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特許7023535情報検索システム、情報検索プログラム、及び情報検索方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-14
(45)【発行日】2022-02-22
(54)【発明の名称】情報検索システム、情報検索プログラム、及び情報検索方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/90 20190101AFI20220215BHJP
   G06F 3/0484 20220101ALI20220215BHJP
   G06F 16/9032 20190101ALI20220215BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20220215BHJP
【FI】
G06F16/90 100
G06F3/0484
G06F16/9032
G06Q50/10
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020028336
(22)【出願日】2020-02-21
(65)【公開番号】P2021131826
(43)【公開日】2021-09-09
【審査請求日】2020-02-25
【審判番号】
【審判請求日】2021-03-01
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2019年4月30日にウェブサイトにて公開(https://www.facebook.com/pid.consult/posts/2349761008447524)2019年4月30日にウェブサイトにて公開(https://aipropertyconcierge.com/)
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519176164
【氏名又は名称】株式会社PID
(74)【代理人】
【識別番号】110001782
【氏名又は名称】特許業務法人ライトハウス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 史郎
【合議体】
【審判長】高瀬 勤
【審判官】松田 直也
【審判官】中野 浩昌
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-17936(JP,A)
【文献】特開2019-197977(JP,A)
【文献】特許第6606585(JP,B1)
【文献】特表2013-513165(JP,A)
【文献】特開2006-24071(JP,A)
【文献】特開2002-209015(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00 - 16/958
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力装置を備える端末装置と、入力装置を備える管理者端末装置と、該端末装置及び該管理者端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備える情報検索システムであって、
端末装置が、
利用者による問合せ内容の入力を受け付ける問合せ受付手段
を備え、
サーバ装置が、
言語及び問合せ内容に関連付けて、問合せの回答となる回答情報を所定の言語で記憶する回答記憶手段と、
受け付けた問合せ内容の言語が所定の言語以外の言語である場合に、受け付けた問合せ内容を、所定の言語に変換する第1変換手段と、
受け付けた問合せ内容の言語が所定の言語である場合に、受け付けた問合せ内容の言語及び受け付けた問合せ内容を用いて、記憶された回答情報から情報を検索し、受け付けた問合せ内容の言語が所定の言語以外の言語である場合に、受け付けた問合せ内容の言語及び所定の言語に変換された問合せ内容を用いて、記憶された回答情報から情報を検索する第1検索手段と、
受け付けた問合せ内容の言語が所定の言語以外の言語である場合に、検索された情報を、所定の言語から受け付けた問合せ内容の言語に変換する第2変換手段と
を備え、
端末装置がさらに、
検索された情報、又は受け付けた問合せ内容の言語に変換された情報を出力する情報出力手段
を備え、
管理者端末装置が、
回答情報を編集する回答情報編集手段
を備え、
サーバ装置の回答記憶手段が、回答情報編集手段により編集された回答情報を記憶する、
情報検索システム。
【請求項2】
回答記憶手段が、利用者の住所によって、異なる内容の回答を回答情報として記憶する、
請求項1に記載の情報検索システム。
【請求項3】
端末装置が、
端末装置の位置に関する位置情報を取得する位置情報取得手段
を備え、
サーバ装置が、
受け付けた問合せ内容及び取得された位置情報を用いて、インターネット上から情報を検索する第2検索手段と、
検索された情報ごとに、問合せ内容に関する単語及び/又は文章が含まれる度合いである合致度を測定する合致度測定手段と、
測定された合致度に基づいて、検索された情報を並べ替える並べ替え手段と
を備える、
請求項1又は2に記載の情報検索システム。
【請求項4】
入力装置を備える端末装置、及び入力装置を備える管理者端末装置と通信により接続可能なサーバ装置において実行される情報検索プログラムであって、
サーバ装置を、
言語及び問合せ内容に関連付けて、問合せの回答となる回答情報を所定の言語で記憶する回答記憶手段、
