(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-14
(45)【発行日】2022-02-22
(54)【発明の名称】サニタリー収納システム
(51)【国際特許分類】
A47K 17/00 20060101AFI20220215BHJP
E05B 49/00 20060101ALI20220215BHJP
A47B 81/00 20060101ALI20220215BHJP
【FI】
A47K17/00
E05B49/00 J
A47B81/00 K
E05B49/00 A
(21)【出願番号】P 2017143767
(22)【出願日】2017-07-25
【審査請求日】2020-07-02
(73)【特許権者】
【識別番号】300076563
【氏名又は名称】原 周平
(74)【代理人】
【識別番号】100081455
【氏名又は名称】橘 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100170966
【氏名又は名称】藤本 正紀
(72)【発明者】
【氏名】原 周平
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-062137(JP,U)
【文献】特開2004-156377(JP,A)
【文献】特開2003-093217(JP,A)
【文献】特開平08-218689(JP,A)
【文献】特開2002-121943(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0186840(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 17/00
E05B 49/00
A47B 81/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛生設備又は該衛生設備の近傍に設置され、複数の収納ボックスを備え衛生用品の収納を行う
情報処理機能を備えた収納装置を有するサニタリー収納システムであって、
前記収納装置は、
複数の施錠可能な収納ボックスを備えた収納部と、
前記収納ボックスの解錠用の認証情報と
該認証情報により解錠が許可されている
収納ボックスの情報とを
対応付けて予め登録して管理するデータベースを格納する情報格納部と、
認証情報を入力する情報入力部と、
前記情報入力部により前記認証情報が入力されると、前記データベースの認証情報を参照し、前記入力された認証情報に基づいて前記収納ボックスの解錠のための認証を行う制御部とを有し、
前記制御部は、認証が成功すると、前記データベースにおいて前記解錠が許可されている収納ボックスを解錠することを特徴とするサニタリー収納システム。
【請求項2】
衛生設備又は該衛生設備の近傍に設置され、複数の収納ボックスを備え衛生用品の収納を行う
情報処理機能を備えた収納装置と、前記収納装置とネットワークを介して接続され、
認証情報を管理するデータベースを格納する管理サーバを有するサニタリー収納システムであって、
前記収納装置は、
複数の施錠可能な収納ボックスを備えた収納部と、
認証時に前記収納ボックスの解錠用の認証情報を入力する情報入力部と、
前記情報入力部により入力された前記認証情報を前記管理サーバへ送信するとともに、前記管理サーバから認証結果を受信する通信部とを有し、
前記管理サーバは、
前記収納ボックスの解錠用の認証情報と
該認証情報により解錠が許可されている
収納ボックスの情報とを
対応付けて予め登録して管理するデータベースを格納する情報格納部と、
前記収納装置の前記情報入力部により入力された認証情報を収納装置から受信するとともに、認証結果を収納装置へ送信する通信部と、
前記管理サーバの通信部により受信された認証情報が前記管理サーバの通信部により入力されると、前記データベースの認証情報を参照し、前記入力された認証情報に基づいて前記収納ボックスの解錠のための認証を行う制御部とを有し、
前記収納装置は、前記管理サーバから前記認証結果を受信すると、該認証結果において解錠が許可されている収納ボックスを解錠することを特徴とするサニタリー収納システム。
【請求項3】
前記データベースは、グループの認証情報と、該グループに所属する複数のユーザの認証情報とを管理し、
前記制御部は、前記ユーザの認証情報が入力されると、前記データベースにおいて該ユーザに割り当てられている収納ボックスを解錠し、前記グループの認証情報が入力されると、前記データベースにおいて、該グループに対応付けられているユーザの全部又は一部に割り当てられている収納ボックスを解錠することを特徴とする請求項1又は2記載のサニタリー収納システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記グループの認証情報について認証が成功したと判断すると、前記グループに所属するユーザに解錠を許可する収納ボックスの登録、変更又は削除を許可することを特徴とする請求項3記載のサニタリー収納システム。
【請求項5】
前記データベースは、前記サニタリー収納システムの管理者の認証情報を管理し、
前記制御部は、前記管理者の認証情報が入力されると、全部、前記グループごと又は任意の収納ボックスの解錠を許可することを特徴とする請求項3又は4記載のサニタリー収納システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記管理者の認証情報について認証が成功したと判断すると、前記グループに解錠を許可する収納ボックスの登録、変更又は削除を許可することを特徴とする請求項5記載のサニタリー収納システム。
【請求項7】
汎用の情報記録媒体であって、自身を識別する認証媒体IDが記録され、該認証媒体IDを外部に出力する認証媒体をさらに有し、
前記情報入力部は、前記認証媒体から出力された前記認証媒体IDを前記認証情報として入力することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のサニタリー収納システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サニタリー収納システムに関し、特に、トイレや洗面所等の衛生設備で用いられる衛生用品の保管を支援するサニタリー収納システムに関する。
【背景技術】
【0002】
トイレ、洗面所、浴室(シャワールーム)等の衛生設備においては、歯ブラシやタオル等の衛生用品が用いられる。
ユーザは、衛生用品を衛生設備において使用するためにこれら衛生用品を自ら用意して、当該衛生設備まで持ち運ぶ必要があり、この点、非常に煩わしいという問題があった。
また、ユーザは、衛生用品を衛生設備に持って来ることを忘れることもあり、再度、取りに帰らなければならないこともあった。
【0003】
上記のような衛生用品の持ち運びに関する問題点を解決する従来技術の1つとして、特許文献1が開示するところの洗面化粧台が提案されている。
特許文献1の洗面化粧台は、トイレや洗面室等の衛生設備に設置される洗面化粧台であり、洗面鏡及び洗面ボールとともに、歯ブラシ等の衛生用品を収納するキャビネットが設けられている。
このように構成されていることにより、特許文献1に開示の洗面化粧台は、洗面や歯磨きを行う洗面所等の衛生設備において、衛生用品を収納することが可能となっている。
ユーザは、上記特許文献1の洗面化粧台を用いることにより、わざわざ衛生用品を持ち運ぶ煩雑さを解消することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の洗面化粧台のキャビネットは、施錠することができず、また、収納スペースも狭いため、個人宅における使用に限定される。
すなわち、上記特許文献1の洗面化粧台では、職場、学校又は運動施設等、複数人のユーザにより使用される共用の衛生設備において、防犯や利用人数の関係で使用することが困難であるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、職場、学校又は運動施設等、複数人のユーザにより使用される共用の衛生設備において衛生用品の保管を支援するサニタリー収納システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するため、本発明は、衛生設備又は衛生設備の近傍に設置され、複数の収納ボックスを備え衛生用品の収納を行う情報処理機能を備えた収納装置を有するサニタリー収納システムであって、収納装置は、複数の施錠可能な収納ボックスを備えた収納部と、収納ボックスの解錠用の認証情報と認証情報により解錠が許可されている収納ボックスの情報とを対応付けて予め登録して管理するデータベースを格納する情報格納部と、認証情報を入力する情報入力部と、情報入力部により認証情報が入力されると、データベースの認証情報を参照し、入力された認証情報に基づいて収納ボックスの解錠のための認証を行う制御部とを有し、制御部は、認証が成功すると、データベースにおいて解錠が許可されている収納ボックスを解錠することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、衛生設備又は衛生設備の近傍に設置され、複数の収納ボックスを備え衛生用品の収納を行う情報処理機能を備えた収納装置と、収納装置とネットワークを介して接続され、認証情報を管理するデータベースを格納する管理サーバを有するサニタリー収納システムであって、収納装置は、複数の施錠可能な収納ボックスを備えた収納部と、認証時に収納ボックスの解錠用の認証情報を入力する情報入力部と、情報入力部により入力された認証情報を管理サーバへ送信するとともに、管理サーバから認証結果を受信する通信部とを有し、管理サーバは、収納ボックスの解錠用の認証情報と認証情報により解錠が許可されている収納ボックスの情報とを対応付けて予め登録して管理するデータベースを格納する情報格納部と、収納装置の情報入力部により入力された認証情報を収納装置から受信するとともに、認証結果を収納装置へ送信する通信部と、管理サーバの通信部により受信された認証情報が管理サーバの通信部により入力されると、データベースの認証情報を参照し、入力された認証情報に基づいて収納ボックスの解錠のための認証を行う制御部とを有し、収納装置は、管理サーバから認証結果を受信すると、認証結果において解錠が許可されている収納ボックスを解錠することを特徴とする。
【0009】
また、本発明におけるサニタリー収納システムによれば、上記データベースは、グループの認証情報と、グループに所属する複数のユーザの認証情報とを管理し、制御部は、ユーザの認証情報が入力されると、データベースにおいてユーザに割り当てられている収納ボックスを解錠し、グループの認証情報が入力されると、データベースにおいて、グループに対応付けられているユーザの全部又は一部に割り当てられている収納ボックスを解錠することを特徴とする。
【0010】
また、本発明におけるサニタリー収納システムによれば、上記制御部は、グループの認証情報について認証が成功したと判断すると、グループに所属するユーザに解錠を許可する収納ボックスの登録、変更又は削除を許可することを特徴とする。
【0011】
また、本発明におけるサニタリー収納システムによれば、上記データベースは、サニタリー収納システムの管理者の認証情報を管理し、制御部は、管理者の認証情報が入力されると、全部、グループごと又は任意の収納ボックスの解錠を許可することを特徴とする。
【0012】
また、本発明におけるサニタリー収納システムによれば、上記制御部は、管理者の認証情報について認証が成功したと判断すると、グループに解錠を許可する収納ボックスの登録、変更又は削除を許可することを特徴とする。
【0013】
また、本発明におけるサニタリー収納システムは、汎用の情報記録媒体であって、自身を識別する認証媒体IDが記録され、認証媒体IDを外部に出力する認証媒体をさらに有し、情報入力部は、認証媒体から出力された認証媒体IDを認証情報として入力することを特徴とする。
【0014】
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0015】
