、50mg~75mg、50mg~100mg、50mg~150mg、50mg~200mg、50mg~250mg、50mg~300mg、50mg~375mg、50mg~500mg、50mg~750mg、50mg~1500mg、50mg~1875mg、50mg~2000mg、75mg~100mg、75mg~150mg、75mg~200mg、75mg~250mg、75mg~300mg、75mg~375mg、75mg~500mg、75mg~750mg、75mg~1500mg、75mg~1875mg、75mg~2000mg、100mg~150mg、100mg~200mg、100mg~250mg、100mg~300mg、100mg~375mg、100mg~500mg、100mg~750mg、100mg~1500mg、100mg~1875mg、100mg~2000mg、150mg~200mg、150mg~250mg、150mg~300mg、150mg~375mg、150mg~500mg、150mg~750mg、150mg~1500mg、150mg~1875mg、150mg~2000mg、200mg~250mg、200mg~300mg、200mg~375mg、200mg~500mg、200mg~750mg、200mg~1500mg、200mg~1875mg、200mg~2000mg、250mg~300mg、250mg~375mg、250mg~500mg、250mg~750mg、250mg~1500mg、250mg~1875mg、250mg~2000mg、300mg~375mg、300mg~500mg、300mg~750mg、300mg~1500mg、300mg~1875mg、300mg~2000mg、375mg~500mg、375mg~750mg、375mg~1500mg、375mg~1875mg、375mg~2000mg、500mg~750mg、500mg~1500mg、500mg~1875mg、500mg~2000mg、750mg~1500mg、750mg~1875mg、750mg~2000mgおよび1875mg~2000mgが含まれる。
【0016】
いくつかの実施形態では、ビグアニド化合物が、メトホルミン、塩酸メトホルミン、ブホルミンおよびフェンホルミンから選択され、リモノイド化合物が、リモニン、イソリモニン酸、7α-リモノール、オバクノン、イチャンギン、イチャンゲンシン、ノミリン、デアセチルノミリン、ノミリン酸、デアセチルノミリン酸、シトルシン、イソオバクノン酸等およびこれらのいずれかのグリコシド誘導体のうちの1つまたは複数から選択される。
【0017】
いくつかの実施形態では、組み合わせ製品が、薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤をさらに含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、組み合わせ製品が、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、シロップ、散剤、ロゼンジ、サシェ、カシェ、エリキシル、懸濁剤、乳剤、液剤、シロップ、エアゾール、軟膏、クリームおよび注射の形態である。
【0019】
本発明の第2の態様では、糖尿病、肥満およびメタボリックシンドロームに関連する疾患を予防および/または治療するための医薬品の製造における組み合わせ製品の使用が提供される。いくつかの実施形態では、糖尿病がI型糖尿病である。いくつかの実施形態では、糖尿病がII型糖尿病である。
【0020】
本発明の第3の態様では、リモノイド化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)とビグアニド化合物(またはその薬学的に許容される塩)を組み合わせて投与して疾患を予防および/または治療する方法が提供される。いくつかの実施形態では、リモノイド化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)とビグアニド化合物(またはその薬学的に許容される塩)を組み合わせて投与して糖尿病、肥満およびメタボリックシンドロームに関連する疾患を予防および/または治療する方法が提供される。いくつかの実施形態では、リモノイド化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)とビグアニド化合物(またはその薬学的に許容される塩)を組み合わせて投与して血糖を低下させる方法が提供される。いくつかの実施形態では、リモノイド化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)とビグアニド化合物(またはその薬学的に許容される塩)を組み合わせて投与してインスリン感受性を改善する方法が提供される。いくつかの実施形態では、リモノイド化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)とビグアニド化合物(またはその薬学的に許容される塩)を組み合わせて投与してレプチン感受性を改善する方法が提供される。いくつかの実施形態では、リモノイド化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)とビグアニド化合物(またはその薬学的に許容される塩)を組み合わせて投与して血清コレステロールおよび血清トリグリセリドの含有量を減少させる方法が提供される。いくつかの実施形態では、リモノイド化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)とビグアニド化合物(またはその薬学的に許容される塩)を組み合わせて投与して体重を減少させる方法が提供される。
