IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 中野冷機株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-ショーケースのフードカバー装置 図1
  • 特許-ショーケースのフードカバー装置 図2
  • 特許-ショーケースのフードカバー装置 図3
  • 特許-ショーケースのフードカバー装置 図4
  • 特許-ショーケースのフードカバー装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-14
(45)【発行日】2022-02-22
(54)【発明の名称】ショーケースのフードカバー装置
(51)【国際特許分類】
   A47F 3/04 20060101AFI20220215BHJP
   F25D 23/02 20060101ALI20220215BHJP
   F25D 25/02 20060101ALI20220215BHJP
   F25D 11/00 20060101ALI20220215BHJP
【FI】
A47F3/04 H
F25D23/02 302
F25D25/02 J
F25D11/00 101C
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018110871
(22)【出願日】2018-06-11
(65)【公開番号】P2019213585
(43)【公開日】2019-12-19
【審査請求日】2021-05-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000213493
【氏名又は名称】中野冷機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088720
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 眞一
(72)【発明者】
【氏名】湯沢 一昭
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3130938(JP,U)
【文献】特開2013-256769(JP,A)
【文献】特開2003-47543(JP,A)
【文献】実開昭54-131160(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 3/00-3/14
F25D 23/02
F25D 25/02
F25D 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ショーケースの商品陳列棚上に載置され、この商品陳列棚の手前側と奥側との前後方向に延出する左右一対の脚部と、
下端側を前記脚部に連結されて上向きに延出し、前後方向に回動可能な左右一対の腕部と、
前記腕部の上端部に設けられ、前記商品陳列棚の手前側と奥側との両端が下向きとなる弧状に湾曲した案内溝を有する左右一対の保持部と、
左右両側に前記案内溝にスライド可能に嵌合する突部を有し、前記商品陳列棚の手前側と奥側との両端が下向きとなる弧状に湾曲し、前記商品陳列棚上に陳列された商品の上方を閉止する閉止位置と前記商品の上方を開放する開放位置との間で前後方向に回動可能なフードカバーとを有し、
前記閉止位置から前記開放位置への前記フードカバーの回動動作は、
閉止位置に位置する前記フードカバーの前記突部が前記案内溝内をスライドしてこの案内溝における前記商品陳列棚の奥側の端部に到達するまで前記フードカバーが単独で後方に回動し、
前記突部が前記案内溝の奥側の端部に到達した後は前記フードカバーが前記腕部と共に前記商品陳列棚の奥側に回動するように行われることを特徴とするショーケースのフードカバー装置。
【請求項2】
前記ショーケースが前記商品陳列棚の手前側上方に位置する冷気吹出口から吹出して前記商品陳列棚の手前側下方に位置する冷気吸込口に吸い込まれる冷気のエアカーテンを形成する場合、前記閉止位置に位置する前記フードカバーは、前記冷気吹出口から吹き出して前記冷気吸込口に向かう冷気のエアカーテンの流れる方向に沿って傾斜していることを特徴とする請求項1記載のショーケースのフードカバー装置。
【請求項3】
