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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-14
(45)【発行日】2022-02-22
(54)【発明の名称】畝立機
(51)【国際特許分類】
   A01B 13/02 20060101AFI20220215BHJP
【FI】
A01B13/02 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020095198
(22)【出願日】2020-06-01
(65)【公開番号】P2021185840
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2020-06-01
(73)【特許権者】
【識別番号】520192359
【氏名又は名称】株式会社アグリアタッチ研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100098936
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100098888
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 明子
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 誠
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 清
(72)【発明者】
【氏名】笹岡 弘和
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1708629(KR,B1)
【文献】特開2009-268446(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動農機側に固定された連結部に回動可能に連結される回動部側には、前記回動部に回動支点の下側で固定され後方に突出する基部と、前記基部に設けられた被ガイド部と、前記回動部に前記回動支点の上側で一端側が軸周りに回転可能に支持され、他端側が後方に向かって斜め下方に延びるボールねじ軸を備え、
畝整形板側には、前記畝整形板に固定され前方が開口した収容筒と、前記収容筒に設けられたガイド部と、前記収容筒の上面に一端側が回動可能に支持され、他端側が前方に向かって斜め上方に延びるナット筒を備え、
更に、前記連結部に対して前記回動部を所定の連結位置で回動不能に規制する規制手段と、前記規制手段を解除する解除手段を備え、
前記ボールねじ軸に前記ナット筒が螺進退可能に外嵌され、前記収容筒に前記基部が収容されて前記被ガイド部が前記ガイド部にガイド係合しており、前記ナット筒の螺進退により前記畝整形板が畝立てロータの回転軸を中心とする円周に沿って移動することで位置調整され、前記回動部の規制が解除されて前記畝整形板が後上がり可能になっても、前記回動部、前記基部、前記ボールねじ軸、前記ナット筒、前記収容筒の相互の位置関係は維持されることを特徴とする畝立機。
【請求項2】
請求項1に記載した畝立機において、
規制手段は、回動支点の下側に設けられた連結部側のストッパ部および基部側の押し面の当たり構造と、前記回動支点の上側に設けられた前記連結部側の係合部および回動部側の係止部の当たり構造と、前記係合部の向きを当たり方向に付勢する付勢手段を備え、
解除手段は、前記係合部の当たり方向を付勢に抗して動かすことを特徴とする畝立機。
【請求項3】
請求項2に記載した畝立機において、
解除手段は、一端が係合部側に連結され、緊張による引張りにより付勢に抗して反対方向に後退させるワイヤーで構成されていることを特徴とする畝立機。
【請求項4】
請求項3に記載した畝立機において、
回動部と連結部はそれぞれ間隔をあけて平行に立ち上がった一対の板面部を有し、前記回動部側では前記一対の板面部のそれぞれの内面に一対の被係止凸部が設けられ、前記連結部側では前記一対の板面部に架設された回動軸に一対の係止凸部が設けられており、前記係止凸部の一方がスプリングを介して連結部側に連結され、他方はワイヤーに連結されていることを特徴とする畝立機。
【請求項5】
請求項3または4に記載した畝立機において、