【0021】
いくつかの実施形態では、リモノイド化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)とビグアニド化合物(またはその薬学的に許容される塩)を製剤形態に混合し、医薬組成物の形態(好ましくは、投与単位形態)で投与することができる;いくつかの実施形態では、リモノイド化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)とビグアニド化合物(またはその薬学的に許容される塩)が、それぞれ別個の製剤形態(好ましくは、それぞれ別個の投与単位形態)であり、別個に投与される;いくつかの実施形態では、リモノイド化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)とビグアニド化合物(またはその薬学的に許容される塩)が同時に投与される;いくつかの実施形態では、リモノイド化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)とビグアニド化合物(またはその薬学的に許容される塩)が次々に投与される;いくつかの実施形態では、リモノイド化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)とビグアニド化合物(またはその薬学的に許容される塩)が、約30分間、または約1時間、または約2時間、または約4時間、または約8時間、または約12時間の時間間隔で次々に投与される。いくつかの実施形態では、必要に応じて、医薬組成物の形態である本発明によるリモノイド化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)とビグアニド化合物(またはその薬学的に許容される塩)を含む組み合わせ製品が、それだけに限らないが、1日当たり1、2、3、4、5または6回投与される。いくつかの実施形態では、必要に応じて、それぞれ別個の製剤形態(好ましくは、それぞれ別個の投与単位形態)である本発明によるリモノイド化合物(またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグ)とビグアニド化合物(またはその薬学的に許容される塩)を含む組み合わせ製品が、それだけに限らないが、1日当たり1、2、3、4、5または6回投与される。
【0022】
本発明の第4の態様では、医薬組成物の形態の組み合わせ製品を調製する方法が提供される。薬物としての操作性または生体内で使用される場合の吸収性を改善するために、リモノイド化合物またはその薬学的に許容される誘導体、エステル、立体異性体、塩もしくはプロドラッグとビグアニド化合物またはその薬学的に許容される塩は、好ましくは製剤を形成するために薬学的に許容される担体、賦形剤、希釈剤などの医薬アジュバントと組み合わせられ、それによって形態を得る。
【0023】
本発明の第5の態様では、本明細書に記載される組み合わせ製品を含むキットが提供される。
【0024】
本明細書を通して使用される「薬学的に許容される塩」という用語は、典型的には、遊離塩基を適切な有機酸もしくは無機酸と反応させることによって、または酸を適切な有機塩基もしくは無機塩基と反応させることによって調製される、遊離酸または遊離塩基の塩を指す。この用語は、1,1-ジメチルビグアニドとリモノイド化合物(遊離酸または遊離塩基の機能を有する)などを含む任意の化合物に使用され得る。代表的な塩には、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、酒石酸水素塩、ホウ酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンファースルホン酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エタンジスルホン酸塩、エストラート、エシラート、フマル酸塩、グルコヘプトナート、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニラート(glycol lylarsanilate)、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、メト臭素酸塩、メト硝酸塩、メト硫酸塩、マレイン酸一カリウム、ムチン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、硝酸塩、N-メチルグルコサミン塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、カリウム塩、サリチル酸塩、ナトリウム塩、ステアリン酸塩、亜酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、トリエチオジド、トリメチルアミン塩および吉草酸塩が含まれる。酸性置換基、例えば-COOHが存在する場合、アンモニウム塩、モルホリン塩、ナトリウム塩、カリウム塩、バリウム塩、カルシウム塩などが剤形で使用するために形成され得る。アミノ基またはピリジルなどの塩基性ヘテロアリール基などの塩基性基が存在する場合(例えば、リモノイド化合物または1,1-ジメチルビグアニドなど)、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、酢酸、シュウ酸塩、マレイン酸塩、ピルビン酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、マンデル酸塩、安息香酸塩、ケイ皮酸塩、メシル酸塩、エタンスルホン酸塩、ピクリン酸塩等などの酸性塩などが形成され得る。