本発明におけるサニタリー収納システムは、衛生設備又は衛生設備の近傍に設置される収納装置が、ユーザが衛生設備で使用する衛生用品を施錠可能に収納するので、ユーザは、衛生設備を利用する際に、わざわざ衛生用品を持参する必要がなく、快適に衛生設備を利用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1の実施の形態におけるサニタリー収納システムの構成を示す図である。
【
図2】本発明の第1の実施の形態における収納装置の構成を示す図である。
【
図3】本発明の第1の実施の形態における収納装置の正面側の外観を示す図である。
【
図4】本発明の第1の実施の形態における収納装置の情報格納部が格納する各データベースを示す図である。
【
図5】本発明の第1の実施の形態におけるユーザDBのデータ構成の一例を示す図である。
【
図6】本発明の第1の実施の形態における事業者DBのデータ構成の一例を示す図である。
【
図7】本発明の第1の実施の形態における管理者DBのデータ構成の一例を示す図である。
【
図8】本発明の第1の実施の形態における収納ボックスDBのデータ構成の一例を示す図である。
【
図9】本発明の第1の実施の形態における管理サーバの構成を示す図である。
【
図10】本発明の第1の実施の形態における管理サーバの情報格納部が格納する各データベースを示す図である。
【
図11】本発明の第1の実施の形態における管理者端末の構成を示す図である。
【
図12】本発明の第1の実施の形態において、管理者が収納装置を用いて、事業者用の認証媒体の情報の登録を行うときのサニタリー収納システムの動作の流れを示すシーケンスチャートである。
【
図13】本発明の第1の実施の形態において、管理者が収納装置を用いて、事業者用の認証媒体の情報の登録を行うときのサニタリー収納システムの動作の流れを示すシーケンスチャートである。
【
図14】本発明の第1の実施の形態において、事業者が収納装置を用いて、認証媒体41の情報の登録を行うときのサニタリー収納システムの動作の流れを示すシーケンスチャートである。
【
図15】本発明の第1の実施の形態において、事業者が収納装置を用いて、認証媒体41の情報の登録を行うときのサニタリー収納システムの動作の流れを示すシーケンスチャートである。
【
図16】本発明の第1の実施の形態において、ユーザが衛生用品を収納装置に入庫するときの収納装置による動作の流れを示すフローチャートである。
【
図17】本発明の第1の実施の形態において、ユーザが衛生用品を収納装置から取り出すときの収納装置による動作の流れを示すフローチャートである。
【
図18】本発明の第1の実施の形態において、事業者が収納ボックスの一斉解錠を行うときの収納装置による動作の流れを示すフローチャートである。
【
図19】本発明の第1の実施の形態における解錠方法の選択画面の一例を示す図である。
【
図20】本発明の第1の実施の形態におけるボックス画面情報の一例を示す図である。
【
図21】本発明の第1の実施の形態において、管理者が収納装置を用いて、事業者の情報の変更又は削除を行うときのサニタリー収納システムの動作の流れを示すシーケンスチャートである。
【
図22】本発明の第1の実施の形態において、事業者が収納装置を用いてユーザDBの情報の削除を行うときのサニタリー収納システムの動作の流れを示すシーケンスチャートである。
【
図23】本発明の第1の実施の形態において、管理者が管理者端末を用いてユーザDBの情報の登録、変更又は削除を行うときのサニタリー収納システムの動作の流れを示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1の実施の形態>
(第1の実施の形態の概要)
本発明の第1の実施の形態におけるサニタリー収納システムは、ユーザが利用する衛生設備利用の際に適用可能である。
衛生設備とは、例えば、トイレ、洗面所、手洗所又は浴室(シャワールームを含む)等である。
例えば、上記衛生設備は、職場、学校、運動施設又は各種公共施設等の複数のユーザが利用する各施設に設置される。
【0018】
本実施の形態のサニタリー収納システムは、例えばロッカー型の収納装置を備え、その収納装置は、ユーザが上記衛生設備で使用する衛生用品を衛生設備又はその近傍で保管する。
衛生用品は、上記のとおり、衛生設備で使用されるものであれば特に限定されないが、例えば、歯磨き用具、化粧品、ティッシュペーパー又は生理用品等である。
本実施の形態では、サニタリー収納システムは、複数人が利用する各施設内の衛生設備又はその近傍において、ユーザの衛生用品を保管するので、ユーザは、その衛生用品を衛生設備まで持ち運ぶ煩わしさを解消することが可能となっている。
【0019】
本実施の形態におけるサニタリー収納システムは、下記のような例に適用可能である。
複数のテナント(事業者)が入る商業ビルにおいて、各テナントで業務に従事する従業員(ユーザ)が、上記サニタリー収納システムが備える収納装置に自身の衛生用品を保管させる。
従業員は、休憩時間等にその収納装置から自身の衛生用品を取出し、衛生設備で使用する。従業員は使用後、その衛生用品を再度収納装置に保管させる。
【0020】
(第1の実施の形態の構成)
(1)サニタリー収納システムの全体構成
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるサニタリー収納システムの構成を示す図である。
図に示すように、サニタリー収納システムは、衛生設備又はその近傍に設置されユーザの衛生用品を施錠したまま保管する収納装置10と、その収納装置10の施解錠を制御する管理サーバ20と、サニタリー収納システムの管理者が操作する情報処理端末である管理者端末50とを有して構成される。
【0021】
図に示すように、管理サーバ20は、インターネット又はLAN等のネットワーク100を介して、収納装置10と通信可能に接続されている。
【0022】
(2)収納装置10の構成
(a)収納装置10の全体構成
収納装置10は、1以上の収納ボックスを備え、当該収納ボックスにユーザの所有する衛生用品を施錠したまま収納するものである。
収納装置10は、上述のとおり、衛生設備又はその近傍に設置されるものであり、例えば、「トイレ、洗面所又は手洗所内」、「トイレ、洗面所、手洗所又は浴室の入口」、あるいは「浴室近傍の脱衣所」等に設置される。
【0023】
図2は、本発明の第1の実施の形態における収納装置10の構成を示す図である。
図3は、本発明の第1の実施の形態における収納装置10正面側の外観を示す図である。
図に示すように、収納装置10は、CPU等から構成され収納装置10全体を制御する制御部11と、各種情報を格納する情報格納部12と、ネットワーク100を介して管理サーバ20と通信を行う通信部13と、各種情報を表示する表示部14と、各種キー等を備え情報入力が可能であるとともに、収納ボックスの解錠用の認証情報の入力等の各種操作を行うために用いられる操作部15と、ユーザの衛生用品を収納する収納ボックスを1以上備えた収納部16と、上記解錠用の認証情報を収納装置10に登録するための管理操作部17とを有して構成される。
【0024】
制御部11は、収納装置10全体の制御を司る処理部であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の電子回路やFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の集積回路により構成される。
【0025】
情報格納部12は、例えば、ハードディスク、メモリ又は半導体素子等の情報を格納する装置である。
情報格納部12は、制御部11で実行するプログラムを記憶する領域や制御部11が処理を実行する際に一時的に使用する作業領域等を有するとともに、後述の各データベースを格納する。
【0026】
通信部13は、ネットワーク100を介して行う管理サーバ20との通信を制御するインターフェースである。
【0027】
表示部14は、液晶や有機EL等により構成されるディスプレイ等の表示装置である。
例えば、制御部11が情報格納部12から読み出し、画像出力処理を実行した画面情報や、制御部11が通信部13により管理サーバ20から受信された情報に基づいて生成した画面情報等を表示する。
【0028】
操作部15は、例えば各種キー等から構成される情報入力装置を備え、当該情報入力装置は表示部14と連携してポインティングデバイスを提供する。操作部15は、ユーザ等による各種操作を受け付けて制御部11等に出力する。
また、操作部15は、赤外線通信等の近距離無線通信を行って情報記録媒体(後述の認証媒体41,42,43)から情報を読み取る情報読取装置を備えている。
なお、上記表示部14と操作部15は一体に構成され、タッチパネルを形成してもよい。
【0029】
ユーザは、上記解錠用の認証情報が記録されている情報記録媒体を操作部15(情報読取装置)にかざす等して所定距離内まで接近させると、操作部15は、上記情報記録媒体から上記解錠用の認証情報を読み取る。
【0030】
図3に示す例では、上記表示部14及び操作部15は収納装置10に1つずつ備えられている。
すなわち、表示部14及び操作部15は、複数の収納ボックスそれぞれに対応して設けられているわけではなく、複数の収納ボックスのいずれを解錠する場合にも共通に使用される。
従って、収納装置10において表示部14及び操作部15が占めるスペースを効率よく削減することができ、例えばオフィスビル内等の収納装置10の設置スペースが制限されているところであっても、十分に対応可能である。
【0031】
収納部16は、衛生用品を収納する箱型の1以上の施解錠可能な収納ボックスを有して構成される。
各収納ボックスは、例えば、少なくとも一部に扉等が設けられており、扉が開扉することにより、当該扉の部分が開口し、ユーザは当該開口部から物品を取り出したり、入庫したりすることが可能に構成されている。
施錠時は、当該扉が閉扉されたままであり、ユーザは収納ボックスを開扉することはできない。
一方、解錠時には、ユーザは、当該収納ボックスを開扉することができ、収納ボックス内に衛生用品を収納させたり、収納ボックス内から衛生用品を取り出したりすることができる。
【0032】
収納部16には、各収納ボックスを施解錠する施解錠装置が備えられている。
施解錠装置は、例えば、制御部11から送出される制御信号により施解錠される電気錠で、収納ボックスの扉の施錠・解錠状態を検知することができる。
収納ボックスの扉には、開く方向に付勢力が作用しており、施解錠装置により解錠されると、扉は自動で開くようになっている。
また、ユーザが衛生用品を収納ボックス内に入庫して施錠しようとする場合には、ユーザが扉を上記記付勢力に抗して閉じることで、施錠が自動で行われる。
【0033】
また、上記施解錠装置は、施錠用のレバーを備えていて、ユーザが収納ボックスの扉を閉扉するときに施錠用のレバーを操作することで扉が閉扉し施錠されるよう構成されていてもよい。
施解錠装置は、上記のような電気錠又は施錠用のレバー機構に限らず、従来から存在するあらゆる一般的な施解錠装置を適用することが可能である。
【0034】
上記の各収納ボックスは、ユーザ個人又は複数のユーザが所属するグループ専用に使用可能なようにそれぞれ割り当てられている。
ユーザは、自身に割り当てられている収納ボックスを解錠するための認証情報が割り当てられている。
当該認証情報は後述の認証媒体41に記録されており、当該認証媒体41は各ユーザが所有している。
ユーザは、当該認証媒体41を用いて認証を行い、認証が成功すると、収納ボックスの庫内に衛生用品が収納されている、収納されていないにかかわらず、収納ボックスが解錠され、衛生用品の入庫又は取出しを行うことができる。
【0035】
管理操作部17は、管理者がユーザDB121,221内の情報を登録、変更又は削除するために操作する情報入力装置を有する。当該情報入力装置は、例えば各種キー等から構成される。
また、管理操作部17は、表示装置を有していてもよく、この場合は、上記情報入力装置と連携してポインティングデバイスを提供するよう構成してもよい。また、情報入力装置と表示装置は一体に構成され、タッチパネルを形成してもよい。
