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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-14
(45)【発行日】2022-02-22
(54)【発明の名称】そうめん流し機
(51)【国際特許分類】
   A47G 23/08 20060101AFI20220215BHJP
【FI】
A47G23/08 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2017165075
(22)【出願日】2017-08-30
(65)【公開番号】P2019041828
(43)【公開日】2019-03-22
【審査請求日】2020-08-06
(73)【特許権者】
【識別番号】399012929
【氏名又は名称】株式会社アガツマ
(74)【代理人】
【識別番号】110002022
【氏名又は名称】特許業務法人コスモ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】戸所 信二
【審査官】山田 由希子
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3078596(JP,U)
【文献】実開昭53-003778(JP,U)
【文献】実開昭63-138184(JP,U)
【文献】実開昭63-187975(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 23/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を流す環状形状の環状流路部と、
前記環状流路部の内側に設けたポンプカバー部と、
を有し、
前記ポンプカバー部の内部にモータ及びポンプと、ポンプが吐出する水を前記環状流路部に吐出させる排出管と、を内蔵し、
前記排出管は、前記ポンプの吐出連結部に接続される連結口部と前記環状流路部に接続される排出口部とを有し、
前記排出口部は、前記ポンプのポンプケーシングの中心と前記ポンプの前記吐出連結部とを結ぶ方向と交わる方向に水を吐出するように開口しており、且つ、前記連結口部の中心線を中心に180度異なる2つの状態で前記ポンプケーシングへの固定が可能とされ、
前記ポンプは、前記ポンプケーシングが前記ポンプカバー部に着脱可能とされており、
前記ポンプカバー部は、前記排出口部に位置するように設けられた第1の切欠き部と、前記ポンプケーシングの中心と前記吐出連結部とを結ぶ線を対称軸として前記第1の切欠き部とは対称の位置に設けられた第2の切欠き部とを有することを特徴とするそうめん流し機。
【請求項2】
前記第2の切欠き部を塞ぐ閉鎖板を備えることを特徴とする請求項1に記載したそうめん流し機。
【請求項3】
前記ポンプケーシングは、前記ポンプケーシングの中心を中心として対称の位置に配置された2個の前記吐出連結部を備えて前記排出管を各々前記吐出連結部に固定し、前記各吐出連結部に固定される2個の前記排出管は略J字形状とされ、前記2個の吐出連結部を結ぶ線の両側に前記排出口部を分けるようにして前記環状流路部に接続開口していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載したそうめん流し機。
【請求項4】
前記環状流路部が、半円形状とされた2個の円弧状部分と、2個の前記円弧状部分を結ぶ平行な2箇所の直線状部分とを有する楕円形環状の流水路とされることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載したそうめん流し機。
【請求項5】
前記ポンプは、前記ポンプケーシングの中心が前記環状流路部の中心位置に配置されていることを特徴とする請求項又は請求項に記載したそうめん流し機。
【請求項6】
前記排出管は、前記ポンプケーシングに着脱可能とされることを特徴とする請求項1乃至請求項の何れかに記載したそうめん流し機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭でそうめんを食するに際し、そうめん流しを楽しみながら麺を食することができるようにする装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、そうめん流しの雰囲気を家庭で楽しみながら食するための卓上用の器具が提案され(例えば特許文献1)、また、この様な装置や器具の提供がなされている。
【0003】