【0025】
本発明におけるビグアニド化合物の供給源には、それだけに限らないが、塩酸メトホルミン単一錠剤/カプセル剤、塩酸メトホルミン徐放性錠剤/カプセル剤、メトホルミングリベンクラミド錠剤/カプセル剤、塩酸メトホルミン腸溶性コーティング錠剤/カプセル剤、メトホルミングリピジド錠剤/カプセル剤、リナグリプチンメトホルミン錠剤/カプセル剤、サキサグリプチンメトホルミン徐放性錠剤/カプセル剤、メトホルミングリクラジド錠剤/カプセル剤、メトホルミンピオグリタゾン錠剤/カプセル剤、シタグリプチンメトホルミン錠剤/カプセル剤、メトホルミンビルダグリプチン錠剤/カプセル剤、レパグリニドメトホルミン錠剤/カプセル剤、メトホルミンダパグリフロジン錠剤/カプセル剤、メトホルミンカナグリフロジン錠剤/カプセル剤、メトホルミンエンパグリフロジン錠剤/カプセル剤、メトホルミンリナグリプチン錠剤/カプセル剤、メトホルミンシタグリプチン錠剤/カプセル剤、メトホルミンアログリプチン錠剤/カプセル剤、メトホルミンピオグリタゾン錠剤/カプセル剤などが含まれ得る。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明を、具体的な例および比較例を通して以下でさらに説明する。しかしながら、これらの例および比較例は、より詳細かつ具体的な説明のためにのみ使用されるものであり、いかなる形でも本発明を限定するものとして理解されるべきではないことを理解すべきである。
【0027】
本発明の例では、3つの糖尿病マウスモデルおよび1つの肥満マウスモデルを使用して(これらのモデルは当業者に周知である、またはそれだけに限らないが、例に例示的に記載される先行技術文献を含む従来の教科書、技術マニュアルおよび当技術分野の科学文献に従って容易に入手可能であった)、ヒトでのさまざまな段階の糖尿病の病的状態および肥満の病的状態をシミュレートした。例で言及されるリモノイド化合物は、モノマーまたは抽出物の形で存在していた。モノマーは抽出または人工的に合成し、その供給源は市販されていた、または当該技術分野の先行技術によって容易に調製および入手することができた。
【0028】
例1
マウス膵島β細胞損傷モデルにおける血糖に対するリモノイド化合物、メトホルミンまたはこれらの組み合わせの効果
この例では、マウス膵島β細胞損傷モデルを、ストレプトゾトシン(STZ)を用いたモデリングICRマウスによって確立し(先行技術文献:Li Nanら、Protective effect of pine pollen on kidney damage in diabetic nephropathy mice、Science and Technology Review、2014、32(4/5):95~99を参照)、このモデルを使用して動物における血糖降下効果の評価を完成させた(このモデルはI型およびII型糖尿病の膵島β細胞損傷状態をシミュレートすることができた)。リモノイド化合物はリモニン、イソリモニン酸、リモニン17-β-D-グルコピラノシドおよびイソリモニン酸17-β-D-グルコピラノシドからなる群から選択し、メトホルミン単一投与群、リモニン単一投与群、イソリモニン酸単一投与群、リモニン17-β-D-グルコピラノシド単一投与群、イソリモニン酸17-β-D-グルコピラノシド単一投与群およびこれらのメトホルミンとの組み合わせ投与群をそれぞれ設定した。
【0029】
実験給餌条件:6週齢のICRマウス(20±2g)をZhejiang Academy of Medical Sciencesから購入し、7日間の予備給餌後に実験給餌に供した。マウスを飼育するための条件は以下の通りとしたことに留意すべきである:温度は23±1℃とし、湿度は55±10%とし、明かりは午前7時~午後7時まで点灯し(他の時間は明かりを消灯した)、マウスは水および飼料に自由にアクセスできた。実験飼料はマウス成長安定飼料(GB M2118)とし、動物の毎日の給餌および管理は、動物に毎日十分なパッドおよび新鮮な飲料水を提供する動物保安部門の責任下にあった。
【0030】
実験グループ分け:15匹の雄マウスを正常対照群として無作為に選択した。12時間の絶食後、残りのマウスに150mg/kgの用量のSTZを1回腹腔内注射し、72時間後、血糖値が15~25mmol/Lのマウスを、各群の15匹の動物で、未分化でグループ分けし、実験に使用し、2週間の投与後に採血および指標の検出に供した。
【0031】