前記ショーケースが前記商品陳列棚の手前側上方に位置する冷気吹出口から吹出して前記商品陳列棚の手前側下方に位置する冷気吸込口に吸い込まれる冷気のエアカーテンを形成する場合、前記閉止位置に位置する前記フードカバーの前記商品陳列棚の手前側の下端部と前記商品陳列棚の上面との間には、前記商品陳列棚と前記フードカバーとの間に流入した冷気が前記冷気のエアカーテンの方向に流れる隙間が設けられていることを特徴とする請求項1記載のショーケースのフードカバー装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショーケースの商品陳列棚上に陳列された商品を落下する塵や埃から保護できるようにしたショーケースのフードカバー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗では、様々な形態のショーケースが用いられており、これらのショーケースにおいては、商品陳列棚上に陳列された商品を落下する塵や埃から保護したいという要望があり、下記特許文献1に記載されたように、フードを備えたスニーズガードを設けたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-226058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されているショーケースは、商品陳列室内の商品陳列棚は1段のみであり、フードはショーケースの上部に1つ設けられているだけである。このため、商品陳列室内に上下方向に複数段の商品陳列棚が設けられた場合には、最上段の商品陳列棚上に陳列されている商品についてはフードによって落下する塵や埃から保護することはできるが、二段目以下の商品陳列棚上に陳列されている商品については、その商品とフードとの距離が大きくなり、落下する塵や埃からその商品を保護することが難しくなっている。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、商品陳列室内に上下方向に複数段の商品陳列棚が設けられている場合において、各商品陳列棚上に陳列された商品を落下する塵や埃から保護することができるショーケースのフードカバー装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るショーケースのフードカバー装置は、ショーケースの商品陳列棚上に載置され、この商品陳列棚の手前側と奥側との前後方向に延出する左右一対の脚部と、下端側を前記脚部に連結されて上向きに延出し、前後方向に回動可能な左右一対の腕部と、前記腕部の上端部に設けられ、前記商品陳列棚の手前側と奥側との両端が下向きとなる弧状に湾曲した案内溝を有する左右一対の保持部と、左右両側に前記案内溝にスライド可能に嵌合する突部を有し、前記商品陳列棚の手前側と奥側との両端が下向きとなる弧状に湾曲し、前記商品陳列棚上に陳列された商品の上方を閉止する閉止位置と前記商品の上方を開放する開放位置との間で前後方向に回動可能なフードカバーとを有し、前記閉止位置から前記開放位置への前記フードカバーの回動動作は、閉止位置に位置する前記フードカバーの前記突部が前記案内溝内をスライドしてこの案内溝における前記商品陳列棚の奥側の端部に到達するまで前記フードカバーが単独で後方に回動し、前記突部が前記案内溝の奥側の端部に到達した後は前記フードカバーが前記腕部と共に前記商品陳列棚の奥側に回動するように行われることを特徴とする。
【0007】
また、前述のショーケースのフードカバー装置において、前記ショーケースが前記商品陳列棚の手前側上方に位置する冷気吹出口から吹出して前記商品陳列棚の手前側下方に位置する冷気吸込口に吸い込まれる冷気のエアカーテンを形成する場合、前記閉止位置に位置する前記フードカバーは、前記冷気吹出口から吹き出して前記冷気吸込口に向かう冷気のエアカーテンの流れる方向に沿って傾斜していることが望ましい。
【0008】