これら装置や器具の多くは、円形又は楕円形の流路において水を旋回させるように流し、この水流にそうめんを流すようにして円形形状等の流路を循環させる。そして、水流に乗って流れるそうめんを箸で掬う様にして食することにより、そうめん流しを楽しみながら家庭での食事でそうめんを食することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-299563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
家庭用のそうめん流し機は、円形又は楕円形の水路に水が流れるように循環させているも、水の流れる方向は右手で箸を持つ人に合わせた反時計回りの一定方向とされているため、左手で箸を持つ人は麺を掬い上げることが困難となることが多かった。
【0006】
また、食品を流水に合わせて流すこの装置又は器具では、水や麺が流れる箇所を清潔にするために清掃が容易にできるようにする必要が有り、構造を複雑として麺をつまらせずに一様に流れるようにすることが困難となることが多かった。
【0007】
本発明は、この様な欠点を排除し、水流部分を常に清潔に保つことが容易であって、水流の向きを逆転させることも容易に可能とする家庭で用いる卓上用のそうめん流し機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るそうめん流し機は、水を流す環状形状の環状流路部と、前記環状流路部の内側に設けたポンプカバー部と、を有し、前記ポンプカバー部の内部にモータ及びポンプと、ポンプが吐出する水を前記環状流路部に吐出させる排出管と、を内蔵し、前記排出管は、前記ポンプの吐出連結部に接続される連結口部と前記環状流路部に接続される排出口部とを有し、前記排出口部は、前記ポンプのポンプケーシングの中心と前記ポンプの前記吐出連結部とを結ぶ方向と交わる方向に配置され、且つ、前記連結口部の中心線を中心に180度異なる2つの状態で前記ポンプケーシングへの固定が可能とされ、前記ポンプは、前記ポンプケーシングが前記ポンプカバー部に着脱可能とされている。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るそうめん流し機は、環状流路部の内側に配置するポンプカバー部にポンプや排出管を内蔵しており、排出管がポンプケーシングの中心と吐出連結部とを結ぶ方向と交わる方向に水を吐出する排出口部を有し、且つ、吐出連結部に固定するに際して180度異なる状態で固定可能としている。
【0010】
このため、排出口部から排出する水の方向をポンプ中心と吐出連結部とを結ぶ方向に対して変更し、環状流路部に吐出する際の方向を変更して環状流路部を流れる水流の向きを逆転させ、右手でも左手でも水流に流した麺を容易に掬えるように水を流すことができる。
【0011】
また、ポンプケーシングをポンプカバー部に着脱可能とすることにより、ポンプカバー部に取り付けたポンプの羽根周辺部分の清掃を容易に行って流水部分を清潔に保つことを容易に可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る卓上用のそうめん流し機の実施の形態の一例を示す上面斜視図。
図2】本発明に係る卓上用のそうめん流し機の実施の形態の一例における上カバーを外した状態を示す上面斜視図。
図3】本発明に係る卓上用のそうめん流し機の実施の形態の一例における上カバー及びポンプカバー部を外した状態を示す上面斜視図。
図4】本発明に係る卓上用のそうめん流し機の実施の形態の一例における水流皿を示す上面斜視図。
図5】本発明に係る卓上用のそうめん流し機の実施の形態の一例におけるポンプカバー部の内部構造を示すポンプカバー部の下面斜視図。
図6】本発明に係る卓上用のそうめん流し機の実施の形態の一例における一部半断面斜視図。
図7】本発明に係る卓上用のそうめん流し機の実施の形態の一例におけるポンプカバー部の下面図。
図8】本発明に係る卓上用のそうめん流し機の実施の形態の一例における排出管の配置を変更した状態を示すポンプカバー部の下面図。
図9】本発明に係る卓上用のそうめん流し機の実施の形態の一例におけるポンプの上面分解斜視図。
図10】本発明に係る卓上用のそうめん流し機の実施の形態の一例におけるポンプの下面分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る卓上用のそうめん流し機の実施の形態は、図1に示す様に、直線状部分の両端に半円形の円弧状部分を有する楕円形状の水流皿110の中央に、水流皿110の形状に合わせて直線状部分と円弧状部分を備えるポンプカバー部150を有し、ポンプカバー部150の周囲を環状流路部112による流水路としてそうめんを流すための水を旋回させるように循環させることができるものである。