経管栄養用量:リモニン群では経管栄養用量を1日当たり0.02g/kgとし、イソリモニン酸群では経管栄養用量を1日当たり0.02g/kgとし、リモニン17-β-D-グルコピラノシド群では経管栄養用量を1日当たり0.02g/kgとし、メトホルミン群ではメトホルミンの経管栄養用量を1日当たり0.02g/kgとし、リモニン/メトホルミン組み合わせ群では1日当たり0.01g/kgの用量のリモニンと0.01g/kgの用量のメトホルミンを同時に経管栄養し、イソリモニン酸/メトホルミン組み合わせ群では1日当たり0.01g/kgの用量のイソリモニン酸と0.01g/kgの用量のメトホルミンを同時に経管栄養し、リモニン17-β-D-グルコピラノシド/メトホルミン組み合わせ群では1日当たり0.01g/kgの用量のリモニン17-β-D-グルコピラノシドと0.01g/kgの用量のメトホルミンを同時に経管栄養し、イソリモニン酸17-β-D-グルコピラノシド/メトホルミン組み合わせ群では1日当たり0.01g/kgの用量のイソリモニン酸17-β-D-グルコピラノシドと0.01g/kgの用量のメトホルミンを同時に経管栄養し、経管栄養量は10mL/kgとし、正常群およびモデル群には10mL/kgの蒸留水を投与した。2週間後、最後の投与の1時間後に、テールトリミング法(tail trimming method)(Johnsonの血糖値計)によって血糖値を測定し、各群の平均を得た。SPSS 16.0ソフトウェアを統計分析に使用した。データを平均および標準偏差として表した。前後のデータをt検定によって分析し、P<0.05を統計学的に有意と見なした。試験結果を以下の表1に示した。
【表1】
【0032】
実験結果の考察
上記の結果から、単一投与またはメトホルミン、リモニンおよびその誘導体の組み合わせ投与のいずれかで、モデル群と比較して、STZ膵島細胞損傷のマウスの血糖値を有意に減少させることができることが分かった。リモニンおよびその誘導体をメトホルミンと組み合わせて投与すると、単一投与と比較して効果が有意に改善され、相乗効果を示した。さらに、リモニンおよびその誘導体をメトホルミンと組み合わせて投与すると、単一投与と比較して、両方の用量を有効に減らしながら、依然として同等のグルコース低下効果を達成でき、治療レジメンの安全性が改善され、副作用が減少した。
【0033】
例2
II型糖尿病のマウスモデルにおける血糖およびレプチンに対するリモノイド化合物、メトホルミンまたはこれらの組み合わせの効果
本例では、db/dbマウス(系統名BKS.Cg-Dock7m+/+Leprdb/Nju)を使用して、動物の血糖降下有効性評価試験(血糖レベルおよびレプチン)を実施した。リモノイド化合物は、オバクノン、イソオバクノン酸およびオバクノン17-β-D-グルコピラノシドから選択し、オバクノン単一投与群、イソオバクノン酸単一投与群、オバクノン17-β-D-グルコピラノシド単一投与群およびこれらのメトホルミンとの組み合わせ投与群をそれぞれ設定した。
【0034】
実験給餌条件:II型糖尿病モデルマウスとして、6週齢のSPFグレードdb/dbマウスをNanjing Model Biology Instituteから購入し、7日間の予備給餌後に実験給餌に供した。マウスを飼育するための条件は以下の通りとしたことに留意すべきである:温度は23±1℃とし、湿度は55±10%とし、明かりは午前7時~午後7時まで点灯し(他の時間は明かりを消灯した)、マウスは水および飼料に自由にアクセスできた。実験飼料はマウス成長安定飼料(GB M2118)とし、動物の毎日の給餌および管理は、動物に毎日十分なパッドおよび新鮮な飲料水を提供する動物保安部門の責任下にあった。
【0035】
実験グループ分け:雄db/dbマウス(20±2g)を選択し、各群18匹の雄マウスを試験した。実験群は、正常対照群(db/m、n=18)、モデル群(db/db、n=18)、オバクノン群(db/db、n=18)、イソオバクノン酸群(db/db、n=18)、オバクノン17-β-D-グルコピラノシド群(db/db、n=18)、メトホルミン群(db/db、n=18)、オバクノン/メトホルミン組み合わせ群(db/db、n=18)、イソオバクノン酸/メトホルミン組み合わせ群(db/db、n=18)、オバクノン17-β-D-グルコピラノシド/メトホルミン組み合わせ群(db/db、n=18)を含んでいた。
【0036】
経管栄養用量:オバクノン群では1日当たり0.04g/kgの用量のオバクノンを経管栄養し、イソオバクノン酸群では1日当たり0.04g/kgの用量のイソオバクノン酸を経管栄養し、オバクノン17-β-D-グルコピラノシド群では1日当たり0.04g/kgの用量のオバクノン17-β-D-グルコピラノシドを経管栄養し、メトホルミン群では1日当たり0.04g/kgの用量のメトホルミンを経管栄養し、オバクノン/メトホルミン組み合わせ群では1日当たり0.02g/kgの用量のオバクノンと0.02g/kgの用量のメトホルミンを同時に経管栄養し、イソオバクノン酸/メトホルミン組み合わせ群では1日当たり0.02g/kgの用量のイソオバクノン酸と0.02g/kgの用量のメトホルミンを同時に経管栄養し、オバクノン17-β-D-グルコピラノシド/メトホルミン組み合わせ群では1日当たり0.02g/kgの用量のオバクノン17-β-D-グルコピラノシドと0.02g/kgの用量のメトホルミンを同時に経管栄養し、経管栄養量は10mL/kgとし、正常群およびモデル群には10mL/kgの蒸留水を投与した。2週間後、最後の投与の1時間後に、テールトリミング法(Johnsonの血糖値計)によって血糖値を測定し、酵素結合免疫吸着測定法(Elisa)によって眼窩から採取した血液で血清レプチンレベルを測定し、各群の平均を得た。SPSS 16.0ソフトウェアを統計分析に使用した。データを平均および標準偏差として表した。前後のデータをt検定によって分析し、P<0.05を統計学的に有意と見なした。試験結果を以下の表2に示した。