ワイヤーの他端はレバーに固定されており、前記レバーを押し下げることにより緊張することを特徴とする畝立機。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載した畝立機において、
基部の左右方向両側にそれぞれ外方に向かって被ガイド部としてガイド凸部が突設され、収容筒の左右方向両側にそれぞれガイド部としてガイド溝が形成されていることを特徴とする畝立機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動農機に連結する畝立機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
畝立機は、特許文献1に記載のように、畝立てロータと畝整形板を備えており、移動農機の後部に連結されて使用される。当該移動農機を前進させながら、畝立てロータが回転し、土を寄せて盛り上げ、トンネル型の畝整形板によりその盛り上げた土を押圧することで整形して、丸畝(蒲鉾型)や台形型の断面形状で所定の高さの畝を形成するようになっている。
【0003】
畝は作る野菜や土の質によって必要な高さが異なっており、低い畝を形成するときには地面を浅く掘り返すように畝立てロータの回転軸を比較的高い位置に設定すればよいが、高い畝を形成するときには畝立てロータを地中深くまで掘り下げて多量の土を畝の中央に寄せるようにしなければならず、この場合には畝立てロータの回転軸を十分に低い位置に設定する必要がある。これに対して、特許文献1では、必要な高さの畝を得るためには、畝立てロータ1の回転軸の地上高を調節する必要がある。すなわち、低い畝を形成するには地面を浅く掘り返すように畝立てロータ1の回転軸を比較的高い位置に設定すればよいが、高い畝を形成するには畝立てロータ1は地中深くまで掘り下げて多量の土を畝の中央に寄せる必要があり、従ってこの場合畝立てロータ1の回転軸は充分に低い位置に設定しなければならない。移動農機に対する畝整形板の連結角度を調節可能に構成することにより、畝立てロータの昇降調節を適宜可能にしている。
【0004】
また、畝立て作業の開始の際には、畝立てロータの土への食い込みを畝整形板が邪魔する位置にあることから、完全な形状の畝が形成されるまでは、比較的長い距離を無駄に走行させることになり、その走行分は後で手作業による畝立てで対応していた。これに対して、特許文献2では、移動農機に対する畝整形板の連結を一時的に解除可能な構成にして畝の立ち上がりの際に畝整形板が後ろ上がり可能にすることにより、土へ食い込み易くして畝の立ち上がりを早くしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実開平4-68601号公報
【文献】実開昭63-119302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
畝の高さの調整機能と畝の素早い立ち上がり機能はいずれも従来から求められているものであるが、それぞれの機能を実現するための最適な構造として、特許文献1では、移動農機側に固定した複数の雄体のいずれかに畝整形板側に固定した雌体が外嵌されて畝整形板が連結されるようになっており、特許文献2では、移動農機側に固定した筒体に畝整形板側に固定した取付バーが挿入されてピン係止を介して畝整形板が連結されるようになっており、それぞれ、専用機能品になっている。
【0007】
本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、畝の高さの調整機能と畝の素早い立ち上がり機能を同時に満足でき、更に、畝の高さについては雄体の数に制限されずに微妙な調整が可能なように進化させた、新規且つ有用な畝立機を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための、請求項1記載の発明は、移動農機側に固定された連結部に回動可能に連結される回動部側には、前記回動部に回動支点の下側で固定され後方に突出する基部と、前記基部に設けられた被ガイド部と、前記回動部に前記回動支点の上側で一端側が軸周りに回転可能に支持され、他端側が後方に向かって斜め下方に延びるボールねじ軸を備え、畝整形板側には、前記畝整形板に固定され前方が開口した収容筒と、前記収容筒に設けられたガイド部と、前記収容筒の上面に一端側が回動可能に支持され、他端側が前方に向かって斜め上方に延びるナット筒を備え、更に、前記連結部に対して前記回動部を所定の連結位置で回動不能に規制する規制手段と、前記規制手段を解除する解除手段を備え、前記ボールねじ軸に前記ナット筒が螺進退可能に外嵌され、前記収容筒に前記基部が収容されて前記被ガイド部が前記ガイド部にガイド係合しており、前記ナット筒の螺進退により前記畝整形板が畝立てロータの回転軸を中心とする円周に沿って移動することで位置調整され、前記回動部の規制が解除されて前記畝整形板が後上がり可能になっても、前記回動部、前記基部、前記ボールねじ軸、前記ナット筒、前記収容筒の相互の位置関係は維持されることを特徴とする畝立機である。