端末装置において入力を受け付けた、利用者による問合せ内容の言語が所定の言語以外の言語である場合に、受け付けた問合せ内容を、所定の言語に変換する第1変換手段、
受け付けた問合せ内容の言語が所定の言語である場合に、受け付けた問合せ内容の言語及び受け付けた問合せ内容を用いて、記憶された回答情報から情報を検索し、受け付けた問合せ内容の言語が所定の言語以外の言語である場合は、受け付けた問合せ内容の言語及び所定の言語に変換された問合せ内容を用いて、記憶された回答情報から情報を検索する第1検索手段、
受け付けた問合せ内容の言語が所定の言語以外の言語である場合に、検索された情報を、所定の言語から受け付けた問合せ内容の言語に変換する第2変換手段
として機能させ、
回答記憶手段が、管理者端末装置において編集された回答情報を記憶するものである、
情報検索プログラム。
【請求項5】
入力装置を備える端末装置、及び入力装置を備える管理者端末装置と通信により接続可能なサーバ装置において実行される情報検索方法であって、
端末装置において入力を受け付けた、利用者による問合せ内容の言語が所定の言語以外の言語である場合に、受け付けた問合せ内容を、所定の言語に変換するステップと、
受け付けた問合せ内容の言語が所定の言語である場合に、受け付けた問合せ内容の言語及び受け付けた問合せ内容を用いて、記憶された回答情報から情報を検索し、受け付けた問合せ内容の言語が所定の言語以外の言語である場合は、受け付けた問合せ内容の言語及び所定の言語に変換された問合せ内容を用いて、記憶された回答情報から情報を検索するステップと、
受け付けた問合せ内容の言語が所定の言語以外の言語である場合に、検索された情報を、所定の言語から受け付けた問合せ内容の言語に変換するステップと
を有し、
回答情報が、管理者端末装置において編集されたものである、
情報検索方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報検索システム、情報検索プログラム、及び情報検索方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者からの問合せを受け、回答を提供するコンシェルジュサービスがある。また、いわゆるチャットボットのように、入力された内容に対して、回答を自動的に決定するプログラムもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、不特定多数の人間が使用するシステムにおいては、利用者の使用する言語が異なる場合には、利用者が言語の設定を都度変更しなければならず、システムを快適に利用できるものではなかった。
【0004】
本発明の少なくとも1つの目的は、どのような言語を使用する利用者であってもストレスなく利用可能な、利便性の高い情報検索システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
非限定的な観点によると、本発明に係る情報検索システムは、入力装置を備える端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備える情報検索システムであって、端末装置が、利用者による問合せ内容の入力を受け付ける問合せ受付手段を備え、情報検索システムが、受け付けた入力に基づいて、利用者の使用する言語を特定する言語特定手段と、言語及び問合せ内容に関連付けて、問合せの回答となる回答情報を記憶する回答記憶手段と、特定された言語及び受け付けた問合せ内容を用いて、記憶された回答情報から情報を検索する第1検索手段とを備え、端末装置がさらに、検索された情報を出力する情報出力手段を備え、回答記憶手段が、言語によって異なる内容の回答を回答情報として記憶する、情報検索システムである。
【0006】
非限定的な観点によると、本発明に係る情報検索システムは、入力装置を備える端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備える情報検索システムであって、端末装置が、利用者による問合せ内容の入力を受け付ける問合せ受付手段を備え、情報検索システムが、受け付けた入力に基づいて、利用者の使用する言語を特定する言語特定手段と、言語及び問合せ内容に関連付けて、問合せの回答となる回答情報を所定の言語で記憶する回答記憶手段と、特定された言語が所定の言語以外の言語である場合に、受け付けた問合せ内容を、所定の言語に変換する第1変換手段と、特定された言語及び受け付けた問合せ内容、又は特定された言語及び所定の言語に変換された問合せ内容を用いて、記憶された回答情報から情報を検索する第1検索手段と、特定された言語が所定の言語以外の言語である場合に、検索された情報を、所定の言語から特定された言語に変換する第2変換手段とを備え、端末装置がさらに、検索された情報、又は特定された言語に変換された情報を出力する情報出力手段を備える、情報検索システムである。
【0007】
本発明に係る情報検索システムは、回答記憶手段が、利用者の住所によって、異なる内容の回答を回答情報として記憶することが好ましい。
【0008】
本発明に係る情報検索システムは、端末装置が、端末装置の位置に関する位置情報を取得する位置情報取得手段を備え、情報検索システムが、受け付けた問合せ内容及び取得された位置情報を用いて、インターネット上から情報を検索する第2検索手段と、検索された情報ごとに、問合せ内容に関する単語及び/又は文章が含まれる度合いである合致度を測定する合致度測定手段と、測定された合致度に基づいて、検索された情報を並べ替える並べ替え手段とを備えることが好ましい。
【0009】