管理操作部17の情報入力装置により入力される各情報は制御部11等へ出力する。また、制御部11は、管理操作部17の表示装置の画像表示処理を制御する。
【0036】
管理操作部17は、通常は情報入力が制限されており、上記ユーザDB121,221内の情報を登録、変更又は削除ができない状態となっている。
本実施の形態においては、少なくとも管理操作部17の情報入力装置の部分が、通常扉で遮蔽されており、キー入力等が不可能な状態に制限されている。
管理者が認証媒体42を用いて認証を行い、認証が成功すると、
図3に示すように、上記扉が解錠及び開扉し、管理操作部17の情報入力装置の使用制限が開放され、キー入力等が可能な状態となる。
【0037】
(b)収納装置10の情報格納部12の構成
図4は、本発明の第1の実施の形態における収納装置10の情報格納部12が格納する各データベース121,122,123,124を示す図である。
図に示すように、収納装置10の情報格納部12は、ユーザが収納部16を解錠する際に必要なパスワード等の認証情報等を管理するユーザDB(Data Base)121と、ユーザの所属する組織の責任者であり、ユーザによる収納装置10の使用を管理する事業者の認証情報等を管理する事業者DB(Data Base)122と、管理者用の認証情報等を管理する管理者DB(Data Base)123と、収納ボックスにおける物品の収納状況を管理する収納ボックスDB(Data Base)124とを格納する。
【0038】
図5は、本発明の第1の実施の形態におけるユーザDB121のデータ構成の一例を示す図である。
図に示す例では、ユーザDB121は、ユーザ名と、ユーザの収納ボックスを識別するボックス番号と、収納ボックス解錠用の認証媒体ID(認証情報)とをそれぞれユーザを識別するID(ユーザID)に対応付けて管理している。
上記認証媒体IDは、認証媒体41に当初から記録されており、認証媒体41個々を識別する情報である。
また、同様に、認証媒体42,43にも当初から記録されており、認証媒体42,43個々を識別する。
【0039】
ユーザは、自身に割り当てられている認証情報を用いて、専用の収納ボックスのみ解錠可能であり、他のユーザ専用の収納ボックスについては、自身の認証情報により解錠することはできない。
なお、各収納ボックスは、ユーザ1人の専用であってもよいし、複数のユーザが共用可能な収納ボックスであってもよい。
図の例では、ボックス番号「3」の収納ボックスは、ユーザID「0003」のユーザが単独で使用している。
一方、ボックス番号「1」の収納ボックスは、ユーザID「0001」,「0005」の2人のユーザが共有している。
【0040】
図6は、本発明の第1の実施の形態における事業者DB122のデータ構成の一例を示す図である。
図に示す例では、事業者DB122は、事業者名と、収納ボックスの解錠用の認証媒体42の認証媒体ID(認証情報)と、各事業者に割り当てられている収納ボックス(各事業者の認証媒体IDで解錠可能な収納ボックス)の範囲を示すボックス番号とをそれぞれ事業者を識別するID(事業者ID)に対応付けて管理している。
【0041】
事業者が、認証媒体42を操作部15にかざす等して接近させると、操作部15は、当該認証媒体42に記録されている認証媒体IDを読み取る。
制御部11は、当該読み取られた認証媒体IDと、上記事業者DB122に管理されている認証媒体IDとを照合して認証を行い、認証が成功すると、事業者DB122において管理されているボックス番号の収納ボックスの一部又は全部を解錠する。
【0042】
また、制御部11は、認証媒体42から読み取られた認証媒体IDに基づいて認証をし、当該認証が成功すると、事業者は、操作部15を操作して、上記事業者DB122において当該事業者に割り当てられている収納ボックスを解錠可能なユーザを変更したり、ユーザDB121においてユーザの情報等の登録、変更又は削除を行うことができる。
【0043】
図7は、本発明の第1の実施の形態における管理者DB123のデータ構成の一例を示す図である。
図に示す例では、管理者DB123は、管理者名と、管理操作部17の扉の解錠用の認証情報(管理用の認証情報)とをそれぞれ管理者を識別するID(管理者ID)に対応付けて管理している。
【0044】
管理者が、認証媒体43を操作部15にかざす等して接近させると、操作部15は、当該認証媒体43に記録されている管理用の認証情報を読み取る。
制御部11は、当該読み取られた管理用の認証情報と、上記管理者DB123に管理されている管理用の認証情報とを照合して認証を行い、認証が成功すると、全て又は管理者が指定した任意の収納ボックスを解錠する。
【0045】
また、制御部11は、認証媒体43から読み取られた認証情報に基づいて認証をし、当該認証が成功すると、上記管理操作部17を遮蔽している扉を解錠し、当該管理操作部17の操作を可能な状態にする。
管理者は、上記管理操作部17を操作して、上記事業者DB122において管理されている全ての事業者の情報(認証情報等)について登録、変更又は削除を行うことができる。
【0046】
また、上記管理用の認証情報として、認証媒体43に記録されている固有の認証媒体IDを用いてもよい。
【0047】
図8は、本発明の第1の実施の形態における収納ボックスDB124のデータ構成の一例を示す図である。
図に示す例では、収納ボックスDB124は、各収納ボックスを示すボックス番号に対応付けて、履歴情報(物品が各収納ボックスに収納されて預かり受けた時刻、預けた者を示す情報(ユーザID))を管理している。
【0048】
図の例では、ボックス番号「1」の収納ボックスが、2017年4月1日の12時25分と12時31分に、ユーザID「0001」,「0005」のユーザにそれぞれ解錠された履歴情報が、収納ボックスDB124に管理されている。
【0049】
(3)管理サーバ20の構成
管理サーバ20は、ユーザの情報と収納装置10におけるユーザ宛の物品の収納状況とを管理する情報処理装置であって、居住/利用施設の内部又は外部いずれに設置されていてもよい。
【0050】
図9は、本発明の第1の実施の形態における管理サーバ20の構成を示す図である。
図に示すように、管理サーバ20は、CPU等から構成され管理サーバ20全体を制御する制御部21と、各種情報を格納する情報格納部22と、ネットワーク100を介して収納装置10と通信を行う通信部23とを有して構成される。
【0051】
図10は、本発明の第1の実施の形態における管理サーバ20の情報格納部22が格納する各データベース221,222,223,224を示す図である。
図に示すように、情報格納部22は、ユーザの個人情報を管理するユーザDB221と、事業者の個人情報を管理する事業者DB222と、管理者用の認証情報等を管理する管理者DB223と、ユーザ宛の物品の収納状況の情報を管理する収納ボックスDB224とを格納する。
各データベース121~124,221~224で管理される各情報は、例えば、定期的に又は一方が更新されるごとに、収納装置10と管理サーバ20との間で通信が行われ、最新の内容に同期がとられる。すなわち、ユーザDB121,221同士、事業者DB122,222同士、管理者DB123,223同士、収納ボックスDB124,224同士で情報の同期がとられ、最新の情報に更新される。
【0052】
(4)認証媒体41,42,43の構成
認証媒体41,42,43は、例えば、磁気、光磁気又は電気的にメモリ等に認証情報が記録されたICカード等の媒体や電子機器(携帯端末等)等であってもよいし、文字情報やコード情報が表面に印刷又は形成された媒体であってもよい。
認証媒体41,42,43には、各認証媒体41,42,43固有の識別情報である認証媒体IDが記録されている。
認証媒体41,42,43は、例えば、赤外線等の近距離無線通信等を用いて、自身に記録されている認証媒体IDを認証情報として発信し、収納装置10に入力する。
なお、認証媒体41,42、43の情報の記録方式、及び収納装置10が認証媒体41,42,43の情報を読み取る方式については特に限定されず、周知のあらゆる先行技術を適用可能である。
【0053】
認証媒体41は、ユーザが所有する情報記録媒体であり、ユーザに割り当てられている収納装置10の収納ボックスを解錠するための認証情報(認証媒体ID)と、当該ユーザのユーザIDとが記録されている。
認証媒体41は、収納装置10使用のための専用のICカードであってもよいし、例えば他の用途に使用可能な交通系等の汎用のICカードや携帯端末であってもよい。
【0054】
認証媒体IDは、例えば、認証媒体41製造の時点において予め記録されていてもよい。
認証媒体IDは、その記録されている認証媒体固有の情報であればよく、特に限定しない。例えば、認証媒体IDは、交通系ICカードに当初から記録されている番号(製造番号等)や携帯端末を特定する機種情報等であってもよい。
【0055】
ユーザIDは、認証媒体41が本サービスに利用される専用の認証媒体である場合には、同様に予め記録されていてもよい。一方、認証媒体41が汎用の認証媒体である場合には、ユーザIDは予め記録されていてもよいし、後述のように、事業者が操作部15を用いて記録させるようにしてもよい。
【0056】
例えば、ユーザは、認証媒体41を収納装置10の操作部15にかざす等して接近させ、近距離無線通信等を用いて、認証媒体41に記録されている認証情報を収納装置10の操作部15に読み取らせ、認証情報を収納装置10に入力する。
収納装置10は、上記入力された認証情報に基づいて認証を行い、認証が成功すると、当該ユーザに割り当てられている収納ボックスを解錠し、ユーザは、当該解錠された収納ボックスに衛生用品を入庫したり、当該収納ボックスから衛生用品を取り出したりできるようになる。
【0057】
認証媒体42は、ユーザが所属する組織の事業者が所有する情報記録媒体である。
当該事業者は、当該組織に所属する1以上のユーザを管理する立場にあり、例えば、ユーザが勤務する会社の管理職等である。
認証媒体42は、収納装置10使用のための専用のICカードであってもよいし、例えば他の用途に使用可能な交通系等の汎用のICカードや携帯端末であってもよい。
認証媒体42には、事業者用の認証情報(認証媒体ID)と、当該事業者の事業者IDとが記録されている。
【0058】
認証媒体IDは、例えば、認証媒体42製造の時点において予め記録されていてもよい。
認証媒体IDは、その記録されている認証媒体固有の情報であればよく、特に限定しない。例えば、認証媒体IDは、交通系ICカードに当初から記録されている番号(製造番号等)や携帯端末を特定する機種情報等であってもよい。
【0059】
事業者IDは、認証媒体42が本サービスに利用される専用の認証媒体である場合には、同様に予め記録されていてもよい。一方、認証媒体42が汎用の認証媒体である場合には、事業者IDは予め記録されていてもよいし、後述のように、管理者が管理操作部17を用いて記録させるようにしてもよい。
【0060】
例えば、事業者は、認証媒体42を収納装置10の操作部15にかざす等して接近させ、近距離無線通信等を用いて、認証媒体42に記録されている認証情報を収納装置10の操作部15に読み取らせ、認証情報を収納装置10に入力する。
収納装置10は、上記入力された認証情報に基づいて認証を行い、認証が成功すると、自身が管理する1以上のユーザに割り当てられている全ての又は任意の1以上の収納ボックスを解錠する。
【0061】
また、収納装置10は、認証媒体42から事業者の認証情報等が入力されると、当該入力された認証情報に基づいて認証を行い、認証が成功すると、自身の組織に所属するユーザが用いる認証媒体41について、ユーザDB121の情報の登録、変更又は削除を行うことができるようになる。
なお、事業者は、予め管理者により割り当てられているボックス番号の収納ボックスについてのみ、ユーザに対し解錠可能に設定することができる。
【0062】
例えば、事業者は、上記のとおり、認証媒体42を用いて認証が成功した後、収納装置10を用いて、ユーザDB121に当該ユーザ用の認証媒体41の認証媒体ID等を登録する。
これにより、上記ユーザは、新たに事業者から与えられた認証媒体41を用いて、収納装置10の収納ボックスを解錠し、衛生用品の入庫又は取出しを行うことができるようになる。