【0014】
このそうめん流し機100は、水流皿110の長径を40乃至50センチメートルとし、短径を25乃至30センチメートル程度としてテーブル上に載置可能とされ、ポンプカバー部150の内部に電池やモータ201及び遠心ポンプを内蔵する。
【0015】
このポンプカバー部150は、ポンプカバー部150の上に上カバー130を有し、上カバー130は、ポンプカバー部150の天板151(図2参照)と同一形状とされる直線状部分と円弧状部分とを備えた上面板131と、この上面板131の周囲から垂下する直線状部分とされた直線部143と円弧状部分とされた円弧部142とによる周縁カバー部141と、を有する。
【0016】
また、上面板131にはスイッチボタン158を露出させるスイッチ穴133と、複数個の凹み部分とされる薬味受け部135とを有し、そうめんと一緒に食する薬味を薬味受け部135に盛り付けておくことができるようにしている。
【0017】
そして、図2に示す様に、ポンプカバー部150は、楕円形の天板151に電池ボックスカバー153を密着固定可能とし、この天板151にはスイッチボタン158を収納するスイッチ収納筒157及び天板151の下方に収納するモータ201を固定するモータ固定部155を有する。
【0018】
この天板151は、上カバー130の周縁カバー部141に合わせた形状及び大きさとされて天板151の周縁から垂下する楕円筒状の上カバー取付け部165を有し、この上カバー取付け部165は上カバー130の周縁カバー部141に挿入される。
【0019】
更に、このポンプカバー部150は、上カバー取付け部165の下端から周縁カバー部141の外側面と一致する外周面を有する周壁部161を有する。
【0020】
この周壁部161は、水流皿110に合わせた直線状部分と円弧状部分とを有し、直線状部分である直線部163は水流皿110の直線状部分と同一長さとされ、円弧状部分である円弧部162は、水流皿110の円弧状部分と同心円の位置とされた半円形の円弧形状とされる。
【0021】
そして、ポンプカバー部150の外周には、幅を7乃至10センチメートルの一定幅とした楕円形環状形状の環状流路部112を形成している。
【0022】
また、周壁部161の中間高さ位置に段差部166を有し、段差部166よりも下方の円弧部162において縦方向の細隙とされた多数の給水用スリット167を有して環状流路部112に蓄えた水をポンプカバー部150の内側に侵入可能とする。
【0023】
そして、直線部163の下端に排出口部248を有し、直線部163において、短径方向の軸線である中心線を対称軸として排出口部248と対称の位置には排出口部248とほぼ同一大きさの閉鎖板171を備える。
【0024】
また、水流皿110は、図3及び図4に示す様に、ポンプケーシング210及び排出管240が配置される中央底部121と、中央底部121の周囲に設けられる楕円環状形状の流路底部111と、流路底部111の外周に設けられる外周壁内側面115及び外周壁外側面117とを有する。
【0025】
尚、外周壁外側面117の下端は、上カバー130の上面板131やポンプカバー部150の天板151と平行な平面を形成して中央底部121よりも僅かに低い位置とされ、水流皿110をテーブル等の平坦面に安定させて載置することができるようにしている。
【0026】
この中央底部121は、流路底部111から僅かに高い位置とされ、周囲をポンプカバー受け部125とし、ポンプカバー受け部125の内側をポンプカバー受け部125よりも僅かに低くし、中央に窪み部123を有する。
【0027】
このポンプカバー受け部125は、ポンプカバー部150の周壁部161の下端が載置されるものであり、周壁部161の形状に合わせて直線状部分と円弧状部分とを有し、円弧状部分には周壁部161の円弧部162の内側に合わせた形状とされるカバー係合部127を有する。
【0028】
従って、カバー係合部127を周壁部161の内側に挿入することにより、ポンプカバー部150を水流皿110の所定位置に係止するようにして水流皿110にポンプカバー部150を載置固定することができる。
【0029】
また、流路底部111の外側には流路底部111から連続して立ち上がる外周壁内側面115を有し、流路底部111及び外周壁内側面115は滑らかな表面として流水抵抗の小さな面とし、外周壁内側面115の高さを上カバー130の上面板131よりも僅かに低く、ポンプカバー部150の周壁部161上端よりも僅かに高い高さとしている。