非限定的な観点によると、本発明に係る情報検索プログラムは、入力装置を備える端末装置と通信により接続可能なサーバ装置において実行される情報検索プログラムであって、サーバ装置を、端末装置において受け付けた、利用者による問合せ内容の入力に基づいて、利用者の使用する言語を特定する言語特定手段、言語及び問合せ内容に関連付けて、問合せの回答となる回答情報を記憶する回答記憶手段、特定された言語及び受け付けた問合せ内容を用いて、記憶された回答情報から情報を検索する第1検索手段として機能させ、回答記憶手段が、言語によって異なる内容の回答を回答情報として記憶する、情報検索プログラムである。
【0010】
非限定的な観点によると、本発明に係る情報検索プログラムは、入力装置を備える端末装置と通信により接続可能なサーバ装置において実行される情報検索プログラムであって、サーバ装置を、端末装置において受け付けた、利用者による問合せ内容の入力に基づいて、利用者の使用する言語を特定する言語特定手段、言語及び問合せ内容に関連付けて、問合せの回答となる回答情報を所定の言語で記憶する回答記憶手段、特定された言語が所定の言語以外の言語である場合に、受け付けた問合せ内容を、所定の言語に変換する第1変換手段、特定された言語及び受け付けた問合せ内容、又は特定された言語及び所定の言語に変換された問合せ内容を用いて、記憶された回答情報から情報を検索する第1検索手段、特定された言語が所定の言語以外の言語である場合に、検索された情報を、所定の言語から特定された言語に変換する第2変換手段として機能させる、情報検索プログラムである。
【0011】
非限定的な観点によると、本発明に係る情報検索方法は、入力装置を備える端末装置と通信により接続可能なサーバ装置において実行される情報検索方法であって、端末装置において受け付けた、利用者による問合せ内容の入力に基づいて、利用者の使用する言語を特定するステップと、特定された言語及び受け付けた問合せ内容を用いて、言語及び問合せ内容に関連付けて記憶された回答情報から情報を検索するステップとを有し、前記記憶された回答情報が、言語によって異なる内容である、情報検索方法である。
【0012】
非限定的な観点によると、本発明に係る情報検索方法は、入力装置を備える端末装置と通信により接続可能なサーバ装置において実行される情報検索方法であって、端末装置において受け付けた、利用者による問合せ内容の入力に基づいて、利用者の使用する言語を特定するステップと、特定された言語が所定の言語以外の言語である場合に、受け付けた問合せ内容を、所定の言語に変換するステップと、特定された言語及び受け付けた問合せ内容、又は特定された言語及び所定の言語に変換された問合せ内容を用いて、言語及び問合せ内容に関連付けて記憶された所定の言語の回答情報から情報を検索するステップと、特定された言語が所定の言語以外の言語である場合に、検索された情報を、所定の言語から特定された言語に変換するステップとを有する、情報検索方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、どのような言語を使用する利用者であってもストレスなく利用可能な、利便性の高い情報検索システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、システムの構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、情報検索処理に関するフローチャートである。
図4】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、回答情報編集処理に関するフローチャートである。
図5】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、回答マスタテーブル及び検索結果を表す図である。
図6】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、回答マスタテーブルを表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。以下、効果に関する記載は、本発明の実施の形態の効果の一側面であり、ここに記載するものに限定されない。また、以下で説明するフローチャートを構成する各処理の順序は、処理内容に矛盾や不整合が生じない範囲で順不同である。
【0016】
続いて、本発明の実施の形態について説明する。本発明の実施の形態として、マンションにおいてコンシェルジュサービスを提供するアプリケーションプログラム(以下、アプリともいう)を例示する。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、システムの構成を示すブロック図である。図示するように、情報検索システムは、サーバ装置1と、通信ネットワーク2と、複数のアプリ利用者(アプリ利用者A、B・・・Z)によって操作される複数の端末装置3(端末装置3a、3b・・・3z)と、マンションの管理者によって操作される管理者端末装置4とから構成される。端末装置3、及び管理者端末装置4は、通信ネットワーク2を介してサーバ装置1と接続されている。なお、端末装置3、及び管理者端末装置4とサーバ装置1とは常時接続していなくてもよく、必要に応じて、接続が可能であればよい。
【0018】
アプリをインストールする端末装置、及びマンションの管理者によって操作される管理者端末は、図示しないが、一例として、制御部、RAM(Random Access Memory)、ストレージ部、サウンド処理部、グラフィックス処理部、外部記憶媒体読込部、通信インタフェース、及び、インタフェース部を少なくとも備え、それぞれ内部バスにより接続されている。制御部は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)から構成される。制御部は、ストレージ部や外部記憶媒体に格納されたプログラムを実行し、端末装置3、及び管理者端末装置4の制御をそれぞれ行う。RAMは、制御部のワークエリアである。ストレージ部は、プログラムやデータを保存するための記憶領域である。