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載した畝立機において、規制手段は、回動支点の下側に設けられた連結部側のストッパ部および基部側の押し面の当たり構造と、前記回動支点の上側に設けられた前記連結部側の係合部および回動部側の係止部の当たり構造と、前記係合部の向きを当たり方向に付勢する付勢手段を備え、解除手段は、前記係合部の当たり方向を付勢に抗して動かすことを特徴とする畝立機である。
【0010】
請求項3の発明は、請求項2に記載した畝立機において、解除手段は、一端が係合部側に連結され、緊張による引張りにより付勢に抗して反対方向に後退させるワイヤーで構成されていることを特徴とする畝立機である。
【0011】
請求項4の発明は、請求項3に記載した畝立機において、回動部と連結部はそれぞれ間隔をあけて平行に立ち上がった一対の板面部を有し、前記回動部側では前記一対の板面部のそれぞれの内面に一対の被係止凸部が設けられ、前記連結部側では前記一対の板面部に架設された回動軸に一対の係止凸部が設けられており、前記係止凸部の一方がスプリングを介して連結部側に連結され、他方はワイヤーに連結されていることを特徴とする畝立機である。
【0012】
請求項5の発明は、請求項3または4に記載した畝立機において、ワイヤーの他端はレバーに固定されており、前記レバーを押し下げることにより緊張することを特徴とする畝立機である。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1から5のいずれかに記載した畝立機において、基部の左右方向両側にそれぞれ外方に向かって被ガイド部としてガイド凸部が突設され、収容筒の左右方向両側にそれぞれガイド部としてガイド溝が形成されていることを特徴とする畝立機である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の畝立機によれば、畝の高さの調整機能と畝の素早い立ち上がり機能を同時に満足でき、更に、畝の高さについては雄体の数に制限されずに微妙な調整が可能なように進化している。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施の形態に係る畝立機の側面方向の概略的レイヤー重畳図である。
図2図1の畝の素早い立ち上がり機能を説明するための、補助的レイヤー重畳図である。
図3】畝の素早い立ち上がり機能を説明するために、図1から畝整形板が後上がりになった状態に変化させた概略的レイヤー重畳図である。
図4図1の畝の高さの調整機能を説明するための、補助的レイヤー重畳図である。
図5図1の基部と連結部の全体の連結状態を示すイメージ的斜視図である。
図6図5の基部と連結部側のカムのイメージ的分解斜視図である。
図7図6の基部とカムの連結状態を示すイメージ的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態に係る畝立機について、図面にしたがって説明する。
図1図5に示すように、移動農機1の後部には連結部3が固定されている。この連結部3は一対の上板面部5a、5aが平行に連なっており、その板面は左右方向を向いている。この上板面部5a、5aの間には支持軸7が固定されている。この支持軸7の軸方向は板面と直交している。支持軸7は上板面部5a、5aの前方下側の角縁部寄りに固定されている。上板面部5a、5aの両前縁に補強を兼ねた取付板9が架設されて固定されている。この取付板9にはスプリング端の掛止孔9aが形成されている。
【0017】
上板面部5a、5aにそれぞれ下板面部5b、5bが板面を重ね合わせて固定されている。下板面部5bは直角三角形状になっており、直角に立たせた状態でその頂角部が上板面部5aの前方下側の角縁部に固定されており、下板面部5bの後縁側が上下方向に延びている。この後縁側がストッパ部11として利用されている。なお、図5では、視認の便宜のため、下板面部5bは手前側のみ示されている。