【0030】
そして、中央底部121には、中央底部121から僅かに浮かせた状態でポンプケーシング210及び排出管240を配置するものであって、ポンプケーシング210は、固定筒215により、後述するポンプカバー部150の内部に設けられたモータ収納部181の底板182の近傍に固定され、2個の排出管240がポンプケーシング210の吐出連結部218に係合固定される。
【0031】
このポンプケーシング210が固定されるポンプカバー部150の内部は、図5に示す様に、天板151の中央下面に底板182と側板183とに囲まれたモータ収納部181を有し、モータ収納部181の底板182の下方に遠心ポンプの羽根207を備えた円板状のプレート206を有する。
【0032】
また、モータ収納部181の側方には底板186と側板187とに囲まれたスイッチ収納部185、スイッチ収納部185とは逆の側方には底板192と図示されない側板とに囲まれた電池収納部191を有している。
【0033】
そして、スイッチ収納部185の底板186と電池収納部191の底板192との間には円形のポンプ取付け穴195を有し、ポンプ取付け穴195におけるポンプカバー部150の短径方向の両側には穴の直径を大きくするようにした拡大部196を有し、2箇所の拡大部196と直交する位置にはポンプ取付け穴195の両側でポンプ取付け穴195の中心方向に突出する円弧形状にして板状の係止部197をポンプカバー部150の長径方向の両側に有する。
【0034】
このポンプ取付け穴195の直径は、後述するポンプケーシング210に設けた固定筒215の外径と等しく、拡大部196の円周方向長さ及び係止部197の円周方向長さは、共に、固定筒215に設けられた係合鍔216の円周方向長さよりも僅かに長くしている。
【0035】
従って、ポンプケーシング210に設けた固定筒215の係合鍔216を拡大部196に位置させて固定筒215の上端をポンプ取付け穴195に挿入し、ポンプケーシング210を90度回転させて係合鍔216を係止部197の上方に位置させることにより、ポンプケーシング210をポンプカバー部150の内部に着脱可能に取り付けることができることになる。
【0036】
尚、ポンプケーシング210の中心、即ち固定筒215の中心をポンプカバー部150の中心位置と一致させるようにポンプケーシング210をポンプカバー部150に取り付け、且つ、ポンプケーシング210の吐出連結部218を結ぶ線をポンプカバー部150の長軸軸線、即ち水流皿110の長軸軸線であるそうめん流し機100の長軸軸線と一致させている。
【0037】
また、図5に示したように、ポンプカバー部150の周壁部161における直線部163の下端には、直線部163の下端から長方形に切り欠いた切欠き部168を各直線部163に2個づつ、合計4個の切欠き部168を設けている。
【0038】
この4個の切欠き部168は、ポンプカバー部150の中心を中心として、長径方向の中心軸及び短径方向の中心軸を各々対称軸として対称の位置に設けられ、2箇所の切欠き部168には、この切欠き部168を塞ぐ厚板状の閉鎖板171を取り付け可能としている。
【0039】
そして、2個の切欠き部168には、排出管240の排出口部248を位置させ、図6に示す様に、ポンプカバー部150の直線部163において対称の2箇所から環状流路部112に水を吐出させることができるようにしている。
【0040】
また、この排出管240は、図7に示す様に、ポンプカバー部150の長手方向に配置されたポンプケーシング210の吐出連結部218と周壁部161の直線部163に設けられた切欠き部168とを接続するように、略J字形状とされ、図7では電池収納部191の下方に位置する排出管240を図7の下方に位置する直線部163の切欠き部168に排出口部248を位置させ、逆位置の排出管240は図7における上方に位置した直線部163の切欠き部168に排出口部248を位置させることができる。
【0041】
このため、ポンプカバー部150の外周に沿った環状流路部112において、図7における時計回りの方向に水を回流させるように排出口部248から水を噴出させることができる。
【0042】
そして、排出管240の連結口部245をポンプケーシング210の吐出連結部218から取り外し、排出管240を180度回転させて連結口部245を吐出連結部218に係合させることにより、図8に示す様に、電池収納部191の下方に位置する排出管240の排出口部248を図8の上方に位置する直線部163の切欠き部168に排出口部248を位置させ、逆位置の排出管240は図8における下方に位置した直線部163の切欠き部168に排出口部248を位置させることができる。