【0019】
外部記憶媒体読込部は、DVD-ROM、CD-ROM、カートリッジROM等のプログラムが格納された外部記憶媒体から、格納されたプログラムを読み込むことが可能である。外部記憶媒体には、例えばプログラム及びデータが記憶されている。外部記憶媒体読込部により、プログラム及びデータが外部記憶媒体から読み出され、RAMにロードされる。制御部は、プログラム及びデータをRAMから読み出して処理を行う。制御部は、RAMにロードされたプログラム及びデータを処理することで、サウンド出力の指示をサウンド処理部に出力し、描画命令をグラフィックス処理部に出力する。
【0020】
サウンド処理部は、スピーカであるサウンド出力装置に接続されている。制御部がサウンド出力の指示をサウンド処理部に出力すると、サウンド処理部はサウンド出力装置にサウンド信号を出力する。
【0021】
グラフィックス処理部は表示装置に接続されている。表示装置は表示画面を有している。制御部が描画命令をグラフィックス処理部に出力すると、グラフィックス処理部は、フレームメモリ(フレームバッファ)に画像を展開し、表示画面上に画像を表示するためのビデオ信号を出力する。グラフィックス処理部は、フレーム単位で1枚の画像の描画を実行する。画像の1フレーム時間は、例えば30分の1秒である。グラフィックス処理部は、制御部だけで行ってきた描画に関する演算処理の一部を受け持ち、システム全体の負荷を分散させる役割を有する。
【0022】
インタフェース部には入力部(例えば、マイク、マウス、あるいはキーボード等)が接続され得る。利用者による入力部からの入力情報はRAMに格納され、制御部は入力情報をもとに各種の演算処理を実行する。あるいは、インタフェース部に記憶媒体読取装置を接続し、メモリ等からプログラム及びデータ等を読み込むことも可能である。また、タッチパネルを備えた表示装置を入力部とすることもできる。
【0023】
通信インタフェースは、無線又は有線により通信ネットワーク2に接続が可能であり、通信ネットワーク2を介して、サーバ装置や他のコンピュータ装置との間で情報の送受信を行うことが可能である。通信インタフェースはさらに、GPS信号を受信し得る。
【0024】
図示しないが、サーバ装置1は、一例として、制御部、RAM、ストレージ部及び通信インタフェースを備え、それぞれ内部バスにより接続されている。制御部は、CPUやROMから構成され、ストレージ部に格納されたプログラムを実行し、サーバ装置1の制御を行う。RAMは、制御部のワークエリアである。ストレージ部は、プログラムやデータを保存するための記憶領域である。制御部は、プログラム及びデータをRAMから読み出し、端末装置3、及び管理者端末装置4から受信した要求情報をもとに、プログラム実行処理を行う。通信インタフェースは、無線又は有線により通信ネットワーク2に接続が可能であり、通信ネットワーク2を介してデータを受信することが可能である。通信インタフェースを介して受信したデータは、RAMにロードされ、制御部により演算処理が行われる。
【0025】
図2は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、システムの構成を示すブロック図である。情報検索システム5は、問合せ受付部101、位置情報取得部102、言語特定部103、回答記憶部104、第1変換部105、第1検索部106、合致度測定部107、合致度判定部108、第2検索部109、第3検索部110、並び換え部111、第2変換部112、及び情報出力部113を少なくとも備える。
【0026】
問合せ受付部101は、アプリ利用者による問合せ内容の入力を受け付ける機能を有する。位置情報取得部102は、端末装置3の位置に関する位置情報を取得する機能を有する。言語特定部103は、問合せ受付部101により受け付けた入力に基づいて、アプリ利用者の使用する言語を特定する機能を有する。
【0027】
回答記憶部104は、言語及び問合せ内容に関連付けて、問合せの回答となる回答情報を、所定の言語で記憶する機能を有する。第1変換部105は、問合せ受付部101により受け付けた問合せ内容を、所定の言語に変換する機能を有する。第1検索部106は、特定された言語及び受け付けた問合せ内容、又は特定された言語及び所定の言語に変換された問合せ内容を用いて、回答記憶部104に記憶された回答情報から情報を検索する機能を有する。
【0028】
合致度測定部107は、検索された情報の中に問合せ内容に関する単語及び/又は文章が含まれる度合いである、合致度を測定する機能を有する。合致度判定部108は、検索された情報について測定された合致度が所定の基準を満たすか否かを判定する機能を有する。第2検索部109は、位置情報取得部102により取得された端末装置の位置情報、特定された言語、及び受け付けた問合せ内容を用いて、インターネット上から情報を検索する機能を有する。
【0029】
第3検索部110は、特定された言語、及び受け付けた問合せ内容を用いて、インターネット上から情報を検索する機能を有する。並び換え部111は、検索された情報ごとに付された合致度に基づいて、情報を並び換える機能を有する。第2変換部112は、検索された情報を、所定の言語から特定された言語に変換する機能を有する。情報出力部113は、検索された情報を出力する機能を有する。