また、前述のショーケースのフードカバー装置において、前記ショーケースが前記商品陳列棚の手前側上方に位置する冷気吹出口から吹出して前記商品陳列棚の手前側下方に位置する冷気吸込口に吸い込まれる冷気のエアカーテンを形成する場合、前記閉止位置に位置する前記フードカバーにおける前記商品陳列棚の手前側の下端部と前記商品陳列棚の上面との間には、前記商品陳列棚と前記フードカバーとの間に流入した冷気が前記冷気のエアカーテンの方向に流れる隙間が設けられていることが望ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るショーケースのフードカバー装置によれば、このフードカバー装置は商品陳列棚上に載置され、商品陳列棚上に陳列された商品の上方を閉止する閉止位置とその商品の上方を開放する開放位置とに前後方向に回動可能なフードカバーを有するので、フードカバーが閉止位置に回動した場合には商品陳列棚上に陳列された商品を落下する塵や埃から保護することができる。そして、ショーケース内の商品陳列棚が上下方向に複数段設けられている場合でも、各商品陳列棚毎にフードカバー装置を載置することにより、各商品陳列棚上に陳列された商品を落下する塵や埃から保護することができる。さらに、フードカバーが閉止位置から開放位置へ回動する場合、回動動作の前半ではフードカバーが脚部の上端部に設けられた保持部の案内溝にそって商品陳列棚の奥側へ単独で回動し、回動動作の後半では脚部と共にフードカバーが開放位置まで回動する。このように、フードカバーの閉止位置から開放位置への回動を二段階とすることにより、フードカバーが閉止位置から開放位置へ回動する全行程で脚部と共に回動する場合に比べて、フードカバーの上方への移動寸法を抑えることができ、これにより、フードカバー装置を各商品陳列棚の上に載置した場合でも上下の商品陳列棚の間隔を小さくしてショーケースの小型化、或いは、商品陳列棚の多段化を図ることができる。
【0010】
また、ショーケースが商品陳列棚の手前側上方に位置する冷気吹出口から吹出して商品陳列棚の手前側下方に位置する冷気吸込口に吸い込まれる冷気のエアカーテンを形成する場合、閉止位置に位置するフードカバーは、冷気吹出口から吹き出して冷気吸込口に向かう冷気のエアカーテンの流れる方向に沿って傾斜しているので、この閉止位置に位置するフードカバーは冷気のエアカーテンの形成を助長することができ、商品陳列棚上に陳列されている商品に対する冷気のエアカーテンによる冷却性能を高めることができる。
【0011】
また、ショーケースが商品陳列棚の手前側上方に位置する冷気吹出口から吹出して商品陳列棚の手前側下方に位置する冷気吸込口に吸い込まれる冷気のエアカーテンを形成する場合、閉止位置に位置するフードカバーにおける商品陳列棚の手前側の下端部と商品陳列棚の上面との間には、商品陳列棚とフードカバーとの間に流入した冷気が、冷気のエアカーテンの方向に流れる隙間が設けられているので、商品陳列棚の上面とフードカバーとの間を流れる冷気により商品陳列棚上に陳列されている商品の冷却性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】フードカバーが閉止位置に位置するフードカバー装置を示す斜視図である。
図2】フードカバーが閉止位置に位置するフードカバー装置を示す側面図である。
図3】フードカバーが閉止位置と開放位置との間に位置するフードカバー装置を示す側面図である。
図4】フードカバーが開放位置に位置するフードカバー装置を示す側面図である。
図5】フードカバー装置の使用状態を示すショーケースの断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施形態について、図面に基づいて説明する。図1はフードカバー装置1を示す斜視図、図2ないし図4はフードカバー装置1を示す側面図、図5はフードカバー装置1の使用状態を示すショーケース2の断面側面図である。このフードカバー装置1は図5に示すように、ショーケース2の商品陳列棚3の上に載置され、商品陳列棚3の上に陳列されている商品の上に塵や埃が落下することを防止するために使用される。このフードカバー装置1は、一対の脚部4、一対の腕部5、一枚のフードカバー6等により構成されている。
【0014】
一対の脚部4は、フードカバー装置1を商品陳列棚3の上に載置した場合に商品陳列棚3の上面に接する部材であり、商品陳列棚3の手前側と奥側との前後方向に向けて平行に延出している。これらの左右一対の脚部4は、前後一対の連結片7により連結され、平行状態を維持されている。
【0015】