【0043】
このため、ポンプカバー部150の外周に沿った環状流路部112において、図8における反時計回りの方向に水を回流させるように排出口部248から水を噴出させることができる。
【0044】
そして、このポンプケーシング210及び排出管240は、図9及び図10に示す様に、ポンプケーシング210と2個の排出管240とが分離可能とされている。
【0045】
このポンプケーシング210は、上部ケーシング211と下部ケーシング221とが合わされて一体とされる。
【0046】
この上部ケーシング211は、略円形とされて対称となる両側に円形部分から張り出して吐出連結部218を形成する平板状の上面板212を有し、一方の吐出連結部218を形成する上部吐出連結部219から他方の吐出連結部218を形成する上部吐出連結部219に至る上部側壁217を上面板212の両側縁周縁部分から垂下させている。
【0047】
そして、吐出連結部218を形成するための上部吐出連結部219の先端部分は、上部側壁217を設けることなく、上部ケーシング211の側方を開口状態としている。
【0048】
また、上面板212の中央には円筒状の固定筒215が立設されており、固定筒215の上端から両側外方に延設される係合鍔216を有し、固定筒215の内側において上面板212には円形の透孔213が設けられている。
【0049】
この透孔213には、シャフト205によりモータ201の回転軸に結合される遠心ポンプのプレート206が挿入され、透孔213の位置をプレート206で塞ぎ、プレート206の周囲に僅かな間隙を形成してプレート206が透孔213の位置で回転可能とされる。
【0050】
また、係合鍔216は、固定筒215の筒中心から90度以内の範囲で固定筒215の周縁に形成され、2個の係合鍔216は、固定筒215の筒中心を中心として対称の形状に形成される。
【0051】
そして、上面板212の下面には、図10に示したように、透孔213の周縁位置から上部側壁217の位置に至る略半円の螺旋形としたポンプ室隔壁231を備え、2個のポンプ室隔壁231は吐出連結部218の方向と略90度の方向における一端を透孔213の周縁位置とし、他端を上部側壁217に接するようにしている。
【0052】
従って、この2個のポンプ室隔壁231は、一方のポンプ室隔壁231の上部側壁217側の端部と他方のポンプ室隔壁231の透孔213周縁側の端部との間に開口部232が形成される。
【0053】
また、このポンプ室隔壁231の中間位置における外側面の部分から上部側壁217の上部吐出連結部219近くを連結する円弧形状の吐出流路隔壁235を有する。
【0054】
更に、このポンプ室隔壁231及び吐出流路隔壁235は、上部側壁217よりも下方に長くしてポンプ室隔壁231及び吐出流路隔壁235の下端を上部側壁217の下端よりも下方に位置させている。
【0055】
そして、このポンプ室隔壁231及び吐出流路隔壁235の下端は、下部ケーシング221と上部ケーシング211とを合わせたとき、下部ケーシング221の下面板222の上面と接し、一方のポンプ室隔壁231と他方のポンプ室隔壁231との間の開口部232からポンプ室隔壁231の外側及び吐出流路隔壁235の外側を介して吐出連結部218に至る吐出流路236を形成する。
【0056】
また、下部ケーシング221は、上部ケーシング211の上面板212と同一形状同一大きさの平板とされた下面板222を有し、吐出連結部218を形成する下部ケーシング221の下部吐出連結部229を両端とする下部側壁227を下面板222の両側縁周縁部分に立設させて有し、下面板222の中央に給水穴225を有する。
【0057】
尚、下部吐出連結部229の先端部分は下部側壁227を設けることなく、下部ケーシング221の側方を開口状態としている。
【0058】
従って、この上部ケーシング211と下部ケーシング221とを合わせるように上部側壁217の下端と下部側壁227の上端とを接合すれば、図3図4に示したように、短円筒形の本体部分から両側外方に突出する吐出連結部218を有し、短円筒形部分の中央上面から突出する円筒状の固定筒215を有して短円筒形の本体部分の内部に羽根207を備えたプレート206を収納した遠心ポンプとすることができる。
【0059】
そして、この遠心ポンプは、シャフト205により結合されるモータ201によりプレート206を回転させることにより、下面の給水穴225から吸い込んだ水をポンプ室隔壁231の開口部232から吐出流路236を介して両側の吐出連結部218から排出管240に吐出することができる。