【0063】
また、事業者は、上記認証成功後、収納装置10を用いて、ユーザDB121に登録されているユーザが解錠可能な収納ボックス等を変更することができる。
【0064】
また、ユーザが、事業者の組織から離脱したとき等には(例えば、退職、転勤、部署の変更、退会等)、事業者は、上記認証成功後、収納装置10を用いて、ユーザDB121に登録されているユーザの認証情報等を削除する。
これにより、上記組織の所属を離脱するユーザは、認証媒体41を用いて、収納装置10の収納ボックスを解錠することが不可能となる。
【0065】
認証媒体43は、サニタリー収納システムの管理者が所有する情報記録媒体である。
当該管理者は、各事業者の組織による収納装置10の使用を管理する者である。
【0066】
認証媒体43は、収納装置10使用のための専用のICカードであってもよいし、例えば他の用途に使用可能な交通系等の汎用のICカードや携帯端末であってもよい。
認証媒体43には、管理者用の認証情報(認証媒体ID)と、当該管理者の管理者IDとが記録されている。
【0067】
認証媒体IDは、例えば、認証媒体43製造の時点において予め記録されていてもよい。
認証媒体IDは、その記録されている認証媒体固有の情報であればよく、特に限定しない。例えば、認証媒体IDは、交通系ICカードに当初から記録されている番号(製造番号等)や携帯端末を特定する機種情報等であってもよい。
【0068】
管理者IDは、認証媒体43が本サービスに利用される専用の認証媒体である場合には、同様に予め記録されていてもよい。一方、認証媒体41が汎用の認証媒体である場合には、管理者IDは予め記録されていてもよいし、管理者が管理操作部17を用いて記録させるようにしてもよい。
【0069】
例えば、管理者は、認証媒体43を収納装置10の操作部15にかざす等して接近させ、近距離無線通信等を用いて、認証媒体43に記録されている認証情報を収納装置10の操作部15に読み取らせ、認証情報を収納装置10に入力する。
収納装置10は、上記入力された認証情報に基づいて認証を行い、認証が成功すると、収納装置10の全ての又は任意の1以上の収納ボックスを解錠する。
【0070】
また、収納装置10は、認証媒体43から管理者の認証情報等が入力され、当該入力された認証情報に基づいた認証が成功すると、管理操作部17を使用可能な状態とし、管理者は、当該管理操作部17を操作して、ユーザDB121及び事業者DB122の情報の登録、変更又は削除を行うことができるようになる。
【0071】
例えば、管理者は、上記のとおり、認証媒体43を用いて認証が成功した後、管理操作部17を用いて、事業者DB122に当該事業者の認証情報等を登録したり、収納装置10に備えられている複数の収納ボックスのうち事業者に割り当てる収納ボックスのボックス番号を登録したりする。
これにより、事業者は、新たに管理者から与えられた認証媒体42を用いて、自身の組織に所属するユーザの収納ボックスを解錠することができるとともに、ユーザ用の認証媒体41の情報の登録、変更又は削除ができるようになる。
【0072】
管理者は、上記認証成功後、管理操作部17を用いて、事業者DB122に登録されている事業者の認証情報等を変更したり、収納装置10に備えられている複数の収納ボックスのうち事業者に割り当てる収納ボックスを変更したりする。
これにより、管理者は、例えば、各事業者の組織が現在使用している収納ボックスを他の事業者の組織が使用可能なように変更を行うことができる。
【0073】
利用契約の終了等により、事業者がサニタリー収納システムを今後利用しない場合には、管理者は、上記認証成功後、管理操作部17を用いて、事業者DB122に登録されている事業者の認証情報等を削除する。当該事業者DB122における情報の削除に対応して、ユーザDB121における情報も適宜削除する。
これにより、サニタリー収納システムの利用を停止した事業者及びその組織のユーザは、認証媒体41,42を用いて収納装置10の収納ボックスを解錠すること等が今後不可能となる。
【0074】
(5)管理者端末50の構成
管理者端末50は、サニタリー収納システムを管理する管理者により操作される情報処理装置であって、例えば、PC又は携帯端末(スマートフォン、タブレット端末、携帯電話機、PDA等)等である。
管理者は、管理者端末50を用いて、管理サーバ20の各データベース221~223の情報を閲覧したり、ユーザDB121,221が管理する情報の登録、変更又は削除を行ったりする。
【0075】
図11は、本発明の第1の実施の形態における管理者端末50の構成を示す図である。
図に示すように、管理者端末50は、CPU等から構成され管理者端末50全体を制御する制御部51と、各種情報を格納する情報格納部52と、ネットワーク100を介して管理サーバ20と通信を行う通信部53と、各種情報を表示する表示部54と、各種キーを備え情報入力が可能であるとともに、管理者の認証情報(例えば、認証媒体43の認証媒体ID等)の入力等の各種操作を行うために用いられる操作部55とを有して構成される。
【0076】
上記のとおり、収納装置10の収納ボックスの解錠用の認証情報、あるいは各ユーザ又は事業者が解錠可能な収納ボックスの情報等は、収納装置10及び管理サーバ20において管理され、収納装置10を直接操作することにより登録、変更又は削除することができるが、これに加えて、管理者は、管理者端末50を用いて、上記解錠用の認証情報や解錠可能な収納ボックスの情報等の登録、変更又は削除を遠隔で行うことができる。
【0077】
管理者は、管理者端末50を操作して、管理サーバ20にアクセスし、認証が成功すると、管理サーバ20が格納するユーザDB221及び事業者DB222で管理される情報の登録、変更又は削除が許可される。
管理者は、当該認証成功後、管理者端末50を操作して、登録、変更又は削除対象の情報を入力して管理サーバ20へ送信すると、管理サーバ20は、管理者端末50から受信した情報の内容に応じて、ユーザDB221及び事業者DB222の情報(解錠用の認証情報等)の登録、変更又は削除を実行する。
その後、管理サーバ20は、収納装置10と通信を確立し、管理サーバ20のユーザDB221及び事業者DB222と、収納装置10のユーザDB121及び事業者DB122との同期をとり、収納装置10の制御部11は、ユーザDB121及び事業者DB122の情報を、上記管理者が管理者端末50を用いて入力した情報の内容に応じて、登録、変更又は削除する。
【0078】
また、管理者は、管理者端末50を操作して、ネットワーク100を介して管理サーバ20に接続して通信を行い、各データベース221,222,223,224において管理されている情報を表示部54上で閲覧することができる。
【0079】
(第1の実施の形態の動作)
(1)管理者が収納装置10を用いて認証媒体42の情報の登録を行うときの動作
図12,13は、本発明の第1の実施の形態において、管理者が収納装置10を用いて、認証媒体42の情報の登録を行うときのサニタリー収納システムの動作の流れを示すシーケンスチャートである。
事業者が衛生用品の保管サービスの利用を開始するとき、管理者が、その事業者が使用する認証媒体42の登録を行う。
認証媒体42の登録後、事業者は、その登録した認証媒体42を用いて、自身の組織に所属するユーザが使用する認証媒体41の登録や、自身に割り当てられた収納ボックスの解錠等を行うことが可能となる。
以下、本図に沿って、管理者が収納装置10の管路登録部17を操作して、事業者が使用する認証媒体42の情報の登録を行うときのサニタリー収納システムの動作について説明を進める。
【0080】
まず、管理者は、自身の認証媒体43とともに、登録しようとしている事業者の認証媒体42を携帯して、収納装置10の設置場所を訪れる。
この段階において、認証媒体42については、まだ事業者DB122,222に各情報が登録されていない。つまり、まだこの未登録の段階では、この認証媒体42を用いて収納装置10の収納ボックスの解錠やユーザ用の認証媒体41の情報の登録、変更又は削除等を行うことができず、例えば、認証媒体42が交通系等の汎用のICカードや携帯端末である場合には、汎用的なICカードの機能しか有していない。
【0081】
管理者は、収納装置10の設置場所を訪れ、認証媒体43を操作部15にかざす等して、認証媒体43と操作部15とが互いに通信可能な距離まで接近すると、認証媒体43は、収納装置10から送信される電磁波を受信する(ステップS101)。
すると、認証媒体43は、自身に記録されている管理者ID及び管理用の認証情報を収納装置10へ送信する(ステップS102)。
操作部15は、上記認証媒体43から送信された管理者ID及び管理用の認証情報を読み取り、当該読み取った管理者ID及び認証情報を示す信号を制御部11に入力する(ステップS103)。
【0082】
制御部11は、上記管理者ID及び認証情報を示す信号が入力されると、管理者DB123において、当該管理者ID及び認証情報が互いに対応付けられて格納されているか否かを判断する(ステップS104)。
ここで、制御部11は、互いに対応付けられて格納されていないと判断した場合(ステップS104/No)、認証失敗と判断し、認証媒体42の情報の登録等を許可せずに動作を終了する。
【0083】
一方、制御部11は、互いに対応付けられて格納されていると判断した場合には(ステップS104/Yes)、認証成功と判断し、管理操作部17の扉を解錠する解錠信号を管理操作部17へ出力する(ステップS105)。
【0084】
管理操作部17は、上記解錠信号が入力されると、自身に備えられている施解錠装置を作動させて、自身を遮蔽している扉の錠を解錠する(ステップS106)。
このとき、当該扉は解錠とともに自動的に開扉されてもよい。
【0085】
管理者は、扉が開扉され、使用が可能となった管理操作部17を操作し、今回の利用目的である「事業者用の認証媒体42の登録」を入力する(ステップS107)。
【0086】
次に、管理者は、これから登録しようとする事業者用の認証媒体42を管理操作部17にかざす等して、認証媒体42と管理操作部17とが互いに通信可能な距離まで接近すると、認証媒体42は、収納装置10から送信される電磁波を受信する(ステップS108)。
すると、認証媒体42は、自身に記録されている認証媒体IDを収納装置10へ送信する(ステップS109)。
操作部15は、上記認証媒体42から送信された認証媒体IDを読み取り、当該読み取った認証媒体IDを示す信号を制御部11に入力する(ステップS110)。
制御部11は、当該入力された信号に示される認証媒体IDを一時的に情報格納部12に記憶する。
【0087】
次に、管理者は、管理操作部17を用いて、登録しようとしている認証媒体42の事業者が利用可能な収納ボックスの範囲を示すボックス番号を入力する(ステップS111)。
管理操作部17は、上記入力された事業者が利用可能な収納ボックスの範囲を示す信号を制御部11へ出力する(ステップS112)。
制御部11は、当該入力された信号に示され情報を一時的に情報格納部12に記憶する。
【0088】
次に、管理者は、管理操作部17を用いて、登録しようとしている認証媒体42の事業者の情報(事業者名や事業者ID等)を入力する(ステップS113)。
管理操作部17は、上記入力された事業者の情報を示す信号を制御部11へ出力する(ステップS114)。
制御部11は、当該入力された信号に示される情報を一時的に情報格納部12に記憶する。
【0089】
制御部11は、上記事業者が利用可能な収納ボックスの範囲及び事業者の情報を示す信号が管理操作部17から入力されると、当該信号に示される情報と、上記ステップS110で入力された認証媒体42の認証媒体IDとを互いに対応付けて事業者DB122に登録する(ステップS115)。
【0090】
管理者は、事業者DB122における上記事業者用の認証媒体42の登録の作業が終了すると、管理操作部17の扉を閉扉する。
管理操作部17の施解錠装置は、上記扉が閉扉されると、当該扉を施錠する(ステップS116)。
【0091】
その後、制御部11は、上記登録された事業者DB122の情報を抽出し、通信部13に管理サーバ20へ送信させる(ステップS117)。