【0030】
[システム概要]
本発明の実施の形態の一例として、マンション等の不動産を管理する管理会社が提供するアプリが挙げられる。管理会社は、一般的には、マンションの管理人を当該不動産に派遣し、勤務日の所定の時間管理業務を行わせる。しかし、24時間管理業務を行うことは現実的ではないため、本発明のアプリを用いてコンシェルジュサービスを提供する。マンションの住人は、アプリを利用することで、問い合わせたいことが生じた場合に、いつでも回答を得ることができる。サーバ装置1は、管理会社が管理するものであってもよい。また、管理する不動産物件ごとに、サーバ装置1を用意してもよい。
【0031】
[情報検索処理]
次に、情報検索システム5の情報検索処理について説明する。図3は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、情報検索処理に関するフローチャートである。
【0032】
最初に、端末装置3は、アプリ利用者による問合せ内容の入力を受け付ける(ステップS1)。問合せ内容の入力は、例えば、端末装置3が備えるタッチパネルに対するタッチ操作によりテキストデータを入力するものでもよいし、端末装置3が備えるマイクにより音声データを採取し、端末装置3が音声データからテキストデータへと変換するものでもよい。また、端末装置3が備え得る撮影機能により、撮像された画像に含まれる符号等から解析された内容を入力とするようにしてもよい。問合せ内容を識別可能であれば、入力の方法は問わない。
【0033】
次に、端末装置3は、端末装置3の位置に関する位置情報を取得する(ステップS2)。位置情報は、例えば、GPS(Global Positioning System)からの信号を受信することにより取得することができる。
【0034】
次に、端末装置3は、ステップS1で受け付けた問合せ内容及びステップS2で取得した位置情報を含む情報をサーバ装置1へ送信する(ステップS3)。サーバ装置1は、端末装置3から送信された情報を受信する(ステップS4)。
【0035】
次に、サーバ装置1は、言語特定部103により、問合せ内容に含まれる単語及び/又は文章を解析し、アプリ利用者が使用する言語を特定する(ステップS5)。問合せ内容の解析には、例えば、形態素解析や文字コードの解析といった、既存の技術を利用することができる。
【0036】
次に、サーバ装置1は、ステップS5により特定された言語が所定の言語以外の言語である場合には、問合せ内容を所定の言語に変換する(ステップS6)。所定の言語は、例えば、日本語であっても英語であってもよい。一例として、以下では、所定の言語を日本語として説明する。日本語への変換には、例えば、翻訳プログラムのAPIを利用してもよい。ステップS5において特定された言語が日本語である場合には、ステップS6の変換処理を省略し、後述のステップS7に移行する。また、所定の言語への変換は、サーバ装置以外において行われることとしてもよい。例えば、端末装置3において問合せ内容が所定の言語に変換された後に、サーバ装置1に所定の言語に変換された問合せ内容が送信されることとしてもよい。
【0037】
次に、サーバ装置1は、言語特定部103により特定された言語及び問合せ受付部101により受け付けた問合せ内容、又は言語特定部103により特定された言語及び第1変換部105により所定の言語に変換された問合せ内容を用いて、後述する回答記憶部104に記憶された回答情報から情報を検索する(ステップS7)。
【0038】
[回答情報編集処理]
図4は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、回答情報編集処理に関するフローチャートである。
【0039】
管理者端末装置4は、アプリ管理者が使用するものである。アプリ管理者とは、例えば、マンション等の不動産を管理する管理会社、及び/又はマンションの管理人などが挙げられる。
【0040】
まず、管理者端末装置4において回答情報の編集が受け付けられる(ステップS51)。そして、サーバ装置1に回答情報が送信される(ステップS52)。サーバ装置1において回答情報が受信される(ステップS53)。そして、サーバ装置1において回答記憶部104に回答情報が記憶される(ステップS54)。
【0041】
回答記憶部104に記憶される回答情報は、言語及び問合せ内容に関連付けて、所定の言語により記載されたものである。回答情報が所定の言語により記載されたものであることで、アプリ管理者が、所定の言語を、母国語等の主に使用する言語とする場合に、回答情報の編集が容易になり、また、回答情報の正確性も向上する。さらに、ステップS6において、所定の言語以外の言語による問合わせを所定の言語に変換し、後述するステップS15において、所定の言語の回答を問合わせのあった言語に変換できるため、アプリ管理者は所定の言語で回答を管理しているだけで、所定の言語以外の言語による問合わせにも適切に対応することができる。
【0042】
ステップS51~ステップS54の回答情報編集処理は、アプリ管理者が随時行うことができる。このように、回答情報がアプリ管理者によって随時編集可能であることで、時期やアプリ利用者に応じた、適切な回答を回答情報として記憶することが可能となる。例えば、マンションの属する地域のゴミの収集日に変更が生じる時期には、従来の収集日、変更日、変更後の収集日などの情報を回答として記憶するよう、編集を行うことができる。また、アプリ利用者、すなわちマンションの住人のゴミの分別方法に問題が多く見られる場合には、ゴミの分別方法に関する回答をより詳細に記載して記憶するよう、編集を行うことができる。
【0043】
[回答マスタテーブル]