【0060】
この排出管240も、上部部材241と下部部材251とで形成し、上部部材241は、一端を排出管240の連結口部245とする上部連結口部246とし、他端を排出管240の排出口部248とする上部排出部247とするJ字形状の平板とした上面部242を有する。
【0061】
更に、上部部材241は、上部連結口部246から上部排出部247までの上面部242の両側縁から垂下する上部側面部243を有する。
【0062】
また、この上部連結口部246は、排出管240の連結口部245近傍における排出管240の軸線と直交する開口形状とされ、上部排出部247は、上部連結口部246と直交する開口形状とされて排出管240の排出口部248の近傍における軸線と斜めに交わる開口部形状とされる。
【0063】
そして、下部部材251は、上面部242と同一形状同一大きさとされる平板状の下面部252を有し、下部連結口部256から下部排出部257までの下面部252の両側縁から立ち上がる下部側面部253を有する。
【0064】
従って、上部側面部243の下端と下部側面部253の上端とを合わせて上部部材241と下部部材251とを一体とするとJ字形状の角パイプとすることができる。
【0065】
そして、上部連結口部246と下部連結口部256とにより形成される排出管240の連結口部245は、ポンプケーシング210の吐出連結部218の外形に合わせた内部形状を有し、吐出連結部218を連結口部245に差し込むようにして吐出連結部218を連結口部245で覆うことができるようにし、排出管240をポンプケーシング210に固定可能として排出管240をポンプケーシング210に着脱可能に固定している。
【0066】
更にこの排出管240は、連結口部245を、連結口部245の近傍における排出管240の軸線と直交する開口部としているため、J字形状の排出管240を連結口部245の近傍における排出管240の軸線を回転軸として180度回転させて吐出連結部218に固定することにより、2個の吐出連結部218を結ぶ線であるそうめん流し機100の長軸軸線を対称中心線として対称の位置に排出口部248を位置させるように変更することができる。
【0067】
また、排出管240は、上部排出部247と下部排出部257とによる排出口部248を有し、排出口部248には上部排出口係合部249と下部排出口係合部259とによる排出係合部258を有し、排出係合部258をポンプカバー部150の周壁部161における直線部163の下端に形成した切欠き部168に挿入し、排出口部248の端面を周壁部161の内面に当接するようにして、周壁部161の直線部163に対して斜めに配置される端部近傍を有する排出管240の端部に形成される排出口部248を周壁部161の位置に位置させる。
【0068】
この様に、排出口部248が排出口部248近傍の排出管240の軸線に対して傾斜した排出口部248として周壁部161に密接固定させるようにしているため、周壁部161の外周に形成される流水路である環状流路部112に対して排出口部248から噴出させる水を環状流路部112の軸線方向に対して斜めに噴出させ、環状流路部112に蓄えた水を一定方向に流すように旋回させることができる。
【0069】
従って、このそうめん流し機100の外周壁外側面117の下端をテーブル等の水平面に安定させるように載置し、環状流路部112に水を入れ、水面高さをポンプカバー部150の段差部166よりも僅かに高い位置まで入れることにより、固定筒215によりポンプカバー部150の内部に取り付けたポンプケーシング210を水中に水没させることができる。
【0070】
そして、上カバー130の上面に露出させたスイッチボタン158を操作し、モータ201の回転を開始させると、モータ軸にシャフト205により固定したプレート206及び羽根207を回転させ、ポンプケーシング210の下面と中央底部121との間隙からポンプカバー部150内の水が給水穴225に吸い込まれることになる。
【0071】
このとき、中央底部121の中央に設けた窪み部123にポンプケーシング210の下面と中央底部121との間隙から吸い込まれた水が一旦貯えられることにより、ポンプケーシング210の給水穴225から効率良くポンプケーシング210の内部に吸い込むことができる。
【0072】
そして、ポンプケーシング210に吸い込まれた水は、吐出流路236、吐出連結部218を介して排出管240に排出され、排出管240を介して切欠き部168に位置させた排出口部248から環状流路部112に排出されることになる。