【表2】
【0037】
実験結果の考察
上記の結果から、単一投与またはメトホルミンとの組み合わせ投与のいずれかで、オバクノンおよびその誘導体は、モデル群と比較して、db/db糖尿病マウスの血糖レベルを有意に低下させることができることが分かった。オバクノンおよびその誘導体をメトホルミンと組み合わせて投与すると、単一投与と比較して有意に改善された効果が観察され、相乗効果を示した。さらに、オバクノンおよびその誘導体をメトホルミンと組み合わせて投与すると、単一投与と比較して、両方の用量を有効に減らしながら、依然として同等のグルコース低下効果を達成でき、治療レジメンの安全性が改善され、副作用が減少した。
【0038】
一方、オバクノンおよびその誘導体に代表されるリモノイド化合物は、レプチンに対する感受性を有意に改善することができ;特にメトホルミンと組み合わせて投与すると、体内でのレプチンの利用効率を有意に改善し、体のグルコース代謝を改善し、糖尿病マウスのグルコース代謝に関連する機能を改善することができた。
【0039】
例3
マウス膵島β細胞損傷モデルにおける血糖に対するリモノイド化合物、メトホルミンまたはこれらの組み合わせの効果
この例では、マウス膵島β細胞損傷モデルを、ストレプトゾトシン(STZ)を用いたモデリングICRマウスによって確立し(先行技術文献:Li Nanら、Protective effect of pine pollen on kidney damage in diabetic nephropathy mice、Science and Technology Review、2014、32(4/5):95~99を参照)、このモデルを使用して動物における血糖降下効果の評価を完成させた(このモデルはI型およびII型糖尿病の膵島β細胞損傷状態をシミュレートすることができた)。リモノイド化合物は、イチャンギン、イチャンゲンシンおよびイチャンギン17-β-D-グルコピラノシドからなる群から選択し、メトホルミン単一投与群、イチャンギン単一投与群、イチャンゲンシン単一投与群、イチャンギン17-β-D-グルコピラノシド単一投与群およびこれらのメトホルミンとの組み合わせ投与群をそれぞれ設定した。
【0040】
実験給餌条件:6週齢のICRマウス(20±2g)をZhejiang Academy of Medical Sciencesから購入し、7日間の予備給餌後に実験給餌に供した。マウスを飼育するための条件は以下の通りとしたことに留意すべきである:温度は23±1℃とし、湿度は55±10%とし、明かりは午前7時~午後7時まで点灯し(他の時間は明かりを消灯した)、マウスは水および飼料に自由にアクセスできた。実験飼料はマウス成長安定飼料(GB M2118)とし、動物の毎日の給餌および管理は、動物に毎日十分なパッドおよび新鮮な飲料水を提供する動物保安部門の責任下にあった。
【0041】
実験グループ分け:15匹の雄マウスを正常対照群として無作為に選択した。12時間の絶食後、残りのマウスに150mg/kgの用量のSTZを1回腹腔内注射し、72時間後、血糖値が15~25mmol/Lのマウスを、各群の15匹の動物で、未分化でグループ分けし、実験に使用し、2週間の投与後に採血および指標の検出に供した。
【0042】
経管栄養用量:イチャンギン群では経管栄養用量を1日当たり0.1g/kgとし、イチャンゲンシン群では経管栄養用量を1日当たり0.1g/kgとし、イチャンギン17-β-D-グルコピラノシド群では経管栄養用量を1日当たり0.1g/kgとし、メトホルミン群ではメトホルミンの経管栄養用量を1日当たり0.1g/kgとし、イチャンギン/メトホルミン組み合わせ群では1日当たり0.05g/kgの用量のイチャンギンと0.05g/kgの用量のメトホルミンを同時に経管栄養し、イチャンゲンシン/メトホルミン組み合わせ群では1日当たり0.05g/kgの用量のイチャンゲンシンと0.05g/kgの用量のメトホルミンを同時に経管栄養し、イチャンギン17-β-D-グルコピラノシド/メトホルミン組み合わせ群では1日当たり0.05g/kgの用量のイチャンギン17-β-D-グルコピラノシドと0.05g/kgの用量のメトホルミンを同時に経管栄養し、経管栄養量は10mL/kgとし、正常群およびモデル群には10mL/kgの蒸留水を投与した。2週間後、最後の投与の1時間後に、テールトリミング法(tail trimming method)(Johnsonの血糖値計)によって血糖値を測定し、各群の平均を得た。SPSS 16.0ソフトウェアを統計分析に使用した。データを平均および標準偏差として表した。前後のデータをt検定によって分析し、P<0.05を統計学的に有意と見なした。試験結果を以下の表3に示した。
【表3】
【0043】
実験結果の考察