【0018】
上板面部5a、5aの間には、前方上側の角隅部寄りに、更にカム軸13が支持軸7と平行に取付けられている。このカム軸13は上板面部5a、5aに対して回動可能になっている。図6に示すように、カム軸13の軸方向両側には一対のカム15、17が固定されており、一対のカム15、17は同期して回動する。これらのカム15、17の係合爪15a、17aは同じ形状になっているが、その反対側は異なり、カム15の反対側の短小端部にはスプリング19の一端が連結されている。図5に示すように、このスプリング19の他端は上記した掛止孔9aで掛止されている。このスプリング19の取付けにより、カム15、17は回動部23(後述)の回動による畝整形板31(後述)の後上がりを阻止する方向に弾性的に付勢される。
【0019】
カム17の反対側の長大端部にはワイヤー21の一端が固定されている。このワイヤー21が後方に引っ張られると、スプリング19による付勢方向と反対方向にカム15、17が強制的に回動する。
なお、ワイヤー21は後方に引っ張られるようになっているが、方向変換部(図示省略)を介して前方に連なって、図2に示すように、その他端はグリップに取付けられたレバー22に固定されており、レバー22を矢印に示すように押し下げるとワイヤー21が緊張して後方に引っ張られるようになっている。
【0020】
回動部23は一対の板面部25、25で構成されており、この一対の板面部25、25が四角筒状の基部27の上平面から平行に立ち上がっている。基部27は前後方向に長く延びている。基部27の左右方向の側面にはそれぞれピン穴27a、27aが一対前後方向に間隔をあけて形成されている。
基部27の左右方向の縁部に沿って前方寄りに回動部23の板面部25、25が固定されており、板面は左右方向を向いている。すなわち、基部27は後方に突出している。
【0021】
板面部25、25にはそれぞれ前方下側の角隅部寄りに回動穴25a、25aが形成され、そこに連結部3側の支持軸7が遊嵌されて連結されており、回動部23の板面部25、25は一定の間隔を維持しながら連結部3に対して回動可能になっている。この連結状態では、支持軸7の周囲では板面部25、25に上板面部5a、5aが左右方向外側から被さっている。基部27の前側縁面は押し面となって連結部3のストッパ部11に当たるので、連結部3に対して基部27の後端を下げる方向への回動部23の回動は阻止される。
【0022】
板面部25、25の内面にはそれぞれ係止凸部29、29が形成されており、この係止凸部29の受け面29aは前方を向いている。
連結部3側のカム15、17のそれぞれの係合爪15a、17aがこの受け面29a、29aに係合すると、連結部3に対して基部27の後端を上げる方向への回動部23の回動は阻止される。スプリング19により係合方向に付勢されているので、その付勢が作用され続ける限りその回動は阻止される。
一方、ワイヤー21が後方に引っ張られると、カム15、17が付勢に抗して強制的に回動されて係合状態が解除される。従って、連結部3に対して基部27の後端を上げる方向への回動が許容される。
【0023】
移動農機1の連結部3に対して、畝整形板31側は回動部23および基部27を介して上記のように連結されており、係合解除により、連結部3に対して畝整形板31が後上がりに移動可能になる。従って、図3に示すように、畝整形板31が土から抵抗を受けると後上がりして逃げるので、畝立て作業の開始の際には、畝立てロータ45の土への食い込みを邪魔せず、素早い立ち上がりを可能とする。
【0024】
図1に示すように、畝整形板31側では、更に、連結部3に直接連結する回動部23および基部27側と畝整形板31の固定側とに分かれている。
回動部23の上端側には取付け穴23aが形成されており、そこに取付けられた装着部32にボールねじ軸33が挿通されている。この装着部32に挿入されたボールねじ軸33にはナット(図示省略)が螺着され、更に割りピン(図示省略)が挿入されており、軸方向に移動不能に、かつ軸周りに回転可能に取付けられている。このボールねじ軸33は後方に向かって斜め下方に延びている。ボールねじ軸33の一端部にはクランクハンドル35が取付けられており、このクランクハンドル35を回すことでボールねじ軸33が軸周りに回転するようになっている。
【0025】
