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特許7023474物品供給装置、物品供給システム及び管理装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-14
(45)【発行日】2022-02-22
(54)【発明の名称】物品供給装置、物品供給システム及び管理装置
(51)【国際特許分類】
   G07F 7/02 20060101AFI20220215BHJP
   G07F 5/02 20060101ALI20220215BHJP
   G07F 11/00 20060101ALI20220215BHJP
【FI】
G07F7/02 Z
G07F5/02 103
G07F11/00 Z
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2021142435
(22)【出願日】2021-09-01
【審査請求日】2021-09-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(73)【特許権者】
【識別番号】508207790
【氏名又は名称】有限会社 和晃
(74)【代理人】
【識別番号】100079005
【弁理士】
【氏名又は名称】宇高 克己
(74)【代理人】
【識別番号】100154405
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 大吾
(74)【代理人】
【識別番号】100201341
【弁理士】
【氏名又は名称】畠山 順一
(72)【発明者】
【氏名】近藤 創
(72)【発明者】
【氏名】小林 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】水科 晃
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-057291(JP,A)
【文献】特開2020-115649(JP,A)
【文献】特開2021-018519(JP,A)
【文献】国際公開第2019/117021(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07F 1/00-17/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を供給可能な物品供給装置であって、
第1識別情報を表示する表示部と、
物品を収容する収容部と、
前記収容部に収容されている物品を供給する供給部と、
前記第1識別情報が取得されたこと、第2識別情報が取得されたこと及び物品の代価が決済されたことを条件として、前記供給部により物品を供給可能に制御する制御部と、
を備え
前記第1識別情報は、前記第2識別情報を取得するための手段へのアクセス情報を含む、
物品供給装置。
【請求項2】
物品を供給可能な物品供給装置であって、
第1識別情報を表示する表示部と、
物品を収容する収容部と、
前記収容部に収容されている物品を供給する供給部と、
前記第1識別情報が取得されたこと、第2識別情報が取得されたこと及び物品の代価が決済されたことを条件として、前記供給部により物品を供給可能に制御する制御部と、
を備え
前記第1識別情報は、第1種別の第1識別情報と第2種別の第1識別情報とから構成され、
前記表示部は、前記第1種別の第1識別情報を表示する第1種別表示部と、前記第2種別の第1識別情報を表示する第2種別表示部とを備え、
前記第1種別表示部と前記第2種別表示部とは、異なる位置に配置され、
前記制御部は、前記第1種別の第1識別情報が取得された後に前記第2種別の第1識別情報が取得されたことを更なる条件として、前記供給部による物品の供給を可能とする、
物品供給装置。
【請求項3】
物品を供給可能な物品供給装置であって、
第1識別情報を表示する表示部と、
物品を収容する収容部と、
前記収容部に収容されている物品を供給する供給部と、
前記第1識別情報が取得されたこと、第2識別情報が取得されたこと及び物品の代価が決済されたことを条件として、前記供給部により物品を供給可能に制御する制御部と、
を備え
前記第1識別情報は、第1種別の第1識別情報と第2種別の第1識別情報とから構成され、
前記表示部は、前記第1種別の第1識別情報を表示する第1種別表示部と、前記第2種別の第1識別情報を表示する第2種別表示部とを備え、
前記第1種別表示部と前記第2種別表示部とは、異なる位置に配置され、
前記制御部は、前記第1種別の第1識別情報が取得された後に、前記第2識別情報が取得されたこと、及び前記第2識別情報が取得された後に、前記第2種別の第1識別情報が取得されたことを更なる条件として、前記供給部により物品を供給可能とする、
物品供給装置。
【請求項4】
前記第1識別情報は、第1種別の第1識別情報と第2種別の第1識別情報とから構成され、
前記表示部は、前記第1種別の第1識別情報を表示する第1種別表示部と、前記第2種別の第1識別情報を表示する第2種別表示部とを備え、
前記第1種別表示部と前記第2種別表示部とは、異なる位置に配置される、
請求項1に記載の物品供給装置。
【請求項5】
前記第1種別の第1識別情報は、物品供給装置から供給可能な物品を識別する物品識別情報を含む、
請求項2から請求項4のいずれかに記載の物品供給装置。
【請求項6】
前記第2種別の第1識別情報は、物品供給装置を識別する装置識別情報を含む、
請求項2から請求項5のいずれかに記載の物品供給装置。
【請求項7】
前記制御部は、取得された前記第1種別の第1識別情報により当該物品供給装置から供給可能な物品が特定されたこと、取得された前記第2種別の第1識別情報により当該物品供給装置が特定されたこと、前記第2識別情報が認証されたこと、及び物品の代価が決済されたことを条件として、前記供給部により物品を供給可能とする、
請求項2から請求項のいずれかに記載の物品供給装置。
【請求項8】
前記第1種別の第1識別情報と前記第2種別の第1識別情報は、読み取り可能な情報表示体である、
請求項2から請求項のいずれかに記載の物品供給装置。
【請求項9】
前記第1種別表示部は、前記第2種別表示部よりも高い位置に配置される、
請求項2から請求項のいずれかに記載の物品供給装置。
【請求項10】
前記第1種別表示部は、物品に関する説明が記載された説明部に配置され、前記第2種別表示部は、前記物品供給装置表面に配置される、
請求項2から請求項のいずれかに記載の物品供給装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記第1識別情報が取得された後に、前記第2識別情報が取得されたこと、及び代価の決済が完了したことを条件として、前記供給部により物品を供給可能とする、
請求項1、請求項2及び請求項4のいずれかに記載の物品供給装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記第2識別情報が取得された後において代価の決済が完了したことを条件として前記供給部により物品を供給可能とする
請求項1から請求項11のいずれかに記載の物品供給装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記第1識別情報と前記第2識別情報とが紐付けされたこと、及び物品の代価が決済されたことを条件として、前記供給部により物品を供給可能とする、
請求項1から請求項12のいずれかに記載の物品供給装置。
【請求項14】
前記第2識別情報は、物品供給装置外に表示されている、
請求項1から請求項13のいずれかに記載の物品供給装置。
【請求項15】
前記代価の決済は、電子決済又は現金決済である
請求項1から請求項14のいずれかに記載の物品供給装置。
【請求項16】
現金を受け付ける現金受付部を備え、
前記制御部は、取得された前記第1識別情報により物品供給装置が特定されたこと及び前記第2識別情報が認証されたことを条件として前記現金受付部が現金を受け付けることを可能とし、前記現金受付部による現金決済の完了を条件として前記供給部による物品の供給を可能とする、
請求項1から請求項15のいずれかに記載の物品供給装置。
【請求項17】
前記供給部から物品を供給不可能にロックするロック部と、
前記供給部から物品を供給すべく操作する操作部と、をさらに備え、
前記操作部は、前記ロック部のロックが解除されることで操作可能であり、
前記制御部は、前記第1識別情報による物品の特定及び前記第2識別情報の認証を条件として供給される許可信号を受信して現金決済を実行可能とし、現金による物品の代価の決済の完了を条件として前記ロック部のロックを解除し、
前記供給部は、前記操作部の操作を条件として、物品を供給可能である、
請求項1から請求項16のいずれかに記載の物品供給装置。
【請求項18】
前記制御部は、取得された前記第1識別情報により物品供給装置が特定されたこと、前記第2識別情報が認証されたこと、及び電子決済により物品の代価の決済が完了したことを条件として、前記供給部による物品の供給を可能とする、
請求項1から請求項15のいずれかに記載の物品供給装置。
【請求項19】
前記供給部から物品を供給不可能にロックするロック部と、
前記供給部から物品を供給すべく操作する操作部と、をさらに備え、
前記操作部は、前記ロック部のロックが解除されることで操作可能であり、
前記制御部は、前記第1識別情報による物品の特定と、前記第2識別情報の認証と、電子決済による物品の代価の決済の完了と、を条件として供給されるロック解除信号を受信して、前記ロック部のロックを解除し、
前記供給部は、前記操作部の操作を条件として、物品を供給可能である、
請求項1から請求項15、請求項18のいずれかに記載の物品供給装置。
【請求項20】
物品を供給可能な物品供給システムであって、
物品供給装置と、端末と、を備え、
前記物品供給装置は、
第1識別情報を表示する表示部と、
物品を収容する収容部と、
前記収容部に収容されている物品を供給する供給部と、
前記供給部により物品を供給可能に制御する制御部と、
を備え、
前記端末は、
前記第1識別情報を取得可能な第1取得部と、
前記第2識別情報を取得可能な第2取得部と、
を備え、
前記物品供給装置の制御部は、前記端末により前記第1識別情報が取得されたこと、前記端末により前記第2識別情報が取得されたこと、及び代価の決済が完了したこと、を条件として、前記供給部により物品を供給可能にし、
前記第1識別情報は、前記第2識別情報を取得するための手段へのアクセス情報を含む、
物品供給システム。
【請求項21】
物品を供給可能な物品供給システムであって、
物品供給装置と、端末と、を備え、
前記物品供給装置は、
第1識別情報を表示する表示部と、
物品を収容する収容部と、
前記収容部に収容されている物品を供給する供給部と、
前記供給部により物品を供給可能に制御する制御部と、
を備え、
前記端末は、
前記第1識別情報を取得可能な第1取得部と、
前記第2識別情報を取得可能な第2取得部と、
を備え、
前記物品供給装置の制御部は、前記端末により前記第1識別情報が取得されたこと、前記端末により前記第2識別情報が取得されたこと、及び代価の決済が完了したこと、を条件として、前記供給部により物品を供給可能にし、
前記第1識別情報は、第1種別の第1識別情報と第2種別の第1識別情報とから構成され、
前記物品供給装置の前記表示部は、前記第1種別の第1識別情報を表示する第1種別表示部と、前記第2種別の第1識別情報を表示する第2種別表示部とを備え、
前記第1種別表示部と前記第2種別表示部とは、異なる位置に配置され、
前記物品供給装置の前記制御部は、前記第1種別の第1識別情報が取得された後に前記第2種別の第1識別情報が取得されたことを更なる条件として、前記供給部による物品の供給を可能とする、
物品供給システム。
【請求項22】
物品を供給可能な物品供給システムであって、
物品供給装置と、端末と、を備え、
前記物品供給装置は、
第1識別情報を表示する表示部と、
物品を収容する収容部と、
前記収容部に収容されている物品を供給する供給部と、
前記供給部により物品を供給可能に制御する制御部と、
を備え、
前記端末は、
前記第1識別情報を取得可能な第1取得部と、
前記第2識別情報を取得可能な第2取得部と、
を備え、
前記物品供給装置の制御部は、前記端末により前記第1識別情報が取得されたこと、前記端末により前記第2識別情報が取得されたこと、及び代価の決済が完了したこと、を条件として、前記供給部により物品を供給可能にし、
前記第1識別情報は、第1種別の第1識別情報と第2種別の第1識別情報とから構成され、
前記物品供給装置の前記表示部は、前記第1種別の第1識別情報を表示する第1種別表示部と、前記第2種別の第1識別情報を表示する第2種別表示部とを備え、
前記第1種別表示部と前記第2種別表示部とは、異なる位置に配置され、
前記物品供給装置の前記制御部は、前記第1種別の第1識別情報が取得された後に、前記第2識別情報が取得されたこと、及び前記第2識別情報が取得された後に、前記第2種別の第1識別情報が取得されたことを更なる条件として、前記供給部により物品を供給可能とする、
物品供給システム。
【請求項23】
管理装置をさらに備え、
前記管理装置は、
前記端末が取得した前記第1識別情報により、物品の供給を可能にする物品供給装置を特定する特定部と、