【0092】
管理サーバ20の通信部23は、上記登録された情報を収納装置10から受信すると、制御部21は、当該受信した登録された情報を事業者DB222に反映させ、事業者DB122と同様に登録を実行する(ステップS118)。
このようにして、事業者DB122,222間の同期がとられる。
以上で、動作が終了する。
【0093】
このように、管理者は、収納装置10の管理操作部17を操作することにより、事業者用の認証媒体42の情報の登録を容易に行うことができる。
その後、管理者は、上記情報の登録が完了した認証媒体42を事業者に渡す。
事業者は、その認証媒体42を用いて、自身の組織(テナント等)に所属するユーザ(店員等)が使用する認証媒体41の登録や、自身が使用可能に設定されている収納ボックスの解錠等を行うことができるようになる。
【0094】
(2)事業者が収納装置10を用いて認証媒体41の情報の登録を行うときの動作
上記のとおり、管理者は事業者用の認証媒体42の登録を行うと、その登録済みの認証媒体42を事業者に渡す。
事業者は、その管理者から受け取った認証媒体42を用いて、ユーザ用の認証媒体41の登録を行うことが可能となる。
例えば、事業者が商業ビルのテナント事業者である場合、そのテナントで働く従業員であるユーザが事業者は、ユーザがそのテナント(周辺)で衛生用品を保管できるように、事業者はユーザ用の認証媒体41の登録を行う。
【0095】
図14,15は、本発明の第1の実施の形態において、事業者が収納装置10を用いて、認証媒体41の情報の登録を行うときのサニタリー収納システムの動作の流れを示すシーケンスチャートである。
以下、本図に沿って、事業者が収納装置10の操作部15を操作して、ユーザが使用する認証媒体41の情報の登録を行うときのサニタリー収納システムの動作について説明を進める。
【0096】
まず、事業者は、自身の認証媒体42とともに、登録しようとしているユーザ用の認証媒体41を携帯して、収納装置10の設置場所を訪れる。
この段階において、認証媒体41については、まだユーザDB121,221に各情報が登録されていない。つまり、まだこの未登録の段階では、この認証媒体41を用いて収納装置10の収納ボックスの解錠を行うことができず、例えば、認証媒体41が交通系等の汎用のICカードや携帯端末である場合には、汎用的なICカード本来の機能又は携帯端末本来の機能しか有していない。
【0097】
事業者は、収納装置10の設置場所を訪れ、認証媒体42を操作部15にかざす等して、認証媒体42と操作部15とが互いに通信可能な距離まで接近すると、認証媒体42は、収納装置10から送信される電磁波を受信する(ステップS201)。
すると、認証媒体42は、自身に記録されている認証媒体IDを収納装置10へ送信する(ステップS202)。
操作部15は、上記認証媒体42から送信された認証媒体IDを読み取り、当該読み取った認証媒体IDを示す信号を制御部11に入力する(ステップS203)。
【0098】
制御部11は、上記認証媒体IDを示す信号が入力されると、事業者DB122において、その認証媒体IDが認証媒体42の認証情報として登録されているか否かを判断する(ステップS204)。
ここで、制御部11は、認証媒体IDが登録されていないと判断した場合(ステップS204/No)、認証失敗と判断し、認証媒体41の情報の登録等を許可せずに動作を終了する。
【0099】
一方、制御部11は、認証媒体42の認証媒体IDが事業者DB122に登録されていると判断した場合には(ステップS204/Yes)、認証成功と判断し、続く認証媒体41の登録処理を許可する。
【0100】
次に、事業者は、操作部15を操作し、今回の利用目的である「ユーザ用の認証媒体41の登録」を入力する(ステップS205)。
【0101】
次に、事業者は、これから登録しようとするユーザ用の認証媒体41を操作部15にかざす等して、認証媒体41と操作部15とが互いに通信可能な距離まで接近すると、認証媒体41は、収納装置10から送信される電磁波を受信する(ステップS206)。
すると、認証媒体41は、自身に記録されている認証媒体IDを収納装置10へ送信する(ステップS207)。
操作部15は、上記認証媒体41から送信された認証媒体IDを読み取り、当該読み取った認証媒体IDを示す信号を制御部11に入力する(ステップS208)。
制御部11は、当該入力された信号に示される認証媒体IDを一時的に情報格納部12に記憶する。
【0102】
次に、事業者は、操作部15を用いて、登録しようとしている認証媒体41のユーザが利用可能な収納ボックスの範囲を示すボックス番号を入力する(ステップS209)。
操作部15は、上記入力されたユーザが利用可能な収納ボックスの範囲を示す信号を制御部11へ出力する(ステップS210)。
制御部11は、当該入力された信号に示され情報を一時的に情報格納部12に記憶する。
【0103】
次に、事業者は、操作部15を用いて、登録しようとしている認証媒体41のユーザの情報(ユーザ名やユーザID等)を入力する(ステップS211)。
操作部15は、上記入力されたユーザの情報を示す信号を制御部11へ出力する(ステップS212)。
制御部11は、当該入力された信号に示される情報を一時的に情報格納部12に記憶する。
【0104】
制御部11は、上記ユーザが利用可能な収納ボックスの範囲及びユーザの情報を示す信号が管理操作部17から入力されると、当該信号に示される情報と、上記ステップS210で入力された認証媒体41の認証媒体IDとを互いに対応付けてユーザDB121に登録する(ステップS213)。
【0105】
上記ユーザDB121における登録の作業が終了後、制御部11は、上記登録されたユーザDB121の情報を抽出し、通信部13に管理サーバ20へ送信させる(ステップS214)。
【0106】
管理サーバ20の通信部23は、上記登録された情報を収納装置10から受信すると、制御部21は、当該受信した登録された情報をユーザDB221に反映させ、ユーザDB121と同様に登録を実行する(ステップS215)。
このようにして、ユーザDB121,221間の同期がとられる。
以上で、動作が終了する。
【0107】
このように、事業者は、収納装置10の操作部15を操作することにより、ユーザ用の認証媒体41の登録を容易に行うことができる。
その後、事業者は、上記情報の登録が完了した認証媒体41をユーザに渡す。
ユーザは、その認証媒体41を用いて、自身が使用可能に設定されている収納ボックスの解錠等を行い、衛生用品の保管サービスの利用を開始することができる。
【0108】
(3)ユーザが衛生用品を入庫するときの動作
上述のように、事業者がユーザ用の認証媒体41の登録を完了すると、その後、ユーザは、その登録した認証媒体41を用いて、衛生用品の保管サービスの利用を開始することができる。
図16は、本発明の第1の実施の形態において、ユーザが衛生用品を収納装置10に入庫するときの収納装置10による動作の流れを示すフローチャートである。
以下、本図に沿って、ユーザが収納装置10の収納ボックスに衛生用品を入庫するときの収納装置10の動作について説明を進める。
【0109】
まず、ユーザは、自身が衛生設備で使用する衛生用品を持って、衛生設備又はその近傍の収納装置10の設置場所を訪れる。
ユーザは、収納装置10の使用目的として、収納装置10の操作部15を用いて「衛生用品の入庫」を選択する(ステップS301)。
【0110】
次に、ユーザは、認証のために認証媒体41を操作部15にかざす等して、認証媒体41と収納装置10とが互いに通信可能な距離まで接近すると、認証媒体41は、収納装置10から送信される電磁波を受信する(ステップS302)。
すると、認証媒体41は、自身に記録されているに記録された認証媒体IDを収納装置10へ送信する(ステップS303)。
操作部15は、上記認証媒体41から送信された認証媒体IDを読み取り、当該読み取った認証媒体IDを示す信号を制御部11に入力する(ステップS304)。
【0111】
制御部11は、上記認証媒体IDを示す信号が入力されると、ユーザDB121において、当該認証媒体IDが格納されているか否かを判断する(ステップS305)。
ここで、制御部11は、認証媒体IDが格納されていない場合(ステップS305/No)、認証失敗と判断し、収納ボックスの解錠を行わずに動作を終了する。
【0112】
一方、制御部11は、認証媒体IDが格納されている場合には(ステップS305/Yes)、認証成功と判断し、ユーザDB121を参照し、上記入力された認証媒体IDに対応付けられたボックス番号の収納ボックスを解錠する解錠信号を収納部16へ出力する(ステップS306)。
【0113】
また、制御部11は、ユーザDB121において上記認証媒体IDと対応付けられているユーザIDを抽出し、当該ユーザIDと解錠信号に示されるボックス番号とを、現在時刻に対応付けて、収納ボックスの利用履歴として収納ボックスDB124に書き込む(ステップS307)。
【0114】
収納部16は、上記解錠信号が入力されると、当該解錠信号に示されているボックス番号の収納ボックスを解錠する(ステップS308)。
このとき、当該収納ボックスの扉は解錠とともに自動的に開扉されてもよい。
ユーザは、解錠された収納ボックスに自身が衛生設備で使用する衛生用品を入庫する。
ここで、ユーザは、既に収納ボックスに衛生用品が入庫されている状態であっても、空きスペースがあれば、当該スペースに追加して衛生用品を入庫することもできる。また、スペースさえ十分であれば入庫する衛生用品の個数は制限されない。
【0115】
ユーザは、衛生用品を入庫後、当該収納ボックスを閉扉する。
収納部16は、上記収納ボックスが閉扉されると、当該収納ボックスを施錠する(ステップS309)。
以上で、動作が終了する。
【0116】
以上説明したように、ユーザは、衛生設備で使用する衛生用品を、衛生設備又はその近傍に設置されている収納装置10に預け入れることができるので、自身の衛生用品をわざわざ持ち歩くことなく、衛生用品を衛生設備で利用することが可能となる。
【0117】
(4)ユーザが衛生用品を取り出すときの動作
上述のように、ユーザが収納装置10の収納ボックスに衛生用品を入庫後に衛生設備を訪れて利用する際、衛生設備近傍に設置されている収納装置10の収納ボックスから上記入庫済みの自身の衛生用品を取り出して使用する。
図17は、本発明の第1の実施の形態において、ユーザが衛生用品を収納装置10から取り出すときの収納装置10による動作の流れを示すフローチャートである。
以下、本図に沿って、当該動作について説明を進める。
【0118】
まず、ユーザは、収納装置10の設置場所を訪れる。
ユーザは、収納装置10の使用目的として、収納装置10の操作部15を用いて「衛生用品の取出し」を選択する(ステップS401)。
そして、ユーザは、認証のために認証媒体41を操作部15にかざす等して接近させる。
これ以降の収納装置10がユーザの収納ボックスを解錠し、施錠するまでの動作は、上述のユーザが衛生用品を入庫するときの動作と同様であるので、詳細は省略する。
ユーザが衛生用品を取り出すときも、入庫するときと同様に、制御部11は、収納ボックスの解錠履歴を収納ボックスDB124に書き込む。
【0119】
以上説明したように、収納装置10は、ユーザの衛生用品を施錠した状態で保管しており、ユーザによる認証が成功すると、当該ユーザの収納ボックスを解錠し、ユーザは自身の衛生用品を収納装置10から取り出して衛生設備で使用することができるので、ユーザは、衛生設備を訪れるとき、自身の衛生用品をわざわざ持ち歩くことなく、衛生用品を衛生設備で利用することが可能となる。
【0120】
(5)事業者が収納ボックスの解錠を行うときの動作
上述のように、ユーザは、認証媒体41を用いて自身に割り当てられている収納ボックスの解錠を行うことができる。
これに加えて、事業者も認証媒体42を用いて、自身に割り当てられている収納ボックスの解錠を行うことができる。
以下、事業者には複数の収納ボックスが割り当てられているとする。
図18は、本発明の第1の実施の形態において、事業者が収納ボックスの一斉解錠を行うときの収納装置10による動作の流れを示すフローチャートである。
以下、本図に沿って上記動作の説明を進める。