【0073】
この排出口部248は、排出管240の軸方向に対して斜めに形成され、周壁部161の直線部163において周壁部161に対して斜めに、即ち環状流路部112に対して斜めに水を噴出させ、環状流路部112の水を環状流路部112において循環させるように旋回させて流すことになり、この水流により環状流路部112に入れたそうめんを環状流路部112において旋回させるように流すことができる。
【0074】
そして、図1乃至図4及び図6に示す様に排出管240をポンプケーシング210に固定しているとき、環状流路部112を流れる水の向きを反時計回りの方向とし、右手で箸を持った人には左側から流れてくるそうめんを箸で掬うことができるようにし、そうめんを容易に掬えるようにすることができる。
【0075】
また、排出管240を一旦ポンプケーシング210から外し、図8に示したように排出管240の排出口部248の位置を反転させ、排出口部248を接続しない切欠き部168を閉鎖板171で塞ぐようにしてモータ201を回転させると、排出口部248から噴出させる水の向きを逆方向の斜めとし、環状流路部112を流れる水の向きを時計方向とすることができる。
【0076】
従って、環状流路部112を流れる水の向きを時計方向としたときは、左手で箸を持った人に対して右側から流れてくるそうめんを箸で掬うことができるようにし、そうめんを容易に掬えるようにすることができる。
【0077】
また、図面に示した上記実施の形態におけるそうめん流し機100は、ポンプケーシング210の吐出連結部218の形状を矩形とし、排出管240を角パイプ形状としているも、吐出連結部218の形状を円形とし、排出管240を丸パイプのJ字形状とすることもある。
【0078】
更に、このそうめん流し機100は、水流皿110の直線状部分やポンプカバー部150の直線部163を無くし、円形の環状流路部112を有するそうめん流し機100とすることもある。
【0079】
この円形のそうめん流し機100とする場合は、円形の周壁部161に2箇所の切欠き部168を設け、この2箇所の切欠き部168はポンプカバー部150の中心を対称中心点とする対称の位置に設けるようにする。
【0080】
そして、この2箇所の切欠き部168を結ぶ線をポンプケーシング210の吐出連結部218を結ぶ線と90度で交わる位置とし、ポンプケーシング210の中心をポンプカバー部150の中心、即ちそうめん流し機100の中心に合わせる。
【0081】
従って、ポンプケーシング210の一方の吐出連結部218に接続された排出管240を2箇所とした切欠き部168の何れの切欠き部168へも接続可能とし、ポンプケーシング210の他方の吐出連結部218に接続された排出管240も2箇所の切欠き部168の何れの切欠き部168へも接続可能として環状流路部112を流れる水の向きを時計方向にも反時計方向にも流すことができる。
【0082】
更に、上記のそうめん流し機100は、2個の排出管240をポンプケーシング210の2箇所の吐出連結部218に夫々固定することとしているが、ポンプケーシング210に設ける吐出連結部218を1箇所とし、排出管240を1個だけとすることもある。
【0083】
この場合、ポンプカバー部150に取り付けたポンプケーシング210の中心と吐出連結部218とを結ぶ線を対称軸として左右に分けてポンプカバー部150の周壁部161に2箇所の切欠き部168を設ければ足りる。
【0084】
そして、ポンプケーシング210の中心をポンプカバー部150の中心に合わせるようにポンプカバー部150を配置する場合や、ポンプケーシング210の中心はポンプカバー部150の中心と一致させずにポンプケーシング210の中心と吐出連結部218とを結ぶ線上にポンプカバー部150の中心を位置させてポンプケーシング210をポンプカバー部150に収納することもある。
【0085】
このように、本実施の形態によるそうめん流し機100は、ポンプケーシング210が、ポンプケーシング210の中心を中心として対称の位置に配置された2個の吐出連結部218を備えて排出管240が各々吐出連結部218に固定され、各吐出連結部218に固定される2個の排出管240を略J字形状として2個の吐出連結部218を結ぶ軸線の両側に分けてこの軸線と交わる方向とされた各排出口部248を環状流路部112に開口させる。
【0086】
また、このそうめん流し機100は、環状流路部112の内側に配置するポンプカバー部150にモータ201やポンプ及び排出管240を内蔵しており、排出管240がポンプケーシング210の中心と吐出連結部218とを結ぶ方向と交わる方向に水を吐出する排出口部248を有し、且つ、吐出連結部218に固定するに際して180度異なる状態で固定可能としている。