前記端末が取得した前記第2識別情報を認証する認証部と、
物品の供給を可能にする物品供給装置が特定され、前記第2識別情報が認証されたことを条件に、物品の代価を現金により決済可能な状態に制御する許可信号を、特定された物品供給装置に送信する供給制御部と、
を備え、
前記物品供給装置の制御部は、前記許可信号を受信したことを条件に、現金による物品の代価の決済を可能とし、現金による物品の代価の決済が完了したことを条件として、前記供給部による物品の供給を可能とする、
請求項20から請求項22のいずれかに記載の物品供給システム。
【請求項24】
管理装置をさらに備え、
前記管理装置は、
前記端末が取得した前記第1識別情報により、物品の供給を可能にする物品供給装置を特定する特定部と、
前記端末が取得した前記第2識別情報を認証する認証部と、
物品の供給を可能にする物品供給装置が特定され、前記第2識別情報が認証され、電子決済による物品の代価の決済が完了したことを条件に、前記供給部による物品の供給を可能とする許可信号を、特定された物品供給装置に送信する供給制御部と、
を備え、
前記物品供給装置の制御部は、前記許可信号を受信したことを条件に、前記供給部による物品の供給を可能とする、
請求項21から請求項23のいずれかに記載の物品供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品供給装置、物品供給システム及び管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、装置本体内に収納されたカプセルトイの物品を、代価の支払いを条件としてハンドルなどを操作して取得する物品供給装置がある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-334911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような物品供給装置において、代価の支払いのみを物品の供給条件とするという形態だけでなく、その他の形態での物品の供給を望む需要者が増えてきている。
【0005】
そこで、本発明は、種々の形態での物品の供給を望む需要者に応えることが可能な物品供給装置、物品供給システム及び管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、物品を供給可能な物品供給装置であって、第1識別情報を表示する表示部と、物品を収容する収容部と、収容部に収容されている物品を供給する供給部と、第1識別情報が取得されたこと、第2識別情報が取得されたこと及び物品の代価が決済されたことを条件として、前記供給部により物品を供給可能に制御する制御部と、を備える物品供給装置である。
【0007】
本発明の一態様は、物品を供給可能な物品供給システムであって、物品供給装置と、端末と、を備え、前記物品供給装置は、第1識別情報を表示する表示部と、物品を収容する収容部と、前記収容部に収容されている物品を供給する供給部と、前記供給部により物品を供給可能に制御する制御部と、を備え、前記端末は、前記第1識別情報を取得可能な第1取得部と、前記第2識別情報を取得可能な第2取得部と、を備え、前記物品供給装置の制御部は、前記端末により第1識別情報が取得されたこと、前記端末により第2識別情報が取得されたこと、及び代価の決済が完了したこと、を条件として、前記供給部により物品を供給可能にする、物品供給システムである。
【0008】
本発明の一態様は、物品供給装置の物品の供給を管理する管理装置であって、物品供給装置に表示されている第1識別情報を取得する第1識別情報取得部と、前記第1識別情報により、物品供給装置を特定する物品供給装置特定部と、前記第1識別情報とは異なる第2識別情報を取得する第2識別情報取得部と、前記第2識別情報を認証する認証部と、前記物品供給装置を特定し、前記第2識別情報を認証したことを条件として、前記特定した物品供給装置を、物品の代価を現金により決済可能な状態に制御する制御部と、を備える管理装置である。
【0009】
本発明の一態様は、物品供給装置の物品の供給を管理する管理装置であって、物品供給装置に表示されている第1識別情報を取得する第1識別情報取得部と、前記第1識別情報により、物品供給装置を特定する物品供給装置特定部と、前記第1識別情報とは異なる第2識別情報を取得する第2識別情報取得部と、前記第2識別情報を認証する認証部と、物品供給装置より供給される物品の代価の決済処理を行う決済部と、前記物品供給装置を特定し、前記第2識別情報を認証し、電子決済による物品の代価の決済が完了したことを条件として、前記特定した物品供給装置を物品の供給可能な状態に制御する制御部と、を備える管理装置である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、需要者の要望に応えることが可能な物品供給装置、物品供給システム及び管理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は本実施の形態における物品供給システムの概略図である。
図2図2は第1の実施の形態における物品供給システムの概略図である。
図3図3は端末3の一例であるスマートフォンの装置構成例を示す図である。
図4図4は物品供給装置1の一例の正面図ある。
図5図5は物品供給装置1の一例の斜視図である。
図6図6は物品供給装置1の機能ブロック図である。
図7図7は端末3の機能構成例を示すブロック図である。
図8図8は管理装置5の機能構成例を示すブロック図である。
図9図9は物品供給装置データD1の一例を示す図である。
図10図10はシリアルコードデータD2の一例を示す図である。
図11図11は第1の実施の形態の物品供給システムのシーケンス図である。
図12図12は第1の実施の形態における管理装置5のフローチャートである。
図13図13は第1の実施の形態における物品供給装置1のフローチャートである。
図14図14は端末3の撮影部302による物品供給装置1の第1識別情報11の情報表示体の撮影例を示した図である。
図15図15は端末3に表示されたシリアルコード入力画面の一例である。
図16図16は端末3に表示される案内情報の一例である。
図17図17はエラーの案内情報の一例を示す図である。
図18図18はシリアルコードの認証ができなかったことを案内するエラー画面の一例である。
図19図19は第1の実施の形態の変形例における端末3の機能構成例を示すブロック図である。
図20図20は第1の実施の形態の変形例における管理装置5の機能構成例を示すブロック図である。
図21図21はユーザ管理データD3の一例を示す図である。
図22図22は第1の実施の形態の変形例の物品供給システムのシーケンス図である。
図23図23は端末3に表示された決済用入力画面の一例である。
図24図24は第1の実施の形態の変形例における管理装置5のフローチャートである。
図25図25は第1の実施の形態の変形例における物品供給装置1のフローチャートである。
図26図26は第1の実施の形態の変形例における物品供給装置1の一例の正面図ある。
図27図27は供給物品データD4の一例を示す図である。
図28図28は第2の実施の形態の物品供給システムのシーケンス図である。
図29図29は第2の実施の形態における管理装置5のフローチャートである。
図30図30は第2の実施の形態における管理装置5のフローチャートである。
図31図31はエラーの案内情報の一例を示す図である。
図32図32は第2の実施の形態の変形例1の物品供給システムのシーケンス図である。
図33図33は第2の実施の形態の変形例1における管理装置5のフローチャートである。
図34図34は第2の実施の形態の変形例2の物品供給システムのシーケンス図である。
図35図35は第2の実施の形態の変形例2における管理装置5のフローチャートである。
図36図36は第3の実施の形態の物品供給装置1を説明するための図である。
図37図37は第3の実施の形態の物品供給装置データD1の一例である。
図38図38は第4の実施の形態の物品供給装置1を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<本発明の実施の形態の概略>
本発明の実施の形態の概略を説明する。
【0013】
本実施の形態は、ユーザの行為が所定の条件を満たした場合にそのユーザに限定して物品を購入できる権利(限定購入権)を得たユーザのみに、代価の支払いを条件として物品供給装置から物品を供給する。ユーザが限定購入権を取得することとは、例えば、ユーザに供給する物品以外の他の商品の購入、ユーザのイベントの参加、ユーザの応募による抽選等があるが、これに限られない。すなわち、ユーザの何らかの行為が所定の条件を満たすものであれば良い。ここで、ユーザの行為が所定の条件を満たした場合に取得した限定購入権は、何らかの形式で認証できるものでなければならない。代表的な例としては、限定購入権を証明するような識別情報である。例えば、ユーザが物品以外の商品を購入したことにより付与される識別情報、ユーザがイベントに参加したことにより付与される識別情報、ユーザが抽選に当選したことにより付与される識別情報等である。
【0014】
一方、物品を供給する企業は限定購入権を有するユーザに対して物品を供給するのであるが、郵送等により渡すのではなく、物品供給装置から物品をユーザに供給することが望ましい。何故なら、ユーザに物品供給装置を設置している場所に赴いてもらうことにより、ユーザに物品供給装置を知ってもらうことができ、更に、多種多様な物品を供給する物品供給装置が設置されていることを知ってもらうことができるからである。これは、物品を供給する企業にとって有益なことであり、ユーザにとっても多種多様な物品を知る機会となる。
【0015】
しかし、物品供給装置の設置場所には多くの物品供給装置が存在し、その中からユーザに物品を供給する物品供給装置を特定する必要がある。ひとつの物品供給装置を特定するには、物品供給装置に付与された識別情報を用いることができる。
【0016】
けれども、物品供給装置に付与された識別情報によりユーザに物品を供給するひとつの物品供給装置を特定できたとしても、そのユーザが正当な限定購入権を有しているとは限らない。特定した物品供給装置とユーザの限定購入権とを紐づけて認証することによって、正当な限定購入権を有するユーザに対して物品の代価の支払いを受け付けることができ、代価の支払いを条件として物品供給装置から物品を供給することができる。すると、第1に重要なことは、物品供給装置の設置場所において、物品供給装置の識別情報とユーザの限定購入権を認証する識別情報とを取得することであり、第2に重要なことは代価の決済である。
【0017】
そこで、本発明の実施の形態は、以下のように構成する。尚、説明を具体化するために、ユーザの行為をユーザの企業Yの商品購入とし、商品を購入することにより企業Xの物品の限定購入権を得たユーザに限定して代価の支払いを受け付け、物品を供給するような企業Xと企業Yとのコラボレーションの企画を例にして説明する。
【0018】
図1は本実施の形態における物品供給システムの概略図である。図1中、1は企業Xの物品供給装置、2は物品供給装置1が供給する物品であり、3はユーザの端末であり、4は企業Yの商品である。
【0019】
物品供給装置1は物品2をユーザに供給する装置である。物品供給装置1は、屋内又は屋外に設置され、通常、異なる物品を供給する複数の物品供給装置1が設置される。これらの設置された物品供給装置1のうち、企業Xと企業Yとのコラボレーションの対象となる物品2を供給する物品供給装置1が存在する。物品2を供給する物品供給装置1には、第1識別情報11が表示されている。この第1識別情報11は、各物品供給装置1を識別可能なユニークな識別情報を含んでいる。例えば、第1識別情報11は、物品供給装置1の製造番号等である。第1識別情報11は、ユーザの利便性を考慮し、端末2により読み取り可能な情報表示体であることが望ましい。例えば、情報表示体は、一次元又は二次元バーコード(QRコード:登録商標)等である。
【0020】
端末3は、情報表示体のリーダ機能や他の装置との通信機能を持つ。端末3は、例えば、パソコン、タブレット型コンピュータ、スマートフォンや、携帯電話機等である。
【0021】
商品4は、企業Yがユーザに供給する商品である。商品の種類は問わない。商品の例としては、雑誌等の書籍、飲料水等の食料品、文房具等がある。尚、本実施の形態では、商品を雑誌として説明する。ユーザは雑誌(商品4)を購入すると、物品2の限定購入権を得ることができる。雑誌(商品4)には、第2識別情報12が表示されている。この第2識別情報12は、雑誌(商品4)を購入したユーザの限定購入権を認証するための情報である。例えば、第2識別情報12は、雑誌一冊ごとに異なるユニークなシリアルコード等である。第2識別情報12は、文字や数字により表示されてもよく、一次元又は二次元バーコード(QRコード:登録商標)により表示されてもよい。
【0022】
雑誌(商品4)を購入したユーザが物品2を取得するためには、物品供給装置1の設置場所に赴き、複数の物品供給装置1が設置されている場所において、物品2を供給可能な物品供給装置1の特定と、ユーザの物品2の限定購入権の認証と、物品2の代価の支払いとが必要である。このような条件のもとで、物品供給装置1を、物品供給可能な状態にする。