上記の結果から、単一投与またはメトホルミンとの組み合わせ投与のいずれかで、3つのリモノイド化合物全ては、モデル群と比較して、STZ膵島細胞損傷モデルのマウスの血糖レベルを有意に低下させることができることが分かった。これらをメトホルミンと組み合わせて投与すると、血糖レベルの正常なマウスと同様に、効果が単一投与と比較して有意に増加し、相乗効果を示した。さらに、上記の3つのリモノイド化合物をメトホルミンと組み合わせて投与すると、単一投与と比較して、両方の用量を有効に減らしながら、依然として同等のグルコース低下効果を達成でき、治療レジメンの安全性が改善され、副作用が減少した。
【0044】
例4
II型糖尿病のマウスモデルにおける血糖およびインスリンに対するリモノイド化合物、メトホルミンまたはこれらの組み合わせの効果
本実施形態では、リモノイド化合物はノミリン、デアセチルノミリン、ノミリン酸、デアセチルノミリン17-β-D-グルコピラノシドから選択し、ノミリン単一投与群、デアセチルノミリン単一投与群、ノミリン酸単一投与群、デアセチルノミリン17-β-D-グルコピラノシド単一投与群およびこれらのメトホルミンとの組み合わせ投与群をそれぞれ設定した。
【0045】
実験給餌条件:II型糖尿病モデルマウスとして、6週齢のSPFグレードdb/dbマウスをNanjing Model Biology Instituteから購入し、7日間の予備給餌後に実験給餌に供した。マウスを飼育するための条件は以下の通りとしたことに留意すべきである:温度は23±1℃とし、湿度は55±10%とし、明かりは午前7時~午後7時まで点灯し(他の時間は明かりを消灯した)、マウスは水および飼料に自由にアクセスできた。実験飼料はマウス成長安定飼料(GB M2118)とし、動物の毎日の給餌および管理は、動物に毎日十分なパッドおよび新鮮な飲料水を提供する動物保安部門の責任下にあった。
【0046】
ノミリン、デアセチルノミリン、ノミリン酸、デアセチルノミリン17-β-D-グルコピラノシド。
【0047】
実験グループ分け:雄db/dbマウス(20±2g)を選択し、各群18匹の雄マウスを試験し、飲料用ボトルを毎週滅菌した。実験群は、正常対照群(db/m、n=18)、モデル群(db/db、n=18)、ノミリン群(db/db、n=18)、デアセチルノミリン群(db/db、n=18)、ノミリン酸群(db/db、n=18)、デアセチルノミリン17-β-D-グルコピラノシド群(db/db、n=18)、メトホルミン群(db/db、n=18)、ノミリン/メトホルミン組み合わせ群(db/db、n=18)、デアセチルノミリン/メトホルミン組み合わせ群(db/db、n=18)、ノミリン酸/メトホルミン組み合わせ群(db/db、n=18)、デアセチルノミリン17-β-D-グルコピラノシド/組み合わせ群(db/db、n=18)を含んでいた。
【0048】
経管栄養用量:ノミリン群では1日当たり0.2g/kgの用量のノミリンを経管栄養し、デアセチルノミリン群では1日当たり0.2g/kgの用量のデアセチルノミリンを経管栄養し、ノミリン酸群では1日当たり0.2g/kgの用量のノミリン酸を経管栄養し、デアセチルノミリン17-β-D-グルコピラノシド群では1日当たり0.2g/kgの用量のデアセチルノミリン17-β-D-グルコピラノシドを経管栄養し、メトホルミン群では1日当たり0.2g/kgの用量のメトホルミンを経管栄養し、ノミリン/メトホルミン組み合わせ群では1日当たり0.1g/kgの用量のノミリンと0.1g/kgの用量のメトホルミンを同時に経管栄養し、ノミリン酸/メトホルミン組み合わせ群では1日当たり0.1g/kgの用量のノミリン酸と0.1g/kgの用量のメトホルミンを同時に経管栄養し、デアセチルノミリン/メトホルミン組み合わせ群では1日当たり0.1g/kgの用量のデアセチルノミリンと0.1g/kgの用量のメトホルミンを同時に経管栄養し、デアセチルノミリン17-β-D-グルコピラノシド/メトホルミン組み合わせ群では1日当たり0.1g/kgの用量のデアセチルノミリン17-β-D-グルコピラノシドと0.1g/kgの用量のメトホルミンを同時に経管栄養し、経管栄養量は10mL/kgとし、正常群およびモデル群には10mL/kgの蒸留水を投与した。2週間後、最後の投与の1時間後に、テールトリミング法(Johnsonの血糖値計)によって血糖値を測定し、酵素結合免疫吸着測定法(Elisa)によって眼窩から採取した血液で血清インスリンレベルを測定し、各群の平均を得た。SPSS 16.0ソフトウェアを統計分析に使用した。データを平均および標準偏差として表した。前後のデータをt検定によって分析し、P<0.05を統計学的に有意と見なした。試験結果を以下の表4に示した。
【表4】
【0049】
実験結果の考察
上記の結果から、単一投与またはメトホルミンとの組み合わせ投与のいずれかで、ノミリンおよびその誘導体は、モデル群と比較して、db/db糖尿病マウスの血糖レベルを有意に低下させることができることが分かった。ノミリンおよびその誘導体をメトホルミンと組み合わせて投与すると、単一投与と比較して有意に改善された効果が観察され、相乗効果を示した。さらに、ノミリンおよびその誘導体をメトホルミンと組み合わせて投与すると、単一投与と比較して、両方の用量を有効に減らしながら、依然として同等のグルコース低下効果を達成でき、治療レジメンの安全性が改善され、副作用が減少した。
【0050】
一方、ノミリンおよびその誘導体に代表されるリモノイド化合物は、インスリンに対する感受性を有意に改善することができ;特にメトホルミンと組み合わせて投与すると、体内でのインスリンの利用効率を有意に改善し、体のグルコース代謝を改善し、糖尿病マウスのグルコース代謝に関連する機能を改善することができた。