【0121】
まず、事業者は、認証媒体42を携帯して、衛生設備又はその近傍の収納装置10の設置場所を訪れる。
事業者は、認証のために認証媒体42を操作部15にかざす等して、認証媒体42と収納装置10とが互いに通信可能な距離まで接近すると、認証媒体42は、収納装置10から送信される電磁波を受信する(ステップS501)。
すると、認証媒体42は、自身に記録されているに記録された認証媒体IDを収納装置10へ送信する(ステップS502)。
操作部15は、上記認証媒体42から送信された認証媒体IDを読み取り、当該読み取った認証媒体IDを示す信号を制御部11に入力する(ステップS503)。
【0122】
制御部11は、上記認証媒体IDを示す信号が入力されると、事業者DB121において、当該認証媒体IDが格納されているか否かを判断する(ステップS504)。
ここで、制御部11は、認証媒体IDが格納されていない場合(ステップS504/No)、認証失敗と判断し、収納ボックスの解錠を行わずに動作を終了する。
【0123】
一方、制御部11は、認証媒体IDが格納されている場合には(ステップS504/Yes)、認証成功と判断し、解錠方法の選択画面情報を生成し、表示部14へ出力し、当該生成した解錠方法の選択画面情報を表示部14に表示させる(ステップS505)。
図19は、本発明の第1の実施の形態における解錠方法の選択画面の一例を示す図である。
図の例では、解錠方法は、事業者に割り当てられている収納ボックスのうち特定の収納ボックスのみを解錠する「個別解錠」と、事業者に割り当てられている収納ボックス全てを解錠する「一斉解錠」とがあり、収納装置10の情報格納部12にはこれら各解錠方法を実行するためのプログラムが格納されている。
ここで、事業者は、収納装置10の操作部15を用い、解錠方法の選択画面において解錠方法として「個別解錠」を選択すると(ステップS506/Yes)、操作部15はその「個別解錠」の選択信号を制御部物11へ出力する。
【0124】
制御部11は、上記「個別解錠」の選択信号が入力されると、事業者DB122を参照し、上記認証媒体IDに対応する事業者に割り当てられているボックス番号の情報を抽出し、表示部14へ出力し、当該事業者に割り当てられている収納ボックスが示されたボックス画面情報を表示部14に表示させる(ステップS507)。
図20は、本発明の第1の実施の形態におけるボックス画面情報の一例を示す図である。
図の例では、事業者DB122は、収納装置10のボックス番号1~29のうち、事業者Aにはボックス番号1~10の収納ボックスが割り当てられ、事業者Bにはボックス番号11~22の収納ボックスが割り当てられ、事業者Cにはボックス番号23~29の収納ボックスが割り当てられていることを管理しており、これが反映されてボックス画面情報が表示されている。
例えば、当該事業者が上記事業者Aである場合には、表示部14は、図に示すように、当該事業者に割り当てられている収納ボックスのボックス番号1~10が他の収納ボックスと色等で区別して表示する。
【0125】
事業者は、操作部15を用いて、ボックス画面情報において個別に解錠を行う収納ボックスを1つ又は複数選択する(ステップS508)。
例えば、当該事業者が事業者Aである場合、事業者は、ボックス番号1~10の収納ボックスから任意のものを1つ又は複数選択する。
操作部15は、上記選択された収納ボックスのボックス番号を示す信号を制御部11へ出力する。
制御部11は、上記ボックス番号を示す信号が入力されると、当該ボックス番号の収納ボックスを解錠する解錠信号を収納部16へ出力する(ステップS509)。
【0126】
また、制御部11は、事業者DB122において上記認証媒体IDと対応付けられている事業者IDを抽出し、当該事業者IDと解錠信号に示されるボックス番号とを、現在時刻に対応付けて、収納ボックスの利用履歴として収納ボックスDB124に書き込む(ステップS510)。
【0127】
収納部16は、上記解錠信号が入力されると、当該解錠信号に示されている全てのボックス番号の収納ボックスを解錠する(ステップS511)。
このとき、当該収納ボックスの扉は解錠とともに自動的に開扉されてもよい。
事業者は、解錠された収納ボックスから衛生用品を取り出したり、収納ボックス内の点検を行ったりする。
【0128】
事業者は、収納ボックスの点検等を行った後、当該収納ボックスを閉扉する。
収納部16は、上記収納ボックスが閉扉されると、当該収納ボックスを施錠する(ステップS512)。
以上で、個別解錠の動作が終了する。
【0129】
ここで、ステップS506に戻り、事業者は、収納装置10の操作部15を用い、解錠方法の選択画面において解錠方法として「一斉解錠」を選択した場合には(ステップS506/No)、操作部15はその「一斉解錠」の選択信号を制御部物11へ出力する。
【0130】
制御部11は、上記「一斉解錠」の選択信号が入力されると、事業者DB122を参照し、上記認証媒体IDに対応する事業者に割り当てられている全てのボックス番号の情報を抽出し、これら抽出したボックス番号の収納ボックスを解錠する解錠信号を収納部16へ出力する(ステップS513)。
【0131】
また、制御部11は、事業者DB122において上記認証媒体IDと対応付けられている事業者IDを抽出し、当該事業者IDと解錠信号に示されるボックス番号とを、現在時刻に対応付けて、収納ボックスの利用履歴として収納ボックスDB124に書き込む(ステップS510)。
【0132】
収納部16は、上記解錠信号が入力されると、当該解錠信号に示されている全てのボックス番号の収納ボックスを解錠する(ステップS511)。
このとき、当該収納ボックスの扉は解錠とともに自動的に開扉されてもよい。
事業者は、解錠された収納ボックスから衛生用品を取り出したり、収納ボックス内の点検を行ったりする。
図6の例で説明すると、事業者DB122は、収納装置10のボックス番号1~29のうち、事業者Aにはボックス番号1~10の収納ボックスが割り当てられていることを管理している。
例えば、当該事業者が事業者Aであり、「一斉解錠」を選択した場合、収納部16は、事業者Aに割り当てられているボックス番号1~10の収納ボックスを全て解錠する。
【0133】
事業者は、収納ボックスの点検等を行った後、当該収納ボックスを閉扉する。
収納部16は、上記収納ボックスが閉扉されると、当該収納ボックスを施錠する(ステップS512)。
以上で、一斉解錠の動作が終了する。
【0134】
以上説明したように、事業者は、認証媒体42を用いて収納装置10に関して認証を行い、当該認証が成功し、「個別解錠」又は「一斉解錠」を選択すると、収納装置10は、事業者自身に割り当てられている収納ボックス、すなわち、事業者自身の組織に所属するユーザに割り当てられている収納ボックスのうち該当するもの又は全てを解錠する。
従って、事業者は、自身に割り当てられている収納ボックスの強制解錠や、収納ボックス内の一斉点検等を容易に行うことが可能となる。
【0135】
個別・一斉
(6)管理者が収納ボックスの解錠を行うときの動作
管理者も事業者と同様に収納装置10の収納ボックスの個別解錠又は一斉解錠を行うことができる。
以下、管理者が収納ボックスの個別解錠又は一斉解錠を行うときの収納装置10の動作について事業者の場合との相違点のみ説明する。
管理者は、認証媒体43を操作部15と接近させると、操作部15が認証媒体43に記録されている管理者ID及び認証情報を読み取り、制御部11は、その読み取られた管理者ID及び認証情報に基づいて認証を行う。
このときの認証処理は、管理者が事業者用の認証媒体42を登録する際と同様である。
制御部11は、認証が成功すると、事業者の場合と同様に、ボックス画面情報を表示部14に表示させる。
ここで、管理者は、操作部15を用いて「個別解錠」、「一斉解錠」に加えて、「事業者グループ解錠」を選択することができる。
上記「個別解錠」は、管理者が収納装置10の全ての収納ボックスのうち1つ又は複数を選択して解錠を要求する。
上記「一斉解錠」は、管理者が収納装置10の全ての収納ボックスの解錠を要求する。
上記「事業者グループ解錠」は、管理者が収納装置10の全ての収納ボックスのうち、収納ボックスが割り当てられている事業者単位で1つ又は複数を選択して解錠を要求する。
【0136】
図6の例で説明すると、事業者DB122は、収納装置10のボックス番号1~29のうち、事業者Aにはボックス番号1~10の収納ボックスが割り当てられ、事業者Bにはボックス番号11~22の収納ボックスが割り当てられ、事業者Cにはボックス番号23~29の収納ボックスが割り当てられていることを管理しており、これが反映されてボックス画面情報が表示されている。
例えば、管理者は、操作部15を用いて、「事業者グループ解錠」を選択し、「事業者A」を選択すると、収納部16は、事業者Aに割り当てられているボックス番号1~10の収納ボックスを全て解錠する。
【0137】
このように、管理者は、収納装置10の全ての収納ボックスの個別解錠及び一斉解錠を行うことに加え、事業者に割り当てられている収納ボックスについて事業者単位で解錠を行うこともできるので、収納ボックスの点検等を容易に行うことが可能となる。
【0138】
(7)管理者が収納装置10を用いて事業者の情報の変更又は削除を行うときの動作
図21は、本発明の第1の実施の形態において、管理者が収納装置10を用いて、事業者の情報の変更又は削除を行うときのサニタリー収納システムの動作の流れを示すシーケンスチャートである。
以下、本図に沿って、管理者が収納装置10の管路登録部17を操作して、事業者の情報の変更又は削除を行うときのサニタリー収納システムの動作について説明を進める。
【0139】
例えば、既に当該衛生用品の保管サービスを利用している事業者が、認証媒体42の認証情報(認証媒体ID)等の変更や、利用可能な収納ボックスの範囲の変更を希望している場合には、ユーザDB121や事業者DB122に登録済みの解錠用の認証情報を変更する必要がある。
また、既に当該衛生用品の保管サービスを利用している事業者が、当該サービスの利用を今後停止する場合には、事業者DB122に登録済みの収納ボックスを削除して、当該事業者及びその組織に所属するユーザが今後収納ボックスを解錠することができないようにする必要がある。
管理者は、上記のような場合に、収納装置10の設置場所を訪れ、ユーザDB121及び事業者DB122の情報の変更又は削除を行う。
【0140】
まず、管理者は、自身の認証媒体43を携帯して、収納装置10の設置場所を訪れる。
管理者は、認証媒体43を操作部15にかざす等して、認証媒体43と操作部15とが互いに通信可能な距離まで接近すると、認証媒体43は、収納装置10から送信される電磁波を受信する(ステップS701)。
すると、認証媒体43は、自身に記録されている管理者ID及び管理用の認証情報を収納装置10へ送信する(ステップS702)。
操作部15は、上記認証媒体43から送信された管理者ID及び管理用の認証情報を読み取り、当該読み取った管理者ID及び認証情報を示す信号を制御部11に入力する(ステップS703)。
【0141】
制御部11は、上記管理者ID及び認証情報を示す信号が入力されると、管理者DB123において、当該管理者ID及び認証情報が互いに対応付けられて格納されているか否かを判断する(ステップS704)。
ここで、制御部11は、互いに対応付けられて格納されていないと判断した場合(ステップS704/No)、認証失敗と判断し、認証媒体42の情報の登録等を許可せずに動作を終了する。
【0142】
一方、制御部11は、互いに対応付けられて格納されていると判断した場合には(ステップS704/Yes)、認証成功と判断し、管理操作部17の扉を解錠する解錠信号を管理操作部17へ出力する(ステップS705)。
【0143】
管理操作部17は、上記解錠信号が入力されると、自身に備えられている施解錠装置を作動させて、自身を遮蔽している扉の錠を解錠する(ステップS706)。
このとき、当該扉は解錠とともに自動的に開扉されてもよい。
【0144】
管理者は、扉が開扉され、使用が可能となった管理操作部17を操作し、今回の利用目的(「変更」又は「削除」)と、変更又は削除の対象となる事業者の事業者IDと、変更又は削除する内容等を入力する(ステップS707)。