【0023】
そこで、本実施の形態は、以下の特徴を有する。
(1)ユーザに物品2を供給可能な物品供給装置1を特定するための第1識別情報11を物品供給装置1に表示する。
(2)物品供給装置1が設置されている場所において、ユーザの端末3により、物品供給装置1の第1識別情報11を取得させることにより、ユーザが物品2の供給を受けようとしている物品供給装置1を特定する。
(3)ユーザから第2識別情報12を取得し、ユーザの物品2の限定購入権を認証する。尚、第2識別情報12に有効期限が設定されている場合は、有効期限の認証も行う。
(4)物品2の代価を決済する。
【0024】
(2)、(3)、(4)の条件を満たした場合、端末3が取得した第1識別情報11の物品供給装置1から、ユーザへの物品の供給を可能にする。
【0025】
ここで、(2)と(3)と(4)との順序は問わないが、(4)は、(2)と(3)との後が望ましい。上記(2)、(3)、(4)の各処理を途中で取り消す場合には処理を始める前の状態に戻す必要があるが、(4)を取り消す処理(代金の支払いを取り消す処理)は、一度支払われた代金を返金しなければならず複雑になるため、(2)や(3)が問題なく処理された後に行った方がよいからである。
【0026】
正当な限定購入権の有するユーザに物品2を供給するためには、第1識別情報11と第2識別情報12とが紐づけされることが必要である。紐づけの方法としては、以下の方法がある。
【0027】
・第1識別情報11に、物品供給装置1のユニークな識別情報に加えて、第2識別情報12を取得する手段(例えば、第2識別情報12を入力する入力画面)にリンクさせるリンク情報を含める。これにより、端末3により読み取った第1識別情報11を、第2識別情報12を認証する手段に渡すことができ、第1識別情報11と第2識別情報12とを紐づけることができる。
・雑誌(商品4)が電子書籍である場合、端末3が電子書籍のリーダとなることができる。このような場合は、電子書籍自体に第2識別情報12を含めるとともに、第1識別情報11を読み取る機能を設けておけば、第1識別情報11と第2識別情報12とを紐づけることができる。
【0028】
(2)、(3)の条件の判定であるが、代表的な例としては、端末3と通信可能な管理装置が、第1識別情報11及び第2識別情報12を取得し、第1識別情報11による物品供給装置1が物品2を供給可能か否かの判定(物品供給装置1の特定も含む)と、第2識別情報12の認証とを行う方法が考えられる。
【0029】
(4)の代価の決済は、現金決済又は電子決済がある。ここで、現金決済とは、物品の代価の決済を硬貨や紙幣などの現金で支払うこという。また、電子決済とは、物品の代価の決済を電子的貨幣価値のデータの送受信によって行うこという。電子決済の種類は問わないが、クレジットカード等によるアクセス型、電子マネー等ストアドバリュー型等がある。現金決済の場合、物品供給装置1に設けられている現金受付部が、現金(硬貨)を受け付け、決済を行う。また、電子決済による支払いの場合、ユーザによる支払い操作に応じて、端末3と管理装置5とが通信を行い、ユーザのクレジットカードや、ユーザの電子マネーから代金を決済して更新する決済処理を行う。
【0030】
物品供給装置1における物品供給であるが、代価の決済が現金決済による場合、第1識別情報11の判定と第2識別情報12の認証とを行った管理装置が、第1識別情報11により特定された物品供給装置1に、供給許可信号を送信する。供給許可信号を受信した物品供給装置1の現金受付部は、物品供給装置1の硬貨選別部の機能を動作させ、現金決済を可能とする。そして、現金決済が完了した場合、供給部からの物品供給を可能とする。また、代価の決済が電子決済による場合、管理装置が第1識別情報11の判定、第2識別情報12の認証、電子決済を行い、第1識別情報11により特定された物品供給装置1に、ロック解除信号を送信する。ロック解除信号を受信した物品供給装置1の供給部は、物品供給のロックを解除し、ユーザへの物品2の供給を可能な状態にする。また、管理装置は物品供給装置1と通信可能なネットワーク上にあっても良いし、物品供給装置1自体が備えていても良い。また、物品供給装置1と端末3とがWifi又はBluetooth等で通信可能な場合は、端末3が管理装置から判定及び認証の完了情報を受け取り、端末3が物品供給装置1にロック解除信号を送信するようにしても良い。
【0031】
このように、本実施の形態は、ユーザの様々な行為に起因する形態に対してユーザに物品の供給を行うことができ、物品を供給されるユーザや、物品供給装置を利用しようとする企業等、種々の需要者のニーズに応えることが可能である。
以下、具体的な実施の形態を説明する。
【0032】
<本発明の第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態を説明する。第1の実施の形態における物品供給システムは、物品をユーザに供給する企業Xと、商品をユーザに供給する企業Yとの双方にとって有益なコラボレーション(共同企画)を実現するシステムである。
【0033】
コラボレーションの企画として、例えば、企業Xの特定の物品を、企業Yの商品を購入したユーザに限定して販売するような企画が存在する。ここで、企業Xと企業Yとのコラボレーションは、双方の企業にとって有益なものである必要がある。
【0034】
企業Yは、多くのユーザに自社の商品を購入してもらうことにメリットがある。そのため、ユーザが企業Xの物品に魅力を感じ、その物品を得たいがために企業Yの商品を購入することは、結果として多くのユーザが自社の商品を購入することになり、企業Yとしてはメリットがある。
【0035】
一方、企業Xは、企業Xの特定の物品だけでなく、企業Xが提供している他の物品をユーザに知ってもらうこと、更に、他の物品を購入してもらうことにメリットがある。そのためには、多種多様な物品を供給する物品供給装置が設置されている場所に、ユーザを誘導し、多種多様な物品を供給していることをユーザに認知してもらうことが必要である。従って、企業Yの商品を購入したユーザに限定して販売する物品は、オンラインショップなどの方法によりインターネット上で物品を販売してユーザに配送するのではなく、実際に設置されている物品供給装置からユーザに供給されることが望ましい。そこで、第1の実施の形態は、以下のように構成する。なお、本実施形態における代価の決済方法は現金決済とする。
【0036】
図2は第1の実施の形態における物品供給システムの概略図である。尚、図2中、図1と同様な構成のものには同じ番号を付している。
【0037】
図2に示すように、物品供給装置1と、ユーザの端末3と、管理装置5とは、通信網6に接続されており、相互に通信可能である。通信網6は、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、通信網6は、接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLANの他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含み、通信方法については有線/無線を問わない。
【0038】
物品供給装置1は、物品2を供給する装置である。物品2は、雑誌4を購入したユーザに限定して供給される物品である。
【0039】
端末3は、例えば、パソコン、タブレット型コンピュータ、スマートフォンや、携帯電話機等である。図3は端末3の一例であるスマートフォンの装置構成例を示す図である。図3に示すように、端末3は、ディスプレイ31と、ディスプレイ31と一体構成されるタッチ操作パネル32と、内蔵されたスピーカ33とカメラ34とを備える。また、端末3には、図示されていない制御基板、内蔵バッテリー、電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。制御基板には、CPUやGPU、DSP等の各種マイクロプロセッサ、ASIC、VRAMやRAM、ROM等の各種ICメモリ、携帯電話基地局と無線通信するための無線通信モジュール等が搭載されている。また、制御基板には、タッチ操作パネル32のドライバ回路といった、いわゆるI/F回路(インターフェース回路)等が搭載されている。これら制御基板に搭載されている各要素は、それぞれがバス回路等を介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。
【0040】
雑誌4は、企業Yがユーザに供給(販売)する商品である。雑誌4には、雑誌4を購入したユーザに限定して物品2を販売(供給)するために、ユーザの物品2を取得する権利(限定購入権)を認証するためのシリアルコードが記載されている。このシリアルコードは、雑誌4一冊ごとに異なるユニークなシリアルコード等である。このようなシリアルコードは、チェックディジット等を用いて生成することができる。また、シリアルコードは、一冊の雑誌4にひとつのシリアルコードとは限らず、複数個のシリアルコードを記載しても良い。複数個のシリアルコードは、物品の種類毎に使用できるシリアルコードを分けても良いし、物品の種類にかかわらず、限定購入の対象となる物品全部に使用できる複数個のシリアルコードを用意しても良い。限定購入の対象となる物品全部に使用できる複数個のシリアルコードを持つ場合、シリアルコード毎に一つの物品を限定購入する権利を持つため、シリアルコードの個数分の物品を購入することができる。この場合、同一の物品を複数個購入しても良いし、限定購入権を持つ異なる種類の物品を購入しても良い。
【0041】
管理装置5は、単数又は複数のサーバ装置や記憶装置等を含んで構成されたサーバシステムである。管理装置5は、物品を供給する物品供給装置1の特定、第2識別情報12の認証等の処理を行う。
【0042】
次に、各装置の構成について説明する。
図4は物品供給装置1の一例の正面図、図5は物品供給装置1の一例の斜視図、図6は物品供給装置1の機能ブロック図である。
【0043】
物品供給装置1は物品2を供給する装置である。
【0044】
物品2は、企業Xと企業Yとのコラボレーションの対象となる物品である。ユーザは、企業Yの雑誌4を購入することにより、企業Xが供給する物品2の限定購入権を得ることができる。物品2は、例えば分割可能な球状カプセル内に玩具等が納められたものや、玩具とカプセルとが一体となったものを含む。物品2はひとつの種類の物品だけとは限らず、複数の種類の物品が存在しても良い。この場合、複数の種類の物品は、ひとつのシリーズ(種別)に属する物品として、後述する物品供給装置1の物品収容部20に混在して収容される。
【0045】
物品供給装置1の前面には、物品2の内容を表示したディスプレイ13と、物品2の代価として支払われる硬貨の投入口14と、操作部としてのハンドル15と、物品2が供給される取出口16と、硬貨の返却口17とが設けられている。ユーザは、ディスプレイ13を視認することにより、その物品供給装置1が企業Xと企業Yとのコラボレーションの対象となる物品2を供給可能な物品供給装置1であることを知ることができる。
【0046】
物品供給装置1の前面には、第1識別情報11(情報表示体:QRコード)が表示されている。第1識別情報11は、物品供給装置1を識別するユニークな物品供給装置識別情報(装置ID)と、雑誌4に記載された第2識別情報12を認証するためのページへのリンク情報であるURL(Uniform Resource Locator)と、を少なくとも含んでいる。尚、第1識別情報11には、上述した以外にも、他の情報、例えば、物品供給装置1が設置されている場所を識別する位置情報や店名、物品を識別する物品識別情報(物品ID)、物品の価格等の情報、物品供給装置1を管理するために必要な管理情報も含んでも良い。また、第1識別情報11の表示方法であるが、本例では、情報表示体としてのQRコードを物品供給装置1の前面に装着して表示する方法を採用したが、これに限られない。例えば、物品供給装置1が液晶などの表示部を備える場合、その表示部に第1識別情報11の情報表示体を表示するようにしても良い。更に、第1識別情報11を表示する位置であるが、物品供給装置1の前面には限られない。例えば、図5に示すように、返却口17の近傍に返却口17の底面を良く視認できるような位置に表示しても良い。
【0047】
物品供給装置1は、物品収容部20と、物品供給部21と、ロック部22と、操作部23と、制御部24と、現金受付部25と、通信部26とを備える。
物品収容部20は、多数の物品2を収容する。物品の収容は、物品収容部20を手前に引き、物品供給装置1の手前から物品2を投入することで、容易に物品を収容することができるように構成されている。物品収容部20内の下部には、1つの物品2が通り抜けられる大きさの孔を有する回転盤を備える物品供給部21が設置されている。
【0048】
操作部23はハンドル15の操作を物品供給部21の回転盤に伝える。操作部23はロック部22によりロックされており、ロックが解除されることにより、ハンドル15がユーザの操作により回転可能となる。ロックを解除する機構としては、例えばソレノイドロックを用いたロック解除機構を用いる。この場合、ソレノイドロックを用いてハンドル15を回転不能状態(ロック状態)にし、ソレノイドに通電することによってロックを解除してハンドル15を回転可能状態とする。なお、ソレノイドロックを用いたロック解除機構に限定されず、他のロック解除機構を用いてもよい。そして、ロック部22がロック解除状態において、ハンドル15を所定角度回転させることによって回転盤が連動して回転し、回転盤の孔と、物品収容部20の底に設けられた落下口とが対向すると、その落下口から、1つの物品2が、取出口16に連通する通路を通って取出口16に供給される。