一方、畝整形板31の前側には左右方向中間部の位置に、取付けバー37を介して収容筒39が取付けられ固定されている。収容筒39は基部27に相似形で一回り大きく、前方が開口している。収容筒39の左右方向の側面部にはそれぞれ一対の長孔状のガイド溝39a、39aが形成されている。この収容筒39の後側は上面が傾斜して角錐状に収束しており、その頂部側に取付けバー37を介して畝整形板31が連なっている。
また、上面が傾斜面に変わる境界部位の上方にリンク軸41が持ち上げ支持されている。このリンク軸41は左右方向に延びており、ナット筒43の筒底側が回動可能に結合されている。従って、ナット筒43はリンク軸41を支点として回動して、収容筒39との交差角度を変更可能になっている。
【0026】
基部27に収容筒39が後方から差し込まれて収容されている。基部27のピン穴27a、27aにガイド凸部としてピン27b、27bの基端部が挿入固定されて左右方向外方に突出しており、収容状態では、このピン27b、27bが収容筒39のガイド溝39a、39aに摺動可能に嵌り込んでガイドされている。
従って、収容筒39は、ピン27b、27bがガイド溝39a、39a内を摺動できる軌道の範囲で、基部27に対して移動可能になっている。
【0027】
ナット筒43は先端側開口がボールねじ軸33の挿入口になっており、ボールねじ軸33がナット筒43に進退可能に挿入されている。
上記のように構成されて、連結部3に直接連結する回動部23および基部27側と畝整形板31の固定側とが連結されている。
【0028】
クランクハンドル35を回してボールねじ軸33を軸周りに回転させると、ナット筒43が螺進退することにより、ボールねじ軸33とナット筒43で構成される1本の軸が伸縮する。ボールねじ軸33と回動部23との交差角度は固定されているので、図4に示すように、この軸が縮小すると、収容筒39は上記したガイド軌道に沿って動きつつ、ナット筒43に対して回動して後上がりに持ち上げられる。
収容筒39はナット筒43に対して回動可能に持ち上げ支持されており、ピン27b側に収容筒39を介した畝整形板31の重量負担が掛かるのが阻止されている。
収容筒39の上記した動作により、収容筒39に連結された畝整形板31は畝立てロータ45の回転軸を中心とした円周上を連続的に位置調整可能になっており、位置の自由度が高くなっている。また、緩やかに動くので、微妙な調整が容易になっている。
【0029】
上記のように畝整形板31の位置が調整された後は回動部23、基部27、ボールねじ軸33、ナット筒43、収容筒39の位置関係はクランクハンドル35を回さない限りは維持される。
畝整形板31の位置を調整しておき、その後に畝立て作業を開始する際に最初の段階でワイヤー21を引っ張って係合解除すれば、畝整形板31を後上がりに逃げさせて畝を素早く立ち上がらせることができる。その後に、ワイヤー21を緩ませて再び係合状態にすれば、上記の位置関係を維持した回動部23側が連結部3に対して所定の係合位置で再び回動不能に連結されて、畝整形板31は調整した位置に戻ることになる。畝整形板31の自重が土に一気に入ろうとする力として作用するので、戻り易くなっている。
すなわち、畝の高さの調整機能と畝の素早い立ち上がり機能を同時に満足でき、更に、畝の高さについては微妙な調整が可能になっている。
【0030】
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的構成は、この実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても発明に含まれる。
例えば、ガイド溝は、調整の安定性を考慮して一対設けられているが、この数に限定されるわけではない。
【符号の説明】
【0031】
1…移動農機 3…連結部 5a…上板面部 5b…下板面部
7…支持軸 9…取付板 9a…掛止孔 11…ストッパ部
13…カム軸 15…カム 15a…係合爪 17…カム
17a…係合爪 19…スプリング 21…ワイヤー 22…レバー
23…回動部 23a…取付け穴 25…板面部 25a…回動穴
27…基部 27a…ピン穴 27b…ピン 29…係止凸部
29a…受け面 31…畝整形板 32…装着部 33…ボールねじ軸
35…クランクハンドル 37…取付けバー 39…収容筒
39a…ガイド溝 41…リンク軸 43…ナット筒 45…畝立てロータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7