一対の腕部5は、その下端部が脚部4の前後方向の略中央部に左右方向の中心線を有する支軸8により連結され、上向きに延出している。そして、これらの腕部5は、支軸8の中心線回りに前後方向(商品陳列棚3における手前側と奥側)に回動可能とされている。また、腕部5における下端側に寄った位置には、外向きに張り出して折り曲げられた折曲部9が形成されている。これらの折曲部9は、腕部5が前後方向に回動した場合に脚部4に形成された切欠部10又は突起部11に係合し、腕部5の前後方向への回動範囲を規制するようになっている。
【0016】
腕部5の上端部には、前端(商品陳列棚3における手前側)と後端(商品陳列棚3における奥側)とが下向きとなる弧状に湾曲した保持部12が設けられている。これらの保持部12には、前端と後端とが下向きとなる弧状に湾曲した二つの案内溝13a、13bが形成されている。
【0017】
フードカバー6は、透明な樹脂により形成され、前端(商品陳列棚3における手前側)と後端(商品陳列棚3における奥側)とが下向きとなる弧状に湾曲した形状とされている。フードカバー6の左右方向の両端部にはそれぞれ一対の突部14a、14bが形成されており、これらの突部14a、14bは、案内溝13a、13bに嵌合し、案内溝13a、13b内をスライド可能とされている。フードカバー6の前端側外周部には、フードカバー6を回動操作する際に手を掛ける部分である取手部15が設けられている。
【0018】
図2は、商品陳列棚3上に容器16に入った商品が陳列され、及び、商品陳列棚3上にフードカバー装置1が載置され、さらに、フードカバー6が商品の上方を閉止する閉止位置に回動している状態を示している。この状態では、突部14a、14bは案内溝13a、13bにおける商品陳列棚3の手前側の端部に係合している。また、腕部5の折曲部9が脚部4の切欠部10に係合し、腕部5がそれ以上商品陳列棚3の手前側に回動することが規制されている。
【0019】
図3は、閉止位置に位置するフードカバー6の取手部15に手を掛け、フードカバー6を商品陳列棚3の奥側(矢印A方向)へ押した状態を示している。閉止位置に位置するフードカバー6が矢印A方向に押されると、案内溝13a、13bに係合している突部14a、14bが案内溝13a、13b内をスライドし、フードカバー6は図3に示すように、スライドした突部14a、14bが案内溝13a、13bにおける商品陳列棚3の奥側の端部に到達する位置まで単独で回動する。
【0020】
図4は、突部14a、14bが案内溝13a、13bにおける商品陳列棚3の奥側の端部に到達した後、引き続きフードカバー6を商品陳列棚3の奥側方向に押した状態を示している。突部14a、14bが案内溝13a、13bにおける商品陳列棚3の奥側の端部に到達した後にフードカバー6が引き続き商品陳列棚3の奥側方向に押されると、腕部5が支軸8の回りに商品陳列棚3の奥側(矢印B方向)に回動し、フードカバー6は腕部5と一体に回動し、やがて、腕部5の折曲部9が脚部4の突起部11に当接することによりこの回動動作が規制され、図4に示すようにフードカバー6は開放位置に位置することになる。
【0021】
図5は、冷気の循環機能を備えたショーケース2の商品陳列棚3の上にフードカバー装置1を載置した状態を示している。ショーケース2は、断熱材により断面形状コの字型に形成された本体ケース17を有し、本体ケース17の正面側に開口18が形成され、本体ケース17の内部に商品陳列室19が形成されている。そして、この商品陳列室19内に上下方向に沿って複数段の商品陳列棚3が設けられている。
【0022】
また、ショーケース2には、本体ケース17の内周に沿って冷気が流れる冷気ダクト20が形成され、この冷気ダクト20内に冷却器21と送風ファン22とが設置されている。そして、冷却器21が駆動されることにより冷気ダクト20内の空気が冷やされて冷気が生成され、生成された冷気は送風ファン22が駆動されることにより冷気ダクト20内を流れるようになっている。なお、冷却器21には、冷媒を圧縮する圧縮機(図示せず)、圧縮された冷媒を凝縮する凝縮器(図示せず)、凝縮された冷媒を断熱膨張させる膨張弁(図示せず)等が接続されている。
【0023】
冷気ダクト20の一端には、最上位の商品陳列棚3の手前側上方に位置して斜め下方向きに開口する冷気吹出口23が形成されている。冷気ダクト20の他端には、最下位の商品陳列棚3の手前側下方に位置して上向きに開口する冷気吸込口24が形成されている。冷気ダクト20内を流れた冷気は、冷気吹出口23から下向きに吹出して冷気吸込口24から吸い込まれ、再び冷気ダクト20を流れるようになっている。そして、冷気吹出口23から吹き出して冷気吸込口24から吸い込まれる冷気により、開口18を覆う冷気のエアカーテンが形成されている。