【0087】
このため、排出口部248から排出する水の方向をポンプ中心と吐出連結部218とを結ぶ軸線方向に対して変更し、環状流路部112に吐出する際の方向を変更して環状流路部112を流れる水流の向きを逆転させ、右手でも左手でも水流に流した麺を容易に掬えるように水を流すことができる。
【0088】
そして、環状流路部112が、半円形状とされた2個の円弧状部分と、この2個の円弧状部分を結ぶ平行な2箇所の直線状部分とを有する楕円形環状の流路部とされ、ポンプの回転中心が環状流路部112の中心位置に配置されている。
【0089】
このように、2個の吐出連結部218を備えたポンプケーシング210と、このポンプケーシング210に固定する2個の排出管240を内蔵するそうめん流し機100は、環状流路部112にポンプからの水を噴出させる排出口部248を2箇所とし、環状流路部112に流れる水を各排出口部248から噴出流により半周させれば足りることとなり、そうめんや水の流れを確実とすることができる。
【0090】
また、ポンプケーシング210をポンプカバー部150に着脱可能とすることにより、ポンプカバー部150に取り付けたポンプの羽根周辺部分の清掃を容易に行って流水部分を清潔に保つことを容易に可能とすることができる。
【0091】
そして、排出管240は、ポンプケーシング210に着脱可能とされるものとしているため、排出管240をポンプケーシング210から取り外して水流部分の清掃を一層容易とし、そうめん流し機100を清潔に保つことを容易とすることができる。
【0092】
また、環状流路部112を直線部と円弧部とを有する楕円形状とすることにより、そうめん流し機100の奥行と幅とに差を設けて卓上等に載置することを容易とすることができる。
【0093】
そして、ポンプの回転中心を環状流路部112の中心と一致させたそうめん流し機100は、環状流路部112の水流を逆転させるに際しての排出口部248の変更位置を環状流路部112の中心を中心とする対称の位置に形成し、環状流路部112の水流を逆転させるに際し、排出管240をポンプケーシング210に取り付けるに際しての取り付け変更を容易とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明に係るそうめん流し機100は、家庭でそうめん流しの雰囲気を楽しみながら麺を食することができ、右手で箸を持つ人でも、左手で箸を持つ人でも、水流皿110に流した麺を容易に箸で掬って楽しく食事をすることができるようにする。
【符号の説明】
【0095】
100 そうめん流し機
110 水流皿 111 流路底部
112 環状流路部 115 外周壁内側面
117 外周壁外側面 121 中央底部
123 窪み部 125 カバー受け部
127 カバー係合部
130 上カバー
131 上面板 133 スイッチ穴
135 薬味受け部 141 周縁カバー部
142 円弧部 143 直線部
150 ポンプカバー部
151 天板 153 電池ボックスカバー
155 モータ固定部 157 スイッチ収納筒
158 スイッチボタン 161 周壁部
162 円弧部 163 直線部
165 上カバー取付け部 166 段差部
167 給水用スリット 168 切欠き部
171 閉鎖板
181 モータ収納部 182 底板
183 側板 185 スイッチ収納部
186 底板 187 側板
191 電池収納部 192 底板
195 ポンプ取付け穴 196 拡大部
197 係止部
201 モータ 205 シャフト
206 プレート 207 羽根
210 ポンプケーシング
211 上部ケーシング 212 上面板
213 透孔 215 固定筒
216 係合鍔 217 上部側壁
218 吐出連結部 219 上部吐出連結部
221 下部ケーシング 222 下面板
225 給水穴 227 下部側壁
229 下部吐出連結部 231 ポンプ室隔壁
232 開口部 235 吐出流路隔壁
236 吐出流路
240 排出管
241 上部部材 242 上面部
243 上部側面部 245 連結口部
246 上部連結口部 247 上部排出部
248 排出口部 249 上部排出口係合部
251 下部部材 252 下面部
253 下部側面部 256 下部連結口部
257 下部排出部 258 排出係合部
259 下部排出口係合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10