【0049】
制御部24は、ロック部22のロックとそのロックの解除とを制御するものである。制御部24によるロック部22のロックの解除は、現金受付部25からのロック解除信号により、行われる。また、制御部24は、物品2の取出口16への排出の検知後に、又は、ロックの解除後所定時間経過後に、ロック部22をロックさせる。更に、制御部24は、外部から制御されるロック信号により、ロック部22をロックさせても良い。
【0050】
現金受付部25は、現金を受け付ける。現金受付部25は、管理装置5から供給許可信号を受信すると、投入された硬貨を選別する硬貨選別部(図示せず)の機能を初期の無効状態(オフ状態)から有効状態(オン状態)に切り替える。投入口14から投入された硬貨の通路は、内部の硬貨選別部(図示せず)を経て、返却口17へ向かう通路と、硬貨が格納される格納部(図示せず)に向かう通路とに分かれている。硬貨選別部が無効状態の場合、投入された硬貨は、硬貨選別部をそのまま通過して返却口17から排出される。硬貨選別部が有効状態の場合、硬貨選別部は、硬貨を選別し、支払いに使用可能な硬貨を格納部(図示せず)に送り、不適切な硬貨を返却口17から排出させる。また、硬貨選別部は、支払いに使用可能な硬貨を種類毎に分別する。現金受付部25は、硬貨選別部により分別された種類毎の硬貨の枚数をセンサにより計数し、投入された金額を取得する。そして、現金受付部25は、投入された金額が、設定されている物品2の代価に達した場合、ロック解除信号を制御部24に送る。物品の代価(金額)は管理装置5又は手動により現金受付部25に設定される。
通信部26は、通信網6を介して、管理装置5と通信可能である。
【0051】
次に、端末3の構成について説明する。
【0052】
図7は端末3の機能構成例を示すブロック図である。図7に示すように、端末3は、操作入力部301と、撮影部302と、処理部303と、画像表示部304と、音出力部305と、通信部306と、記憶部307とを備える。
【0053】
操作入力部301は、ユーザの各種操作を入力するためのものであり、操作入力に応じた操作入力信号を処理部303に出力する。操作入力部301の機能は、例えば、タッチ操作パッド、ホームボタン、ボタンスイッチや、ジョイスティック、トラックボールといった直接ユーザが指で操作する素子はもちろん、加速度センサや角速度センサ、傾斜センサ、地磁気センサといった、運動や姿勢を検知する素子等によっても実現できる。図3では、タッチ操作パネル32がこれに該当する。
【0054】
撮影部302は、第1識別情報11の情報表示体(QRコード)の撮影処理行い、撮影した画像を処理部303に出力する。撮影部302は、レンズと撮像素子とこれらを制御するコントローラとを備える。図3では、カメラ34がこれに該当する。
【0055】
処理部303は、記憶部307に格納されるプログラムやデータ、操作入力部301からの操作入力信号等に基づいて端末3の動作を統括的に制御する。処理部303の機能は、例えば、CPUやGPU等のマイクロプロセッサ、ASIC、ICメモリ等の電子部品によって実現できる。この処理部303は、主な機能部として、演算部51と、画像生成部52と、音生成部53と、通信制御部54とを備える。
【0056】
演算部51は、画像生成部52と、音生成部53と、通信制御部54とに出力する。演算部51は、情報表示体取得部510と、シリアルコード取得部511と、供給情報案内部512とを含む。
【0057】
情報表示体取得部510は、撮影部302が撮影した物品供給装置1の情報表示体を読み取り、第1識別情報11を取得する。
【0058】
シリアルコード取得部511は、情報表示体取得部510により取得された第1識別情報11に基づいて、取得した装置IDを含むシリアルコードの入力画面の送信を要求するリクエストを送信する。本実施形態では、このリクエストの送信先(リンク先)は管理装置5である。そして、シリアルコードの入力画面を受信し、画像生成部52を介して、シリアルコードの入力画面を画像表示部304に表示する。また、シリアルコードの入力画面に入力されたシリアルコードを、管理装置5に送信する。
【0059】
供給情報案内部512は、管理装置5からのシリアルコードの認証結果や、物品の供給についての案内、エラー(供給不可能)の案内を、画像生成部52を介して、画像表示部304に表示する。
【0060】
尚、情報表示体取得部510と、シリアルコード取得部511と、供給情報案内部512との機能は、端末3に搭載されているWebブラウザで実現することが可能であり、また、専用のアプリケーションでも実現することができる。
【0061】
画像生成部52は、演算部51の処理結果に基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚の画像を生成し、生成した画像信号を画像表示部304に出力する。画像生成部52の機能は、例えば、GPUやデジタルシグナルプロセッサ(DSP)等のプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデック等のプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ、テクスチャデータの展開用に使用されるICメモリ等によって実現できる。
【0062】
音生成部53は、演算部51の処理結果に基づいて効果音、各種操作音等の音信号を生成し、音出力部305に出力する。音生成部53の機能は、例えば、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)や音声合成IC等のプロセッサ、音声ファイルを再生可能なオーディオコーデック等によって実現できる。
【0063】
通信制御部54は、管理装置5等とのデータ通信のための通信接続及びデータ処理を行う。
【0064】
画像表示部304は、画像生成部52から入力される画像信号に基づいて画面を表示する。画像表示部304の機能は、例えば、フラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった表示装置によって実現できる。図2では、画像表示部304は、ディスプレイ31に該当する。
【0065】
音出力部305は、音生成部53から入力される音信号に基づいて効果音等を音出力するためのものである。図2では、音出力部203は、スピーカ33に該当する。
【0066】
通信部306は、通信回線Nと接続して通信を実現する。通信部306の機能は、例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。
【0067】
記憶部307には、端末3を動作させ、端末3が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め記憶され、或いは処理の都度一時的に記憶される。記憶部307は、例えばRAMやROM、フラッシュメモリ等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。具体的には、記憶部307には、システムプログラムと、制御プログラムとが格納される。システムプログラムは、端末3のコンピュータとしての基本機能を実現するためのプログラムである。制御プログラムは、処理部31の演算部51(情報表示体取得部510、シリアルコード取得部511、供給情報案内部512)として機能させるためのプログラムである。
【0068】
次に、管理装置5について説明する。
図8は管理装置5の機能構成例を示すブロック図である。管理装置5は、記憶部61と、処理部62と、通信部63とを備える。
【0069】
記憶部61は、例えばRAMやROM、フラッシュメモリ等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現され、システムプログラムと、機能プログラムとが格納される。システムプログラムは、コンピュータとしての基本機能を実現するためのプログラムである。機能プログラムは、処理部62を、後述する物品供給装置判定部621と、購入権認証部622と、供給制御部623として機能させるためのプログラムである。また、後述する物品供給装置データD1とシリアルコードデータD2とが格納されている。
【0070】
物品供給装置データD1は、企業Xと企業Yとのコラボレーションの対象となる物品2を供給可能な物品供給装置1の装置IDと、その物品供給装置1の物品2の物品IDと代金と在庫数と、が記憶されている。図9は物品供給装置データD1の一例を示す図である。図9に示すように、物品供給装置データD1は、企業Xと企業Yとのコラボレーションの対象となる物品2を供給可能な物品供給装置1の装置IDと、その装置IDの物品供給装置1より供給される物品2の物品IDと代金と在庫数と、が関連付けられて記憶されている。
【0071】
シリアルコードデータD2は、企業Yが販売する雑誌4に記載されたシリアルコードを記憶したものである。シリアルコードは、雑誌4毎に異なる番号が付与され、互いに重複しないコード番号である。このようなシリアルコードは、チェックディジット等を用いて生成することができる。図10はシリアルコードデータD2の一例を示す図である。図10に示すように、シリアルコードデータD2は、ユニークなシリアルコードと、認証フラグと、が関連付けられて記憶されている。後述するように、シリアルコードにより、購入権認証部622がユーザの限定購入権を認証し、物品の代価の決済が完了した後に物品供給装置1からの物品2の供給が完了すると、そのシリアルコードの認証フラグのフィールドに認証が済んだことを示す認証済みフラグが付与される。
【0072】
処理部62は、記憶部61に格納されるプログラムやデータに基づいて、管理装置5の動作を統括的に制御する。処理部62の機能は、例えば、CPUやGPU等のマイクロプロセッサ、ASIC、ICメモリ等の電子部品によって実現できる。この処理部62は、主な機能部として、物品供給装置判定部621と、購入権認証部622と、供給制御部623とを備える。
【0073】
物品供給装置判定部621は、端末3からのシリアルコードの入力画面のリクエストを受信し、リクエストに含まれている装置IDを取得し、取得した装置IDが物品供給装置データD1に含まれているかを判断する。物品供給装置判定部621は、物品供給装置データD1に含まれている場合、取得した装置IDの物品供給装置がコラボレーションの対象となる物品2を供給可能な物品供給装置であると判断し、その装置IDの物品供給装置1の在庫数を確認し、在庫がある場合、ユーザが取得した装置IDの物品供給装置1が雑誌4とのコラボレーションの対象となる物品2を供給可能な物品供給装置1であると判断する。そして、物品供給装置判定部621は、供給許可信号の送信先である物品供給装置1を特定する。判断、特定が完了すると、物品供給装置判定部621は、シリアルコードの入力画面を、端末3に送信する。一方、物品供給装置判定部621は、物品供給装置データD1に含まれていない、又は、物品供給装置データD1に含まれていても在庫がない場合は、物品2の供給が不可能であることを案内するエラー画面を端末3に送信する。尚、物品供給装置1から物品2を供給可能な供給可能期間が予め定められており、その供給可能期間経過後に、端末3からのシリアルコードの入力画面のリクエストを受信した場合も、物品2の供給が不可能であることを案内するエラー画面を端末3に送信する。
【0074】
購入権認証部622は、入力画面に入力されたシリアルコードと、シリアルコードデータD2のシリアルコードとを照合し、入力画面に入力されたシリアルコードがシリアルコードデータD2に含まれており、かつ、そのシリアルコードに認証フラグが立っていない場合には、入力画面に入力されたシリアルコードは認証され、ユーザの限定購入権が認証されたものとする。そして、物品の供給を案内する案内情報を、ユーザの端末3に送信する。尚、購入権認証部622は、シリアルコードに有効期限が設定されている場合、入力画面に入力されたシリアルコードの有効期限の認証も行う。一方、購入権認証部622は、シリアルコードを認証できなかった場合(有効期限が切れており、認証できない場合も含む)、シリアルコード(限定購入権)の認証ができなかったことを案内するエラー画面を端末3に送信する。
【0075】
本実施の形態の物品供給システムの動作を説明する。
【0076】
図11は本実施の形態の物品供給システムのシーケンス図であり、図12は本実施の形態における管理装置5のフローチャートであり、図13は本実施の形態における物品供給装置1のフローチャートである。尚、以下の説明において、物品供給装置データD1は図9に示されたものとし、シリアルコードデータD2は図10に示されたものとする。
【0077】
まず、図11のシーケンス図を用いて、物品供給システムの全体の流れを説明する。
【0078】