図5は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、回答マスタテーブル及び検索結果を表す図である。図5(A)は、回答記憶部104に記憶された、回答マスタテーブルを表す。回答マスタテーブル200には、言語201及び問合せ内容202に関連付けて、回答203が少なくとも記憶される。
【0044】
言語201は、アプリ利用者が使用する言語を表す。問合せ内容202は、アプリ利用者から問合せられる質問を表す。回答203は、言語201及び問合せ内容202に基づいて決定される回答である。
【0045】
図示するように、回答記憶部104には、アプリ利用者が使用する言語によって、異なる内容の回答が回答情報として記憶されている。図5(A)では、例えば、問合わせ内容202が「ごみの収集日」である場合、同じマンションの住人であればごみの収集日も同じであるため、言語201は「全言語共通」であり、いずれの言語による問合わせに対しても、同じ回答203が記憶されている。しかし、問合わせ内容202が「水が漏れる」である場合で、言語201が「中国語」であるときには、アプリ利用者が使用する中国語での対応が可能である修理業者を知らせることが好ましいと推測される。そのため、回答203として、中国語での対応が可能である修理業者電話番号が記載された回答情報が記憶されている。このように、アプリ利用者が使用する言語ごとに、問合せ先を変更するような運用とすることで、アプリ利用者にストレスを与えない回答を提供することができる。
【0046】
次に、サーバ装置1は、検索された情報ごとに、問合せ内容に関する単語及び/又は文章が含まれる度合いである合致度を測定する(ステップS8)。合致度とは、例えば、アプリ利用者からの問合せ内容に関する単語及び/又は文章が含まれる度合いをいう。合致度の測定方法として、例えば、HITS(Hypertext Induced Topic Selection)アルゴリズムのように、キーワードに対しての適合率が高いだけでなく、実際に多くのアプリ利用者から役立つ情報であると評価されているページを高くスコアリングするような手法を採用することができる。
【0047】
[第1検索処理及び合致度の測定]
ステップS7における第1検索処理、及びステップS8における合致度測定をより具体的に説明する。例えば、ステップS1において、アプリ利用者が中国語により、「台所の水が漏れてしまう」と入力した場合について説明する。サーバ装置1は、ステップS5において、アプリ利用者の使用する言語を「中国語」と特定する。そして、ステップS6において、「台所の水が漏れてしまう」と日本語に変換する。ここで、一例として、形態素解析により、「台所」、「水」、及び「漏れ」がキーワードとして抽出する。そして、アプリ利用者の使用する「中国語」と合致する言語201、及び、キーワードとして抽出された「台所」、「水」、及び「漏れ」と合致する問合せ内容202に基づいて、回答203が特定される。
【0048】
図5(B)は、「中国語」と、「台所」、「水」、及び「漏れ」という単語に基づいて検索された結果の例を表す。例えば、言語201が「中国語」で、かつ、キーワードである「台所」、「水」、及び「漏れ」がすべて含まれる場合には、合致度は1.0となる。一方、例えば、回答203に「台所」だけが含まれないような場合には、合致度は0.66としてもよい。合致度の数値は、検索条件に合致する度合いが高ければ高いほど、大きい値となるように設計することができる。また、特定のドメインに含まれる情報であれば合致度を高くする等、合致度を補正するようにしてもよい。
【0049】
図3のフローチャートに戻る。サーバ装置1は、合致度判定部108により、ステップS8において測定された合致度が所定の基準を満たすか否か、判定する(ステップS9)。基準は、任意の条件に基づいて定められてよく、例えば、合致度が0.5以上の回答203が存在しない場合には、基準を満たさないと判定してもよい。
【0050】
ステップS9において、基準を満たす場合(ステップS9にてYES)には、サーバ装置1は、ステップS10~13を省略して、例えば図5(B)に示すような検索結果を、合致度に基づいて降順に並び替える(ステップS14)。つまり、合致する内容が上位に表示されるように並び替えるものである。基準を満たさない場合(ステップS9にてNO)には、サーバ装置1は、第2検索部109により、位置情報取得部102により取得された端末装置の位置情報、言語特定部103により特定された言語及び問合せ受付部101により受け付けた問合せ内容、又は位置情報取得部102により取得された端末装置の位置情報、言語特定部103により特定された言語及び第1変換部105により所定の言語に変換された問合せ内容を用いて、インターネット上から情報を検索し(ステップS10)、第1検索処理と同様に、合致度を測定する(ステップS11)。
【0051】
次に、サーバ装置1は、第3検索部110により、言語特定部103により特定された言語及び問合せ受付部101により受け付けた問合せ内容、又は言語特定部103により特定された言語及び第1変換部105により所定の言語に変換された問合せ内容を用いて、インターネット上から情報を検索し(ステップS12)、第1検索処理と同様に、合致度を測定する(ステップS13)。
【0052】
[第2検索処理]