【0145】
管理操作部17は、上記入力された認証情報等を示す信号を制御部11へ出力する(ステップS708)。
【0146】
制御部11は、上記信号が管理操作部17から入力されると、事業者DB122において、当該信号に示される内容の情報の変更又は削除を実行する(ステップS709)。
【0147】
ステップS709において、管理制御部17により入力された該信号が示す利用目的が「変更」であり、管理制御部17により事業者の事業者ID、認証媒体42の認証媒体ID又はボックス番号が新たに入力されたときには、制御部11は、事業者DB122において該当する情報の変更を行う。
例えば、ボックス番号が新たに入力された場合には、当該事業者が利用可能な収納ボックスの範囲が変更される(拡大又は縮小を含む)。ここで、管理操作部17が、事業者が利用可能な収納ボックスの数を「0」と変更する情報を入力した場合には、実質的に当該事業者による衛生用品の保管サービスの利用が停止する。
【0148】
ステップS709において、管理制御部17により入力された該信号が示す利用目的が「削除」であり、その削除対象の情報(事業者の事業者ID、認証媒体42の認証媒体ID又はボックス番号等)が指定されたときには、制御部11は、事業者DB122において該当する情報の削除を行う。
例えば、事業者ID又は認証媒体42の認証媒体IDが削除された場合には、当該事業者は、衛生用品の保管サービスの利用が不可能となる。
【0149】
また、上記の通り、制御部11は、事業者DB122における事業者の情報(事業者ID,認証媒体42の認証媒体ID,利用可能な収納ボックスのボックス番号)の変更又は削除を行うと、これに対応して、ユーザDB121においても変更又は削除を行う(ステップS710)。
例えば、制御部11は、事業者DB122において、事業者の事業者ID又は認証媒体43の認証媒体IDの削除を行った場合、ユーザDB121において、当該事業者に割り当てられている収納ボックスのボックス番号に対応付けられている認証媒体41の認証媒体ID等を削除する。これにより、当該認証媒体41を所有するユーザは収納ボックスの解錠が不可能となる。
また、制御部11は、事業者DB122において、事業者に割り当てられる収納ボックスの範囲の変更又は削除を行い、その結果、ボックス番号の削除を行った場合、当該事業者DB122で削除したボックス番号をユーザDB121においても削除する。これにより、当該ボックス番号の収納ボックスについては、ユーザは解錠が不可能となる。
一方、制御部11は、事業者DB122において、事業者に割り当てられる収納ボックスの範囲の変更を行い、その結果、ボックス番号が新たに割り当てられた場合、事業者は、上述の登録方法により、認証媒体41の登録を行うことができる。
【0150】
管理者は、ユーザDB121,事業者DB122における変更又は削除の作業が終了すると、管理操作部17の扉を閉扉する。
管理操作部17の施解錠装置は、上記扉が閉扉されると、当該扉を施錠する(ステップS711)。
【0151】
その後、制御部11は、上記変更又は削除されたユーザDB121,事業者DB122の情報を抽出し、通信部13に管理サーバ20へ送信させる(ステップS712)。
【0152】
管理サーバ20の通信部23は、上記変更又は削除された情報を収納装置10から受信すると、制御部21は、当該受信した変更又は削除された情報をユーザDB221,事業者DB222に反映させ、ユーザDB121,事業者DB122と同様に変更又は削除を実行する(ステップS713)。
このようにして、ユーザDB121,221間の同期と、事業者DB122,222間の同期がとられる。
以上で、動作が終了する。
【0153】
このように、管理者は、収納装置10の管理操作部17を操作することにより、ユーザDB121,221と、事業者DB122,222の情報の変更又は削除を容易に行うことができる。
【0154】
(8)事業者が収納装置10を用いて認証媒体41の情報の削除を行うときの動作
図22は、本発明の第1の実施の形態において、事業者が収納装置10を用いてユーザDB121,221の情報の削除を行うときのサニタリー収納システムの動作の流れを示すシーケンスチャートである。
以下、本図に沿って、事業者が収納装置10の管路登録部17を操作して、ユーザDB121,221の情報の削除を行うときのサニタリー収納システムの動作について説明を進める。
【0155】
まず、事業者は、自身の認証媒体42とともに、削除しようとしているユーザの認証媒体41を携帯して、収納装置10の設置場所を訪れる。
【0156】
事業者は、収納装置10の設置場所を訪れ、認証媒体42を操作部15にかざす等して、認証媒体42と操作部15とが互いに通信可能な距離まで接近すると、認証媒体42は、収納装置10から送信される電磁波を受信する(ステップS801)。
すると、認証媒体42は、自身に記録されている認証媒体IDを収納装置10へ送信する(ステップS802)。
操作部15は、上記認証媒体42から送信された認証媒体IDを読み取り、当該読み取った認証媒体IDを示す信号を制御部11に入力する(ステップS803)。
【0157】
制御部11は、上記認証媒体IDを示す信号が入力されると、事業者DB122において、その認証媒体IDが認証媒体42の認証情報として登録されているか否かを判断する(ステップS804)。
ここで、制御部11は、認証媒体IDが登録されていないと判断した場合(ステップS804/No)、認証失敗と判断し、認証媒体41の情報の削除を許可せずに動作を終了する。
【0158】
一方、制御部11は、認証媒体42の認証媒体IDが事業者DB122に登録されていると判断した場合には(ステップS804/Yes)、認証成功と判断し、続く認証媒体41の情報の削除処理を許可する。
【0159】
次に、事業者は、操作部15を操作し、今回の利用目的である「ユーザ用の認証媒体41の削除」を入力する(ステップS805)。
【0160】
次に、事業者は、これから削除しようとするユーザ用の認証媒体41を操作部15にかざす等して、認証媒体41と操作部15とが互いに通信可能な距離まで接近すると、認証媒体41は、収納装置10から送信される電磁波を受信する(ステップS806)。
すると、認証媒体41は、自身に記録されている認証媒体IDを収納装置10へ送信する(ステップS807)。
操作部15は、上記認証媒体41から送信された認証媒体IDを読み取り、当該読み取った認証媒体IDを示す信号を制御部11に入力する(ステップS808)。
制御部11は、当該入力された信号に示される認証媒体IDを一時的に情報格納部12に記憶する。
【0161】
事業者は、削除対象の認証媒体41を所有している場合には、上記のように認証媒体41に記録されている認証媒体IDを収納装置10に直接読み取らせてもよいが、当該認証媒体41を紛失した等、手元にない場合には、操作部15のキーやボタンを用いて、該当する認証媒体IDやユーザIDを入力するようにしてもよい。
この場合、情報格納部12は、同様に、入力された認証媒体IDやユーザIDを一時的に記憶する。
【0162】
次に、制御部11は、ユーザDB121において、上記入力された認証媒体41の認証媒体ID又は当該ユーザのユーザIDに対応付けられているユーザの情報を削除する(ステップS809)。
ここで、ユーザDB121において削除されるユーザの情報としては、認証媒体ID又はボックス番号等、削除されることにより当該認証媒体41を使用しても認証が失敗となる情報であればよい。
なお、このとき、制御部11は複数登録されているボックス番号のうち一部を削除し、当該削除処理以降、ユーザにとって一部の収納ボックスのみ解錠不可能となるようにすることもできる。
【0163】
上記ユーザDB121における削除処理が終了した後、制御部11は、上記削除されたユーザDB121の情報を抽出し、通信部13に管理サーバ20へ送信させる(ステップS810)。
【0164】
管理サーバ20の通信部23は、上記登録された情報を収納装置10から受信すると、制御部21は、当該受信した削除に関する情報をユーザDB221に反映させ、ユーザDB121と同様に削除処理を実行する(ステップS811)。
このようにして、ユーザDB121,221間の同期がとられる。
以上で、動作が終了する。
【0165】
このように、事業者は、収納装置10の操作部15を操作することにより、ユーザ用の認証媒体41の情報の削除を容易に行うことができる。
上記削除処理完了後、当該事業者に割り当てられている収納ボックスのうち、いままで当該認証媒体41により解錠が可能であった収納ボックスについて、当該認証媒体41を用いた解錠が不可能となる。
例えば、事業者が経営する会社の社員であるユーザが退社するとき、上記のように認証媒体41の情報の削除処理を行うことにより、当該ユーザが退社後に認証媒体41を用いて衛生用品の保管サービスを利用することを防止することが可能となる。
また、ユーザが認証媒体41を紛失した場合、悪意のある第三者が当該認証媒体41を入手して悪用することを防止することもできる。
【0166】
(9)管理者が管理者端末50を用いて情報の登録、変更又は削除を行うときの動作
上述のように、管理者は収納装置10を直接操作して、事業者の情報の登録、変更又は削除を行うことができる。
これに加えて、管理者は、収納装置10の設置場所を訪れずに、管理者端末50を用いて、遠隔で事業者の情報の登録、変更又は削除を行うこともできる。
【0167】
図23は、本発明の第1の実施の形態において、管理者が管理者端末50を用いてユーザDB121,221の情報の登録、変更又は削除を行うときのサニタリー収納システムの動作の流れを示すシーケンスチャートである。
以下、本図に沿って、管理者が管理者端末50を操作して、ユーザDB121,221の情報の登録、変更又は削除を行うときのサニタリー収納システムの動作について説明を進める。
【0168】
管理者は、管理者端末50の操作部55を操作して、管理者ID及び管理用の認証情報を入力する(ステップS901)。
なお、当該管理者ID及び管理用の認証情報は、予め管理者端末50の情報格納部52に格納されていてもよく、この場合、管理者はあらためて入力する必要はない。
【0169】
上記入力された管理者ID及び認証情報を示す信号が、制御部51に入力される。
制御部51は、上記管理者ID及び認証情報を示す信号が入力されると、当該入力された管理者ID及び認証情報を通信部53に管理サーバ20へ送信させる(ステップS902)。
【0170】
管理サーバ20の通信部23は、上記管理者ID及び認証情報を受信すると、当該管理者ID及び認証情報を示す信号が制御部21に入力される。
制御部21は、上記管理者ID及び認証情報を示す信号が入力されると、当該信号が示す管理者ID及び認証情報が、管理者DB223において、互いに対応付けられて格納されているか否かを判断する(ステップS903)。
ここで、制御部21は、互いに対応付けられて格納されていないと判断した場合(ステップS903/No)、認証失敗と判断し、ユーザDB221及び事業者DB122の情報の登録等を許可せずに動作を終了する。
【0171】
一方、制御部21は、互いに対応付けられて格納されていると判断した場合には(ステップS903/Yes)、認証成功と判断し、ユーザDB221及び事業者DB122の情報の登録等を許可する旨の情報を生成し、通信部23に管理者端末50へ送信させる(ステップS904)。
【0172】
管理者端末50の通信部53は、上記ユーザDB221及び事業者DB122の情報の登録等を許可する旨の情報を管理サーバ20から受信すると、制御部51は、管理者が今回の利用目的(「登録」、「変更」又は「削除」)等の情報の入力を行うことを許可する処理を実行する(ステップS905)。
当該許可する処理の一例としては、制御部51は、上記利用目的等を入力する画面情報を生成し、表示部54に表示させる。
【0173】
次に、管理者は、操作部55を操作し、今回の利用目的(「登録」、「変更」又は「削除」)、登録、変更又は削除の対象となる事業者の情報(事業者ID、事業者名や解錠用の認証情報等)を入力する(ステップS906)。
【0174】