ユーザは、雑誌4の購入者に限定して供給される物品2を供給可能な物品供給装置1が設置されている場所に赴き、その物品供給装置1に表示されている第1識別情報11の情報表示体を取得する。情報表示体の取得は、ユーザの操作に応じて、端末3の撮影部302の撮影機能を用いて行われる(Step1)。図14は端末3の撮影部302による物品供給装置1の第1識別情報11の情報表示体の撮影例を示した図である。ユーザは、物品供給装置1の前に立ち、端末3のディスプレイ31に第1識別情報11の情報表示体が表示されるように端末3を操作し、情報表示体を撮影する。
【0079】
端末3の情報取得部510は、撮影された第1識別情報11の情報表示体から第1識別情報11を取得する。本例では、取得された第1識別情報11は、物品供給装置1の装置IDを含み、シリアルコード12を認証するための手段へのリンク先情報(例えば、URL)である(Step2)。本例では、取得した装置IDが“12560”とし、リンク先は管理装置5が設定されているものとする。
【0080】
端末3のシリアルコード取得部511は、物品供給装置1の装置IDを含むリンク先に基づいて、シリアルコードの入力画面の送信を要求するリクエストを管理装置5に送信する(Step3)。
【0081】
管理装置5は、端末3からのリクエストを受信し、供給判定処理を行う(Step4)。供給判定処理の詳細は、後述する。
【0082】
端末3は、管理装置5からエラーの案内画面を受信せず、シリアルコード入力画面を受信すると、端末3のシリアルコード取得部511は、シリアルコード入力画面を表示する(Step5)。図15は端末3に表示されたシリアルコード入力画面の一例である。ユーザは、表示された入力画面にシリアルコードを入力する(Step6)。本例では、ユーザは、シリアルコード“1VB3588”を、シリアルコード入力画面に入力したものとする。そして、シリアルコード取得部511は、シリアルコードを管理装置5に送信する(Step7)。
【0083】
管理装置5は、シリアルコードを受信し、供給判定処理を行う(Step4)。供給判定処理の詳細は、後述する。
【0084】
端末3は、管理装置5からエラーの案内画面を受信せず、管理装置5から案内情報を受信すると、案内情報を表示する(Step8)。図16は端末3に表示される案内情報の一例である。図16の案内情報では、シリアルコードが認証されたこと、現金を投入して代金を支払うこと、物品供給装置1のハンドル15を操作して物品を受け取ること、1分間でハンドル15がロックされること、が案内されている。
【0085】
一方、物品供給装置1は、供給許可信号を受信し、現金による代価の決済を行い、物品を供給する供給処理を実行する(Step9)。ユーザは、端末3に表示された案内情報に従って、現金を投入して代金を支払い、物品供給装置1を操作して物品の供給を受ける。そして、物品供給装置1は、供給報告を管理装置5に送信する。尚、供給処理(Step9)の詳細は、後述する。
【0086】
管理装置5の購入権認証部622は、供給報告を受信し、供給報告が正常に物品を供給した報告である場合、シリアルコードデータD2の該当するシリアルコードの認証フラグのフィールドに認証が済んだことを示す認証済みフラグを付与し、シリアルコードの再度の使用を不可能にする(Step10)。また、供給報告を送信した物品供給装置1の在庫数を1個減数する。
以上が全体の動作の説明である。
【0087】
次に、図12のフローチャートを用いて、管理装置5の供給判定処理(Step4)を説明する。
【0088】
管理装置5の物品供給装置判定部621は、端末3からリクエストを受信すると(Step100)、リクエストに含まれている装置IDを取得する(Step101)。本例では、取得した装置IDは“12560”である。
【0089】
物品供給装置判定部621は、物品供給装置データD1を用いて、装置IDの判定を行う(Step102)。装置IDの判定は、取得した装置IDが物品供給装置データD1に含まれているかの判定である。取得した装置IDが物品供給装置データD1に含まれている場合は(Step103)、ユーザが取得した装置IDの物品供給装置1が雑誌4とのコラボレーションの対象となる物品2を供給可能な物品供給装置1であると判断し、供給許可信号を送信する物品供給装置1を特定する。一方、取得した装置IDが物品供給装置データD1に含まれていない場合は(Step103)、ユーザが取得した装置IDの物品供給装置1が雑誌4とのコラボレーションの対象となる物品2を供給可能な物品供給装置1ではないと判断し、エラーの案内情報を端末3に送信する(Step110)。図17は物品供給装置のエラーの案内情報の一例を示す図である。
本例では、取得した装置IDは“12560”であり、物品供給装置データD1に含まれているので、取得した装置ID“12560”の物品供給装置1は雑誌4とのコラボレーションの対象となる物品2を供給可能な物品供給装置1であると判断する。
【0090】
続いて、物品供給装置判定部621は、取得した装置IDの物品供給装置1の物品2の在庫の確認を行う(Step104)。物品供給装置判定部621は、物品供給装置データD1における取得した装置IDの在庫数が“0”でない場合、取得した装置IDの物品供給装置1が物品2を供給可能と判断して、供給許可信号の送信先の物品供給装置1を特定する。そして、物品供給装置判定部621は、シリアルコードの入力画面を端末3に送信する(Step105)。一方、物品供給装置判定部621は、物品供給装置データD1における取得した装置IDの在庫数が“0”である場合、エラーの案内情報を端末3に送信する(Step110)。例えば、図17に示すようなエラーの案内情報を端末3に送信する。
本例では、物品供給装置データD1における取得した装置ID“12560”の物品供給装置1の在庫数は、“0”ではないので、シリアルコードの入力画面を端末3に送信する(Step105)。
【0091】
次に、購入権認証部622は、入力画面に入力されたシリアルコードを受信すると(Step106)、取得したシリアルコードの認証処理を行う(Step107)。本例では、取得したシリアルコードは“1VB3588”であり、シリアルコード“1VB3588”が認証対象である。
【0092】
購入権認証部622は、取得したシリアルコードとシリアルコードデータD2のシリアルコードとを照合し、取得したシリアルコードがシリアルコードデータD2に含まれており、かつ、そのシリアルコードに認証済みフラグが立っていない場合には、取得したシリアルコードを認証し、ユーザの物品2の限定購入権が認証されたものと判断する(Step108)。尚、購入権認証部622は、シリアルコードに有効期限が設定されている場合、入力画面に入力されたシリアルコードの有効期限の認証も行う。購入権認証部622は、シリアルコードの有効期限が有効であり、シリアルコードを認証した場合、物品供給に関する案内情報を送信する(Step109)。
【0093】
一方、購入権認証部622は、取得したシリアルコードとシリアルコードデータD2のシリアルコードとを照合した結果、取得したシリアルコードがシリアルコードデータD2に含まれていない、又は、取得したシリアルコードがシリアルコードデータD2に含まれていても、そのシリアルコードに認証済みフラグが付与されている場合、シリアルコードに有効期限が設定されており、その有効期限が切れている場合、購入権認証部622は、取得したシリアルコードを不適切なものと判断し、認証しない。購入権認証部622は、シリアルコードを認証できなかった場合(有効期限が切れており、認証できない場合も含む)、シリアルコード(限定購入権)の認証ができなかったことを案内するエラー画面を端末3に送信する(Step110)。図18はシリアルコードの認証ができなかったことを案内するエラー画面の一例である。
【0094】
本例では、取得したシリアルコードは“1VB3588”であり、シリアルコードデータD2に含まれており、認証済みフラグが付与されていない。また、シリアルコードに有効期限も設定されていない。よって、購入権認証部622は、取得したシリアルコード“1VB3588”は認証され、ユーザの物品2の物品取得権が認証されたものと判断し、物品供給に関する案内情報を送信する。
【0095】
供給制御部623は、物品供給装置判定部621により装置IDの物品供給装置1が物品2を供給可能と判断され、購入権認証部622により限定購入権が認証された場合、物品供給装置判定部621が特定した装置IDの物品供給装置1に、供給許可信号を送信する(Step111)。本例では、供給制御部623は、装置ID“12560”の物品供給装置1に、供給許可信号を送信する。
以上で、管理装置5の供給判定処理(Step4)の説明を終わる。
【0096】
続いて、図13のフローチャートを用いて、物品供給装置1の供給処理(Step9)について説明する。
物品供給装置1の制御部24は、供給許可信号を受信すると(Step200)、現金受付部25にその旨を通知し、現金受付部25は、投入された硬貨を選別する硬貨選別部の機能をオフ状態からオン状態に切り替える(Step201)。ユーザは、代金に相当する現金を投入する。
現金受付部25は、投入された金額が、設定された物品の代金に達したかを判定し(Step202)、物品の代金に達した場合、ロック解除信号を制御部24に送る(Step203)。ロック解除信号を受けた制御部24は、ロック部22のロックを解除する(Step204)。これによりハンドル15の操作が可能となる。制御部24は、操作部23のハンドル15の操作(例えば、1回転)がされたかを判断する(Step205)。ハンドル15の操作(例えば、1回転)がされると、物品供給部21から、ひとつの物品2が取出口16に供給される(Step206)。そして、制御部24は、ロック部22をロックする(Step207)。
【0097】
一方、制御部24は、ハンドル15の操作がない場合(Step205)、ロック解除から所定時間(例えば、1分間)経過しているかを判断する(Step208)。制御部24は、ハンドル15の操作がなく(Step205)、ロック解除から所定時間(例えば、1分間)経過している場合(Step208)、投入された金額分の硬貨を排出部から排出し(Step209)、ロック部22をロックする(Step207)。
【0098】
最後に、制御部24は、正常に物品2が供給された場合には正常に物品2が供給された旨の供給報告を行い、物品2が供給されなかった場合には物品2が供給されなかった旨の供給報告を行う(Step210)。
以上で、物品供給装置1の供給処理(Step9)の説明を終わる。
【0099】
尚、物品供給装置1により物品2を供給可能な供給期間が定められており、その後に物品2を取得する場合や、物品供給装置1が設置されている場所がユーザから遠隔である場合には、ユーザの申請により、シリアルコードの認証と代価の決済を条件として、物品供給装置1に赴くことなく、ユーザに物品2を配送するようにしても良い。
【0100】
本実施の形態は、ユーザが物品2を取得するためのトリガとなり、ユーザに物品2を供給可能な物品供給装置1を特定する情報と、第2識別情報を取得するための手段にアクセスする情報と、を含む第1識別情報11を物品供給装置1に表示しているので、ユーザは第1識別情報11を表示している物品供給装置1が設置されている場所に赴く。結果として、ユーザを物品供給装置1の設置場所に誘導し、他の物品を供給する物品供給装置を知ることになる。また、ユーザも、供給される物品以外にも色々な物品が供給されていることを知ることができる。更に、本実施の形態は、第1識別情報11を取得した場所において、雑誌4に記載されている第2識別情報12の認証と物品2の代価の支払いも可能としており、ユーザの利便性を考慮している。
一方、雑誌等の商品を提供する企業にとっても、商品の購入者に限定して、物品2を供給することにより、ユーザの商品を購入しようとする購入意欲を高めることになる。
【0101】
よって、本実施の形態は、物品を供給されるユーザのみならず、物品をユーザに供給する企業と、商品をユーザに供給する企業との双方にとって、有益なコラボレーション(共同企画)を実現することができる。結果として、本実施の形態は、物品を供給されるユーザのみならず、物品供給装置を利用しようとする企業等、様々な需要者のニーズに応えることができる。
【0102】
尚、本実施の形態では、限定購入権を取得するユーザの行為を雑誌4の購入とし、第2識別情報12を雑誌4に記載したシリアルコードの例を説明したが、これに限られないのは明らかである。例えば、限定購入権を取得するユーザの行為がイベントの参加であり、第2識別情報12がイベントの参加によって与えられるシリアルコードであっても良い。また、限定購入権を取得するユーザの行為が抽選の応募であり、第2識別情報12が抽選の当選によって与えられるシリアルコードであっても良い。また、シリアルコードは、一冊の雑誌4にひとつとは限らず、一冊の雑誌4に複数個のシリアルコードを記載しても良い。この場合、シリアルコード毎に一つの物品を限定購入する権利を持つため、シリアルコードの個数分の物品を購入することができる。
【0103】
<第1の実施の形態の変形例>
第1の実施の形態の変形例として、物品2の代価の決済を電子決済により行う物品供給システムについて説明する。