例えば、ステップS1において、アプリ利用者が「アラブ語」で、「おいしいお店」と問合せ内容を入力した場合に、「アラブ語」と、「おいしいお店」という文章とを用いて、ステップS7の第1検索処理を実施する。ステップS9において、所定の合致度を満たさないと判断された場合には、端末装置3の位置情報、及び、第1検索処理において使用した検索条件を用いて、インターネット上から情報を検索する。このようにすることで、不動産の管理業務とは関連性が低い質問であったとしても、アプリ利用者の使用する言語及び現在位置から割り出された、一般的な回答を提供することができ、アプリ利用者の利便性を高めることができる。
【0053】
[第3検索処理]
上述した第2検索処理と同じ検索条件を用いた場合に、第1検索処理において使用した検索条件を用いて、インターネット上から情報を検索する。これは、第2検索処理と比べると、端末装置3の位置情報を用いずに検索することになる。このようにすることで、不動産の管理業務とは関連性が低い質問であったとしても、アプリ利用者の使用する言語の回答を提供でき、アプリ利用者の利便性を高めることができる。また、不動産等の管理業務以外の問合せに対しても、一般的な回答を返すことで、アプリ利用者が検索ツールとして本発明に係るシステムを利用する動機を与え、情報の精度を高めることに寄与し得る。専門的な内容から、一般的な内容へと検索する範囲を段階的に広げることで、膨大な情報から検索するよりも、回答を得るまでの時間を短縮することができる。
【0054】
続いて、サーバ装置1は、並び換え部111により、検索された情報ごとに付された合致度に基づいて、情報を並び換える(ステップS14)。そして、ステップS5により特定された言語が所定の言語(例えば、日本語)以外の言語である場合には、検索された情報を、所定の言語からステップS5により特定された言語に変換する(ステップS15)。ステップS5において特定された言語が所定の言語である場合には、ステップS15の変換処理を省略し、後述のステップS16に移行する。また、所定の言語への変換は、サーバ装置以外において行われることとしてもよい。例えば、サーバ装置1にステップS14において並べ替えられた情報が送信された後に、端末装置3において受信された情報が所定の言語に変換されることとしてもよい。
【0055】
サーバ装置1は、ステップS14において並べ替えられた情報、又はステップS15において特定された言語に変換された情報を端末装置3へ送信する(ステップS16)。端末装置3は、送信された情報を受信する(ステップS17)。端末装置3は、受信した情報を表示画面に表示し(ステップS18)、終了する。
【0056】
上述の説明では、回答マスタテーブル200には、言語201及び問合せ内容202をキーとして回答203が記憶された例を説明したが、本発明はこれに限定されない。図6は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、回答マスタテーブルを表す図である。回答マスタテーブル300には、部屋301、言語302、及び問合せ内容303に関連付けて、回答304が少なくとも記憶される。
【0057】
部屋301は、端末装置3を使用するアプリ利用者が契約しているマンション、及び/又は部屋の情報を表す。言語302、問合せ内容303、及び回答304は、それぞれ言語201、問合せ内容202、及び回答203と同じ定義を採用し得る。なお、以下、アプリ利用者が契約しているマンション、及び/又は部屋の情報をアプリ利用者の住所というが、アプリ利用者の住所とは、実際にアプリ利用者が居住しており、自身の住所として市区町村に届け出をしているものでもよく、アプリ利用者が契約しているが、実際には居住していないものでもよい。
【0058】
例えば、地震が発生し、近隣の避難場所に避難しなければならないような場合、アプリ利用者が契約しているマンションの立地によって、避難場所は異なる。そのため、アプリ利用者が契約しているマンションの情報、すなわち住所によって、問合せに対する回答として、異なる内容を記憶することで、それぞれのアプリ利用者にとって、適切な回答を提供することが可能となる。また、回答マスタテーブルにマンション、及び/又は部屋の情報が含まれることで、管理人が複数のマンションを所有している場合でも、一つの回答マスタテーブル内で複数のマンションの回答情報を編集することができ、回答情報の編集が容易になる。
【0059】
また、地震が発生し、それに伴い火災が発生したような場合には、部屋からマンションの外に避難しなければならない。しかし、高層階の部屋の住人は低層階の部屋の住人と比べて、階段を下りるために必要な時間が長くかかり、火災により生じた煙による被害を受けやすいなどのリスクが大きいと考えられる。そのため、高層階の部屋の住人に対しては、火災発生に関する問合せに対する回答として、階段を下りる際の煙に対する対処法を詳細に記載することが好ましいと考えられる。このように、アプリ利用者が契約している部屋の情報、すなわち住所によって、問合せに対する回答として、異なる内容を記憶することで、それぞれのアプリ利用者にとって、適切な回答を提供することが可能となる。
【0060】
さらに、地震が発生した場合、外国人は、日本人に比べて地震に馴染みがない可能性が高い。そのため、外国人は、日本人に比べて地震の際の対応方法の知識が少ない、地震によって不安になりやすいなどのリスクが大きいと考えられる。よって、外国人に対しては、すなわち、アプリ利用者が使用する言語が外国語であった場合には、地震に関する問合せに対する回答として、具体的に記載する、不安を取り除くような表現を加えることなどが好ましいと考えられる。このように、アプリ利用者が使用する言語によって、問合せに対する回答として、異なる内容を記憶することで、それぞれのアプリ利用者にとって、適切な回答を提供することが可能となる。
【0061】