【0024】
商品陳列棚3の上に載置されたフードカバー装置1のフードカバー6が閉止位置に回動している場合、そのフードカバー6は、冷気吹出口23から吹き出して冷気吸込口24に向かう冷気のエアカーテンの流れる方向に沿って傾斜している。
【0025】
また、商品陳列棚3の上に載置されたフードカバー装置1のフードカバー6が閉止位置に回動している場合、閉止位置に位置するフードカバー6における商品陳列棚3の手前側の下端部と商品陳列棚3の上面との間には、隙間25が設けられている。そして、冷気ダクト20の壁面であって商品陳列棚3の上面側に対向する部分には冷気ダクト20内を流れる冷気の一部が通過可能な複数の冷気通気孔26が形成されている。この冷気通気孔26を通って商品陳列棚3とフードカバー6との間に流入した冷気は、隙間25を通って冷気のエアカーテンの方向に流れるようになっている。
【0026】
このような構成において、図5に示すように、商品陳列棚3の上にフードカバー装置1が載置され、フードカバー6が閉止位置と開放位置とに回動可能に設けられているので、フードカバー6を閉止位置に回動させておくことにより、商品陳列棚3の上に陳列されている商品を落下する塵や埃から保護することができる。また、フードカバー装置1は各商品陳列棚3毎に載置されているので、どの商品陳列棚3に陳列されている商品についても落下する塵や埃から保護することができる。なお、フードカバー6を閉止位置から開放位置へ回動させることにより、商品陳列棚3の上に陳列されている商品の上方が開放され、商品を取出すことができる。
【0027】
フードカバー6を閉止位置から開放位置へ回動させる場合には、閉止位置に位置しているフードカバー6を商品陳列棚3の奥側へ押す。すると、フードカバー6は図3に示すように案内溝13a、13bに沿って商品陳列棚3の奥側へ単独で回動し、引き続き同じ方向にフードカバー6を押すことにより、図4に示すようにフードカバー6は腕部5と共に商品陳列棚3の奥側へ回動し、最終的に開放位置まで回動し、閉止位置から開放位置へのフードカバー6の回動が二段階に行われる。このため、フードカバー6が閉止位置から開放位置へ回動する全行程で脚部と共に回動する場合に比べて、フードカバー6の上方への移動寸法を抑えることができる。これにより、フードカバー装置1を各商品陳列棚3の上に載置した場合でも上下の商品陳列棚3の間隔を小さくすることができ、商品陳列棚3の段数が同じであるならばショーケース2の小型化を図ることができ、或いは、ショーケース2のサイズが同じであるならば商品陳列棚3の多段化を図ることができる。
【0028】
また、ショーケース2が冷気の循環機能を備えている場合には、図5に示すように、閉止位置に位置するフードカバー6は、冷気吹出口23から吹き出して冷気吸込口24に向かう冷気のエアカーテンの流れる方向に沿って傾斜しているので、この閉止位置に位置するフードカバー6は冷気のエアカーテンの形成を助長することができ、商品陳列棚3の上に陳列されている商品に対する冷気のエアカーテンによる冷却性能を高めることができる。
【0029】
また、ショーケース2が冷気の循環機能を備えている場合には、図5に示すように、閉止位置に位置するフードカバーにおける商品陳列棚3の手前側の下端部と商品陳列棚3の上面との間に隙間25が設けられ、冷気通気孔26を通って冷気ダクト20から商品陳列棚3とフードカバー6との間に流入した冷気が、隙間25を通って冷気のエアカーテンの方向に流れるので、この冷気の流れにより商品陳列棚3の上に陳列されている商品の冷却性能を高めることができる。
【符号の説明】
【0030】
1 フードカバー装置
2 ショーケース
3 商品陳列棚
4 脚部
5 腕部
6 フードカバー
7 連結片
8 支軸
9 折曲部
10 切欠部
11 突起部
12 保持部
13a、13b 案内溝
14a、14b 突部
15 取手部
16 容器
17 本体ケース
18 開口
19 商品陳列室
20 冷気ダクト
21 冷却器
22 送風ファン
23 冷気吹出口
24 冷気吸込口
25 隙間
26 冷気通気孔
図1
図2
図3
図4
図5