本変形例では、第1識別情報11の判定と第2識別情報12の認証とを行い、電子決済の完了を確認した管理装置からのロック解除信号により、物品供給装置1の制御部24がロックの解除を行う。
図19は本変形例における端末3の機能構成例を示すブロック図である。演算部51は、代金決済部513をさらに備える。代金決済部513は、管理装置5との通信により、物品2の代金決済に関する処理を行う。
図20は本変形例における管理装置5の機能構成例を示すブロック図である。処理部62は、決済管理部624をさらに備える。決済管理部624は、端末3との通信により、物品2の代金決済に関する処理を行う。記憶部61は、ユーザ毎の決済用のデータであるユーザ管理データD3をさらに格納する。ユーザ管理データD3は、例えば図21に示すように、ユーザ識別情報(ユーザID)と、パスワードと、電子マネーの残高と、が関連付けて記憶されている。
【0104】
図22は本変形例における物品供給システムのシーケンス図である。
本変形例では、供給判定処理において管理装置5が端末3からのシリアルコードを認証する処理(図11:Step4、図12:Step107)までは、上記実施形態(図11図12)で説明した処理と同じであるため、それ以降の処理について説明する。
管理装置5は、端末3からのシリアルコードを認証すると、決済用入力画面を端末3に送信する(供給判定処理:Step4)。供給判定処理の詳細は、後述する。
端末3は、管理装置5から受信した決済用入力画面を表示する(Step11)。図23は端末3に表示された決済用入力画面の一例である。ユーザは、表示された入力画面にユーザIDとパスワードを入力する(Step12)。端末3の代金決済部513は、入力されたユーザIDとパスワードを管理装置5に送信する(Step13)。
【0105】
管理装置5は、ユーザIDとパスワードを受信し、供給判定処理を行う(Step4)。供給判定処理の詳細については後述する。ここでは、受信したユーザID及びパスワードを用いた代金の決済が行われる。そして、代金の決済が完了すると、案内情報が端末3に送信される。決済結果が適正な場合には、ロック解除信号が物品供給装置1に送信される。
【0106】
端末3の供給情報案内部512は、管理装置5から案内情報を受信し、案内情報を表示する(Step14)。案内情報では、シリアルコードが認証されたこと、代金の決済が完了したこと、物品供給装置1のハンドル15を操作して物品を受け取ること、1分間でハンドル15がロックされること、が案内される。
【0107】
物品供給装置1は、ロック解除信号を受信すると、供給処理を行う(Step15)。
ユーザは、案内情報に従って、物品供給装置1を操作し、物品の供給を受ける。供給処理の詳細は、後述する。
尚、供給処理以降の処理は上記実施形態と同様である。
【0108】
本変形例における供給判定処理を図24を用いて説明する。
Step100~107までは上記実施形態の供給判定処理(図12)で説明したため、それ以降の処理について説明する。
シリアルコードが認証されると(Step108)、決済管理部624は、決済用入力画面(図23)を端末3に送信する(Step301)。
そして、決済用入力画面に入力されたユーザIDとパスワードを受信すると(Step302)、決済管理部624は、受信したユーザID及びパスワードと、物品2の代金の情報と、を用いて代金の決済を行う(Step303)。物品2の代金の情報は、先に端末3から受信した装置IDに対応する代金の情報を物品供給装置データD1から取得するようにしてもよい。決済処理では、まず、ユーザID及びパスワードが適正かをユーザ管理データD3を用いて判定し、適正である場合、ユーザ管理データD3において、受信したユーザIDに対応する残高を、受信した代金を差し引いた金額で更新する。
決済が正常に完了した場合(Step304)、決済管理部624は、正常結果に対応する案内情報を端末3に送信する(Step109)。ここでは、シリアルコードが認証されたこと、代金の決済が完了したこと、物品供給装置1のハンドル15を操作して物品を受け取ること、1分間でハンドル15がロックされること、が案内される。そして、供給制御部623は、ロック解除信号を端末3に送信する(Step305)。
また、決済でエラーが生じた場合、決済管理部624は、エラー内容(ユーザIDとパスワードが登録されていない、残高不足等)とともに決済ができなかったことを案内する案内情報を端末3に送信する(Step110)。
以上で供給判定処理の説明を終わる。
【0109】
本変形例における供給処理を図25を用いて説明する。
本変形例では、制御部がロック解除信号を受信すると(Step401)、ロック部22のロックを解除する(Step204)点が、上記実施形態における供給処理と相違する。
また、ロック解除から所定時間経過した場合(Step208)、制御部24は所定のエラー処理(Step402)を行った後、ロック部22をロックする(Step207)点が、上記実施形態における供給処理と相違する。エラー処理は、決済された代金を払い戻すための払戻処理を含む。払戻処理では、例えば、制御部24が、物品2の代金を払い戻す要求(例えば装置IDを含む)を管理装置5に送信し、管理装置5は決済処理が完了したものから、装置IDをキーとして直近のものを特定し、その決済を取り消す処理(ユーザIDの電子マネー残高を、代金を差し引く前の金額に戻すための処理)を行ってもよい。また、他の払戻処理としては、例えば、物品2の代金相当の硬貨を排出口から排出してユーザに返金してもよい。
上記相違点以外の処理は上記実施形態における供給処理と同様である。
以上で供給判定処理に説明を終わる。
【0110】
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態を説明する。
第2の実施の形態における物品供給システムは、第1の実施の形態と同様に、企業Yの商品4を購入したユーザに限定して、代価の決済を条件として企業Xの特定の物品2を物品供給装置1より供給可能とするものであるが、第1識別情報11が、2つの識別情報(第1種別の第1識別情報111、第2種別の第1識別情報112)から構成される点で第1の実施の形態と相違する。
【0111】
図26は物品供給装置1の一例の正面図である。物品供給装置1のディスプレイ13には、第1種別の第1識別情報111(情報表示体:QRコード)が表示(印刷)されている。ディスプレイ13は、同一の物品を供給する物品供給装置1について同じものが使用されている。ディスプレイ13には、供給対象の物品の説明等が記載されている。第1種別の第1識別情報111は、雑誌4に記載された第2識別情報12を認証するためのページへのリンク情報であるURLと、物品識別情報(物品ID)とを少なくとも含む。尚、第1種別の第1識別情報111は、上述した以外にも、物品の価格等の情報も含んでも良い。物品供給装置1の表面には、第2種別の第1識別情報112(情報表示体:QRコード)が表示(印刷)されている。第2種別の第1識別情報112は、物品供給装置1を識別するユニークな物品供給装置識別情報(装置ID)を少なくとも含む。第1種別の第1識別情報111と、第2種別の第1識別情報112は異なる位置に配置されており、第1種別の第1識別情報111の方が第2種別の第1識別情報112よりも高い位置に配置されている。
【0112】
管理装置5の記憶部61は、供給物品データD4をさらに記憶する。図27は供給物品データD4の一例を示す図である。供給物品データD4は、企業Xと企業Yとのコラボレーションの対象となる物品2の物品IDと代金とが関連付けられている。
他の装置の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0113】
第2の実施の形態の物品供給システムの全体の流れを、図28のシーケンス図を用いて説明する。
【0114】
ユーザは、雑誌4の購入者に限定して供給される物品2を供給可能な物品供給装置1が設置されている場所に赴き、その物品供給装置1に表示されている第1種別の第1識別情報111の情報表示体を取得する。情報表示体の取得は、ユーザの操作に応じて、端末3の撮影部302の撮影機能を用いて行われる(Step21)。ユーザは、物品2を供給可能な複数台の物品供給装置1のうちいずれかの物品供給装置1のディスプレイ13の第1種別の第1識別情報111の情報表示体が表示されるように端末3を操作し、情報表示体を撮影する。
【0115】
端末3の情報取得部510は、撮影された第1種別の第1識別情報111の情報表示体から第1種別の第1識別情報111を取得する。本例では、取得された第1種別の第1識別情報111は、シリアルコード12を認証するための手段へのリンク先情報(例えば、URL)と、物品2の物品IDである(Step22)。本例では、リンク先は管理装置5が設定されているものとする。
【0116】
端末3のシリアルコード取得部511は、リンク先に基づいて、物品IDを含み、シリアルコードの入力画面の送信を要求するリクエストを管理装置5に送信する(Step23)。
【0117】
管理装置5は、端末3からのリクエストを受信し、認証処理を行う(Step24)。認証処理の詳細は、後述する。
【0118】
端末3は、シリアルコード入力画面を受信すると、端末3のシリアルコード取得部511は、シリアルコード入力画面を表示する(Step25)。ユーザは、表示された入力画面にシリアルコードを入力する(Step26)。本例では、ユーザは、シリアルコード“1VB3588”を、シリアルコード入力画面に入力したものとする。そして、シリアルコード取得部511は、シリアルコードを管理装置5に送信する(Step27)。
【0119】
管理装置5は、シリアルコードを受信し、認証処理を行う(Step24)。認証処理の詳細は、後述する。
【0120】
端末3は、管理装置5からエラーの案内画面を受信せず、第2種別の第1識別情報112の入力画面を管理装置5から受信すると、受信した入力画面を表示する(Step28)。
ユーザは、物品2を供給可能な複数台の物品供給装置1のうちいずれかの物品供給装置1(読み取った第1種別の第1識別情報111の情報表示体が表示されている物品供給装置1と異なる物品供給装置1でも良い)の第2種別の第1識別情報112の情報表示体が端末3のディスプレイ31に表示されるように端末3を操作し、情報表示体を撮影する(Step29)。
【0121】
端末3の情報取得部510は、撮影された第2種別の第1識別情報112の情報表示体から第2種別の第1識別情報112を取得する(Step30)。本例では、取得された第2種別の第1識別情報112は、物品供給装置1の装置ID(“12560”)と、管理装置5をリンク先とするリンク先情報(例えば、URL)とを含むものとする。情報取得部510は、リンク先に基づいて、装置ID(“12560”)を管理装置5に送信する(Step31)。
【0122】
管理装置5は、端末3からの装置IDを受信し、供給判定処理を行う(Step32)。供給判定処理の詳細は、後述する。
【0123】
端末3の供給情報案内部512は、案内情報を受信すると、案内情報を表示する(Step33)。図16は端末3に表示される案内情報の一例である。図16の案内情報では、シリアルコードが認証されたこと、現金を投入して代金を支払うこと、物品供給装置1のハンドル15を操作して物品を受け取ること、1分間でハンドル15がロックされること、が案内されている。
【0124】
一方、物品供給装置1は、供給許可信号を受信し、代金の決済を行い、物品を供給する供給処理を実行する(Step34)。ユーザは、端末3に表示された案内情報に従って、現金を投入して代金を支払い、物品供給装置1を操作して物品の供給を受ける。そして、物品供給装置1は、供給報告を管理装置5に送信する。尚、供給処理(Step34)は、第1実施形態における供給処理(図13)と同様である。
【0125】
管理装置5の購入権認証部622は、供給報告を受信し、供給報告が正常に物品を供給した報告である場合、シリアルコードデータD2の該当するシリアルコードの認証フラグのフィールドに認証が済んだことを示す認証済みフラグを付与し、シリアルコードの再度の使用を不可能にする(Step35)。また、供給報告を送信した物品供給装置1の在庫数を1個減数する。
以上が全体の動作の説明である。
【0126】
次に、図29のフローチャートを用いて、管理装置5の認証処理(Step24)を説明する。
管理装置5の購入権認証部622は、端末3からリクエストを受信すると(Step400)、リクエストに含まれる物品IDを取得し、取得した物品IDが供給物品データD4に含まれるかを判定する(Step410)。取得した物品IDが供給物品データD4に含まれない場合、第1種別の第1識別情報が適正でない旨のメッセージ等を表示するエラー画面を送信する(Step406)。一方、取得した物品IDが供給物品データD4に含まれる場合は物品IDが適正であるとして、シリアルコードの入力画面を端末3に送信する(Step401)。
次に、購入権認証部622は、入力画面に入力されたシリアルコードを受信すると(Step402)、取得したシリアルコードの認証処理を行う(Step403)。本例では、取得したシリアルコードは“1VB3588”であり、シリアルコード“1VB3588”が認証対象である。