また、「上の階の住人が騒いでうるさい」という苦情を受け付ける場合もある。このような場合には、部屋301の情報に基づいて、回答304に「303号室ですね」というように、位置関係から部屋番号を特定するようにしてもよい。あるいは、「3階のどの部屋かわかりますか?」のように、質問を返すようにして、さらなるアプリ利用者の入力を求めるような設計としてもよい。
【0062】
部屋301は、部屋のみに限定されるものではない。例えば、1棟の建物や一軒家であってもよいし、町会や地域を指定するものであってもよい。例えば、地域の粗大ごみの処理方法や、ごみ処理券を購入する場合に店舗の説明等を回答に含めるようにすることで、より利便性を高めることができる。この例のように、端末装置3が存在する位置を基準位置と、問合せ内容から回答となる相対的な位置を特定することで、不要な質問を減らし、アプリ利用者の利便性を高めることができる。
【0063】
上述の説明では、第1検索処理を行った後に、合致度が所定の基準を満たすか否か判定したが、これに限定されない。判定を行わず、第1検索処理、第2検索処理及び第3検索処理をすべて実行するようにしてもよい。あるいは、第2検索処理を終えた後にも判定を行い、所定の基準を満たさない場合にのみ、第3検索処理を行うようにしてもよい。
【0064】
上述の説明では、検索するごとに、合致度を測定していたが、これに限定されない。つまり、検索された結果をまとめておき、一括で合致度を測定する方法を採用してもよい。このようにすることで、サーバ装置1における処理負荷が軽減され得る。
【0065】
上述の説明では、第1検索処理の回答を回答マスタテーブルとして記憶していたが、所定のドメイン配下に、ウェブページ形式で回答データを記憶してもよい。また、特定のドメイン配下のウェブページから検索された情報に関して、合致度を高めるように設定してもよい。このようにすることで、第2検索処理及び第3検索処理と共通の処理にて検索及び合致度の測定を行うことができ、不要な処理を減らしてシステム全体の処理を高速化することができる。
【0066】
上述の説明では、アプリ利用者の属性を特定する要素は言語のみであったが、言語から派生させて、さらに詳細な属性を特定するようにしてもよい。例えば、アラビア語の入力を受け付けた場合に、アプリ利用者の信仰する宗教がイスラム教であることを推定してもよい。このようにすることで、ムスリムのアプリ利用者に対し、イスラム法で許された食材を使用した、ハラールの料理を提供する店舗を紹介するような、よりアプリ利用者のニーズに沿った提案をすることができ、システムの利便性を高めることができる。
【0067】
本発明は、検索された回答に対し、アプリ利用者が評価をするようにしてもよい。この評価に基づいて、検索結果を調整するように設計してもよい。このようにすることで、アプリ利用者が多く利用する回答情報がより目立つ位置に表示され、システムの利便性を高めることができる。
【0068】
上述の説明では、アプリ利用者の属性を予め登録しない方式で説明したが、例えば、マンションの賃貸契約やホテルの宿泊契約において記入が必要な、アプリ利用者の属性に関する情報を、管理会社が予め登録するようにしてもよい。このようにすることで、よりアプリ利用者のニーズに沿った回答を提供することができ、システムを利用した満足度を高めることができる。
【0069】
アプリ利用者の属性を登録する方式の場合に、他のアプリ利用者からの評価をフィードバックすることで、アプリ利用者のブラックリストを作成してもよい。例えば、図6に示すように、階上で騒いで迷惑をかけるアプリ利用者に対して、マイナス評価を受け付けることで、次回当該騒いだアプリ利用者が不動産物件を契約する場合には、拒否するようにしてもよい。一方、契約期間において苦情のなかったアプリ利用者については、プラス評価を付与し、評価に応じて、不動産物件等の賃料を変動させるようにしてもよい。
【0070】
本発明は、言語ごとに回答を関連付けて記憶することにより、どのような言語を使用するアプリ利用者に対しても、ストレスなく利用可能な情報検索システムを提供することができる。
【0071】
本発明は、問合せを受け付けた言語を特定し、特定された言語が所定の言語以外の言語であった場合に、問合せ内容を所定の言語に変換して回答を検索し、回答を特定された言語に変換することにより、回答マスタテーブルのメンテナンスを所定の言語でのみ行えばよく、問合せと回答情報とを管理する管理会社は、複数の言語に長けた人材を抱える必要がなくなり、管理会社の負荷を減じることができる。また、アプリ利用者は、問合せに使用した言語と、同じ言語で回答を得ることができるため、回答の内容を理解するのが容易となる。
【0072】
本発明は、記憶された回答以外にも、インターネットから情報を検索することにより、不動産の管理業務とは関連性の低い質問、つまり、専門的な質問だけでなく、一般的な質問も網羅することで、アプリ利用者の利便性を高めることができる。
【0073】
本発明は、検索された情報ごとに、問合せ内容との合致度を測定し、測定された合致度に基づいて、検索された情報を並べ替えることにより、問合わせ内容と合致した回答を閲覧しやすくすることができる。
【0074】
上記では、不動産等の管理会社のコンシェルジュサービスを例示して説明したが、本発明はこれに限定されない。記載された内容を適宜変更して、例えば、コンビニエンスストアや観光地の案内所等に適用することも可能である。
【符号の説明】
【0075】
1 サーバ装置
2 通信ネットワーク
3 端末装置
4 管理者端末装置
5 情報検索システム
200 回答マスタテーブル
300 回答マスタテーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6