【0051】
例5
膵島損傷および肥満を伴うII型糖尿病のマウスモデルにおける血糖に対するリモノイド化合物、メトホルミンまたはこれらの組み合わせの効果
この例では、膵島損傷および肥満を伴うII型糖尿病のマウスモデルを、連続的な高脂肪食餌を伴う少用量のストレプトゾトシン(STZ)を用いた複数のモデリングICRマウスによって確立した(先行技術文献:Zhang Jiyuanら、Study on the effect of three plant extracts on improving glucose and lipid metabolism in type 2 diabetic mice、Food and Machinery、2016、32(12):142~147を参照)。リモノイド化合物はノミリン17-β-D-グルコピラノシド、デアセチルノミリン17-β-D-グルコピラノシドおよびノミリン酸17-β-D-グルコピラノシドからなる群から選択し、メトホルミン単一投与群、ノミリン17-β-D-グルコピラノシド単一投与群、デアセチルノミリン単一投与群、ノミリン酸17-β-D-グルコピラノシド単一投与群およびこれらのメトホルミンとの組み合わせ投与群をそれぞれ設定した。
【0052】
実験給餌条件:6週齢のICRマウス(20±2g)をZhejiang Academy of Medical Sciencesから購入し、7日間の予備給餌後に実験給餌に供した。マウスを飼育するための条件は以下の通りとしたことに留意すべきである:温度は23±1℃とし、湿度は55±10%とし、明かりは午前7時~午後7時まで点灯し(他の時間は明かりを消灯した)、マウスは水および飼料に自由にアクセスできた。実験飼料はマウス成長安定飼料(GB M2118)とし、動物の毎日の給餌および管理は、動物に毎日十分なパッドおよび新鮮な飲料水を提供する動物保安部門の責任下にあった。
【0053】
実験グループ分け:15匹の雄マウスを正常対照群として無作為に選択し、残りのマウスを連続4週間の高脂肪食餌(高脂肪食餌処方:コレステロール1%、卵黄粉末10%、ラード油10%および基本飼料79%、肥満マウスモデルを確立するため)および3日間連続して35mg/kgの用量のSTZの腹腔内注射に供した。1週間後、マウスを24時間の絶食および脱水に供し、空腹時血糖を測定し、血糖レベルが15~25mmol/Lのマウスを選択し、各群の15匹のマウスで、未分化でグループ分けし、実験に使用し、3週間の投与後に採血および指標の検出に供した。
【0054】
経管栄養用量:ノミリン17-β-D-グルコピラノシド群では経管栄養用量を1日当たり0.5g/kgとし、デアセチルノミリン17-β-D-グルコピラノシド群では経管栄養用量を1日当たり0.5g/kgとし、ノミリン酸17-β-D-グルコピラノシド群では経管栄養用量を1日当たり0.5g/kgとし、メトホルミン群では1日当たり0.5g/kgの用量のメトホルミンを経管栄養し、ノミリン17-β-D-グルコピラノシド/メトホルミン組み合わせ群では1日当たり0.25g/kgの用量のノミリン17-β-D-グルコピラノシドと0.25g/kgの用量のメトホルミンを同時に経管栄養し、デアセチルノミリン17-β-D-グルコピラノシド/メトホルミン組み合わせ群では1日当たり0.25g/kgの用量のデアセチルノミリン17-β-D-グルコピラノシドと0.25g/kgの用量のメトホルミンを同時に経管栄養し、ノミリン酸17-β-D-グルコピラノシド/メトホルミン組み合わせ群では1日当たり0.25g/kgの用量のノミリン酸17-β-D-グルコピラノシドと0.25g/kgの用量のメトホルミンを同時に経管栄養し、経管栄養量は10mL/kgとし、正常群およびモデル群には10mL/kgの蒸留水を投与した。2週間後、最後の投与の1時間後に、テールトリミング法(tail trimming method)(Johnsonの血糖値計)によって血糖値を測定し、各群の平均を得た。SPSS 16.0ソフトウェアを統計分析に使用した。データを平均および標準偏差として表した。前後のデータをt検定によって分析し、P<0.05を統計学的に有意と見なした。試験結果を以下の表5に示した。
【表5】
【0055】
実験結果の考察
上記の結果から、単一投与またはメトホルミンとの組み合わせ投与のいずれかで、3つのリモノイドグリコシド全ては、モデル群と比較して、STZ II型糖尿病モデルのマウスの血糖レベルを有意に低下させることができることが分かった。これらをメトホルミンと組み合わせて投与すると、血糖レベルの正常なマウスと同様に、効果が単一投与と比較して有意に増加し、相乗効果を示した。さらに、上記の3つのリモノイドグリコシドをメトホルミンと組み合わせて投与すると、単一投与と比較して、両方の用量を有効に減らしながら、依然として同等のグルコース低下効果を達成でき、治療レジメンの安全性が改善され、副作用が減少した。
【0056】
例6
肥満マウスモデルにおける体重、トリグリセリドおよび総コレステロールに対するリモノイド化合物、メトホルミンまたはこれらの組み合わせの効果
この例では、ICRマウスを使用して、動物の脂質低下および体重減少(体重、血清コレステロールおよび血清トリグリセリド)を評価するための実験を完成させた。
【0057】