購入権認証部622は、取得したシリアルコードとシリアルコードデータD2のシリアルコードとを照合し、取得したシリアルコードがシリアルコードデータD2に含まれており、かつ、そのシリアルコードに認証済みフラグが立っていない場合には、取得したシリアルコードを認証し、ユーザの物品2の限定購入権が認証されたものと判断する(Step404)。尚、購入権認証部622は、シリアルコードに有効期限が設定されている場合、入力画面に入力されたシリアルコードの有効期限の認証も行う。購入権認証部622は、シリアルコードの有効期限が有効であり、シリアルコードを認証した場合、第2種別の第1識別情報の入力画面を送信する(Step405)。
【0127】
一方、取得したシリアルコードとシリアルコードデータD2のシリアルコードとを照合した結果、取得したシリアルコードがシリアルコードデータD2に含まれていない、又は、取得したシリアルコードがシリアルコードデータD2に含まれていても、そのシリアルコードに認証済みフラグが付与されている場合、シリアルコードに有効期限が設定されており、その有効期限が切れている場合、購入権認証部622は、取得したシリアルコードを不適切なものと判断し、認証しない。購入権認証部622は、シリアルコードを認証できなかった場合(有効期限が切れており、認証できない場合も含む)、シリアルコード(限定購入権)の認証ができなかったことを案内するエラー画面を端末3に送信する(Step406)。図18はシリアルコードの認証ができなかったことを案内するエラー画面の一例である。
【0128】
次に、図30のフローチャートを用いて、管理装置5の供給判定処理(Step32)を説明する。
管理装置5の物品供給装置判定部621は、端末3から第2種別の第1識別情報を受信する(Step500)。本例では、受信した装置IDは“12560”である。
物品供給装置判定部621は、物品供給装置データD1を用いて、装置IDの判定を行う(Step501)。装置IDの判定は、取得した装置IDが物品供給装置データD1に含まれているかの判定である。取得した装置IDが物品供給装置データD1に含まれている場合は(Step502)、ユーザが取得した装置IDの物品供給装置1が雑誌4とのコラボレーションの対象となる物品2を供給可能な物品供給装置1であると判断し、供給許可信号を送信する物品供給装置1を特定する。一方、取得した装置IDが物品供給装置データD1に含まれていない場合は(Step502)、ユーザが取得した装置IDの物品供給装置1が雑誌4とのコラボレーションの対象となる物品2を供給可能な物品供給装置1ではないと判断し、エラーの案内情報を端末3に送信する(Step505)。図17は物品供給装置のエラーの案内情報の一例を示す図である。
本例では、取得した装置IDは“12560”であり、物品供給装置データD1に含まれているので、取得した装置ID“12560”の物品供給装置1は雑誌4とのコラボレーションの対象となる物品2を供給可能な物品供給装置1であると判断する。
【0129】
続いて、物品供給装置判定部621は、取得した装置IDの物品供給装置1の物品2の在庫の確認を行う(Step503)。物品供給装置判定部621は、物品供給装置データD1における取得した装置IDの在庫数が“0”でない場合、取得した装置IDの物品供給装置1が物品2を供給可能と判断して、供給許可信号の送信先の物品供給装置1を特定する。そして、物品供給装置判定部621は、物品供給に関する案内情報を送信する(Step504)。一方、物品供給装置データD1における取得した装置IDの在庫数が“0”である場合、エラーの案内情報を端末3に送信する(Step505)。例えば、図31に示すようなエラーの案内情報を端末3に送信する。
【0130】
供給制御部623は、購入権認証部622により限定購入権が認証され、物品供給装置判定部621により装置IDの物品供給装置1が物品2を供給可能と判断された場合、物品供給装置判定部621が特定した装置IDの物品供給装置1に、供給許可信号を送信する(Step506)。本例では、供給制御部623は、装置ID“12560”の物品供給装置1に、供給許可信号を送信する。
以上で、管理装置5の供給判定処理(Step32)の説明を終わる。
【0131】
第2の実施の形態は、第1の実施の形態の効果に加えて、以下の効果を有する。
第2の実施の形態は、物品に共通する第1種別の第1識別情報と、物品供給装置に固有の第2種別の第1識別情報と、を分けて使用している。このようにすることにより、物品供給装置の収納部に収納される物品を他の物品に変更する場合、物品供給装置に表示されている第2種別の第1識別情報を変更することなく、物品供給装置のディスプレイ13に表示される第1種別の第1識別情報だけを変更すればよいため、本システムの運営側の作業負担を軽減することができる。
また、第2識別情報(シリアルコード)の認証と物品供給装置の特定とを分けることで、ひとつの物品供給装置が、一人のユーザに、長時間、占有されるのを防止することができる。
【0132】
<第2の実施の形態の変形例1>
第2の実施の形態の変形例1として、第1種別の第1識別情報と、第2種別の第1識別情報と、第2識別情報と、を取得する順番について、初めに第1種別の第1識別情報を取得し、次に第2種別の第1識別情報を取得し、次に第2識別情報を取得する場合の物品供給システムを説明する。尚、第2の実施の形態の変形例1では、第1種別の第1識別情報及び第2種別の第1識別情報は二次元バーコード(QRコード)であり、第2識別情報(シリアルコード)は一次元バーコードにより雑誌に表示されている例を説明する。
第2の実施の形態の変形例1の物品供給システムの全体の流れを、図32のシーケンス図を用いて説明する。図32では、上記第2の実施の形態と同様の処理(Step)には図28のシーケンス図と同じStep番号を付与している。
【0133】
ユーザは端末3を操作して、物品供給装置1に表示されている第1種別の第1識別情報111の情報表示体を撮影する(Step21)。端末3の情報取得部510は、二次元バーコード(QRコード)を読み取るドライバを起動し、撮影された第1種別の第1識別情報111の情報表示体から第1種別の第1識別情報111を取得する。本例では、取得された第1種別の第1識別情報111は、管理装置5へのリンク先情報(例えば、URL)と物品2の物品IDを含む(Step22)。
【0134】
端末3の情報取得部510は、リンク先に基づいて、物品IDを含み、第2種別の第1識別情報112の入力画面の送信を要求するリクエストを管理装置5に送信する(Step23)。
【0135】
管理装置5は、端末3からのリクエストを受信し、認証・供給判定処理を行う(Step40)。認証・供給判定処理の詳細は、後述する。
【0136】
端末3は、第2種別の第1識別情報112入力画面を受信すると、第2種別の第1識別情報112の入力画面を受信して表示する(Step28)。
ユーザは、物品2を供給可能な複数台の物品供給装置1のうちいずれかの物品供給装置1の第2種別の第1識別情報112の情報表示体が端末3のディスプレイ31に表示されるように端末3を操作し、情報表示体を撮影する(Step29)。
【0137】
端末3の情報取得部510は、二次元バーコード(QRコード)のドライバにより、撮影された第2種別の第1識別情報112の情報表示体から第2種別の第1識別情報112を取得する。本例では、取得された第2種別の第1識別情報111は、管理装置5へのリンク先情報)と装置IDを含む。情報取得部510は、リンク先に基づいて、装置IDを管理装置5に送信する(Step31)。
管理装置5は、端末3からの装置IDを受信し、認証・供給判定処理を行う(Step40)。ここでは、管理装置5は、シリアルコード入力画面を送信する。
端末3のシリアルコード取得部511は、シリアルコード入力画面を表示する(Step25)。本例では、シリアルコードは雑誌に表示されたバーコードである。ユーザは、雑誌に表示されたシリアルコードのバーコードが端末3のディスプレイ31に表示されるように端末3を操作し、バーコードを撮影する(Step26)。シリアルコード取得部511は、一次元バーコードを読み取るドライバを起動し、撮影された撮影されたバーコードの画像からシリアルコードを取得して管理装置5に送信する(Step27)。
【0138】
管理装置5は、シリアルコードを受信し、認証・供給処理を行う(Step40)。ここでは、管理装置5は、シリアルコードの認証結果に基づく案内情報を送信する。
【0139】
端末3の供給情報案内部512は、案内情報を受信すると、案内情報を表示する(Step33)。図16は端末3に表示される案内情報の一例である。図16の案内情報では、シリアルコードが認証されたこと、現金を投入して代金を支払うこと、物品供給装置1のハンドル15を操作して物品を受け取ること、1分間でハンドル15がロックされること、が案内されている。
【0140】
一方、物品供給装置1は、供給許可信号を受信し、代金の決済を行い、物品を供給する供給処理を実行する(Step34)。ユーザは、端末3に表示された案内情報に従って、現金を投入して代金を支払い、物品供給装置1を操作して物品の供給を受ける。そして、物品供給装置1は、供給報告を管理装置5に送信する。尚、供給処理(Step34)は、第1実施形態における供給処理(図13)と同様である。
【0141】
管理装置5の購入権認証部622は、供給報告を受信し、供給報告が正常に物品を供給した報告である場合、シリアルコードデータD2の該当するシリアルコードの認証フラグのフィールドに認証が済んだことを示す認証済みフラグを付与し、シリアルコードの再度の使用を不可能にする(Step35)。また、供給報告を送信した物品供給装置1の在庫数を1個減数する。
以上が全体の動作の説明である。
【0142】
次に、図33のフローチャートを用いて、管理装置5の認証・供給判定処理(Step40)を説明する。図33では、上記第2の実施の形態の認証処理(図29)、供給判定処理(図30)と同様の処理(Step)には図29、30のフローチャートと同じStep番号を付与している。
管理装置5の物品供給装置判定部621は、端末3からリクエストを受信すると(Step400)、リクエストに含まれる物品IDを取得し、取得した物品IDが供給物品データD4に含まれるかを判定する(Step410)。取得した物品IDが供給物品データD4に含まれない場合、第1種別の第1識別情報が適正でない旨のメッセージ等を表示するエラー画面を送信する(Step505)。一方、取得した物品IDが供給物品データD4に含まれる場合は物品IDが適正であるとして、第2種別の第1識別情報の入力画面を端末3に送信する(Step405)。
【0143】
次に、物品供給装置判定部621は、第2種別の第1識別情報(装置ID)を端末3から受信すると(Step500)、物品供給装置データD1を用いて、装置IDの判定を行う(Step501)。
取得した装置IDが物品供給装置データD1に含まれていない場合は(Step502)、ユーザが取得した装置IDの物品供給装置1が雑誌4とのコラボレーションの対象となる物品2を供給可能な物品供給装置1ではないと判断し、エラーの案内情報を端末3に送信する(Step505)。一方、取得した装置IDが物品供給装置データD1に含まれている場合は(Step502)、ユーザが取得した装置IDの物品供給装置1が雑誌4とのコラボレーションの対象となる物品2を供給可能な物品供給装置1であると判断し、取得した装置IDの物品供給装置1の物品2の在庫の確認を行う(Step503)。
物品供給装置判定部621は、物品供給装置データD1における取得した装置IDの在庫数が“0”である場合、エラーの案内情報を端末3に送信する(Step505)。一方、物品供給装置データD1における取得した装置IDの在庫数が“0”でない場合、取得した装置IDの物品供給装置1が物品2を供給可能と判断する。そして、シリアルコードの入力画面(一次元バーコードの読み取るドライバを起動させる命令も含む)を端末3に送信する(Step401)。
【0144】
次に、購入権認証部622は、シリアルコードを受信すると(Step402)、取得したシリアルコードの認証処理を行う(Step403)。
購入権認証部622は、取得したシリアルコードとシリアルコードデータD2のシリアルコードとを照合し、取得したシリアルコードがシリアルコードデータD2に含まれており、かつ、そのシリアルコードに認証済みフラグが立っていない場合には、取得したシリアルコードを認証し、ユーザの物品2の限定購入権が認証されたものと判断する(Step404)。尚、購入権認証部622は、シリアルコードに有効期限が設定されている場合、入力画面に入力されたシリアルコードの有効期限の認証も行う。購入権認証部622は、シリアルコードの有効期限が有効であり、シリアルコードを認証した場合、物品供給に関する案内情報を送信する(Step504)。また、物品供給装置判定部621が特定した装置IDの物品供給装置1に、供給許可信号を送信する(Step506)。
【0145】
一方、取得したシリアルコードとシリアルコードデータD2のシリアルコードとを照合した結果、取得したシリアルコードがシリアルコードデータD2に含まれていない、又は、取得したシリアルコードがシリアルコードデータD2に含まれていても、そのシリアルコードに認証済みフラグが付与されている場合、シリアルコードに有効期限が設定されており、その有効期限が切れている場合、購入権認証部622は、シリアルコード(限定購入権)の認証ができなかったことを案内するエラー画面を端末3に送信する(Step406)。