操作部55は、上記入力された利用目的等の情報を示す信号を制御部51に入力する。
制御部51は、上記利用目的等を示す情報を示す信号が入力されると、当該入力された情報を通信部53に管理サーバ20へ送信させる(ステップS907)。
【0175】
管理サーバ20の通信部23は、上記利用目的等の情報を受信すると、当該受信情報を示す信号を制御部21に入力する。
制御部21は、上記利用目的等の情報を示す信号が入力されると、ユーザDB221における当該信号に示される情報の登録、変更又は削除を実行する(ステップS908)。
【0176】
その後、制御部21は、上記登録、変更又は削除されたユーザDB221及び事業者DB122の情報を抽出し、通信部23に収納装置10へ送信させる(ステップS909)。
【0177】
収納装置10の通信部13は、上記登録、変更又は削除された情報を管理サーバ20から受信すると、制御部11は、当該受信した登録、変更又は削除された情報をユーザDB121及び事業者DB122に反映させ、ユーザDB221及び事業者DB122と同様に登録、変更又は削除を実行する(ステップS910)。
このようにして、ユーザDB121,221間と、事業者DB122,222間との同期がとられる。
以上で、動作が終了する。
【0178】
このように、管理者は、管理者端末50を操作することにより、ユーザDB121,221及び事業者DB122,222の情報の登録、変更又は削除を容易に行うことができる。
【0179】
(第1の実施の形態のまとめ)
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態におけるサニタリー収納システムによれば、衛生設備又はその近傍に設置された収納装置10は、当該衛生設備でユーザが使用する衛生用品を施錠可能に収納するので、ユーザは、衛生設備を訪れるとき、衛生用品をわざわざ持参しなくてもよく、また衛生用品の用意を忘れたため衛生設備で使用できないといったことを防ぐことが可能となる。
【0180】
また、本発明の第1の実施の形態におけるサニタリー収納システムによれば、汎用的なICカードや携帯端末を認証媒体41、42として登録することができるので、管理者は収納装置10の解錠用の認証媒体を用意が不要であり、煩雑な手間を省くことが可能となる。
【0181】
また、本発明の第1の実施の形態におけるサニタリー収納システムによれば、管理者は、収納装置10に備えられている複数の収納ボックスを各事業者に自由に割り当て、変更、削除することができるので、収納装置10の収納ボックスを有効活用することが可能となる。
【0182】
また、本発明の第1の実施の形態におけるサニタリー収納システムによれば、事業者は、収納装置10において自身に割り当てられている複数の収納ボックスを各ユーザに自由に割り当て、変更、削除することができるので、収納装置10の収納ボックスを自身の労働環境に合った条件で利用することが可能となる。
【0183】
収納装置10の各収納ボックスは、ユーザ1人用に割り当てられていてもよいし、複数のユーザに割り当てられるようにしてもよい。
例えば、同じ職場や運動サークルに所属する複数人のユーザからなるグループに対し、1つの収納ボックスを割り当てるようにしてもよく、この場合、限られた数の収納ボックスを有効活用することが可能となる。
【0184】
また、収納装置10の各収納ボックスは、既に衛生用品が収納されていても解錠でき、空きスペースがある限り追加して入庫することが可能であるので、限られた収納スペースを有効活用することができる。
【0185】
<第2の実施の形態>
(第2の実施の形態の概要)
上述した第1の実施の形態では、収納装置10の操作部15が認証媒体41,42,43から認証情報(認証媒体ID)を入力すると、制御部11が、当該入力された認証情報について、各データベース121,122,123を参照して認証を行っていた。
これに対し、本発明の第2の実施の形態においては、制御部11は、上記認証情報が操作部15により入力されたことを確認すると、当該入力された認証情報を通信部13に対し管理サーバ20へ送信させる。
管理サーバ20は、認証情報を収納装置10から受信すると、収納装置10に代わって認証を行い、その認証結果を収納装置10へ送信する。
収納装置10は、管理サーバ20から受信した認証結果に基づいて、収納ボックスの解錠、あるいは各種情報の登録、変更又は削除を許可又は禁止する。
【0186】
このように、本発明の第2の実施の形態におけるサニタリー収納システムは、管理サーバ20が、収納装置10に代わって認証処理を実行する。
以下、特記しない限り、本発明の第2の実施の形態における構成及び動作は、第1の実施の形態と同様であるとして、説明を進める。
【0187】
(第2の実施の形態の構成)
管理サーバ20の制御部21は、各データベース221,222,223を参照して、認証処理の実行機能を有する。
各データベース221,222,223は、第1の実施の形態と同様に、各ID、認証情報及び解錠可能な収納ボックスの範囲等を管理している。
【0188】
(第2の実施の形態の動作)
本実施の形態では、収納装置10において、操作部15又は管理操作部17等が、認証情報、各種IDやその他情報を入力すると、その入力信号は制御部11に入力される。
ここで、第1の実施形態では、制御部11はその入力された情報に基づいて認証を行い、認証が成功すると、認証媒体41,42の情報の登録、変更又は削除、あるいは収納部16に収納ボックスの解錠を実行させる。
これに対し、本実施の形態では、制御部11は、上記操作部15又は管理操作部17から入力された認証情報、各種IDやその他情報に基づいて認証処理を実行せずに、これら情報を通信部13に管理サーバ20へ送信させる。
【0189】
管理サーバ20の通信部23は、上記認証情報、各種IDやその他情報を収納装置10から受信すると、これら受信した情報を示す信号を制御部21へ出力する。
制御部21は、これら入力された情報を情報格納部22に格納するとともに、各データベース221~223を参照し、これら情報に基づき、認証処理を実行する。
この管理サーバ20の制御部21による認証処理の内容は、第1の実施の形態における収納装置10の制御部11による認証処理と同様である。
制御部21は、上記認証処理が完了すると、当該認証結果を示す情報(認証結果情報)を収納装置10へ送信する。
【0190】
収納装置10は、上記認証結果情報を管理サーバ20から受信し、当該受信した認証結果情報に示される認証結果が成功である場合には、各種処理を実行する。
ここで、各種処理とは、第1の実施の形態において、収納装置10が管理者、事業者又はユーザに対して実行するあらゆる処理をいい、例えば、認証媒体41,42の情報の登録、変更又は削除、あるいは収納ボックスの解錠処理等を含む。
以上で、サニタリー収納システムは動作を終了する。
【0191】
(第2の実施の形態のまとめ)
以上説明したように、本実施の形態では、収納装置10が、認証媒体41,42,43から認証情報等を読み取って入力したり、操作部15又は管理操作部17から情報の入力を受け付けたりした後、これら入力した情報に基づいて収納装置10自体が認証処理を実行せずに、これら情報を管理サーバ20へ送信し、管理サーバ20が認証処理を実行し、収納装置10は、管理サーバ20から取得した認証結果に基づいて、認証媒体41,42の情報の登録、変更又は削除、あるいは収納ボックスの解錠処理等を実行する。
従って、収納装置10自体は認証処理を実行しないため、収納装置10の制御部11のCPU等にかかる処理負担を著しく軽減させることが可能となる。
【0192】
<実施の形態のまとめ>
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態におけるサニタリー収納システムによれば、衛生設備又はその近傍に設置された収納装置10は、当該衛生設備でユーザが使用する衛生用品を施錠可能に収納するので、ユーザは、衛生設備を訪れるとき、衛生用品をわざわざ持参しなくてもよく、また衛生用品の用意を忘れたため使用できないといったことを防ぐことが可能となる。
【0193】
また、本発明の第2の実施の形態におけるサニタリー収納システムによれば、管理サーバ20は収納装置10に代わって認証処理を実行し、収納装置10はその認証結果情報を管理サーバ20から受信して、認証媒体41,42の情報の登録、変更又は削除、あるいは収納ボックスの解錠処理を実行するので、収納装置10における認証処理の負担を著しく軽減させることが可能となる。
【0194】
上記の収納装置10、管理サーバ20及び管理者端末50は、主にCPUとメモリにロードされたプログラムによって実現される。ただし、それ以外の任意のハードウェアおよびソフトウェアの組合せによってこの装置またはサーバを構成することも可能であり、その設計自由度の高さは当業者には容易に理解されるところである。
また、上記の収納装置10、管理サーバ20又は管理者端末50をソフトウェアモジュール群として構成する場合、このプログラムは、光記録媒体、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、または半導体等の記録媒体に記録され、上記の記録媒体からロードされるようにしてもよいし、所定のネットワークを介して接続されている外部機器からロードされるようにしてもよい。
【0195】
以上説明した第1,第2の実施の形態では、収納ボックスの解錠用の認証情報は認証媒体41に、管理用の認証情報は認証媒体42にそれぞれ記録されており、操作部15に備えられた情報読取装置がこれら認証情報を近距離無線通信等を用いて読み取るよう構成されていたが、認証情報の種類及び認証情報の入力方法については、これに限定されず、あらゆる公知の先行技術を適用することができる。
例えば、認証情報は複数の文字や数字の組み合わせに等によるパスワードであってもよい。この場合には、ユーザ又は管理者は操作部15が備えるキー等を操作することにより、認証情報を入力する。
また、認証情報は指紋、静脈、顔の形状又は彩光等の生体情報であってもよい。この場合には、操作部15は生体情報の読取装置を有しており、当該生体情報の読取装置がユーザ又は管理者の生体情報を読み取る。
また、上記認証情報に替えて、通常の金属等で構成される物理的なキーであってもよく、この場合、ユーザは、各収納ボックスに設けられている鍵穴に当該鍵を挿入して解錠する。管理者は、管理操作部17の扉に設けられている鍵穴に当該鍵を挿入して解錠する。
【0196】
以上説明した第1,第2の実施の形態では、管理操作部17は、通常、施錠された扉に遮蔽され、管理操作部17の各種キーを操作できないよう構成されていたが、管理操作部17の使用を制限できるものであれば、上記扉による遮蔽に限定されない。
例えば、認証成功時にはじめて管理操作部17のキー操作が可能になるような構成でもよいし、当該キーがタッチパネル上に現出されるような構成でもよい。
【0197】
また、以上説明した本発明の第1,第2の実施の形態におけるサニタリー収納システムは、収納装置10を単数有するものであったが、複数有するよう構成してもよい。この場合、管理サーバ20は、複数の収納装置10の各データベースの情報をそれぞれ管理する。
【0198】
また、以上説明した本発明の第1,第2の実施の形態によれば、管理者は商業ビル全体の管理者、事業者は当該商業ビルの各テナントで事業を行う事業者であったが、これはあくまで一例であり、当該例に限定されない。
上記管理者は、サニタリー収納システムの管理者であればよい。
また、上記事業者は、事業を行うものに限定されず、複数のユーザが所属するグループであればよい。当該グループの例としては、企業や店舗等の商業的なグループの他、公共団体、教室、部活、サークル、学級、研究室、居住施設等の複数のユーザが所属するグループ等があげられる。
【符号の説明】
【0199】
10 収納装置
11,21,51 制御部
12,22,52 情報格納部
13,23,53 通信部
14,54 表示部
15,55 操作部
16 収納部
20 管理サーバ
41,42 認証媒体
50 管理者端末
100 ネットワーク
121,221 ユーザDB
122,222 収納ボックスDB
123,223 管理者DB