この例では、リモノイド化合物はノミリンであり、メトホルミン単一投与群、ノミリン単一投与群およびメトホルミン/ノミリン組み合わせ投与群(用量AおよびB群)をそれぞれ設定した。
【0058】
実験給餌条件:半数が雄で半数が雌の、体重(20±2g)のICRマウスをAnimal Center of Zhejiang Academy of Medical Sciencesから購入し、Animal Center of Zhejiang Medical Academyによって提供された基本飼料を与えた。マウスを飼育するための条件は以下の通りとしたことに留意すべきである:温度は23±1℃とし、湿度は55±10%とし、明かりは午前7時~午後7時まで点灯し(他の時間は明かりを消灯した)、マウスは水および飼料に自由にアクセスできた。動物の毎日の給餌および管理は、動物に毎日十分なパッドおよび新鮮な飲料水を提供する動物保安部門の責任下にあった。
【0059】
ICRマウスを、体重に応じて正常群と高脂肪飼料群に無作為に分けた。正常群には、実験の最初から最後まで通常の飼料を与えた。残りの動物には高脂肪飼料(高脂肪食餌処方:コレステロール1%、卵黄粉末10%、ラード油10%、基本飼料79%、肥満のマウスモデルを確立するため)を与え、3週間後に体重を測定したところ、高脂肪飼料群の動物の体重は正常対照群の体重よりも高く、t検定ではデータの差が有意であり、モデリングが成功であることが示された(データは示さなかった)。肥満モデルを形成したと判断されたマウスを、モデル対照群(n=15)、ノミリン対照群(n=15)、メトホルミン群(n=15)、ノミリン/メトホルミン組み合わせ用量群A(n=15)およびノミリン/メトホルミン組み合わせ用量群B(n=15)に分けた。
【0060】
経管栄養用量:ノミリン群では1日当たり0.1g/kgの用量のノミリンを経管栄養し、メトホルミン群では1日当たり0.1g/kgの用量のメトホルミンを経管栄養し、組み合わせ用量群Aでは1日当たり0.05g/kgの用量のノミリンと0.05g/kgの用量のメトホルミンを同時に経管栄養し、組み合わせ用量群Bでは1日当たり0.1g/kgのノミリンと0.1g/kgの用量のメトホルミンを同時に経管栄養し、経管栄養量は10mL/kgとし、正常群およびモデル群には10mL/kgの蒸留水を投与した。2週間後、マウスの体重を測定し、眼窩から血液を採取し、測定して血清総コレステロールおよびトリグリセリドレベルを決定し、各群の平均値を得た。SPSS 16.0ソフトウェアを統計分析に使用した。データを平均および標準偏差として表した。前後のデータをt検定によって分析し、P<0.05を統計学的に有意と見なした。試験結果を以下の表6に示した。
【表6】
【0061】
実験結果の考察
上記の結果から、モデル群と比較して、組み合わせ用量群Aおよび高用量群Bの体重増加率はモデル群よりもはるかに低く、それらの効果は単一投与群よりも優れており、用量群Bがより良い結果を有し、2つの薬物が相乗効果を示すことが分かった;本質的に同等の体重増加率、総血清コレステロールおよび血清トリグリセリドなどの指標を維持する場合、組み合わせ用量群Aは陽性対照メトホルミンの用量を有効に減らし、それによって副作用を減少させ、治療レジメンの安全性を増加させた。したがって、リモノイド化合物とビグアニド化合物の組み合わせ投与は、脂質低下および体重減少の効果を有効に改善することができた。
【0062】
例7
ノミリンとメトホルミンの組み合わせ製品を含有する錠剤を調製する方法
この例では、本発明の組み合わせ製品(ノミリンとメトホルミン)の錠剤を調製する方法を例示的に提供した。単一錠剤は以下の成分:ノミリン50mg、塩酸メトホルミン400mg、ヒドロキシプロピルメチルセルロース20mg、カルボキシメチルセルロースナトリウム30mg、および微結晶セルロース20mg、ステアリン酸マグネシウム5.2mg、Opadry20.8mgを含有しており、合計で1000個の錠剤が存在した。
【0063】
調製方法は、以下のステップを含んでいた:
a)ノミリン50gを50%エタノール5Lに溶解するステップ;
b)100メッシュのふるいに原材料および補助材料を通過させ、これらを待機したままにするステップ;
c)メトホルミン塩酸塩400g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース20g、カルボキシメチルセルロースナトリウム30gおよび微結晶性セルロース20gを秤量し、流動床に置き、入口空気量500±50m/時間、入口空気温度90±5℃および製品温度70±5℃を設定して、ホットメルト造粒を実施するステップ;
d)ノミリン溶液を流動床に噴霧し、噴霧圧力1.0±0.2barおよび噴霧速度30±10Hzを設定して、一段階造粒を実施するステップ;
e)得られた顆粒を1.0mm丸穴スクリーンに通して乾式造粒を実施するステップ;
f)ステアリン酸マグネシウム5.2gを添加し、5分間混合するステップ;
g)15KNの圧力で17×8.5mmの楕円形パンチャーを使用して打錠するステップ;
h)Opadry 85F32004 20.8gを1:4比で蒸留水に溶解し、コーティングパンのパラメータを:床温度40±2℃、空気温度48±2℃、霧化圧力0.6MPa、パン速度7rpm、噴霧量120g/分として設定して、フィルムコーティングを完了するステップ。