以上で、管理装置5の認証・供給判定処理(Step40)の説明を終わる。
【0146】
第2の実施の形態の変形例1のような構成は、第1種別の第1識別情報及び第2種別の第1識別情報と、第2識別情報と、が異なる形式の情報表示体である場合に、有効である。例えば、第1種別の第1識別情報及び第2種別の第1識別情報が二次元バーコードであり、第2識別情報が一次元バーコードである場合である。このような場合、それぞれのバーコードを読み取ることができる端末3のドライバが異なるので、同じドライバで読み取ることができる識別情報を連続して読み取った方が効率的だからである。
尚、シリアルコードの取得については、端末3がシリアルコードのバーコードを撮影した画像を管理装置5に送信し、管理装置5が、端末3から受信した撮影画像からシリアルコードを取得するようにしてもよい。
【0147】
<第2の実施の形態の変形例2>
第2の実施の形態の変形例2として、物品2の代価の支払いを電子決済により行う物品供給システムについて説明する。
本変形例では、第2識別情報12の認証と第2種別の第1識別情報111の判定とを行い、電子決済の完了を確認した管理装置からのロック解除信号により、物品供給装置1の制御部24がロックの解除を行う。
本変形における端末3の機能構成は第1の実施形態の変形例(図19)と同様である。演算部51は、代金決済部513をさらに備える。代金決済部513は、管理装置5との通信により、物品2の代金決済に関する処理を行う。
本変形における管理装置5の機能構成は第1の実施形態の変形例(図20)と同様である。演算部51は、代金決済部513をさらに備える。決済管理部624は、端末3との通信により、物品2の代金決済に関する処理を行う。記憶部61は、ユーザ毎の決済用のデータであるユーザ管理データD3をさらに格納する。ユーザ管理データD3は、例えば図21に示すように、ユーザ識別情報(ユーザID)と、パスワードと、電子マネーの残高と、が関連付けて記憶されている。
【0148】
図34は本変形例における物品供給システムのシーケンス図である。
本変形例では、供給判定処理において管理装置5が、取得した装置IDの物品供給装置1の物品2の在庫の確認を行う処理(図28:Step32、図30:Step503)までは、上記実施形態(図28図30)で説明した処理と同じであるため、それ以降の処理について説明する。
管理装置5は、取得した装置IDの物品供給装置1の物品2の在庫数が“0”でない場合、決済用入力画面を端末3に送信する(供給判定処理:Step32)。供給判定処理の詳細は、後述する。
【0149】
端末3は、管理装置5から受信した決済用入力画面を表示する(Step41)。図23は端末3に表示された決済用入力画面の一例である。ユーザは、表示された入力画面にユーザIDとパスワードを入力する(Step42)。端末3の代金決済部513は、入力されたユーザIDとパスワードを管理装置5に送信する(Step43)。
【0150】
管理装置5は、ユーザIDとパスワードを受信し、供給判定処理を行う(Step32)。給判定処理の詳細については後述する。ここでは、受信したユーザID及びパスワードを用いた代金の決済が行われる。そして、代金の決済が完了すると、案内情報が端末3に送信される。決済結果が適正な場合には、ロック解除信号が物品供給装置1に送信される。
【0151】
端末3の供給情報案内部512は、管理装置5から案内情報を受信し、案内情報を表示する(Step44)。案内情報では、シリアルコードが認証されたこと、代金の支払いが完了したこと、物品供給装置1のハンドル15を操作して物品を受け取ること、1分間でハンドル15がロックされること、が案内される。
【0152】
物品供給装置1は、ロック解除信号を受信すると、供給処理を行う(Step45)。
ユーザは、案内情報に従って、物品供給装置1を操作し、物品の供給を受ける。
本変形例における供給処理は、第1実施形態の変形例における供給処理(図25)と同様である。また、供給処理以降の処理も上記実施形態と同様である。
【0153】
本変形例における供給判定処理を図35を用いて説明する。
Step500~503までは上記実施形態の供給判定処理(図30)で説明したため、それ以降の処理について説明する。
【0154】
物品供給装置データD1における取得した装置IDの在庫数が“0”でない場合(Step503)、取得した装置IDの物品供給装置1が物品2を供給可能であると判断され、決済管理部624は、決済用入力画面(図23)を端末3に送信する(Step601)。
そして、決済用入力画面に入力されたユーザIDとパスワードを受信すると(Step602)、決済管理部624は、受信したユーザID及びパスワードと、物品2の代金の情報と、を用いて代価の決済を行う(Step603)。物品2の代金の情報は、先に端末3から受信した装置IDに対応する代金の情報を物品供給装置データD1から取得する。決済処理では、まず、ユーザID及びパスワードが適正かをユーザ管理データD3を用いて判定し、適正である場合、ユーザ管理データD3において、受信したユーザIDに対応する残高を、受信した代金を差し引いた金額で更新する。
【0155】
決済が正常に完了した場合(Step604)、決済管理部624は、正常結果に対応する案内情報を端末3に送信する(Step504)。ここでは、シリアルコードが認証されたこと、代金の支払いが完了したこと、物品供給装置1のハンドル15を操作して物品を受け取ること、1分間でハンドル15がロックされること、が案内される。そして、供給制御部623は、ロック解除信号を端末3に送信する(Step605)。
また、決済でエラーが生じた場合、決済管理部624は、エラー内容(ユーザIDとパスワードが登録されていない、残高不足等)とともに決済ができなかったことを案内する案内情報を端末3に送信する(Step505)。
以上で供給判定処理に説明を終わる。
【0156】
なお、第1と第2の実施の形態の変形例では、電子決済の決済用入力画面においてユーザのIDとパスワードを入力させるようにしているが、これに限定されず、例えば、決済用入力画面には代金と支払いボタンを表示し、支払いボタンが押下されたことに応じて、端末3側に記憶されている決済用アプリケーションが、記憶部307に記憶された決済用のユーザIDとパスワードを管理装置5に送信するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、ユーザの保有する電子マネーのチャージ残高から代金が差し引かれる決済方式を用いた例を説明したが、ユーザの銀行口座からリアルタイムに、又は、所定期間分まとめて代金を引き落とす等、他の様々なキャッシュレス決済方式を用いてもよい。
【0157】
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態を説明する。図36は第3の実施の形態の物品供給装置1を説明するための図である。
【0158】
第3の実施の形態は、第1の実施の形態の物品供給装置1をひとつのユニットとして機能させ、複数のユニット70と一つの表示ユニット71とから一つの物品供給装置1を構成する場合を説明する。
【0159】
ユニット70は第1の実施の形態で説明した物品供給装置1と同様なものである。第1の実施の形態で説明した物品供給装置1と異なる所は以下の通りである。
・ユニット70は第1識別情報11を表示(装着)していないこと。
・ユニット70は、ユーザに視認可能なLEDのような発光素子72を備えている。制御部24は、供給許可信号を受信すると、発光素子72を点灯させ、ユニット70が物品2の供給が可能であることを、ユーザに報知すること。
【0160】
表示ユニット71は、複数のユニット70の最上部に設置されており、第1識別情報11が表示されている。ここで、第1識別情報11は、各ユニット70の装置IDではなく、複数のユニット70をグループ化したひとつの物品供給装置1の装置ID(以下、グループIDと記載する)である。また、表示ユニット71には、複数のユニット70のうち、発光素子72が点灯したユニット70が物品2の供給が可能である旨が表示されている。
【0161】
管理装置5は、物品供給装置データD1の構成と、物品供給装置判定部621の構成とが異なる。
【0162】
物品供給装置データD1は、ユニット70の装置IDと、そのユニット70の物品2の在庫数と、が記憶されていることは同様であるが、これらは複数のユニット70をグループ化したグループのIDであるグループIDと関連付けられている。このグループIDは、表示ユニット71に表示されている第1識別情報11に含まれているグループIDである。図37は第3の実施の形態の物品供給装置データD1の一例である。図37の例では、ひとつのグループID“101”に複数のユニット70の装置IDが関連付けられている。すなわち、グループID“101”に属する複数の装置IDのユニット70はひとつの物品供給装置1を構成する。
【0163】
物品供給装置判定部621は、端末3からのシリアルコードの入力画面のリクエストを受信し、装置IDに代えて、リクエストに含まれているグループIDを取得し、取得したグループIDが物品供給装置データD1に含まれているかを判断する。グループIDが物品供給装置データD1に含まれている場合は、ユーザが取得したグループIDに属する装置IDのうち、物品2の在庫がある装置IDのユニット70を特定する。装置IDのユニット70を特定する最も簡単な方法は、グループIDに属する装置IDのうち最も装置IDが若い番号順に在庫数を検索し、在庫がある装置IDのユニット70を、物品2を供給可能なユニット70であると特定する方法である。但し、これは一例であり、他の方法でも良い。例えば、在庫数が均一となるように装置IDのユニット70を特定するようにしても良い。
【0164】
物品供給装置判定部621は、シリアルコードが第1の実施の形態と同様に認証された場合、特定した装置IDのユニット70に供給許可信号を送信する。
供給許可信号を受信したユニット70の制御部24は、代金の決済が完了すると、ロック部22のロックを解除する。電子決済の場合、ユニット70の制御部24は、管理装置5からの供給許可信号によりロック部22のロックを解除する。
他の構成及び動作は、第1の実施の形態及び変形例と同様である。
【0165】
第3の実施の形態は、第1の実施の形態及び変形例の効果に加えて、以下の効果を有する。
【0166】
・管理装置5は在庫数のあるユニット70を選択して供給許可信号又はロック解除信号を送信しているので、ユーザの第1識別情報の取得後に、在庫がないことによるエラーを防止し、再度のユーザによる第1識別情報の取得を避けることができ、ユーザの利便性が高まる。
【0167】
・物品供給装置を管理する側は、各ユニット70に対して第1識別情報を表示又は添付する必要がなく、表示ユニット71に一つの第1識別情報を表示するようにすれば良いので、物品供給装置を管理する側の負担が軽減される。
尚、表示ユニット71の第1識別情報の表示数は、かならずしも一つだけに限られず、必要に応じて複数であっても良い。
<第4の実施の形態>
第4の実施の形態を説明する。図38は第4の実施の形態の物品供給装置1を説明するための図である。
【0168】
第4の実施の形態は、第2の実施の形態の物品供給装置1をひとつのユニットとして機能させ、複数のユニット70と一つの表示ユニット71とから一つの物品供給装置1を構成する場合を説明する。
【0169】
ユニット70は第2の実施の形態で説明した物品供給装置1と同様なものである。第2の実施の形態で説明した物品供給装置1と異なる所は以下の通りである。
・ユニット70は第1種別の第1識別情報111を表示(装着)していないこと。
【0170】
表示ユニット71は、同一の物品を供給する複数のユニット70の最上部に設置されており、第1種別の第1識別情報11が表示されている。表示ユニット71は、複数のユニット70により供給される物品の説明等が記載されている。
ユーザは、雑誌4の購入者に限定して供給される物品2を供給可能な物品供給装置1が設置されている場所に赴き、表示ユニット71に表示されている第1種別の第1識別情報111の情報表示体を端末3を操作して撮影する。
他の構成及び動作は、第2の実施の形態及び変形例と同様である。
【0171】
以上、好ましい実施の形態をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形し実施することが出来る。
【符号の説明】
【0172】
1 物品供給装置
2 物品
3 端末
4 商品
5 管理装置
6 通信網
【要約】
【課題】需要者の要望に応えることが可能な物品供給装置、物品供給システム及び管理装置を提供する。
【解決手段】物品供給装置は、第1識別情報を表示する表示部と、物品を収容する収容部と、収容部に収容されている物品を供給する供給部と、第1識別情報が取得されたこと、第2識別情報が取得されたこと及び物品の代価が決済されたことを条件として、供給部により物品を供給可能に制御する制御部と、を備える。
【選択図】図1
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